ドイツのプロサッカーリーグがAWSと組んでファン体験の向上を目指す

ドイツのサッカーのトップリーグであるBundesliga(ブンデスリーガ)は米国時間1月24日、ゲーム中のファン体験をもっと面白くするためにAWSとパートナーして人工知能を利用すると発表した。

ブンデスリーガなどを運営する上位団体ドイツフットボールリーグ(DFL)のデジタルスポーツ担当執行副社長であるAndreas Heyden(アンドレアス・ヘイデン)氏によると、これはファンがゲームの放送を見ているだけか、それともオンラインの対話性があるかによって異なるかたちになる。

ヘイデン氏は「ファンがもっとエキサイトするようにテクノロジーを使いこなしたい。ファンの参加性(エンゲージ)が増すことによって、ファン体験のレベルを上げ、放送では適切なタイミングで適切なデータを見せ、アプリやWebでは体験を個人化したい」と語る。

それには個人化されたコンテンツを届けることも含まれる。同氏は「今の時代は一般的に、人々の注意力や関心が長続きしないから、ユーザーがアプリを開いたときの最初のメッセージは、その時のコンテキスト(状況)とその特定のユーザーに最も合ったメッセージでなければならない」と説明する。

ファンにリアルタイムで高度な統計データを見せたり、あるいは応援しているチームにとって重要な瞬間にゴールの可能性を予言してもいい。ヘイデン氏によると、それは数字でストーリーを語ることであり、事後データの報道ではないという。

同氏はさらに「テクノロジーを利用して、テクノロジーがなければ不可能だったストーリーを語りたい。人間の記者ならシュートが入る確率を当てることはできないが、AWSならできる」と続ける。

Amazon(アマゾン)のCTOであるWerner Vogels(ヴェルナー・フォーゲルス)氏によると、AWSのプラットホーム上で機械学習などの技術を利用して観戦体験の質を上げ、若いファン層を引きつけることはどんなスポーツにも有効だ。フォーゲルス氏は「次世代のファンが参加性のある熱心なファンに育つためには、ありとあらゆる手段による拡張ファン体験が必須だ」と語る。

同氏によると、テクノロジーがない時代にはそんな体験は不可能だった。「10年前には不可能だったが、今では機械学習を初めAWSが提供している先進的な技術と、それらの急ピッチな成長進化により、スポーツファンにリアルタイムで新しい体験を届けることができる」とフォーゲルス氏。

ブンデスリーガは単なるサッカーリーグではない。売上ベースでは世界第2位のプロサッカーリーグであり、スタジアムへの観客動員数では世界一だ。DFLとAWSの関係は2015年に始まり、そのときヘイデン氏がリーグのオペレーションをAWS上のクラウドへ移行した。本日の発表は、そこからの流れだ。

同氏によると、ほかのクラウド企業でなくAWSを使うことにしたのは偶然ではない。サッカーの大ファンであるフォーゲルス氏はハイデン氏の長年の知己だ。AWSはDFLに入る前から10年以上使っている。本日の発表は、そんな長い関係の延長線上にある。

関連記事:AWS is sick of waiting for your company to move to the cloud(AWSはあなたの会社がクラウドに移行しないことにしびれを切らしている、未訳)

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

MLBでも試用中のロボット球審が米国の独立リーグでデビュー

発表から4カ月になる、いわゆる「ロボット球審」が、独立リーグのAtlantic League(アトランティック・リーグ)でデビューした。今独立リーグは、アメリカの代表的な娯楽である野球の新しい姿を求めていろいろな工夫を試しており、審判の機械化もそのひとつだ。

関連記事:メジャーリーグ30球場でレーダーシステム「TrackMan」をボールとストライクの判定に利用

システムはレーダーのTrackManを利用して投球のボールとストライクを判断する。ドップラー効果を利用するそのシステムはすでにメジャーリーグの30カ所のスタジアムと、もっと多いマイナーリグの球場ですでに使われている。情報はシステムから人間アンパイアにiPhoneとイヤホンでリレーされる。

ホームプレートのアンパイアを置換するわけではなく、また一種のフェイルセーフとして、人間アンパイアが必ず投球をモニタする。人間アンパイアは、TrackManの判定を全否定してもいい。中でも特に今のシステムは、バッターが振ろうとしたバットを途中で止める、ハーフスイングを正しく判定できない。

関連記事:メジャーリーグのピッチャーの投球を400万球分析して人間審判の誤審率を計算

人間アンパイアの一人、Brian deBrauwere氏はESPNにこう語っている。「システムを100%信頼できるようになるまでは、人間が毎日球場に行って投球を正しく判定しなければならない。システムが間違ったり、ピッチアップを判定できなかったり、プレートから40cmも外れた球をストライクと判定したりすれば、我々が出て行って正さざるをえない」。

ロボット審判は、現在アトランティック・リーグでテストされているいくつかの機能の1つだ。ここで結果が良ければ、メジャーリーグでも公式に採用される。ほかにも今は、ホームプレートとマウンドの距離を可変にする、1人のピッチャーは必ず最小限3人の打者に投げる、などがテストされている。

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インド最大のビデオストリーミングサービスがセキュリティ欠陥のためSafariのサポートを停止

ユーザーが3億以上いるインド最大のビデオストリーミングサービスHotstarは、米国時間6月7日にApple(アップル)のSafariブラウザーのサポートを停止して、同プラットホームの未認証利用を許してしまう(Hotstar側の)セキュリティの欠陥を回避した。本誌TechCrunchの、この件に詳しい2つの情報筋がそう言っている。

この問題が明らかになったのは、偶然にも何百万もの人びとがクリケットのワールドカップ戦を見ているピーク視聴時だった。そしてこのストリーミングサービスを提供しているStar India社は、ディズニーが買収した20世紀フォックスの傘下なのだ。

SafariでHotstarを見られないという苦情が殺到し始めると、同社の公式サポートはApple側の「技術的制約」が原因と断定した。「その制約はSafariのものであり、弊社には何もできない」と同サポートは金曜日の夜にツイートした。

Hotstar側の情報筋はTechCrunchに、サポートの言い方は正確でないとコメントした。実際に起きたのは、同社の技術者が未認証ユーザーがHotstarのコンテンツにアクセスするために使っている(Hotstar側の)セキュリティホールを見つけたことだ。

Hotstarはその欠陥へのパッチを急ぎ、Safariのサポートを再開するつもりだとその情報筋は言っている。

そのセキュリティホールはSafariのデスクトップとモバイルのブラウザーからのみ悪用できる。Hotstarのウェブサイトは、ChromeやFirefox、またはそのモバイルアプリからサービスにアクセスすることを勧めている。この件に関し、Hotstarはコメントを拒否した。

HotstarはインドでNetflixやAmazon Prime Videoと競合しているが、ユーザー数と視聴数では断トツで先頭を走っている。先月は、クリケットの実況中継がビューワー数1800万件を突破した、という世界記録を発表した。

画像クレジット: SAEED KHAN/AFP/Getty Images

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メジャーリーグのピッチャーの投球を400万球分析して人間審判の誤審率を計算

ボストン大学の院生たちが、メジャーリーグ(Major League Baseball、MLB)の過去11シーズン(2008〜2018)の400万投あまりの投球を調べた結果は、人間アンパイアにとってうれしいものではなかった。その調査によると、2018年に球審は、ボールとストライクを34294回誤審している。それは1ゲームあたりでは14回、1イニングあたりでは1.6回だ。

1シーズンに32のチームがそれぞれ162ゲーム戦うのだからそれほど大きな数ではないが、でもそれは多くの憤慨した観客たちが長年疑っていたことを確認するには十分だ。

調査によると、MLBの審判の平均年齢は46歳、平均経験年数は13年だ。各シーズンに球審はホームプレートの後ろで約4200球の投球を判定する。面白いことに、調査結果では若くて経験の浅い審判のほうがベテランよりも成績がいい。

誤審の頻度は、当然かもしれないがプレーの性質によって異なる。これまで何度か球場に足を運んだことのある人たちの多くが、審判は今どっちがリードしているかによってピッチャーかバッターのどちらかをえこひいきすると疑っている。その点はどうか。

調査にはこう書かれている。「調査結果によれば、アンパイアは特定の状況下では圧倒的にバッターよりもピッチャーに有利な判定をする。バッターが2ストライクのときは、次の球がボールでもストライクと判定した誤審率が29%で、2ストライクでなかった場合の誤審率15%に比べほぼ倍である」。

なお、このニュースの1か月前のMLBの発表では、同団体が現在、独立リーグ、アトランティックリーグのマイナー戦でロボット審判の利用を試行している、ということだった。それは、将来のある時点でメジャーがその技術を実装することを目指している。最近は野球のテレビ放送でストライクゾーンの図解が表示されるようになったため、球審のロボット化という話題も、急に現実味を帯びてきている。

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NBAスター、マイケル・ジョーダンがEスポーツ会社の2600万ドル投資ラウンドをリード

NBAのレジェンド、マイケル・ジョーダンは、今やEスポーツ界で活躍中で、オーナーグループaXiomaticの2600万ドル調達ラウンドをリードした。

ジョーダンと新たに共同出資社となったDeclaration Capital——マルチビリオンの非上場会社 The Carlyle Groupの共同ファンダーで共同執行役会長のDavid Rubensteinの個人資産を投資している家族会社——にとって、Eスポーツへの投資はスラムダンクのようだ。

aXiomaticは、ジョーダン、Declaration Capital、およびCurtis Polkが投資したことを本日発表した。PolkはHornets Sports & Entertainmentの経営パートナーでマイケル・ジョーダンと彼の関連会社の財務と事業管理を担当している。Bloombergの報道によると調達金額は2600万ドル。

Forbesが業界第2位のゲーム会社と推測するEスポーツのフランチャイズ、TeamLiquidを所有するaXiomaticは、急成長するEスポーツ界に確固たる基盤を持っている。

実際、最も成功しているEスポーツ企業であるCloud9は、最近5360万ドルの新規ラウンドを実施したことが、証券取引委員会(SEC)に提出された文書でわかった。

「aXiomaticへの投資によって私のスポーツ株式投資の幅が広がることを楽しみにしている。Eスポーツは急成長中の国際産業であり、このすばらしい投資家グループと共に参加できることを嬉しく思っている」とジョーダンが声明で語った。

プロスポーツチームのアスリートやオーナーたちは、Eスポーツ業界に殺到している。公認Overwatch Leagueの自チームにぽんと2000万ドル出したり、Eスポーツエコシステムのサービスを開発する企業に同様あるいは小さな金額を投資している。

Philadelphia 76ersは、NBAチームとして初めてEスポーツの世界に足を踏み入れ、Team Dignitasを当時1500万ドルと噂されていた企業価値で買収した。今年、DignitasはRocketLeague世界チャンピオンの座を76ersに持ち帰った。

今やGolden State Warriors、Cleveland Cavaliers、およびHouston Rocketsの3チームが、Riot GameのLeague of LegentsトーナメントのEスポーツチームを支援していると Bloombergは伝えている。

「次世代のスポーツファンはEスポーツファンである」とaXiomaticの会長でMonumental Sports & Entertainment(NBA Washington Wizards、NHL Washington Capitals、およびWNBA Mystics franchiseを所有している)の会長・CEO・過半数株保有者のTed Leonsisが声明で言った。「Eスポーツはスポーツ・エンターテイメント業界で最も成長著しい分野であり、aXiomaticはその成長の最先端にいる。マイケルとDeclaration CapitalをaXiomaticに迎えることを大いに喜んでおり、真に最先端をいく事業を共に成し遂げることを楽しみにしている」。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Uber、自転車シェアサービスのMotivateを買収か

Uberは、自転車シェアサービス会社、Motivateの買収を目論んでいると報じられている。サンフランシスコでFord GoBikeを、東海岸ではCiti Bikeを運営する企業だ。直前にはライバルのLyft がMotivateを2.5億ドルで買収間近と報道されていた。

Uberは自転車シェアのスタートアップ、JUMPを今年2.5億ドルで買収した。ドック不要の電動自転車を使うサービスだ。 Motivateはサンフランシスコで電動自転車サービスを展開している。JUMPの18か月間のパイロットプログラムが6月に終了すれば、Motivate、Limeその他のサービスも同市に許可申請すると思われる。

Uberは本件に関するコメントを拒否している

UberとLyftはつい先日、電動スクーターの運行許可申請をサンフランシスコ市に提出した。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Google Homeがミニゴルフの全米ツアーを開催、ファミリーで参加できる、賞品もある

ニューヨークやシカゴ、ロサンゼルス、またはアトランタに住んでる人はもうすぐ、ミニゴルフで遊んで†Google Homeのいろんな製品について学べる。古き良き日の、企業の販促イベントみたいだな。(†原注: パターだけでプレイするゴルフなのでputt-puttという言葉が好きな人もいる。)

このプロジェクトに参加しているGoogle社員が、発表のビデオでこう言っている: “ふつうのリビングルームよりもちょっとエキサイティングな環境で、全国の人にGoogle Homeにできるマジックを感じてほしい”。もう一人のGoogle社員は、“ここでできることは、どれも家でできる。あなたの家をミニゴルフのコースに置いたようなものだ”、と言ってる。

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当然ながら、仕掛けの中には、Google Homesがコース全体に配置されていて、障害物を避(よ)けるためにはそれらとお話しなければならない、というのがある。このコンペの“賞品”は、Googleの名入りソックスたくさんと、Home Mini数台だ。そしてもちろん、全体がファミリー向けだ。

ニューヨークのコースは、すでに企業向けにオープンしている。そのほかの都市も、すぐに続くだろう。ティータイムの予約は、ここでする。

ジョークを抜きにしても、Googleは明らかに現在の、Homeをめぐる上げ潮ニュースに乗りたいのだ。その中には、Google Homesの売上がAmazonのEchoデバイスを上回った、というのもある。先月のGoogle I/Oカンファレンスでデモした、ちょっと気味の悪いGoogle Assistant、Duplexについてはまだ一言もないが、なんだったらあなたご自身が、Google HomeのミニゴルフコースでGoogle Homeデバイスにたずねてみるとよい。

おまけ情報: ポートランドに住んでる人は、Twin Pines Country Clubへ行けばよい。市の施設だから、企業の宣伝臭なしでputt-puttを楽しめる。無料で。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

ロボットサッカーの現状はこんな具合

基本的にスポーツは苦手だ。だから、というわけでもないのだが、ロボットがサッカーをプレイする未来を待望していたりする。というわけで、SPL(Standard Platform League)のGerman Openファイナルをご案内したい。対戦しているのはNao-Team HTWKとNao Devilsだ。人間がプレイする必要のないスポーツというのは、私のような人間にとっては「輝かしい未来」に思えるのだがどうだろうか。

プレイしているのは、ソフトバンクがStandard Platformリーグ用に開発したNaoだ。Naoはフィールドを走り回り(人間が走るのとは様子が違うけれど)、豪快なシュートを放ち(これも人間のシュートとはちょっと違う)、倒れたときにはもちろん自分で立ち上がってプレイに復帰する。試合の様子は見慣れたサッカーとは異なるものかもしれない。しかしシュートを決めようとボールを追いかけるロボットにはつい胸が熱くなってしまう。

人が手を(足を)煩わせることなく、サッカーが楽しめるというのは素晴らしいことだと思う。

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(翻訳:Maeda, H

Googleが三月の狂気(march madness)でリアルタイムの試合展開予想をCMで提供

Googleは、同社のデータサイエンスの技術をリアルタイムで試してみたいようだ。今週末(米国時間3/30〜)同社は、サンアントニオで行われるファイナルフォー(Final Four, 全米男子大学バスケ選手権)で、データ分析と機械学習の技術を駆使して、試合中にさまざまな予測を行う。そしてハーフタイムに放映されるテレビコマーシャルでは、そのゲームの後半戦について予言する。

その詳しい計画は同社の今朝(米国時間3/30)のブログ記事に載っていて、そこでは、Googleのクラウド技術を使ったスポーツデータの統計分析などで同社とNCAA(全米大学体育協会)はすでに関係があり、今回の企画もそのご縁から生まれた、と言っている。そしてGoogleはこの機会を、NCAAのデータのより高度な活用の機会と捉えている。

チームはデータサイエンティストと技術者とバスケットボールのファンたちで構成され、GoogleはGoogle Cloud PlatformとBigQuery、Cloud Datalabなどの技術を利用するデータ処理のワークフローを構築した。データは非常に細かくて、各人の毎分のショットブロック数、動物をマスコットにしているチームの逆転負け率、などもある。Googleはそれらのデータを総動員して、今行われているゲームの経過や結果を予想する。そのためには、ゲームの前半から得られたデータをリアルタイムで分析し、それに基づく予想を数分後にコマーシャルで発表する。

Google Cloudのチームが試合中の会場にいて、前半のデータをワークフローに放り込み、NCAAの過去のデータも利用して分析する。ハーフタイムになったら、データをさらに分析して予想を作りだす。その技術的な詳しい説明は、Google Cloud Big Data and Machine Learningのブログで共有されている。

ハーフタイムが終わる前にGoogleは、出来立てほやほやのテレビコマーシャルをCBSとTurnerに渡し、後半が始まる直前にそれが放映される。

“スポーツイベントの実況中に自社のリアルタイム予測分析技術を利用してコマーシャルを作る企業は、うちが世界で初めてだろう”、とGoogleは言っている。

この実験はGoogle Cloudなどの技術を宣伝する方法としても巧妙だが、ファイナルフォーの予想をするテクノロジー企業はGoogleだけではない。

すべてのバーチャルアシスタント(スマートアシスタント、音声アシスタント)が、独自の予想をしている。GoogleのGoogle Assistantだけでなく、AmazonのAlexaも、MicrosoftのCortanaも、AppleのSiriも。でもそれらの一部は、本物のデータサイエンスを利用した予測というより、人が書いた意見のようだ。

このGoogleとNCAAのデータサイエンス/機械学習の実験には、そのためのWebサイトもある。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

だんきちが東京ドームとエイベックスから8000万円を調達、「スポーツのオンラインレッスン文化」浸透へ

野球やゴルフなどのレッスンを、オンライン上で受けられるサービスを提供するだんきち。同社は1月23日、東京ドームとエイベックス・ベンチャーズを引受先とする第三者割当増資により、約8000万円を調達したことを明らかにした。

だんきちは2013年の設立。2014年にディー・エヌ・エー、NTTドコモ・ベンチャーズおよび個人投資家から3000万円、 2015年末から2016年にかけてiSGSインベストメントワークス、朝日放送グループのベンチャーキャピタルであるABCドリームベンチャーズから約4500万を調達。今回が3度目の資金調達となる。

スマホさえあれば、いつでもどこでもレッスンが受けられる

だんきちが取り組むのは、ITを活用した新たな「スポーツレッスン」の仕組みづくりだ。従来であればレッスンを受けるには毎回スクールに足を運ぶのが一般的。開始時刻や日程が決まっているため時間の制約があることに加えて、住んでいる地域によっては自宅から通える場所にスクールがないなど、地理的な制約もある。

一方だんきちが展開するのは、スマホさえあれば好きな場所で、いつでもレッスンを受講できるオンラインレッスンサービス。自分のフォームやプレー動画をアップすると、プロのコーチによるフィードバックや動画を使ったフォーム指導、練習メニューのアドバイスなどをもらえるのが特徴だ。

現在は元プロ野球選手やプロゴルファーがレッスンを行う「スポとも」「スポともGC」を自社で開発し提供。またテニスに関しては開発や運営をだんきち、プロモーションをWOWOWが担当する形で「WOWOW パーソナルコーチ」を共同展開している。

東京ドーム、エイベックスとも新サービスを開発

だんきちの代表取締役CEOである与島大樹氏によると「今後は各スポーツでブランド力がある企業とアライアンスを組みながら、オンラインレッスンの文化を広げていく」方針。今回の出資元である東京ドームやエイベックスとも資金の提供を受けるだけでなく、WOWOW パーソナルコーチのように、野球とダンスに関する新サービスを一緒に開発するという。

もともと東京ドームでは元読売ジャイアンツの選手から指導を受けられる野球塾を運営しているため、そこで培ったナレッジやコーチ陣のリソースをサービスに活用する予定。各地でダンススクールを展開するエイベックスとの取り組みについても同様だ。

サービスの軸となるのは、「スポとも」と同じくユーザーが投稿した動画をもとにしたフォーム指導だが、生徒とコーチがコミュニケーションをとりやすい設計など、細かい機能やデザイン面で新たな取り組みも行っていくという。

現在だんきちが手がけるオンラインレッスンサービスは単月で約3500人が使用。年内にこの数値を8000人まで増やすのが直近の目標だ。まずはフォームが重要視されるスポーツとして「野球」「ダンス」「テニス」「ゴルフ」「陸上」の5種目に注力する。

「オンラインレッスンの文化を作りたいというが自分たちのビジョン。東京五輪も近いので、それまでにもっと普及させられるように事業を加速させたい」(与島氏)

体の動きを記録できるNotchはスポーツや作業の上達に必須のアイテムになるだろう

Notchを作ったEszter OzsvaldとStepan Boltalinは、このプロジェクトに2013年から取り組み、今年やっとDisrupt Berlinのステージでその完成した姿を披露できることになった。すでにSOSVenturesやHax Acceleratorが投資しているNotchは、ユーザーが自分の体の動きを走査し、動きを軌跡として記録できる。ゴルフのスイングや体操、作業など、どんな動きでも分析できる。

同社は今、パートナーたちと一緒に、ゴルフの教習やプロのゴルファーのプレイなどを3Dで記録しようとしている。また、4DMotionSportsというパートナーは、陸上選手の3D記録を作って、その再生利用をするつもりだ。

Ozsvaldは曰く、“Notchは初めて、本格的なモーションキャプチャーをスマートフォンに持ち込んだ。また、モーションキャプチャーを利用するアプリを誰でも作れるようにAndroidとiOS用のSDKを提供しているのも、うちが初めてだ。スポーツや作業分析ばかりでなく、消費者向けのおもしろい動き分析アプリが作れると思う。Notchが類似製品と違うのは、使用するセンサーの数にスケーラビリティがあること(最大12まで)、そしてコストがそれらの1/10ぐらいと安いことだ”。

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センサーを6つ搭載したNotchは387ドルで、すでにこれまでに1万台を売った。

同社はKickstarterでも資金集めに成功し、そして今では本格的な商用製品とアプリをリリースしている。

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MLBのチームがiOS 11のNFC機能で非接触チケットによる入場をテスト、来年は全チームが本番採用

この春AppleがiOS 11を発表したとき、とても目立ったのは、iPhoneのNFCチップにデベロッパーがアクセスできるようになったことだ。Apple自身はNFCの非接触技術を使って、数年前から、iPhoneやApple WatchでApple Payを提供している。でもデベロッパーがそれを自分のアプリから利用することは、それまでできなかった。

今日MLBは、彼らが作ったNFC利用のチケットアプリをOakland Athleticsで試験的に使用している、と発表した。このアプリがあれば、ファンは自分のiPhoneやApple Watchを球場入り口のスキャナーにタップするだけで入場できる。Apple Payで決済するときと、同じやり方だ。

試験は、iOS 11がローンチしたあとの9月22日からのホームゲーム6試合で行われている。プロのスポーツイベントがApple Walletの非接触チケットをサポートするのは、これが初めてだった。実は、テキストメッセージングによるモバイルチケットの利用も、2007年のOakland Athleticsが初めてなのだ。

もちろん非接触の入場とモバイルのバーコードチケットを使う入場に大差はないし、後者は多くの球場が利用している。でもNFCはバーコードと違って複製を作れないから安全だ。スキャンの精度も、バーコードより高い。バーコードで入場できなくてあたまにきた経験は、どなたにもおありだろう。だからスマートフォンを使ってチケット確認を頻繁にする方にとっては、NFCによる非接触チケットが、大歓迎だろう。

MLBのアプリを実際に開発したのは、MLBAMの子会社Tickets.comだ。同社はMLBの23の全チームのチケットアプリを提供しており、今年はもうゲームがないけど、来年2018年には全チームのチケットのNFC化を行う。同社の顧客には、MLBの野球チーム以外もいる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ボストン・レッドソックスがApple Watchを使ってニューヨーク・ヤンキースからサインを盗んでいた

[↑次は直球]

Appleは次のApple Watchを発表するとき、絶対このネタを使うだろう。Boston Red Soxが相手チームのバッテリーのサインを盗むとき、このスマートウォッチが重要な役割を演じていたらしいのだ。

The New York Timesによると、MLBは、現在一位(アメリカン・リーグ東部地区)のRed Soxが、最近のヤンキース戦と、もしかして他チームとの試合でも、対戦相手のキャッチャーのからサインを盗んでいた、と裁定した

実際にどうやったのか:

Red Soxのビデオ担当者は撮影中の映像からハンドサイン(手信号)を入手し、iMessageやSMSを使って、ダッグアウトにいるトレーナーが着用しているApple Watchにその情報をメッセージした。そしてそのトレーナーは、情報を試合中の選手に伝えた。

野球のファンでない方のために簡単に説明すると、キャッチャーはピッチャーに、次に投げるべき球種をハンドサインで指示する。しかし相手チームの打者などは、この情報が分かればものすごくありがたい。次がカーブか直球か事前に分かっていたら、打者はその球をヒットにできる確率がとても高くなる。

それまでの方法では、二塁にいる走者がキャッチャーの手元を覗き込み、球種を打者にジェスチャーで教えていた。しかしライブのビデオと、Apple Watchのようなリアルタイムの通信デバイスをを使える今では、サイン盗みはずっと容易になった。

そしてもちろん、その‘犯行’の現場をとらえたのは、Red Soxと今地区リーグの首位を争っているYankeesだった。彼らは、Red Soxのトレーナーが自分のApple Watchを見て、その情報を選手に伝えている様子をとらえたビデオを、リーグに提出した。そして両チームは伝統のライバル同士〔日本の巨人/阪神のように〕だから、Red Soxも、Yankeesがテレビ放送用のカメラを使って試合中にサインを盗んだ、と提訴した。

実は、サインを盗むことは野球ではかなり一般的に行われていて、目と何らかの信号と声で自分が見たものを伝えることは許されている。しかし今回のような、ビデオによるリプレイ技術やApple Watchを使って伝達を電子的にスピードアップすることは、許されていない。リーグは、Red Soxやその他の累犯チームに、罰金を課すことになるだろう。

残された唯一の疑問は、Apple Watchのこんな使い方を誰が一体Red Soxに教えたのか?だ。ここに、その手がかりらしきものがある:

[Tim Cook: Red Soxとファンのみなさん、ボストンでの楽しい一日をさらに楽しくしてくれてありがとう。]

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ユタ大学、ビデオゲーマーに奨学金を支給。大規模校では初

[日本語版注:本稿の執筆者はRebecca Friedman]
ユタ大学がビデオゲーム中毒に目的を与えたことに、全米の子供たちが大いに喜んでいる。同大学は主催するEスポーツプログラムの参加者に奨学金を支給しているとBloombergは報じた。5大競技リーグのPower Five(Pac-12、Big 10、Big East、SEC、ACC)に所属する大学では初の試み。

このEスポーツプログラムは、同大学のエンターテイメント・アーツ&エンジニアリング学部が主催するもので、米国トップクラスのビデオゲームデザインのプログラムだ。プログラムの費用は全額この学部が負担しており、ユタ大学のスポーツ部門は資金を提供していない。

同プログラムで最初に行われるゲームは、Riot GamesのLeague of Legendsで、Riotの学生リーグのプレーヤーと戦う。他のゲームへの参加についても近く発表する予定だ。

大学はゲーマーに、当初は一部給付奨学金を支給するが、マーケティングやスポンサー制度による収益が上がるようになったら、最大35人のゲーマーに全額支給奨学金を支給する予定だ。

他の小規模大学でも既にEスポーツプログラムを実施して奨学金を支給しているところがある。カリフォルニア大学アーバイン校、ロバート・モリス大学、コロンビア大学などだ。またBig Tenカンファレンスもこの分野に乗り出しており、League of Legendsと提携して、所属12校のゲーマーを集めてBig Tenシーズンを開催する。

しかしユタ大学の新プログラムは、Power Fiveグループ校としては初めての試みであり、大規模校がこうしたプログラムや奨学金制度を実施するための道を開いた。同大学は他校にも広がることを期待している。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Adidasのお店ではセンサーを靴につけてあなたの歩きや走りを分析しアドバイスする

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木曜日(米国時間12/1)にAdidasは、タイムズスクエアの近くに新しい主力店を開く。このドイツの大手製靴企業の小売ショップとしては今回が世界最大で、近くロンドンにも同じ規模の店を開く。今後も世界各地で、このような店舗の刷新が行われるようだ。プレス向けの内見会にぼくも行ったが、なにしろすごい。複数階あり、お客が店内のスポーツ関連イベントを見るための、野球場の外野席ふうの観客席がある。コールドプレス(低温圧搾)のジュースバーがある。そして、たくさんのたくさんの靴がある。

カスタムシューズ(注文靴)をデザインしてもらえるコーナーがあり、同社の海洋廃棄物キャンペーン(環境団体: Parley for the Oceansとの提携)を表す要素もいくつかある。たとえば、海洋廃棄プラスチックをリサイクルして作った洋服ハンガーだ。

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地下はトレーニング場だ。お店常勤のトレーナーから、無料で診断を受けられる。無料といっても、Adidasのランニングシューズをすすめられるのは、しょうがない。もちろん買わなくてもよいが、あらゆるおすすめを断り、何も買わずに店を出ることは、そう、かなり難しい。

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いちばんの主人公は、同社が内製した歩行走行分析システムRun Genieだ。ほかのスポーツ靴店にはカメラを使ったシステムがあるが、こちらは二つのセンサーを靴紐のところにクリップする(最上図)。人間がビデオの映像を見るよりも、精密な測定ができる。初心者から中級者向けのシステムで、約40歩走ると結果が分かる。

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システムは、そのランナーが回内しているか回外しているか、着地したとき足が蹴っているかなどを、内蔵の加速度計で判断する。その情報はユーザーにメールで送られる(プライバシー保護のためサーバーには保存されない)。そしてもちろん、問題の矯正に役立つ靴を、すすめられる。

このような、小売店のテクノロジー化はドイツで数店試し、アメリカでは今回初めて、新しいニューヨーク店のグランドオープンに合わせて導入される。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

今期行われるNBAのVR放送予定表

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NBAは先週、NextVRと組んで1週間に1試合ずつVRストリーミングを行うとアナウンスしていた。

そして本日、このVRストリーミングの詳細予定が発表となった。嬉しいことに、すべてのチームがシーズン中に1度は登場することとなっている。

ただし、すべてのチームが同じ回数だけストリーミングされるということにはなっていない。たとえばWarriorsは4回登場する予定であるのに対し、Sixersの登場は1度だけだ。

ストリーミングされるのは毎週火曜日だ(シーズン末の1試合に例外がある)。

毎週火曜日に定期的に放送するというのは、視聴者にとっても覚えやすくて便利だろう。火曜日には必ずVRモードのNBA中継があるわけで、時間とチームを確認して興味をもてばすぐに見ることができる。ちなみに時間についてだが、これもNBAが良い仕事をしていて、さまざまなタイムゾーンにおける試合を中継することとしている。すなわち特定の地域の人は深夜でないとゲームを見られないなどということもないわけだ。

NextVRでは、試合開始から終了までの放映の他に、ゲーム後にはハイライトや短縮版も流すことにしているのだとのこと。もちろん観戦するにはNBA League Passに申し込んでいる必要があり、League Passのアプリケーションの他に、Gear VR向けのアプリケーションも必要だ。シーズン後半には、他のVRヘッドセットもサポートする予定であるとのことだ。

VR放映される試合予定は以下の通り。

  • Oct. 27, 2016 – San Antonio Spurs at Sacramento Kings – 10:30 p.m. ET
  • Nov. 1, 2016 – Los Angeles Lakers at Indiana Pacers – 7:00 p.m. ET
  • Nov. 8, 2016 – Phoenix Suns at Portland Trail Blazers – 10:00 p.m. ET
  • Nov. 15, 2016 – Brooklyn Nets at Los Angeles Lakers – 10:30 p.m. ET
  • Nov. 22, 2016 – Portland Trail Blazers at New York Knicks – 7:30 p.m. ET
  • Nov. 29, 2016 – Cleveland Cavaliers at Milwaukee Bucks – 8:00 p.m. ET
  • Dec. 6, 2016 – New York Knicks at Miami Heat – 7:30 p.m. ET
  • Dec. 13, 2016 – Golden State Warriors at New Orleans Pelicans – 8:00 p.m. ET
  • Dec. 20, 2016 – Denver Nuggets at LA Clippers – 10:30 p.m. ET
  • Dec. 27, 2016 – Memphis Grizzlies at Boston Celtics – 7:30 p.m. ET
  • Jan. 3, 2017 – Toronto Raptors at San Antonio Spurs – 8:30 p.m. ET
  • Jan. 10, 2017 – Cleveland Cavaliers at Utah Jazz – 9:00 p.m. ET
  • Jan. 17, 2017 – Minnesota Timberwolves at San Antonio Spurs – 8:30 p.m. ET
  • Jan. 24, 2017 – Boston Celtics at Washington Wizards – 7:00 p.m. ET
  • Jan. 31, 2017 – Sacramento Kings at Houston Rockets – 8:00 p.m. ET
  • Feb. 7, 2017 – Portland Trail Blazers at Dallas Mavericks – 8:30 p.m. ET
  • Feb. 14, 2017 – Toronto Raptors at Chicago Bulls – 8:00 p.m. ET
  • Feb. 23, 2017 – Portland Trail Blazers at Orlando Magic – 7:00 p.m. ET
  • Feb. 28, 2017 – Utah Jazz at Oklahoma City Thunder – 8:00 p.m. ET
  • March 7, 2017 – Washington Wizards at Phoenix Suns – 9:00 p.m. ET
  • March 14, 2017 – Philadelphia 76ers at Golden State Warriors – 10:30 p.m. ET
  • March 21, 2017 – Golden State Warriors at Dallas Mavericks – 8:30 p.m. ET
  • March 28, 2017 – Miami Heat at Detroit Pistons – 7:30 p.m. ET
  • April 4, 2017 – Minnesota Timberwolves at Golden State Warriors – 10:30 p.m. ET
  • April 11, 2017 – Charlotte Hornets at Atlanta Hawks – 7:30 p.m. ET

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(翻訳:Maeda, H

スポーツ観戦もますますモバイルへ。NBA League Passにモバイル版が登場

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TurnerおよびNBAが共同で提供しているサービスにNBA League Passがある。シーズン中、すべてのゲームをライブ配信するものだ。全チームを視聴する場合は年額199ドル99セントで、特定の1チームだけを見る場合には119ドル99セントとなっている。番組はスマートフォン、タブレット、スマートテレビなど、ネットワークに接続している機器ならたいてい閲覧することができるようになっている。

しかしこれまで、流される映像は50インチのテレビでも、5インチのスマートフォンでも同じものが使われていた。すなわち、テレビで見るほうがはるかに快適で、スマートフォンで観戦する場合にはディテイルがはっきり見て取れないという状況だった。スマートフォンによる観戦は、他にどうしようもない場合の最後の手段的に位置づけられていたわけだ。

しかしその状況が変わることとなった。NBA Mobile Viewなるサービスが始まるのだ。League Passの利用者が使うことができる。家にいるときと外にいるときに、それぞれ最適な映像を樂しむことができるようになるわけだ。Mobile Viewではスマートフォンなどの小さな画面に最適化した映像が流されることとなる。

見て直ちに気付くのは、Mobile View版では画面がズームインされた状態になっていることだ。下にKyrie Irvingなどが登場するシーンのサンプルビデオがある。これまではスマートフォン上では誰がプレイしているのかを確認するのが非常に難しかった。しかしMobile Viewではジャージにある選手名などがすぐに読み取れる大きさになっている。大画面でみるときと同様の情報をキャッチできるようになるわけだ。

従来版と、Mobile View版の双方を映した比較ビデオを掲載しておこう。

画面をみて「ズームしただけじゃん」と感じる人もいることとは思う。実ははるかに手が込んでいる。29ヵ所すべてのアリーナでMobile View専用のカメラが設置され、当然ながら専任のカメラマン、プロデューサーが現地に配置される。Mobile Viewには基本的に専用カメラからの映像を流すことになるわけだが、現場の判断で他のストリームからの映像を使うこともできる。

今のところ、得点などの画面上のテキストなどは、従来のストリーミングと同じものを利用している。しかしこれも専用版を用意する予定があるとのこと。音声も現在はひとつの音声を双方に流しているが、将来的にMobile View版のようなものを用意したいと考えているようだ。

NBA曰く、Mobile Viewはファンの声に応じる形で生まれたものだ。League Passにアクセスするひとのうちの70%がモバイル環境からであり、その割合は毎年上がっているのだそうだ。そこでNBAは昨シーズン、Mobile View風のストリームも試験的に流して効果を確認してみたとのこと。するとやはり、モバイル機器から閲覧する人は、Mobile View仕様の映像の方を好んだのだそうだ。比率でいうと、モバイル版を選んだ人が2.5倍にものぼったとのこと。

モバイル環境で、プレイヤー毎の動きや、細かなプレイ内容を知りたいという人にとってはとくに朗報だろう。もちろん、さほど細かい所に興味はないのだという人もいるだろうが、動きがよく見えることについてはやはり好評であるとのこと。

いずれにせよ、モバイル環境でゲームがいっそう楽しめるようになったことは間違い無いだろう。外出先で観戦手段がスマートフォンしかないという場合でも、かなり楽しめるようになりそうだ。テレビに比べて得られる情報に制限がありすぎると感じていた人も、納得できるようになるのではなかろうか。

こうした動きはNFLのストリーミングサービスであるSunday Ticketにも影響を及ぼすこととなるだろう。今のところはモバイルユーザーに向けた特別な配慮などなされていないのだ。

NBAのMobile Viewは現地火曜日から利用できるようになる。1週間のLeague Passトライアル期間にもMobile Viewを試してみることができるようになっている。

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(翻訳:Maeda, H

メジャーリーグ投手、競技用ドローンの事故でプレイオフに先発できず

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誰にでも趣味はある。そして、メジャーリーグ、クリーブランド・インディアンズのトレバー・バウアー投手は競技用ドローンを作るのが好きだ。そして、競技用ドローンを作ったことのある人なら誰でも、メンテナンスが大変なことを知っている ― プロペラやバッテリーを手で付けたり外したりしなくてはならない。

しかしバウアーは、先週木曜日にドローンを修理しているときちょっとし不運に見舞われた ― プレイオフのゲームに先発するまで、48時間を切っていた。

バッテリーパックをドローンにつないだ時、プロペラがフルスロットルで回り始め、そこにバウアーの利き手の小指があった。通常、バッテリーパックをドローンにつないでも、コントローラーで「始動」させない限り回転しない。

回転するプロペラはバウアーの小指を切り、10針縫わなくてはならなかった。もちろんゲームに登板することはできず、チームは別のピッチャーに交代させなくてはならなかった

昨日の記者会見でバウアーは、自分の小指とドローンを披露した。さらにバウアーは、その趣味の背景についても語った ― 数年前、LEDを塔載した競技用ドローンのビデオを見て、自分で作って飛ばしたいと思った。バウアーは自らを「ビッグ・ナード」と呼び、記者会見の時間をしばらく費して、お気に入りのスターウォーズ映画(ファントム・メネス)について語った。

しかし、真面目な話この不運な事故は、ドローンがいかに危険かを再認識さるものであり、DIY競技用ドローンの近くでは、DJIやGoProなどの大メーカーが作ったドローン以上に注意が必要であることを知らしめた。競技ドローンでは、あらゆる部分を文字通りゼロから作るので(時にはフライトコントローラーのソフトウェアも)、何かがおかしくなる可能性は常に大きい。

バウアーは今晩(米国時間10/17)のブルージェイズ戦に先発する予定だ。プレイ中は指に絆創膏やカバーを着けることを許されていないが、バウアーはピッチングに小指を使うことはないことを観衆に明言した。「[小指は]まあ、ついているだけ」。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

選手の脚にセンサー群を貼り付けて試合中のライブデータを得るZepp Play Soccer

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徐々に、しかし確実に、Zepp Labsは、人類のすべてのスポーツに侵入しつつある。とくに、その最新のやつは大物だ。同社は明日(米国時間10/4)Zepp Play Soccerをアメリカで発売する(アメリカでは‘フットボール’というと別のスポーツ)。

この北カリフォルニアのスタートアップはこれまでにも、野球、ソフトボール、ゴルフ、テニスなどに挑戦しているが、今回のサッカー用の製品もそれらと類同で、一連のセンサーによって、ゲーム中の競技場で今起きていることをユーザーに伝える。それらは、距離、キック数、スプリント、最高速度、アクティビティ、ゴール成功率、などのデータだ。最後のゴール成功率は、シュート回数と、その成功回数の比だ。

センサーは、選手の利き足のすね当てに取り付けられる。情報の集め方は、プレー中のリアルタイムと、シーズン全体を通じてのチームデータの両方がある。情報が詳しいのは、後者だ。

このサッカーパックは明日、100ドルで発売される。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

チェスと囲碁でトップに立ったロボットが、今度はテーブルサッカーの世界チャンピオンを目指す

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昔のコンピューターゲームには、人間同士でプレイするか、コンピューターを対戦相手にするか、という選択肢があった。しかし今では、現実世界の伝統的なゲームでもコンピューターの方が強くなり、人間の方が強いと言える卓上/盤上ゲームは、もはやないのではないか。次にコンピューターにやられるのは、何だろう? フーズボール(foosball, テーブルサッカー)だ。

École polytechnique fédérale de Lausanne(スイス連邦工科大学ローザンヌ校)のロボット工学の研究者たちが、平均的な人間プレーヤーに勝つシステムを作ったが、それはディープなニューラルネットワークが過去の数百万のゲームを分析した結果ではない。本物の戦闘ロボットである彼らに、何よりも重要なのはスピードと力だ。

プロジェクトを指揮したChristophe Salzmannがニュースリリースでこう言っている: “このシステムは小さな脳のある筋肉マンだ。とっても基本的なことしかできないけど、それで十分に勝てるのだ”。

当然ながら、テーブル本体も特製だ。というか、テーブルがロボットだ、と言ってもいい。透明なフィールドの下にカメラがあって、それが毎秒300フレームでボールの位置を追う。コンピューターは至近の選手を数分の1ミリの精度でボールを蹴れる位置へ移動させる。そしてモーターがバーを人間よりも速く回して、ボールを猛スピードで蹴り飛ばす。

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でも、名人のプレーヤーにはかなわない。コンピューターには、位置やバンクショット、相手の盲点などを活かしたトリックができないし、また、相手の位置から動きを予測することもできない。

このような‘知能’をコンピューターに授けるためにチームは、対戦相手のハンドルの動きをレーザーで追おうとしている。その方が、バーをカメラで追うより計算効率は高いだろう。今よりも高度なAIを、作れそうだ。でも、真価が問われるのは、ロボットだけでトーナメントをやるときだ。それもいずれやる、と彼らは言っている。

Why would you do this!

ほんまかい?!

プロジェクトは今も継続している。その状況は、ここで分かる。詳細は彼らのラボのWebサイトでも分かるが、でもそのロゴが問題だ(右図)。巨大なターミネーターの両手が、われわれの惑星を抱っこしている。しかし、どう見ても、人間の味方のようではない!

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))