Waymoが無人ロボタクシーサービスをサンフランシスコの従業員に提供

Alphabet(アルファベット)の自動運転部門のWaymo(ウェイモ)は米国時間3月30日、サンフランシスコの従業員に完全自律走行車による乗車の提供を開始したと発表した。

Waymoは、プレシディオからキャンドルスティックポイントの最奥部まで広がる「サンフランシスコの初期サービス領域」内で、乗客だけが乗り込む運行を開始し、そこから徐々に拡大していく予定だ。

このニュースの約1カ月前には、同社はカリフォルニア州公益事業委員会(CPUC)から許可を取得後、人間のオペレーターを乗せたロボタクシーの乗車でベイエリアの住民に課金し始めると発表した。また、8月にはWaymoのTrusted Testerプログラムが始まった。このプログラムでは、サンフランシスコの人々が登録して、やはり人間のオペレーターを乗せたWaymo Driver搭載の全電動自動車ジャガーIペースを無料で呼び出すことができるようになった。

サンフランシスコは、Waymoとその最大のライバルであるGM(ゼネラルモーターズ)の自動運転子会社Cruise(クルーズ)との間で、ある種の戦場と化している。Cruiseは2022年2月上旬、自社の完全自律走行の配車サービスの一般提供を開始したが、乗車料金を徴収するためには、まだCPUCの許可を得る必要がある。Waymoは、最終的にドライバーレス乗車で課金するための許可をすでに申請しているかどうかについては明らかにしなかった。

ただし、アリゾナ州フェニックスでは、CruiseはWalmart(ウォルマート)と共同で自律走行配送の試験運用を行っている。最近その試験運用は拡大されたものの、Waymoはロボタクシーの優位性を確立している。同社は2016年からフェニックスでテストを行っており、2020年にはそこで完全自律走行の公共配車サービスを導入した。サービスを通じて毎週数百回の乗車を提供している。

Waymoは2022年3月30日、フェニックスでのルーツを深め、Waymo Driverが最近自律走行距離50万マイル(約80万キロメートル)を達成したイーストバレーからダウンタウンに拡大することも明らかにした。これまでと同様、同社は自律走行スペシャリストを運転席に乗せての乗車をまず自社従業員に提供し、その後、同社のTrusted Testerプログラムを通じて一般の人々にもサービスを開放する予定だ。

Waymoの共同CEOであるDmitri Dolgov(ドミトリ・ドルゴフ)氏は声明で「安全で堅牢、かつ汎用性のある自律走行ドライバー、すなわちWaymo Driverを構築し、その能力と性能を地域や製品ラインの間でうまく移行させることに我々は注力しています」と述べた。「これまでの経験から、第5世代Driverをサンフランシスコですばやく、そして自信を持って展開することができたのと同じように、サンフランシスコとフェニックスのイーストバレーでの経験の組み合わせは、何百万マイルの実走行に基づき、何十億マイルのシミュレーション走行によって後押しされ、すでにフェニックスのダウンタウンでの当社の進歩を導き、完全自律配車サービスの将来の拡張のための準備となっています」。

Waymoは、現時点ではサンフランシスコとフェニックスでの保有車両数は共有しないと述べた。

画像クレジット:Waymo

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Nariko Mizoguchi

ミツバチを飼わずに精密発酵と植物科学で本物のハチミツを生産するMeliBio

MeliBioは、9000年の歴史があるハチミツの生産方法を一変させようとしている。同社の生産方法はハチをいっさい使わず、精密発酵と植物科学を利用する。

ハチミツ企業の役員だったDarko Mandich(ダーコ・マンディッチ)氏と、科学者でアマチュアのシェフでもあるAaron Schaller(アーロン・シャラー)氏は、全世界で100億ドル(約1兆1878億円)のハチミツ市場にサステナビリティを導入することを狙って、2020年にサンフランシスコで同社を立ち上げた。マンディッチ氏によるとこれまでのハチミツ産業は「サプライチェーンと品質管理が破綻している、最も持続可能性を欠く農業分野」だ。

マンディッチ氏の説明によると、彼の着想はWiredの記事でハチを巣箱で飼うやり方は、これまで2万種のハチの野生在来種を断ち、ハチの集団の多様性(ダイバーシティ)を失わせてきたという指摘を読んだときに生まれた。

「食べ物を持続可能にし、もっと栄養豊富にし、ハチたちをはじめ愛すべき動物たちを犠牲にしないようにするために、食品産業を変えたい」とマンディッチ氏はいう。

ただしハチの分野ではすでにBeewiseのような企業が精密なロボットを使って巣箱を自動化したり、またハチの健康管理をするBeeHeroのような企業もある。

関連記事:IoTでミツバチの動きや健康状態をリアルタイムで追跡するBeeHeroの精密受粉プラットフォーム

イスラエルのBee-ioは、同社が特許を持つバイオ技術を用いるハチを使わないハチミツ生産方法を追究しているが、しかしマンディッチ氏によるとMeliBioは、ハチを使わずに本物のハチミツを生産する最初の企業だ。製品はニューヨークの4つのレストランでテストを行い好評だった。

MeliBioのハチのいないハチミツ生産方法は、二段階になっている。まず植物科学により、ハチがどのように植物にアクセスして、蜜をつくるために何を得ているのかを理解する。

第2段階では、分子の組成を改良して製品とその大量生産を可能にする。そこに登場するのが、精密発酵だ。この精密発酵が、目的を達成するために役に立つ有機物を特定することで、食べ物にかけるだけでなく、パンなどでオーブンで焼けるようにするなどいろいろな使い方ができるようにする。

同社はこのほど570万ドル(約6億8000万円)のシード資金を調達して、外食産業やB2Bアプリケーションへの市場拡大に努めている。マンディッチ氏によると、すでにMeliBioは30社と提携しており、製品の評価事業に参加しているという。

シードラウンドをリードしたのはAstanor Venturesで、これにSkyview CapitalやXRC Labs、Collaborative Fund、Midnight Venture Partners、Alumni Ventures、Big Idea VenturesそしてHack Venturesらが参加した。

MeliBioのチーム。左からMattie Ellis(マティー・エリス)氏、アーロン・シャラー氏、ダーコ・マンディッチ氏、Benjamin Masons(ベンジャミン・メイソン)氏(画像クレジット:MeliBio)

Astanor VenturesのパートナーであるChristina Ulardic(クリスティーナ・ウラルディック)氏は次のように述べている。「MelBioの、植物科学と精密発酵を結びつけて次世代の食品技術を開発していくアプローチはすばらしい。ハチミツの商業的な生産のサプライチェーンから負担を取り除き、授粉者のダイバーシティを回復することに、ダーコとアーロンは情熱を燃やしている。そんな彼らの最初の製品にはとても感動しました」。

新たな資金は研究開発の継続と、微生物を利用する発酵工程の規模拡大、そして4月に予定している製品の正式な立ち上げに使われる。またマンディッチ氏は、正社員を年内に現在の4名から10名に増やそうとしている。14名の契約社員は現状のままだ。

同社はまだ売上を計上していないが、マンディッチ氏は製品が発売され、大手食品企業やレストランなどとの契約が実現すれば状況も変わると信じている。

次にマンディッチ氏が構想しているのは、市場規模5000億ドル(約59兆3760億円)の原材料市場に進出して、同社の精密発酵技術で未来の市場のマーケットシェアを獲得することだ。

「私たちは科学とオルタナティブな方法を利用して野生在来種のハチの負担を減らしています。ハチミツの需要は伸びていますが、私たちの方法ならハチの生物多様性を保全することができます。米国の企業は世界中からハチミツを輸入していますが、その過程はますます複雑になっており、品質も保証されていません。本物のハチミツでないこともありえます。しかし国内生産ができればサプライチェーンを単純化でき、サプライヤーは国内だけなので、納品の遅れや品質の問題もありません。MeliBioはハチミツを1日3交替、365日の稼働で生産するため、市場の他の製品と価格でも十分競合できるでしょう」とマンディッチ氏はいう。

画像クレジット:MeliBio

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(文:Christine Hall、翻訳:Hiroshi Iwatani)

Waymoがサンフランシスコでロボットタクシー乗車料金の徴収を開始

Alphabet(アルファベット)の自動運転部門であるWaymo(ウェイモ)は、カリフォルニア州公益事業委員会から、サンフランシスコで自律走行車によるライドヘイリングに乗車した人に料金を課すことを認める許可を得た。ただし、許可の規定に従い、人間のセーフティオペレーターが立ち会う必要がある。

このカリフォルニア州公益事業委員会(CPC)からの許可取得は、同社がサンフランシスコで自律走行車を商用化するための最終ステップの1つだ。2021年9月、カリフォルニア州自動車局はWaymoに同市での運転者同席許可証を与え、それにより同社は自社の自律走行車が提供するサービスの対価を受け取ることができるようになった。

この許可は、Waymoが特別にロボットタクシーサービスに料金を課すことを許可するものではなかったが、同社は自律配送から収益を得ることができた。11月、同社はスーパーマーケットチェーンのAlbertsons(アルバートソン)と提携し、サンフランシスコで一部の顧客に食料品を配達している。

Waymoは2021年8月から、サンフランシスコで十分に精査された個人のグループである「Trusted Tester」プログラムのメンバーに無賃乗車を提供している。これは、乗車体験に関する詳細なフィードバックを提供してもらい、同社のサービスに関する学びを手助けするものだ。同社によると、テスターは秘密保持契約書にサインしてプログラムに参加し、ウェイティングリストは数万人に上るという。

今後数週間のうちに、WaymoのSFサービスエリア内であれば24時間365日どこでも有償で乗車できるよう、同社はこのプログラムを発展させる予定だ。

Waymoの広報担当者であるNick Smith(ニック・スミス)氏はTechCrunchに「我々は完全自律走行体験を一般に展開するための道筋を、段階的なアプローチで進めています」と語っている。「それは、私たちがアリゾナで取ったアプローチで、これは 私たちの安全への焦点に深く基づいています。そしてそれは、私たちが今後運営するどの都市でも取るであろうアプローチです。まず、自律走行モードで自律走行スペシャリストがハンドル操作を管理する状態で開始し、選ばれたテスターに、料金を徴収開始する前に無料で乗車を公開します。最終的には、ライダーのみのモード(他に誰も乗っていない状態)での運行に移行します。アリゾナでは、何千人ものライダーがライダーのみのモードで何万回もの移動をこなした実績があり、この方法はサービス運営に関する学びを得るのに役立っています」と語る。

同社は、同社の自律走行型Jaguar I-PACEを何台保有しているのかは共有していないが、最新のCPUC四半期報告書では、Waymoは報告期間中のある時点でライダーによる移動に利用できる車両を約100台保有していたことが判明した。

同社のライドヘイリングサービスであるWaymo Oneは、アリゾナ州フェニックスですでにドライバーレスサービスとして提供されており、このサービスがどの程度のコストになるかの指標となるはずだ。最近のCNBCのレポートによると、5mil(約8km)を14分かけて走った場合、結局1分あたり約1ドル(約115円)のコストがかかったという。Uberの平均的な乗車時間は1分あたり約0.40ドル(約46円)である。

「価格設定は合理的で、サンフランシスコの他のサービスと競争力のあるものになる予定ですが、現時点で共有できる具体的な内容はありません」とスミス氏は語る。

Waymoが有料乗車に完全移行したら、サンフランシスコのTrusted Testerの無料乗車を停止すると、スミス氏は述べた。

同市におけるWaymoの最大の競合であるCruise(クルーズ)は、Waymoがドライブレスの許可を得たのと同じ日にカリフォルニア州陸運局からドライブレスの展開許可を得ており、2月初旬から一般市民に対して人間のセーフティ・オペレーターを介さない無料乗車を提供している。Cruiseは、それらの乗り物を有料化するためのCPUCの許可をまだ待っているところだ。Waymoは、DMVにドライバーレス許可証を申請したかどうかについてコメントするのを避けた。

関連記事:Cruise、サンフランシスコの公道で自動運転タクシーの一般乗車開始へ

画像クレジット:Waymo

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Akihito Mizukoshi)

CruiseとWaymoを追う中国の自律走行車企業AutoXがサンフランシスコでテスト開始へ

米国とお膝元の中国の両方で事業展開する自律走行車企業AutoX(オートエックス)は、最大のライバル企業が商用化に向け忍び寄っているサンフランシスコに進出する。

2016年からサンノゼ広域圏で車両のテストを行ってきたAutoXは、ロボタクシー事業を開始し、サンフランシスコにオペレーションセンターを建設する計画を明らかにした。このセンターでは、車両のハウジング、メンテナンス、充電のほか、車両が現地で収集したデータの処理、センサーのキャリブレーションなどを行う予定だ。Professor Xとも呼ばれる、AutoXのCEOであるJianxiong Xiao(ジアンション・シャオ)博士によると、同社はサンフランシスコのローカルチームを構築するために採用を行っているとのことだ。

AutoXはまず、同社の最新の第5世代AVプラットフォームと冗長ドライブバイワイヤシステムを搭載したハイブリッド車のFiat Chrysler Pacifica(フィアット・クライスラー・パシフィカ)を用いて、人間の安全オペレーターが運転席に乗り込んでのテストを始める予定だ。同社はすでに、カリフォルニア州自動車局(DMV)から、人間の安全オペレーターが乗り込んでの試験が可能な「ドライバー付き試験許可証」と、人間の安全オペレーターなしで試験が可能な「ドライバーレス試験許可証」の両方を取得している。しかし、AutoXのドライバーレス試験許可は第3世代の車両に対するものであり、またエリアがサンノゼに厳しく限定されているため、同社はサンフランシスコの最新システムを使ったドライバーレス試験も行うために、DMVにその許可の拡大をリクエストする必要がある。

Dongfeng Motor(東風汽車)の支援を受けているAutoXは、サンフランシスコでのテストのためにいつドライバーなしにする予定かは明言しなかったが、サンノゼでのドライバーレステストは継続すると述べた。

AutoXは、Cruise(クルーズ)やWaymo(ウェイモ)といった企業が実際に商業運転を開始している中で、サンフランシスコに進出する。Cruise、WaymoどちらもDMVから車両配備の許可を得ており、自律走行車を使った運行で課金することができる。Cruiseはまだ、ロボットタクシーサービスの料金を請求する前に、カリフォルニア州公益事業委員会から最終的な許可を得る必要があるが、General Motors(ゼネラルモーターズ)傘下の同社は、ドライバーレスの配車サービスを一般向けに開始する際に、投資家のソフトバンクから13億5000万ドル(約1564億円)を追加で調達したばかりだ。

DMVが2日に発表した年次離脱報告書によると、Waymoは2021年にカリフォルニア州の公道で230万マイル(約370万キロメートル)の自律走行を行っており、これは競合他社を大きく上回っている。そして、Cruiseが人間のセーフティドライバーの有無にかかわらず、約90万マイル(約144万キロメートル)を走行して2位だった。

同データによると、安全オペレーター付きで約5万マイル(約8万キロメートル)しか走行していないAutoXは、自社車両のドライバーレステストを一切報告していない。とはいえ、AV開発企業は、プライベートコースやクローズドコースで行ったテストを報告する必要はない。

AutoXはカリフォルニア州に車両44台を保有しているとのことだ。DMVのデータによると、2021年にAutoXの自律走行テストに使用されたのは全車両のうちわずか6台だった。同社は、新型コロナウイルス感染症の影響でテストの規模を縮小したことが原因だとしているが、2022年は再び強化する。

また、AutoXは中国でも大規模な事業拡大を図っており、1000台のロボタクシーを広州、上海、北京、深センの各都市に配備しているという。同社はロボタクシーの乗車回数は公表していない。

AutoXは、計算プラットフォームや各種センサーを含むフルスタックハードウェアの自社開発能力を頻繁にアピールしている。このような技術の開発に加え、サンフランシスコでの事業拡大や中国でのロボタクシーの増車などを考えると、相当な額の資金が必要になる。

同社が最後に公に発表した資金調達は2019年のシリーズAで、この投資によりAutoXの総調達額は1億6000万ドル(約185億円)となった。参考までに、AutoXの中国における競合他社のほぼすべてが2021年に資金調達を行っている。Momenta(モメンタ)は12億ドル(約1390億円)、Pony.ai(ポニーエーアイ)は11億ドル(約1274億円)を調達し、WeRide(ウィーライド)は5カ月の間に6億ドル(695億円)超を、比較的若い企業のDeeproute.ai(ディープルートエーアイ)は2021年9月時点で3億5千万ドル(約405億円)を調達している。

AutoXがなぜ少ない資金でこれだけの事業を行えるのかという疑問に対して、シャオ氏はTechCrunchに、確かに今後数カ月のうちに資金を調達しようとしているが、これまでの投資家からの支援に加え、ロボタクシーサービスに対する中国の巨大市場に頼っていると語った。

画像クレジット:AutoX

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Nariko Mizoguchi

Apple News、初のデイリーローカルニュースレターをベイエリアの読者向けに配信開始

Apple News(アップル・ニュース)は、初のデイリーローカルニュースレターをベイエリア向けに導入した。他の都市への提供拡大も積極的に検討している。ベイエリアのデイリーローカルニュースレターは、日刊の地方紙を思わせるもので、地元ニュース、スポーツ、政治、食事などの分野にわたって主な最新ニュースを掲載している。これらの記事はSan Francisco Chronicle(サンフランシスコ・クロニクル)、SF Gate(SFゲート)、Eater SF(イーターSF)、KQED、The Oaklandside(オークランドサイド)など、数多くの出版物から編集されたものだ。

このニュースレターに掲載される記事はすべて、アルゴリズムによって選択されるのではなく、Apple Newsの編集者によって監修されている。これは、クリックベイトのような価値の低いコンテンツの再循環を減らすためだ。Apple Newsは、このベイエリア向けニュースレターを、地域における1日の終わりのダイジェストとして、注目すべきニュースや身の回りで起こっていることに関する情報を伝えるものだと考えている。デイリーローカルニュースレターは、より多くの読者に全米のニュースを配信するApple Newsのデイリーニュースレターに追加される。

Twitter(ツイッター)のRevue(レヴュー)買収や、Facebook(フェイスブック)のニュースレタープラットフォーム「Bulletin(ブレティン)」など、多くのテクノロジー系企業がニュースレターをサービスの一環として追加している時期に、アップルはこのサービスを開始した。ニュースレタープラットフォームのトップ企業であるSubstack(サブスタック)がシリーズBの時点で6億5000万ドル(約743億円)の評価を受けたことでも、旧来型のニュースメディアの市場規模が大きいことがわかる。これには、新聞社のウェブサイトの使い勝手が低下していることも、少なくとも部分的な原因になっている。

もしアップルがより多くのデイリーローカルニュースレターを展開することになれば、いくつかの市場から選ばれることになるだろう。現在、Apple Newsはサンフランシスコ、ベイエリア、ニューヨーク、ヒューストン、ロサンゼルス、サンディエゴ、サクラメント、マイアミ、シャーロット、サンアントニオ、ワシントンD.C.という11の市場でローカルニュースを提供している。アップルは、今後さらに多くの都市でローカルニュース機能を開始する予定だと述べている。

アップルがローカルニュース機能に力を入れるということは、Flipboard(フリップボード)やSmartNews(スマートニュース)のような、米国の何千もの都市でローカルニュースを提供している他のニュースアグリゲーターサービスとのさらなる競争に、目を向けていることを示している。

関連記事:スマートニュースのローカルニュース機能が米国6000以上の都市で利用可能に

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Aisha Malik、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

Cruise、サンフランシスコの公道で自動運転タクシーの一般乗車開始へ

GMの子会社で自動運転技術を手がけるCruise(クルーズ)は、SoftBank Vision Fund(ソフトバンク・ビジョン・ファンド)から13億5000万ドル(約1546億円)の新たな投資を受け、商用化に向けてさらなる一歩を踏み出す。同社は米国時間2月1日、無人運転のロボタクシーサービスを、サンフランシスコの公道で一般向けに公開すると発表した。

ソフトバンクは以前、Cruiseが商業的に展開する準備を整えた時点で、当初の9億ドル(約103億円)に加えて13億5000万ドルを追加投資すると約束していた。

Cruiseは公式ウェブサイトを通じて一般からの乗車申し込みを受け付けている。今のところ、乗車料金は無料だ。同社は2月1日のブログ記事で、予約申し込みに参加した一般の人々は、サービスを利用する前に秘密保持契約に署名する必要はないと述べている。同社の広報担当者によると、1月27日に乗車を終えた友人や家族の少人数グループがいたが、彼らは今朝まで秘密保持契約の下にあったという。

Cruiseの広報担当者によると、無人運転サービスは当初、午後11時から午前5時までとなっているという。夜間の運転は、最もインパクトを与えられる場所から始めて、そこから計画的に拡大していくという戦略の一環であるとのことだ。Cruiseは「Chevy Bolt (シボレー・ボルト)」の自動運転車をサンフランシスコ市内で走らせてテストする。ただし、この無人運転サービスは、ヘイト・アシュベリー、リッチモンド地区、チャイナタウン、パシフィック・ハイツ地区内の特定の地域や道路に限定される。

Cruiseは、人間のドライバーが運転しない車両の運行および課金に必要な許可をほぼすべて取得している。カリフォルニア州自動車局からは、運転手付き車両と運転手なしの車両をテストおよび運用するために必要な3つの許可を取得しており、そのうちの1つは一般人の乗車を許可するものだ。同社はカリフォルニア州公益事業委員会に、乗車料金を請求するための許可証も申請しているが、こちらの許可はまだ取得できていない。

画像クレジット:Screenshot

この数週間、Cruiseの従業員が、安全のための人間の運転手が乗車していない無人運転車に乗っている様子を撮影した動画を投稿している。GMの会長兼CEOであるMary Barra(メアリー・バーラ)氏は、最近になって乗車した。

同社では、社員が一般の人を指名できるようにしており、すでに何人かの人が乗車しているという。Cruiseはこのプログラムを「Cruise Rider Community(クルーズ・ライダー・コミュニティ)」プログラムと名付けている。社員から指名された人や、乗車予約を申し込んだ人は、最初の一般乗客となるパイプラインに組み込まれるという。

Cruiseは、Dan Ammann(ダン・アマン)CEOの突然の退任を受けて、このサービスの一般公開に踏み切った。同社の共同設立者であるKyle Vogt(カイル・ヴォクト)氏が、現在はCTOと同時に暫定CEOを務めている。

画像クレジット:Cruise

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

サンフランシスコ湾上での「空飛ぶタクシー」飛行テストをJoby Aviationが計画

Joby Aviation(ジョビー・アビエーション)が、注目を集める「空飛ぶタクシー」の連続飛行をサンフランシスコ湾上で行う許可を求めていることが、FCC(米国連邦通信委員会)に提出された書類からわかった。

このスタートアップ企業が開発した「S4」と呼ばれる第2世代の試作機にとって、これが初めて衆人環視の中、都市環境で行う飛行テストとなる。

サンフランシスコで計画されているテストは、サンフランシスコ湾の2つの主要な観光スポットを中心に行われる。1つはゴールデンゲートブリッジとアルカトラズ島の中間地点、もう1つはベイブリッジの南側、アラメダに近い地点だ。

Jobyのマーケティングコミュニケーションブランド部門で責任者を務めるOliver Walker-Jones(オリバー・ウォーカー・ジョーンズ)氏は「私たちは現在、限られた回数のフライトを行う可能性を検討している初期段階にあります」と述べている。「確定した計画はまだなく、飛行許可を確実に得るためには、地方自治体や連邦政府のさまざまな機関と協力する必要があります。とはいえ、これは非常にエキサイティングなことです」。

Jobyは2021年、電動垂直離着陸機(eVTOL)による数々の記録を打ち立てた。最長飛行距離155マイル(約250キロメートル)、最高時速205マイル(約330キロメートル)、さらに最高度記録も更新したと、同社はTechCrunchに述べている。

「私たちは最近、海抜高度7000フィート(約2.1キロメートル)を超えるフライトを何度か行いました」と、ウォーカー・ジョーンズ氏は語る。これらの飛行はすべて、カリフォルニア州サンタクルーズ周辺の人里離れた沿岸部や私有地の上で行われた。今度の湾上飛行は、これらの記録に続くマイルストーンとなる。

最近の記録的なフライトと同様に、完全電動マルチプロペラ式で5名乗車可能なS4は、人を乗せずに今度のテストを行う予定だ。FCC、FAA(米国連邦航空局)、および市当局の許可が必要となるこのテストは、近くの地上コントロールステーションから遠隔操作で行われる。

Jobyが提出した申請書によると、飛行時間は通常1時間で、主に水上を飛行し、最大高度は海抜5000フィート(約1.5キロメートル)となる予定だという。この翼幅約40フィート(約12.2メートル)、重量4400ポンド(約2000キログラム)の航空機が、どこで離陸、着陸、充電を行うかは明らかにされていないが、それは地上で行うことになるだろうと、ウォーカー・ジョーンズ氏はTechCrunchに語った。

Volocopter(ボロコプター)はシンガポールの水上で、eHang(イーハン)は南アジアの都市の上空で、それぞれeVTOLのデモンストレーション飛行を行っているが、Jobyの飛行が承認されれば、米国の都市では初の本格的なエアタクシーの飛行となる。

今回のテスト飛行は、実物大の航空機を遠隔操作するために使う無線機器の評価が目的とされている。「飛行試験は、Jobyが開発中の新しい航空機技術が、FAAの飛行認証を取得するための継続的な取り組みに不可欠で必要な要素である」と、FCCの申請書には書かれている。

2021年夏にSPAC(特別買収目的会社)による11億ドル(約1270億円)の株式を公開を行ったものの、それから株価が50%も下落した同社にとって、このドラマチックな公開テストはメディアに大きく取り上げられることが期待できる。

「無線機のテストが、この地域で行う実証飛行の目的です」と、ウォーカー・ジョーンズ氏はいう。「もちろん、将来的にはポジティブなメリットもあります。都市部で技術を実証すれば、最終的に運用することになる場所に、これがどのように適合するかを、人々に見て理解してもらえますから」。

今回のテストは、最先端のeVTOL機を「戦略的能力ポートフォリオ」に加えたいと考えている米空軍との複数年にわたる4500万ドル(約52億円)の契約の一環でもある。

現在、Jobyが所有する2機のS4量産前試作機が、FAAと米空軍から実験的運用の認定を受けている。

2021年4月にFAAに提出された書類によると、2019年10月から飛行している最初の量産前試作機は、562回のテスト飛行を終え、約27時間の飛行時間(平均飛行時間が3分未満という意味になる)を記録しており、時速80マイル(約時速129キロメートル)を超える速度や1000フィート(約305メートル)以上の高さでは飛行していない。

ウォーカー・ジョーンズ氏によると、Jobyは航空機の可能性を徐々に追求する「限界範囲拡大活動」の一環として、これらの過去の記録を塗り替えているという。同社は先日、S4が公称最高速度の時速200マイル(約時速322キロメートル)をわずかに超え、時速205マイル(約330キロメートル)のテスト飛行を行ったと発表している。ウォーカー・ジョーンズ氏によると、試作機はこの1月だけで20分以上のミッションを17回行ったという。高度7000フィートの記録が確認されれば、一般的にエアタクシーが都市内や都市間における短距離飛行の運用で期待される高度を、はるかに上回ることになる。

Jobyが2021年4月にFAAに提出した書類によると、同社は今後2年間で最大4機のS4試作機を製作し、最大600回のテスト飛行を行うことが予定されている。その後、商業運航のために必要なFAAの型式認証要件を満たす最終設計に移行する。

Jobyは2022年中に航空会社としての認定を受け、2024年には旅客輸送サービスを開始する予定だ。この時点では、資格を持ったパイロットが搭乗することになる。同社は2021年、都市不動産会社であるReef Technology(リーフ・テクノロジー)と契約を結び、ロサンゼルス、マイアミ、ニューヨーク、サンフランシスコ・ベイエリアの都市部にある駐車場の屋上に離着陸場を開発することになった。

関連記事:Joby Aviationが空飛ぶタクシー乗降場所として立体駐車場に注目

2021年9月には、NASAがJoby S4の離陸・飛行・着陸時の音響テストを行っている

SECに提出した書類によると、同社の航空機は従来のヘリコプターの100倍以上の静粛性を備え「都市の背景の騒音に溶け込みながら、密集した都市部を中心に運用できる」ことが期待されるという。NASAとJobyにTechCrunchが尋ねたところ、音響テストの結果はまだ公開されていないとのこと。

2021年1月、Jobyは配車サービス大手のUber(ウーバー)による7500万ドル(約86億4000万円)の投資の一環として、Uberの航空輸送事業であるUber Elevate(ウーバー・エレベート)を買収した。Jobyは11月のSEC提出書類で、Elevateの資産をわずか2000万ドル(約23億円)と評価しており、その価値のほとんどは自動化、マルチモーダル、シミュレーションのソフトウェアによるものと表していた。

サンフランシスコで行う飛行テストについて、JobyのFCC申請はまだ保留されている。

画像クレジット:Joby Aviation

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(文:Mark Harris、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

勢いを増すフェイスブックやDropboxの初期エンジニアが設立したアンチインキュベーター「SPC」

サンフランシスコのサウスパーク地区に数十人のエンジニアが集まるコミュニティ「サウスパークコモンズ(SPC)」ができたとき、結成から1年後の2017年にニューヨーク・タイムズ紙が紹介した以外は、ほとんど公に知られることはなかった。

SPCはFacebook(フェイスブック)初の女性エンジニアであるRuchi Sanghvi(ルチ・サングヴィ)氏が設立した。同氏は当時、SPCの野望はブルームズベリーセット(20世紀前半の英国の芸術家・学者グループ)やBenjamin Franklin(ベンジャミン・フランクリン)のジュントクラブ(フランクリンが創設した切磋琢磨のためのグループ)のようなものを、テック界にもつくることだと説明した。そこで人々は、個々人の、あるいは共通の経験を語り合い、その過程で新しいアイデアを形成するのだ。

早い話、SPCによると、この試みはうまくいっているという。2018年に5500万ドル(約62億円)のベンチャーファンドを立ち上げ、コミュニティのメンバーから生まれた複数のプロジェクトに投資した。現在、ベイエリアと世界各地に450人のメンバーがいる。テック界の著名人や機関投資家からの資金で、新たに1億5000万ドル(約170億円)のファンド組成を完了したばかりだ。

また、SPCは非常に価値の高いポートフォリオを有しているという。サングヴィ氏によれば、SPCのデビューファンドは、すでに投資家に対し、資本にいくらかの果実をつけて返還している。これは、分散型融資のためのオープンソースプラットフォームであるCompound Labsのおかげであり、そのトークンを初期の株主に一部分配した。同氏によると、SPCは他にも10~12社のいわゆるユニコーンをポートフォリオに抱えている。

TechCrunchは米国時間12月17日、サングヴィ氏とその夫でビジネスパートナーのAditya Agarwal(アディティア・アガーワル)氏と話した。アガーワル氏は、Facebookで初期のエンジニアとして活躍した後、サングヴィ氏と共同でスタートアップを設立した。同社は2012年にDropbox(ドロップボックス)に売却された。これは人材獲得を目的とした買収だったといわれている。(サングヴィ氏はDropboxにオペレーション担当VPとして2年勤めた。Dropboxのエンジニアリング担当VPとして入社したアガーワル氏は2016年にCTOに昇進し、2018年に退職、SPCのサングヴィ氏に合流した)。

ここまで、SPCのコミュニティの進化について少し長く触れた。元々は物理的な場所として始まり、パンデミック後は高度に構造化された仮想社会となった。だが、SPCは依然として、現実の世界で人々を結びつけることに重点を置く。

実際、サングヴィ氏とアガーワル氏はオフラインでの交流の力を強く信じている。そのため、サンフランシスコに加え、ニューヨークも拠点として現在計画中で、シアトルや東南アジアなど、他の拠点も続く可能性があると話す。

SPCのメンバーの約70%は「技術系」だが、残りの30%は「特定領域の専門家またはオペレーションの知見がある人、あるいは学者」だとサングヴィ氏はいう。この構成は意図的なものだ。「おもしろいのは、優秀な起業家と話すときに、他の起業家と知り合いになりたいかと尋ねると、答えはいつも『ノー』なんです」と同氏は笑いながら語る。「彼らは、AIアルゴリズムでスタンフォード大学のチームを打ち負かした専門家とは知り合いになりたいのです。だから、そうしたオペレーションの専門家がコミュニティに混ざっていることは、非常に価値があります」。

そうしたつながりは、友情と新鮮なアイデア以上のものをもたらしているようだ。アガーワル氏によると、この組織のメンバーの50%以上は、共同創業者や創業時の従業員をコミュニティ内で見つけたそうだ。SPCは、新進気鋭のチームと接触するY Combinatorや、大企業の経営幹部に目をつけているVCとは異なる。SPCが捕まえようとしているのは、明らかに才能があり、おそらく多くの需要があるにもかかわらず、最後の仕事を終えたあと、次に何をするかまだ決めておらず、それについて考えるために少し時間が欲しい、といった人だ。

ふわっとしているかもしれないが、SPCが見つけたいのは、次にしたいのは単にアイデアを自由に探ること、といった人たちだ。アガーワル氏は「私たちは『マイナス1からゼロの段階』にある人々が、会社を始めることを可能にするなるための学習コミュニティのようなものです」と言い「その過程でスタートアップが生まれれば、ファンドから投資します」。

その他に知っておくべき点として、メンバーは「卒業」するまでの9カ月間、コミュニティ内で密接に働く傾向があるということがある。卒業とはつまり、新しいスタートアップのコンセプトに対し100万ドル(約1億1300万円)以上の資金を調達するか、4人以上のフルタイム従業員を抱えるか、仕事を得るかである(アイデアの探求が、必ずしも起業につながるとは限らない)。

コミュニティメンバーが資金調達の段階に達した場合、早い段階で合意されるのが、SPCに投資の先買権を与えることである。各メンバーはSPCのファンドへの投資に招待され、多くのメンバーがこの申し出に応じる。サングヴィ氏によれば、SPCの1億5千万ドル(約170億円)の新ファンドには、100人の会員が投資家として名を連ねている。

投資の形態はといえば、ごく一般的なものである。アガーワル氏によれば、SPCは通常、70万〜200万ドル(約7900万〜2億2600万円)の範囲で、会社の7〜10%に投資する。また、SPCのネットワークが非常に貴重であるため、その後、投資に参加するベンチャーキャピタルは、自分たちの短期的な利益のためにSPCの持ち分を希薄化するのではなく、SPCが出資比率を維持できるようにするのが一般的であるという。

確かに、この方式は今、うまくいっているように見える。SPCの物理的および仮想的「廊下」を通過する企業には、Compound Labsに加え、ブロックチェーンのデータを整理するためのインデックスプロトコルであり、イーサリアム創設者のVitalik Buterin(ヴィタリック・ブテリン)氏から公に支持を得ているThe Graph、Sequoia CapitalとIndex Venturesが投資し、12億ドル(約1360億円)の評価額がついている会計ソフトウェアメーカーのPilot、法人向け不正行為監視ノーコードソフトウェアのスタートアップで、7月にTiger GlobalがリードしたシリーズBで3400万ドル(約38億円)を集めたUnit21などがある。

SPCは、サングヴィ氏とアガーワル氏の2人のゼネラルパートナーに加え、Dropboxで売上分析と国際展開を担当したMitra Lohrasbpour(ミトラ・ローラスブール)氏と、サングヴィ氏のチーフスタッフとして2年を過ごしたFinn Meeks(フィン・ミークス)氏を投資家に数える。

参考までに、SPCの新ファンドは前回の3倍の規模だが、アガーワル氏は、これ以上積極的に投資することはないと話す。

「私たちは量より質に重きを置いています」と同氏はいう。「質がすぐに向上するなら、それはそれですばらしいことですが、そうなるとは思っていません」。

画像クレジット:Getty Images

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(文:Connie Loizos、翻訳:Nariko Mizoguchi

Waymoの自動運転車がサンフランシスコで歩行者をはねる、当時はマニュアルモードつまり人が運転していた

サンフランシスコで現地時間12月15日夕方に歩行者をはねたWaymo(ウェイモ)の自動運転車「Jaguar I-Pace」はマニュアルモードだった、と同社はRedditに投稿された第1報に回答するかたちで語った。Waymoによると、その時車両はマニュアルモードになっていた。実際に運転していたのは、ハンドルを握っていた人間のセーフティドライバーだったということだ。

この事件を説明したKWilletsによるRedditへの投稿には、サンフランシスコのローワー・ハイト地区に停車しているWaymoのテスト車両の写真が掲載されていた。現場には消防車と数人の救急隊員も写っている。目撃した事故後の様子を記したKWilletsの投稿には、こう書かれている。

2021年はこれ以上悪くならないと思っていた矢先、ドーンという音が聞こえた。何事かとベッドから飛び起きた。

近隣の誰かが向こう側のライドシェアの車両から降りてきて、1人が道を横切って渡り、もう1人は車両の後ろで明らかに写真を撮っていた。サンフランシスコ市警察のパトロールが立ち止まって、道を渡るときには気をつけなさいとか何とかを言っていたところに、近くの車線をWaymoが通り、渡り終えた人をはねた。彼は車に戻る途中だったのだと思う。被害者は意識があり、その後立っていたが、より正確な診断のためにサンフランシスコ総合病院に行ったという。無事であることを祈る。

Waymoなんてものはないと言われても、僕とおじいちゃんはあると思っている。

その後、この事件はTwitterで取り上げられ、さらに注目を浴びた。WholeMars Catalogの名でツイートしている有名なTesla(テスラ)ファンのOmar Qazi(オマール・カジ)氏とのやり取りの中で、Waymoの広報担当者が回答し、車両がマニュアルモードになっていたと述べた。

TechCrunchがWaymoに連絡を取ったところ、同社は以下の声明を出した。

米国時間12月15日の夕方、サンフランシスコのハイト通りのウェブスターとブキャナンの間のブロックで、当社の車両が衝突を起こしました。車両がマニュアルモードで走っていたときに、道路にいた歩行者と接触しました。歩行者は現場で怪我の手当てを受け、救急車で病院に搬送されました。当社の車両が走行する地域社会の信頼と安全は我々にとって最も重要であり、地元当局と連携してこの事件の調査を続けていきます。

Waymoは、カリフォルニア州、特にマウンテンビューとサンフランシスコ周辺において、何年も前から自動運転車のテストを行っている。Waymoはサンフランシスコでのテストを活発化させており、その結果、自動運転車全般、そしてより具体的には同社自身に注目が集まるようになった。例えば同社の自動運転車が次々と同じ行き止まりの道に入り、Uターンを余儀なくされたことから、Waymoは地元のニュースに取り上げられるようになった。

Waymoは自動運転車の規模について正確な数字を提供していないが、TechCrunchに対し「サンフランシスコに数百台の車両を保有している」と語った。同社のサンフランシスコでの活動は2021年、特に8月にTrusted Testerプログラムを開始し、研究プログラムを従業員だけでなく、一部の一般人にも開放して以来、活発になっている。このプログラムでサンフランシスコの人々は、同社の全電動の「Jaguar I-PACE」の自動運転車に乗ることができる。依然として、セーフティドライバーが運転席に座っている。

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Nariko Mizoguchi

ブルーカラーに特化したHRテック企業のSenseにソフトバンク・ビジョン・ファンド2が出資

Sense(センス)は、世界最大級の人材派遣会社や人材紹介会社がタイムリーに人材を見つけて採用するための支援を行うHRテックのスタートアップ企業だ。同社が新たな資金調達ラウンドで評価額を5億ドル(約565億円)に拡大したと、関係者がTechCrunchに語った。

サンフランシスコに本社を置くこのスタートアップは、シリーズDの資金調達ラウンドで5000万ドル(約56億5000万円)を調達したという。SoftBank Vision Fund 2 (ソフトバンク・ビジョン・ファンド2)が主導したこのラウンドは、創立から5年半の間にSenseが調達した資金の総額を9000万ドル(約101億7000万円)に押し上げた。シリーズCラウンドを終了してからわずか6カ月で、同社の評価額が何倍にもなったことがTechCrunchの取材で明らかになった。

Senseは、ブルーカラーの労働者の要求に応えることに注力し、企業が人材のライフサイクル全体を管理することを支援する。

ナレッジワーカー(知識労働者)の採用には半年もかかることがあるが「倉庫の梱包作業者を雇用するような世界では、企業はその日中にその人を入社させる必要に迫られています」と、Senseの共同設立者であり最高経営責任者であるAnil Dharni(アンリ・ダルニ)氏はTechCrunchによるインタビューで説明した。同氏は、評価額についてはコメントを避けた。

現在、プロフェッショナルソーシャルネットワークなどの採用プラットフォームの大半は、知識労働者向けに設計されていると、ダルニ氏はいう。「しかし、Uber(ウーバー)のドライバーやAmazon(アマゾン)の倉庫作業員のような人々に、そのようなプラットフォームは関係ありません」と同氏は述べ、課題を表現した。

人材の適格審査に、自動化や人工知能、パーソナライゼーションを活用しているというこのスタートアップ企業は、600以上の企業を顧客に持ち、Amazon、Sears(シアーズ)、Vaco(バコ)、Kenny(ケニー)などの企業が、Senseプラットフォームを使って採用規模を拡大しているという。

Senseの顧客は同社のプラットフォームを利用することで、選考できる候補者の数が平均で263%増加し、採用にかかる時間が最大で81%短縮されたと、Senseは社内数値を引用して述べている。

「今回の資金調達は、今日の売り手市場の世界で、パーソナライズされた人材エンゲージメントの必要性を検証するというだけでなく、私たちが将来の仕事の形を変える手助けをするために、当社のプラットフォームをグローバルに加速させるものです」と、ダルニ氏は述べている。

Senseは、チャットボットをはじめとするさまざまなサービスを提供しており、企業が雇用慣行からバイアスを取り除くのに役立っていると、ダルニ氏は語る。

ダルニ氏によれば、この1年半の間に、同社のプラットフォームは医療従事者の雇用にも利用されるようになっているという。

ダルニ氏は前職の会社で人材採用の課題に直面したことがきっかけで、Senseを起ち上げる着想を得たという。同氏は以前、ゲーム会社のFunzio(ファンジオ)を共同設立している。この会社はGREE(グリー)に2億1000万ドル(約238億円)で買収された。

「人材が企業を左右することを実感しました。適切な人々を集めることができなければ、その会社は成功しないでしょう。TAM(獲得可能な最大市場規模)やビジネスモデルがどうであるかは関係ありません」と、ダルニ氏は語った。

「このような認識のもと、私たちが次に起ち上げるスタートアップは、人材確保のためのソリューションを提供するものにしようと決めました」。

ダルニ氏によると、Senseは2000億ドル(約22兆6000億円)規模の機会を狙っているが、そのほとんどがまだ未開拓だという。

Senseは過去1年間で売上高と従業員数を2倍以上に増大させた。今後は、西ヨーロッパを含むいくつかの市場で事業を拡大していく計画であると、ダルニ氏は述べている。

SoftBank Investment Advisers(ソフトバンク・インベストメント・アドバイザーズ)のマネージング・パートナーであるSumer Juneja(シュメール・ジュネジャ)氏は、声明の中で次のように述べている。「私たちは、顧客の企業が質の高い人材をより早く見つけて採用できるようにするために、Senseのプラットフォームが重要な役割を果たすことは明らかだと確信しています。それを国内およびグローバルに拡大していくとともに、企業がどうやって優れたチームを作り競争するかを、積極的に変革していく彼らの能力に疑いの余地はありません」。

画像クレジット:Sense

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(文:Manish Singh、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

Riot Gamesの新eスポーツ社長がNBAとのコラボ、Netflixヒットシリーズ、NFTについて語る

米国時間11月21日、NBAゴールデンステート・ウォリアーズ対トロント・ラプターズの試合中に演出されたイベントで、Riot Games(ライアットゲームズ)の新eスポーツ社長であるJohn Needham(ジョン・ニーダム)氏が、スポーツファンで埋め尽くされたスタジアムに「League of Legends(LoL)」のTシャツをパラシュートで落下させ、シネマティックトレーラーとともに、世界最大級のeスポーツトーナメントが北米で復活することを発表した。

これは、2022年11月に開催される「2022 League of Legends World Championship」の決勝戦が行われるサンフランシスコの最新施設、Chase Centerを、世界中から数十名のプレス関係者が集まって見学した1日のクライマックスだった。

ニーダム氏はTechCrunchの取材に対しこう語った。「2016年以来、メジャーな国際イベントを北米では開催しておらず、さらにここ数年は新型コロナにともなう渡航制限のため、カムバックが果たせませんでした。ライブイベントを再開できることに非常に興奮しており、ファンのみなさまには、スーパーボウルのハーフタイムショーのようなスリリングな演出を期待していただきたいと思っています」とも。

2011年にRiotが「Worlds」と呼ばれるワールドチャンピオンシップを初めて開催して以来、10年以上になる。マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ(MOBA)ゲームであるLeague of Legendsは、月間1億8千万人以上のアクティブプレイヤーを誇る。LoLには10のフランチャイズチームがあり、それぞれNBA関係のオーナーと繋がりがある。Steph Curry(ステフィン・カリー)氏Michael Jordan(マイケル・ジョーダン)氏、Magic Johnson(マジック・ジョンソン)氏といったNBAのオールスター選手をはじめ、ゴールデンステート・ウォリアーズ、ロサンゼルス・レイカーズ、ヒューストン・ロケッツ、クリーブランド・キャバリアーズ、ミルウォーキー・バックス、メンフィス・グリズリーズ、ニューヨーク・ニックス、フィラデルフィア・セブンティシクサーズ、ワシントン・ウィザーズ、シャーロット・ホーネッツなどの関係者がLoLチームに出資している。

ニーダム氏によると、2020年の4600万人から2021年には7380万人のファンがWorldsの決勝戦を観戦するようになり、League of Legends eスポーツトーナメントは、Louis Vuitton(ルイ・ヴィトン)、AXE by Unilever(ユニリーバ・アックス)、Spotify(スポティファイ)、Bose(ボーズ)、Mercedes-Benz(メルセデス・ベンツ)、Red Bull(レッドブル)、Coca-Cola(コカ・コーラ)、Fenty by Rihanna(リアーナ・フェンティ)などの大手ブランドを引き寄せるビッグビジネスとなっている。

「当社はファンにバリューを提供するためにブランドと提携していますが、そうした際に、両方のブランドが引き上げられることがよくあると発見しました。ブランド各社は、我々の貴重でリーチしにくいZ世代へのアクセスを得られる一方で、当社はブランドと提携することで信頼を得ることができるのです」とニーダム氏は語る。「ルイ・ヴィトンが当社のために初のデジタルファッションラインを作ってくれたことで、ファンのゲーム体験がさらに充実しました。この種のスキンは非常に人気があるため、当社のビジネスモデルの基盤となっており、圧倒的に多くの収益を生み出しています」。

Riotの巨大なファン層は、グローバルなエンターテインメント企業になることを目指す同社の資産であることも証明されている。

米国時間11月6日には、Riot初のNetflix(ネットフリックス)シリーズ「Arcane(アーケイン)」の予告編がWorlds決勝戦で流され、約7400万人のファンが視聴した。また、Riotの親会社であるTencent(テンセント)が一部所有する、3億5千万人以上の登録プレイヤーがいるゲーム「Fortnite(フォートナイト)」の中でも「Arcane」のプロモーションを行った。数日のうちに「Arcane」はNetflixのチャートのトップに躍り出て、11月8日の週には3400万人以上の視聴者を獲得して第2位となった

北米よりも欧州とアジアで大きなプレゼンスを持つ同社についてニーダム氏は、2022 Worldsツアーを、同ゲームへの新たな関心を生み出す手段と考えている。

「創設以来、世界中で6億人以上のプレイヤーがLeague of Legendsの世界を楽しんでくださっています。チャーンして現在ゲームをプレイしていない方も、プレイインのメキシコシティ、準々決勝のニューヨーク、準決勝のトロント、決勝のサンフランシスコと、我々が北米エリアをカバーしていく中で、再開していただきたいと思っています」。

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  5. Warriors-Steph-Curry-investor-in-League-of-Legends-esports-team-TSM-_-Photo-by-Martine-Paris

Riotは新しいプラットフォームへの進出に興味を持っているが、ニーダム氏によると、メタバースに飛び込む計画はないとのこと。

「当社と提携してNFTをやりたいというパートナーはたくさんあり、分析しているところですが、今はまだ語れるようなNFTやブロックチェーンの戦略はありません。コレクターズアイテムは、伝統的なスポーツとは異なり、eスポーツでは大きな役割を果たしていないのです」と彼はいう。「eスポーツの観点から飛び込む前に、NFT市場がもう少し成熟するのを見たいと考えています」。

また、RiotはNetflix Gaming(ネットフリックス・ゲーム)やRoblox(ロブロックス)との提携も予定していないと同氏は付け加えた。

画像クレジット:Netflix

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(文:Martine Paris、翻訳:Dragonfly)

Cruiseがサンフランシスコで無人運転ロボットタクシーサービスを開始

ゼネラルモーターズの自動運転子会社であるCruise(クルーズ)の従業員は、これからサンフランシスコで運行される人間の運転手が同乗しない自動運転車の初めての乗客になる。一部の一般客も乗ることができるが、運賃はかからない。

Cruiseの共同創業者であり、CTOかつ社長のKyle Vogt(カイル・ボークト)氏は、ドライバーレス自動運転車(AV)に初めて乗車した様子をTwitterで紹介している。

ボークト氏は「月曜日の夜11時頃、私たちは初めて中に誰も同乗していない状態でAVを発車させました」とツイートしている。「これまでは、人間が運転席や助手席に座って実験していたので、これは初めての試みでした。街中を巡航しながら、乗車リクエストを待つようになります。午後11時20分、私はCruiseのアプリを使って、最初の乗車を行うタクシーを呼び出しました。数分後、(「サワードウ」という名前がついている)Cruise AVの1台が私の目の前にきて停車した。車内には誰もいなかった。”start ride”(走り出す)ボタンを押すと、AVはスムーズに車線に入っていきました」。

ボークト氏はその夜、さらに5回乗車リクエストを行ったという。Cruiseがカリフォルニア州自動車局から取得した「ドライバーレス運行許可証」の規定によれば、午後10時から午前6時までの間、最高時速30マイルでしかドライバーレス運行ができないため、乗車は夜間にならざるを得なかったのだ。クルーズは10月初旬にこの許可を取得したが、これにより、人間が乗っていない車両の運行が可能となり、配達サービスに対して料金を請求することができるようになったが、乗客を乗せるタクシーサービスには課金することができない。

Cruiseが人間を同乗させない今回の最初の運行を始めたのは、GMのCEOであるMary Barra(メアリー・バーラ)氏が、Cruiseが2022年までにドライバーレスのタクシーサービスや商用配送運転を開始することをGMは確信していると述べてから約1週間後のことだった。Cruiseは、ロボットタクシーサービスに課金するために必要な、カリフォルニア公益事業委員会(CPUC)からの最終的な許可への申請をまだ行っていない。それまでは、サワードウをはじめとする人間の同乗しないAVに乗ることができるのは、Cruiseの社員と無料乗車の一般市民だけだ。

Cruiseは、特定の一般人も乗れることを認めているが、誰が乗れる資格があるのかは明らかにしていない。またCruiseは、このドライバーレスサービスをまだ一般人には公開していない。

画像クレジット:Cruise

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:sako)

70年以上も労働生産性の成長が停滞する建設業界のDXを進めるAgoraがTiger Global主導ラウンドで36億円調達

CEO兼共同設立者マリア・リューミン氏(画像クレジット:Agora)

請負業者向けの資材管理プラットフォーム構築を手がけるスタートアップAgoraが、Tiger Global Managementが主導するシリーズBラウンドで3300万ドル(約36億円)を調達した。

今回の資金調達には、8VC、Tishman Speyer、Yahooの共同創業者Jerry YangJerry Yang(ジェリー・ヤン)氏、Michael Ovitz(マイケル・オーヴィッツ)氏、DST、LeFrak、Kevin Hartz(ケヴィン・ハーツ)氏も参加しており、同スタートアップの2018年創業以来の調達総額は約4500万ドル(約49億円)となった。

建設テックは、きらびやかなテクノロジーを好むことが多いスタートアップの世界では、これまで「魅力的」とは考えられてこなかったセクターの1つだ。しかし、建設業は商業や不動産業の原動力ともなっており、私たちすべてに何らかの形でインパクトをもたらしていると言えるだろう。

一方、10兆ドル(約1097兆円)規模の建設業界は長い間、生産性の問題に悩まされてきた。事実、マッキンゼーによると、この業界における労働生産性の成長は1947年以降停滞しているという。

画像クレジット:Agora

Maria Rioumine(マリア・リューミン)氏とRyan Gibson(ライアン・ギブソン)氏がAgoraを設立したときのミッションは、商業取引の請負業者向けに、資材の発注と追跡、手作業でのデータ入力の自動化、そして調達プロセスに関わるすべての人への相互通信可能な単一プラットフォームの提供といった取り組みを推進することにあった。

最終的な目標は、プロジェクトの迅速な進行を支援し、請負業者が建設コストを削減して不必要な遅延を回避することに置かれている。Agoraが期待する、より大きなインパクトは、同社のSaaSプラットフォームが「建設環境をより迅速かつ効率的なものにする」ことであり、それによって都市が「より手頃になり、すべてにアクセスしやすくなる」ことだ。

サンフランシスコに拠点を置くAgoraは、極めて限定的でニッチな方法でこの問題に取り組んでおり、請負業者だけでなく投資家にも支持されていることが示されている。Agoraは、すべての取引を一括して解決しようとするのではなく、特定の垂直市場に焦点を絞っている。例えば、最初は電気関連でスタートしたが、現在は機械関連に移行している。

「2020年、1010億ドル(約11兆円)を超える規模の電気関連の案件に対応しました。当社の顧客は、あらゆる種類のプロジェクトに取り組んでいます」とリューミン氏はTechCrunchに語った。「例えば、発電所に従事する顧客、病院の建設を行う顧客、学校の教室や大学のキャンパスの建設を手がける顧客、教会やスタジアムの建設に携わる顧客がいます。これらの請負業者の仕事は、欠くことのできない重要なものです」。

Agoraの年間経常収益(ARR)は前年比で760%増加しており、顧客ベースも6倍の伸びを示しているという。従業員数もこれまでの3倍の45人に増員され、現在は顧客向けの年間資材ボリュームとして1億4000万ドル(約153億円)を処理している。

同社はシリーズBに向けて活発な資金調達を行ったわけではなく、代わりに投資家たちが積極的にタームシートを提供してくれた、とリューミン氏は説明する。

「私たちのことを十分に理解していた数人の投資家たちが、このラウンドを先取りすることについてアプローチしてきました」と同氏はTechCrunchに語ってくれた。「最初の対話から12日が過ぎた頃、複数のタームシートが用意されていました」。

Tiger GlobalのパートナーであるJohn Curtius(ジョン・カーティウス)氏は、Agoraの「独自」の取引に特化したアプローチに惹かれたと語っている。

同氏の見解によると、このスタートアップは「建設における調達の未来を定義している」という。

「Agoraは巨大かつクリティカルな問題を解決しようとしています」とカーティウス氏はメールで述べている。「調達プロセスの非効率性とサプライチェーンの破綻により、年間数十億ドル(約数千億円)が無駄になっています」。

同社のプラットフォームが提供する具体的な機能としては次のようなものがある。テンプレートのカスタマイズ、事前に承認された資材リストの作成、頻繁に必要とされるアイテムの容易な再注文、40万以上のSKUを提供するカタログからの注文、そしてエラーを減らし基本的なプロセスを自動化する、手作業によるデータ入力の排除などだ。

Agoraによると、現場チームとオフィスチームの両方を1つのデジタルプラットフォームに統合することで、オフィスチームが発注処理に費やす時間を75%、現場チームが資材管理に費やす時間を38%削減できるという。全体として、同社の技術は平均的な顧客に年間最大30万ドル(約3290万円)の節約をもたらす可能性があるという。

今回調達した資金は、複数のチームにわたる人材の雇用に充てる他、30の州を越えて事業を拡大し、他の垂直市場への進出を図っていくために活用する計画だ。

「建設業界では長い間、テクノロジーへの投資不足が続いてきました」とリューミン氏はいう。平均すると、建設収入に占めるテクノロジー支出の割合は約1.5%で「これは実際、中央値が3.3%を示す業界の中で最も低い水準です」と同氏は付け加えた。

「この業界の規模と、ここ最近における生産性向上の低調さを考えると、テクノロジーに真に投資し、それを現場や請負業者に提供していくすばらしい機会が私たちに訪れているのだと感じます」。

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(文:Mary Ann Azevedo、翻訳:Dragonfly)

CruiseとWaymoがサンフランシスコでのロボタクシーサービス開始の許可を得る

カリフォルニア州自動車局が、General MotorsのEV/AV部門であるCruiseと、Alphabet傘下のWaymoに、有料で展開される自動運転サービスの認可を発行した。

米国時間9月30日にCruiseは「driverless deployment permit(ドライバーレス展開許可証)」を受け取った。これは、フロントシートに安全ドライバーがいない状態で提供されるサービスで料金を受け取ってもよい、というものだ。Waymoの「drivered deployment permit(運転者同席許可証)」は、自動運転の間に関しても課金してよいが、ただし前席に運転者が必要だという意味だ。どちらも理論的には自動運転のデリバリーサービスに課金できるが、ロボットタクシーサービスの課金許可には一歩遠い。その最後のハードルは、カリフォルニア州公益事業委員会(California Public Utilities Commission、 CPUC)の許可が必要だが、サンフランシスコにおける商用ライドシェアの立ち上げ日限についてはWaymoもCruiseも明言していない。

カリフォルニアの路上で自動運転車をビジネスにしようとしているのは、彼らだけでなない。2020年の12月には、州の公道上での商用の自動運転サービスに関して、自動運転デリバリーのNuroがカリフォルニア州自動車局から許可をもらう最初の企業になった

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CruiseとWaymoはそれぞれ2015年と2014年から公道上で安全ドライバーありの自動運転車をテストしている。そして2020年10月からと2018年10月からは、安全ドライバーなしでやっている。Cruiseはまた、カリフォルニアで6月に乗客ありの自動運転走行を許可された。そこで同社は過去数カ月、社員に無料乗車を提供している。8月にWaymoは、サンフランシスコでTrusted Testerプログラムを開始した。それによりサンフランシスコは、安全ドライバーありで無料の、自動運転電動Jaguar I-Paceをシェアできる都市の1つになった。

Cruiseは最新の認可により、その自動運転のChevy Boltベースの車隊をサンフランシスコの一部の公道上で午後10時から午前6時まで最高時速30マイル(約48.3km)で商用サービスに使用できる。Waymoはその小型自動運転者の車隊をサンフランシスコとサンマテオ郡の一部の公道で時速65マイル(約104.6km)m、時間制限なしで運用できる。どちらも、雨や薄霧の中でも走行可能だ。

ベイエリアでの商用サービスやデリバリーサービスの開始の計画については、両社とも口をつぐんでいる。2020年11月にCruiseとWalmartはアリゾナ州スコッツデールと提携して前席に安全ドライバーを乗せた配達を開始した。Waymo Viaのローカルデリバリー事業も、2020年1月からアリゾナ州フェニックスで操業しているが、それは訓練されたオペレーターが同乗して、UPSやAutoNationのようなクライアントにサービスを提供している。

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画像クレジット:Cruise

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Hiroshi Iwatani)

Appleマップが3Dビューを展開、ロンドン、ロサンゼルス、ニューヨーク、サンフランシスコで

Apple(アップル)は、「マップ」アプリ内で、ロンドン、ロサンゼルス、ニューヨーク、サンフランシスコなど、多くの都市に3Dマップを導入する。iOS 15で提供されるこの体験は、市場をリードするGoogleマップとの競争力を高めるためにAppleのマッピングプラットフォームに数年にわたって行われた投資の結果だ。このアップデートには、現在主要な市場に導入されているような3Dマップの追加だけでなく、全体的により詳細な地図、改善された交通機関の機能、AR表示モードなども含まれている。

関連記事:AppleマップがiOS 15アップグレードでより詳細な地図、交通機関ナビ、ARビューなど追加

これらの機能の多くは、充実した機能を得るためまず米国および世界の主要都市で導入され、時間をかけて展開してきた。例えばARビューイングは、2021年に入ってから一部の都市で開始された

画像クレジット:Apple

Appleによると、3Dマップでは、ユーザーは近隣地域、商業地区、マリーナ、ビルなどの詳細を見ることができ、標高の詳細、新しい道路ラベル、さらにはカスタムデザインされたランドマークも表示されるという。

例えば、サンフランシスコのコイトタワー、ロサンゼルスのドジャー・スタジアム、ニューヨークの自由の女神、ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールなど、有名なスポットのレンダリング画像がマップに表示され、今後さらに多くのランドマークが追加される予定だ。

画像クレジット:Apple

2021年後半には、フィラデルフィア、サンディエゴ、ワシントンD.C.でこの種の3Dマップが利用できるようになるとAppleは述べている。そして2022年には、モントリオール、トロント、バンクーバーでも利用できるようになる。

Appleは、より明確に表示されるターンレーン、中央分離帯、バス・タクシー用レーン、横断歩道などによって、道路レベルでのナビゲーションも強化している。これらは3D表示モードで表示されるため、交通状況に応じて最適な車線を選択したり、より良いルート計画を立てたりすることが容易になる。また、Googleマップと同様に、現在の道路状況に基づいた到着予定時刻も表示される。Appleは、これまで2021年のリリースが発表されていたこの新しいナビゲーションが、具体的な期限はなしに2021年後半にCarPlayに搭載される予定であると述べた。

画像クレジット:Apple

同様に、2021年初めに発表されていた他の地図のメジャーアップデートも現在展開中だ。これには、Citymapperのような、交通機関を利用する人たちに好まれるサードパーティのアプリケーションに対して、Appleマップがより競争力を持つように設計された機能が含まれている。近くの交通機関の駅が画面上部に大きく表示され、ユーザーはお気に入りの路線をマップにピン留めして簡単にアクセスできるようになった。また、Apple Watchでもできるように、路線を選択すると、降りる時間になるとマップが自動的に通知する。

Appleマップは、拡張現実(AR)を利用したステップ・バイ・ステップの案内で、より臨場感のある徒歩ルート案内を提供する。これは、ユーザーが携帯電話をかざして周辺の建物をスキャンすると、マップがより正確な位置を生成し、より詳細な案内を提供するというものだ。この機能は、2021年に入ってから一部の市場で提供されている。

iOS 15のユーザーは、新しい3D地球儀を見ることができる。また、マップの「ガイドを詳しく見る」ボタンをタップすると、Time Out、The Washington Post、The National Park Foundation、Complex、The Infatuationなどが提供する厳選されたガイドにアクセスすることがでる。これらのガイドは世界中の都市での観光ガイドを提案する。また、ユーザー自身がガイドを作成し、友人や家族と共有することもできる。

画像クレジット:Apple

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(文:Sarah Perez、翻訳:Yuta Kaminishi)

必要なファイルが見つけられないストレスを軽減させるPlaybookの「デザイナー」向けクラウドストレージを

Jessica Ko(ジェシカ・コ)氏がGoogleの、次いでOpendoorデザイン責任者であった時、彼女は部下たちがDropboxからアセットを探すのに彼らの時間の90%を費やしているのに気がついた。

多くの場合、彼らは古いバージョンのものしか見つけられないか、または探しているものを見つけられないでいた。また、さらに悪い場合には、別のアセットを間違って手に入れていた。

「それは非常に混沌としたプロセスでした」と、コ氏は回想する。「だれもがシステム内へアクセスし、何かに手を加えたりフォルダのストラクチャーを変えてしまうことができたために、大変なことになっていたのです。しかし他の選択肢がないために、そうした状態が続いていました」。

コ氏によると、Opendoorの規模が拡大するに連れ、問題はまずます大きくなっていったという。

「デザイナーはストレスを抱えて辞めていきました。Dropboxは今もこの問題を解決できていません。Googleドライブも優れた代替手段とはいえません。デザイナーは最も多くファイルを扱い、常にファイルを交換しています」。

ファイルストレージやファイル共有の問題に起因する不満やストレスに加え、適切なアセットが見つけられないこともエラーに繋がり、それは金銭的な損失にもつながっていた、とコ氏はいう。

「私たちは、新しいバージョンのものを見つけられないために、写真を撮ったり、デザインを再度作成しなければならず、そのために多くのお金を使いました」。

また、アセットにアクセスする必要があるのは、なにもデザイナーだけではない、という問題もある。財務チームもセールス用のプレゼン資料を作成したりするために常にアセットにアクセスする必要がある。

そこで2018年、コ氏は彼女を悩ませていたこの問題を、現在のデザインワークフローとプロセスに適したファイルストレージを作ることで解決すべく、Opendoorを離れた。より簡単な言葉で言えば、彼女はDropboxやGoogleドライブに替わる「デザイナーにより構築されたデザイナーのための」新しいクラウドストレージを構築したいと考えたのだ。

2020年初め、コ氏(CEO)はAlex Zirbel(CTO、アレックス・ザーベル)氏 と組んでサンフランシスコに拠点を置くPlaybookを立ち上げた。これを彼女は問題を解決するための「デザイナー向けDropbox」と説明している。そして米国時間8月26日、同社は突然姿を表し、Founders Fundが主導するシードラウンドで400万ドル(約3000万円)を調達したことを発表した。資金調達後の評価額は2000万ドル(約22億円)である。

この資金調達には、Abstract、Inovia、Maple、Basis Set、Backend、Wilson Sonsiniや、Opendoorの共同創設者兼CEOのEric Wu(エリック・ウ)氏、Gustoの共同創設者Eddie Kim(エディ・キム)氏、SV AngelのBeth Turner(ベス・ターナー)氏といった、多くのエンジェル投資家が参画している。

手短に言えば、Playbookは、組織のメディアライブラリ全体を数分で自動的にインポート、タグ付け、分類できるということを売りにしている。

立ち上げ後、Playbookがまず着手したのが、アセットのフォルダの管理方法を再考し、フォルダの下にサブフォルダを配置することだった。そして、同社はファイルの共有方法を変えようることに取り組んだ。

「現在、本当に多くのことがメールやSlackを通して行われているため、バージョンコントロールが一層難しくなっています」とコ氏はTechCrunchに語った。そこでPlaybookはファイルをさまざまなチャンネルを通して送るのではなく、当事者全員がアクセスできるストレージシステムを構築してきた。

「何年もの間、これらのアセットはファイルキャビネットのようなものに放り込まれてきました。しかし、今日、アセットの共有は、フリーランサーや下請け業者といったさまざまな関係者が関わるものになりました。そのため誰がこれらのファイルやバージョンの管理をするかはとても複雑な問題になりつつあります」。

Playbookは4TBの無料ストレージを提供している。これはコ氏によると、無料バージョンのGoogleストレージの266倍、Dropboxの2000倍に当たる。これでユーザーをひきつけ、ストレージ容量がなくなることを心配せずにオールラウンドのクリエイティブハブとしてこのプラットフォームを使ってもらいたいという狙いがある。また、ファイルを自動的にスキャン、整理、タグ付けし、ファイルやフォルダを視覚的に簡単に参照できるようにした。

画像クレジット:Playbook

Playbookが3月にデザインコミュニティに対しベータ版を公開したところ、2カ月で1000人のユーザーを獲得した。登録者数はその後も伸び続けたため、新たなユーザーに対処するために同社はベータ版を閉じなければならないほどだった。

現在、約1万人のユーザーがデータ版に登録している。初期のユーザーには個人で活動するフリーランサーからFast、Folx、Literatiといった企業のデザインチームが含まれる。

コ氏によると、9人の社員を擁する同社は、収益化をはかり、エンタープライズ版を出す前に(2020年になる可能性が高い)、製品を「適切なもの」にすることに力を注ぎたいと考えている。

当座Playbookは、フリーランサーのニーズに的を絞っている。同社はパンデミック後にはフリーランサーが爆発的に増えると考えており、そのためには「クラウドストレージはよりスマートになる必要がある」と確信している。

「私たちはまずフリーランサーが感じている問題を取り上げ、ボトムアップ式にこれを解決したいと考えています」とコ氏はTechCrunchに語った。

また、現在Playbookがフリーランサーに焦点を当てている背景には、 彼らが仕事の請負先にPlaybookを紹介してくれるだろう、というマーケティング上の戦略もある。

「彼らがPlaybookを通しクライアントにアセットやファイルを渡すと、クライアントはこれを採用する傾向があります」とコ氏は語る。

Playbook は現在、320万件のアセット管理に使用されており、毎月「登録を待っている人が何百人もいる」とのことである。

ザーベル氏は今後、画像スキャン、シミラリティ、コンテンツ検出、プレビュー、長期的なクラウドストレージ、そして数々のインテグレーションに進出することを考えている、と述べた。

「クラウドストレージのクリエイティブな側面に注目すると、興味深い技術上の課題がたくさんあります」。

Founders FundのJohn Luttig(ジョン・ルティグ)氏は、2020年に初めてコ氏やザーベル氏に会った際、Founders Fundが今まで見たことのないレベルで「彼らがファイル管理に関し深い理解と考えを持っていることが明確でした」と語った。また彼の見解では、Dropboxが2007年に立ち上げられて以降、クラウドストレージにおけるイノベーションはほとんど起こっていない。

「Playbookのプラットフォームは最新のデザイン、コラボレーションの原則、人工知能を取り込んだもので、これを用いることでファイル管理をはるかに早くしかも簡単に行うことができます。Playbookにはデザインの世界に深く関わってきたという強みがあり、ユーザーの視点でファイルシステムを再考する、という意味で同社は非常によいポジションにいると考えます」とルティグ氏はメールで伝えてくれた。

同氏は、Playbookはコンピュータービジョンやデザインの最新の進歩を活用し「今までのものよりもずっと優れた、ファイルを管理し共有するための製品を構築する」能力がある、と語った。

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画像クレジット:Playbook

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(文:Mary Ann Azevedo、翻訳:Dragonfly)

D2Cのブランドに柔軟性が高い提案を行えるeコマースサブスクプラットフォームを提供するPrive

1カ月前にサンフランシスコで誕生したPriveは、2人の創業者が元Uberのプロダクトマネージャーで、このほど170万ドル(約1億9000万円)のプレシード資金を調達して、D2Cのブランドのための、よりカスタマイズ性が高いeコマースのサブスクリプションプラットフォームを作ろうとしている。

このラウンドはPatrick Chung(パトリック・チャン)氏とXFundのBrandon Farwell(ブランドン・ファーウェル)氏、そしてBling CapitalのBen Ling(ベン・リング)氏が共同でリードし、Defy PartnersとHalogen Ventures、そしてUberの役員たちが参加した。

Uberに2年半勤務した後、価格設定やインセンティブについて学んだことからUberを退社したClaudia Laurie(クラウディア・ローリー)氏とAlex Craciun(アレックス・クラシウン)氏が設立したPriveは、小規模な小売業者がAmazonのような巨大企業に対抗できるようにすることを目的としている。

彼らの考え方の概略は、Shopifyなどのeコマースプラットフォームの既存のAPIに接続することにより、顧客が繰り返し購入するものに関するオピニオンを形成して、それをマーチャントに売る。例えばカミソリを買う人には、ついでに歯ブラシを買う傾向があるかもしれない。そんな情報を渡すことによって、ブランドがよりカスタマイズされた柔軟な提案ができて、ショッパーにより適切なものを紹介できる。また溜まり始めているようなものは、容易にキャンセルできる(訳注:アマゾンの定期おトク便などは注文の調整をすべてショッパーが自助努力でやるので大変で不十分)。

ローリー氏は次のように語る。「市場にはありとあらゆる商機が転がっているが、これまでのeコマースサブスクリプションツールは表層をかすっていただけだ」。実際、eMarketerによると、サブスクリプションeコマースの売上は新型コロナウイルス以来41%伸びているが米国のeコマースのリテールはその3%、276億700万ドル(約3兆384億円)がサブスクリプションによるものだ。それでも、2年で100億ドル(約1兆1007億円)のアップである。

もちろん、まだやるべきことは山ほどある。今回のプレシードは、そのために使えるだろう。目下Priveは7名のチームだが、競走は厳しい。特にカリフォルニア州サンタモニカで社歴7年になるサブスクリプションeコマースのRechargeは5月に、投資後評価額21億ドル(約2312億円)で2億7700万ドル(約305億円)の成長資本を調達した。その発表のときRechargeの従業員はおよそ330名で、同社が扱っているサブスクリプションサービスは全世界2000万のサブスクライバーに対して1万5000社のマーチャントが販売している。

創業9年のBold Commerceも強敵だ。同社は計4400万ドル(約48億4000万円)を調達している。創業10年のChargebeeは、Crunchbaseのデータによるとこれまで2億2000万ドル(約242億2000万円)を調達した。

クラシウン氏も認めるように、eコマースの「サブスクリプション」は今、すごくホットなバズワードだ。しかし彼は、現在のプロダクトは表面をかすっているだけのサービスだと考えている。

投資家たちは彼の信念とPriveのチームの能力に賭けているわけだが、クラシウン氏は「今あるツールは頭痛を治すどころか重症化させてしまう。今日のサブスクリプションは、その多くが硬直的で、顧客の購入パターンの把握と対応ができません。私たちは、そんなメンタルモデルをぶち壊したいんだ」と語る。

関連記事:美容・健康分野でクリエイターと顧客をつなぎソーシャルコマースを一変させるFlipが約30億円調達

画像クレジット:Prive

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(文:Connie Loizos、翻訳:Hiroshi Iwatani)

自動運転のWaymoがサンフランシスコでロボタクシーサービスを開始

Alphabet(アルファベット)傘下の自動運転スタートアップWaymo(ウェイモ)は、サンフランシスコで限定利用者向けにロボタクシーサービスを開始した。

米国時間8月23日、同社はWaymo One Trusted Tester(ウェイモ・ワン・トラステッド・テスター)プログラムを同市で正式に開始した。Waymoの第5世代自動運転システムを搭載した全電動車、Jaguar I-PACEの車団を使用する。この自動運転システムWaymo Driver(ウェイモ・ドライバー)というブランドが付けられており、公道での自動運転2000万マイル、シミュレーションで100億マイル以上の走行実績から情報を得ている。

Waymo One Trusted Testerと呼ばれるこのプログラムは、数年前に同社がアリゾナ州フェニックスで開始した最初の商用ライドシェアリングサービスの戦略を踏襲している。Trusted Testerプログラムは、Waymoが2017年4月にフェニックス都市圏でスタートした「Early Rider」プログラムの再ブランド版だ。4年以上の時を経てその乗客(Rider)たちはもはや「Early」ではないことから名称変更に至った、とWaymoの広報担当者は言っていた。

フェニックスでは、WaymoはEarly Rider参加者の一部をWaymo Oneサービスに移行するよう招待した。ユーザーはサービスの印象を公に発表することが可能で、以前のプログラムに参加していない友人や家族を招待することもできた。その後Waymoはサービスを全員に向けて公開した。

サンフランシスコ市民はWaymo Oneアプリをダウンロードして、プログラムへの参加の意志を表明できる。同サービスでは開始時のグループを、車椅子の利用など輸送におけるさまざまなニーズをもつ多様な背景の人々で構成する、とWaymoは言っている。最初のグループに何人参加するのか、何台のJaguarが街を走りまわるのかは公表していないが、利用者には利用に関する詳細なフィードバックを数多く返すこと、および守秘義務契約に署名することを求めている。

Waymoはテスト参加者に対し、自動運転サービスを日々の移動ニーズに利用するよう推奨している。現時点で利用は無料で、サンフランシスコのサンセット、リッチモンド、パシフィック・ハイツ、ノイバレー、カストロ、ヘイト・アシュベリーなどの地区を対象地域として開始される。サービスは週7日、1日24時間利用可能だと広報担当者がTechCrunchに語った。

同社はいわゆる “autonomous specialists”(自律運転スペシャリスト、セーフティドライバーの新たな名称)を運転席に同乗させ、運行状況の監視と安全な体験の確保を行う。このセーフティドライバーは契約労働者でフランス企業のTransdev(トランスデヴ)に雇用されている。Waymoは運行スタッフの派遣を長年Transdevに依頼している。

Waymoの乗客サポートチームとは、乗車中に質問があった時、車載画面のボタンをタップするか、アプリを経由していつでも連絡がとれる、と広報担当者は言った。

Waymo初のライドシェアリング・サービスはフェニックスで開始されたが、そのルーツはカリフォルニア州、それもマウンテンビューのシリコンバレー飛び地にある。大サンフランシスコ湾岸地域では10年以上テストを続けている。

2021年初めに同社は、従業員向けに自律運転乗車を提供してロボタクシーサービスのテストを開始した。

Trusted Testerプログラム開始のニュースの1週間前、Waymoはテキサス、アリゾナ、カリフォルニア3州の自律運転トラック事業を拡大すること、およびテキサス州ダラス郊外にトラック・ハブを建設していることを発表した。同社はクラス8トラック向けの第5世代Driverのテストをテキサス州で開始しており、J.B. Huntなどの運送会社の貨物を運んでいることから、このDriverシステム最新の応用は、Waymoが完全無人運転の推進に成功していることの証か、あるいは最近調達した25億ドル(約2746億円)を有効活用していることを示す兆候のどちらかだ。

関連記事:Waymo Viaがテキサス、アリゾナ、カリフォルニア州で自動運転トラックのオペレーションを拡大中
画像クレジット:Waymo

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Nob Takahashi / facebook

自動運転のWaymoがサンフランシスコでロボタクシーサービスを開始

Alphabet(アルファベット)傘下の自動運転スタートアップWaymo(ウェイモ)は、サンフランシスコで限定利用者向けにロボタクシーサービスを開始した。

米国時間8月23日、同社はWaymo One Trusted Tester(ウェイモ・ワン・トラステッド・テスター)プログラムを同市で正式に開始した。Waymoの第5世代自動運転システムを搭載した全電動車、Jaguar I-PACEの車団を使用する。この自動運転システムWaymo Driver(ウェイモ・ドライバー)というブランドが付けられており、公道での自動運転2000万マイル、シミュレーションで100億マイル以上の走行実績から情報を得ている。

Waymo One Trusted Testerと呼ばれるこのプログラムは、数年前に同社がアリゾナ州フェニックスで開始した最初の商用ライドシェアリングサービスの戦略を踏襲している。Trusted Testerプログラムは、Waymoが2017年4月にフェニックス都市圏でスタートした「Early Rider」プログラムの再ブランド版だ。4年以上の時を経てその乗客(Rider)たちはもはや「Early」ではないことから名称変更に至った、とWaymoの広報担当者は言っていた。

フェニックスでは、WaymoはEarly Rider参加者の一部をWaymo Oneサービスに移行するよう招待した。ユーザーはサービスの印象を公に発表することが可能で、以前のプログラムに参加していない友人や家族を招待することもできた。その後Waymoはサービスを全員に向けて公開した。

サンフランシスコ市民はWaymo Oneアプリをダウンロードして、プログラムへの参加の意志を表明できる。同サービスでは開始時のグループを、車椅子の利用など輸送におけるさまざまなニーズをもつ多様な背景の人々で構成する、とWaymoは言っている。最初のグループに何人参加するのか、何台のJaguarが街を走りまわるのかは公表していないが、利用者には利用に関する詳細なフィードバックを数多く返すこと、および守秘義務契約に署名することを求めている。

Waymoはテスト参加者に対し、自動運転サービスを日々の移動ニーズに利用するよう推奨している。現時点で利用は無料で、サンフランシスコのサンセット、リッチモンド、パシフィック・ハイツ、ノイバレー、カストロ、ヘイト・アシュベリーなどの地区を対象地域として開始される。サービスは週7日、1日24時間利用可能だと広報担当者がTechCrunchに語った。

同社はいわゆる “autonomous specialists”(自律運転スペシャリスト、セーフティドライバーの新たな名称)を運転席に同乗させ、運行状況の監視と安全な体験の確保を行う。このセーフティドライバーは契約労働者でフランス企業のTransdev(トランスデヴ)に雇用されている。Waymoは運行スタッフの派遣を長年Transdevに依頼している。

Waymoの乗客サポートチームとは、乗車中に質問があった時、車載画面のボタンをタップするか、アプリを経由していつでも連絡がとれる、と広報担当者は言った。

Waymo初のライドシェアリング・サービスはフェニックスで開始されたが、そのルーツはカリフォルニア州、それもマウンテンビューのシリコンバレー飛び地にある。大サンフランシスコ湾岸地域では10年以上テストを続けている。

2021年初めに同社は、従業員向けに自律運転乗車を提供してロボタクシーサービスのテストを開始した。

Trusted Testerプログラム開始のニュースの1週間前、Waymoはテキサス、アリゾナ、カリフォルニア3州の自律運転トラック事業を拡大すること、およびテキサス州ダラス郊外にトラック・ハブを建設していることを発表した。同社はクラス8トラック向けの第5世代Driverのテストをテキサス州で開始しており、J.B. Huntなどの運送会社の貨物を運んでいることから、このDriverシステム最新の応用は、Waymoが完全無人運転の推進に成功していることの証か、あるいは最近調達した25億ドル(約2746億円)を有効活用していることを示す兆候のどちらかだ。

関連記事:Waymo Viaがテキサス、アリゾナ、カリフォルニア州で自動運転トラックのオペレーションを拡大中
画像クレジット:Waymo

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Nob Takahashi / facebook

ツイッターが新型コロナ感染再拡大を受け再開したばかりのNYとSFのオフィスを閉鎖

ニューヨークとサンフランシスコのオフィスを再開してわずか2週間、ソーシャルメディア大企業Twitter(ツイッター)は米国時間7月28日、それらのオフィスを「すぐに」閉めると明らかにした。

この決定は「CDC(米疾病予防管理センター)のアップデートされたガイドラインを熟慮し、現状を踏まえてのもの」と広報担当は話している。

「Twitterはニューヨークとサンフランシスコのオフィスを閉鎖し、予定していた他のオフィスの再開も一時停止することを決めました。この措置はすぐに取られます。当社は引き続き各地域の状況を注視し、Tweeps(ツイッターユーザー)の健康と安全を優先する必要な措置を取ります」と広報担当は付け加えた。

同社は7月12日に2つのオフィスを再開したばかりだった。各オフィスで働く人数は明らかにしなかった。

CDCは今週、伝染力の強いデルタ株についての懸念が強まる中で、ワクチン接種完了者に新型コロナウイルス感染率が高い地域の屋内でのマスク着用を推奨した

この記事の前に、GoogleのCEOであるSundar Pichai(サンダー・ピチャイ)氏がオフィスに戻る従業員にワクチン接種を義務付けることを発表した、とTechCrunchのBrian Heater記者が報じた。ワクチン接種の義務付けはGoogleとAlphabetの従業員に宛てたレターの内容の一部であり、新型コロナ変異種が引き続き世界中で拡大している中で、同社が在宅勤務措置を10月18日まで延長することもレターには記されていた。

TechCrunchへのメッセージの中で、Facebook(フェイスブック)の人事担当VPのLori Goler(ロリ・ゴーラー)氏は同社も似たような措置を取ることを認めた

Amazon(アマゾン)もこの件に関するTechCrunchからの問い合わせに対し「当社はAmazon従業員と契約業者に新型コロナワクチンが利用できるようになり次第すぐさま接種するよう、強く奨励しています」と述べた。

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カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ
タグ:TwitterニューヨークサンフランシスコCDC / 米疾病予防管理センターオフィス新型コロナウイルスワクチン

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Mary Ann Azevedo、翻訳:Nariko Mizoguchi