メニューと料金体系に柔軟性を持たせてドッグケアのデフォルトブランドを目指すDogdrop

犬のデイケアといえば、Wag HotelsやRoverが思い浮かぶ。そしてここでご紹介するDogdropは、9月にロサンゼルスで開業する新人で、ケアの内容にも料金にも、もっと柔軟性を求めている飼い主に向いているという。

基本は月額の会員制で、飼い主はいつでも自分の犬を預け、そして引き取れる。全日制のほかに、時間制もある。ただしそちらも、月額の会費制になる。

月額料金は最低が20ドルで、こちらはデイケア3時間と、ワークショップ料金10%引きがその内容。最高の800ドルではデイケア無制限、ワークショップは20%引きだ。月800ドルというと、1時間あたり2ドル弱になる。

一方Wag Hotelsは全日制のみで、料金は午前7時から午後7時までの1日が46ドル、月額契約だと625ドルだ。シンプルなメニューのみ。

Dogdropの共同創業者であるShaina Denny(シャイナ・デニー)氏は、声明でこう言っている。「Dogdropは高品質なケアと生活の利便性を求める現代的な飼い主のご利用に適している。コミュニティを重視し、慎重に設計されたケアスペースが手際のいいサービスをご提供する。私たちは犬の幸福と健康を願い、また飼い主には、犬たちとより一体になった毎日の生活を提供したい」。

Dogdropは資金に関して明らかにしないが、前にDogVacayを育てたインキュベーターScienceの出身だ。1号店を9月にロサンゼルスにオープンし、翌年さらに店舗を増やす予定だ。

そのScienceの創業者でCEOのMichael Jones(マイケル・ジョーンズ)氏は、これからのドッグ・ビジネスについてこう語る。「ペットを飼う人は増えているし、世代交代もある。また職場の環境も犬を置けたり置けなかったりさまざまだ。だからこれから必要とされるのは、もっと柔軟性があって利用しやすいペットケアだ。Dogdropの場合は、大規模化多店舗化を目指すことによって、飼い主の信用を獲得したい。Dogdropは高品質なケアサービスを、従来のドッグケアにない費用やスケジュールの柔軟性をもって提供しようとしている点が良い。これが成長してドッグケアのナショナルブランドになったころには、犬の飼い方ががらりと変わっているだろう」。

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ユーザーデータをもとにフレッシュなイベント企画を創案するFeverに楽天などが投資

独自のアルゴリズムで企業のイベント企画立案を助けるFeverは米国時間8月3日、日本の大手インターネット企業楽天の投資部門である楽天キャピタルがリードするラウンドで3500万ドル(約37億2000億円)を調達した、と発表した。参加したそのほかの投資家は、Atresmedia、Accel、およびかつてAlibaba Groupへの米国からの投資をリードしたMichael Zeisser(マイケル・ツァイザー)氏だ。これでFeverの調達総額は7000万ドルになる。なおツァイザー氏は、Feverの取締役会に加わる。

マドリードとロンドンにオフィスのあるFeverのアプリは、ユーザーのために個人化されたイベントリストを作り、それを同社のSecret Media Networkに送る。そのネットワークは、企業のソーシャルメディアチャネルからもユーザーデータを集める。匿名化されたそれらのデータはFeverのアルゴリズムで分析され、企業のイベント立案を助ける。過去の例としてハリウッドの「The Alice in Wonderland MaddHatter G&T」や、ハロウィーンをテーマとするロサンゼルスの「House of Spirits」、若者向けのクラシック音楽コンサート「Candlelight Concerts」などがある。

現在同社の月間ユニークユーザーは、およそ2500万人がロンドンやニューヨーク、パリ、マドリードなどにいる。今度の新しい資金で、対象都市をもっと増やす予定だ。

FeverのCEOであるIgnacio Bachiller(イグナシオ・バチェラー)氏によると、次の拡張対象都市はシカゴとバルセロナだ。昨年はパリとロサンゼルスとリスボンとマンチェスターでローンチした。今後は2カ月に1都市のペースで主に米国とヨーロッパの都市に新市場を開拓したい。そして来年はアジアも狙う。イベント発見プラットホームはFeverのほかにもあるが、バチェラー氏によると同社の差別化要因は、「ユーザーの行動データを直接利用して需要を予測し、彼らのためにどんな新しい体験を作ってやればよいかを企業顧客に知らせること。体験のNetflix(既存再利用作品)というものは存在しないから、毎回新しい創造性がすべてだ」、という。

そしてバチェラー氏によれば、今後は楽天のそのほかのポートフォリオ企業とも協力して、中小企業が彼らの顧客の参加性を増やせるような企画を打っていきたい。

画像クレジット: Fever

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クラウド上のデザインツールFigmaがプラグインとそのAPIをローンチ

デザインツールをクラウドに置くFigmaは米国時間8月1日、ユーザーが自分のワークフローをリセットして掃除できるプラグインを発表した。

Figmaの共同創業者でCEOのDylan Field(ディラン・フィールド)氏によると、このプラグインは同社の立ち上げ以来、最も要望の多かった機能だ。そこでチームは昨年、2018年3月にローンチしたFigmaのAPIにプラグインの機能性を構築することに注力した。その際、3つのプライオリティを掲げた: 安定性、スピード、そしてセキュリティだ。

同社がプラグインのテストを始めてからかなり経つ今日、40個のプラグインがローンチOKとなった。それらの中で、とくに目立つのを以下にご紹介しよう。

ユーティリティとしては、まずRename Itは、デザイナーが今自分がやっているレイヤーを自動的にリネームして編成できる。一方Content Buddyは、適当なプレースホルダーとしてのテキストを置く(電話番号、名前など)。それらはあとで自動的に見つけて内容を入れ替えられる。StarkColorBlindはどちらもアクセシビリティのためのプラグインで、自分の仕事がWCAG 2.0のコントラストの指針に合ってるか確認できる。そのために、8段階の色弱を疑似体験できるレンズが提供されている。

そのほかに、アニメーションを加えるFigmotion、テーマを変えるThemer、デザインに地図を加えるMap Makerなどのプラグインがある。

だれでもFigmaのプラグインを作って一般公開できるが、企業など用にプライベートなプラグインも作れる。例えばMicrosoft(マイクロソフト)のある社員は、WordやOutlookなどMicrosoft製品をベースとするテーマに変えられるプラグインを作った。

microsoft themes final

今のところ、プラグインで収益を得る計画はない。むしろプラグインを加えたのは顧客の幸福と満足に寄与するため、とField氏は言う。しかもFigmaのウェブサイトへ行くと、そこにはこのプロダクトが顧客と共に急速に進化する仕組みがある。個々の機能をそれぞれ別に作るのではなくて、今のFigmaはプラットホームをパワーユーザーに開放して、好きなものでウェブページを作れるようにしている。

Crunchbaseによると、Figmaはこれまで8300万ドル近くの資金を調達している。半年前のSequoiaがリードする4000万ドルのラウンドでは、調達後の評価額が4億4000万ドルだった。

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土壌中のマイクロバイオームを分析して農家の生産性向上を目指すBiome Makersが4億円超を調達

農業は持続可能性の大きな問題に直面している。世界の人口は増え続けていて食糧の需要も増加しているが、それに伴い森林破壊や農薬、それに温室効果ガスの原因とされる一部の肥料の使用が増える危険性もある。農耕は炭素隔離の源でもあるが、でもどうやってそれを保護するのか?また、過剰耕作によって農地の質が劣化している。そして、これだけの問題を抱えながらも農業は他の産業に比べて、長年技術開発が遅れている。

農業と技術といえば、農作物に今起きていることを正しく理解するためには「マイクロバイオーム」(Microbiome)に注目することも重要だ。マイクロバイオームは、一定の微生物相(特定の環境に生息する微生物の総称)の中にある遺伝物質の全体のことだ。例えば、ここでは農耕という圏域内にある微生物の全集合が問題になる。通常マイクロバイオームといえば人間の腸内細菌を指すことが多いが、ここでは農場という圏域内の細菌だ。

土壌の中には何百万種類もの微生物がいて、そのどれもが作物の健康に対し重要な役割を演じている。だから、土壌中の微生物は重要な「バイオマーカー」(生体指標)だと言われる。したがって土壌中の微生物を理解することから、重要なアクションに結びつくデータが得られる。

米国時間8月2日、土壌中の生態系を高度なデータサイエンスと人工知能を使って分析し、農家にデータに基づく知見と行動指針を与えるテクノロジー企業であるBiome Makersが、Seaya VenturesとJME Venturesがリードするラウンドにより400万ドル(約4億2600億円)を調達した。このラウンドにはロンドンのVC LocalGlobeも参加している。同社は調達した資金を、今後の米国やヨーロッパ、中南米などへの進出と、対象作種の多様化、および農作物の評価システムの開発に当てられる。

同社を創ったCEOのAdrián Ferrero(アドリアン・フェレロ)氏とCSOのAlberto Acedo(アルバート・アセド)氏は、前にデジタルヘルスケアのスタートアップで成功し、優秀な科学者でもある。今回は同社の二度目の資金調達ラウンドだったが、前回も国際的な投資家グループから200万ドル(約2億1300億円)を調達している。その中にはDNA配列機器のトップメーカーであるIllumina(イルミナ)のVC部門Illumina Acceleratorと、米辱の指導的投資管理企業のViking Global Investorsがいた。

Indigo AgやConcentric、Pivot Bio、Marrone Bio Innovationsなども同様の技術で微生物の同定を行っているが、Biome Makersは「オープンなデジタルサービスで農家対象のポータルでもあるところは自分たちが唯一だ」と主張している。それはあくまでも微生物学的情報を民主化して、農家が日々の農業の実践に生かせるようにするためだ。

とくに土壌に関してはこれまで、土壌の物理的化学的分析を行う企業が多く、Biome Makersのようにマイクロバイオームに着目する分析企業はあまりメジャーではなかった。しかし同社の説では、それこそが土壌を見ていくための新しい方法であり、これまで農業の実践のために利用されてこなかった重要な情報を提供できるという。

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ローコードクラウドの成功には効果的なアドミンツールが必要

ローコード(low-code)プログラミングで会社の仕事は楽になる、と思われているのか? ローコードは、高価なソフトウェアエンジニアがいなくても、よく訓練されたアドミニストレーターがいればいろんなタスクを処理できる、という意味だが、テクノロジーによる問題解決には必ず、予期しなかった結果がつきまとう。自分の会社Steelbrickを2015年に3億6000万ドルでSalesforceに売ったMax Rudman(マックス・ルドマン)氏は、ローコードのデプロイメントにつきものの、ある問題に気づいていた。彼はそれをオートメーションとテストでフィックスできると確信して、Prodlyを立ち上げた。

同社は米国時間7月31日に350万ドルのシード資金を獲得したが、お金より重要なのは顧客の動勢だ。きわめて初期段階のスタートアップでありながら、同社にはこのプロダクトを使う顧客がすでに100社いる。ルドマン氏が気づいていたとおり、同じ問題を抱える企業がとても多いのだ。そして彼らは、Prodlyのアイデアの市場でもある。

彼が前の会社で学んだのは、データを有効に生かせる経営を志向して企業がSalesforceのようなプラットホームの顧客になったとしても、それは単に旅の始まりにすぎないことだ。サービスの構成や料金体系がよくアップデートされる企業では、その情報に結びついているすべてのテーブルをアップデートしなければならない。たしかにローコードではクリック一発ですむ約束だったはずだったが、48ものデーブルをアップデートしなければならないとなると、楽な仕事とは言えない。

Prodlyの基本的な考え方は、まず、構成のほとんどを自動化する。得られる情報が正しいかをテストする。そして最後は、デプロイの自動化だ。目下同社は構成の自動化に開発努力を集中しているが、資金が得られたのでテストやデプロイにも手を付けられる。

ルドマン氏は、同社のソリューションがSalesforce専用ではない、と念を押す。最初はSalesforceのアドミンをねらうけど、そのほかのクラウドサービスのユーザーでも、訓練されたアドミンを酷使してあちこちいじっているところがとても多い。

ルドマン氏は「Salesforceは取っかかりだけど、同じ問題がほとんどのクラウドプラットホームにある。ServiceNowでもWorkdayでもどこでも、うちがアドミン用に作ろうとしているようなツールがない。アドミンの生産性を上げるためには、彼らが複雑なアプリケーションを効率的に管理できるためのツールを提供しなければならない」とも語る。

今の顧客の中には、Nutanix、Johnson & Johnson、Splunk、Tableau、それにTechCrunchのオーナーであるVerizonなどがいる。350万ドルのシードラウンドはShasta Venturesがリードし、Norwest Venture Partnersが参加した。

関連記事: Salesforce”Quote-to-Cash” SteelBrick3.6億ドルで買収

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デベロッパーがデプロイの面倒から解放されるソフトウェア開発モデル

2年間文字どおりダークだった(ステルス状態だった)Darkは、同社が「デプロイレス」と呼ぶユニークなソフトウェア開発プラットホームを構築した。Darkのエディターを使ってDarkの言語でアプリケーションを書けば、そのご褒美としてアプリケーションのデプロイはGoogle Cloud Platformの上で自動的に行われる。ソフトウェアのデプロイに伴うすべての苦難から、デベロッパーは解放される。

今日ステルスを脱した同社は、実は2017年に350万ドル(約3億8000万円)のシード資金を獲得している。そしてその後の2年間、彼らはそのかなり複雑なプラットホームを構築してきた。

同社の共同創業者の一人でCEOであるEllen Chisa(エレン・チサ)氏は、Darkのツールセットの使い方を勉強する必要はあるが、それだけの価値はあると主張する。複数のツールが連携して動くよう、細心の設計をしているからだそうだ。

彼女は次のように語る。「Darkの最大の問題は新しい言語を学習して、たぶん使い慣れたエディターとは違うエディターを使うことだと思うけど、Darkと言語とエディターの三者が協働すると、とても大きな利点が生まれる」。

「Darkでは、エディターが言語をよく知ってるので極めて適切なオートコンプリートが得られる。そして、どんなコードでもコードを書いたらすぐにインフラストラクチャがそれ用にセットアップされる。何が必要かDark自身が知ってるから」。

確かにそそられる話だが、でもチサ氏は今後の啓蒙活動が重要と言う。プログラマーたちは今現在、何らかのツールを使ってプログラムを書いているからだ。彼女が主張する最大のセールスポイントは、いろんなタスクを統合した自動化のおかげで、デプロイメントの周辺に存在する大量の複雑性を取り除いたことだ。

彼女によると、Darkの3大ベネフィットとは、

  1. インフラストラクチャのセットアップの自動化
  2. デベロッパーがデプロイで悩まなくていいこと(デベロッパーはアプリケーションのコードを書くだけでいい、書き終わったコードはすでにホストされている)
  3. コードを書くことと並行してトレーシングが行われる

ということだ。「Darkのエディターがトレーシングの能力を持っているからコードを書けばすぐにトレースされる」と彼女は言う。

もう一人の共同創業者でCTOのPaul Biggar(ポール・ビガー)氏は、初期のCI/CDツールであるCircleCIを作ったデベロッパーの1人だから、デプロイについてはよく知っている。

350万ドルのシードラウンドをリードしたのはCervin Ventures、これにBoldstart、Data Collective、Harrison Metal, Xfactor、GitHubのCOO Erica Brescia氏、Backstage、Nextview、Promus、Correlation、122 West、そしてYubariが参加した。

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セールス業につきまとう悪いイメージを一掃するBravado、13億円を調達

あなたがご存知の営業成績トップの人って、どんな人?

その人は、あなたが尊敬している人?ではないだろう、たぶん。このほど、Redpoint VenturesやFreestyle Capital、Precursor Ventures、Village Global、Kindred Venturesなどから1200万ドル(約13億円)を獲得してステルス状態を卒業したBravadoは、今の社会に蔓延している営業軽視、ときには蔑視の風潮を変えようとしている。

BravadoのファウンダーでCEOのSahil Mansuri(サヒル・マンスーリ)氏は、最初の仕事がセールスだった。優秀な学生だったが、父親の健康問題のため、大学を出たらすぐに本格的に金を稼がなければならなかった。大学の就職相談員がセールスはどうかと勧めたとき彼は、うるさい電話セールスたちでいっぱいのオフィスを想像した。自分が生まれ育ったサンフランシスコのB2B企業で高い給料をもらっているセールスの姿は思い浮かばなかった。

マンスーリ氏はその後、セールスという仕事に愛着を持つようになり、その職業のイメージを高める企業Bravadoを創ることになる。しかしそうやって自分のベンチャーを始める前は、彼はeBayが買収したSalesPredictの副社長だった。そこは、データを利用して顧客の購入行動やセールスの成功率を予想する企業だ。そしてその前にいたGlassdoorでは、成績トップのセールスマンになった。そこは、求人求職情報の一環として匿名ないし口コミの企業レビューを集めているプラットホームだ(2018年に日本のリクルートが買収)。

マンスーリ氏の両親はインドからの移民で、彼がセールスというキャリアを選んだことに最初は反感を示した。でもその後は、考えを変えてくれた。彼の現在の望みは、一般社会がセールス、営業という仕事にもっと好イメージを持ってくれることだ。

彼は「僕の家族はセールスの見方を変えてくれたけど、でもぼくのこれまでの人生の中では、仕事がセールスであることはネガティブなスティグマだった。そのスティグマを抱えて生きることが、僕の人生だった」と語る。

「セールスは人が憧れる職業ではない。偉大なエンジニアやプロダクトマネージャーには誰もが憧れるけど、セールスで偉大になった人は一人もいない」。

Bravado Community

Bravadoは収益化の方法がまだ決まっていないが、当面はネットワークの構築に力を入れる計画だ。現在、営業のプロたちはBravado Credibility Scoreという評価システムを利用して自分の信用度を上げている。その元になるのは、彼らのBravadoプロフィールに記録されている顧客の証言だ。今後は、ネットワーキングのイベントやワークショップを通じてセールスのワーカーたちがキャリアを開発展開できるようにしていきたい。

次世代のセールスのプロを育てることも、Bravadoの重要な事業だ。マンスーリ氏によると、米国の上位100大学のどれにも、セールスの学部や学科がない。だから学生たちは、セールスのエキスパートになろうという意欲を持てない。しかしBravadoにはセールスのメンター事業があるので、その受講者たちにはセールスについて学ぶカリキュラムや、企業に営業として配置される機会、そして、目下成長中のセールスのプロたちのネットワークに加わる機会が提供される。マンスーリ氏はそれを、「セールスのプロフェッショナルになるための入門課程」と呼んでいる。

営業チームにとっては、ダイバーシティも重要だ。セールスという仕事が男子会的なイメージを持たれがちなのも、男が支配している世界だからだ。米国の場合、女性は25%未満であり、LGBTQの人たちはほとんどいない。Bravadoはコンテンツを工夫することによってこの問題に光を当て、セールスのコミュニティに新しい顔を招き入れようとしている。

マンスーリ氏は「最良の人材が、その外見がどうであっても、『私はセールスをやってみたい、今やそれは立派なキャリアだから』と言えるような世界を作りたい」と説明する。

Bravadoのコミュニティには現在、SalesforceやLinkedIn、Microsoft、Slack、WeWork、Uber、Oracle、IBMなどなどからの5万名のメンバーと1000のセールスチームが参加している。同社は最近、Redpoint VenturesのAlex Bard(アレックス・バード)氏とAnnie Kadavy(アニー・カダヴィー)氏がリードするシリーズAのラウンドで850万ドルを調達した。その大半は、コミュニティの拡大に使われる予定だ。収益化については、今後の一連の「有料プロダクト」に乞うご期待というところだそうだ。

Bravadoが上記のような目標を達成するには、一般社会が抱いている営業やセールスに対するステレオタイプなイメージを改める活動も重要だ。また、米国全土の学生たちに、セールスという分野を見直し、専攻課程として積極的に参加してもらう働きかけも必要である。

マンスーリ氏は曰く、「セールスは、就活落ちこぼれのキャリアだと思われている。私たちは、セールスという専門職に尊敬と信用をもたらし、すばらしいキャリアのひとつとして新たな定評を確立したい」。

関連記事: Showpad, a sales enablement platform for presentations and other collateral, raises $70M(プレゼンテーションでセールスを助けるShowpad、未訳)

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コンセプトから出荷まで、スマートブラインド開発のAxisの道のり

Axis(アクシス)は最初の製品であるAxis Gearを、Amazonならびに自社サイトで直販している。しかしこれは4年目の会社にとって比較的最近の製品だ。ほぼすべての手動巻き上げ式ブラインドを、自動化されたスマートブラインドに変えてくれる、249.00ドル(この記事を書いている時点ではセールで179.00ドル)の変換ガジェットであるGearのアイデアが、共同創業者兼CEOのTrung Pham(チュン・ファム)氏の頭に実際に浮かんだのは2014年のことだった。だが開発は翌年の初めまで始まらなかった。「ハードウェアは難しい」という格言が極めて有効であることが再確認されたのだ。

もともとファム氏のバックグラウンドはビジネスだったが、彼はずっとテクノロジーやガジェットが大好きな人物だった。最初は自分の興味を満たすことに着手したことが、結果的に彼の会社のアイデアへとたどり着いたのだ。トロントで初めてコンドミニアムに引っ越したときに、彼はスマートブラインドの市場に出会った。しかしほとんどの予算が、カウチ、ベッド、そしてテレビのような必需品に食われてしまったあとでは、スマートシェードのような贅沢品のための残高は銀行に残されていなかった(特にそれらがいくら位するかを知ったあとではなおさらだった)。

「私はテックガジェット好きで、自動シェードが欲しかったのですが、買うための余裕がありませんでした」とファム氏はインタビューで答えた。「私はデザイナーのところへ行って、本当に素晴らしいハンター・ダグラスの製品の見積もりを出してもらいました。そのとき示されたのは、1枚の窓あたり1000ドル超えの電動化オプションでした。なので、私はただ手動のシェードを選んだのです。数カ月後、本当に暑くて日差しの強い日のことでした、熱気に参った私はデザイナーを再び訪れて改めて尋ねました『やあ、今度こそシェードを電動化できるかな?今ならもう少し予算があるんだ。リビングルームをそうしたいんだけど』と。そのとき私が学んだのは、一旦シェードを取り付けてしまうと、それを電動化することはできないということでした。全部を新しいシェードに取り替えなければならないのです」。

自らの懐事情のおかげで、ファム氏は既存の大企業によって無視されてきたチャンスが市場の中にあることを知ったのだ。そしてそれは開発が難しくない技術(どちらかといえば単純なモーターと、スマートフォン部品のサプライチェーンのおかげで入手が容易なワイヤレス接続などを使う)でアプローチすることが比較的容易な問題だと考えたのだ。そして、市場の需要がそこにあった。ファム氏によれば、特に若い住宅所有者たちは住宅購入(や賃貸)に多額の費用を使い、電動シェードのような高価なアップグレードにはあまりお金を掛けないのだという。


Axisのソリューションは比較的手ごろな価格(1ユニットあたりの通常の希望価格は249ドルなので、取り付けようと思っている窓の数で価格は上がって行くが)であり、既存のシェードやブラインドすべてを置き換えなければならないということもない。ただGearと互換性があるところを必要に応じて置き換えて行けば良いだけだ(一般的なシェードとの互換性は高い)。電源オプションは2つのものから選ぶことができる、1つは通常のコンセント用のACアダプターを使うもの、あるいは使いやすい場所にコンセントがない場合には単三形充電池のバックアップ付きの太陽電池バーを使うものだ。

ファム氏は初期の投資家ミーティングで、ダイソンをインスピレーションの源として引用したときの事を説明してくれた。なぜなら彼らは、既存の産業の中で標準的で中心となっていたものに着目し、それを捨て去ってしまったからだ…具体的には掃除機のバッグを無くしてしまったということだ。彼はAxisが、スマートブラインド市場でも同様のアプローチを取っていると考えている。既存の市場は現状を維持することで過大な利益を得ているが、そこにAxisのアプローチで挑戦するのだ。さらにファム氏は、Axisは6つの特許を申請していて、そのうちの3つがその特定の技術的アプローチのために付与されていると述べている。

「私たちは、消費者の皆さんに、スマートシェードに対する認識を、もっと持ってもらいたいと思っているのです」と彼は言う。「そしてそれこそが狙い目なのです。これは大きなチャンスなのです、なにしろドアベルやサーモスタットを1つだけ購入するひとは居ません。複数のユニットを購入するのが普通です。1つか2つを買ったあと、すぐに買い増しを行ってくれるお客さまがいますし、一気に20個も買っていただけるお客さまもいらっしゃいます。各家庭に、まとめて売ることができる可能性があることで、ビジネスとしては非常に利益が期待できるのです」。

とはいえAxisが大規模な商用展開に興味を持っていないというわけではない。ファム氏によれば、「多くの商用ユーザーやホテルがテスト中」であるという。そして「米国内で、わが国最大の建築会社と一緒にプロジェクトを遂行中」であることも指摘した。とはいえ、これまでのところ、同社は消費者向け製品に焦点を絞り、顧客からのアプローチを中心に据えている。商用営業チームの構築というより厳しい仕事は計画中だ。しかし、こうしたことはAxisに将来的に、大きな機会を与える可能性がある。特に「障害を持つアメリカ人法」(Americans with Disabilities Act)のような、建物に電動シェードの設置を要求する法律上の基準に建物の管理者が準拠しようとしたときに、彼らの製品が役立つからだ。

これまでAxisは、家族や友人たちと、エンジェル投資家たちからの投資でまかない、Indiegogoのクラウドファンディングプロジェクトで最初の注文分の資金を確保してきた。ファム氏によれば、収益も販売数も前年に比べてすべて堅調であり、「これまできわめて多数の」製品を出荷できたという(彼は詳細は明かさなかった)。現在スタートアップはつなぎのささやかな資金調達ラウンドを完了させようとしているところだが、その製品ラインを拡大することを狙ってこの後シリーズAの調達ラウンドを計画している。新しい製品ラインでは互換性を最優先により広く窓を覆うことができるようにする予定だ。

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(翻訳:sako)

データでなくアクティビティから企業を分析するHeapが約60億円を調達

HeapのCEOを務めるMatin Movassate(マタン・モヴァサト)氏は、同社を創ったときから、アナリティクスの既存勢力に挑戦すると言っていた。米国時間7月23日に同社はシリーズCで5500万ドル(約60億円)の調達を発表し、彼の挑戦にはさらなる資金が投入されたことになる。

モヴァサト氏は以前Facebookのプロダクトマネージャーだったが、HeapのシリーズBのときのインタビューでは、その頃を思い出して、あの回りくどいやり方ではもっぱらユーザーデータを集めて分析するんだとコメントしていた。それとは対照的にHeapは、ユーザーのアクティビティに関するデータを自動的に集める。目標は、文字通り何もかもを捉えて、それをセルフサービス方式で利用できるようにすることだ。自動的なデータ収集なので、ユーザーに質問をしたりするコードはまったくない。

すでに顧客は6000社以上いて、その中にはTwilioやAppNexus、Harry’s、WeWork、Microsoftなどもいる。今回のシリーズCを含めて、Heapの調達総額は9520万ドル(約103兆円)になる。資金は国際的な成長に投ずる計画であり、プロダクトとエンジニアリングと営業も拡張したい。

シリーズCをリードしたのはNewView Capitalだ。同社への投資に新たに参加したのが、DTCP、Maverick Ventures、Triangle Peak Partners、Alliance Bernstein Private Credit Investors、Sharespost、既存の投資家がNEA、Menlo Ventures、Initialized Capital、そしてPear VCとなっている。NewViewのファウンダーでマネージングパートナーのRavi Viswanathan(ラヴィ・ヴィスワナータン)氏が、Heapの取締役会に加わる。

そのヴィスワナータン氏は声明文で「Heapは企業の経営分析の自動化に革新的なやり方で取り組み、それにより組織内のさまざまなチームが、学習し、よりスマートな意思決定ができるためのデータを取得できる。最先端のソフトウェアを開発し続けているHeapと組めることは大変喜ばしく、そのアナリティクスのオートメーションは今後さらに成長して、ますます多くの顧客に奉仕していくことだろう」とコメントしている。

画像クレジット: Heap

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

完全菜食主義者のためのオンライン食材店「Mylk Guys」は非菜食人種にも人気

ヴィーガン(Vegan、完全菜食主義者)のための食材をネットで売っているMylk GuysのCEOであるGaurav Maken(ガウラヴ・マケン)氏は、自分の会社を食べ物を買うだけの場所とは考えていない。スタートアップの起業家たちも、また既存の食品企業も、植物を使った食肉代替食品を探求し始めている今日のご時世の中では、次々と新しい健康食品が生まれてくるだろうから、同社はそれらのための試験場や、良い品物が生まれるためのプラットホームでありたい、と彼は考えている。

このたび、Khosla VenturesPear VenturesFifty Yearsなど、そのビジョンに共感する投資家たちが、同社に250万ドル(約2億7000万円)を投資した。

マケン氏は曰く、「うちの現状は、オンラインのグロサリーストアだ。しかしそのほかに、増大する地球の人口のために食品の生産能力を拡大する細胞培養肉や、遺伝子組み換え食品も今後は扱っていきたい」。

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マケン氏は、植物を使った食肉代替食品などよりも、顧客の持続可能な消費生活を支えるような製品を扱っていきたいと考えている。彼によると、実は同社の顧客の40%はヴィーガンではない。

同氏は「ヴィーガンのことだけを考えているのではない。むしろ考えているのは、持続可能な食品システムだ。うちの顧客は教育水準の高い消費者が多く、自分の食生活から悪い影響を受けたくない、と願っている。むしろ、食べることによってより健康にないたい、と思っている」とコメントしている。

現在扱っている製品はおよそ1300種類で、サプライヤーには顧客に関するデータ、どういう人たちか、好みや要望などを積極的に提供している。その点が、Amazonなどそのほかのオンラインリテイラーとの大きな違いだ。

マケン氏は「我々はアナリティクスを提供し、顧客データからの学び方を教えている。食品提供企業も、そろそろ、顧客ひとり1人に個人化されたビジネスを開拓すべきだからだ」と語る。

同社のトップセラーは、Sparrow Camembertのようなヴィーガンチーズや、一連のヴィーガンジャーキー、それにBeyondバーガーなどだ。

「ヴィーガン向けのようなニッチな食材でも、全国的な流通のためのプラットホームがあればそれを年商100万ドルや500万ドルのブランドに育てることができる。うちは、そのためのプラットホームでもある」とマケン氏は言う。

Mylk Guysは2018にローンチしてY Combinatorのアクセラレーター事業に参加した。今回得られた資金は、イーストコーストにおける営業とマーケティングの拡大に充て、とくに東部地区のための流通倉庫を確保したい、という。

持続可能な食品を消費者に直販するビジネスモデルは、ロサンゼルスに先例がある。2016年に1億1100万ドルを調達したThrive Marketは、持続可能な製品にフォーカスしたオンラインのグロサリーストアだ。

最近の報道が示しているように、持続可能なフードビジネスは今や成長業種だ。Ecovia Intelligenceの記事によると、Environmental Leaderの調査では有機食品の売上が2018年に初めて1000億ドルを突破した。

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VMwareが機械学習計算をGPUなどで加速するBitfusionを買収

VMwareは米国時間7月18日、TechCrunchのピッチコンテスト「Startup Battlefield」に参加したことがあるBitfusion(ビットフュージョン)を買収したことを発表した。Bitfusionは、企業がGPUやFPGZ、ASICなどを使って行う複雑な計算負荷の高速化を助けるスタートアップ。4年前には、そのフォーカスはAIや機械学習よりもむしろハイパフォーマンスコンピューティングのほかの分野だったが、当然ながら近年ではAIやMLへの関心が増加したことで同社の方向性も変わった。

VMwareは、ベンダーやハードウェアを特定しないBitfusionの技術を利用して、同様の能力を顧客に提供していく。具体的には同社は、Bitfusionを同社のvSphereサーバー仮想化プラットフォームに統合する。

VMwareのCloud Platform Business部門の上級副社長でゼネラルマネージャーであるKrish Prasad(クリッシュ・プラサド)氏は「Bitfusionの買収が完了したら、ハードウェアアクセラレーターを仮想化することによってAIやMLのワークロードを支援していくVMwareの戦略がより強健になる。マルチベンダーのハードウェアアクセラレーターと、それらを軸とするエコシステムは、現代的なアプリケーションを動かしていくための基幹的部位だ。これらのアクセラレーターは場所や環境を問わず利用でき、オンプレミスでもクラウド上でもどちらでも使える」とコメントしている。

プラサド氏によると、GPUのようなハードウェアアクセラレーターを最大限有効利用するために多くの企業はそれらをベアメタルでデプロイしている。しかしVMwareの見解では、そういう使い方は(仮想化に比べて)低い利用率と効率を招きがちだ。「むしろハードウェアアクセラレーターは仮想化にきわめて適しており、リソースの共有を増してコストを下げる」と主張している。

両社とも、買収の価額を公表していない。Bitfusionは2017年に500万ドルを調達し、また2018年にはSamsung Ventures小から小額の戦略的投資を取得した。

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物質の検査にダイヤモンドダストを利用するDust Identityにエアバスやロッキードも投資

Dust Identityのアイデアは、同社の創業者たちがいたMITの研究室で生まれた。そこで彼らは、ダイヤモンドの塵、ダイヤモンドダストを使って物質を認識する技術を開発した。それ以降同社は、この高度な技術の商用化を目指していた。そして米国時間7月17日に同社は、昨年230万ドルのシードラウンドをリードしたKleiner PerkinsによるシリーズAのラウンドで1000万ドルを調達した。

このラウンドには、Airbus VenturesやLockheed Martin Ventures、New Science Ventures、Angular Ventures、そしてCastle Island Venturesが参加した。同社の調達総額はこれで1230万ドルになる。

同社の特異なアイデアは、物をダイヤモンドダストの薄い層で包むことにより、それが変造されていないことを証明する。ダイヤモンドダストは一見高価なようだが、同社によるとシード資金のころには安い工業用ダイヤモンドの廃棄物を使っていた。宝石店で売ってるような、高価なダイヤモンドではない。

同社のCEOで共同創業者の1人であるOphir Gaathon(オフィール・ガッソン)氏は、こう言っている。「ダイヤモンドダストをポリマーエポキシの表面に落とすと、そのポリマーが硬化するとき、ダイヤモンドは一定の位置と方向に凝固する。実はそのときのダイヤモンドの方向角度を非常に迅速に読む技術を、われわれは開発したのだ」。

Kleinerで今回の投資を担当したIlya Fushmanによると、同社は物の認識とセキュリティのためのユニークなアプローチを提供する。彼は声明でこう言っている。「メーカーとサプライヤーの間に不信が育っているようなときには、Dust Identityのダイヤモンド粒子のタグが、製品の証明とサプライチェーンのセキュリティに従来の技術よりも優れたソリューションを提供する」。

この投資が戦略的投資であるAirbusとLockheed Martinがいることは、大手工業企業のサプライチェーンにおいて、このような高度な技術が必要であることを示している。また、昨年同社がエンタープライズコンピューティングの大手SAPとパートナーして、物理的オブジェクトへのブロックチェーンインタフェイスを提供していることも特記に値する。つまりDust Identityの識別子をブロックチェーンに保存するのだ。SAPとの関係があってもそれはブロックチェーンの実装を特定しない、と企業のスポークスパーソンは言っている。

同社はまだ生まれて間もない企業だが、すでにさまざまな投資家の関心を集めており、今回得た資金は来年の製品開発に充てたいという。これまで同社は、さまざまな業種のためのパイロット事業や初期的デプロイメントを実装してきた。それらは、自動車、ラグジュアリーグッズ、化粧品、石油、ガス、電力などの業種だ。

関連記事:This startup got $2.3M to identify physical objects using diamond dust(Dust Identityの230万ドルのシード資金、未訳)

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CESがセックステック企業の出展を1年限定の試行として認可

毎年開催される消費者向け電子製品の展示会CES(Consumer Electronics Show)の主催団体CTA(Consumer Technology Association)が、遅まきながら時流に合わせようとしている。米国時間7月17日にCTAは、セックステックのスタートアップが健康とウェルネス(Health and Wellness)のカテゴリーに参加して賞を競うことを1年かぎりの試行として認めると発表した。

この決定の前の昨年には、CTAはセックステックの企業Lora DiCarlo(ローラ・ディッカーロ)と激しくもめた。CTAは、女性のGスポットとクリトリスを同時に刺激する、手を使う必要のない男性性器に似せた性具を作っている同社のイノベーション賞を取り消したが、5月にはそのことを謝罪して再び賞を与えた

CTAの執行副社長Karen Chupka(カレン・チャプカ)氏は、声明文で次のように述べている。「CTAは常に積極的に進化しており、差別のない、万人に歓迎される体験の創造を続けている。今回、多くのアドバイザーおよびパートナーと相談した結果、CESのポリシーをアップデートし改善することになった」。

さらにCTAは、各ブースのイベントコンパニオン(Booth Babes)を禁ずることになった。女性に限定しないために同団体はそれを、Booth Peopleと呼んでいる。

今回の発表で「ブースのスタッフは性的な露出のある衣料や、下着と見紛う衣類を着てはならない。肌の露出の多い衣料や、体や性器をぴったり覆う衣料を着てはならない」というルールが設けられる。

画像クレジット: Lora DiCarlo

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一般消費者向け完全菜食製品のKenckoが3.6億円超を調達

果物や野菜の摂取量を増やそうとするKenckoが、シードラウンドで340万ドル(約3億6700万円)獲得し、その成長と製品開発をさらに加速していくことになった。

TechCrunchは昨年同社を紹介したが、ここであらためてご紹介するとKenckoは、植物を原料とする製品で、ひどい味の食品や極端な食事に悩まされずに健康な食生活を確保しようとする。最初の製品であるフルーツドリンクには、プレスジュースにない食物繊維やビタミンが含まれているが、小袋に入っていて、急速冷凍と遅乾処理により、栄養分をすべて保持している。同社によると、1袋20グラムを水で溶いて飲むことにより、1日の果物と野菜の推奨摂取量の5分の2を摂取できる。

Kenckoは健康を意味する日本語で、6種類のフレーバーのフルーツドリンクを売っている。ファウンダーでCEOのTomás Froes(トマス・フロス)氏によると、今年中にさらに6種類の新製品を出したいという。そのうち2つは近く発売されるが、それらはドリンクと同じく100%有機栽培の果物と野菜で作られ、簡単に食べられておいしく、しかも健康的だそうだ。

製品のほかに今度の資金でKenckoが開発しようとしているのは、消費者への直販方式だ。それはモバイルアプリをメインで使うが、アプリは今ベータで、初期の顧客と共にテストしている。一般公開は年内を予定している。

Kenckoの製品は好きな量を買うこともできるが、会員制もある。後者では同社のチームにいる栄養士が各人に合ったアドバイスをする。つまり食生活指導の個人化、パーソナライゼーションだ。米国内ならリモートだけでなく個人面談も提供できる。

同社は今、社員数が25名で、共同ファウンダーでCBO(最高ビジネス責任者)のRicardo Vice Santos(リカルド・ヴァイス・サントス)氏もいる。

関連記事:Kencko wants to help you eat more fruit and vegetables(果実食野菜食を振興するKencko、未訳)

Kenckoは米国とカナダが中心だが、製品は世界中から買える。フルーツドリンクは3日間試用パックが16ドル、20袋60袋がそれぞれ、60ドルと150ドルだ。

フロス氏は、急性胃炎になったあとにヴィーガン(Vegan、完全菜食主義者)になった。90%が果物と野菜、という食事療法で薬に頼らずに治ったあと2017年に、起業する気になった。それまで医師は、大量の薬を今後一生服用せよ、と彼に命じていた。

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今ではImpossible FoodsやBeyond Meatのような植物性食品のブランドに人気があり、メディアも熱心に取り上げているから、健康な食生活への関心も最高に盛り上がっているようだ、とフロス氏は見ている。

「消費者は食品の原料について知りたいと思うようになっている。表示にも、もっと透明性と正確性が必要だ。ここ5年ぐらいで、食べ物をめぐる革命が起きているのではないか」とフロス氏。

今回の投資家は、NextView Ventures、LocalGlobe、Kairos Ventures、Techstars、Max Ventures、そして匿名の支援者たちだ。同社は昨年、Techstarのロンドンのアクセラレーター事業に参加した

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データウェアハウスOSを提供するDataformが2億円超を調達

Googleの元社員たちが始めた英国のDataformは、企業によるデータウェアハウスの管理を容易にする。同社はこのほど、LocalGlobeがリードするラウンドで200万ドル(約2億1600億円)の資金を調達した。この投資には、多くの無名のエンジェル投資家たちが参加した。同社はシリコンバレーのアクセラレーターY Combinatorを、2018年の後期に卒業した。

Googleの社員だったLewis Hemens(ルイス・ヘメンス)氏とGuillaume-Henri Huon(ギョーム・アンリ・フォン)氏が創業したDataformは、データの豊富な企業がデータウェアハウスに保存したそれらのデータからインサイトを取り出せるようにする。データをマイニングしてインサイトやビジネスインテリジェンスを取り出すことは、通常ならデータエンジニアとアナリストのチームを必要とする。Dataformはそのタスクを単純化して企業がもっと高速かつ安価にそれができるようにし、データの有効利用を可能にする。

フォン氏は次のように説明する。「企業はこのところますます多くのデータを作り出して、それらをGoogle BigQueryやAWS Redshift、あるいはSnowflakeのようなクラウド上のデータウェアハウスに集中的に保存している。でも、BIツールを使って分析するなど、それらのデータを利用するためには、大量の生データをノイズのない、信頼性のある、アップツーデートなデータセットに変換しなければならない」。

「しかしデータの担当チームには、ウェアハウスのデータを有効に管理するためのツールがないことが多い。その結果、彼らは独自のインフラストラクチャを作ることとデータパイプラインの管理に多くの時間を取られている」、と彼は言う。

フォン氏によると、Dataformはデータウェアハウスにあるデータを管理するための完全なツールキットを提供して、その問題を解決する。それによりデータチームは毎日もしくはもっと頻繁に、新しいデータセットを作ってデータセット全体を自動的にアップデートできる。その処理全体をひとつのインタフェイスから管理でき、新しいデータセットのセットアップは5分ぐらいでできる。また同社は、これまでのベストプラクティスを使ってデータの管理を助けるオープンソースのフレームワークを提供している。その中には、再利用できるファンクションや、テストツール、依存性管理機能などがある。

今回のシード資金は、営業と技術両面の強化と拡大に充てられる。また、製品開発にも充当される。収益はSaaSの利用料金から得られ、通常はユーザーの人数に対して課金される。

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SpaceXがNASAと契約してブラックホールや中性子星を調査する宇宙船を打ち上げ

SpaceXがNASAからの受注で、画像作成X線偏光測定探査船(Imaging X-ray Polarimetry Explorer、IXPE)を打ち上げることになった。この研究用宇宙船は、中性子星やパルサー星雲、超大質量ブラックホールなどの光源からの偏光を調べて、これまでの宇宙観測よりもさらに多くの画像を提供する。

このミッションは科学者たちによるマグネター(強力な磁場をもつ特殊な中性子星)やブラックホール、パルサー風星雲などの研究を助ける。パルサー風星雲は、超新星の残存物の中にある星雲だ。

SpaceXはこのIXPEミッションの打ち上げを、すでに性能が実証されているFalcon Xで行い、その契約総額は5030万ドルだ。打ち上げは2021年4月で、フロリダ州ケネディ宇宙センターのLC-39Aから行われる。

SpaceXの社長でCOOのGwynne Shotwell(グウィン・ショットウェル)氏は、声明でこう述べている。「NASAが重要な科学的ペイロードの軌道打ち上げ用に弊社の実証された打ち上げ船体を信頼していることは、SpaceXの名誉である。IXPEは弊社にとって6度めのNASA打ち上げサービス事業からの受注であり、内二つは2016年と2018年に打ち上げ成功し、同機関の科学観測能力の増大に寄与した」。

NASAとの契約によるSpaceXの今後の打ち上げ計画はほかにもまだまだあり、その中には国際宇宙ステーションへの定期的な物資供給輸送業務もある。

画像クレジット: NASA/JPL-Caltech/McGill

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フランスのクラウドプラットホームもGPUインスタンスでデータ指向ユーザー狙う

フランスのClever Cloudは、PaaS(Platform as a Service)タイプのクラウドホスティングサービスだ。同社は米国時間7月4日、機械学習のためのGPUインスタンスをローンチし、それをClever Gridという新しいブランド名で提供することになった。。

同社が使用するGPUはNvidiaのGeForce GTX 1070、分単位で課金される。最もベーシックなインスタンスが1時間0.42ユーロ(約51円)、1日10ユーロ(約1200円)、1か月300ユーロ(約36500円)だ。このお値段でメモリー6GB、8コアCPU、1GPU、ストレージ250GBを使える。

もちろん仕様アップは可能で、GPUインスタンスの最大仕様はメモリー60GB、32コアCPU、4GPUとなる。その料金は、月額1200ユーロ(約14万6000円)だ。

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クラウドインフラストラクチャについてあまりよく知らない、データサイエンティストなどのユーザーのためにClever Cloudは、インフラストラクチャの管理をできるだけ抽象化している。ユーザーは自分のPythonコードをWebインタフェイスから自分のクラウドインスタンスの上で直接実行できる。

GPUインスタンスはTensorflowやscikit-learn、CUDA、Keras、pytorchなどをサポートしている。GPUインスタンスの上でDockerのコンテナを動かせる。

Clever CloudはGitHubのリポジトリを直接統合しているから便利だ。自分のGitHubアカウントにコネクトして、そのリポジトリでクラウドのインスタンスをスタートできる。するとユーザーのコードがサーバー上でデプロイし実行される。

そんなシームレスなデプロイに加えて、Clever Cloudにはモニタリングやバックアップ、セキュリティアップデートなど、ユーザーのサービスが円滑に動くための、ユーザー環境の脇を固める機能がいろいろある。

Clever Cloudのクライアントには、Airbus(エアバス)、MAIF、Compte Nickel、Sogeti、South African Ministry of Health(南アフリカ保健省)などが名を連ねる。

Clever Grid

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TikTokの子どものデータの安全な取り扱いを英政府も調査開始

TikTok(ティックトック)は、未成年ユーザーの安全性と個人データの扱いに関して、英国でも調べられている。The Guardian(ガーディアン)紙によると、英国の個人情報保護監督機関であるICOの長官を務めるElizabeth Denham(エリザベス・デンハム)氏が「米国の連邦取引委員会(FTC)が児童のプライバシーに関する法律違反でTikTokに570万ドルの罰金を課した直後の2月に、その調査は始まった」と委員会で述べたそうだ。

デンハム氏はガーディアン紙に、今調べているのはTikTokのプライバシーデータの集め方であり、特にオープンなメッセージングシステムは大人のユーザーが子どもに接触できる点で懸念がある、と述べている。彼女は曰く「我々は子どもたちに情報の防御服がないことを懸念している。メッセージングシステムが完全にオープンであることにも着目している。子どもたちがオンラインで集めたり共有したりしているビデオも調べている。目下、TikTokに対する積極的な調査をしているので、しばらく見守っていただきたい」。

調査は、TikTokの運営元であるByteDanceが保有するこの人気アプリが、EUの一般データ保護規則(GDPR)に違反していないかも調べている。EUのこの規則は、企業が未成年ユーザーに対する特別の保護策をとっていることと、彼らには大人向けとは異なる別のサービスを提供することを要求している。

FTCの調査は、TikTokがまだMusical.lyという名前だったころに始まり、その結果、13歳未満の子どもが名前やメールアドレスなどの個人情報を入力する前に親の同意を求めるなどの、児童オンラインプライバシー保護法(Children’s Online Privacy Protection Act)の規定に違反していると判定した。この判定の結果アプリには年齢制限が加えられ、13歳未満のユーザーによるビデオの撮影や投稿が禁じられた。

ByteDanceは評価額が750億ドルに達し、ガーディアン紙への声明ではこう述べている。「ICOのような機関とは協力して弊社のプロダクトに関する適切な情報を提供し彼らの仕事を支援している。データの保護という原則を堅持することはTikTokの最上位のプライオリティである」。

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ベンチャーキャピタルはなぜ大型化に向かうのか?

(編集部)この記事の筆者はNGP Capitalのマネージング・パートナーPaul Asel氏。同氏はテクノロジー分野の投資家として25年以上の経験がある。

SoftBankとAndreesen Horowitz(a16z)の両社は最近ベンチャーキャピタルの投資規模を拡大するような発表を行っている。Reutersの記事によれば、SoftBank関係者はVision Fundの上場を検討していると述べたという。実現すればベンチャーキャピタルとして初の株式公開となる。 一方、Andreesen Horowitzはアーリー・ステージ向けの7.5億ドルとグロース・ステージ向け20億ドルの2つのファンドの組成を発表した

A16zは過去1年半でバイオと暗号通貨に特化したファンドなどなど一連のファンドを組成しており、総額は35億ドルだ。ファンドにはAndreesen Horowitzに加えてGGVLightspeedSequoia などの著名ベンチャーキャピタルが加わっている。これらのVCは投資先のステージ、地域、専門分野などに応じたファンドを組成してきた。ここ1年半でSequoiaは9つのファンドを組成し、総額は90億ドルに近い。Lightspeedは4つのファンドで合計30億ドル、GGVも4つのファンドで18億ドルをコミットしている。

こうした大型ファンドが多数生まれていることはベンチャーキャピタルの大きく地図を塗り替えるものだ。ベンチャーキャピタルはもはや毎週月曜の朝に何人かのパートナーが小さなテーブルを囲んで次はどの会社に投資すべきか議論するようなコテージ・インダストリーではなくなった。

以前のベンチャーキャピタリストはいってみれば歯科クリニックのような個人営業に近かった。ベンチャーキャピタルはいまや人事、広報、金融、法務、営業などの部門を擁する大企業となり、社内にはバイオ、ロボット、暗号など各投資分野の専門家の大群を抱えている。SoftBank、Sequoia、GGVなどはほんの数名のパートナーでスタートしたが、現在はまたたくまに数百人のチームに成長した。

スタートアップへの投資は本質的にローカルビジネスだ

投資銀行の発達の歴史はベンチャーキャピタルの今後を占う上で役立つだろう。有力な投資銀行や非上場企業に投資するプライベート・エクイティ・ファームは何十年もの間結束は固いが小さな産業分野だった。それが投資規模の拡大によって一般的な企業の構造を備えるようになった。メリル・リンチは1914年に株式ブローカーとしてスタートした。当初は閉鎖的な投資銀行業界への新参者という扱いを受けた。当時はゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレー、リーマン、クーン・ローブなどの古参投資銀行が市場を支配して高い利益率を誇っていたが、株式市場から潤沢な資金が流入するにつれてメリル・リンチなどの新しい投資銀行が追い上げていった。

やがて投資銀行業界にM&Aの波が押し寄せ、それまでのパートナーシップに代わって近代的大企業の枠組みが主流となる。1854年創立のリーマンは1977年にクーン・ローブを買収し、次に1984年に自身がアメリカン・エキスプレスに買収された。リーマンの投資銀行業務はシアソン・ハットン・リーマンに移管され、1994年にリーマン・ブラザーズ・ホールディングスとしてニューヨーク証券取引所に上場される。投資銀行の大型上場ではモルガン・スタンレーが1993年に、ゴールドマン・サックスが1999年にそれぞれ実現している。

プライベート・エクイティ・ファームもすぐにこのトレンドに続いた。投資銀行同様、当初は小規模なパートナーシップで出発したが、活発なM&Aを支えるために貪欲に資金を求めていた。この資金需要を満たすには上場して株式市場から調達するのが近道だった。現在プライベート・エクイティ・ファームのトップ5社はすべて上場企業だ。ポートフォリオ2500億ドルのApollo Global Managementは2004年に、4700億ドルのBlackstoneは2007年に上場しており、Carlyle、KKR、Aresもすぐに続いた。

長らくベンチャーキャピタルは投資銀行とプライベート・エクイティ・ファームに訪れた巨大化とM&Aの波から隔離されていた。 スタートアップへの投資は本質的に相手をよく知っていなければならないローカルビジネスだ。テクノロジーの革新は歴史的にみて「早いもの勝ち」だ。MicrosoftOracleの例をみても、こうしたリーダー企業の資金効率は非常に高かった。多くの場合、上場以前の資金調達は総額で2000万ドル以下に過ぎなかった。ベンチャー企業は本質的にリスクが高く、不安定なビジネスだ。利益は企業ごとに大きく異なり、失敗の率も高く波も大きい。

イノベーションにはますます金がかかり、起業家はVCにますます多くを求めるようになった

しかし投資銀行やプライベート・エクイティ・ファーム同様、ベンチャーキャピタルも資金量が勝負となってきた。イノベーションを起こすには金がかかる。起業家も投資家もビジネスの着実な成長より一発勝負の革命を求めるようになる。既存のライバルの脅威を退けるためにはいわば衛星軌道に入れる地球脱出速度が求められる。スタートアップは次第に成長するにつれて有力な既存大企業と競争を強いられる。起業家としては資本効率の高い「リーン・スタートアップ」がトレンドだが、ベンチャーキャピタル側からみるとスタートアップをサポートするためのサービスづくりは決してリーンではない。特に財務、法務、マーケティングなど成長を加速するために必須の部門に人材を確保するには多額の資本を必要とする。現在大手ベンチャーキャピタルでは直接投資に携わるスタッフよりもサポート部門の人員のほうが多くなっている。

ベンチャーキャピタルは多様化、分断化が著しい業界だ。シリコンバレーだけでも200社以上のベンチャーキャピタルがひしめきあっている。これまでテクノロジーのイノベーションとは無縁と思われていたような地域、国々に数百のベンチャーキャピタルが生まれている。しかしベンチャーキャピタルへの需要が高まるにつれ、大量の資金を動かせる大型ベンチャーキャピタルが有利になる。今後10年程度で群小ベンチャーキャピタルの統合が進むのは間違いない。

大型化するベンチャーキャピタルの攻勢に耐えて一部の業種に特化したブティック型の投資銀行やプライベート・エクイティも生き残っている。同様に小規模なエンジェル投資、シード投資もSoftBank式の組織的な投資方式に対抗している。特定のテクノロジーや特定の地域、またそこで活動する起業家を熟知したベンチャーキャピタルは継続的に高いリターンを得ている。しかしながら、資本の集中度合が強まっているのが現実のトレンドだ。周辺には能力の高いエンジェル投資家、シード投資家が残るとしてもベンチャーキャピタル業界は投資銀行と同様、最終的には少数の巨大なグローバル企業が寡占するる世界になるだろう。

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滑川海彦@Facebook

検索結果ページで歌詞を紹介するGoogleは今後歌詞提供者のクレジットを明記へ

今週初めに、いろんな曲の歌詞をたくさん集積しているGeniusが、Googleを同サイトからコピーした歌詞を検索結果の中で無断流用していると非難した。GeniusはWall Street Journal紙(WSJ、ウォールストリートジャーナル)によって同社サイトへのトラフィックが減った、と言っている。Googleは最初、間違ったことは何もしていないと主張していたが、その後、問題を調査中であると述べ、その紛争を本日のブログ記事で取り上げている。その中で同社は、検索結果の情報ボックスの中の歌詞を提供しているサードパーティのパートナーの帰属(attribution)を、今後は含めるようにする、と言っている。

Googleが最初にWSJの取材を受けたとき、検索ページに表示される歌詞はパートナーからライセンスされたもので、Googleが作ったコンテンツではない、と言っている。しかし曲の検索結果のページの上部に表示される情報ボックスやカードの中の歌詞の一部には、モールス符号を使ったGenius特有の透かし模様がときどきある。Geniusはこれまで2年間、この件で何度もGoogleにコンタクトしたという。たとえば4月にGoogleに送った書簡は、そのやり方はサイトの利用規約に違反しているだけでなく、反トラストの法律にも違反している、と責めている。Googleなどの大手テク企業は、それでなくても政府の規制当局から反トラストで捜査されているから、それは重大な嫌疑だ。

WSJの記事のあとGoogleは声明で、この問題は調査中であり、やり方が良質でない歌詞提供者とは今後協働しない、と言った。

今日のブログ記事では、Google検索のグループプロダクトマネージャーSatyajeet Salgar氏がこう言っている。「会社は歌詞を表示する権利に関して音楽の出版者に支払っている。ソングライターのために歌詞の権利を管理しているのが彼らだからだ」。しかし音楽出版者の多くが歌詞のテキストをサードパーティの歌詞コンテンツプロバイダーからライセンスしているので、Googleは彼らとパートナーすることになる。(訳注:歌詞プロバイダーに協力するクラウドソーシングな書き起こし屋さんが多数いる。歌詞が最初から音楽商品に付随している場合も、それらの一般的な提供業務は既存音楽業界のどこも担当してない)。

Salgar氏は曰く、「たくさんのWebサイトをクロール(crawl、はいまわる)したりスクレープ(scrape、こそげる)したりして歌詞を得ているわけではない。検索ページの情報ボックスに出る歌詞は、歌詞コンテンツのプロバイダーから直接来ている。定期的に修正や新しい歌詞を受け取っているので、それらの歌詞は自動的に更新されている」。

そんなパートナーのひとつが、Googleが2016年に協定を結んだLyricFindだ。LyricFindのCEOはWSJに、歌詞をGeniusから得ていない、と言っている。

Salgar氏のブログ記事は社名を挙げていないが、紛争に関してはこう書いている。「今週のニュース記事によると、われわれの歌詞コンテンツプロバイダーのひとつが、彼らの歌詞の出所をめぐって、ある歌詞サイトと争議を起こしている。われわれはパートナーに問題の調査を求め、彼らのやり方が業界のベストプラクティスに確実に従っているようにしてほしい、と言っている」。

今後Googleは、検索結果のページに歌詞を提供したプロバイダー企業の帰属を含めるつもりだ。Salgar氏は曰く、「これからも権利保有者を尊敬し報酬が支払われるようなやり方を続けていく。音楽出版者とソングライターは彼らの作品に関し確実に支払われるべきである」。

Geniusは2009年にRap Geniusという名前でローンチし、Googleとは一貫して仲が悪い。2013年には検索結果の上位に自分を置くためにRap Geniusが使ったSEOの手法に、Googleのウェブスパム対策チームが文句をつけた。Googleは仕返しとして、Rap Geniusのリンクをほかの検索結果のページの下に置いた。その喧嘩は2週間足らずで解消したが、その間はRap Geniusのトラフィックが激しく落ち込んだ

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa