ホームレスを家族と再会させるMiracle Messages

サンフランシスコの住宅機器は痛々しいほど明らかだ。ホームレス人口は7499人に達していると2017年ホームレス調査が報告している。人が住まいを失う理由はさまざまある —— 失業、不当な立退き、過大な賃貸料の値上げなど。そして新しい住居を探すうえでの障壁には、情報不足、高額な賃貸料、友人や家族、パートナーとのつながりがないことなどがある。

後者の部分で力になろうと立ち上がったのが、Kevin Adlerが設立したNPO、Miracle Messagesだ。ホームレスの人たちが愛する家族に向けてショートメッセージを送れるしくみを提供する。

人が愛する人たちとのつながりを失う要因はさまざまある、とAdlerがCTRL+Tの最新エピソードで語った。

ひとつは官僚的障壁だと彼は言う。たとえば、保護施設はある人物が施設にいるかどうかを確認も否定もできない。これは「医療保険の携行性[相互運用性]と責任に関する法律」による。もうひとつが、デジタルリテラシーの問題だとAdlerは指摘する。

「多くの人々が携帯電話も電話番号も失くし、どうやって連絡すればいいのかわからない」とAdlerは言う。しかし、最大の問題は、「屈辱、困惑、恐怖、無気力」だとAdlerは言う。

Miracle Messagesは開始以来220件のメッセージを送り、118人がパートナーと再会した。そのうち80%が良い結果を生み、25%が安定した住居を得た。

Miracle Messagesを通じてAdlerは、人々が、住居のない人たちのことを単にホームレスとしてではなく、誰かの息子や娘、姉妹や兄弟として見るようになることを願っている。

残念ながら、家族とのつながりが途絶え、そのことが路上生活をする原因になった人たちもいる。同NPOが行っている月例の近隣夕食会はそのためにある。

大切なのは「近隣の人たちがホームレスの実態を知る機会を作ること」だとAdlerは言った。

「差し迫った問題を無視しているのではない。われわれが持つべき人間性、人間として必要な思いやりをあらためて強調するためだ」とAlderは言った。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

防犯カメラの映像を活用した「万引き防止AI」開発のVAAKが5000万円を調達

防犯カメラ解析AIを万引き防止に活用する「VAAK EYE」。同サービスを提供するVAAKは4月20日、目社名非公開のVC1社から5000万円の資金調達を実施したことを明らかにした。

VAAKは機械学習で防犯カメラの映像を解析するスタートアップ。このシステムを万引き防止という目的に合わせてサービス化したのがVAAK EYEだ。

同サービスでは防犯カメラの映像を解析し、万引き犯特有の不審行動を検知する。不審行動はリアルタイムに通知するほか、不審人物が次にいつ来店するのか再来店時刻を予測できる機能を搭載。これにより従業員や万引きGメンが万引きを事前に防ぐことも可能になる。

VAAK代表取締役の田中遼氏によると「防犯カメラの映像から人の詳細行動を認識する解析技術が強みで、これにより不審行動の検出制度が高くなる」という。とはいえ現在は実証実験に着手し始め、3月にベータ版を公開したところ。大手企業含め複数の実証実験が決まっているほか、正規の顧客もすでにあるそうで、今月末から活用を本格化し精度の検証やブラッシュアップを行っていく。

その結果も踏まえつつ、6月ごろに正式版を公開する予定だ。

近しいサービスはいくつかあるが、専用のネットワークカメラが必要になるケースも多い。VAAK EYEの場合は既存の防犯カメラの映像をそのまま活用できるため、導入のハードルやコストを抑えられる点も特徴だ。

まずは万引き防止サービスとしてSaaSモデルで提供しつつ、今後は防犯カメラの解析結果を店舗のマーケティングや「Amazon Go」のようなレジなし決済にも展開できるように、機能開発を進めていくという。

VAAKは2017年11月の設立。代表の田中氏は学生時代から起業経験があり今回が3社目になる。「社会貢献性とスケーラビリティの高い事業」という観点で領域を検討したのち、行動解析に軸を定めVAAKを創業した。

Appleの新しいiPhoneリサイクルロボット、その名は‘Daisy’

こんにちはDaisy。Appleの最新のリサイクルロボットDaysyが、同社の環境事業を報告する記者発表の席で、まさに数日後のEarth Dayに向けて紹介された。この新しいロボットは、2016年に発表されたリサイクルロボットLiamのアップデートだ。

DaisyはLiamの部品の一部を使って、Appleの技術者たちが内製した。この産業用ロボットは、9つのバージョンのiPhoneを分解しながら再利用可能な部品をすべて選り分ける。そうやってDaisyは1時間に200台のiPhoneを分解し、貴重な部品を壊していた従来のやり方を駆逐した。しかしHAL 9000*とのどんな関連付けも、単なる偶然だ〔*: 臨終のHALが’Daisy’を歌いながら息絶える〕。

AppleはDaisyのほかに、新たなリサイクル事業GiveBackも発表した。4月30日までの返品や交換に対しては、バージニア州の環境NOP Conservation Internationalへの寄付が行われる。対象となったデバイスはそのまま、店頭またはギフトカードのクレジットで購入できる。

おまけにEarth Dayには新しいApple Watchのチャレンジが行われる。日曜日には外に出て、この惑星をエンジョイしよう、という主旨だ。この発表の一週間前には、Appleの全世界の施設が100%、再生可能エネルギーだけを使っている、という発表があった。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

DeNAがタクシー配車アプリ「タクベル」を横浜・川崎で提供開始、AI活用の需要予測システムも予定

DeNAは4月19日、神奈川県タクシー協会と共同でAI活用のタクシー配車アプリ「タクベル」の提供を横浜・川崎エリアにて開始した。

今後対象エリアを順次拡大する予定で、まずは今夏から神奈川県全域で展開を始める。タクベルは神奈川県タクシー協会の推奨アプリに採択。神奈川県内の約半数のタクシー事業者の導入が決定しているという。

タクベルは全車両でネット決済に対応したタクシー配車アプリ。予想到着時間を確認した上で配車依頼ができるほか、周辺を走る空車タクシーの情報をリアルタイムに把握したい際にも活用できる。乗務員とのメッセージ機能や、双方が現在地を確認できる機能も搭載。事前のカード決済にも対応し、スムーズな乗車体験を提供する。

事業者横断で配車依頼ができ、特定のタクシー会社を指定することも可能だ。

タクベルにはAIを活用した需要予測システムも導入する予定。このシステムでは走行位置や車速など「運行中のタクシー車両から収集するデータ」と、気象や公共交通機関の運行状況、イベントなど「タクシー需要に関連する各種データ」を解析。乗務員へリアルタイムかつ個別に走行ルートを推薦する。

以前TechCrunchでも紹介したように、2017年9月から10月まで横浜市の一部地域にて実証実験を実施。単に需要を予測するだけでなく、周囲の空車車両の状況なども加味した上で流し営業での走行ルートを提案するなど、実験の結果を踏まえた機能改善を行っていくという。

今後はこの「流し走行ルートの車両個別推薦」の実用実験を2018年に実施する予定。2019年には新人乗務員でもすぐに平均以上の収益があげられる状況の実現を目標に掲げる。機能面では駅からの乗車が中心となるエリアへの需要予測システム、供給最適化機能の追加を予定。

DeNAでは「『タクベル』は、2018年秋以降の全国展開を目指し、2020年には配車回数国内ナンバーワンを目指します。また、タクシー会社との連携を強化し、労働力不足などのタクシー会社が抱える課題の解決に貢献していきます」としている。

2018年は国内でもタクシー×テクノロジー領域のニュースが多い。AIを活用した需要予測についても、3月に「全国タクシー」を提供するJapanTaxiがトヨタ、KDDI、アクセンチュアと共同でシステムの開発、都内での試験導入を開始した。またソニーもタクシー会社6社とタッグを組み、配車サービスを展開する新会社を2018年春に設立する方針を発表。需要予測などにAI技術を活用するとしている。

BASEが丸井グループから資金調達、6月より渋谷マルイで常設店舗オープンへ

ネットショップ開設サービス「BASE」を提供するBASEは4月17日、丸井グループを引受先とした第三者割当増資による資金調達とともに、資本業務提携を実施したことを明らかにした。

調達額は非公開。なお今回の提携に伴い、2018年6月より渋谷マルイ1階にBASEの出店店舗なら誰でもレンタル可能な常設店舗をオープンする予定だという。

BASEでは2017年10月より丸井グループとの協業を開始。BASEへ出店する店舗に対し、丸井グループの展開する新宿マルイ本館、マルイファミリー溝口、有楽町マルイ、博多マルイにて、ポップアップショップによる実店舗での販売支援を実施してきた。

BASE担当者によると「ECとリアル店舗では売れる商品や売れ行きも異なり、特に初めて実店舗で販売するユーザーからは言い反響があった」という。これまでは期間限定のポップアップストアという形態で実店舗の運営を行っていたが、2018年6月より常設の店舗を渋谷マルイ1階にオープンする予定だ。

本件について同社では「将来的に多くの人々に受け入れられるブランドへと成長する可能性を秘めた店舗に対して、常設店舗での販売機会と販促ノウハウを提供し、各店舗の認知度向上や、新規顧客の獲得など、商機拡大を目指してまいります」としている。

また決済をはじめとするフィンテック面でも協業する方針。こちらについては具体的な話は今後進めていくということだが、「PAY ID」および「PAY.JP」を提供する100%子会社のPAYを絡めた話になりそうだ。

BASEは直近で2018年1月にグローバル・ブレインとマネーフォワードから15億円を調達。それ以前にも2014年5月にグローバル・ブレインから3億円を調達し、2016年1月にはメルカリから最大4.5億円の出資を含む資本業務提携を実施。2016年10月にもSBIインベストメント、SMBCベンチャーキャピタルなどから総額15億円の資金調達を行っている。

なお同社では本日、BASEのショップ開設数が2018年4月に50万店舗を突破したことも発表している。

 

ARでリフォーム後をシミュレーション、内装提案アプリ「ゲンチロイド」運営が7000万円を調達

ARを活用したスマホアプリを開発するKAKUCHOは4月17日、ニッセイ・キャピタルおよびベクトルを引受先とした第三者割当増資により約7000万円を調達したことを明らかにした。

KAKUCHOでは2017年10月にも家入一真氏、古川健介氏、須田仁之氏らから資金調達を実施。今回はそれに続くものとなる。同社では今回の資金調達をもとに、さらなる事業拡大に向けてサービス開発と組織体制の強化を図っていくという。

KAKUCHOが展開しているサービスのひとつが、AR技術を内装提案の現場に用いた「ゲンチロイド」だ。同サービスは実空間上にARで壁紙を貼ってシミュレーションすることで、消費者が施工後の部屋の様子をよりイメージしやすくなるというもの。リフォーム業者や壁紙職人、インテリアデザイナーなどが使うプレゼンツールのような位置付けだ。

ゲンチロイドには数千点の壁材・床材が登録されていて、サービス上で発注にも対応。営業担当者が紙のカタログを持ち運ぶ負担や、発注にかかる作業を削減する効果もある。

同社では引き続きゲンチロイドの開発に力を入れていくとともに、AR技術を使用した新しいコンテンツの制作・運用を行い「ユーザーに全く新しい体験を提供することで新しい社会の実現を目指す」としている。

グリーが総額40億円の「VTuberファンド」開始、1号案件は米国の3Dアバターライブ配信サービス

つい先日バーチャルYouTuber(VTuber)市場への参入を発表し、今後1〜2年で100億円規模の投資をしていくと発表していたグリー。具体的な取り組みの第1弾はバーチャルYouTuberを育成し、動画番組を制作するプロダクション事業だったが、第2弾として投資プロジェクトを始めるようだ。

グリーは4月17日、国内を中心にバーチャルYouTuberに関連するクリエイターやスタートアップ企業へ投資する「VTuberファンド」を開始することを明らかにした。規模は総額40億円の予定。なおVTuberファンドはあくまでプロジェクト名であり、投資組合の組成や子会社設立を伴うものではない。

VTuberファンドでは、市場拡大に向けてイラストレーター、声優を中心とするクリエイターの支援に力を入れていく方針。直接的な支援だけでなく、収録・配信スタジオの提供やバーチャルYouTuberプロダクションなどへの出資、協業先企業などとのジョイントベンチャー設立にも取り組む。

また1号案件として米国に拠点を置くOmnipresenceへ出資することを発表。同社はスマホのカメラから3Dアバターを使ったライブ配信ができる「Facemoji」を開発するスタートアップだ。Yahoo!出身の元プロゲーマーとAdobe出身のメンバーが2017年3月に共同で創業した。

海外では拡大するゲーム実況市場において3Dアバター実況への期待もあり、Facemojiはその領域でサービスを展開。今後はAR/VRなど多方面にも広げていく予定で、グリーでは日本国内におけるサービス開発での提携も検討していくとしている。

グリーはバーチャルYouTuber特化型のライブエンターテインメント事業を担う新会社「Wright Flyer Live Entertainment」を4月13日に設立。冒頭でも触れたとおり、今後バーチャルYouTuberの発掘・育成や関連事業へ100億円規模を投資するとしていた。そのうちの40億円を今回のVTuberファンドへ投じ、市場拡大を目指す。

セガ、『メガドライブ ミニ』を今年中に発売

Nintendoに続き、Segaも同社を象徴するゲームシステム、Mega Driveのミニバージョンを発表した。商品は2018年中に発売予定。さらに同社は、Mega Drive発売30周年を祝って、Segaの名作ゲーム15タイトルをNintendo Switch向けにこの夏発売する予定だ。

Segaは新ハードウェアの開発をAtGamesに依頼した。AtGamesはかつて少々出来のわるいSega Genesis Flashbackを作った会社で、今回はもっといい製品になることを願いたい。Nintendoは自社のレトロシステムの細部にこだわった製品を作っている。mini NESとmini SNESは最高の過去を現在に持ってきたすてきな先祖返りだ。コントローラーのコードさえもう少し長くしてくれればよかったのだが。

子供のころ私はSNES派だった。両親がSegaのゲームは暴力的すぎると思っていたからだ。基本的に、Mortal KombatよりもKiller Instrinct。今ならScorpionのラストの動きにも対応できるかもしれない。

これでもノスタルジアが不足という人たちのために、Sega Agesシリーズのプロデューサー、下村一誠氏は、Sega DreamcastのゲームもSwitch向けに発売されることを示唆した。そうなればPhantasy Star OnlineやJet Set RadioがNintendoのシステムで動くようになる

なお本誌のイラストレーターの星、BryceはGenesiが北米以外ではMega Driveと呼ばれていたことを知らなかった。もちろん彼だけではない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

スクラムベンチャーズと任天堂が共同プログラム、Switch活用したテクノロジー広く募る

サンフランシスコを拠点とするVCのスクラムベンチャーズは4月12日、任天堂と共同で、同社が販売する「NIntendo Switch(以下、Switch)」を活用した新たなテクノロジーを発掘するプログラム「Nintendo Switch + Tech」を開始する。スクラムベンチャーズは、対象となる技術の募集・選考を含めた運営全般を、任天堂から委託を受けて担当するという。

Nintendo Switch + Techでは、ハードウェア、ソフトウェアなどの形式、テクノロジーの分野は問わず、Switchのプラットフォームに採用の可能性があるテクノロジーを募集対象とする(ただし、ゲームソフトは対象外)。

本プログラムでは4月12日〜6月9日までアイデアの募集を受け付ける。今年夏から行なわれる選考を通過したチームは、2ヶ月間のメンタリングを経て、今秋にも任天堂に対するピッチを行う。選考に通過したチームは非公開となる予定だ。また、本プログラムでは採用チームへの出資は行わないとしている

任天堂の取締役上席執行役員である塩田興氏は、「当社は常にエンターテインメントを進化させる方法を探求しており、その取り組みの一つであるScrum Venturesが運営するプログラムを通じて、Nintendo Switchの体験を一層豊かなものにするユニークなテクノロジーに出会うことを楽しみにしています」とプレスリリースで述べた。

宮田拓弥氏が率いるスクラムベンチャーズは、これまでにもパナソニックと共同で新事業創出を目的とした新会社を2018年3月に立ち上げ、大企業のオープンイノベーションを支援する「Scrum Studio」事業を手がけていた。

ヤフーが仮想通貨とブロックチェーン事業参入へ、子会社がビットアルゴ取引所東京へ資本参加

ヤフーは4月13日、100%子会社であるZコーポレーションを通じて、ビットアルゴ取引所東京へ資本参加することを明かした。

Zコーポレーションではビットアルゴ取引所東京からの第三者割当増資と、親会社であるシーエムディーラボからの株式譲渡を引き受ける。出資額は非公開だがZコーポレーションでは株式の40%を取得する方針。ビットアルゴ取引所東京は同社の持分法適用会社となる。出資時期は2018年4月中の予定だ。

ビットアルゴ取引所東京はすでに仮想通貨交換業者として登録を認められている企業の1社。ヤフーでは同社に資本参加することで、ブロックチェーン関連領域と仮想通貨事業に参入する。まずは同社が持つサービス運営やセキュリティのノウハウを活用して、ビットアルゴ取引所東京による取引所サービスを強固にしていく方針。サービスの開始は2018年秋の予定だ。

つい先日マネックスがコインチェックを36億円で買収したニュースを報じたばかり。GMOグループやDMMグループのようにすでに自社で事業を展開しているケースもあるが、一方では大企業が仮想通貨事業を運営するスタートアップへの資本参加を通じて、新たに参入してくるケースが増えていくのかもしれない。

なおZコーポレーションは、ヤフーの既存事業とは異なる領域へ挑戦するために設立された子会社。宮坂学氏が代表取締役を務めており、2018年3月にはシェアサイクル事業を展開するOpenStreetへ出資することも発表済みだ。

孫の動画を実家のテレビに自動配信、「まごチャンネル」のチカクが野村HDらから1.2億円を調達

スマホアプリで撮影した動画や写真を実家のテレビに直接送信できる「まごチャンネル」。同サービスを提供しているチカクは4月13日、野村ホールディングスのCVCと既存株主であるインキュベイトファンドを引受先とした第三者割当増資により、1.2億円を調達したことを明らかにした。

チカクは2017年12月にインキュベイトファンドから1.5億円2016年12月には500 Startups Japanおよび個人投資家から総額1億円を調達するなどしていて、累計の調達額は4.1億円となる。

過去の記事でも紹介してきたように、まごチャンネルはインターネットやスマホの利用が得意ではないシニア世代でも使いやすいように設計されたIoTサービス。離れて暮らす孫の動画や写真を、自宅のテレビを通じて楽しむことができる。

操作に必要なのはテレビのリモコンだけ。家族がスマホから専用アプリから撮影した動画と写真が自動配信される。データをアップロードすると祖父母宅のデバイスが光り、彼ら彼女らが視聴すればアプリに通知が届く仕様で、お互いの距離が近く感じられる点が特徴だ。

チカクではWebサイトや通販サイト経由でプロダクトを販売するほか、他社との連携も強化。今回の調達先である野村ホールディングスとは、同社のアクセラレータープログラム「VOYAGER」を通じてテストマーケティングを行ってきた。

具体的には野村証券の支店も巻き込み、営業員がシニア顧客を対象にまごチャンネルをプレゼント。一緒に動画や写真を見て関係性を深めた事例など、金融商品の提案以外で関係性を育むきっかけにもなっている。

チカクでは今回の資金調達を受け「引き続きシニア世代の生活を豊かにするサービスの提供を行って参ります」としている。

AI活用で「報道の機械化」進めるJX通信社、テレビ朝日やフジらから数億円を調達

AIニュースサービスを展開する報道ベンチャーのJX通信社は4月12日、テレビ朝日ホールディングスフジ・スタートアップ・ベンチャーズ、既存株主等を割当先とする第三者割当増資を実施したことを明らかにした。具体的な金額は非公開だが、数億円規模の調達になるという。

JX通信社が現在力を入れているのが「FASTALERT」や「News Digest」など、ニュース速報の分野でAIを活用した事業だ。FASTALERTはSNS上の事件、事故などの緊急情報をAIが自動収集・解析するサービス。従来は報道機関が警察や消防に取材をして集めていたような情報を、SNSを通じてよりスピーディーに収集できるのが大きな特徴だ。

すでに在京の民放キー局とNHKが導入しているほか、地方のテレビ局でも活用が進んでいる状況。JX通信社の代表取締役を務める米重克洋氏によると「(具体的な数までは言えないが)全国の大半のテレビ局に採用されている」という。

もうひとつのNews Digestは報道価値の高いニュース速報をAIが検知、配信するアプリ。速報スピードがウリだ。JX通信社ではこれまでも報道現場でのAI活用を進めてきたが、今後も世論調査の自動化や記事の自動生成など「報道の機械化」に向けて各社と連携して取り組む方針だ。

「報道産業は何から何まで人間がやるビジネスという側面が強く、労働集約的になりがちだった。実際のところデジタルシフトも遅れていて、現場ではコストの削減とともに付加価値をあげた収益性の向上が求められている」(米重氏)

米重氏の話では、速報レベルの情報はかなり機械化できる要素があるという。記者の業務には人間が仕方なくやっているものも多いのが現状。これらをシステムに任せることができれば、コストを下げることに加えて、記者が本来やるべきことにより多くの時間を使えるようにもなる。

JX通信社はこれまでも共同通信社や、大手金融情報サービス事業者QUICKらから資金調達を実施。今回のラウンドで、新たに民放キー局が2社株主に加わった。

「今回の調達は組織基盤の強化の目的もあるが、報道機関との連携をより強めていきたいという意図が大きい。報道の機械化というのは、現場の理解があってこそ実現できる。今後はもっと報道の現場に貢献できる総合通信社を目指してチャレンジを続けていきたい」(米重氏)

エンジニアも使うAIプログラミング学習サイト「Aidemy」が1万ユーザー突破、有料プランも開始

自然言語処理、データクレンジング、Pandasを用いたデータ処理——これらはAIプログラミングを学べる「Aidemy」で、実際に提供されているコースの一例だ。

開発元のアイデミーは4月10日、同サービスの会員登録数が3月末に1万人を突破したことを明らかにした。Aidemyのリリースは2017年12月の下旬で、リリースからは約100日。本日より有料会員プランを開始するほか、新講座「異常検知入門」の提供も始める。

プログラミング学習サービスと言えば、これまでTechCrunchでも紹介してきた「Progate」や「TechAcademy」のように、初心者からでも始めやすいものが多かったように思う。一方のAidemyはというと、Python入門のようなコースも用意されているものの、より専門的な内容が多い。

実際アイデミー代表取締役CEOの石川聡彦氏によると「利用者の7割を占める社会人のうち、7割は理系学部出身者」なのだという。もともと2017年の9月に、AIプラグラミングに特化したオンライン家庭教師サービスをリリース。これは約2ヶ月間、ビデオチャットやテキストチャットで講師からフィードバックを受けながら、集中的にプログラミングスキルを学ぶというものだ。

「当初は文系の人でもわかりやすく学べるというテーマでやっていたが、実際にサービスを始めると受講者の8割近くがエンジニアだった。サービスを提供する中でこの分野はエンジニアにニーズがあると気づき、現在提供しているAidemyはエンジニア向けに開発している」(石川氏)

現在はAI関連の技術を中心に15のコースを提供している。理論よりも実践を重視し、実際にコードを書きながら学んでいくスタイルが特徴。学習は全てブラウザ上で完結するため、特別な環境の用意は一切必要ない。特にITエンジニアのユーザーが多く、機械エンジニア、ケミカルエンジニアと続く。ほとんどが業務にAIを活用する目的で受講しているのだそうだ。

これまでは無料でサービスを提供していたが、本日から有料会員プランをスタート。Python入門、機械学習入門、ディープラーニング基礎の3コースは引き続き無料で受講でき、それ以外のコースは有料となる。

受講方法は各コースごとの買い切り型と、月額定額のサブスクリプション型(チケット制)。単体では1コースだいたい2000~3000円のものが多いそうで、サブスクリプションの場合は若干安く受講できるという。

Aidemyでは当初AIに特化していたが、Twitterで「Pythonによるブロックチェーン実装」講座のニーズを探ってみたところ大きな反響があり正式にサービス化。引き続きAI関連のコースを充実させながらも、たとえば量子コンピュータなど先端技術を学べるサービスを目指すという。

また個人向けには夏頃を目処に海外版のリリースを予定しているほか、法人向けのビジネスにも着手する。企業の研修コンテンツとしてAidemyを提供する「Aidemy Business」は6月リリース予定だが、すでにディップへの導入が決まった。

その先の展開としてプログラミングスキルを学んだ人材の転職支援や、企業がAIやブロックチェーンを活用したシステムを開発する際のサポートも事業として行っていく方針。

「『社会と技術の距離を縮めていこう』というのをひとつの目標にしている。プログラミング学習サービスを通じて技術を知ってもらう部分はもちろん、先端技術に関わる分野に関して人材紹介や開発支援までやっていきたいという思いがある」(石川氏)

アイデミーは2014年の創業。当時、東京大学の学生だった石川氏が立ち上げた。デリバリーサービスやポイントカードアプリ、キュレーションメディアなど複数の事業にチャレンジするも失敗。3年目はシステム制作やデータ解析など、受託事業をやっていたという。同時期に大学に復学、機械学習応用系の研究に携わったことなどもあり、現在の事業を始めた。

同社は2017年の6月にSkyland Venturesとファクトリアル代表取締役社長の金田喜人氏から、同年11月に東京大学エッジキャピタル、ペロリ創業者の中川綾太郎氏、クラウドワークス取締役副社長COOの成田修造氏からそれぞれ資金調達を実施。累計で約1700万円を集めている。

ITで建設業界の「人」と「お金」の課題解決へ、ローカルワークスが住友林業などから約2.1億円を調達

建設・リフォーム業界の課題解決に向けて複数のサービスを展開するローカルワークス。同社は4月10日、日本ベンチャーキャピタル住友林業SMBCベンチャーキャピタルオークファンを割当先とする第三者割当増資により、総額約2.1億円を調達したことを明らかにした。

ローカルワークスは2014年2月の創業。2015年9月にCOENT VENTURE PARTNERSから約4000万円を、2016年7月に日本ベンチャーキャピタルとニッセイキャピタルから約1億円を調達。今回の調達により同社の資本金は3.6億円になるという。

ローカルワークスではリフォーム・修理事業者の価格比較サービス「リフォマ」、建設事業者同士のマッチングサービス「Local Works Search」、施工業者向けの決済代行サービス「Local Works Payment」という3つのサービスを手がける。

これらのサービスを通じて、施工業者の稼働状況や信頼性、施工単価、取引実績といった情報をデータベースに集積。建設業界の2大課題である「人手不足」と「中小零細施工店が抱える資金繰り問題」の解決を目指している。

2016年2月にリリースしたリフォマには約1000店の施工店が加盟。リフォームや修繕依頼をしたいユーザーは、エリアやメニューから該当する施工店を比較し見積もりが可能。リフォマは双方をマッチングする役割を果たす。

ローカルワークス代表取締役の清水勇介氏によると「テクノロジーとアイデアで建築業界の非効率を変える」というテーマで事業を開始。約2年間リフォマを展開する中で業者とのネットワークも徐々に構築してきた。その過程で事業者間のマッチングや、決済のニーズを強く感じ、Local Works SearchやLocal Works Paymentに着手したという。

もともと清水氏はリフォーム関連のベンチャー企業で副社長として事業に携わってきた人物。現場での経験から建設業界が抱える課題を解決したいという思いがあったそうだ。

「特にこの業界は小規模の事業者が多い一方で、一件あたりの単価は大きくなりがち。報酬の未払いや支払いの遅延が原因で連鎖倒産が起こることもある。また4次受けや5次受けのように何社も介在するケースが多く、発注の内容があいまいだとトラブルも発生する。それを解決するためには、決済代行やバックオフィス部分のサポートが必要だ」(清水氏)

Local Works Paymentではローカルワークスが施工元請け事業者と下請け事業者に間に入り決済を代行する。報酬の未払いや遅延を防ぐほか、工事瑕疵保証をパック化して提供。2017年10月より取引顧客を限定した上で運営したところ、11月半ばまでで数千万円の利用申込実績もあったという。

同サービスは人手不足を解消するLocal Works Searchとともに、現在クローズドで展開中。正式なリリースは9月ごろを予定している。

これから同社が目指していくのは施工会社のデータベースの構築と、それを活用したサービスの展開だ。たとえばLocal Works Paymentを通じて蓄積される取引データや決済データ、信用情報。このデータを基に「建設業界に特化したレンディングサービス」などFinTechサービスの開発を考えているという。

今回のラウンドにはVCやIT系の事業会社に加えて、業界大手の住友林業が株主に加わった。今後は住友林業とも協業しながら、業界の課題解決に取り組む意向だ。

「建設業界は52兆円の規模があるといわれる大きな市場だが、まだまだテクノロジーの活用が進んでいない。その点では住友林業のような業界を代表する企業にも出資をしてもらい、一緒にチャレンジをしていけるのは大きい。先方からも『従来整備されてこなかったデータベースで、いろいろな展開ができる』と期待してもらっている。すでに顧客の紹介など連携は進めているが、今後もデータベースの活用や事業上の連携も深めつつ、業界の課題解決に取り組みたい」(清水氏)

マネックスG代表取締役の松本氏、「コインチェックには素晴らしいブランド価値がある」

4月6日、NEM流出事件の渦中にあったコインチェックを36億円で買収すると発表したマネックスグループ。同日、そのマネックスグループとコインチェックは合同で記者会見を行った。

コインチェックは、一時はTVCMを大々的に放映し、顧客口座数も170万件を超えるほどの勢いがあった。とはいえ、重大なセキュリティ不全による流出事故を起こしたコインチェックを買収し、仮想通貨交換業に参入するのには、もちろんそれなりのリスクがある。その買収を決断したマネックス代表取締役の松本大氏は、本日開催された記者会見でコインチェックのブランド価値と仮想通貨に対する熱い期待を語った。

松本氏は、「コインチェックには素晴らしいブランド価値がある」と強調する。その証拠に、マネックスグループは買収後も“コインチェック”という社名とサービス名を維持する考えだ。また、外部牽制が必要との考えから、コインチェックを将来的に上場するという将来像も明らかにしている。「リスクは管理できるもので、どんなリスクにも値段がある。ただ、コインチェックが築いてきたブランド価値や顧客基盤をイチからつくることは到底できない」と、買収を決断した理由について語った。

「今回の買収を伝える報道も、日本語だけでなく、スペイン語やロシア語でも報道されている。マネックスグループとしては、こんなことは過去にはなかった。それだけ、コインチェックのブランドには価値がある」(松本氏)

今回の買収は、コインチェックから持ちかけた話だった。約3年前からコインチェックのユーザーとして個人的に仮想通貨の取引を行っていた松本氏は、かねてからコインチェック代表取締役の和田晃一良氏とCOOの大塚雄介氏とは交流があったという。

NEM流出事件後、松本氏はすぐに和田氏たちに対して「何かできることがあれば教えてほしい」と連絡をしていたのだそうだ。その後、両社のコミュニケーションは途絶えたが、3月半ばごろ、コインチェック側からマネックスグループに対し、会社売却の打診があったという。コインチェックは、この打診をマネックスグループを含む複数社に対して行っていた。

仮想通貨に対する松本氏の期待は熱い。「仮想通貨の時価総額は、金(きん)の時価総額の5%にまで達した。時価総額が1兆円規模の資産はいつか衰えるかもしれないが、ひとたび時価総額が50兆円にまでなった資産は、これからも伸びていく」と松本氏は話す。「金だって、偽物かもしれない。金だって、盗まれるかもしれない。仮想通貨はその真正性を証明することは必要だが、金よりも軽い仮想通貨は支払い手段としてメジャーになっていく」。

しかし、今回の事件を期に、多くの人々が仮想通貨取引の安全性について疑問を持ち始めたのは間違いない。コインチェックという名前を聞くと、まず今回の事件を想起するという人もいるはずだ。そのため、コインチェックの看板を文字通りに引き継ぐマネックスグループは、経営体制の抜本的な見直しを行い、サービスの安全性を高め、それをユーザーにアピールする必要がある。既報にあるように、コインチェック創業者兼CEOの和田氏とCOOの大塚氏は、経営責任を取り、現職を退任することが決定している。

和田氏は、「一番重要なのは顧客資産を保護することだと考えている。内部管理体制の強化のためには、私が代表取締役を退任することは手段の1つ。それによって体制が強化されるのであれば、(コインチェックを手放すことに)躊躇はなかった」とコメントした。

コインチェックは、460億円にものぼるNEM保有ユーザーへの保障金をすべて自己資金で賄うと発表していた。その保障も買収が決まる以前にすでに完了していたという。その事実からも分かるように、流出事件が起きる以前のコインチェックはそれ相応の利益をあげるだけの実力があった。

今回の買収は、のちに“それだけの実力をもつビジネスをお買い得価格で買えた”と評価されるのだろうか、それとも失敗だったと評価されるのだろうか。それは、マネックスグループが培ってきた金融企業としての経験や知恵をコインチェックにどれだけ活かせるかにかかっている。

松本氏は、「ほんの25年ほど前まで、国債の取引の現場では、数百億円もの有価証券をアタッシュケースに入れて日銀の5番窓口まで持っていっていた。金融の世界でも、案外最近まで色々なリスクを内包させながらビジネスをやってきたということだ。しかし、私たち金融業界の人間がビジネスをあり方を改善してきて今がある。そのような経験は、コインチェックの今後の発展に活かすことができる」と話す。

新生コインチェックは、4月16日をもって新しい経営体制を確立。これまで継続してきた管理体制の強化を4月以降も行い、約2ヶ月後をめどに仮想通貨交換業登録の取得とサービスの全面再開を目指すという。

3Dモデル技術や顔認識システム開発のサイトセンシング、ニッセイキャピタルから1億円を調達

計測技術をベースに、顔認識システムなど複数の事業を展開するサイトセンシング。同社は4月6日、ニッセイキャピタルを引受先とする第三者割当増資により1億円を調達したことを明らかにした。

サイトセンシングは2012年6月の創業。同年10月に産業技術総合研究所技術移転ベンチャーの称号を与えられ、本格的に事業展開を始めた。

もともと企業が持っていた顔認識の技術を産総研が継承、それを事業化する形でスタート。現在は計測技術を核として、顔認識システム「Face Grapher」のほか、自律航法測位システム「PDRplus」や3Dモデル作成サービスを開発している。

Face GrapherではWebカメラで撮影した映像から顔を検出。性別や見た目年齢のほか、笑顔度合いを判定する。デジタルサイネージの効果測定や来店者の満足度計測などが主な活用シーンだ。

人や物の移動を自動で計測し可視化できるPDRplusも、Face Grapherと同じくリアルな空間におけるデータを取得、分析できるサービス。自律型センサに基づいて基準点からの相対移動を計測する技術を活用しているため、GPSの利用できない環境でも測位が可能。消費者や現場の従業員の行動を分析することで、マーケティングや業務改善に活用できる。

サイトセンシングによると、3Dモデル事業と自律航法事業について利用者からの支持が集まったこともあり、今回の資金調達を実施。事業の拡大に向けてより力を入れていく方針だ。

同社は今後の展開について「三次元モデル事業はモデル作成業務の生産性の大幅な向上・自動化を進め、高品質なデジタルモデルを大量且つスピーディーに提供可能な体制を構築いたします。また、自律航法事業は、計測システムの大規模化に加え、更なる付加価値向上を目指して行く計画です」としている。

マネックスがコインチェックを36億円で買収と正式発表

580億円のNEM流出事件を起こしたコインチェックは4月6日、マネックスグループからの買収受け入れを正式に発表した。同日マネックスグループが発表した資料によれば、買収総額は36億円だ。マネックスはコインチェックの発行済株式177万5267株すべてを買い取り、コインチェックを完全子会社化する。

また、同資料により、コインチェックの2017年3月期の売上高が約772億円で、営業利益が約7億8600万円、当期純利益が約4億7100万円だったことも分かった(仮想通貨の売却収入を売上高、仮想通貨の売却原価を売上原価にそれぞれ含めた財務諸表に基づく)。

コインチェックCEOの和田晃一氏の持株比率は45.2%、COOの大塚氏は5.5%だった。単純計算すると、和田氏は今回の会社売却で約16億円を、大塚氏は約2億円を受け取る計算になる。

和田氏と大塚氏は経営責任をとり取締役を退任。執行役員として、新たな経営体制のもと業務執行にあたる。和田氏に代わり、新たに代表取締役として就任するのは、マネックスグループの勝屋俊彦氏だ。マネックスCEOの松本大氏も取締役に就任する。

代表取締役に就任する勝屋氏は、1989年に三菱銀行に入行。2006年にマネックスグループに入社して以降は、マネックスFXの代表取締役社長、マネックス証券の代表取締役社長などを務めてきた人物だ。

コインチェックは今回の発表に際し、「今回の措置を厳粛かつ真摯に受け止め、深く反省するとともに、新体制の下、マネックスグループがオンライン証券業界でこれまで培ってきた経営管理やシステムリスク管理などのノウハウを最大限に生かし、顧客保護を徹底した経営戦略の見直し等を進めて参ります」とコメントしている。

子どもたちを食事に呼ぶためにAmazon Echoを使える…家庭内の増設需要をねらうか?

Amazonが今日、Echoの前から約束していた機能を開始した。そのAlexa Announcementsと呼ばれるスキルは、同社のスマートスピーカーを一方向だけのインターホンにして、家にいる家族に通信できるようにする。

これは基本的には一種の中継システムで、あなたが、“Alexa、ご飯ができたよと言って”(Alexa, announce that dinner is ready)、と言うと、家中のEchoが“ご飯ができたよ”(Dinner is ready)を中継する。これは、世界でいちばん退屈な、電話ゲーム(同じ言葉をリレーしていく…)のようだ。ほかに、“Alexa、みんなに言って…”(Alexa, tell everyone…)や“Alexa、…と放送して”(Alexa, broadcast…)、でもよい。

複数の部屋にEchoのある家庭では、便利な機能だろう。Alexaの既存の通信〜コミュニケーションスキルとしては、ほかにもAlexa CallingやMessaging、 Drop Inなどがあるけど、今度のこれだけは、ホラー映画のように“家(うち)の中から声がする”。また、Echoを一台だけ持ってる家庭の増設需要を、Amazonは期待しているかもしれない。

この機能はまず、アメリカとカナダから始まる。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Facebook、データ漏洩問題で「少数の」広告主が出稿を停止したことを認める

FacebookのSheryl SandbergはBloombergのインタビューに答えて、Cambridge Analyticaを巡る現在進行中のプライバシー問題が、一部の広告主を弱気にさせていることを打ち明けた。

出稿を停止した広告主がどれがけいるか尋ねられたSandbergは、「少数」とだけ答え解釈の余地を大きく残した。SandbergはBloombergに、Facebookはデータプライバシーにかかわる懸念について広告主との「対話」に注力すると語った。

これもまた、Campridge Analyticaスキャンダルがビジネスの根幹に関わる部分でFacebookと広告主の関係を変化させる要因のひとつだ。

インタビューの中でSandbergは、プライバシーとセキュリティーに関するFacebookの予防対策(安全対策チームのメンバーを1万人から2万人に増員するなど)は、短中期的には会社の利益にマイナスの影響を与えるであろうことを再び強調した。

「運用体制の整備が遅かったことも問題であり、責任は私にある」とSandbergは言った。

Sandbergは、歴史的に見てFacebookはプラットフォームの問題を個別の事象として対応する傾向があり、そのために体系的な問題の対応が遅れるおそれがあることを認めた。

「最近までできていなかったが、現在は実行しているのが、視野を広く持ち、データが不正利用される可能性を厳しく監視することだ」とSandbergは言った

「これは時間のかかる仕事だ…もっと多くのことを見つけ、それを人々に伝え、封じ込めていくつもりだ」

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

グリーが「バーチャルYouTuber」市場に参入、100億円規模の投資でゲームやメディアに続く第3の柱へ

ここ数年で急速に認知度が広がり、2017年には流行語大賞にもノミネートされた「YouTuber(ユーチューバー)」。特に昨今ではモーションキャプチャー技術を活用して3DCGキャラクターが動画を配信する「バーチャルYouTuber」がトレンドだ。

チャンネル登録者が170万人を超える「キズナアイ」や、昨年12月のチャンネル開設からわずか4ヶ月ほどで60万人の登録者を獲得した「輝夜月(カグヤルナ)」を筆頭に、話題になるアカウントが続々と生まれている。

そんな伸び盛りのバーチャルYouTuber市場への参入を発表したのがグリーだ。同社は4月5日、バーチャルYouTuber特化型のライブエンターテインメント事業を担う100%出資の新会社「Wright Flyer Live Entertainment」を4月13日に設立することを明らかにした。

グリーではゲーム事業、メディア事業に続く第3の柱として同事業を立ち上げる。代表取締役にはグリー取締役 上級執行役員の荒木英士氏が就任。まずは第1弾として、バーチャルYouTuberを発掘・育成・マネジメントし、動画番組の企画から配信までを行うプロダクション事業に取り組むという。

今後1〜2年でバーチャルYouTuberの発掘・育成、プロモーション、共同事業化、関連企業への投資などに100億円規模の資金を投入する予定。日本国内だけでなくグローバルで事業を展開する。

一般社団法人日本動画協会が発行する「アニメ産業レポート2017」によると、アニメ市場は2016年に初めて2兆円台を突破。海外市場での売り上げが急速に拡大しているという。スマホの普及などの影響で動画配信市場も盛り上がりを見せている中で、バーチャルYouTuberの人気も高まってきた。

グリーではこれまでSNS「GREE」やゲーム事業、VR事業を通じてノウハウを蓄積。大手IPホルダー、原作者、声優事務所などとも関係性を構築してきた。これらの強みを生かしながら、今後はクリエイターや関連スタートアップへの投資、関連サービスの開発、収録・配信スタジオの開設なども展開。バーチャルYouTuber市場の拡大を目指すという。