KDDIら、一般公道で5G活用した複数台の遠隔監視型自動運転の実証実験へ

アイサンテクノロジー、KDDI、KDDI総合研究所、損保ジャパン日本興亜、ティアフォー、岡谷鋼機、名古屋大学は2月9日、愛知県一宮市で、愛知県による「平成30年度自動運転実証推進事業」における自動運転の実証実験を実施する。

同実験では国内で初めて一般公道において5Gを活用した複数車両の遠隔監視型自動運転を行う計画だ。

実験で使用する2台の自動運転車のうち、1台に5Gを搭載。運転席を無人の状態としたうえで自動走行を行う。自動走行を行うにあたり、遠隔にいる1名の運転手が2台を同時に監視し、緊急時には制御を行う。

同実験における各社の主な役割は以下の通りだ。

KDDI:5G自動運転車の開発・提供、4G LTE通信ネットワークの提供および5Gエリアの構築・評価、車載通信機および遠隔管制卓とクラウドシステムをつなぐ通信システムの提供

KDDI総合研究所:5G自動運転車の開発・提供、5Gを活用した遠隔自動運転実現のためのシステム設計の検討と実装のサポート

アイサンテクノロジー:高精度3Dマップ更新・作成、アプリケーション作成、自動運転の実証、報告書作成

ティアフォー:自動運転ソフトウェア「Autoware」の提供、自動運転に係る技術支援と助言

損保ジャパン日本興亜:自動運転に係るリスクアセスメント、自動運転専用保険・サービスの開発検討

岡谷鋼機:自動運転事業の実用化検証支援

名古屋大学:モニター調査および取り纏め

KDDIは「将来の移動手段を確保するために自動運転技術や5GといったICTの利活用が注目されています。自動運転の高度化により、買い物難民やバス・タクシー運転手不足に対する市民の移動手段としての活用や観光促進や車産業振興にもつながることが期待されます」とコメントしている。

スバル「アイサイト」のカメラ発明者が率いるITD、資金調達で開発環境を強化

自動運転車などに用いるステレオカメラを開発するITD lab(以下、ITD)は2月5日、電子部品の専門商社である富士エレクトロニクスを引受先とする第三者割当増資を実施したと発表した。金額は非公開であるものの、2018年6月に発表した前回ラウンド(4.8億円調達)と合わせて6億3000億円を調達したということなので、今回のラウンドでの調達額は1億5000万円ほどと推測される。

ITDが手がけるのは、「小型軽量」「低消費電力」「高速応答性」などの特徴をもつ「ステレオカメラ」と呼ばれる製品だ。2つのイメージセンサーから得られる視差を使って物体までの距離を計算する。自動車、ドローン、建機、ロボットなどに取り付けることで衝突防止をしたり、自動運転を実現したりなどの用途に用いられる。

自動運転車に取り付けるデバイスには、ステレオカメラの他にも「LiDAR」や「単眼カメラシステム」などがあるが、ステレオカメラはLiDARに比べてコストが抑えられてかつ応答速度が早く、単眼カメラとは違って学習モデルにない物体でも距離計算ができるというメリットがある。

ITDの代表取締役会長CTOを務めるのは実吉敬二氏。彼は、元東工大の准教授であり、スバルの運転支援システム「アイサイト」に採用されたステレオカメラの発明者でもある。実吉氏は1998年にスバルを退社した後、東工大へ。それから約20年に渡ってスバルとは独立してステレオカメラ技術の研究開発に従事。この研究を引き継ぐ形で2016年5月に創業されたのがITD Labだ。

ITDのステレオカメラのアルゴリズムは、アイサイトのステレオカメラと同様に「SAD(Sum of Absolute Difference)」方式を採用。一方で、現在商品化されているステレオカメラの多くは「SGM(Semi Global Matching)」方式を採用している。SAD方式はSGM方式に比べ、アルゴリズムの簡素化によってシステムコストや消費電力を大幅に抑えられる、視差画像の中に映る物体の輪郭がよりハッキリと表現されるなどのアドバンテージがあるという。コストや消費電力を抑えながら毎秒60〜160フレームの超高速処理を実現可能だ。

また、ITDのステレオカメラにはアイサイトでも実現できていない「リアルタイム自動調整機能」が搭載されており、例えば温度変化や衝撃などでカメラ本体の組み立て精度が変動してしまっても、システムが自動的に視差画像を調整・補正するそうだ。

ITDはプレスリリースのなかで、「(ITD製のステレオカメラは)毎秒60〜160フレームの超高速で物体の輪郭と距離情報を極めて正確に確定するため、自動運転車の “眼” の役割を担う事ができる。ディープラーニングのAIと組み合わせる事で真の意味 (レベル4、レベル5) の自動運転システムを構築する事ができる」とコメントしている。

ITDは今回調達した資金を利用して、人材の確保、研究環境の整備、外部開発会社を巻き込んだ大規模開発などを進める。

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Uber、電動自転車とスクーターにも自動運転を適用へ

Uberは自動運転技術を自転車とスクーターのシェア事業に統合しようとしている。詳細はほとんどわかっていないが、3D Robotics CEOのChris Andersonによると、Uberは週末行われたDIY Roboticsイベントでこのことを発表し、開発チームはUberで電動オートバイ/スクーターのシェアサービスを担当するJUMPグループに所属するという。

Micromobility Roboticsという新部門が研究するのは、電動自転車/スクーターが充電のために自走したり、利用者が必要な場所まで自動運転する技術だ。Telegraph誌によると、Uberはこのチームのためにすでに採用を始めている

「Uberの新しいMobilitiesチームは、当社が貸し出す電動スクーターと電動自転車の安全性、ライダー体験、および運用効率を、センサーやロボット技術の応用によって改善する方法を研究している」とUberのAdvanced Technologies Groupが求人用Googleフォームに書いた。

昨年12月、 Uberは自己診断機能や交換可能バッテリーを搭載した次世代JUMP電動自転車を披露した。

「これは、システム活用、オペレーティングシステム、実車時間など車両シェアの運用に不可欠な要素の大きな改善だ」とJUMPのプロダクト責任者NIck Foleyが先月本誌に語った。「バッテリーが交換できるということは、充電するために自転車やスクーターを持っていかなくてもよいことを意味している。これはビジネス的にも良いことだ」

自動運転自転車/スクーターはUberのMicromobilityシェアビジネスの人間による充電への依存を減らす。Uberがフル充電の電動自転車/スクーターを、バッテリー残量の少ない車の多い地域に配車するところが想像できるだろう。交換可能バッテリーと合わせて(車両が車庫に戻ってきたらすぐにバッテリーを交換して再度配車できる)、Uberは整備された利用可能台数を増やすとともに、ライダー体験全体を改善することができる。

Uberはコメントを拒んだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Audi、Waymoらのメーカーが集結して自動運転の教義を広める

自動運転のエバンジェリストたちが集結した。

自動車メーカー、IT企業、その他自動運転車に深く関わる数多くの企業が同盟を結成し、最先端の自動車技術と自動運転車に関する言葉を広めようとしている。Audi、Aurora、Cruise、GM、Mobileye、Nvidia、Toyota、Waymo、Zooxらが参加している。彼らのメッセージはこうだ:このテクノロジーは交通を変革させ安全性と持続性を高める。

新しい同盟、Partners for Automated Vehicle Education(PAVE)は月曜日(米国時間1/7)にラスベガスのCES 2019で発表された。PAVEの目標は、一般市民や政策立案者に自動運転車の可能性を広く知らせることにある。

「一般市民や彼らの選んだ議員たちに、未来の道路を形作るために必要な知識を伝えることは不可欠だ」と米国国家運輸安全委員会のDeborah A.P. Hersman委員長が月曜日に語った。Hersmanは発言の中で、PAVEはロビー団体ではないことを強調した。

「重要なのはロビー活動ではない。教育だ」とHersmanは言った。「われわれは国民に利点と限界を理解してもらいたい」

HersmanはAudi of Americaと共にPAVEの初代共同代表を務める。自動車メーカー、IT企業の中で、Ford、Fiat Chrysler、およびAptiveは同盟の立ち上げに参加しなかった。新組織の活動が本格化すれば参加が増える可能性がある。

自動運転技術に関する業界主導の同盟、団体、ロビー団体は多数存在する。Automated Vehicle Coalitionのほか、Ford、Waymo、Lyft、Uber、Volvoが参加しているSelf-Driving Coalition for Safer Streetsなどがある。

PAVEは、運転者支援や自動運転技術を消費者や政策立案者に紹介するイベントを全米で開催すると言っている。連邦、州、および地方自治体の職員向けの教育ワークショップ、教材の開発や小売店やカスタマーサービス要因への配布も行う。

PAVEは一般消費者も教育したいと考えている。そのために、SAE Internationalと連携して体験ワークショップを後援し、進化する自動運転技術に触れる機会を与える計画だ。

スタンフォード大学のCenter for Automotive Researchなどの学術機関との提携による政策ワークショップも開催し、政策立案者に自動運転技術とその可能性を理解を深めてもらう。

「伝統的自動車メーカーや新規参入者たちは、自動運転車を可能にする技術に数十億ドルをつぎ込んできた」とAudi of Americaのプレジデント、Mark Del Rosso が言った。「PAVEは情報公開への投資の必要性を理解している——消費者と政策立案者に、何が真実で、何が可能で、何が噂や憶測であるかを間違いなく理解させる必要がある」

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車椅子型モビリティのWHILLが自動運転システムを発表、2020年に公道での実用化目指す

車椅子型のパーソナルモビリティ(個人向け移動デバイス)を開発するWHILLは1月7日、「WHILL自動運転システム」を発表した。同システムは2019年1月8日から米ラスベガスで開催される家電・エレクトロニクス技術の祭典「CES 2019」のAccessibilityカテゴリで、最優秀賞受賞が決まっている。

WHILL自動運転システムは、歩道領域のための自動運転・自動停止機能などを備えた独自の車椅子型モビリティ「WHILL自動運転モデル」と、複数の機体を管理・運用するためのシステムとで構成される。

同システムのコンセプトは、空港や商業施設、観光地などでのシェアリングを想定し、誰でも簡単・安全に走行できること。また、少子高齢化による人手不足や長距離の歩行が困難な人の増加を念頭に、車椅子の運搬や回収・管理など、これまで人の手で行っていた作業を自動化することを目指したシステムとなっている。

自動車とは違い、歩道を移動するパーソナルモビリティを自動運転・自動停止するには、周囲の歩行者との距離の近さや、家具や柱などの障害物を想定し、周囲を全体的に把握する視野が必要だ。WHILL自動運転モデルでは、前方・側方監視のためのステレオカメラを左右のアームに搭載し、広い視野角度を確保。機体後方にもセンサーなどを搭載し、後退時に衝突が起きないように備える。

また、乗車しながら運転状況を確認できるタブレット端末や、空港などで使うためのスーツケース格納オプションなど、使用シーンに合わせたオプション、アプリケーションも開発される予定だ。

WHILL自動運転システムでは、地図情報と搭載センサー群からの情報を照らし合わせ、安全な自動走行を実現。乗り物などに移動した後は、乗り捨てたWHILLが自動で待機場所へ戻るように運用することも可能だ。通信回線も搭載されており、複数の機体の位置情報を一元管理することもできる。

WHILLではまず、オランダのスキポール空港、イギリスのヒースロー空港、アメリカのラガーディア空港などで、同システムの実用化に向けた協議を関係各社と進める。空港以外にも、スポーツ施設、商業施設、観光地などでの実用化を順次進めていく。

また施設以外でも、小田急グループほか3社とMaaS(Mobility as a Service)連携を開始したというWHILL。将来的には、全世界の歩道領域で公共交通機関のように利用されることを目指し、パートナー企業と協力しながら、2020年に公道での実用化を目指す。

WHILL代表取締役兼CEOの杉江理氏は、発表にあたり、下記の通りコメントしている。

「現状、電車やバス、タクシーなどの交通機関を降りた後、目的地までのわずかな距離を歩けない人々が、結果として外出をためらっている。今や世界中で多くの人々に『自分の足』として利用されているWHILLを、私たちは、個人へのプロダクト提供にとどまらず、誰もがインフラのように当たり前に使えるサービスとして構築したいと考えている。MaaS事業において、目的地までの数キロメートル、ラストワンマイルをつなぐ、だれもが安全に乗れるインフラは、まだ存在していない。WHILLはそこで、『最後の1ピース』としての役割を果たし、すべての人の移動をシームレスに繋ぎ、歩道領域の移動にイノベーションを起こす」

WHILLは、2018年9月の資金調達時にも、デバイスとしてのパーソナルモビリティから、移動をサービスとして展開するMaaS事業にも進出することを発表していた。今回のモデル、システム発表により、その実現が着々と進められていることが、より具体的になってきたと言えるだろう。

Lyftは自動運転車と歩行者のコミュニケーションをどのように想定しているのか

自動運転車が人間とどのように対話し、コミュニケーションをとるのかについての疑問は、以前から出されているものだ。だがその答はまだ定まらないままである。Googleは2012年以来これを検討し続けているし、今年初めにはUberは歩行者に知らせるために、点滅する光と音を使用する特許を申請した。そして今度は、米国特許商標庁がLyftに対して、自動運転車通知システムと言われているものに関する1つの特許を許諾した

Lyft’のソリューションは、車の最も目立つウィンドウ上に表示するメッセージを事前に準備するというものである。例として、各ウィンドウ用のプロジェクターを用意したり、シースルースクリーンを使ったり、他の表示デバイスを使ってメッセージを伝えたりする。

「…これらの自律的に提供されるサービスを、自律性と人間の操作が混在した環境に統合することには、多くの困難が伴う」と特許出願書には記載されている。「運転手と歩行者は、ある種のやり方でやり取りをすることに慣れているため、運転手を車両から取り除いてしまうと不確実性とコミュニケーションの欠如につながる可能性がある」。

下の図では、Lyftが車の到着を待つ乗客はもちろん、他の車両や自転車乗りとのコミュニケーションをどのように想定しているのかを見ることができる。

  1. slide01

  2. slide02

  3. slide03

既に述べたように、自動運転車と外側の世界との対話手段を検討している会社はLyftだけではない。例えば、スタートアップDrive.aiは、テキストや図を使ってコミュニケーションを行うLED表示装置を利用する。

一方Fordは最近、意図を伝えるための自動運転車両言語の業界標準策定を呼びかけた。

「私たちは全てのひとに自動運転車を信用して欲しいのです。ここで言う全てのひととは、自動運転車両の乗客、歩行者、サイクリスト、スクーター利用者、道路を共用する他の運転手たちを含みます」と10月にMediumに投稿したのは、Ford社の”Human Factors Technical Specialist for Self-Driving Vehicles”(自動運転車のためのヒューマンファクター技術スペシャリスト)であるJohn Shutkoである。「自動運転技術の普及を成功させるためには、様々な場所や年代にまたがるグループの人たちが、1つの汎用コミュニケーションインターフェイスを持つことが肝心だ」。

Lyftは2017年7月に自動運転車部門を初めて立ち上げた。それ以降、Lyftは自動車業界のティア1サプライヤーMagnaと自動運転技術で提携しただけでなく、Drive.aiとも提携を行っている。Magnaはまた、株式交換によってLyftに対して2億ドルを投資している。

はっきりさせておきたいことは、特許が常に製品実装に反映されるとは限らないという点である。Lyftに対してコメントを求めた。何らかの回答があった場合には記事を更新する。

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(翻訳:sako)

ロボット配達にアーリーステージの資金が続々

過去数十年のイノベーションのほとんどは、ソファから離れずして欲しいものを手に入れる方法に集中していた。

これまでのところ、オンライン注文やオンデマンド配達により、このゴールはほぼ達成できた。カーソルをあて、クリックし、待つ。しかし一つだけ落とし穴がある。配達する人だ。誰か配達する人がいなければ、我々は寝そべってピザを注文することができない。

そこでロボットの登場だ。テック未来派の人は、自動運転の車とAI搭載のロボットが間もなく玄関先までの配達を取って代わるようになるという予測を耳にしているだろう。それらは、テイクアウトを届けたり、荷物を配達したりと、こうした仕事で現在生計を立てている多くの人間をお払い箱にするとみられる。

これが本当に現実のものになるとすれば、ラストマイル配達のロボット化に現在取り組んでいるアーリーステージのスタートアップはまだほんの一握りのため、それは大きなチャンスといえる。下記で、そうしたスタートアップが何者か、現在どんなことをしているのか、誰がバックアップしているのか、どこで展開しているのかみてみよう。

プレイヤー

Crunchbaseデータによると、過去数年の間にシードもしくはアーリーステージの資金調達を実施した、北米に拠点または運営母体を置くロボット配達を手がけている企業は少なくとも8社だ。

これらは、かなりの額を調達したスタートアップから、まだ貧弱なシードステージのところまで幅がある。

AlphabetのWaymoの元エンジニアが創業した自動配達のスタートアップで、シリコンバレー拠点のNuroが最も多く資金調達していて、これまでのその額は9200万ドル。他社は数百万ドルといったところだ。

下のチャートでは、主なプレーヤーをみてみよう。資金調達額が大きい順に並べていて、拠点や主な投資家も表記している。

誰がサポートしているか

スタートアップはロボット配達分野の道を切り開いているかもしれないが、単独で行なっているわけではない。大企業がこの分野で足がかりを維持している一つの方法は、アーリーステージのスタートアップに出資し、パートナー関係を結ぶことだ。大企業は有望なシードの長いリストに名を連ね、ベンチャー投資家もまたこの部門に目をつけている。

大企業投資家のリストには、Starship Technologiesの主要投資家であるドイツのDaimlerが含まれる。一方、中国のTencentはサンフランシスコ拠点のMarbleを支援していて、トヨタAIベンチャーズはBoxbotに投資している。

提携状況を見る限り、食べ物のテイクアウト配達サービスにロボット配達は最も使われるようだ。

ゆっくりとした走行、中くらいサイズ、6輪のロボットを展開するStarshipは特にテイクアウトにかなり食い込んでいる。Skypeの創業者Janus Friis とAhti Heinlaが立ち上げ、サンフランシスコとエストニアに拠点を置くこの会社はカリフォルニアの一部とワシントンD.C.でDoorDashそしてPostmatesと手を組んでいる。またドイツとオランダではドミノ・ピザとも提携している。

もう一つのかわいらしい6輪ロボットのメーカーRobby Technologiesもまたロサンゼルスの一部でPostmatesと提携している。ボックス型のロボットを“あなたのフレンドリーなご近所ロボット”と売り込んでいるMarble昨年、トライアルとしてサンフランシスコでYelpと組んだ。

サンフランシスコのベイエリアが突出

世界征服というビジョンにおいては、グローバルであることが必須である一方で、ロボット配達の能力蓄積はまだローカルレベルだ。

Crunchbaseが追跡しているシードとアーリーステージのスタートアップ8社のうち6社はサンフランシスコのベイエリアを拠点としていて、残りの2社が他地域で展開している。

なぜこうなのだろう。1つには、UberやTesla、Waymoといったローカルの大企業から移ってくる鍵となるエンジニアリングスタッフがいるなど、このエリアに才能が集中していることが挙げられる。加えて、ロボットスタートアップがスケール展開するのに必要になると思われる投資資金が用意されていることもある。

シリコンバレーとサンフランシスコは住宅供給が少なく、またその価格は天文学的な数字になるほど高価なことで知られる。そこでは、雇用主は物を配達する人を探すのに苦労していて、配達人の賃金はデリバリースタッフに取って代わるロボットをデザインするようなプロジェクトで懸命に働いているテック労働者のものにひけをとらない。

この地域には動きの遅い、歩道を走る配達ロボットは不向きだ。サンフランシスコにおいては、びっくりするくらい急勾配の通りや歩道は、人間そして乗り捨てられたスクーターであふれている。市議会はほとんどの場所で配達ロボットを禁止し、許可したエリアに制限することを決めた。

ピザ配達ロボットマネジャーの登場

しかしサンフランシスコが配達ロボットの浸透に慎重な一方で、スタートアップKiwi Campusが事業展開するカリフォルニアのバークリー周辺を含む他のエリアではより好意的に受け入れている。

この過程においては、ロボット監督という面白い新たな仕事が作られている。これはラストマイル配達の雇用の将来にいくらかの光を当てることができるかもしれない。

初期トライアルを行なっているいくつかのスタートアップにとって、ロボットの世話をする仕事には、ロボットの監視や、ロボットが難なく割り当てられた仕事をこなしているか確認する、というものが含まれる。

遠隔からのロボット管理もまたその一つで、今後最も増えることが予想される。たとえば、Starshipはエストニアに置くオペレーターが、遠く離れた国で行われているロボットによる配達を追跡・管理している。

現段階で、配達ロボットのモニターとコントロールという仕事が、従来人が行っていた配達という仕事より給料と雇用条件がいいかどうかはまだわからない。

しかしながら、少なくともモニターとコントロールであれば理論的にはソファに寝そべったままできるはずだ。

イメージクレジット: wk1003mike Shutterstock

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(翻訳:Mizoguchi)

Amazonが開発者たちに機械学習を教えるために、縮小版自動運転車を発表

Amazonは本日(米国時間11月28日)、開発者が機械学習を学ぶのを助けることを目的とした、完全に自律的な1/18スケールのレースカーAWS DeepRacerを発表した。定価は399ドルだが、現在は249ドルで提供されている。このレースカーは、強化学習(RL:Reinforcement learning)と呼ばれる機械学習技術を、開発者が文字通りハンズオンで学習できるようにする。

RLは、他の機械学習手法とは違った訓練モデルへのアプローチを取っている、とAmazonは説明している

それは、インタラクティブな環境内で「エージェント」が試行錯誤的に行動することが許されている場合に機能する機械学習の一種である。実行したアクションからのフィードバックを使用して、あらかじめ決められた目標に達したり、またはスコアまたは報酬などを最大限にするために、時間をかけて学習を行う。

これによって、他の機械学習技法との違いが生まれる。例えば教師あり学習に比べると、開始に当たってラベル付きのトレーニングデータを必要とせず、長期ゴールを最適化しつつ短期意思決定を行うことができる。

新しいレースカーは、自動運転を通じた学習で、開発者にRLを実験させる。

開発者はまず、AWS RoboMaker上に構築されたクラウドベースの3Dレーシングシミュレータ内で、仮想自動車とコースの利用を始める。ここでは、自動運転モデルを、シミュレータ内で事前に定義されたレースコースに対して訓練することができる。そしてそのモデルを仮想的に評価したり、実世界の物理的なAWS DeepRacerカーにダウンロードしたりすることができる。

彼らはまた、車が発表されたre:Invent会議で開催される、最初のAWS DeepRacer Leagueへ参加することもできる。このイベントはAWS DeepRacerワークショップとMGM Speedwayで24時間に渡って行われ、Amazon SageMakerAWS RoboMaker、およびその他のAWSサービスが利用される。

6つのメイントラックがあり、それぞれにピットエリア、ハッカーガレージ、トレーニングや実験に使用できる2つの拡張トラックが追加されている。DJもいる。

このリーグは、今回のイベント終了後も、世界中のAWS Global Summitで、2019年以降に始まる一連のライブレースイベントとして継続される。Amazonによれば、re:invent 2019におけるAWS DeepRacer 2019 Championship Cupでの優勝を目指して、仮想トーナメントがこれから1年を通して実施される。

車のハードウェア自体は、インテルAtomプロセッサを搭載した1/18スケールのラジコン式四輪駆動車である。プロセッサでは、Ubuntu 16.04 LTS、ROS(ロボットオペレーティングシステム)、そしてIntel OpenVinoコンピュータビジョンツールキットが実行される。

車には、1080pの解像度を持つ4メガピクセルのカメラ、802.11ac Wi-Fi、複数のUSBポート、持続時間約2時間のバッテリ電源も含まれている。

ハードウェアはAmazonのここから購入することができる。

AWS re:Invent 2018カバレッジ

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(翻訳:sako)

空飛ぶタクシーのLilium、AudiとAirbusの元幹部を招聘

未来的な空飛ぶタクシーサービスのための垂直離着陸機を開発するLiliumは、AirbusAudiから大物の元幹部を招き入れ、テクノロジーを向上し市場にサービスを提供する準備を進めている。

Mirko Reuterは、Audiで自動運転の責任者を務めていた人物で、無人飛行の責任者として取締役に就任する。Jakob Waeschenbachは元Airbusの機器組立責任者、Rochus Moenterは元Airbusの財務・投資部門担当副社長で、それぞれ飛行機組み立て責任者、および法律顧問・法務責任者としてLiliumに加わる。

Liliumは2015年にDaniel Wiegand、Sebastian Born、Patrick Nathen、およびMatthias Meinerによって共同設立され、そのビジョンは独自の垂直離着陸機のネットワークを構築することで航空移動のコストを削減し、パリからロンドンまで乗客を1時間以内に運ぶことにある。

Audiで長年自動運転の長を務めたReuterは、無人航空機システムに必要なプロセスと技術の開発を受け持つと同社は声明で述べた。

「私は、社会のあらゆる分野で広く使われる効果的で利用しやすい輸送を可能にする革新的サービスを開発する、という当社のミッションに全力を注いでいる。Liliumは新しい革命的な輸送手段を開発しており、その一端を担えることを非常に嬉しく思っている」とReuterが声明で語った。

Liliumは2019年に最初の機体を送り出す準備を整えるなか、経営チームを強化していると記事は伝えている。2017年、同社は9000万ドルの新たな資金調達を行い Tencent、国際民間銀行資産管理グループの LGTAtomico、Skype共同ファウンダーのNiklas Zennströmが設立したLiliumのSeries A支援者、およびTwitterのEv Williamsが共同設立した初期ステージVCファンドのObvious Venturesらが出資した。

こうした投資や有力幹部の入社は、益々競争の激しくなるこの業界でLiliumのビジネスに信用を与える(そう、空飛ぶタクシー業界は競争が激しい)。

ドイツの自動車メーカーDaimlerは、Volocopterを支援する投資家コンソーシアムに参加して約2850万ドルを出資し、配車サービスのUberはブラジルのEmbraerやスロベニアのPipistrelと組んで、独自の空飛ぶタクシーを開発している。実は飛行機メーカーのAirbusも、独自の無人空飛ぶタクシーVahanaを開発中で、数年のうちに市場に出したいと考えている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Starshipのロボットが商品のオンデマンド配送を始めた――年内にサンフランシスコにも展開

Skypeの共同ファウンダー、Ahti HeinlaとJanus Friisが2014年に設立したStarship Technologiesがイギリスのミルトン・キーンズで自動運転ロボットによる商品配送を開始した。住民は商品の到着に合わせて自分の予定を変えたり、ドアの前に荷物を置かれて盗難を心配したりする必要がなくなった。

このロボットによるオンデマンド配送を利用するためには、まず商品の配送を受けたい場所として自宅の代わりに最寄りのStarshipの拠点を入力する。商品がStarshipの拠点に到着すると専用アプリから通知が届く。ユーザーは自分の都合のいいタイミングでStarshipのロボットに配送を指示する。アプリにはパッケージがどこを移動中かモニターする機能がある。ロボットが到着するとアプリを使ってカバーを開いてパッケージを取り出すことができる。

現在ロボットによる配送が可能なのは拠点から半径3.6キロの距離だが、Starshipではこの範囲を拡大していく計画だ。Starshipによるとロボットのバッテリーには問題がなく、配送に要する時間を最小限にする努力をしているという。

Starshipは年内にサンフランシスコ周辺でサービスを開始する考えだ。アメリカでの配送料金は未定だが、イギリスでは最初の月は無料、以後毎月7.99ポンド(1153円))となっている。配送個数に制限はない。Starshipはこう述べている。

自分の生活が注文した商品の到着時間に振り回されるというのは過去のものになる。勤務先から早退したり、人と会う時間を変えたり、郵便局その他の受け取り場所に出向いたり、行方不明の荷物について配送業者に問い合わせたりする必要はなくなる。 消費者に代わってStarshipがパッケージを受け取り、オンデマンドで配送する。こうしたサービスを提供できるのは世界でStarshipだけだ。われわれは消費者のライフスタイルを快適にする。

数ヶ月前、StarshipはMatrix PartnersとMorpheus Venturesから2500万ドルの資金調達に成功している。このときの投資家にはAirbnbの共同ファウンダー、Nathan Blecharczyk,、Skypeのファウンダー、Jaan
Tallinnらが含まれていた。Starshipの資金調達額は合計4220万ドルとなっている。

Starshipは食品配送サービスのDoorDash、Postmatesと提携してロボット配送の実験を行ってきた。昨年1月には前述の企業と提携して、カリフォルニア州のレッドウッドシティーとワシントンD.Cでパイロット・プログラムをスタートさせている。現在までにStarshipのロボットは20カ国の100都市で延べ20万キロを走破しているちう。

〔日本版〕以下のビデオは2015年に公開されたものでSkypeの共同ファウンダーでStarshipの共同ファウンダー、CTOのAhti Heinlaがシステムを詳しく紹介している。


原文へ

滑川海彦@Facebook Google+

Waymo、カリフォルニアでも完全無人の自動運転車テスト実施へ

Googleのスピンオフで、Googleの親会社Alphabet傘下にある自動運転のスタートアップWaymoは、カリフォルニアでドライバーなしの自動運転車を公道で走らせる初の許可を取得した。つまり、人を乗せていない自動運転の車がカリフォルニアを走り回ることになる。まずはシリコンバレーの限られたエリアで始まる見込みだ。

Waymoの自動運転車はGoogleの本部があるカリフォルニア州マウンテンビュー周辺の公道ではよく見かける。無名のプロジェクトとして始まったこのスタートアップはすでに何年も公道でのテストを行ってきた。しかし今回のカリフォルニア州車両管理局(DMV)が発行した許可では、Waymoはテストドライバーを乗せずに試験走行させることができる。

4月に施行された新たなカリフォルニア州のDMV規則では、制限内で完全にドライバーレスの走行テストを申し込むことができる。Waymoはこのテストを許可された初の企業となった。少なくとも他にもう1社が許可待ちだ。

どこでこの自動運転車を見かけるようになるか

Waymoによると、ドライバーなしのテスト車は、まずはマウンテンビューの一部、サニーベール、ロスアルトス、ロスアルトスヒルズ、パロアルトを含むシリコンバレー本部周辺の道路で走り始める。初期のドライバーレステストのエリアは以下の地図に表示している。

おそらく社会の警戒を予想してのことだろうが、Waymoは自動運転車はこのエリアを“よく”知っていると強調した。

「マウンテンビューは12社以上の自動運転車開発企業にとってホームであり、何年にもわたって安全なテストをサポートしてきた」とWaymoは声明で述べている。

Waymoは次第にこのドライバーレステストのエリアを拡大する。新しいエリアを走り始める前に対象エリアのコミュニティに案内し、DMVにリクエストを提出する、としている。

一般市民はまだこのドライバーレスの車両に乗ることはできない。しかしながらWaymoはゴールに向けて取り組んでいる。ドライバーレス車両に初めて乗車するのはWaymoの従業員となる。そしてWaymoは「その後一般市民にもこのテクノロジーを体験してもらう機会を設ける」としていて、アリゾナ州での初期の乗車プログラムと同じ流れとなる。

Waymoが許可された内容

今回の許可でWaymoはドライバーレスの車両を街中の道路、田舎道、高速で昼夜、時速65マイル以下のスピードで走らせることができる。また、同社が対応できると言っている霧の中や小雨といった気象条件下でのテストも許可されている。

もしドライバーレスの車両が理解できないような状況に遭遇した場合、車両は“安全停止”する、とWaymoは説明しながらも、車両へのコンタクトや乗車している人のサポートなどを含め確立したプロトコルを有している、としている。

Waymoは今月初め、2009年に自動運転技術に取り組み始めて以来、米国における公道テスト総距離が1000万マイルに達したと発表した。

真のドライバーレス車両のテストを公道で行うのは、カリフォルニア州が初めてではない。この分野ではアリゾナ州が進んでいる。Waymoは自動運転のChrysler Pacificaミニバンのテストを2016年にフェニックスの郊外、チャンドラーで開始した。そして2017年4月に初期の乗車プログラムを立ち上げた。同年後半には、従業員も乗客も乗せない自動運転車のテストをフェニックス大都市圏で展開している。

そして今年5月、Waymoはテストドライバーが乗っていないミニバンを使った配車サービスをフェニックスの何人かの乗客向けに開始した。

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(翻訳:Mizoguchi)

Tesla、オートパイロットの新機能 “Navigate on Autopilot” を提供開始

北米Teslaオーナーの一部は、朝起きるとテストが遅れていた新しい運転支援機能が届いているかもしれない。CEO Elon Muskが金曜日(米国時間10/26)に発信したツイートによる。

「Tesla Autopilot Drive on Navigationは今夜北米で広く公開される」とMuskはツイートした。Tesla Autopilot Drive on Navigationは、同社の最高水準の運転支援機能だと説明されている。通常 “Navigate on Autopilot” と呼ばれているその機能は、今月同社が車載ソフトウェアの最新版9.0を公開した際、提供が中止された。

今晩更新されたTeslaのブログ記事によると、同機能はエンハンストオートパイロットまたは完全自動運転機能(FSD)を購入した米国ユーザーに向けて今週配信が開始される。TeslaはエンハンストオートパイロットとFSDへのアップグレードをそれぞれ5000ドルと3000ドルで提供している。

Teslaの車は自動運転ではない。オートパイロットは高度な運転支援システムだ。しかし2016年10月、Teslaはより堅牢なセンサー群を装備したHardware 2車の生産を開始するとともに、顧客にFSDの販売を始めた。これは技術的課題が克服され規制機関の承認を受けた暁に利用可能になる。TeslaはFSDへのアップグレードオプションをウェブサイトから削除したが、今も要求は可能だとMuskは言った。

Navigate on Autopilotは、未だ果たされていない完全自動運転の約束への一歩と見られている。ちいさな一歩ではあるが。

10月初旬に公開されたTesla 9.0ソフトウェアにはさまざまな改善が施され、新しいダッシュカメラ機能(2017年8月製造以降)、ナビゲーションの改善、駐車中にプレイできるAtariのゲームもあった。しかしNavigate on Autopilotはなかった。その後一部の米国ユーザーにベータ機能として提供された。

Navigate on Autopilotは同社のエンハンストオートパイロットシステムのためのアクティブガイダンス機能で、高速道路の入口から出口まで車を誘導し、インターチェンジや車線変更にも対応する。ドライバーはナビシステムに目的地を入力したあと “Navigate on Autopilot”を有効にできる。

TeslaはNavigate on Autopilotにいくつか制限を設けている。現在車線変更機能はドライバーが方向指示器をタップして提案を確認しないと実行されない。

Navigate on Autopilotの将来バージョンでは、ユーザーが望めば確認を不要にできるとTeslaが金曜夜に投稿したブログ記事に書かれている。

Muskの考えでは、この機能は「1000万マイル走行後に安全性が確認されるまで」ドライバーの確認が必要になるだろうという。

Navigate on Autopilotが提案する車線変更には2種類ある。指定された経路を維持するための経路に基づく車線変更、および速度に基づく車線変更で、これはドライバーが設定した速度にできるだけ近く走り続けるように作られている。

速度に基づく車線変更には、無効、マイルド、標準、マッドマックスという4種類の設定がある。これは、たとえば前をゆっくり走るトラックに近づいたときに、速く流れている車線への移動を提案する。「マイルド」設定は、ドライバーが設定した速度より著しく遅く走っているときに車線変更を提案する。マッドマックスは、設定速度より少しでも遅くなると車線変更を提案する。

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自動運転車に深入りしたいルネサスが$6.7Bの巨額買収に踏み切る

日本の半導体企業Renesasは、自動車産業向けのチップのサプライヤーとして世界最大の企業のひとつだ。その同社が、自動運転技術により一層注力するために、アメリカのチップ企業IDTを67億ドルで買収しようとしている。

Renesasはさまざまなデバイスを動かし制御するマイクロプロセッサーや回路を作っており、中でもとくに自動車産業が中核だ。供給量ではNXPに次ぎ、売上の半分以上が自動車業界からだ。一方IDTは電力管理とメモリーが主な製品で、とくにワイヤレスのネットワークとデータの変換や保存にフォーカスしている。これらはコネクテッドデバイス(ネットワークに接続されたデバイス)の成長とともにますます重要であり、データの高レベルなストリーミングと対話…大量で高速なデータ通信…を要求する自動車ではとくに重要だ。

IDTの買収は同社の株価の29.5%で行われようとしており、自動運転車に関するRenesasの技術力強化をねらっている。Renesasによれば、その事業を、ロボティクスやデータセンター、そのほかのタイプのコネクテッドデバイスなど、“データエコノミー”の分野に拡大することも、ねらいの一つだ。

Renesasはすでに、自動運転車の技術をデモしており、Intelなどと直接競合する立場になる。昨年同社は、ハイブリッドカーやEVの電池の電圧をコントロールする技術を持つIntersilを32億ドルで買収しており、IDTの買収はその路線のさらなる延長だ。

“両社の製品の重複はほとんどないから、Renesasにとって健全な買収戦略だが、価額がちょっと高すぎるのではないか”、とBloombergのアナリストMasahiro Wakasugiは言っている

IDTの買収案件はRenesasが先月、最初に買収の関心を示してから二週間が経過した。買収の法的承認および完了は2019年の前半と予想されている。

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トヨタ、Uberに5億ドル投資――2021年からから自動運転の実用サービス開始を目指す

トヨタ自動車がオンデマンド配車サービスを推進するためにUberと提携し、5億ドルを投資したことが明らかになった。この提携では、ミニバンのトヨタ・シエナUberが開発した自動運転装置を付加し、Uberのネットワークを通じて実用に供するという。

Wall Street Journalが最初に報じ、続いてTechCrunchも確認したこの契約で異例なのは、まだ名前を明かされていないサードパーティーの大規模自動車運用者が加わっていることだ。このサードパーティーは大量の自動運転車を運用する予定だ。関係各社によれば、2021年にUberの配車ネットワークを通じて実際の運用のパイロット・モデルをスタートさせるという。

CEOのダラ・コスロウシャヒは月曜午後に発表された声明で「大規模な自動車運転車の配車はUberにとって初めての試みとなる」と述べた。これは「なんでもまずやってしまって後から謝ればいい」というUberのこれまでのイメージを改善するために役立つだろう。無鉄砲なスタートアップという悪いイメージは3月の自動運転車の死亡事故などが典型だ。

コスロウシャヒは「Uberの進歩したテクノロジーとトヨタ安全性の確保におけるコミットメントと卓越した製造能力の組み合わせは理想的なものだ。このチームがどんな業績をあげられる大いに期待している」と述べた。

このチームでは「自動運転によるモビリティー・アズ・ア・サービス」という意味でAutono-MaaSという言葉を作った。

トヨタ(アメリカにおける研究部隊、TRI(Toyota Research Institute)を含む)や自動運転車の普及戦略は他社とは異なる。トヨタはドライバーの安全性を高めるガーディアン・テクノロジーと乗客の利便性を図るショーファー・テクノロジーという2種類のアプローチを採用している。ただしどちらのテクノロジーも一連のグループに属する。

トヨタでは高齢者やハンディキャップがある人々向けに完全自動運転車を提供する一方、運転アシスト・モードと完全自動運転モードを随時切り替えて使用できる通常の量産車の製造を目指している。ガーディアン・テクノロジーはドライバーが気づかないうちにバックグラウンドで安全性を強化する。

トヨタのTRIは去る2017年3月に第1世代の自動運転車をデビューさせた。数ヶ月後に発表されたアップデート版、Platform 2.1車両は。シリコンバレーのスタートアップLuminarが開発した小型軽量で対象認識、測距が可能なレーダーシステムを搭載している。

今回の提携合意でUberの自動運転システムとトヨタのガーディアン・テクノロジーの双方がAutono-MaaS車両に搭載され自動運転の安全性の強化に貢献することになる。

トヨタはではさらにインターネット接続車両の安全性を高めるMSPF(モビリティー・サービス・プラットフォーム)と呼ばれる情報インフラを提供する。

TRIのCEO、Gill Pratt博士は「Uberの自動運転システムとトヨタのガーディアン・テクノロジーはそれぞれ独自にリアルタイムで車両が置かれた環境をモニターする。これにより車両、ひいてはドライバーの安全性が強化される」と述べている。

トヨタはこれ以前にもUberと関係を持っていたが、今回の提携によるほどの密接なものではなかった。トヨタはモビリティー企業を目指しており、今年1月のCESで、AmazonやUber、中国の配車サービス、Didi、自動車メーカーのマツダ、ピザチェーンのピザハットなどとともに人間や商品を運ぶ自動運転電気車両の開発を進めていくとことを発表している。この提携により、モジュラーコンセプトに基づくe-Palette車両による幅広い分野での実用化が期待されている。

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滑川海彦@Facebook Google+

AppleがTeslaに転職していた上級技術者を再雇用、車の開発を再開する兆しか?

噂ばかり長かったAppleの自動車開発が、本物だという兆候を探していた人にとって、ビッグなサインが飛び込んできた。AppleでMacのハードウェアエンジニアリング担当VPだったDoug Fieldが、転職先のTeslaからまたAppleに戻ってきたのだ。

Daring FireballのJohn Gruberが特ダネしたニュースによると、FieldはAppleに戻る前の5年間、TeslaでModel 3の生産を監督していた。

Appleは本誌TechCrunchに、Fieldの再雇用を認めたが、彼の役割に関する情報はくれなかった。しかしGruberの記事では、Fieldは過去に一緒にMacのハードウェアの仕事をしていたBob Mansfieldとまた一緒になるらしい。そのMansfieldが、Appleの自動車プロジェクト‘Project Titan’のトップで、定年退職を引き止められた人物というから、いきなり濃い話になってくる。

秘密主義的なProject Titanに関してはいろんな憶測があったが、中でもいちばん強烈なのは、Appleが自動車の開発を放棄したという2016年の報道だった。そして、車は作らないが自動運転技術にフォーカスする、とされた。プロジェクトは依然として不透明で見定めがたいが、でもTeslaで生産を監督していた人を— Waymoの自動運転技術者をスカウトした直後に—雇用するのは、Appleが自動車の開発を近く再開することの、強力な兆候かもしれない。

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[ビデオ]Airoboticsの完全自動運航ドローンのデモを見る

テルアビブに近い、倉庫と壊れた歩道だけという荒涼とした地域の低空を、ドローンが飛んでいる。そいつはゆっくりと、自分の家に接近する。それは金網のフェンスの中にある冷蔵庫サイズの箱だ。ドローンはその上でホバリングし、着地に備える。まるで、大きな虫が、ブンブン鳴きながら下降するようだ。基地に戻ったドローンはきれいにされ、充電されて空に戻る。このドローンはしかし、不可能に近いことをする: 離陸も着陸も自動的に行い、人間がコントロールしなくても、何度でも離陸着陸充電離陸…を繰り返す。そしてそのためのシステムは外付けの装置ではなく、本機に内蔵されている。そのため、とってもクールなマシンに見える。

この自動運航ロボットを作ったAiroboticsが、本誌取材陣を本社に招待し、製品のデモを見せてくれた。このビデオでは、自動運航ドローンの仕組みや、人間がなかな行けない地域での地図作りや監視などへの利用、ひいてはドローンの自動飛行の未来について同社の人たちが語っている。そのうち、ジャングルや砂漠や戦場などで、これらのドローンが活躍するようになるだろう。

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BaiduがSoftbankのSB Driveとパートナーして日本で自動運転バス事業を始める

中国の検索大手Baidu(百度)が、Softbankの子会社SB Driveと自動車メーカーのKing Long(金龍)とパートナーして、来年早々日本で自動運転のミニバス事業を開始する。

この合意は、北京(Beijing)で行われた、Baiduの例年の、AIに関するデベロッパーカンファレンスCreate Baiduで発表された。この合意により、Baiduの自動運転ミニバスApolongの何らかの型式が2019年の初めに中国から日本へ輸出される。合意によると発注量は10台とされ、中国から自動運転車が輸出されるのはこれが初めてである。

ApolongはKing Longと共同開発され、Baiduの自動運転システムApolloを装備している。それはレベル4の運用が可能で、自動車工学の国際団体SAE Internationalの定義によると、一定の条件下では、自動車がすべての運転を行う。このバスは最初、観光地や空港などの、制御された、あるいは限定された地理的範囲内に配備される。

Baiduはカンファレンスの冒頭で、自動運転ミニバスの大量生産をKing Longとの提携により開始した、と発表した。バスは、福建省(Fujian province)の南東部、厦門(Xiamen)にあるKing Longの製造施設で生産される。

Baiduは自動運転バス事業を中国では北京、深圳、平潭、武漢などの都市で立ち上げる計画だ。

画像クレジット: Baidu

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世界を57兆個の小さな区画に分割してそれぞれにユニークな名前をつけたwhat3wordsに投資が殺到

what3wordsは、世界全体を57兆個の、一辺が3メートルの正方形に分割して、そのひとつひとつに3つの言葉を割り当てている。その同社がこのほど、新たな投資家3社を開示したが、それらはどれも自動車業界方面からだ。

what3wordsは木曜日(米国時間6/28)に、中国最大の自動車グループSAIC Motorのベンチャー部門と、Formula 1のチャンピオンNico Rosberg、そしてオーディオとナビゲーションシステムのAlpine Electronicsが、ロンドンの同社に投資を行ったことを発表した。これまでの投資家Intel Capitalも、そのラウンドに参加した。

その資金は、新しい市場開拓と製品開発に充てられる。

調達額は公表されていないが、この投資は、ユーザー体験を単純化し、音声コマンドで容易に使えて、企業を自動運転車両の時代に向けて準備させてくれる技術への、主に自動車業界の関心を示している。このアドレッシングシステムではひとつの位置にユニークな(それ一つしかない)3語の組み合わせを与えるから、これまでの音声操作のナビゲーションシステムの多くが抱えていた重大な欠陥をなくしてくれる。それは、道路名の重複だ。

同社は、これら57兆個の正方形に、25000語のボキャブラリーを持つアルゴリズムを使ってユニークな三つの言葉から成る名前を割り当てた。そのシステムは、what3wordsアプリで誰もが利用でき、1ダース以上の言語に対応している。たとえば、パリのエッフェル塔の特定のコーナーにいる友だちに会いたければ、3語のアドレス、“prices.slippery.traps”を送る。Airbnbのホストは3語のアドレスを使って、ゲストを分かりにくい入口に案内する。自動運転車には3語のアドレスを与え、大きなスポーツアリーナの特定のエントランスへ行かせる。

what3wordsのCEO Chris Sheldrickはこう語る: “今回の資金でこの会社が進むべき方向が固まった。それは、車やデバイスや音声アシスタントなどに行き先を指示する方法だ”。

今年の初めにwhat3wordsは、Daimlerが同社の10%株主になったことを開示した。Daimlerの株の一件と、最近公開された投資家(前述)は、いずれも同社のシリーズCラウンドの一環だ。

同社の奇抜なグローバルアドレッシングシステムは、Mercedesの新しいインフォテインメントとナビゲーションシステム…Mercedes-Benz User Experience, MBUX…が採用し、まずこの春にアメリカ以外の市場で発売されたハッチバックの新型Mercedes A-Classに載った。セダンのA-Classはアメリカ市場に今年の後期に来る。

TomTomが先月発表したプランでは、今年の後半に同社のマッピングとナビゲーション製品にwhat3wordsが組み込まれる。TomTomのナビゲーションや交通技術製品を採用している自動車メーカーは、Volkswagen, Fiat Chrysler, Alfa Romeo, Citroën, Peugeotなどだ。

同社はそのほかの自動車メーカーとも商談を進めており、それは、車のインフォテインメントシステムにwhat3wordsを取り入れてもらうことが目的だ。

画像クレジット: what3words

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[ビデオ]ふつうの円形の車輪が地形や地質に応じて三角形になる未来の軍用車両

DARPAは、そのGround X-Vehicle Technologies計画の一環として、未来的でしかも実用的な新しい軍用車両を披露した。イノベーションのひとつである構成を変えられるホイール・トラックは、カーネギーメロン大学のNational Robotics Engineering CenterとDARPAの共同開発だ。しかもそのホイール・トラックは、戦闘用車両を単なる武装を超えて生存性を強化するための設計要素の、ひとつだ。

ビデオでお分かりのように、構成を変えられる(reconfigurable, リコンフィギュラブル)ホイール・トラックは、円形の車輪から三角形のトラック(キャタピラー)への変形およびその逆をなめらかに約2秒で行い、しかも走行時にスピードを落とさずにそれができる。円形の車輪は硬い地面に合い、キャタピラー方式のトレッドはやわらかい地面で武装車両が自由に動ける。

Ground X-Vehicle計画のトップ、Amber Walkerによると、この技術は“車両の戦術的な動きと、多様な地形における行動性を大きく改良する”。…そのアドバンテージは、下図のGIF画像でお分かりいただけよう。

車輪の技術なんて、一見ぱっとしないが、結果は見た目にも印象が強いし、とってもスムーズだから、あらためて見なおしてしまう。

ビデオには、ほかにも見逃せない設計機能が映っている。そのひとつが、窓なし走行技術Virtual Perspectives Augmenting Natural Experiences(V-PANE)で、これは複数のLIDARとビデオカメラの像から、まわりの状況をリアルタイムで作りだす。そしてドライバーは3Dのゴーグルをつけて、VRによる窓からの光景を見る。そのVRは奥行きの把握と再現が強化され、ドライバーの頭の動きにリアルタイムで追従する。もちろん、さまざまな地形データ等も表示する。

画像クレジット: DARPA

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Uberのセーフティードライバーは自動運転車が死亡事故を起こしたとき道路でなくHuluを見ていた

【抄訳】
本誌TechCrunchが精読した警察の318ページの報告書によると、Uberの自動運転車を運転していたセーフティードライバーは、アリゾナ州テンピで歩行者Elaine Herzbergがぶつかって殺されたときに終わった43分間のテストドライブの間、下を向いてスマートフォンを見つめ、Huluの上でThe Voiceを何度も繰り返しストリーミングしていた。

テンピ警察署は木曜日(米国時間6/21)の夜おそく、3月にフェニックス郊外で起きた自動運転車の死亡事故に関する報告書をリリースした。その長い報告書は、セーフティードライバーRafaela Vasquezが事故時に彼女のスマートフォンで、The Showの番組をストリーミングしていたことを明かしている。

警察は、Vasquezの目は全行程11.8マイル(約19キロメートル)のうち3.67マイル(約6キロメートル)、すなわち約31%の間、道路を見ていなかったと判定した。

データに基づいて警察は、彼女の目が路上にあればVasquezはHerzbergに当たることを避けられた、と報告している。事件は、Vasquezを審理するマリコパ郡検事事務所へ送られ、彼女は危険運転致死罪で起訴されることになるだろう。

Uberのスポークスウーマンは次のように述べた: “進行中の捜査には今後も協力を続け、また弊社独自の内部的安全性調査も行う。弊社のポリシーでは、弊社の自動運転車を運転している者のモバイルデバイスの使用を固く禁じている。弊社の事業に対して行う変更の詳細を、近く共有する予定である”。

【後略】
〔以下は、この記事の内容とほぼ同様。今回の記事は、システム側ではなく人間側の事故原因にフォーカスしている。〕

画像クレジット: テンピ警察署

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa