NVIDIAがAT&Tやサムスンとの提携によりGeForce NOWクラウドゲーミングのリーチを拡大

米国時間1月4日のCESでNVIDIAは、ゲームストリーミングサービス「GeForce NOW」を特に強調した。これは、Google(グーグル)のStadia(確かまだ存在する)、Amazon(アマゾン)のLuna、人気上昇中のMicrosoft(マイクロソフト)のXbox Cloud Gamingサービスなどに対抗するものだ。これらのサービスはすべて異なるビジネスモデルを採用しており、GeForce NOWでは、プレイヤーが他で購入したゲームを簡単にサービスに持ち込むことができる。NVIDIAは制限付きの無料ティアを提供し、サーバーへのアクセスには月額10ドル(約1160円)からの会費を徴収している。

同社は4日、いくつかの新しいパートナーシップとともに、2013年に発売されたElectronic Arts(EA、エレクトロニック・アーツ)の「Battlefield 4(バトルフィールド 4)」と2018年に発売された「Battlefield V(バトルフィールドV)」が同サービスでストリーミング配信可能になったというニュースを発表した。新しいタイトルのローンチ初日というわけではないが、おめでたい話ではある。

もっと重要なのは、NVIDIAがGeForce NOWのエコシステム全体を拡大し続けていることかもしれない。この場合、それはAT&Tとの契約を意味する。AT&Tは、5G「アンリミテッド」プランで5Gデバイスを使用する顧客に、6カ月間のGeForce NOWプレミアムメンバーシップを無料で提供するとのこと。NVIDIAは、両社が「5G技術革新のコラボレーターとしてタッグを組む」と言っているが、基本的にはマーケティング上の契約を交わしたということだ。5Gが約束するのは、結局のところ低遅延だ。

画像クレジット:NVIDIA

リビングルーム向けにNVIDIAは、2021年から2021 LG WebOSを搭載したTVにベータ版を提供した後、Samsung(サムスン)とも提携し、同社のスマートTVにゲームストリーミングプラットフォームを提供していく。

「当社のクラウドゲーミングサービスは、Samsung Gaming Hubに追加されます。Samsung Gaming Hubは、ハードウェアとソフトウェアの架け橋となり、より優れたプレイヤー体験を提供する新しいゲームストリーミング・ディスカバリープラットフォームです」とNVIDIAは4日の発表で述べた。この契約について同社は、2022年の第2四半期にさらに詳しい情報を発表する予定だ。

画像クレジット:NVIDIA

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Aya Nakazato)

太陽電池を搭載し自ら電力を供給し続けるMayhtの小型高音質スピーカー

Powerfoyleはあらゆる光源から電力を取り出す素材を生み出し、Mayhtは新しいタイプのスピーカードライバーを開発した。この2つを組み合わせれば、お気に入りのプレイリストを聴き終わったあとも、ずっと鳴らし続けられるBluetoothスピーカーができあがる。両社は、2021年のCESでそのプロトタイプを公開しました。

MayhtのHeartmotionテクノロジーは、従来のドライバーの代わりに、10倍コンパクトで、もっとフラットな、軽量なスピーカーを実現させる。同社は音質、音域、出力に妥協することなく、このレベルの魔法を実現することを約束している。

「近年、家電製品はよりパワフルでコンパクトになりましたが、スピーカーのコアテクノロジーはこの100年間、ほぼ進化していません。私たちのHeartmotionスピーカー技術は、業界が夢をみながらも実現できなかった革命だと確信しています」という。

従来のスピーカー技術に比べ、はるかに小型・軽量であることに加え、ドライバーは現在市販されている同性能のオーディオ機器より少ない電力で駆動する。このスピーカー技術とExegerの太陽電池素材「Powerfoyle」との組み合わせは、まさに「フレックス」だ。この太陽電池は、屋内外のあらゆる光をエネルギーに変える。この太陽電池材料は、自己充電式の太陽電池製品の製造に使用することができ、その試作品は、この技術がコンシューマー向け製品として世に出る可能性を示す現実的な例の1つとなる。また、CESではBlue Tiger Headsetsが、同じソーラー充電技術を搭載した「Solare」を披露する。

CESでデモを行ったMayhtのスピーカーのラインナップ。右端はエグゼガーの太陽光発電技術「PowerFoyle」を使った「実質無制限」の再生時間を持つポータブルスピーカーのプロトタイプ(画像クレジット:Mayht)

ExegerのCEOであるGiovanni Fili(ジョバンニ・フィリ)氏は「ExegerとMayhtは、音楽の聴き方を変える可能性を秘めたすばらしい製品を共同開発しました。私たちはともに、すばらしいサウンドのスピーカーから無限のリスニング体験を提供し、スピーカー市場に新しい基準を打ち立てようとしています」という。

画像クレジット:Mayht

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(文:Haje Jan Kamps、翻訳:Katsuyuki Yasui)

Schlageの新型スマートロックはApple Watchで玄関を解錠することが可能

この数年、スマートロックを目にする機会は少なくはなかったが、業界の大手も未来に向けて目覚め始めたようだ。CESでは、大手Schlage(シュレージ)がスマートフォンやApple Watchに触れるだけでドアを開けられる機能を導入した「Schlage Encode Plus Smart WiFi Deadbolt」を発表した。

この技術は、iOS 15で導入されたAppleの最近のHome Keyの革新的技術に基づいて構築されている。この技術では、Apple Walletに家の鍵を追加することができ、身の回りの鍵と通信することができる。これにより、スマホやApple Watchをタップをするだけで(わざとらしく「オープンセサミ」「オープンシュレージ」と叫ぶのはオプションだと思われるが、同社のプレスリリースには明記されていない)、家の中に入ることができるのだ。

この技術のメリットは、鍵を簡単に配布できることだ。ゲストに一時的に家の鍵を渡すことができるのだ。例えば、カプチーノを買いに出かけなくてはいけなくなった後、あなたのドッグウォーカーが愛犬を連れて帰る必要がある場合や、配管工が予定より早く来て、家に入れないと帰ると脅された場合などだ。

Schlage Encode Plusロックは、Home Key機能を備えたHomeKitに対するAppleの最新の機能強化にいち早く対応したものとなる。エコシステムへの追加は歓迎すべきことだと思う。Schlageには100年にわたる錠前製造の経験があり、スマートホーム技術に関しては、BluetoothとIoTチップセットの助けを借りて製品全体を構築するよりも、もともとすばらしい働きをする製品にスマートさを追加する方が簡単なことが多いのだ。

Allegion(アレジオン)のブランドであるSchlageのゼネラルマネージャーであるDave Ilardi(デイブ・イラルディ)氏は「当社は100年の歴史を通じて、お客様が信頼できる便利で安全なホームアクセスでユーザーエクスペリエンスを革新することに専念してきました。私たちは、コネクテッドホームに革新をもたらしているという歴史と評判を持つ、高く評価されているこの2つのブランドを結びつけるAppleとのコラボレーションに興奮しています」と述べている。Schlage Encode Plus Smart WiFi Deadboltは、ホームオーナーに、よりシンプルで安全なアクセス方法を提供する。これは、シンプルさと安心感をもたらす目的にかなった体験を創造するという同社のビジョンの新たな一歩にすぎない。

イケているのが、当技術が「省電力」モードでも動作することだ。つまり、スマホやApple Watchの充電が切れそうになっている状態でも、さらに数時間、ドアを開けるために使用することができるということだ。

Schlage Encode Plusロックは、タップして開けるというワザを除けば、機能的にはSchlage Encode Wi-Fi対応ロックとかなり似ており、ドアがロックされているかどうかを確認したり、施錠 / 解錠をスマホから行うことができる。アプリから特定の時間帯にアクセスコードを設定できるので、永続的、一時的、定期的にかかわらず、特定のコードで特定の時間帯に他人へアクセスを与えることができる。また、同デバイスはリアルタイムのアクティビティログを保持しているので、どのコードがいつ、どの鍵を開くために使われたかを確認することもできる。Siri、Googleアシスタント、Alexaにも対応しており、それらからデバイスのコントロールが可能だ。

タップして解錠する機能は、AppleのHome Key機能で、iOSまたはApple Watchのデバイスでしか利用できないので、Androidユーザーは今のところその機能を使わずにやり過ごすことになるが、もちろんGoogleアシスタントやSchlageアプリを使ってデバイスをコントロールすることはできるだろう。

Schlage Encode Plus Smart WiFi Deadboltは2022年春末に購入可能で、小売価格は299.99ドル(約3万4800円)だ。

画像クレジット:Schlage

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(文:Haje Jan Kamps、翻訳:Akihito Mizukoshi)

心電図などさまざまなデータを測定するWithingsのスマート体重計

体重計は、しばらく前から体重以外のことも教えてくれるようになっている。Withings2009年以来、そうした体重計のリーディングカンパニーの1つだ。米国時間1月3日、同社は体のあらゆることを測定するブランドであることをこれからも目指して、Withings Body Scanを発表した。この299ドル(約3万5000円)のガラス面に乗れば、体重に加えて心電図やセグメント体組成が測定され、神経活動もモニターされる。

この体重計は家庭用心電計となるため、FDA(米食品医薬品局)の厳しい承認を得る必要がある。同社のScanWatchは手首で心電図を測定できる機能があるためFDAの承認に時間がかかり、ヨーロッパに比べて米国では発売がかなり遅れた。

関連記事:【レビュー】Withings ScanWatch、Apple Watchと正反対なスマート腕時計には乗り換えるべき価値がある

今回発表されたBody Scanには、Withingsの体重計でおなじみの機能に加えて新機能もいくつか追加されている。Body Scanには重量センサーが4つ搭載され、体重を50グラム以内の誤差で測定する(あるいは90キロの人なら誤差はわずか0.025%)。さらにITO(酸化インジウムスズ)電極14個が本体に、ステンレス電極4個が格納式ハンドルに内蔵されている。これらのセンサーを組み合わせて、6誘導心電図とセグメント体組成のデータを取得する。

Body Scanは心拍数、血管年齢、そして前述の心電図など、健康状態に関連するデータを日々分析する。多くの電極を備えているため、多周波BIA(生体電気インピーダンス測定)であらゆる体組成を知る面白さもある。従来からある標準的な体脂肪率以外に、体水分率、内臓脂肪、筋肉量と骨量も測定できる。さらに胴体、腕、足など部位別の結果もわかる。

Withingsは、マットレスの下にセットする睡眠トラッカー、スマート血圧計、体温計などを販売し、スマート健康フィットネスセンサーのラインナップも増やしている。こうした流れから考えると、Body Scanは明らかにブランド拡張だ。

Withingsはハードウェア製品に加えてアプリ内のヘルスコーチングも提供している。ユーザーは自分の健康上のゴールを達成するためにコーチング、臨床の専門家、自分に合った栄養指導、エクササイズのプランを利用できる。アプリから履歴も含めて健康に関するデータを書き出すこともでき、栄養士やトレーナー、医療従事者とともに積極的に自分の健康に関与したい人には特に有用だ。

画像クレジット:Withings

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(文:Haje Jan Kamps、翻訳:Kaori Koyama)

サムスンの最新格安フラッグシップ「Galaxy S21 FE」は約8.1万円から

CESは一般的に、あまり携帯電話の展示会ではない。それは、今から1〜2カ月先にあるモバイルワールドコングレス(MWC)に備えて目玉となるモバイルニュースを保存する傾向があるSamsung(サムスン)にとっては間違いなく言えることだ。代わりにこのイベントは、どちらかというとテレビ、洗濯機など、大きな製品が対象となる。

しかし、過去数年間、この家電製品の巨人は同社のフラッグシップSシリーズの発売の直前に、格安フラッグシップを発表するための舞台としてこのショーを使用している。長年にわたり、Samsungは、これまで「Lite」をはじめ、さまざまな製品名を考えてきたが「Fan Edition」の略である「FE」に落ち着いた。どうやら2021年の端末が、同社にとって大きな成功だったようだ。「2020年第4四半期の発売以来、Galaxy S20 FEは1年ほどで1000万台を販売し、過去1年間でSamsungの最も売れたGalaxyスマートフォンの1つとなった」と記されている。

画像クレジット:Samsung

結局のところ「Lite」というネーミングは、スペック的に「〜以下」という事実に繋がってしまうという考え方に行き着いたのだろう。つまり、これらのデバイスを一種のファンサービスと位置づけ、高価格帯のデバイスの豪華さの一部を提供しながら、コストを抑えるという名目で出血の一部を鈍化させているのだ。

今回発表されたGalaxy S21 FE 5Gの場合、開始価格は699ドル(約8万1200円)だ。これは、同社が2021年のS20で打ち出した価格帯と同じであり、手頃な価格のフラッグシップ機のトップに躍り出たGoogle(グーグル)のPixel 6よりも100ドル(約1万1600円)高い(ここでフラッグシップと格安の定義の区別が曖昧になってしまったら申し訳ない)。

画像クレジット:Samsung

「我々はGalaxy S20 FEとGalaxy S21のラインナップに信じられないほどの反響を得ました」と、SamsungのTM Roh(TM・ロー)氏はリリースで述べている。「だから我々は、S21 FE 5Gと同じアプローチを適用し、我々の忠誠なGalaxyのファンに最も重要なプレミアム機能を搭載しました。なぜなら、我々は彼らにとって最も重要なニーズを満たしているスマートフォンを提供することに焦点を当てているからです」。

この端末は、120Hzのリフレッシュレートを持つ6.4インチのディスプレイを搭載し、その後継となるSnapdragon 8 Gen 1がXiaomi(シャオミ)などの企業のフラッグシップ機に搭載され始めている中、Qualcomm(クアルコム)のSnapdragon 888プロセッサが搭載されている。1200万画素のメイン、3200万画素の超広角、1200万画素の望遠のトリプルカメラシステムを搭載している。さらに6GBまたは8GBのRAMと、128GBまたは256GBのストレージ、そして4500mAhのしっかりしたバッテリーも搭載されている。もちろん、その名のとおり5G対応だ。

画像クレジット:Samsung

デザインは標準的なS21から多くのヒントを得ているが、高級感があった造りは、より低価格のプラスチック製に変更されている。S21 FEは1月11日から出荷が開始される予定だ。

画像クレジット:Samsung / Getty Images

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(文:Brian Heater、翻訳:Akihito Mizukoshi)

LGのベストセラー有機ELテレビが新年に向けてバージョンアップ

LGはここ数年、有機ELテレビでかなりすごい連勝を続けている。LGの「C1」は、薄型テレビとして不動の地位を築いており、2021年のCESで同社の2022年ラインナップが我々の(仮想の)注意を引いたとしても、ほとんど驚きはないだろう。LGは、そのベストセラーのテレビに比較的小さなアップデートを施し、画面サイズとスマートさを追加したことで、十分満足しているようだ。

有機EL技術は新しいものではなく、SONY(ソニー)は2007年に解像度が低く、価格も破格な有機ELテレビを発表している。近年、その技術は加速度的に向上し、中流家庭の財布にも届くようになった。この有機EL技術は、従来のLED照明付き液晶パネルにあったバックライトを必要としない。大きな光源から小さなカラーピクセルの配列に光を当てるのではなく、有機EL技術では個々のピクセルが小さな発光ダイオードになっている。そのため、画素が消灯しているときはまったく光を発しないため、驚異的なコントラストと色域を実現している。また、バックライトがないため、テレビメーカーはパッケージングを工夫することができ、薄型化することで画面を丸めたり、曲げたりすることが可能になる。

LGのテレビは8年連続でCESイノベーションアワードを受賞しており、テレビの未来に向けた最新のビジョンを披露したLGは、まさに興奮に包まれていた。

G2シリーズとC2シリーズという2つの新シリーズを発表したのだが、どちらも有機ELの技術をアップグレードして、さらに美しい映像を実現している。LGは、この技術により、より高い輝度、より鮮明な画像、ディテールを実現し、よりリアルな画像を家庭で我々の目に映し出すことができると主張している。

画像クレジット:LG

LGのevo有機EL技術搭載の2022年製77インチC2。実際に見ると、より魅力的に見えるはずだ。LGの2022年G2シリーズには、新しい83インチモデルと世界初の97インチ有機ELディスプレイが追加されている。新しいサイズは、すでにラインナップにある他の3つのサイズ(55インチ、65インチ、77インチ)と合わせて導入される。LG G2シリーズは「ギャラリーデザイン」と呼ばれる、壁にぴったりと貼り付けるタイプのおしゃれなデザインに刷新されている。

一方、C2シリーズは、2021年のスタートラインアップに合計6つのディスプレイサイズを兼ね備える。狭い部屋やゲーム機・パソコン用として最適な小型の42インチモデルが追加された。この新型に加え、48インチ、55インチ、65インチ、77インチ、そして83インチモデルが用意されている。

また、2022年モデルの新機能として、LGのwebOS 22をベースとしたピカピカの新しいユーザーエクスペリエンスもある。このソフトウェアには、個人設定可能なプロフィールが含まれており、テレビを使うさまざまなユーザーが自身の設定を行い、どのストリーミングサービスを好むか、視聴履歴などに基づいてカスタマイズされたコンテンツを推奨してもらうことができる。

同社は、すでにクラス最高の演色性、輝度、フリッカーフリー体験をさらに向上させたと主張しており、ディスプレイ側にも多くの追加アップグレードがある。LGは、NVIDIA G-SYNC互換性をサポートする最初の有機ELテレビだ。同社のディスプレイは、NVIDIA(エヌビディア)の最上位RTX 30シリーズグラフィックスカードで完全な8Kゲームを可能にする最初の8K有機ELテレビであり、同社のゲームオプティマイザ・メニューから利用できるゲーム固有の設定やプリセットも備えていると念を押している。

間もなくレビューが公開されるはずなので、今後数週間から数カ月、それらのレビューに注目して欲しい。ラスベガスで開催されたCESに行かず、LGとその輝かしい新製品にいつも以上に興味がある方は、2022年1月4日の午前8時(太平洋標準時)からLGのバーチャル展示ブースをチェックすることもできる。

画像クレジット:LG

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(文:Haje Jan Kamps、翻訳:Akihito Mizukoshi)

ヘビーなメタバースを楽しむ人向け、軽量メガネ型VRヘッドセットや冷温デバイスなどをShiftallが発表

昨年、注目を集めたメタバース。2022年はさらに多くの関心が寄せられ、新たなサービスなど登場すると思われる。テック業界におけるこれからの動向を占うCES。リアルでの参加を見送る企業も増えているが、それでも各社から最新製品が登場するだろう。

日本のShiftallは1月4日、VRヘッドセット「MeganeX(メガーヌエックス)」、ウェアラブル冷温デバイス「Pebble Feel(ぺブルフィール)」、メタバース対応音漏れ防止機能付きマイク「mutalk(ミュートーク)」の3製品を発表した。

MeganeX

「MeganeX」はSteamVRに対応した超高解像度・超軽量のVRヘッドセットだ。メタバースで多くの時間を過ごすヘビーなVRユーザーが、今、求めている「軽さ」を追求した本製品は、ゴーグルタイプではなくメガネ型で重量は約250g(Oculus Quest 2は503gなので半分以下)。スピーカー内蔵の折りたたみフレームになっており、長時間装着しても疲れづらく、収納、携帯も楽になっている。

リフレッシュレート120Hzの5.2K/10bit/HDRのディスプレイを採用。6DoFに対応し、SteamVR対応するVRアプリケーションを楽しめるとのこと。

ウェアラブルデバイス「Pebble Feel」は最低9℃から最大42℃まで人体を冷やしたり、温めたりできるパーソナルエアコンだ。

Pebble Feel

専用シャツに装着することで接触する首元を霊薬、加熱し厳しい季節を快適に過ごせるのはもちろん、専用のSteamVR用アドオンを利用することで、VRChatといったメタバース空間で熱さや寒さを体験することもできるようになる。

mutalk

「mutalk」はメタバース対応の音漏れ防止機能付きBluetoothマイク。メタバースはオンラインゲームでのボイスチャットに最適だ。専用バンドで顔に固定することもできるためハンズフリーで会話も可能となっている。

MeganeXは販売予定価格税込10万円未満、Pebble Feelは2万円前後、mutalkは2万円前後となっている。MeganeXとPebble Feelは2022年春、mutalkのみ2022年夏の発売予定とのこと。いずれの製品もパナソニックと協業開発し、Shiftall製品として発売される。

まだ3製品は米国時間1月5日に開催されるCES 2022で出展される。

画像クレジット:Shiftall

メルセデス・ベンツが描く未来像、航続距離約1000kmの超高効率ラグジュアリーEV「Vision EQXX」

Mercedes-Benz(メルセデス・ベンツ)は米国時間1月3日、同社の電気自動車の未来を紹介するためのコンセプトカー「Vision EQXX」を発表した。結論は?目を見張るようなデザインと、コンパクトでスポーティーなパッケージにパワーと効率と走行レンジを詰め込んだ最新エンジニアリングとの融合だ。

EQXXはブランドを象徴する「ハローカー」であり、MercedesはCESに先立って行われたデジタル発表会で、アイデアからプロトタイプまで18カ月かかったと説明している。このクルマは同社の将来の電気自動車の基盤になるために作られた。狙いは、外装スタイリングを向上させたり、巨大なインフォテイメントディスプレイを搭載することだけではないが、実際EQXXには搭載されている。

同社はEQXXを、デザインとエンジニアリングをどこまで追究できるかを証明する実験の場として使った。会社が焦点を当てたのは、バッテリーのエネルギー密度の向上とバッテリー・ケースやブレーキ・ディスクなどに軽量な材料を使うことによる車体重量の減少、抵抗係数Cd 0.175を生み出す空力設計、超低転がり抵抗タイヤ、新型のコンパクトな電動パワートレインなどだ。

電動専用のシャシーには、軽量F1サブフレームが用いられ、パワーエレクトロニクスの開発に非常に有効な研究ツールであるとMercedesはいう900ボルト電動系統を採用している点が注目される。

Mercedes-Benz VISION EQXXのエクステリア(画像クレジット:Mercedes-Benz)

他に、バッテリーシステムに最大15.5マイル(25 km)の走行距離を追加する超薄型ルーフパネルなもある。

最終的に出来上がったのは、一回の充電で620マイル(約1000km)走行可能な電気自動車で、効率95%はバッテリーのエネルギーの95%が車輪に伝わることを意味している。

この未来的で高効率のEVを開発するために、同社は研究開発部門に加えて、フォーミュラ1とフォーミュラEのチームからも人員を参加させた。

「彼らはすでにパワートレインの電動化が進んでいるモータースポーツにおけるイノベーションが、ロードカーの開発に直ちに応用できることを証明しています」とDaimler AG(ダイムラー)の取締役でMercedes-Benz ATの開発・調達担当CTO(最高技術責任者)であるMarkus Schäfer(マーカス・シェーファー)氏は語った。

バッテリーのサイズを大きくするだけでなく、Merceds-Benzと同社のHPP(ハイパフォーマンス・パワートレインズ)チームは、エネルギー密度が400Wh/Lに近い新しいバッテリーパックを開発した。

同社によると、このベンチマーク成績によって、100kWh近い利用可能エネルギーをEQXXのコンパクトな車体に収めることが可能になった。

「実質的に、EQSのエネルギーをコンパクトカーの車体サイズに収めたことになります」とHPPの先進テクノロジー担当ディレクターAdam Allsopp(アダム・アルソップ)氏は、2021年に同社が発売した電気自動車であるEQSを引き合いに出した。「バッテリーはほぼ同じエネルギー量を持ちながら、サイズは半分で30%軽量です。バッテリー管理システムとパワーエレクトロニクスは、損失の減少に最大の焦点を当てて設計されています。この効率化目標を達成するために、将来の開発プログラムに応用できることを数多く学びました」。

このエネルギー密度向上を可能にしたのは、Mercedesがアノードの化学における「重要な進展」と呼ぶもので、シリコン含有量が高く、一般に使われているアノードより大幅に多くのエネルギーを蓄積可能な最新の化学組成からなる。

外観は、傾斜したフロントとグロスブラックのグリルとローズゴールドのハイライトに加えて、フロントパンパーには2Dのスターパターンがあしらわれている。ヘッドライトは2つの星型部分からなり、大きい方のセンターレンズの後方にロービームとハイビームのライトアレイがある。Mercedesは、この星型の配置とバンパーにある2Dスターパターンは、将来のモデルに採用されるフロントエンドデザインのプレビューになっていると語った。

後部にはサプライズがある。リトラクタブルリアディフューザーだ。

Mercedes-Benz VISION EQXXのエクステリア(画像クレジット:Mercedes-Benz)

室内には8K解像度の47.5インチ一体型LEDディスプレイがある。このインフォテイメントスクリーンは応答の速いリアルタイムグラフィクスが表示され、クルマの幅いっぱいまで表示されるとMercedesはいう。同社がNAVIS Automotive Systems(ナビス・オートモティブ・システムズ)と共同で開発した3Dナビゲーションシステムを使って、ユーザーはこの巨大画面をズームインしたりスクロールしたりできる。そして同社の最新モデル車と同じく、EQXXにはユーザーの行動を学習していく最新ボイスアシスタント・ソフトウェアが搭載される。

Mercedes-Benz VISION EQXXのインテリア(画像クレジット:Mercedes-Benz)

EQXXの機能と開発成果の多くがすでに生産モデルで利用されており、コンパクトカーおよび中型車のためのMerceds-Benz Modular Architecture(メルセデス・ベンツ・モジュラー・アーキテクチャー)もその1つだと同社は言った。

画像クレジット:Mercedes-Benz

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Nob Takahashi / facebook

サムスンの2022年スマートテレビはクラウドゲーム、ビデオチャット、NFTまでサポート

CESの正式な開幕に先立ち、Samsung(サムスン)は米国時間1月3日、次世代スマートテレビのビジョンを明らかにした。クラウドベースのゲームサービス、テレビを見ながらのビデオチャット、さらにはNFT(非代替性トークン)まで搭載している。同社によると、2022年のスマートテレビには新しい「スマートハブ」機能が搭載され、メディア、新しいゲーミングハブによるゲーム「アンビエント」(テレビを使用していないときアート、写真、その他の情報をテレビに表示する機能)など、異なる種類のエンターテインメントを切り替える機能を消費者に提供する。

ゲーマーにとって、この新しいテレビに追加される最も注目すべき機能は、Tizenで駆動するゲームストリーミングディスカバリープラットフォーム「Samsung Gaming Hub(サムスンゲーミングハブ)」だろう。このサービスで、ゲームストリーミングプロバイダーは、自社のゲームライブラリを直接テレビに持ち込むことができるようになる。Samsungは1月3日、NVIDIA GeForce NOW、Google(グーグル)のStadia(スタディア)、Utomik(ユートミック)との提携を発表した。さらに多くの提携が今後予定されているという。

Samsung TVのユーザーは、このハブから利用可能な作品をブラウズしたり、ゲームを検索・購入したり、お気に入りのゲームをすぐにプレイしたりすることができるようになる。また、同社によれば、ゲームコントローラーを新しいゲーミングハブとペアリングすることも可能だ。さらに、ユーザーはYouTube(ユーチューブ)に簡単にアクセスでき、お気に入りのストリーマーをフォローしてゲームコンテンツを視聴することもできる。

2022年発売の4Kおよび8Kテレビとゲーミングモニターは、新しい「HDR10+ GAMING」規格に対応し、低レイテンシー、可変リフレッシュレート、120Hz以上のHDRゲーミング体験を提供する。同社によると、この体験の特徴は、コンソールやPCなどの入力ソース間で設定を手動で行う必要がない自動HDRキャリブレーションだ。対応テレビは、Q70テレビシリーズ以上のNeo QLEDラインナップと、Samsungのゲーミングモニターとなる。

Samsungの新しいゲーミングハブは2022年後半に利用開始となる。ゲーム、メディア、ライフスタイルの各カテゴリーのメインナビゲーションメニューから利用できるようになる予定だ。

画像クレジット:Samsung

スマートテレビにクラウドゲームを加えるのはSamsungだけではない。LGは2021年に同社のWebOSスマートテレビでGeForce NOWとGoogle Stadia利用可能になると発表した。Amazon(アマゾン)のLunaは同社のFire TVで動作し、Google StadiaはLG、Hisense(ハイセンス)、TCL、Philips(フィリップス)などの対応スマートテレビで動作する。もちろん、代替手段として、こうしたサービスにストリーミングデバイスからアクセスすることも可能だ。

Samsungの2022年スマートテレビの新しいラインは、ゲーム以外にも、友人とのテレビや映画の共同視聴、NFTの売買など、この1年ほどで人気が高まったトレンドを取り入れる。

パンデミックの初期に人々は、新型コロナウイルスのロックダウンやその他の制限の中で、家族や友人とつながり、時間を一緒に過ごすさまざまな方法を探した。それを受け、共同視聴サービスや、大切な人と同時にエンターテインメントをストリーミングできる機能が増加した。HuluAmazon Prime VideoDisney+などが、異なる場所にいながら、映画や番組を同時にストリーミング再生できる共同視聴機能を取り入れた。最近では、Apple(アップル)がFaceTime上でSharePlayを開始し、Disney+や、NBA、Paramount+、Showtime、Apple TV+、TikTokなどのストリーミングアプリもサポートするようになった。

Samsungはこのトレンドに対し、家族や友人がテレビで番組や映画を見ながらビデオチャットできる、独自の新しい「Watch Together(同時視聴)」アプリを提供することで対応する。

画像クレジット:Samsung

スマートハブに追加された、より奇妙なもう1つの機能はNFTへの対応だ。このプラットフォームでは、2021年後半にSamsungのテレビモデル「MICRO LED」「Neo QLED」「The Frame」で、ユーザーがNFTを探索、購入、取引できるアプリを提供する。

「NFTの需要が増加するなか、視聴と購入が断片化している現状に対するソリューションの必要性がこれまでになく高まっています」と同社はThe Vergeに述べ、同社が「世界初のテレビ画面ベースのNFT探索ツールおよび市場アグリゲーター」と呼ぶものの詳細を説明した。ユーザーは、NFTアートを閲覧、プレビュー、購入するだけでなく、テレビで誰かに見せることもできる。最後の機能は、NFTのクリエイターの推奨に合わせてテレビのディスプレイ設定を自動的に調整する、スマートキャリブレーション機能によって強化されている。また、ユーザーはNFTを調べる際、NFTの履歴やブロックチェーンのメタデータを閲覧できる。

NFTアプリについて、パートナーが誰なのか、どのテレビモデルがこの機能をサポートするのかなど、Samsungは詳細な情報を提供できていない。このニュースは、詳細がすべて明らかになる前に発表されたようだ(また、消費者がテレビ画面からNFTにアクセスしたいという需要がどれだけあるかも不明だ)。

新しいスマートハブに含まれるサービスに加え、2022年のスマートテレビは、ユーザーが画面を縦置きに回転させることができる「Auto Rotating Wall Mount and Stand」などのアクセサリーと連動する予定だ。このモードは、Samsung独自のライフスタイル機能である「アンビエントモード+」や「アートモード」の他、TikTokやYouTubeなどのサードパーティアプリに対応する。

画像クレジット:Samsung

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

プレイするハードも台数も問わない夢のAlienware製家庭用ゲームサーバーConcept Nyxは「あくまでも」コンセプトモデル

ここ数年、Dell(デル)および同社のゲーミングブランドであるAlienware(エイリアンウェア)は、将来登場する可能性のあるものとして、コンセプトデバイスの披露を好むようになっている。実際、これは自動車業界をお手本として家電業界全体のトレンドになりつつある。見方によっては、潜在的な未来を垣間見ることができる興味深いものであり、ちょっとした注意をそらすものでもある。

Dellにとって、これはゴールデンタイムにはまだ早い技術に対するコミュニティの関心を測る機会だ。最近のよい例が、Concept UFOだ。Alienwareが2021年の今頃に発表した携帯ゲーム機で、これは現在でもまだコンセプトの域を出ていない。

画像クレジット:Alienware

Concept Nyxは、家庭用サーバーとして動作し、家中どこにでもゲームをストリーミングすることができる。この製品の究極のコンセプトは、どのハードウェアでプレイしているかに関係なく、家庭内で複数のゲームを複数のデバイスに同時にストリーミング配信できるようにすることだ。一方、コントローラーは、スマートテレビやコンピューター、その他のデバイスと接続し、Dellのアプリを通じてゲームをプレイする主要コンタクトとなる。

価格や、複数のゲームを同時にストリーミングするために必要な計算能力など、解決しなければならない問題がいくつかありそうだ。CPUやGPUを大量に搭載すると迅速に駆動するようになるが、家庭のWi-Fiを使ったストリーミングでは現実的ではなさそうだ。

当面のもっと大きな問題は、どれだけの需要があるかということだ。潜在的なユーザーの多くは、すでにゲーミングPCやコンソールに投資しているのではないかと筆者は思う。たとえそうでなかったとしても、このような製品は競争力のある価格でなければならない。家の中で2つ(あるいは4つ)のゲームを同時にストリーミングできるという約束は、ほとんどのシナリオにおいてコンソール2台と同じ価格ではない。

画像クレジット:Alienware

Alienwareはブログ記事で次のように述べている。

私たちは、4つのゲームのストリーミングを同時に駆動する方法、デバイス間のスマート切り替え、どこで購入したかに関係なくすべてのゲームの中央ライブラリからのストリーミングを検討してきました。Concept Nyxは、ゲームをお気に入りの音楽、テレビ番組、映画にアクセスするのと同じくらい簡単にすることを目指しています。各デバイスにインストールされたシンプルなアプリからすべてのゲームに瞬時にアクセスし、家にあるあらゆるデバイスでよりシームレスなゲーム体験ができることを想像してください。ゲーム時間をめぐって家族やルームメイトとケンカすることもありません(食料品や洗濯のことでケンカすることはあります)。バリケードを取り払い、誰もが自分のペースでゲームを楽しめるようになるとしたら、すばらしいことだと思いませんか?

繰り返しになるが、これはあくまでもコンセプトの段階であり、現状ではNyxは市場に出る前に中止となる可能性が高いと思われる。

画像クレジット:Alienware

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(文:Brian Heater、翻訳:Nariko Mizoguchi

【コラム】10年前のCES 2012を振り返る「Ultrabook、Noka Windows、全家庭に3Dプリンターを!」

家電製品(consumer electronics)は時間の経過を図る「ものさし」としてはよろしくない。そして、正直にいってConsumer Electronics Show(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)はさらによくない。これまで私がCESに行った回数はゆうに2桁に達しているが、だいたいが同じような体験だった。1週間続くニュースとピカピカのガジェットの山。トレーラーやプレスセンター、ホテルの部屋、コンベンションセンター会場などからは、ときとして非現実的なその年のトレンドを決めようとするニュースが飛び込んでくる。

ラスベガス・コンベンションセンターと数多くの博覧会会場とホテルのスイートルームは、善意と計画的陳腐化の亡霊で溢れかえる。それはこの業界の特質だ。今や日常となったデバイスのいくつかは、過去10年にCESでデビューしたものだが、ほとんどの場合、デバイスは現れては消える、そもそも店の陳列棚にたどりつけばの話だが。

CES 2022は奇妙なイベントになりそうだ。その理由はフロアで起ころうとしているどんなことでもなく、世界的にやむを得ない状況によるものだ(ただし、聞くところによるとBackstreet Boys[バックストリート・ボーイズ]のメンバーの1人は自宅のボクシング器具を見せびらかすために登場するらしい)。新型コロナウイルス感染症が蔓延する前の対面カンファレンスの意義を問う声はもちろんある。もっとも、いつだってCESは例外的であり、それはハードウェアが発表されるのと同じ部屋にいることの重要性によるものだ。

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2020年のパンデミックるによるイベント中止をかろうじて逃れたCES 2021は、オールバーチャルの未来を予見するためのリハーサルだった。その結果はといえば、中途半端なものだった。それに対して、CES 2012にそんな問題は一切なかった。その前数年間の(世界同時不況による)わずかな落ち込みの後、その年の参加者は史上最多の15万3000人を記録した。成長はその後数年間ラスベガスを席巻し続け、2019年には18万2000人と再びピークを迎えた、と主催者であるCTA(全米民生技術協会)は述べている。

2012年のCESは、もはや存在しない形の携帯電話ショーのようだった。Mobile World Congress(モバイル・ワールド・コングレス)を翌月に控え、多くの大物企業はApple(アップル)にならって主力製品を自分たちの時間に発表するようになった結果、CESはかつてのような携帯電話の中心地ではなくなった。しかし、その後の10年間、その空間は別の分野の製品によってすぐに埋められた。中でも最も目立っているのが自動車で、今やショーの中心となっている。

Sprint Corporationの通信機器8T8Rの無線ユニットに接続されたカラーコードケーブル。1つの基地局の8基の受信機と8基の送信機を組み合わせて、SprintのLTE TDD 2.5 GHz回線の性能を向上させる。2014年8月13日水曜日、イリノイ州シカゴのビルの屋上にて。Sprintは7月に6年ぶりの四半期黒字を報告し、予測以上の契約者を獲得してアナリストの売上予測を上回った(画像クレジット:Daniel Acker/Bloomberg via Getty Images)

LTEはCES 2012会場のいたるところにあり、数年前の5G襲来のようだった。CNETは「4G騒動」とまで見出しに書いた。SprintがラスベガスのショーでWimax(ワイマックス)をデモしてから5年、会社はLTEの世界に踏み込む準備を整えた。Sony Xperia S(ソニー・エクスペリアS)が見出しを飾り、初代iPhoneがBlackBerryの時代の終焉の幕開けを運命づけた5年後、Motorola(モトローラ)はDroid 4(ドロイド4)で勇敢にも物理的キーボードを復活させた。

画像クレジット:TechCrunch

しかし、実際のところこのショーは、発表された2種類のLTE対応Windows携帯端末のうちの1台のものだった。HTC Titan II(HTCタイタン2)は、次世代ワイヤレステクノロジーを同OSで採用した最初のデバイスだったが、4.3インチAMOLED(アクティブマトリクス有機EL)ディスプレイ、8メガピクセル背面カメラ、512MB RAMと人目を引くデザインで参加者の興味をかきたてたのはNokia Lumia 900(ノキア・ルミア900)だった。

その1年前、Nokiaの歯に衣着せぬCEOだったStephen Elop(スティーブン・イロップ)氏は、会社の苦悩を氷の海に取り残されて燃え上がる船になぞらえた。Microsoft(マイクロソフト)との提携はNokiaの決断だった。1年後、Nokiaはモバイル部門をMicrosoftに売却した。

QWERTYキーボードにしがみつこうとしたDroid 4の勇気(結局運は尽きたとしても)に似て、Sony(ソニー)のbloggie(ブロギー)は、スタンドアロン型ブロギングカムコーダーの最後のあがきだった。それはCisco(シスコ)が、2009年に当時絶大な人気だったポケットカムコーダーを5億900万ドル(約509億円)で買収したFlip Video(フリップ・ビデオ)事業から撤退してから1年後のことだった。死んでいくカテゴリーの最後の燃えさしを「どうにでもなれ」とばかりに拾うのはSonyに任せた。

画像クレジット:TechCrunch

そして、あのUltrabook(ウルトラブック)があった。このカテゴリーの時代があったとすれば、それはラスベガスでの5日間だった。その年の半ばまでに、カテゴリーの終焉に関する話題はすでに始まっていた。Intel(インテル)が命名し、Copmutex 2011(コンピュテックス2011)で発表されたそのカテゴリーは、最新の薄くて軽い分類だったが、実際のところPCメーカーそれぞれによるMacBook Air対抗の試みだった。

Intelはそのカテゴリーに厳格なガイダンスを設け、薄さ、軽さ、バッテリー寿命などに焦点を当てた。結局、法外なコストと絶え間なく変わるゴールとスペックに加え、スマートフォンとタブレットの台頭によってUltrabookの運命は尽きた。

画像クレジット:TechCrunch

CES 2012では、デスクトップ3Dプリンティングは未来であり、MakerBot(メーカーボット)はその中心だった。ニューヨーク市拠点でオープンソースプロジェクト、RepRap(レップラップ)のスピンアウトだった同社は、ショーの場を利用してReplicator(リプリケーター)を発表した。前機種のThing-O-Matic(シング・オー・マチック)を飛躍的に改善したシステムは、Star Trek(スター・トレック)に由来する名前を擁し、すべての家庭に3Dプリンターをという夢に向かう大きな一歩を感じさせた。

価格、技術的限界、そしてFormlabs(フォームラブス)などのライバルのより高度なテクノロジーの到来によって、この分野の多くの企業が財を失い、結果的にかなりの規模のテック・ハイプ・バブルを明確に示すことになった。1年後、MakerBotは3Dプリンティングの巨人、Stratasys(ストラタシス)に買収された。同社は教育市場向けの3Dテクノロジーに焦点を合わせていた。

いつものことだが、CESはコンセプトであり続ける運命と思われる多数のコンセプトをもたらす。Samsung(サムスン)のSmart Window(スマート・ウィンドウ)も当然のごとくその1つだった。透明な窓型ディスプレイにタッチスクリーンを備えたデバイスは、誰もがあらゆるものを巨大スクリーンにしたがっていると思われた時代に多くの参加者の目を引いたが、CESブースの飾り以上にはなることはなかったようだ。付け加えておくと、それ以来同社は社内インキュベーター「C-Lab」の一環として、人工スマートウィンドウに投資している。なぜなら、繰り返しになるが、消費者エレクトロニクスはこと前進に関する限り、異様なほど繰り返しの多い業界だからだ。

10年がすぎ、CES 2012は成功よりも失敗に見えるかもしれない。たしかに、最も騒がれた製品は、後々最もダメージを受けている。すべての家庭に3Dプリンターもスマート・ウィンドウもまだない。でも、そうだ、LTEはちょっとした成功だろう。

画像クレジット:MANDEL NGAN/AFP / Getty Images

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(文:Brian Heater、翻訳:Nob Takahashi / facebook

2022年、もっと「エイジテック」に注目しよう

この2年間、私たちの多くは、画面を通してしか高齢の身内と会うことができず、安全とひきかえに物理的な距離を取りながら、年老いていく身内を見守ってきた。今回のパンデミックでは、何よりも高齢者の脆弱性が浮き彫りになった。創業者、投資家、ジャーナリストなど、テック業界の関係者はみんな「エイジテック」にもっと注意を払う必要がある。

「エイジテック」はニッチな分野ではなく、人口の高齢化は一部の国に限られた話でもない。世界保健機関(WHO)の最新レポートによれば、2030年には6人に1人が60歳以上の高齢者になり、80歳以上の高齢者は2020年から2050年にかけて3倍の4億2600万人に増えると予想されている。

またレポートには「人口の高齢化と呼ばれるこのような分布の変化は、高所得国で始まったものですが(例えば、日本では人口の30%がすでに60歳以上)、現在では低中所得国が最も大きな変化を経験し始めています」と書かれている。「2050年には、世界の60歳以上の人口の3分の2が、低中所得国に住んでいることになるでしょう」。

WHOの報告書は続けて「グローバル化、技術開発(交通・通信など)、都市化、移住、ジェンダー規範の変化などが、直接的・間接的に高齢者の生活に影響を与えています」と述べている。公衆衛生上の対応としては、現在および予測されるこれらの傾向を把握し、それに応じて政策を策定する必要がある。

大手テック企業は、こうした高齢人口増加の可能性をとらえ、既存のプラットフォームやハードウェアに新しいサービスを作り始めている。例えば、2021年12月初めにAmazon(アマゾン)は「Alexa Together」を正式に発表した。これは、Alexaデバイスを介護者のためのツールに変えるもので、ユーザーが助けを求めることができる機能や、緊急時のヘルプライン、転倒検知、デバイスの設定を管理するためのリモートアシストオプション、いつもより活動的でないことを家族のだれかが確認できるアクティビティフィードなどを備えている。一方、Google(グーグル)は、2020年老人ホームで「Nest Hub Max」の簡易版インターフェースの試験運用を開始した。これは、ロックダウン時に入居者が孤立感を感じないようにするための取り組みだ。

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しかし、私がもっと興味を引かれているのは、エイジテックに焦点を当てたスタートアップだ。ハードウェアのイベントを取材していると、高齢者向けの技術を開発している企業が多いことに勇気づけられる。来週のCESでの発表はまだほとんどが伏せられたままだが、イベントのエイジテック系のスタートアップをまとめて紹介する予定だ。

関連記事:ユーザーの動きに合わせて点灯、家族が倒れたら介護者に通知が届くスマートランプNobi

2021年1月に開催された前回のCESでは、Nobi(ノビ)のスマートランプが最も興味深い製品の1つだった。このスマートランプは、転倒や不規則な動きを検知すると介護者に警告を発したり、人が立ち上がって歩くと自動的に床を照らしたりする、控え目なシーリングランプだ。

そのときには他にもエイジテック関連のプレゼンテーションがいくつか行われたが、その中には、非営利団体のスタートアップアクセラレータープログラムであるAARP Innovation Lab(AARPイノベーションラボ)による9社のプレゼンテーションも含まれていた。その多くは、高齢者が介護施設に入居するのではなく自宅で過ごす「エイジ・イン・プレイス」を支援するものだった。その中には、既存の構造物や敷地に合わせてアクセス可能なモジュール式の仕事場や自宅スペースを提供する「Wheel Pad」(ホイールパッド)、自宅で利用者の転倒リスクを予測できる体重計「Zibrio」(ジブリオ)、家族やその他の介護者が利用者の様子を確認できるApple Watchアプリやウェアラブル(ジュエリーなども含む)を開発する「FallCall Solutions」(フォールコール)などがある。

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しかしハードウェアができるのは今のところその程度だ。世界中のスタートアップは、介護者のニーズにも目を向けている。介護者の燃え尽き症候群は大きな問題だが、テクノロジーで支援できる余地がある。例えば現在シンガポールとマレーシアで展開しているHomage(ホーミッジ)は、今後2年間でさらに5カ国に進出する予定だ。同社は介護者を評価し、患者とのマッチングを支援するために、各医療提供者のプロフィールを作成し、また看護師と協力して、医療提供者が手動移送技術などの必須タスクをどのように実行できるかを評価する。これらのデータはすべて、マッチングエンジンによって使用され、家族や患者にとって介護者を見つけるプロセスを迅速にすることができる。

一方、英国では、Birdie(バーディ)が介護事業者を支援するためのソフトウェアツールを構築している。これには、管理コストの削減、介護者のチェックイン、投薬に関する通知をリアルタイムに行うことができるものなどがある。このスタートアップの目標は、よりパーソナライズされた予防的なケアを提供することで、成人が年齢を重ねても自宅で長く暮らせるようにすることだ。

家族構成の変化にともない、世界の高齢者は徐々に孤立化していて、それはテクノロジーを使っても解決するのは難しい問題だ。しかし、オンデマンドの高齢者支援とコンパニオンシップのプラットフォームであるPapa(パパ)は、高齢者の孤独感に対処することが有望なビジネスモデルになることを示している。マイアミを拠点とし、現在27州で事業を展開しているこのスタートアップは、前回の6000万ドル(約69億1000万円)のシリーズCからわずか7カ月後の先月に、ソフトバンク・ビジョン・ファンド2が主導するシリーズDで1億5000万ドル(約172億7000万円)の資金を調達したことを発表した

誰もが安全だけでなく、快適さと尊厳をもって人生の終わりに到達する権利を持っている。テクノロジーは高齢者が愛する人たちから遠く離れざるを得ない社会力学の変化に対する解決策の一部となり得る。私の新年の抱負の1つは、TechCrunchでもっと多くのエイジテックスタートアップを取り上げることだ。もし私が注目すべきスタートアップをご存知ならshu@techcrunch.comまでメールを送って欲しい。

画像クレジット:eclipse_images / Getty Images

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(文:Catherine Shu、翻訳:sako)

指を「はむはむ」噛ってくれるユカイ工学のかわいいぬいぐるみ型ロボ

CESのシーズンには、少なくとも2台の風変わりなロボットが登場しなくてはならない。しっぽクッション「Qoobo」のメーカーであるユカイ工学は、ユーザーの指先をかじるソフトロボットを公開した。この「ちょっと気持ちいい感覚」が、ユーザーの1日を明るくしてくれることを同社は、期待している。

甘噛みハムハム(Amagami Ham Ham)は「Hamgorithm」と呼ばれるアルゴリズムによって、20種類のかじり方のパターンから1つを選択するため、ロボットの口に指を突っ込んだときに何を感じるかはわからない。ユカイ工学は、赤ちゃんやペットが自分の指を齧る感触を再現するために「Tasting Ham」「Massaging Ham」「Suction Ham」などのパターンをデザインした。

画像クレジット:Yukai Corporation

株式会社りぶはあとのぬいぐるみ「ねむねむ」シリーズのキャラクターをベースに、ユカイ工学はロボットの外側をつくった。指でムシャムシャ食べるモデルは、三毛猫と柴犬の2種類を用意される予定だ。

「ほとんどの人はかじる感覚が好きですが、子どもやペットにそれを止めることを教える必要があることを知っています。そうしないと、最終的には、子どもや動物が強い力で噛むようになるからです」と、2021年初めに行われたハッカソンでこのロボットを生み出したユカイ工学のCMOである冨永翼氏はいう。「甘噛みハムハムは、『噛る』という禁断の快楽を『追求するか、しないか』という難問から人類を解放するロボットなのです」。

価格は未定だが、ユカイ工学とりぶはあとは2022年春にクラウドファンディングを実施する予定だという。それまで、CESに足を運ぶ人は、会場で甘噛みハムハムをチェックし、ユカイ工学のブースから少し柔らかな指になって帰ることができるかもしれない。

ユカイ工学がCESで発表する他のデバイスの中に、Bocco Emoがある。同社は、オリジナルのロボットBoccoをスマートな医療機器として機能するようにアップデートした。ユカイ工学によれば、日本の病院では、パルスオキシメーターや体温計などのセンサーを接続して患者のバイタルをモニターし、看護師に患者の状態を通知するために使用されているという。

また、試験運用期間中は、患者家族への連絡にも利用された。さらには看護師が来るのを待つ間、効果音や表情、ジェスチャーで、患者とコミュニケーションをとることも可能だ。

編集部注:本稿の初出はEngadget。執筆者のKris HoltEngadgetの寄稿ライター。

画像クレジット:Yukai Engineering

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(文:Kris Holt、翻訳:Katsuyuki Yasui)

メルセデスやBMWもCES出展を断念、パナソニックは会場での会見中止

対面でのCES出展を辞退する大企業の数が増え続けており、開幕まで残り1週間を切ったところで、さらに大手自動車メーカー2社が名を連ねた。米国時間12月29日、Mercedes(メルセデス)は、対面イベントを見送ると表明した。

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「顧客、パートナー、従業員、ゲストの健康と安全が最優先のためです」と同社は声明で述べた。「参加者の数が多く、国ごとに異なる規制があるため、すべての参加者のために堅実で安全かつ無害な計画を立てることは、残念ながら現状では不可能です。非常に残念な決定ですが、必要なことだと考えています」。

米国時間12月30日、BMWもこれに続いた。同社はメディアリリースを発表し、バーチャル記者会見への移行を発表した。「BMWグループは長年にわたり、ラスベガスで開催されるCESでイノベーションを発表してきました。パンデミックのため、BMWグループはCESで予定していたすべてのメディア活動を、ドイツからライブ配信する完全なデジタルプログラムに移行します」と述べた。

一方、LiDAR会社のVelodyne(ベロダイン)は、12月26日の週に同社の決定についてフルプレスリリースを発表し、次のように述べた。

Velodyne LiDARは、新型コロナウイルスの感染率が急上昇しているため、CES 2022に対面参加しません。従業員、パートナー、一般市民の健康と安全がVelodyneにとって最優先事項であり、この決定の主な要因です。

IBMも米国12月30日、対面イベントからの撤退を決定したことをTechCrunchへの声明の中で表明した。

新型コロナの感染状況が悪化しているため、また慎重を期して、IBMは2021年ラスベガスで開催されるCESに参加しません。バーチャルでのイベントに参加することを楽しみにしています。

また、パナソニックは、米国時間1月4日に会場での記者会見を予定していたが、新たに中止を決めた。同社は、バーチャルイベントにシフトし、会場でのプレゼンスは限定的となる見込みだ。

これらの企業は、GM(ゼネラルモーターズ)、Google(グーグル)、Microsoft(マイクロソフト)、AMD、OnePlus(ワンプラス)、MSI、Lenovo(レノボ)、Intel(インテル)、T-Mobile(T-モバイル)、AT&T、Meta(メタ)、Twitter(ツイッター)、Amazon(アマゾン)、Proctor & Gamble(プロクター&ギャンブル)、TikTok(ティクトック)、Pinterest(ピンタレスト)、そしてTechCrunchを含む多くの大手メディアの仲間入りをする。存在に気づいてもらうのにCESのような展示会に依存しているスタートアップにとって、オミクロンの懸念が高まる中で撤退を決断することは、特に難しいことだろう。しかし、展示会への参加を見送るという難しい決断をした中小企業から筆者のもとに入る連絡は増えている。

CESを運営する全米民生技術協会(CTA)は、米国時間1月5日(メディアデーは3日と4日)から始まるCESを断固として開催する姿勢を示している。

「CES 2022は、強力な安全対策を取って1月5日から8日までラスベガスで対面式で開催されます。また、ラスベガスに行きたくない、または行けない人々のために、デジタルアクセスも用意されます」と、CTAは12月22日付の声明で述べている。「私たちの使命は、業界を結集し、直接参加できない人々にもCESの魅力をデジタルで体験してもらうことに変わりはありません」。

クリスマスの日、ラスベガス・レビュージャーナルは「CESはラスベガスで開催されるべき」という見出しのCTA代表Gary Shapiro(ゲーリー・シャピロ)氏の論説を掲載した。その中で同氏は、メディアが「ドラマと有名企業のレンズを通してのみ物語を語る」と非難した。

画像クレジット:Getty Images

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(文:Brian Heater、翻訳:Nariko Mizoguchi

CES 2022会場出展を断念する企業が続出、オミクロン株感染拡大受け

ここ数日、CESが懸念している件はかなり静かだった。休日だったためだ。参加断念を発表した最新の主要企業はMicrosoft(マイクロソフト)で、同社はクリスマスイブの日にラスベガスの会場に足を運ぶことはないと発表した。このニュースはGM(ゼネラルモーターズ)、Google(グーグル)、Lenovo(レノボ)、Intel(インテル)、T-Mobile(T-モバイル)、AT&T、Meta(メタ)、Twitter(ツイッター)、Amazon(アマゾン)、TikTok(ティクトック)、Pinterest(ピンタレスト)からの同様の発表に続くものだった。

米国時間202年21月5日から始まる展示会には、Samsung(サムスン)、LG、BMW、Qualcomm(クアルコム)、ソニーなど、多数のビッグネームがまだ参加を予定している。12月23日時点で、全米民生技術協会(CTA)は「2200社以上」の企業が展示会に参加する予定だとしていた。ちなみに、多くのスタートアップが参加を見合わせ、また、多くの企業がまだ会場に出展する予定だと筆者は聞いている。

AMD、MSI、OnePlus(ワンプラス)、Proctor & Gamble(プロクター&ギャンブル)など、いくつかの主要企業が米国12月28日、出展見合わせ企業リストに加わった。AMDの広報担当者は、TechCrunchへの声明の中でその事実を認めた。

慎重に検討した結果、AMDはラスベガスで開催されるCES 2022への会場出展を取り止め、代わりにバーチャル体験に移行することにしました。AMD 2022 Product Premiereは、デジタル専用のライブストリームとして計画されていましたが、当社の従業員、パートナー、コミュニティの健康と安全を第一に考え、対面でのエンゲージメントはバーチャルへと移行することになりました。1月4日に予定どおり、当社のエキサイティングなニュースをすべてお伝えすることを楽しみにしています。

OnePlusはこのイベントの公式出展者ではなく、この大きな展示会に合わせてラスベガスでイベントを開催する予定だった。同社はその後、オミクロン変異種をめぐる懸念の高まりから、ラスベガスでの会場イベント開催を中止することをTechCrunchに認めた。

ゲーム会社のMSIは、プレスリリースを通じてこの展示会に出展しないことを明らかにした。「12月以降、急速に広がっているオミクロン変異種によって、米国では新型コロナウイルスの感染者が急増しています」と副社長のSam Chern(サム・チェン)氏は声明で述べた。「当社の従業員、顧客、ファンの健康と福祉は、当社の最優先事項です。よって、当社はCES 2022にリアルで参加しないことを決定し、オンライン製品発表という形でバーチャル参加する予定です」。

画像クレジット:Proctor & Gamble

Gillette(ジレット)やOral-B(オーラルB)といったブランドのテクノロジーをデビューさせるのにこのイベントを利用してきたProctor & Gambleは、声明の中で同社の決定を発表した。

CES 2022の計画を開始して以来、P&Gの社員とパートナーの健康と福祉を最優先事項としてきました。全米民生技術協会がかなりの安全プロトコルを導入したことは認識していますが、新型コロナウイルスの感染が急速に拡大していることから、最善の注意を払い、全バーチャル体験に移行することにしました。

CTAの代表、Gary Shapiro(ゲイリー・シャピロ)氏は、クリスマスの日にラスベガス・レビュージャーナル紙に掲載された論説で、展示会から撤退したテック大企業に関するメディアの報道を「ドラマや有名企業のレンズを通してのみ物語を語るプレスやその他の評論家によるドラムビートのようなものだ」と反論した。

画像クレジット:David Becker / Getty Images

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(文:Brian Heater、翻訳:Nariko Mizoguchi

サムスン「C-Lab」のCESでの展示は?オムツセンサー、スマートギター、モジュラー給仕ロボット

2022年のCESでは知名度の高い出展企業が次々にリアル参加を見合わせているが、Samsung(サムスン)は来週の展示会に向けてそのままがんばろうとしている企業の1つだ。CESはかねてから、テレビや洗濯機、時にはロボットまで、エレクトロニクス分野における同社の幅広さを示す良い展示会として機能してきた。

しかし、ここ数年のCESでは、SamsungのC-Lab部門が社内インキュベーターで作られたプロジェクトを紹介し、同社の秘密兵器となっている。C-Labのプロジェクトは、社員が自由にペットプロジェクトとして作ったもので、実用的なものばかりではないが、おもしろいアイデアが多いのが特徴だ。

つまり、Samsungのような巨大企業では、通常は射程に入らないようなことをやっているのだ。例えば、前回のクラスには、窓型の人工日光ライトやスマートハイライターなどが含まれていた。今回のバッチは3つのカテゴリーに分かれている。C-Lab Inside、C-Lab Outside、そしてSamsungから事実上スピンアウトしたプロジェクトだ。

3つのステージのうち最も早い「Inside」には、子どもたちがスマートフォンを正しく使う習慣を身につけることをサポートするAI搭載アプリ「Piloto」、AIによるオンライン試験サービス「PROBA」、乳幼児の眼位を検出することで斜視を早期発見するモビール「innovision」、LEDガイドで弾き方を学べるスマートギター「ZamStar」などが含まれている。2018年に設立された「Outside」は、韓国のスタートアップにガイダンスを提供するアクセラレーターだ。Samsungによると、今回そのリストには以下の9社が含まれている。

  • AIによるペットの生体認証ソリューション「Petnow」
  • モバイル機器向け3Dイマーシブオーディオソリューション「Digisonic」
  • インタラクティブなメタバース音楽アプリ「Verses」
  • 自律走行やスマートシティ向けのイメージングレーダー技術ソリューション「bitsensing」
  • AIベースのデータ収集・ラベリングプラットフォーム「SELECTSTAR」
  • 多機能モジュール式給仕ロボット「RGT Inc.」
  • 視覚障がい者のアクセシビリティと生産性を向上させる入力システム「MoreDream Inc.」
  • 車載ディスプレイをカスタマイズするプラットフォーム「Yellowknife」
  • 高齢患者向けスマートオムツケアソリューション「MONIT」

2012年に設立されたC-Labは、これまでに406社のスタートアップを育成しており、Samsungはこの数字が2022年には500社に到達することを期待している。

画像クレジット:Samsung

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(文:Brian Heater、翻訳:Aya Nakazato)

CES 2022大注目カテゴリーのフィットネスリング、医療機器Movanoが女性向けを発表

筆者の初のフィットネスリング実体験は、CES2017にさかのぼる。あれから4年、2022年1月5日から開催される展示会では、対面であろうがなかろうが、フィットネスリングが注目を集めるかもしれないと思っている。Motiv(モーティブ)リングは、フィットネスバンドの機能をリングに移行する可能性を示したが、結局は失敗に終わった。最近、Oura(オーラ)は、これらの製品が実際に何ができるかを示すことに成功した

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2022年には、急成長するフィットネスリング分野においてより多くのスタートアップがフォームファクタを模索することになると筆者は予想しているが、CESはその先鋒という位置づけにある。イーストベイに拠点を置く医療機器メーカーMovano(モバノ)は、独自のRingデバイスを発売することを発表した。この製品は女性をターゲットにしており、心拍数、睡眠、歩数、カロリー、血中酸素、呼吸など標準的なフィットネス項目を測定するよう設計されている。

このリングはより本格的なヘルスケア製品として差別化を図っているようで、装着者に実用的な洞察を提供している。こうした洞察は、ウェアラブルメーカーが単純な歩数計算を超えたものに着目している中で、ターゲットになりつつある。例えば、Ouraは追跡するすべてのデータをより深く理解するために、さまざまな研究に参加している。

また、Ouraもそうだが、Movanoはアプリを情報の中心に据えている。スクリーンなしのフィットネストラッカーの時代に戻ったデバイスとしては理解できることだ。同社CEOのJohn Mastrototaro(ジョン・マストロトタロ)氏は、リリースで次のように語っている。

Movanoは、良好な健康は基本的人権であるという信念のもとに設立されましたが、健康であるためには、毎年の健康診断で得られるいくつかの静的な指標だけでは不十分です。我々は、手頃価格の威圧感のないデバイスを使って、あなたの健康を自身で管理できるようにすることを使命としています。我々のアプリは、あなたの体のシグナルを記録し、それを洞察へと変換します。

リリースにあるように、Movanoはまだ、特に血中酸素や心拍数などに関する部分でFDA(米食品医薬品局)の承認を求めている最中のざっくりとしたフィットネス機器だ。承認の取得は、比較的若い企業にとって厳しいハードルだが、ヘルスケア製品としてより真剣に扱われるためには重要なものだ。

FDAの承認取得などは最終的には発売日、あるいは会社のやり方によっては、発売時の機能セットに影響を与える可能性がある。現時点では、2022年下半期のどこかでベータ版としてリリースされる予定だ。米国時間1月5日から開催されるCESに展示されるフィットネスリングとしてはMovanoが最初のものになるが、ほぼ間違いなくMovanoだけではない。

画像クレジット:Movano

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(文:Brian Heater、翻訳:Nariko Mizoguchi

夕食はロボットにお任せ、レストランロボットと風変わりなドロイド

私は2022年初めのCESに向けて計画を進めてきたが、おそらく今週中には白紙に戻りそうだ。呆れるほど多数の紫外線消毒ロボットの売り込みがなくなることに奇妙な寂しさも感じるものの、一方では最新変異株(オミクロン)の急増の中で、ショーに直接参加することの是非を検討していたのだ。最終的には、今回はラスベガスに参加しないことにしたが、数週間以内にはお伝えすることがたくさん出てくると思う。

ほぼ2年前のCESとそれに続く私たちのロボットセッションが、私が直接参加した最後のイベントであったことに気づいて、とても奇妙な心持ちがしている。ロボットセッションをオーガナイズして、TechCrunchのCESへの取り組みを主導する役割を果たしてきた私は、これらの決定を軽く考えることはとてもできない。

そして、特にロボットの評価に関しては、直接会議に参加することにはまだ個人的なメリットがあると感じている。Zoom(ズーム)を通してロボットの見栄えを良くしようとしても限界があるからだ。

どちらかといえば、こうしたことすべてが、ロボットシステムの本格的な採用が、非常に近くて同時にまだ遠いものだということを痛感させる。ちなみに私は、来年のCESに向けて、本当に多数のロボットの売り込みを受けたと言っても構わない。今回のショーは、来年の動き全体を占うものになるようにデザインされている。それらは、消費者向けから産業用途まで、そしてその間のすべてのものをも幅広く含んでいる。

パンデミックが業界の興奮と投資を加速させたことは間違いないが、実際の導入スピードはカテゴリーによって大きく異なる。年末の他の記事でこれまで見てきた2つの例は、かなり進んでいる。これまでの製品と同様に、倉庫ならびにフルフィルメントのロボットは現在とても現実的なものだ。最近オンラインで何かを購入したのなら、ロボットがラインのどこかの時点で製品の入手を手伝ってくれた可能性がかなり大きい。

配達ロボットはさらに難しい。たくさんのパイロットプロジェクトが存在しているが、住んでいる地域によっては(特に大学キャンパスの近くにいる場合には)、そのうちの1台が自分向けの出前でなくても近くを走っているのを見たことがあるかもしれない。一般に、歩道は倉庫よりも管理されていない場所であり、規制上の煩雑な手続きを経て世に出す必要があるため、資金調達の成否にかかわらず、明日の朝ロボットで歩道が溢れかえっているようなことはないだろう。

今週は、そうしたロボットが配達しているかどうかはともかく、対象となる食べ物を、実際に作っているのは誰なのか、あるいは「何」なのかについて話したいと思う。

画像クレジット:Paul Marotta / Getty Images for TechCrunch

細かい話に入る前に、iRobot(アイロボット)の共同創業者でCEOのColin Angle(コリン・アングル)に、過去1年間のロボット業界を振り返り、来年の予測をしてもらえるようお願いした。

2021年のロボット / AI / 自動化のトレンドを定義したのは何でしたか?2021年には、倉庫の自動化、自動運転技術、そしてもちろん排泄物検出がブレークスルーをもたらしました。2021年は、自動化への大規模な投資が功を奏し、2020年をほぼ超えたオンラインショッピングの驚異的な増加が、目覚ましい年となりました。中米をターゲットにした自動運転トラックのテレビコマーシャルを実際に見ました。これは本当に起こっていることなのでしょうか?そして私は、ロボットの真空掃除機にまつわる汚くてめったに議論されない課題の1つが、手頃な価格で信頼性の高い視覚的物体認識の出現によって、過去のものになったと言えることを誇りに思っています。2021年はロボットにとって変革の年だったといっても過言ではないでしょう。

2022年はこれらのカテゴリーで何が起きるのでしょう?2022年に入ってからは、人々が待ち望んでいたスマートホームの本当の進歩を目にできたらと思います。現在のバージョンのスマートホームでは、複雑過ぎますし、使いやすさが貧弱過ぎます。しかし、経験を最優先するエコシステムを生み出し、能力とシステムのシンプルさにも優れ、成長を始めることができるツールが登場しつつあります。そこで私は、2022年が、一般の人々の間で業界が加速し続ける年になるだけでなく、私たちの日常生活へのロボットの思慮深い統合に重要な前進が見られる年になることを期待しています。非常に多くの面で勢いが増しているのを見られるのはエキサイティングです!

さて、私の長年の輝かしいキャリアの中では最も不快な話題転換ではあるが、排泄物の検出から食事の準備に話題を移すことにしよう(会社が「読者が減ったのは何故だ」と聞いてきたときのためにここにメモとして残しておく)。

Los Angeles Timesのテストキッチンで2009年3月11日に撮影された、レンガのオーブンから取り出されたマルゲリータピザの画像(写真クレジット:Anne Cusack/Los Angeles Times via Getty Images)

この1年はロボットによる食品調理にとって大きな年だった。パンデミックが発生する前は、この分野に関与した著名なスタートアップは極めて稀だった。特にZume Robotics(ズームロボティックス)などを含む一部の企業は、業界から去っていった。しかし、ロボット分野対するベンチャーキャピタルの大規模な流入に伴って、レストランビジネスの自動化が進んでいる。その主な2つ理由は、この2年で骨身に沁みて理解できているはずだ。第一に、米国では人材が大幅に不足しているということ。第二に、ロボットは病気になることはなく、人びとを病気にすることもないということだ。

もし私が、食品ロボットの現状を4ワードで要約しなければならないとすると、次のようになる。

  • ピザ
  • ボウル(日本でいうどんぶり物)
  • ファーストフード(1ワードにまとめてズルをした)
  • キオスク(売店)

画像クレジット:Picnic

最初の2つがリストの一番上にあるのは同じ理由だ。食品を自動化する場合には、人気があって、比較的均一なものである必要がある。もちろん、さまざまなトッピングはあるものの、ロボットにとっては、ピザを作ることは、生地、ソース、チーズ、トッピング、調理、繰り返しといった、かなり簡単な経験なのだ。Picnic(ピクニック)やXRobotics(エックスロボティックス)のような企業は、Zumeが中断したものを引き継ごうとしている。

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画像クレジット:Spyce

ボウルはピザ同様の領域を埋める。それらは近年人気が高まっていて、かなり基本的なテンプレートが確立している。サラダやキノア(食用の実)などのトッピングやベースのバリエーションがあるとしても原理はかなり単純だ。したがって、カリフォルニアを拠点とするファストカジュアルサラダチェーンのSweetgreens(スイートグリーンス)が、MITのスピンアウトであるSpyce(スパイス)を買収して、先の8月に登場したことはおそらく驚くようなことではない。この動きは、2月にサラダ製造ロボット会社Chowbotics(チャウボティックス)を買収したDoorDash(ドアダッシュ)による類似の買収に続いたものだ。

Miso(ミソ)は現在ファーストフードレースをリードしていて、数多くの大きなパートナーシップが発表されている。同社のハンバーガーフリッピング(パテ焼)ならびにフライクッキング(揚げ物)ロボットは、まだ人間のキッチンスタッフを完全に置き換えることはできないものの、世代を重ねるにつれて、ますます能力を高めている。

画像クレジット: Nommi

一方、キオスクは、主に人間を作業工程から外すように設計されている。この解決策は、前述の労働力不足のおかげで、ますます勢いを増している。システムと人間の相互作用は、主に材料投入、メンテナンス、および注文に限定されている。しかし、適切な技術があれば、Nommi(ノミー)のようにボタンを押すだけで簡単に新鮮な食材を調理することができる。たとえば最近行われたNommiとC3との提携では、Iron Chef(料理の鉄人)の森本正治氏の料理が、24時間年中無休の調理マシンに採用されている。

関連記事:ハンバーガーをひっくり返すロボット「Flippy」の能力が向上、調理前後の作業を追加

今週は、クリスマスということもあり、ニュースの流れは多少ゆっくりとしている。とはいえ私たちは、Hyundai(ヒョンデ、現代自動車)がCESのために何を準備しているのかを垣間見ることができた。Hyundaiは、Boston Dynamics(ボストンダイナミクス)の買収を含め、ロボットへの取り組みを実際に倍増させている。新しいMobile Eccentric Droid(MobED、モバイルエキセントリックドロイド)は、あらゆる意味でプラットフォームだ。それは文字通りのもので、中央に台になる部分を備えた四輪移動装置だ。また、電話会議から荷物の配達、スマートな乳母車まで、さまざまな機能を収容することができる。

画像クレジット:Hyundai

その安定化技術について、Hyundaiは次のようにいう。

偏心機構による姿勢制御システムは、地表状態に応じて各車輪の高さを調整することで、体の姿勢も安定させます。MobEDの12インチ空気タイヤは、さらに衝撃や振動を吸収するのに役立ちます。

一方、Tiger Globalはその派手な支出を続けている。今週同社は、カリフォルニア州パサデナを拠点とするElementary(エレメンタリー)のために3000万ドル(約34億3000万円)のシリーズBを主導した。Fika Ventures、Fathom Capital、Riot VC、Toyota Venturesも参加したこのラウンドによって、このマシンビジョンスタートアップの総資本は4750万ドル(約54億3000万円)になった。創業者のArye Barnehama(アーリエ・バーナハマ)CEOはTechCrunchに次のように語った。

製造業と物流は、パンデミックの前にすでに始まっていて、パンデミックの最中に大幅に増加した大規模な人手不足を経験しています。企業が、高価で見つけるのが難しいエンジニアリング人材に頼らずに、自動化を続けようとする中で、ノーコードAIソリューションを提供できる私たちのビジネスは拡大してきました。

インドを拠点とするロジスティクスロボティクス企業Unbox Roboticsの700万ドルのシリーズAラウンドは、3one4 Capitalによって主導された。Sixth Sense VenturesとRedstart Labsもラウンドに参加し、SOSVを含む多くの既存の投資家も参加した。同社によれば、調達した資金は採用、技術開発、そして新しい領域への拡大に向けられるとのことだ。

画像クレジット:Getty Images

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(文: Brian Heater、翻訳:sako)

マイクロソフトもCES 2022へのリアル出展を中止、インテル、GM、アマゾン、グーグルに続き

GM、Google(グーグル)、Lenovo(レノボ)、Intel(インテル)、T-Mobile(T-モバイル)、AT&T、Meta(メタ)、Twitter(ツイッター)、Amazon(アマゾン)、TikTok(ティックトック)、Pinterest(ピンタレスト)、そして今回はMicrosoft(マイクロソフト)。ソフトウェアの巨人である同社は、開催まで2週間を切っているCESへの現地参加取りやめを発表する最新のビッグネームとなった。

「急速に進化する新型コロナ環境の最新データを検討した結果、MicrosoftはCES 2022での直接参加を見送ることを決定しました」と同社はThe Vergeに送った声明の中で述べた。

2年近く続いたバーチャルショーからのコンシューマーエレクトロニクス業界の復帰とみなされていた同イベントは、オミクロン株に関する懸念がホリデーシーズンの旅行者数の増加と相まって高まる中、この1週間で急速に勢いを失いつつある。

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CESの運営団体である全米民生技術協会(CTA)は、物理的な展示会を予定どおり開催するという決定に変わりはないと述べている。米国時間12月23日夜、GoogleとGeneral Motors(ゼネラル・モーターズ)が相次いで参加中止を表明したことを受けて、CTAはTechCrunchの取材に応じ、同協会の会長兼CEOであるGary Shapiro(ゲーリー・シャピロ)氏から新たなコメントを発表した。

ラスベガスで開催されるCES 2022には、2200社以上の企業が対面で参加することを確認しています。私たちの焦点は今も、テック業界が集結し、対面で参加できない人たちにCESのマジックをデジタルで体験してもらうことです。CES 2022は、規模の大小を問わず、世界中の企業が製品を発表し、ブランドを構築し、パートナーシップを結ぶ機会を提供します。CESにおけるワクチン接種の義務化、マスク着用、PCR検査提供といった包括的な健康対策に加え、参加人数制限と社会的距離対策により、参加者、出展者はラスベガスの会場で社会的距離を置きながら、あるいはオンラインで体験する場合も、有意義で生産的なイベントに参加できると確信しています。

2日前に発表されたCTAの声明では、バックアウトの影響は出展スペースの約7%に止まっているとのことだった。CTAは、大手企業や、同様に慎重な姿勢をとっているより小規模なスタートアップ各社が急速に撤退していることを考慮し、まだ最新の数字を発表していない。

現在、Samsung(サムスン)、LG、BMW、Qualcom(クアルコム )、ソニーなど、多くの大手企業が対面式の参加を続ける姿勢を見せている。

画像クレジット:Akio Kon/Bloomberg / Getty Images

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(文:Brian Heater、翻訳:Aya Nakazato)

GMもCES出展を中止、主催者は今も対面式イベントを計画中

更新:CTAの責任者であるGary Shapiro(ゲーリー・シャピロ)氏からTechCrunch宛に以下の最新情報が送られてきた。

2200社以上の企業がCES 2022に対面で参加することを確認しています。私たちの焦点は今も、テック業界が集結し、対面で参加できない人たちにCESの魔法をデジタルで体験してもらうことです。CES 2022は、世界中の企業、大企業にも小さな会社にも、プロダクトを発表し、ブランドを構築し、パートナー契約を結ぶ機会を提供します。CESにおける徹底した健康管理とワクチン接種義務、マスク着用、PCR検査の提供に加えた参加人数制限とソーシャルディスタンス対策を踏まえ、私たちは参加者と展示者がソーシャルディスタンスを保ちながら価値ある生産的イベントをラスベガスで、そしてオンラインでも体験できると確信しています。

過去数年、CESには自動車の存在感が急速に高まっている。ここは厳密には自動車ショーではないが、多くの自動車メーカーがテクノロジーファーストのアプローチを導入している今、まさにその方向に向かっていることを感じる。しかし、米国時間12月23日夜、General Motors(ゼネラル・モーターズ)は、多くの第一線企業に続き、Consumer Electronics Showへの対面式出展を中止することを決めた。

「当社は2022年1月のCES 2022にオールデジタル方式で参加することにいたしました」と声明で発表した。「1月5日に大きな発表を行い、Chevrolet Silverado EV(シボレー・シルバラードEV)を披露する予定は変わりません」。

これは大規模な展示を予定していた企業にとって大きな変更だ。イベントではCEOのMary Barra(メアリー・バラ)氏の注目の基調講演と電動のChevy Silveradoのリアルの場でのデビューが予定されていた。バラ氏は講演をリモートで実施する予定だと同社は言っている。GMは計画を変更した最初の自動車メーカーではないが、最大の会社だ。Mobieye(モービルアイ)で大きな注目を集めているWaymo(ウェイモ)とIntel(インテル)も、すでに同様の発表を行っている。なお現時点では、米国運輸長官Pete Buttigieg(ピート・ブティジェッジ)氏をQualcomm(クアルコム)のプレジデント兼CEO、Christiano Amon(クリスティアーノ・アモン)氏がインタビューする予定だ。

関連記事:グーグルがCES出展を取り止め、オミクロン株への懸念で

他に最近参加を取りやめた大物には、Google(グーグル)、Lenovo(レノボ)、T-Mobile(ティー・モバイル)、AT&T(エーティー・アンド・ティー)、Meta(メタ)、Twitter(ツイッター)、Amazon(アマゾン)、TikTok(ティックトック)、Pinterest(ピンタレスト)、Casio(カシオ)他、大手メディアも数多くいる。NVIDIA(エヌビディア)のように、当初からバーチャル・ファーストの参加を予定していた会社もある。2020年初めに新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の第一波が迫ってきて以来、CESは最初の主要対面テックイベントの復活と期待されていた……かつてほどの勢いはないにせよ。

しかし、オミクロン株の感染力によって、大小数多くの企業が予定変更を余儀なくされた。TechCrunchが米国時間12月23日に主催者であるCTAと話した際、彼らはワクチン接種義務をはじめとする安全措置を強化して、まだイベント開催を決行する予定だった。

画像クレジット:GM/ Photo by Steve Fecht

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(文:Brian Heater、翻訳:Nob Takahashi / facebook