Elon MuskがSpaceX宇宙服の全身ショットを初お披露目

Elon Muskが社内でデザインしたSpaceX宇宙服の写真を披露した。これは、同社によって作成された新しい宇宙服のデザインを、Muskが公開した2枚目の写真だ。なお全身が見えるのは今回が初めてである。

最初の写真は頭部と肩に焦点を当てたもので、色の付いたフルフェイスマスクのヘルメット、角張った肩、そして白黒のデザインを見せていた。今回の写真は、宇宙服を(SpaceX初の有人打ち上げで使用する)Crew Dragonカプセルと並べて見せたものだ。

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Crew Dragonの横に立つ宇宙服を着た宇宙飛行士

このスーツの全身ショットは、屈曲時の可動性を確保する柔らかな膝を特徴とするズボンとともに、初めて手袋とブーツのデザインを明らかにしている。背中には、カプセル内に座っている間快適に過ごすのを助けるような、黒い詰め物の領域があるように見える。

ブーツはとても軽量に見えるが、おそらく移動性のために最適化されているだろう。いずれにせよ、この宇宙服は船外活動(EVA)のためにデザインされたものではない。宇宙飛行士たちがカプセルの中にいる間に保護を提供するために作られたものだ。また完全に真空状態に晒されるのではなく、ある程度空気が存在する状況下での他の宇宙船(例えばISS)への移動の際にも用いられる。

以下に示したのが、以前公開されたヘルメットショットだ:

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SpaceX宇宙服の最初の写真。この先数日で更に枚数が増える予定。実際に機能するというところに注目すべき価値がある(モックアップではない)。各種真空テストも行われている。美しさと機能のバランスをとるのは非常に難しかった。別々ならば簡単なのだが。

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(翻訳:Sako)

超音波を使えば、「音」を発せずに音声認識デバイスを騙すことができる

セキュリティ関連技術を研究する中国人研究者が、「音」を発せずに音声認識システムを作動させる方法を開発した。人間には聞こえず、しかしマイクでは検知できる高周波音を用いるのだ。このしくみを用いて、人間には音が聞こえない状況で、さまざまなコマンドを発することに成功したのだそうだ。メジャーな音声認識アシスタントのすべてを操作することができたとのこと。

今回の成果を発表したのは浙江大学の研究者たちで、超音波を用いてコミュニケートするイルカたちにならって、用いた仕組みを「DolphinAttack(PDF)」と呼んでいる。しくみをごく簡単に説明しておこう。

音を発せずに音声アシスタントを動かす仕組み

電子デバイスに搭載されるマイクは、音波によって変化する空気圧に反応する小さくて薄い皮膜を利用している。人間はふつう、20キロヘルツ以上の音を感知できないので、一般的なマイクでも20キロヘルツ以上の「音」に反応しない仕組みが搭載されている。その仕組みはローパスフィルタと呼ばれている。

このローパスフィルタ機能が理論通りに機能すれば、たしかに意図した周波数の音声のみに反応することになる。しかし現実には「ハーモニクス」というやっかいなものが存在する。たとえば400Hzの音は、200Hzあるいは800Hzを捉えるようになっているマイクにも捉えられてしまうのだ(正確な仕組みは端折って、効果についてのみ記している。詳細を知りたい方はWikipediaなどを参照してほしい)。ただし「ハーモニクス」は、もとの音声に比べるとかなり小さく響くようになるもので、通常はハーモニクスの存在がなにか問題を引き起こすようなことはない。

ただ、100Hzの音を拾うマイクに対し、何らかの事情で100Hzのを発することができない事情があったとしよう。この場合、音の大きさを大きくすれば、800Hzの音でマイクを反応させることができるのだ。100Hzの音を発したことをさとられずに、マイクのみに100Hzのハーモニクスを伝達することができるのだ。人間の耳には800Hzの音のみが伝わることとなる。

変調装置の仕組み

研究者たちも、大まかにいえば上に記した仕組みをもちいてマイクにのみ通じる音を発生させている。もちろん実際にはさまざまな複雑なプロセスを経るようになっている。そしていろいろと試してみたところでは、スマートフォン、スマートウォッチ、ホームハブなど、音声に反応するように設計されているデバイスのほとんどが、ハーモニクスに反応したとのことだ。

超音波(黒の音声信号)がハーモニクス(赤の信号)を発生させる様子。超音波の方はローパスフィルタによりカットされる。

最初は単なる超音波信号を発生させる実験を行なっていた。それがうまくいったので、次に500ヘルツないし1000ヘルツの音声信号を生成することにしたのだ。複雑な作業が必要になるものの、しかし基本的には同様の方法で音声信号の生成に成功したとのこと。作業が複雑になるといっても、特殊なハードウェアを必要とするわけではない。エレクトロニクスパーツを扱っている店で手に入る部品のみを用いて実現できる。

超音波から生じた音声は確かに機能し、たいていの音声認識プラットフォームで狙い通りに認識されたとのこと。

DolphinAttackで使う音は、人間には聞こえず、感知することすらできません。しかし音声認識を行うデバイスはこの「音声」に反応するのです。Siri、Google Now、Samsung S Voice、Huawei HiVoice、Cortana、およびAlexaなど、いずれのプラットフォームで動作することを確認しました。

超音波から生成した音声により、簡単なフレーズ(「OK、Google」)から、やや複雑なコマンド(「unlock the back door」―勝手口の鍵を開けて)などを認識させ動作させることができたとのこと。スマートフォンによって通じやすいフレーズや通じにくいものがあったり、超音波を発する距離によっても実験結果が左右されたとのこと。ただし、5フィート以上の距離から発した超音波ーハーモニクスに反応したデバイスはなかったとのことだ。

研究で使用した簡単な超音波ーハーモニクス発生システム。

距離に制限があるということのようだが、しかしそれでも脅威に感じる。感知できないコマンドが発せられ、それによって手元のデバイスが作動してしまうのだ(Wi-Fiにも似たようなリスクがないわけではない)。ただし、今のところは大騒ぎすることもないのかもしれない。

たとえば、音声コマンドによってデバイスを活動状態にする機能をオフにしておくだけで、大半のリスクを避けることができるようになる。音声コマンドを受け付けるのは、デバイスがアクティブな状態にあるときのみになるわけだ。

さらに、たとえスリープからの復帰を音声コマンドで行えるようにしていても、たいていのデバイスでは電話をかけたり、アプリケーションを実行したり、あるいはウェブにアクセスしたりする機能を制限している。天候を確認したり、近くのレストランを表示するようなことはできるが、悪意あるサイトへのアクセスなどはできないことが多い。

また、音声コマンドは数フィート以内の距離から発しなければならないというのが一般的だ。もちろん、知らない誰かがすぐ近くから超音波ーハーモニクス音声をもちいてコマンドを発行することはできるだろう。しかし突然スマートフォンがスリープから復帰して、「モスクワに送金しました」などといえば、ただちに適切な対応をすることができるのではなかろうか。

もちろん危険性がゼロでないのは事実だ。超音波を発することのできる、スピーカーを備えたIoTデバイスがEchoに話しかけて、家のロックやアラームを解除するような可能性だってあるわけだ。

直ちにさまざまなリスクに対応する必要があるというわけではないかもしれない。しかし、電子デバイスに対する攻撃を実行しようとするひとたちに、新たな可能性が開かれつつあるのは事実だ。そのリスクを公にし、日常的に利用するデバイスにて対抗手段を備えることが重要になりつつあるといえよう。

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(翻訳:Maeda, H

コバルトのナノドットで磁気RAMができる、しかも高集積・超高速の

磁気ストレージといえば、主にテープやディスクのことだが、安くて安定性が良いので長期保存に適している。そこが、固体〔主にシリコントランジスタ〕ドライブや揮発性メモリと違う。それらは高速だが高価で、一時的保存に適している。でも新しい研究が、両者の良いとこ取りを可能にするかもしれない。

磁気ストレージの主な問題は、データを書き込む==磁化の向きを変えるためには、帯電したコイルをディスクやテープ上の目的の場所に物理的に移動しなければならないことだ。固体ストレージは、ファイルシステムが何ギガバイトものデータをどこにでも瞬間的に書き込むことができる。両者の違いは、誰かの住所を書く〔だけでよい〕ことと、実際にその場所へドライブすることの違いに似ている。

しかし、磁気ストレージに、アドレシングのできるセルがあったら、書き込みは速くなり、しかもその1や0の状態を永遠に維持するだろう。スイスのETH Zurichの研究者たちは、それをトライして成功した。ただし、たった一つのセルで。

X線銃とコバルトドット

コイルが磁気媒体に触れる方式の代わりに、直径500ナノメーターの小さなコバルトのドットがプラチナ製のワイヤの近くにある。ワイヤに電気が流れると、コバルトとは逆のスピンの漂遊電子が縁(エッジ)に集積し、最後にはドット全体の磁気の方向を逆転する。

チームはこれを2011年にデモしたが、今回新たなペーパーを発表して、それがきわめて速く起きることを示した。その観察には顕微鏡的なX線マシンで照射〜スキャンする方法を用いた(そのことがすごい!)。そしてビットの反転過程が1ナノ秒未満で起きることが分かった。

ドットの磁気モーメントの反転が1ナノ秒未満で起きる

それだけでなく、彼らは毎秒200万回で反転を1兆回(!)繰り返し、効果が弱まる兆候や信頼性が劣化する傾向を見出さなかった。

彼らは、さらなる高速化と低電流化、そしてドットの形を変えることを目指している。彼らの知見では、円よりも矩形の方が速いと思われるからだ。でも彼らは、いちばん難しい部分を先延ばししているのではないか。それは、何十億個ものこれらを、大きな、アドレシング可能な配列に収めることだ。一つだけの0/1は役に立たないし、コインが一枚あればぼくにもできる。

最終的には、このような技術によって、瞬間的にライト(write)できるけど永続性があって、データの無傷な保存のために電力を要しないストレージが可能かもしれない。十分に安価であれば、RAMと長期保存の両方に使えるだろう。そこが、彼らの課題だ。

この研究の詳細は、Nature Nanotechnologyの最新号に載っている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

YouTubeがHDRビデオの再生を一部のAndroidスマートフォンでサポート

昨年11月にYouTubeは、そのビデオをテレビで見たい人たちのためにHDRのサポートを開始した。今日(米国時間9/8)同社は、そのサポートをモバイルにも広げる、と発表した。当初は一部のAndroid機のみで、iOSはまだだ。HDRがサポートされると、ビデオは画質が良くなり、コントラストは高く、暗い画面でも生き生きとした色を見られる。

最初、YouTubeのモバイルアプリがHDRをサポートする機種は、Pixel, LG V30, Samsung Galaxy S8, 同Note8, そしてSony Experia XZ Premiumだ。

同社によると、今後パートナーを増やす努力を続け、HDRを再生できる機種を徐々に増やしていくそうだ。

YouTubeが最初にHDRをローンチしたときは、MysteryGuitarMan, Jacob + Katie Schwarz, Abandon Visualsなど、ごく一部のYouTubeチャネルが使っていたにすぎない。

今でも‘広く普及した’とは言い難(がた)いが、今日のYouTubeはHDR品質のビデオを見られるチャネルやビデオをいくつか紹介している。それらは: Youtube.com/4K, HDR shelf, Venice Carnival(4K HDR 60P(UHD)), The Redwoods(Epic-W, HELIUM 8K S35 Sensor, 8K HDR), Peru(8K HDR 60FPS(FUHD))などだ。

HDRはテレビではまだ今後の技術だ。HDRテレビはたくさん出回っているが、まだテレビの買い替え需要に結びついていない。4KやHDRは、大衆的な普及が始まるのは数年後以降だろう。

今のところHDRテレビの方が4Kより人気があり、2022年には2億4500万台に達すると言われている。

でも、今回モバイルがHDRをサポートしたことによって、普及は早まるかもしれない。スマートフォンは多くの‘個人’が持っているし、買い替えサイクルもテレビより短いからね。

HDRをローンチしてからYouTubeは、この技術を利用してみたいと思っているクリエイターたちと協働してきた。ニューヨークやロサンゼルスなど一部のYouTube Spacesでは、HDR録画機を使えるようにした。

Googleもその流れに乗って、Chromecast UltraでHDRコンテンツをテレビにストリーミングできるようにした。

YouTubeによるHDRのモバイルサポートは、すでに上記の機種で利用できる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Googleがプライバシーとセキュリティ設定/チェック用ダッシュボードのデザインを一新

Googleが今日(米国時間9/8)、あなたのGoogleアカウントのプライバシーとセキュリティを設定するダッシュボードページを新しくした。ユーザーはここで、プライバシーの設定をチェックしたり変えたり、個人化された広告を拒否したり、ユーザーのデータにアクセスしているGoogle以外のサービスを見たりできる。今日の変化はささやかなもので、新しいコントロールは何もないが、同社によると、これまでほとんど使い物にならなかったモバイルのページを使いやすくしたそうだ。

Google Dashboardローンチしたのは2009年だったが、最初は検索やメールをチェックできるだけだった。その後だんだん、Googleのサービスの多様化とともに大きくなったが、プライバシーの活動家たちは、ユーザーデータを知ることに関するGoogle自身に対する規制が今だにゆるい、と批判するだろう。

Googleは今日の発表の機会を借りて、珍しくも、Google Dashboardに関する数字を明らかにした。それによると今日まで、1億5000万あまりの人がMy Activityタブで、検索、地図、YouTubeなどGoogleのさまざまなサービスの上の、自分の活動をチェックしている。

またGoogleのサービスからユーザーのデータをエクスポートするGoogle Takeoutは、毎月100万回以上使われている(意外と多いね)。ユーザーがダウンロードしたデータ量は、2011年のローンチ以降の合計が1エクサバイト以上だそうだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

REDのスマートフォンのホログラフディスプレイはこんな原理だ…今後のコンテンツが人気の鍵

映画撮影用カメラのメーカーREDが、スマートフォンを出す気だ。Hydrogenと名付けられたそのスマートフォンは、ビデオカメラを自慢しているだけでなく、“ホログラフディスプレイ(holographic display)”なるものを搭載している。ほとんど未知の技術だが、YouTube上の人気ヴロガー(vlogger)MKBHDは発売前にちょっと触ってみたらしい。しかしEngadgetの記事によると、REDのCEO Jim Jannardは、HP LabsのスピンアウトLeia Inc.をディスプレイ技術のパートナーに選んだという。

Leiaの技術は光界技術を利用する。それはLCDの束(積層)に、バックライトがいろんな方向から光を当てる。光を当てる角度のさまざまな組み合わせにより、3Dの効果が作り出される。Leiaのイノベーションは、ふつうの2Dの表示機能を持ったまま、この3D効果を実装したことにある。だから従来の2Dの画像や画面は、従来どおり見ることができる。そしてモードを切り替えれば3D効果を使える。

問題はこの技術に対応するコンテンツがまだ十分にないことだが、Jannardによると、同社のスマートフォンは.h4vと呼ばれるホログラフ形式を使って4Dのコンテンツをスクリーンに描画できる、という。4Dというのは、4台のカメラで違う角度から同時に撮影してホログラフを作ることだが、アマチュアには難しそうだし、既存の2Dや3Dのコンテンツをホログラフに変換する場合も、2Dはきわめて難しい。

しかし少なくともこれは、AmazonのFireスマートフォンのときのような、擬似的な‘ホログラフもどき’ではなさそうだ。Fireのそれは、誰もすごい!とは思わなかった。当分はニッチ製品に留まるだろうけど、Leia社の語源となったLeia姫からのSOSが銀河の彼方から届くようになると*、人気が爆発するかもしれない。〔*: 画期的なホログラフコンテンツが登場したら…〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ビデオの配信をWebRTCのピアツーピア通信で行うStreamrootが$3.2Mを調達

フランスのスタートアップStreamrootがこのほど、Partech Ventures, Techstars Venture Capital Fund, Verizon Ventures, R/GAなどのVCから320万ドルを調達した。同社はWebRTCを利用する、とても安上がりなビデオストリーミング技術を提供している。

YouTubeやNetflixなどのビデオは、ビデオファイルの内容が彼らのサーバーから送られてくる。それはデータセンターとユーザーのデバイスとのあいだの、単純明快な一方向通信だ。でもビデオファイルは重いから、それらを送れるだけの帯域を確保するために大金を投じなければならない。

Streamrootは、ピアツーピアの層をそこに加えて、この形を変えようとする。今ではDailymotionやCanal+, Eurosport, Russia TodayなどがStreamrootの技術を使って、必ずしもすべてのビデオが彼らのサーバーからは来ないようにしている。

DailymotionでTaylor Swiftの最新のミュージックビデオを見ている、としよう。大人気スターだから、同じ時間にそのビデオを多くの人が見ているだろう。Streamrootは、そのビデオの一部またはすべてをほかのユーザーから直接ダウンロードしようとする。

そこで、二人のユーザーに自分のサーバーから同じファイルを計二度送る代わりにDailymotionは、サーバーからの一回の送信で二人の視聴者をまかなう。同じビデオのトラフィックの大きなスパイクがあるときには、この方法はとくに有利だ。

この技術の良い点は、それがユーザーにとって完全に透明であることだ。WebRTCはデスクトップでもモバイルでも、現代のWebブラウザーのほとんどがサポートしているから、ユーザーが特別なソフトウェアなどをインストールする必要はない。ピアツーピアの方が通信の質が悪いときには、Streamrootはブラウザーへの通信を従来のサーバーからに切り替える。つまり、両者の良いとこどりをする。

Streamrootは現在、1か月に4億のビデオセッションを送っている。同社によると、そのトラフィックの50〜80%は、この分散インフラストラクチャを利用している。

  • 情報開示: VerizonはOathのオーナーであり, OathはTechCrunchのオーナーです。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

GMOに続きDMMも仮想通貨マイニング事業に参入、「DMMマイニングファーム」を10月開始

昨日GMOが仮想通貨の採掘(マイニング)事業に参入すると発表し話題となったが、DMMもこのビジネスに取り組むようだ。DMMは9月7日、仮想通貨のマイニング事業「DMMマイニングファーム」の運営を10月より開始すると明らかにした。

DMMは9月8日に仮想通貨事業部を発足。10月よりマイニングファームのトライアルを実施し、年内には「DMM POOL」を全世界に公開する予定だ。2018年度中にはトップ10に入る規模の、そして将来的には世界のトップ3に入る規模での運営を計画しているという。

現在DMMが準備をしている「DMMクラウドマイニング」は、一般人がマイニングに参加できるサービス。冒頭でも触れたとおり、昨日GMOもマイニングを行うための設備投資や運用が難しい人向けのクラウドマイニング事業へ参入することを明かしている。

GMOの場合はマイニングを行うために必要となる高性能コンピューター(マイニングボード)を実現するチップの研究開発と、電力供給のため次世代マイニングセンターの設置を行うことを発表。クラウドマイニング事業に加えてマイニングボードの販売や、関連会社であるGMOコインへの仮想通貨共有も予定している。

シェアサイクル参入ラッシュ――メルカリに続いてDMMも検討開始と発表

つい昨日のこと、メルカリの子会社ソウゾウは2018年初頭を目処に、自転車シェアリング事業「メルチャリ」の検討を開始したと発表した。それに続いて本日、DMMもシェアサイクル事業「DMM sharebike(仮)」の検討を開始すると発表した。サービス開始は、2017年末から2018年初頭を目指すという。

DMM.comはシェアサイクル事業の参入について、プレスリリースで以下のようにコメントしている。

DMM.comは近年、格安SIMやVR THEATERといったリアルの場でも新たなビジネスの開拓を続けており、会員数は2700万人を突破いたしました。(2017年6月現在)更なるリアルの場でのビジネスを展開すべく、この度シェアサイクル事業への参入検討を開始いたしました。

日本では、2017年8月に札幌でサービスを開始した「Mobike」やNTTドコモが展開しているコミュニティーサイクルが、すでにシェアサイクルを提供している。今後、「ofo」もソフトバンク コマース&サービスと手を組み、9月以降に東京と大阪からサービスを開始する予定だ。

余談だが私は最近、NTTドコモのコミュニティーサイクルで電動自転車を借りたことがある。ウェブでの会員登録や自転車の予約といった操作方法が分かりづらい部分はあるものの、自転車を借りたり、返せたりするポートがすでに都内各地に多く整備されていることには驚いた。コミュニティーサイクルのポートマップを見ると、300箇所以上のポートがある。この点は、他の新規参入企業との大きな差別化になりそうだ。DMM.comはプレスリリースで駐輪場用地の提供・シェアサイクル事業で協業できる事業者を募集しているが、今後各社のポート設置合戦が始まるのかもしれない。

PyTorchとCaffe2両モデル間の変換ツールをFacebookとMicrosoftが共作、機械学習商用化のスピードアップ

FacebookとMicrosoftが今朝(米国時間9/7)、互いブログ記事で、ONNX、すなわちOpen Neural Network Exchangeというものを発表した。機械学習のデベロッパーはこのツールを使って、PyTorchとCaffe2のあいだでモデルを互いに変換し、研究開発や実装に要する時間を節約できる。

Facebookは前から、機械学習に関してFAIRとAMLという二つのグループを区別している。Facebook AI ResearchすなわちFAIRは最先端の研究開発を担当し、Applied Machine Learning, AMLはさまざまなプロダクトにインテリジェンスを実装する。

この両者は、使用するディープラーニングフレームワークも異なる。FAIRはPyTorchを使い慣れているが、こちらはリソースの制約がないコンピューティング環境でもっとも高度な研究開発の成果を追究する。

しかしユーザーのスマートフォンやコンピューターには能力の制約が当然あるから、実装役のAMLは、リソースを有効利用できるよう最適化されているCaffe2を使う。とくにその実装系のCaffe2Goは、非力なモバイルデバイスの上で機械学習のモデルを使えるよう、最適化されているCaffe2だ。

FacebookとMicrosoftが今日発表したツールを使うと、PyTorchのモデルとCaffe2のモデルを互いに容易に変換できる。二つのフレームワークを容易に行き来できることにより、 研究の伝播を広く早くし、また商用化の過程もスピードアップできる。

しかしながら、すべての企業がPyTorch/Caffe2のペアを使っているわけではない。TensorFLowベースの研究はきわめて多いし、そのほかの重要なフレームワークも使われている。また機械学習の商用化のレベルでは、モデルを特定のデバイスに最適化されたフォーマットに容易に変換するための研究開発も行われている。

たとえばAppleのCoreMLは、ごく限られた数のモデルを変換できる。しかし現時点でCoreMLはTensorFlowすらサポートしていないし、コンバーターの自作はかなり難しそうだ。GoogleやAppleが、特定のハードウェア向けの、機械学習フレームワークの最適化をもっとサポートするようになると、今度はそれらの相互運用性が課題になってくる。

Open Neural Network Exchangeは、Githubのここでリリースされている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ハイエンドiPhoneの出荷は、標準モデルより遅れる見込み

Appleは最新のiPhoneを来週のイベントで発表しようとしている。2機種は準備万端だが、TechCrunchが信頼できる筋から入手した情報によると、豪華モデルの発売は後になるらしい。

2つのバージョンの発売時期がどれほどずれのかはわからない。最近数週間に浮上した情報によると、部品供給と製造の問題が遅れの原因らしい。

今日(米国時間9/7)のThe Wall Street Journalは、製造プロセスの不具合によって、iPhoneの生産が1カ月遅れていると書いている。問題の原因はOLED画面を採用したことに加えて、指紋スキャナーを画面自身に組み込もうとしたことにあると記事は伝えている。どうやらそのプロセスは断念したようで、この新型iPhoneは指紋センサー無しで出荷されることになる。

Appleが使用するスクリーンは、供給元のSamsungが自社製品に使っているものとは異なる製造方法で作られるらしい。iPhoneの場合、Appleは画面とタッチパネルを一体化せず別々にしている。このためにはユニット1つを作るのに必要な工程が多くなる。

新しいスクリーンは、製造プロセス以外にも複雑な要素を加えている。非常に高価であることだ。本誌のRomain Dilletが今日の記事で指摘しているように、KGI Securitesのアナリスト、Ming-Chi KuoによるとAppleは現行iPhoneモデルの液晶ディスプレイに45~55ドル払っている。しかし、Samsungは1台あたり120~130ドルを要求している。次期ハイエンドiPhoneがあれほど高価である理由はそこにあるかもしれない。

複数の記事によると、高額版iPhoneの価格は1000ドルを超えるらしい。このバージョンは、通常モデルより後に販売開始するらしい

新型iPhoneが発売直後に入手が困難になるのは毎度のことだが、この機種にでもそれは変わらないようだ。発売を遅らせた一機種をずっと高い価格で売ることで、Appleはサプライチェーンへのプレッシャーを多少和らげながら注文に答えることができるかもしれない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Googleが今日ローンチしたDrive File StreamはG SuiteユーザーのGoogle Driveデスクトップアプリケーションをリプレースする

Googleが今日(米国時間9/7)、Google Driveのユーザーのための新しいデスクトップアプリケーションDrive File Streamを発表した。G Suiteの顧客は、今すでにそれを使える。このアプリケーションはGoogle Driveのデスクトップアプリケーションに置き換わるもので、こちらは来年、最終的に閉鎖される。エンタープライズの顧客にとっても、十分に長い移行期間と言えるだろう。

この移行についてGoogleは前に、詳細を報じていた

7月のGoogleの発表では、消費者向けのGoogle DriveとGoogle Photosのデスクトップファイルシンクアプリケーションを“Backup and Sync”と呼ばれる新しい単一のアプリケーションに一本化する、とされた。そしてそのあと、Google PhotosとGoogle DriveのMac用およびPC用のクライアントアプリケーションのサポートは終了することになった。

それと関連して、Drive File Streamと呼ばれるエンタープライズ向けソリューションがローンチされることになり、それは後日G Suiteの顧客全員に展開される、と言われた。そのときは、Drive File StreamのEarly Adopter Program(初心者入門事業)も開始された。

消費者アプリケーションとエンタープライズバージョンの主な違いは、その管理機能(アドミン機能)だ。

G SuiteのAdmin Consoleには今日から、Drive File Streamのセッティングが表示される。そこでアドミンは、シンクのon/offや、ソフトウェアのインストールの仕方、手作業でアップデートする場合のGoogle Updateの無効化など、さまざまな構成項目を指定できる。

Drive File Streamの設定は今日からできるが、実際にそれらが有効になるのは9月26日の火曜日からだそうだ。

ただしDrive File StreamがリプレースするMac, PC用のGoogle Driveは、今日から公式に非推奨になる。

そしてGoogle Driveのデスクトップソフトウェアのサポート終了は12月11日、完全閉鎖は2018年3月12日とされている。

さらにGoogleは曰く、消費者向けツールBackup and Syncは、エンタープライズソフトウェアのDrive File Streamの代わりに使ってもよいし、併用してもよい。

Backup and Syncはコラボレーション用のTeam Drivesをサポートしていないが、Drive File Streamとともに、DocumentsやDesktopなどDriveのフォルダーをシンクできる。その機能の一部はDrive File Streamと重複している。ついでに両者を一本化/単純化してほしいけどね、Googleさん。

この記事の文章だけではよく分からない人は、このページの表(上図)をご覧いただきたい。

このローンチのニュースと並行して今日は、Google Driveクラウドサービスの不具合が報じられた。今朝はDriveとGoogle Classroomがダウンしたのだが、後者はアタッチメントの保存にDriveを使用している。この問題は、二時間後に解決した。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Amazon、KDPをだました出版社との仲裁を申請

Amazonは、Kindle Direct Publishing(KDP)システムを利用している出版社、マーケター、および著者らに対して、売り上げ数値を人為的に水増ししているとして非難してきたが、このほど米国仲裁協会(AAA)に仲裁申請を提出した。

Amazonは申請した書類(TechCrunchが入手済み、下記参照)で5件の仲裁を要求している。訴えによると、関係者は読み終わったページ数の水増し、偽カスタマーレビュー、偽ユーザーアカウントを作成して電子書籍をダウンロードするなどの方法によって、著者や出版社がAmazonから得るロイヤリティ金額を増やしていた。

訴えの中には、ある出版社が著者に対してAmazonベストセラーにすることを保証するために、翌日までに1万件の自動ダウンロードを行うサービスを利用してる疑いがあると指摘するものもある。

「KDPを利用している大半の著者や出版社は、電子書籍の出版や広報に真摯に取り組んでいるが、ごくわずかな者たちが詐欺行為によって不当な利益を得ている」とAmazon広報がTechCrunchに話した。「今日のニュースは、不正を行う者から読者と著者を守り、誰もが信頼を置けるサービスを提供するという当社の取り組みを反映したものだ」。

現在Amazonは、違反者に対する行為の差し止め命令を求めるとともに、「仲裁で確定する金額」の賠償金支払いを要求している。

これはKDPに関しては初めての事例と思われるが、Amazonはこれまでにもサイト上の詐欺行為に対して数多く裁判を行ってきた。2016年、Amazonは偽レビューを徹底追及し、金を払ってレビューを書かせた売り手を少なくとも3社訴えた

仲裁事件の書類5件を以下に貼った。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Equifaxの役員、データ漏洩ニュース公開前に株を売却

本日版「企業人の自由奔放な強欲」の話題はこちら。データ漏洩事件を起こしたEquifaxの幹部らは、この大問題を知った後、180万ドル近くの同社株を売っていたらしい。

Bloombergによると、同社の上級役員3名は、約180万ドル相当の株式を、データ漏洩の内部情報を得た後に売りさばいた。漏洩データには、社会保障番号や運転免許証番号などを含む最大1億4300万人の個人情報が含まれていた。

問題の取引を行ったのは、CFO兼VPのJohn Gamble(94万6374ドル相当の株式を売却)、米国情報ソリューション担当プレジデント、Joseph Loughran(同58万4099ドル)、および人事担当役員、Rodolfo Ploder(同25万0458ドル)の3人。Bloombergによると、これらの取引は事前に設定されていたものではなく、8月2日、すなわち同社が漏洩に気づいた3日後に実行された。

この大規模な個人情報流出のニュースが報道されたのはつい最近だが、ハッキングが起きたのは5月中旬から7月にかけてのことだった。木曜日(米国時間9/7)同社は以下のように説明した:

アクセスされた情報に含まれていたのは主として、氏名、社会保障番号、生年月日、住所で、一部には運転免許証番号も入っている。さらに、米国の消費者約20万9000人のクレジットカード番号、および18万2000人の個人を特定できる情報を含む調査書類もアクセスされた。

Equifaxは、ハッキングを受けた可能性のあるユーザー向けに専用ウェブサイトを立ち上げたが、だまされたばかりのユーザーに対して、社会保障番号をEquifaxに渡すよう求めていることに加え、本稿執筆時点でシステムは機能していない

アップデート:Equifaxは株式売却のタイミングに関するTechCrunchの質問に対して以下の声明を送ってきた。

プレスリリースで発表した通り、Equifaxは7月29日にこのサイバーセキュリティ―事象を知り、直ちに侵入を阻止した。

8月1日および2日に少量のEquifax株式を売却した当社役員3名は、売却の時点で侵入の事実を認識していなかった。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Googleが社内のドキュメンテーションスタイルガイドを公開

ドキュメンテーションは往々にして、後(あと)からの付け足しだ。オープンソースのプロジェクトではとくにそれが多い。そのため新しい人が後日そのプロジェクト参加しづらくなったり、ときにはヘタなドキュメンテーションのせいでコードがかえってわかりづらくなることもある。そこでGoogleは、デベロッパーがもっと良いドキュメンテーションを書けるために、同社のdeveloper-documentation style guide(デベロッパードキュメンテーションスタイルガイド)を今週一般公開した

これはGoogleが社内的に使っているスタイルガイドと同じもので、KubernetesやDartなどGoogle内部のプロジェクトもこれに従っている。

内容の一例を挙げると:

  • 業界用語のスペリングの統一
    (例: ○data center, ×datacenter)
  • ハイフンの正しい使い方と良くない使い方
  • 受動態でなく能動態で書くべき理由
  • …その他…

 
また、とくにデベロッパーにとって重要と思われるのは、APIのコードのコメントの書き方や、コマンドラインのシンタックスの良質なドキュメンテーション、などだ。

AtlassianWordPressSalesforceなどもスタイルガイドを公開しているが、基本的な要素を網羅している点ではGoogleがトップではないだろうか。

編者たちは、このスタイルガイドは生き物であり、今後変わるだろう、と言っている。また、たった一つの絶対に正しいスタイルガイド、というものはない、とも言っている。つまりドキュメントの書き方をめぐってMLA派とシカゴ派の口論が今後続いてもよいし、ぼくが本誌の記事を書くときに使っているAP Stylebookのファンがたくさんいても、構わないのだ。

〔訳注: 上図和訳–

できるかぎり使わないように

  • バズワードや技術的ジャーゴン
  • くだけすぎた書き方
  • “please note”や”at this time”のようなプレースホルダー的語句
  • ごたごたした長過ぎるセンテンス
  • すべてのセンテンスが同じフレーズで始まる(”You can”, “To do”など)
  • 今のポップカルチャーに言及すること
  • 顧客や競合他社/競合製品などをだしにしたジョーク

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

米信用情報サービスEquifaxのデータ漏洩、被害者は最大1.43億人に

今やデータ漏洩は日常茶飯事で、感覚が麻痺してしまいがちだが、今日(米国時間9/7)消費者信用情報サービスのEquifaxが発表した事態はただごとではない。最大1億4300万人のデータが漏洩したおそれがある。これはまずい。

悪党どもにとってこの種のデータは情報の宝の山であり、そこには社会保障番号、誕生日、住所、さらには運転免許証番号が入っているものもある。これだけでは不足だと言うのか、20万9000人のクレジットカード情報と18万2000人の消費者を特定できる情報を含む証拠書類も流出した。

流出情報の出所は主に米国在住者だが、英国およびカナダの住民も関わっており、同社はそれぞれの当局と協力して調査を進めている。

Equifaxの報告によると、漏洩に気づいたのは7月29日で、すぐに侵入を防ぐ措置を行った。その後サイバーセキュリティ会社に依頼して漏洩範囲と被害状況を確認した。警察も介入していると同社は伝えているが、犯人がどうやってシステムに侵入し何を奪ったのか、現時点では明らかになっていない

同社は専用ウェブサイト、www.equifaxsecurity2017.comを立ち上げ、消費者が漏洩の有無や範囲を調べられるようにしている。こうした事件の後にはよくあることだが、Equifaxは信用情報モニタリングや個人情報盗難保護などのサービスを無料提供しているので、影響を受けた人は利用するのもよいだろう。

これは純粋な数値でいえば、史上最悪の事件ではない。その汚名は今やOath(TechCrunchの親会社Verizonに買収された)傘下となったYahooに帰する。昨年同社は 10億人以上のユーザーを巻き込む漏洩事件を起こした。

しかし、今回の事件が特に厄介なのは、Equifaxが信用情報サービスであり、消費者の生活、クレジットカード、信用度などの履歴を追跡していることだ ―― そしてこの個人情報の金鉱がブラックマーケットに渡る恐れがある。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Amazon、5万人規模の第2本社建設計画を発表――自治体の立候補受付け開始

Amazonはすでにeコマース、ロジスティクス、クラウドサービスの各分野で世界的な巨人だ。そのAmazonが企業としての存在をさらに一段と拡大する動きを見せている。今日(米国時間9/7)、同社は北米地区に第2の本社を建設するために適切な都市を選ぶための調査を開始したことを発表した

Amazonによればこの第2本社はワシントン州シアトルの既存の本社(上の画像)と「あらゆる点で同等の施設となる」といいう。

新本社はそのサイズもシアトル本社と同等かそれ以上となるもようだ。Amazon本社はシアトルのビジネス地区の中心的施設の一つだ。4万人の社員が75ヘクタールの土地に建てられた33棟のビルで働いており、レストランだけでも24箇所ある。Amazonによれば、HQ2と呼ばれる第2本社では5万人が働くことになり、投資額は50億ドルに上るという。

Amazonのファウンダー、CEOのジェフ・ベゾスは声明で「Amazn HQ2はあらゆる面でシアトル本社と同等のものとなる。HQ2は当初でも数十億ドルの投資先となる。この投資はその後も継続され、数万人の給与の高い職が創出される。われわれは第2の家〔に適切な場所〕を見つけようと張り切っているところだ」と述べた。

TechCrunchではHQ2建設のスケジュールについてAmazonに問い合わせ中だ。

Amazonの新本社建設の発表は興味深いタイミングで行われた。Appleはクパチーノの新キャンパスの建設をほぼ完了したところだ。来週にはメイン・ビルディングに隣接する新しいスティーブ・ジョブズ・シアターで最初のイベントを開催する。ここでは最新版のiPhoneが発表されるものとみられている。リング状の巨大建築はAppleのパワーを象徴するものとして長いあいだ話題になってきた。Appleが新キャンパスでiPhoneイベントを開催する直前にHQ2建設計画が発表されたことは、こうしたビッグプロジェクトを実施できるのはiPhone/Macの巨人だけではないと知らせるAmazon一流のやり方かもしれない。

面白いことに、Amazonは社員がどちらの本社ないしどの都市で働くことを希望するか各種調査を行う計画も明らかにしている。ここでAmazonは適切な候補地となるべき条件をいくつか挙げている。候補都市は人口が100万人以上であること、ビジネスフレンドリーな安定した都市環境であること、テクノロジーに関して才能ある人材を引き寄せる魅力がある都市ないし都市近郊であること、などだ。また都市、地域の選定にあたっては「ものごとを大きなスケールで考える創造的なコミュニティーを持つこと」も条件としている。

またAmazonは新本社は現在のシアトル本社同様、都市型の施設となり、都市中心部に建設されること、すでにデベロッパーによって開発が進められていてもよいことなどを明らかにしている。

AmazonではHQ2建設の第一歩として都市ないし州による提案の受付(RFP=Request for Proposal)を開始しており、Amazonは自治体に対し同社へのコンタクトを呼びかけている。一度HQ2の建設予定地に選定されれば都市側のメリットは巨大だ。Amazonの推計によれば、同社は2010年から2016までの期間にシアトル市の経済に寄与した額は380億ドルになるという。Amazonの投資1ドルについてシアトル市は1.40ドルの経済効果を生み出してきた。

社員38万人というのは、Amazonをテクノロジー分野における世界最大の雇用者の一つとしている。テクノロジーは現在アメリカの主要産業とみられいるものの、以前の主要産業と比較すると直接雇用者の数が目立って少ない。Amazonは例外的に巨大な雇用者だが、ロジスティクスの分野における雇用が大きいのもひとつの理由だ。事実、Amazonはアメリカでもその他の世界でもフルフィルメント・センターを開設するつど、地域の雇用と収入の増大に貢献することになると発表してきた。

Amazonはまたアメリカ国外でも急ピッチで拡大を続けている。

今年夏、AmazonはEU離脱で揺れるイギリスの首都、ロンドンの金融地区に新しい本社を開設している。

下の画像はAmazonのシアトル本社に関する詳細だ。

画像:Amazon

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

SpaceX、アメリカのX-37B宇宙往還機の打ち上げに成功――ブースターの回収は16回目

イーロン・マスクの宇宙企業、SpaceXは再び成功を収めた。昨日(米国時間9/7)、SpaceXはアメリカ空軍の宇宙往還実験機、X-37Bの打ち上げに成功した。これによりSpaceXはロッキード・マーティンとボーイングの合弁宇宙事業、ULA以外では唯一のX37B打ち上げ企業となった。今回の実績はSpaceXにアメリカの国防予算からの契約をさらに多数もたらすことになるだろう。

SpaceXのFalcon 9ロケットは、現地時間で木曜日の午前10時にフロリダ州ケネディー・スペースセンターのLC-39A発射台から打ち上げられた。Falcon 9はX-37B Orbital Test Vehicle〔衛星軌道テスト機〕をペイロードとして搭載し、第一段目ブースターはケープ・カナベラル空軍基地のSpaceXのLZ-1ランディングパッドに予定どおり無事着地した。フロリダ州には猛烈なハリケーン、イルマが接近しているが、SpaceXはいわばイルマを出し抜く形で打ち上げに成功した。

空軍のミッションであるためX-37Bの詳細は「各種の実験を実施している」という以上には公開されていない。前回の発射でX-37Bは2年間軌道にとどまり、今年5月に帰還している。ボーイングが製作したX-37Bは無人機だが、引退したスペースシャトルのミニ版といっていいデザインだ。帰還の際もスペースシャトルのように水平飛行して通常の滑走路に一般の航空機のように着陸する。

X-37Bはアメリカ最初の経済性の高い無人宇宙往還機で、軌道上から安全にペイロードを持ち帰る実験が行われている。 今回の打ち上げの重要な目的はSpaceXにX37-Bを軌道に投入する能力があることを実証する点にあった。ボーイングによれば、SpaceXが打ち上げ能力を持つことはX-37Bを恒常的に運用する上で決定的に重要だという。

一方、SpaceXにとっては今回がFalcon 9ブースター回収の16回目の成功となった。 次回のミッションでは回収・整備されたブースターを用いたEchoStar 105 SES-11通信衛星の打ち上げとなる。これは来月に実施が予定されていおり、用いられるブースターは前回ISS(国際宇宙ステーション)への補給ミッションで使われたものだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

IBMとMITがAI研究パートナーシップを締結した、10年間で2億4000万ドルが提供される

IBMMITは本日(米国時間9月6日)、MIT-IBM Watson AI Labを高名なマサチューセッツ州ケンブリッジの地に設立するために、10年間で2億4000万ドルに及ぶ契約に合意した。

このラボは、IBMのAIのリサーチVPであるDario Gilと、MIT工学部長のAnantha P. Chandrakasanが共同議長を務める予定だ。

ビッグブルーは、IBMの研究者たちとMITの学生そして教員が、高度なAI研究を行うために、お互いがすぐ近くで仕事のできるラボに2億4000万ドルを投じるのだ。パートナーシップが生み出す知的財産がどうなるのかに関しては、現在のところ少々不透明なところが残されている。

私たちにわかっていることは:MITはこの研究に関連する論文を発表する予定であり、その一方でそのなかで生み出される優れたコードをオープンソース化する計画だということだ。知的財産の中にはIBMのプロダクトならびにサービスの中に組み込まれるものもある。MITはこの契約の一環として、AIベースのスタートアップをいくつか生み出すことをを望んでいる。

「共同ラボの主な任務は、MITの科学者たちとIBM(の研究者たち)を集めて、AIの未来を形作り、科学のフロンティアを推進することです」とIBMのGilはTechCrunchに語った。

その目的のために、両者は、IBMの科学者とMITの学生コミュニティに対して、共同研究のアイデアを提出するように要請する予定だ。幅広くなりがちな取り組みの焦点を絞るために、彼らは研究の指針となるいくつかの原則を打ち立てている。

これには、まず第1に、ニューラルネットワークに基く深層学習を使う、特定のアプリケーンを超えたゴールを目指すAIアルゴリズムの開発することや、企業の中の複雑な問題を解決するためのより一般化された方法を発見することが含まれる。

また第2に、彼らは機械学習の力を量子コンピューティングと結びつけたいと考えている。量子コンピューティングはIBMが現在特に力を入れて開発している分野だ。AIには量子コンピューティングの開発を推進する潜在力があり、逆に量子コンピューティングとそれがもたらす計算パワーもAIの開発を推進する可能性がある。

IBMのWatson Security and Healthcare部門が、ケンドールスクエアにあるMITのすぐ近くに位置していることもあり、両者はこの2つの産業界の問題に集中することで合意した。また、2つのチームは、AIが及ぼす社会的および経済的影響の、社会での理解を助けるために協力する予定だ。

これはMITとIBMの双方にとって大変大きな取引だが、Chandrakasanは、このラボはキャンパス全体のAIイニシアティブの1つに過ぎないことを明言している。それでも双方は、今回の新しいパートナーシップが、IBM内部やマサチューセッツのスタートアップコミュニティ、とりわけヘルスケアとサイバーセキュリティ分野での新しいビジネスに結びつく、多くの研究と商業的ブレークスルーをもたらすことを望んでいる。

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(翻訳:Sako)

FEATURED IMAGE: PHOTO: RICK FRIEDMAN/CORBIS/GETTY IMAGES/GETTY IMAGES

自分用ミニ地球ローバーを手に入れるチャンスだ

火星は遠く離れていて、辿り着くには途轍もないコストがかかるので、もし自分自身の火星ローバーを所有するという夢があっても、それが実現することはおそらくないだろう。しかし、 地球ローバーが必要な場合は、資金調達目標に達することがでできれば、それを提供できる新しいKickstarterプロジェクトがある。Turtle Roverは、これまでヨーロッパ、ドイツ、スウェーデンの宇宙機関のための、いくつもの火星ローバープロトタイププロジェクトに取り組んできた小さなチームによって開発された新しいロボットだ。

5人のチームが、彼らのローバーを「着陸」させるために6万ユーロ(約7万1500ドル)を調達しようとしている。車両の出荷は来年の4月を目標にしていて、DIYキットもしくは完全に組立済のマシンとして支援者には提供される。最低額はおよそ1000ドルだ。

Turtle(ローバーの名前)は、内蔵バッテリーに対する1回の充電で、最大4時間運転できる4輪の地上無人機で、ほとんどのコンピュータ、タブレット、スマートフォンで使えるアプリを介して簡単に制御することができる。Turtleは外部の通信グリッドに接続されていない場合でも、独自のWi-Fiネットワークを構成することが可能だ。これは大事なことだ。なぜなら、こうしたものは未踏の地に分け入るためにデザインされているものだからだ。

Raspbianで動作するRaspberry Pi 3コンピュータを搭載していて、ビデオキャプチャとライブストリーミング用のフルHDカメラを装備している。デザインは水密性があり、プロジェクトのクリエイターによれば、悪影響なしに完全に水没させることが可能だ。最大500グラム程度のものを持ち上げることのできるロボットアームも用意されている。また、これは完全にカスタマイズ可能なため、奥行きや環境検知用のために、Microsoft KinectやLiDARセンサーなどの、独自のアドオンを組み込むこともできる。

5キロまでの荷物を載せることができるので、実際にDSLRとレンズを搭載することや、遠隔洞窟探検をする際に、興味深い地質サンプルを集めるための箱を載せることもできる。すべてのハードウェアとソフトウェアは完全にオープンソースであり、プロジェクトのクリエイターたちは、これを開発プラットフォームまたは教育プラットフォームとして使うことを推奨している。

Turtle Roverは人間がアクセス困難な場所に、より簡単にアクセスできるように、そして足取りの重い人間のように邪魔にならないようにデザインされている。ビデオでは、人間が探索できない場所をTurtleがいかに探索できるかを見ることができる。チームはまた、ローバーが非常に低い重心を持ち、実際のNASA火星ローバーに触発されたサスペンションは、厄介な地形を航行するのに役立つ筈だと語る。

Turtle Roverは、Simon Dzwonczyk、Julia Marek、Martin Twardak、Aleksander Dziopa、Justyna Pelcの5人のチームで外部資金を使わずに作製され、現時点では支援者に100%頼っている。それにもかかわらず、5人は企業の仕事を辞めて6ヵ月で完全に機能するプロトタイプを作製した。彼らによれば、Turtleを実際に構築する能力を示すことができたので、現在ベンチャーキャピタルからの接触も受けているところだという。

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自己資金で設立されたハードウェアスタートアップにとって、これはとても有望な話だ。そして自分の興味を更に掘り下げたいアマチュアの宇宙もしくは無人機ホビーイストたちにもアピールするだろう、また真のメイカープロジェクトで教育に使うこともできる。Kickstarterのキャンペーンは9月24日に終了する、この記事の執筆時点における達成額は半分ほどだ。

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(翻訳:Sako)