子ども用プログラミングロボットRootはホワイトボードの上を這いまわるお絵かきロボット

教育用ロボットは、今年のCESを短時間見ただけでも、すでに目立つトレンドのひとつだ。ぼくがこれまで見た教育ロボットのブースの数は数ダースにもなるが、しかもそれはまだ、開場からわずか2時間ぐらいのあいだだ。そしてその中でいちばんおもしろいと思ったもののひとつが、ハーバード大学のスピンアウトWyss Labが作ったRootだ。

彼らのブースでは、発売可能な最終製品に触(さわ)れる。その消費者向けに完成したロボットは、これまでの同社のプロトタイプにやや手を加えたもので、たとえば、小さなホワイトボードイレーサー(白板消し)がロボットの底についている(下図)。

この、Roombaを小さくしたようなロボットの上部にはUSB-Cのポートがあって、さまざまなアクセサリを挿入できる。ただしアクセサリ類は、今年の第二四半期にRootが発売されてからほぼ1か月後に出る。最初の二つのアクセサリは、ブルドーザーと“ビルディングブロックトレイ”。そのあたりは、ややLEGOふうだ。このポートがあるおかげで、さまざまなデコレーションも可能だ。カメラのような実用アクセサリも、いずれ出るだろう。

現在は、199ドルの予約販売のみ。マーカーを中央に差し込むと、ロボットがお絵かきをする。折りたたみ式のホワイトボードもついているが、でもこのロボットには磁石があるので、本物のホワイトボードなら、上下方向にも動いて絵や文字などを描ける。

今や、子どもがプログラミングをおぼえるためのロボット製品がとても多いから、このRootについても疑念は残る。楽しいおもちゃと、本当に役に立つ教育ツールとのあいだに横たわる溝を、どうやって飛び越えるのか。Rootは独自のプログラミング言語を使うだけに、疑念は簡単には晴れない。

でもCEOのZee Dubrovskyによると、いずれSwiftやPython, そしてJavaScriptを統合するから、そうしたら、Rootから本格的なプログラミングへの移行も、スムースにできるようになる、というのだ。



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Appleの‘Everyone Can Code’大衆プログラミング教育事業がアメリカを越えて世界の国々に展開

Appleが、同社のプログラミングコースEveryone Can Code(誰でもプログラムを書ける)を国際化して、世界中の20のカレッジや大学で提供を開始する、と発表した

最初はアメリカだけだったそのコースは、Appleの技術者と教育者たちが設計し、学生たちが今やブームのアプリ経済に参画できるよう、プログラミングの基礎を学ぶ、という事業だ。なにしろAppleによれば、これまでの10年間でiOSのデベロッパーだけでも700億ドルを稼いでいるのだ。この事業はプログラミング言語をAppleのSwiftに限定し、高校から上の学生生徒を対象とする。

オーストラリアのRMIT(王立メルボルン工科大学)が、最初のパートナーとしてこの事業に参加した。同大の計画では、1年のコースをオンラインとメルボルンのキャンパスにおける職業訓練クラスで提供する。RMITは、教師がコースを受ける場合は奨学金を提供し、また中学生のための無料の夏季コースも開く。

そのほかの参加パートナーは、デンマークのMercantec、オランダのHogeschool van Arnhem en Nijmegen、ニュージーランドのUnitec Institute of Technology、そしてイギリスのプリマス大学だ。

AppleのCEO Tim Cookは声明文の中でこう言っている: “Everyone Can Codeを立ち上げたのは一年足らず前だが、できるだけ多くの人にプログラミングを教えるという、意欲的な目標を掲げている。すでにアメリカの学校やカレッジではとても人気があり、そして今日は、国際的拡張に向かう重要な歩みを印すことになる”。

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小学生のためのプログラマブルロボットで成功しているWonder WorkshopがシリーズCで$41Mを獲得

ベイエリアのWonder Workshopが今日(米国時間10/30)、4100万ドルのシリーズCラウンドによる資金調達の完了を発表した。同社は、子どもたちが自分のスマートフォンの上でプログラミングでき、コンピューターサイエンスの基礎もある程度習得できる、かわいいロボットをいろいろ作っている。

このラウンドには同社の既存の投資家たちの一部のほか、Tencent Holdings, Softbank Korea, TAL Education Group, MindWorks Ventures, Madrona Venture Group, VTRON Groupなどが新たに参加した。同社は2016年7月にも2000万ドルを調達しており、これまでの累積調達額は78万ドルあまりとなる(出典: Crunchbase)。

何らかのハードウェアを使って、実際に触ったり操作したりできる形で、プログラミングの基礎を子どもたちに教える企業はほかにもいくつかあるが、Wonder WorkshopのCEO Vokas Guptanによると、同社はロボティクスを、子どもたちをさまざまな指示や説明の“サイロ”に閉じ込めるのではなく、それによって友だちの輪を広げられる。

“ロボットだと、複数の人間が自然にコラボレーションできる”、とGuptaは語る。

Wonder Workshopのプログラマブルロボットは全米で12000の小学校が利用している。また同社自身も、子どもたちにSTEMの基礎を教えるためのロボットコンペを主催している。

今後はいくつかの新製品により、同社は対象年齢を今の8-10歳だけでなく、11歳以上のティーンにも拡大しようとしている。

先月200ドルで発売されたCueは、対象を11歳以上と想定している。センサーが多くて、ユーザーはいろんなデータを収集したり、コントロールへの反応を得たりできる。また、さまざまな“アバター”によってロボットの性格や特徴をカスタマイズできる。

Guptaによると新たに得た資金は世界進出の継続および拡大と、今後の新製品開発に充てられる。

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WeWorkがプログラミング学校Flatiron Schoolを買収、最先端のコワーキングにはスペースだけでなく学習機会もある

時価総額200億ドルのコワーキングの巨人WeWorkが、プログラミングスクールFlatiron Schoolの買収を発表した。

プログラミング教育のプラットホームFlatiron Schoolは、テクノロジーの世界にキャリアを求める人びとにオンラインとオフライン両方のコースを提供している。設立は2012年で、Crunchbaseによるとこれまで1400万ドルを調達している。

買収の条件は、公表されていない。

WeWorkのCEOでファウンダーのAdam Neumannはブログで、WeWorkの社員とメンバーはFlatiron Schoolのオンライン/オフライン両様のコースにアクセスできる、と発表した。

WeWorkは、萌芽期の企業(ときには大企業にも)にスペースを提供するだけでなく、彼らのプロダクトのためのショップや仕事もセットアップしているが、そのほかに彼ら同士の協働助け合いネットワークも育てている。

Flatiron Schoolの買収は、ふつうの買収のようにそのビジネスや技術(プログラミング教育)をWeWorkのビジネスポートフォリオに加えるためでなく、WeWorkのメンバー(==ユーザー)に技術知識やスキルを与え、将来に向けて彼らの機会の強化拡大に資することが目的だ。

一週間前にFlatiron Schoolは、無認可で教育事業を営んでいた件と個人メンバーの就職率/初任給の誇大宣伝で、ニューヨーク州と37万5000ドルの和解が成立していた。

Neumannのブログより:

うちの会社の企業文化は、現状に満足せず、もっと良い仕事をしよう、今よりもっと勉強しよう、という姿勢にある。だから今回、勉強のための新しいプラットホームを提供できることを誇りに思う。Flatironには、人びとを結びつけるというわれわれのビジョンを共有できる資質がある。私たちはスペースで人びとを結びつけ、設計やデザイン、技術、そしてコミュニティで人びとを結びつけている。そしてそういう結びつきは、仕事と人生をより人間的にする方法だと理解している。私たちは、その全生涯が学生だ。Flatironの教育者と技術者とイノベーターたちをWeWorkにお迎えして、共に勉強を続けて行けることは、とても喜ばしい。

最近の2年間は、WeWorkはコワーキングのスペース以外の面での拡張にフォーカスし、中国と日本に進出、またアメリカでは拠点を増やしてきた。そしてまた同時に、オンラインのコースとそのメンバーの拡大にも注力してきた。4月に立ち上げたServices Storeは、メンバーがWeWorkのアカウントでSlack, Lyft, UpWork, Adobe, などのサービスを利用できる仕組みで、料金のディスカウントがある。

Flatiron Schoolの買収も、そういうメンバー便宜の拡大という点で価値が大きい。今やWeWorkのコワーキングにあるものは、スペースだけでなく、未来のキャリア増進のための学習機会もあるのだ。WeWorkは、スタートアップを育てるだけでなく、大企業の一部門や一事業部をそっくりまるまる、同社のメンバーが実装できる、と考えている。先年の、Microsoftの営業チームなどは、その典型的な例だ。

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Steve Wozniakが教育プラットホームWoz Uでテクノロジー布教者として第二の人生をスタート

Appleの協同ファウンダーとしてSteve Jobsと共に世界を変えたSteve Wozniakが今日(米国時間10/13)、Waz Uというものの創立を発表した。

リリースによるとWoz Uは、学生とその学生を雇用することになる企業両方のための学習プラットホームだ。Woz Uはアリゾナで立ち上がるが、今後はオンラインだけでなく物理的な学習拠点を全世界30以上の都市で展開したい、としている。

最初のカリキュラムは、コンピューターのサポートのスペシャリストとソフトウェアデベロッパーの育成を目的とする。今後はデータサイエンスやモバイルアプリケーション、サイバーセキュリティなどにもカリキュラムを広げていく。

Woz Uの構想は、教育のプラットホームであると同時に、テクノロジー企業のための求人〜教育訓練〜雇用のプラットホームでもあることだ。後者のために企業には、カスタム化されたオンサイトのプログラムと、会員制のカリキュラムを提供する。さらにK-12の児童生徒も対象にして、学区単位のSTEAM教育*プログラムにより人材を育成/発見し、テクノロジー方面のキャリアを育てていく。〔*: STEAM; Science, Technology, Engineering, Arts, Mathematics〕

さらに今後のWoz Uはアクセラレータ事業も導入し、テクノロジー方面の優秀な人材を起業の段階にまで育てていく。

発表声明でWozはこう言っている:

目標は、学生を長年の学費ローン返済で苦しめることなく、雇用に結びつくデジタルスキルを習得させることにある。人びとが往々にしてテクノロジー方面のキャリアの選択を避けるのは、自分にはできないと思い込むからだ。しかしそれは、誰にでもできる。ここでは、誰にでもできることを証明したい。私の全人生は、テクノロジーによってより良い世界を築くことに捧げられてきた。そのためにつねに、教育を尊敬してきた。そしてこれからはWoz Uで、新たなスタートをきりたい。それが今、やっと始まったのだ。

Woz Uは、自分にはテクノロジーのどの分野が向いているかを知るためのアプリを提供する。それによって、自分のカリキュラムを決めればよい。

料金については、まだ発表がない。

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ヨーロッパの子どもたちのためのプログラミング教育振興事業EU Code WeekにAppleとGoogleも協賛

EC(European Commission, 欧州委員会)が毎年主催する、児童生徒のためのプログラミング入門行事EU Code Week、今年は明日(米国時間10/7)から10月22日までの2週間行われる。

昨年と同じく、ヨーロッパ各国のさまざまな団体や組織により、何千ものプログラミング入門イベントが開催され、ヨーロッパをはみ出た部分もわずかにある。

各国各地のイベントの詳細は、この主催者ページで分かる。

昨年のEU Code Weekでは、総数23000のイベントに計100万名近くが参加した。第一回の2013年には、イベント数3000、参加者数10000だったから、すごい成長だ。

開催するイベントの数がいちばん多いのはイタリアで、今挙がっているものだけでも2659件、イギリスはやや慎ましやかに187件だ。

第二位のポーランドは497件、次いでトルコ244、フランス228、ドイツ225等となる。

子どもにプログラミングへの興味と初歩的な力をつけることが目的の行事だから、イベントも子ども対象が多いが、全年齢対象のイベントも少なくない。

イベントはプログラミングのさまざまなテーマを扱い、それらはアプリの開発、ロボット、AI、ゲームの設計など、いろいろだ。

今年はAppleも参加して、EU Code Weekの期間中にヨーロッパ各地のストアで無料のプログラミングコースを開催する。Swiftプログラミング言語の入門がメインだが、Star WarsやSpheroのキャラクターを利用する子ども向けのロボット入門もある。

Appleによると、来年はヨーロッパ全域10か国の100あまりのストアで、計6000以上のコースを開催し、それらをAppleがこれまでやってきた店内教育事業Today at Appleの一環として展開する。

Googleは、学校などで行われるイベントに資金を出したり、資金提供者を紹介したりする。

Googleの社会貢献部門は数年前に、その資金によりイギリスの児童生徒に大量のRaspberry Piマイクロコンピューターを寄贈した。

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デベロッパーでなくても誰でも通信機能のあるアプリケーションを容易に作れるTwilio Studio

Twilioはデベロッパーが自分のアプリケーションに通信機能(オーディオ、ビデオ、テキストなど)を容易に組み込めるためのAPIサービスとして長年有名だが、しかし今日(米国時間9/19)同社が非公開プレビューで立ち上げたTwilio Studioは、デベロッパーでない人びとを対象にしている。

あくまでも通信APIのプロバイダーという同社の本来の土俵にしっかりと立ってはいるのだが、しかし今回のプロダクトは、デベロッパーではなく“だれもが”、音声応答システムやメッセージングボット、通知ワークショップなど顧客のエンゲージメントのあるアプリケーションを、Web上のドラッグ&ドロップ方式で作れる。今のところ、ビデオはまだ使えない。なお、Twilioのマーケティング戦略としては、通信〜コミュニケーションを中心とするユースケースにフォーカスしているけれども、作れるアプリケーションの種類はそれだけではない(もっといろんなアプリケーションを作れる)。

Twilio Studioは特定の種類のアプリケーションを作るための、コーディング不要のサービスだが、実はプロのデベロッパーも対象にしている。Twilioのプロダクト担当VP Pat Malatackはこう語る: “これによって、こういうユーザー体験〔==アプリケーション〕を作れる人の数が大幅に増えるけれども、しかしこんなワークフローを今実際に作っている多くの企業の既存の技術者にとっても、すごく便利なんだ”。

というかTwilio Studioには、同社のサーバーレスプラットホームTwilio Functionsが組み込まれている。StudioでTwilioの既存のAPIのほとんどにGUIでアクセスできるけれども、ドラッグ&ドロップのインタフェイスでは、コードを直接書くことに比べると柔軟性が失われがちだ。しかし機能の呼び出し形式が単純なサーバーレス方式のおかげで、デベロッパーが仕事をした後でも、誰もが容易にアプリケーションに変更を加えることができる*。〔*: サーバーレスでは、アプリケーション側が‘呼び出す’というより、むしろアプリケーションはAPI側がイベント(ここでは主に通信イベント)発生時に呼び出すべき機能を‘指定して’おくだけ。なので、ノンデベロッパープログラミングでも柔軟性が維持される。〕

Twilio Studioの料金は、アプリケーションの利用量がベースだ。やや制限のある無料プランでも、作れるフローの数に制限はないが、プロダクション向けに機能の完備した“Plus”では、月額99ドル+顧客のエンゲージメント一回につき0.5セントだ。今後登場するエンタープライズプランでは、もっと大規模な実装が可能になる。

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プログラマー促成栽培のコーディングブートキャンプ業界に再編の嵐、今度はGalvanize が11名をレイオフ

これまでの数年間、爆発的な生長を遂げたコーディングブートキャンプ(coding boot camp, プログラミング短期特訓校)に、破綻ではなく縮小が始まった。サンフランシスコのDev Bootcampとサウスカロライナ州グリーンヴィルのIron Yardの2校は、年内の閉校を発表している。両校はそれぞれ、KaplanApollo Education Groupに買収されたので、資金潤沢な親会社がある。〔資金問題が不調の原因ではない。〕

そして今度は、Galvanizeが、過度な肥満を認めたようだ。Reutersが入手した声明によると同社は、デンバー本社のスタッフの11%、37名をレイオフする計画だ。現在の社員数は、350名である。

声明はこう言っている: “市場の需要の変化に伴い、本日われわれは、要員の削減という困難な決定を行った。これらの行為は、継続的な学習環境を可能にするための、プロダクトによりフォーカスしたプラットホームを構築するという、弊社の全体的な戦略に整合している”。

同社は、これまでの5年間で8500万ドルの資金を調達しているが、コーディングスクールのビジネスを注視してきた者にとっては、今回の動きは意外ではないだろう。教育関連の調査やコンサルティングを行っているEntangled Solutionsの主席コンサルタントMichael Hornはこう言う: “これが大きな業態になることは想像できるが、でも90社はないね”。彼がこう語っているのは、この業界を襲った最初の再編成に関する最近のThe New York Timesの記事の中だ。

2014年にはアメリカのこのようなプログラミング訓練所は43あり、週40時間あまりの、フルタイムの個人授業を正式のカレッジや大学の協力を得ずに提供していた。Course Reportによればそれが、この業界の標準的な姿だった。

しかし同誌によると今年の初めには、ブートキャンプの数は95に達した

Galvanizeには最先端のキャンパスがいくつもあり、それらが学習センターおよび共有オフィススペースとして使われていた。同社がそうやって地域的に根付いた都市は、オースチン、ボウルダー、デンバー、マンハッタン、フェニックス、サンフランシスコ、シアトルなどだ。

同校を卒業してソフトウェアエンジニアになった人は2400名あまり、と言っているが、企業としての売上の何割が授業料で、何割がスペースの貸し賃かは、公表されていない。

Galvanizeの主な投資家は、University Ventures Fund, ABS Capital Partners, Aspen Grove Capital, The Colorado Impact Fund, ニューヨークのHaystack Partners, Liberty MediaのCEO Greg Maffeiなどだ。金額は公表されていないが、借入金もある。

先月は、協同ファウンダーのJim DetersがCEOを降りて会長になることが発表された。今は暫定的に、CMOのPamela Rattiが経営を仕切っている。

そのとき同社はDenver Business Journalに、経営陣のこの異動はGalvanizeの好調時に行われた、6月の売上は過去最高だ、と述べている。

今本誌は、Galvanizeにコメントを求めている。得られ次第、この記事をアップデートしたい。

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Facebookの育成事業FbStartのアプリコンテストでP2Pプログラミング教育のSoloLearnが優勝

Facebookが、今年の“FbStart Apps of the Year”賞を発表した。これはグローバルなスタートアップ育成事業FbStartでもっとも成功したアプリケーションを認定する賞で、今年の優勝作品はプログラミング入門のモバイルアプリSoloLearn(iOS/Android)だ。

SoloLearnのCEOで協同ファウンダーのDavit Kocharyanは、故国のアルメニアで人びとにプログラミングを教えるためにこのアプリを発想した。アメリカ、カリフォルニアに拠を構えた今も、チームの多くはアルメニアにいる。

このアプリはプログラミングを教えるためにゲームの仕組みや、ピアツーピアの共有、それにユーザー自身が作るコンテンツ、といったコンセプトを利用している。SoloLearnのユーザーコミュニティはお互いに勝負をしたり、隠れレッスンを探しだしたりする。無料の12のコースで、JavaScript, Swift, Python, C++, そしてHTML/CSSを学ぶ。

協同ファウンダーのYeva Hyusyanによると、SoloLearnのこれまでの成長には二つの段階があり、最初はピア学習者たちの“もっともフレンドリーな”コミュニティになったこと。知りたいことは数分以内に、Q&Aフォーラムで仲間から答をもらえる。またこれまでに集積した50万あまりの公開コードも、ピアツーピアの優れた教材になる。ゲーム的で対話的な競争/勝負…問題を解くゲーム的競争…は毎日何万件も行われている。

そして第二の段階は、ユーザー自身が大量のコンテンツを作り出すようになったことだ。

アプリのファンも増えて、今ではプロフィールを登録しているユーザーが500万あまり、小テストの回答提出件数は毎日150万、コンパイルされるコードは毎秒3件、質問への回答は毎日1000を超えている。ユーザーの40%はインド、25%がアメリカ、残りがヨーロッパだ。

FbStartに参加したのは、10万ドルの賞金で事業の拡大を目指したからだ。結局応募作品は87か国から900点を数えた。

SoloLearn以外の入賞作品は:

ヨーロッパ中東アフリカ地区: Mondly(iOS/Android) – “初めてのVRを利用する言語学習プラットホームで、音声認識やチャットボットの技術を利用”。

アジア太平洋地区: Maya(iOS/Android) – “無料の使いやすい生理モニタアプリ。関連症状の検出や、妊娠の検出、各種の健康関連リマインダー、専門医への相談、などの機能があり、190か国で計700万ダウンロードされている”。

ラテンアメリカ: ReservaTurno(iOS/Android) – “外出先から美容院などに予約できるモバイルアプリ”。

社会貢献: Golden(iOS/Android) – “とくに専門的なスキルのない人でも楽しく参加できるボランティア活動の機会を各ユーザーの地元に見つけるグローバルなプラットホーム”。

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UdacityのナノディグリーにReactプログラミングが加わる、4か月で499ドルはお買い得

労働者/労働市場における慢性的なスキル・ギャップを解消したいと願うUdacityは、短く縮合したコースによって今日的な技能を短期間で習得し、生徒たちがより良い被雇用機会を得られるよう、努めている。同社のコース、通称“ナノディグリー(Nanodegrees)(微小学位)は、VR(仮想現実)やロボット工学、ディープラーニングなどの重要な技術的スキルとともに、非技術的なスキルも教えている。今日(米国時間6/20)Udacityは、その最新のコースReactプログラミングを立ち上げた。

ReactはWebアプリケーションのフロントエンドの制作に使われるJavaScriptライブラリで、このところ凄(すさ)まじく人気がある。AirbnbやNetflix、Facebookなどでも使われているから、テクノロジー企業で仕事をしたい人は、ぜひ身につけるべきスキルだ。

同社のナノディグリーの多くがそうであるように、Reactのコースもパートナーがいる。それはReact Trainingといって、企業を対象にネット上や実際の教室でReactライブラリの一から十までを教えているグループだ。

Reactへの関心は近年うなぎのぼりだ。このグラフはGoogle検索の検索語登場頻度。

所要時間4か月、一学期のみのこのコースは、三部構成で、各部でプロジェクトに取り組み、生徒は自分のGitHubアカウントを持つから、それを未来の雇用者に示せる。

学び方はReact Trainingのふつうのコースと同じで、Reactの基礎を頭に叩き込んでから、便利ツールReduxとReact Nativeを使ってReactプログラミングの実践を開始する。

受講料は499ドルだが、今の高等教育の時間単価よりずっと安いだろう。しかもこのお値段で生徒にはメンターが付く。専用フォーラムもあるし、Slackの専用チャネルも使える。Udacityの基本的な考え方は、生徒が自分にとって難しい箇所にぶつかったら、必ずエキスパートや同級生に助けてもらえる学習環境を確保することだ。言い換えると、絶対に挫折・落ちこぼれしないコースの維持だ。

UdacityとのパートナーシップはReact Training自身にとっても良い、と同社のTyler McGinnisは説明する: “Udacityには、コードをレビューしたり生徒にメンターを提供するリソースがある。うちは、たった3人だからね”。

しかしネットを利用する教育は、まだまだ、それをもっとも必要としている人たちの手から遠いところにある。そんな中でUdacityは、そのリーダーの多くが、状況を前へ進めるためには教育を単純にネット化するだけ(ネット上にプレゼンスがあるだけ)ではだめ、と自覚しているから、社会への貢献度が大きいだろう。

一般的大衆的普及を目指してUdacityのCEO Vish Makhijaniは、州や市町村の行政の理解と支援を仰ぎ、物理的なプレゼンスも構築している。たとえばネバダ州レノには、ネットでなく人力授業のための教室がある。

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大量の既存コードで訓練されたAIがプログラマーにオートコンプリートを提案するCodota、Khoslaが$2Mを投資

GitHubを使うようになってデベロッパーのワークフローは抜本的に変わった。コードをアクセスしやすいプラットホーム上に集積することによって、プログラミングのやり方が急速に変わった。そんな状況を受けてイスラエルのCodotaは、これまで無視されることの多かったデベロッパーコミュニティのワークフローをさらに最適化したい、と考えている…マシンインテリジェンスを利用して。同社の自動補完(オートコンプリート)機能を使えば、良質なコードを短時間で書けるようになる。同社はこのほど、Khosla Venturesから200万ドルのシード資金を獲得したことを発表した。

CodotaはEclipsのようなIDEと併用して、そのインテリジェントなコード補完機能を利用する。それは、「あなたが意図するものはこれではないですか?」と短い例示をくれるのではなく、もっと大きなコード集合をリコメンドできる。

協同ファウンダーのDror WeissとEran Yahavは、GitHubやStackOverflowにあるオープンソースのコードを利用してCodotaを作った。その公開コードのすべてを機械学習のモデルに食べさせて、コードブロック全体の高いレベルの意味を認識できるようにした。

テルアビブの本社におけるCodotaのチーム

プログラミング言語は一般言語と同じ構造を共有している部分が大きい。たとえば、語の限りなく多様な並べ方によって、考えや感情を表現する。また、同じコマンドでもコード中でいろんなやり方で表現できる。だからCodotaにとっては、コードがやってることに関する大局的な理解がとても重要だ。コードのミクロな像ではなく、マクロな像を理解することが重要なのだ。

もちろん、自然言語とコードが似ているのは、あるところまでだ。Codotaのチームが説明してくれたところによると、自然言語処理では、意味は語の近辺の複数の語を見て判断する。それに比べるとプログラムはもっと構造性があり、語がどこにあるかによって語の意味が違うことは少ない。だからCodotaはテキストで訓練するだけでなく、プログラムの動作/振る舞いにもフォーカスした。

Codotaを使うとスピードと正確さが向上するだけでなく、Codota自身の発見や教育にも助けられる。Codotaは何百万ものAPIの実装で訓練されているから、ベストプラクティスをデベロッパーに提示できる。IDEの横にCodotaを開いておくと、コード中のおかしい箇所を高輝度表示し、モアベターな代案を示す。その教えは、ライブラリの原作者のコードから直接引用したものが多い。

同社の収益源は、Codotaの利用を、そしてもちろん自分のコードを、社外秘プライベートにしておきたい企業からの使用料だ。今、対応言語はJavaだけだが、言語は今後すこしずつ増やしていく。

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Arduinoをベースにして電子回路製作を楽しむ(学習する)Code Kit

知育玩具にはあまり興味を感じない。どちらかの狙いが強すぎて、結局は虻蜂取らずになってしまっているように思うのだ。ただ、LittleBitsのCode Kitは、うまく両者のバランスを取っている様子。役立つ知育玩具というものがあるのだと、認識を改める必要があるのかもしれない。

Code Kitは第3学年から小学校中学年から中学生用向けに開発された、299ドルの教材だ。対象学年に応じて、かなり頑丈な作りともなっている。

LittleBitsは、バッテリーやスピーカー、あるいはスイッチなどのパーツで構成され、磁石の力でそれぞれを接続して電子回路を作ることができるようになっている。接続可能な組み合わせであれば引っ付き合い、接続不能な同士の場合は磁石が反発するようにもなっている。ショートさせてパーツを壊してしまう心配もないというわけだ。

キットのベースにはArduinoが採用されている。インプット/アウトプットデバイスと、充電池がセットになっている。キットはワイヤレスで動作するようになっているので、プログラムは、キット同梱のUSBドングルを用いて行うことになる。

プログラミングはScratch風にドラッグ&ドロップで簡単に行うことができる。キットを私の子供に渡してみたが、数分でサンプルのコードを書くことができたばかりか、コーディングの方法を教えると、30分ほどでプログラムを改造してオリジナルのゲームを作ることさえできた。コーディングの指導にあたる教員も、プログラミングの概念さえ知っていれば、数分でこのキットを使いこなせるようになるはずだ。

パーツの構成もよく考えられているように思う。ブレッドボード化しているのも扱いやすいし、接続に磁石を用いているのも簡単かつわかりやすい。組み合わせ次第でさまざまな可能性を実現できるのも良い。LittleBitsは、これまでにもプロダクトをリリースしてきたが、いずれも面白さの面からも、教育的効果の面からも不十分なものだと感じていた。そこから考えれば大いに進化したといって間違いない。IoTないしプログラミングの基礎を学ぶのに、なかなかよくできたキットだと思う。

本格的な電子工作を学習するなら、とにかくハンダ付けを繰り返したり、壊れたステレオをいじってみるのに勝るものはないのかもしれない。しかしLittleBitsは、懐かしの「ヒースキット」(Heathkit)など昔ながらの電子工作キットを、さまざまな面で現代的にしたものと言えるのかもしれない。ただし利用している9V電池は舐めないことをおすすめする(訳注:lick the 9 voltで検索するとさまざまな動画がアップロードされている)。

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(翻訳:Maeda, H

Raspberry PiがCode Clubに続いてCoderDojoを併合、元々のねらい(子どもたちのプログラミング教育)の実践力を拡大

Raspberry Pi Foundationが、またひとつ、子どもや若者にプログラミングを教えるチャリティ団体を併合した。今日(米国時間5/25)発表されたそれは、ダブリンのCoderDojo。ねらいは、Piの最初の目的であった若い世代へのコンピューティング教育を、共に推進するためだ。

CoderDojoは2011年に始まり、現時点で傘下のプログラミングクラブは69か国に1250あまりあり、7歳から17歳まで総計35000人以上の若者が、常時出席参加している。

合併のねらいは、その数を4倍にすることだ。2020年の目標はCoderDojoのクラブが5000箇所になることだ。

Pi FoundationのCEO Philip Colliganが、合併を発表するブログ記事でこう述べている: “両者および(2015年11月に併合したCode Clubが力を合わせることにより、若い世代にコンピューティングとデジタルのものづくりを広める活動としては世界最大の規模になる。

Pi Foundationの中核的ミッションはつねに、もっともっと多くの子どもたちにプログラミングを教えることだった。Piは安価な単層のマイコンボードではあるけれども、その設計は今やすべての世代のメイカーたちに気に入られ歓迎されている。

CoderDojo Foundationはこれまでと変わらずアイルランドの独立系チャリティであり続け、その実践的、財政的、および組織的支援をPi Foundationが行う。合併は今後、アイルランド当局の認可により発効する。

つまり、Colligan曰く、“CoderDojoのブランドと精神は併合によって何も変わらない。CoderDojosは今後も、Piなど特定のプラットホームにとらわれることなく、学習効果が良いと判断されたキットを採用していく”、ということだ。

合併の財政的組織的側面として、ColliganがCoderDojo Foundationの理事会に理事として加わる。そしてPi FoundationはCoderDojoの企業会員になるが、どちらも非営利企業なのでそこに財務的利害関係はない。

Code Clubの方は、2015年11月のPi併合の時点でイギリスに3150のクラブがあり、44000人が学んでいた。ほかに、海外のクラブが1000あった。現在はイギリスだけでクラブが5900、全世界では約10000のクラブでおよそ10万の子どもたちが学んでいる。

Colliganはこう語る: “Code ClubとCoderDojoは共に、それぞれの地域で大きく成功している組織だ。ブランドの知名度と人気も高い。併合の理由はどちらも同じで、目標とコミュニティと日常の活動を整合することだが、現時点でも事業と資金源に重複はあまりない。併合によってより大きな、規模の経済を達成したいし、お互いの異なるやり方や経験から学び合いたい”。

“とくにCoderDojoは、途上国で顔が広いことが、魅力だね”。

そして彼によると、今のところ、さらなる併合の計画はないそうだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

【ポッドキャスト】ゲームが大好きなシェフが算数の先生になり、そしてプログラマーとして成功するまで

[筆者: Ruben Harris](プロのチェリストで投資銀行家、後者は今、高齢者の訪問看護を行うHonorのためにサンフランシスコでパートナーシップを構築している。彼はポッドキャストBreaking Into Startupsのファウンダーでもある。)

これまでの寄稿:

Mannah Kallonのシェフのキャリアをプログラミングへと方向転換した力は、食べ物とゲーム、両方への愛だった。

今回のBreaking Into Startupsで彼が語っているように、料理学校で修行中も、またその後の米南部放浪の旅でも、長年のゲーマーである彼は大量のゲームをプレイし、ゲームの作り方も独学で学んだ。そのため彼は期せずして、子どもたちが算数を楽しみながら勉強できるコツを会得した。

そして、料理学校の生徒だったこの男は、教育がおもしろいと思うようになり、ニューヨークの有名なハーレム地区で教師のキャリアに船出した。ほかの教師たちは、児童生徒が算数数学を楽しく学ぶ、彼独特の教え方の秘密を知りたがった。

彼らの熱心な関心を知って、彼自身はプログラミングに関心が向き、カレッジで哲学を専攻したことと、とくに記号論理学が好きだったことを思い出し、もしかしたらそれをテクノロジーに活かせるか、と思うようになった。

そこでKallonは教師を辞め、DevBootcampでプログラミングを学び、その後パーソナルショッピングとスタイルのサービスStitch Fixに就職した。

私たちがこのBreaking Into Startupsポッドキャストを始めた理由は、こんなお話を共有するだけでなく、スタートアップを志願している人たちに不偏不党のリソース案内を提供することだ。それらのリソースは、ここ(breakingintostartups.com/resources)で自由に選べる。このページからDev Bootcampなどのプログラミング・コースを受講すると、料金が割引になる。

その前に、自分自身の体制を整えたい人は、ここで(breakingintostartups.com/challenge)、5つのチャレンジに挑戦していただきたい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

プログラムのコードがやることを視覚化して初心者にプログラミングを理解させるDeep Algoのクラウドサービス

今週行われたTechCrunch DisruptのStartup Alleyで、ルックス的にもすばらしかったスタートアップのひとつが、Deep Algoだ。このフランスのチームは、C++やC#、JavaScriptなどのプログラミング言語を、WYSIWYGエディターでHTMLを書いて/見ていくときのように、大衆的で分かりやすいものにするSaaSを提供している。

それはかなり大胆な主張だが、同社は、この方法で、複雑なプログラミング言語を初心者でも十分に扱えるようになる、と自信を示している。

CEOのXavier Lagarrigueはこう語る: “IT以外の社員でもプログラムのコードを理解できるようにしたい。テクノロジーにとってはプログラムのコードが入力であり、あとはすべて自動的に処理される。うちはコードからまずビジネスのコンセプトを取り出して、それから質問を構築する。ユーザーは質問をセレクトし、その答をコード中に見つける。プログラマーでない人でも、この形なら十分理解できるはずだ”。

同社のシステムはまずユーザーにソートのフォームを見せて、これに対しプログラムが何をするのかを理解させる。それから今度は処理の各段階をフローチャートのようなもので表し、コードが作り出すアクションを理解させる。学習する社員たちは、その処理の中に自分たちのビジネスの別の側面を見て、システムを自分独自の(仕事よりの)見方で見れるようになる。

ぼくは最初、同社の高邁な約束に対し懐疑的だったが、Lagarrigueによると、単純で堅牢なものを示されるとユーザーは、それに対する“アクション”を作れるようになる、という。“入力としては、何をしたいのかを説明する。それがこのフォーマットの強みだ。コードがやることを、なんでも表現できるから”。

でも、まだ何もかもが初期的段階だ。今4つの企業の協力のもとに、パイロット事業を展開している。今後は、パートナーをさらに増やしたい。課金は、ユーザー一人あたりの単価×ユーザーの数、という形になる。

完全な初心者にプログラミングを教えることには、いろんなトラブルがつきものだ。昔は、誰もかれもがGeocitiesで自分のWebサイトを作っていたけど、でもいちばん多いのは、MIDIによる音楽をバック‘under construction’(ただいま制作中)のGIF画像が表示されるサイトだった。

同社は今後、対応言語をもっと増やしていく予定だ。Lagarrigueによると、その拡張作業は一つの言語につき数週間ぐらいだ、という。



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デベロッパーの技術力向上に今やオンライン教育は必須の要素、業界の古参PluralsightのAaron Skonnardに話を聞く

ユタ州には、テクノロジー産業に強いという歴史がある。OmnitureやWordPerfect、Landeskなどはすべてユタ州出身だし、Pixarの協同ファウンダーEd CatmulやAtariの協同ファウンダーNolan Bushnellは共に、ユタ大学を卒業した。同州の大学やカレッジは、毎年数百名もの工科系修士や博士を生み出している。

最近では、成長率と利益率共に良好なユニコーンが育つ州でもある。たとえばQualtricsは今では24億ドル、Domoは20億ドル、InsideSalesは15億ドルだ。そしてデベロッパーを教育訓練するプラットホームPluralsightは、今や11億4000万ドルで、年内に上場と目されている。

今日(米国時間4/20)はPluralsightのファウンダーAaron Skonnardに、テクノロジー業界の現状と、同社が次に目指すものについて、いろいろお話を伺った:

Pluralsightは2004年にデベロッパーのための教育訓練プラットホームとしてスタートしたが、その本格的な離陸は2008年にオンライン教育に移行してからだ。ファウンダーのAaron Skonnardによると、それ以降は毎年収益も生徒数も倍加し、今ではソフトウェア開発とテクノロジースキルのコースが6000種以上あり、細心の審査を経て採用されたインストラクターたちが、150か国あまりの人びとに教えている。

Pluralsightは、テクノロジーのコンスタントな変化や進歩に労働市場のスキルが追いついていけない、という問題を解決するために生まれたオンライン教育スタートアップ、LyndaやUdemyなどの仲間だ。Skonnardも指摘するように、追いつけるだけの知識や技術を持つ人びとが、需要に対して深刻に少ない。同社は、Javaやクラウドコンピューティング、機械学習などのスキルをグローバルベースでFortune 500社などに教え、またスキルを教えるだけでなく、適性評価や、メンターのオンライン提供なども行っている。

ユタ州のエンタープライズ系スタートアップは自力で始めて黒字を達成し、立ち上げ後10年ぐらい経ってからシリコンバレーに注目されるようになる、というケースが多い。Pluralsightもそのひとつだが、今では調達総額が1億9200万ドルに達し、2013年以降は6社の買収を行った。

今年の上場についてSkonnardは明言しなかったが、用意はできてるようだ。利益は出ているし、成長は続いている。オンラインのeラーニング産業は今後年率11%で成長し、2020年には310億ドル産業になる、と予想されている。その点でも、同社の上場の好機と言えるだろう。

では、Skonnardへのインタビューを、上のビデオでご覧いただきたい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

非営利のプログラミング教育Free Code Campが2年間で100万名の生徒を育てる(既存のデベロッパーのレベルアップ教育もあり)

[筆者: Ruben Harris](プロのチェリストで投資銀行家、後者は今、高齢者の訪問看護を行うHonorのためにサンフランシスコでパートナーシップを構築している。彼はポッドキャストBreaking Into Startupsのファウンダーでもある。)

教育はスキルを教え、そしてスキルは生きる力を与える。しかも今日では、テクノロジーの能力が個人の自由と、仕事(や雇用)の安定、そして生活の安定の基盤になる

今ではテクノロジーのスキルを身につけるための、従来的な教育事業(大学など)や新しいタイプの教育事業がいろいろある。しかしそれらの多くは、数万ドルの‘学費’を要する。

今日(米国時間4/11)のBreaking Into Startupsポッドキャストは、Free Code Campの創始者Quincy Larsonにインタビューした。

Free Code Campは学費不要で、オープンソースの独自のカリキュラムを用い、そこにこれまで、100万名の生徒と、5000名の初心者デベロッパー、そして6000名の熟練デベロッパーが集まり、それぞれ技能を磨いた。デベロッパーたちは自分のスキルをレベルアップして、雇用条件などを改善した。またFree Code Campは、人気の高い参加型ブログMediumの上に、きわめて良質なテクノロジー関連記事を掲出している。

グローバルに各地に点在する彼の三名のチームが、2年でこれを成し遂げ、また多くの学校が彼らのカリキュラムを無料で利用している。

(Ruben Harrisのそのほかの記事)
How Everette Taylor went from a homeless college dropout to chief marketing officer at Skurt(未訳)
・(日本語)At 50, Dev Bootcamp’s Michael Jay Walker quit his day job to learn coding with kids in their twenties

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

サン・クェンティン刑務所のプログラミング学校を訪ねてみた、入所者に自尊心を与えている

サンフランシスコの北の海沿いに、ヨーロッパの要塞のような建物があり、そこが3000名あまりの囚人たちの“家”だ。風光明媚なところだが、カリフォルニアの最古の刑務所サン・クェンティンの高い壁の内側では、刑務所の中庭などからそれを楽しむことはほとんどできない。

初めてその施設に入ったとき、メディアに付き添う護衛の一人が、天国は右、地獄は左、と言った。私の右手にはチャペルと、ムスリムやユダヤ人、クリスチャン、プロテスタントなどが礼拝する場所があった。左手には矯正センターがあり、暴力犯が収監されている。そこはカリフォルニアで唯一の、死刑囚監房だ。

丘を下りて中庭を通る。中庭では一人の囚人がトランペットを吹き、何人かがバスケットボールやジョギングをしている。そしてその先に、The Last Mile(TLM)のあるCode.7370という建物がある。以前は印刷工場だったそこに、今やサン・クェンティンでもっとも革新的な部分がある。そこでは、入所者たちが起業家としてのスキルやプログラミング、そしてWebデザインの初歩を学んでいる。

入所者の一人がサン・クェンティンの中庭でトランペットを吹いている。

昨日(米国時間3/23)は、The Last Mileが、California Prison Industry Authority(CALPIA)〔入所者たちの生産活動を管轄するお役所〕およびCalifornia Department of Corrections and Rehabilitation〔矯正更生局、刑務所を担当するお役所〕とパートナーして、サン・クェンティンで育ったプログラマーとデザイナーの三度目の卒業式とデモデーを行った。

Code.7370にはプログラマーのコースが二つと、デザインのコースが一つあり、入所者はそこでHTMLやJavaScript, CSS, Python, Webとロゴのデザイン, データの視覚化, UI/UXなどを学ぶ。これまで18名が、コースを完全に終了した。

“外の人よりここの人の方が、いろんなことをよく知ってるよ”、とCALPIAの役員Charles Pattilloは言う。“私よりもね”。

この、印刷工場変じてプログラミング学校になった施設に入ってしばらくすると、The Last Mileの協同ファウンダーChris Redlitzが私をSteve Lacerdaに紹介した。彼は刑務所に11年いて、3か月後には仮出所する予定だ。Lacerdaが今いるThe Last Mile Worksは、Airbnbのような企業The Coalition for Public Safety(CPS)(公的安全のための連合、公正な刑事司法への改革を目指すNPO)とのジョイントベンチャーで、実際にWeb開発やWebデザインの仕事を受注して行う企業だ。

LacerdaはこのTLM Worksで、二人の同房者と一緒に、CPSのWebサイトを作った。Lacerdaと彼のチームメートは、インターネットにアクセスせずにこれをやった。仮出獄したらコンピュータープログラミングの勉強をもっと続けたい、とLacerdaは私に言った。

Steve LacerdaがCPSのWebサイトを作ったときの工程を私に説明した。

その日はRedlitzやTLMの卒業生Kenyatta Leal、Sirius XMのプロデューサーSway Callowayなど、何人かの人がThe Last Mileの重要性について話した。Lealは最初Rocketspaceの有給インターンになり、その後キャンパスマネージャー、インサイドセールス(内勤営業)チームのメンバーと昇進した。

“この人たちは単なる囚人ではない”、とCallowayは言う。“彼らは誰かの息子たちでもあり、甥っ子でもあり、法律家であり、機械工であり、そしてプログラマーだ。門の外にいる人たちと同じなんだ”。

終身刑で20年近く刑務所にいるThomas Winfreyは、プログラミングコースとデザインコースの両方を終了した唯一の卒業生だ。

5年前に彼は、TLMの起業家育成事業に入れてもらえた。過去6か月間、Winfreyはプログラミングとデザインの両方のクラスを同時に取った。つまり彼だけが、ほかの人の倍、勉強したのだ。

なぜそんなことをしたのか、と問うと彼は、“頑張りすぎかもしれないけど、何かを作ることがすごく好きなんだ。プログラミングとデザインの、どちらも必要だからね。お互いが、関連し合っているんだから”、と答えた。

でも自分に向いているのは、プログラミングよりもデザインかもしれない、と感想を言った。

“ぼくはビジュアル人間だから、自然にデザインに惹かれる”、とWinfreyは語る。塗ったり描いたりしてアートは作れるけど、プログラミングで頑張ることも好きだ。そっちはぼくには、頑張らないとできないけどね”。

Thomas Winfreyはプログラミングとデザインの両コースを終了した。

終身刑のWinfreyに対し、仮出所評議会は1月に“出所適格”とした。出所は5月半ばになるだろう。ということは彼は、自分の企業TommyWinfreyArt.comの経営者になれる。今それは刑務所の外の、インターネットにアクセスできる、彼の友だちが運営している。彼は、デザイン業界に職を得ることも考えている。

Winfreyは、彼が仮出所評議会にピックアップされ、適格になったのは、ひとえにTLMのおかげだ、と感じている。

“きっとThe Last Mileがぼくを推薦したんだよ”、とWinfreyは語る。“ぼくは周囲が注目する人間になり、自分でも肯定できる人間になった。それが、すごいことさ。今のぼくは、人が見て恥ずかしいと思う人間ではないし、人が怖がる人間でもない。The Last Mileが、そうしてくれたんだ”。

Winfreyは私との話の中で、これまでの人生で犯した最悪の間違いと最悪の決定を、すべて話してくれた。でも今では、出しても安全だと彼らが確信するまでになった、と彼は信じている。“ぼくに、注目してくれるようになったんだよ”。

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〔The Last Mile関連記事: (1)(2)。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

【ポッドキャスト】キャリア再構築を目指した50代(男)が20代の‘子どもたち’に混じってプログラミングを学び、成功したお話

[筆者: Ruben Harris](プロのチェリストで投資銀行家、後者は今、高齢者の訪問看護を行うHonorのためにサンフランシスコでパートナーシップを構築している。彼はポッドキャストBreaking Into Startupsのファウンダーでもある。)

企業は最近ますますワークフォース開発への投資を増やし、とくに社員の再教育に力を入れている。しかし今のあなたが50代なら、20代の連中と一緒にプログラミングを勉強するのは、尻込みしたくなるだろう。

最近は自動化や人工知能が人間の仕事を破壊するといった論調が賑やかだが、Michael Jay Walkerの場合のように、テクノロジーがキャリアを再生する例もある。

Michaelは今、プログラミングスクールDev Bootcampの学課最高責任者(CAO, chief academic officer)で学生相談部長(campus director)でもあるが、人種や性の多様性だけでなく、年齢の多様性や、社会経済的な多様性も重要だ、と主張し、Dev Bootcampに入学できた当時のことを語ってくれる。

彼はまた、FacebookYesWeCodeの多様性への取り組みや、最近のAdobeの見習い期間制度についても語ってくれた。

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囚人たちにプログラミングを教えて出所後の職を確保しているThe Last Mile、刑務所に舞い戻る悪循環を断つ

[筆者: Ruben Harris](プロのチェリストで投資銀行家、後者は今、高齢者の訪問看護を行うHonorのためにサンフランシスコでパートナーシップを構築している。彼はポッドキャストBreaking Into Startupsのファウンダーでもある。)

囚人一人あたりの年間費用は彼/彼女が同じ期間に高等教育を受けた場合の学費の5倍だ。そしてアメリカの刑務所人口の10%はカリフォルニアにいる。

出所した人がまた戻ってくる大きな理由のひとつが、服役中に教育を受ける機会がないことだ。

今日(米国時間3/10)のBreaking Into Startupsは、彼らを人生の成功に導く教育事業The Last Mileに焦点を当てた。

カリフォルニア州の囚人の75%以上は、出所から一年後でも仕事がない。サンクェンティンで終身刑に服していたKenyatta Lealは、この数字を変えると決意した。

今回の放送で彼は、刑務所行きになった理由、そこで出会ったメンター、そしてThe Last Mileがインターネットのないところで人びとにプログラミングを教えているやり方を語っている。

Lealは、自分の出所についても語った。彼は、刑務所で習ったスキルのおかげで、職に就くことができた。Lealにとってそのスキルは、ブログを書いたり、自分をTwitterやQuoraの上で表現することも含まれたいた。そしてLealは、刑務所を出たり入ったりの悪循環を断つことの重要性を語っている。

出所後のLealは、刑務所でできた友だちなど、数人の人の、テクノロジー企業への就職を助けることができた。

刑事司法の改革に関心のある読者は、私(ruben@breakingintostartups.com)にメールをくれれば、あなたを導いてくれる人たちを紹介しよう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))