サムスン電子が消費者家電とモバイル部門を統合、新共同CEO・CFOを発表

Samsung Electronics(サムスン電子)は、モバイル(IM)とコンシューマーエレクトロニクス(CE)事業部門を統合し、現地時間12月7日から3つの主要部門のリーダーを入れ替えると発表した。こうした大規模な経営陣刷新は2017年以来となる。

CE部門のビジュアルディスプレイ事業を統括していたJong-Hee (JH) Han(ハン・ジョンヒ、韓宗熙)氏は、副会長兼共同CEOに昇格し、新たに統合されたモバイル・家電部門(SET部門)を率いる。同氏は、引き続きビジュアルディスプレイ事業の責任者を務める。

過去15年間、世界のテレビ販売で同社がトップの座を獲得する上で重要な役割を果たしたハン氏は「SET部門の異なる事業部間のシナジーを強化し、新事業・新技術の推進に貢献すると期待される」とサムスンは述べている。

また、サムスン・エレクトロ・メカニクスのCEOであるKehyun Kyung(キョン・ゲヒョン、慶桂顕)氏は、サムスン電子の共同CEOに就任し、半導体と部品部門にまたがるデバイスソリューション(DS)部門を率いることになった。

テック巨人である同社は本発表で、新しいリーダーシップが「今後の成長の新たな局面をリードし、事業競争力を強化する」ことに貢献すると述べている。

モバイルとコンシューマーエレクトロニクスの2つの主要部門の統合は、構造を簡素化し、半導体事業により集中するための動きと見られている。

今回の大規模な再編の発表は、同社の副社長であり事実上のリーダーであったJay Y. Lee(イ・ジェヨン、李在鎔)氏が8月に仮釈放されてから約4カ月後に行われた。

サムスンは11月、テキサス州テイラーに170億ドル(約1兆9300億円)規模の米国半導体工場を建設する計画を発表し、今後3年間で半導体、AI、ロボット、バイオファーマなどを含む2050億ドル(約23兆2900億円)規模の投資を行う計画を打ち出した。

また、副会長でDS部門長であったKinam Kim(キム・ギナム、金奇南)氏は、Samsung Advanced Institute of Technology(SAIT、サムスン総合技術院)の会長に就任した。さらに同社は、今回の事業再編の一環として、DS部門に所属していたHark Kyu Park(パク・ハッキュ、朴学圭)氏を新CFOに任命した。

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(文:Kate Park、翻訳:Aya Nakazato)

サムスンが約2兆円でテキサス州テイラーに先端半導体工場建設を発表

Samsung Electronics(サムスン電子)は米国時間11月23日、先端ロジックデバイスを生産する半導体ウェハー製造工場をテキサス州テイラーに新設することを決定した、と発表した。

推定170億ドル(約1兆9580億円)の今回の投資は同社にとって米国における最大の投資となり、新工場がフル稼働すれば約2000人の新規直接雇用と数千人の関連雇用が創出される見込みだ。今回の投資により、Samsungが1978年に米国で事業を開始して以来、米国での投資総額は470億ドル(約5兆4140億円)超となる。

テイラー工場は、オースティンに現在あるSamsungの製造拠点から約16マイル(約25キロ)のところにあり、韓国・平沢の最新の新生産ラインとともに、Samsungのグローバルな半導体製造能力の重要な拠点になると期待されている。

テイラー新工場では、モバイル、5G、高パフォーマンス・コンピューティング(HPC)、人工知能(AI)などの高度なプロセス技術に基づく製品を製造する。

今回のSamsungの決定は、世界的な半導体不足が自動車や電子機器といった産業を弱らせているの中でのものだ。

同社は、先端半導体製造をよりアクセスしやすいものにし、急増する半導体製品需要に応えることで、世界中の顧客をサポートすることに引き続き注力すると述べた。

同社は、500万平方メートルを超えるテイラー工場の建設を2022年の第1四半期に開始し、2024年下半期の生産開始を目指す。

Samsung Electronicsのデバイスソリューション部門の副会長兼CEOであるKinam Kim(キナム・キム)氏は「テイラーに新しい施設を設けることで、Samsungは自社の未来における新たな重要な章のための基礎を築いています」と述べた。「製造能力の向上により、顧客のニーズにより良く応えることができ、世界の半導体サプライチェーンの安定に貢献することができます。当社はまた、米国で半導体製造を開始してから25周年を迎えるにあたり、より多くの雇用をもたらし、地域社会のトレーニングや人材育成を支援できることを誇りに思っています」。

製造工場の候補地として米国内の複数の場所を検討した結果、地元の半導体エコシステム、インフラの安定性、地元政府の支援、地域開発の機会など、複数の要素を考慮してテイラーへの投資を決定した。

報道によれば、アリゾナ州、ニューヨーク州、韓国などを候補地として検討したSamsungは、税制面で有利であることを理由にテキサス州ウィリアムソン郡を選んだ。7月にテキサス州当局に提出された書類によると、Samsungはテキサス州テイラーに半導体工場を建設するために(テイラー独立学校区からの)減税措置を申請した。

「Samsungは財政およびその他のインセンティブ(例:インフラやユーティリティーの支援)を通じてプロジェクトをサポートする強力な公的パートナーを求めています。このプロジェクトに関連して、Samsungはテキサス州企業基金からチャプター380およびチャプター381の支援に基づくリベートを求めています。加えて、提案されているプロジェクトの建設と運営を支援するために、特定のインフラやユーティリティーの改善、料金の引き下げ、その他の非現金給付に関連するインセンティブも追求しています」と文書にはある。

Samsungはまた、テイラー独立学校区(ISD)に、学生が将来のキャリア・スキルを身につけるためのサムスン・スキルズ・センターを設立し、インターンシップや採用の機会を提供するための資金援助を行う。

テキサス州のWayne Abbott(ウェイン・アボット)知事は「Samsungのような企業がテキサスへの投資を続けるのは、テキサスの世界クラスのビジネス環境と卓越した労働力のためです。Samsungがテイラーに新設する半導体製造施設は、勤勉なテキサス州中央部の人々とその家族に無数の機会をもたらし、半導体産業におけるテキサス州の継続的な卓越性に大きな役割を果たすでしょう」と述べた。

「テキサス州のパートナーに加えて、最先端の半導体製造を米国で拡大しようとしているSamsungのような企業を支援する環境を整えてくれたバイデン政権に感謝しています」とキム氏は述べた。「我々はまた、米国内の半導体生産とイノベーションに対する連邦政府のインセンティブを迅速に制定するために超党派でサポートした政権と議会にも感謝しています」とも語った。

世界最大の半導体メーカーの1社であるSamsungは8月に、グローバルプレゼンスを強化すべく、今後3年間で半導体、バイオ、IT、次世代通信ネットワークなどの分野に2050億ドル(約23兆6000億円)超の投資を行う計画を明らかにした。

先週、北米を訪れたSamsung Groupの事実上のリーダーであるJay Y. Lee(ジェイ・Y・リー)氏はワシントンD.C.で米政府関係者と面会し、第2の半導体工場と半導体のサプライチェーンについて協議した。リー氏はまた、ビジネス上の結びつきを強化するため、Microsoft(マイクロソフト)CEOのSatya Nadella(サティア・ナデラ)氏、Moderna(モデルナ)やVerizon Wireless(ベライゾン・ワイヤレス)の幹部などハイテク企業のリーダーたちとも会談した。

Intel(インテル)は最近、アリゾナ州で2つの新しい半導体製造工場の建設に着手した。同時に、TSMCは120億ドル(約1兆3810億円)を投じるチップ工場の建設をアリゾナ州で開始し、10月には日本初の半導体工場の建設計画を発表した。また、Texas Instruments(テキサス・インスツルメンツ)は、テキサス州シャーマンに新たに4つの半導体製造工場を建設する投資計画を発表した。

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(文:Kate Park、翻訳:Nariko Mizoguchi

悪条件下でも使える短波長赤外線を利用するセンサーの商業化を目指すTriEye、インテル、サムスン、ポルシェが支援

イスラエルのスタートアップ企業TriEyeは、悪条件下での自律走行システムや運転支援システムの視認性向上に役立つセンシング技術を商業化するため、7400万ドル(約84億円)を調達した。

その技術は、波長の短い赤外線、すなわち短波長赤外線(Short-wavelength infrared、SWIR)を利用する。赤外線なので人間の可視波長域にはない。SWIRによるセンシング技術は以前から存在するが、コストが高くつくため航空宇宙や防衛産業に限られていた。TriEyeによれば、同社はそのコストを大幅に下げて、今日のスマートフォンや自動車で使われているカメラ程度の費用にし、また市場にある他のタイプのセンサーよりも高性能だという。

そのイノベーションはCTOのUriel Levy(ウリエル・レビー)氏がヘブライ大学に在籍していた10在職中の10年以上の間に研究、開発したもので、TriEyeはそのSWIR技術の商用化と市場化を目指している。

CEOのAvi Bakal(アヴィ・バカル)氏によると、SWIRはこれまでの視覚システムにさらにもう1つの情報のレイヤーを加える(tri-eyeは「3つの目」の意)ので、それにより人は「可視物以上のもの」を見ることができる。

「センシングは至るところにあります。どのような産業でも、それは工程を編成し分析するための必須の部分です。しかし現在では、全体的なパフォーマンスと意思決定の向上に役に立つような、必要不可欠なデータの提供能力が視覚システムの市場にはありません」とバカル氏はいう。

TriEyeの創業者ウリエル・レビー氏、アヴィ・バカル氏、Omer Kapach(オメル・カパック)氏(画像クレジット:TriEye)

TriEyeはSWIRと同社独自の光源技術を使って、sedar(spectrum enhanced detection and ranging、 スペクトル強化検出測距)と呼ぶセンサーを開発した。同社によるとsedarは、高度な運転者補助や自動運転のシステムが必要とする像と深さに関するすべてのデータを提供する。ゆえにそれは、今日の高度な運転者補助や自動運転システムが利用しているカメラやレーダーやLiDARなどを使う従来的なセンシング系をリプレースできる。

TriEyeの技術は、カメラやライダーに比べてコストが安いことも大きなアドバンテージだ。バカル氏によると「マスマーケットが採用するためにはその点が欠かせません。最もシンプルなクルマから高級車まで、すべてに対応することが目標です」。

TriEyeのSWIRセンサーはCMOS半導体を使っている。同社はすでに大手のCMOSファウンドリ数社と提携して、今後の年産数百万という市場のニーズに備えている。また大手OEM数社とも、sedarを共同で商用化し搭載する具体的な車種の話し合いに入っているが、詳細はまだ明かされない。

同社のメインのターゲットは自動車業界だが、狙っているのは自動車だけではない。SWIRによるセンシングの性能は食品の検品や素材の検出にも向いている。また、バイオメトリクスや監視システムにも適している。

TriEyeがSWIRの市場を非常に大きく捉えているので、大手の投資家たちも関心を持ち始めた。その中にはIntelやPorscheの投資部門もいる。どちらも、2019年のTriEyeのシリーズAに参加した。

今回の最新の投資ラウンドはM&G InvestmentsとVarana Capitalがリードし、Samsung VenturesとTawazun SDF、Deep Insight、Allied Group、Discount Capital、そしてこれまでの投資家であるIntel CapitalやPorsche Ventures、Marius Nacht、そしてGrove Venturesが参加した。これでTriEyeの調達総額は9600万ドル(約109億円)になった。

画像クレジット:TriEye

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Hiroshi Iwatani)

米商務省への半導体データ提供、韓国サムスン・SKが11月8日の期限までに提出

韓国のSamsung Electronics(サムスン電子)SK Hynix(SKハイニックス)が、一部の半導体データを米国政府に開示すると、韓国企画財政部(財務省に相当)が発表した。

企画財政部が米国時間7日に発表した声明によると、韓国に拠点を置くチップメーカー各社は、内部データを米国に引き渡す「任意提出」を準備しているという。

しかしロイターの報道によると、SamsungとSK Hynixは、ワシントンにデータを提出するにあたり、企業秘密を守るために機密情報は提供しないとのこと。地元メディアも、世界の2大メモリーチップメーカーである両社は米当局に「部分的に従う」と報じている

米商務省は9月23日、世界の半導体メーカーおよび自動車メーカーに対し、チップの在庫、販売、注文、顧客情報などのサプライチェーンに関するアンケート調査を「任意で」実施した。提出期限は11月8日だ。

Gina Raimondo(ジーナ・ライモンド)商務長官は、9月にロイターとのインタビューでこう述べていた。「我々は、彼らがデータを提供することを要求する他のツールを持っています。そのようなことにならないことを願っています」。しかし、企業が自主的な要請に応じなかった場合、「必要であれば、要求します」とも。

ライモンド氏は、自主的な情報提供の目的は、世界的な半導体不足の中で、グローバルサプライチェーンのボトルネックを特定し、課題を予測するための透明性を高めることにあると述べている。

世界的なチップ不足は、自動車、コンピューター、携帯電話、家電などの複数の分野に被害を及ぼしている。4月には、チップ不足の解決策を議論するために、グローバルなハイテク企業や自動車メーカーの幹部がホワイトハウスで会議を行った。

匿名の業界情報筋によると、半導体メーカーにとっては、この要求に従う以外の選択肢はないようだ。

経済財務省の声明によれば、韓国のチップメーカー各社は、データ提出問題について韓国政府と協議したという。

韓国企画財政部は、同国政府は米国との半導体サプライチェーンのパートナーシップを強化し、11月8日の期限後も米国側との緊密なコミュニケーションを継続するとしている。

10月には、世界最大の半導体製造ファウンドリであるTaiwan Semiconductor Manufacturing(台湾積体電路製造、TSMC)が、顧客の詳細情報を含まない回答をすでに米国に提出したと発表した。

SamsungとSK Hynixにコメントを求めたが、回答は得られなかった。

画像クレジット:Torsak Thammachote / Shutterstock

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(文:Kate Park、翻訳:Aya Nakazato)

10月のアップル、グーグル、サムスンのビッグイベントに期待すること

ハードウェアの季節が来週、劇的なフィナーレを迎えようとしている。Apple(アップル)、Google(グーグル)、Samsung(サムソン)の順に、来週は大きなイベントが開催され、来るべきホリデーシーズンに向けて、最後の(望むらくは)大きな発表が行われる。

これは、あなたの身近なハードウェアエディターやTechCrunchのスタッフの多くが、これから数週間、あらゆる種類のガジェットについて記事を書いたり、レビューしたりして忙しくなるということだ。その前に、噂、リーク、消去法を組み合わせ、来週何が出てくるのかについてある程度の情報を得た。

特に、AppleとSamsungについては、消去法が使える。両社とも、最近大きな製品を発表しており、新しい製品ラインがない限り、次に来るものを三角法で予測できる。一方、Googleは、米国時間10月19日に何を予定しているかを概ね発表済みだ。

以下、時系列に沿って説明する。

Apple MacBook Proのシルバーキーボード。ブルーを背景にしたMacのクローズアップ

Appleは、米国時間太平洋時間10月18日午前10時(日本時間10月19日午前2時)に発表を行う。iPhone、Apple Watch、iPadの新製品を発表した同社の直近のイベントから1カ月ほど。だが、そこにはある大きな製品群が欠落していた。Macの新製品が見当たらないのだ。macOS Montereyのリリースが間近に迫っていることに加え、同社はすでにすべての製品を自社製シリコンにアップグレードする計画を発表しており、直近のイベントではその不在を実感した。

プレスリリースのような形で発表するのではないかと思われたが、そうではなく、AppleはMacにスポットライトを当てることを選んだようだ。以前も指摘したが、企業は一般的に、1つのイベントに必ずしもすべてを詰め込む義務はない。今や、世界中から飛行機を使って参加してもらうようなことはしていないからだ。この考え方を自社の都合のいいように解釈している企業もあるが、今回は当てはまらないと思う。少なくとも、私たちはMacに関する以下のようなビッグニュースを期待している

  • 新しいMacBook Pro(13インチと16インチ)
  • 新しいMac Mini
  • 27インチのiMac

画像クレジット:Brian Heater

最初の2つのモデルは、実質的には2020年のM1モデルに置き換わるもので、中身はほぼ同じだ。ただし、高速なM1Xチップが搭載される予定で、それに伴いハードウェアも一新される可能性がある。一方、27インチのiMacは、24インチのモデルを強化し、よりプロ向けのシステムとして提供される。

また、エントリーモデルのAirPodsも、音質とデザインの改善が図られるといわれているが、アクティブノイズキャンセリング機能は搭載されない。

画像クレジット:Google

新しいチップといえば、Googleグーグルはすでに自社製のTensorチップについて明かす計画を発表しており、Qualcomm(クアルコム)に代え自社製シリコンを採用する最新の企業となった。このチップは、新しいPixel 6とProモデルに搭載される。これらの端末はデザインを一新し、スマートフォンの競争の中での製品ラインの生き残りを図る。

Googleはイベントに先立ち、Pixel 6とProの製品ページを公開した。最初の発表については、Gregの記事を参照して欲しい。

  • ベースとなる6はマットなアルミニウム仕上げで6.4インチのディスプレイが、Proは光沢のあるアルミ光沢仕上げで6.7インチのディスプレイが搭載される。
  • Pixel 6には2つのカメラ(ワイドとウルトラワイド)が搭載され、6 Proには望遠ズームレンズが加わる。
  • 流行りの「カメラバンプ」がなくなることを期待する向きがあったかもしれないが、そうはならない。GoogleのRick Osterloh(リック・オステロー)氏は、優れたセンサーやレンズは小さなパッケージには収まらないと指摘する。

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最近のリーク情報から、カメラシステムの詳細が明らかになった。6では背面に2つ、Proでは3つのカメラが搭載される。どちらも50メガピクセルの広角レンズと12メガピクセルの超広角レンズを搭載し、Proには48メガピクセルの望遠レンズが加わる。このイベントは、10月19日火曜日の米国太平洋時間午前10時(日本時間10月20日午前2時)に開催される。

画像クレジット:Brian Heater

10月20日水曜日に開催されるSamsungのイベントは、3つのイベントの中で最も予想がつかないが、これまでの同社製品に関するリークの傾向を考えると、あまりいうべきことはない。先日、新しいフォルダブルが発表されたが、2022年2月から3月のMWCあたりまでは、もうGalaxy Sのデバイスは出てこないと思われる。PCやタブレットが妥当なところだろうか。しかし、今回の招待状の鮮やかな色がヒントになるかもしれない。このイベントは、10月20日水曜日の太平洋時間午前7時(日本時間10月20日午後23時)に始まる。

画像クレジット:Bloomberg / Getty Images:

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(文:Brian Heater、翻訳:Nariko Mizoguchi

チップ不足の影響が出始めたスマートフォン売上は6%減

Canalysが米国時間10月15日に発表した新しいレポートによると、今四半期の世界のスマートフォン販売台数は6%減少した。世界的なチップ不足が原因だ。

パンデミックはサプライチェーン全体に深刻な悪影響を及ぼしており、特にチップが大きな打撃を受けている。Canalysの主席アナリストであるBen Stanton(ベン・スタントン)氏によると、メーカーはできる限りの対応をしようとしているが、チップ不足は今のところ正真正銘の障害となっている。

「供給面では、チップセットメーカーが需要と供給のギャップを埋めるために、過剰注文を抑制するために価格を引き上げています」とスタントン氏は述べている。「しかし、それにもかかわらず、2022年に入っても不足はまだまだ解消されないでしょう」とも。

こうしたサプライチェーンの問題の結果、この四半期の市場はどうなったのだろうか?上位の常連メンバーは同じポジションを保ち、Samsung(サムスン)は前年と変わらぬ23%と安定したシェアを維持している。一方、Apple(アップル)は3ポイント増の15%となった。Xiaomi(シャオミ、小米科技)は、前年同期比横ばいの14%で3位を維持している。

画像クレジット:Canalys

特に年末商戦に向けて、メーカーはこのような事態を憂慮しているに違いない。Appleは9月末に新型iPhone 13を発売しており、今回の四半期報告には間に合わなかったが、ホリデーショッピングシーズンに合わせて発売したことは間違いない。チップ不足の問題は、その計画に水を差す可能性がある。SamsungもAppleも、モバイル機器用のチップセットを自社で製造しているとはいえ、各社ともチップ部品不足の影響を受けている。

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その結果、製造コストが上昇し続けている2021年、消費者がコストダウンを実感することはないだろうとスタントン氏はいう。その代わりに、購入インセンティブとして、携帯電話と他の機器をセットにして販売するケースが増えるのではないかと予想している。

「ユーザー側は、2021年のスマートフォンの値引きはそれほど積極的ではないと覚悟しておくべきです。しかし顧客の失望を避けるために、利益率に制約のあるスマートフォンブランドは、ウェアラブルやIoTなどの他のデバイスをバンドルして顧客に良いインセンティブを与えることを検討するでしょう」。

CNBCは14日、家電製品や消費財を製造するHisense(ハイセンスグループ)のJia Shaoqian(賈少謙)社長によると、コンシューマーチップの不足はスタントン氏の予測よりもさらに長く、おそらく2~3年は続く可能性があると報じていた。

画像クレジット:Tim Robberts / Getty Images

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(文:Ron Miller、翻訳:Aya Nakazato)

サムスンとハーバード大学がヒトの「脳をコピペ」できる半導体チップの研究を発表

サムスンとハーバード大学が人間の「脳をコピペ」できる半導体チップの研究を発表

VICTOR HABBICK VISIONS/SCIENCE PHOTO LIBRARY via Getty Images

サムスンとハーバード大学の研究者らは、ヒトの脳の仕組みを半導体チップ上で模倣するための新しい方法に関する研究を発表しました。

Nature Electronicsに掲載された論文では、研究では人間の脳が持つ情報処理特性、たとえば消費エネルギーの低さ、学習効率の高さ、環境への適応力、自律的な認知プロセスなどといった仕組みを模倣するためのメモリーデバイスを作る方法が解説されています。

と言っても、われわれ一般人の脳みそではなかなか理解できない話であることは間違いないので、超絶簡略化して説明すると、そのデバイスは、ナノ電極アレイを用いて脳の神経細胞の接続状態をマッピング、複製し、高度に集積した3次元ソリッドステートメモリー網上に再現、各メモリーセルは、マッピングされたニューロンごとの接続強度を反映したコンダクタンス(電気の流れやすさ)を保持します。つまり脳の神経ネットワークをコピペする、というわけです。

脳の中で大量の神経細胞がどのように配線されているかはほとんどわかりません。そのため研究ではチップ上に脳を正確に模倣するのでなく”インスピレーション”によって設計しているとのこと。とはいえ、ナノ電極アレイ技術は神経細胞の電気信号を高感度で効率的に記録可能で、コピー作業、つまり神経の接続状態の抽出もかなり正確にできると研究者は説明しています。

このしくみがうまく機能するなら、自ら新しい概念や情報を吸収し、上京に適応していける本物の脳のようにふるまう人工知能システムの実現がぐっと近づく可能性もあると研究者らは述べています。ただ、人の脳は約1000億のニューロンと、その1000倍のシナプスがあるため、理想的なニューロモルフィックコンピューティングチップを作るには約100兆個ものメモリーセルを用意しなければなりません。もっといえば。それら全てにアクセスして動作させるために必要なコードも必要です。とはいえサムスンの研究は、実際に学習して自律的に思考するAIの実現へ歩を進めるものになるかもしれません。

(Source:Nature Electronics。Via SamsungEngadget日本版より転載)

プレミアムデジタルアート・NFTプラットフォームNiioが約16.4億円調達、サムスンとの戦略的パートナーシップ締結受け

テルアビブを拠点とするデジタルアートプラットフォーム「Niio」は、先週発表されたSamsung Display(サムスン・ディスプレイ)との戦略的パートナーシップにともない、1500万ドル(約16億4000万円)のシリーズAラウンドを調達したことを発表した。

このラウンドは、LVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)とCatterto(キャタルトン)のジョイントベンチャーであるL Catterton(Lキャタルトン)、Entrée Capital、Pico Venture Partnersが共同で主導したもの。さらに、Saga VCをはじめ、一流のアーティスト、アートコレクター、美術館、ギャラリスト、MoMA(ニューヨーク近代美術館)やGuggenheim(グッゲンハイム美術館)などの機関の評議会委員、オンラインギャンブル起業家であり、NFTにも投資しているShalom McKenzie(シャロム・マッケンジー)氏などが参加した。シリーズAの前に、Niioは最初に戦略的エンジェルから800万ドル(約8億7000万円)を調達し、続いて2017年に機関投資家からシードラウンドを行っていた。

Niioは今回の資金を、アーティストコミュニティの拡大と、アプリ対応のサブスクリプション・購入プラットフォームの拡張に使用するとのこと。ブロックチェーンベースのこのプラットフォームには、NFTやその他のデジタルアート資産の取引が可能なマーケットプレイスが含まれる予定だ。

Niioの共同創業者兼CEOであるRob Anders(ロブ・アンダース)氏は、次のように述べた。「デジタルアートは、NFTの爆発的な成長により市場が加速し、主流のメディアとして受け入れられるようになりました。人々がいま経験している変化は、文化にとってここ数十年で最も社会的に重要な瞬間であり、これまでにない方法で新しい種類のアートにアクセスし、スクリーン上で体験できるようになっています」。

Niioの技術は、ユーザーがデジタルアート作品をあらゆるデジタルスクリーン上でストリーミングすることを可能にし、音楽やエンターテインメントのストリーミングサービスがアルバムや映画に対して行ってきたのと同様に、アートとプラットフォーム構築との間のギャップを埋めるものだ。

前出のアンダース氏とOren Moshe(オレン・モシェ)氏によって2014年に設立されたNiioは、アクセシブルなストリーミング配信サービスと、公開マーケットプレイスや個人間取引を通じて、アーティストやギャラリー、コンテンツ所有者から直接、エディション化されたNFTアートワークを購入できる機能を組み合わせています、とアンダース氏はTechCrunchに語った。

Niioは、2021年末にサブスクリプションサービスを開始し、続いてNFTマーケットプレイスを開設する予定だ。これにより、アートの専門家からなるグローバルコミュニティに支えられたNiioは、デジタルアートメディアのための最も包括的なエンド・ツー・エンドのソリューションとなり、プレミアムデジタルアートに誰もがいかなるスクリーンからでも簡単にアクセスできるようになる。

約6000のギャラリー、機関、アーティストからなるグローバルコミュニティにNiioのツールを提供することで、Niioのプラットフォームとブロックチェーンは、アーティストが自分の作品を配信、管理、収益化、保存することを可能にする。

Niioは、クリエイティブコミュニティとアーティストがライフワークを公開、管理、保護する能力を尊重し、サポートするために、すべてのアーティストが同社のツールを永遠に無料で利用できるとしている。

Niioの共同創業者であるモシェ氏はこう述べている。「当社は、何よりもまずアーティストに力を与え、彼らの作品をデジタルで体験し、世界中で入手できるようにするというプラットフォームのビジョンを実現しました。6000人以上のアーティストが、ライフワークの公開、管理、保護、収益化を可能にする当社に信頼を寄せてくれていることに感謝しています」。

アンダース氏によれば、過去2〜3年の間に、約1万社のグローバル企業がNiioのプラットフォームを利用しているという。それらの顧客はギャラリー、美術館、スタジオ、アートスクールなどのアート関係者から、ラグジュアリーブランド、ホテルチェーン、不動産デベロッパーなど多岐にわたっており、プラットフォーム上で提供されている1万5000点のプレミアム作品から厳選されたアートストリームを、30カ国以上の公共スペースや場所で数百万人に向けて配信していると同氏は述べている。

アンダース氏は「スマートテレビは10億台以上の市場があり、当社のパートナーであるサムスンは市場の30~40%を占めているため、当社は『ラストマイル』提案をすることができます」とも語った。

デジタルアートの市場規模は、2025年には約500億~1000億ドル(約5兆4600億〜約10兆9200億円)になると予測されている。

L Catterton Growth FundのマネージングパートナーであるMichael Farello(マイケル・ファレロ)氏はこう述べている。「デジタルアートは、L Cattertonが長年注目してきた分野です。当社はデジタルアートの将来性に非常に期待しており、この分野を継続的に評価した結果、Niioにたどり着きました。サブスクリプションとNFTの両方を提供する彼らのプラットフォームアプローチと、批評家とアーティストのコミュニティで築かれた評判、そしてサムスンとのパートナーシップによる評価が相まって、彼らを市場のリーダーにすることを確信しています」。

画像クレジット:After Indifference by Siebren Versteeg, Commissioned by Niio

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(文:Kate Park、翻訳:Aya Nakazato)

FeliCa対応の折りたたみスマートフォン「Galaxy Z Flip3」国内版、ドコモ・KDDIが10月上旬発売

FeliCa対応の折りたたみスマートフォン「Galaxy Z Flip3」国内版、ドコモ・KDDIが10月上旬発売

サムスン電子ジャパンが「Galaxy Z Flip3」の国内モデルを発表しました。国内版はFeliCaに対応する点などが海外版と異なります。NTTドコモとKDDIが10月上旬に発売予定。価格はドコモ版が14万8896円、KDDI版はのちほど追記します(いずれも税込)

「Galaxy Z Flip3」は、ディスプレイを縦に折ってコンパクトにできるフォルダブルスマートフォンです。ガラケー(フィーチャーフォン)のように、パカパカと開閉して使えます。

前モデル(Galaxy Z Flip)からの進化点としては、画面サイズを維持しつつも本体をわずかに小型化。畳んだ状態のサイズは72.2 x 84.4 x 17.1〜15.9mm、開いた状態では72.2 x 166 x 6.9mmで、重量は183gです。さらにIPX8防水にも対応します。FeliCa対応の折りたたみスマートフォン「Galaxy Z Flip3」国内版、ドコモ・KDDIが10月上旬発売

ディスプレイは6.7インチ フルHD+(2640 x 1080)で、新たに120Hz表示に対応します。

畳んだ際に使用するサブディスプレイも前モデル比で4倍に大型化。1.9インチ 260 x 512解像度の有機ELとなり、時刻や通知の表示だけでなく、ウィジェットなども表示できます。また、カメラのライブビューモニタとしても利用できます。FeliCa対応の折りたたみスマートフォン「Galaxy Z Flip3」国内版、ドコモ・KDDIが10月上旬発売

プロセッサは5nmのオクタコアCPU「Snapdragon 888」を採用。RAMは8GB、ストレージ容量は128GBまたは256GBです。

背面カメラは広角レンズ(画角78°)と超広角レンズ(画角123°)の2眼構成。画素数はいずれも1200万画素で、F値とピクセルサイズはそれぞれF2.2・1.12μm、F1.8・1.4μmです。インカメラは1000万画素で、画角は80°となっています。

ファッション性を訴求

国内版の本体カラーは「ファントムブラック」と「クリーム」の2色展開。サムスンは本端末の魅力を「ファッショナブル・コンパクト」と表現しており、6.7インチ(アスペクト比 22:9)の大画面を、ポケットや小さなカバンに入れて難なく持ち歩ける点をアピールしています。FeliCa対応の折りたたみスマートフォン「Galaxy Z Flip3」国内版、ドコモ・KDDIが10月上旬発売

ファッショナブルをうたう通り、さまざまなケースやカバー、アクセサリーもあわせて国内発売します。FeliCa対応の折りたたみスマートフォン「Galaxy Z Flip3」国内版、ドコモ・KDDIが10月上旬発売

折りたたみスマートフォン「Galaxy Z Fold3」国内版発表、FeliCa対応でドコモ・KDDIが10月上旬発売

折りたたみスマートフォン「Galaxy Z Fold3」国内版発表、FeliCa対応でドコモ・KDDIが10月上旬発売

サムスン電子ジャパンがGalaxy Z Fold3の国内版を発表しました。

折りたたみスマートフォンのGalaxy Zシリーズとして初めてFeliCaを搭載した点などが特徴で、NTTドコモとKDDIが10月上旬以降に発売予定。予約は9月8日より受け付けます。価格はドコモ版が税込23万7600円、KDDI版は後ほど追記します。

Galaxy Z Fold3は、閉じて6.2インチ、開いて7.6インチの折りたたみスマートフォンです。

従来モデルからの進化点としては、スタイラスペンであるS-Penに対応。7.6インチの大画面をキャンバスにして、イラストや図、メモも手書きで残せます。

折りたたみスマートフォン「Galaxy Z Fold3」国内版発表、FeliCa対応でドコモ・KDDIが10月上旬発売
加えて、インカメラも画面内埋め込み式となり、本機を開いた状態では、一見するとインカメラがどこにあるのかわかりません。これは、インカメラ部分の画素密度を低くし、光が通るための隙間を設けることで実現していて、近づくと画素密度の粗さから、インカメラの位置がはっきりとわかります。

折りたたみスマートフォン「Galaxy Z Fold3」国内版発表、FeliCa対応でドコモ・KDDIが10月上旬発売
また、折りたたみスマートフォンとしてはじめてIPX8規格の防水性能にも対応。これは、1.5mの水深に30分間沈めても動作に支障のない耐水性能で、本体にうっかり水がかかっても安心です。

折りたたみスマートフォン「Galaxy Z Fold3」国内版発表、FeliCa対応でドコモ・KDDIが10月上旬発売
カラーはドコモ版が「ファントムブラック」の1色、KDDI版が「クリーム」「ファントムブラック」の2色展開。いずれもS-Penは同梱しません。

製品の詳細はこちらの記事もご覧ください。

Galaxy Z Fold3 動画ハンズオン。フォルダブル主流化を予感する完成度

Sペン対応「Galaxy Z Fold3」を徹底解説。Noteを捨てFoldに注力する理由(石野純也)

Engadget日本版より転載)

ドイツ政府がEUに対しスマホメーカーによる7年間のセキュリティ更新・パーツ供給の義務づけを提案

ドイツ政府がEUに対しスマホメーカーによる7年間のセキュリティ更新・パーツ供給の義務づけを提案

sigoisette via Getty Images

ドイツ政府が欧州委員会に、スマートフォンメーカーにセキュリティアップデートやスペアパーツを7年間提供するよう義務づけることを提案したと報じられています。

ドイツのニュースメディアHeise.de(ハイス・オンライン)によると、ドイツ連邦政府はスマートフォンやタブレットの修理・サービスに関する規制を変更するために、欧州委と交渉を開始したとのことです。欧州委はスペアパーツの供給につきスマートフォンでは5年間、タブレットでは6年間を義務づけることを計画していますが、ドイツはこれらを7年間に延長したいかまえです。

そうした期間の延長に加えて、ドイツ政府はスペアパーツを「妥当な価格」で提供されるのを望んでいるとのことです。これにはメーカーがスペアパーツの価格を公表し、時間の経過とともに値上げしないことも含まれています。

さらにスペアパーツが目的地に到着するまでの期間についても、欧州委の案では最大で5営業日に対して、ドイツはより短い期間の配送を義務づける意向とのこと。それに加えて修理期間が長くかかる場合は、顧客は修理ではなく本体の交換を選べる可能性にも言及されています。

しかしスマートフォンメーカーが望んでいるのは、それとは真逆のことです。Googleやサムスンのほかアップルも加入している業界団体DigitalEuropeはセキュリティアップデートを3年、機能アップデートを2年に限ることを提案。それに加えて、スペアパーツの提供義務もディスプレイやバッテリーに限り、カメラやマイクなどは「故障することはほとんどない」として除外を求めています。

今回の提案はiPhoneも対象としていますが、アップルはたいてい5年間もの機能およびセキュリティアップデートを提供しています。

かたやAndroidデバイスメーカーの多くが提供するセキュリティアップデートは、多くが3年以下に留まっており、もしもドイツ案が通れば影響はより大きいと思われます。サムスンは今年初めにセキュリティアップデートを最低4年間提供する(2019年以降の端末に限り)と発表しましたが、それ以前は2年ないし3年でした。

数年前のデバイスを末永く使い続けられることはユーザーにも有り難く、また電子廃棄物を減らすことにつながり環境保護にも貢献できると思われます。が、スマートフォンメーカーにしてみれば旧製品が修理され続ければ新製品を売る妨げにもなりかねず、また過去モデルの部品を確保する負担ものし掛かってくるはず。今後もスマートフォン業界からロビー活動など、政治的な働きかけが続けられるのかもしれません。

(Source:Heise.de。Via AppleInsiderEngadget日本版より転載)

【レビュー】Galaxy Watch 4 Classicは均整のとれたスマートウォッチ、サムスンとグーグルがそれぞれの強みを活かし協力

スマートウォッチ界は、Apple対世界という構造になっている。CounterPointが発表した最新の数字によると、Apple Watchが第1四半期の世界出荷台数の3分の1以上を占めている。Samsung / Tizenの市場シェアは8%で、遠く離れてはいるが、しかし立派な2位だ。GoogleのWear OSは4%弱で5位となっており、他のカテゴリーでは圧倒的な優勢を誇る両社が、競争上の優位性を求めて躍起になっていることがよくわかる。

Googleにとって、解決策は2つだった。まず、Fitbitの買収により、既存の市場が事実上2倍になったこと。そして長い間、Tizenの困難の中にいたSamsungにWear OSへの復帰を説得すること。Samsungにとって、GoogleのOSに戻ることは、開発者のアクセスとその結果としてのアプリを考えると理に適っている。また、Googleがサポートの問題を解決してくれるのであれば、それに越したことはない。

関連記事:サムスンは「Galaxy Watch 4」でWear OSに回帰、ヘルスケアにもフォーカス

純粋な市場シェアという点では、Samsungが明らかに優位に立っている。また、独自のTizenの開発は、世界的に注目されたわけではないが、当大手企業は2位の座を確保することができた。SamsungがGoogleに復帰するとしたら、独自の条件下で行う必要があるのは明らかだ。

画像クレジット:Brian Heater

Google I/Oで発表された、スマートウォッチ分野における両社の協力体制に続き、Samsungは先週、その成果の第一弾としてようやく「Galaxy Watch 4」を発表した。標準モデルとクラシックモデルの両方が用意されたこの新しいウェアラブル端末は「Wear OS Powered by Samsung」を搭載している。これは現実的には、SamsungがGoogleと緊密に協力して、Wear OSのカスタマイズ版-Tizenのように見え、Tizenのように泳ぎ、Tizenのように鳴くものーを構築したということだ。

これは、Samsungが何年もかけて構築してきた体験の親しみやすさを失うことなく、苦労しながらも強固なウェアラブルOSのエコシステムに向けて前進するための努力だ。正直なところ、私はこれに賛成だ。SamsungとGoogleのチームは、それぞれのエコシステムの特徴を見極め、両者の長所を活かした体験を構築するというすばらしい仕事をしている。Googleにとっては理想的な状況であり、他の大手ハードウェアメーカーを採用することで、Googleにとってもメリットがあることは間違いない。とはいえSamsungほど勢いのあるメーカーは業界にはいないのだが。

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それに加え、Galaxy Watch 4は、数世代にわたるハードウェアの改良と健康機能の改善により、Appleと互角に渡り合える数少ないスマートウォッチの1つとなっている。Appleと同様に、この新しいウェアラブル端末は、Samsungのエコシステムと明確に結びついている。結局先日の発表も、どう見てもエコシステムの活動の一環だった。

画像クレジット:Brian Heater

新しいGalaxy Budsは、Samsungユーザーにとって最高のイヤフォンであることは間違いないが、同じことがSamsungの堅実な新しいスマートウォッチにも言える。Samsungは、Wear OSによって第三者にオープンになってきているが(Appleよりもその程度は低いが、正しい方向への一歩だ)、それでもこれは明らかにSamsungのスマートウォッチであり、SamsungのモバイルハードウェアやSamsung自身のアプリとの相性が最も良いのだ。これは、世界No.1のスマートフォンメーカーだからこそできるギャンブルだろう。iOS以外の残りの市場では、Huawei、Garmin、Fitbitが戦えばよい。

スマートフォンやイヤフォンと同様に、Galaxy Watchシリーズも、その仕組みは必ずしも一筋縄ではいかなかった。長年にわたり、さまざまなモデルやSKUを模索してきたが、ようやく合理的な仕組みにたどり着いたと思う。実質的には、触覚技術を用いベゼルを組み込んだ下位モデルのGalaxy Watch Activeは標準的なGalaxy Watchに、標準的なGalaxy WatchはGalaxy Watch Classicになった。

ここまで書いてきて、頭で考えていたほど簡単なことではないことがわかった。基本的には「Galaxy Watch 4 = より薄く、軽く、スポーティに」ということになる。Galaxy Watch 4 Classicは、デジタルベゼルからSamsungのトレードマークである回転式ハードウェアベゼルに変更され、少し上品な外観になっている。

画像クレジット:Brian Heater

先ほども言ったが、もう一度これを言いたい。回転ベゼルは、Samsungのエースだ。スマートウォッチ業界では、Appleに勝るとも劣らないエリアだ。Appleのクラウンもいいが、スマートウォッチのインターフェースを操作するには、現在のところベゼルが最適だ。AppleがGalaxy Watch 2でベゼルを廃止し、デジタル版を採用したときは、正直言って私は戸惑った。SamsungはGalaxy Watch 3ではそれを考え直し、復活させたのだ。

以前の私のレビューを読んだ人は、私がこれまでのSamsungの時計で一番こだわっていたのがサイズであることをご存知のことだえろう。以前のウォッチは巨大だった。私は小柄な人間ではないし、手首が異常に小さいわけでもないけれど、そんな私でも装着して歩き回るのに苦労した。大きくて不格好な時計が好きな人もいるだろうが、これらのデバイスのサイズが1つしかないというのは、最初から潜在的な利用者が大きく制限されていると言える。

関連記事:グーグルの「Wear OS」とサムスンの「Tizen」が統合、アップルのwatchOSに対抗

ありがたいことに、今回はいくつかの選択肢がある。Galaxy Watchには40mmと44mmのバージョンがあり(それぞれ250ドルと300ドル[約3万2840円])、Classicには42mmと46mmのバージョンがある(それぞれ350ドル[約3万8310円]と380ドル[約4万1590円])。デザインの違いだけなのに、かなりの金額が加算されていると思われることだろう。ClassicにLTEを追加すると、379ドル(約4万1480円)と429ドル(約4万6960円)になる。もちろん、これはApple Watch Series 6の399ドル(約4万3670円)という初値と比べると好意的に受け取ることができる。

私は中間に位置する42mmのGalaxy Watch Classicを選んだ。数日前からこのデバイスを装着しているが、とても良い選択をしたと思っている。デザインを考えると、46mmは私が日常的に使うには目立ちすぎる時計であることは間違いない。また、寝るときには大きすぎるだろう。

44mmバージョンの標準的なウォッチがどのようにフィットしたのかはまだ気になるところだが、回転ベゼルを選択できるのであれば、回転ベゼルを選ぶべきだ。Classicの40mmバージョンは、その機能性を求める手首の小さいユーザーにとっては良い選択肢となるだろう。Samsungが4つの異なるサイズを用意していることは正しい方向性だと言える。

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多くの競争と同様に、Samsungはここでも健康面の機能でリードしている。パンデミックから1年半、私は運動量を増やそうと努力しているが、この時計は運動量をしっかりと検知してくれる。ウォーキングやランニングを自動検出するという点では、Apple Watchとほぼ同じだ。最近、ジムでボートを漕ぐようになったのだが、そこでもしっかりと仕事をしてくれる。ただし、朝のHIITになるとかなり難しく、ヨガはさっぱりだったので、Samsungの接続型のルーチンを使用している場合を除き、手動で開始するのがベストだ。

心臓の異常を検出するためのECGが搭載されている。心臓の不調の早期発見のために多くの医療関係者が推奨し始めている、いち早く標準化されたツールだ。体組成計は、2本の指をデバイスに当てると、骨格筋、体水分、代謝率、体脂肪率などの主要な健康指標を表示してくれる、目玉となる新機能だ。

睡眠トラッキングでは、血中酸素濃度、ライト / ディープ / レム、トータル睡眠スコア(ヒント:私の場合は低い)など、確かな情報が得られる。また、スマートフォンをそばに置いて寝ると、このアプリは夜中のいびきの時間も教えてくれる。これらの数値を総合すると、自分の睡眠パターンについて優れた実用的な知識を得られる。

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もちろん、寝るときに時計を装着するのは、快適さの問題だけでなく、バッテリーの問題もある。Watch Classicのバッテリー寿命はまずまずで、標準的な使い方から軽めの使い方で、1日半を過ごすことができた。朝や昼に充電する時間を確保できれば、フィットネスや睡眠のトラッキングには十分だろう。ほとんどの用途には問題なく、特筆すべき点はない。

これらすべての要素が、確かなスマートウォッチ体験につながっている。Galaxy Watch 4は、Samsungユーザーにとって最高のスマートウォッチであると同時に、Android対応スマートウォッチとしても最高であると強く主張できる。

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【レビュー】より洗練されたサムスンのGalaxy Fold 3、メインストリームとは言えないが正しい方向には向かっている
【レビュー】サムスンのダークホース、Galaxy Z Flip 3は過去最高の折りたたみ式スマホだ
画像クレジット:Brian Heater

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(文:Brian Heater、翻訳:Dragonfly)

【レビュー】より洗練されたサムスンのGalaxy Fold 3、メインストリームとは言えないが正しい方向には向かっている

Samsung(サムスン)はGalaxy Noteの終了を宣言する準備がまだできていなかった。そのうちにという感じだ。2021年8月のUnpackedイベントの後、私たちが再び同社に質問をすると、担当者は次のように語った。

Samsungは、消費者のニーズを満たすためにプロダクトラインアップを絶えず評価し、ユーザーのモバイルエクスペリエンスを高めるテクノロジーを導入しています。新しいGalaxy Noteデバイスは2021年に発売される予定はありません。Samsungは代わりに、Noteのエクスペリエンスを拡大し続け、Sペンを含む生産性と創造性に関する多数の人気機能を、Galaxy S21 Ultraをはじめ、タブレットやノートPCなどの他のカテゴリを含むGalaxyエコシステム全体に展開する計画です。発表の準備が整い次第、今後のポートフォリオについてさらなる詳細をお知らせします。

これは正確には、2021年に新しいNoteが登場しないという前回の発表の繰り返しであり、答えとは言えない。単にチップ不足の問題なのかという質問に対して、Samsungは同様に曖昧な回答を送ってきた。

半導体市場の現在の変動性は、テクノロジー業界全体およびそれ以外の分野で認識されています。Samsungでは、そのインパクトを軽減するために最善の努力をしており、今後も供給面での課題を克服するためにパートナーと精力的に協働して参ります。

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Galaxy Fold 3をNoteの10年にわたるファブレット王座の継承者と宣言するのは時期尚早だ。しかし、確かなこととして、Galaxy Sシリーズに導入されている新機能と同社のハイエンドなフォルダブルによって、このデバイスはかなり冗長なものになっている。一方、最も可能性が高いと思われるのは、Samsungの様子見の姿勢だ。Galaxy Fold 3の好調な売れ行きは、Noteの冗長性に対する説得力のある論拠として他に勝るものはない。しかし、それは依然として大きな「もしも」であり続けている。

Samsungが初期のFoldをエキサイティングな実験として位置づけたのは賢明だった。新技術をいち早く市場に投入することは決して容易なことではなく、特にSamsungが取引するような規模においてはなおさらだ。初代Foldには、信頼性とアダプションの両方に関して、いくつかの大きな疑問があった。ここでは前者をあまり重視せず(私たちはこれについて多くの記事を書いている)、最初のラウンドで何度か白紙に戻ったとだけ言っておこう。

後者については、同社は2019年、初年度に100万台を販売したことを明らかにした。それは驚くべき、そして印象的な数字だった。もちろん、同社がSやNoteシリーズで示しているような数字とは比べものにならないが、実証されていない2000ドル(約22万円)のデバイスが発売されて数カ月で実現したことを考えると、少なくともアーリーアダプターがこの波に乗ったことを示す良い兆候であったことは確かだ。

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Fold2では、前機種の最大の問題のいくつかをより直接的に解決し、より堅牢でバランスのとれたデバイスを実現した。Fold3は、急進的な進化を遂げたわけではないが、重要なアップデートと改良が行われている。トップレベルの新機能は次のようなものだ。

  • Sペン対応
  • IPX8規格の防水性能
  • 少し大きめの外付けディスプレイ
  • アンダーディスプレイカメラ
  • 強化された内部スクリーンプロテクター、フレームおよびフロントガラス

では正確には、これらすべてがどのような結果になるのだろうか。Samsungにとっての答えはシンプルで、「新しいフラッグシップ機」である。これはモバイルの世界で使われている言葉の1つで、定義は曖昧だ。Samsungはこれまで、SとNoteシリーズという2つのフラッグシップ機を持っていた。これがNoteにとっての技術的な過渡期なのか、Galaxyシリーズの第3のフラッグシップの宣言なのかは、上記の言葉にかかっている。しかしながらSamsungが、同社のハイエンドなフォルダブルがメインストリームになる瞬間であると自信を示していることは示唆的である。

この製品をメインストリーム化するための最初のステップは簡単だ。価格である。Fold3は、どう考えても手頃な価格のデバイスではない。1800ドル(約19万8000円)という価格は、フラッグシップモデル2機種を合わせた価格とほぼ同じである。しかし、前機種からの200ドル(約2万2000円)の値下げは、正しい方向への大きな一歩と言える。Samsungが自身のテクノロジーをさらに拡張できるようになれば、事態は悪化し続けるだろうと考える向きもある。「手頃な」フォルダブルを求めている人は、実際には1000ドル(約11万円)を下回る価格の新しいFlipに目を向けるだろう。これについては後のレビューで詳しく説明しようと思う。

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新しいフォームファクターには必ず何らかの課題がある。Samsungのようなノウハウを持つ会社のものでさえも。オリジナルのFoldを携えて、壊れないように慎重に歩き回ったことを、筆者は直感的な記憶として覚えている。レビュープロセスでは、デバイスを自分のものと同じように扱うことが期待されるが、初期のFoldではその機会に恵まれず、2000ドルのスマートフォンをうっかり壊してしまうかもしれない、という緊張感に包まれることになった。

そして、そう、やってしまった。もちろん筆者が最初ではなかった。このデバイスを広く世に送り出す前にそれを強化すべき十分な問題があった。正しい動きだったことは確かである。Foldが壊れにくいとは誰も期待していなかったと思う。しかし繰り返しになるが、最初のユニットが満たさなかった、期待される標準的な使い方が存在するのだ。

主な修正点は2つあった。1つは、Samsung(およびその他)のスマートフォンに同梱されている取り外し可能な画面プロテクターに似すぎているように見えた保護フィルムを端まで広げたこと、もう1つは、一部のごみが入ることはあるが、プロダクトを開く過程でそれを一掃するブラシ機構をヒンジ機構の内部に追加したことだ。そうすれば、画面にダメージを与える前にそれを取り除くことができる。

第2世代は、より耐久性の高い折りたたみガラスにアップグレードされた。新しいバージョンでは、こうした保護機能がさらに強化されている。これは特に、箱を開けた瞬間に制限事項を列挙したリストを提示してこないFoldの初バージョンと言える。良い兆候である。原則として、ユーザーはおそらく同じような「標準的な使い方」に固執するはずだと私は思う。そして、おそらくそうしたケースの1つに投資する。結局のところ、1800ドルの端末なのだ。

画像クレジット:Brian Heater

耐久性の面で最も注目すべき点は、IPX8規格だ。これは、最大1.5メートルの耐水性を30分持続させる。同社のフォルダブルの製品ラインは、防水性と耐水性の点でやや遅れていたが、高級機種ではほぼ標準になっている。必要とされる複雑な機構を考えれば当然のことだ。ただし、等級の「X」は、ここでは防塵がないことを示唆すると言えよう。ヒンジが実際に粒子を入れるように設計されているという単純な理由によるものだ(前述の通り)。

デバイスの前面と背面は、Corningの最新作Gorilla Glass Victusで覆われている。Corningによると「当社のラボテストにおいて、Gorilla Glass Victusは、最大2メートルの硬い粗い表面への落下に耐えました。他社製の競合アルミノケイ酸塩ガラスは、通常、0.8メートルから落下すると破損します。さらに、Gorilla Glass Victusの耐スクラッチ性は、競合アルミノケイ酸塩よりも最大4倍優れています」。一方、本体とヒンジはSamsungが「Armorアルミニウム」と呼ぶ合金で作られており「現代のスマートフォンで使われている最も強力なアルミニウム」だという。

おそらく最も重要なのは、強化されたスクリーンプロテクターを搭載していることだろう。このプロテクターは側面まで広がっているため、はがそうとするのは難しく、またそうしたいという誘惑も少ない。追加された保護機能は、標準的な使用方法(タップしすぎると壊れてしまうようなスマートフォンは避けたい)とSペン機能の両方にとって必須だ。同社には現在、スタイラスとそれに含まれるすべての生産性機能を活用する3つのラインが存在する。

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同社ではSペンProに加えてFold専用モデルも導入した。この50ドル(約5500円)のスタイラスは小型で、画面への圧力を軽減するために特別に設計された収納可能な先端を備えている。筆者は両方のスタイラスをいじってみたが、両者の劇的な違いには気づかなかったし、SamsungもProの使用について明確な警告を発していない。しかし慎重を期して筆者はFold Editionを選ぶことにした(古いバージョンのSペンを使用しようとする際は警告表示もある)。

同社はスタイラスの互換性について以下の声明をTechCrunchに送っている。

標準のSペンとは異なる周波数に設定されているため、互換性があるのは最新のS Pen Fold EditionとSペンProのみです。ただし、SペンProは、Samsung Galaxyタブレット、Chromebook、スマートフォンなど、他のSペン対応デバイスと互換性があります。上部にあるスイッチを使ってSペンProの周波数を切り替えることができます。

7.6インチのキャンバスは、Sペンの機能に適している。もちろん、他のフォルダブル同様、Foldの中央にはまだ折り目がある。Noteと比べると、慣れが必要だ。しかし、スタイラスペンを愛用している人にとっては、複数のアクティブウィンドウやアプリの分割表示のような生産性ツールが増えていることを考えれば、この機能はぴったりだ。Samsungはここでかなりの生産性ワークハウスを構築した。

もちろんNote(およびSシリーズ)と異なり、FoldにはSペン用のスロットが内蔵されていない。これは、構造的な整合性の問題があったために搭載されなかった可能性が高い。少なくとも、折りたたんだときにすでにかなり薄いデバイスに、余計な厚みが加えられてしまうだろう。Samsungは、スタイラスを持ち歩くことを真剣に考えていて、紛失を心配している人のために、Sペンケースを提供している。

メインディスプレイは2020年からあまり変わっていない。7.6インチ、120Hzのリフレッシュレート、2208×1768の解像度、HDR10+をサポート。6.2インチのフロントスクリーンはハイダイナミックレンジではないものの、60Hzから120Hzにアップされている。Fold2は2020年、エクステリアスクリーンのサイズをアップグレードしたが、これは大きな違いだ。開いた状態で処理しなくてもいいことはたくさんある。アスペクト比は依然として非常に細身で、ほとんどの場合に利用できるが、App Continuity機能は有効なアプリの画面間をシームレスに移動できる優れものだ。

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スクリーンフロントに追加された最大のものは、実際には引き算のようなものだ。ピンホールカメラがメインスクリーンから消えている。それに代わって登場したのが、Samsungデバイス初のアンダーディスプレイカメラだ。この技術は、企業にとって長年の聖杯であった。この機能を提供したのはSamsungが最初ではない―OppoやZTEなどの企業がこの機能を少し前から提供している。Foldも同様の技術を採用しており、ホールパンチの上にピクセルの薄い層を貼り付けている。特にスクリーン上に白い画像が表示されている場合は、スポットは見える状態になるものの、一見したところではより空間的に切れ目のない印象になっている。

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この空間を追跡してみると、これらのカメラの画像性能はこれまでのところ理想的とは言えないことがわかる。そしてSamsungも同じ運命にある。上の写真は、フロント10メガピクセルとアンダーディスプレイの4メガピクセルのカメラでそれぞれ撮影された。画面下のカメラには曇りやぼやけがあり、2021年の高級スマートフォンに期待される水準には達していない。

Samsungとの以前の会話では、同社はこのことについて、つまりはFoldが同社のスマートフォンの中で初めてこの技術を採用した理由についてかなり率直だった。それは、自撮り用に前面カメラのオプションが追加されたことによるもので、率直に言って、標準以下のカメラに依存する必要はないのだ。確かに写真を撮るときには頼りにならないだろう。大型のフォームファクターではすでにぎこちないことは確かだ。緊急時のテレビ会議には使えると思うが、それでもフロントの方がいいだろう。基盤技術が向上するのに合わせて、Samsungが今後のアップデートで改善できるものとして、これを提起したい。

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一方、メインのカメラシステムは前回のバージョンからほとんど変わっていない。

  • 12MP / F2.2超広角、ピクセルサイズ:12μm、視野角:123度
  • 12MP / F1.8広角、デュアルピクセル AF、光学手ぶれ補正対応、ピクセルサイズ:8μm、視野角:83度
  • 12MP/ F2.4望遠、PDAF、光学手ぶれ補正対応、ピクセルサイズ:0μm、視野角:45度

7.6インチと6.2インチのビューファインダーを切り替えられるという利点もあり、すばらしい写真が撮れる優れたカメラ構成になっている(正直なところ、フルスクリーンはほとんどのシーンで撮影にはやや使いにくいため、筆者は概ね小型のファインダーにこだわった)。

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バッテリーは4500mAhから4400mAhへとわずかに低下し、ディスプレイの背面にある2つのモジュールに分かれている。小さいものではあるが、間違った方向への一歩である。このような大型デバイスは、電力を食う傾向がある。使い方にもよるが、1日は乗り切れるだろう。多くの人が家に閉じこもっている限り、これは大きな問題にはならないだろうが、おそらくプラグを入れずに1日中座って動画に夢中になれるようなものではないだろう。

当然のことながら、Foldには最新のSnapdragon 888が搭載されている。Samsungから送られてきたモデルには12GBのRAMと256GBのストレージが備わっていた。このストレージを倍にすると、価格は1900ドル(約20万9000円)になる。

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SamsungがFoldを、問題を抱えたアーリーアダプターの技術から2世代の間にはるかに安定したものに変えるのを見るのは、実に印象的である。しかし同社は、フォルダブルというコンテキストの中でメインストリームのような言葉を振り回す準備はできているものの、そのような目標がまだ遠い先にあるという感覚を振り払うのは難しい。

価格は正しい方向に向かっているが、それでもこの製品は依然として、ほとんどの人にとって手に負えないほど高価だ。大型スクリーンの利点はすぐにわかるが、なぜそのような製品が必要なのかという質問には答えられない。多くの場合、このフォームファクターはまだ少し扱いにくい。

Galaxy Noteが突然冗長になるとすれば、FoldよりもGalaxy Sシリーズの方に多くの責任がある。また、もしSamsungが真に主流のフォルダブルエクスペリエンスを追求しているのであれば、Galaxy Z Flipをより長期的に検証していくことも考えられる。サイズ、価格、柔軟性、そして見た目の良さという点では、これに勝るものはない。

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(文:Brian Heater、翻訳:Dragonfly)

【レビュー】サムスンのダークホース、Galaxy Z Flip 3は過去最高の折りたたみ式スマホだ

土曜日に少々長めの散歩をした。パンデミックの間に、屋内で長時間過ごした後の気分転換に散歩するのが習慣となった。今までなら地下鉄に乗ってしまって見逃していた町の様子を歩きながらみる。この土曜日の散歩は、ぶらぶら歩きというよりは行き先が決まっていて、ハリケーンヘンリーが東海岸を直撃する前にと思い、新しくオープンしたTrader Joe’sに向かった。

散歩の途中に降ってきた雨を避けるため、ロングアイランドシティーでフードコートを見つけて入り、シャワルマを注文し、ポケットからGalaxy Z Flipを取り出す。電話を開き、新しいGalaxy Budsを耳に装着し、MLB.TV アプリで、野球観戦をした。こんなとき、Flipは本当に役に立つ。ランドスケープモードで135度に開くと、6.7インチのスクリーンを立てた状態で見ることができる。試合が終了したので(ネタバレだが、試合結果はよくなかった)、携帯を閉じてポケットに入れ、また歩き出す。

携帯電話が常に目新しいテクノロジーを備えているとは限らないが、幸運な場合には、自分の感性に応えてくれる電話に会えることもある。最初のFlipが登場した時には、随分前に廃れたクラムシェル型携帯電話について人々はたくさんのジョークを言い合った。もちろん、そうした風潮がすぐに消え去ることはなかったが、最初のFlipは、多くの人に、折りたたみ式携帯電話に注力するというSamsungの方向性は正しいという印象を抱かせた。

画像クレジット:Brian Heater

最初のGalaxy Foldにまつわる初期の欠陥(他の記事でそれらをすでに取り上げた)はさておき、このデバイスも扱いやすくはない。折りたたみ式スクリーンが、折りたたみ式でなくては不可能な大きさのスクリーンを持ち歩くことを可能にしてくれるのは事実だが、しかし閉じた状態のデバイスはかさばり、それを開く機会は容易には訪れない。Flipは、スクリーンのサイズと携帯性の違いをうまく切り分けている。ディスプレイサイズの観点で言えば、Flipは事実上2つにおりたためポケットにすっぽりおさまるGalaxy Noteといったところだ。

Samsungの折りたたみ式で話題の中心となっているのはGalaxy Z Foldで、この話題の発信元はSamsung自身だ。同社は、Foldを最近の主力製品と位置づけるために多くのことをしてきた。これにはNoteのラインナップを増強する、または置き換えるなどといったことも含まれる。Fold 3にS Pen機能が追加されていることで境界線が曖昧になっているが、Samsungの既存の主力製品と、同社が思い描く今後の折りたたみ式製品との橋渡し役としてはFlipの方があきらかに適役である。

関連記事:値下げされ(相対的に)手を出しやすいサムスンの新フォルダブル「Galaxy Z Flip」は約11万円から

折りたたみ式製品を主力にすることは、なかなか難しい提案である。発売した途端に、Samsungは生産の問題とともに2000ドル(約22万円)という価格設定で否定的な報道に見舞われた。この価格は、基本的に丁重に扱わなければならない製品としては高額だ。毎日の生活に必要な製品を当たり前に使用していて誤って壊してしまわないかと心配するのはいただけない。Flipは初期の折りたたみ式製品の失敗から学び、より頑丈なデザインと耐水性を備えたものになった。

しかしながら、より重要なのは、おそらく価格設定だろう。Galaxy Z FlipはSamsungの折りたたみ式製品としては初の1000ドル(約11万円)を下回る製品である。ほんのわずかではあるが、確かに1000ドルを下回っており、これはSamsungやAppleのような高価な携帯電話と似たような価格かもしれないが、折りたたみ式製品としては本当に大きな勝利と言える。最初の数世代の折りたたみ式携帯は、程度の差こそされ、いずれも目新しさだけで生き残ってきた。

画像クレジット:Brian Heater

市場に投入される折りたたみ式デバイスが増えるにつれ、目新しさよりも機能が重視されるようになってきている。しかし人気の高まりは、裾野の拡大をも意味するわけで、その結果、価格は下がっている。ここへきて初めて、 Samsungの折りたたみ式携帯を1台買おうとするなら、電話2台分の支払いをしなければならない、というわけではなくなった。これはGalaxy Foldの価格が前の世代の製品より200ドル(約2万2000円)下がったことよりも、ずっと大きな意味合いがある。

同社は次のように発表している。「Galaxy ZFold3とGalaxyZ Flip3の予約注文を発表してからわずか10日で、2021年全体でのSamsungの折りたたみ式携帯の全世界の売上をすでに上回り、またこれまでのSamsungの折りたたみ式携帯の予約注文の中で最大の売上を記録しました」。これには、低価格であること、デザインが堅牢になっていること、Noteの新機種が発表されていないこと、顧客に向けて予約注文を熱心に宣伝したことなど、さまざまな要因が関わっているとは思うが、少なくともこのシリーズが正しい方向に向かっているということはできるだろう。

予想通り、同社の数字は、FoldとFlipの売上を分けて示したものではない。確かに、 Foldには多くの機能が備わり、7.6インチスクリーンは長編映画を見るなら6.7インチスクリーンよりよいだろう。しかし、ほとんどの人にとってほとんどの場合に望ましい製品はGalaxy Flipだろう。筆者は、Samsung Galaxy Z Flipは折りたたみ式携帯市場において最も主流の製品だと断言できる。

折りたたみ式の重要性をさほど感じていないなら、当然のことながらこうした言葉もそれほど心に響かないだろう。しかし、モバイルの未来の鍵となるものに飛びつきたいと考えている人の大部分にとっては、Flipこそ、明確なチョイスだ。過去の遺物としてクラムシェルデザインをからかうのは簡単だが、そもそも電話がそのようになデザインになったのには理由があるのだ。クラムシェル型の電話が消え去っていった大きな理由の1つは、今までスマートフォンが折りたたみ式ではなかったせいだろう。

画像クレジット:Brian Heater

Samsungのデザインは的を得たものだ。The Flip 3は今のところ、同社の最も見栄えのよい折りたたみ式製品で、デュアルカラーのシェルは印象的だ。Samsungが筆者に送ってきたクリーム色のものは特に好みというわけでもなかったがグリーン、ラベンダー、 またプレーンブラック、ホワイトでさえとてもすばらしい。これらのカラーは、外部ディスプレイが設置されている部分の黒とよくマッチしている。この部分は1.1インチから1.9インチに増えた。わずかな違いに聞こえるかもしれないが、このサイズのスクリーンではなかなかの増加と言えるだろう。

もちろん、Foldで得られるような完全な外部スクリーン機能はFlipにはない。Flipのディスプレイは通知をさっと見たいときの二次的スクリーンにはなる。それを取り出せば、時間、日付、バッテリーの残存量を見ることができ、右にスワイプすると、通知を見ることができるようになっている。

左にスワイプすると、アラームやタイマー、また天気、メディアの再生(事実上オーディオの再生 / 一時停止)、Samsung Health Metricsといったウィジェットをスクリーンに追加するオプションも表示される。このリストは今は短いが、多くの人がFlipを使用するようになれば、もっと長くなるだろう。下にスワイプすると、簡単な設定をすることができ、上にスワイプするとSamsung Pauseが表示される。

多くの人が電話の使用を控えようと努力している昨今、画面を2つに折りたためるのはありがたいことだ。これは、Foldの7.6インチスクリーンを分割して6.2インチにする形態よりもメリハリのある境界線になる。つまり電話が閉じている時は、通知を確認している時であり、電話が開いている時はなにかの作業をしている時だ。Flipなら電話を開く時もずっと簡単である。片手で開ける技はまだ身につけていないが、事実上本を開くようなかたちになっているFoldよりも、急いで開くにはずっと適している。スピードということでこの形状が最も問題になるのは、写真をさっと撮る方法がないことだ。

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写真を撮るには時間がかかり、電話をあけて内部のビューファインダーを見る必要がある。ただし、電源ボタンを二度押しすることで、小さなビューファインダーを兼ねている小さな正面スクリーンでセルフィーを撮ることはできる。左にスワイプすると静止画の切り替え、上下にスワイプすることでズームレベルを変えることができる。やや不格好で優雅さに欠けるが、12メガピクセルのカメラのペア(広角と超広角)を使用すると、ほとんどのピンホールカメラ(Flipの10メガピクセルレンズを含む)よりもはるかに優れたセルフィーを撮ることができる。

Foldと同じで、リアカメラ(見方によってはこれらも正面カメラといえる)はFlip 2以来、概ね変わっていない。2021年の今、デュアルカメラシステムは時代遅れと感じられるほどだが、Samsungが長年かけて培ったカメラソフトウェア技術と合わせ、ほとんどの目的に適った機能を持っている。22:9のアスペクト比であることから、画面の4分の1以上が制御のために割かれるのはやむを得ない。

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    画像クレジット:Brian Heater
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    画像クレジット:Brian Heater

 

このアスペクト比はコメントに値する。この比率だと、開いた時、大変長い。GmailやTwitterをスクロールするような場合、たくさんの件数が表示される。しかしビデオを見る時には、スクリーンの周囲のピラーボックスやレターボックスが見えてしまうことが多いだろう。ビデオ界は22:9のアスペクト比に対応できていないし、おそらく今後も対応することはないだろう。

そして当然ながら、継ぎ目がある。それも素敵な2640×1080、425ppi画面の真ん中にである。折りたたみ式の技術に予期せぬブレークスルーが起きない限り、はっきり言ってこの継ぎ目がすぐにも消えることはないだろう。これは売上の妨げになる可能性もあるが、これらのデバイスをしばらく使うと、概ね慣れてしまう。

Foldと同様、FlipはSnapdragon888プロセッサで動作している。予想できることだが、コストが低いことと、RAMおよびストレージの容量が低いことは連動しており、Foldの12および256GBに対し、Flipでは8および128GBとなっている。余計に150ドル(約1万6500円)払うと、ストレージを256GBにアップグレードすることができる。Samsung はほとんど内部を切り詰めてはいないものの、3300 mAhバッテリーは十分とは言えない。

Foldでもバッテリー寿命は問題だが、Flipではより大きな問題であり、実際のところ、Flip最大の問題である。中程度から頻繁な使用では、1日が終わる前に再度充電する必要がある。パンデミックの現在、これは大きな問題ではないかもしれないが、世界が通常運転に戻るにつれ、検討すべき問題になるだろう。充電のできない長時間のフライトなどは問題外である。

画像クレジット:Brian Heater

繰り返しになるが、筆者は残念ながらこれが売上の障害になると思う。1000ドルも支払うなら、一日バッテリーの心配をせずに使用できる電話が欲しいのは当然だ。これについては、Samsungが第4世代で焦点を当てるべき課題であることは明確だ。

現状では、Galaxy Z Flip 3には強力なアルミニウムフレーム、改良されたスクリーンプロテクター、IPX8防水(Foldレビューで概説されている理由により、防塵等級なし)など、前世代から引き継がれた強みが備わっている。この携帯電話は完璧とは言えないかもしれないが、1000ドル未満であり、Samsungの折りたたみ式携帯電話が3世代でどれだけ進化したかを示す強力な製品となっている。

SamsungがFoldを折りたたみ式携帯の主力としているために、Flipは2番手的な位置付けになっている。しかし、折りたたみ式携帯の世界に入っていこうと考えているほとんどの人にとっては、Flipがより気楽に手に取ることのできるチョイスだろう。

画像クレジット:Brian Heater

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(文:Brian Heater、翻訳:Dragonfly)

サムスンが業界初となる2億画素のイメージセンサー「ISOCELL HP1」を発表

サムスンが業界初となる2億画素のイメージセンサー「ISOCELL HP1」を発表

Samsung

Samsung Electronicsは9月2日、業界初となる2億画素(200MP)イメージセンサーであるISOCELL HP1を発表しました。あわせて、高速オートフォーカス(AF)が可能な50MPイメージセンサーのISOCELL GN5も発表しています。

最近はスマートフォンのカメラの画素数競走が過熱しており、同社のGalaxyやXiaomiの製品では、すでに1億800万画素(108MP)の製品も発売されています。

ただ、スマートフォン向けの小さなイメージセンサーでこれだけ高解像度化すると、1ピクセルのサイズが小さくなり、光量的には不利になります。実際、今回のISOCELL HP1も、1ピクセルは0.64μmと極小サイズです。そこで、ChameleonCellと呼ぶビニングテクノロジーを利用します。

これは隣接ピクセルを束ねて疑似的に1ピクセルとして扱うことで、解像度を落とす代わりに光量をアップしようというもの。ISOCELL HP1では、環境に応じて2 x 2もしくは4 x 4個のピクセルを束ねて、50MPまたは12.5MPのセンサーとして利用できます。

フルサイズでは画像サイズが大きくなりすぎるので、スマートフォンに搭載される場合は、このどちらかが標準撮影モードとなりそうです。

サムスンが業界初となる2億画素のイメージセンサー「ISOCELL HP1」を発表

Samsung

もう一つのISOCELL GN5は、オートフォーカス性能を向上するDual Pixel Proを搭載した1.0μmイメージセンサー。2月に発表されたISOCELL GN2の小型版のようです。

Dual Pixel Proとは、ピクセル内のフォトダイオードを水平・垂直に配置することで、上下左右すべての方向の光の変化を検知し、高速なオートフォーカスを実現するというものです。

サムスンが新センサー「ISOCELL GN2」発表 AF速度/精度共に向上

これに加えてISOCELL GN5では、あらたにFront Deep Trench Isolation (FDTI)という技術も適用されており、フルウェル容量(これが大きいほど高精細で忠実な画像を再現できる)を増やすことができるとのこと。

サムスンが業界初となる2億画素のイメージセンサー「ISOCELL HP1」を発表

Samsung

ISOCELL HP1とGN5はすでにサンプル出荷が開始されているとのことなので、2022年には2億画素カメラを持つスマートフォンが登場するかもしれません。

(Source:SamsungEngadget日本版より転載)

米国の第2四半期PC販売台数は17%増もパンデミック需要反動で伸びは鈍化

Canalysは8月25日、米国の第2四半期のPC販売台数を発表した。販売台数は前年同期比17%増と極めて好調だった一方で、伸びはパンデミックによって74%増を記録した前四半期から大きく鈍化した。おそらく、原因はあちこちで報道されている世界的なチップ不足だ。

HPがマーケットシェア21.9%で第2四半期連続でトップの座を維持し、販売台数は前年同期に比べて20%超増えた。Appleが変わらず第2位で、マーケットシェアは20.6%だった。ただ、同社の成長率がマイナス2.8%に落ち込んだのは注目に値する。

関連記事:米国の2021年第1四半期のPC出荷台数は73%増、Chromebookが好調

Dellがマーケットシェア15.6%で第3位となり、Lenovoが12.4%で続いた。前年同期からの成長率に目を向けると、Samsungが50%超と最も高い成長をみせたがマーケットシェアはわずか8%強にとどまった。

画像クレジット:Canalys

Canalysの調査アナリストBrian Lynch(ブライアン・リンチ)氏は、2020年から2021年にかけてこの部門で目にしてきたパンデミック由来の成長が今後も続き、経済のリバウンドが続くのにともなって消費者の買い替えの兆しが見えてくる、と楽観的だ。

「商業部門と教育部門が爆発的に伸び、かなりの買い替え需要を引き起こしています。米国経済はパンデミック問題から立ち直り、零細企業も復活しています。これはPCの購入につながります」とリンチ氏は声明で述べた。

合計で3680万台が販売され、伸び率はノートブックが27%増、デスクトップは23%増、タブレットは停滞気味で実際には1%減だった。この前年割れについてCanalysは教育マーケットがタブレットから移ったこと、多くの人が家に留まることを余儀なくされたときにタブレットを購入し、すぐには買い替えないことを挙げた。

にもかかわらず、タブレット部門でAppleはシェア45%と確固たる地位を築いている。その一方でAmazonがシェア22%で第2位の好位置につけ、Samsungが同18%で続いている。

どこかの時点で多くの人が対面学習やオフィスでの業務に戻るにしても、学校や企業の多くがハイブリッド式、あるいは完全リモートのアプローチすら取り続けるのは明らかで、これはPC産業にとって良い兆候であり、チップ不足が最終的に緩和すれば特にそうだろう。

画像クレジット:Ibrahim Sahin / EyeEm / Getty Images

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(文:Ron Miller、翻訳:Nariko Mizoguchi

サムスンが2023年までに半導体、バイオ医薬品、通信機器事業に約22兆5900円の投資を発表

韓国の巨大テック企業ことサムスン・グループは、次世代通信とロボティクスなどの新規産業における国際的な存在感と優勢を高めるために、同社の半導体、バイオ医薬品、通信機器事業に今後3年をかけて2050億ドル(240兆ウォン/約22兆5900億円)を投資することを火曜日に発表した。

本出資はサムスン電子やサムスンバイオロジックスなどのサムスン関連企業によって進められる。また、同社の技術力と市場での優勢を強化するためのM&A計画も明らかにした。

これにより、サムスンは1543億ドル(180兆ウォン/約16兆9400億円)を用いて、2023年までに韓国において4万人の新たな雇用を創出することを期待している。

本発表は、サムスン電子の副会長Jay Y. Lee氏が、韓国開放日(光復節)前の8月13日に仮釈放になった数日後に出されることとなった。韓国ローカルメディアによると、同氏が釈放されれば、サムスンは大型投資を進めることができるようになるだろうと推測していた。

同社の声明によると、本資金は半導体、バイオ医薬品、次世代通信機器に使われることになるとのことだ。

サムスン電子は、引き続き同社メモリ事業のためのEUVベースの14サブナノメートルDRAMと200層超のV-NAND製品といった最新技術に注力すると同時に、高度なプロセス技術を開発し、同社のシステム半導体向けに人工知能(AI)とデータセンターを駆使して事業をさらに拡大させていく計画だ。

声明によると、サムスンバイオロジックスとサムスンバイオエピスは、CDMO(医薬品製造受託機関)事業をさらに拡大させるため、現在建設中の4拠点目の工場に加え新たに2拠点の工場を建設するとのことだ。

なお、韓国一の巨大コングロマリットことサムスンは、次世代OLED、量子ドットディスプレイ、高密度エネルギーバッテリーの開発と合わせて、進行中の新技術の研究&開発と、それらのAIやロボティクスといった領域での応用も引き続きサポートしていくこととなる。

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サムスンが2021年「Unpacked」イベントで発表した新製品まとめ

最近の記憶の中では大げさな前宣伝が控えめなガジェットの発表会の1つではあったが、Samsung(サムスン)は先週米国時間8月11日の朝早くから、恒例の「Unpacked(アンパックド)」イベントで、一連の新製品を公開した。

忙しくて見られなかった人、まだ寝ていた人のために、知っておくべきことを簡潔にまとめて一挙にご紹介しよう。

Galaxy Watch 4(ギャラクシー・ウォッチ4)

画像クレジット:Brian Heater

サムスンがまた新たなスマートウォッチを発表した。ただし、今回はこれまでの製品とは少々異なる。近年は独自OS「Tizen(タイゼン)」に力を入れていたサムスンだが、この最新ウォッチではGoogle(グーグル)のOSに戻っている、というか、少なくともGoogleの「Wear OS(ウェアオーエス)」を採用している。そのソフトウェアは「Wear OS Powered by Samsung」と呼ばれ、Wear OSを核としながら、Tizenの良いところを取り入れたものになっているのだ。

サムスンは今回、健康指標の面に力を入れており、Galaxy Watch 4の発表では、血圧、血中酸素、身体組成などを継続的にモニターできる機能に焦点が当てられた。

2021年のサムスンの時計は「Galaxy Watch 4」と「Galaxy Watch 4 Classic」という2種類が用意されている。標準モデルのGalaxy Watch 4は、やや薄くて軽量で、ベゼルにタッチセンサーが搭載されており、インターフェースを操作できるようになっている。Galaxy Watch 4 Classicはやや大きくて重く、物理的に回転するベゼルを備えている。Galaxy Watch 4は40mmと44mmという2種類のサイズから選べ、米国での販売価格は249.99ドル(約2万7600円)から。Galaxy Watch 4 Classicは42mmと46mmが用意されており、価格は349.99ドル(約3万8600円)からとなっている。

関連記事:サムスンは「Galaxy Watch 4」でWear OSに回帰、ヘルスケアにもフォーカス

Galaxy Z Fold 3(ギャラクシーZフォールド3)

画像クレジット:Brian Heater

初期の折りたたみ式スマートフォンは、価格も高く、問題も多かったため、世界を席巻するまでには至っていない。それどころか、おそらくほとんどの人は、まだ折りたたみ式スマートフォンというものを実際に見たことがないだろう。しかし、サムスンはまだこの分野で終わっていない!

今回、同社が発表した「Galaxy Z Fold 3」は、ホットドッグスタイルの折りたたみ式携帯電話に対するサムスンの3度目のアプローチだ。価格は先代「Galaxy Z Fold2」の1999ドル(約22万円)から1799ドル(約20万円)へと少し下がっている一方で、全体的な製造品質は向上している。Galaxy Z Fold 3は、より強固なアルミニウムフレームと、耐久性が改善された折りたたみ式ディスプレイ、そしてIPX8等級の防水性能(折りたたみ式携帯電話では世界初!)を備えている(1つ注意:この「X」とは、もし誤って浴槽に沈めてしまっても大丈夫という意味だが、粉塵やゴミが内部に侵入しないように気をつける必要はある)。

Galaxy Z Fold 3は、サムスン初のアンダーディスプレイカメラを搭載したデバイスとなる。これは凄い仕掛けだが、一般的に写真の画質は犠牲になることが多い。背面には超広角、広角、望遠の3つのレンズが(隠されずに)搭載されており、それぞれ1200万画素となっている。さらにサムスンのスタイラス「Sペン」にも遂に対応した。

米国では8月26日に出荷が始まる予定。

関連記事:サムスンの最新フォルダブル「Galaxy Z Fold3」はスタイラス対応、防水仕様、アンダーディスプレイカメラ追加

Galaxy Z Flip 3(ギャラクシーZフリップ3)

画像クレジット:Brian Heater

今回発表された折りたたみ式スマートフォンで、注目を集めているのはフラッグシップモデルのFold 3だが、サムスンの相対的にエントリーレベルに位置づけられる折りたたみ式(クラムシェル!)スマートフォンも、Galaxy Z Flip 3へとアップデートされた。

Flip 3は、前述のFold 3と同じように、強固なアルミニウムフレームの採用、耐久性が増したディスプレイ、IPX8防水など、耐久性の面で多くの改良が施されている。内側には10MPのセルフィーカメラ、外側には2つの12MPカメラ(超広角と広角)を搭載。価格は999ドル(約11万円)と、先代よりも400ドル(約4万4000円)近く安くなっている。サムスンが折りたたみ式スマートフォンを初めて1000ドル以下の価格帯に引きずり込んだのだ。カバースクリーン(デバイスを折り畳んだときに表示されるスクリーン)は、前世代の1.1型に対して1.9型と大きくなっている。

今回発表された他の製品と同様、Galaxy Z Flip 3は米国では8月26日に発売される。

関連記事:値下げされ(相対的に)手を出しやすいサムスンの新フォルダブル「Galaxy Z Flip」は約11万円から

Galaxy Buds 2(ギャラクシーバッズ2)

画像クレジット:Brian Heater

サムスンは今回、エントリーレベルのワイヤレスイヤホンの新世代モデルも発表した。必要な情報はすべて次の1文に含まれる。より小さく軽くなり、アクティブノイズキャンセリング機能を搭載し、8月26日に149ドル(約1万6500円)で発売される。

もっと詳しく知りたい? それならこちらの記事に書かれている

関連記事
サムスンがエントリーモデルの完全ワイヤレス「Galaxy Buds 2」にアクティブノイズキャン搭載
【レビュー】Samsungの「Galaxy Bud 2」は派手さはないが堅実なワイヤレスイヤフォン

プラスティック削減!

これは最後に少しだけ紹介されたことだが、注目に値するものだ。サムスンは、2025年までに携帯電話のパッケージから使い捨てのプラスチックをすべて排除することを約束し、同年までに携帯電話製品全般におけるリサイクル素材の使用を大幅に増やすことを計画しているという。サムスンは、地球上の他のどの企業よりも、四半期あたりの携帯電話出荷台数が多いことを考えると、これは非常に大きな意味がある。他の企業が追随することを願いたい。

カテゴリー:ハードウェア
タグ:SamsungSamsung GalaxyスマートウォッチWear OS健康フォルダブルスマートフォンイヤフォンGalaxy WatchGalaxy Buds

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(文:Greg Kumparak、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

【レビュー】Samsungの「Galaxy Bud 2」は派手さはないが堅実なワイヤレスイヤホン

今年の始め、Nothing(ナッシング)は壮大な構想をもってEar (1) (イヤー・ワン)を発売した。ファッション・アクセサリーとしてのイヤホンだ。実際、当初同社はトランスペアレント・デザインの非侵襲性を強調していたが、結局はStockX(ストックエックス)でデビューしたことでファッション重視の正体を表した。

その意味で、Samsung(サムスン)の新製品、Galaxy Bud 2(ギャラクシー・バッド2)は「アンチNothing」だ。会社はこの製品に関して積極的といっていいほど自分たちのアプローチに関して控えめだ。それはこれまでの世代のBudを継承するものだが、世界一派手なスマートフォンを作っていることを誇りとする企業としては、非常に対照的、かつ新鮮なアプローチだ。最近のUnpackedイベントでこのイヤホンと共に発表された2台(!)の新型フォールダブル(折りたたみ)端末と比べてほしい。

関連記事:
サムスンが新ワイヤレスイヤフォン「Galaxy Buds Live」を発表、2万円弱でアクティブノイキャン搭載

Samsungのイヤホンに対するざっくばらんともいえるアプローチも良し悪しだ。変化を続けるモデルのラインアップを象徴するブランディングをもっと明確に押し出すこともできたはずだ。今週の発表に先立ち、どのように現状を分析しているかを会社に尋ねてみた。

当社のプレミアム製品であるGalaxy Buds Proは、最先端技術を用いて、没入型オーディオ、高度なアクティブ・ノイズキャンセリング、および手間いらずの接続を実現しています。独自のスタイルを自慢したい人たちのために、Galaxy Buds Liveは高品質なサウンドと人目を引くデザインを組み合わせています。

画像クレジット:Brian Heater


つまり、簡単に言って現在Galaxy Budsには3種類のバージョン、Buds 2とBuds ProとBuds Liveがある。これを聞いた人は、新しい149ドルのエントリー・レベルが出たことで170ドルのBuds Liveが少々冗長に感じるかもしれない。大きなアップグレードがない限り、Buds Liveがあまり長くこの世界にいることはなさそうで、Buds 2とBuds Proという明確な2つのレベルの製品ラインになるだろう。

前にも言ったことだが、ワイアレス・イヤホンの世界は早くに「なかなか良い」という共通認識に到達した。正直なところ、100ドル以上払って良くないイヤホンを買うことは難しい。そして、多くのあるいはほとんどの人の意図と目的のためには、持っているスマートフォンのメーカーが作っているイヤホンを私はお薦めする。デバイスのハードウェアとソフトウェアを直接知っていることは明確な市場優位性だ。

それはもちろん、世界で巨大な市場シェアをもつSamsungのような会社にとって決定的な優位性だ。そしてGalaxy Buds 2は典型的な「かなり良い」製品だ。派手さはなく、そのデザインはすでにコンパクトな初代Budsよりも15%小さく、20%軽く、最小限の表面積で事実上見えなくなるデザインだ。

画像クレジット:Brian Heater


そのサイズと形状によって驚くほど心地よいイヤホン・ペアに仕上がっている。これまで試したイヤホンのおよそ半分が私の耳に痛みを感じさせたが、これは長時間つけていられるエルゴノミクスとデザインだ。タッチコントロールのために触れる面積は十分ある。ただし小さなサイズで最大の欠点は、タッチコントロールに触れずに耳の中の位置を調整するのが困難なことだ。ランニング中に汗ばんだ耳の中で何度も位置を調整する私にとっては厄介だ。

音質は堅実でこれはSamsungの子会社であるAKGのおかげだ。卓越しているわけではないが、149ドルのイヤホンに必要あるいは期待するレベルそのものだ。アクティブ・ノイズキャンセリング(ANC)にも感動した。完璧に良好で全てにおいて普通、まさしく実用的だ。もちろん良い意味で。高音質が必然という人にはProがある。あるいは、Nura(ニューラ)の新型イヤホンやSony(ソニー)という選択肢もあるが、それはどこまで贅沢するかによる。Buds Proには360度オーディオという機能もある。ごくごく少数の潜在的購入者の決断を左右するだけだろうが。

画像クレジット:Brian Heater


ケースのワイヤレス充電はありがたい機能で、ANCとともに他のエントリーレベル機の上を行く。バッテリー持続時間はANCオンで5時間、オフで7.5時間。ちいさな地味なケースを使えば20時間に延長される。IPX2クラスの防水は汗対策にはよいが、今後の改善が望まれる部分だ。

全体的にみて行くべきことは多くない。Galaxy Buds 2はSamsung Galaxyエコシステムの堅実で控えめな新メンバーだ。

関連記事:
【レビュー】成熟した市場に参入する低価格の変わり種、Nothingのワイヤレスイヤフォン「Ear(1)」

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(文:Brian Heater、翻訳:Nob Takahashi / facebook

値下げされ(相対的に)手を出しやすいサムスンの新フォルダブル「Galaxy Z Flip」は約11万円から

Galaxy Z Flipは、おそらく永遠にFoldの後塵を拝することになるだろう。S Penをはじめとする数々の新機能を搭載し「フラッグシップ」の仲間入りを果たしたが、Galaxy Z Flipのその運命はおそらく避けられない。

しかし、フォルダブル端末の世界を真剣に検討している人にとっては、クラムシェル型デバイスについて何かいうべきことがある。それは、本モデルはGalaxy Zシリーズの中では、これまでずっとコンパクトなものであり、(あえていうなら)手に取りやすい存在だった。もちろん、1380ドル(約15万2000円)という価格は「手の出しやすさ」という意味では相反するものだが。しかし、今回のUnpackedイベントで、Samsung(サムスン)はGalaxy Z Flip 3がFoldよりも大幅に値下げされると発表している。

999.99ドル(約11万円)という価格は「相対的に」というものだ。しかし、少なくとも400ドル(約4万4000円)近い値下げによって、Flipはフラッグシップモデルのメインストリームとなる価格帯に入ることになる(Fold 3は、先代モデルよりも安いとはいえ、1799ドル[約19万9000円]だ)。さらに、第3世代のデバイスで得られた知見を踏まえれば、これまでのSamsungの(そしておそらく業界の)最も主流となるフォルダブル端末であることは間違いない。つまり、初代の折りたたみ式Razrに勝るものはない、ということだ。

画像クレジット:Brian Heater

もちろん、私たちは、この問題についてより明確なことが言えるようになるまで、レビューユニットを待つつもりだ。しかし、SamsungがFoldでリードし続けている間に、他の選択肢をただ眠らせておくわけにはいかない。両機種ともに、新機能において(当然ながら)耐久性を優先している。そのためPET樹脂製のより強力な保護フィルムや、従来モデルでは弱点を強化するために、ディスプレイパネルが再構成されている。

また、Samsungが独自に開発した新素材「Armor Aluminum」をボディに採用した他、Gorilla Glass Victusを外装に使用し、IPX8相当の防水性能を実現している。これは、新しいフォルダブル端末が、従来製品よりもはるかに水に耐えられることを意味する。格付の「X」は、ヒンジの性質上、埃に対する評価ではないことを意味しているが、Samsungは、前モデルで導入したSweeper Technologyにより、押し込む過程でスクリーンの裏側に入って破損させる可能性のある粒子状の物質をすばやく処理できると考えている。

画像クレジット:Brian Heater

また、デザインも一新されている。閉じた状態では、Foldに比べてかなり見栄えの良いものになっており、ポケットに入れて持ち歩きやすくなっているようだ。カラーはクリーム、グリーン、ラベンダー、ブラックの4色で、さまざまなカバーも用意されている。オンラインで購入する場合は、グレー、ピンク、ホワイトの3色から選ぶことができる(日本では5Gモデルがミスティックブロンズ、LTEモデルがミラーパープル、ミラーブラック)。内部のディスプレイは前モデルと同じ6.7インチ(2640×1080)だが、カバーディスプレイは約1.95インチになっている。

カメラは、Flip 2とほぼ同様だ。

  1. 前面:10MPセルフィー。F2.4。ピクセルサイズ:1.22μm。視野角:80度
  2. 背面:12MP超広角。F2.2。ピクセルサイズ:1.12μm。視野角:約123度
  3. 背面2:12MP広角。デュアルピクセルAF、OIS。F1.8。ピクセルサイズ:1.4μm。視野角:約78度

画像クレジット:Brian Heater

バッテリーは、当然のことながら、Foldと比べてかなり小さい約3300mAhで、2つのモジュールに分割されている(折りたたみ式だから)。急速充電とワイヤレス充電に対応している他、Samsungの「ワイヤレスPowerShare」により、他のデバイスにも充電できる。このFlipには、Foldと同様にSnapdragon 888が採用されており、8GBのRAMと128または256GBのストレージを搭載する(日本では256GB ROMのみ)。

発表された他のデバイスと同様に、米国においてGalaxy Z Flipは現在予約受付中で、8月26日に出荷を開始する。予約注文をすると、150ドルのSamsung Credit(約1万6600円)がもらえる。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:SamsungSamsung Galaxyフォルダブルスマートフォン

画像クレジット:Brian Heater

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(文:Brian Heater、翻訳:Katsuyuki Yasui)