人の動きを撮るだけでなく動きの意味(ボディーランゲージ)を理解するCMUの巨大ドーム型スキャナー

Panoptic Studioは、カーネギーメロン大学(CMU)の研究者たちが作ったボディースキャナーで、現実の状況の中でボディーランゲージを理解するために利用する。このスキャナーは、映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の中でブラウン博士がマーティに、仲間殺しを防ぐために取り付ける物に似ていて、大きなドームの中で対話したり、お話したり、争ったりしている参加者を撮った何百ものビデオを作る。チームは、体の位置をプログラマーが理解するためのコードまでリリースした

このドームにはVGAカメラが480台、HDカメラが31台、Kinectのセンサーが10ある。それらは、ドームの中の参加者のワイヤフレームモデルを作る。なぜ? 彼らが考えていることを、コンピューターに教えるためだ。

准教授のYaser Sheikhはこう言う: “私たちは、声と同じぐらい、体の動きでコミュニケーションしている。いずれにしても、コンピューターはそのことを知らないけどね”。

下のビデオでは、あるグループが何かについて言い争っているところをスキャンした。コンピューターは手や頭のさまざまな位置と、言葉のコミュニケーションがあればそれも見て、二人が怒っているか、ハッピーであるか、議論しているのか、などを理解し始める。コンピューターに、何かを指さすなどのジェスチャーも理解させると、システムは話の対象…何について話をしているのか…も理解するようになる。

そうやってコンピューターがボディーランゲージを理解するようになると、自閉症や言語障害の人たちのしぐさを、リアルタイムで解読できるようになる。またこのシステムを団体戦のスポーツで使うと、各選手の気持ちや意思などを、彼らがいつどこにいたかも含めて、理解できるようになる。

プレスリリースより:

複数の人間をリアルタイムで追跡することには、とくにお互いがコンタクトしているようなソーシャルな状況では難問がいくつかある。単純に個人の姿勢を追うようなプログラムは、各個人がグループ内にいる状況では使えない。グループが大きいときには、とくにそうだ。Sheikhと彼の同僚たちは、ボトムアップのアプローチを採った。ひとつのシーンの中のすべてのボディーパーツをまずローカライズし(腕、足、顔、などなど)、次にそれらのパーツを特定の個人に結びつけるのだ。

 

このPanopticonはまだ、Super Bowlや、あなたのお近くのDenny’s(デニーズ)で使えるほど完成してはいないが、人びとの四肢やアクションの、さまざまな点雲に基づいて、彼らが今何をしているのかを当てることはできる。今あなたが、だれかをはたいたことも分かるのだ。

“この装置では、1回の撮影で各人の手の500のビューが得られる。また手の位置を自動的に注記する”、と研究者のHanbyul Jooは語る。“手はとても小さなオブジェクトだから注記は難しい。だから今はHDカメラを31しか使ってないが、しかしそれだけでも、大量のデータ集合が作られるのだ”。

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Microsoftは全世界の営業“数千名”をレイオフへ、クラウドへますます注力

Microsoftは、営業再編成の動きとして、全世界で数千人の社員をレイオフする構えだ。

この計画的縮小について詳しい筋の情報によると、このアメリカの企業がレイオフするのは、世界全体で“数千人”だ。このリストラには、大企業担当部隊と中小企業担当を合一するなど、組織再編も含まれる。正式な発表は来週だそうだ。

Microsoftは、コメントを拒否した。

今週(6/25-7/1)初めにPuget Sound Business JournalBloomberg、そしてThe Seattle Timesの三紙が、Microsoftの世界全体の営業チームにおいて、クラウドサービスがますます強調されるに至り、その関連で大規模なレイオフがある、と報じた。とくにBloombergは、余剰人員は“長年営業部隊においてもっとも多かった”、と言っている。

再編は昨年の、トップ交代の結果でもあるようだ。長年勤めたKevin Turner COOが8月に去り、代わって役員のJudson AlthoffとJean-Philippe CourtoisがMicrosoftの営業とマーケティング部門を引き継いだ。とくにAlthoffは、それまでの営業のやり方をおおっぴらに批判していたし、彼はあくまでもAzureに注力しようとしていた。

ともかく、これまでの経緯を見れば、変わってもよい頃合いだ。Microsoftの会計年度はふつう7月に終わるが、最近の数年間はそれが人員削減を発表するタイミングでもあった。

昨年同社は、2850名のカットを発表し、Seattle Timesによれば内900が営業だった。そしてその2か月前(2016/05)には、同社のスマートフォン事業関連のスタッフ1850名を整理する、と言っていた。その前の2015/07月には、7800名の雇用カットとNokia買収の76億ドルの簿価切下げを行った。

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大量の既存コードで訓練されたAIがプログラマーにオートコンプリートを提案するCodota、Khoslaが$2Mを投資

GitHubを使うようになってデベロッパーのワークフローは抜本的に変わった。コードをアクセスしやすいプラットホーム上に集積することによって、プログラミングのやり方が急速に変わった。そんな状況を受けてイスラエルのCodotaは、これまで無視されることの多かったデベロッパーコミュニティのワークフローをさらに最適化したい、と考えている…マシンインテリジェンスを利用して。同社の自動補完(オートコンプリート)機能を使えば、良質なコードを短時間で書けるようになる。同社はこのほど、Khosla Venturesから200万ドルのシード資金を獲得したことを発表した。

CodotaはEclipsのようなIDEと併用して、そのインテリジェントなコード補完機能を利用する。それは、「あなたが意図するものはこれではないですか?」と短い例示をくれるのではなく、もっと大きなコード集合をリコメンドできる。

協同ファウンダーのDror WeissとEran Yahavは、GitHubやStackOverflowにあるオープンソースのコードを利用してCodotaを作った。その公開コードのすべてを機械学習のモデルに食べさせて、コードブロック全体の高いレベルの意味を認識できるようにした。

テルアビブの本社におけるCodotaのチーム

プログラミング言語は一般言語と同じ構造を共有している部分が大きい。たとえば、語の限りなく多様な並べ方によって、考えや感情を表現する。また、同じコマンドでもコード中でいろんなやり方で表現できる。だからCodotaにとっては、コードがやってることに関する大局的な理解がとても重要だ。コードのミクロな像ではなく、マクロな像を理解することが重要なのだ。

もちろん、自然言語とコードが似ているのは、あるところまでだ。Codotaのチームが説明してくれたところによると、自然言語処理では、意味は語の近辺の複数の語を見て判断する。それに比べるとプログラムはもっと構造性があり、語がどこにあるかによって語の意味が違うことは少ない。だからCodotaはテキストで訓練するだけでなく、プログラムの動作/振る舞いにもフォーカスした。

Codotaを使うとスピードと正確さが向上するだけでなく、Codota自身の発見や教育にも助けられる。Codotaは何百万ものAPIの実装で訓練されているから、ベストプラクティスをデベロッパーに提示できる。IDEの横にCodotaを開いておくと、コード中のおかしい箇所を高輝度表示し、モアベターな代案を示す。その教えは、ライブラリの原作者のコードから直接引用したものが多い。

同社の収益源は、Codotaの利用を、そしてもちろん自分のコードを、社外秘プライベートにしておきたい企業からの使用料だ。今、対応言語はJavaだけだが、言語は今後すこしずつ増やしていく。

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iOS 11では、UberやWazeのようなアプリが位置情報を常時収集できなくなる

Appleは今週のWWDCで、iOS 11の発表に重点を置き、ファイル管理、iMessage、QRコードのスキャンなど様々な機能を紹介した。しかし明示的に発表されなかった新機能もいくつかある。その一つは多くのユーザーに歓迎されると思われるもので、アプリによる位置情報データの利用をユーザーが制限できるようにセキュリティー設定が改訂される。

UberやWazeなどのアプリは、ユーザーに対してアプリが動作していない時でも端末の位置情報のフルアクセスを強要して批判を浴びている。昨年本誌が報じたように、これはアプリが密かにユーザーの個人情報を収集する可能性があることを意味している。しかしUberなどは問題提起に耳を貸さなかった

iOS 11の新しい設定機能が提供されれば、その心配もなくなるはずだ。「このAppの使用中のみ許可」の設定を全アプリで選択できるようになる ―― デベロッパーのJoe DuvallやTwitterユーザーの@tfoil2@chengyinliuら、鋭い観察力の持ち主が見つけた。従来この設定項目 ―― 名前の通りに機能する ―― はデベロッパーのオプションであり、多くの著名なアプリが提供していなかった。

Uberの例が下にあるが、これはユーザーのプライバシー保護に大きく貢献するに違いない。ユーザーによっては端末のバッテリー寿命を延ばす効果もあるかもしれない。

[iOS 11では、位置情報利用の「このアプリを使用中のみ」が全アプリに付いた! よくやった。]

現在iOS 11はデベロッパーにのみ提供されているので、この変更の与える影響は限られているが、9月にiOS 11が一般公開されれば、位置情報の利用を細かく制御できるこの新しい項目を、多くのiPhoneユーザーが利用できるようになる。

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ディープラーニングをApache Sparkのクラスターで分散化、サーバーレスでそれができるDatabricksのServerless Platform

今日(米国時間6/6)のSpark Summitの幕開けで最初にボールを蹴ったDatabricksは、Apache Sparkのためのサーバーレスプラットホームを発表した。クラスター管理に費やす時間を短くしたいと願うデベロッパーにとって、良いニュースだ。デベロッパーの仕事をより単純化しようとする動きは、このイベントの全体を貫く大きなテーマでもあった。同社はServerless Platformに加えて、Sparkでディープラーニングフレームワークをより使いやすくするためのライブラリDeep Learning Pipelinesも披露した。

今、クラウドベースのデータ処理技術がどんどん進歩している中で、DatabricksはオープンソースのApache Sparkプロジェクトの商用サービスだ。同社のエンジニアたちはもっぱら、Sparkのエコシステムを支えるツール類を作っている。今日発表された製品も、その一部だ。

大企業における意思決定がますますデータ駆動型になりつつある今日、これから取り組もうとする新しいユーザーにとっては、データパイプラインとクラウドインフラストラクチャの扱いが、目の前に山のようにそびえる大きな課題に見えてしまう。そこに登場したサーバーレスの技術とは、サーバーなしでデータを操作するという意味では決してなく、エンドユーザーがサーバーなどの低レベルの問題にいっさい関わりあうことなく、コンピューティングリソースの管理されたプールから適当なものを選んで、単純に今やるべき仕事をする、という単純化簡素化された新しいタスク構造を指す。

“SQLはステートレスだから扱いも楽だが、データサイエンスにはステートがあるから、それをサーバーレスにするのは難しい”、とDatabricksのCEO Ali Ghodsiは説明する。

ServerlessがDatabricksの幅ないし広さを表すとするなら、Deep Learning Pipelinesはその深さへの挑戦だ。TensorFlowなど、現存するディープラーニングフレームワークは“使いやすい”とはお世辞にも言えないが、でも昔の(AI言語とも呼ばれた)LISPなどに比べたら相当に使いやすい。そのためディープラーニングは今、ますます多くのワークフローに導入されつつある。

“Sparkなどを使ってTensorFlowのタスクを分散化しようとすると、手作業でグラフを作り、どのマシンがどの部分の処理を担当するか、いちいち決めなければならない”、とGhodsiは言う。“100台のマシンを相手にそれを人間がやるとすると、ものすごくたいへんな作業になる”。

Databricksの今度のオープンソースのライブラリを使ってデベロッパーは、ディープラーニングのモデルをSQLのファンクションに変換できる。ユーザーは学習をSpark MLlib Pipelinesで転送し、Sparkの分散コンピューティングが提供する利点を享受する。

なお、Ghodsiによると、DatabricksのStructured Streamingが一般公開された。このAPIは、シーケンシャルデータのストリーミングを処理する。同社によると、Structured Streamingの開発工程では、レイテンシーの最小化が最優先された。それによって、異状検出などのアプリケーションを動かす顧客にとって、費用低減とスピードの向上が実現した。

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Facebookを追われたOculusの創業者Palmer Luckeyが今度は“トランプの壁”に代わる国境監視デバイスで新会社

かつてはVR(仮想現実)のシンボルともてはやされたOculusのファウンダーPalmer Luckeyからの最後のニュースは、彼がトランプを支持するヘイトスピーチ(的)団体に10万ドルを寄付したことがばれて、秘かにFacebookを追ん出されたことだった。

2014年に彼のVR企業Oculusを20億ドルでFacebookに売ったLuckeyが、テクノロジー業界に復帰し、今度は国家安全保障関連の企業を立ち上げた。

The New York Timesの記事によると、彼の新しい企業は自動運転車でよく使われるLiDARの技術を利用して、国境や、軍の基地などの重要施設を監視する。完成すればその技術は、ドローンなどの脅威を検出するために利用できるが、鳥や野生動物などは無視できる。それは、大規模な国境の壁に代わるものとして提案されている。トランプ大統領は、アメリカとメキシコのあいだにそんな壁を作ると公約しているが、Luckeyの技術を使えばその膨大な費用を節約できるだろう、というのだ。

新会社の概要を、Luckeyはこう説明している:

わが国は、かつてなかったほどの巨額を国防に投じているが、しかしイノベーションはここ数十年停滞している。必要なのは新しい種類の防衛企業であり、納税者のお金を節約するとともに、われわれの兵士たちと国民の安全を守るための、より優れた技術を作っていくことがとくに重要だ。

NYTの記事によると、トランプ大統領の技術顧問Peter Thielが、Luckeyの新会社に投資する意向である。そのほかの資金提供者については、まだ情報がない。

南カリフォルニアに拠を構える同社は、すでに数名のスタッフを雇用しており、その中には元Oculusの社員Christopher Dycusも含まれる。

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Google Mapsの地図上で現在地の空気汚染度が分かる…カリフォルニア州オークランドから

Google Mapsが初めての、今自分が立っている場所の大気質が分かる地図を、カリフォルニア州オークランドでローンチした。

このプロジェクトはEnvironmental Defense Fund(EDF)Aclimaとのパートナーシップによるもので、後者は2015年から、ベイエリアとセントラルヴァリー、そしてロサンゼルスの環境の変化を地図化している。

このパートナーシップによりGoogleは、AclimaのセンサーをStreetViewの車に装着、酸化窒素や二酸化炭素やばい煙など自動車の排気物質の多い地域では、街路ごとにそのデータを地図上に表示できるようにした。

その地図がベイエリアの環境科学者たちの役に立っている例として、ベイブリッジからI-80への合流点にかけて、車が加速することによって発生する高い汚染を把握できたことが挙げられる。そこは渋滞が頻発するフリーウェイで、ラッシュアワーだけでなく、週末にも大気の汚染が生ずることが分かった。

今日のGoogleのブログ記事は、Googleがこれまで発表した汚染データの中では最多だ、と主張している。“1年間で測定回数は300万近く、のべ20000キロあまりにわたって測定した”と述べ、今後は他の都市でもやる、という。

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Apple、iOSにファイル管理アプリを導入か? App Storeの項目がリーク

Apple WWDCイベント前夜に見つかったリークによって、AppleはiPhoneオーナーがファイルを管理する方法を変えようとしているらしいことがわかった。

これは、デベロッパーのSteve Stroughton Smithが探し当てた新しいアプリのプレースホルダーによるもので、もうすぐiOSに ‘Files’ という新しいアプリがやってくることを示唆している。主要な機能はAppleが公開予定のiOS 11に組み込まれるはずなので、このアプリ項目はiOS 11に含まれる標準アプリを削除したユーザーがダウンロードするためのオプションと思われる。

AppleはiOS 10で、プレインストールされたアプリをユーザーが削除できるようにした ―― ただし本当に削除されるわけではない。よって、Filesアプリなどの主要な機能を再ダウンロード可能にするのは当然のことだ。

‘Files’ アプリへの直接リンクはここにある

詳細は現時点で明らかにされていないが、この機能/アプリがiOS端末上でもっとファイルを操作したいというユーザーの声に答えるものであることは間違いない。AppleはiCloudベースのストレージシステムとしてiCloud Driveを提供しているが、この新機能はファイルやデバイス上のストレージを今より細かく管理できるようにするものだ。Androidはすでに同等の機能を提供しており、パソコンでは見慣れた機能かもしれない。もちろんこれがiCloud Driveの再ブランドか改訂版である可能性もある。

さらにAppleはApp Storeのリストにアクティビティー・アプリを追加しようとしていることもStroughton Smithのもう一つの発見によってわかった。つまりこのアプリも削除可能になるという意味だ。

本誌はAppleにコメントを求めているが、確認するためにはイベントを待つ必要がありそうだ。

そのイベントは間近に迫っている。WWDCは6月5日10AM PT/1PM ET(日本時間6月6日午前2時)に始まり、本誌は現地から発表をライブブログして、分析結果を報告する予定だ。

Appleが何を発表するのか興味のある人は、このプレビュー記事をご覧あれ。Siri内蔵スピーカーと新しいMacbook Proの噂がホットな話題だ。

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Nintendo Switchのネットサービスは年会費20ドルで2018年にローンチ

Switchを持ってる人に重要なニュース: Nintendoが、この新しいゲーム機のネット上のサービスに関して詳細を明らかにした

今ゲームは、一般的に、ネットなしには語れない。Switchのサービスでは、その会員がクラシックゲームのライブラリ(図書館)にアクセスでき、友だちとネット上でプレイでき、そのためのアポイント(日時の約束)やチャットができる。これらのほかに、モバイルのアプリだけに提供されるサービスもある。それは、前から分かっていたことだけどね。

この、Nintendo Switch Onlineと名付けられたサービスは2018年に完全にローンチし、年会費19ドル99セントになる。そこまでずっぽり入れ込みたくない人用には、1か月3ドル99セントや3か月7ドル99セントのプランもある。これと同じ数字を、同社は前にも発表していた。XboxやPlayStationのネットサービスより安いけど、伝統的にNintendoのネットサービスは無料だった。

完全ローンチの前の限定バージョンは無料だ。この夏出る予定のモバイルアプリでも、それは同じだ。

嬉しい変更もある。クラシックゲームは1か月に1本という計画だったが、同社がKotakuに確認したところによると、その制限は撤廃された。

以下が、Nintendoの声明の原文〔英文〕だ:

Nintendo Switch Onlineの会員は、引き続きネットでもクラシックゲームをプレイできる。会員であれば、プレイの本数制限、回数制限、時間制限等はない。好きなだけプレイできる。

Nintendo Switch Onlineの会員は、Super Mario Bros. 3, Balloon Fight, Dr. Marioなど、さまざまなクラシックゲームをプレイできる。今後、さらに多くのゲームを発表していく。ネットサービスの立ち上げ時点では、クラシックゲームのライブラリにはNES〔ファミコン〕のゲームがある。Super NES〔スーパーファミコン〕のゲームは検討を継続するが、現時点でそのほかの発表の予定はない。

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GoogleのChrome組み込み広告ブロッカーは、品質保証フィルターに近くなりそうだ

GoogleのChromeブラウザーに広告フィルターを組み込む計画はまだ続いているとWall Street Journalが伝えているが、その実体は品質保証フィルターのようだ。現在Chromeに実装されているポップアップを抑制したり、デバイスに害を与える恐れのあるコンテンツの警告を与えたりする機能と似ている。

記事によるとGoogleはパブリッシャー・パートナーとも接触し、新たな品質フィルターの影響について明確なガイドラインを提供する予定だ。いずれは現在サイトにある広告で新しいブロッカーに遮断される広告をパブリッシャーが識別できるツールを提供する。広告ブロッカーの提供は来年を予定しており、ブロッカーの一般公開前にパブリッシャーが有害広告を排除するために半年以上の猶予を与えようという趣旨だ。

計画は変更する可能性もあるとWSJは伝えているが、現時点でGoogleがフィルターでブロックする予定なのは、Coalition for Better Adsという業界団体(Googleも会員になっている)が定める分類による。同団体は3月に不快な広告のリストを発表した。Googleのツールは、一定レベルを超える有害な広告コンテンツを掲載するサイトでは、全広告をブロックすることも基準に記されている。

一方、検索の巨人は “Funding Choices” という新しいツールを提供する。これはパブリッシャーがサイトの訪問者にメッセージを表示して、サードパーティーの広告ブロッカーを無効にするか、使用するのであれば料金を払って広告をなくすかを選択できるようにするものだ。

Googleは4月にこの機能を開発中であると報じられた。自社ブラウザーに広告ブロッカーを組み込む動機付けの少なくとも一部は、広告ブロック技術を自らの手の内に持ちたいという願望に違いない。現在多くの広告ブロッカーがサードパーティーから提供されており、中にはGoogleから料金を徴収し、見返りにGoogle自身の広告コンテンツをホワイトリストに入れるところもある。

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Microsoft元CEO Steve BallmerがTwitterに投資をした理由を語る

Microsoftの元CEO Steve Ballmerが、火曜日(米国時間5/30)のCode Conference のステージに立ち、彼がTwitterの大株主になった理由を語った。

“それを価値ある経済的資産にするような本物の機会がある”、と言ってBallmerは、そのソーシャルメディア企業への浮気のような投資だった彼の意思決定を、擁護した。彼が同社のポテンシャルを信じるのは、同社が“人びとに世界中の自分が話しかけたい人と直接的にコミュニケーションできる機会を与える”からだ。

一時Ballmerは同社の4%を保有していたが、今回は“大きなパーセンテージだ”と言うだけで、詳しくは語らない。

MicrosoftがTwitterを買収する、という彼がCEOだったころの噂を彼は否定したが、Twitterがどこかに買収されることはありえる、と考えてはいたようだ。“企業は、長い年月のあいだには、整理されたり、魅力ある資産としてどこかに買われたりするものだ”、という言い方だ。

Ballmerは、Jack Dorseyが二つの企業のCEOであり続けるのは無理、という世間の懸念に同意した。“二つの会社のCEOなんて、想像すらできない”そうだ。

ただしBallmerは、今後、投資はあまりしないらしい。株式投資に対しては考えが変わり、今では債券やインデックスファンドに“戻った”、と言う。

彼は最近、政府の支出を監視するWebサイトUSAFactsを立ち上げたが、その動機は、企業の決算報告などに比べると政府の予算に関するデータが見つけにくいことへの、欲求不満だった。

費目が詳細に分類された政府の支出に関するデータは、“さんざん探してもほとんど見つからない”、と彼は言う。だから彼は、そのサイトが、政策立案者たちやジャーナリスト、そして自分が払ったの税の行き先を知りたい人なら誰もが利用できるリソースになることを、期待している。

彼がオーナーであるバスケットボールチームLos Angeles Clippersには、今かなりの時間を投じているそうだ。彼は、試合中にスマートフォンばかり見ている連中は“嫌いだ”、と語り、拡張現実を利用してアリーナでの体験を改良したい、と述べた。

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Androidの作者Andy RubinのスマートフォンEssential Phone(699ドル)はすばらしいルックスだ

Androidの作者Andy Rubinの新しいプロジェクトをめぐっては、さまざまな憶測が飛び交っていたが、やっと、その答の一部が出たようだ。

Rubinの新会社Essentialが、その最初のスマートフォンとAmazon Echoのようなデバイス、そして“Ambient”と呼ばれる新しいオペレーティングシステムを披露した。この三つはネット上で公開されたが、今のところEssentialが提供しているのは画像とグラフィクスだけなので、最終的な評価はまだ先の話だ。

これまでいちばん話題になっていたのがスマートフォンで、同社自身も先月から、その姿をちらっと見せていた

画像といっても同社提供のもので、第三者が撮った写真等ではないが、その、ベゼルの小さいエッジツーエッジの画面は印象的だ。デザインは、文句なしにすばらしい。この5.6インチのデバイスの最上部からスクリーンがあり、フロントカメラ用の小さなスペースがある。そこからずっと下へと広がり、そして小さなギャップがある。

Essentialによると、スクリーンはチタンとセラミックのブレンドで、AppleやSamusungの製品より強度があるそうだ。

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同じくEssentialのWebサイトによると、内部はQualcomm 835プロセッサー、RAM 4GB、ストレージ128GBだ。フロントカメラの画像センサーは8メガピクセルで、4Kのビデオも撮れる。リアカメラは13メガピクセルで、低照度での撮影を補助するモノクロのセンサーがある。AppleがiPhone 7 Plusでやった、第二レンズによるボケ味画像とは違う。

このほかアタッチメントとして360度カメラが提供される予定なので、スマホにしては相当多芸な写真撮影ができそうだ。そしてヘッドフォーンジャックはないけど、ドングルが提供される。

ソフトウェアについて詳細な発表はないが、このシンプルで強力なハードウェアのデザインから見ると、ソフトウェアも肥満体とは逆の、無駄を省いたシンプルな構成になりそうだ。

699ドルは公式に発表された価格で、この価格帯にはすでに、手強くておもしろいオプションがいくつかある。その中での勝負も、おもしろい。量販のためにはキャリアの採用が重要だが、それがなくてもEssential Phoneには、好奇心で人を惹きつける魅力がありそうだ。発売のスケジュールは未定だが、たぶんアメリカ・ファーストだろうね。

EssentialのEchoコンペティター“Home”も、看過できない。

同社Webサイトの画像から見るとそれは、音楽やスマートサーモスタット、スマート電球、質問への応答、などをコントロールするスマートアシスタント+コントロールインタフェイスのようだ。大きな円形画面と、音声起動であること以外は、まだ詳細は分からない。

ちょっとおもしろいのは、同社のブログ記事によると、Essential Homeはデータの出し入れや保存にクラウドを使わないことだ。これはプライバシー対策として思い切った試みだが、Amazon AlexaやGoogle Homeはこの問題を放棄している。Essential Homeでは、データとサービスはできるかぎりローカルに管理される。多くの人が前のめりで関心を持ちそうな、セールスポイントではないだろうか。

“Homeはhome(家、家庭)だから、プライバシーの心配をせずに好きなことができる場所でなければならない”、とEssentialのWebサイトは言っている

Homeを駆動している新しいOS、Ambientについて、同社はこう言っている:

Ambient OSは、あなたの家や家庭で動くアプリケーションの開発と実行を可能にする一連のサービスと機能を提供する。Ambient OSで、あなたの家がコンピューターになる。Ambient OSはあなたの家の物理的な構成や配置とそこに住む人びとを知り、家と人びとの両方にふさわしいサービスとデバイスを提供できる。

Ambient OSの中心的なコンセプトは、つねに人間がコントロールの主人公でなければならない、という信念だ。そのためそれは、あなたのニーズを先取りしてあなたの家をスマートにはしない。むしろそれは人間から学び、何かの振る舞いを提案することはできるけれども、最終的には人間がその採否を決める。

間違いなく、今後はもっといろんなものが、Essential PhoneやEssential Homeだけからではなく、Rubin本人から出てくるのだろう。彼の新しいベンチャー企業でEssentialの親会社Playgroundは、スマートフォンやアシスタントに限らず、複数のハードウェアプロジェクトを支えるインキュベータだ。 彼が作ったAndroidは、世界で最大人気のオペレーティングシステムで、採用機は20億を超えている。Rubinはその大きな実績の上に、さらに大きな花を咲かせようとしているようだ。

ありがとう: The Verge

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Raspberry PiがCode Clubに続いてCoderDojoを併合、元々のねらい(子どもたちのプログラミング教育)の実践力を拡大

Raspberry Pi Foundationが、またひとつ、子どもや若者にプログラミングを教えるチャリティ団体を併合した。今日(米国時間5/25)発表されたそれは、ダブリンのCoderDojo。ねらいは、Piの最初の目的であった若い世代へのコンピューティング教育を、共に推進するためだ。

CoderDojoは2011年に始まり、現時点で傘下のプログラミングクラブは69か国に1250あまりあり、7歳から17歳まで総計35000人以上の若者が、常時出席参加している。

合併のねらいは、その数を4倍にすることだ。2020年の目標はCoderDojoのクラブが5000箇所になることだ。

Pi FoundationのCEO Philip Colliganが、合併を発表するブログ記事でこう述べている: “両者および(2015年11月に併合したCode Clubが力を合わせることにより、若い世代にコンピューティングとデジタルのものづくりを広める活動としては世界最大の規模になる。

Pi Foundationの中核的ミッションはつねに、もっともっと多くの子どもたちにプログラミングを教えることだった。Piは安価な単層のマイコンボードではあるけれども、その設計は今やすべての世代のメイカーたちに気に入られ歓迎されている。

CoderDojo Foundationはこれまでと変わらずアイルランドの独立系チャリティであり続け、その実践的、財政的、および組織的支援をPi Foundationが行う。合併は今後、アイルランド当局の認可により発効する。

つまり、Colligan曰く、“CoderDojoのブランドと精神は併合によって何も変わらない。CoderDojosは今後も、Piなど特定のプラットホームにとらわれることなく、学習効果が良いと判断されたキットを採用していく”、ということだ。

合併の財政的組織的側面として、ColliganがCoderDojo Foundationの理事会に理事として加わる。そしてPi FoundationはCoderDojoの企業会員になるが、どちらも非営利企業なのでそこに財務的利害関係はない。

Code Clubの方は、2015年11月のPi併合の時点でイギリスに3150のクラブがあり、44000人が学んでいた。ほかに、海外のクラブが1000あった。現在はイギリスだけでクラブが5900、全世界では約10000のクラブでおよそ10万の子どもたちが学んでいる。

Colliganはこう語る: “Code ClubとCoderDojoは共に、それぞれの地域で大きく成功している組織だ。ブランドの知名度と人気も高い。併合の理由はどちらも同じで、目標とコミュニティと日常の活動を整合することだが、現時点でも事業と資金源に重複はあまりない。併合によってより大きな、規模の経済を達成したいし、お互いの異なるやり方や経験から学び合いたい”。

“とくにCoderDojoは、途上国で顔が広いことが、魅力だね”。

そして彼によると、今のところ、さらなる併合の計画はないそうだ。

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大企業のあちこちに転がっている無駄なSaaS契約を掃除するMeta SaaSが$1.5Mを調達

Meta SaaSは、プロダクトの断捨離を手伝ってくれるプロダクトだ。CardlifeCleanshelfなどと同じく、Meta SaaSはユーザー(人や企業)のSaaS契約をすべて調べて、実際に使っているものと、さらに重要なこととして、使ってないものを教えてくれる。

Arlo GilbertとScott Hertelが作ったこのプロダクトは、Mark Cubanがリードし、Barracuda Networks, Capital Factory, Deep Space Ventures, BazaarvoiceのBrett Hurtらが参加したラウンドで150万ドルを調達した。Gilbertはかつて、iOS用の初めてのVoIPプラットホームを作り、HertelはDellのeコマース部門にいた。

同社は今、RetailMeNotをはじめ6社の顧客、計10000名の社員をサポートしている。そして同社が調べることのできるSaaSは、数百万にものぼる。

“うちの顧客は中から大ぐらいの企業が多い。そんな企業は、SaaSのライセンス管理が、大きな経費節減につながるからね。中には、毎年数百万ドルを溝(どぶ)に捨てている企業もある。最近の新しい競合他社は、小企業をターゲットにしてるところが多いけどね”、とHertelは語る。“ほかの競合他社はOktaなどのサードパーティからデータをもらってるところが多い。だからログインを調べるだけだし、ひとつのプラットホームに限定される”。

Gilbertが同社を創ったのは、自分自身がSaaSに無駄金を使いすぎていることに、気づいたからだ。

“2012年にiCallを売って、オフィスをたたもうとしたとき、Salesforce CRMのライセンスが40あることが分かった。社員が20人以上いたことは、ないのにね”、と彼は言う。

このプロダクトは“幽霊IT”を管理する。誰かが買って、忘れてしまったITツールのことだ。売って忘れられることは、SaaSのプロバイダーにとっては好都合だが、企業にとってはおそろしい。Meta SaaSは大企業にSaaSの断捨離サービスを提供する、初めてのプロバイダーのひとつだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ネット広告の効果としての物理店来店者数予測にGoogleはディープラーニングを利用

Googleは、今日行われたMarketing Nextカンファレンスで、来店計測ツールのアップデートを発表した。Googleは2014年以来、ユーザー名を取り去った位置データと状況的データを利用して、ネット広告に刺激されて物理店に来る人の数を推計してきた。今回同社は、そのツールを機械学習で強化して、考慮する要素を増やし、推計の精度を上げた。

オムニチャネルマーケティングは、今大流行のバズワードだ〔IBMにはOmni-channelという製品まである〕。これは、目立ちすぎて目ざわりな言葉であるだけでなく、マーケターにとっての重要な問題も示唆している。物理的な小売店という古い世界と、オンラインショッピングという新しい世界、この二つの世界のデータをうまく組み合わせて、今後の経営意思決定のために利用したいのだが、具体的にはどうやるのか? それがまさに、オムニチャネル(omnichannel, 全方向的な)マーケティングの課題なのだ。

Googleはこれまで、Wi-Fiの信号や位置データ、地図、計測データなどを利用して来店数を巧みに推計してきたが、でも過密都市や中高層のモールなどでは顧客の動きを掴みかねていた。そういうところのロングテールは、従来の推計テクニックになじまないのだ。

この不確実性を解決するために、Googleはディープラーニングに着目した。大量かつ多様な訓練データをディープラーニングに注ぎ込めば、もっと多様なユースケースを扱えるようになり、データの精度は上がるのではないか。

AdWrodsのプロマネVP Jerry Dsichlerはこう言う: “今は、コアの部分で機械学習を利用している。機械学習がなければ、来店数を計算できなかっただろう”。

Googleによると、わずか3年で、計算した来店者数は50億に達した。この数をもっと大きくしたい同社は、同様のキャンペーンにYouTubeやTrueViewを含めようとしている。今、ますますビデオ広告の効果が大きいから、その動きも当然だ。

YouTubeの利用を告知するにあたってGoogleはマーケターたちに、店舗売上の管理機能をデバイスとキャンペーンの両方に含める、と発表した。店頭データをAdWordsに統合すると、コンバージョンからの来客がさらに目立つようになるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Google、車載システム “Android in the Car” を強化

今年のI/OカンファレンスでGoogleが話した、携帯電話以外の分野でのAndroidは自動車に関するものだった。そして同社の車載システム進出の主役はAndroid in the Carだ。Android Autoの拡張であるこのシステムは、車内インフォテイメントや空調システムの統合を強化し、Assistant機能を前面に押しだして車内外でボイスコントロールを推進している。

もちろんGoogleマップによるカーナビ機能も提供され、今回のデモのために用意されたAnroid in the Car塔載のVolvo V90で動くところが紹介された。空調の制御も可能でVolvoに指示するだけで簡単に温度を上下できる。Android in the Carは窓やサンルーフの開閉にも対応している。

Assistant互換のスマートホーム機器を、車の中から音声コマンドで操作することもできる。案内してくれたGoogleのプロダクトマネージャー、Haris Ramicが、デモ用に家を模した展示を使って、Hueの電球やNestの学習サーモスタットを操作してみせた。

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Android in the Carは、さまざまなモバイル体験を車の中にもたらす。またAssistantのデバイス間機能が充実し、Googleがデベロッパーに強く推進していることは、消費者にとって非常に明るい話題だ。

実際にあなたの車で使えるようになるまでにはまだ少し待つ必要がある。Volvoは2年以内には新車に搭載すると言ったが、それ以上詳しい内容は聞けなかった。

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モバイル向けに痩身の機械学習/ディープラーニングモデルを作るTensorFlow LiteがGoogle I/Oで発表

今日(米国時間5/17)のGoogle I/OでAndroidの将来について話す中で、エンジニアリング担当VP Dave Burkeは、モバイル向けに最適化されたTensorFlow、TensorFlow Liteを発表した。デベロッパーはこのライブラリを使って、Androidスマートフォンで動く痩身のディープラーニングモデルを作れる。

Googleはこのところますます多くの、Android上で動くAIを使ったサービスを展開しているから、それ専用の小さくて速いモデルを作れるフレームワークを使うのも当然だ。このAPIも年内にはオープンソースでリリースされる予定だ。

昨年はFacebookが、Caffe2Goを発表した。それもやはり、同社のディープラーニングフレームワークCaffeのモバイル用バージョンで、モバイルデバイスに合ったモデルを作れることがねらいだ。Facebookはこれを使ってリアルタイムの写真整形ツールStyle Transferを作り、それはまた、今後のプロダクトやサービスの基盤にもなるものだ。

ただし、モデルを作るための教育訓練は、あまりにも計算集約的な処理なのでスマートフォン上でやるのはまだ無理だ。いや、訓練済みのモデルですら、従来のものはモバイルには重すぎた。でもモデルがデバイス上で使えれば、状況によってはクラウドとインターネットがまったく要らなくなる。スマートフォン上のディープラーニングのパフォーマンスが、より安定するだろう。

TensorFlow Liteは、AIとモバイルデバイスの結合というGoogleのビジョンをさらに前進させる。そしてその次の段階としては、TensorFlow Liteが活躍する場を増やすための、さまざまな専用ハードウェアの開発ではないだろうか。



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見込み客各社の情報から大きなグラフを生成して的(まと)を得た営業活動に結びつけるDeepGraph

あなたがスタートアップの経営者で、営業を強くせねば、と思ったら、まず営業という仕事を理解しなければならない。それはしかし、言うは易く…の典型である。Kemviは、それ自身今シード段階のスタートアップだが、今日(米国時間5/11)からステルスを脱してメインのプロダクトDeepGraphを発表した。営業が正しい見込み客(とくに企業顧客)を正しいタイミングで見つけられるようにするためのツールだ。同社の100万ドル強のシード資金は、Seabed VC, Neotribe Ventures, Kepha Partners, そして複数のエンジェルたちから調達した。

DeepGraphはさまざまな一般公開データを洗い出して、具体的な顧客が現れそうな、見つかりそうな市場関連イベントとそこに群がる企業や人びとを拾い上げる。そしてそれから、システムは定型的なコールドメールを送って、各社の見込み客になってくれそうな程度を見極める。そして、関心を持ってくれそうな見込み客の一群を見つけたら、今度は個別にアプローチしていく。

DeepGraphが送るコールドメールの例

DeepGraphは自分の楽屋裏で、さまざまな企業の関連事項から成る大きなグラフを作っている。A社の今度の新製品発表はいつか。株価はどう動いているか。出来高はどうか。これらの一般公開情報が見込み客の見込み度の指標になり、企業の今後の意思決定の兆候にもなる。そして全体としてDeepGraphは、データが表しているトレンドを見つける。たとえば株価が低迷していたらその会社は、営業を強化するためのサービスを探しているかもしれない。

そしてその次は、正しいターゲットにふさわしいメッセージを起草する。それを、DeepGraphの大規模なグラフが可能にする。どんな状況でも、基本的には一般化できる。たとえば調達をめぐるスキャンダルがあった直後に調達担当に送る、監査ツールに関するメールは、どれもほぼ同じ内容になるだろう。そしてもちろんSalesforceはDeepGraphを統合しているから二者の連絡先情報やそのほかの重要データを共有して、より幅広いターゲティングができる。

KemviのCEO Vedant Misraは、こう述べる: “DeepGraphを、Salesforceにアクセスしていないときに時間を有効利用できる場所にしたい”。

大きなグラフの生成と利用をより円滑にするために、楽屋裏では相当数の人間が働いている。これらの海外の人たちは、情報の真正性の確認や、背景的知識の補充を担当する。いずれも、グラフの信頼性と最新性を確保するための作業だ。

DeepGraphの料金は、一人あたりの月額×人数だ。早くも、次の資金調達をねらっている。このような、自動化された営業支援サービスは今とても活発な分野で、競合他社もGrowlabsNova AIなどをはじめ、数多い。まだ社歴の若いDeepGraphは、スタート時のチームが6名だが、今後R&Dから営業に回された人たちがどんな成果を上げるか、そのへんも楽しみだ。

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Cisco、対話型AIのスタートアップ、MindMeldを1.25億ドルで買収

今日(米国時間5/11)CiscoはMindMeldを1.25億ドルで買収すると発表した。2011年に設立されたMindMeldは、クラウドベースのサービスを使って企業の対話型インターフェース構築を支援する。

当初はExpect Labsと名乗っていたこのスタートアップは、TechCrunch Disrupt SF 2012のステージ上でデビューした。当時同社は、ユーザーの会話を聞き取って関連する情報を提供するiPadアプリを作ろうとしていた。その後、事業を拡大して構文解析、言語認識などのAPI群を提供するようになった。

MindMeldが提供するAPI

MindMeldはこれまでに、1540万ドルのベンチャーキャピタル資金をIDG Ventures、Greylock Partners、Bessemer Venture Partners、Intel Capitalなどから調達してきた。対話型AIは、M&A活動にとって常に注目を集めている分野だ。Samsungは昨年Vivに2.15億ドルを支払って、同社のテクノロジーを自社のパーソナルアシスタントであるBixbyに衣替えした

「MindMeldは、AIを備えた対話インターフェースを誰でも導入できるように、初めから終わりまで支援する」とIDG Venturesのパートナー、Alexander Rosenが本誌のインタビューに答えて言った。「AmazonとGoogle以外でこれができるところは多くない」。

このところCiscoは買収づいている。今年に入ってAppDynamicsを37億ドルの巨額で買収した。Ciscoは自らをソフトウェア会社であると定義しようと努めている。

「MindMeldと協力して当社のコラボレーション・スイートを強化し、Cisco Sparkを始めとするコラボレーション製品に新しい対話型インターフェースを加える」とCiscoの経営企画責任者のRob Salvagnoがブログで言った

もしCiscoがソフトウェアに本気で取り組むつもりなら、AIは不可欠な中核技術であり、将来のあらゆる製品の基盤になる。Ciscoは、同社のMindMeldチームを中心に認知的コラボレーションチームを作ると言っている。IBM ワトソンの認知コンピューティンググループの美的思想を思い起こさせる行動だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Apple Watchは不整脈を97%の精度で検出できる(UCSFの研究結果)

心拍測定アプリのCardiogramがカリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)と協同で実施した研究によると、Apple WatchをAIベースのアルゴリズムと組み合わせることによって、ごく一般的な不整脈を97%の精度で検出できることがわかった。

eHeartと名づけられたこの研究にはApple WatchアプリのCardiogramを通じて募集した6158名の協力者が参加した。ほとんどの被験者の心電図は正常だった。ただし、うち200名には発作性心房細動(異常な心拍)の診断履歴があった。技術者らはApple Watchの心拍データから不整脈を検出するべくディープ・ニューラルネットワークを訓練した。

Cardiogram社はUCSFと協同で、2016年からApple Watchを使って脳卒中を予知する可能性の研究を始めた。脳卒中の約1/4は不整脈が原因であると、Cardioragmの共同ファウンダーでUCSFのeHeart研究プロジェクトのデータサイエンティスト、Brandon Ballingerは言う。

Cardiogramは開発したディープ・ニューラルネットワークを病院内の電気的除細動(心臓のリズムを正常に戻すための医療手順)51例について試験した結果、97%の精度でニューラルネットワークが心拍異常を検出できたと同社は報告している。

現在はまだ予備的アルゴリズムに基づく研究段階にすぎないが、脳卒中を予知し未然に防ぐ方法として期待されている。不整脈の中で最も頻度の高い心房細動は、脳卒中の原因の1/4を占める。Ballingerは、この種の脳卒中の2/3は比較的安価な薬品で予防することが可能だと話した。

そして今や脳卒中のリスクが高い高齢者を含め、多くの人々がFitbitやApple Watchなどのウェアブル製品を着用するようになり、こうしたデバイスは心拍モニターの役割も果たす。心臓の異常を見つけ出すよう訓練されたアルゴリズムをデバイスに内蔵することによって、リスクの高い人たちの命を救えるかもしれない。

なお、ここ数年で携帯型心電計が大きく進歩したことも忘れてはならない。Mayo Clinicは、AIとAliveCor製の心電計を使った協同研究に参加している。この心電計はスマートフォンの裏面に装着されKardiaというアプリで不整脈を検知するもので、その能力は医療機関で使用されている心電計装置に引けを取らない。Mayo Clinicはこの研究結果に強く共感し、AliveCorが最近実施した3000万円の調達ラウンドにも出資した。

CardiogramとUCSFは今後もeHealth研究を継続していく。ディープ・ニューラルネットワークを複数の判定基準に沿って検証し、結果をCardiogramアプリ自身に取り込む計画であり、不整脈以外の健康状態を認識する方法についても研究中だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook