SpotifyがAIスタートアップのNilandを買収、パーソナライゼーションとリコメンデーションの強化を狙う

Spotifyは、AIスタートアップのNilandが仲間入りしたことを発表した。これで今年4件目の買収である。

パリに拠点を置くNilandは、音楽に対するより正確な検索とレコメンデーションを行わせるためのAPIを提供している。Spotifyによれば、このフランス企業はニューヨークを拠点とするR&Dチームに合流し、ユーザーのためのパーソナライゼーションとレコメンデーション機能を強化するということだ。

Spotifyはその声明の中で「Nilandは、AI技術を用いることで音楽検索やレコメンデーション機能がどのように最適化できるかを示しました。そしてSpotifyの掲げる『適切なコンテンツを、適切なユーザーに、適切なタイミングで』という情熱も共有しています」と語っている。

Nilandの創業チームは「より良い革新的なリスニングと発見体験を生み出すための、音楽をよりよく理解する新しい方法に、私たちは引き続き取り組んで行きます」とウェブサイトに書き込んでいる。

Spotifyは、Release RadarやDiscovery Weeklyなどのカスタマイズされたプレイリストを提供することを通して、パーソナライゼーションをサービスの核にしてきた。特に後者は初年度で4000万人のユーザーを獲得し、使いやすさと賢い発見方法の価値を知らしめた。

人気音楽ストリーミングサービスのSpotifyは、3月に有料ユーザー数が5000万人に達し、無料バージョンを使用しているユーザーを考慮すると、全体で1億人以上のリスナーを抱えている。ライバルのApple Musicは昨年の12月の時点でユーザー数2000万人に達したので、現在は3000万人に近付いていると推定するのはそれほど間違いではないだろう。

Spotifyは、大いに期待されているIPOを2018年まで遅らせる可能性があるが、ともあれ今年の同社は、買収によって、技術的切り札を増やし新しい機能を構築することに大忙しだ。1月以来、ブロックチェーンのスタートアップMediachainコンテンツレコメンデーションスタートアップのMightyTV、そして音声検出のスタートアップSonalyticを買収して来た。

Nilandは2013年に創業され、フランスの投資家であるIT Translationから、非公開資金を調達している。同社はパリに拠点を置くアクセラレータプログラムのAgoranovの卒業生だ

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(翻訳:Sako)

3Dプリントで作ったソフトな脚でロボットが凸凹道を安定的に歩ける、ヒントは蛸などの生物から

カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)の工学部の連中が、生物からヒントを得たソフトロボットの原理により、石ころや砂などの凸凹道をふつうに歩けるロボットを開発した

柔らかい積層材で作ったロボットの四本の脚は、環境に適応できる。だからセンサーで地表の正確な像を把握する必要がない。平滑でないところに来たら、歩き方をそれに適応させるだけだ。

そのロボットの四つの脚は、3Dプリントした硬い材と柔らかい材から成り、ゴム製の空気袋の伸縮が前進運動を支える。ハーバード大学のGeorge Whitesidesのロボット工学研究室をはじめとして、同様のソフトロボットプロジェクトは過去にもあった。それらにも助けられて、蛸や烏賊のような海の生物にヒントを得たロボットが試作されてきた。

実はこの研究を率いたUCSDの助教授Mike Tolleyは、ハーバードの研究室出身だ。そこで彼は昔、著名なプロジェクトのひとつ、ほぼ全体的にソフトな身体を縮めて狭いところへ入り込める、完全ワイヤレスのX型ロボットを作った。

Tolleyはこう語る: “歩く、と言いたいところだけど、終始すり足だから、歩くと言えば誇大宣伝になる。しかも、起動したら一つの方向へ進むだけだ。でもそれが、おもしろい足並みを作り出す。まるで虫のように、くねくねと波うつ足並みなんだ”。

この研究から、すでに実用製品も作られている。たとえばSoft Roboticsが設計した工業用のグリッパーだ。蛸をヒントにした手だから、ロボット工学に基づく精密な視力がなくても、いろんな形やサイズの物を持ち上げることができる。そしてその脚は、四本ではなく二本で、くねくねした歩みではなく、実際に脚を上げたり下ろしたりしながら動きまわる。

ハーバートのロボットと同じく、圧力を利用する空気袋を使っているが、細かいところはもっと繊細になっている。

Tolleyは話を続ける: “以前は、膨らますと脚がどっちかへ曲がる、という方式だった。でもちゃんとコントロールできるためには、いろんな方向へ曲がれる脚が必要だ。でもそれは、積層材だけでは無理だった。複雑な空気袋を3Dプリントできるようになって、やっと、同じ動きを素早く繰り返すことのできる方法が見つかった”。

最新のシステムでは3Dプリントした空気袋が複数並んでいて、どれとどれを膨らますかで動きのコントロールができる。Tolley曰く、“一つだけ膨らますと、どっちかへ曲がるんだ。さらにもうひとつ膨らますと、360度の曲がり方もできる”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Parking Kittyでポートランドの駐車手段は可愛らしくなった

オレゴン州ポートランドは、今週パーキングメーターの料金を支払うことのできるアプリParking Kitty(パーキング仔猫ちゃん)をリリースしたことで、相変わらずそのユニークさ(と可愛さ)に磨きをかけている。このアプリは、米国最大のパーキング支払い業者の1つであるPassportのシステムを利用している。「大きな変更は加えていません」と語るのはポートランド運輸局(PDOT)のパーキング部門マネージャーであるMalisa McCreedyだ「見かけはローカルなものにはしましたけれどね」。

見かけは愛らしい仕上がりだ。Parking Kittyは猫顔のアイコンを持ち、デザインにはネコテーマが含まれている。支払いをすると、喉をゴロゴロ鳴らしてくれるし、パーキングメーターが時間切れになりそうなときには、ニャーと鳴いて知らせてくれる。「あまり自動車に強く結びつたものではなく、もっと普遍的なアプリケーションにしたかったのです」とMcCreedyは言う。「楽しく覚えて貰いやすいようにするにはどうすればよいのか、と考えました」。

McCreedyによれば、難しかったのはブランディングの部分ではなかった。PDOTは、新しいアプリがすでに実装されている他のシステムやサービスと確実に連携することを確認するために、ベンダーたちと協力を行ってテストを行わなければならなかった。そして新しい支払い方法の導入に伴い、パーキング規制を適用するための新しい方法も必要となった。Parking Kittyからのすべてのデータは、路上に設置されている物理的パーキング料金支払いステーションからのデータと同じ場所に格納される。パーキングパトロール担当者は、もし利用者がParking Kittyで支払いを行っている場合には、単にメーターを見たり、車のダッシュボード上に置かれた料金支払い済レシートを見るだけでは支払い済かどうかを判断することはできない。彼らはモバイルデバイスでデータベースと突き合わせチェックを行なう必要がある。

このアプリは、ワシントンパークやポートランド州立大学(PSU)の駐車場のほか、市内27箇所のパーキングゾーンで利用できる。既にPSUとワシントンパークは、Passportとそれぞれ契約を結んでいたのだが、McReedyは、同じことをするためにユーザーに3種類のアプリを使わせることは誰も望んでいなかったと語った。そこで、大学、公園、そして市の3者が協力して、Parking Kittyを作り上げたのだ。

自動車ジャーナリストで3匹の猫の飼い主でもある私は、リリースされた日にアプリを試した。それは問題なくシームレスに機能した。また数ブロック離れた場所での会議が長引いたときに、パーキング時間の延長のために10セントの手数料を払うことは全く苦にならなかった。でも実のところ、私はそのニャーという時間切れリマインダーに10セントを支払っているのだニャー。カワイイ!

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(翻訳:Sako)

遊びのための模型のドローンも登録対象とするFAAの規則を連邦裁が否認、単純にホビイストの勝利にはならない模様

FAA(連邦航空局)のドローン登録データベースが今週、連邦控訴裁判所の裁定で大きな問題にぶつかった。裁判所はドローンのホビイストJohn Taylorの、今の法律では模型のドローンが属する分類〔規制対象機種の分類〕が決まっていない、という説を受け入れたのだ。

Brett Kavanaugh判事はこう声明している: “Taylorは、FAAには彼に登録規則を適用して登録を要求する法的権限があると考えていない。Taylorは正しい”。

裁判所は、ドローン登録データベースが2012年のFAA Modernization and Reform Act(FAAの現代化と改革に関する法律)に違反している、と主張した。その法律は、“模型の航空機に関してはいかなる規則も規制も公布しない”、と言っている。

そのデータベースは、アメリカにおけるドローン保有者の増大に対応するために、2015年に提案された。ドローンの増加は政府に、プライバシーと安全性に関するさまざまな懸念をもたらした。FAAは今回の裁定について控訴するか、別の方法で同様のシステムをセットアップすることを選ぶだろう。

FAAのスポークスパーソンはこう語る: “連邦控訴裁の裁定はドローンの登録制と関連しているので、細心に検討している。FAAは、ドローンが安全に操縦され、セキュリティやプライバシーの脅威をもたらさないために、登録制と操縦に関する規制を設けている。われわれは目下、裁定に対するわれわれの選択肢と対応を考慮中である”。

ドローンの国際的な業界団体Association for Unmanned Vehicle Systems International(AUVSI)も、裁定に不満だ。同団体のCEO Brian Wynneは、次のようなコメントを本誌にくれた:

AUVSIは、レクリエーション用の無人航空機(unmanned aircraft systems, UAS)の登録に関するFAAの規則を認めないとする、アメリカ連邦控訴裁判所の決定に幻滅している。UASの登録は、国の空域を利用する者の責任と義務を明確にし、不注意で粗暴な行動を抑止して安全の文化を作り出すために重要である。われわれは、有人と無人の両方を含む航空界全体にまたがる継続的責任を確立するために、議会と協力して法的解決策を策定する計画である。

ドローンの売れ行きはアメリカで急成長している。NPDによると、2016年2月からの1年間で、それまでの全売上に相当する台数が売れている(すなわち一挙に倍増)。その、FAAの規則ができてからの1年間で、登録台数は55万台、登録料は5ドル、そして違反者は罰せられる。

このたびの裁定は、規制を制約と感ずるホビイストにとって勝利と見なされるが、今後ホビイスト向けの小型機種を出すと予想されているDJIなどのドローンメーカーは、この件ではFAAに同調している。

“ドローンの登録に向かってのFAAの革新的なアプローチは、きわめて合理的である。登録はドローンの操縦者に責任と教育をもたらす”、DJIの法務担当VP Brendan Schulmanは、本誌宛の声明でそう述べている。“FAAのプログラムを妨害する法的問題は、業界と政策立案者双方の協力で解決されることを、期待する”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Facebookがメインメニューからの“Order Food”オプションをテスト中

Facebookアプリを使うと、デリバリーサービスやレストランの独自のアプリやウェブサイトに移動しなくても、お気に入りのレストランの料理を、Facebookアプリ内で直接注文することが容易になるようだ。Facebookのウェブとモバイル双方のメインナビゲーションの中には、現在限られたユーザーを対象に”Order Food”という新しいオプションが登場している。

デスクトップ上ではカラフルなハンバーガーアイコンで、あるいはモバイル上では青と白のハンバーガーアイコンで示されるこのオプションを使えば、Facebookユーザーたちは、Delivery.comまたはSliceを使うレストランのメニューを選び配達を注文することができる。

上図;モバイル上の”Order Food”メニュー

上図:デスクトップ上の”Order Food”メニュー

このメニューオプションを利用すれば、注文からチェックアウトまでの全プロセスがFacebook上で完結する。

この機能は、昨年の10月にFacebookが発表した、Delivery.comならびにSliceとの間に締結したオンライン注文ビジネスの拡張の1つだ。そのときには、Facebookユーザーたちは、サポート対象レストラン自身のFacebookページから、”Start Order”ボタンを通して注文が行えるようになると発表されて、現在それが可能になっている。

メインナビゲーション内の”Order Food”の働きも似たようなものだ。しかし、全てのサポート対象レストランが1つのページに集められているので、より便利なものとなっている。そこには、ピックアップ写真、価格帯($$$などの形式で表示)、星による評価、料理の種類などを伴う、レストランのリストが掲載されている。また配達可能なのか、店に取りに行くのは、あるいはどちらも可能なのかといった情報も提示される。

店を選んで”Start Order”をクリックすると注文プロセスが始まる。ここから先はレストランのFacebookページから行っていたこれまでのやり方とほとんど変わらない。

昨夜カルツォーネをモバイルで注文するのに利用した、とあるユーザーによれば、タップして注文を始めて、メニューを眺め、カートにアイテムを追加し、注文を編集し、チップを入力し、Facebookの中でDelivery.comもしくはSliceが提供しているモバイル機能を使って支払いを行ったそうだ。

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支払いが完了すると確認画面が表示され、注文内容、注文が到着する予定の時間帯、または引き取り可能予定時刻が表示される(同時に電子メールも送られてくる)。

おそらく機能がまだ公開途上であるため、利用開始に際しては少し不安定なところも見られた。たとえば、あるときはオプションそのものが消えて、再び現れたりしたし、また別の場合には私の場所に配達できるレストランはないと言われたり、また私自身が試していたときには”Order Food”は私のiPhone上に表示はされたものの、それをタップしても正常にページがロードされなかったりした。

Facebookユーザーにとって、これは便利な機能の1つだ。Facebookアプリを離れて注文したり、個々のFacebookページにいちいちアクセスして、オンライン注文が利用可能かどうかを確認する必要はない。しかしFacebookにとって、これはユーザーがデバイス上に既にインストール済の他のアプリの機能を複製して、内部に取り込む別の例でもある。こうして様々な機能を提供することで利用者たちを壁(アプリ)の内側に留めようとしているのだ。

ここ数カ月の間に、Facebookは天気 、”discover people“(フォローする人を見つけよう)というセクション、”city guide“と呼ばれるトラベルセクション、”town hall“を介した行政情報、オンライン求人情報、募金活動 、インスタントゲームなどの様々な種類の機能を導入して来た。

Facebookにコメントを求めたところ、この”Order Food”は昨年10月に発表されたFacebookページを介したSliceとDelivery.comによる注文機能と関係しているが、この新しいボタンが一般米国ユーザーに開放され始めるのがいつかは決まっていないとの回答を得た。

しかし、このプロダクトに詳しい情報筋によれば、この機能は昨年10月に公開された機能と同じもので、現在Facebookはそのメインナビゲーション上でのフード注文の場所をテストしている最中だということだ。これはテスト運用に過ぎないので、Facebookユーザー全員が現時点でこのオプションを見ることができるわけではない。

(画像クレジット:@fbjag; @mattlynley)

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(翻訳:Sako)

ニューラルネットワークに塗料の色の名前をつけさせたら、不可解だけど笑える結果ばかり!

今や、どんなものでも機械学習にやらせようとしている。しかも機械学習は、なんでもあっさりとやってのける。でも、そうでなかった仕事もある。それは、ニューラルネットワークを使って、塗料の色に気取った名前…“春の雨”、“港の霧”など…をつける、という試みだ。だって、そのニューラルネットワークが命名した“dorkwood”色や“stanky bean”色の塗料を使って、自分の家を塗装したい人なんか、いるわけないもんね?。〔訳注: どちらもワイセツな含意があるので日本語訳を控えます。〕

塗料の色の命名に機械学習を利用しようとして、今回失敗した研究者Janelle Shaneは、フルート奏者としてニューラルネットワークと“共演”することも、ときどきあるそうだ。

そのニューラルネットワークは、さまざまなRGBの値に対応する7700種の色の名前を教育訓練され、色と言葉とのあいだにある秘密の関係を会得した(はずだった)。

最初のうちは、まあまあだった。システムはどうやら幼稚な論理を編み出したようだが、色の名前として、実在する言葉を選んでいない:

上の3つめの例で”a”が抜けているのは、紫っぽい色調を表しているのだろうか? 三回登場する”Caae”は、共通する中間調の明度に対応しているのか? それはわれわれには分からないけど、ニューラルネットワークの中で立派な芸術的文法が生まれようとしているのかもしれない。

何度もデータを与えると、ニューラルネットワークはだんだんクリエイティブになり、独創的な色名を作り出すようになった。ホームセンターで売ってる塗料の、“greige”(生成り色)とか“royal purple”(王室紫)みたいな、平凡陳腐なやつは一つもない:

Dondarf? Burble Simp? Bank butt? Catbabel? … 独創的すぎる!

Bunflow? Rose Hork? Dope? …Turdly? … なんと思い切った名前!

StargoonやCaring Tan、Snowbonkなんかは、ぼくも本当に気に入ったけど、でも彼女のクリエティビティに、早産は禁物だったようだ。もっと気長に、教育訓練すべきだね。それまでは、Shaneの貴重な仕事をTumblrに再投稿してその回数を増やし、彼女への感謝のシルシにしよう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

プログラムのコードがやることを視覚化して初心者にプログラミングを理解させるDeep Algoのクラウドサービス

今週行われたTechCrunch DisruptのStartup Alleyで、ルックス的にもすばらしかったスタートアップのひとつが、Deep Algoだ。このフランスのチームは、C++やC#、JavaScriptなどのプログラミング言語を、WYSIWYGエディターでHTMLを書いて/見ていくときのように、大衆的で分かりやすいものにするSaaSを提供している。

それはかなり大胆な主張だが、同社は、この方法で、複雑なプログラミング言語を初心者でも十分に扱えるようになる、と自信を示している。

CEOのXavier Lagarrigueはこう語る: “IT以外の社員でもプログラムのコードを理解できるようにしたい。テクノロジーにとってはプログラムのコードが入力であり、あとはすべて自動的に処理される。うちはコードからまずビジネスのコンセプトを取り出して、それから質問を構築する。ユーザーは質問をセレクトし、その答をコード中に見つける。プログラマーでない人でも、この形なら十分理解できるはずだ”。

同社のシステムはまずユーザーにソートのフォームを見せて、これに対しプログラムが何をするのかを理解させる。それから今度は処理の各段階をフローチャートのようなもので表し、コードが作り出すアクションを理解させる。学習する社員たちは、その処理の中に自分たちのビジネスの別の側面を見て、システムを自分独自の(仕事よりの)見方で見れるようになる。

ぼくは最初、同社の高邁な約束に対し懐疑的だったが、Lagarrigueによると、単純で堅牢なものを示されるとユーザーは、それに対する“アクション”を作れるようになる、という。“入力としては、何をしたいのかを説明する。それがこのフォーマットの強みだ。コードがやることを、なんでも表現できるから”。

でも、まだ何もかもが初期的段階だ。今4つの企業の協力のもとに、パイロット事業を展開している。今後は、パートナーをさらに増やしたい。課金は、ユーザー一人あたりの単価×ユーザーの数、という形になる。

完全な初心者にプログラミングを教えることには、いろんなトラブルがつきものだ。昔は、誰もかれもがGeocitiesで自分のWebサイトを作っていたけど、でもいちばん多いのは、MIDIによる音楽をバック‘under construction’(ただいま制作中)のGIF画像が表示されるサイトだった。

同社は今後、対応言語をもっと増やしていく予定だ。Lagarrigueによると、その拡張作業は一つの言語につき数週間ぐらいだ、という。



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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

9割の企業がアーリーステージでエグジット――スタートアップはどの段階で買収されやすいのか

【編集部注】執筆者のJason Rowleyは、Crunchbase Newsのベンチャーキャピタル・テクノロジー記者。

アメリカ国内のシードステージにあるスタートアップから、ランダムに1000社選ぶとしよう。この中から何社がシリーズAまでたどり着くだろうか? そして、シリーズAでの資金調達に成功した企業のうち、何社がシリーズBに到達できるのか? このように企業の段階を追って見ていくと、最後には数社だけが残ることになる。

しかし、各ラウンドまで生き残った企業の割合を求めるだけでは何も見えてこない。もっと重要なのは、途中で資金調達をやめてしまった企業に何が起きたのかということだ。もちろん、廃業も避けては通れない道だろう。しかし、事業売却やIPOのように、喜ばしい理由で次の資金調達ラウンドへ進まなかったスタートアップも存在する。それでは、どのくらいの企業がエグジットを果たしているのだろうか?

この記事では、2003〜2013年の間に設立された、1万5600社のテック企業の資金調達に関するデータをもとに、上記の問いに対する答えを探っていきたい。まずは全体的な生存率について見てみよう。テック業界でスタートアップが生き残っていくことの難しさがわかるはずだ。

急勾配を描くスタートアップの生存率

下図は、プレシリーズAで資金調達を行ったスタートアップのうち、どれだけ多くの(もしくはどれだけ少ない)企業が次なるラウンドへと駒を進めていったかを示したグラフだ。

仮に1000社が見事プレシリーズA(シード/エンジェルラウンド、コンバーチブルノート、エクイティクラウドファンディング等)をクローズしたとすると、そのうち400社ちょっとだけがシリーズAに進むことになる。つまり、私たちのデータによれば、プレシリーズAでの資金調達に成功したスタートアップの約60%はシリーズA以降には進むことができないとわかる。

均等目盛のグラフで見ると、企業数の減少度合いがかなり激しいことはわかるが、シリーズE以降の詳細がわかりづらくなってしまっている。そこで、対数目盛を使ってグラフを以下のように変換してみた。

(使われているデータは最初のグラフと同じだが、このグラフではラウンドを経るごとに企業数が指数関数的に減っていく様子がよくわかる)

上のグラフを見ると、2003〜2013年に誕生したスタートアップのうち、約1%しかシリーズFをクローズできなかったということがわかる。そして調査対象となった1万5600社のうち、シリーズHをクローズできたのは、Pivot3、Smule、Glassdoor、Aquantiaの4社だけだ。

エグジットという選択

先述の通り、企業が資金調達をやめる理由はさまざまだ。

事業をたたまなければいけない場合や、ビジネスが順調に進んで資金調達のニーズがなくなった場合を除くと、スタートアップが次のラウンドへ進まない理由は、買収かIPOのいずれかになる。それでは、企業はどの段階でエグジットする可能性が高いのかを考えてみよう。なお、買収された企業の数はIPOを果たした企業の16倍だったため、グラフでは買収された企業のデータを利用している。

用意したグラフは2つ。1つめでは、実際に買収されたスタートアップのみに焦点をあて、どの段階にある企業が1番買収されやすいのかということを分析している。そして2つめのグラフは、全ての段階を通じて、スタートアップはどのくらいの確率で買収されるのかということを示している。それでは最初のグラフから見てみよう。

どの段階にある企業が買収されやすいのか

どの段階にある企業が買収されやすいのだろうか? 恐らく直感的にもわかるように、株価が1番安いときが買い時なため、買収は比較的早い段階で起きやすい。しかし”早い段階”とはどのあたりを指しているのだろう? 驚くかもしれないが、買収された企業の90%近くが、プレシリーズAから数ラウンドの範囲にいたことがわかった。

プレシリーズA以降に進めなかった企業からシリーズHをクローズした企業を含め、買収された企業のラウンドごとの分布(累計)を示しているのが以下のグラフだ。

段階が上がるにつれて(急激に)企業数が減るため、各ラウンドでエグジットを果たした企業の数を、そのラウンドまでに買収された企業の総数で割っている。これにより、各ラウンドを終えたあとに買収された企業の割合を導き出すことができ、それぞれの段階での相対的なエグジットの起きやすさがわかるようになっているのだ。

念のため繰り返すと、上のグラフはシリーズCをクローズした企業全体の約92%が買収されると示しているわけではなく、資金調達を経てから買収された企業のうち約92%がシリーズCまでの範囲にいたことを表している。つまり、将来買収されることを目標に会社を立ち上げた場合、シリーズCかそれ以降で実際にその会社が買収される確率は10%程度ということになる。

ラウンド別の被買収企業の割合

上のグラフは、既に買収されている企業がいつ頃買収されたのかということを示しているが、さらに気になる問題が残っている。その問題に答えるため、下のグラフでは調査対象となった全てのスタートアップのうち、買収された企業の分布(累計)をまとめている。

買収された企業の割合はシリーズEの段階で約16%の最高値に達し、それ以降はあまり数字に変化がない。結果として、対象企業のうち6社に1社がどこかのタイミングで買収されたということになる。

生存率の低さの理由

繰り返しになるが、企業が資金調達をやめる理由はいくつかある。金銭的に持続可能なレベルに到達した企業や事業をたたんだ企業もいれば、買収やIPOを通じてエグジットを果たした企業も存在する。エグジットの中でも私たちは買収に注目してデータの分析を行った。というのも、実際にほとんどの企業がIPOではなく買収の道を選んでいるとともに、結論を導き出す上では買収された企業の方がデータ量が多かったのだ。

アーリーステージで姿を消す企業が多いことには複雑な背景があるが、ひとつだけ言えるとすれば、早い段階でエグジットのチャンスが訪れる可能性が高いということだ。スタートアップが失敗する要因に関しても同じことが言える。仲間割れやプロダクトマーケットフィット前の資金不足、業績の伸び悩み、単なる不運など、スタートアップの生死を分けるような問題は設立から間もない段階で起きやすい。

その他にも、レーターステージのラウンドは、参加する投資家の種類の違いから「プライベートエクイティ」と呼ばれることもあるなど、この記事で私たちが勘案していないような要素にも留意しなければならない。そのため、実際の状況は上のグラフよりも良いのかもしれないが、そこまで大きくは変わらないだろう。いずれにせよ、資金調達は厳しい戦いなのだ。

ビジネスの成長を妨げる要因の中でも、各ラウンドでの生存率の低さはもっとも大きな影響を持っているかもしれない。そのため、まだレーターステージに達していないものの、次のラウンドに進むのは難しいと感じた場合、可能なうちにエグジットを画策した方が良いだろう。そうしている企業はたくさんいるので、心配する必要はない。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

1Day講座:私ができたから誰でも絶対できる!「毎月50万PVを100記事で達成するメディア」の作り方

突然ですが、コンテンツマーケティングは実際のところ、どうすれば成功するのか? その鍵が一体何かを知りたくはありませんか? あなたがビジネスをしているならば、将来の顧客である、とても重要な見込み客がいますよね。 その見込み […]

Uber Freightは、トラックドライバーと配送案件を結びつけるサービス

Uberは「トラックのUber」にもなるのか? Uber Freightは、運送会社や個人トラック運転手と組んで、貨物運送を斡旋する新サービスだ。アプリは通常のUberアプリとよく似ているが、対象は選ばれた有資格ドライバーたちで、荷物の種類や目的地、距離、料金などを見渡して条件が合えばタップして予約する。

これまで電話などの通信手段のやりとりで交渉に何時間もかかっていたものを、簡単なワークフローにすることで、業務の受付と支払いが数秒で終わるようになる。


Uberは、トラックドライバーのもうひとつの悩みである「支払いスピード」の問題にも取り組んでいる。通常、ドライバーは支払いを受け取るまで30日以上待たなければならないが、Uber Freghitは「数日以内に、手数料なしで、どんな配達についても」支払われる。しかも、もし遅れた時には、遅れた期間に応じてUberが追加料金を払う。

このサービスはドライバーおよびトラック運送会社のみに特化している。またUberは、同社が昨年買収して現在も独立運営している自動運転トラック運送サービスのOttoの開業についてプレス資料で言及していない。しかし、この新サービスから得た情報とデータを、Uberが将来の無人運転トラック事業に利用しないことは考えられない。

自動運転技術を堅固なものにするためには、長い距離を走って学習することが不可欠だ。それはUberの通常の旅客サービスが、同社の自動運転サービス計画に役立つのと同じ理屈だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

極少額の投資や寄付を勧める動き


【編集部注】著者のPatrick Wallenは、弁護士でありRubicon Venture Capitalのフェロー。スタートアップとVCのプロフェッショナルである(この著者による他の記事:How Trump will impact venture capital: The future of QSBS)。

#DeleteUberの数が増えるにつれて、Lyftは自らを善意の提唱者であると宣伝する機会を、巧みに掴み取った。大衆からの支持を得るための試みの一環として、Lyftは乗客1人ごとに一定の寄付を開始する。

これは3月下旬に発表された“Round Up&Donate”(切り上げて寄付)計画に従うものだ。Lyft利用者は、運賃をドル単位で切り上げて(ランドアップ)その差額を寄付することを選べるようになる。たとえば、元の運賃が8ドル50セントだったとすると、利用者の支払い金額は9ドルとなり、差額の50セントはACLU(アメリカ自由人権協会)へ寄付され、市民の自由を守ることになる。

Term SheetStrictlyVCをフォローしている人たちは、個人投資または非営利支援のためのラウンドアッププログラム(切り上げプログラム)をサポートするために、かなりの投資が行われて来たことを思い起こすだろう。例えばPayPalや楽天のような大手のテクノロジー企業が、カリフォルニア州ニューポートビーチにあるAcornsに投資を行って来た。

6000万ドル以上の資金を持つAcornsは、ユーザーが買い物をする時の金額を切り上げて、その釣り銭を自動的に投資に回すことによってマイクロ投資を可能にするサービスを提供する。

AcornsのCEOであるNoah Kernerは、ラウンドアップ投資の事を「特に若い人たちとって、お手軽に(投資を)始める方法の1つです」と説明している。「そして私たちは、お客様たちが更なる投資を行うことのできる機能を提供しています」。

Acornsは、運用を開始して最初の8ヶ月の間に、2500万ドルの資金を調達したが、その利用者の4分の3は18歳から34歳だった。

Kernerによれば、釣り銭を使って投資することは「本当に無意識に行なうことができます」ということだ。彼は、「コーヒーを飲むことを我慢して、未来のスターバックスに投資せよ」といった古い金融格言を引用しながら、「しかし人びとの振舞を根本的に変えることは難しいことです。無意識の内にそうしたことを自動的に支援してあげる方が簡単です」と語った。

モバイル経済が2020年までに倍増し、1000億ドル以上になると予測される中で、企業たちは、こうした傾向に対応するために若年層に向けての努力を重ねている。米国の世帯の約65%が少なくとも1件の寄付を行なう中で、ミレニアム世代の85%近くが寄付を行っている。Millennial Impactレポートによれば、ミレニアム世代が最も寛大な世代であると主張する者もいる。

このマーケットに可能性見出しているのが、スタンドアロンアプリのCoin Upの CEOであるLeena Patidarだ。Coin Upは、Apple Storeに初めて登録されたモバイル寄付アプリの1つだ。Patidarは私にこう語った「(Appleは)当初、私たちを受け入れませんでした。Appleが私たちを承認するのは大変なことだったのです」。そして今彼女の会社には、マイクロ寄付の民主化に向かうライバルのDropsが加わった。

PatidarはLyft幹部とプログラムについてのコンサルティングを行い、切り上げの「主流化」をサポートしている。彼女は、Coin Upが若いユーザー層に合わせるようにデザインされていることから、顧客たちが自身のラウンドアッププログラムを実施し、寄付の上限を設定したり、寄付先のリストからの選択を行なうことができると話した。Kernerのコーヒーショップ訪問の格言に触れて、Patidarは「そうしたラテは高くつく可能性がありますね。寄付が何処に行くのか、どの程度の金額まで出て行くのかについて、制御する必要があるでしょう」。

Patidarによれば、彼女のアプリは、「特別な催しものに対する500ドル」はおそらく用意できないものの、「何かより大きな動きの一部として寄与したいと願う」ミレニアム世代向けのものだ。

App Storeの中では新しい種類のアプリたちであるにもかかわらず、少額寄付に関わる他の気にすべき傾向を見せるものもある。“America’s Charity Checkout Champions”を隔年で出版するEngage fo Goodの、コミュニケーション責任者であるMegan Strandは、POS(Point of Sale)業界とラウンドアップ寄付戦略の専門家だ。

Strandは、特に今年は、ラウンドアッププログラムに多くの「不満」が見られたと述べている。まだ出版されていないものの、私は彼女の調査に関する早期レポートに関して問い合わせを行うことができた。Strandは、1ドル以下の寄付は「促しやすいので」とコメントしつつ、現在のトレンドはラウンドアップ寄付に向かっていると語った。Strandは、これまでキャッシュレジスタで固定額の寄付を行えるようにしていた組織が、今やラウンドアップをオプションとして追加し、実際上これをディフォルトオプションにしつつあるという、初期の調査結果に驚いていた。

もし私たちが少額寄付を謳う壮大なストーリーで、ちびちびと小銭を巻き上げられているだけなのでは考えるのなら、Strandが挙げる事例に目を向けてみよう。例えばJC Pennyはラウンドアップ寄付を用いて、1年で300万ドル以上の寄付を集めた。POSに似たプログラムで固定額の寄付を提供できるeBayは同じ年に6000万ドルを集めている。そしてBank of America(BofA)の”Keep the Change”(釣り銭をとっておこう)プログラムは、その開始以来30億ドルを集めているのだ。Strandは、より親しみのある固定POS寄付が、最終的には非営利団体の総額を上げるという点で、ラウンドアップ戦略に道を譲るかどうかは、疑問視している。

誰もがマイクロ寄付の有効性について確信しているわけではない。イェール大学の経済学の教授であり、Impact Mattersの共同創業者であるDean Karlanも、こうしたラウンドアッププログラムが本当に寄付を増やすかどうかに関しては疑問を抱いている。Karlanは、上で触れたBofAの”Keep the Change”プログラムでの、1人当たりの平均額が小さいことを挙げて、こうした釣り銭を寄付することで結果的に「暖かくふんわりとした感覚」を私たちが得てしまい、そうして頭の中に生まれる「チャリテイボックス」によって結果的に後の大きな寄付が妨げられるのではないか、と心配している。私がKarlanと話した際には、ラウンドアップ寄付をすることで、「本当の姿よりも自分が利他的だという誤った感覚」に陥ってしまうのではないかと語っていた。

彼は語る「物を買うための取引コストが下がってきています。今や衝動的に慈善団体を作るのは10年前よりも簡単です。それについて深く考えることなく、ただ数回のクリックを行なうだけというのは、良くないことかもしれません」。Karlanは「私はデータを信じます」と宣言し、アカデミックの世界は「真の効果についての実際の証拠を待っているのです」と述べた。そしてLyftは何が上手く行くことなのかを示すための絶好のポジションにいると指摘している。最終的にKarlanは、このお手軽な寄付が、実質的な寄付を、増やすのかそれとも置き換えるのかがわかるまでは、Lyftのプログラムに対する賞賛は控えようと考えているのだ。

Strandは、ラウンドアッププログラムの広がりの見通しに対して熱心だが、すべてのプログラムが均等に扱われるわけではない。「Lyftが何をするのかに興味があります」とStrandは言う。「彼らにとってのチャレンジは、ユーザーに対して何故、そしてどのようにオプトインするのかを伝えることなのです」とStrand。「もしLyftがこれを続けるならば、それを正しく行って、それを積極的に推し進めることを願いますね」。そして以下のように付け加えた「これをアプリの誰も気にしない様な深い場所に埋め込んでしまうなら、間違ったやり方だということになります」。

何百万人ものユーザーに寄付を促すことには大きな影響を期待できるものの、Strandが指摘するように、ユーザーはなによりもまず、オプトインする必要がある。ただし、これはCoin UpのPatidarや、AcornsのKernerにとっては問題ではない。

「アプリをダウンロードする時点でオプトインすることになりますから」とKernerは言う。しかしLyftにとっては、このことは重要だが簡単なことではない。Libertarian Paternalism Is Not an Oxymoron(自由主義者の保護主義は語義矛盾ではない)という論文の中で、行動経済学の父Richard Thalerとその同僚であるCass Sunsteinは、オプトインを支える科学を探求し、人びとが現状維持に偏ることを説得力のある形で議論している。

これはLyftにとっては悪い知らせだ。 最近発表されたように、彼らはまずAndroidユーザーたちが、アプリ設定の中でプログラム参加を行えるようにする。つまりオプトインさせるということだ。もしその代わりに、オプトアウトを採用するならば、労なく金を集められるようにするようなものだ。

第3の選択肢は、ユーザーに明示的に選択させることだ。ThalerとSunsteinは、こうした強制的な選択は、オプトインを必要とするものよりも高い参加率をもたらすが、オプトアウトを要求するものよりは低い参加率になると結論付けている。

オプトアウトをデフォルトとすることに対して反対する者は、しばしば個人の自主性や、純粋な選択肢を持つ自由を理由に挙げている。しかしながら、例えば人生の早い時期で投資をしないことを選択するようなことが、個人的な利益にとっておそらく害になるということを知りながら、人間はしばしば愚かな選択をしてしまう。30歳未満の米国成人で株式で資産を持っているのは、25%強程度に過ぎない、という報告もある。これこそが、Kernerが人びとを「正しい」方向へ誘うというアイデアに熱心な理由だ。彼は言う「若い人たちは投資に意識が向いていません」だからこそ「Acornsが優しく誘うのです」。

Kernerは「早くから投資家になることは正しい選択です。顧客には多大な敬意を払っていますが、私たちはそのための水先案内人となろうとしているのです」と語る。

またその一方で、もしミレニアム世代が社会活動に寄付を行いたいと思っているのなら、そちらへのより広範な参加を促すようにデザインされたシステムを用いて、ミレニアム世代を誘うのも良いことだろう。

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(翻訳:Sako)

自動運転車もオープンソース化でカスタマイズの自由度を強調、ステルスを脱したOSVehicleはモジュール構造のホワイトレーベル車を提供

OSVehicle(Open Source Vehicle)はY Combinatorが支援するB2Bの自動運転車企業で、多量の業務用車両を抱える顧客企業に‘ホワイトレーベル’(納車時ノーブランド)の車を複数台作って納める。

‘EDIT’と名付けられたその自動運転車は、顧客がすぐに使い始められる状態で納車される自動運転電気自動車で、モジュール構造なのでデザインは可変、ホワイトレーベルなので顧客が完全に自己ブランド化できる。

1年のステルス期間をようやく脱した同社は、顧客である自動車利用企業が仕様をカスタマイズできる自動運転車が、製品の基本コンセプトだ。自動運転のためのハードウェアや、インターネット接続、ソフトウェアのコード、航続距離、ルックスなど、何でもカスタマイズできる。モジュール方式の利点は、そういうカスタマイズが通常の半分ぐらいの工期と、約1/6の費用でできることだ。

顧客は、自分の国と自分の業種(例:タクシー会社)に合った車を、短期間で確保できる。フードデリバリ、ライドシェア、などなど業種に合わせたカスタマイズが、車の特定のブランドにまったく邪魔されないのだ。言い換えると、ブランドに合わせたカスタマイズではなく、完全にアプリケーションに合わせたカスタマイズが可能だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

元楽天トラベル社長が次に手がけるのは、不動産の顧客分析サービス

Cocoliveは5月19日、不動産会社向け顧客分析&可視化サービス「KASIKA」の提供を開始すると発表した。

また、Cocoliveは同日、アジアを中心としたオンライン旅行事業などを手がけるエボラブルアジア、旅行比較サイト「Travel.co.jp」などを運営するベンチャーリパブリック、その他個人投資家から総額5100万円の資金調達を実施したことも併せて発表している。

Cocoliveが手がけるKASIKAは、住まいを探す顧客の潜在ニーズをリアルタイムに可視化するサービスだ。

KASIKAでは、自社Webサイトを閲覧している顧客の行動(物件検索、提案メールの開封など)を検出し、その内容をユーザーにリアルタイムでアラートする。このアラートには、顧客の情報、Webサイトの閲覧日時、メール開封日時、閲覧物件、滞在時間、顧客が希望する地域や価格帯などの情報が記載されている。

KASIKA(可視化)という名前からも分かる通り、同サービスには顧客の潜在ニーズを分かりやすい形でユーザーに届ける機能も備わっている。顧客が閲覧した物件ページ、滞在時間、流入経路などのデータに基づいて潜在ニーズを分析し、それをグラフやランキング(閲覧回数ランキングなど)を利用して可視化する。また、ページの滞在時間の長さに応じて物件情報の背景色を変化させる”ヒートマップ”のような機能もある。

KASIKAには、取得した情報をユーザーに見せるだけでなく、そこから顧客の生活パターンを予測する機能もある。顧客が物件を探すことが多い曜日、時間、デバイスなどからその人の生活パターンを予測するのだ。これにより、最適な営業タイミングをある程度把握することができるだろう。

KASIKAは既存のWebサイトにタグを埋め込むだけで簡単に導入できる。初期費用もかからない。月額利用料はユーザー(社員)1人あたり9800円だ。

Cocolive代表の山本考伸氏

今回の資金調達にあたり、Cocoliveの創業者兼代表取締役である山本考伸氏は、「この度の資金調達により、データの力で不動産会社が直面する課題を解決すべく、お客さまの活動データから本当に欲しい住まいの条件・提案を受けたいタイミングを分析するシステムの開発を加速してまいります」とコメントしている。

創業者の山本氏は、2006年にエクスペディアに入社後、プロダクト責任者として日本語サービス「expedia.co.jp」の立ち上げに関わった。その後の2008年にはトリップアドバイザーの代表取締役に就任し、同じく日本語サービスの「tripadvisor.jp」を立ち上げるなど、これまでにも新サービスの創出に多く携わっている。

その後、山本氏は2013年に楽天に入社。楽天トラベルの代表取締役を務めた後、2017年にCocoliveを創業した。

今回の調達ラウンドに参加したエボラブルアジア(山本氏は2017年4月1日付で同社の社外アドバイザーに就任している)とベンチャーリパブリックは、両社ともに旅行関連ビジネスを展開している。これまで旅行業界に深く関わってきた山本氏ならではの投資家リストだとも言えるだろう。

エボラブルアジアは出資に際するリリースの中で、「この資本参画は当社の投資事業の一環での取り組みであり、同社の今後の成長によるリターンを期待しております」とコメントしており、今回の出資は事業シナジーを狙うような戦略的な意味合いを持ったものではないようだ。

投資家向けのCRM ―― Affinityが1350万の資金調達

ベンチャーキャピタル、ヘッジファンド、投資銀行、プライベートエクイティファンドにとって、強力なネットワークほど重要なものはない。

しかし、ミーティングの予定、フォローアップなどの管理は今もなおローテクなプロセスである(このような人々が他人のために生み出してきたCRMツールの数々を考えれば、この状況はとても皮肉なものだ)。

Affinityという名のスタートアップは、そのような投資家たちが欲しがるようなツールを提供しようとしている。同社は米国時間5月18日、サービスのβ版ローンチと合計1350万ドルの資金調達を発表した。

本調達ラウンドでリード投資家を務めたのは8VCで、その他にも、Sway Ventures、Pear Ventures、Great Oaks Venture Capital、Western Technology Investment、そして複数のエンジェル投資家も本ラウンドに参加している。

Affinityのソフトウェアは、ネットワーク上にあるカレンダー、Eメール、CRMツールなどサードパーティの情報ソースを巡回してデータを集める。そして、「ニューヨークの企業を一番紹介してくれた人は誰か?」や「この1ヶ月間で連絡を取っていないのは誰か?」などの問いに答えてくれる。

また、同ソフトウェアは企業がもつデータを収集することで、連絡先やミーティングの予定などを自動でアップデートしてくれる。Affinityによれば、これによりデータの入力などにかかる時間を大幅に削減することができるという。

2014年、当時AffinityはRobynという社名で活動しており、共にスタンフォード大の2年生だった共同創業者の2人は、The Garageと呼ばれるコワーキングスペースで活動していた。その当時から、この2人はベンチャーキャピタルの8VC(Formation 8)を創業したJoe Lonsdale氏からアドバイスを受けていたという。Lonsdale氏は現在Affinityの取締役に就任している。

Lonsdale氏はプレスリリースの中で、「Affinityによって、私たちはその時に必要な場所に適切なリソースを配分することができます:ポートフォリオに入っている企業を手助けし、私たちのコミュニティと効率的に交流するための方法です」と話す。「このようなブレークスルーによって、私たちの仲間や友人たちはデータを有効に活用することができます。そして、それぞれのネットワークに属する企業は、お互いの未来のあり方に影響を与えあうでしょう」。

[原文]

(翻訳:木村拓哉 /Facebook /Twitter /Facebook)

スマホかざして勤怠管理――介護事業者向けシステム「Care-wing」が1億5000万円調達

介護事業所向け支援システムの「Care-Wing」を手がけるロジックは5月19日、グローバル・ブレインおよびSMBCベンチャーキャピタルを引受先とする第三者割当増資を実施し、合計で1億5000万円を調達したと発表した。

Care-wingは、介護事業者が抱えるさまざまな負担を減らすことを目的につくられた支援システムだ。

介護事業者はCare-wingを利用することで、介護現場でのIT化とペーパレス化を実現することができる。これにより、事務処理の負担を減らせるだけでなく、請求ミスの防止や経費の削減ができるという。シフト表の作成や、各種サービス計画書の作成、サービス毎の賃金計算などをシステム上で行うことが可能だ。

Care-wingには介護ヘルパーの行動管理機能も備わっている。介護者の自宅にはICタグが設置されており、ヘルパーに支給されたスマートフォンとICタグを近づけることで、入退出の管理をリアルタイムで記録することができる。これにより、介護事業者はヘルパーが訪問中の場所を把握できるようになるだけでなく、訪問忘れを防止することも可能だ。

不正防止のため、このICタグは一度剥がすとデータが破損する仕組みになっている。また、スマートフォンとICタグ間の通信にはNFCを採用している。

このNFC技術はヘルパーたちの情報管理手段にも利用されている。各ヘルパーには専用のICカードが支給され、そのICカードをスマートフォンにかざすことで当日のスケジュールやサービス計画書の内容を確認することが可能だ。このように、Care-wingは介護現場のIT化を推進しながら、同時にITリテラシーの低い高齢のヘルパーであっても簡単に操作ができるような工夫を取り入れていることが特徴だと言えるだろう。

これまでにCare-wingを導入した介護事業者は約600社。約1万8000人のヘルパーが同システムを利用している。

ロジック取締役COOの福島成典氏はTechCrunch Japanの取材に対し、「近年になり、政府主導で介護現場にIT化を進めようとする動きが出てきた。それに応じて、VCもこのマーケットに興味をもつようになり、今回の資金調達につながった」と話す。

高齢者とインターネットのコンタクトポイント

福島氏は、今回調達した資金をCare-wingのマーケット拡大のために使うとしたうえで、その先にある戦略についても語ってくれた。

介護対象となる人々の大半は高齢者であり、スマートフォンはもちろん、パソコンすら持っていないというケースも多い。だがその一方で、インターネットを利用したサービスの中には高齢者が重宝しそうなものも多く存在している。

その1つの例として考えられるのが食品のデリバリーサービスだ。日本でもこの種のサービスは増えつつあり、2017年4月にはアマゾンジャパンが最短4時間で食品を届ける「Amazonフレッシュ」をリリースするなどしている。

ロジックの将来的なビジネス展開について、福島氏は「Care-wingを利用するヘルパーにはインターネットにつながったデバイスが支給される。高齢者はそのようなデバイスを持っていないことが多いが、端末を持ったヘルパーが彼らの自宅に訪問することで、高齢者とインターネットのコンタクトポイントが生まれることになる。そのようなコンタクトポイントを、高齢者からのニーズも期待できそうなサービスを展開する他社に提供することも将来的には可能だろう」と語る。

ロジックの創業は1995年で、いわば創業20年以上のスタートアップだ。同社は元々、CADソフトの開発などを中心事業にしていたが、約6年前に現在の介護事業者向けビジネスにピボットしたという。ロジックは2015年10月にシードラウンドを実施。また、つい先日の5月10日には日本政策金融公庫の融資制度である「新事業育成資金」を活用して7000万円の融資を受けている。

以前TechCrunch Japanでもお伝えしたように、2017年4月に訪問介護大手のセントケアHDからのスピンオフで介護系スタートアップが誕生するなど、最近では介護業界に関するスタートアップ界隈のニュースも少しづつ増えてきた。

みずほコーポレート銀行の調査によれば、日本の高齢者人口(65歳以上)は2025年のピーク時には総人口の30%超に達し、高齢者向け消費市場は101.3兆円にまで拡大するという。2007年の62.9兆円と比べると約61%の伸びだ。そのうち、介護産業は12.5兆円の市場規模をもつと見られている。

YouTube VRの中ではチャットによる対話形式/会話形式のコメントが可能に、安全なルームならね…

YouTubeにコメント書いてる人と、実際に会いたいと思ったことある? そう、ぼくもないね。

ところが、どっこい! 今日のGoogle I/OのYouTube VRに関する説明では、コメントは従来のようにテキストで書くだけでなく、VRの中にチャットルームができるので、そこでいろいろとお話ができるようになる。それ以上詳しいことはまだ分からないんだけど、音声によるスパムが猛威を揮ったりしたら、おとろしいだろうね。

そのシステムは、Oculus Roomsとほとんど同じのようだ。それは、友だちと一緒にルームに入ってビデオを一緒に見る、という機能だ。

YouTubeのこのシステムでは、あなたはアバターになって360度のスペースに飛び込み、ビデオについてチャットする。それはFacebookがF8で見せたソーシャルネットワーキングアプリSpacesとまったく同じと思えるけど、モバイルのVRではソーシャルな対話の機能が限られてしまうだろう。

でもモバイルのVRに関しては、GoogleにとってYouTubeの価値と意義が大きい。これまでもGoogleは、そうであることを隠そうとしなかった。モバイルVRは確かに、友だちが集まるためのすばらしいソーシャルプラットホームだ。でも、きちんと荒らし対策を実装してからでないと、安心して使えないだろうね。



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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

「ここからリスタートする」マンガアプリでApp Storeアカウント停止したNagisaの今

Nagisa代表取締役社長の横山佳幸氏

「根本的に認識が甘かった。だがああいう経験があってからこそ、今がある」——ゲームアプリやマンガアプリを手がけるNagisa代表取締役社長の横山佳幸氏は振り返る。

2010年5月創業のNagisaは、これまでTwitter解析サービスやメッセンジャーアプリ、動画編集アプリなどをリリースしてきたが、直近はカジュアルゲームアプリ(100個以上を同時に運用)とマンガアプリ(「マンガ無双」「マンガ姫」)の2本柱でのビジネスを進めてきた。

規約違反でApp Storeのアカウント停止へ

だが2015年10月、アップルが同社の開発者用アカウントを停止。App Storeでアプリをリリースできなかったことから、同年12月にはiOSアプリ事業からの撤退を余儀なくされた。当時のことはTechCrunchでも報じているが、(1)一般漫画作品の一部にある性的描写での規約違反、(2)既存アプリのアップデート未対応による広告SDKでの規約違反、(3)コンテンツの開発環境と本番環境の出し分け——の3点が問題となり、アカウントの停止という重いペナルティを負うことになった。

アプリプラットフォーマーにおける性的描写の規制は、書籍で流通するものよりも厳しくなっている。そのため、町の本屋で誰でも買えるようなマンガであっても、描写を白塗りして修正することが求められることも少なくない。同社はいわゆる「R18モノ」ではなく、少年誌、青年誌のマンガを扱っていたが、それでもプラットフォーマーの判断でNGとなるものは少なくなかった。また、以前紹介したとおり、そういった内容的にNGなコンテンツを審査時に表示せず、リリース後の本番環境でのみ表示していたことも問題になった。

「一部の表現についてアップル(App Store)、グーグル(Google Play)の両プラットフォームから指摘があった。グーグルについては期限内に修正を行えたが、アップルについては(ガイドライン自体が)ブラックボックスになっていた。またマンガアプリだけでなく、App Storeに100個以上のアプリをリリースしていた。その中には広告用のSDKを入れていたが、(プラットフォーマーの規約変更で)そのSDKも違反になっていった。しかし、それを修正するよりも売上の担保にリソースを割いてしまった。グーグルについては修正が間に合ったものの、アップルについては間に合わなかった」(横山氏)

1年で「アカウントの停止がない運営」を実現する組織に

2015年10月にアカウントが利用できなくなってからは、アプリの開発を全てストップ。12月までの3カ月間、社内の意識改革と素早いチェック体制の構築に努めたという。だが自社のアカウントは復活せず、2016年1月以降はパートナーを通じてアプリをリリースした。「まず大事なのは我々がしっかりした体制を築けるかどうかというところだった。例えばマンガアプリであれば、二重三重のチェックを実施し、問題があれば速やかに修正する体制を作った。パートナーと組んで1年間サービスを展開する中で、アカウントの停止も一切ない運営ができるようになった」(横山氏)

アプリ事業の成長を背景にスタッフの増員を図ろうと広いオフィスに移転したが、事業がストップしたため、採用自体もなくなった。資金繰りにも苦労したが、既存株主であるニッセイキャピタルが支援(NagisaはこれまでニッセイキャピタルやDonutsから資金調達している)。数億円規模の調達も行った。プラットフォーマーのルールを破ったことで自ら招いた窮地も、体制を見直し、周囲の支援を受けることで立て直してきたという。停止したアカウントはまだ復帰していないが、「アップルとはコミュニケーションを続けている。再登録できるのではないかという連絡も来ている」(横山氏)

さいころのマンガアプリ「マンガZERO」

現在Nagisaが展開する事業はマンガのほか、エンタメ、インキュベーションだという。マンガに関しては子会社のさいころ、エンタメ、インキュベーションについてはピーシーズを通じて展開する。このほかパートナーとの事業も拡大していく。「マンガ事業は、出版社が持つ作品の流通の最大化を目指している。かつて『立ち読み』に使われていた可処分時間がスマートフォンの普及に伴うSNS、ゲーム、動画等の新しいサービスの登場で奪われている。しかし、マンガの需要は変わらない、いや一般化してきておりここにきて増えていきているのではないか。そんな中で書店にある人気作品も、書店では場所が限られていて置けない作品も、ユーザーとの接点を増やしていくサポートをしていきたい」(横山氏)

エンタメに関してはゲームアプリの開発が中心となる。Nasigaではこれまで、サンリオや吉本興業などのパートナーとも組んでアプリ開発を行っているが、他社とも同様の取り組みを進める。またこれまでのカジュアルゲームから、より開発工数がかかる「ミドルゲーム」の領域に進出するという。インキュベーションに関しては、新領域のアプリ開発を進める。現在はリアルタイム配信アプリを開発中だという。

横山氏は今のNagisaの強みについて「事業部を超えた技術・ノウハウ共有体制、そして100個以上のアプリを企画からマーケティング、マネタイズまでやってきたという、多産多死の失敗からのノウハウ」だと語る。以前アプリマーケティングの領域で問題になった(というか今も続いているが…)、いわゆる「ブースト広告」はやめて、通常の広告出向(アドネットワーク、SNS広告)とASO(アプリストア最適化)で良質なユーザーを集め、高いアプリの継続率を担保することができるようになったという。直近半年で、全社のDAU(デイリーアクティブユーザー)は700%増になった。

「マーケティングが強くて、いいプロダクトがあれば、いいユーザーが付いてくる。それによってマンガの作品獲得も強くなっている。相乗的なサイクルだ。まずは立ち読みでいい。雑誌の発行部数が下がっている中で、マンガの魅力を再定義していきたい。出版社の流通パートナーになっていきたい」(横山氏)。今後は人材を拡充し、大型の資金調達も視野に入れるとしている。将来的にはホールディングス化し、子会社ごとの独立性を高めることも狙う。「アカウント停止から1年半。当時は会社として売上はほぼゼロだったが、メンバーに助けられ、既存株主に支援頂き、パートナーに協力頂いてここまで来た。ここからリスタートだと思っている」(横山氏)

Mediumの会員は記事の朗読を聴けるようになる、プロの声優たちを起用

広告収入に依存しない高品質な読み物ブログを目指すMediumが、その‘有料’の魅力と価値を高めるべく、各記事の音声バージョンの提供を開始する。有料会員オンリーの記事はすべて音声化され、そのほかの記事は、同社のスタッフが選んだ記事など、良質な記事が音声でも提供される(それらも、聴けるのは会員のみ)。

それはテキストコンテンツの機械的な音声化ではなくて、プロの声優、ときにはライター本人の朗読だ。音声バージョンは、外出時や、ほかに何かの活動をしているときに便利だ、と同社は考えている。

音声の提供は今日(米国時間5/18)からで、WebサイトとiOS/Androidのアプリの両方だ。最初は50の記事が音声化されているが、今後徐々に増えていく予定だ。

また同社によると、音声の利用に関しては、記事の朗読以外にもいろんなプランがあるのでお楽しみに、ということだ。この、ポッドキャストに近づいたようなサービスは、Mediumの将来に新しい可能性を開くだろうが、現状は有料会員制そのものが限定的なサービスだから、厳しいね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

新しいクリエーター・マーケット、Patreonが急成長――有料メンバー100万、アーティスト5万

ファンが自分の好きなアーティストに直接支払いをするというPatreonの新しいアイディアはホッケースティック型の急成長を生んでいる。PatreonがTechCrunchに述べたところによれば、この1年で月間アクティブ・ユーザー数は倍増し100万人に達した。またアクティブなアーティスト数も5万人を数えたという。

予測によれば2017年には通年換算で1億5000万ドルをアーティストに支払えるものとみられる。Patreaonの手数料は5%なので売上に換算すると750万ドルとなる計算だ。2014年から現在までの支払い額のトータルは1億ドルだ。

Patreonのアーティストはビデオグラファー、ミュージシャン、ライター、イラストレーター、アニメーター、ポッドキャスター、ゲームメーカーなど多彩だ。次に述べるように他のアートのマーケットプレイスの運営にさまざまな制限があるのに比べて、Patreonのクリエーターは比較的安定した支払いを受けることが可能となっている。

YouTubeのビデオグラファー、PewDiePie〔人種的差別的発言をしたなど〕のスキャンダルで広告主は問題のあるコンテンツに広告が掲載される危険性を警戒するようになった。YouTubeは一部のチャンネルから広告を引き上げるなどの対策を取っている。YouTubeのスター側からいえばこれは収入のダウンを意味する。 Vineはビデオ共有を中止した。Snapchatはクリエーターを無視している。広告収入を分配せずこのプラットフォームでのマネタイズを認めないこと、また Instagramの猛攻もあってSnapchatのページビューは減少している

Instagramは広告収入を分配しないが、Facebookはビデオクリップに広告を挿入する場合一部のビデオ制作者に対し収入の55%を分配するシステムを取り入れた。ただしまだ小規模だ。広告収入の分配は再生1回ごとに0.10ドルから0.0005ドルと少額であり、クリエーターの生活を支えるためには膨大な視聴回数を必要とする。

しかしPatreonのメンバーは月5ドルを好きなクリエーターに支払う。つまりクリエーターにとっては広告モデルと比較してファン1人当たり50倍から1万倍も有利だ。クリエーターはビデオクリップ、イラスト、コミックなどの作品を毎月発表する。またプレミアムを支払うファンに対してはサイトの閲覧などさまざまな特権を提供する。2016年には35人のクリエーターが15万ドル以上の収入を得たという。また2万5000ドル以上の収入があったクリエーターは数千に上る。

Patreon自身は4700万ドルのベンチャー資金を調達している。これには2016年1月にThrive Capitalがリードした3000万ドルのシリーズBラウンドが含まれる。 【略】

広告モデルでないことが幸いして、Patreonはサポートするコンテンツに関してかなりの自由がきく。ポルノグラフィー的作品も許容されているが、この表現の自由を広く認める態度は明らかに問題のあるコンテンツも掲載されることになり、批判も起きている。PatreonのビジネスはSteadyのようなライバルより優位にある。またKickstarterやIndiegogoといった大きなクラウドファンディング組織では基本的に映画作品などの一発勝負のプロジェクトが中心となるため、Patreonが脅かされることはないようだ。

結局インターネット上のコンテンツ制作におけるトレンドの変化がPatreonに対する追い風となっている。

ネット上の大規模なコンテンツ配布はアーティストとファンの関係を分断した。過激だったりニッチだったりするため、一部のクリエーターのコンテンツは映画、テレビ、ラジオ、新聞などのメインストリーム・メディアでは決して配信されない。さまざまなオンライン・ツールの進化はクリエーターがスタジオ、レーベル、出版社などの傘下に入らずにコンテンツを制作できる道を開いた。一方で熱心なファンは作品を直接購入することによってクリエーターの生活を支えたいと考えるようになった。

ファン、クリエーターの人数が増えるごとにPatreonのネットワーク効果は増大する。クリエーターが増えれば好みのジャンルのアートを発見することが容易になり、ファンが増えればクリエーターがこのプラットフォームを利用するメリットが増える。こうしたメカニズムがPatreonにキュレーションメディアとしてのパワーを与えている。5%という低額の手数料であっても規模が拡大すれば、他のチャンネルから拒否されたクリエーターとファンを結びつける安定したチャンネルとして有利なビジネスの運営が可能になるわけだ。

[画像:: Ben Adams via Patreon homepage]

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

愛らしい家庭用ロボットのKuriが、自分で充電できるようになった

Kuriは、Mayfield Roboticsというスタートアップが作ったお手伝いロボットだ。新しい機能を加えて年内に予定より少し早く発売される見込みだ。Pixarの映画から出てきたようなこの愛らしいロボットは、自分で充電に行けるようになった。室内の状態を理解する能力が向上し、スピーカーの音質もよくなった。

Mayfieldは、Boschが作った社内ベンチャーで、製品化に必要なWiFi信号の検証テストも完了した。

Kuriが初めて披露されたのは2017年のCESで、感嘆符(!)を逆さにしたようなルックスがメディアや聴衆の人気をさらい、口うるさいテク系ブロガーの心をつかんだ。当時Kuriは予約を受け付け、2017年のホリデーシーズンに出荷すると約束した。その後もMayfieldは定期的に情報を更新して、この友達ロボットが実際にやってくることを顧客に確信させた。

Kuriは今回のアップデートで、必要になると自分で充電場所を見つけて充電できるようになった。これは、製品発売までに約束していた重要な機能だ。また周囲の状態を以前より正確に把握できるようになった。これは、実際の家でテストを繰り返すことによって室内の配置を理解したためだ。

Kuriは、ユーザーの指示に返事をするときも、音楽を再生するときも音が良くなった。これはできるだけ人間に近づいて家庭や人々の歓迎されるために不可欠な要素だ。

Mayfiledは、目標とする出荷時期に向けて、夏頃にまた最新状況を発表すると言っている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook