ブロックチェーンを使用するIoTデバイスの開発が簡単にできる組み込みボードElkrem

スマートフォンをArduinoのボードに接続するツール1Sheeldを作った連中が、さらにおもしろいものを作った。彼らの新製品Elkremは、ブロックチェーンのIoTデバイスを作るためのスマートキットで、彼らはこのプロジェクトのためにEndure CapitalとConsensysから25万ドルを調達した。

ファウンダーのAmr SalehとIslam MustafaはTechCrunch Disrupt 2013で1Sheeldを発表し、その後120か国で数万台を売った。そして今度の彼らの製品は、完全にブロックチェーンがベースだ。

[Bitcoinを使用するキャンディーの自販機]

Salehは説明する: “Elkremは、ブロックチェーンハードウェアを開発するためのボードだ。ブロックチェーンのデベロッパーはハードウェア開発の詳しい知識がなくても、これを使って、ハードウェアのプロトタイプをDapps(分散型アプリケーション)に容易に統合できる。また電気工学のエンジニアやハードウェアのデベロッパーが、ブロックチェーンの詳しい知識がなくても、自分のハードウェアプロジェクトにブロックチェーンを接続できる。どちらもスマートコントラクトでアクチュエータをトリガでき、またセンサーのデータをスマートコントラクトへログできる”。

ボードはArduinoに似ていて、二つのプロセッサーとストレージとWi-Fiがある。プロセッサーのひとつはLinuxの彼ら独自の変種が走り、Ethereumや, IPFS, Swarm, Whisper, Bitcoin, Status.imなどへインタフェイスする。他方のプロセッサーは、もっぱらユーザーに対応する。

Salehは曰く、“うちの強みは、速い開発と速いプロトタイピング、そして速い市場投入だ。このボードがあれば、プライベートで分散型のIoTメッセージをピアツーピアの通信で送れる”。

つまり、このボードがあれば、ブロックチェーンを使うハードウェアの開発が簡単になる。Koynというライブラリを使って、Bitcoinによる決済をわずか1行のコードで処理でき、彼らはすでにサンプルプロジェクトとして、Bitcoin対応のキャンディーマシンや、Bitcoinで料金を払える電源コンセントなどを作っている。このボードは、年内にKickstarterにも登場する予定だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Nvidia、次世代ゲーム用GPU、RTX 2080/Ti発表――RTはレイトレーシングの頭文字

Nvidiaはドイツで開催中のGamescomの会場でプレスカンファレンスを開き、次世代GPUを発表する。カンファレンスはドイツ時間で午後6時から開催予定〔開催ずみ。下のビデオで1:50前後からカンファレンスの模様が録画されている〕。

Nvidiaの今回の発表は先週のTuringアーキテクチャの発表に続くもので、次世代プロダクト、RTX 2080、RTX 2080 Tiなどの製品についてコンフィグレーションや価格を始めとする詳細が分かる。

カンファレンスには#BeForeTheGameというタイトルが付されている。これからするとNvidiaはコンシューマー向け製品、特にゲーム用GPUを発表するのだろう。GeForce GTX 1080は依然として高負荷ゲームを快調に作動させているが、Nvidiaは常にコンピューターのグラフィックス能力を一歩先へ拡大する努力を続けてきた。

Next INpactの情報によれば、今日、2種類のプロダクトが発表されるという。GeForce RTX 2080はCUDAコア数2944、8GBのGDDR6メモリで、GeForce RTX 2080 TiはCUDAコア4352、11GBのGDDR6メモリを備えるという。

Nvidia先週、プロ用途のワークステーション向けとしてQuadro RTXを発表している。同社は新世代GPUで大幅な処理能力の改善を行う。特にレイトレーシングに最適化されていると期待されている。RTXのRTはray tracingの頭文字だ。

レイトレーシング自体は新しいテクノロジーではないが、現在のハードウェアでリアルなレイトレーシングを実行するのは非常に困難だった。RTX GPUはこの処理に特化したハードウェアだ。

ちなみに、暗号通貨の発掘ブームが一段落したおかげでGPUの購入もやや楽になるはずだ。

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滑川海彦@Facebook Google+

Armは進化したモバイルチップのラップトップ適性を確信、向こう二年間が勝負と

世界中のほとんどすべてのスマートフォンやIoTデバイスで使われているチップを設計しているArmが今日(米国時間8/17)、今後二年間のロードマップを発表した。Armがそんなことをするのはこれが初めてだが、その理由はたぶん、同社のチップをラップトップにも持ち込みたいという意欲を、強調するためだろう。

今のところ、Armベースのラップトップといえば、遠く途(みち)半ばだが、でも最近Microsoftは、常時接続のWindowsラップトップという構想でArm方向へ大きく舵を切ろうとしている。それは理論的にはすごいかもしれないが、その一回の充電で一日中動くラップトップは、パフォーマンスでx86チップにかなわないだろう。でもArmは、そのギャップは急速に閉じつつある、パフォーマンスと電池寿命のもっと良いバランスを提供できる、と言っている。

それどころか、ArmのマーケティングプログラムのシニアディレクターIan Smytheは、同社の次世代アーキテクチャをIntelの中級機Core i5と、堂々と比較している(下図)。

Smytheは今日の記者発表の席でこう述べた: “画面の大きなデバイスに映像を満足に表示できるのも、コンピューターの性能アップのおかげだ。そして弊社のビジョンは、これまでのモバイルのイノベーションの力を借りてラップトップのパフォーマンスを上げることだ。そのためにはファウンドリと協力して、今日と明日の最先端のチッププロセスでそのパフォーマンスを実現しなければならない”。

Armが発表したロードマップはそれほど詳細ではないが、でも今年同社はCortex-A76アーキテクチャを製品化するだろうし、そのためにパートナーのファウンドリは10nmと7nmの両方のプロセスを使うだろう。そして来年同社は、Deimos CPUsをローンチするが、こちらはすべて7nmのプロセスだろう。2020年になれば、Herculesプロセッサーを7nmと5nmのプロセスでローンチする(下図)。

それらの裸の計算性能では、A76はIntel i5と競合し、Armは5WのTDPを約束している。単純に物理的な計算性能だけでコンピューターの実用性能が決まるわけではないが、あえてそれを持ち出すのは、Armとそのパートナーたちのラップトップ市場に賭ける意欲を表している。そして同時にまた、スマートフォンもより強力になるのだ。

しかし、Armのプロセッサーが本当にラップトップ市場に食い込むことができるのか? Smytheは、それを確信している: “各回のイノベーションがもたらす破壊的進化により、その都度、新たな機会が作られる。そのときわれわれが有利性を示すことができれば、ラップトップ市場にわれわれの足場が作られて、それが大きくなる。今度のArmデバイス上のWindowsという初の試みも、そんな機会の一つであり、今後のCortex A76ベースのデバイスとその先には、それらがもたらす能力と破壊的進化により、今あるものを超えた機会が開けるだろう”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

VR技術が老眼を救う

目の前1インチのところに仮想現実世界を描いて見せるVR技術が、現実世界のスマート眼鏡を生み出すことになるかもしれない。開発中のデバイスは「Autofocals」という名前で、これを使えば視力の低下によりもたらされる問題を解決することができるよ。深度センサーおよび視線追跡機能を利用して、自力で焦点調節をできない人が、正しく物を見ることをサポートする。スタンフォードの研究者たちが手がけるもので、現在のところはプロトタイプ段階だ。

研究チームのリーダーであるNitish Padmanabanに、バンクーバーで開催されているSIGGRAPHにて話を聞くことができた。彼自身を含む研究チームが、イベント会場にて最新版の紹介を行なっていたのだ。Padmanaban曰く、このシステムは近くのものが見にくくなる「老眼」による不便さを軽減することができるとのこと。老眼には多くの人が苦しんでおり、若い頃に素晴らしい視力を誇っていた人も悩まされている。

もちろん、現在でも乱れたピントを正すために、二重焦点レンズや累進レンズなどがある。これらは焦点を合わせるために光を屈折させるという方法をとる。純粋に光学的な解決策で、値段も安くて便利に使っている人も多い。しかしこの方法では度数も固定され、視野も限られることになる。度数を調整ができる眼鏡も存在するが、利用するには眼鏡横のダイアルを手動で調節してピントを合わせる必要がある。眼鏡を使っている人の目的(見る対象物)に応じて、自動的に対応できるレンズはできないだろうか、というのが本プロダクトのスタート地点であったそうだ。

そうした目的に向かって進み始めたのがPadmanabanおよびRobert Konrad、そしてGordon Wetzsteinだ。現時点のプロトタイプは武骨で、実用にはほど遠いものだ。しかし仕組み自体のもつ可能性については、注目している人も多いようだ。

PadmanabanはこれまでVR系技術の研究をしてきた。その頃から、眼の調節作用(convergence-accommodation problem)について研究してきている。これは(その当時の研究対象でいえば、VRの世界で)遠くを見てから近くを見るときに、焦点が正しく合わないことについて研究するものだ。焦点をうまくあわせられず、目眩や吐き気などを感じてしまう問題だ。VRの世界では10フィートの視点移動もスムーズに行なえないことがあり、そうした中で、見ているものに自動的に焦点を合わせる技術が研究されてきた。そしてこの技術を、現実の世界で焦点を合わせるのに困難を感じる人のために活用してみようというのが、Padmanabanらのアイデアだ。

写真は以前に開発したプロトタイプ

仕組みとしては、まず眼鏡に備えられた深度センサーが利用者の前面に広がる景色を把握する。たとえば14インチ向こうに新聞があり、テーブルは3フィートあちら側、などといった具合だ。そして視線追跡システムが、今現在どこを見ているのかを認識して、見ているものにピントを合わせるわけだ。

20インチより近いところに焦点を合わせにくい人に使ってもらってみたところ、うまくレンズを調節して、みたいものを見せることができたそうだ。

上の具体的ケースでいえば、利用者がテーブルの上や部屋の奥を見ているような場合には、近距離を見るための仕組みを作動させる必要はない。しかし新聞に眼をやった場合、直ちにレンズを調節(右目、左目を独自に調節するのだろう)し、きちんと焦点を合わせることができるようにするわけだ。

視線を検知して、見たいものまでの距離を判断して調節するのに150ミリ秒ほどかかるのだとのこと。これは「流れるように」というわけではなく、利用者にワンテンポの遅れを感じさせるものだ。しかし老眼の人が見る対象を変更して、そして焦点を合わせようとするには3、4倍の時間がかかるのが一般的だ。開発中のデバイスは確かに利用者の役に立つものとなりそうだ。

「Autofocalsは未だプロトタイプ段階ですが、すでに従来の老眼対策の仕組みに対抗し得るものになっており、ケースによっては優位にたつ能力を発揮しています」と、SIGGRAPHで配布されている短い資料には記されている。「自然な感覚で利用することができ、Autofocalsは広く受け入れられることになるでしょう」。

開発チームは現在、本システムの利用に伴うメリットを検証し、またあり得る悪影響や不具合などについてテストしているところだとのこと。まだ商用化には超えなければならない壁が多く残されているが、しかしPadmanabanによればいくつかの企業がこのシステムに興味をもち、そして製品化を有望視しているのだとのこと。実験段階に一段落ついた時点で、詳細な方向性が明らかになってくるのだろう。

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(翻訳:Maeda, H

Chromebookが一般採用の増加を目指してWindows 10とデュアルブートになる?

Chrome OSはこれまでの数年間でずいぶん成長した。しかしまだ、多くの人が自分のデスクトップに載せたいと思うほどの、本格的なオペレーティングシステムではない。しかしある報道によると、Googleはこの状況をなんとかしたいらしい。そのためにまず、Windows 10とのデュアルブートを可能にする、というのだ。

XDA-Developersによると、Googleは今、Chromebookの旗艦機とも言えるPixelbookにMicrosoftのハードウェア証明を取らせるべく、積極的に努力している。その“alt OS mode”(代替OSモード)と呼ばれるプロジェクトはコードネームが“Campfire”で、そう遠くない未来にPixelbookに実装される、と言われている。その後は、もっとさまざまなChromebookがそれをサポートする。

どのデバイスが、Microsoftのかつては遍在的だったオペレーティングシステムをサポートするのか、それはまず、システムのスペックに依存する。MicrosoftはローエンドのシステムでもWindowsが動くよう努力してきたが、しかし今のうんと安いChromebookには、ChromeOSとWindows 10の両方を動かせるほどのストレージの余裕はない。ということは、選ばれるのはWindows 10Sか?

その点、Pixelbookはハイエンド機だから、Windows 10がそれに載るのは魅力的だ。Chromebookのハイエンド機でAndroidアプリも動く、とは言っても、まだソフトウェア的には十分ではない。最近、中国への旅でPixelbookを持参したが、優れたノートブックなのに、ソフトウェアの限界で幻滅を感じることがあった。

これらすべてのローンチは、次のPixel 3の発表イベントで行われる、という説がある。最近はリークの数も増えているから、何かでっかいことをGoogleは計画しているのかもしれない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Nvidiaの新しいハイエンド、TuringアーキテクチャはリアルタイムのレイトレーシングとAIを合体

このところ、Nvidiaの新しいアーキテクチャTuringに関するリークは、サンタクララにある同社の本社が震源だったようだ。それを当然と思わせるかのように同社は、今日のSiggraphのキーノートで、この新しいアーキテクチャと、Quadro系列の一員となる、プロ用ワークステーションのグラフィクスカード3種のローンチを発表した。

NvidiaによるとTuringアーキテクチャは、“2006年のCUDA GPU以来のもっとも偉大な飛躍”だ。相当な大言壮語だが、意外と真実をついているのかもしれない。これらの新しいQuadro RTxチップは、同社の新製品RT Coresをフィーチャーする最初のチップであり、ここで“RT”はレイトレーシングを意味する。それは、光がシーン中のオブジェクトと対話/干渉するときの径路を追跡するレンダリング方法だ。この技術の歴史は、とても長い(AmigaのPOV-Rayをおぼえておられるだろうか)。従来からこの技術はきわめて計算集約的だったが、物をリアルに見せる点では優れていた。最近では高速GPUが並列処理で一度にたくさんの計算をできるようになったため、Microsoftが最近、DirectXにレイトレーシングのサポートを加えるなど、新たな脚光を浴びている。

NvidiaのCEO Jensen Huangはこう語る: “ハイブリッドレンダリングがわれわれの業界を変え、そのすばらしい技術の可能性が、美しいデザインとリッチなエンターテインメントと、充実した対話性で、私たちの生活を豊かにするだろう。リアルタイムのレイトレーシング*の到来は長年、われわれの業界の見果てぬ夢だったのだ”。〔*: レイトレーシングのリアルタイム化。〕

この新しいRTコアはレイトレーシングをNvidiaの従来のPascalアーキテクチャに比べて最大25倍高速化し、Nvidiaが主張する最大描画速度は毎秒10 GigaRaysだ(下表)。

Turingアーキテクチャによる三つの新しいQuadro GPUは、当然ながら同社のAI専用ユニットTensor Coresと4608基のCUDAコアを搭載し、最大毎秒16兆の浮動小数点数演算と、それと並列に毎秒16兆の整数演算を行なう。そのチップは作業用メモリとしてGDDR6メモリを搭載し、NvidiaのNVLink技術によりメモリ容量を96GB 100GB/sまで増強している。

AIの部分は、いまどき当然であるだけでなく、重要な意味もある。Nvidiaが今日ローンチしたNGXは、AIをグラフィクスのパイプラインに持ち込むための新しいプラットホームだ。同社はこう説明する: “NGXの技術は、たとえば、標準的なカメラフィードから超スローなスローモーションの動画を作りだすなど、これまでは10万ドル以上もする専用カメラにしかできなかったことをする”。また映画の制作現場は、この技術を使って容易にワイヤを消したり、正しいバックグラウンドで欠けているピクセルを補ったりできるそうだ。

ソフトウェアに関しては、Nvidiaは今日、同社のMaterial Definition Language(MDL)をオープンソースにする、と発表した。

今すでにTuringアーキテクチャのサポートを表明している企業は、Adobe(Dimension CC), Pixar, Siemens, Black Magic, Weta Digital, Epic Games, Autodeskなどだ。

もちろんこれだけのパワーには、お金もかかる。新しいQuadro RTX系列は16GBの2300ドルが最低価格で、24GBでは6300ドルになる。倍の48GBなら、約1万ドルだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

June、スマートオーブンの新モデル発表――599ドルに大幅値下げ、低温から高温までソフトウェアがベストの調理

2016年にJuneがスマートオーブンをリリースしたときは、機能について高い評価を得た一方で、ある重要な点で問題を指摘された。つまり値段があまりにも高かった。革命的なジューサーという触れ込みで多額の資金を調達して登場した後でひどい失敗に終わったJuiceroと比較された。ある記事は「シリコンバレーの悪いところの代表」とまで評した。

これは明らかに言い過ぎだ。機能に問題があったJuiceroとは違い、Juneのオーブンには期待すべき点が多数あった。しかし価格となると…。

そういう次第で、Juneのスマートオーブンの新モデルは価格に重点を置いている。今回も安くはない。しかしオリジナル・モデルの1500ドルという超高額な値札からすれば大幅に安くなった。第2世代のJuneのスマートオーブンは599ドルからだ。さらに今回は期間限定で1台100ドルの割引がある。高性能なオーブンを探しているなら今がチャンスかもしれない。

第2世代の製品は批判を受けて戦略を修正したように見えるが、共同ファウンダー、 CEOのMatt Van HornはTechCrunchの取材に答えて、「価格引き下げは当初からの計画だった」と述べた。

Van Hornは「〔この価格は〕外部からの影響ではない。当初からの計画だった。われわれの最初のオーブンはいわばTeslaロードスターのような製品だと説明してきた。今回のオーブンはModel Sだ」という。

Teslaとの比較が当を得ているかどうかはともかく、 Juneはオリジナルモデルでユーザーから貴重なデータを集めることに成功した。旧モデルは新しいモデルに道を譲って退場することになる。大幅に値下げされても本質的な機能は前モデルと変わりないという。

低価格のオーブントースターと599プラスのスマートオーブンの違いはどこかという質問に対して、Van Hornは「われわれのオーブンは、人々が普段オーブンで作っていなかったような料理を作ってみようと意欲をかきたてる製品だ。たとえば誰もステーキをオーブンで焼こうとしなかった」と答えてた。

私はGoogle Hangoutのビデオチャットで取材していたのだが、この時点でVan HornはJuneオーブンでステーキを焼き始めていた。

このスマートオーブンには100種類のレシピがプログラムされており、伝統的なオーブン料理と考えられているもの以外に多彩な調理が可能だという。コンベクションオーブンであるのはもちろん、スロークッカー、トースター、グリラー、保温器、乾燥機にもなる。パン生地の発酵や高温空気による揚げ物、エア・フライもできる。コンパクトで多機能なので狭いキッチンや大学の寮の部屋にも適している。テイクアウトを温めるのにも良い――もちろん600ドルの出費は痛いが。

このオーブンはカメラを内蔵しており、AIが食材を認識しレシピによって炭素繊維ヒーターが適切な温度まで予熱を開始する。Juneによれば平均的なオーブンに比べて3倍もスピーディーに調理ができるという。食材をAIが認識するという機能の実用性については正直私は懐疑的だが、レシピを探して延々とタッチスクリーンをスクロールする手間を軽減してくれるという効果はあるかもしれない。またオンボード映像はリモートで見ることができるので調理の仕上がり具合を専用アプリから確認できる。

それからこのオーブンはAlexaをサポートしている。

またこのオーブンのソフトウェアはWi-Fi経由で随時アップデートされる。つまり超高額の前モデルのオーナーも最新のソフトウェアをインストールできるわけだ。

599ドルにはオーブン本体に加えて専用オーブンパン、ロースト網、トレイが付属する。延長保証、3年分のレシピ・アップデート、それにエア・フライ用バスケット3個のセットは200ドルで別売となる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Teslaが自動運転車用のAIチップを内製している、計算性能はNvidiaの10倍

“これについては、最近の2〜3年間、ややステルスだった”、と今日(米国時間8/1)の決算報告でElon Muskは述べた。“でもそろそろ、猫を袋から出してよいころだろう”。

その猫とは: ‘Teslaコンピューター’だ。“Hardware 3”とも呼ばれるそれは、Tesla製のハードウェアで、Model S, X, そして3に搭載され、これらの車の自動運転能力を大きく前進させる。

Teslaはこれまで、NvidiaのDriveプラットホームに頼ってきた。なぜ、今、それを変えるのか?

Teslaによると、内製することによって同社独自のニーズにフォーカスでき、効率をアップできる。

“自分でやることの利点は、自分のニューラルネットワークについて、今後のことも含め、いちばんよく知ってるのは自分だ、ということ”、とHardware 3プロジェクトのディレクターPete Bannonは語る。そのBannonによると、ハードウェアのアップグレードは来年始まる。

Elonが言葉を足す: “重要なのは、ニューラルネットワークを、基本的なベアメタルのレベルで動かすことだ。そういう計算は、回路本体の中で行なう。エミュレーションモードなどでは、だめだ。それなら、GPUやCPUの仕事だ。大量の計算をするために、メモリーが必要になる”。

Elonが語るその最終結果は、相当ドラマチックだ。TeslaのコンピュータービジョンのソフトウェアはNvidiaのハードウェアではおよそ200fpsを扱えるが、専用チップなら2000fpsは行ける。しかも、“十分な冗長性とフェイルオーバーを伴ってね”。

また、AIアナリストのJames Wangによると、Teslaが自分の未来を自分自身でコントロールできるようになる:

[動機はAppleのSoC内製と同じで、競合が始まる前に競合に大きく勝っておくこと。]

内製することによって、重要なチップを完全に自分のニーズに合わせられる。なにかアップグレードが必要になっても、ハードウェア屋さんが対応するのを待たずに、自分ですぐに直せる。もちろんそれは、簡単にできる仕事ではないが、採算内で完成すればその経営効果は大きい。Elonは経費について、現在のそのほかのハードウェアと同じだ、と言っている。

既存のTeslaに載せる件については、Elon曰く、“コンピューターを容易に交換できるように作ってある。だから、単純に差し替えるだけだ。古いのを抜いて、新しいのを差し込む。コネクターの互換性は、完璧だ”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

8月10日出荷のGalaxy Tab S4を解剖する――Samsungはタブレットとノートの完璧な2役を期待

 

コンバーチブル型タブレットは困難なマーケットだ。スタートしてから数年たつが、ジャンルをまたいで優秀なノートパソコンと優秀なタブレットの二役をこなせるデバイスを開発することにはまだ誰も成功していない。しかしタブレットの普及が一巡し需要が頭打ちになっている現在、これが唯一成長を期待できるセグメントとなっている。SamsungはTab S4で難しい開発に果敢に挑戦した。

成否は別として、Tab S4はコンバーチブル型タブレットというカテゴリーへのもっともアグレッシブなアプローチといっていいだろう。 Samsungではこの製品はタブレットとノートパソコンの両方の役割を十分に果たせる――少なくともある種のユーザーのニーズは完璧に満たすと確信している。製品の価格は650ドルからとなっている。

パソコンモードのOSは既存のDeXをリニューアルしたものだ。以前はスマートフォンのドッキングステーションだったが、S4では新しいプラットフォームの名称となった。このDeXがTabのコンバーチブルの多様な能力のカギだ。S4は単独で使用されるときは通常のAndroidモードだが、キーボードケースを接続すると自動的にDeXモードにスイッチされる。

これは興味深い戦略だ。パソコンモードのOSならWindows 10、Chrome OSその他いくつかの選択肢がある。しかしSamsungはAndroidのドッキングステーションとして出発したDeXに賭けた。

なぜだろうか? 理由(少なくともその一部)は開発の自由度にあったのではないかと思う。たとえばWindows 10はMicrosoftのOSであり、利用者は多くの機能の実装をMicrosoftに頼らねばならない。Androidで作動するGalaxyブランドのスマートフォンのアプリとユーザー体験を一貫させるにも障害となる。しかしDeXベースであれば、SamsungはOSを自分の好きなようにできる。つまりGalaxy NoteのセールスポイントであるS-Penを使ったAir Commandインターフェイスなども自由に実装できる。

私は最近の中国出張でコンピューターとしてはChromebookだけを持っていったので体験から証言できるが、デスクトップに最適化されていないモバイルアプリを使って仕事をするのは大変だ。不可能ではない。しかし非常に煩わしい制限を感じることになる。

たとえばアプリが小さい窓でスタートする。フルスクリーンに切り替えることはできるが、そのつどリスタートさせる必要がある。 この10.5インチの場合、デスクトップモードとモバイルモードの差は、たとえばPixelbookほどではないだろうと思う。しかし解決しなければならない問題はかなり残っているはずだ。その一つは、Google Play StoreはあくまでAndroid向けであってデスクトップ向けではないという点だ。そのためデスクトップで重要な役割を果たしている多くのアプリが利用できない。私はAudacityの代わりを務められるChromebookのオーディオ・エディターを探し回ってえらく時間を使ってしまった。13時間の空の長旅の間にポッドキャストを編集しておこうと思ったのだ(こう言うと「今そういうアプリを開発中だ」というデベロッパーからのメールが800通くらい来そうだが)。

この方面で朗報はSamsungはいくつかの有力なデベロッパーと提携してアプリ・メニューのセクションに“App for Samsung DeX”のセクションを追加したことだ。中でも注目はMicrosoftが加わっている点で、S4でDeX版のOfficeが利用できるようになる。他にもTripadvisorのような人気アプリが登場するはずだ。ただしゲームに関しては、ほとんどの場合、モバイル版で我慢することになるだろう。

Tab S4はSamsungのプロダクトのいいとこどりをした製品だ。 Galaxy TabにDeXベースのOSが付加され、S-Penも使える。このスタイラスは10.5インチのフォームファクター向けに大型化、最適化されている。キーボードケースのサイドにはS-Penを保持するスロットがあるのはナイスタッチだ。Samsung自身の製品も含めてスタイラスが付属する製品にはホルダーがないことが多く、スタイラスを失くしやすかった。こういう製品では使わないときペンをどこに収納しておくべきか私はいつも悩んでしまう。

Air CommandsがAndroidでも使えるようになり、動くGIFイラストをサポートするLive Messagesもやってきた。不思議なことにDeXモードでは使えなくなってしまう。しかしSamsungに尋ねたところ、この問題には気づいており、対策を検討しているということだった。

もうひとつ特徴的なのは、キーボードケースにトラックパッドが欠けている点だ。カーソル移動などの操作は画面タッチとペンで行うのがS4の基本だ。慣れてしまえばこれで問題ないと思うが、当初、頭の切り替えに苦しむかもしれない。われわれはキーボードのホームポジションに指を置くと、習慣で(そこにない)トラックパッドを探してしまう。

キーボード自体は(少なくともタブレット付属版としては)上出来だ。 実のところ、私はSurfaceのような指にもっとかっちりしたフィードバックを感じられるタイプの方が好みだ。S4の場合ソフトなのはよいが、スプリングっぽい感触がいまいちだ。私はメインのノートパソコンをS4に置き換える予定は当面ないが、それは私が大量の文章を書く職業的ライターだからだ。タイプ入力がFacebookへの投稿やメール程度の使い方ならこのキーボードで十分実用になるだろう。

もうひとつ付け加えると、このキーボードケースはしっかりした作りで、膝の上に載せてタイプできる。他のコンバーチブルのように潰れてしまうことがない(Surface Go、しっかりしてくれ)。

バッテリーも7300mAhと十分な容量がある。Samsungでは16時間連続でビデオ再生ができるとしている。Appleが10インチのiPad Proの駆動時間を10時間としていることから考えるとこの数字はいささか楽観的だと思うが、どんな長いフライトでも保つことは確かだ。

その他のスペックも健全なものだ。CPUは8コアのSnapdragon 835、RAMは4GB、ストレージは64か 256GBが選べる。 またmicroSDスロットがあってストレージを拡張できる。また(当然キャリヤ契約が必要だが)LTE接続を内蔵したモデルもある。通常の利用で困るような場面はまずないだろう。

ただし他の機器との接続性は頭の痛い問題だ。S4にはキーボードを接続するPogoドックとUSB-Cポートが一つあるだけだ。ノートパソコンを置き換えようとすると多くの周辺機器の接続に困難を感じることになる。もちろんBluetoothでマウスなどを接続することはできる(実際SamsungはGalaxy Tab向けにそういうマウスを用意している)。

WiFi版とVerizon LTE版のTab S4は8月10日に出荷される。 Sprint、US Cellularなど他のキャリヤのモデルも9月末までに揃うはずだ。価格はキャリヤによって異なることになる。

Galaxy Tab S4はコンバーチブル・タブレットの決定版というわけではない。Samsungはそう望んでいるかもしれないが、ノートパソコンを完全に置き換えることができる製品ではない。しかしコンバーチブルというジャンルに新しいパラダイムを作り出す野心的な試みであることは確かだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

JBL、Googleスマートディスプレイの予約受付開始――250ドルで生活防水仕様

LenovoがGoogleアシスタント搭載のスマートディスプレイを発売したのは1週間前だが、ライバルも着実に追いついてきた。今日(米国時間8/1)、JBLは249.95ドルのJBL Link Viewの予約の受付を開始したことを発表した。出荷は来る9月3日が予定されている。

JBLのデザインはLenovoとは(近く発売されるLG WK9とも)やや異なる。ただし機能の点ではいずれもほとんど同一だ。Link Viewのディスプレイは8インチのHDで、Lenovoより小さい。10インチ版は用意されない。しかし10Wのスピーカーを2台装備し、BluetoothとGoogleのChromecastをサポートする。

JBLによれば、このスマートディスプレイはIPX4等級の生活防水仕様だという。つまりキッチンで料理を作りながらYouTubeでレシピを見ても安全だ。また前面に5メガピクセルのカメラがあり、ビデオチャットに使える。プライバシースイッチによりカメラとマイクの機能を停止することが可能だ。

JBL、Lenovo、LGはGoogleアシスタント搭載のスマートディスプレイを今年のCESで発表していた。いち早く製品を出荷したのはLenovoで、ハード、ソフトとも高い評価を得ている。LGのWK9の出荷時期はまだ不明だ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Googleは企業の現場労働者たちにも気軽なコンピューターとしてChromebookを使わせたい

Googleの社内には“Grab and Go”〔仮訳: 手に取ったらすぐ使え〕プログラムというものがあって、社員たちは上図のようなセルフサービスのコーナーへ行ってChromebookを勝手に借りて使ってよい。ITの面倒な承認プロセスは要らない。そしてこれからは、ほかの会社でもそれができるのだ。

Chromebookは教育に自分の世界を見つけたが、しかし最近では大企業が、主にブラウザーだけを使う集中管理型デバイスとして、これに目をつけ始めた。つまり学校も企業も、同じようなデバイスを求めていたのだ。

Google社内では、これまで3万名あまりの社員がのべ10万台あまりの貸し出しを利用した。

Googleは他社にも同じことをしてもらいたいが(そして多くのChromebookを使って欲しいが)、現状ではまだ一定のプレビュー事業なので、Googleはまだ、上図のラックのようなものは売っていない。Googleによると、やってみたい企業にはそのためのシステムのオープンソースのコードを提供し、セットアップとデプロイのやり方も教えるそうだ。また、どこかとパートナーしてハードウェアも制作〜提供し、あるいは‘Grab and Go’をサービスシステムとしてセットアップさせるつもりだ。

社内に置かれた‘Grab and Go’のコーナーというかステーションを使いたい社員は、単純にラップトップを一台手に取り、記帳し、使い始めればよい。使い終わったら、返却する。とっても簡単だ。

Google自身がChromebook用のラックを作って売るという、すごい話ではないが、企業にChromebookを売ろう、というプロジェクトではある。とくにねらっているのは、短時間気楽にデバイスが使えればそれでいい、というタイプの現場労働者だ。シフト労働者やリモート労働者も、そんなChromebook族に含まれる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Microsoft、Surface Goを発表――399ドルと低価格、出荷は8/6

Surfaceに新製品が投入された。これはビッグニュースだが、Microsoftはかなりわかりやすいヒントを出していた。また、この数ヶ月、何かと噂になっていたし、FCC〔連邦通信委員会〕 からデバイスとしての承認を得たときのスペックもリークしていた。結局こうした噂は基本的な部分で当っていた。

というわけでMicrosoft Surface Goを紹介する。このモデルは 399ドルからとSurfaceシリーズで価格がいちばん安い。Surface Proの799ドルのほぼ半額だ。なにより重要なのはこれで329ドルからの9.7インチiPadの価格帯にほぼ重なったという点だ。これまでSurfaceはiPadとまったく異なった製品クラスに属しており、アクセサリー類もハイスペックで、デザイナーなどクリエーティブなプロを主なターゲットとしてきた。これはiPad Proに近かったかもしれない。

Surface Goはタブレット専用モデルと2イン1のコンバーティブルとの中間に位置するモデルだ。スペックが若干低いのはこの価格帯を実現するためだったのだろう。しかし大多数のユーザーにとってはサイズが最大の関心かもしれない。このモデルに何を望むかによって違ってくるのはもちろんだが、10インチ・ディスプレイは十分なサイズの場合も多いだろう。

デモを取材したとき、Microsoftは小ささを強調するためにハンドバッグから取り出して見せた。日頃持ち歩くハンドバッグのサイズにもよるのですべてのユーザーに当てはまるとは限らない。Goは520グラムでたしかに軽量だ。ただしSurfaceがスマートフォンサイズになることを期待していたのならあまり息を詰めて待たない方がいい。Goは小型軽量ではあるがスマートフォンではない。

利用のターゲットについてはMicrosoftは万人向きと考えているようだ。Windows環境に以前から親しんでいる層には、小型ながら相当に高機能のハードウェアであらゆるアプリが利用可能となるのはメリットだろう。メモリは4GB/8GB、ストレージは128GB/256GBが選べる。ログインには Windows Helloによる顔認識ソフトも使える。

ただし、この点はiPadも同様だが、複雑なオフィス業務や大量にタイプ入力が必要な用途にはSurfaceは向いていないと思う。そういう仕事に適した低価格のWindowsノートはいくらでも市場に出ている。昨年、Microsoftがわずか189ドルでChromebookのライバルを発表したことを覚えているだろうか?

Goのフットプリントは小さく、したがってコンビネーションとなるキーボードも小さい。これは大量の入力には不向きだ。Microsoftのセールス担当者はノートはパソコンとしても使えると力説していたが、理想的とはいえないだろう。一方、飛行機の座席の背もたれから引き出すテーブルにはピタリのサイズだし、バッテリー駆動時間も9時間があるのでたいていのフライトでは充電なしでも使えるはずだ。今のところキーボード兼用ケースは製品にバンドルされていない。これが必要なら99ドルで別売となる。

その他気づいた点をいくつか。Surface独自規格の接続ポートは残されていた。すべてのポートがUSB-CになっていくトレンドにもSurfaceから独自ポートが廃止されるのではないかという観測にも反する結果となった。充電ポートはUSB-CだがSurface Connectはレガシー・デバイスをサポートするために残されたのだという。多くのユーザーにとって新しいSurfaceはすでに二代目、三代目になるはずなのだが。

Surface Goの出荷は8月6日になる。OSは標準でWindows 10 Sを搭載する。つまりMicrosoftは教育市場を重視していることを強く示唆する。それでもこの価格は平均的な公立学校には手が出ないかもしれない。しかし全員にiPadを購入できるような予算がある学校の場合は歓迎すべき価格になるだろう。

10 Sの制限を受けたくない場合は標準のWindowsに切り替えることができる(これは一度だけ可能)。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Samsungがインドに世界最大のスマートフォン工場をオープン、現地生産のメリット最大化を目指す

今週Samsungは、世界で二番目に大きいモバイルフォーン市場に、世界最大と称する工場オープンした。2020年に拡張工事が完了すると、その工場のある工業団地都市Noida(New Okhla Industrial Development Authority)の規模はほぼ倍増し、インドのスマートフォン生産能力は現在の年産6800万台から1億2000万台にアップする。

エレクトロニクスの巨大企業Samsungは、1996年の最初の工場の開設以来10年あまりスマートフォンを生産しているが、競合企業の多くはインド市場にそれほど積極的ではない。たとえばAppleはiPhone 6Sの生産の試行を開始したが、それまではiPhone SEの小規模な生産をしていただけだ。

生産の現地化は雇用をもたらすだけでなく、デバイスの生産コストも下げる。“Make in India”イニシアチブを掲げるインド政府も、当然ながらSamsungの発表を歓迎している。オープニングセレモニーにはモディ首相も出席し、韓国大統領ムン・ジェインも、彼の故国の最大の企業を代表して出席した。

Samsung IndiaのCEO HC Hongがプレスリリースで述べている: “弊社のNoida工場は世界最大のモバイル工場であり、Samsungのインドへの強力なコミットメントのシンボルであり、政府の‘Make in India’プログラムの輝かしい成功例である。Samsungはインドの長期的なパートナーある。弊社は‘Make in India’(インドで生産)し、‘Make for India’(インドのために生産し)、そしてこれからは‘Make for the World’(世界のために生産)していく。弊社は政府の政策と歩調を合わせ、インドをモバイルフォーンのグローバルなエキスポートハブにする、という夢の実現に向けて、政府の支援を継続的に求めていきたい”。

インドは、スマートフォンの巨大な成長市場だ。昨年同国はアメリカを抜いて、中国に次ぐ世界第二位の市場になった。現地生産へのコミットメントは、今Xiaomiに次いで世界第二位の生産台数に甘んじているSamsungの今後に、多くのものをもたらすだろう。

画像クレジット: Samsung

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Microsoft、新Surfaceを明日にも発表へ――iPad対抗のエントリーモデル投入か?

MicrosoftはSurfaceの新モデルの発表をまだ行っていないが、公式アカウントからのツイートはほぼそれに近い。Microsoftは「新しいSurfaceはどんなものになるのか?」という誰もが抱く最大の疑問をツイートした。添付写真にはSurfaceの現行ラインナップが写っっている。Surface Pro、ノートタイプのSurface LaptopとBook 2、それにスイベルに乗ったオールインワンタイプのSurface Studioだ。

愉快なヒントはそれぞれのモニターに写っている日時だ。すべて7月10日6:00を示している。ビッグニュースは明朝6時〔日本時間7/10 22:00〕に公開されるのだろう。それでは新Surfaceは具体的にどんなものになるのか? 写真には現行モデルの全シリーズが勢揃いしているところから考えて、まったく新しいモデルが登場する可能性は十分ある。

低価格機の噂は数ヶ月前から出ている。5月にはiPadに直接対抗するための低価格モデルが発表されるという情報も浮上 ( )していた〔surfaceと「浮上」のダジャレ〕。プロダクト・ポートフォリオの簡単からいえばこれは妥当な戦略だろう。他の噂としては、独自規格のSurfaceコネクタを廃止してUSB-Cに換えるとか筐体の角を丸めるなどの情報も出ている。

これまでSurfaceシリーズのターゲットは主としてクリエーティブなプロだった。 そのため価格はタブレットのカジュアルユーザーにとってはややハードルが高いものとなっていた。タブレット市場の需要が頭打ちぎみな上にAppleがiPadに低価格モデルを投入したことでMicrosoftには一層の圧力がかかっている。

2週間ほど前から新しい低価格モデルについてさらに情報が出ている。こちらは予想されるスペックで、ローンチ日付は今週の金曜と予想していた。こちらはFCCがSurfaceのエントリーモデルを認可したという記事だ。

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強力なDIYボードUDOO BOLTは小さいけどMacやPCを超えてワークステーション並の性能

この前会ったときのUDOOは、Raspberry Piを使った強力なDIYボードで、多くのポートがあり、良いプロセッサーを選び、いろんな機能を用意していた。そして今日(米国時間7/3)彼らが発売したUDOO BOLTは、“AAA(スリーA)ゲーム”を動かせると称するDIYボードで、AMD Ryzen Embedded V1202B 3.2 GHz SoCプロセッサーとRadeon Vega 3グラフィクスカードを搭載している。Arduinoと互換性があるので、ロボティクスをはじめ、さまざまな電子工作プロジェクトをこれに接続できる。

BOLTに大量のRAMを載せれば、作者たちに言わせると、“Intel i5を搭載した13インチのMacBook Proの2倍、Mac Miniの3倍のパワーがある”そうだ。これだけでほとんど完全なコンピューターだから、ケースに収めてUSBキーボードや、マウス、モニタ用のHDMIなどがあれば、ミニ・ワークステーションになる。BOLTは4つのモニターをドライブでき、内二つは4KのHDMI、二つはUSB-Cだ。LinuxやWindowsを、動かせる。

発売は2018年12月を予定している。Kickstarter上で、スターターキットは298ドル、電源と4GBのRAMがある。8GB RAMでSATAとワイヤレスをサポートするタイプは、409ドルだ。

DIYボードにこれだけのプロセッサーとグラフィクスを載せるのは、やり過ぎだろうか? もちろん、やり過ぎだ。でもこのシステムは実験やオンザフライの設計用を想定しているから、商業用やワークステーションとしても十分使える。しかも、すごくポータブルだから、学校のデスクに数台置いて、子どもたちに好きなことをやらせるのも良いね。この、ピーナッツバターやジェリービーンズのパッケージぐらいのサイズのマシンで、VRゲームを楽しむこともできる。

UDOOのチームは長年、Raspberry PiやArduinoにいろんなものを足すことを仕事にしてきたから、ベーシックなボードをさらにさらにパワフルにすることのエキスパートだ。初期のモデルでもAndroidの上でドローンや多足ロボットを動かせたから、今度の強力な新製品は特級品だ。

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改造機のマーケットプレースBack Marketが$48Mを調達…スマートフォン市場の成熟で成長企業に

古いスマートフォンを改造機/改装機のWebサイトで売ろうとしたら、タブをたくさん開いて買い取り値段を比較することになるだろう。そこでフランスのBack Marketは、この断片化した産業をなんとかすべく、すべての改造機屋さんが集まれるマーケットプレースを作り、一箇所であらゆるニーズが満たせるようにした。

同社は今日、4800万ドルを調達した。投資家は、Groupe Arnault, Eurazeo, Aglaé Ventures, Daphniなどだ。

5月に取材したときは、同社に270あまりのファクトリーが登録している、と言った〔たぶん170の間違い〕。Back Marketが3年間に扱った商品総額は、1億1000万ドルを超えている。今サービスの供用地域はフランス、ドイツ、スペイン、そしてイタリアだ。アメリカにも、最近進出した。

協同ファウンダーでチーフクリエイティブオフィサーのVianney Vauteはこう言う: “改造機は一部のテクノロジーマニアのものだったけど、Back Market以降は一般消費者の一般的な代替機だ”。

複数のファクトリーとパートナーしていると、価格や故障率、品質保証などが良い方向へ揃っていく。選ぶパートナーは、その質で厳選している。このマーケットプレースに参加したいスタートアップは、消費者が信頼するブランドを築く必要がある。

いちばん突出している製品はスマートフォンとラップトップだが、ほかにゲーム機やテレビ、ヘッドホン、コーヒーマシンなども扱う。Apple自身が改修したApple製品も売っている。

今のスマートフォン市場は成熟市場なので、ぴかぴかの新品でなくてもよい、というお客は多い。昨年や一昨年の機種でも、十分に使えればそれでよい、という。そんな今の時代は、Back Marketにとっても、改造機産業にとっても、ビッグな機会だ。

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Oculusのファウンダー、パーマー・ラッキーのAndurilが一歩前進――AI/VRでメキシコ国境の越境者探知に成功

Oculus VRのファウンダー、パーマー・ラッキーの防衛産業におけるスタートアップ、ステルス・モードから半歩踏み出した

ラッキーがAnduril Industriesを創立してほぼ1年になるが、この間何回かの公式ツイートとWiredの好意的な紹介記事や以外にこのスタートアップは秘密のベールに包まれていた。州の記録によれば、同社は2017年6月にオレンジ・カウンティーでパーマー・ラッキー、Oculusの初期のハードウェア責任者、Joe Chen、3人の元Palantir社員(Matt Grimm、がCOO、Trae Stephensが会長、Brian SchimpfがCEO)によってひっそりと創立された。

一般のテクノロジー・スタートアップとは異なり、防衛産業では秘密のうちに活動するのが普通だが、新たな投資家や政府契約を得るためにそのテクノロジーにときおりスポットライトを当てる必要がある。2017年にTechCrunchではAndurilが「戦場での認識力増強に役立つAR/VRを開発中」だと紹介している。

Wiredの記事 にもあるように、Andurilはメキシと国境監視システムをLattice(格子)と名付けている。このシステムは既存のデバイスやセンサーを利用するためハイテクだがローコストだ。現在提案されているコンクリートの壁の構築に比べて大幅にコストを圧縮できるという。Latticeは全体がネットワーク化され、収集されたデータをAIシステムが処理して人間の侵入を検知する。侵入者はモニター画面に緑枠のボックスでハイライトされ、税関国境警備局にリアルタイムで通知される。

Andurilはこのシステムをテキサスの私有地で2018年からテスト中だ。テキサス州選出の下院議員、 Will Hurdと国境付近の牧場の所有者の協力を得ている。第2のテストサイトではDHSと国境警備局が協力しているという。

Wiredの紹介によれば、12日間の予備的オペレーションで効果が確認されている。Latticeはテキサス南の国境で越境者55人を逮捕し、サンディエゴのサイトでは10件の越境を阻止したという。

Andurilの2番目のプロジェクトはSentry(歩哨)と呼ばれ、 カリフォルニアで火事の消火にあたる装甲車スタイルの自動走行車両だ。MythBusters〔「怪しい伝説」〕で有名なジェイミー・ハイネマンがAndurilと契約してオークランドで開発に当っているようだ。このリモコン装甲消防車は、Wiredによれば「放水や操縦はまったくビデオゲームそのまま」の感覚だったという。

創業当初のプロフィール情報に加えて、 Andurilはウェブサイトをアップデート し、文言を多少入れ替えたり、ファウンダーの略歴を掲載するなどしている。またテクノロジーを中心とした世界の軍拡競争に遅れを取らないよう備えることをミッションとして挙げている。

中国とロシアの指導者の発言を見るだけで明らかだが、これらの国はテクノロジーの優越性を目指しており、将来の戦いに勝つために巨大なりソースを投入している。また最高の人材をこの目的のためにリクルートしている。

われわれはこれにならう必要があり、またこれを実行するだろう。

すでにわれわれも報じたとおり、Andurilはトランプ政権と密接な関係を維持している。テクノロジー分野の有力投資家のピーター・ティールの同僚でAndurilの共同ファウンダーであるTrea Stephens(Stephensは新政権の政権移行チームに加わり国防省の調達プロジェクトを担当したことがある)とラッキーは大統領選挙でトランプ候補の熱心な支持者だった。 Andrulisは2017年にロビー活動費用として、著名なInvariant社を通じて 8万ドルを支出している。2018年には6万ドルだった。

Andurilのプロジェクトはトランプ政権が提唱する物理的な「壁」とはコンセプトが異なるものの、パイロット・プログラムは成功だったようだ。これは連邦政府から契約を得るうえで追い風だろう。

画像:John Moore / Getty Images

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Tesla、社員9%をレイオフ

Electrek firstはTeslaが社員の9%のレイオフを決定したと報じた。これは先月、四半期決算を説明するカンファレンス・コールでイーロン・マスクが説明したリストラの一環だ。レイオフは月曜に始まり、今日中に公表されるもようだ。

SolarCity事業も傘下に持つTeslaがレイオフするのはホワイトカラー社員のみで、現場の製造要員は対象になっていない。同社はModel 3の生産増強に全力を挙げている。

Teslaのファウンダー、CEOのイーロン・マスクが社員全員に向けて送ったレイオフを説明するメールをTechCrunchは入手した。このメールには「われわれがこの決定に至ったのは、いくつかのきわめて重要な要素、あるタスクを達成する上での効率性、生産性、また個々の社員についての特定の能力、技能のレベル等を評価した結果による。すでに知られているとおり、われわれは 管理階層の簡素化を引き続き進めていく。これにより、社内コミュニケーションを改善し官僚主義を排して、よりすばやく行動できるようようにしていく」と述べられている。

Teslaが2016年にSolarCityを買収したとき従業員数は3万人に増加した。2017末のTeslaの従業員総数は3万7000人だった。

今年2月にTeslaはDIYの全国チェーン、Home Depotと契約を結び、同社の800店舗でソーラーパネル、PowerWallの販売を始めている。しかしTeslaはこの契約を更新しないと報じられている。つまりHome Depotで働いていたTesla社員は今後必要とされないわけだ。マスクは今回のメールで「〔これらの社員は〕Tesla自身の販売チャンネルに移る機会を与えられる」と説明している。

今回のリストラの目的は黒字化の達成だ。直近の四半期にTeslaは売上額でも損失額でも新記録を達成してしまった。2018年第1四半期のTeslaの純損失は7億8460万ドル(1株あたり4.19ドル)だった。

〔日本版〕原文にはマスクの社員向けメールの全文が掲載されている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Intelが28コアのシングルソケットチップを今年の終わりごろローンチする

Intelは日に日に強さを増すAMDやQualcommからのプレッシャーを痛感しているし、Apple が独自のチップを開発してMacのIntelプロセッサーをリプレースするという報道が事実なら、競争はさらに激化するだろう。先週、Computexの前のEngadgetのインタビューで、IntelのクライアントコンピューティングのヘッドGregory Bryantは、Intelは昨年の真打ち18コア36スレッドのi9-7980XEよりももっとすごい、強力なチップを発表するだろう、と述べた。

今日(米国時間6/4)台湾の台北で行われたComputexにおけるIntelのキーノートは、今後のローンチのプレビューに終始したが、Bryantによれば、今年の後半にはシングルソケットのプロセッサーで、なんと28コア5GHzというものを発表するそうだ。至近の競合機種としてはAMDのThreadripperが思い浮かぶが、こちらは16コア32スレッドだ。

Bryantは、そのデビューは今年の第四四半期と言ったが、価格は公表しなかった。i9-7980XEは今1999ドルだから、それより高いことは確実だろう。

Intelは、新たな限定版チップi7-8086Kをリリースした。こちらは5.0GHzでこのチップとしては記録更新だが、ご先祖x86プロセッサーを記念する製品で、その最初の8086基は早いもの勝ちの無料で提供される。

Coreプロセッサーの第八世代(i10)、ニックネームWhiskey Lakeの計画も、発表された。Intelの14ナノメートル技術を使用し、軽量ラップトップ向けに設計され、バッテリーやファンのスペースを横取りしないそうだ。もうひとつのAmber Lakeチップシリーズも14ナノメートルで、超薄型ラップトップやタブレット用、という。

そのほかの発表は、Optane SSDのアップデート機905P、こちらはより小さいM.2のデザインで最大1.5TBを提供する。

チップ以外ではIntelは今、Sprintとデバイスを共同開発中だそうだ。そのハードウェアパートナーはAcer, ASUS, Dell, HP , Lenovo, Microsoftで5Gのネットワークに対応。ローンチは来年だ。

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ディープラーニング専用チップのHailoが$12.5Mを調達、従来型CPUの数倍の性能を達成

これまであまりにも長く、チップは退屈な話題だった。でもでディープラーニングというコンピューティングの革命のおかげで新しい市場が開け、スタートアップがディープラーニングとモデルの計算を加速する専用チップを作って、売ることができるようになった。イスラエルのHailoもそんなスタートアップのひとつで、同社は組み込みデバイス用のディープラーニングチップを作っている。同社は今日(米国時間6/5)、シリーズAで1200万ドルの資金を調達した。

投資家はイスラエルのクラウドファンディングプラットホームOurCrowdのほか, Maniv Mobility, Next Gear, それに複数のエンジェル投資家で、その中にはHailoの会長Zohar Zisapel, Delek MotorsのGil Agmonらがいる。

これでHailoの調達総額は1600万ドルになるが、資金はもっぱら今後のディープラーニングプロセッサーの開発に充てられる。同社の予測では、最初の製品のサンプルを市場に出せるのが2019年の前半だ。それらのチップは主に、ドローンや自動車、各種スマートホーム製品、カメラなど多様なデバイスの、組み込みAIアプリケーションを駆動する。

しかしHailoの主力市場は自動車産業だ。その意味では同社は、最近Intelが買収した同じくイスラエルのMobileyeの後を追う形だ。

HailoのCEO Orr Danonはこう述べる: “これまでのプロセッサーのアーキテクチャは70歳の老人で、今日のディープラーニングやAIの処理ニーズに適していない。Hailoはプロセッサーの革命的なアーキテクチャにより、ディープラーニングの処理を数倍速くする。われわれはコンピューターのアーキテクチャの基本要素であるメモリーとコントロールとコンピュートと、それらの間の関係を、完全に新しい設計にした”。

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