Googleが日本のAI/ML企業ABEJAに投資

GoogleがAIと機械学習を手がける日本のABEJAに出資した。Googleが直接、しかも日本で投資をすることは、とても珍しい。

投資額は公表されていないが、数百万ドルぐらいらしい。創業6年になるABEJAによると、同社のこれまでの調達総額は60億円(5300万ドル)だ、という。そしてCrunchbaseによると、同社が公開しているこれまでの調達額が4500万ドルだから、53-45=800万ドルになる。ただしこれには、Googleからの投資以外に2014年のシリーズA(これも非公開)も含まれているはずだ。

数字はともかくとして、この投資が注目に値するのは、Googleの日本における投資であるだけでなく、戦略的投資でもあるからだ。

ABEJAはこう声明している: “今後ABEJAとGoogleは、リテールや製造業など、さまざまな分野のAIとMLによるソリューションでコラボレーションして、AIソリューションのアプリケーションをより一層振興し、日本のAI産業の成長に貢献したい”。

同社の主製品は機械学習を利用する‘platform as a service, PaaS’で、現在150社あまりの企業顧客が、ABEJAを使って彼らのデータ集積から事業分析やさまざまな識見(インサイト)を開発している。同社によると、リテール向けの専用製品は顧客データと売上データに的を絞り、およそ100社に利用されている。

Google Cloud Japanの代表取締役(マネージングディレクター)Shinichi Abe(阿部伸一)は、次のように声明している: “ABEJAには強力な技術力とMLの専門的技能があり、そのコラボレーションの実績と、技術的ソリューションの効果的なデプロイメントで業界全般から高く評価されている。この投資は、リテールと製造業、およびその他の分野における革新的なソリューションで、ABEJAとのコラボレーションの道を拓くものである”。

Googleは、中国でAIと機械学習に大きく注力しており、昨年は北京に研究開発部門を開設した。しかし同社の研究とフォーカスの大半は、アメリカとヨーロッパが主力だ。Deep Mindの本社もヨーロッパにある。Googleは、インドシンガポールでもAI/ML関連の買収をしているが、それらの主な目的は、今後の成長市場における、Google製品のローカライゼーションだ。

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優れたジャーナリズムを育てる育成事業Google News Initiativeがアジア太平洋地域でも活動を開始

Googleはアジア太平洋地域のメディアを支援するために、同社のGoogle News Initiativeを同地域で展開する計画だ。

GNIと呼ばれるこの事業は、“デジタル時代の優れたジャーナリズムを育成”するために、同社が将来性を認めたメディア企業や団体に助成金を交付する。2015年に始まったヨーロッパでは1億7000万ドル、そしてアメリカでは今年前半に3億ドルが投じられた。フェイクニュース防止のためにYouTubeも助成対象となり、GNIはそのために2500万ドルを確保した。

アジア太平洋地域に関してGoogleはその規模を明言しないが、新しくて革新的なビジネスモデルと収益源を開発しているパブリッシャーに最大で30万ドルを助成する、と言っている。

Googleで報道と出版関連のパートナーシップを担当しているKate Beddoeは、ブログ記事でこう述べている: “有料会員制や賛助制度、新しいデジタル製品やサービスなどで読者からの収益を増やそうとするプロジェクトの提案を募集している。Google内部とそのほかのテクノロジー業界の役員たちが申請を審査し、選ばれたプロジェクトには最大で30万ドルを出資、プロジェクトの総費用の最大70%を支援する”。

同社のスポークスパーソンによると、助成金は分割で交付される。交付が決定した応募者には助成金が何度かに分けて交付され、彼らの経験を広範なコミュニティと共有しなければならない。それは、オンラインやイベントにおける資料の作成配布の形でもよい。その情報交換のねらいは、アジア太平洋地域のメディアがお互いから学び合い、持続可能なアイデアや経験談をより広く共有することにある。

ファンドは今日(米国時間11/20)発表されたが、実際の交付は2019年からだ。

応募申込は、専用の窓口で、11月28日から1月9日までに行なう。Googleによると、12月11日に同社のシンガポールオフィスでタウンホールミーティングを行なうときに、詳細を発表する。それはここから、ライブでストリーミングされる。

アジア太平洋地域のメディアを助成金で支援しているのは、Googleだけではない。ブロックチェーンメディアのスタートアップCivilは最近、アジア対象の100万ドルのファンドを発表したが、同社はその後、予定のICOをキャンセルしたため、今後の動向が不明だ。

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ブロックチェーン・ゲーム盛況、Mythical GamesがシリーズAで1600万ドル調達

ブロックチェーン・ゲーム盛況、Mythical GamesがシリーズAで1600万ドル調達
Fortnite。この無料マルチプレーヤー・サバイバルゲームはゲーム内のバーチャル購入だけで驚異の10億ドルを稼いだ。そして今ゲーム業界では、別の誰かがどうすればゲームの新しいトレンドで自分たちも儲けられるかを実験している。

今日(米国時間11/18)ステレスモードを終えてシリーズAラウンドで1600万ドルを調達したスタートアップMythical Gamesは、未来のゲームではユーザー生成コンテンツやプレイヤー、コンテンツクリエイター、ブランド、デベロッパーらが親密に結びつくのが当たり前になると考えている。Mythicalはこのベンチャー資金を使ってPC、モバイル、ゲーム機向けゲームをブロックチェーンプラットフォームEOSIO上に構築する。そこはデベロッパーが「プレイヤーが経済を所有する」ゲームを開発するためにも解放される。

Mythicalはゲームの初期ラインアップがについても近く発表する予定。

Mythicalはゲーム業界のベテラン集団が率いている。最高経営責任者のJohn Lindenは元Activisionのスタジオ責任者でNianticが買収したSeismic Gamesのプレジデントも務めた。他の幹部には、コンプライアンス責任者で同じくActivisionの元スタジオ責任者Jamie Jackson、プロダクト責任者で元Yahooプロダクトマネジメント・ディレクターのStephan Cunningham、ブロックチェーン責任者で元Blizzard(Activisionの子会社でWorld of Warcraftの開発で知られている)のシニアプロデューサーRudy Kockらが名を連ねる。チームメンバーらは過去にCall of Duty、Guitar Hero、Marvel Strike Force、およびSkylandersなどのゲームを送り出してきた人たちだ。

Galaxy DigitalのEOS VC FundがMythicalの調達ラウンドをリードした。今年設立された3.25億ドルのファンドは、EOSISブロックチェーン上で開発するスタートアップへの戦略的投資を通じて、EOSIOエコシステムの拡大に焦点を絞る。Javelin Venture Partners、Divergence Digital Currency、暗号通貨交換所のOKCoinなどもラウンドに参加した。

投資家たちがゲームビジネスの盛り上がりに興奮しているは、Epic GamesやTwitch、Discordらの成功を踏まえれば当然のことだ。

Epic Gamesは社会現象になった同社のゲームFortniteのおかげで、先月末12.5億ドルの調達ラウンド完了した。KKR、Iconiq Capital、Smash Ventures、Vulcan Capital、Kleiner Perkins、Lightspeed Venture Partners 他も同ラウンドに参加した。ゲーマー向けチャットアプリケーションのDiscordは、4月に16.5ドルの評価額で5000万ドルを調達し、Benchmark Capital、Greylock Partners、IVP、Spark Cpital、およびTencentが投資した。ブロックチェーンベースのゲームCryptoKittiesで知られるDapper Labsも今年VCラウンドを行い、Venrockのリードで1500万ドル調達し、GVとSamsung NEXTも参加した。

PitchBookによると、今年ベンチャーキャピタル全体で18億ドルをゲームスタートアップに投資した。。

画像クレジット:Jasmin Merdan / Getty Images

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Canonicalはまず外部資金の調達を初体験してから将来のIPOに備えたいという

【抄訳】
Mark Shuttleworthが自分の投資でCanonicalとそのUbuntuプロジェクトを創業してから14年になる。当時はもっぱらLinuxのディストリビューションだったが、今では同社はエンタープライズサービスの大手としてさまざまなプロダクトサービス提供している。これまではShuttleworth自身がプロジェクトに資金を提供し、外部からの資金には関心を示さなかった。しかし今、それが変わろうとしている。

Shuttleworthによると、最近の彼はIPOを真剣に考えるようになり、そこへのひとつの過程として外部投資家を求めている。同社が最近エンタープライズへとフォーカスを変え、Ubuntu Phone(Ubuntuブランドのスマートフォン)やデスクトップ環境Unityを廃棄したことは、誰もがすでにそう思っていたように、どれもそれに結びついていた。Shuttleworthは外部資金の調達を、その方向へ向かう一歩と見なしている。そうやって、会社を徐々に、上場にふさわしい形に整えていくのだ。

“第一段階は、未公開株式だろう。外部投資家を募り、取締役会に外部のメンバーができたら、報告義務も生ずるし、それらはIPOに向かうプログラムの一部になる。私が考えてきた手順としては、未公開投資家たちが求めていたことにまず応じてから、そのあと、上場へ向かうべきだ。両者は、まったく違う文化だからね”。

最近はよく目立つひげを生やしているShuttleworthは、前はこれ〔未公開外部資金〕にも反対していたし、そのことを彼自身も認める。“それは私に関する正しい性格付けだった、と私も思う。私は、自分の独立をエンジョイしており、自分で長期の経営を構想できることも好きだ〔四半期決算報告などの短期的義務が生じないこと〕。今でも自分にその能力があると感じているが、人の金に対して責任が生じるのもすごく良いことだ。それが自分の金でなければ、金の使い方もやや変わるだろう”。

【後略】
〔IPOの前段としての未公開株式投資に関しても、投資家、金額、スケジュール等すべて未定。現状は、すべてShuttleworthの頭の中の構想である。〕

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企業のデータ保護とコンプライアンス充足をAIと機械学習で自動化するCognigoが$8.5Mを調達

AIと機械学習を利用して企業のデータ保護とGDPRなどの規制へのコンプライアンスを助けるCognigoが今日(米国時間11/13)、シリーズAのラウンドで850万ドルを調達したことを発表した。このラウンドをリードしたのはイスラエルのクラウドファンディングプラットホームOurCrowdで、これにプライバシー保護企業のProsegurState of Mind Venturesが参加した。

同社は、重要なデータ資産を護り、個人を同定できる情報が自社のネットワークの外に漏れることを防ごうとしている企業を支援できる、と約束している。そして同社によると、そのやり方は、専用システムのセットアップやそれらの長年の管理を必要とするような手作業の管理ではない。たとえばCognitoによれば、同社は企業のGDPRコンプライアンスの達成を、数か月ではなく数日で完了する。

そのために同社は、事前に訓練したデータ分類用の言語モデルを使用する。そのモデルは、給与明細や特許、NDA、契約書など、よくあるカテゴリーを検出するよう訓練されている。企業は独自のデータサンプルでモデルをさらに訓練し、その独自のニーズのためにモデルをカスタマイズできる。同社のスポークスパーソンは曰く、“唯一必要な人間による介入は構成だが、それは一日で済む作業だ。それ以外では、システムは完全に人手要らずだ”。

同社によると、新たな資金はR&Dとマーケティングと営業のチーム拡大に充てられ、目標は市場プレゼンスの拡張と製品知名度の向上だ。“弊社のビジョンは、顧客が自分のデータを利用して確実にスマートな意思決定ができ、同時にそのデータが継続的に保護されコンプライアンスを維持することだ”、と同社は言っている。

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創業三年で急成長、インフルエンサーマーケティングのMavrckが$5.8Mを追加調達

Mavrckが、新たに580万ドルを調達して、総調達額が1380万ドルになった。

2015年にシリーズAを調達したときは、クライアントの製品をすでに使っている“マイクロインフルエンサー”たちにフォーカスしていた。しかし今は、同社は“オールインワン”のインフルエンサーマーケティングプラットホームを自称し、マーケティング活動を自動化し効果を測定するためのさまざまなツールを提供している。

同社はPinterestとマーケティングで公式にパートナーしているが、先月はPinterestのための新しい機能を発表した。同社によると、これまでは効果測定と詐欺の検出の改良に力を入れてきた。またInstagramのフォロワーに関しては“統計的に有意な標本分析”を掲げ、彼らのコンテンツにエンゲージしているアカウントがボットか否かを判定する。〔ボットは統計的に有意な標本ではない。〕

顧客にはP&G, Godiva, PepsiCoなどがいて、経常収益は年率400%で伸びている。

今回の資金調達の発表声明でCEOのLyle Stevensはこう語っている: “今年Mavrckがやってきたことにはどれも、インフルエンサー産業を前進させる意図が込められていた。導入した機能や、締結したパートナーシップ、追跡してきたインフルエンサーのビヘイビアなどなどはどれも、マーケターが人びとが信頼するコンテンツのパワーを装備して、彼らのブランドのための具体的な事業価値を育てるようにする、という、弊社のミッションの一環である”。

新たな資金の投資家は、GrandBanks CapitalとKepha Partnersだ。シリーズBではなくて、需要増に対応しチャネルとのパートナーシップをサポートするための追加資本だ、という。

画像クレジット: Mavrck

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求人界のTinder「Teamable」が500万ドルを調達、Simpplerを買収

社員のソーシャルネットワークを活用した求人サービスのTeamableが、500万ドルの資金を調達した。出資したのは新たに参加したFoundation Capitalとすでに投資しているTrue VenturesとSaaStr Fund。

また同社は、Simpplerの照会エンジンとリクルートソフトウェアを買収したことも発表した。Teamableの共同ファウンダーでCEOのLaura Bilazarianは、契約条件の公表を拒んだ。

Crunchbaseによると、買収されたSimpplerはこれまでに320万ドルの株式ファンドをFoundation Capital、Greylock、Vertex Venturesらから調達している。同社は2013年に Vipul Sharmaが設立し、Teamableと同様、既存の社員ネットワークを使って求人紹介プラットフォームを作っている。Sharmaは以前Evenbriteで機械学習を担当し、LinkedInプロフィールによると「昨年Indeedのエンジニアディレクターを務めていた」。

SharmaおよびSimpplerの人員はTeamableに移籍しない。

TeamableはGmail、Facebook、GitHubその他のソーシャルネットワークを利用して社員の連絡先を収集し、リクルーターをより焦点の絞られた採用候補者と結びつける。
Teamableを利用している企業の中にはSpotifyとLyftも入っており、ネットワーク内の従業員と求職者の温かみのあるつながりを支援している。ソーシャルリクルーティングのアルゴリズムによってより効率的で多様性のある雇用が可能になる、と同社は言っている。

「求職者は今のリクルート方法を喜んでいないと思う、とBilazarianがTechCrunchに話した。「彼は履歴書を塀の向こうに投げ入れるだけで返事を聞くことがない。企業も今のやり方を望んでいないと私は思う。なぜなら、求職者は職務記述書を見て憶測するだけなので企業は正しい候補者に巡り合っていないからだ」

「企業の中のわずかな人々が世界中にスパムを送るのではなく、会社をよく知る人たちが手を差し伸べる」と彼女は言う。「Teamableは非常に精度が高い。200人と接触して一人から返事をもらうのではなく、5人に声をかけて一人を採用する。」

昨年の シリーズAで得た500万ドルを含め、Teamableの株式ファンドは総額1000万ドルになった。50名からなる同社のキャッシュフローはプラスで、顧客は200社だとBilazarianは言う。サンフランシスコおよびアルメニアのエレバンに拠点を構えるTeamableは、調達した資金を使ってチームとリクルーティングプラットフォームの拡大を進める予定だ。

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企業に健康食を配達するOh My Greenがシード資金として$20Mを調達、全米展開を目指す

Oh My Greenは、Initialized Capital, Powerplant Ventures, Backed VC, ZhenFund, Talis Capital, そしてStanford StartX Fundらによる最初の本格的な投資ラウンドで2000万ドルを調達し、アメリカ中のオフィスに健康的な食べ物を届けようとしている。

このコンシエルジュ的なサービスはアクセラレーターY Combinationを2016年に終了して、サンフランシスコやロサンゼルス、シアトル、シカゴ、オースチン、デンバー、ボストン、ニューヨーク、そしてナッシュビルの企業に、正しい栄養学に基づくおやつや食事を提供している。同社はオフィスのおやつ戸棚の在庫を満たし(テクノロジー企業にとっておやつは必須である)、イベントのケータリングをやり、(企業の)カフェを管理し、(企業の)健康事業(ダイエットなど)を手伝う。同社の目標は、企業の健康的な食生活のためのワンストップショップ(なんでもできる)になることだ。

同社は2014年にサンフランシスコでMichael Heinrichが創業した。今週初めに彼と交わした会話によると、彼は本誌TechCrunchのおやつ戸棚を認めないらしい。なにしろ、一年前のスキットルズ(フルーツキャンディー)やエムアンドエムズ(チョコ)やフルーツバイザフット(グミ)があるんだからね。

彼は語る: “自分の人生で、もっと意味のあることをしたかったんだ。難しい仕事をいろいろしてきたし、そこで出会った人びとや問題も楽しかったけど、でも日常手に入れられる食べ物を見ると、加工しすぎや砂糖の使い過ぎのものがとても多い”。

“シュガークラッシュ(sugar crash, 糖質の摂り過ぎ→禁断症状による低血糖症)で仕事の生産性がガタ落ちになったとき、文句を言わずに自分で違いを作りだすべき、と気づいたんだ”。

Oh My Greenは機械学習を利用して顧客たちに個人化された推奨おやつや推奨食事を提供している。企業顧客は今約200社で、その中にはLyft, Apple, Y Combinatorなどもいる。今回の投資は全米展開に注ぎこみ、いずれは海外進出を目指す。

関連記事: The Lobbyは求職者のためにウォール街(一流金融業界)のウォール(壁)を壊す

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サーバーレスのインフラをモニタするEpsagonがステルスを脱して正式ローンチ

イスラエルのEpsagonが今日(米国時間10/17)ローンチしたサーバーレス開発のためのツールは、そのインフラストラクチャのモニタリングを支援する。それが、どこにある何かをデベロッパーが知らなくても。

デベロッパーがインフラのことを知らないのは、サーバーレスの本質でもある。サーバーのリソースは短時日で変わることもある。デベロッパーは一連のイベントトリガーを作り、クラウドのベンダーが必要なサーバーのリソースを動かす。このやり方の美点は、プログラマーがインフラストラクチャのことを気にせずにコードを書けることだ。でも欠点は、オペレーションにとってインフラストラクチャをコントロールしたり理解する方法がないことだ。

Epsagonはこの問題を、サーバーレスのアーキテクチャを見える化することによって解決する。CEOで協同ファウンダーのNitzan Shapiraはこう語る:“うちがやることを一言で言えば、サーバーレスのための分散トレーシングと観察性とコストのモニタリングだ。これまではこそこそとやってきたけど、今日からは会社を正式にローンチする”。

サーバーレスではエージェントを使えない。それをどこへ置けばよいか、分からないからだ。それを置くための固定的なサーバーはない。だから、従来的なログツールも使えない。Epsagonはこの問題を、ライブラリを使うエージェントレスの方式で迂回する。Shapriaによると、同社はそのライブラリをオープンソース化して、それらをデベロッパーにとってより魅力的にしたいと考えている。

同社が最初にサポートするのはAWS Lambdaだが、来年はそのほかのクラウドプラットホームもサポートする予定だ。EpsagonにサインアップしたらAWSの認証情報を入力する。するとただちに、パフォーマンスに関する情報をEpsagonのダッシュボードに表示し始める。ただしShapiraによると、本当の価値はライブラリにある。“このライブラリこそが、うちの道具箱だ。つまり、エージェントと同じ働きをする”、と彼は言う。

スクリーンショット提供: Epsagon

提供するものは、従来的なモニタリングデータだけではない。顧客が費消している費用も分かる。サーバーレスでは、クラウド企業が必要に応じてリソースを提供するが、それゆえにユーザー側のコスト管理が難しい。Epsagonは、今実際にどれだけ使っているかを見せてくれる。

Epsagonの利用料金はまだ確定していないが、最初はセルフサービス方式を採用している。同社のWebサイトにサインアップすると、無料から始まっていろんな料金オプションが並んでいる。いずれも、最初の2週間は無料の試用期間だ。

テルアビブに拠を置くEpsagonは、現在の社員数が11名、営業とマーケティングとサポートの体制ができたら、アメリカにオフィスを持ちたい。同社は1月に、Lightspeed Venture Partnersがリードするラウンドで400万ドルを調達した。

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The Lobbyは求職者のためにウォール街(一流金融業界)のウォール(壁)を壊す

Y Combinatorの12週間の育成事業を半年前に卒業したThe Lobbyが、120万ドルの資金調達を発表した。

The Lobbyは、求職者をウォール街の銀行家やベンチャーキャピタリストなど金融業界の“インサイダーたち”に結びつけて、アドバイスや各人に合ったキャリア指導を提供する。以前は投資銀行にいたファウンダーのDeepak Chhuganiは、エリート社会の出身者でもなく、アイビーリーグ系の大学も出ていない人たちに、一流金融企業への就活を成功させようとする。

“彼らのこれまでのやり方では、大量の優秀な人材を見落としている”、とChhuganiは語る。“裕福な世界や一流大学を出た者にしか、機会が与えられていない”。

Chhuganiは、ベントリー大学を卒業してMerrill Lynchに入ったが、自分がウォール街に割り込むことができたのは、たまたまこの超大手証券会社のラテンアメリカのM&Aグループに空きがあり、自分がエクアドル出身だったため、と彼は信じている。

彼の、やはりアイビーリーグ出身ではない何人かの友だちも、運良くウォール街のベンチャーキャピタルやプライベート・エクイティに就職できたが、でも一般的には、名門大学を出てない者はどれだけ優秀でも、金融業界の就活に成功することはない。

シードラウンドで個人的に投資をしたSocial Capitalのスカウト投資家Matt Mirelesは、The Lobbyについてこう言う: “求人市場は本物の能力主義だといつも自分たちに言い聞かせているし、少なくともそうあるべきだが、The Lobbyはそんな本物の能力主義を作り出しつつある”。同社のシードラウンドには、Y CombinatorのほかにAtaria Ventures, 37 Angels, 元TravelocityのCEO Carl Sparks, Columbia Business Schoolのchief innovation officer(CIO) Angela Leeらが参加した。

求職者はThe Lobby経由で、プロフェッショナルたちの30分の電話相談を受けられる。また模擬面接や効果的な履歴書の書き方なども学ぶ。インサイダーたちは、ユーザーがThe Lobbyに払う料金の一部を謝礼としてもらい、金融業界の本当の内幕話や、生きた人間によるGlassdoorのようなサービスを提供する。

The Lobbyという社名についてChhuganiは、ユーザーに就職を約束することはできないけど、各会社のロビー(控室)にまでは連れていけるから、と言っている。

“能力のある人が努力すれば、上(面接室)に呼ばれるだろう”。

[Y Combinatorの2018冬季デモデー1日目に登場した64のスタートアップたち]

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CI/CDを末端企業にも普及させたいArmoryはY Combinator出身で$10Mを調達

オープンソースのSpinnakerプロジェクトをベースとするCI/CDプラットホームArmoryが今日(米国時間8/22)、シリーズAのラウンドにより1000万ドルの資金を調達したことを発表した。このラウンドはCrosslink Capitalがリードし、Bain Capital Ventures, Javelin Venture Partners, Y Combinator, そしてRobin Vasanらが参加した。

ソフトウェア開発は、ここ数年で確かに変わった。間隔の長いアップデート・サイクルに代わり、継続的デリバリが主流になってきた。このコンセプトは今では、継続的インテグレーション/継続的デリバリ(continuous integration/continuous delivery)を表すCI/CDと呼ばれている。Armoryのプロダクトは、このタイプのソリューションをデプロイするときに伴う複雑性を、軽減しようとする。

同社を創業したときファウンダーたちは、CI/CD技術のバックエンドのベースとしてSpinnakerを使う、と決めた。それは、GoogleやNetflixなど業界の大物たちが支持しているプロジェクトだからだ。ArmoryのCEOで協同ファウンダーのDaniel R. Odioが、今回の資金調達を発表するブログ記事でこう述べている: “Spinnakerは大規模で本格的なマルチクラウドのデプロイを支えるスタンダードになるだろう。自分たちで新たに継続的デリバリのプラットホームを内製で構築する、そんな車輪の再発明を避けて、SpinnakerをArmoryプラットホームのコアにするという、大きな賭をした”。

同社によると、その賭は報われ、Spinnakerの同社バージョンはエンタープライズのソリューションで広くデプロイされている。同社の目標は、Fortune 2000社がソフトウェアのデプロイを今よりずっと速くできるようになることだ。そしてそのためには、CI/CDのアクセスと理解が欠かせない。

今企業は、どんな企業でもソフトウェア企業になりつつあるから、どの企業もこれまでとは異質な部分を抱え込むことになる。GoogleやNetflixのような超大物は、最先端の方法により、ソフトウェアを驚異的なスピードでデプロイする方法を経験から学び構築しているが、製品の製造技術=ソフトウェア開発技術ではない、そこらのふつうの企業は、ソフトウェア技術者もそんなに多くないから、Googleなどに追随することは難しい。

その空隙を補ってくれるのが、Armoryのような企業だ。同社は、オープンソースの技術を核として、その複雑性を包み隠すパッケージにより、高度なソフトウェアデプロイ技術を持たない普通の企業でもCI/CDを導入できるようにする。

中でもとくに同社が強調するマルチクラウドでクラウドネイティブなソフトウェア開発方式は、ユーザーのアプリケーションやインフラストラクチャを、オンプレミスも含む複数のクラウドに分散可能にする。そのようなデプロイ技術の重要な部分が、継続的デプロイを管理する技術だ。

Armoryは2016年にローンチし、ベイエリアに拠を構える。これまで1400万ドルを調達したが、そのうちの400万ドルのシードラウンドは昨年行った。同社はY Combinator 2017冬季の卒業生であり、Y Combinatorは今回の投資に参加している。

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クラウドネィティブ環境のためのセキュリティベンダーTwistlockがシリーズCで$33Mを調達

世界がクラウドネイティブなアプローチへ移行していくに伴い、アプリケーションとそのデプロイのセキュリティを確保する方法も変わりつつある。クラウドネイティブ環境のセキュリティを提供するTwistlockが今日、Iconiq CapitalがリードするシリーズCのラウンドで3300万ドルを調達したことを発表した。

これまでの投資家YL Ventures, TenEleven, Rally Ventures, Polaris Partners, およびDell Technologies Capitalも、このラウンドに参加した。これで同社の資金調達総額は6300万ドルになる。

Twistlockは、コンテナとサーバーレスのセキュリティという、困難な問題を解決する。両者はいずれも、本質的に短命な存在だ。それらは寿命が1秒の数分の一と短いので、問題が起きたときその追跡が難しい。同社のCEOで協同ファウンダーのBen Bernsteinによると、彼の会社は最初から、コンテナとサーバーレスコンピューティングがどれだけ短命でも、依然としてエクスプロイトされうる、という前提に立って、クラウドネイティブ環境を保護するためのセキュリティプロダクトを作っている。

Bernsteinは曰く、“寿命の長短は関係ない。むしろ重要なのは、それらの生き方が従来のコンピューターに比べて予測可能であることだ。従来のコンピューターは非常に長時間動くし、しかも多くの場合人間が使っているから、予測は簡単ではない”。

スクリーンショット提供: Twistlock

企業がクラウドネイティブな環境へ移行して、Dockerによるコンテナを使ったり、それらをKubernetesなどのツールで管理するようになると、デプロイ量の大きい、高度に自動化されたシステムを作ることになる。デプロイは自動化で簡単になるが、いろんな問題に対する脆弱性はそのまま放置される。たとえば悪者がコード注入攻撃でプロセスのコントロールを握ったりすると、誰も知らない間に大量の問題が起きていたりする。

Twistlockはそれを防ぐとともに、エクスプロイトがいつ起きたのかを顧客に認識させ、診断分析によりその原因を調べる。

それはサービスであるとはいえ、従来型のSaaSとは様子が違う。すなわちそれは同社のサーバーから提供されるサービスではなくて、顧客が使っているクラウド(パブリックまたはプライベート)にインストールされるサービスだ。今同社の顧客は200社あまりで、その中にはWalgreensやAetnaなど、誰もが知っている企業も含まれているが、顧客リストを公開することはできない。

2015年に創業された同社はオレゴン州ポートランドに本社があり、R&D部門はイスラエルにある。現在の社員数は80名だ。他社との競合についてBernsteinは、従来のセキュリティベンダーはクラウドネィティブをまだうまく扱えない、と言う。そして最近登場してきた若手スタートアップに比べると、少なくとも現状では、成熟度では自分たちが上だ、とも言っている。

“今はまだ、競争が激しくはないが、今後徐々にそうなるだろう”、と彼は述べる。今回得られた資金は、主にマーケティングと営業の拡充に充当して顧客ベースの拡大を図りたい。またクラウドネィティブのセキュリティも競合とともに技術が進化していくので、技術でもつねに先頭を走っているようにしたい、とBernsteinは言っている。

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サーバーレスアプリケーションのデプロイと管理を助けるServerless, Inc.が新たに$10Mを調達

Serverless, Inc.は、早くからサーバーレスを手がけ、2015年にはデベロッパーのためのオープンソースのフレームワークを作っている。今日では同社は、これまでのプロダクトをベースとして、サーバーレスアプリケーションのデプロイとデリバリをデベロッパーがもっとコントロールできるようにしたい、と考えている。そのために同社は、Lightspeed Venturesが率いるシリーズAのラウンドにより1000万ドルを調達した。これで同社の調達総額は、1300万ドルになる。

同社はまた、総合的なツールセットServerless Platformを発表した。これには、Serverless Framework(フレームワーク)のほかに、Serverless Dashboard(ダッシュボード)とServerless Gateway(ゲートウェイ)が含まれている。これらのうち、フレームワークでデベロッパーは、さまざまなクラウドプラットホームで使用するサーバーレスのコードをセットアップでき、ファンクションのルールやインフラストラクチャの依存性などの、クラウドごとの違いに対応できる。ダッシュボードは、デプロイに関する情報を視覚化し、サーバーレスファンクションの動作を、さまざまなクラウドプラットホームの上でモニタできる。

図表提供: Serverless, Inc.

ゲートウェイは、レガシーのツールをサーバーレスのアプローチに取り込む方法を提供する。同社の説明によると: “Serverless Gatewayで企業は容易にサーバーレスを既存のサービスのメッシュに統合できる。それらはコンテナやSaaS、そのほかのレガシーシステムなどさまざまだ。Event Gatewayが、サーバーレスのコンピュートと共に、企業のすべてのビジネスイベントにコードで反応する強力な方法を与える”。

同社のファウンダーでCEOのAusten Collinsによると、企業がサーバーレスファーストの考え方に移行すると、アプリケーションの構築とデプロイの費用が低下するが、しかしそのためには、チーム全体や大きな組織全体にわたって使えるツールが必要である。そして同社は、そんなツールを提供していくのだ、と。

“サーバーレスの開発を実運用にまで持っていくためのツールの需要が、今拡大している。それは、チーム全体のデベロッパーや、あるいは全社のデベロッパーが、サーバーレスの開発を安全かつスタンダードなやり方で実践できるためのツールだ”、とCollinsは説明する。

Collinsによると、フレームワークと通信ゲートウェイは今後もつねにオープンソースだ。同社が企業に課金するのは、サーバーレスのコードのインサイトを得るためのダッシュボードと、ゲートウェイのホステッドバージョンへのアクセスだ。しかしゲートウェイは、オープンソースバージョンを使って企業が自力でホストしてもよい。

サーバーレスによって、デベロッパーは必要なインフラストラクチャを気にせずに、自分たちのアプリケーションを動かすことができる。彼らが書くのはインフラストラクチャにアクセスするコードではなく、イベントをトリガするファンクションであり、そのイベントを動かすために必要なコンピュートとメモリーとストレージは、クラウドのベンダーが面倒を見る。

デベロッパーは、適切なインフラストラクチャのデプロイについて悩む必要がなくなり、ただ、ファンクションがイベントをトリガするときに使うインフラストラクチャに関してのみ、課金される。それは従来の、アプリケーションのためにサーバーをまるまるデプロイし、それらが使われても使われなくても24/7支払うやり方に比べると、きわめて対照的だ。

このやり方は確かに、アプリケーションの開発とデプロイに伴う複雑性をかなり取り去ってくれるが、しかし企業などの一連のポリシーに従ってコードを正しくデプロイし管理していく責任はデベロッパーの肩に100%残る。Serverless, Inc.が提供するようなツールは、そんな新しいやり方には(そのままでは、それだけでは)欠けているかもしれないコントロールやインサイトを、デベロッパーに与える。

2015年にローンチした同社は、現在社員が22名いるが、彼らは分散オフィスの形をとっている。メインのオフィスは、サンフランシスコにある。顧客の中には、EA SportsやNordstrom, Reuters, Coca-Colaなどがいる。今回得られた資金は、主に、同社プラットホームの拡大に充てられる。

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JenkinsによるCI/CDの自動化サービスを提供するCloudBeesが$62Mを調達、ますます買収志向に

最近Codeshipを買収したCloudBeesは、主にJenkinsを使用するDevOpsプラットホームだ。同社はこのほど、6200万ドルの新たな資金を調達したことを発表した。そのラウンドは3700万ドルがDelta-v Capitalがリードする通常のエクィティラウンドで、2500万ドルがGolub Capitalのレイトステージレンディング(Late Stage Lending)による成長融資だ。既存の投資家Matrix Partners, Lightspeed Ventures, Unusual Ventures, Verizon Venturesもラウンドに参加した。

このラウンドで、2010年に創業されたCloudBeesの調達総額は1億ドルあまりになる。DevOps分野は急成長している競争も激しいビジネスだから、小さなプレーヤーを買い集めて拡大を早くし、大手と有利に競争できるほどのマーケットシェアを獲得するためには、これぐらいの資金が必要なのだ。

CloudBeesのCFO Matt Parsonは、次のように語る: “今日では、ほとんどの企業がソフトウェアを使って、製品と事業の継続的な改良に努めている。継続的経済のそのようなグローバル化により、DevOpsの市場も爆発的に拡大している。弊社も最近の数年間で、自分たちのビジネスの大きな成長を見てきたが、しかし今では、ソフトウェアの継続的デリバリがすべての企業にとって喫緊の戦略的課題になり、それに伴って弊社の目の前にもさらに大きな機会が出現している”。

CloudBeesの現在の顧客には、Fortune100社が46社、Fortune10社が3社いる。

オープンソースのJenkinsを動かすオートメーションサーバーが、CloudBeesのプロダクトの中核だ。Jenkinsの教育訓練や資格試験/証明も、提供している。オープンソースのツールを使って有料の商用サービスを提供する企業の例に漏れず、CloudBeesも主力ツールであるJenkinsをエンタープライズ向けにいろいろ拡張して、多種類のサービスを構築している。また、最近Codeshipを買収したことによって、Jenkinsにあまり縛られない継続的インテグレーションとデリバリのプラットホームをサービスとしてホストできている。

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2017年誕生のKubernetesに特化したCI/CDプラットホームCodefreshが早くもシリーズBで$8Mを調達

Kubernetesのコンテナエコシステムのための継続的インテグレーションとデリバリーのプラットホームCodefreshが今日(米国時間6/27)、MicrosoftのベンチャーファンドM12がリードするシリーズBのラウンドで800万ドルを調達したことを発表した。Viola Ventures, Hillsven, そしてCEIFがこのラウンドに参加し、これで同社の調達総額は1510万ドルになった。

このところ、CI/CDプラットホームは毎日どこかで生まれているようだが、CodefreshはKubernetesへの特化で自己を差別化している。Kubernetesは今や必須かつデファクトスタンダードのコンテナオーケストレーションサービスで、その採用は急速に増えている。Codefreshがやることは、Kubernetesへのアプリケーションのデプロイを助けることによって、“開発時間を最大で24倍はやくする”ことだ。それはあまりにも楽観的な数字だが、Kubernetesを使うアプリケーションの開発にCI/CDが加われば、開発とデプロイの工程がスピードアップすることは確かだろう。

Codefreshの協同ファウンダーでCEOのRaziel Tabibは語る: “Kubernetesの採用が急激に増えているから、ツールチェーンがそれに対応していない。M12は、そのことをよく知っている。今回得られた資金により、弊社のロードマップを加速し、顧客ベースを拡大したい”。

Codefreshのプラットホームがデビューしたのは2017年で、同社によると現在のユーザーは約2万社だ。その中には、Giphyなどもいる。

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Atomsは、究極のフィット感を提供するミニマリズムのスニーカー

Atomsは1/4刻みのサイズを揃えたスニーカーだ。私はこの2ヶ月間毎日Atomsを履いている。これはセミフォーマルな場面でも使える初めてのスニーカーでありながら、何時間歩いても快適で、ハイキングにも行ける。

Atomsが届ける最新のフットウェア体験のしくみはこうだ。

  • サイズを1/4単位でたとえば10.25を選ぶ。するとAtomsは10s、10.25s、10.5sの3足と靴下を送ってくる。
  • 試しに履いてみて、気に入ったペアを選ぶ。左右別々のサイズでもいい。残りは送り返す。
  • ロゴはついていない。Atomのカラーはジェットブラック、ピュアホワイト、または上が黒下が白の3種類で、あなたの足に広告を載せない。
  • 編み込まれた銅の糸が細菌を防ぎ防臭する。
  • 伸縮性の靴紐と楕円形の紐通し穴のおかげで、Atomは紐をほどかずに履くことができ、めったに紐を占める必要がない。
  • 古いAtomsを分析と寄付のために送り返すと、次の一足がディスカウントされる。

Image via Jeff Macke

179ドルのAtomは、100ドルのNikeや79ドルのAllbirdより高価だ。しかしバスケットボールシューズの巨人は1/2サイズ刻み、Allbirdは整数サイズしかないのでぴったりと足に合う人は稀だ。左右それぞれの足によく合った1/4サイズの靴は、体と一体化しているように感じられる。

「より良い靴を作るためには、なぜ人は靴を履くのかを知る必要がある」とAtomsの共同ファウンダー、Waqas Aliが私に言った。「人は決して履くことのないファンシーなドレスシューズを買い、子供っぽいデザインとブランディングに失望する。私たちはAtomsを日々の生活で使うことを念頭に開発してきた。歩く、立つ、通勤する。消費者は人間であり広告塔ではない。だからロゴはつけない。

それでもAtomsはベータテスト中からバイラルに広まった。一番に欲しい人たち4000人が 予約待ちの行列に並んだ。米国でのAtomsの発売は今年の夏だが、第一群の予約客たちは6月末から7月はじめに靴を手に入れる。

ビッグバン

Waqas AliとSidra Aliの夫婦ペアは、2012年にパキスタンのオカラでMarkhorという最初の靴の会社をスタートさせた。彼らは起業家にとって最大の特性ともいえる「好奇心」を武器に市場に挑戦した。先入観を捨て、世界中を回って人がどのように靴を履いているのかを調べた。「みんな『イタリアではみんな革靴を履いている』と思うかもしれないが、若者たちは皆スニーカーを履いていた」とWaqasは言う。

Kickstarterでプロジェクトを立ち上げたあと、Ali夫妻はシリコンバレーに来て、定評あるスタートアップアクセラレーター、Y Combinatorの2015年夏学期に参加した。

履き心地とスタイルがスニーカー購入の大きな決定要素だったので、ふたりはそこで差別化を図った。調査の結果70%以上の人たちが、左右の足で少なくとも1/4サイズ以上、7%以上が1/2サイズ違うことがわかった。だったらなぜ靴メーカーは1/4サイズを作らないのか?山ほどの種類の靴を作っているのに」とWaqasは言う。。

2つの基本方針が急遽一致した。男女兼用のモデルを1種類だけ限られたカラーでデザインすることで余分な布地や型紙を排除し、1/4刻みのサイズを作ることができる。事実、顧客の35%は左右で別のサイズを選んだ。こうしたブレークスルーによって、56万ドルのシード資金を元LinkedInのグロース責任者Aatif AwanとShrug Capitalから調達した。

しかしAtomsはシリコンバレーのシューズというラベル付を避けようと決意をした。プログラマーたちではなく、画家やグラフィックデザイナーのようなクリエイティブタイプの人たちにアーリーアダプターになって欲しいと考えている。目標は、コック長が一晩中履いても痛くならず、それでいてシックなダイニングルームに自信を持って立ち入れるエレガントなスニーカーを作ることだ。

フットウェアの未来

「市場にある履き心地の良い靴のほとんどが、心地よいのは試着したときだけだ」とWaqasは嘆く。別の靴スタートアップであるAllbirdsを見てみよう。超ソフトなウール製で、最初の何歩かはまるで雲のスリッパを履いているように感じる。しかし10ブロックも歩くと、曲がりやすい靴底はあまり足を保護していてないことがわかる。

そこでAtomsは靴ビジネス18年のベテランでポートランドと韓国でAdidasとPumaに勤めていたSangmin Leeを雇った。彼は大量の試作品を作り、その結果生まれたのが堅牢だが軽く、滑り止めと軽量化のための切れ込みの入った靴底だった。一方靴上部に使われている丈夫なメッシュ素材は通気性を保ちつつ形状を維持し、汚れにくい。

Image via Adam Bain

「靴メーカーは持続可能な材料を使っていると言うが、工場に履いていくとバラバラになってしまう」とSidraが私に言った。われわれの靴が環境の優しいのは、長持ちするからだ」とWawasが笑いながら言った。

現在Atomsは、購入者を永久利用者に変えるためのコマース・イノベーションを起こそうとしている。インソールに特殊なパターンを印刷し、体重のかかる位置のパターンが消えるようにする。利用者がディスカウントを受けるために古い靴を送ってきたら、インソールのパターンを分析して将来のモデルの形状を改善するのに役立てようという考えだ。

大手靴メーカーがミニマリストの1/4サイズスニーカーに進出してきたときのために、顧客ロイヤリティーが必要だ。1スタイルでカラーも限られていることから、テイストに合わないという人も多いだろう。ジムに行くのにもスーツにも似合わないかもしれない。しかし、しかし、控えめで丈夫で余計なことを考える必要のない靴がほしい人にはAtomsは最適だ。

膨大な広告とリアル店舗の流通力によって大ブランドが支配する市場で、スタートアップが手がかりをつかむためには、迅速さと完璧な顧客体験に頼るほかはない。ライバルの靴スタートアップに感謝すべきなのは、「世界はNikeとAdidasだけが支配しているのではないことをAllbirdsが示した」ことだろう。。

幸いAtomsには、交換可能なスニーカーの世界で強力な差別化要因を持っていることだ。「1/4刻みのサイズなんてジョークかギミックだと思っていた。10.25sを試すまでは」とAirbnbのデザイナー、Bryce Danielがツイートした。「10.25がこんなにぴったりなのに10.5には戻れない」。個人的には、過去十年間に私の生活にここまで深く浸透したIT製品やスタートアップ製品は、AppleのAirPods以来だ。

「靴をハックする方法はない」とWaqasは結んだ。「良い靴を作るしかない」。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Google Mapsを超える高性能低料金の地図APIを提供するMapfitが$5.5Mを調達

あなたがデベロッパーで、アプリケーションに方向や位置に関する機能を加えたくて、Google Maps Platformを使うことにすると、コストが急激に高くなる。今日(米国時間6/12)550万ドルの資金調達を発表したMapfitは、デベロッパーの利用料金でGoogleに挑戦することを、約束している。同社が提供するジオコーディングサービスと、ベクターグラフィクスによる地図は、Google Mapsと変わらぬ正確さを誇り、ときにはGoogleより優れている。〔OpenStreetMapなどもベクターベースの地図を提供。〕

中でもとくにMapfitは、95%のアドレスに関しては、建物の正しい入口が分かり、ドアツードアのナビゲーションもできる。またMapfitによると、同社のベクターベースの地図は、ほかのサービスに比べてマップタイルが95%小さい。同社のサービスはそんな従来的なタイルも提供し、また3Dのビルディング(下図)や公共交通機関の情報もサポートする。

同社は2015年に創業され、データソースは商業的なものやオープンなものを含め、さまざまなものを利用している。同社はそれらのデータを独自に処理し、検証し、独自のアルゴリズムでアドレスと整列し、また歩行者入口、車両入口などの情報も加える。

Mapfitの利用は、その試用など、非商用プロジェクトなら無料だ。有料プランの料金は月額49ドルの“成長プラン”が、25万ビュー、15万のジオコードリクエスト、そして15万の方向リクエストをサポートする。モバイルのSDKやWebのユーザーの数に制限はない。これらを超えたリクエストは1000リクエストごとに50セント、月額1499ドルのエンタープライズプランでは、ビュー数が500万だ。〔料金表ページ

今度の資金は、起業家と投資家たちから成るグループが出資者だ。そのメンバーは、Cavalry Ventures, Weihua Yan(Diapers.com, Quidsi), Roderick Thompson(ePlanet Capital, Baidu, Skype), Auren Hoffman(SafeGraph, LiveRamp), Daniel Waterhouse(Balderton), Jeroen Seghers(Sourcepoint), Matias de Tezanos(Hoteles.com, PeopleFund), そしてJoost de Valk(Yoast)である。

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ディープラーニング専用チップのHailoが$12.5Mを調達、従来型CPUの数倍の性能を達成

これまであまりにも長く、チップは退屈な話題だった。でもでディープラーニングというコンピューティングの革命のおかげで新しい市場が開け、スタートアップがディープラーニングとモデルの計算を加速する専用チップを作って、売ることができるようになった。イスラエルのHailoもそんなスタートアップのひとつで、同社は組み込みデバイス用のディープラーニングチップを作っている。同社は今日(米国時間6/5)、シリーズAで1200万ドルの資金を調達した。

投資家はイスラエルのクラウドファンディングプラットホームOurCrowdのほか, Maniv Mobility, Next Gear, それに複数のエンジェル投資家で、その中にはHailoの会長Zohar Zisapel, Delek MotorsのGil Agmonらがいる。

これでHailoの調達総額は1600万ドルになるが、資金はもっぱら今後のディープラーニングプロセッサーの開発に充てられる。同社の予測では、最初の製品のサンプルを市場に出せるのが2019年の前半だ。それらのチップは主に、ドローンや自動車、各種スマートホーム製品、カメラなど多様なデバイスの、組み込みAIアプリケーションを駆動する。

しかしHailoの主力市場は自動車産業だ。その意味では同社は、最近Intelが買収した同じくイスラエルのMobileyeの後を追う形だ。

HailoのCEO Orr Danonはこう述べる: “これまでのプロセッサーのアーキテクチャは70歳の老人で、今日のディープラーニングやAIの処理ニーズに適していない。Hailoはプロセッサーの革命的なアーキテクチャにより、ディープラーニングの処理を数倍速くする。われわれはコンピューターのアーキテクチャの基本要素であるメモリーとコントロールとコンピュートと、それらの間の関係を、完全に新しい設計にした”。

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拡張現実用ディスプレイのメーカーDigiLensが自動車部品大手から$25Mを調達、そのココロは?

拡張現実(augmented reality, AR)はまだ、モバイルのプラットホームが初期的段階にあり、決定的なユースケースを欠いているが、それでも大企業やハードウェアメーカー企業は、消費者用ARヘッドセットというものを市場に定着させるために、さまざまな技術開発に明け暮れている。

そんなスタートアップのひとつが、拡張現実用のディスプレイを作っているDigiLensだ。同社は今日(米国時間5/17)、シリーズCで2500万ドルの資金を調達したことを発表した。その投資家は、自動車部品メーカーの大手、ドイツのContinentalだ。

DigiLensは、導光板ディスプレイ(waveguide displays)というものを作っている。それは前からある技術だが、ARのヘッドセット用には最適、とされている。

VR(virtual reality, 仮想現実)のヘッドセットなら、前からある液晶やOLEDのディスプレイにカメラからパススルーされるフィードを入れて“混成現実”をシミュレートできるが、しかしスマートグラス的(メガネタイプ)なARヘッドセットを醜悪でないデザインで作りたいハードウェアメーカーは、導光板技術に頼らざるをえなかった。それはふつうのバックライト液晶のように裏面に光源を置くのではなく、液晶版の側面から光を入れる〔参考記事〕。ここではその技術的な詳細は省略するが、側面から光を得るとパネルそのものは透明にできることを、お分かりいただけるだろう。つまり、画面に表示される「現実」の向こうに、本物の実在する「現実」を見ることができるのだ。まさに、ARにぴったし!

そしてDigiLensの技術が独特なのは、導光板の反射成分をガラス板に直接、印刷することだ。これにより、競合製品よりもコストを低くできる。

サニーベールのDigiLensは、第一世代のARヘッドセットにぴったりの小さな導光板ディスプレイで大きく報道されたが、ほかのディスプレイメーカーと同様に同社も、車やオートバイのヘルメットの、ヘッドアップディスプレイにもっと至近の機会があることを理解している。Continentalから得た大金により、同社の株式の18%を自動車部品メーカーが持つことになっているのだ。

DigiLensのこれまでの資金調達総額は6000万ドルで、CrunchbaseによるとSonyやFoxconnも投資している。

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AIを利用して神経障害を治療するBrainQが$5.3Mを調達、世界最大の脳波データベースを持つ

イスラエルのBrainQは、脳卒中の後遺症や脊髄の損傷などで障害を抱える人びとを、個人化された電磁療法で治療している。同社はこのほど、これまでの350万ドルに加えて新たに530万ドルを調達したことを、発表した。その投資家たちは、Qure Ventures、クラウドファンディングのOurCrowd.com、Norma Investments、IT-Farm、そしてValtech CardioのファウンダーでCEOのAmir Grossなど数名のエンジェル投資家たちだ。

本誌TechCrunchが今年の初めにBrainQを取材したときには、彼らはイスラエルの脳卒中患者を対象とする2件の臨床試験を行っていた。当時の同社は最初の資金調達ラウンドを完了したばかりで、GoogleのLaunchpad Acceleratorとの協働も開始していた。

BrainQは、患者の脳波を利用して、その人に合った治療計画を作る。AIは、どんなに優れたアルゴリズムでも、データがなければ何の役にも立たない。BrainQによると同社には、運動能力に関する世界最大の、Brain Computer InterfaceベースのEEGデータベース(脳波図/脳電図データベース)があり、それを利用して患者の脳波を解釈し、治療計画を作りだす。

BrainQの脳波読み取りデバイス

“今われわれは、新しい時代の入口に立っている。これからはAIをベースとする精密医療が神経障害の治療に使われていく。ただしまだ現状では、十分なソリューションが存在しない”、とBrainQのCEO Yotam Drechslerが今日の発表声明で述べている。“BrainQでは、神経障害の治療のためにこのビジョンが現実化していく機会に、喜びを感じている。短期的には、われわれはすでに相当量の成果を達成し、われわれの技術をさらに前進させ利用を拡大して行ける機会を目前にしている。それによりBrainQは、BCI(brain-computer interface)ベースの精密医療における世界的リーダーになるだろう”。

イスラエルのスタートアップによくあるように、同社のチームにも国の諜報部門の優秀な出身者が含まれ、またAIや神経科学の学者や研究者たちが顔を揃えている。

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