MWCで爆発的人気の巨大電池スマートフォンはクラウドファンディングで失速

うーん。自分のクラウドファンディングキャンペーンでは、こんなの絶対に見たくないよね:

勝ち目のない勝負っていろいろあるけど、こいつは目標額120万ドルに対して1万5000ドルだ。この18000mAhのバッテリーを搭載した滑稽なほど肥満体のスマートフォンEnergizer Power Max P18K PopのIndiegogoのページが、今年のMWCで盛り上がったセンセーションのバイラルな広がりに賭けていたのはわかる。会場でこれの写真を撮ろうとして、ジャーナリストたちが押し合っている様子も報道された。

当然ながら作者は、クラウドファンディングのページでも同じことが起きる、と考えた。なんたってこいつは、そのイベントで主役になるはずだったフォルダブルや5Gスマートフォンを脇役に追いやってしまった。本誌も記事にした。本誌のライターLucas Matneyは正しくもそれを、「スマートフォンを内蔵している巨大なバッテリー」と呼んだ。

でも、結果は明瞭だ。みんながその製品を話題にしていることは、だれかがそれを買おうとすることを意味しない。ではそれは何だったのか。あえて言えばそれは、スマートフォンの電池寿命の現状に対するコメント(一種のギャグ)であり、実在する魅力的な製品ではなかった。

そして率直に言って近年では、省電力モードや大容量電池を搭載したスマートフォンが増えている。だから少なくとも近未来に5Gがやってくるまでは、電池寿命の問題はあまり意識されなくなっている。それに今ではポータブル充電器が800万台も使われていて安くなっている。だからますます、P18K Popが愚かに見えてくる。そして言うまでもなく、たった1つの機能に惹かれて買ったスマートフォンは、そのほかの部分で問題が起きる可能性が高い。

しかしそれでも、キャンペーンを閉じた作者たちは希望の言葉を述べている。「目標額には達しませんでしたが、デザインや厚さなどで、P18Kの改良には取り組んで参ります。電池寿命が信じられないほど長いスマートフォンへの関心は高まっている、と信じています。しかも、ポータブル充電器として使うことも可能です」。

確かに、サムスンやファーウェイの製品は、パワーシェアリングが強力なセールスポイントであることを証明した。でもそれに、このEnergizerのロゴが付くことはないだろうね。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Alphabetはスマートフォン市場の逆風を認めハードウェア新製品の発表を匂わす

Googleの親会社であるAlphabetの2019第1四半期は、主に広告収入の過小によりウォール街を落胆させた。また、ほとんどすべての選手たちに影響を与えたスマートフォンのグローバル市場の不調のせいもあって、ハードウェア部門も苦しかった。

CEOのSundar Pichai(サンダー・ピチャイ)氏は、昨年秋のPixel 3Pixel 3 XLに続く同社のスマートフォン系列を指して「逆風が収まらないまま年を越した」と述べた。確かに彼の言うとおり同社はハードウェア部門を独立させてからまだ日が浅いが、同時に彼はまた、今後のイノベーションへの明るい希望も述べた。

「5Gとフォルダブル(折り畳み式スマートフォン)には今後も大きな期待が持てるし、それらはAndroidの重要な活躍の舞台でもある」、と決算報告で彼は語った。Androidのフォルダブルに関しては、そのUIの設計でGoogleが重要な役割を担い、サムスンの最近遅れが発表されたフォルダブルでも密接に協働している。

CFOのRuth Porat氏のコメントもピチャイ氏とほぼ同様だが、将来についても暗示した。「第一四半期の結果はスマートフォンの高級機の全市場的な不調を反映しているが、しかしGoogleアシスタントを実装したHome製品の好調は喜ばしい。とくに良いのはHome HubとMiniデバイスだが、ハードウェアチームは5月7日のGoogle I/Oカンファレンスで新しい発表をするようだから、それも楽しみにしていただきたい」。

上で「スマートフォンの高級機の不調」とあえて言っているのは、中級機ならという思惑があるからだ。その噂のミドルレンジ機のPixel 3aは、来月のI/Oでデビューするらしい。もしかしたらこれによって、Pixelの売上が持ち直すかもしれない。

ピチャイ氏がとくに言及したのは、同社が最近オープンした「キャンパスとエンジニアリングハブ」だ。苦境のハンドセットメーカーHTCで大きな買い物をした結果、Googleの台北R&Dセンターは同社のスマートフォン事業の拠点になるだろう。また彼はAmazonと競合するHome製品、とくにMiniとHubについて、ハードウェア部門の明るい材料、と言った。

彼はこう語る。「Google Homeとアシスタント製品だけを見れば、これまでも良くやっている。市場で勢いがある。グローバルで見れば、弊社はこのカテゴリーにおけるマーケットリーダーだ」。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

ARパズルで子どもたちにロボティクスとプログラミングへの関心を喚起するRosieReality

チューリッヒで消費者向けの拡張現実を作っているRosieRealityが、RedAlpineがリードするシードラウンドで220万ドルを調達した。そのほかの投資家は、Shasta Ventures、AtomicoのパートナーMattias LjungmanとSiraj Khaliq(どちらも個人資格で)、およびAkatsuki Entertainment Fundだ。

2018年に創業したRosieRealityの最初のAR作品は、子どもたちにロボティクスとプログラミングに関心を持たせることが目的だ。スマートフォンのカメラを使うそのアプリはキュートなARロボット「Rosie」(ロージー)が主人公で、LegoのようなモジュールでできたAR世界に住んでいる。その世界の中でユーザーとその友だちは、公園の遊具ぐらいのサイズの3Dパズルを作ったり解いたりする。

そのキモは、パズルを解くためにはロージーをプログラミングして拡張世界の中で動かす必要があることだ。

RosieRealityの共同ファウンダーでCEOのSelim Benayat氏はこう語る。「Rosie the Robot(ロボットのロージー)は、初めてのスマートフォンのカメラフィードの中だけで生きている対話的でモジュール構造の世界だ。コンピューターを使用するこの新しいプラットホームによって、子どもたちは遊具サイズのパズルゲームを作り、解き、そして友だちや家族とシェアできる。Legoの現代版のように」。

主な想定ユーザーは、複雑なパズルに挑戦することが好きなティーン。ARゲームを作ったのは、CEOの子どものころの体験もヒントになっている。彼はいろんなものを作って友だちを招き、それらを見せることが最大の楽しみだった。

彼は主張する。「今の子どもたちも、それほど変わっていない。でもARなら、同じような、形があってストーリーもある感動を経験できるだけでなく、彼らの創造性にもっと大きな発露の機会を与えることができる」。

「拡張現実の背景となる現実世界としてカメラを使えば、それは教えるツールとしても、また新しい創造のツールとしても最高だ。とくにゲームは、究極のクリエイティブでソーシャルでそして教育的な創造の場だ」、とRosieRealityのCEOは力説した。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

英国はファーウェイを5Gサプライヤーにすることに難色

【抄訳】
中国の通信機器ベンダーの関与が国のセキュリティにリスクをもたらすとの懸念にもかかわらず、イギリスの政府は、同国の5Gネットワークの一部の中核的でない部分に関してファーウェイ(Huawei)をサプライヤーとして認めることになった。しかし政府の記者発表によれば、ネットワークの中核的な部分からは除外される。

米国時間4月23日の国家安全保障会議の会合における英国メイ首相の決定を今朝のテレグラフ紙が報じた。同紙によると、複数の閣僚が彼女のアプローチに懸念を表明した。それらは、内務大臣と外務大臣、防衛大臣、通商大臣、国際開発大臣である。

FT(フィナンシャル・タイムズ)は、英国の5Gネットワークへのファーウェイの関与に厳しい制約を課すのは、閣僚たちが提起した懸念のレベルが高いことを反映している、と報じている。

5Gによる次世代ネットワークの構築にファーウェイの部分的関与を許すというメイ首相の黃信号的決定の1か月前には、英国監督機関がこの中国企業のセキュリティへのアプローチを評価して厳しい報告書を提出したばかりだ。

ファーウェイ・サイバーセキュリティ評価センター監督委員会(Huawei Cyber Security Evaluation Centre Oversight Board)の第5次年次報告書は、同社のソフトウェアエンジニアリングとサイバーセキュリティの能力には「深刻かつ意図的な欠陥がある」と酷評している。

監督委員会はしかし全面的な禁令を促すことはせず、「英国の重要なネットワークへのファーウェイの関与が国のセキュリティにもたらすすべてのリスクは、長期的には十分に軽減できる、という限定的な確証しか提供できない」と言うにとどめている。

しかし2月にブリュッセルで行われたサイバーセキュリティカンファレンスで英国の国家サイバーセキュリティセンター(National Cyber Security Centre, NCSC)のCEOを務めるCiaran Martin氏は、ファーウェイがもたらすいかなるリスクでも英当局は軽減できる、と確信を述べた。

【中略】

オックスフォード大学のサイバーセキュリティ専門家Lukasz Olejnik博士はこう言う。「これ(ファーウェイの部分的認可)は、そろそろファーウェイ問題にけりをつけたいと願っている政府の、とりあえずまあまあの落とし所だから、別に意外ではない」。

【中略】

しかし、ファーウェイには手を出させない、ネットワークの中核的部分とは何なのか、その定義が難しそうだ。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

高速表示可能なGoogleのAMPページを提供者の本物のURLで表示できる仕組み

ウェブサイト運営者はGoogleのAMPページを必ずしも愛していないが、読者は確実にそのスピードを喜んでいるし、運営者がGoogleの強権の肥大をどれだけ嫌っても今やほとんどの有力サイトがこの形式をサポートしている。でも運営者にとって絶対に嫌なAMPの奇癖が、ついになくなるようだ。米国時間4月16日からは、Googleの検索でAMPのリンクをクリックすると、ブラウザーは「http//google.com/amp」のリンクではなくパブリッシャーの本当のURLを表示する。

この変更は、1年以上かけて準備されていた。昨年1月に同社は、Googleのamp URLを表示せずにGoogle AMPのキャッシュからAMPページをロードする、複数カ月を要する取り組みを開始すると発表した

この取り組みの中心的存在はWeb Packagingという規格だ。これはデジタル署名を使う署名交換であり、Web Packagingによってブラウザーは、ドキュメントをパブリッシャーのオリジナルページに属するかのように信用する(Googleが送ったAMPページであっても)。本来ならブラウザーはデフォルトで、同じオリジナルページからではないデータにアクセスしようとするウェブページ内のスクリプトを拒絶する。そこでウェブサイト運営者はちょっと余計な仕事をして、ストーリーの署名ありバージョンと無署名のバージョンの両方を公開しなければならない。


2018年11月にGoogleが運営者にこの変更を告げてからは、かなりの数の運営者すでにこれをやっている。今は、このサービスの背後にある中核的な機能をサポートしているのはChromeだけだが、そのほかのブラウザーも近くサポートを加えるだろう。

運営者にとっては、ドメインネームが自分のブランドの重要な一部だから、これはかなり重要なことだ。自分自身のURLを使えれば、アナリティクスを得るのも容易だし、AMPページの上部にあるグレーのバーが出ても、URLバーには正しい名前があるからユーザーは安心する。

この新しい機能のローンチにあたってGoogleは、Cloudflareとパートナーした。後者は今日、そのAMP Real URL機能をローンチした。すべてのユーザーに行き渡るのはもうちょっと時間を要するが、いずれ誰もがクリック一発でそれを有効にできる。これにより企業は、GoogleのAMPキャッシュに送るすべてのAMPページを自動的に署名する。当面は、この機能をサポートするCDNはCloudflareだけとなるが、他社もこれに続くだろう。

CloudflareのCEOであるMatthew Prince氏はこう言っている。「AMPはインターネットの性能をアップする素晴らしいプロジェクトだから、AMP Projectに協力してAMPの最大の問題の1つを取り除きたかった。それは、パブリッシャー本人がサーブしたページのようにならないことだ。今回の新しいソリューションは今のところうちだけが唯一のプロバイダーだが、うちのスケールはグローバルだから、どこにいるパブリッシャーでも、自分のコンテンツをより高速かつブランドを大事にするモバイル体験で送ることができる」。


画像クレジット: Joan Cros/NurPhoto/Getty Images

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

アップルとの訴訟和解でクアルコムの株価が23%急上昇

巨額のライセンス料金を不服としてApple(アップル)がQualcomm(クアルコム)を訴えたことに端を発する両社の訴訟の全面和解のニュースを受けて、Qualcommの株価は23%急上昇した。米国時間4月16日のQualcommの初値は57.46ドルだったのに対し、終値は70.45ドルに達した。

これだけ大幅な株価のアップは市場がこのニュースにいかに驚いたかを反映している。ことにAppleはIntel(インテル)チップの採用によりQualcommのテクノロジーを自社の製品から締め出す戦略を取っていただけに全面和解は意外と受け取られた。この2年間、Appleは「Qualcommの特許のライセンス料金は不当に高額」と主張、逆にQualcommはAppleが特許を侵害しているとして互いに相手を訴えていた。

和解の財務的、法律的詳細は不明だが、Appleと Qualcommは「6年間にわたるライセンス契約を結んだ」と声明を発表した。これでQualcommの知財問題に関する強硬な戦略がトップ顧客との関係を悪化させているという懸念が解消された。Qualcommに対する投資家は、Appleが「訴訟が決着するまでライセンス料金の支払いを保留する」ようQualcommの顧客に対して呼びかけていたことに不安を抱いていた。

一方、IntelとAppleの株価はほとんど影響を受けなかった。

画像:Ethan Miller / Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

アップルがクアルコムと和解、6年間のライセンス契約で合意

長年続いてきたApple(アップル)対Qualcomm(クアルコム)の法廷闘争が 終結した。

2017年にAppleが「Qualcommが要求する特許のライセンス料金は高すぎる」と主張したことで、互いに相手を訴える巨額の訴訟が起きていた。AppleがチップにIntel製の採用動く一方、Qualcommはいくつかの国で特許権侵害訴訟に勝ち、それらの地域へのiPhoneの輸入を阻止した。

こうした中、両社はさきほど和解に達したことを発表した。これによれば、両社は世界各地で互いに対する訴訟をすべて取り下げることで合意した。

和解内容の詳細は明らかにされていないが、公表された主なポイントは次のとおりだ。

  • AppleはQualcommに特許料金の支払いを行う(金額は不明)。
  • 両社は6年間に及ぶ特許利用契約(最長2年間の延長オプションを含む)と同時に「複数年にわたるチップ供給」の契約を結ぶ。

これによりQualcommの株価は急上昇中だ。

画像:Bryce Durbin / TechCrunch

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Android上のGoogle Assistantのビジュアルな答が改良された

半年ぐらい前にGoogleは、スマートフォンのAssistantのルックスを一新した。そして米国時間4月6日、同社はそのフォローアップとして、Android上のAssistantのビジュアルな応答性を良くするための、小さいけどすてきな手直しを発表した。それによってアプリの使い心地は、Googleのそのほかのサービスと同じになるだろう。

たとえば、イベントをたずねたときの応答は、同じ質問をモバイルのブラウザー上でたずねたときとまったく同じだ。これまでは、Assistantのビジュアルな応答は、かなり簡略化されていた〔下図のそれぞれ左(Before)〕。

[イベント][株価][犬][猫]

  1. Events

  2. Stocks

  3. Dog

  4. Cats

また、これにはユーザーからの苦情もありそうだが、Assistantでは最適解がないのでWebサイトのリストを“その他の解”としてユーザーに見せるとき、二つのボックスを画面上に縦に並べた。それは、とっても見づらい。しかし今度からは、ふつうのGoogle検索のレイアウトと同じになる。

良いアイデアじゃないの。なんでそれに苦情が来るの? つまり、表示が通常のGoogle検索と同じになったことによって、検索広告も出るのだ。Assisitantが広告をユーザーに見せるのは、これが初めてだ。Webサイトのリストを答としてもらうような質問は、そんなに多くないから、まあいいじゃないか。でもユーザーが心配するのは、これをきっかけにAssistant上の広告が今後多くなることだ。

Googleによると、Assistantのユーザーに見せるその広告では、広告主は広告のターゲティングができない。そしてユーザーに関する情報を、捕捉しない。

今度のAssistantには、住宅ローンの計算や、カラーピッカー(画面から色を拾う)、チップの計算、水準器などの機能が加わった。また、株価を知りたいときは、完全な対話型のグラフでそれができる。今までのように、株価が表示されるだけではない。

これらの新しい機能は今のところ、アメリカのAndroidスマートフォンのみだ。例によって、あなたのお手元のスマホに現れるのはもうちょっとあとだね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Google AMP for Emailでメールの高速表示が可能に、ダイナミックなメディアに変身

AMP
米国時間3月25日、GoogleはAMP for Email正式にスタートさせた。AMP for Emailは現在の固定的なメールをウェブページのようなダイナミックなメディアに進化させることが目的だ。AMPブログによれば、まずGmailがサポートされるがYahoo Mail(ちなみにTechCrunchの親会社の所有)、Outlook 、Mail.ruのようなメジャー・サービスもAMP for Emailをサポートすることになるという。

AMP(Accelerated Mobile Pages)はGoogleが中心となって開発された新しいHTML規格で、モバイルのウェブページの高速表示を実現している。Googleがメールへの導入プロジェクトを発表したのは1年以上前だ。Googleの慎重さを考えても長い準備期間だが、この機能を正しく働かすためには膨大なバックエンド作業が必要だったということだろう。

AMP for Emailが目指すのは現在の固定的なメッセージ・システムを仕事を本当に効率化するツールに変えるところにある。Gmailのプロダクトマネージャ、Aakash Sahney氏はこう述べている。

この10年間で、静的でフラットなコンテンツは対話的なアプリケーションへと進化した。これによってわれわれのウェブ体験は決定的に変わった。しかしメールは相変わらず静的メッセージのままで、時代遅れなシステムになりつつある。メールの本文にリンクが含まれている場合、内容を確認したければそれをクリックしてブラウザに新しいタブを開き、別のウェブサイトにアクセスしなければならない。

AMP for Emailが実現すれば、メールはダイナミックかつ対話的なスペースになる。つまりOutlookに実装されている返信メニューをポップアップさせるRSVPボタンのような機能をメール本文に埋め込むことができる。アンケートに答える、ストアで在庫を確認する、コメントに返信するといった作業がメール・クライアントを離れることなく実行できるわけだ。

このフォーマットは、ホテル予約のBooking.comやスケジュール設定のDoodleを始めFreshworks、Nexxt、OYO、Rooms、Pinterest、redBusなどの有力企業がすでに採用している。こうしたサービスからメールを受け取ることを許可している場合、今後数週間のうちに対話的コンテンツを含むメールが届く可能性が高い。

デベロッパーにとってメールをAMP化するのはさほど難しくない。ウェブサイトでAMP化ページを作った経験があればなおさらだ。 フォーマットには画像カルーセル、フォーム、リストなど多数のAMPマークアップ機能が含まれている。こうしたメールには標準的な HTMLマークアップも含まれているのは重要なポイントだろう。これはなんらかの理由でAMPが作動しなかった場合のバックアップとなる。.

最初の発表以来、GoogleはグーグルはAMP for Emailをサポートするパートナーを多数集めることに成功した。これにはメールの配信および分析プラットフォームのSparkPost、メールのデザインおよびマーケティングツール化のLitmus、Twilio Sendgrid、AmazonのSES、Pinpointのユーザー向けメールとマーケティングツールなどがある。

ただしTechCrunchのDevin Coldeweyを含めて、メールへのAMPの導入に反対する意見も根強い。AMPを利用するには新しいマークアップ言語を習得し、かつサポートするインフラを必要とする。シンプルなページをすばやく構築するために必須の要素ではない。

現行のメールシステムにはさまざまな欠点があるものの、シンプルであるためにあらゆるベンダー、ユーザーの間で確実にメッセージ交換機能を果たす数少ないシステムの1つだ。メールにAMPを持ち込むことに誰もが無条件に賛成していない理由は、このメリットを帳消しにする恐れがあるからだ。しかしマーケティングや広告関係者はAMPメールを使うようにならざるを得ない。必要な作業をスピードアップすることができるなら、デベロッパーたちはメールのシンプルさを守るべきだという理想論にはあまり関心を払わないだろうと思う。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

ウェブサイトのトラフィックが正規 URL に統合されます

現在 Search Console の検索パフォーマンス レポートでは Google 検索で表示された URL に、関連するすべての指標が記載されています。この仕様では詳細なデータがわかる反面、プロパティの管理は難しくなります。たとえばサイトのモバイル版と PC 版が複数のプロパティにわかれている場合、同じコンテンツの検索データをすべて表示するには、複数のプロパティを開かなければなりません。

この問題を解消するため、Search Console では今後、検索指標の割り当て先を、Google 検索に表示された URL ではなく(Google が選択した)正規 URL にデータを統合することにしました。この変更には次のような利点があります。

  • 同一のコンテンツに対するすべての検索指標が(1 つの) 正規 URL に統合されます。特定のコンテンツの全体像を 1 つのプロパティで把握できるようになります。
  • 複数のモバイルページや AMP ページがある場合でも、すべてのデータ(一部のモバイル URL が正規となった場合はその URL を除く)が (1 つの)「正規の」プロパティに統合されます。
  • AMP レポートやモバイル フレンドリー レポートのユーザビリティが向上します。現在これらのレポートでは、エラーは正規ページ プロパティに関連付けられますが、表示回数は Google 検索で表示された URL が属するプロパティに関連付けられています。変更後は、表示回数とエラーが同じプロパティ内に表示されます。

移行時期

すべてのパフォーマンス データは 3 月末に移行が完了する予定です。データの継続性を確保するため、Google では統合済みデータの表示を 2018 年 1 月から開始しています。ユーザーの皆様は、移行期間中の数週間に新旧両方のバージョンを表示して、移行による影響や変化をご確認いただけます。

API とデータポータルをお使いの皆様: Search Console API は 3 月末に正規データに変更されます。

現在のデータへの影響

  • 個々の URL レベルでは、トラフィックが正規以外の URL(重複した URL)から正規 URL に移行されます。
  • プロパティ レベルでは、代替プロパティ(モバイルサイトなど)のデータが「正規のプロパティ」に移行されます。正規化がプロパティ レベルではなくそのページで行われ、モバイル プロパティにも正規ページがある可能性があるため、代替プロパティのトラフィックがゼロにならないこともありますが、ほとんどの場合はプロパティ レベルの大部分のデータが 1 つのプロパティに移行されます。また多くの場合、AMP プロパティ トラフィックはゼロになります(自己参照正規化ページを除く)。
  • トラフィックに関する重要な情報を失うことなく、デバイス、検索での見え方(AMP など)、国などのディメンションで引き続きデータをフィルタリングできます。

トラフィックの変化について、以下に例を挙げましたのでご確認ください。

変更に向けた準備

  • 各種プロパティに対するユーザー アクセスを変更するかどうかを検討してください。たとえば正規プロパティに新しいユーザーを追加する必要があるか、既存のユーザーが正規プロパティ以外のプロパティに引き続きアクセスする必要があるか、などです。
  • カスタム トラフィック レポートを作成していた場合は、トラフィック移行に適応するよう変更してください。
  • 特定の URL の正規 URL は、URL 検査ツールで確認できます。
  • 現在のシステムを使用して計算したトラフィック データを保存するには、パフォーマンス レポートの [データをエクスポート] ボタンまたは Search Console API を使用してデータをダウンロードしてください。

サイト内で起こりうるデータの変化について、いくつか例を挙げました。以下の例で、正規サイト(example.com)と代替サイト(m.example.com)のトラフィック数がどのように変わるかをご確認ください。

重要: 以下の例では、PC 版サイトにすべての正規ページが含まれ、モバイルサイトにすべての代替ページが含まれているものとします。実際には、一部の代替ページが PC 版サイトに、一部の正規ページがモバイルサイトに含まれている場合もあります。特定の URL の正規ページは URL 検査ツールで確認できます。

総トラフィック

現行バージョンでは、トラフィックが正規プロパティと代替プロパティで分かれています。新バージョンでは、すべてのトラフィックが正規プロパティに属するようになります。


正規プロパティ
(http://example.com)
代替プロパティ
(http://m.example.com)
現行バージョン

正規 URL に基づいた新バージョン

差異+0.7K     |        +3K-0.7K        |          -3K

ページ別のトラフィック

ページ別の重複 URL と正規 URL のトラフィックの変化は、ページビューで確認できます。次の例は、正規ページと代替ページに分割されていたトラフィックが、すべて正規 URL に属するようになったことを示しています。


正規プロパティ
(http://example.com)
代替プロパティ
(http://m.example.com)

現行バージョン

新バージョン

差異

+150     |        +800

-150     |        -800

モバイル トラフィック

現行バージョンでは、すべてのモバイル トラフィックが m. プロパティに属しています。新バージョンでは、次に示す [端末: モバイル] フィルタを適用すると、すべてのトラフィックが正規プロパティに属するようになります。


正規プロパティ
(http://example.com)
代替プロパティ
(http://m.example.com)

現行バージョン

新バージョン

差異

+0.7K      | +3K

-0.7K      | -3K

まとめ

最初は少々混乱されるかもしれませんが、この変更によってサイトのトラフィック データは、今よりもずっと簡単にトラッキングできるようになります。ご不明な点がある場合は、ウェブマスター ヘルプ フォーラムをご利用ください。

FirefoxのiOSバージョンがiPad向けに最適化、デスクトップに近い機能も

Mozillaは米国時間3月22日、FirefoxiOSバージョン発表した。今回はアップルのiPad向けに最適化されている。今週は新しいiPad miniが発売されたから完璧なタイミングだ。タブレットに適したブラウザーの制作は、Mozillaが近年集中していたスマートフォン向けのブラウザーとは違う、という認識の表明でもある。

Mozillaは今日の発表声明でこう書いている。「iPadは単なる大きなiPhoneではない。使い方も違うし、目的も違う。そこで、iOS向けのブラウザーの大型バージョンを作るのではなくて、今回のFirefox for iPadのルック&フィールをタブレットに適したものにした”。

この新しいバージョンでは、Firefox for iPadが画面分割などiOSの機能をサポートするようになり、またOutlook for iOSの中でFirefoxをデフォルトのブラウザーに指定できる。タブの管理を大きな画面向けに最適化し、タブを大きなタイルのようにして、見やすい、開きやすい、閉じやすいを実現した。そして他の端末とシェアしたいタブがあれば、URLをコピペしなくても、昨年導入されたSend Tabs機能で簡単にできるようになった(タブのメニューで「タブを端末へ送信」)。

プライベートブラウジングの開始はiOSではかなり面倒だったが、このiPadバージョンでは一回のタップで済み、そのことがタブバーに強調表示されている。

iPadはキーボードを使うユーザーも多いから、今度のFirefoxには当然ながらキーボードショートカットがある。

iPadのユーザーで別のブラウザーを探していた人には、Firefoxがいい候補になりうるだろう。ぜひ試してみて、感想をコメントで知らせてほしい。なお、ついでながら、ブログのコメント欄に広告スパムを投稿するのだけは、やめておくれ。もう、みんな、見飽きてるから。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

社員たちのスマホに第2番号を割り当てるMoviusが新CEOを迎え約50億円を調達

アトランタ出身のMoviusは、企業が社員たちの電話機の音声通話とテキストメッセージングに、仕事専用の別の電話番号を割り当てられるようにする。同社は米国時間3月22日、JPMorgan Chase(JPモルガン・チェース)が仕切るシリーズDのラウンドにより、4500万ドル(約50億円)の資金を調達した。これに既存の投資家であるPointGuard VenturesとNew Enterprise AssociatesおよびAnschutz Investmentが参加した。これで、同社の累計調達額は1億ドルになる。

さらにMoviusは、AdobeやSunの役員だったJohn Loiacono氏を新たなCEOとして迎えたことを発表した。Loiacono氏は、ネットワークアナリティクスのスタートアップJolataの創立時のCEOだった。

新CEOはこう言っている。「Moviusの商機はどんどん拡大している。地球という惑星の上のすべての企業でワークフォースが流動化しているが、それに伴い、さまざまな通信手段による顧客や社員たちとの安全な対話が難しい課題になっている。音声でも、SMSでも、あるいはそのほかの彼らが日常的に使用するどんな通信チャネルでもそうだ。私が今感激しているのは、すごく情熱的で実績のあるイノベーターたちのチームに加わろうとしているからだ。彼らはまさに、その難題のソリューションを提供することに、激しく燃えている人びとだ。この会社の成長の次の章を率いていくことが、楽しみである」。

Hyperloop Transportation Technologiesの最高戦略責任者(CSO)のSanjay Jain氏と、JPMorgan ChaseのTechnology Innovation, Strategy & Partnerships部門のトップのLarry Feinsmith氏が、Moviusの取締役会に加わる。

Moviusの現在の顧客数は1400社を超えている。そしてSprintとTelstra、Telefonicaなどがパートナーのキャリアだ。ここで重要なのは、Moviusが提供するものがスマートフォン向けのベーシックなVoIPアプリではない、という点だ。同社が約束しているのは、顧客にキャリア級の本格的なネットワークを提供して、彼らの社員のスマートフォンに第2の番号を割り当てることだ。そのため、社員が自分のデバイスを仕事に使っていても、雇用者は安眠できる。

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写真に写ってるものを音声で聞けるマイクロソフトのSeeing AIアプリ

Microsoft(マイクロソフト)のSeeing AIは、目の不自由な人が視覚データをオーディオに変換できるアプリだが、今回、便利な機能がひとつ増えた。ユーザーが、写真の中のオブジェクトや人間をタッチして調べることができるのだ。

それはもちろん、機械学習のオブジェクトや情景の認識機能を利用している。写真を撮ったり、ビューワーの中で開いたりしたら、その上のどこでもいいからタップするだけだ。

「この新しい機能でユーザーは、タッチ画面に表示されている画像を指でタップして、そこに写っているものやそれらの空間的関係の説明を聞くことができる」と、Seeing AIの主席開発者Saqib Shaikh氏がブログ記事でそう述べている。「このアプリは、人の肉体的な外見や彼らの気分も説明できる」。

顔認識機能もあるので、友だちの写真を撮ったら誰がどこで何をしているのか聞くことができる。その写真の中に犬がいることもわかる(こいつは重要だ!)。これは、下図に示すように、全画面的にはすでに実現していた。

でも今度からは、ユーザーがあちこちをタップして、どんなオブジェクトがどこにあるか知ることができる。それは新奇な機能というより、写真を見る際には本来とても重要なことだ。説明書にはないが、もっと細かいこと、たとえば前景に花があるとか、背景に映画のポスターがある、なども分かる。

しかもこのアプリはiPadをサポートするようになったので、アップルのタブレットがいろんなメディアや対話の主要なインタフェイスとして役に立つだろう。今回のアップデートでは、このアプリから好きなものを注文できるようになった。

Seeing AIは無料で、iOSデバイス用にここからダウンロードできる。

画像クレジット: Microsoft

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

ファーウェイが米政府を提訴、自社機器に対する禁則は「憲法違反」と主張

ファーウェイは、スパイ行為と米国のイランに対する制裁と関連した銀行詐欺の嫌疑から身を護るために、米国政府に対する訴訟に踏み切った。米国時間3月6日の夜に行われた記者会見でファーウェイは、米国政府を訴訟したことを発表し、同社の製品の使用を連邦政府機関とその契約企業に対して禁ずることは「適正な司法手続きを欠いており憲法違反だ」と主張した。

同社は世界最大の通信機器メーカーで、またスマートフォン市場ではApple(アップル)に対する脅威を日に日に増している。ファーウェイの米本社のあるテキサス州で提出された訴状の中核にあるものは、National Defense Authorization Act(国防権限法)に2018年8月に追加された第889条が憲法違反だとする、同社の主張だ。

第889条には、連邦政府機関がファーウェイの機器やサービスを調達したり、ファーウェイの機器やサービスを使っている契約企業と協働したり、あるいはファーウェイ製品の調達に使われる補助金や政府融資に支出することを防ぐ規定がある。

3月6日の記者会見でファーウェイの輪番会長を務める郭平(Guo Ping)氏は「米議会はその規定を支持する証拠を提供していないし、ファーウェイへの禁則ための適正な司法手続きを行っていない」と言った。同社は、その規定に対する終局的差止め命令を求めている。

郭氏はこう語る。「これまでの30年間、弊社製品のセキュリティにはまったく問題がなかった。ファーウェイがバックドアをインストールしたことはないし、他社がわれわれの機器にバックドアをインストールすることも絶対に許さない。米国政府はわれわれのサービスを脅威と決めつけているが、その非難を正しいとする証拠を示したことは一度もない。米国政府は証拠提出の努力もせずに、一方的に企業に汚名を着せているだけである。さらにひどいのは、われわれを他の国でもブロックしていることだ」。

米国の政府職員たちはかなり前から、国内企業と他国の政府がファーウェイの機器を使わないよう警告していた。「中国がそれらの機器を使って諜報活動をしているおそれがある」とされた。2017年に成立した中国の法律は、「すべての団体と市民が法に即した国の諜報努力を支持し、援助し、協力することおよび、彼らが知っている国の諜報活動の秘密を保護すること」を要求している。

ファーウェイの法的行為は、ライバルのZTEと米国政府の間で昨年到達した和解と対照的である。ZTEが10億ドルの罰金を払うことに同意したあと7月に、米国はZTEが米国のサプライヤーに販売できないようにしている禁則を解除する、と発表した。それまでの捜査では、その中国の通信機器メーカー(ZTE)が、イランおよび北朝鮮と取り引きすることにより、米国の制裁に違反している、とされていた。

肥大する脅威

ファーウェイに関する懸念は、同社が5Gの技術における中心的な中国企業へと成長したことにより、一層エスカレートしている。5Gは、自動運転車や遠隔手術などの未来的な通信技術を支えるネットワーク技術だ。その背景には、世界全体の5G化をリードしたいとする中国の野心がある。そのため中国政府は5Gの商用ライセンスの発行を急ぎ、消費者の関心を喚起しようとしている。

今年の初めに米国司法省はファーウェイと同社の財務担当役員Meng Wanzhou(孟晩舟)氏を、米国のイランに対する制裁を回避する事業行為により刑事告訴した。孟氏は今週、彼女の権利を侵犯したとしてカナダ政府と警察を告訴した。その権利侵犯とは、彼らが12月に米国政府のために彼女をカナダ国内で拘留したことを指している。

ふだんはあまり人前で話すことのないファウンダーのRen Zhengfei(任正非)氏をはじめファーウェイの役員たちは、同社の機器にバックドアがあることを断固否定した。最近任氏は、米国が彼の会社の進路を妨害することはできない、と宣言し、彼の娘である孟氏の逮捕を、“政治的動機に基づく許しがたい行為”と呼んだ。

このファーウェイ騒動は、米国と中国の貿易紛争が長引いている間に生じた。世界の二大経済圏の間で緊張がこれ以上増せば、イノベーションを扼殺するとの論評もある。世界中の国が今では、投資とサプライチェーンのリソースと技能労働者をますます中国に依存するようになっている。しかし同時にその多くは、セキュリティで米国との連合に依存している。

【アップデート】ZTEの件と貿易戦争について米国時間3月7日に加筆。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

MWC 2019に見るモバイル技術の多様化でスマホ以外にもハイライト

長年、話だけが先行した5Gが、やっとMWC 2019に到着した、かのようだ、あくまでも。バルセロナは、今年後半に発売される数種の5Gハンドセットの打ち上げ台になった。と、これもあくまでもぼくの個人的感想だけど。

もうひとつ、話題が先行していたスマートフォンの技術、フォルダブルディスプレイも、ついに日の目を見た。数社がフォールダブル機を発表し、中にはハンドセットとして価格が決まってるものもあったが、コンセプトだけというところも多かった。そしてその多くは、ガラスケースの中に鎮座していた。

そのほかの注目すべきトレンドは、カメラ、AR/VR、そしてありとあらゆるセキュリティだ。以下に、この世界最大のモバイルショーの傑作と駄作の両方をご紹介しよう。そして今年はその両方が、これから先の変化に賭けていたのだ。

5Gの成熟

MWCの話題としては長年主役級だったが、今年は実物の5Gハンドセットがついに登場した

Huawei Mate X
LG V50 ThinQ 5G
Samsung Galaxy Fold
Samsung Galaxy S10
Xiaomi Mi Mix 3
ZTE Axon 10 Pro 5G

昨年、5G列車に最初に飛び乗ると約束していたOnePlusはハンドセットを発表しなかったが、プロトタイプをデモし、クアルコム(Qualcomm)や英国のEEと共催する5Gアプリのコンテストを発表した。

未来は折りたたまれていたか

折りたたまれていたのは、顧客のお財布だろう。最初のフォルダブルが、平均2000ドル弱という価格で登場した。それはまるでスマートフォンを2台買うようなお値段だが、確かにスマートフォンが2つあると考えてもよい。でも実際に2000ドルの価値があるのか? それはまた、別の問題だ

Huawei Mate X
Samsung Galaxy Fold

TCLはプロトタイプを出品して、来年中にはもっとスペース効率の良い製品を出す、と約束した。オッポ(Oppo)も、まだまだプロトタイプの段階だ

AR/VR/MR

世界最大のスマートフォンショーの最大のヒットは、スマートフォンではなかった。マイクロソフト(Microsoft)はこのイベントを利用して、同社HoloLensの第2世代機をローンチした。それは、ビジネスにしっかりフォーカスしたヘッドセットだ。

Microsoft HoloLens 2
Microsoft Azure Kinect
Vive Focus Plus
Qualcomm XR chips

セキュリティ

同社の5G機器をめぐってセキュリティの脅威が喧伝されているHuaweiには、言いたいことが山のようにあった。その点では欧州委員会(EC)のデジタルコミッショナーも同じだ。一方、Androidは今後ますます、パスワード不要のログインを目指すようだ。

その他

Energizer18000mAhスマートフォン
Lightはスマートフォンのカメラから自動運転車に事業拡張
HTCのブロックチェーンフォーンを法定通貨で買える
Sprint5月に4都市で5Gサービス開始
Facebookがインターネットインフラプロジェクトを拡張
microSD Expressフォーマットは超高速な転送と長いバッテリー寿命を約束
スマートフォン全体がウェアラブルになるNubia

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

MWC 2019は「モバイル」が本当に多様化していく最初の年になるだろうか?

CES 2019は不発だった。たまたまそうだった。おもしろい年もあれば、そうでない年もある。テクノロジーの世界には干満がある。時間は単純な円環だ。すべてがピカピカに光り輝き、自分こそ金(きん)だと主張している。でもその退屈を壊せるのは、不意に現れる流れ星だけだ。

一方、MWCは毎年必ず何かがある。モバイル産業は今、岐路に立っている。スマートフォンの売上は停滞し始め、アナリストたちは初めて落ち込みを認めた。しかも、選りに選ってそんな年に、Mobile World CongressはMWC Barcelonaに公式に改名した。

この唐突な改名は「モバイル」という言葉からその重荷を取り去った。Mobile World Congressという名前のままでは、世界のスマートフォンの高級機の新製品発表会、というイメージを拭い去れない。しかしこのショウは今や、CESやIFAと並ぶ消費者電子製品の世界大会へ変わろうとしている。まるで当然のように。

それでも当面は、スマートフォンは特別な存在だ。そのデバイスは今でも私たちの生活のどの部分にもついてまわるし、これからもしばらくはそうだろう。売上の低迷にはいくつかの理由があるが、しかしその最大の要因はアップグレードサイクルが遅くなったことと、製品の性能がほぼ頂点に達して、人をあっと言わせるような新機能がなくなったことだ。また、世界のスマートフォン市場を引っ張ってきた中国経済の乱調も低迷に貢献している。

そして市場の基調としての行き詰まり感は、新しい実験精神を生んだ。株主たちを喜ばせておくためには右肩上がりの成長と快調な売上が必要だが、そのためには消費者がどうしてもアップグレードしたくなる強力な理由を探さなければならない。そして今年は初めて、いや、初代のiPhone以来初めて、フォームファクター…外形形状…のラジカルなシフトが起きた。サムスンもファーウェイもTCLも、そしてオッポ(Oppo)も、全員が最近の数週間内に折り畳みスマホ(フォルダブルフォン)を発表した。

消費者がまさにそれを必要としている時期に登場した、というのもあるけど、各社の差別化ぶりがさらに話題をにぎやかにしている。大手各社はほぼ同じ時期に全員がフォルダブルのバスに乗り込んできたが、フレキシブルという技術の統一規格のない実装形式には、各社それぞれのユニークなアプローチが見られる。

実際には、これらのどれひとつとして、ゲートを出た途端にビッグセラーになってはいない。平均2000ドルという価格も問題だ。ファーウェイのモバイル部門のチーフであるリチャード・ユー(Richard Yu)氏が、ステージ上で、Mate Xの価格が高いことを謝ったぐらいだ。それも期待に水を差した。

でも、これまでの各社旗艦機の倍というお値段でありながら、関心は盛り上がっている。そしてどこも、その実験を引っ込めようとしない。LightのCEOの説では、スマートフォンの技術と市場の成熟により、各メーカーにはこれまでと違うユーザーニーズを探求する新しい機会が生まれたのだ、と。

彼がそのとき具体的に指したのは、スマートフォンのリアカメラの配列の多様化だが、それを「スペースの利用の多様化」と一般的に言ってもいい。今や多くのスマートフォンメーカーが、毎年アップルやサムスンと同じ土俵で競合していくことに、そのココロが‘燃え尽きて’しまった。

多様な断片化を特徴とするメディア市場において、長年スマートフォンだけは、ひとつの、あるいは数少ないトレンドへと全員が右へ倣えしてきた。だから今後の変化についても、同じことが言えるのではないか。そのトレンドとは、今後スマートフォンはますます均一ではなくなり、ユーザーの個々のニーズに精密にフィットしたものになる、という流れだ。

関連して、スマートフォンのハンドセットがあまり売上にも利益にも貢献していない企業が次々とモバイルから手を引く、というトレンドもありうる。今すでに、Razerがその第3世代のゲーム専用スマートフォンの計画を放棄したという噂がある。

しかし希望があるとすればそれは、今年のMWCが、モバイル業界が長年怠慢してきたラジカルな激動と変革に向かう、最初の一歩になることだ。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

GoogleがモバイルUIツールFlutterを刷新、アプリや機能のオンデマンド配信も可能に

米国時間2月26日、バルセロナで開催中のMWC 2019でGoogleはクロスプラットフォームのUIフレームワーク「Flutter」をバージョン1.2にアップデートした。

今回のアップデートでFlutterはAndroid App Bundleをサポートする。これはアプリや機能をオンデマンド配信するためのGoogleの最新テクノロジーだ。Androidアプリを効率的にパッケージできるだけでなく、ダウンロードせずにアプリを利用できるInstant Appも作成できる。

また新しいFlutterフレームワークにはデベロッパーがアプリ内課金によって収入を得ることを助ける仕組みなど多数のウェブベースのツールが用意されている。

昨年のMWCでFlutterのアルファ版が公開された後、Flutter 1.0がリリースされたのはわずか数カ月前だった。それならバージョン1.1はどうしたのだといぶかる読者もいるだろう。実は先月のベータリリースがそれだった。Flutterチームは毎月一度程度の割合で1.xアップデートをリリースする計画だという。

当然のことながらFlutterは今回のアップデートでパフォーマンス、信頼性とも改良されて通常の安定版になっている。また最新のDart 2.2 SDKがデフォルトでバンドルされる(FlutterアプリケーションはDart言語で書かれている)。開発チームはiOSのサポートにも力を入れておりフローティングカーソルでのテキスト編集にも対処しているという。

Flutterはモバイルに重点を置いたプロダクトだが、最近、Googleではこのフレームワークを使ったデスクトップアプリケーション開発の可能性に言及するようになった。準備の一環として、1.2ではキーボードイベントとマウスカーソルを乗せるイベントのサポートが追加された。Project HummingbirdはFlutterをWebに移植するためのプロジェクトだが、今後数カ月以内にテクニカルプレビューとして公開されるという。

開発ツールとして見た場合、GoogleはすでにAndroid StudioでFlutterをサポートしている。またMicrosoftのポピュラーなツール、Visual Studio Code向けのツールを追加している点も注目だ。また新しいWebベースのプログラミングツールであるDart DevToolsも開発中だ。これらのツールはローカルに実行され、ウィジェットインスペクタ、タイムラインビュー、ソースレベルのデバッガ、ロギングビューなどを含む。

現在、これらのツールは公式プレビュー版が公開されており、既存のVS Code、Android Studioの拡張機能やアドインとともにインストールできる。

今回のアップデートのリリースに加えて、FlutterチームはFlutter Createと呼ばれるコンテストを実施することを発表した。参加者はFlutterを使って「面白くてためになりビューティフルな何か」を作ることを求められる。Dartのコードのボリュームは5K以下でなければならない。賞品には1万ドル相当のiMac Proが含まれているが、メモリー128GBというスペックなので5Kのコードの処理に手間取る心配はないだろう。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Opera TouchではiOS上でWebサイトのクッキーをブロックできる

昨年の秋にOperaは、Opera Touch for iOSをリリースした。それはSafari on iPhoneと肩を並べる優れたモバイルブラウザーで、スマートフォンの片手操作に向けて最適化されている。今日(米国時間2/22)同社は、このアプリに注目すべき新たな機能を加えた。それは、クッキーブロックだ。これがあると、Webサイトのクッキーを受け取るようしつこく求めるダイアログを、自動的にブロックできる。モバイルではこのダイアログが全画面を邪魔してしまうこともあるから、とりわけこの機能が重要だ。デスクトップの広い画面なら、ポップアップするバナーを単純に無視するだけでもよい。

ヨーロッパのGDPRという厳しいプライバシー規則の結果、クッキーの導入はいちいちユーザーの許可が要るようになり、許可を求めるダイアログがやたら出るようになった。それを、単純に邪魔だと感じるユーザーが多い。いちいち[No!]をクリックするのは面倒だし、仕事などで特定の情報を探しているときなんかは、ひたすらうっとおしい。

クッキー・ブロックは最初11月に、Android上のOperaに登場したが、Operaにかぎらず他のブラウザーもiOSはまだだった。同社は、プロンプトをブロックするためにCSSのルールとJavaScriptによるヒューリスティクスの組み合わせを使ったそうだ。

Android上でローンチしたときOperaは、その機能を15000ぐらいのサイトでテストした、と言った。

なお、Opera Touchのクッキー・ブロック機能は、デフォルトではクッキーのセットがOKになっているから、注意しよう。

つまり、この機能を有効にすると、クッキーの許可を求めるダイアログがそもそも出なくなるから、Web閲覧の邪魔者がいなくなる。しかしCookie Blockerオプションをonにしただけでは、“クッキーダイアログを自動的に受け入れる”になってしまうのだ。

このiOS版Operaブラウザーには、そのほかの機能も多い。人によっては、SafariやGoogle Chromeよりも役に立つかもしれない。

たとえば、広告ブロックや、暗号通貨の無断採掘のブロック機能がある。またOperaの”Flow”技術により、WebのコンテンツをスマホからPCに送ることができる。でもたぶんいちばん重要なのは、スマホの片手操作のしやすさに力を入れていることだろう。

4月にローンチして以降、このブラウザーの新しい機能は23にもなった。その中には、ダークモードや、プライバシーモード、検索エンジンの選択、などの機能もある。それにより、QwantやDuckDuckGoのような、マイナーだけど特長のある検索エンジンを使える。

このiOSアプリは無料でダウンロードできる

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

明日のS10イベントで公開されるSamsungの折りたたみスマホの名前がリーク

Samsungは明日サンフランシスコで開催されるビッグイベントで魅力的な外観の折りたたみスマートフォンを公開すると約束している。 昨年の11月のデベロッパー・カンファレンスですでに短い動画が披露された。しかしこのプロダクトがどういう名前になるのかについては今まで情報がなかった。

これはSamsungにとってまったく新しいカテゴリーの製品だ。したがってこれまでの製品命名システムを踏襲する必要はないはずだ。一時、Galaxy Fという製品名が候補として挙げられたが、評判が悪かった。しかし今日(米国時間2/19)、有力なツイートがあった。

リーク情報提供の常連、Evan Blass(最近ではS10のリークが記憶に残る)によれば、新製品はGalaxy Foldと命名されるという。悪くないかもしれない。Galaxy Fよりましなのは確かだ。正直、Glaxy FではFワードを連想させ、下品なからかいの対象にされるに決まっている。

ではたぶん製品名はGalaxy Foldとなるのだろう。どんなプロダクトなのか、詳しいことは明日判明する。来週バルセロナで開催されるMWCも折りたたみスマートフォンの新製品のラッシュになるのは間違いない。

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滑川海彦@Facebook Google+

コーディング不要でスプレッドシートから簡単にモバイルアプリを作れるGlide

Y Combinatorの2019冬季クラスを受けているGlideのファウンダーたちは、一般企業がモバイルアプリを作ることの難しさを痛感している。そこで彼らは、そのプロセスをスプレッドシートから始めて、そのコンテンツを自動的に、すっきりしたモバイルアプリに変える方法を考えた。

GlideのCEOで協同ファウンダーのDavid Siegelは、他の協同ファウンダーJason Smith、Mark Probst、Antonio Garcia Apreaらと共にXamarinにいた。そこは、Microsoftが2016年に5億ドルで買収したクロスプラットホームなモバイル開発企業だ。彼らはそこで、一般企業がモバイルアプリを作るときに直面するさまざまな困難をとても具体的に見てきた。Microsoftに2年いた4人のファウンダーは、その問題を解決するスタートアップを作ろうと決心した。

Siegelはこう語る: “今では世界最大の企業でさえ、モバイル戦略を持とうと必死だ。そしてしかも、彼らにとっては、モバイルアプリの開発がきわめて困難で高価についている。スマートフォンがデビューして10年になるが、未だに何一つ進歩していない”。

彼らはまず、‘コードを書かなくてもよい’と称するノーコードツールを100種類近くも調べあげた。どれにも、満足できなかった。そこで次に彼らは、古臭いスプレッドシートに目をつけた。それは、今でも多くの人たちが情報の追跡に使っているビジネスツールだ。スプレッドシートをモバイルアプリビルダーのベースにすることを決めた彼らは、まずGoogle Sheetsから始めた。

Siegelは曰く、“スプレッドシートはこれまででもっとも成功したプログラミングモデルだと言われているし、そしてスマートフォンはこれまででもっとも成功したコンピューターだ。だからGlideを始めるにあたって考えたのは、これらの二つの力を組み合わせることができたら、何かとても価値あるものを作れるのではないか、ということだった。それによって個人も企業も、毎日Xamarinの顧客たちが作ってるようなアプリを、もっと早く作れるのではないか”。

そこで彼らは、Glideを開発した。ユーザーが情報をGoogle Sheetのスプレッドシートに加えると、Glideがそのコンテンツからすぐにアプリを作る。コーディングは要らない。“洗練されたデータドリブンのアプリを容易に組み立てられて、ユーザーはそれをカスタマイズでき、徐々に進歩していくWebアプリとしてシェアできる。それは、アプリをダウンロードしなくてもブラウザーにロードできるし、Glideのアプリをネイティブアプリとしてアプリストアにパブリッシュできる”、とSiegelは説明する。しかも、アプリとスプレッドシートの間には双方向の接続があるので、情報をどちらかに加えると他方もアップデートされる。

ファウンダーたちは、元XamarinのCEOで現在はGitHubのCEO Nat Friedmanと相談して、Y Combinatorの受講を決めた。彼やそのほかのアドバイザーたちは、会社を初めて作るファウンダーが指導を受ける場所としてはYCがベスト、と推薦した。YCの広大なネットワークも利用できる。

そこでSiegelらが学んだ最大のことは、顧客たちの間に入り込んで彼らの仕事の現場から学ぶことだ。ツールを作ることにのめり込んでしまってはいけない。それは、スタートアップにとって罠になる。そこでGlideも、自分たちのツールを使ってYCの同級企業たちのためのモバイルアプリをいくつも作った。

Glideは今日(米国時間2/12)すでの操業しており、人びとは自分のスプレッドシートのデータを使ってアプリを作れる。テンプレートも豊富に用意されているので、そこからスタートしてもよい。試用のための無料アカウントも作れる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa