リアルタイムデータベースのMemSQLが$30Mを調達、毎秒1兆レコードののスキャンを誇る

リアルタイムデータベースのMemSQLが今日、シリーズDで3000万ドルを調達したことを発表した。これで同社の調達総額は1億1000万ドルになる。このラウンドをリードしたのはGV(元Google Ventures)とGlynn Capitalで、これまでの投資家Accell, Caffeinated Capital, Data Collective, およびIA Venturesも参加した。

MemSQLデータベースは分散リレーショナルデータベースで、標準的なSQLドライバーとクェリを実装し、それらによるトランザクションとアナリティクスをサポートしている。それは、データの取り入れ技術がとくに優れているとされ、1日に数百万のイベントをプッシュできると同時に、レコードをリアルタイムでクェリできる。同社が最近示したところによると、12のサーバーにまたがるクラスター上の1兆あまりの列を1秒でスキャンできた。

このデータベースは、大手のパブリッククラウド上やオンプレミスでデプロイできる。

MemSQLの最近の発表によると、今期第四四半期の登録ユーザー数は前年同期比で200%増加した。これは投資家を喜ばせる数字だが、しかしこの市場は競争が厳しく、多数の強力な古顔たちのほかに、スタートアップやオープンソースのプロジェクトも少なくない。現在のMemSQLのユーザーには、Uber, Akamai, Pinterest, Dell EMC, Comcastなどがいる。

GVのゼネラルパートナーAdam Ghobarahは、今日(米国時間5/15)の発表声明でこう述べている: “MemSQLは大規模かつ高速なオペレーショナルアナリシスを提供でき、動的でインテリジェントなアプリケーションを作れるため、エンタープライズ系のユーザーが増えている。同社はエンタープライズ顧客の増加とともに、数字で明確に表せるほどの成功を収めつつあり、継続的にスケールしている同社に投資できることは喜ばしい”。

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ヴィーガン・ミールキットのPurple Carrotに大手食品系Fresh Del Monteが$4Mを投資

Purple Carrotが今朝(米国時間5/7)、Fresh Del Monte Produceからの戦略的投資で400万ドルを調達したことを発表した。

2014年に創業された同社は、完全に植物性の(ヴィーガン(vegan)の)ミールキットを会員に届ける。同社は最初、フードライターのMark Bittmanをチーフ・イノベーション・オフィサー(chief innovation officer)として迎え(その後Bittmanは2016年に去る)、またフットボールのスター選手でいちご嫌いで悪名高いTom BradyとパートナーしてTB12ミールキットを立ち上げるなど、セレブを起用するマーケティングを展開した。

Crunchbaseによると、Purple Carrotはこれまでに600万ドルを調達している。同社によると今回の新たな資金はサプライチェーンの改良と小売チャネルの拡大、そして製品種別の多様化に充てたい、としている。

Purple CarrotのファウンダーでCEOのAndy Levittは、資金調達の発表声明の中でこう述べている: “Fresh Del Monteから戦略的投資を得たことは弊社のビジネスモデルのしっかりとした正当性を表している。菜食の普及努力は、この惑星とその上に住む人間をどちらもより健康にしていくための、弊社独自の目的指向の活動努力だ”。

Fresh Del Monteはパイナップルなどで有名なDel Monteの子会社だが、既存の食品企業がミールデリバリのスタートアップに投資する例は、これまでにもいくつかある。たとえば昨年は、Unilever(ユニリバー)がSun Basketを支援し、NestléはFreshlyの7700万ドルのラウンドをリードした。

画像クレジット: Purple Carrot

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GoogleはGoogle Assistantのアプリケーション開発振興のためスタートアップを育てる投資育成事業を開始

Google Assistantのエコシステムをどうしても育てたいGoogleは、ついにそのために自腹を切ることになった。今日(米国時間5/2)の同社の発表によると、Assistantのアプリケーションを作る初期段階のスタートアップに、資金やそのほかのリソースを提供していく新しい事業をこれから立ち上げるようだ。

新製品に関してそのエコシステムを育てたい企業が、こんな事業を発表することはよくある。しかしGoogle Assistantの場合はすでにかなりの数のサービスが開発されているにもかかわらず、同社は“このクリエティビティをもっと鼓舞するために”、新しい事業を立ち上げるのだ、という。

Googleの、検索とGoogle Assistant担当VP Nick Foxも、こう言う: “Google Assistantでは、デベロッパーやデバイスのメーカーやコンテンツでのパートナーたちが新しいユーザー体験を作っていけるための、オープンなエコシステムの育成に力点を置きたい。Google Assistantに関してはすでにデベロッパーたちの多くのクリエティビティが見受けられるが、それをさらに促進するために、初期段階のスタートアップのための新たな投資事業を始める”。

投資だけでなくGoogleは、彼らスタートアップにメンターシップ(個人指導)や、技術者、プロダクトマネージャー、デザイナーなどからのアドバイスを提供する。そしてこの事業の対象になったスタートアップは新しい機能やツールにいち早くアクセスでき、またGoogle Cloud Platformとプロモーションの支援にもアクセスできる。これはまさに、アクセラレーターないしインキュベーターと呼びたいような事業だが、Googleはそう呼んでいない。

Foxによると、投資額に上限はない。“ふさわしいと思われる額を投資して、デジタルアシスタントのアプリケーション(ハードウェアもありうる)開発という、この新しい分野でスタートアップが成功できるように努めていく。しかも資金を提供するだけでなく、これらのスタートアップと積極的にパートナーして、彼らのプロダクトが市場で成功するよう、わが社の強みも生かしていく”。

この事業の対象となる最初のスタートアップGoMomentは、ホテルのためのコンシエルジュサービス、そしてEdwinは英語の個人教授、BotSocietyPulse Labsはデベロッパーツールだ。

これらのスタートアップは、Googleのねらいをよく表しているようだ。Foxによると、Googleが求めているスタートアップは、“旅行やゲームなど、Assistantをおもしろく活用できそうな特定業種をエンドユーザーとする”デベロッパーたちだ。Googleは一部のパートナーシップについてはその関わりをより深めると同時に、一方多くの場合は単純に、Assistantのような技術に関心のあるスタートアップを求めているのだ。

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コードレビューサービスの繁盛でPullRequestはシードから数か月後に$8MのシリーズAを調達

オンデマンドのコードレビューをクラウドサービスとして提供しているPullRequestは最近忙しい。でもそれは、どんなスタートアップでも大歓迎するような忙しさだ。昨年8月にY Combinatorを卒業したばかりの同社はまだ、スタートアップの流儀を学んでいる最中だ。12月には230万ドルのシードラウンド を勝ち取り、資金面では安泰なはずだが、今日同社は同社のシードをリードしたシード投資家Google Gradient Venturesが率いるシリーズAによる、さらに800万ドルの資金調達を発表した。

今日発表された投資には、Y Combinator, Fika Ventures, Lynett Capital, Defy Partnersなど、そのほかのシード投資家も参加した。同社はわずか数か月で合計1030万ドルを調達したことになる。

なぜどうして、花の蜜にたかる蝶のように投資家は同社に殺到するのか? PullRequestは、デベロッパーの大きな痛点を治療する。開発サイクルがはやくなると、真っ先に犠牲になるのが、コードの品質管理だ。同社のファウンダーでCEOのLyal Averyが昨年8月に本誌に語ったところによると、同社はオンデマンド方式でこの問題を解決している。彼は、こう語る:

“われわれは、コードレビューをSaaSとして提供している。デベロッパーがコードをプッシュすると、うちが抱えるオンデマンドのエキスパートたちがそれをレビューする。これによってデベロッパーたちは、負担増となる重いリソースを自分のところで抱えなくても、快調に前進できる。

12月のシードラウンドのときは、Averyはそのプラットホームにオートメーションとインテリジェンス(AI)を導入したい、と言ったが、最近では、今もその方向に向かって進んでいる、という。そこで早期の800万ドルの導入、となる。

今は、大規模なデータリークがあちこちで発生している。Averyも、今後のコードレビューではバグや問題を見つけるだけでなく、フィットネスのUnder Armourなどがやられたようなデータリークの防止にも力を入れなければならない、と言っている(Under Armourの名はたまたまごく最近の例だから挙げたにすぎない)。彼は自明の理由によりクライアントの名は明かさなかったが、最近同社は、コード中に脆弱性を見つけて、リークを未然に防ぐことができた、という。

投資をリードしたGradient Venturesの専務取締役Anna Pattersonは、オンデマンドとコードレビューは強力な組み合わせだ、と見ている。“PullRequestは、良質なコードと仕事の未来が交わるところにいる。AIを使ってコードレビューのアクセス性を良くし、大小を問わずあらゆる企業がコードレビューを気軽に発注できるようにしている”、と彼女は声明文の中で言っている。

コードレビューとバグ追跡は、スタートアップのホットな分野であり続ける。開発サイクルがどんどんはやくなっているから、企業もコードレビューを外注に頼らざるをえない。タイムフレームが長かった昔は、開発のワークフローの中でコードの品質管理をやる余裕があった。しかしタイムフレームはだんだん圧縮され、余裕がなくなり、PullRequestのようなところに頼まざるをえなくなっている。投資家たちは、そこに着目する。

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中小企業の多様なApple製品の利用を自動化クラウドサービスで管理するFleetsmithが$7.7Mを調達

企業がAppleのデバイスを容易に管理できるようにするサービスFleetsmithが今日(米国時間4/10)、Upfront VenturesのリードによるシリーズA、770万ドルの資金調達を発表した。

シード投資家のIndex VenturesとHarrison Metalも、このラウンドに参加した。これで同社の調達総額は1100万ドルになる。同社はさらに、Puppetのファウンダーで元CEOのLuke Kaniesが同社の顧問団に加わったことを発表した。

Fleetsmithは、中小企業によるAppleデバイスのデプロイと管理を助ける。デバイスは、コンピューター、スマートフォン、iPad、Apple TVなど、さまざまだ。これらのデバイスを手作業で全社内的にデプロイすることは時間のかかる作業になり、大企業ではそれをとっくに、そのほかの商用オプションや内製のソリューションに任せている。Fleetsmithは、そのような効率的なデバイス管理をクラウドサービスとして提供することにより、中小企業でも利用できるようにした。

協同ファウンダーのZack BlumとJesse EndahlはそれぞれDropboxとFandomの出身だが、二人とも前の会社ではAppleデバイスの購買と社内デプロイを含む職務を担当していた。そして、そのための中小企業向けの良い方法が市場に存在しないことを、痛感していた。

“Macの編隊をデプロイしてそのセキュリティをインターネットから管理するには、どうしたらいいのか? そのソリューションを、作るか買うかの検討から、やるべきことがまだ多く残されていることを知った。GoogleやFacebookにはすでに内製のMac管理ツールがあるが、それらのツールの民主化にわれわれは挑戦した”、とCEOのBlumは語る。

Fleetsmithのデバイス管理コンソール。写真提供: Fleetsmith

同社は、AppleがApple製品のプロビジョニングを容易にできるために提供しているデバイス管理サービスDevice Enrollment Program(DEP)を利用することにした。顧客企業のIT管理者がDEPの登録ユーザーなら、Fleetsmithを使って人力不使用のデプロイができる、とBlumは説明する。すると社員はラップトップなどどんなデバイスでもオーダーできるようになり、Wi-Fiに接続したらFleetsmithに接続し、デバイスの構成が自動的に行われる。

Blumは曰く、“EDPのいいところは、それをうちのサービスと統合すると、社員がWi-Fiに接続した途端に、デプロイのお世話をすることだ。アカウントが作られ、ソフトウェアがインストールされ、ドライブは暗号化される。新しい社員をインストールし登録する作業が、とても簡単だ”。そうやって必要なものすべてのセットアップが完了すると、アドミンは重要なアップデートを強制できるようになるが、ただしアップデートをする前にはシステムがいくつかの警告をくれる。

新たに同社の顧問になったKaniesは、声明でこう言っている: “Fleetsmithは、完全なオートメーションだ。細かい作業をすべてコンピューターにやらせて、人間はトラブル対策よりも本来の仕事に専念できるようになる。中小企業には人がいないし、冗長性のための余分のコンピューターもないから、このことがとくに重要だ”。

このクラウドサービスのアクセス料金はデバイス1台あたり年間99ドルだ。フリーミアムなので、デバイス10台までは無料で利用できる。同社は2016年に創業され、現在20名の社員がいる。顧客は、HackerOne, Robinhood, Nunaなどだ。

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サーバーレスコンピューティングのモニタリングサービスStackeryが$5.5Mを調達

StackeryのファウンダーたちがまだNew Relicにいた2014年に彼らは、今後伸びてくるサーバーレス技術の市場にツールを提供していく機会がある、と考えていた。New RelicのIPOを契機に同社を去った彼らは、サーバーレスのアーキテクチャに統括と管理の層を提供する、を目標としてStackeryを創業した。

今日(米国時間4/3)同社は二つの大きな発表を行い、その最初の550万ドルの資金調達を彼らは“シード+”(プラス)と呼んでいる。第二の発表は、Health Metrics Dashboardと呼ばれるサーバーレスのパフォーマンスモニタツールだ。

まず、資金調達の話から。なぜ、シードプラスと呼ぶのか? 同社の協同ファウンダーでCEOのNathan Taggartによると、シリーズAでも良かったけど、でもまだ彼らの市場がそれほど成熟していないので、控えめな呼び方にした。“シリーズAへの欲求はあったけど、シードプラスの方が市場の現状に合っている”、と彼は述べる。今はまだ、各社がやっとサーバーレス方式の利点を理解し始めた段階だから、明らかに成長途上の市場だ。

HWVPがこのラウンドをリードし、Voyager Capital, Pipeline Capital Partners, そしてFounders’ Co-opが参加した。これにより、2016年に創業した同社の調達総額は730万ドルになった。

AWS LambdaAzure Functionsなどのサーバーレスコンピューティングという呼び名は、やや誤称だ。プログラムはサーバーが動かすのだけれども、アプリケーションのための専用のサーバーは要らない。トリガーイベントがあってそれに呼応するコードをサーバーが実行するときだけ、料金が発生する。これに先駆けてやってきたクラウドコンピューティングと同じく、デベロッパーがこれを好むのは、アプリケーションの構成やリソースの確保に大量の時間を取られずに済むからだ。

しかし、従来のクラウドコンピューティングと同じく、サーバーレスも実はクラウドサービスだ。だからこそ、デベロッパーは容易にアクセスできる。2011年に始まった“ITの消費者化”現象を思い出せば、それはクラウドサービスを容易に調達できる能力と引き換えに、組織内部のコントロールを失うことを意味していた。

クラウド初期の当時と同じく、今企業はサーバーレス技術のアドバンテージを求めるが、それと同時に、その費用や、他企業の利用状況、セキュリティ、企業のルールとのコンプライアンスなどが気になる。そこで、Stackeryのようなサービスの出番となる。

Health Metrics Dashboardと名付けられた新しいダッシュボードは、このビジョンの延長であり、モニタリングにルーツを持つファウンダーたちらしいプロダクトだ。サーバーレスはコンテナを扱うことが多く、多くのファンクションがそこにはある。何かがおかしくなったとき、その根因を見つけるのが難しい。

StackeryのHealth Metricsダッシュボード。写真提供: Stackery

そのダッシュボードは、ひとつのアーキテクチャ全域のスループットと各リソースのパフォーマンスを見せるから、デベロッパーは、どこにボトルネックがあり、パフォーマンスの問題や失敗があるか分かる。

同社は2016年に創業し、オレゴン州ポートランドに本社がある。社員は今9名で、内5名がエンジニアだ。年内には3名の増員を計画している。

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マイクロソフト、時価総額1兆ドルを示唆する推奨コメントで株価8%アップ。

月曜日(米国時間3/26)、貿易摩擦の緊張が和らいだあと、ダウ平均は669ポイントの急上昇を見せ先週の低迷状態から抜け出した。

Amazon、Appleなどのテクノロジー株も軒並み上がった、中でも最大の勝者はMicrosoftだ。同社は7.54%アップの93.78ドルでこの日の取引き終えた。

ダウ30社にも入っているシアトルのIT巨人を後押ししたのは、市場全体の好調さだけではない。Morgan Stanleyのアナリストの好意的なコメントおかげでもある。

Keith Weissは顧客向けの書簡に、12カ月後の目標価格を130ドルに引き上げると書いた。先週の取引き価格87ドルより50%近く高い数字だ。そうなればMicrosoftの時価総額は1兆ドルになる。

同氏が特に強く推すのがMicrosoftのクラウドビジネスだ。AmazonやGoogleらのライバルを尻目に今後も堅調を続け利幅も改善されると信じている。彼はOffice 365製品も高く評価している。

時価総額1兆ドルを目指すレースはここ数年話題に上っている。現在Appleが時価総額8770億ドルでリードしている。Amazonは7530億ドルだ。Alphabetは7310億ドル。そしてこの日の強力な取引きの結果、Microsoftが7220億ドルで肉薄している。

全般的にここ数年株式市場は非常に好調であり、ダウ平均は5年前と比べて1万ポイント近く伸びている

Microsoftの株価は昨年だけで44%上昇した。

同社は2014年2月にSatya Nadellaが指揮をとって以来非常に好調だ。Nadellaは、ビル・ゲイツ、スティーブ・バルマーに続く3人目のMicrosoft CEOとなった。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

GitLabがGVのリードするシリーズCで$20Mを調達、ソフトウェア開発〜リリースの総合ソリューションを目指す

デベロッパーのためのコラボレーションとDevOpsのプラットホームGitLabは現在、10万あまりの企業が利用している。同社は今日(米国時間10/9)、GV(元Google Ventures)がリードするシリーズCのラウンドにより2000万ドルを調達したことを発表した。これでGitLabの総調達額は4550万ドルあまりとなる。

新たな資金調達に加えて同社は今日、WordPressの協同ファウンダーMatt Mullenwegが同社の取締役会に加わったことを発表した。

GitLabは、その名が示すように、gitをベースとし、デベロッパーがコードのリポジトリーをセルフホスティングしていくためのオープンソースのツールだ。しかし2014年のローンチ以来同社は、そのほかのDevOps向けサービスをいくつも新設してきた。それらの中にはワークフローツールがいくつかあり、またコードのレビューやリリースを容易にできるためや、アプリケーションのモニタリングのための機能すらある。

そこで同社は、自己のミッションを次のように定義している: “現代のソフトウェアデベロッパーのためのシームレスで総合的なプロダクトを開発し、またKubernetesによるソフトウェア開発のためのアプリケーションになること”

そう。今やGitLabですら、Kubernetesというゲームに深く関わりたいのだ。

GVのゼネラルパートナーDave Munichielloは、今日の声明文の中で次のように述べている: “Fortune 500社は今、互いに競ってワールドクラスのソフトウェア開発組織を作ろうとしており、またそれらに、世界最大のテクノロジー企業なみのスピードと生産性とクォリティを持たせようとしている。これらの組織は高品質で大規模なコードを作るべく努力しているので、最高クラスのツールとプラットホームを必要とする。GitLabのプラットホームは、コラボレーションとオートメーションを強調することにより開発プロセスを加速する。GitLabのハイブリッドでマルチクラウドのソリューションはデベロッパーに好まれており、その分野で巨大なファン層を形成している”。

GitLabの現在のユーザーには、Ticketmaster, ING, NASDAQ, Sony, Intelなどもいる。

新たな資金の使途について同社は、“ソフトウェアのパッケージングとリリース方式と構成とモニタリングに関して新たな機能性を加えたい”、と言っている。

同社の競合サービスはGitHubやAtlassianのBitBucketなどだが、GitLabによると、セルフホスティング型のgit市場では同社が2/3のシェアを占めるそうだ。

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GoogleのG Suiteに貼りつくことで使いやすいCRMを実現するProsperWorksがシリーズCで$53Mを調達

G Suiteとの統合化など、Google製品を軸とするCRMツール集合ProsperWorksが、Norwest Venture Partners率いるシリーズCのラウンドにより、5300万ドルを調達した。このラウンドには、GV(元Google Ventures)も参加した。これで同社の総調達額は8700万ドルになり、ProsperWorks自身の言葉によると、ここ10年間のCRM企業の中では資金調達額が最大だそうだ。

ちょうど1年前にProsperWorksは2400万ドルのシリーズBを発表しているから、確かに投資家たちに人気のある企業だ。CEOのJon Leeによると、彼はProsperWorksをSalesforceにとって最強の挑戦者にしたい、という。彼はこう言っている: “われわれは、グローバルな生産性向上のために重大な意味のある大きな問題を解決している。CRMは1兆ドルあまりの売上実現に貢献し、アメリカのGDPの5.5%に寄与しており、CRM自身の市場は400億ドルに達する。しかしながら、Forresterによると、それを使おうとしない人が多いために、CRMの47%は業績が低迷している”。

ProsperWorksは長年、CRMのシステムを使いやすくして、そのサービスの採用企業が十分な価値を得られるようにすることを、ミッションとしている。GoogleのG Suiteとの深い統合によりGoogleのプロダクトみたいなルック&フィールにしてしまうのも、‘使いやすくする’の一環だ。またそうすることによってユーザーは、自分のさまざまなプロダクティビティアプリケーションとCRMとのあいだで、しょっちゅうコンテキストを切り替える面倒な手間からも解放される。

今度の新たな資金の充当先は、チームの人員を倍増して製品開発を加速し、またいくつかの特定業種向けの新たなソリューションでサービスを充実強化することだ。そのほかに、国際展開も考えている。

現在のユーザーに対していちばん重要と考えているのは、デザインの刷新だ。Leeは今日の発表声明でこう述べている: “Appleがモバイルに対してやったことを、われわれはCRMに対してやりたい。ユーザーインタフェイスを完全に新しくして直感性を高め、その意味や価値が即座にわかるようにしたい”。またCRMの標準的なワークフローのさらに多くを自動化し、そこから集めたユーザーデータを機械学習のアルゴリズムにフィードして、より使いやすいツールにしていきたい、ということだ。

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Kubernetes展開お助けサービスで起業したHeptioが創立1年足らずでシリーズB $25Mを調達

オープンソースのコンテナオーケストレーションツールKubernetesの協同ファウンダーCraig McLuckieとJoe Beda〔共に元Google〕が創業したHeptioが今日(米国時間9/13)、Madrona Venture Partnersが率いるシリーズBのラウンドで、2500万ドルを調達したことを発表した。Lightspeed Venture PartnersとAccel Partnersもこのラウンドに参加したが、同社はシリーズAで850万ドルを調達してからまだ1年経っていない。ただしこのシアトルのスタートアップは、シード資金を獲得していない。なお、Kubernetesのもう一人の協同ファウンダーBrendan Burnsは、今Microsoftにいる…MicrosoftからGoogleに来たBedaとは逆だ。

HeptioのCEO McLuckieは、“短い8か月だったが、すばらしい体験をした”、と語る。“シリーズAのときは、次の資金調達がこれほどすぐだとは、想像もしなかった”。Kubernetesやそのほかのクラウドネイティブ技術のエンタープライズへの導入を支援する彼らのビジネス機会が、これほど急速に大きくなるとは、彼らも予想しなかった。そして今彼が強調するのは、その機会が単にKubernetesの機会ではないことだ。

McLuckieは語る: “Kubernetesは核であり、それを取り巻くようにしてこの会社を作った”。そしてさらにそのまわりには、クラウドネイティブコンピューティングをエンタープライズが容易に採用できるようにするためにやるべき仕事が、山のようにある。また、さらにそれに伴って、デベロッパーの新しいワークフローも生まれる。Kubernetesはコンテナオーケストレーションツールだが、McLuckieによると、ほかに大量の関連ツールも作らなければならない。

“Kubernetesの人気が盛り上がるのを見て、われわれにはこれをビジネス機会として捉える資格がある、と感じた”、そうMcLuckieは述べる。

では、Heptioは実際に何をやっているのか? 企業向けの、Kubernetesお助けサービスがビジネスになる、と確信していたが、最初はプロダクトの具体的なイメージはなかった。でもその後の数か月で、徐々にビジネスモデルがはっきりしてきた。要するにHeptioは、Kubernetesを採用したがっている企業にプロフェッショナルなサービスを提供し、教育訓練やサポートも提供する。McLuckieが強調するのは、それが企業のKubernetes利用を助けるだけでなく、彼らをオープンソースのコミュニティに接近させる意味合いもあること。そのためにチームは、Kubernetesのいくつかの具体的な特性と、それがオーケストレーションするコンテナクラスターを管理するための、独自のオープンソースプロジェクトも作っている。

新たな資金はヨーロッパとアジアへの進出に充てる予定だが、さらにチームを拡大するとともに、新市場開拓に役に立ちそうな買収を検討するかもしれない、という。

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オンライン印刷のラクスル、フィデリティ投信などから20.5億円を調達——既存事業のほか海外展開も強化

ラクスル代表取締役の松本恭攝氏(写真は2015年3月撮影)

ラクスル代表取締役の松本恭攝氏(写真は2015年3月撮影)

オンライン印刷サービス「ラクスル」などを手がけるラクスル。2015年2月に40億円の大型調達を実施した同社が8月4日、新たにFidelity Investments(フィデリティ投信)、日本政策投資銀行(いずれも新規株主)のほか、オプト、グローバル・ブレイン、GMOベンチャーパートナーズ、Global Catalyst Partners(いずれも既存株主)から第三者割当増資により20億5000万円の資金調達を実施したことを発表した。

ラクスルでは今回調達した資金をもとに、主力である印刷事業に加えて、2015年12月にスタートしたCtoC型配送サービスの「ハコベル」事業(詳細はこちら)の2つの事業領域の成長に向け、マーケティング投資、人員拡充、システム投資を進める。加えて、海外投資と新規事業への投資も進めるとしている。

またラクスルは2015年11月にインドネシアで同様のサービスを手がけるPrinzioに出資しているが、これに続いて、インドのInkmonkへの投資も実施しているという。両社に対しては日本のナレッジを共有するほか、ベトナムや中国に持つオペレーション部隊のシェア、システムAPIの提供などを行い、事業面でのバックアップを行っているという。

ラクスルの創業は2009年。印刷所の非稼働時間を利用して、安価な印刷サービスを展開。これに加えて中小企業向けにチラシポスティングなどのマーケティング支援、前述のハコベルによる配送サービスなどを手がけている。7月末時点での中小企業ユーザーは30万アカウント、売上高は非公開だが3年間で50倍に成長した。またハコベルは現在2000台のトラックを登録しており、マーケティング支援事業と合わせて急成長しているという。

以前の資金調達時、ラクスル代表取締役の松本恭攝(やすかね)氏は「『投資をすれば拡大する』ということが見えてきたので、小さく上場するより赤字を掘ってでもより成長しようと考えた」といった話をしていた。今回の調達について尋ねたところ、「掘った後の大きな利益成長、Jカーブ(事業開始からしばらくの間は投資フェーズで赤字になるが、その後は投資した分大きく成長していくというスタートアップの成長モデル)を実現する。むやみに掘ってるわけではなく、資本効率の良い範囲で、最大の投資をしてる」という回答を得た。また今後の上場に関しては「ノーコメント」とのこと。

なおフィデリティ投信は年金基金や機関投資家の資金をもとに、上場株や債権などに投資を実施している。また傘下のベンチャーキャピタルであるEight Roads Venturesの日本チームがUI/UX改善ソリューションを手がけるKAIZEN Platformやグルメサイト運営のRettyなど国内スタートアップに投資を行ってきているが(厳密にはKAIZENは米国登記)、フィデリティ投信本体での国内スタートアップへの投資は公表されている限りこれが初めて。CrunchBaseにもあるが、フィデリティではこれまでSpotifyやUber、Airbnb、SnapChatなどへの出資を行っている。

「シリコンバレーと日本をつなぐ」ルース元駐日大使や三菱商事が3億3500万ドルのファンドを立ち上げ

前駐日米国大使であり、Geodesic Capitalゼネラルパートナーのジョン・ルース氏

前駐日米国大使であり、Geodesic Capitalゼネラルパートナーのジョン・ルース氏

米カリフォルニア州に拠点を置くGeodesic Capital(ジオデシック・キャピタル)は5月17日、第1号ファンドの「Geodesic Capital Fund I」を組成したことを発表した。ファンドの総額は3億3500万ドル。三菱商事のほか、三井住友銀行、三菱重工業、三菱東京UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行、損害保険ジャパン日本興亜、ニコン、日本政策投資銀行、東邦銀行などが出資する。

ジオデシック・キャピタルは、前駐日米国大使のジョン・ルース氏と、アンドリーセン・ホロウィッツ元パートナーのアシュヴィン・バチレディ氏、三菱商事で立ち上げた投資ファンド。

ルース氏は第1期オバマ政権下、2009年から2013年まで駐日大使を務めたが、それ以前はスタートアップのサポートにも積極的なウィルソン・ソンシーニ・グッドリッチ&ロサーティ法律事務所のCEOを務めていた。TechCrunchの過去記事にもあるが、Salesforce.comをはじめとしたIT企業の取締役も務めている。またアシュヴィン・バチレディ氏は米VCのアンドリーセン・ホロウィッツでFacebookをはじめ、Twitter、Box、Airbnb、Githubへの投資に関わってきた。

日本やアジアのマーケットを狙う米スタートアップに出資

Geodesic Capitalでは、グロースステージのシリコンバレーのスタートアップに対して、500万〜3000万ドルの範囲で投資を実行する。バチレディ氏いわく、投資の際に重要視するのは(1)Strong Leader、長期的なビジョンを持ち舵取りをするCEOがいること、(2)イノベーションを起こすプロダクトを持っている個と、(3)潜在市場、ポテンシャルがあること、(4)強い実行力と急速な拡大を実現できること——の4点。

投資の対象とするのは、日本やアジア進出を狙うシリコンバレーのスタートアップだ。ルース氏は大使としての日本赴任から米国・シリコンバレーに戻ってきて、あらゆる業種でITによる破壊的なイノベーションが起こっていること、また同時にシリコンバレー企業が日本の市場への関心が高まっていることなどを背景にこのファンドを立ち上げたと語る。現在公開されているポートフォリオは、セキュリティのTanium、メッセージングサービスのSnapchat、アプリケーション配信ネットワークのInstart Logic、ビットコインマイニングに特化したコンピュータを手がける21の4社。

こう聞くと——あまりにも使い古された表現だが——「黒船襲来」という印象を持つ人がいるかも知れない。だがルース氏らは、海外からのイノベーション、イノベーティブな企業が日本の市場に参入することこそが、日本経済に価値をもたらすと語る。「一方通行でなく、両方が通行できる『架け橋』を作る」(ルース氏)。シリコンバレーのスタートアップに対しては日本を玄関口にして、アジア進出を支援。一方、ファンドへ出資する日本企業に対してはシリコンバレーの拠点も用意しているという。

三菱商事もファンド組成の趣旨について「当然だが金融投資のリターンは大いに期待している」(三菱商事常務執行役員新産業金融事業グループCEOの吉田真也氏)とした上で、「狙いは中期経営戦略2018にうたっているとおりで、ビジネスにおける先端技術の利用や新規ビジネスの開発、既存ビジネスの変革。そのためにもシリコンバレーとのアクセスを深めていきたい」(吉田氏)と語る。

新しい市場へのチャレンジ、「One size fits all」になるな

ところで、米国で人気を博したサービスであっても、いざ日本市場に参入した際にはパッとしないなんて話は時々聞くものだ。そうならないためにも重要なのは、ローカルパートナーと組むなどして、カルチャライズすることだろう。例えば、今では日本人が数多く利用するTwitterも、デジタルガレージと組んで日本に参入している。

リース氏もこの点については意識しており、「米国企業に限らず、世界の多くの企業が日本やアジアの国々に進出する際に犯す過ちが『One size fits all』。つまりそのまま持ってくれば成功すると信じているところだ」と指摘する。これに対してGeodesic Capitalでは、投資先の日本参入支援を行う日本法人「ジオデシック・ジャパン」を設立しており、カントリーマネージャーには元オムニチュア・ジャパン カントリーマネージャーの尾辻マーカス氏、シニアアドバイザーに元ツイッター日本法人代表取締役会長の近藤正晃ジェームス氏を招聘。日本でも成功したそのノウハウを生かして投資先の支援を行うとしている。

為末大氏も支援するスポーツエンタメアプリ「Player!」、運営元がグリーベンチャーズから資金調達

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午前中に紹介したサカチャンに続き、SportsTech領域の話題だ。スポーツエンターテイメントアプリ「Player!」を運営するookamiは5月11日、グリーベンチャーズが運営するファンドを引受先とした第三者割当増資を実施したことを明らかにした。調達額は非公開だが、数千万円程度と見られる。ookamiでは今回調達した資金をもとに経営基盤を強化。人材採用を進めてアプリ開発やマーケティングを加速するとしている。

Player!はスポーツ各ジャンルのニュースサイトを閲覧できるニュースリーダーの機能、そのニュースに対する「いいね!」やコメントを付ける機能などを提供するほか、スポーツの試合情報をリアルタイムで閲覧し、興味を持つユーザー同士でチャットができる「ライブ」などを備えるアプリだ。利用は無料だが、Facebookアカウントでのログインが必要。

ookamiは2014年4月の設立。ユーザーベースや元陸上選手の為末大氏のほか個人投資家からシードマネーを調達し、同年9月にPlayer!を公開した。2015年4月にはiOS向けにアプリを公開。その後もオプト元代表取締役の海老根智仁氏など個人投資家からの資金を調達している。

Player!のアプリダウンロード数やKPI等は非公開だが、「ユーザーの興味や試合の盛り上がりを測る独自のアルゴリズムによる通知などによって、ライブ機能の視聴率や滞在時間が向上している」(ookami代表取締役の尾形太陽氏)のだという。今後Player!ではライブスポーツの予約機能や動画視聴機能などを予定。「少しでも多くのユーザーにスポーツとの新たな接点や感動を提供していく」(尾形氏)としている。

Kubernetes/Docker Swarm両方をサポートするコンテナ管理プラットホームRancher LabsがシリーズBで$20Mを調達

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KubernetesとDocker Swarmの両方をサポートするコンテナ管理プラットホームRancher Labsが今日(米国時間5/9)、シリーズBで2000万ドルを調達したことを発表した。このラウンドをリードした同社の新しい投資家は、中国の投資企業GRC SinoGreenで、既存の投資家MayfieldとNexus Venture Partnersも参加した。これで同社の資金調達総額は3000万ドルになる

新たな資金は、営業とマーケティングの強化および、ユーザーの要望に合わせての製品の改良に充てられる、という。

Rancher LabsのCEO Sheng Liangは今日の発表声明の中でこう述べている: “コンテナ化によって企業は、アプリケーションのパフォーマンスと可利用性とコストを改良するための、すばらしいことがいろいろできるようになった。このパズルの次のピースはコンテナ技術の完成に貢献するものであり、それはコンテナの管理に関連するツールだ。ユーザーがコンテナ技術をフルに利用して、コンテナが約束する財務的および組織的な利益を得ていけるための、正しいツールを提供していくことが、弊社の目標である。弊社が今後もこの目標追求のための努力を継続できることは、きわめて喜ばしい”。

コンテナプラットホームの市場はやや混み合ってきたが、Rancher Labsによれば、KubernetesとDocker Swarmの両方をサポートしているために、Rancherはエンタープライズのコンテナ展開のための正しいツールになっている。しかしおそらくさらに重要なのは、 それが、使用するクラウドを特定しないこと、およびエンタープライズがパブリックとプライベート両方のクラウドと、さらに従来からのデータセンターで、コンテナを使えることだ。

なお、Rancherはマルチテナントプラットホームなので、各チームが自分たちのニーズに即したやり方で自分のクラスタを管理できる。この方式では、たとえば、Kubernetesのクラスタのセットアップがわずか5分でできる。(ただしクラスタのデプロイを初めてやる方は、もっとかかるかもしれない。)

コンテナのデプロイを容易にするために同社は、アプリケーションカタログを提供している。それを利用すると、かなり複雑なアプリケーションのデプロイでも、わずか数クリックで簡単に構成できる。

投資をリードしたGRC SinoGreenのパートナーDr. James Zhangは発表声明の中でこう語る: “コンテナはソフトウェアの開発とITのオペレーションを急速にディスラプトしつつある。Rancher Labsはそのすばらしいオープンソース技術によって、ソフトウェア開発の加速化のためにはコンテナ管理が重要であることを企業に示し、同じく適正なコンテナ管理によってアプリケーションをプロダクション(本番稼働)における高い信頼性と効率で動かせることを、示してきた”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

インメモリデータベースのMemSQLがシリーズCで$36Mを調達、ビッグデータの優等生に投資家が殺到

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インメモリデータベースのMemSQLが今日、シリーズCで3600万ドルを調達したことを発表した。新規の投資家REVとCaffeinated Capitalがラウンドをリードし、既存の投資家Accel Partners, Khosla Ventures, Data Collective, IA Ventures, およびFirst Round Capitalも参加した。

2011年にY Combinatorを卒業したMemSQLは、リアルタイムのビッグデータ分析という分野で活躍するスタートアップで、ほかにHortonWorks, Cloudera, Couchbase, SAP Hana, MongoDBなどもこの分野の主力選手たちだ。MemSQLの協同ファウンダーEric Frenkielによると、今回のラウンドは参加を希望する投資家が多すぎて、一部のコンペティターの評価額が下がってる中でのその現象はきわめて異例だ、という。

“ビッグデータの市場は今急速に、主記憶とApache SparkやKafkaのようなソフトウェアを使うリアルタイム処理に移行しつつある。企業はMemSQLを利用して、データのリアルタイムストリームを作り、分析できる”、と彼は語り、加えて、“ビッグデータ企業の多くが、オープンソースのモデルで投資家の高い期待に応えようとして、苦戦している。しかもそのやり方は、結構高くついている”、と述べた。MemSQLには、そのデータベースの無料バージョンはあるがソフトウェアはオープンソースではない。

Frenkielによると、同社の現在の顧客の中には、Pinterest, Comcast, Akamai, Kellogg’sなどがいる。

今回の新しいラウンドは、2014年の3500万ドルのシリーズBに次ぐ資金調達だ。同社の調達総額は、これで8500万ドルになる。計画では今回の資金は、“技術、営業、サポート、マーケティングなどすべての分野で成長を加速していくために”、使われる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

会員制宿泊予約サイトの「relux」、運営元がKDDIから5億円を調達——訪日対応さらに強化

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会員制宿泊予約サイト「relux」を運営するLoco Partners。3月にサービス開始から3周年を迎え、同時にミクシィ元代表取締役の朝倉祐介氏を社外取締役として迎えたという発表があったが、今度は大型の資金調達を実施したという。同社は4月18日、KDDIがグローバル・ブレインと運営する「KDDI Open Innovation Fund」を引受先とした5億円の第三者割当増資を実施したことをあきらかにした。

先日の記事でも紹介したとおりだが、relux は同社のスタッフや全国の旅館・ホテルに精通した審査委員会のメンバーが厳選した一流旅館・ホテルを紹介する会員制の宿泊予約サイト。満足度保証や宿泊プランの最低価格保証、relux会員限定の特別プランを提供してきた。

KDDIが提供する定額制スマートフォン向けサービスの「au スマートパス」においても、2012年3月からクーポン配布などを実施。現在では、au スマートパス会員向けの優待プログラムを提供しており、今後さらなる旅行サービス拡充を目的として、より広範な業務提携を進めるとしている。ただし今後の具体的な提携については「現在検討中。reluxのリソースをうまく用いた形で、KDDI国内4000万会員に旅行商品を何らか訴求できればと考えている」(Loco Partners執行役員の酒井俊祐氏)とのこと。

また3月時点でもインバウンド需要が急増している(訪日旅行売上比率は10%近くまで増加)と語っていたが、その割合はひと月でさらに増加して現在15%近くまで伸びているという。KDDIとの提携に加えて「さらに伸ばしていくポテンシャルがある。海外事業へも投資し、訪日旅行事業の成長を加速させる。国の訪日外国人数の政策目標(2020年に4000万人)にも乗っかっていければ」(酒井氏)

ドローンを飛ばす人たちに安全のための空域地図を提供するAirMapがシリーズAで$15Mを調達

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ドローンを使う人たちに、現時点の飛行の是非を知るための空域情報を提供するAirMapが今日、シリーズAで1500万ドルを調達したことを発表した。ラウンドをリードしたのはGeneral Catalyst Partners、これに、同社の260万ドルのシードラウンドをリードしたLux Capitalと、Social Capital, TenOneTen Ventures, Bullpen Capital, Pritzker Groupらが参加した。

3DRやDJIをはじめ、大手の消費者向けドローン企業の多くが、すでにAirMapsのサービスを利用している。また同社は最近、合衆国最大の空港の一部と協力して、各空港のフライトおよび空域情報をリアルタイムで得られるようにした。

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同社によると、新たに得られた資金は同社の空域管理ツールの開発を加速化するために使われる。

“弊社は、ドローンの利用をもっと日常化していくことに貢献したい、と考えている”、とAirMapのCEO Ben Marcusが今日の発表声明で述べている。“ドローンには世界を変える力がある、と信じている。今すでに何千名ものイノベーターたちが、ドローンのすばらしいアプリケーションを開発している。それらの中には、荷物の配送もあれば、各業界における点検検査作業、精密農業、公共安全など、多様な分野がある。ドローンのための安全で効率的なオペレーティング環境を確保することは、これらのアプリケーションの実験段階からメインストリームへ移行を促進する”。

今日は、資金調達の発表と併せて、同社顧問団に三名の新メンバーが加わったことも発表された。その三名とは、Alaska AirlinesのCEO Bill Ayer、イギリスのNational Air Traffic Servicesの元CEO Richard Deakin、そしてAdvanced Energy EconomyのCEO Graham Richardだ。

なお、社名はAirMapだが、空域地図の提供はこの種の企業の最初の第一歩にすぎない。真の目標は、商用ドローンのためのナビゲーションシステムを作ることだ。そのためにはあと数年の開発期間を要すると思われるが、当面、AirMapや同業他社は、そんな未来のための基盤を作りつつあるのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ビズリーチが37.3億円の資金調達、求人検索エンジン「スタンバイ」や採用管理システムに注力

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ハイクラス人材特化の会員制転職サイト「ビズリーチ」、20〜30代をターゲットにした転職サイト「キャリアトレック」、そして2015年5月リリースの求人検索エンジン「スタンバイ」の3つの転職サービスを展開するビズリーチ。

同社は3月29日、YJキャピタル、ジャパン・コインベスト投資事業有限責任組合(三井住友トラスト・インベストメントが運営)、Salesforce Ventures、電通デジタル・ホールディングス、グリー、楽天、リンクアンドモチベーション、EFU Investment Limited、East Ventures、IMJ Investment Partners Japan Fund 1号 投資事業有限責任組合の計10社から、総額37億3000万円の資金調達を実施したことを明らかにした。リードインベスターはYJキャピタル。同社は今回約16億円をビズリーチに出資している。これは同社として最大額の投資案件となる。

ビズリーチでは今回の資金調達をもとにスタンバイの事業を拡大。また同時にクラウド型の採用管理システム「HRMOS(ハーモス)」をはじめとした新規サービスの開発を進めるという。

ビズリーチ代表取締役社長の南壮一郎氏によると、すでにビズリーチ事業は単月黒字化。この収益や子会社であるルクサのKDDIへの売却益などをもとに新規サービスへの投資を進めてきた。スタンバイはサービス開始から約10カ月。フリーターや派遣社員からスタッフレベルの社員といった人材を中心に400万件以上の求人を掲載。サービスの開発を本格化する時期になってきたと判断した。「ビズリーチの資金調達はこれが2回目。転職のマスマーケットを攻めていくのであれば、我慢比べをするのではなく、必要な資金を調達して勝負をする」(南氏)。南氏は具体的な名前こそ出さなかったが、求人検索と言えばリクルートが2012年9月に買収したindeedが先行する領域でもある。

またビズリーチでは、スタンバイの利用企業(掲載は無料、ビズリーチは検索連動広告で収益を得ている)に対して、求人情報の作成 ・公開 ・管理が可能なプロモーションツールを提供してきた。これをベースにしてクラウド型の採用管理システム「HRMOS(ハーモス)」を5月にも公開する予定だ。

「今まで人材サービスは『採用したら終わり』というものがほとんどだった。人をモノのようにするつもりはないが、採用者のパフォーマンスデータを見て、PDCAを回すということもできれば」(南氏)。この採用管理システム領域にはスタートアップもある。またOracleの「Taleo」やSAPの「SuccessFactors」などが先行している。

次世代SQLデータベースのCrateが$4Mのシード資金を調達、コンテナ環境との相性が売り

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2014年のTechCrunch Disrupt Europe startup Battlefieldで優勝したCrateが今日(米国時間3/14)、そのオープンソースのSQLデータベース技術に対する400万ドルのシード資金を獲得したことを発表した。

このラウンドをリードしたのはロンドンのDawn Capitalで、これに既存の投資家Sunstone Capital, DFJ Esprit, およびSpeedinvestが参加した。さらにまた、Dockerコンテナの原作者でDocker, Inc.のファウンダー&CTOのSolomon Hykesも投資に加わった。

Hykesは今日の発表声明で、次のように述べている: “Crateの、マスターのないシンプルなアーキテクチャはコンテナ環境に完全にマッチする。マイクロサービスパラダイムを採用するデベロッパーが今後増えるに伴い、広くデプロイされることを期待している”。

CrateのCEOで協同ファウンダーのChristian Lutzによると、同社は今回の追加資金を同社のシリコンバレーにおけるプレゼンスを拡大するために使いたい、という。Crateの中核的な技術者グループはヨーロッパに残るが、合衆国にはプレセールスのエンジニアなどを置き、顧客の増大に備えたい、と。

Lutzによると今年の後半にはシリーズAのラウンドを行いたいが、今回のラウンドがそのためのベースになる。

Lutzは語る、“若いデータベース企業の最大の課題は、信頼と信用の獲得だ”。昨年Crateはシリコンバレーで、有名企業数社を顧客にできた。それらの社名は明かさないが、Lutzによるとセキュリティ企業のSkyhigh Networksが最近Crateに乗り換えたので、今同社はSkyhighのデータベースクラスタを動かしている。それは、数十億件のセキュリティイベントを保存するデータベースだ。

今後の予定としては同社は近く、初のエンタープライズプロダクトをローンチする。それには、データセンターのレプリケーションなども含まれ、Crateのオープンソースコアとは別途のコードになる。

 

〔参考記事: docs, Wikipedia, cloudpack

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

組織化に苦しんだ1年——4億円を調達して自社プロダクト開発を強化するグッドパッチ

グッドパッチ代表取締役社長の土屋尚史氏

グッドパッチ代表取締役社長の土屋尚史氏

ユーザーインターフェースデザインに特化したデザインスタートアップのグッドパッチ。同社は2月19日、DG インキュベーション、Salesforce Ventures、SMBC ベンチャーキャピタル、SBI インベストメント、FiNCを引受先とする総額4億円の第三者割当増資を実施したことを明らかにした。また資本参加した各社との事業連携も進める。

今回の資金調達をもとにプロトタイピングツール「Prott」のさらなる開発を行うほか、新サービスの提供を進める。また同社が拠点を持つドイツ・ベルリンを中心としたヨーロッパをはじめとして、Prottを世界展開していくという。

ニュースアプリの「Gunosy」や家計簿アプリ「Money Forward」、キュレーションアプリ「MERY」をはじめとしたユーザーインターフェースのクライアントワークを手がけつつ、自社プロダクトのProttの開発を進めてきたグッドパッチ。inVisionなど海外発のプロトタイピングツールがある中、Prottは現在世界140カ国・5万人以上が利用するまでになった。クライアントにはリクルートやヤフー、ディー・エヌ・エー、グリー、IDEOなどの名前が並ぶ。

「Prott」

「Prott」

会社は順風満帆、さらに調達して一気に自社プロダクト開発を進めるといった状況かとも思ったのだが、グッドパッチ代表取締役社長の土屋尚史氏いわく、この1年は「組織化に苦しんだ1年」だったという。

「フラットな環境」作れず、4カ月で10人が退社

「去年の今頃は社員50人がいたものの、役員は自分だけ。給与振り込みすら僕がやっていた。『伝言ゲーム』でなく、社長と直接話し合えるフラットな環境でいたいと思ったから。だがよかれと思ってやっていたことは、お互い不幸なだけだった」(土屋氏)

直接やりとりをするつもりが、スタッフの人数が増えすぎて結局1人1人とコミュニケーションを取ることができなくなった。採用を優先すると今度は現場のコミュニケーションができない状況になっていた。人材コンサルを入れて改めて組織作りを進めたが、昨年8月頃から4カ月で——転職や引き抜き、デザイナーとしての独立など様々な理由で——10人の社員が退社した。退職した社員の中には創業期からグッドパッチを支えたメンバーもいた。

前年比での成長はキープできたものの、スタッフが抜けたことで売上も下がった。だが苦しい時期だったが人材採用に関しては好調だった。経営陣を強化氏、事業責任者を置き、組織作りを進めて、80人規模の強い組織作りができているという。

「一番変わったのは『人に任せる』ということがやっとできるようになったということ。今までフラットさについて勘違いをしていた。たとえ組織が階層化されていたとしても、マインドセットがフラットであればそれでよかった」(土屋氏)。土屋氏はこれまでにFailconなどでも自身の創業期の苦悩を語ってきたが、昨年から今年のこの時期を越えて、「起業家」から「経営者」としての道を歩み出したと語る。このあたりの心境は土屋氏のブログで詳細に書かれている。

クライアントワークは継続、新サービスも開発

組織作りで苦労した1年だが、きっちりと成果も出した。例えばMERYなどは、日時利用者数ではブラウザのほうがユーザー数は多い一方、記事閲覧数では圧倒的にアプリが増えているのだという。グッドパッチがデザインしたアプリは、ウェブより回遊率の高い構造になっているというわけだ(ディー・エヌ・エーの決算資料より)。そのほか、コミュニティサービスの「ガールズちゃんねる」では、UI改善により1セッションあたりのPVで約124%増、PV数は約134%増という結果を残した。

「MERY」の成長(DeNA決算資料より)

「MERY」の成長(DeNA決算資料より)

調達では今後Prottの開発や世界展開に加えて、新サービスの提供も進める。新サービスはプロダクトマネジメントツール。プロトタイピングツールだけでなく、今後あらゆる開発工程を一気通貫で管理できるシステムの開発を目指す。「いわばAtlassian方式。BtoBのプロダクトは時間が掛かると思うが、3年後、5年後のインパクトは大きい。そのための調達だ」(土屋氏)

では今後、クライアントワークを捨てて自社プロダクトに注力するのかというと、そういうわけではないらしい。クライアントワークでデザインの価値を上げていきたいと土屋氏は語る。

「グッドパッチののミッションは『デザインの力を証明する』ということ。日本ではデザインが勘違いされてきた。ビジネスサイドが企画を立ててワイヤーフレームを書き、それをデザイナーがデザインして、エンジニアが実装するという世界だった。だがデザインへの投資を促さないといけない。海外では事業会社がデザイン会社を買収する流れが増えているが、日本ではやっとスタートアップで重要視されてきたというところ。『デザイン会社』という立場は捨てない。いかにプロダクトを主体的に作るデザイナーを育てるかは重要だ」(土屋氏)

海外ではデザイン企業のM&Aも増えている

海外ではデザイン企業のM&Aも増えている