Apple Cardの取引明細がダウンロード可能に

Apple Cardが登場した時、誰もが気にしていた問題のひとつが、取引明細をダウンロードして経費管理ソフトやスプレッドシートにインポートできるかということだった。当時の答えは、ノーだった。

Appleは、Apple Cardユーザーが月間取引明細をダウンロードして、個人会計アプリやスプレッドシートで利用できるようになると発表した。

先日私が、Mintに代わる会計・予算アプリの お薦めをリクエストしたところ、多くの回答にあったのが市場にあるツールの多くがスプレッドシート指向であるという指摘だった。Mintはインポートが可能で、Clarity Money、YNAB、Lunch Moneyも同様だ。そしてもちろん、Googleスプレッドシートやその他のスプレッドシートアプリに続々登場している個人用ソリューションもそうだ。

最も推薦の多かったアプリで現在、私がテストしているCopilotは、スプレッドシートのインポートに対応していないが、ファウンダーのAndres Ugarte(アンドレス・ウガルテ)氏は、開発予定に入っていると私に話していた。ウガルテ氏はAppleによる今回の発表について「Apple Cardのサポートはユーザーから一番多い要望なので、Copilotにデータをインポートできる方法を提供することをとても楽しみにしている」と語った。

月間取引明細をスプレッドシートにエクスポートする方法は以下の通り。

  • Walletを開く
  • 「Apple Card」をタップ
  • 「Card Balance(カード残高)」をタップ
  • 取引明細の月をタップ
  • 「Export Transactions(取り引きをエクスポート)」をタップ

まだ月間取引明細がない人は、作成されるまでこの機能は見えない。最後のステップでは、標準的な共有画面が表示されて、メールやメッセージなど通常の方法でファイルを送信する。現在のフォーマットはCSVだが、近いうちにOFX(Open Financial Exchange)形式も加わる予定。

というわけで、Apple Cardの月間取引明細をダウンロードして利用できるツール(あるいはスプレッドシート)を使っている人は、やっとその望みが叶う。Plaidやアカウントへのリンクに特化したAPIレベルのアクセスを必要とするツールを使っている人は、もう少し待つ必要がある。

いつそれが可能になるかAppleからの情報はないが、開発チームが今後も新機能を公開していくことを私は知っているので、いずれ提供されるだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

激化する小売業向けロボティクス競争の中、Berkshire Greyが289億円を調達

ここ数年、ロボティクス業界で最も大きく、かつ最も資金を調達している分野が小売業、その中でも倉庫の管理、輸送などのインターネット接続を利用した特定市場だ。Berkshire Greyは、これまでほとんど表に出ていなかったが、2020年に入り相当な金額の資金調達をしたというニュースで一躍その名を轟かせた。

マサチューセッツ拠点の同社は、2億6300万ドル(約289億円)という巨額のシリーズBラウンドを1月21日に発表した。ラウンドをリードしたソフトバンクは最近、特にロボティクスへの関心が大きい。ほかにKhosla Ventures、New Enterprise AssociatesおよびCanaanも参加した。

Berkshire Greyは、金融持株会社のような社名ながら、高度なピックアンドプレースロボットを開発している。倉庫分野は特に得意としていて、Amazon RoboticsやFetchなどと競合している。他社と同様にBerkshireはこのロボットにより、高度な集中力を求められる作業の労働力不足を解消しつつ、eコマースの規模を70~80%増加させると主張している。

「当社の顧客は小売業、eコマース、流通業などの大手企業で、差別化要素の1つとしてBerkshire Greyを選んでいる」とファウンダー・CEOのTom Wagner(トム・ワグナー)氏がリリースで語っている。「当社のロボティックオートメーションによって、顧客はより早くより効率的なサプライチェーン運用が可能になり、現在の消費者要求にこたえることができる」

今回のラウンドは、Bossa Nova、Osaro Realtimeなどのロボティック企業が相次いで調達ラウンドを実施したほか、今週はじめにはSoft Roboticsが2300万ドル(約25億円)を調達したというニュースに続くものだ。Berkshireは、調達した資金を雇用の増加、買収、および海外販売の強化にあてると言っている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

英語の会話をリアルタイムでテキスト化する「Otter」、日本展開に向けドコモと協業

NTTドコモは1月22日、英語音声を自動でテキスト化する音声認識AIサービス「Otter」を提供するAISense(Otter.ai)と、日本展開に向け協業を開始したと発表。ドコモは2019年12月12日、100%子会社であるドコモ・ベンチャーズを通じて、Otter.aiに出資した。

今後は両社でビジネスモデルの検討などに取り組み、ドコモ、Otter.ai、そして機械翻訳サービス「Mirai Translator」提供のみらい翻訳の3社の連携で、新たなサービスの開発を進める。

Otterはスマートフォンで録音した英語の音声をリアルタイムにテキスト化するサービス。ドコモいわく、世界中で100万人以上が同サービスを利用している。米TechCrunchが主催するDisruptなどのイベントが導入し、公演内容をリアルタイムにテキスト化している。記者が文字起こしをする必要がなくなった。

協業を通じ、ドコモはOtterの普及に向け、日本市場での需要や有用性などに関して調査をし、2020年度からは国内企業への導入支援に取り組む予定だ。そして、みらい翻訳とOtter.aiの両社のサービスを組み合わせた「セキュアな環境での高度な翻訳を行うサービス」の実現に向け、検討を開始する。

ドコモは1月8日より、Otterの普及に向けた日本市場の調査の一環として、グローバル人材育成・語学教育のベルリッツ・ジャパンが全国に展開するベルリッツ・ランゲージセンターにて、受講生へのOtterの利用案内を開始した。ドコモは「レッスンをOtterで録音することにより、授業内での会話が文字として記録され、そのテキストから音声を確認したい部分をタップすると録音された音声も再生できることから、学習を振り返ることでの効果などを検証します」とコメント。今後、ドコモ、Otter.aiとベルリッツでは、語学教育における企画や検証をさらに進めていく予定だ。

また、1月23日と24日に開催される「DOCOMO Open House 2020」では、Otterを使用し英語での公演をテキスト化し、そのテキストをみらい翻訳とドコモが共同開発した機械翻訳エンジンを使いリアルタイムに日本語に翻訳、その双方をスクリーンに表示するデモを実施する。

IoTの衛星ネットワーク接続を低価格で提供するSkyloが約113億円調達

来るべき宇宙経済における最大のチャンスのひとつは、成長し続ける通信衛星群が可能にした新たな接続性を、地球上のモノや企業に役立てることだ。米国時間1月21日、1億300万ドル(約113億円)のシリーズBラウンドを発表しステルス状態を脱したスタートアップのSkyloは、そのチャンスを手頃な価格で可能にしようとする一社だ。

今回の調達ラウンドによって、Skyloの調達額はシリーズAの1400万ドル(約15億4000万円)と合わせて1億1600万ドル(約128億円円)になった。最新ラウンドをリードしたのはソフトバンクグループ(現在、複雑な事情を抱えている)で、既存出資者のDCMおよびEric Schmidt(エリック・シュミット)氏のInnovation Endeavorsも参加した。Skyloのビジネスは、基本的にモノのインターネット(IoT)デバイス(センサー、工業機器、輸送ハードウェアなど)をセルラーベースの狭帯域IoTプロトコルで衛星ネットワークに接続することにある。現在、同社のネットワークはすでに静止衛星上でも展開されているため、特別な技術を使って新たな衛星を待つことなく顧客はデバイスを接続できる。

Skyloは商用パートナーとの実運用テストを完了しており、漁業、海運業、自動車などの民間企業と政府関係団体がパートナーになっている。同社が主張する既存ソリューションに対する利点は、接続にかかる費用が1件最低1ドル(約110円)からハードウェアは100ドル(約1万1000円)以下という低価格で、現在市場にある衛星を利用したIoT接続と比べて最大95%のコスト削減になると同社はいう。

専用ハードウェアのSkylo Hubは一種の衛星ターミナルとして静止衛星と接続して「ホットスポット」になり、一般的なIoTセンサーやデバイスが利用できる。大きさは約20 ×20 cmで、バッテリーまたはAC電源で動作し、顧客は特別な知識がなくても設置できる。

同社は2017年にCEOのParth Trivedi(パルス・トリベディ)氏とCTOのAndrew Nuttall(アンドリュー・ナタール)博士、およびチーフ・ハブ・アーキテクトのAndrew Kalman(アンドリュー・カルマン)博士が設立した。トリベディ氏はMITの航空宇宙工学出身で、ナタール氏はスタンフォード大学で航空工学博士号を取得、カルマン氏はスタンフォード大学教授で、かつて小型衛星キューブサットのスタートアップ、Pumpkin Inc.を設立した。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

面倒な出張手配はチャットで丸投げ、出張支援クラウド「ボーダー」が1.5億円調達

ボーダーのメンバー。前列中央が代表取締役の細谷智規氏

出張支援クラウド「BORDER」を開発するボーダーは1月22日、三井住友海上キャピタル2018V投資事業有限責任組合(三井住友海上キャピタルが運営)とPKSHA SPARXアルゴリズム1号投資事業有限責任組合(PKSHA Technology Capitalとスパークス・AI&テクノロジーズ・インベストメントが共同運営)を引受先とした第三者割当増資により、1.5億円を調達したことを明らかにした。

ボーダーは2014年8月の創業。これまでに匿名の個人投資家などから2度に渡って資金調達を実施済みで、今回が3回目の調達となる。

在宅スタッフ×チャットコンシェルジュで手軽に出張手配

BORDERは出張の“手配”と“管理”における課題を1プロダクトで解決する法人向けのサービスだ。

特に中小規模の企業では、出張のたびに総務担当者(出張者本人の場合もあるだろう)が条件に合った航空券やホテルを探して手配することが多い。その作業には一定の工数がかかり、出張の数が増えてくると大きな業務負担となる。

また出張では手配だけでなく「誰がどんな経緯で、どのフライトを選択したのか」「会社内の出張規程を満たしているのか」といったチェックをする管理業務も発生する。総務や経理の担当者は1件ずつ内容を確認していく必要があるため、こちらも出張件数が増えればかなりの工数がかかってしまう。

BORDERではこれらの出張にまつわる業務を「チャットコンシェルジュとダッシュボード」を通じて効率化・透明化する。ユーザーがやることは要望と会社の出張ルールを伝えるだけ。後はBORDERのオペレーターがチャットベースで条件に合った航空券やホテルをピックアップしてくれるので、提案された候補の中から1つ選べばOKだ。

手配した出張のデータはダッシュボード上に自動で蓄積されていくため、総務担当者が自身で入力したり集計する手間もない。BORDER以外で予約した情報を取り込むことも可能で、出張に関する情報を一箇所に集約し可視化できる。

また取り込んだ情報を基にした安全管理機能を搭載。登録済みのフライトや宿泊施設の情報からメンバーの滞在期間と滞在先を特定し、出張者や管理者に現地の緊急ニュースを届ける仕組みも備える。

BORDERのダッシュボード。登録した出張情報からメンバーの滞在先なども見える化する

BORDERの特徴はチャットシステムを活用したスピード感と、手配から管理までを一体型でサポートしていることだ。「チャットによるコミュニケーションは旅行の手配と相性が良い」というのがボーダー代表取締役の細谷智規氏の見解。メールよりスピーディーで、なおかつ電話と違ってお互いのタイミングを合わせる必要もないため、ユーザーは手軽にサクッと出張手配を依頼できる。

料金面に関しても1回につき手数料1000円のみと利用のハードルが低い。BORDERでは在宅のオペレーターがリモートで出張手配をサポートする仕組みを構築。運営にかかるコストを抑えることで、スタートアップや小規模な事業者でも使いやすい料金体系を実現した。

今後は蓄積してきた出張データの活用強化へ

細谷氏の話ではこれまでに350社以上がBORDERを活用しているとのこと。メルカリやモンスター・ラボを始めIT系のスタートアップやメガベンチャーの利用も多く、中小規模の企業がメインにはなるものの全体の1割強は上場企業だ。

BORDERには出張者ごとの過去の手配情報や好み、同僚の利用履歴、会社の規定といったデータがたまっていくため、使い続けるほど提案の精度が高まっていく可能性を持っているのもポイント。SaaS型のプロダクトのように月額定額制で提供している訳ではないが、利用者向けのアンケートでも出張プランの提案についての満足度は94.7%と高く、継続利用する企業も多いという。

もちろんある程度出張の件数が増えてくれば、旅行会社に依頼するという選択肢も出てくる。ただ細谷氏によると既存プレイヤーは「手配」に注力しているケースが多く、予約したデータを活用した安全管理やコストの可視化、コスト削減サポートなど「改善」まで踏み込めている企業は限られる。

出張管理を効率化するBTM(ビジネストラベルマネジメント)ツールも複数存在するものの、スタンドアロン型で、インストールして特定のPCから使用するものが中心なのだそう。導入費や利用料も高く、BORDERとは特徴や狙っている顧客層も異なる。

欧米ではSaaS型で安価に使えるBTMツールが徐々に普及しつつあり、企業の規模を問わず出張管理が効果的に行われるようになってきている状況。ビジネスモデルに違いはあれど、BORDERとしても手軽に出張管理ができることを強みに、より多くの企業への導入を目指していく。

今回の資金調達も事業拡大に向けた開発体制の強化やマーケティングへの投資が目的だ。特にボーダーにとって重要になるのが出張データの活用方法。「第一段階の強みが在宅スタッフの力とチャットを掛け合わせた一連の仕組みだったとすれば、今は徐々に出張のデータが蓄積されてきて、それをどう活用していくかという段階に入ってきている」(細谷氏)という。

具体的に細谷氏が挙げていたのがコスト削減や安全管理、出張手配においてのデータ活用。現時点でもすでに取り組んではいるものの、さらに提案精度を上げていくのが目標だ。

また国内出張と海外出張など、利用シーンによって今後はチャットコンシェルジュとセルフブックの混合型が主流になるというのが細谷氏の考え。ユーザーが自身で手配する場合にも、たとえばデータと機械学習技術を組み合わせるなどして、ユーザーの負担を減らす仕組みを開発するといった展開はありえるだろう。

今回のラウンドではPKSHA Technology Capitalが共同運営するファンドも投資家として参画している。現時点で具体的な話があるわけではないようだが、PKSHAとは事業面での連携なども検討していきたいとのことだった。

担当者にかわってAIが自動でオススメ物件提案、不動産テックのハウスマートが約3億円調達

個人向けの中古マンション提案アプリ「カウル」や不動産仲介会社向けSaaS「プロポクラウド」を展開するハウスマートは1月22日、日本郵政キャピタルとアコード・ベンチャーズを引受先とする第三者割当増資により約3億円を調達したことを明らかにした。

今後は組織体制を強化し、引き続き2つの事業の機能拡充や対応エリアの拡大を進めていく計画。なお同社は2018年9月にアコード・ベンチャーズなどから3億円を調達するなど、これまで複数回の資金調達を実施している。

ハウスマートは代表取締役の針山昌幸氏が、不動産会社や楽天を経て2014年10月に創業した不動産テック領域のスタートアップだ。

2016年から運営しているカウルはAIやビッグデータを用いて、ユーザーの中古マンション選びをサポートするアプリ。アプリ上で各物件に“お気に入り”や“興味なし”などのリアクションをしていけば、AIが個々の希望条件と趣味嗜好を学習しておすすめのマンションを提案する。部屋探しから見学までの担当者とのコミュニケーションもメッセージ機能を使えばスムーズだ。

特徴的なのは売買事例や賃貸事例、築年数、間取り、最寄駅などの関連データを分析した上で、現在の適正価格や35年後までの価格推移を「カウル推定価格」として算出できること。気になる中古マンションが今後どういった価格を推移していくのかはもちろん、「購入した場合と、同等の条件の中古マンションに賃貸で住み続けた場合ではどちらがお得か」なんてこともチェック可能だ。

気になるマンションの価格変動を教えてくれる機能や学区からマンションを見つけられる機能なども搭載。昨年末には千葉県と埼玉県にも対象を広げ、現在は1都3県(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県)の主要エリアにてサービスを展開する。会員数も5万人を突破した。

カウルはユーザーにとってだけではなく、事業者側にとっても大きな価値がある。これまで人力のみでは限界があった膨大な物件情報のキャッチアップや各ユーザーへの継続的な物件提案を、テクノロジーによって大幅に効率化・自動化してくれるからだ。

このシステムによってハウスマートでは1人の営業パーソンが通常の約30倍に当たる600人以上の顧客を担当できたという話は前回調達時に紹介した通り。そしてカウルの仕組みを他の不動産仲介会社でも使えるようにSaaS化したのが、昨年3月にリリースしたプロポクラウドだ。

同サービスの特徴は「テクノロジーによって、仲介会社と顧客が継続的に繋がり続けるのをサポートできること」(針山氏)。従来は物件探しから実際に提案するまで1人の顧客に対して45分〜50分ほどの時間がかかっていたが、プロポクラウドでは最初に約1分ほどで顧客の情報や希望条件を入力しておくだけでいい。

そうすると条件にあった中古マンションがメールにて自動で提案され、顧客のリアクション(詳細閲覧、いいね、興味なし、問い合わせなど)を見ながら必要に応じてフォローすることもできる。

プロポクラウドでメールにて物件提案をしている様子

「1番のペインはお客さんとの関係性構築が大変だということ。不動産は人生でも1番高い買い物であり、初回の問い合わせから数ヶ月、数年にわたって1人のお客さんと関係性を維持していく必要がある。ただし人力だけでは継続的に情報提供することが難しかった。プロポクラウドはそこをサポートできるサービスとして、活用してもらえている」(針山氏)

料金は月額5万円からの定額制で登録する顧客数に応じて変動するモデルだ。針山氏の話では現在60店舗以上が導入済み。特にエンタープライズ企業と相性が良く、不動産仲介会社の2018年度売買仲介実績上位20社のうち6社がすでにプロポクラウドを活用している。

実は昨年3月にスタートしてからしばらくは顧客獲得が想定以上に難航していたそう。新しいものに対してそこまで興味がある企業も少なく、話を聞いても「自社サーバー以外は考えられない、クラウドなんてとんでもない」と言われることもあったという。

少しずつ状況が好転し始めたのは秋口頃からだ。そもそもマーケットを啓蒙する目的で不動産テックや不動産業界のトレンドを解説するセミナーを開始。日本でもメディアで不動産テック関連のトピックが取り上げられることが増え、その領域に特化したイベントなども開催されたことで徐々に潮目が変わってきた。

またヒアリングを重ねた結果、顧客の事業規模によっても課題感が異なり、プロポクラウドはエンタープライズ企業のニーズに合致していることを発見。直近はそこにフォーカスして機能改善を進めている。

「エンタープライズ企業は広告周りのノウハウがあるため集客は得意。集客ができているからこそ、その後の顧客と繋がる部分により大きな課題感を持っている。一方でSMBのお客さんは集客部分に悩まれている方も多く、それぞれで1番課題だと感じている部分が異なる」(針山氏)

プロポクラウドでは自動提案された物件に対する顧客のリアクションが一覧で把握できる

ハウスマートでは今後も引き続きカウルとプロポクラウドの2事業を伸ばしていく計画。今回調達した資金で開発体制・組織体制の強化を進め、機能追加のほか戸建てへの対応、関西エリアへの拡大などにも取り組む。

また少し先の話にはなるとのことだったけれど、プロポクラウドにおいては今後マンションを売却したいユーザーと営業マンをつなぐ「売却側」の機能も提供していく方針。それに向けた開発も進めていくという。

ティム・クックが支援する節水シャワーヘッドのNebiaが第3世代製品を発売

Tim Cook(ティム・クック)氏が支援するシャワーのスタートアップNebia(ネビア)は2019年、蛇口メーカーのMoenがリードするシリーズAを発表した。そして2020年、その提携が実を結び、Nebiaの第3世代シャワーヘッドが発売された。Nebia by Moenという名称のこのプロダクトは、シャワーヘッドと支柱のセットでクラウドファンディングサイトKickstarterで現在199ドル(約2万2000円)で展開されている。小売価格は269ドル(約3万円)となる見込みだ。

この最新製品は、これまでのラインナップで最も安い。私はNebia by MoenとNebia Spa Shower 2.0を横に並べてテストしたが、後者の販売を続けるほどに大きな差は見い出せなかった。Nebia Spa Shower 2.0の小売価格は499ドル(約5万5000円)で、ちょっとした金額だ。

Nebia by Moenの269ドル(約3万円)という設定は、デザインのシンプル化とMoenのサプライチェーン活用による。水滴が大きくなり、ノズルが少なくなった結果、若干、従来のシャワーのように感じる。新製品の美学はより大量消費市場向けのものになったが、それでも第1、第2世代とはっきり共通するものがある。新製品は3色が用意され、Kickstarterではシャワーヘッド単品を160ドル(約1万8000円)で入手できる。

前CEOのPhilip Winter(フィリップ・ウィンター)氏はCMO兼会長となり、共同創業者のGabe Parisi-Amon(ゲイブ・パリシアモン)氏がCEOに就任した。筆者はウィンター氏とハードウェアマーケット全般について、そして消費者がプレミアムなシャワー体験にお金を出すかどうか長々と話をした。インタビュー内容についてはこちらの記事で読める(要Extra Crunchメンバーシップ)。

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(翻訳:Mizoguchi)

Google CloudがルフトハンザとSabreを顧客に獲得、クラウドネットワーク構築に協力

Google Cloudのユーザー獲得戦略は、特定のエンタープライズ、ビジネス分野に集中するというものだ。ハードウェア、エネルギー、金融、小売業などがこれまで主要なターゲットで、ヘルスケアにも注力しているが最近やや足踏みしている印象だ。EpicはGoogle Cloudに移行する計画を進めないことを発表した

そんな中、Google Cloudは旅行業という新たなバーティカルで有力なクライアントを2社獲得したことを発表した。収益において世界最大の航空会社、ルフトハンザ・グループと航空会社、ホテル、旅行代理店などをネットワークしてサービスを提供するSabreがそれぞれGoogle Cloudに加わった。

Sabreと10年契約を結び、Google Cloud上にネットワークを構築することになった。 航空会社を始め旅行関係の多数の企業がSabreに参加しているが、これまで同社のネットワークはレガシーシステムだった。Sabreは情報インフラの現代化に取り組んでおり、Googleとの10年間の提携はこの努力の一環となる。GoogleとSabreは協力して「既存システムを改善し効率化するのと同時に新たなサービスを開発、追加する。参加航空会社、旅行代理店、旅行者に新しいマーケットプレイスを提供」していくという。AIをはじめとしたGoogle Cloundの最新テクノロジーを利用することでトラベル・ビジネスを一新するような各種ツールの利用が可能になるという。

「航空機のチケットが取れない」というシステム障害に見舞われることもあるが、ほとんどの場合、これはSabreのコンピューターがダウンしたためだ。「むやみにダウンしない」ようになるだけでも、われわれ消費者にとっては大きな改善だ。

GoogleのCEO、Sunder Pichai(サンダー・ピチャイ)氏は「Googleはユーザーを支援するツールを開発している。我々のミッションはのほとんどは、ユーザーである企業がそれぞれの使命を果たせるようにすることだ。Sabreが旅行の未来を築くためにGoogleをパートナーに選んでくれたことは、非常にうれしい。旅行者は高い利便性、選択の自由、コストパフォーマンスを求めている。我々のクラウドとAIテクノロジーによるコンピューティングは、Sabreの価値実現を助けるものだ」と述べた。

広汎なサービスを提供するという点においては、Googleとルフトハンザドイツ航空との提携も同様だ。ルフトハンザはドイツのフラグキャリアだが、グループにはオーストリア航空、スイス航空、ユーロウイングスはじめ多数の子会社があり、他の航空会社に技術サービスを提供する企業も多数持っている。

【略】

ルフトハンザ・グループが戦略的パートナーにGoogleを選んだ目的は「オペレーションの最適化を図る」ためだという。Googleではルフトハンザ向け専任のチームを作ってこれを実現していく。Googlはルフトハンザの航空機運用のためのツールを開発し、クラウドで運用する。こうしたツールはビジネスを効率化するだけでなく、悪天候や空路の混雜、社員のストライキ(この頃多発しているようだ)などの障害が発生した場合、取るべき手段をAIテクノロジーが提案してくれるという。

画像:Sina Schuldt/picture alliance / Getty Images

また、デルタ航空もこれに似たAI利用の支援システムを開発し2020年のCESで発表した

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滑川海彦@Facebook

デベロッパーのセキュリティをサポートするSnykが約165億円調達

デベロッパーが開発を行う際のセキュリティをサポートするSnykが1月21日、1億5000万ドル(約165億円)の資金調達を発表した。この調達によりバリュエーションは10億ドル(約1100億円)超になったとほのめかした(正確な数字は明らかにしていない)。

本ラウンドはニューヨークの投資会社Stripesがリードし、Coatue、Tiger Global、BoldStart、Trend Forward、Amity、Salesforce Venturesが参加した。Snykの累計調達額は2億5000万ドル(約274億円)を超える。

Snykは開発プロセスでの安全性をしっかりと確保することに主眼を置いている。別のチームに安全確保を任せるとそれまでの開発スピードを緩めてしまうこともあるが、そうではなくコード委託の一環としてセキュリティを構築する。

同社はデベロッパーがGitHubやBitbucket、GitLabまたは他のCI/CDツールにコードを委託する際、オープンソースの脆弱性を見つけやすくするオープンソースツールを提供している。このアプローチを採用する40万人以上のデベロッパーのコミュニティがすでにできている。

Snykはコンテナセキュリティ製品で収益を上げている。オープンソース製品で使える脆弱性データベースの基礎となるものを商品として企業に提供している。

同社が企業向けの商品を展開しようとしていた2019年に取締役となったCEOのPeter McKay(ピーター・マッケイ)氏は、オープンソースプロダクトは売上につながる製品となり、今回のような投資を引きつけたと話す。「この投資ラウンドは、コミュニティからフリーミアムまでオープンソースモデルにおけるモメンタムだった。それがいま我々が置かれている状況だ」とTechCrunchに語った。

同社が自らこの投資を模索していたわけではなく、同社の成長の勢いを見た投資家側から良い提案があった、とマッケイ氏は話す。「投資家たちは『マーケットを生かしたい。あなたが思うように投資できるようにし、我々全員が非常に大きな好機だと信じているものを生かしたい』と語った」とマッケイ氏は述べた。

実際、Snykは2016年の300万ドル(約3億3000万円)のシードラウンド以来、かなりのスピードで資金を調達してきた。2018年にシリーズAで700万ドル(約7億7000万円)、シリーズBで2200万ドル(約24億円)を調達したのに続き、2019年秋にはシリーズCで7000万ドル(約77億円)を調達した。

同社は2019年の売上高は4倍となったとしている(正確な数字は非公表)。そしてGoogle、Intuit、Nordstrom、Salesforceといった大口顧客も獲得した。Salesforceが投資部門のSalesforce Venturesを通じて今回Snykに投資したことは注目に値する。

画像クレジット: laflor / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi)

LEGOが国際宇宙ステーションの公式キットを発売、スペースシャトルやロボットアームも付属

LEGOは国際宇宙ステーション(ISS)の公式キットを発売する。このキットには軌道プラットフォームのスケールモデル、ドッキング可能な小型スペースシャトル、展開可能な衛星、2人の宇宙飛行士のミニフィギュアが含まれている。ピースの数は864ピースだ。これはISSの20年以上の稼働を記念したキットで、LEGOファンのコミュニティからの要望を実現するLEGOのIdeasプラットフォームを通じて提案されたものとなる。

この新しいキットは2月に発売予定で、小売価格は69.99ドル(約7700円)。かなり複雑なもののようで、推奨年齢は16歳以上になっている。ファンのような大きな太陽光発電アレイや、スペースシャトルのミニモデルと貨物カプセルの両方に対応するドッキングステーションなどが含まれる。

前述したようにキットには衛星も含まれており、ロボットアームのCanadarmを使用して展開できる。また先日、クリスティーナ・コック宇宙飛行士とジェシカ・メイヤー宇宙飛行士がISSのバッテリーを交換したように、ISSがなんらかの修理を必要とする場合は、2人の宇宙飛行士のミニフィギュアが修理やアップグレードを行う。

実際のISSは、NASAとロシアのRoscosmos、ヨーロッパのESA、カナダのCSAそして日本による共同プロジェクトで、1998年に最初の打ち上げが行われ、宇宙飛行士とともに19年以上も継続的に運用されてきた(公式な20周年は2020年11月となる)。ISSは当初予定されていたミッション寿命を超えているが、計画の変更により、少なくとも2030年までは軌道上の科学実験施設としての役割を継続する予定だ。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

滞在を快適にする旅行者向け荷物保管アプリのStasherが約2億7500万円を追加調達

旅行者向け荷物保管アプリのStasherが、新たに250万ドル(約2億7500万円)を調達した。このラウンドを主導したのはVenture Friendsで、Expedia傘下のHotels.com代表取締役社長だったJohan Svanstrom(ヨハン・スヴァンストローム)氏などさまざまなエンジェル投資家も参加した。

Stasherは2015年にイギリスで設立され、現在は荷物保管の「シェアリングエコノミーソリューション」と自称している。Stasherのマーケットプレイスとアプリは、旅行者やイベント参加者、民泊利用者と短期または中期に荷物を預かることのできる各地の店舗やホテルをつなぐ。

予約には保険が含まれ、StashPointに保管された荷物は破損、紛失、盗難の際に最大1000ポンド(約14万4000円)の補償を受けられる。

保管するホストには、利用料金の約50%が分配される。シェアリングエコノミーのおかげで、実店舗は新たな収益を得ることができる。

大まかにとらえると、旅行中に荷物を持ち歩くことによる時間の無駄という問題をStasherは解決しようとしている。同社共同創業者のAnthony Collias(アンソニー・コリアス)氏は2018年に筆者に対し「午前10時にAirbnbをチェックアウトしなくてはならない経験をした人なら、この問題をよく理解できるだろう」と語っていた

Stasherのネットワークは当初の20都市から250都市へと大きく成長してきた。ヨーロッパのほか、米国とオーストラリアなどにも荷物保管アプリを展開している(訳注:同社のウェブサイトには東京など日本のポイントも掲載されている)。

Klook、Sonder、Marriott、Hotels.comのほか、Premier Inn、Expedia、Holiday Express、OYO、AccorなどのサービスがStasherのパートナーになっている。

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(翻訳:Kaori Koyama)

高解像度観測画像をリアルタイムで取得できるCapella Spaceの最新衛星技術

人工衛星と地球観測のスタートアップであるCapella Space(カペラ・スペース)は、既存の試験用ハードウェアプラットフォームを改良し、0.5メートル以下の分解能による高解像度観測画像を提供する新しい衛星技術を発表した。Sequoia(セコイア)という開発コード名で呼ばれているこの新しい衛星は、リアルタイムの要求に対応し、Capella Spaceのクライアントは基本的にオンデマンドで希望のエリアの観測画像を取得できる。

Capella Spaceの衛星は合成開口レーダー(SAR)による観測衛星で、撮影領域が雲に覆われていたり、夜間であっても、地上の2次元画像を提供できる。通常、SARによる画像の分解能は、同社の新型衛星による0.5メートルの分解能よりもはるかに低く、Sequoiaのような小型衛星で同様の性能を実現することも難しい。

Capella Spaceによると、新しい衛星デザインは「顧客からのフィードバックの結果」であり、高速充電や迅速なリサイクルのために改良されたソーラーアレイや、一度に長時間の撮影を可能にする進化した温度管理、顧客のニーズに応じたより高速なターゲット設定の切り替えといった改良が含まれるという。またダウンリンクの帯域幅が広いため、他社が提供するこのサイズのどのSARシステムよりも、軌道パスあたりのデータ転送量が多い。

このアップグレードにより、Capella Spaceはアメリカ空軍やアメリカ国家偵察局(NRO)を含む、米国政府の主要顧客との契約を獲得した。この技術は、3月に打ち上げが予定されている6機の次期商用衛星に搭載される。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

ロケット・ラボの2020年初打ち上げは米国家偵察局ミッション

Rocket Lab(ロケット・ラボ)は2020年最初のミッションとなる、アメリカ国家偵察局(NRO)向けのロケットの打ち上げを1月31日に実施すると発表した。ミッションで使用されるElectronロケットは、ニュージーランドにあるLaunch Complex 1(LC-1)から打ち上げられる。今回のミッションは、Rocket LabがNROとの新たな契約の下で実施する初めてのものとなる。

この新しいRapid Acquisition of a Small Rocket(RASR)という契約モデルは、カーボン素材による3Dプリンティングを利用した小型かつ廉価なロケットを運用するRocket Labにとって理想的なものだ。Rocket Labは、2019年にとある顧客の契約が変更された際に、別の顧客の打ち上げを優先したことで、このモデルの柔軟性をすでに実証している。RASR契約モデルのもとでNROミッションを獲得したということは、小さなペイロードのための対応力があり、タイムリーなロケット打ち上げサービスを提供するという目標が、市場のスイートスポットに合致していることのさらなる証明でもある。

NROは情報衛星の開発、構築、打ち上げ、運用を担当するアメリカ政府の機関だ。1961年に設立され、1992年にようやくその機密扱いが解除され、正式に公表された。その任務には、アメリカの情報機関と国防総省、両方の活動支援が含まれている。

防衛産業では小型衛星の運用に対する関心が高まっている。その主な理由としては小型で効率的かつ経済的な衛星を運用することで、より迅速に現場の新しいニーズに対応でき、さらに大規模な観測および耐障害通信ネットワークを構築できることにある。従来の高価で巨大な偵察衛星や軍事衛星は多大な予算と複数年の開発スケジュールが必要で、潜在的な監視対象のデータの提供という意味での冗長性がほとんどない。小型衛星は多数の衛星コンステレーションの一部として機能し、これらの潜在的な弱点のほとんどを解決する。

ロケット・ラボがヴァージナ州ワロップス島に新しいLaunch Complex 2(LC-2)を開設した理由の1つは、アメリカの防衛産業に関連した顧客により良いサービスを提供するためである。この発射場で行われる最初のミッションは、2020年春に予定されているアメリカ空軍に向けたものだ。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

Uberがインドのフードデリバリー事業を現地ライバルのZomatoに売却

Uberは1月21日、インドにおける同社のフードデリバリーサービス、Uber Eatsを地元のライバルZomato(ゾマト)に売却したと発表した。これによりアメリカのライドシェア大手は、2021年の黒字化するために、損失を計上する事業を放棄する。

この2つの赤字企業によれば、契約ではUberがZomatoの9.99%を保有し、EatsのユーザーはZomatoのユーザーになるという。情報筋によると、Uber Eatsのインド事業の評価額は1億600万ドル(約117億円)から2億ドル(約220億円)の間と見なされたようだ。

TechCrunchは2019年12月に、両社の契約はもうすぐまとまると報じた。両社の話し合いを11月に最初に報じたのは、インドの新聞『Times of India』だ。

ForresterのアナリストSatish Meena(サティッシュ・ミーナ)氏によると、ZomatはUberからの買い物があるにもかかわらず、依然として地元のライバルSwiggyに1日のオーダー数で負けている。Prosus Venturesが投資しているSwiggyは、2018年後半に10億ドル(約1100億円)を調達した

UberのCEOであるDara Khosrowshahi(ダラ・コスローシャヒ)氏は声明で「Uber Eatsのインドのチームはこれまでの2年あまりで立派な業績を上げた。彼らの創意と献身を、私は最高の誇りに思う」と述べている。

情報筋によると、Uber Eatsがインドに進出したのは2017年で、インドの事業を売却するという話は2018年後半に始まっている。

続けてコスローシャヒ氏は「今後も、インドはUberにとって特に重要な市場であり、当地のライドシェアサービスへの投資を引き続き行っていく。この分野において、Uberはすでにカテゴリーリーダーである。Zomatoの資本効率の高い成長能力に強い感銘を受けており、彼らの継続的な成長を願っている」と話す。

しかし、業界の推計によると、Uberはインドのライドシェア分野のトップではない。そのタイトルはOlaのもので、インドの乗客数ではUberの2倍あり、カバーする都市の数もUberの約30に対してOlaは110だ。

情報筋によると、Uber Eatsの従業員は希望すればUberに残ることができる。

この発表の最中に、Zomatoの新たな資金調達ラウンドが行われている。創業11年になるこのインド企業は2019月12月に、Ant Financialから1億5000万ドル(約165億円)を調達し、数週間後にはさらに4億ドル(約440億円)の追加投資を求めるという。

Uber Eats Indiaの切り離しは、Uberを助けるだろう。同社は2019年に東南アジアを去ったが、今回もそれと同様にグローバルな損失が縮小する。2019年に数百名をレイオフした同社は、11月に10億ドル(約1100億円)あまりの四半期損失を報告している。Uberによると、2021年には黒字化するそうだ。

Uberは、2019年8月から12月までのUber Eatsのインド事業による損失を1億750万ドル(約118億円)と予想していた。Zomatoも同じく、損失を減らす努力をしている。2018年に同社は各月に4000万ドル(約44億円)あまりの損失を計上したが、Zomatoに投資しているInfo Edgeによると、2019年11月の決算報告ではそれが2000万ドル(約22億円)に抑えられた。

*アップデート: この記事の初期のバージョンでは、Uber Eatsのインド事業の評価額を3億から3億5000万ドルとしていた。現状は、ほぼその半分である。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

どこまで安全なら十分か?Cruiseが商用自動運転車の新しい安全基準の必要性を指摘

Cruise(クルーズ)の共同創設者でCTOのKyle Vogt(カイル・ボークト)氏は、1月17日金曜日、カリフォルニアの規制当局から毎年発表されるディスエンゲージメント報告書は、自動運転車が一般向け販売を可能とする安全性を備えているかどうかを代弁するものではないと語った。

ボークト氏は、Medium誌に寄稿した長い記事の中で、自動運転車の事業展開の準備が整ったか否かを示す新しい基準が必要だと訴えた。2019年5月の段階で企業価値190億ドル(約2兆900億円)というこの自動運転車のメーカーは、すでにより総合的な基準を作っていることを記事で示唆していた。

カリフォルニア州内の公道における、自動運転車の走行試験認可を行っているカリフォルニア州車両管理局(DMV)は、メーカーに「ディスエンゲーメント」に関する報告書を毎年提出するよう義務づけている。ディスエンゲージメントとは、自動運転車の運転をドライバーが何回引き取ったかを示す用語だ。DMVの定義では、ディスエンゲージメントとは、公道を走行する試験車両が、安全に関わる緊急事態またはシステムの不具合によって、自動運転から手動運転に切り替わることを意味している。

「DMVが想定した状況を大きく超えるほとんどの使用状況に対して、これは嘆かわしいほど不適切」だとボークト氏は書いている。「自動運転車の商業展開の可否が、ディスエンゲージメントで判断できるというのは神話だ」

このディスエンゲージメント報告書は、数週間以内に公開される。Cruiseは、主に2017年から2019年までのディスエンゲージメントに関するデータのうち、その発生までの距離に関するものを公表している。

DMVに報告対象となるCruiseのディスエンゲージメントまでの距離(2017年12月から2019年12月)

いわゆる、自動運転車の商用化レースには、試乗会などを含むかなりたくさんの段階がある。データが不足すれば、そのメーカーの自動運転車が、街のA地点からB地点へ人を乗せて往復するという非常に重要で現実的なステップにおいて、その車両が十分に安全か否かの判断を下すことが、ほぼ不可能になる。不備があるにせよ、ディスエンゲージメント報告書は一般の人間やメディアが見ることのできる数少ないデータのひとつだ。

どれだけ安全なら十分だと言えるのか?

ディスエンゲージメントは、ある程度の見識を与えてくれるものではあるが、一般向けにロボタクシー事業を展開しようと計画しているすべての自動運転車メーカーが抱く根本的な「どれだけ安全なら十分なのか?」という疑問への答えにはならない。

ボークト氏の話には、その疑問に答える実用的な方法を見つけ出したCruiseの苦労が滲んでいる。

しかし、ディスエンゲージメント率が商用化の可否を測る基準として使えないとなれば、何を用いればよいのか? 結論から言えば、自動運転車運用事業者が自動運転車をライドシェア用として大規模に展開できるようにするためには、その車両の性能が超人的(平均的な人間のドライバーよりも優秀)でああること。そして、自動運転車技術の事業展開には、自動車の安全性と公共衛生全般に建設的なインパクトを与えることに対する確かな経験に基づいた証拠を一般大衆と規制当局に示すことだと考える。
それには、a)特定環境における人間のドライバーと自動運転車との本当の能力に関するデータと、b)統計的に明らかな結果との同一条件下における客観的な照合が必要になる。私は、我々の自動運転車の有効性が認められ、事業展開の準備が整った段階で、これらを公表する。このとても重要な話題に関して、間もなく詳細を発表するので楽しみにしていて欲しい。

競合他社の合意

ディスエンゲージメント報告書に対して、これまでCruiseが最も声高にかつ、一般に向けても疑問を投げかけてきたわけだが、他にも疑問を抱く企業は多い。Waymo(ウェイモ)も、同様の考え方をしているとTechCrunchに話してくれた。

この報告書は、自動運転車メーカーにとって長年、不安の種だった。たしかに一般人にとっては、現在、どれだけの自動運転車が公道で走行試験をしているかがわかるといった有用な面もある。だが、そこからメーカーごとの技術レベルを知るのは難しい。

報告書の内容には大きなバラツキがある。企業ごとに情報量も異なれば、フォーマットも違う。さらに、何がディスエンゲージメントで、何がそうでないかという基準についても、合意ができていない。たとえばこの問題は、2018年、Cruiseの車両を含む交通事故について、乗り物専門ニュースサイトJalopnikが疑問を投げかけたときに大きく注目された。このケースでは、交差点を通過する際、ドライバーはハンドルを握って手動運転をしていたのだが、ディスエンゲージメントとして報告されなかった。当時CruiseはJalopnikに対して、カリフォルニア州の基準を満たしていなかったと説明した。

もうひとつの問題は、ディスエンゲージメントは技術の「同一条件」での比較ができないという点だ。試験車両は、いろいろな環境や条件でテストを行う。

さらにディスエンゲージメントは、試験走行の規模によっても大きく変化する。たとえばWaymoがTechCrunchに話したところによれば、カリフォルニアにおけるテストの際に、規模を大きくするほどディスエンゲージメントが増える傾向にあったという。

そして最後に、新しいソフトウェアができるごとに、実際に複数の車両を公道に送り出して走行試験をするメーカーよりも、シミュレーションや仮想テストで終わらせるメーカーが多いという問題もある。別の自動運転車メーカーのAuroraは、その仮想テスト室の利点を強調している。ディスエンゲージメント報告書には、そのデータは一切含まれない。

ボークト氏の記事では、業界に対して、慎重に「自転車や歩行者が多い都市部を避けるよう試乗ルートを吟味して、走行範囲をジオフェンスで制限し、乗り降りの場所も定め、自動運転車が試乗中に行う予定の操作を限定する」ことを呼びかけている。

これは、先日、アリゾナ州チャンドラーで記者を呼んで試乗会を実施したWaymoに向けられた言葉とも取れる。TechCrunchは、2019年、他のメディアとともに真っ先にその無人運転車に試乗した。他の自動運転車スタートアップの間でも、試乗会はごく普通に行われるようになっていて、CESなどでは人気のイベントだ。Cruiseも、少なくとも1回、2017年に記者を招いた試乗会を実施している。

ボークト氏は、「現実の状況での長距離ドライブを映した」生の編集を加えないドライブ映像は改ざんが難しく、技術の成熟度を測る上で定性的な指標となると指摘している。

画像クレジット:Cruise

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(翻訳:金井哲夫)

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モバイルPASMOが2020年春登場へ、当面はAndroid版のみ

PASMO協議会は1月21日、2020年春からAndroidスマートフォンにて交通系ICカードのPASMOのサービスを利用可能になる「モバイルPASMO」のサービスを開始することを発表した。モバイルSuicaに遅れること14年、ようやくのサービス開始だ。

対応するAndroidスマートフォンを利用することで、チャージや定期券の利用が可能となる。具体的な対象機種は3月上旬に発表される見込みだが、Android 6.0以上でNFC-F(FeliCa)が利用できるおサイフケータイ対応端末に限られる。

これまでもJR東日本の路線を一部利用する場合は、モバイルSuicaの定期券を私鉄各線や東京メトロなどでも利用できたが、今後は首都圏の主要な私鉄た東京メトロ、都営地下鉄でモバイルPASMOの定期券を利用できるようになる、

フランスでスタートアップ社員のストックオプションに関するルールが改訂される

2週間前にフランスのデジタル大臣Cédric O(セドオリック・オ)氏が、フランスにおけるストックオプションのルールを一部変えると発表した。大統領のEmmanuel Macron(エマニュエル・マクロン)氏が、世界経済フォーラムに先駆けて米国時間1月20日、その新しい政策を説明する。

ここでは、詳細に立ち入らずに、政策変更の概要をご説明しよう。

まず、ストックオプション(フランスでは「BSPCE」と呼ばれる)の価格はVCが決めた評価額に基づかない。

たとえばVCがシリーズAのラウンドで、企業の評価額を1200万ユーロ(約15億円)にした、とする。この額に縛られなければ、その後同社に入ったあなたは、より低い評価額に基づくストックオプションをもらうこともありえる。すると、より高いリターンのチャンスが増す。その後はさらに、また違った評価額で社員はストックオプションをもらえるだろう。

第二の政策変更は、外国のスタートアップで働いているフランス居住者は、ストックオプションをもらえない。たとえばロンドンに本社のあるCitymapperで働いているパリに住むフランス人には、ストックオプションがない。逆に、フランスで登記していない会社でも、フランスの会社で働いているフランス人はストックオプションをもらえる。

第三の変更は、French Tech Visaが、パリにオフィスのある外国企業にも有効になる。ベルリンのN26で働いていて、ブラジル人のデータサイエンティストをパリのオフィスで雇いたいなら、スタートアップ社員のためビザを迅速に取得できる。

関連記事: 30 European startup CEOs call for better stock option policies…ヨーロッパのスタートアップがストックオプションの制度改革を要望(未訳)

2019年VC企業のIndex Venturesらを中心として、ヨーロッパのストックオプション政策の改良を求めるロビー活動が行われた。そのときの公開書簡「Not Optional」には、その後数百名が署名した。

Index Venturesによると、ストックオプションに関する法制が最も粗悪なのが、ドイツとスペインとベルギーだそうだ。

[財務法PLF2020は、2020年にフランスで25000名以上の雇用を創出するテクノロジー企業のサポートを強化し継続する。]

[原文へ]
(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

「言論の自由市場」だったインターネットは、なぜ争いが絶えない場になったのか

今週、私がインターネットで見た一番おもしろかったものは、Venkatesh Rao(ベンカテッシュ・ラオ)の「Internet of Beefs」(不平のインターネット)というエッセイだ。すべてに同意しているわけではない。ほとんど同意しかねると言ってもいい。しかしそれは、インターネット上のパブリックスペースがほとんどすべて戦場になってしまった理由を、鋭く、明敏に、よく練られた文章で解説している。

「そこは、不満で頭がいっぱいの人たちに、ゆっくりと占領されつつある。[中略]何であれ彼らが行っている、または言っていることを純粋に全面的に支持する表現以外のものはすべて、無礼で攻撃的と受け取られる。[中略]世界的な文化戦争が、安定的で土着的、争いが絶え間なく続く社会条件背景になっていくにつれて」。そして彼は、インターネットにおけるこのような状況と戦う騎士や卑劣な人間たちを、鋭く詳細に分析していく。

絶え間ない対立が存在することは、私も同意する(原因のほとんどは、ボットや偽情報による工作のためとする別の説もある。そうかも知れない。だが、その主張は次第に説得力を失いつつある)。こうした怒りに満ちた自然発火的な衝突が、大きな部分を占めているのだと私は思う。言論の自由市場の、株式市場から武器市場への変化だ。

かつては、「言論の自由市場」というものが存在し、そこではさまざまな政治思想を持つ(一般に高学歴で、しかし草の根から湧き上がった考え方を受け入れる余裕がある)人たちが、社会運動、政治活動、計画、あるいは法律に関する考えを主張できたと思われていた。その主張は熟考され、対比され、討論され、磨かれ、修正され、検討され、そして時間をかけて、株式市場が最良の企業を特定するように、言論の自由市場はもっとも優れたアイデアを見つけだす。やがてそれは、権力を持つ人たち、つまり金持ちや選ばれた人たちの厚意によって、すべての人の大義のために実践される。

それが、政策文書、重要な会議でのプレゼンテーション、大切な演説での息弾む報告、世の中の反応を探る意見広告、議会証言、賛否あらゆる立場から慎重によくよく考えたと思わせる内容豊富な報告書の元となる委員会、サミット、研究といった頭脳集団の世界だった。新しい考えが、いわゆる実力者の階層構造を上っていき、十分に高いところまで行き着いたとき初めて実社会に適用されるという世界だ。

お気づきでないかも知れないが、そのような世界に少しでも暮らしていたことがあったとしても、今はもう違う。誰かがこれを(正確に)地面に投げ捨ててしまったのだ。いわゆる言論の自由市場は、大多数の人々ではなく、常にその「権力者」つまり金持ちで選ばれた人たち、議員や講演者の利益を確保する方向に、ぞっとするほど偏っていたように思える。その他の人たちは、誰も損をしないパレート効率性の高い社会を目指すのではなく、単に他者の分を減らしてまで自分たちが多くなるように望んでいる。

今や、第一目標は対立相手に勝つことであり、その他のことは二の次となっている。政策文書や統計情報は、総合的な検討の際に真剣に取り上げられることがない。それはあくまで、すでに決断された事項の防衛のための武器、あるいは言い訳のための隠れ蓑に過ぎない。

これはまったく自明のことであり、あえて書く必要すらない。地元自治体や国の政策を考えてみればわかる。だが不思議なのは、この装置に組み込まれている人たち、つまり政策アナリスト、シンクタンク、発言力のある人、講演者たちの多くが、自分たちの発言が言論の自由市場で切磋琢磨されることなく、今では武器や言い訳に利用されているということをに気付いていないように見える点だ。

みなさんの体に染みついた対立への拒否反応が起きないように、比較的に政治や文化とは縁遠い例を挙げよう。サンフランシスコ湾含地区の不動産を巡る「ニンビー主義」について考えてみたい。ニンビー(NIMBY)たちは、今以上の住宅建設に反対している。それで地価が下落するとはとうてい考えられないのだ。これは、すべての当事者がずっと前から自分の立場を固定化してしまった低レベルな対立の好例だ。ニンビーに、反論データを見せても意味がない(彼ら自身もニンビーに対しては我々同様に否定的な意見を言うはずだ)。彼らは逃げるか無視する。馬にデータを見せることはできても、考えさせることはできない。

インターネットで私が関わっている分野での、政治とはあまり関係のない例もいくつか挙げておこう。それは暗号通貨の世界だ。そこに参加する人たちの大半は「ひとつの真実」を信じるよう強く奨励される。そのため、ほぼすべての考えや提案は、自分が信じるものとは異なるすべての真実を非難する大合唱に見舞われる。または、暗号化されたメッセージへの公権力による「合法的なアクセス」を擁護する人たちと、それに心底反対する私のようなプライバシー擁護派の対立についても考えてみて欲しい。どちらの側も、相手の主張を支持するかもしれない新しいデータやアイデアを真剣に考えるつもりはないように見える。対立の種は、もっと深いところにあるのだ。

本当の言論の自由市場は、まだわずかながら残っている。たとえば、工業規格やプロトコルの世界だ(もちろん、どこにでも現れる政治家や民間の回し者や復讐心に燃える人間がそこにもいるが、程度の問題だ)。もうひとつは、減少傾向にあるものの、政治の世界だ。しかし、学術論文、政策分析、分野横断的研究、よく議論された意見広告、注目を浴びるプレゼンテーションなどは、かつては実在していたものの、すでに失われてしまった世界の産物であり、ますます減少している。今では、そうした産物は、ほぼすべてが、小さな集団の昔ながらの信念への忠誠心を塗り重ねるために使われている。

これはなにも、すべての政治家、CEO、大富豪、またはその他の意志決定を下す人たちに当てはまるわけではない。また、どちらか一方にその傾向が偏っていることも事実だ。とはいえ、言論の自由市場が軽視されていく傾向を無視することはできない。おそらく、インターネット上の石炭に火が点いたようなこの絶え間ない対立の目に見える影響に関しては、学会を揶揄した古いジョークで言い表すことができる。「利害が小さいときほど、論争は暴力的になる」

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(翻訳:金井哲夫)

Googleがインド第3位キャリアAirtelと組んで、AWSとAzureを追撃

AWSやMicrosoftにとってクラウドサービスの新たな主戦場になりつつある成長著しい海外市場。Googleは、同社クラウドサービスの顧客ベースを拡大すべく、インド第三位の通信事業者であるAirtelとパートナーシップを結んだ。

Google Cloudによる米国時間1月20日の発表によると、このパートナーシップは即日発効し、Airtelは中小企業に対して、同社ICTポートフォリオの一環としてG Suiteを提供できるようになる。

Airtelはインドに3億2500万あまりの契約ユーザーを持ち、2500社の大企業と50万あまりの中小企業やスタートアップにサービスを提供している。両社はこのパートナーシップの財務的詳細を明かしていない。

Google CloudのCEOであるThomas Kurian(トーマス・キュリアン)氏は、「G Suiteのコラボレーションと生産性ツールをAirtelの企業向けデジタルサービスと組み合わせれば、多くのインド企業のデジタルイノベーションを加速するだろう」という。

2019年8月にはインド最大の通信事業者、Reliance Jioが同様の契約をMicrosoftと結び、中小企業にクラウドサービスを販売していくことになった。この10年契約では、数百万の顧客にサービスを提供する、となっている。

クラウド市場のマーケットリーダーであるAWSは、通信事業者とのこのような契約を以前は交わしていたが、現在は結んでいない。10年前にはきわめて一般的に行われていたキャリアとの契約は、大手テクノロジー企業がインドで新規ユーザーを獲得するための常套手段だった。それはインドおける、クラウド採用の歩みの1つの段階を表している。

インドでは、過去10年間で5億人がネットを利用するようになった。また中小企業や商店経営者もデジタルツールやストレージサービスを使い、オンライン決済を利用するようになっている。ロビー集団、Nasscomによると、インドのクラウド市場の規模は3年後の2023年には70億ドルになるそうだ。

AmazonとMicrosoftとGoogleは、他の多くの市場と同様、インドでもクラウドの顧客獲得をめぐり激しく争っている。業界筋によると、お互いに機能面において傑出した違いがないため、見込み客の契約残高や決済残高をクラウドベンダーが肩代わりすることで顧客として取り込もうとしている。

そして最近では3社ともに、中小の商店主がWeb上で存在感を出せるようになるためのツールや教育訓練を提供している。Amazonは先週、インドにある約1000万の商店のオンライン化を助けるために10億ドルを投資する、と発表した

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa