さようなら、StumbleUpon

消えゆくことにはなったが、なかなか頑張ったと言えるのではないだろうか。何の話かといえば、StumbleUponのことだ。2002年にスタートしたコンテンツ発見ツールのStumbleUponが、6月30日をもってサービスを終了することとなった。共同ファウンダーのGarrett Campが投稿したMedium記事によれば、これまでに4000万の人が利用して、600億のコンテンツリンク(stumble)を集めていたとのこと。

StumbleUponは、その最盛期には膨大な数のトラフィックを招くためのツールとなっていた。大きな特徴は、そのシンプルさにあったといって良いだろう。利用者は、ワンクリックで新しいコンテンツと出会うことができたのだ。しかしCampによれば、オンライン環境が変化していく中で、ウリであったはずのシンプルさがむしろマイナスに作用した面もあるとのこと。

StumbleUponは、2007年にeBayによって買収された(買収額は7500万ドルといわれている)。しかしこの買収は成果をあげることができなかった。2013年には大規模レイオフを行うこととなり、そこから株価も低迷することとなった。

「StumbleUpon登場時に比較すれば、インターネット利用者はほぼ10倍の規模となっています。スマートフォンが広まり、ソーシャルメディアが必携ツールとして成長する中、私たちのサービスにも変化が訪れました。コンテンツを自ら提供したり、あるいはシェアするためのプラットフォームは次々に増えていきました。そんな中でStumbleUponは、膨大なコンテンツの中から見るべき情報を選び出すためのツールとして成長したのでした。StumbleUponが提供したシンプルさとセレンディピティの魅力は、たしかに多くの人に訴えることができたと思っています」。

こうした教訓(およびStumbleUponの利用者)は、Campが新たに立ち上げたMix.comに受け継がれることとなるのだろう。StumbleUponは、6月30日までの間に、Mix.comへの移行を促していく構えだ。

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(翻訳:Maeda, H

Facebookの二要素認証がユーザーの電話番号(SMS)を使わないようにできる

Facebookの二要素認証をより安全にするためのオプションが、もうすぐさらに増える。

すなわちFacebookは確認プロセスを単純化して、電話番号の入力を不要にする。同社は今日(米国時間5/24)、Duo SecurityやGoogle Authenticatorのようなサードパーティの認証アプリケーションのサポートを発表し、同時にそのセットアップ過程を簡素化して、それらを容易に使い始められるようにした。

二要素認証(Two-factor authentication, 2FA)は今や広くサポートされているセキュリティ方式で、防御ラインを二重化することによって、通常のログイン認証情報が盗まれても安心できる。第二の防御ラインとしてはSMSからの番号入力がよく使われているが、SIMをハックして別の電話に情報を転送することもありえる。そのハッキング行為はソーシャルエンジニアリング的な手口を使うから、認証用のハードウェアデバイスや、サードパーティのアプリケーションの方がまだ安全だ。

3月には、FacebookのCSO Alex Stamosが、Facebookは二要素認証用の電話番号をスパム行為に利用している、というユーザーのクレームに対して謝罪し、注目を浴びた。同社は、二度といたしませんと言い張ったが、そもそもそれは、ログインに電話番号を利用しなければ起きなかったことだ。

今度の新しいセキュリティ機能は、Facebookの設定ページの“Security and Login”(セキュリティとログイン)のタブで有効にできる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

進歩系擁護団体がFTCに要求。Facebookを民主主義にとって安全な場に

MoveOnとDemand Progressを始めとする進歩主義的擁護団体のチームが、連邦取引委員会(FTC)に対して、Facebookを民主主義にとって安全な場にするよう要求した。Axiosによると、Freedom From Facebookと名付けられたこの運動は、月曜日(米国時間5/21)に10万ドル規模の広告キャンペーンをFacebook、Instagram、Twitterなどのプラットフォームで展開する。

ほかに、Citizens Against Monopoly、Content Creators Coalition、Jewish Voice for Peace、Mpower Change、Open Markets Institute、およびSumOfUsらの保護団体がキャンペーンを支持している。彼らは団結してFTCに「Facebookの独占を解体する」ために、Instagram、WhatsApp、およびMessengerを分離して競合会社にするよう求めている。また、相互運用性を必須にしてライバルのSNS間での連絡を可能にして、プライバシー規制を強化することを要求している。

Freedom From Facebookのサイトにはオンライン嘆願書のほか、プライバシーガイドと関連サイトへのリンク、Facebookのオンライン追跡をブロックするためのブラウザー拡張機能などが用意されている。

FTCでは、トランプ大統領の指名によりJoseph Simonsが今月新委員長に就任した。Simonsは反トラスト法弁護士でMicrosoft、Sonyなどの巨大IT企の業の代理人を務めた。現在FTCは、Cambridge Analyticaが同委員会と過去に結んだ法的取り決めに違反した件にFacebookが関与していたかどうかを調査しているが、先月Facebook CEO Mark Zuckerbergが議会で聴聞を受けた際、多くの議員がソーシャルメディアのしくみを理解できなかったことから、FTCを始めとする当局がIT企業を規制できるのかどうか、疑問視する向きも多い。

プライバシーと規制の問題にも関わらず、Facebookの財務状態は依然として好調だ。同社の第1四半期決算は、ユーザー成長、売上ともにウォール街の予測を上回った。

TechCrunchは、Freedom From FacebookおよびFacebookにコメントを求めている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebookのストーリーズ機能が1億5000万DAUを突破ーー広告の試験運用をスタート

ローンチから14か月が経ち、FacebookはSnapchat Storiesに酷似した同社のストーリーズ機能のDAU(デイリーアクティブユーザー数)がようやく1億5000万人に達したと発表した。そしてストーリーズから収益を生み出すための次のステップとして、同社はアメリカ・メキシコ・ブラジルの3か国で、現地時間の5月17日からストーリーズへの広告掲載をスタートさせた。

ストーリーズ広告は5〜15秒程度の動画で、ユーザーはスキップすることもできる。クリックスルーやコールトゥアクションは今のところ備わっていないが、Facebookは向こう数か月のうちにこういった機能も盛り込む計画だという。広告主はInstagramストーリーズに展開している広告を簡単にFacebookへと移植できる上、ニュースフィードの広告にマッチした枠と文章を追加して自動的にストーリーズ広告化することもできる。さらにFacebookはストーリーズ広告の費用対効果を示すため、今後さらなる指標を追加していく予定とのこと。

広告主はInstagramストーリーズに展開する広告を簡単にFacebookへと移植できる(上図左)上、ニュースフィードの広告に枠線と文章を追加して自動的にストーリーズ広告化することもできる(上図右)。

先月、Facebook CPOのChris Coxが2019年中にはストーリーズがフィードを追い抜き、Facebookの情報発信チャンネルとしては最大になると語っていたことから、同社は生き残りのためにもストーリーズ広告の価値を今後高めていかなければならない。CEOのマーク・ザッカーバーグも「ストーリーズ広告をニュースフィード広告と同じレベルにまで引き上げていかなければならない。情報共有の場がストーリーズへと移行するなか、これが上手くいかなければ、ビジネスに大きな影響が出るだろう」と自分たちへの警告ともとれる発言を残している。Facebookのストーリーズ機能については、Instagramのストーリーズ機能とオーバーラップしていることや、やたらと目立つ見た目から批判もあるが、Facebookはこの短時間で消える動画フォーマットからの撤退は考えていないようだ。また同社は膨大なユーザー情報を保有していることから、現在Snapchatに注ぎ込まれている広告主の予算が、今後Facebookへと流れていく可能性もある。

ストーリーテラーをめぐる戦い

筆者が最初に疑問に感じたのは、Facebookがどのようにストーリーズ機能のDAUを割り出しているかという点だ。その答えは、Facebookのアプリかサイトでストーリー動画を見たユーザーの数だった。つまりInstagramやFacebook Messengerのストーリー動画をFacebook上にクロス投稿したユーザーの数は含まれていないため、これは良心的な算出方法だと言える。さらにこの数字は、InstagramにはじまりFacebookにも導入され、ニュースフィードのトップに固定されることになったストーリー動画の力を物語っている(大きなプレビュータイルのテストもすでに始まっている)。

背景知識として、主要サービスにおける類似機能のデイリーユーザー数および月間ユーザー数は以下の通りだ(ユーザー数の多いものから順に掲載)。

  1. WhatsApp Status:月間ユーザー数15億人、デイリーユーザー数4億5000万人(2018年5月時点)
  2. Instagram Stories:月間ユーザー数8億人、デイリーユーザー数3億人(2017年11月時点)
  3. Snapchat(アプリ全体):デイリーユーザー数1億9100万人(2018年5月時点)
  4. Facebook Stories:月間ユーザー数22億人、デイリーユーザー数1億5000万人(2018年5月時点)
  5. Messenger Day/Stories:月間ユーザー数13億人、デイリーユーザー数7000万人(2017年9月時点)

Instagramでもストーリーズ機能のDAUが1億5000万人に達した段階で広告掲載がスタートしたが、Instagramはストーリーズ機能のローンチから5か月でこれだけユーザー数を伸ばしたのに対し、Facebookは同じレベルに達するまでに14か月かかった。

今後Facebookがさらにエンゲージメントを高めるためのカギは、ストーリーズ機能の海外展開だ。Snapchatは4年ものあいだ海外市場をないがしろにし続け、最近になってようやく本格的にAndroidアプリのテコ入れを開始した。他方WhatsAppは、Snapがアメリカのティーン層に注力するスキを狙い、世界中の若者にアピールした結果、ストーリーズ機能のユーザー数でトップに躍り出た。そしてFacebookは、母国語以外のキーボードを使うユーザーのための音声投稿機能や、スマートフォンの容量に限りがあるユーザーでも写真や動画を保管できるクラウドストレージ機能など、インドをはじめとする新興市場を想定してストーリーズ機能の開発を進めている。

Facebookストーリーズには、360度カメラがなくても360度写真が撮れる「paint with the lens(レンズでペイント)」インターフェースが搭載されている。

2017年1月のテスト、そして2017年3月のローンチ以後も、Facebookはストーリーズ機能に次々と手を加えながら、他サービスとの差別化やユーザーの取り込みを図ってきた。その結果、現在ユーザーはFacebookが提供するアプリからのクロス投稿デスクトップ向けのインターフェースBoomerangのような動画フォーマット、さらに3次元空間に落書きできる機能や、特定の場所でARコンテンツを呼び出すためのQRコードや画像といったAR機能も利用できる。

ちなみに公式にはアナウンスされていない隠れ機能がひとつある。Facebookストーリーズのカメラを使うと、360度カメラがなくても360度画像が撮影できるのだ。周囲の環境をカメラのレンズで”描く”ようなクールなインターフェースで、一回ですべてを上手く撮影しなければいけないパノラマ写真とは違い、撮り逃がしたスペースがあれば後からそこを埋めることもできる。

打倒Snapの次はマネタイズ

上記のようなFacebookの取り組みがようやく実を結び始めたようだ。2018年第1四半期のSnapchatのDAU伸び率は過去最低の2.13%に落ち込んだ一方、Facebookは3.42%伸び率を記録。さらに3月にはSnapchatのアクティブユーザー数は純減していた。

これはFacebookがストーリーズ機能に広告を掲載すべきだというサインなのかもしれない。実質的にSnapchatを打ち破り、競合と呼べるようなサービスが存在しないため、Facebookは余裕を持ってストーリーズ広告をローンチできるだろう。そして皮肉なことに、Snapchatは第1四半期の収益目標を達成できず、3億8500万ドルの赤字を記録して以降、広告売上の拡大にやっきになっている。

「Instagramのストーリー広告は顧客に大きな価値を提供しており、Facebookでも同じことができると考えている。とは言っても、私たちの最優先事項はユーザーエクスペリエンスを損なわないことだ」とFacebookのプロダクト・マネージャーZoheb Hajiyaniは言う。ストーリーズ広告のテストには何社もの企業(企業名は非公開)が参加するようだが、Facebook自体もOculusの広告をストーリー動画として展開するとのこと。

すでにFacebookやInstagramの広告サービスを利用している企業であれば、簡単にFacebookのストーリーズ広告へ移行できる上、リーチできるユーザーの総数も増えるため、ティーン層を狙わない限りはわざわざSnapchatで広告を打つインセンティブは生まれないかもしれない。そう考えると、すでにニュースフィードはいっぱいで、サイドバーへの広告掲載もとりやめたFacebookにしてみれば、ストーリー広告こそが広告スペースの問題への解決策となり得る。つまりストーリーズ機能が広告在庫の増加につながり、Facebook上でのマーケティング活動が促進される可能性もあるということだ。

ストーリーズ機能は避けて通れない道だった。2013年10月にSnapchatが初めて導入して以降、Facebookが同機能の脅威に気づくまでには約3年を要した。しかしFacebookはプライドを捨て、Instagramに導入した類似機能でSnapchatの後を追うことで、この新しいビジュアル・コミュニケーションのスタイルに順応していったのだ。デスクトップからモバイルへの変化で遅れをとったFacebookは、失敗から学びソーシャルメディア界における支配的な地位を維持したと見ることもできる。

ストーリーズ機能の詳細については、以下の記事を参照してほしい。

Stories are about to surpass feed sharing. Now what?

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(翻訳:Atsushi Yukutake

Googleフォトに「いいね!」と「お気に入り」がやって来る――ハートと星に注目

以前Twitterは「お気に入り」の星アイコンをハート型の「いいね!」アイコンに取り替えたが、Googleフォトは今回のアップデートで両方のアイコンを追加する。Googleの今日の午後ツイートによると、同社の写真共有サービスには星型の「お気に入り」ボタン」が追加された。ハート型の「いいね!」ボタンが追加されるのは来週だという。2つのボタンはそれぞれ異なる役割を担う。

「お気に入り」(星)ボタンは自分のライブラリーだけに表示される。ユーザーが「お気に入り」に選ぶとその写真は自動的に「お気に入りアルバム」に保存される。この機能はAppleやGoogle自身のPicasaを始め他の写真サービスではかなり以前から使われている。Googleが今回追加したのは少々遅いがまずは順当だろう。

ハート型アイコンはGoogleフォト版の「いいね!」だが、こちらは他のユーザーと共有している写真にだけ表示される。つまり「いいね!」できるのは家族、友達などユーザーの写真を見ることのできる相手だ。Googleによれば、アルバム全体が共有されている場合はそのアルバムに「いいね!」することもできるが、逆に共有されていない写真やアルバムに「いいね!」がつくことはないという。「いいね!」した写真を自分の「お気に入り」に追加したい場合は、まずその写真を自分のライブラリーにコピーしておく必要がある。

一見するとマイナーな改良のように思えるが、こうした「いいね!」や「お気に入り」を導入するのはサービスのソーシャル化の上で大きな決断といえる。以前Twitterが星型アイコンをハート型アイコンに変えたときは一部のユーザーから強い反発を受けた。Twitterでは今だにこの変更に馴染めないユーザーもいる。Facebookの場合でも、投稿に対する反応が「いいね!」だけであることに対するユーザーの不満が大きくなり、「ひどいね!」など他のリアクション・ボタンを導入することになった。

Googleフォトにも「いいね!」だけでなく「すごいね!」や「うけるね!」アイコンが導入されたら面白いだろう。 すべての写真が「良い」わけではなく、バカバカしい、悲しい、ショッキングだなどいろいろな種類の写真があるはずだ。当面はすべて「いいね!」で間に合わせておくことになる。

AIを利用した修正やモノクロ写真の自動着色などGoogle I/Oで発表されたGoogleフォトの各種の新機能も近く一般向けにリリースされる予定だ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Facebookのザッカーバーグ、欧州議会メンバーと来週、非公開面会へ

プライバシーは死んだ、なんて誰が言ったのか。Facebookの創業者、マーク・ザッカーバーグは、Facebookのプラットフォームが数百万人にものぼる欧州市民のプライバシーにどのように影響を及ぼしているのか、欧州議会の質問に答えることになった。ただし、その面会は公開されない。慎重に選ばれた一握りの欧州議会議員だけが出席し、その証人となる。

面会はブリュッセルで、現地時間5月22日午後5時45分から予定されている。面会終了後は、欧州議会のAntonio Tajani議長が記者会見に臨む見込みだ。

そのような面会の場からジャーナリストが締め出され、どのようなやり取りが交わされたのか報道できないというのは、まったく恥ずべきことだ。

Facebookがプライバシーや基本的人権をどう扱っているのか、という疑念に対しザッカーバーグ氏がどう答えるか。それについて、市民は意見を形成できない。

というのも、この面会はジャーナリストだけでなく市民に対しても非公開だからだ。

もしかしたら、面会の内容を選別して一般に説明することがあるかもしれない。その面会の目的は、Tajani議長のコメントでは“個人情報の使用に関する問題を明らかにするため”と曖昧に表現されている。

“欧州での選挙プロセス”にFacebookがどう影響を及ぼしたのか、というのが唯一の議論点だろう。

ザッカーバーグが、Facebookのプラットフォームについて公聴会で質問に答えるようにという英国議員からの要求を3度にわたり拒否していることを考えると、今回の欧州議会との面会受け入れはFacebook側が非公開を条件としたのではないかと推測される。

ザッカーバーグは、ユーザーのデータと政治広告が世界的なプライバシースキャンダルとなったことを受け、先月、米国議会の公聴会に出席し、証言した。

しかし、明らかにFacebookの責任姿勢は米国外では見られない(Facebookが今年初めに大々的に発表した“プライバシーに関する原則”にもかかわらずだ。その原則の一つは、‘我々は責任を負っている’としている。誰に、何に対して責任を負っているのか具体的に示していないが)。

我々は、なぜザッカーバーグが公聴会で欧州議会の質問に答えないのか、その後にロンドンへ行き、DCMS(英国デジタル・文化・メディア・スポーツ省)の委員会のフェイクニュースに関する調査について証言する時間はないのかと、Facebookに質問している。返事がきたら、アップデートする。

アップデート:Facebookのスポークスマンは、発表済みの社としてのコメントを繰り返している。そのコメントでは、「マーク・ザッカーバーグは現在のところDCMS委員会委員と面会する予定はなく、英国を訪問する予定もない」としてDCMS委員会の召喚を断っている。我々は、なぜ密室ではなく公の場で考えを述べないのかと尋ねているが、スポークスマンはそれに関し、「調べて、何か共有できるものがあればお知らせする」と言うにとどまっている。

欧州司法・消費者総局委員会の委員であるVera Jourova氏がツイートしているように、全ての欧州の人が自分たちの情報がいかに扱われたのか知る権利がある、ということをFacebookの創業者が真に受けていないのは残念なことだ。今回の面会は議席を持っている、選ばれたほんの数人だけなのだから。

残念というより、むしろ恥ずべきことだ。

今回の非公開面会については、欧州議会の議員全員が納得しているわけではないと言ってもよさそうだ。

また、欧州議会の消息筋によると、議長会議では出席者の半数が市民の自由、法務及び域内問題委員会での公聴会を求めたが、わずかの差で非公開となったようだ。

少なくとも、今回の件がザッカーバーグ個人にとってかなりのプライバシー問題であることが再び明るみに出た格好となっている。

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(翻訳:Mizoguchi)

Facebookストーリーズに新機能追加へ――音声投稿、投稿アーカイブ、ビデオ、写真のクラウド保存

Facebookは昨年インドでユーザーがどんな機能をStoriesに望んでいるかを調査した。現地では数多くの言語が混在しているうえにユーザーが利用するスマートフォンの記憶容量が概して低く、Facebookストーリーズが国際化を果たすために重要な指標を提供する環境と考えられた。

昨日(米国時間5/16)、Facebookはインドでストーリーズに3つの重要な機能の追加を開始した。これらの機能は近く全世界のユーザー向けに公開されるはずだ。追加される機能の第1は音声メッセージによる投稿だ。これはユーザーがタイプ入力を好まない、デバイスのキーボードがネーティブ言語の入力に適さないなどの場合に非常に魅力的だ。Facebookストーリーズの音声投稿は音声メッセージの背景としてカラーテーマまたは写真を選べる。

2つ目の新機能はInstagramストーリーズの場合とほぼ同様のアーカイブ機能だ。Facebookストーリーズへの投稿は自動的にアーカイブされ、公開期限が来た後も投稿したユーザーだけは呼び出すことができる。ユーザーは自分が何を投稿したかチェックできるし、改めてニュースフィードに投稿することもできる。3番目の新機能として、Facebook Cameraで撮影した写真を直接Facebookストーリーズにプライベートに保存できるようになった。デバイスの記憶容量が制限されている場合、ローカルに保存する必要がないのは便利だろう。【略】

Facebookストーリーズ Archive

FacebookはSnapチャットが国際展開にないがしろにした戦略の失敗から大きなチャンスを得ている。Android版の開発の困難さに加えてアメリカ国外の若いユーザーにリーチすることに消極的だったことが災いし、世界各地への展開でSnapchatはFacebookストーリーズに大きくドアを開いてしまった。その結果、3月に1億9100万人のユーザーを得ているもののSnapchatの成長率は過去最低水準に落ち込んでいる。逆にSnapchatストーリーズのクローン、WhatsApp Statusの1日あたりアクティブ・ユーザーは4億5000万人InstagramストーリーズのDAUも3億人以上となっている。

Facebookストーリーズのスタート当時は人影のないゴーストタウン気味だったが、その後、ここに投稿する友だちがどんどん増えていった。これは一つにはInstagramストーリーズと同期できるという便利さによるものだった。【略】そこで私が懸念したのは、ストーリーズが世界でポピュラーになるにつれ、人生の大切な瞬間にあってもストーリーズへの投稿を優先させてスマートフォンをかざして録画を続けるユーザーが増えるのではないかという点だった。

これは明らかにFacebookも望まない状況だった。Facebookストーリーズのディレクター、Connor Hayesは私の取材に答えて、「写真やビデオをセーブできるようにすれば、後で投稿できる。せっかく友達と楽しい時間を過ごしているのにスマートフォンにかじりついてストーリーズに投稿するための編集をしたりする必要がなくなる。コンサートなどのイベントに参加している場合も同様だ。投稿は後からできる」と述べた。

Facebook Cameraから直接Facebooストーリーズに保存

Storiesの投稿タブに「プライベート」というオプションが設けられ、Facebook Cameraで撮影したビデオや画像がFacebookに「自分のみ」として保存できるようになった。【略】

Facebookのオーディオ・ストーリーズ

一部のユーザーはFacebookがニュースフィードを差し置く形でますます目立つ位置にストーリーズを表示することを嫌っている。しかしFacebookとしてはここで後退するわけにはいかない。ストーリーズはソーシャルメディアの新たな核心となるべき存在だ。表示はフルスクリーンで、スマートフォンの体験としてもっとも没入感が高い。Facebookの CEO、マーク・ザッカーバーグ自身がFacebookはStories広告もニュースフィード広告と同様に重要だと言明している。「もし〔Storiesにおける広告〕の展開に失敗すれば、ニュースフィードからStoriesへのユーザーのシフトはわれわれのビジネスに悪影響を与えることになる」という。つまりこれらの事情が今回のインドにおける新機能の追加の背景にあると考えていいだろう。

ソーシャルメディアではビデオや写真はエモーショナルなインパクトが強く有効なメディアだ。しかしインターネット接続の帯域幅が狭く、デバイスの能力も限られているユーザーが世界に何億人もいることを忘れては国際的な成長は期待できない。

Facebookストーリーズについては後続記事も参照。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

下院民主党、ロシア発のFacebook広告3500点以上を公表

下院諜報特別委員会の民主党議員らは、ロシア拠点のインターネット調査機関、IRAがFacebook に掲載された広告数千点を公開した。

民主党によると、本日(米国時間5/10)公開したのは2015~17年にかけて掲載された広告3519点。ここにはIRAが一般投稿としてFacebookでシェアした記事8万件は含まれておらず、民主党は後日これも公開する予定だ。

これらの広告が実際にどれほど世論に影響を与えたのかは未だに不明だが、1140万人以上の米国民の目に触れたと民主党は言っている。

問題の広告はここですべて見ることができるが、ダウンロードするだけでもかなり時間がかかる。以前(少数)公開されたIRA広告についても指摘されたように、広告はトランプ支持むき出しではなく、 幅広い範囲のユーザーを対象に、目もくらむ数の意見や議論が書かれている。

「ロシアはソーシャルメディアを武器としてアメリカを分裂させるべく、2016年選挙を揺さぶろうとした」と、下院諜報特別委員会の有力メンバーである民主党のアダム・シフ議員はツイートした。「彼らは偽アカウントで偽のページやコミュニティーを作り、対立を呼ぶようなオンラインコンテンツとビデオを拡散し、アメリカ人を実際に動かそうとした」

議員はさらに、「ロシアが作ったFacebook広告をこうして公開することで、正当な政治的表現が守られ、アメリカ市民の求める情報が海外の広告主によって汚染されることが防がれることを願っている」と付け加えた

この公開にあわせFacebookも投稿で、2016年選挙の際に「このような情報運用妨害に気づくのが遅すぎた」ことを認め、今後の再発防止策(政治広告の公開データベースの構築など)の概要を示した。

「われわれの相手は決意の固い創造的で資金豊富な敵であり、これは永久に解決しない問題だ。それでも事態は着実に進展している」とFacebookは言った。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Google I/O:マップ・アプリにニュースフィード――個人別に情報や提案を配信するようになる

マウンテンビューの野外コンサートホール、Shoreline Amphitheatreで開催中のデベロッパー・カンファレンス、Google I/Oで、Googleマップの新バージョンが発表された。アップデートはこの夏に実施される予定だ。もちろんナビ機能は維持されるが、次世代マップではこれに加えて多数の便利な探索機能が追加される。

Googleマップのシニア・プロダクトマネージャー、Sophia Linは私の取材に答えて次のように語った。

1年ほど前に Googleマップに何を望むかユーザーにアンケートしたことがある。どうしたらもっと役に立てるだろうか、どんな新機能があったら便利だと思うかと尋ねた。
その中で圧倒的に多い答えが、『自分がいる場所についての情報をもっと詳しく知りたい』というものだった。それによって次にどちらに向かったらいいかを決められるという。そこで私たちはどうしたらその方向でユーザーの手助けができるか研究を始めた。

Googleマップの最大の機能はもちろん「行きたいところへ行くことを助ける」点だ。最近、Googleはマップにありとあらゆる機能を追加しているが、多くのユーザーに利用されているとは言えない。私はLinからマップの探索機能を利用しているユーザーのパーセンテージを聞き出すことはできなかったが、今回の新機能は機械学習の適用によりマップを大幅にスマート化しようとするもののようだ。

もちろん GoogleのことなのでAIを利用したユーザー別の個人化もいっそう進歩する。

新しいマップではFor youという専用タブが新設される。簡単に言えば、ユーザーに対し各種の推薦や情報の提供を行うニュースフィード的な仕組みだ。ただし「フォロー」する相手は人間ではなく、ある地域(お気に入りの町、観光地、訪問を予定して場所等々)だ。フォローしている地域で何かが起きて、Googleがそのニュースがユーザーの関心に合致すると判断すると配信されるのはソーシャルネットワークの場合と同様だ。たとえばその地域であるレストランの人気が高まっているとか、有名コーヒーショップのチェーン店がオープンしたなどという情報を教えてくれる。

Linによれば、これまで地域で何か新しいことを発見するのは運任せの面が大きかった。「たまたま道を歩いていて何かを見つけるということはある。しかしたいていの場合はそういう幸運には恵まれない。店が開いてから半年もたって気がつくということも多い。私たちは個人が発信す情報をる匿名化して処理し、ユーザーが関心を持ちそうな地域で何が起きているのかどんなトレンドなのかなのかをリアルタイムで把握できる」という。

アルゴリズムによって収集された情報は「フーディー・リスト」や「今週のトレンド」いったスタイルに整理され、ユーザーにどこに行ったらいいかを教えてくれる。Linによれば、フーディー・リストは匿名化された情報に基づくコホート分析により人々の短期的集散の状況を観察して得られるという。.ある店に新しく人が集まり始めたとすれば、、こうした動きは将来のトレンドの予兆となっていることが多い。一方、トレンド・リストはもっと長期の訪問者の増減を観察する。たとえば夏になるとアイスクリーム・パーラーを訪問する人口が増える、などだ。

Googleマップのニュースフィードではローカルニュースも分析の対象とする。

LinはFor youが目指しているのは大量の情報を集めることではなく「適切な情報をそれに興味を持つ人に適切なタイミングで配信する」ことだと強調した。

For youフィードにはAIテクノロジーをベースにした各種の高度な探索機能が実装される。たとえばマップはミシュランの星つきレストランのリストを作れる。またユーザーのいる場所、時間帯に応じて、たとえば「ファッショナブルなブランチ・スポット」を提案したりする。

新しいマップに予定されているもう一つの大きなアップデートはYour Matchだ。もしレストランその他を訪問する際に星つき口コミを調べたことがあればどの程度の情報が含まれるのか分かると思う。これに対して、新しいYour Matchは個人別の情報を加味してカスタマイズされた評価を示す。これにはユーザーの現在位置からの距離やユーザー自身の好みなどが反映される。

Googleマップにおけるユーザーの好みはマップの利用履歴の他に Googleマップの設定からマニュアルで入力もできるようになるはずだ。ただしユーザーと好みが似た人々によるある場所の評価は個別ユーザーにおけるカスタマイズには反映されないというのは興味ある点だ。

3番目の大きなアップデートではグループ・プランニングだ。デモを見た印象では、チームのツールとしてなかなかうまく作動していた。これはあるグループに対して簡単に提案や推薦ができる機能だ。グループというものの恋人とのディナーという場合でもよい。リストにある場所を長押しするとGoogleマップにチャットアプリのようなバブル形式のチャットヘッドが現れる。チャットヘッドはユーザーが他の場所を見てまわる間も表示が続く。候補先リストの作成を終えるとユーザーはリストを友達のグループなり恋人なりと共有できる。他のメンバーは自分の好みの場所を選んで投票すればよい。

Googleは新しいマップを夏の終わり頃に一般向けにリリースする予定だ。iOS版、Android版双方が準備されているが、どちらが先になるかはまだ決まっていない。当面新機能はすべてウェブ版ではなくモバイル・アプリ向けとなる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Twitterに暗号化DM機能が隠されていた

TwitterのAndroidアプリの奥深くに、ユーザー同士で暗号化されたダイレクトメッセージをやりとりできる “Secret conversation” というオプションが見つかった。この機能があれば、Signal、Telegram、WhatsAppなどの暗号化メッセージアプリに頼ることの多かった機密性の高い会話をTwitterで行える。

暗号化DMオプションは、Twitter for Androidアプリケーションパッケージ(APK)の中にあるのをJane Manchun Wongが最初に見つけた。APKにはTwitterが密かにテストしている機能や近く公開される予定でまだ一般に提供されていない機能のコードが含まれていることがよくある。Twitter広報はこの件についてコメントを拒んだ。Twitterがいつこの機能を正式公開するのかわからないが、少なくとも開発されていることはわかった。

暗号化DM登場の18カ月前、内部告発者のEdward SnowdenはTwitter CEO Jack Dorseyにこの機能を要求し、当時Dorseyは「あってしかるべき機能なので検討する」と答えた。

Twitterは同機能を「検討」からプロトタイプへと昇格させた。上のスクリーンショットには、暗号化メッセージの詳細、秘密の会話の開始、本人および会話相手の暗号化キーを表示して安全な接続を検証する、などのオプションが見える。

TwitterのDMは、電話番号もメールアドレスも使わずに、知らない相手と連絡をとる便利な手段となっている。記者に特ダネを送ることから、問題の警告、ビジネスの検討、あるいはナンパまで、Twitterはオープンなメッセージングメディアとして有力な地位を築いてきた。しかし、暗号化されていないとメッセージは政府やハッカーやTwitter自身に覗かれる恐れがある。

Twitterは長らくそのサービスを、政治活動や暴動までも支援する場であると位置づけてきた。しかし、政治的不一致や暴露、漏洩などの影響を恐れる人たちは、強力なエンドツーエンド暗号化が可能なSignalなどのアプリを使うのが常だった。暗号化DMの提供によって、世の中を変えようとする「チェンジメーカー」たちを呼び戻し、今もTwitterにいる人々を守ることができるかもしれない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebookの個人情報保護はまだ不十分、とドイツ司法大臣

ドイツの司法大臣はFacebookの個人情報流出問題に関して、サードパーティデベロッパーや他の外部プロバイダーがFacebookの情報を誤った形で使用することができないよう、内部統制と罰則を盛り込んだプラットフォームを要求する書簡をFacebookに送った。サードパーティがプラットフォームポリシーを遵守し、ルール違反した場合には厳しい罰則を課すことを求めている。

地元メディアに全内容が掲載されたこの手紙は、ロンドンのオブザーバー紙とNYタイムズが3月中旬にスクープして以来、Facebookが集中砲火を浴びている個人情報流出問題をさらに追求するものだ。このスクープ報道は、Cambridge AnalyticaがFacebookユーザー8700万人の個人情報をどうやって入手して選挙で不正利用したか、詳細を白日の下にさらした。

Facebook創業者でCEOのマーク・ザッカーバーグに宛てた書簡で、カタリーナ・バーレー司法大臣は、ユーザーのプライバシーに関してFacebookが最近とった対策について、“データディーラー”との協業を制限するのは“いいスタート”と評するなど歓迎の意を表明した。

しかし、バーレー司法大臣はFacebookにさらなる対応を求めている。データと利用者の保護という観点で一連の“必要不可欠な措置”をとるべき、というものだ。

大臣はまた、ドイツそして欧州におけるデータと消費者保護という点で、今回のCambridge Analyticaスキャンダルに伴いFacebookは長期の批判にさらされることになるとしている。加えて、Facebookの情報の扱いについてさまざまな告訴がなされたことも示唆している。

「遺憾ではあるが、Facebookはこれまで批判に対し十分に対応してこなかった」(Google Translateによる翻訳)。さらに「Facebookはデータ収集とデータの使用を拡大させ続けてきた。これは、プライバシー、そしてユーザーやサードパーティの自己決定を犠牲にしているものだ」と記している。

そして「必要なのは、Facebookが企業責任を果たし、抜本的に見直すことだ」と手紙を結んでいる。「(ザッカーバーグ氏は)インタビューや広告の中で、EUの新たな情報保護法はソーシャルネットワークにとって世界のスタンダードだ、と述べている。残念なことに、こうした考えをFacebookが履行しているかははなはだ疑問だ」と批判。さらに、EUの法律が適用されることがないよう、15億人にものぼる世界のユーザーのデータ操作ステータスを変更するとしたFacebookの決断についても懸念を示し、「だからこそ今後もFacebookが行うことを注視していく」と述べている。

Cambridge AnalyticaがFacebookの個人情報を使用していたという暴露が、Facebookにとって世界的なプライバシー問題へと発展して以来、同社はプラットフォーム上でのデータ保護を実行するためいくつかの見直しを明らかにした。

しかし、実際のところ、Facebookが発表したこの見直しのほとんどは、5月25日に施行されるEU一般データ保護規則(GDPR)への対応として少なくとも数カ月も前から準備が進められていたものだった。

にもかかわらず、Facebookの打ち出した策はプライバシー問題の専門家から手厳しく批判されている。GDPRに十分に対応しているものではなく、GDPRが適用されれば法的な問題とを引き起こす、とみている。

例えば、Facebookが先月発表した新たな同意の流れというのは、意図的な操作とみなされ、少なくとも新ルールの精神に反するものだと批判されている。

バーレー大臣はこうした批判を手紙の中で取り上げ、Facebookに下記の点を実行するよう、具体的に求めている。

・ユーザーにとっての透明性を高める

・ユーザーデータの取り扱いでの真のコントロール

・当然あるべきプライバシーと、Facebookのエコシステムへの同意についての厳密なコンプライアンス

・客観的、中立的、そして排他的でなく、ごまかしもないアルゴリズム

・設定や使用についてのユーザーの自由な選択

同意については、大臣はGDPR下では、Facebookはデータ使用ごとにユーザーの同意を得る必要があることを強調している。一括同意ですべての点で同意を得た、というふうにはできないというものだ。

これは、明らかにFacebookがいまやろうとしていることだ。例えば、欧州のユーザーに顔認証を選択するかどうかをたずねるとき、これによりユーザーの写真を外部の人が勝手に使用するのを防ぐことができるかもしれない、また、視覚障害を抱える人にとって助けとなるかもしれないと案内している。しかし、Facebookが必ず行う商業利用への同意の中には具体的な例は示されていない。

大臣はまた、GDPRではプライバシーをデフォルテ設定し、データの収集を最低限に抑えることが要求されると強調。GDPRに従うには、全てのデータ処理を見直す必要があるという主張だ。

“友達”からのデータ移送は、それぞれのケースで明白な同意の元行われるべきだ、とも述べている(2014年にデベロッパーがFacebookのプラットフォーム上でユーザー8700万人分のデータを収集してCambridge Analyticaに情報を流していたとき、同意は欠落していた)。

さらに、バーレー大臣ははっきりとFacebookに対し、シャドウプロファイルを作るべきではないと警告している。このシャドウプロファイル問題は先月、米議会がザッカーバーグ氏を呼んでただすなど、法的問題となっている。

Facebookは自社の開発者会議f8で、これまで同社が収集していたユーザーのブラウズ履歴を削除できるボタンを導入すると発表した。しかしこれは単に矛盾を強調するだけのものだ。Facebookによって追跡されている非ユーザーはこの削除ボタンを利用できないし、そもそも追跡などしないでくれとFacebookに言うこともできないからだ。

Facebookが、この非ユーザーのデータから発生した情報をどう扱っているのか明らかでもない。

確かに、このブラウズ履歴削除ボタンをクリックすることで、ユーザーは閲覧したサイトの履歴を消去することはできるだろう。しかしそれは、データから収集されたものを全て消去する、ということにはならない(おそらく見えないプロファイルに追加され、広告戦略目的に使用される)。

履歴削除のボタンは、FacebooknのPRにすぎない、と言ってもいいだろう。「ユーザーにしかるべき操作機能を提供している」と言えるようにする。これは、議員の追及をかわす戦略の一つなのだ(先月の米国議会でのやり取りは全く誠実さに欠けるもので、英国議会でもおおっぴらに批判された)。

TechCrunchでも、この履歴削除がどのように働くのか、なぜ導入するのかといった質問をFacebookに送っている。なぜなら、このボタンはデータ追跡を完全にブロックする機能を持っていないからだ。2日間にわたりこうした内容の電子メールを送っているが、Facebookからまだ一切返事はない。

主なWebサービスで使われているトラッキングピクセルやソーシャルプラグインを通じて集められた非ユーザーのデータの扱いをEUの規則に照らすと、Facebookはすでに苦境に陥っている。GDPRが施行されると、同意なくデータを利用するのは、そのアプローチを大幅に見直さない限り、明らかに大きな問題となる。

バーレー大臣は手紙の中で、政治的影響や意見操作を目的とする誤ったFacebookプラットフォームの使い方についても懸念を示している。そうした乱用や巧妙な操作の可能性を排除するため(例えばフェイクアカウントやソーシャルボットなど)、テクニカル面そして組織的面においてあらゆる方策をとる必要があると指摘する。その際は、客観的で中立的、そして排他的でないアルゴリズムを確保するよう述べている。

大臣はまた、独立したレビューを可能にするためにも対策をすべて開示するようFacebookに求めている。

Facebookは巨大だ。WhatsAppやInstagramといった人気のプラットフォームを傘下に抱え、効率的に収益を上げるエコシステムを急速に拡張してオフサイト追跡を展開している。バーレー大臣に言わせると、このエコシステムはドイツ、そして欧州のユーザーのプライバシーや自己決定権を犠牲にしているものとなる。

Facebookは大臣の手紙に対するコメントを複数から求められているが、この記事の執筆時点では応じていない。

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(翻訳:Mizoguchi)

今すぐTwitterのパスワードを変えよう

またその時がやってきたーーパスワード変更の時だ。木曜日(米国時間5/3)Twitterは、バグのためにユーザーパスワードが隠蔽されていない形式で保存されていたことを公表した。通常、パスワードのような機密データは様々な文字と数字を使ったハッシュ形式で保存され、パスワード文字列そのものは保護されている。今回Twitterは、内部ログにパスワードをハッシュなしの平文形式で保存していたものと思われる。

Twitterは、これまでのところシステム内のパスワード情報が漏洩したり、ハッカーによってアクセスされた形跡はないとしているが、未知のリスクはあり得る。同社はユーザーに対して予防措置としてパスワードの変更を推奨している。

Twitterの説明は以下の通り

われわれは、bcryptという関数を使ったハッシングと呼ばれる処理によってパスワードを隠蔽している。実際のパスワードは無意味な数字と文字の列に変換されてTwitterシステムに保存されている。この方法によって、システムはパスワードを表に出すことなく個人認証を行うことができる。これは業界標準のやり方である。

このほどバグのためにハッシング処理の完了前にパスワードが内部ログに書き込まれた。われわれはこのエラーを自ら発見し、パスワードを削除するとともに、このようなバグが再発しないよう対策を検討している。

本誌はTwitterに連絡をとり、バグの詳しい情報および、発生理由の詳細を求めている。

アップデート:Twitterは本事象の技術的詳細の提供を拒んだが、パスワードが発見される可能性は極めて低く、内部調査の結果侵入あるいは不正利用を示す兆候がないことを強調した。

これだけの規模の企業が、このように基本的なセキュリティーの失敗を犯すことは珍しいが、これはユーザーがパスワード管理を見直す新たな理由でもある。たとえ使用しているプラットフォームに間違いがあったときでも、自分のアカウントを安全に保つために、今こそ二要素認証LastPass1Password などのパスワード・マネージャーを導入するときだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Snapchat、第一四半期のユーザー数の伸びは過去最低—株価は15%ダウン

Snapchatの2018年第一四半期(1〜3月期)決算はまったく芳しいものではなかった。デザインの試行錯誤やFacebookとの競争を展開する中で、前四半期からの復活はならなかったようだ。1日あたりの平均利用者数は1億9100万人に達し、前期の1億8700万人より増えたものの、成長率は2.13%に落ち込んだ。これは、2017年第四四半期の5.05%、最悪だった同年第三四半期の2.9%に比べても、最も低い成長率だ。一株当たりの損失は0.17ドルで、収益は2億3070万ドルだった。市場は一株当たり損失を0.16ドル、収益を2億4450万ドルと予測していた。

前四半期に北米マーケットでユーザー数を100万人増やして急激に成長したのは、どうやらまぐれだったようだ。実際は見かけ以上に厳しい状況にある。CEOのEvan Spiegel氏が前もってしたためていた意見では、「四半期の平均利用者数は1億9100万人だった。3月の平均ユーザー数は低かったが、第四四半期の平均は上回っている」としている。Snapchatの利用者数が落ち込んでいるというのは、投資家の心理を冷やすものだ。

Snapchatのクローン的存在であるInstagram Storiesの1日平均利用者数は3億人、WhatsApp Statusは4億5000万人。Snapchatが抱える問題は大きなものになりつつある。市場はSnapchatのユーザー数の成長が弱かったことを嫌忌し、Snapの株価は時間外取引で12ドルと15%も下げた。

一方で、Snapの損失額は前四半期の3億5000万ドルから3億8570万ドルへと膨らんだ。経費削減のために一時解雇したのはまさにこの損失額をなんとかしようとしたものだったが、これはあまりにも遅く、また対策としても不十分なものだった。COOのImran Khan氏は「前年同期比の収入成長率を考えるとき、第二四半期での成長率は第一四半期のものより落ち込むことが予想される」としている。これも投資家の心理を悪化させている要因だ。

今回の決算発表の中で数少ない明るい話題の一つが、事業所やクリエイター向けのSnap Proの展開だ。これは有名人や事業所のためのものだ。Khan氏は「このSnap Proではプロフィールの管理やコンテンツの作成・公開、反応の分析が簡単になる。結果として広告獲得につながる」としている。しかしこのSnap Proは展開してまだ日が浅い。

Snapはまた、北米におけるユーザー1人あたりの平均収入で前代未聞の減少にも直面した。第四四半期というのはクリスマスなどの休暇時期を抱えるため、通常は第一四半期に比べ書き入れ時だ。しかしSnapの北米でのASRPU(1契約あたりの売上値)は、第四四半期の2.75ドルから2.1ドルへとあまりに大きく落ち込んだ。第三四半期の2.17ドルからも減少している。これは第一四半期で広告閲覧減少による収入の確保が厳しくなっているという深刻な問題を意味している。

Spiegel氏は「デザインの変更によりユーザーを戸惑わせることになってしまい、また広告主にも懸念を抱かせることになり、これが今四半期の収入では向かい風となってしまった」と認めている。だからこそ、Snapchatは、StoriesをDiscoverページの中に押し込むといった大きなデザイン変更を展開している。しかし、残念ながらこの変更はオリジナルより良くないようだ。私が思うに、Snapに必要なのは日付順にメッセージを並べたり、表示されている友達に関連するStoriesを表示したりするタブであり、Discoverセクションにプロ向けコンテンツをもってくることなどだろう。

Snapchatは第一四半期、アプリのデザインを徹底的に見直す一方で、FacebookがCambridge Analyticaスキャンダルに見舞われている間に収益を上げようとした。当初のApp storeのレビューはかなりネガティブなものだったが、初インストール数とApp storeでのランクは上昇した。セレブのSnapchat離れや一部での使用減はデザイン変更に踏み切らせ、その変更には古いバージョンへの回帰もあったようだ

Snapは先日、カメラ付きサングラスSpectaclesの2代目をリリースした。これが収入につながるかは、次の四半期で明らかになる。問題は、120人超の一時解雇による悪影響が今後出るかどうかだろう。

Spiegel氏は、クリエイターを他のユーザーと分けることで、クリエイターにとってSnapchatがコンテンツを展開するのにお気に入りの場所となるよう、閲覧環境を整えることができるとしている。しかし、クリエイターのDiscoverページを改善したとしても、InstagramやWhatsAppに対抗するのは難しい。CFOのDrew Volero氏は「Snapの収益をトントンにもっていきたいが、いつ達成できるかは描けていない」としている。四半期で収入を3億8500万ドル増やすのは、ユーザー数が激増でもしない限りかなり難しい。ましてや、一時解雇で社員も減っているという現状がある。

年初に書いたように、欧米の若者の間でSnapchatは人気があることを考えると、Snapchatが一晩でなくなるとは考えにくい。しかし、Snapchatがなくなることは現実味を増していて、この業界を牛耳ることなく世界に影響を与えたサービスだった、ということになりかねない。

正直、Snapの経営はかなり厳しい状況にある。成長率は今までで一番低く、ユーザーあたりの収入は減少し、会社の存続をゆらがしかねないほど損失は膨れている。仮にユーザーが徐々に新デザインに馴染むとしても、その時までにInstagramやWhatsAppがSnapの世界展開のチャンスの多くを吸い取ってしまうだろう。また、本格的なARメガネはまだ先の話ということでSpectaclesが売れたとしても、Snapが社の存亡危機を回避できるかはまったく予断を許さない。

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(翻訳:Mizoguchi)

WhatsApp Storiesのユーザー、4.5億人――音声通話、ビデオ会議機能も追加、独走体制へ

メッセージ・アプリのパイオニア、Snapchatは当初、国際市場を無視していた。その結果、今や WhatsAppが世界での成長のチャンスを独り占めにしている。今日(米国時間5/1)のF8デベロッパー・カンファレンスで発表された数字によれば、WhatsAppのSnapchat StoriesのクローンのDAU(1日当たりアクティブ・ユーザー)は今や4億5000万人に達している。

Snapの低調な第1四半期決算にともなう電話記者会見で発表された数字によればSnapchatのDAUは1億9100万人に過ぎない。昨年11月のFacebookの発表ではWhatsApp Status、Instagram Storiesのユーザーは合計3億ということだった。

WhatsAppにスタンプが登場

グループビデオもWhatsAppにやって来る

成功に安住することなく、 WhatsAppはスタンプ機能とグループ・ビデオ通話機能を追加したことを発表した。シンプルなチャットツールがこれによってさらに魅力を増すだろう。

ユーザーはWhatsAppのビデオ通話、音声通話をすでに毎日20億分も使っている。しかしここ数ヶ月内に分割画面で参加者が表示される4人までのグループビデオ通話が可能になる。参加可能な人数は将来4人よりさらに増やされるかもしれない。またWhatsAppのテキスト・チャットではスタンプが利用できるようになり会話がビジュアルになる。Facebook Messenger同様、サードパーティーのステッカーも使えるのでデベロッパーはチャットを賑やかにするイラスト多数を準備しているという。

ビジネス面でもWhatsAppは前進中だ。新しいWhatsApp For Businessアプリをすでに300万社が利用している。現在は無料アプリだが、今後は航空会社、銀行、モバイルキャリヤなどの大企業向けにボーナス機能を備えた有料版が提供される予定だ。利用者はアプリ内で物品、サービスの販売とカスタマーサポートができる。すでに企業からの強い関心を集めているため、これがリリースされればFacebookはまたしても着実な収入源を得ることになるだろう。

FacebookとInstagramが大統領選への干渉疑惑に揺れる中、WhatsAppはF8での明るい話題となった。WhatsApp事業部の責任者、Mubarik Imamは「無給でも働きたい会社があるとすればそれはWhatsAppだ」と語った。スキャンダルの渦中にあるFacebookはなんであれポジティブなPRを強く必要としている。WhatsAppがそれになるかもしれない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Facebook、「ハッピーバースデー」スパム問題をストーリーで解決へ

誕生日にFacebookの通知をオフにしたり、アプリそのものを削除したことのある人はいないだろうか? みんなの「誕生日おめでとう」がタイムラインにあふれるのを止めるためだ。実は、対応策が検討されている。Facebookが誕生日通知をどう扱うつもりかについて、今日のFacebook F8カンファレンスの基調講演でヒントが語られた。

新機能はFacebookのデモにはなかったし、公開時期も明らかにされていない。

しかし、基本的な考え方はこうだ。Facebookはストーリー機能を活用して「バースデー・パッケージ」を作り、その日の終わりにまとめて1回本人に送ることで、ユーザーは友達のタイムラインにメッセージを投稿しなくてもよくなる。

この話は、コラボレーション・ストーリー、ビデオクリッピングが可能になるストーリーのオプションなど、ストーリー拡張計画の一環として簡単に触れられた。

「そして誕生日には、友達全員があなたのタイムラインにおめでとうを書き込む代りに、「ハッピーバースデー」と書かれたパッケージに写真やビデオをまとめたものを受け取るというのはどうだろう」と製品開発責任者のChris Coxが基調講演で話した。

この機能が実際いつ公開されるのかは不明だが、Facebookが正式発表しないのはこの新しい「ハッピーバースデー」機能の詳細がまだ固まっていないからだろう。

友達のタイムラインに書き込むことが禁止されるとは考えにくい。むしろこれは、Facebookが友達や家族の誕生日を思い出させるためのプロンプト方法を変えるという意味かもしれない(現在Facebookは、誕生日メッセージをタイムラインに投稿するよう誘導しているが、それがストーリーを使うことを推奨するように変更されるのかもしれない)。

長年続くハッピーバースデー・スパム問題をFacebookが解決しようとする試みはこれが初めてではない。これまでにも誕生日投稿をグループ化するしくみを作ったり、2016年のバースデー・カメラや昨年の自動的にパーソナライズされたビデオメッセージなどでビデオを使わせるなど、さまざまな努力をしてきた。

さらには、誕生日メッセージを思い出ビデオにまとめる実験をしたこともあり、これは今回Facebookが紹介したハッピーバースデー・ストーリー機能にいちばん近い体験かもしれない。まとめビデオが復活する場合、ニュースフィードに現れるのではなく、あなた専用にパーソナライズされたストーリーになるものと思われる。

もちろん、バースデースパムが《どうしても》嫌な人は、当日近くなったらプロフィールから誕生日情報を削除すればいい。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebookのデート分野参入でMatchの株価が暴落

Facebookのデート機能導入の発表を受け、デートサービス企業のMatch株が暴落している。Matchは、Tinder、Match、OK Cupid、Plenty of Fishといった出会い系サービスを運営する会社だ。

本稿執筆時点で、Matchの株は約22%値下がりしている。

この分野へのFacebookの参入は、Matchの屋台骨と直接競合することを意味している。

しかし、Match Group CEO Mandy Ginsbergは、Facebookの同分野への参入を喜んでいると言う。

「われわれはFacebookがこの世界に来たことを喜こぶとともに、世界へ羽ばたくチャンスと捉えている。Tinder も急成長を続けている。」とTechCrunch宛ての声明で語った。「この分野に関わる個人的、秘密性のあるデータの多さを考えると、参入のタイミングについては驚いている。しかし、われわれは今後も製品の改革を続けて人々の関係の成功に注力していく。このカテゴリーのことはわれわれが誰よりも知っている。Facebookの参入はこの分野全体を活性化させるものだ」

一方Matchの親会社はFacebookへの批判を口にした。IAC のCEO Joey LevinはTechCrunchに向けた声明でこう言った。

ようこそこの世界へ。居心地はいいですよ。彼らのサービスは米ロ関係に貢献することでしょう。

BumbleもまたFacebookの新サービスに影響される可能性のあるライバルだが、今日のニュースに「ワクワクしている」と言っている。

「当社経営陣はすでにFacebookと接触し、連携の方法を探っている」とBumble広報がTechCrunchに伝えた。「BumbleとFacebookが手を組むことによって出会いのスペースをより安全で強固なものにできるだろう」

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Facebook、F8カンファレンスでデート機能導入を発表

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebook、F8カンファレンスでデート機能導入を発表

F8デベロッパー・カンファレンスでFacebookのCEO、マーク・ザッカーバーグはデート機能を追加すること発表した。FacebookはTinderの縄張りに侵入することになる。

ユーザーがデート機能にオプトインすると新しく「デート用プロフィール」を作成することができる。このプロフィールはFacebookの通常のプロフィールとは異なり、友達には表示されない。見ることができるのは同じくデート機能にオプトインしてプロフィールを作成した友達以外のメンバーだけだ。

Facebookはプロフィールをベースに多数のシグナルを比較してデート相手のマッチングを行う。Facebookは他のデートアプリに比べてはるかに詳しいユーザー情報を持っているのでマッチングの精度も高くなる。この機能は今年中にテストが開始される。

Facebookでは「新機能は〔デート用プロフィールの〕諸要素、共通の関心や友達などを勘案してデート相手の推薦を行う。Facebookのメンバーはグループやイベント機能を通じても共通の関心を持つ相手を発見できる」と説明している。私自身、この2月にTechCrunchでFacebookはデート機能を導入すべきだと主張したことがある。

Facebookのデート機能の仕組みはこうだ。

  1. デート機能にオプトインして専用プロフィールを作成する。このプロフィールはファーストネームだけで表示される。デート用プロフィールは友達には表示されない。読むことができるのはデート機能を利用している他のメンバーだけで、ニュースフィードにも影響しない。
  2. 利用者は近くのイベントやグループをブラウズして、関心が一致する利用者を発見しデート相手として「アンロック」することができる。他のユーザーも「アンロック」している場合、そのデート用プロフィールを見ることができる。
  3. デート用プロフィールには自分についての基本的な情報の他に何枚かの写真をアップロードすることができる。共通の関心その他Facebookが保有する情報をベースにデート相手の推薦が行われる。
  4. 双方がFacebookの推薦に興味を抱いた場合、MessengerとWhatsAppの専用窓を利用して直接会話を始めることができる。セキュリティー上の理由からここではテキストのみ利用できる。

Facebookがきっかけで交際を始め、結婚にまで至った例はすでに無数にある。Facebookには長期的なパートナーを得ることを目的とするマッチング機能を確立するのに十分な能力とチャンスがある。Tinderのようなデートアプリが手っ取り早く交際が始められることをセールスポイントとしているのとは対照的だ。投資家はFacebookのデート市場参入がTinderのビジネスに危険をもたらすと判断したようだ。Facebookがデート市場に参入すると発表した後、Tinderの運営会社、Match Groupの株価は17%ダウンした。

しかし最大の課題はFacebookが従来のソーシャルネットワークから新しいデート用ネットワークを十分に隔離できるかどうかにある。ユーザーとしてはソーシャルのすべてを一つのサービスに委せてしまうことに及び腰になるかもしれない。また推薦された相手とのチャットや現実のデートで痛い目にあったユーザーは責任はFacebookと責めるだろう。そうではあっても、Facebookの最高プロダクト責任者、Chris Coxが説明するように、「詳細なユーザーデータ、遍在性、ユーザーの身元の確実性などからもFacebookというプラットームはデート機能の実装に本質的に向いている」といえるだろう。

少なくともFaceDateは他のアプリに比べて「なりすまし」にいっぱい食わされる可能性ははるかに少ないはずだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

中国政府、WeChatの削除済みメッセージを収集していることを認める

中国政府当局は先週末、ほぼ全国的に使用されているチャットアプリのWeChat の削除済みメッセージを取得するしくみを持っていることを明らかにした。多くの人にとって驚きではなかったが、このような議論を呼ぶデータ収集手法を公式に認めることはかなり珍しい。

South China Morning Postの記事によると、安徽省の汚職防止委員会は土曜日(米国時間4/28)、当局は「あるテーマに関わる一連の削除されたWeChat会話を回収した」とソーシャルメディアに投稿した。

投稿は翌日削除されたが、それまでに多くの人が読み、起こりうる影響を理解した。(私を含め)10億人近い人々が利用するWeChatを運営するTencentは声明で「WeChatはチャット履歴を保存していない —— ユーザーの携帯電話やコンピューターにのみ保存される」と説明した。

この保存に関する技術的詳細については明らかにされていないが、関心を持つ当局が何らかに方法でアクセス可能であることは、委員会の投稿から明らかだ。アプリはもちろん、特定の話題の検閲を含む政府の要件に対応している。

まだ多くの疑問があり、その答はユーザーの脆弱性を説明するのに役立つだろう。メッセージーは安全に暗号化されているのか? 削除メッセージの復活にユーザーのIDとパスワードは必要ないのか? それとも「マスターキー」やバックドアで突破できるのか。ユーザーはWeChatでメッセージを永久的・完全に削除することが可能なのか?

中国政府が中国企業の保有、操作するデータをアクセスすることに対する恐怖は、対象となる企業に対する世界的な反発を呼んでおり、一部の国々(米国を含む)では、中国製のデバイスやサービスの機密情報や公式での利用を禁止している。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

TwitterもCamridge Analytica関連の研究者にデータを売っていた

Cambridge AnalyticaFacebookユーザー数百万人の個人データを不正アクセスしたことが発覚して以来、人々の頭の中にある疑問が残っていた。Dr. Aleksandor Koganはほかにどんなデータを手に入れていたのだろうか?

米国時間4/28にTwitterは、Koganが所有する民間企業、GSRが2014年12月から2015年4月までの5カ月間、公開ツイートの無作為サンプルへの一回限りのAPIアクセスを購入していたことをTelegraphに伝えた。またTwitterは、内部レビューの結果Twitter利用者の個人データをアクセスした形跡はなかったことをBloombergに話した。

Twitterは、様々なイベントや特定の話題や考えに対する感想や意見を調査する目的で、大企業や組織に対してAPIアクセスを販売している。

Twitter広報担当者はThe Telegraphに次のように語った:

Twitterは、Cambridge Analyticaが所有・運用する全アカウントによる広告を取り下げる方針を決定した。これは、Cambridge AnalyticaがTwitterの広告ビジネス方針に本質的に反するビジネスモデルを使用しているという当社の判断に基づくものである。Cambridge Analyticaは今後、当社プラットフォームでTwitterのルールに則り一ユーザーであり続けることは可能だ。

このデータは、Facebookのユーザーに関して収集されたデータとは明らかに性質が異なる。Twitterのユーザーデータは個人的内容がはるかに少ない。サービスを利用する際の位置情報はオプトイン方式であり、ユーザーは実名を使うことを強制されていない。

今日午前Cambridge Analyticaは、Kogan/GSRがTwitterから入手したデータをCambridge Analyticaが購入あるいは使用したことはないとツイートした。

本誌はTwitterにコメントを求めているので情報が入り次第続報する予定。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebookは個人的目的のための募金で手数料を無料にした

Cambridge Analyticaに関するあらゆることで責められているFacebookは、それでもまだ、何か良いことをしたい、と望んでいる。今日Facebookは、個人的目的で活動資金などを募金する場合、手数料を無料にする、と発表した。

これまではアメリカで4.3%、カナダで6.2%徴収していた手数料が無料になる。これらの手数料は、募金の目的や募金者の人物を審査するための費用、とされている。これからは、これら安全と保護のための方策に関わる費用を、Facebookが負担する。

Facebookの社会福祉ツール部門のトップAsha Sharmaは、次のように述べている: “この件についてはわれわれもまだ勉強中だが、とにかく人びとの福利を最大にしたいのだ”。

Facebookが無料でも、決済の費用や税金はかかる。アメリカとカナダでは決済の処理費用が2.6%+30セントだ。Facebookは、資金募集ツールの新しい機能を二つ発表した。

ひとつは、人びとが寄付を非営利の資金募集者宛てにできること。もうひとつは、個人の募金目的の種別の拡大だ。これまでのように、動物愛護や個人的緊急事態だけでなく、これからは医療目的のためのコミュニティの旅行や、養子縁組のような家族関連の目的、宗教的イベント、ボランティア活動の支援などでも募金ができる。

これまでに集まった募金の額をFacebookは明かさないが、同社の社会福祉ツールは、75万あまりの非営利目的の寄付獲得を助けた、という。Sharmaは個人的募金目的について、“これらすべての分野や種別で活動があるから、対象に含めざるをえなかった”、と言っている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa