たとえば、仮定の話、あなたがモバイルオペレーティングシステムを作っていて、主要アップデートにはアルファベット順に甘いものの名前をつけようと、気まぐれに思ったとしよう。なんと楽しいアイデアだろうか。
たしかに、中にはほかの文字より難しいのもある。”K”と”O”はあきらかに難しいが、それでも、ちょっと頭をつかった共同ブランディングで解決できないことではない。あのKit-KatやOreoが大好きでない人などいるだろうか。しかし、ほかの文字は簡単だ。実際、候補が多すぎて悩ましい文字もある。”P”はその一例だ。この子音には夥しい数の選択肢がある。
そして、当然のように、Googleは可能な限り面白くない名前を選んだ。
その名も Pie。すばらしきAndroid Pieだ。モバイルOSというよりは、フィリップ・K・ディックの没になった原稿のようだ。もしこれがAndroid 3.14だったなら、まあいいかもしれないが、Pieはひどすぎて見過ごせない。ライセンス契約が最後までもつれて、できの悪いケーキに落ち着くほかなかったのかもしれない。
もちろん提案するには遅すぎるし、そもそもGoogleはわれわれに耳を傾けることもなかったが、遅ればせながら生焼けのパイに代わる候補をいくつか出してみよう。
Popsicle:どうやらこれが最有力だったらしい。事実、Googleは壁紙をチラ見せしたという。Popsicleなら、夏のOSリリースに最適なカラフルネームだった。もちろん、問題が2つある。第一に、信じられないかもしれないが、この名前は未だに商標登録されている。第二に、これは北米以外では共通理解とはいいがたい。この棒の刺さった冷たい食べ物はice popsともfreezer popsともice Lollies、ice blocks、icy poles、さらにはice dropsなどとも呼ばれていると、あの常に正しいWikipediaの編集者たちが言っている。
Pez:これももちろん商標なので、マーケティングの困難さを想像してほしい。
Pop Rocks:上に同じ。しかし、来年のイベントでGoogleが配るPop Rocksの袋のことを思うと十分価値がある。
Popcorn:OK、これは面白くないし、よくてボーダーライン上にあるお菓子だが、それでもPieよりは楽しい。
Pecan, Pumpkin Pie:ちょっとした頭韻。
Parfait[パフェ]:夏のさわやかなスイーツ。しかも、誰もがフランスを大好きだ。
Pop-Tart:Kelloggのホイルで包まれた砂糖をまぶした朝食用ペストリー。
Peppermint Patty:Yorkのおいしいチョコレート菓子で、Peanutsの名物助演キャラクター。
Pudding:甘い、ゼラチン状のケーキ。
Poundcake:Pieよりましなケーキ。この意見を撤回するつもりはない。
Pancake:むしろ朝食の料理だが、クレープも入るか?
Phish Food: Ben & Jerryのアイスクリーム。地元出身の即興演奏で知られるロックバンド Phishを気に入っていた。
Pastry:シンプルでエレガント。Pieよりちょっとだけまし。
Peanut Brittle:いいだろう。Pieはこれよりはましかもしれない。このラウンドは君の勝ちだ、Google。
他にもPetit Fourがあったが、この一口サイズのフランス風ケーキは、実際Android 1.1のコードネームに使われていた。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook )