MITがバッテリー無しでデータを送信できる水中センサーを開発

MITは、バッテリー不要でほとんど電力を必要としない水中センサーと通信システムを作った。これは水中「モノのインターネット」の実現に寄与するものであり、海水温度や水中生物のリアルタイムモニタリングが、電池交換の必要なく可能になるとMITは言っている。もしそれが可能になれば、遠い惑星の海中に水中センサーのネットワークを張り巡らすこともできるかもしれない。

MITの研究チームが開発した同システムは、水中に向けて音波を送信する発振器を使用し、それをセンサーシステムに内蔵された受信機が受けとると微小なエネルギーが発生する。センサーはそのエネルギーを使って返信する、あるいは返信しない。それが1または0の信号になり、バイナリー通信ができる。システムが動作するために必要なエネルギーは、発振器から送られる音波に含まれる力だけだ。

このシステムが発見されたきっかけは、少々意外なものだった。MITメディアラボのFadel Adib(ファデル・アディブ)准教授は共同研究者のひとりと一緒に自然ドキュメンタリーシリーズの「Blue Planet」を観ていたとき、地球の海には研究されていない部分が沢山あることを知り、同時に、それを解決するためには海洋汚染の元になるバッテリー電源センサーは使えないと考えた。

要するにこのシステムは、ピエゾ電気共振器という100年以上前からマイクロフォンなどに使われている装置を使って、音波を受けるとそれに反応して変形するか、波形を維持して反射するかを、対応するセンサーの状態に応じて決定する。そうやって返信されたバイナリー信号を収集し解析する。

研究チームの次の目標は、これが長距離でも動作し、他のセンサーと協調して同時に通信可能であると示すことだ。究極的には、音声や低解像度の画像も送信できる可能性があり、そうなれば遠隔監視システムにとって画期的な進歩になる。それは人類が未知の世界の科学研究や調査を行う上で特に重要だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

安価なエッジデバイスにディープラーニング搭載、AIoT時代の開発基盤構築へIdeinが8.2億円を調達

「やりたいのはセンシングをソフトウェアを用いて高度にしていくこと。画像認識や音声認識などの信号処理技術によって、従来の物理的なセンサーでは取れなかった実世界の情報を取得してソフトウェアで分析できるようになった。自動車産業を代表に、製造や物流など様々な分野がソフトウェアでビジネスをしていく形に変わる中で、その基盤となるサービスを提供したい」

そう話すのはIdein(イデイン)で代表取締役を務める中村晃一氏だ。近年サーバーではなく末端のデバイス(エッジデバイス)で画像や音声データを処理する「エッジコンピューティング」が注目を集めているが、Ideinは安価なエッジデバイスにディープラーニングを搭載する技術を持つスタートアップとして知られる。

7月には手軽にエッジコンピューティング型のシステムを構築・運用できる開発者向けプラットフォーム「Actcast」のβ版を公開。今後はActcastのADKを用いて開発したアプリケーションを売買できるマーケットプレイス機能などを備えた正式版のリリースも見据えている。

そのIdeinは8月19日、グローバル・ブレインなど複数の投資家を引受先とした第三者割当増資により総額8.2億円の資金調達を実施したことを明らかにした。調達した資金は同社のメインプロダクトであるActcastの本格的な事業展開に向けた人材採用の強化や業務環境の拡充に用いる計画だ。

Ideinとしては2017年7月に数社から1.8億円を調達した後、2018年2月にアイシン精機と資本業務提携を締結して以来の資金調達。今回同社に出資した投資家陣は以下の通りだ。

  • グローバル・ブレイン6号投資事業有限責任組合及び7号投資事業有限責任組合(グローバル・ブレイン)
  • HAKUHODO DY FUTURE DESIGN FUND投資事業有限責任組合(博報堂DYベンチャーズ)
  • Sony Innovation Fund by IGV(Innovation Growth Ventures)
  • SFV・GB投資事業有限責任組合(ソニーフィナンシャルベンチャーズとグローバル・ブレインが共同設立)
  • DG Lab1号投資事業有限責任組合(DG Daiwa Ventures)

エッジコンピューティングを普及させるために必要なこと

ここ数年エッジコンピューティングがホットな領域となっている背景には、サーバー集約型(オンプレ・クラウド型)AIシステムの課題がある。

「従来のソフトウェアと違いAI技術を使ったサービスの大きな違いは常時動き続けるのが基本。扱うのは画像や音声といったデータのボリュームが大きいもので、膨大な生データを処理するため計算の負荷も高い。結果的に通信コストとサーバーコストが従来のWebサービスとは比べ物にならないくらい、桁違いにかかってしまう」(中村氏)

高コストであることが現在AIの発展を阻害している1つの要因であり、まずはそれを解決したいというのがIdeinの考えだ。末端デバイスで計算を行うエッジコンピューティングの場合、サーバーに送るのは必要なデータのみ。通信回数が桁違いに減るので通信コストを削減でき、計算用のサーバーがいらないためサーバーコストも抑えられる。

加えてサーバーのスペックがボトルネックになることによるスケーラビリティの問題を回避できるほか、プライバシーの観点でも個人情報や機密情報が漏洩するリスクも減らせる。

もちろんエッジコンピューティングを普及させるためにはクリアしなければいけない課題もある。中村氏が主要なものとして挙げるのが「エッジデバイスの価格」「ソフトウェアの入ったデバイスがばら撒かれた際のシステム開発やメンテナンス」「ビジネスモデル」の3点だ。

「サーバーでやっていた計算をデバイスに持っていくので高額になりがち。画像認識機能を持ったカメラが1台数十万円で販売されているのが現状だ。また様々な場所にソフトウェアの入ったデバイスがばら撒かれた時、たとえば数千個のデバイスに1個1個ソフトウェアが入っている場合にどのようにメンテナンスを行うのかはものすごく重要なポイントになる」

「ビジネスモデルもやっかいな問題。デバイスにソフトウェアを乗っけるので、組込みソフトウェアのライセンス販売のようなビジネスになりやすく、クラウドでサブスクリプション型のサービスとはギャップがある」(中村氏)

安価なデバイスへディープラーニング搭載、遠隔運用の仕組みも

この3つの課題をクリアし、幅広い開発者がエッジコンピューティング型のシステムを構築する手助けをするのがActcastだ。

前提としてIdeinは自社のエッジ技術を使った受託開発を主力にしているわけでも、ディープラーニング用のコンパイラを販売しているわけでもない。開発者向けのクラウドサービスを提供するスタートアップであり、サービスのユーザーである開発者に対してエッジ技術を無償で提供している。

同サービスの特徴の1つは安価なエッジデバイスで高度な計算ができること。これは上述した「エッジデバイスが高額になってしまう」問題を解決する技術であり、前回の記事で詳しく紹介した点だ。

IdeinではかねてからRaspberry Pi上でディープラーニングモデルによる高度な計算を実行できる仕組みを研究してきた。エッジAIに取り組むプレイヤーはいくつか存在するが、演算量をできるだけ減らすためにモデル圧縮を採用する企業が多い。一方でIdeinはモデル圧縮ではなく“プロセッサー側をハックする”というアプローチをとった。

「自分たちがやったのはプロセッサー側に乗っているGPUを汎用的な計算に使えるように、アセンブラからコンパイラまでソフトウェアスタックを丸ごと作るということ。プロセッサーの引き出せる性能を上げるとともに、高い効率で使えるコンパイラ技術を研究した」(中村氏)

中村氏によるとモデル圧縮を採用した場合「精度の維持が難しい」ことに加え「開発者が作ることのできるアプリケーションに制約が出てくる」ことがネックになるそう。Ideinは別のアプローチを取ることで安くても精度を落とさず、なおかつ開発者がより自由にアプリケーションを作りやすい仕組みを整えた。

ユーザーはActcastのSDKを利用すると追加のハードウェアを用意せずともRaspberry Piのみでエッジデバイス向けのアプリケーションを開発することが可能。TensorflowやChainerなど既存のフレームワークで開発したモデルをそのままの精度で動かせる。

また中村氏いわくこの技術ばかりがフォーカスされがちなのだそうだけれど、実はより重要なのが「遠隔からソフトウェアを書き換えられること」だという。

「AI技術のようなものは開発者もユーザーも最初から正確なニーズを掴むのは難しく、やりながらアップデートすることが重要。やればやるほどデータも蓄積され精度が上がるので『1回作りきって現場に設置したら終わり』というやり方では上手くいかない。Actcastでは核となるアプリケーションの遠隔インストールや設定変更機能を始め、エッジコンピューティングシステムを構築しようとする際に必要な『ディープラーニング以外の部分』を一通り揃えている」(中村氏)

正式版ではApp Storeのようなマーケットプレイスの仕組みを

上述した特徴に加え、今後予定している正式版には同社のビジネスのキモとなる「マーケットプレイス」など新しい概念も追加される。

これはApp Storeのような感覚で、ActcastのSDKを使って開発したアプリケーションを売り買いできる仕組みだ。各アプリの価格は1デバイス、1日単位で自由に設定可能。エンドユーザーはミニマムで様々なアプリを試すことができ、ベンダーもいいものを作ればサブスク型のスケーラブルなビジネスを確立するチャンスを手に入れられる。

中村氏によるとエンドユーザー側からは特にリテールやセキュリティ業界からの問い合わせが多いそう。Actcastを上手く使えば従来は受託開発会社などと時間とコストをかけてPoCから取り組んでいたようなプロジェクトも、より安価に最小単位から現場でテストできる。これまでコストなどが理由でAI活用に踏み切れなかった企業や個人にとっても新しい選択肢になるだろう。

このマーケットプレイスはIdeinにとっての収益源でもあり、同社はApp Storeと同様にベンダーから手数料を得る計画。開発用ツールの提供などは無償で行うことで、より多くのベンダーが参加しやすい環境を作っていきたいという。

IdeinではActcastのパートナープログラムも展開中で(現在は24社が参加)、多くのパートナーとの協業を通じて魅力的なプラットフォームサービスの構築を目指すとのことだ。

RFルーカス独自開発のRFIDロケーション技術、アパレルや自動車・航空機メーカーで威力を発揮

RFルーカスは、RFID(Radio Frequency IDentification)タグを活用した独自のロケーション技術を開発し、その成果物としてのハードウェアやソリューションを販売している、2015年8月設立のスタートアップだ。

RFIDタグとは、ID情報を埋め込んだICタグ(RFタグ)と電磁波を用いた近距離の無線通信を組み合わせることで、非接触で情報をやり取りする技術。特に、同じ商品であってもサイズ違い・色違いなど単品で管理しなければならない商品が非常に多い、アパレル業界などで普及している。

RFIDタグは、電磁波が照射されるとそれをエネルギー源として動作し、それぞれのタグが個体識別可能な電波を返すため、多くの製品をまとめて管理する方法として利便性が高い。ちなみに、照射するのは920MHz帯の波長で、その波をRFIDタグに数秒間に数百回当てている。

商品管理の方法としてはバーコードもあるが、スタッフが1商品ずつスキャンする必要があり多種多様な商品を扱うアパレル業界には不向きだ。ちなみにRFIDタグには、アパレル業界で使われるUHF帯タイプのほか、Suicaなどの非接触ICカード向けのHF帯タイプがある。HF帯タイプは1個百数十円のコストがかかるが、大手アパレル企業ならUHF帯タイプを1個数円で製造できる。包装紙やダンボールなどに印刷できるバーコードに比べるとコストはかかるものの、1個数円であれば使い捨てできるので使い勝手もいい。

しかし、従来のRFIDタグでの個体管理は「その商品はこのあたりにある」という情報しか得られず、「正面の棚の上から2段目の右端あたり」といった正確な場所を把握するのは難しかった。また、店舗では納品(入庫)時にRFIDタグを一斉にスキャンしたあと、顧客がそれを手に取ってレジで決済(出庫)することで在庫管理が完結する。

前述のように、アパレル製品はサイズ違い、色違いが多いため、すべての商品を店頭に並べることは難しく、大半の商品はバックヤードに収納されている。そのため、入庫時と出庫時だけで在庫管理をしていると、店頭とバックヤードにそれぞれどれだけの商品があるのかを把握しづらい。同じ商品を店頭の複数の場所に配置している大型店舗などでは、顧客が望む色やサイズの商品を探すのはひと苦労だ。RFルーカスはこのようなRFIDタグを利用した在庫管理の問題を、独自のロケーション技術で解決する。

同社が開発したロケーション技術を組み込んだソフトウェア開発キット「P3 Finder SDK」を利用することで、RFIDタグがスキャン時に発する電波の方向や強弱を専用のリーダーが解析して、RFIDタグの場所と特定する。

ここで利用する専用のリーダーは、スマートフォンを搭載するタイプで、現在のところAsReader GUN TypeとBluebird RFR900の2機種を利用可能だ。前者はiOSデバイス、後者はAndroidデバイスを装着して利用する。なお、AsReader GUN Typeは「AsTagFinder」アプリをiOSデバイスにインストールするこでRFIDタグの位置特定が可能になる。

店舗内の在庫管理については「P3 Mapper/AI」の出番。バックヤードと店頭を繋ぐ通路にRFIDタグをスキャンできる特殊なマットを敷くことで、入庫した商品がバックヤードにあるのか店頭に運び出されたのかをチェックできるソリューションだ。

単純に通過するだけなら入庫なのか、出庫なのかを判別することは難しいが、同社のロケーション技術とAIによるデータ解析によって、RFIDが発する電波の方向や強弱で、バックヤードへの入庫なのか、バックヤードからの出庫なのかを判断する。同社によるとすでに約100台が導入済みとのこと。
RFルーカスは6月に、STRIVE、りそなキャピタル、テクノスジャパン、AGキャピタル、みずほキャピタルを引受先とした第三者割当増資により2億円の資金調達を発表。現在はアパレル業界だけでなく、自動車メーカーでのPCなどの備品管理、航空機メーカーでの工具管理、さらにはデータセンターのサーバー管理にも同社のソリューションが導入されている。

そのほか、現在はバーコードで管理されている場合が多い宅配業者が取り扱う荷物についても、RDIFタグによる管理に置き換えることを目指す。すでに物流倉庫での同社のソリューションと自走ロボットやドローンを組み合わた在庫管理の検証が進められている。今後は、医療や建設などの業界への進出も考えているとのこと。

経済産業省は2017年4月に、人手不足と労務コストの上昇、食品ロスや返品などの問題を解消することを目指して「コンビニ電子タグ1000億枚宣言」を策定。2025年までにセブンイレブン、ファミリーマート、 ローソン、ミニストップ、ニューデイズのすべて取扱商品(推計1000億個/年)に電子タグを貼り付け、商品の個品管理を実現するとで合意している。今後、RDIFなどの電子タグの需要はさらに高まることが予想される。

同社は2019年をRFIDタグ元年と定め、これまでは通信機能の搭載が難しかったモノにまでRFIDタグを取り付けてIoT化し、作業効率の向上を目指す。

ネコ用IoTトイレ「toletta」に新モデル、尿の量や回数、AI健康状態判定が可能に

ハチたまは、ネコ用IoTトイレの新モデル「toletta2」の先行販売を開始(注:Amazonへのリンク)した。旧モデルに比べて6つの新機能が加わっている。現在、最大9000円オフとなる2万8800円の先行販売を実施中で、製品は12月より順次発送となる。同社は2015年3月設立のスタートアップ。

旧モデルのtolettaは、昨年の「世界ねこの日」にあたる2018年8月8日に発表。当初は同年11月下旬の発送を予定していたが、体重と尿量の正しい測定に重大な影響を及ぼす構造的な欠陥が判明したことで出荷を中止。12月以降は週1回のペースで開発状況を知らせつつ改良を進めていたものの、予想よりも開発に時間がかかることから、AI顔判定、体重測定、トイレの回数・滞在時間・結果時間に機能を絞り込んで状態で2019年2月下旬に出荷を再開した。

なお、旧モデルのtolettaを利用しているユーザーは新モデルのtoletta2への無償アップグレードが可能で、10月下旬ごろから発送が開始される予定。具体的には、センサープレートと尿トレイが新パーツと交換となる。旧センサープレートは同社への返却が必要だ。旧尿トレイの返却は必要ないが、新モデルではサイズが異なる尿シートを利用できるよう改良されている。
toletta2では、tolettaに実装できなかった、尿量・尿回数の測定機能を搭載したほか、専用スマートフォンアプリとの連動により、動画撮影、AI状態判定、獣医師相談、カレンダー・メモ、フードレコメンドなども機能も加わっている。動画撮影機能が加わったことで、旧モデルでは静止画だったネコのトイレの状態を、動画で確認可能になる。

さらに従来機能の体重測定と新機能の尿量の計測機能を組み合わせることで、AI解析よってねこの健康状態を把握できる。各データはグラフ表示されるので、日々の健康状態チェックにも役立つ。

同社は、toletta2によるネコの体調管理のほか、フードのレコメンドやペット保険、獣医師への相談など、ネコを中心したエコシステム(NECOシステム)の構築を目指す。

自動給餌器やペット用監視カメラ、スマートリモコンによるエアコン調整などを駆使すれば、猛暑が続く今年の夏も留守を預かるネコに快適な環境を構築することは可能だ。しかし、警戒心が強いネコの場合、監視カメラに映る頻度は少なく、留守中に実際の健康状態を把握するのはなかなか難しい。toletta2によって、飼い主の悩みのタネである留守中のネコの行動が少しでも明らかになれば、高齢ネコの体調不良などにも早めに対応できるようになるだろう。

【編集部注】筆者は自宅でアメリカンショートヘアをオス5歳を飼っており、tolettaの所有者でもある。

海上で魚の食欲を即時判定して給餌を完全自動化、ウミトロンが魚群食欲解析システムを開発

UMITRON(ウミトロン)は8月14日、海上自律型の魚群食欲解析システム「UMITRON FAI(Fish Appetite Index)」を開発したことを発表。これは機械学習によって魚の餌食いをリアルタイムで自動評価するアルゴリズムで、愛媛県愛南町に導入済みの同社開発のスマート給餌機「UMITRON CELL」と連携することで、養殖事業の効率化を図ることが可能になる。

具体的には、魚の遊泳データを自動蓄積→リアルタイムで摂餌状況をスコア化→スコアに応じた給餌制御を実現する。同社によると、水産養殖では生産コストの大半を給餌が占め、これまでは洋上に浮かべた生け簀に生産者が毎日にように船で近づき、魚の様子を見ながら給餌する必要があった。魚の生育管理には知識や経験値が必要なため、少人数で養殖事業を展開している場合は、生産者の負担が大きかったという。UMITRON FAIとUMITRON CELLを利用することで、リアルタイムかつ自動で適切な無人給餌が可能になるとのこと。

UMITRON CELLでは、魚が給餌している様子を撮影し、その動画から魚の状態を自動的にスコア化する。これを現場担当者が後からスコアの良し悪しを基に給餌量を調整。そのほか、生育期間中の魚の摂餌状況の時系列データや、複数の生け簀同士での餌食い状況も比較できる。

UMITRON FAIのデータを基に考案した給餌改善計画は、スマートフォンを使ってUMITRON CELLの給餌スケジュールに反映できる。同社による、UMITRON CELLのみでは給餌調整のために洋上作業が時間が必要だったが、UMITRON FAIによりこの時間が不要になるほか、短期間で給餌変更のトライアンドエラーも可能になるとしている。

これらのシステムを活用して同社は、水産現場における社内での知見の資産化、洋上作業を減らすことによる労働環境の改善、無駄餌の早期発見を通した海の保全、魚の早期成長や給餌コストの最適化による経営改善をサポートしていくとのこと。同社ではすでに、UMITRON CELLを利用する既存ユーザー向けにベータ版の配布を開始。また、給餌船などの養殖向け大型設備にUMITRON FAIをはじめとした同社のソフトウェアを連携するパートナーの募集も開始している。

スマートリモコンのNature RemoがDeNAなどから5億円調達、エネルギー事業への本格的参入目指す

Natureは8月1日、総額5億円の資金調達を発表した。環境エネルギー投資とディー・エヌ・エー(DeNA)を引受先とする第三者割当増資となる。なお、DeNAから出資については、DeNA創業者の南場智子氏が代表を務めるDelight Venturesに移管される予定。

関連記事:DeNA100億円規模のファンド組成、南場智子氏がマネージングパートナーに

Natureが開発するスマートリモコン「Nature Remo」は、テレビやエアコン、照明などの家電とは赤外線、スマートフォンやタブレット端末とはWi-Fiを経由してつながっており、外出先などからスマートフォンを操作して家電を遠隔操作できるのが特徴だ。近年では、音声アシスタントのGoogle HomeやAmazon Alexaに対応し、各種スマートスピーカーを組み合わせることで音声での家電操作も可能になっている。同社によると発売2年弱で、Nature Remoの累積販売台数は10万台を突破したという。最近では家電量販店でスマートスピーカーとのセット販売も始まっている。

Natureでは今回の資金調達をチーム強化に当てるとのこと。スタッフの数を倍に拡大し、開発・販売・サポート体制を強化する。現在約10名のフルタイムスタッフ(パートタイムやインターンを入れると15名)を倍の20名程度にまで増やすことを目指しており、具体的な職種としては、エンジニア、マーケター、事業開発、カスタマサポートなどの人材を増強する予定だ。

そして同社は、年内発売予定の新デバイス「Nature Remo E」によってエネルギー事業への本格的参入も予定している。Nature Remo Eは、家庭の太陽光発電や蓄電、スマートメーター、ECHONET Lite(家電向けの汎用通信プロトコル)対応機器の情報を集約するハブ機能を備えるデバイス。専用のスマートフォンアプリで、買電・売電など電力状況の確認や過去の消費電力量の表示、接続機器の制御などが可能だ。

同社CEOの塩出晴海氏は「Nature Remo Eは、Natureが実現したい再生可能エネルギーの電気をP2Pで売買できるプラットフォーム構築のための試金石になります。電気のP2Pのプラットフォーム構築においては、各家庭での電力買電・売電のリアルタイムのデータ、需要と供給をマッチさせるための調整力が必要で、Nature Remo Eはそれらを実現できるキーデバイスなります」と語る。

また同社は今回の調達のタイミングで本社機能を日本に移管し、日本発での海外市場進出を目指して再出発する。この点について塩出氏は、「Natureのユーザーのほとんどは日本在住です。また、電気のP2Pの事業を進めるうえで、日本は極めて有利な環境が整っていることも理由です。1つは、スマートメーターのデータが解放されていること。もう1つは、国内メーカーの太陽光システムや蓄電池システムなどでオープンプロトコルが採用されていること」とのこと。「これらの理由により、今後大きく成長が見込まれるエネルギーの事業を既存顧客の多い日本で育てて、海外に展開して行くことがNatureのグローバル展開において最適だと判断したためです」と続ける。

太陽光発電を導入する家庭などでは、備え付けのパネルやタブレット端末で発電量や売電量を確認することは可能だが、スマートメーターや対応する家電からの情報を集約してスマートフォンで参照できる個人向けデバイスは少ない。ECHONET Litetg対応家電はまだまだ少ないが、一部メーカーの洗濯機や電子レンジ、電磁調理器などが対応している。これらの機器が一般化すれば、家庭の電力量を細かく把握したいというニーズも生まれるだろう。

なお同社は同日、Nature RemoがiOSのSiri ショートカットに対応したことも発表した。iPhoneやiPad、HomePodと連携して、Siriショート カット経由で家電を音声で動かすことが可能になる。

不動産テックのイタンジが創業100年超の大崎電気工業とNFC内蔵スマートロックでタッグ

イタンジは7月29日、大崎電気工業との業務提携を発表した。大崎電気工業が開発したスマートロック「OPELO」(オペロ)を活用した不動産賃貸サービスの業務改善を目指す。

写真に向かって左から、イタンジで代表取締役を務める野口 真平氏、大崎電気工業で取締役/新事業推進室長を務める小野信之氏

イタンジは、法人向けの自動追客システム・顧客管理(CRM)サービスの「ノマドクラウド」や法人向け不動産リーシング業務をクラウド化する「Cloud ChintAI」、Cloud ChintAIのオプションサービスである、自動物確システム「ぶっか」、内見予約受付・連絡・レポートの自動化システム「内見予約くん」などを開発・提供する2015年6月設立のスタートアップ。

大崎電気工業は、1916(大正5)年8月に創業し、1937(昭和12)年1月に会社を設立した老舗企業。実は、大崎電気工業という名前は知らなくても、首都圏ではほどんどの家庭で同社が製品が使われている。同社は、電力量計、計器用変成器、配電自動化機器、タイムスイッチ、デマンドコントロール装置、エネルギーマネジメントシステム、自動検針システム、スマートホーム関連機器など開発・販売する企業。電力量計というのは各家庭に設置が義務づけられている電気料金を算出するためのあのメーターのことだ。最近では、電力自由化によってスマートメーターと呼ばれる電力計に置き換わったので目にした人も多いことだろう。同社は東京電力の営業エリア内での電力計で圧倒的なシェアがある。

大崎電気工業が開発したスマートロック「OPELO」(オペロ)

そんな大崎電気工業が開発したのが、スマートロックのOPELO。ほかのスマートロックとは異なり、Wi-FiやBluetoothでの接続は不要で本体だけでNFCでの解錠が可能なのが特徴だ。扉の外側に後付けするタイプで、内蔵のテンキーを使ってワンタイムパスワードでの解錠も可能だ。

対応するNFC規格は、国内ではタバコ自販機の年齢確認に使われているTaspoが採用するNFC-A(MIFARE)と、Suicaをはじめとする交通系電子マネーやiD、WAONなどが採用するNFC-F(FeliCa)の2種類。国内では、マイナンバーカードや運転免許証などが採用するNFC-Bには対応していない。大崎電気工業によると、マイナンバーカードや運転免許証を鍵にしてしまうと紛失時に住所がバレてしまうため、セキュリティの観点からあえて除外しているそうだ。もちろん、NFC内蔵のスマートフォンを登録すれば、かざすだけで解錠できる。

一般的なスマートロックとは異なり扉の外側に固定するタイプで、内蔵のテンキーを使ってサーバーから送られたワンタイムパスワードでの解錠も可能だ。サーバには、1日あたり4種類のワンタイムパスワードが1日ごとに2100年まで登録済みで、こちらもWi-FiやBluetoothを介さない。情報セキュリティ管理規格「ISO/IEC27001」を取得しており、解錠履歴は3000件を記録可能なほか、オートロックや不正解錠時の警報ブザーといった機能も搭載する。

スマートロックを設置することにより、物件によっては不動産会社の立ち会いなく、都合のいい時間に物件を内覧可能になる

今回の両社の提携により、不動産内見時の鍵の受け渡しを効率化する。従来は、あらかめ設置されたキーボックスを使う、管理する不動産会社に来店して鍵を直接受け取るという、セキュリティ面の不安や業務面での非効率をスマートロックで解消する。具体的には、物件探しから内見、入居申し込みまでの手続きをすべてオンラインで完結させることが可能になる。

不動産業界のスマートロックの活用は、akerunを展開するフォトシンスやNinjya Lockを展開するライナフなどが数年前から手がけているが、基本的にいずれもBluetoohやWi-Fiでの通信が必要で、NFCでの解錠・施錠はオプション扱いだった。両製品とも粘着テープで貼り付ける必要があったが、OPELOでは既存のサムターン錠を取り外して扉と一体化させる仕様なので、結露や経年劣化で本体が剥がれ落ちることがないのも特徴だ。外側に積層電池(四角い電池)の端子があり、万が一のバッテリー切れでも確実に解錠できるようになっている。

内覧時はワンタイムパスワード、入居後はNFC(Suicaやスマートフォン)で解錠できる

そのほか、OPELOの空室・入居モード切替機能によって、内見用に設置されたスマートロックを入居後も継続して使えるというメリットもある。

ファーウェイの新OSはAndroid置換システムではなく工業用だった

結局、ファーウェイの独自OS「Hongmeng」(鴻蒙)は最初に喧伝されたようなAndroidを置き換えるOSではなかった。確かに最初の話では、ファーウェイはGoogleがなくても生きられる道を探していたと思われるが、でもこの中国のハードウェア大手によると、そのオペレーティングシステムは主に工業用だ。

中国国営の新華社通信社の最新の記事によると、そのOSはトランプがファーウェイを禁ずるずっと前から開発されていた。上級副社長のCatherine Chen(キャサリン・チェン)氏によると、HongmengはAndroidなどに比べると比較的シンプルなオペレーティングシステムだ。このニュースは、ファーウェイはIoTデバイス用のソフトウェアを開発していたという、もうひとつの報道のこだまのようだ。

でもこれらのニュースは、ファーウェイが完全なモバイルオペレーティングシステムを開発していないとは言ってない。また、この新しいOSはほかの目的に転用できるのかもしれない。

最新のニュースを見ると同社の人的資源の分厚さがわかる。確かに、かなり前からこうなる前兆はあった。禁令は唐突に訪れたように見えるが、同社に関する疑念はセキュリティ界隈で何年も前から漂っていた。

トランプ政権によってファーウェイは、Googleなどの米企業との協働を禁じられたが、しかし一時的な規制緩和により、スマートフォンにAndroidを使えることになった。あくまでも一時的に。でも規制が再開されれば、同社の今後の健康も危ういだろう。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

IoTとAIを活用したシェア型コミュニティファームのプランティオが1.5億円の資金調達

アグリテック領域のスタートアップ、プランティオは6月27日、ジェネシア・ベンチャーズ、東急不動産が運営する「SHIBUYA Innovation Program」、キャナルベンチャーズ、JA三井リースから、約1.5億円の資金調達を実施したことを発表した。

プランティオは、センサーや通信モジュールを搭載した野菜栽培用IoTプランターの「PLANTIO HOME」、そしてIoTプランターと専用アプリを活用したシェア型コミュニティファームを開発している。そして本日、プランティオは前述のIoTファームのプロトタイプ、「SUSTINA PARK EBISU PRIME」を恵比寿プライムスクエアタワーに7月28日にオープンするとも併せて発表。同ファームでは、種蒔きから収穫まで、ライトな農業体験を、田舎に行かずとも都会で、日常の範囲内で楽しめる。

プランティオの代表取締役、芹澤孝悦氏

プランティオの代表取締役、芹澤孝悦氏いわく、アーバンファーミング(都市型農園)は海外だとニューヨークやロンドンではスタンダードになってきている。例えばロンドンでは2012年ロンドンオリンピックに合わせ、2012ヵ所に農園を設置している。日本では2018年3月にNPO団体のUrban Farmers Clubが発足し、2020年までに2020ヵ所の市民農園を設置することを目標としている。プランティオはUrban Farmers Clubの一員として、ハイテクを用いて日本のアーバンファーミング文化の普及に貢献する。

SUSTINA PARK EBISU PRIMEでは、試験運用中のアプリをダウンロードすることでファームに入るためのスマートロックのキーを取得。収穫時期は植物栽培特化型AIの「Crowd Farming System」によって予測される。アプリはSNSのようにコミュニティーとして機能し、プランティオはユーザー同士がファームフレンドとなり、イベントなどをファームや近隣の飲食店で開催する。

ファームには土壌センサー、カメラ、外気温計などが実装されており、植物の生育をモニタリングすることで、水やりや間引き、人工授粉が必要なタイミングでユーザーコミュニティーに通知される。

プランティオのファームの利用はサブスク式となり、どこのファームへも行き放題、かつ、アプリでは近くのファームを探すほか、お気に入りのファームや野菜をフォローすることが可能。夕飯の食材に困った際にはすぐに近くのファームを探し、立ち寄り収穫することができる。

プランティオは「屋上にグリーンを増やしヒートアイランド現象対策」「ユーザーが育て、収穫することによる持続可能性のある食と農」「有事の際はファームを開放し、野菜を取り放題にし災害対応」「サブスクリプションに入ってさえいれば最低限野菜はもらえるという貧困対策」といった観点から、2015年9月の国連総会で採択されたSDGsの達成に向けても貢献する。

プランティオは今後、資金調達の引受先各社との事業連携を進めていく。東急不動産とは、同社が運営する施設やビルなどの屋上や遊休施設でのIoTファームの展開やマンションへのIoTプランターの展開、JA三井リースとは、同社のファイナンス機能や食農分野におけるノウハウの提供を通じ、プランティオの事業展開を加速させる。

僕もSUSTINA PARK EBISU PRIMEを訪れ巨大なズッキーニを収穫してきたので、その時の写真をいくつか共有しよう。ハーブやパクチーなども多く育てられていて、何よりも、都心にいることが忘れられる穏やかな空気感が印象的だった。イベントに参加するのはもとろんのこと、息抜きにそこで仕事をするのもアリだな、と思った。

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物の裏側をレーザー光の反射から像として求めるカーネギーメロン大らの研究

未来の自動運転車やそのほかのマシンインテリジェンスシステムは、視線の向かう先には見えないものからでも詳細な画像データを集められるだろう。カーネギーメロン大学(CMU)とトロント大学、およびユニバーシティカレッジロンドンの研究から生まれたテクニックを使うと、ここにいるまま「あの角を曲がった先」を見ることができる。

その方法は、特殊な光源とセンサー、そしてコンピュータービジョンの処理により、ここからは見えない場所の詳細な像を推測したり構築できる。それは、これまで写真や肉眼でしか得られなかった像よりもさらに詳細だ。

ただしこのテクニックには現状でやや制約があり、CMUのロボット研究所のSrinivasa Narasimhan教授によると「比較的狭い範囲内」でないと有効でない。

その制約はこのテクニックを、非視線型(non-line-of-site、NLOS)コンピュータービジョンの分野のテクニックと併用すれば緩和できる。そんなテクニックの一部はすでに商用化されており、たとえばテスラ(Tesla)のAutopilot(オートパイロット)システムは、反射ないし跳ね返ってきたレーダー信号を利用して、テスラ車の前面の、人の視線が届かない部分を見ている。

今回の新しい研究で使われたテクニックは、多くの自動運転車システムが利用しているライダーシステムと似た動作原理だ(ただしテスラはレーザー光線を使う視覚システムを嫌ってることで有名だ)。CMUとそのパートナーの研究機関は超高速のレーザー光線を使い、それの壁からの跳ねっ返りで、角の向こう側に隠れているオブジェクトを照らしている。

センサーが跳ね返ってくる光を捉え、そして反射光が原点に帰還するのに要した時間を計算する。そのほかのさまざまな測度も含め、ターゲットのオブジェクトのジオメトリー(幾何学的形状)の情報も使って、オブジェクトを正確かつ詳細に再構築する。その方法は、紙のような光を遮るものが介在していても有効なので、現実世界の環境センサーとしての有効な利用もありえそうだ。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

広島発スタートアップstakが目指す変則型サブスクIoT製品の未来

既報のとおり、広島を拠点とする2014年設立のスタートアップであるstak(スタック)は、ソフトバンク系のIoT製品の企画・開発・販売を手がける+Styleと、Amazonで、同名のIoTスマート電球とスマートリモコンの発売を開始した。

同様の製品は数多くある中でstakが特徴的なのは、変則的なサブスクリプションモデルを採用している点だ。販売価格は、stak本体とスマート電球、スマートリモコンを合わせて税込で1万27000円。

中国系の安価な製品に比べると酷だが、国内メーカーがきちんとサポートする製品を買いそろえるよりは安価に導入できる。単価では、stak本体が月額480円、照明モジュールが3500円、リモコンモジュールが2500円となる。+StyleやAmazonの販売価格にはstak本体に対する1年間の利用権が付属しており、480円×12カ月で5760円となる。5760円+3500円+2500円の合計で1万1760円、消費税8%を加えて1万2700円となるわけだ。

stack代表の植田振一郎氏

stack代表の植田振一郎氏は、本体のみをサブスクリプションモデルとした理由について「電球やリモコンをモジュール化することで低価格にして、ユーザーが好きなモジュールを手軽に買えるようにしたかった」とのこと。「一方で、サブスクリプション化した本体を1年間使ってもらうことで開発費を回収でき、2年目からは利益が出る計算」というわけだ。

今後時期は未定なから、蚊取りモジュールのほか、フレグランス、スピーカーといったモジュールの開発も進めているという。「実は、蚊取りモジュールは今夏に出そうと考えていたのですが、先行販売で募集したMakuakeでの支援者は300人弱で、この中のどれぐらいの方に購入してもらえるかわからない。製品として完成しているものの、数人しか買わないプロダクトになってしまうと、その後の経営に大きく響いてきます」と植田氏。

「現在は、Makuakeの支援者からのフィードバックを参考に、ソフトウェア側の改良を進めている」という。具体的には「複数のスマートリモコンで複数のエリアを一括制御する機能や、マルチアカウント機能などの優先順位が高い」とのこと。「当初、stakは一人暮らしのユーザーを想定して開発を進めていたのですが、Makuake支援者の3割ほどが家族と一緒に一軒家で使っていることがわかったんです」と、その理由を教えてくれた。

「stakのアプリでは、GPSなどの位置情報を参照してユーザーが自宅から一定距離離れるとスマートリモコンが自動で照明や家電をオフにする機能があります。しかし家族で使う場合は、一人が家から離れたからといって自動的に家中のスイッチがオフになってしまうと都合が悪い。そのため、ユーザーからマルチアカウント機能が切望されている。

そのほかの構想として、センサーの塊のようなモジュールも出したいとのこと。ジャイロや加速度、環境光など、いまは何に使うか決めていなくてもオーバースペック気味に作っておき、あとからアイデア次第でさまざまなサービスを提供できるものを想定しているという。例えば、加速度センサーやジャイロセンサーを使って地震などの建物の揺れを検知して、家電を制御するといった使い道があるかもしれない。

今後の事業展開について植田氏は、前述のソフトウェアの改良によってまずはstak本体の販売台数を増加を目指すとのこと。「検討しているのがB向けのサービスです。ホテルなどで宿泊客がチェックアウトした際にStakのスマートリモコンで一括制御できれば、人件費や電気代が節約できます。stakはサブスクモデルのため初期導入費用を抑えられます」と語る。

将来的には、stak本体にSIMを内蔵させて、BluetoothやWi-Fiに頼らない制御も実現したいとのこと。リモコンモジュールの機能についても、現在の赤外線制御だけでなく、APIがオープンになっているIoT機器であればアプリの改良でstak側でのWi-FI制御も可能になるそうだ。そして早ければ6月に、GoogleアシスタントやAmazon Alexaによる音声制御にも対応するという。

最後に広島で起業した理由を聞いた。「もともとは東京の別の会社で働いていたのですが、自動車メーカーのマツダがある故郷の広島はものづくりが盛んで、ここで何か面白いハードウェアを作ることができるのではないか」と考えたという。とはいえ地方なので、全国的な露出を考えて、銀座にショールームを持つ+Styleや、全国に配送網を持つAmzonの力を借りて地名度を高めることに決めたそうだ。

広島を含む中国地方のスタートアップ投資については「最近では大手地方銀行がCVCを作るなどして活動していますが、スタートアップが調達できる額は数千万程度が上限と低いのが現状。金融機関側が、地元のスタートアップに数億円を投資するというマインドにはまだ到達していない」とのことだ。

プロジェクト開始から製品リリースまでのリードタイムが長く、価格では太刀打ちできない中国製の類似製品がすぐに追従してくることもあり、ハードウェアスタートアップは起業の難易度が高い。stackのような変則的なサブスクによる収益源の確保が一般に認知・理解され、支援する体制がきちんと整っていくことを願うばかりだ。

AmazoがEcho Dot Kids EditionとFreeTimeを刷新

昨年4月に発表されたEcho Dot Kids Editionには、主にスマートスピーカー製品を取り巻くプライバシーの懸念から、賛否両論の意見が寄せられた。そんな中、Amazon(アマゾン)は70ドル(約7600円)の価格で同デバイスを刷新した。

デザイン的には最新バージョンのEcho Dotにかなり似ており、初代バージョンのプラスチック製のボディは曲面のファブリック素材で置き換えられている。鮮やかな色のバンパーはなくなり、ブルーとレインボーの新カラーの本体と同一色が用いられている。また通常のEcho Dotと同じくスピーカーが強化され、音量が70%向上した。

70ドルの価格には、デバイスの使用時間制限やアクティビティのレビュー、有害な歌詞を含む楽曲のフィルターが利用できる、アマゾンのFreeTimeが1年分バンドルされている。さらに、親子が独自のAlexa Skill Blueprintsを作成できる簡易機能も搭載されている。

プライバシーに関して、アマゾンはFamily Online Safety Institute(FOSI)の協力を得てFreeTimeを構築している。以下は、同社による声明だ。

AlexaからFreeTimeにアクセスするには、明示的な親の同意が必要だ。FreeTime Unlimitedに含まれるAlexaのスキルでは子供の情報にアクセスしたり収集することはできず、また子供のプロフィールや音声録音を削除する方法が複数用意されている。親はAlexaアプリやAlexa Privacy Hubから録音を確認したり削除することができるほか、カスタマーサービスへと削除を依頼することもできる。

Echo Dot Kids Editionの予約は本日から開始される。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

世界を飢えから救う農業技術コンペの初受賞者決まる

世界の食糧危機を解決するイノベーションを懸賞付きコンペで募集している財団FoodShot Globalが、そのコンペ「Innovating Soil 3.0」の初回の受賞者を決定した。

受賞者Trace Genomicsは、土の健康を分析して農地の使い方の最適化を推奨するスタートアップで、賞金としてFoodShotのVCパートナーS2G Venturesからの投資を受領した。その金額は非公開だ。

ほかに25万ドルの賞金が、再生可能農業に計数管理と情報管理を導入するためのツールCOMETの普及にむけて活動しているKeith Paustian氏と、長期的な生物多様性の研究家Gerlinde De Deyn氏に贈られた。

また、農業技術に関する知識をカタログ化して無料でその情報を全世界の農家コミュニティに配布する、オープンソースのデータプロジェクトを開発しているDorn Coxに、3万5000ドルの賞金が贈られた。

FoodShot Globalの創設者で理事長のVictor Friedberg氏は次のように述べる。「FoodShot Globalを作ったのは、世界中の指導的立場にある人々によるイノベーションと資本と協力精神によって変化を起こしたいからだ。最初に土、土壌を選んだのは、将来の世界の100億の人口が、維持可能なかたちで健康的に食べていくためには、健康な土を必要とするからだ。今日選んだ3名の受賞者はすべて画期的な仕事をしており、今の文明が直面している緊急事態に対する、次世代のソリューションの基盤になりうる。立ち上がったばかりのFoodShot Globalの最初の受賞者たちは最高に素晴らしい人たちであり、彼らがやっていることをもっと広範にシェアしていきたい」。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

ファーウェイ苦境の最中に中国が初の5Gライセンスを認可

以前から予測されていたように、中国は米国時間6月6日に初めて商業向け5Gライセンスが認可される企業を指名した。

2018年には世界の通信機器の売り上げの30%近くを占めた中国企業のHuawei(ファーウェイ)が、セキュリティ上の潜在的な懸念により西側諸国で監視の目が厳しくなる中、中国の通信当局となる中華人民共和国工業情報化部(MIIT)からこのニュースは発表された。

この認可は、2019年後半になると予測されていた中国の5Gライセンスのスケジュールを数カ月前倒ししたものだ。この加速は、すでに商業サービスを開始しているアメリカ韓国との5G産業競争に向けた、中国の野心を明確に示している。

MIITは、China Telecom(チャイナテレコム)、China Mobile(チャイナモバイル)、China Unicom(チャイナ・ユニコム)とケーブルテレビ局のChina Broadcasting Networkに、次世代の携帯ネットワーク事業を認めた。

なお、ネットーワーク機器メーカーやスマートフォンメーカー、チップメーカーやアプリ開発者を含む、5G業界のプレーヤーも準備を進めている。ここ数ヶ月、Samsung(サムスン)やOPPO(オッポ)、Xiaomi(シャオミ)、ファーウェイは5G対応スマートフォンの計画を発表している。

一方、ネット業界大手のTencent(テンセント)はIntel(インテル)とともにクラウドベースのゲームサービスを密かにテストしており、Netflix(ネットフリックス)にも似たiQiyiはチャイナテレコムとVR(仮想現実)プロダクトに取り組んでいる。これらは、5Gに対応し低レイテンシかつ広帯域なネットワークを利用する数多くのアプリケーションのうちの2つに過ぎない。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

さまざまな機能性モジュールの組み合わせでIoTシステムができてしまうTibbits

最初の見た感じではTibbits積み木やレゴのような構造材みたいだが、でもその1つ1つは機能をプログラミングされているモジュールやコネクターで、それらを組み合わせてコネクテッドデバイスやシステムを容易に作れる。Tibbitsを作ったTibbo Technologyは台北のスタートアップで、今週はComputexカンファレンスで展示をしている。上図は、さまざまなTibbitsで作ったヒューマノイドロボットだ。

Pre-programmed Tibbit modules from Tibbo

事前にプログラミングしてあるTibboのTibbitモジュール

レッド・ドット・デザイン賞を受賞したTibbo Project Systemは、モジュールがほかのハードウェアよりも目立つように明るい色を使っている。それはTibboのプロジェクトを作っていくためのPCBで、CPUやメモリー、Ethernetポートなどがすでに載っている。それから、各機能をプログラミングしたモジュール、RS232/422/485やDAC、ADC、電源、レギュレーター、温度計、湿度計、圧力センサー、PWMジェネレーターなどなどをそのPCBにプラグインしていく。それ全体をTibboの三つのエンクロージャに収めればシステムは完成する。独自のエンクロージャを使ってもよい。

Tibboはオンラインのコンフィギュレーターを提供しているので、実際にシステムを作る前にその機能を確認できる。言語はTibbo BASICとTibbo Cを使用し、アプリケーション開発プラットホームも提供される。

画像クレジット: Catherine Shu

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

愛らしいデザインのセキュリティカメラUlo、監視しながらユーザーとも対話

家庭用のセキュリティカメラって、どれも味気ないよね。なにしろ、監視をするだけの道具だから。でも、ルクセンブルグのMu Designが作ったUloには、奇抜な楽しさがある。この、梟(ふくろう)の形をした監視カメラは、対話能力のある2つの液晶の目があなたの動きを追い、そしてその2つのレンズ、HDカメラとモーションセンサーのカメラは、嘴(くちばし)のところにこっそり隠れている。レンズはマジックミラーになっているけど、けっこう高精細の画像を捉える。

Mu DesignのファウンダーであるVivien Muller氏は今、台北のComputexでUloを展示している。彼曰く、「ペットのように人をハッピーにするセキュリティカメラを作りたかったんだ」。Uloの、大きくて表情豊かな目は、たしかに可愛い。Uloを動かしているのはQualcomm Snapdragon 212シリーズのプロセッサーで、Uloの内部にはマイクロフォンがある。電池は充電できるニッカド電池、microUSBの充電器つきだ。Wi-FiモデルとBluetoothモデルがあり、方向センサーもある。そして8GBのeMMCとmicroSDカードのスロットがある。

Uloは、iOSやAndroidのアプリでコントロールする。ほかのカメラと同じく、動きを検知したら画像をメールで送ったり、指定したデバイスに数分のビデオも送る。

このカメラは現在売り切れで、予約を受け付けている。お値段は199ユーロ、約220ドルだ。

画像クレジット: Mu Design

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

広島発のスタートアップが作るモジュール型スマート電球「stak」

+Style(プラススタイル)は5月17日、広島を拠点するハードウェアスタートアップであるstakが開発したスマート電球「stak」シリーズの発売を開始した。同シリーズは、モジュールを積み重ねる(スタックする)ことで、アプリと連携してスマートホームを実現できるのが特徴だ。

+Styleは、ソフトバンク系のIoT関連製品・サービスを販売する会社で、昨年にIoTプラットフォームを開発するTuya Globalとパートナーシップを組み、独自のIoT製品を次々とリリースしている。stakは、2014年2月にNeedolとして設立されたスタートアップ企業。2019年2月に現社名のstakに変更し、同名のスマート電球のシリーズの開発・販売を手がけている。

+stak本体には、Wi-Fiやスピーカーが備わっており、+Styleで販売する「リモコンモジュール」と「照明モジュール」を組み合わせることでスマホアプリとも連携が可能になる。これらのモジュールは強力な磁石で吸着する機構を採用しており、必要に応じて後付けできる。

リモコンモジュールは赤外線センサーを内蔵しており、赤外線で制御可能なテレビやエアコンなど家電をスマートフォンや音声でコントロールできる。主要なテレビやエアコンの赤外線パターンはあらかじめ用意されており、機種名を選ぶだけで操作できるようになる。音声コントロールは今夏に計画されているソフトウェアアップデートで実現。GoogleアシスタントとAmazon Alexaがサポートされる予定だ。

stakのリモコンモジュールを外出先から操作することも可能で、エアコンのオン/オフのほか、タイマー設定による家電制御が可能だ。スマートフォンの位置情報と連動し、設定した自宅からの距離を超えるとテレビやエアコンの電源を自動的にオフにする機能もある。

照明モジュールにはLEDを採用しており、明るさは60W相当(明るさは調整可能)。リモコンモジュールと同様に、音声コントロールのほか、遠隔操作やタイマー設定、消し忘れ防止能などの機能を備える。

stakでは今後、発売時期は未定ながら以下のモジュールについても発売を計画している。

  • スピーカーモジュール
    Bluetooth内蔵でスマートフォンなどと接続。天井から、広がりのある音で音楽やラジオを再生
  • フレグランスモジュール
    アロマの香りを部屋中に広く拡散
  • カメラモジュール
    外出先から家の中を見守り、異変を感知した場合はスマートフォンに通知
  • センサーモジュール
    照度・温度・湿度・ガスセンサーを内蔵。「温度が〇〇度になったらエアコンをつける」などの設定をアプリで指定可能
  • 虫よけモジュール
    特殊な周波数を発生させ、害虫を遠ざける

Googleが新しいアシスタント開発者用ツールを発表

米国時間5月7日に開催されたGoogle I/Oカンファレンスで、Googleは同社のアシスタントプラットフォームのエクスペリエンス開発者向けに、たくさんの新しいツールを発表した。提供されるのは、Nest Hubのようなスマートディスプレイ向けゲームを開発できるようにするツール、アシスタントの返した答えからネイティブアプリケーションを呼び出すApp Action、そして開発者たちが自身のスマートホームコードをGoogle Home SpeakerやNest Display上でローカルに実行することを可能とする新しいLocal Home SDKなどである。

このLocal Home SDKが、発表されたもののリストの中では最も重要なものかもしれない。なぜならこれを利用することで、それぞれのデバイスをスマートホームデバイスのための真のハードウェアハブにすることができ、クラウドに問い合わせることなくローカルな計算能力を提供することができるようになるからだ。当初のパートナーとして名前を連ねているのはPhilips、Wemo、TP-Link、そしてLIFXなどだが、来月にはすべての開発者がSDKを利用できるようになる予定だ。

さらに、このSDKを使用することで、新しいユーザーがGoogle Homeアプリを使って、スマートデバイスをより簡単に設定できるようになる。Googleは昨年10月にGEとこの機能をテストしており、今では他のパートナーにそれを展開する準備が整っている。

アシスタントの中から自分たちのネイティブアプリ内の適切な場所へと、ユーザーを誘導したい開発者たちのために、昨年GoogleはApp Actionsのプレビュー版を発表していた。健康やフィットネス、金融、銀行、配車、そして食品注文アプリなどは、この組み込み機能を利用することができる。「もしNike Run Clubでご自分のランニングを追跡したい場合には、単に「Hey Google, start my run in Nike Run Club」と言えばいいだけです。そうすればアプリが自動的にランニングを追跡してくれます」とGoogleは本日の発表の中で説明した。

またハウツーサイト向けに、標準的なschema.orgのマークアップを使って、スマートディスプレイ向けのGoogleアシスタントの回答や、Google検索結果に含まれるコンテンツを用意できるように、Googleは拡張マークアップサポートも発表した。

スマートディスプレイ用のゲームを書くための新しい機能の詳細については、ここで読むことができるが、これは明らかに最初の一歩に過ぎない。Googleは時間をかけて、より多くのサードパーティエクスペリエンスにプラットフォームを開放することを計画している。

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(翻訳:sako)

マイクロソフトがIoTにプラグアンドプレイを導入

米国時間5月2日、Microsoft(マイクロソフト)は現在Windows PC上では、実質的にどのような周辺機器も、ドライバーについて心配することなく接続できることを可能にしているプラグアンドプレイ(Plug and Play)の使いやすさを、IoTデバイスにも導入する考えであることを発表した。通常、IoTデバイスを接続して稼働させるには、最新の展開ツールを使用しても、ある程度の作業が必要である。IoTプラグアンドプレイは、このプロセスを大幅に簡素化し、現在なお必要とされているハードウェアおよびソフトウェアの設定手順を不要にすることを約束するものだ。

Azureのコーポレートバイスプレジデントジュリア・ホワイト(Julia White)氏は「IoTソリューションを構築する際の最大の挑戦の1つは、何百万台ものIoTデバイスをクラウドに接続することです。なぜなら現在のデバイスはそれぞれ異なる性質を持っているいるからです。例えば形や大きさ、処理能力、運用環境、そしてメモリ容量などが異なるからです」と本日の発表文で述べているが、Microsoftは、こうしたことがIoTの採用を遅らせていると主張している。

一方IoTプラグアンドプレイは、開発者たちに、コードを記述することなく各デバイスをクラウドに接続できるようにする、オープンモデリング言語を提供する。

だが、Microsoftは独力ではこれを行うことはできない、なぜならそのIoTエコシステム内にあるハードウェアならびにソフトウェアメーカーからのサポートが必要だからだ。同社はすでに、Askey、Brainium、Compal、京セラ、STMicroelectronics、Thundercomm、そしてVIA Technologiesなどの多くのパートナーと契約を交わしている。同社は、何十ものデバイスがすでにプラグアンドプレイ対応をしており、興味のあるユーザーは、それらの一覧をAzure IoT Device Catalogで見ることができると述べている。

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(翻訳:sako)

乾電池IoTのMaBeeeがクラウド対応し、「みまもり電池」が新登場

乾電池型のIoTデバイス「MaBeee」(マビー)の開発・販売を手がけるノバルスは、4月24日に「MaBeeeみまもり電池」の販売を大手家電専門店のビックカメラで先行販売する。

MaBeeeは、乾電池で駆動する製品をスマホなどでコントロールできる単三形乾電池型のIoT製品。電流と電圧を制御できるので、オン/オフを切り替えるタイプの製品をコントロールでき、照明の場合は明るさを変えることも可能だ。しかし、従来モデルはスマホとBluetooth 4.1で通信する仕様で、クラウドとは接続できなかった。

今回、IoTBASEとの協業によりMaBeeeをクラウドにつなぐことに成功。ネットワークを介しての遠隔監視が可能になったことで、新バージョンとしてMaBeeeみまもり電池を発売することになった。

実家に住む両親などが使うテレビのリモコンなどにMaBeeeみまもり電池をセットしておき、自宅ではIoTBASEが提供するクラウド連動アプリ「スマート電池」を使うことで、MaBeeeみまもり電池が備える電流・電圧検出機能によって遠隔地から利用状況を可視化できるとのこと。実際にはMaBeeeにWi-Fi機能が搭載されるわけでなく、Bluetooth経由でMaBeeeと接続したスマホから、インターネット上のクラウドサーバーにデータを転送する仕組みなので、見守られる側の両親にもスマホを持たせる必要がある。

ノバルスはみまもり電池の発売に合わせて、MaBeee本体から得られる電池特有のデータをクラウド上で管理・運用するサービス「MaBeeeプラットフォーム」を事業者向けに提供することも発表。今後は特にモバイルアプリ事業者との協業を進め、 MaBeeeデバイスの運用、 データの分析、 データの連携のためのAPI、 MaBeeeプラットフォム上で開発するためのSDKなどを提供することで、 MaBeeeのエコシステムを構築する狙いだ。