HTC、重要情報発表のため株式取引を一時中止――Google、Android携帯事業を買収か?

台湾の有力電子機器メーカー、HTC(TWSE)は事業運営に「実質的な影響を与える情報」を公開するのに先立って、明日の株式取引を中止することを明らかにした。 このニュースはFinancial Timesが先ほど報じた。

この動きはHTCのモバイル事業売却の噂という火に油を注ぐこととなった。スマートフォン市場の激烈な競争をうけてHTCの業績はこの数年、悪化を続けている。

2013年第3四半期に最初の赤字を計上して以後、HTCの四半期決算は赤字が常態化している。 経営陣の刷新、資産の売却、VR分野への進出(Valveと提携)などが行われたものの会社の態勢を立て直すまでにはいたらなかった。

アジアのメディアはいち早くHTCのモバイル事業をGoogleの親会社、Alphabetが買収する可能性を指摘していた。 またChina Times〔中國時報〕 が「HTCはGoogleによる買収を発表するかもしれない」と報道した記事をHTCの投資家向けページが取り上げ、「対策」として「HTCは市場における噂や推測にはコメントしない」と発表したことも注目を集めた。

GoogleがHTCのスマートフォン事業を買収するとした場合、GoogleがAndroidデバイスのメーカーを救済するのはこれが初めてではない。GoogleはMotorola Mobilityを125億ドルで2011年に買収している。その後、2014年にはMotrola事業部は29億1000万ドルでLenovoに売却された。この際、Motorlaが保有していた多数の特許の大部分はGoogleが引き続き保有することとなった。

スマートフォン情報に詳しいEvan Blassは「ある情報源からHTCが9/21に開催する全社員ミーティングへの社内向け招待メールを入手した」とツイートした。テーマには「Googleによる買収」が含まれるとしている(下にツイートをエンベッド)

Blassは、同じ情報源が「GoogleとHTCは交渉を終了し、GoogleがHTCのハードウェア事業のある部分を買収することで合意した」と述べたという。HTCはブランド名を維持し、VRとViveを主力事業としていくということだ。

われわれはGoogleにコメントを求めている。新しい情報が得られしだいアップデートする。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


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Tencentは今年の初めにSpotify買収の交渉を行っていた

Spotifyは長い間米国内での公開を考えてきた。来年にはIPOを行わない上場の準備をしていると囁かれている。しかし同社が今年の初めにある主要テクノロジー企業に売却する機会を拒絶していたことが判明した:その相手とはTencent(騰訊)である。評価額3800億ドルに達する中国の巨大インターネット企業だ。

Tencentは中国とアジアの外で急成長している同社の音楽ビジネスを拡大するためにSpotifyにアプローチしたのだと言われている。これはその協議について知る情報源から、TechCrunchが得た情報だ。

SpotifyならびにTencentは、私たちの問い合わせに対してコメントを拒否した。

両者の間で価格に関する議論にまで進んだのかどうかははっきりしない。Spofityの公開の意思は明確なので、そのステージまでは進んでいないものと思われる。

Spotifyは世界的なトップ音楽ストリーミングサービスとして浮上してきた。アクティブな利用者数は1億4000万人で、そのうち有料カスタマーは6000万人だ。この創業11年の会社の評価額は130億ドルと言われていて、その主要なライバルはAppleである。Appleは同様のサービスを数年後に立ち上げてキャッチアップを続けている。Apple Musicの有料ユーザーは、この6月に2700万人に達した

このSpotifyが、音楽ビジネスを発展させるために時間を費やしてきたTencentの眼に、どのようにアピールしたかは想像に難くない。Tencentの主力事業であるTencent Musicは、昨年行われたTencentのQQ Music事業とChina Music Corpの合併により開始された。

QQ Music、Kugou、Kuwoの3つの主要なサービスで6億人のユーザーを抱えており、既にそれ自体が紛れもない獣だ。Tencent Musicは、計画されているPOに先立ち、100億ドルの評価額で、戦略的投資家たちから資本を調達しようとしていると伝えられている

しかし、利益出ている中国国内のビジネスを越えて、Tencentは世界のマーケットやセグメントへの拡大を狙っている。同社は、東南アジアでSpotifyなどと競合する、勢いのあるFreemium音楽サービスJooxを運営し、今年の初めにはカラオケアプリメーカーのSmuleにも多大な投資を行った

60ヵ国以上に存在するSpotifyは、その国際的な取り組みを大いに盛り上げることも可能だ。しかし、そうはしていない。

これまでSpotifyに求婚をした大物の中にはGoogleや、あのMySpaceなどが含まれていた。Spotify自身はSoundcloudの買収を何度か試みているSpotifyが行った10件以上の買収は、そのほとんどが、サービスや技術を向上させるための小規模で人材を取り込む取引だった。

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(翻訳:Sako)

Nestlé、Blue Bottle Coffeeの過半数株式取得――評価額7億ドル以上

シリコンバレーでも大いに愛されているコーヒーショップ、Blue Bottle Coffeeの過半数株式を食品大手のNestléが取得した。今朝(米国時間9/14)明らかになったこの準買収はコーヒーショップ市場に大きなビジネスチャンスがあることを示す何よりの証拠だろう。

NestléはBlue Bottle株式の68%を取得したが、経営陣は従来のままで変更はない。Financial Timesの記事によれば、NestleによるBlue Bottleの企業評価額は7億ドル以上で、5億ドル前後を支払ったという。この額はおおむね正しいだろう。

Blue Bottleはサンフランシスコ、ニューヨーク、東京などの大都市に店舗を設けており、Appleストアに足を踏み入れるような体験ができる。Blue BottleがStarbucksの向かいに店を出して客を奪い、すぐにもっと利益を出せるなら、市場シェアはスターバックスにははるかに及ばないだろうが、そうであっても非常に旨味のあるビジネスということになる。

Index Venturesのパートナー、Mike Volpiは声明で「現在、アメリカと日本でBlue Bottle Coffeeはスペシャルティーコーヒーのトップブランドだ。Blue Bottleの成功は、ジェイムズ〔・フリーマン、ファウンダー〕とブライアン〔・ミーハン、CEO〕の顧客を熱心なファンにするユニークな価値を生み出すセンスと能力を証拠だてるものだ。Blue Bottleというブランドの魅力はわれわれを同社に対する初期の投資家とした。 以後同社が永続性のある企業へと成長していくのを見ることはわれわれにこの上ない満足を与える経験となった」と述べた。

コーヒーショップはシリコンバレーの投資家、起業家にとってことにお気に入りのプロジェクトで、Blue Bottle、Philzを始めとする企業にはこれまでにも巨額の資金が注ぎ込まれている。言うまでもなく、Nestléがコーヒー事業に大型投資を行うのはこれが初めてではない。同社はKeurigのライバルであるNespressoコーヒーマシン事業を所有しているし、はるか以前からNescaféブランドで有名だ。Blue Bottleは生産性の高い企業であり、コーヒーショップの経営以外にも多数のコーヒー関連アイテムを製造、販売している。Starbucks同様、小さな袋に詰められたコーヒーを各種のチャンネルで販売している。

いささか皮肉なことに、TechCrunchは最近、AmazonはBlue Bottle、Philzのようなコーヒーショップ事業を買収すべきだと主張した。これはStarbucksのような既存事業に対して新しいスペシャルティーコーヒーにはAmazn Primeをさらに拡大する可能性があると考えたからだ。すでに傘下に多数のコーヒーブランドを所有しているNestléが、これほどの規模での投資を行ったとなると、もはやスペシャルティーコーヒーを実験的なビジネスと見ることはできないと同時に(Amazonや今回のNestléのような)十分な資金力あるパートナーを見つけることがStarbucksのような巨大企業と対抗していくために必要だろう。

Blue Bottleはこれまでに総額で1億ドル以上の資金を調達している。ちなみに、TechCrunchはちょうど1年前にBlue Bottleが新たな資金調達を試みてみる情報を得た。ただし同社はただちにこれを否定した。その後も資金調達に関して投資家と話し合いを行ったことはない。しかし動きの速いこのビジネスで1年というのは長い期間だ。Blue Bottleは今年中に新たに25店舗を開設しようと計画しているという。

なおBlue Bottleの広報担当者は、同社はこの取引に関して会社評価額その他の詳細を明かす予定はないという。

r画像: Kena Betancur/Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

GoogleがコンピュータービジョンアプリFabbyを作ったAIMatterを買収、広告技術のイノベーションに利用か

【抄訳】
Googleがベラルーシで生まれたコンピュータービジョンのスタートアップAIMatterを買収した。同社は、画像の検出と処理をモバイルデバイスの上で高速に行うニューラルネットワークベースのAIプラットホームおよびSDKと、その技術の概念実証のような写真/ビデオ編集アプリFabbyを作っている。

買収の噂は5月からあったが、公式に完了したのが今日(米国時間8/16)だ。両社は買収を確認し、AIMatterのサイトには声明文がポストされた。

買収の価額等は公表されていないが、すでに200万以上ダウンロードされているFabbyはそのまま操業を続け、AIMatterの社員の多くはGoogleに移籍するようだ。AIMatterの社員たちは、ミンスクとベイエリアとチューリッヒに分散していた。とくにスイスは、コンピュータービジョンの技術が高度に発達している場所として有名だ(本誌関連記事: これこれ、そしてこれ)。今後彼らがどうなるのか、全員がGoogleに移籍するのか、等については現状では不明だ。

FabbyはこれまでHaxusなどから約200万ドルを調達している。ベンチャーファンドHaxusは主に人工知能のスタートアップを支援している。またAIMatterの協同ファウンダーで会長だったYuri Melnichekは、今では同社の投資者そしてアドバイザーになっている。彼はMaps.meのファウンダーでもあり、元Googleの社員だ。そしてAIMatterのCEO Andrei Kulikも、投資に参加している。

Haxusは、のちにFacebookに買収されたMSQRDにも投資している。またMelnichekのMaps.meにも投資しており、こちらはMail.ruに買収された。そしてあの人気の写真/ビデオ加工アプリPrismaにも、Haxusは投資している。

しかしこれからのコンピュータービジョン技術は、楽しいお遊びアプリに終わることなく、仮想/拡張現実や、自動運転車の技術など、重要な分野で利用されていくだろう。Googleには、次世代型ソーシャルアプリケーションを開発中との噂があり、そこではコンピュータービジョン技術がオーディエンスの獲得だけでなく、広告事業のための新しい技術としても活用されるのだろう。

【後略】

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

MicrosoftがハイパフォーマンスコンピューティングインテグレーターのCycle Computingを買収

Microsoftは、創業12年のコネチカットの企業Cycle Computing買収したことを発表した。Cycle Computingは、企業が高性能コンピューティングジョブ、大規模なデータワークロード、その他のクラウド内「大規模コンピューティング」ジョブを統合することを支援する会社だ。買収金額は明らかにされていない。

MicrosoftはCycle Computingの専門知識を用いて、こうしたハイエンドのジョブ向けのAzureサービスを改善しようとしているが。Cycle ComputingのフラッグシップサービスであるCycleCloudは、幅広い範囲のクラウドとオンプレミスプラットフォームをサポートして来た。Microsoftによれば、Cycle Computingの技術は、同社のLinuxベースの高性能コンピューティングワークロードのサポートを改善するのに役立つだろうと述べている。

Cycle Computingの現在の顧客には、Novartis、Pacific Life、MetLifeなどを含む主要な製造、保険、バイオテクノロジー、そしてメディア企業が含まれている。Cycle Computingは自力で資金調達を行なったために、真の意味で資金調達ラウンドを行なったことはない。同社によれば、そのサービスは今年は約10億コア時間を提供し、12ヶ月毎に2.7倍の成長を遂げているという。

MicrosoftのAzure担当の副社長、Jason Zanderは本日の発表の中で「私たちは既に、人工知能、IoT、そしてディープラーニングの分野で、Azureの爆発的な成長を経験しています」と書いている。「顧客は、ワークロードをより迅速かつ効率的に処理する方法を模索し続けていますので、大規模な拡張性のあるアプリケーションに関する深い専門知識を持つCycle Computingは、マイクロソフトのチームに参加してもらうのに相応しい会社なのです」。

Cycle Computingの共同創業者兼最高経営責任者(CEO)のJason Stoweは、Microsoftが引き続き競合するプラットフォームに対するサポートを開発するかどうかは不明だが、彼の会社は既存の顧客を引き続きサポートすると述べている。われわれはこの点を明確化するためにマイクロソフトに連絡をとり、情報が得られ次第この記事を更新する予定だ。

アップデート: 以下に示すものがMicrosoftからの回答だ、どうやらMicrosoftは既存の顧客のサポートは続けるものの、AWS並びにGCPに関する新しい開発は行わないということのようだ:「私たちはAWSやGoogle Cloudを利用している顧客のサポートは継続します。この先リリースされるMicrosoftのバージョンはAzureに焦点を当てたものになります。もし顧客がAzureへの移行を選択した場合には、シームレスな移行体験を提供することを約束します。

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(翻訳:Sako)

FEATURED IMAGE: BLOOMBERG/GETTY IMAGES

Snap、1.5〜2億ドルで中国ドローン企業の買収を検討中か

Snapは新しいハードウェアプロジェクトの実現に向けて、外部から力を借りようとしているようだ。関係者の情報によれば、Snapは中国のドローン企業Zero Zero Roboticsと買収交渉を進めているとのこと。

The Informationが最初に報じたこのM&Aの金額は1億5000万〜2億ドルに達すると情報筋は語る。金額だけ見るとかなりの大型買収のように感じられるが、Snapにとっては、2億5000万ドル以上を支払ったとされるソーシャルマップ企業Zenlyの買収がこれまでで最大のM&Aだった(なおSnapはZenlyの買収額を公表していない)。

本件に関しSnapとZero Zero Roboticsにコメントを求めたが、未だ回答は得られていない。

Zero Zero RoboticsはHover Cameraドローンの開発元として知られている。これは空からセルフィーを撮るために開発されたドローンで、昨年上海で行われたTechCrunchのイベントでも紹介されていた。Hover Cameraは昨年10月に正式にローンチされ、Appleのオンラインストア・店舗限定で500ドルで販売されている。

夏に入り、Zero Zero Roboticsが「アメリカの大手企業」に買収されたという噂が立ち始めたときは、彼らも他のドローン企業同様、経営に行き詰まってソフトランディングを模索したのだろうと考えていた。有名な例で言えば、Kickstarterプロジェクトで一躍名が広まったLilyは、財務的な問題のせいで今年に入ってから事業を畳むと決めた

さらにSnapには、経営難に陥ったドローン企業を安く買収してきた実績がある。Lilyは倒産の代わりにSnapへの身売りを検討し(結局話はまとまらなかったが)、倒産寸前のドローン企業Ctrl Me Roboticsは実際にSnapに買収されたと言われている。大手ドローン企業DJIが発表した、Hover Cameraの競合商品となる499ドルのSparkもZero Zero Roboticsにプレッシャーをかけたと考えられる。

しかし、今回の買収話は経営難に端を発したものではない。SnapはこれまでにZero Zero Roboticsが投資家から調達してきた2500万ドルを遥かに超える額を支払おうとしているだけでなく、The Informationの情報によれば、そもそもZero Zero RoboticsからSnapに資金調達目的でアプローチし、それが買収話に発展したと言われているのだ。

Spectaclesに続くハードウェアプロダクトを模索しているSnapのことを考えると、この買収話には納得がいく。先日の記事で紹介されていた通り、現在同社はARテクノロジーを盛り込んだ新型のスマートグラスを開発中のようだが、カメラ企業を目指すSnapがドローンにも興味を示しているというのも事実だ。

New York Timesの報道によれば、Snapはドローンの自社開発も検討していたが、どうやら結局外部の助けを借りることにしたようだ。

現在Snapが成長に関して投資家からのプレッシャーを感じていることを考えると、既存の製品であっても自社のものにしたがるのもよくわかる。ロックアップ期間が終わり、関係者もSnapの株式を売却できるようになったにしては、同社の株価はそこまで落ち込んでいないが、現在の13.1ドルという株価は3月のIPO時に設定された公募価格17ドルを大きく下回っている。

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(翻訳:Atsushi Yukutake

KDDIがソラコムを約200億円で買収―日経新聞が報道

今朝(2017年8月2日)日経新聞が報じたところによれば、KDDIはIoTスタートアップのソラコムを買収する模様。発行済全株式を8月内にも取得し、買収額は約200億円となるという。もし事実であれば、日本のスタートアップ企業の買収額としては「大型ホームラン」といって良いM&Aとなりそうだ。創業3年弱のスピードエグジットでもある。TechCrunch Japanでは現在ソラコム広報部に対して買収の事実を確認中だが、事前に先方から取材の申し入れがあり、もともと本日午後に取材を予定していた。買収に関してではないかと思われる。

SORACOMが提供するSIMカードを手にするソラコム共同創業者でCEOの玉川憲氏(2015年9月、撮影はTechCrunch Japan西村賢)

ソラコムの法人設立は2014年11月。AWSのエバンジェリストだった玉川憲氏が本格始動したのは2015年のことで、WiL、インフィニティー・ベンチャーズLLPなどから7億円のシード資金を調達。2015年9月には革新的なMVNOサービスを発表し、その後はIoTプラットフォーム「SORACOM」として通信モジュールやプログラマブルな通信サービスを次々に開発して提供してきた。2016年5月にはグローバル展開を目指すとして総額24億円のシリーズB資金調達を発表している。現在は東京のほかシンガポール、パロアルト、コペンハーゲンに拠点を持ちグローバルで社員数は約40人となっている。

従来、通信キャリアなどがサービス構築のために利用している通信機器の一部をAmazonのクラウド上にソフトウェアとして実装したのがソラコムだ。価格破壊を起こしながら、ソフトウェアならではの機能や設定、きめこまかな従量課金といった柔軟性を実現しているのが特徴だ。デバイスをネットやクラウドに繋げ、管理する通信サービス部分に特化して、高度なセキュリティーやAPIベースの制御機構、低トラフィック向けの安価なサービスなどを提供している。

2016年10月からはKDDIはソラコムと「KDDI IoTコネクト Air」の共同開発を発表するなど協業を進めていた。

TechCrunch Japanでは午後に玉川CEOへのインタビューを行い、続報を掲載予定だ。

 

Intelの第二四半期は予想を上回る好成績、データセンターも首位の座を堅持

Intelは今日(米国時間7/27)の午後、148億ドルの売上と72セントの一株当たり利益を発表した。それらはアナリストたちの予測144億1000万ドルと68セントを確実に上回っている。

同社の通常取引の株価は22セント/0.63%上がり、34ドル97セントで終わった。決算発表の直後には、Intelの株価は3.43%上がった。現在は時間外取引で36ドル17セントになっている(~1:05pm PST)。

Intelは今、企業として興味深い立場にいる。同社の未来が人工知能関連の能力にかかっていることを、同社自身が知っている。ウォール街における同社の命運を決めるのは、153億ドルで買収したMobileyeを、やがて巨大な産業になる自動運転車業界のニーズに応える、高収益のビジネスに育てられるかどうかだ。Intelによると、買収手続きは2017年のQ3に完了する。

しかし今日は、三つの買収(Mobileye, Movidius, Nervana)があったにも関わらず、重要な話題は今なおデータセンターだ。Intelは同社のx86チップで長年データセンターを支配してきたが、最近はAMDの攻勢が著しく、データセンター市場におけるIntelのトップの座がいつまで安泰か、わからなくなっている。しかし現時点では、Intelはこのビジネスで9%の成長を達成できた。

前年同期2016Q2のIntelの売上は、135億ドルだった。その時点での前年同期比成長率は3%だったが、本日の2017Q2では9%の前年同期比成長率になった。

今回の決算発表のプレスリリースで、同社のCFO Bob Swanはこう述べている: “本年前半の好調とPC事業への期待の高まりにより、目下、通年売上と同EPSの予想を上方修正している”。

Intelの2017Q3の予測は、売上が157億ドル、EPSが80セントだ。Q4を含む全年売上の予測は613億ドル、EPSは3ドルだ。この値の一部は、買収完了後のMobileyeの貢献部分である。

同社は本日の決算報告で、通年の営業利益率の向上を課題として挙げた。

今本誌TechCrunchはIntelのIR部門に追加取材をしているので、情報が得られ次第、お伝えしよう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

アプリケーション用検索エンジンのElasticがOpbeatを買収してアプリケーションパフォーマンス管理に進出

今日(米国時間6/22)、ロンドンで行われたElasticのカスタマーイベントで同社が、アプリケーションのパフォーマンス管理(application performance management, APM)をSaaSで提供しているOpbeatを買収したことを発表した。買収の額等は公表されていない。Opbeatの15名の社員は全員すでに、Elasticのチームに合流している。

OpbeatはJavascriptで書かれているアプリケーションをモニタするが、それだけでなく本番アプリケーションの問題点を直接、その原因であるソースコードに対応付ける。そのためコードの森をハントして問題領域を見つける努力をしなくても、容易に問題をフィックスできる。

Elasticがいちばんよく知られているのは、同社の検索プロダクトElasticsearchだろう。このオープンソースの検索ツールは、Wikipedia, Yelp, eBayといった大物サイトが利用している。最近同社は単なる検索から一歩進んで、アナリティクスにも手を染めた。主にログデータが対象だから、Splunkなどの既存サービスともろに競合する。昨年Elasticは、同社のすべてのプロダクトを揃えたプラットホーム、Elastic Stackを立ち上げた

ElasticのCEO Shay Banonは今日の買収を戦略的な視点で見ている。すなわちそれは同社に、単なるログデータのサーチを超えて、データを生成しているアプリケーションの内部へのインサイトを与え、パフォーマンスの劣化の原因を示唆する。それによりElasticの競争力が強化される、とBanonは述べる。

OpbeatのCEOだったRasmus Makwurthによると、Elasticに加わったことによってプロダクトのロードマップを加速でき、Elasticプラットホームの幅広いリソースを利用できる。“うちはかなり前からSaaSのプラットホームとして、アプリケーションのインサイトをデベロッパーに提供してきたが、顧客にアプリケーション全体のインサイトを与えることができなかった”、と彼は説明する。Elasticへの参加で彼の企業は、検索ツールや、アナリティクス、ログデータの視覚化などをElasticのプラットホームで利用でき、同社のビジョンを大きく拡大できる、という。

Opbeatの社員はすでにElasticに加わり、Elasticのチームと共に、既存のSaaSアプリケーションのオンプレミス化に取り組んでいる。Banonによると、Opbeatのクラウド体験がElasticのクラウド提供物の拡大に寄与するだろう、という。

クラウドネイティブなアプリケーションとその技術をオンプレミス化する仕事は簡単ではないが、両社の展望では数か月後のリリースを目指している。なお、Opbeatのプロダクトも前からElasticsearchを使っているが、Banonによると、これまでのようにプロダクトを使っていることと、それがスタックの一部になることは、全然別の話だ。そしてクラウドとオンプレミスの両方で新しい会社を仲間に加えていくためには、相当な技術的努力を要する、と。

今年初めにCiscoが、IPO直前のAPMベンダーAppDynamicsを37億ドルで買収した。Banonは今日の買収価額を公表しないが、あれよりずっと少ないね、とジョークを言った。

Opbeatは2013年にデンマークのコペンハーゲンで創業され、これまで約280万ドルを調達している。良い買い物と言えるだろう。同社はデンマークで仕事を続ける。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Amazonの買収履歴一覧、Whole Foodsだけが異様に突出

Amazonが今日(米国時間6/16)、Whole Foodsを137億ドルで買収すると発表したが、これは同社のこれまでで最大の買収だ。

第二位はZapposの12億ドルだが、それは2009年という大昔だ。その後同社は、Twitchの約10億ドル、Kiva Systemsとその大量のロボットを7億7500万ドルと、大きな買い物がいくつかあったが、それらは今日のビッドとは比べ物にならない。でも、それも当然だ。大型食料品店グロサリーというモーレツに複雑なオペレーション、そしてそれを支えるロジスティックスというオペレーション、そのための物理的および人材的資産、全部合わせれば当然100億のオーダーにはなるだろう。

今日のWhole Foodsへのビッドで、AmazonはWalmartの互角のコンペティターになる。Walmartはその試合に備えて最近ネットショップのJetを買った。今朝は。Bonobosを3億1000万ドルで買う、とも言っている。でもAmazonの今回の買収は断然でかいから、Walmartを始めとするグロサリー小売企業の株価は軒並み急落した。Amazon自身にとっても、かつてなかったほど巨額の今回の買収は、同社がグロサリーの配達と、もしかして物理店の展開に対し、本気であることを示すのだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

SoftbankがAlphabetのロボット企業Boston DynamicsとSchaftを買収

【抄訳】
意外な展開になってきた。あの仲良しロボットPepperを作っているSoftbankがさきほど、Googleの持株会社Alphabetのロボット企業2社の買収を発表して、いよいよロボットに本気であることを示した。その2社とは、Big Dog(上図)を開発しているBoston Dynamicsと、二足歩行ロボットのSchaftだ。買収の価額等は公表されていないが、分かり次第お伝えしよう。

Alphabetにとってはこれは、Google時代に大量にやってきた買収や戦略的投資を整理する努力の一環だ。買収はしたけどその後、本体のビジネスにあまり貢献しなかった、という企業が整理の対象になる。

SoftBank Group Corp.の会長兼CEO Masayoshi Sonは、声明文の中でこう述べている: “今日なお、人間の力では解決できない問題が数多くある。知能化ロボットは情報革命の次の段階を推し進める重要な力となる。MarcとBoston Dynamicsの彼のチームは、先進的な動的ロボットにおける、誰もが認める技術的リーダーだ。彼らをSoftBank家に迎えて、その今後の前進をサポートできることは、きわめて喜ばしい。彼らはロボットという分野をさらに継続的に前進させ、人類の幸福に資する数々のアプリケーションを探求してくれるだろう”。

それは、人材引き抜きではなく全社的な買収のようだ。Boston DynamicsのファウンダーでCEOのMarc Raibertは、こう声明している: “Boston Dynamicsの全員が、SoftBankの大胆なビジョンと、同社が作り出しているテクノロジーの次の革命に参加できることに、感激している。そして、技術の進歩は人類の利益のためであるべき、というSoftBankの信念を、われわれも共有する。SoftBankと共にロボットにできることの限界を打破し、より知能的でより接続された世界にふさわしい、有益なアプリケーションを作っていける日を、待ち望んでいる”。

【後略】

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

GoogleがVRゲームスタジオのOwlchemy Labsを買収

GoolgeがJob SimulatorやRick and Morty: Virtual Rick-alityなどのゲームタイトルで有名なVRゲームスタジオを買収したことが明らかとなった。

オースティンを拠点とするOwlchemy Labsの創業チームはブログポストのなかで、Googleが同社を買収したこと、そして彼らがGoogleのチームに加わることを明らかにした。「今日は、Owlchemyにとって本当に、本当に重要な1日です。GoogleがOwlchemyを買収したことを伝えることができ、とても嬉しく思います」。

2010年に創業したOwlchemy Labsは、これまでにシードラウンドでCapital Factory、Qualcomm Ventures、Colopl VR Fund、HTC、The Venture Reality Fundなどから500万ドルを調達している

同社は現在HTC Vive、PS VR、Oculus Riftなど複数のプラットフォーム向けにゲームを開発しているが、Googleの傘下に加わったあともコンテンツの開発を続けていくという。

Googleからサポートを受け、私たちは今後もおもしろいモノをつくるという事にフォーカスしていきます。GoogleとOwlchemyは、共通の目標や未来のVRについてのビジョンを持っているのです。

Job Simulatorは、これまでにリリースされたVRゲームのなかで最も成功したゲームタイトルの1つだ。同社によれば、Job SimulatorはPlayStation VRストアにおけるベストセラー作品に選ばれ、同タイトルの売上は300万ドルに到達したという ― VRヘッドセット全体の販売台数を考えれば、これは素晴らしい成功だと言えるだろう。

GoogleのVR/ARエンジニアディレクターのRelja Markovic氏はブログポストのなかで、今回の買収によって1つとなったチームは、「エンゲージングな没入型のゲームを開発し、様々なプラットフォーム上で機能する新しいユーザーとの交流方法を模索してきます。それにより、人々の生活に最高級のVR体験をもたらします」。

Googleはバーチャルリアリティに多くのリソースを投資している。Daydreamイニシアティブを通して、スマートフォンのAndroid OSをVRのデファクト・プラットフォームにしたいようだ。Daydreamが動作するデバイスはまだ少ない。しかし、Google Cardboardは現在もっとも人気があるVRプラットフォームの1つだ。Googleはこの数年で1000万台以上のCardboardを販売している。

GoogleはVRコンテンツの開発にも盛んに関わってきた。VRペイントツールのTilt Brushはクリエイターに人気の作品だ。また、今年初めにリリースしたVR版のGoogle Earthも大きな反響を得ている。

[原文]

(翻訳:木村拓哉 /Website /Facebook /Twitter

ハイテク企業の買収狂想曲はまだ続く?

PwCとThomson Reutersが発表したデータによれば、今年はハイテク関連の買収事案にとって良いスタートが切られたようだ。第1四半期には486件の米国ハイテク取引が発表され、その総額は428億ドルとなった。

取引件数と取引金額の両面で、今年は米国のハイテクM&Aにとって、2014年以来の好スタートとなった。ただ昨年の同時期に比べて28%多い取引件数があったものの、価値という面では2%多く上回っただけだった。すなわち取引の平均額が下がっていたということを意味する。

Intelによるイスラエルの自動車技術会社Mobileyeに対する154億ドルの買収その中でも飛び抜けて最大の取引であり、自動運転車に関連する買収の勢いを生み出した。思い起こせば、ほぼ1年前にGMは、自動運転技術向上のために、Cruise Automotiveを10億ドルで買収していた。

CiscoによるAppDynamicsの37億ドルでの買収は、この四半期で2番めに大規模な買収であり、その条件は計画されていたIPOのほんの数日前に合意された。その他にもDigitalGlobeの24億ドルの買収や、同じく24億ドル規模のCapitol AcquisitionとCisionの合併があった。10億ドルを超える取引は7件を数えた。

ソフトウェアは当四半期で最もアクティブなセクターで、その取引数は227件に及んだ。ITサービスは167件の買収で2位に入った。

伝統的なビジネスがイノベーションのためにスタートアップに頼り続ける中で、非デジタル企業たちが143件のテクノロジー企業を買収している。この傾向は、一般的にまだ続くと予想されている。

しかし、国境を越えた買収には失望すべき案件もあった。PwCのレポートによれば「アジア/パシフィックの投資家の活動は、2017年第1四半期には顕著に減少した、これは新政権による米国市場の不確実性を反映したものである」。法律事務所Morrison&Foersterによる最近の調査も同様の報告を出していて「世界の2大経済国である米国と中国の間のM&Aは、今後数年間特に困難になると予想されている」。

中国人バイヤーたちの困難は「トランプ政権によってもたらされた不確実性と、中国当局による中国からの資本流出規制の組み合わせによるものです」とMorrison & FoersterのGlobal M&A Practice Groupの共同議長であるRobert Townsendは語る。しかし、米国における多数の技術取引は今後も継続する見込みだ。

第2四半期も引き続き活発で、PetSmartがChewy.comを、e-コマースの買収額としては最高記録の33.5億ドルで買収したと言われている。私たちはこれまでにも、幾つかのe-コマース買収を見てきた。その中にはRetailMeNotの6億3000万ドルの取引IACによるAngie’s Listの5億ドルでの買収なども含まれている。e-コマースは「特に対応するブリックアンドモルタル企業(昔ながらの店舗を抱える業態の企業)から新たな関心を寄せられやすい領域です」と言うのはPwCのU.S. Technology DealsのリーダーであるTodson Pageだ。

現四半期におけるその他の注目すべき買収には、Oracleによるアドテック会社Moatの買収買収額は850億ドルと伝えられている )、Uber競合のGettによるスタートアップ企業Junoの2億ドルでの買収、そしてAureaによるコラボレーションソフトウェアJiveの4億6200万ドルでの買収などが挙げられる。

MoFoという名でも知られているMorrison&Foersterは、150人以上の投資銀行家、M&Aエグゼクティブ、ベンチャーキャピタリスト、弁護士などを対象に調査を行い、その半数以上である52%が、世界のハイテク取引の数は昨年を上回るものと期待しているという結果を得た。減少を予想しているのはわずか15%である。

PwCのページも同様に、今年の残りの部分については楽観的だった。彼は「技術的M&Aの勢いが続くことを確信している」と語った。特にソフトウェア分野では強気のようだ。

MoFoのTownsendは、多くの専門家たちがセキュリティ業界の統合を予測していると述べている。「サイバー脅威の増加と、特に(いずれかの)国家の後押しするハッカーたちによるサイバー攻撃の並外れた脅威」がこの分野での買収を加速することになる、と彼は予想している。MoFoはまた、IoT、人工知能、およびビッグデータのカテゴリでの統合も予測している。

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(翻訳:Sako)

FEATURED IMAGE: PRESSMASTER/SHUTTERSTOCK

M&Aなしに大企業は競争力を維持できるのか?

【編集部注】執筆者のJoanna GlasnerCrunchbaseのリポーター。

目まぐるしく変化するテクノロジー集約型のビジネスを行っている大企業が、スタートアップを買収するというのはよく見る光景だ。結局のところ彼らは、新市場に参入するためや革新的であり続けるために起業家精神溢れる人材を必要としており、そのために必要なお金も持っている。

これがベンチャーキャピタルやスタートアップの界隈でのM&Aに関する通説だ。もっと言えば、これこそがベンチャービジネスの在り方なのだ。IPOの方が注目を集めがちな一方で、事業売却がスタートアップのエグジット、そしてベンチャー投資のリターンの大半を占めている。

しかし、もしもこの考え方が間違っているとしたらどうだろうか?もしも血気盛んなスタートアップを買収することなく、日々変化する環境にうまく順応しながら競合に打ち勝ち、巨額の時価総額を維持することができるとしたら……

この仮説を検証するため、私たちはCrunchbaseのデータを使い、買収した企業の数が少ない大企業をリストアップした。なお、リストの作成にあたってはテック企業にフォーカスを当てながらも、テクノロジーへの投資を積極的に行なっている企業であれば、小売や消費財、物流など業界を問わず調査の対象とした。

調査結果からは、革新的だとされている企業の多くが、実際はあまりM&Aを行なっていないということが明らかになった。中には以前M&Aを行なっていた企業もあったが、彼らも最近ではその数を減らしているか、もしくは全く企業買収を行わなくなっている。さらに、これまでに一度も他社を買収しようという動きさえ見られない企業も存在した。

以下が、あなたのスタートアップを買収する可能性が少ない大企業のリストに含まれている有名企業の例だ。

Netflix

どちらかと言えば、Netflixはたくさん企業を買収していそうな感じがする。600億ドルの時価総額や革新的でリスクを恐れない企業文化に加え、さらに彼らには利益の何倍もの価格で株式を売買する投資家がついている。それでもCrunchbaseのデータによれば、カリフォルニア州ロスガトスに拠点を置く動画ストリーミングサービス大手の同社は、これまで一度もスタートアップを買収したことがない(少なくとも公開されている情報をもとにすると)。

Netflixは企業買収を行っていない一方で、コンテンツやライセンス関連の契約には多額のお金をつぎ込んでおり、4月にはストリーミングプラットフォームのiQIYIと、中国初のライセンス契約を締結した。さらに彼らは、NBC Universalを含むハリウッドのスタジオとも多数のライセンス契約を結んでいる。

Nvidia

昨年グラフィックチップメーカーの株価が急騰し、Nvidiaの時価総額も最近600億ドルを超えた。

しかし同社が過去6年間で買収した企業の数はたった1社だ。それ以前は1年に1社のペースでM&Aを行っていたNvidiaだが、公開されている情報のかぎりだと、最後に企業を買収したのは2015年のことで、しかもその内容は、TransGamingと呼ばれるシードステージのクラウド・ゲーム・スタートアップを375万ドルで買収したという小規模なものだった。

Crunchbaseの情報によれば、Nvidiaは2002年から2011年の間に、大型買収を含め1年に1回M&Aを行っていた。最後の大型案件は2011年のことで、彼らはモバイル・ブロードバンド・モデムを開発するIceraを3億6700万ドルで買収していた。

もしもスタートアップを買収していなかったらNvidiaの競争力に悪影響が出ていたかどうかというのは、なかなか証明するのが難しい。最新の収益報告書によれば、同社は2クォーター連続で売上が50%伸びており、昨年の純利益は約17億ドルだった。

Texas Instruments

Texas Instrumentsは、シリコンバレーで話題にあがらない企業のひとつだ。おそらくこれには、ダラスに拠点を置いているということや、同社が1950年代から営業しており、1970年代にリリースされた計算機のブランドとしてよく知られていることが関係しているのだろう。とは言っても、Texas Instrumentsはセミコンダクターの分野では一大企業であり、時価総額は約800億ドル、年間利益は約80億ドルを記録している。彼らも最近はM&Aに消極的だ。

最後にTexas Instrumentsが企業を買収したのは、2011年のことだとCrunchbaseには記されている。当時同社はNational Semiconductorを65億ドルで買収しており、もしかしたら彼らは未だにこの大型買収を消化している最中なのかもしれない。それ以前は、Texas Instrumentsもある程度M&Aを行っており、2002年から2011年の間には、VCから投資を受けたスタートアップを含め10社を買収している。しかし、しばらくの間彼らはM&Aの世界には戻ってきていない。

Applied Materials

Applied Materialsも昔は積極的にM&Aを行っていたが、しばらくの間新しい企業買収の話を聞かない。Texas Instruments同様、彼らの最後の買収はかなり規模の大きなもので、2011年にセミコンダクターの加工機器を製造するVarian Semiconductorを49億ドルで買収した。もともと彼らのM&Aの数は、時価総額が400億ドル強の企業としては多い方ではないが、それにしても6年間というのは長い休息期間だ。

しかしスタートアップを買収しない一方で、Applied Materialsはスタートアップへの投資は行っている。同社の傘下でVC事業を行うApplied Venturesは、2006年以降少なくとも46回も投資ラウンドに参加しており、昨年だけでも数件の投資案件に関わっている。

The Home Depot

The Home Depotといえば、フローリングやドリルをはじめとする各種ツールを販売している企業として知られているため、同社が量子コンピューティングのスタートアップを買収するとは誰も思っていない。しかし、小売業界でイノベーションを起こそうとしてるスタートアップはたくさん存在するため、1800億ドルの時価総額がついている小売企業が、競争力を保つためにスタートアップを数社買収していてもおかしくないと思う人もいるだろう。

しかし実際はそうではない。Crunchbaseによれば、最後にThe Home Depotがスタートアップを買収したのは5年前のことだった。そのとき同社はBlackLocusと呼ばれる、それまでに数百万ドルの資金を調達していた、値決めソフトを開発するアーリーステージのスタートアップを買収した。さらに同年The Home Depotは、Redbeaconという業者探し・見積もりサイトを買収している。

その他に時価総額が大きいながらも最近スタートアップを買収していない企業としては、UPSやProcter & Gamble、Citigroupなどが挙げられる。どの企業もM&Aに必要な資本はあるが、単純に企業買収に積極的ではないのだ。

M&Aを積極的に行っていない企業の情報から分かるのは、スタートアップの買収はあくまで戦略上のオプションであり、必ずしも必要ではないということだ。つまり、GoogleやMicrosoft、Oracle、Facebookといった時価総額の大きな企業が、多数のスタートアップを買収しながら株価を保持している一方で、M&Aがトップの座を守るための唯一の方法ではないということだ。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

オンデマンド配車サービスのGettが同業のJunoを2億ドルで買収

オンデマンド・ライドシェアリング業界における競合関係が変化したようだ。Gettは米国時間26日、ニューヨークで同様のサービスを提供するJunoを買収したと発表した。Gettの創業者兼CEOであるDave Waiser氏は、TechCrunchとのインタビューの中で今回の買収金額が2億ドルであることを明かしてくれた。しかし、その金額が現金で支払われるのか、または株式で払われるのかなど、その他の詳細は明らかになっていない。

このニュースによって、TechCrunchが昨日発表した記事が正しかったことが証明された。この記事で私たちは、この2社が買収交渉を行っていること、そして買収金額は2億5000万ドル程度ではないかと伝えていた。

この買収の詳細をお伝えしよう:

― この買収により、GettはJunoの経営資産すべてを手に入れることになる。ライセンスを付与したドライバーのネットワーク、全従業員、共同創業者のTalmon Marco氏、Igor Magazinik氏、Ofer Samocha氏、Sunny Marueli氏らがそれに当てはまる。創業者たち4人はニューヨークに残り、買収後のチームを率いて米国でのビジネスを運営していくことになる。同社のサービスは現在ニューヨークでのみ利用可能だが、彼らはGettがこれまで進出してこなかったヨーロッパ100都市への拡大も目指している。

昨日の記事でもお伝えしたように、この買収によって同社はニューヨークにおいてはLyftに匹敵する規模をもつことになる。この街でUberに次ぐ2番手を競い合うことになるのだ。

昨年Volkswagenから3億ドルを調達したGettだが、その成長を加速するために新たな調達ラウンドを実施する可能性も大いにある。

「今回の買収で、ビジネス拡大に向けた大きなチャンスを手にすることができました。そのために必要な資金を今年中に調達する予定です」とWaiser氏は語る。「Volkswagenは私たちにとても協力的で、素晴らしいパートナーです。ですから、新たな調達ラウンドでは既存投資家と新規投資家の両方から資金を調達する可能性もあります」。また彼は、Gettは前四半期で乗車数と収益のどちらにおいても100%の成長を達成したと付け加えた。「すべての四半期でこのような成長を達成できるとは思っていませんが、これを達成できたことは重要な意味を持ちます。また、私たちの成長はオーガニックなものでもあります」。

Junoが昨年サービスをローンチしたとき、ドライバー・フレンドリーな同社のビジネスは世間からの注目を浴びた。特に、ライバルのUberがドライバーの扱いについて評判が悪かったからこそ、彼らの注目度は高かった。Junoはドライバーに制限付き株式(RSU)を与えている。そのため、Junoが成長すれば、ドライバーもその恩恵を受けることができるのだ。

私たちの取材によれば、この買収によってこのRSU制度は廃止され、ドライバーには株式取得時の金額に相応した現金が支払われることになる。しかし、話はここで終わらない:Gettは「long term value sharing」と呼ばれるを始めるという。これはJunoのRSU制度と同じようなものであるようだが、その詳細はまだ明らかになっていない。

ドライバーとの契約はそのまま維持される。GettとJunoは両社ともドライバーに10%のコミッションを支払っている ― 同社によれば、これは業界の最高水準だ。また、チップは全額ドライバーが受け取り、24時間のドライバーサポート体制も整っている。

概して言えば、この買収の動きは面白い展開だと言える。Uberに振りかかる苦難や裁判といった最近のニュースを見ると、新しい参入者がUberとは違うやり方でマーケットプレイスの両端であるドライバーと乗客のそれぞれを満足させられるサービスを提供するチャンスがあるのではないかとも感じる。ビジネスのスケールは成功を測る1つの指標でしかないことが明らかになるかもしれない。

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(翻訳: 木村拓哉 /Website /Facebook /Twitter

Baiduがコンピュータービジョンの米xPerceptionを買収

Reutersが報じたところによれば、BaiduがコンピュータービジョンのxPerceptionを買収したようだ。詳細は不明だが、xPerceptionはロボットやドローンに搭載するオブジェクト認識と奥行き把握のための独自モジュールを開発する企業だ。

中国の巨大テック企業であるBaiduは今年、マシーン・インテリジェンス分野のM&Aを積極的に行ってきた。同社は今年2月、ボイスアシスタントを開発する中国のRaven Techを買収するなどしている。今回の買収で特筆すべきなのは、xPerceptionが米国のスタートアップだという点だ。また、この買収がBaiduの自動運転や拡張現実ビジネスの鍵となる可能性もある。

xPerceptionの創業者はBao Yingze博士とChen Mingyu博士の2人。彼らはMagic Leapのエンジニアだった人物だ。今後、xPerceptionのチームはBaiduに所属すると見られる。

BaiduのチーフサイエンティストだったAndrew Ng氏が3月に同社を去ったこともあり、BaiduのR&Dは困難な状況に直面していた。

AIスペシャリストの獲得競争は世界中で激化しており、その震源地となっているのがアメリカだ。シリコンバレーのAIラボにリソースを投入してきたBaiduは、xPerceptionの買収によって米国での足がかりを増やすこととなった。

今、僕たちはxPerceptionのチームにコンタクトをとっている最中。なにか追加情報があれば、記事をアップデートしていく。

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(翻訳:木村拓哉 /Website /Facebook /Twitter

Amazonが中東市場に進出―、現地のEC大手Souqを6億5000万ドルで買収

世界制覇に向けて動くAmazonの次の狙いは中東だ。中東市場進出のため、同社が現地のEC企業Souqを6億5000万ドルで買収したとする複数報道内容を、われわれの情報筋が認めた。アラブ世界のAmazonとも言われているSouqは、同地域最大のEC企業だ。契約書のサインの「インクはすでに乾いている」と、Souqに近い情報筋は語っている。

Souqは本件に関するコメントを控えており、同社CEOのRonaldo Mouchawarも、TechCrunchからのメールや電話には応えなかった。

Amazonも同様にコメントを控えており、広報担当者であるTy Rogersからは「Amazonでは噂や推測に基づいた報道に対してのコメントは控えております。ご連絡ありがとうございました」という返事を受け取っただけだ。

中東市場にとっては、今後大きな変化に繋がる可能性のあるニュースだが、買収額は投資家が願っていたほどではなかった。1年前にSouqが2億7500万ドルを調達したときには、10億ドルという評価額がついており、さらに昨年末にも実はSouqとAmazonの間で、Souqの株式の30%をAmazonに売却するという話が進められており、その際の評価額も同じく10億ドルだったのだ。

昨年eBayやUAEの小売企業Majid Al Futtaimとも買収交渉を進めていたSouqは、Amazonとの最初の交渉が決裂してから本日までに、買収額を5〜7億ドルの間で上下させながら、徹底的に議論を進めてきた。そしてようやく両社は、「お互いに飲み込める」金額として、6億5000万ドルでの買収に落ち着いたとある関係者は語る。

買収額はもともとのSouqの評価額よりも低くなってしまったものの、投資家は少なくとも今回の買収によって投資分プラスアルファのお金を回収できそうだ。Crunchbaseの情報を見てみると、SouqはこれまでにBallie GiffordやIFC Venture Capital Group、Jabbar Internet Group、MENA Venture Investments、Naspers、Standard Chartered Bank、Tiger Global Managementらから計4億2500万ドルを調達している。

Amazonは今回の買収によって、現地で既に大規模なオペレーションを行っているSouqの力を使い、これまでサービスを提供していなかった中東市場にすぐに攻勢をかけることができる。

Souqは、CEOのMouchawarがアラビア語のポータルサービスMaktoobのECビジネス以外をYahooに売却した後の2005年頃に誕生した(なお件のポータルサイトは、2014年に起きたYahooの海外事業縮小の一環として閉鎖された)。

現在Souqは、参加ショップ数や販売している商品の数では、中東市場最大のECサイトと言われている。同社のマーケットプレイスには、7万5000件のショップが登録されており、電子機器やファッション、家庭用品、カーアクセサリー(最近追加された)などを含む30以上のカテゴリーで、合計約200万点もの商品が販売されている。

Amazonは今回の買収で、マーケットプレイスだけでなく、Souqのフルフィルメントビジネスも手に入れることになる(物流とフルフィルメントは、地域を問わずAmazonのビジネス拡大において重要なカギを握っている)。さらに両社の契約の中には、Souqのオンライン決済代行サービスPayfortも含まれていると言われており、決済に関する専門技術や、中東市場向けにローカライズされた決済サービスまでAmazonの手にわたる可能性もある。

McKinseyのレポートによれば、中東市場の小売消費額におけるEコマースの割合は現在約2%程しかないが、今後EC市場が成長していく中で、SouqのおかげもありAmazonは重要な役割を担っていくことになるだろう。

盛り上がる中東のEC市場

同地域のEC市場を狙っている企業は他にも存在する。最近誕生した野心あふれるEC企業のNoon.comは、サウジアラビアの公営ファンドとドバイの不動産王Mohamed Alabbar(ドバイ・モールやブルジュ・ハリファ等を所有)から10億ドルを調達した。まだNoon.comはサービスを開始していないものの、地元メディアは「今週中」にNoon.comがローンチされると報じており、これもSouqの身売りに関係していると情報筋は話す。

昨夏の重要な出来事として、Alabbarを中心としたコンソーシアムが物流会社Aramex株式16%を取得した。これにより、Alabbarの所有するEmaar Retail Groupが持つ広大なオフライン店舗網を、デジタル面で補完する存在としてのNoon.comのローンチという、大きなプランのために必要だったインフラが整ったことになる。

Amazonも以前、中東進出に向けた物流パートナーとしてAramexへの興味を示していたと関係者は話しており、AlabbarらによるAramexの株式取得がAmazonにプレッシャーをかけることになった可能性が高い。

さらにAlabbarの動きによって、Noon.comがSouqのビジネスを脅かす存在になったということも、AmazonとSouqが再度交渉のテーブルにつくきっかけとなり、両社の契約を実らせる要因になったとある関係者は語っている。

究極的には、例え希望金額よりも売却額が低かったとはいえ、Amazonへの売却がSouqを前進させる上では最適の選択だったと言える。さらに投資家にとっても、Amazonに比べて経営面で劣るeBayや、オンラインではなくオフラインに強いMajid Al Futtaimより、Amazonの方がパートナーとして優れているだろう。

なおNoon.com以外にも、昨年6700万ドルを調達したWadiや、Rocket Internetの投資先であるNamshiなど、Souqと競合する現地EC企業は存在する。

Souqの買収によって、インドのようにAmazonがこれまで築いてきた近隣地域でのプレゼンスがさらに広がっていくことになる。ちなみに最近Amazonはインドに攻勢をかけ、FlipkartやSnapdealといった企業と戦いを繰り広げている。現在FlipkartとSnapdealは合併交渉を進めていると報じられており、これはAmazonによるインド事業への何十億ドルという投資と、それによる同社の業況の拡大に対する動きのようだ。さらにFlipkartがeBay Indiaを買収しようとしているという噂もある。eBayのインド事業はそこまで大きくはないものの、この話が実現すればインドのEC市場に大きな影響が及ぶだろう(eBayの広報担当者は本件に関して、噂や憶測に対してはコメントを控えていると語った)。

インド進出時に、現地企業を買収せず時間をかけて事業を作り上げていったAmazonの辛抱強いアプローチを考えると、中東市場に素早く進出するための現地企業買収という今回の動きは注目に値する。

これまでAmazonは、ゼロからビジネスを作り上げることをモットーとしていたこともあり、新規市場に進出する際は比較的時間をかけていた(ゆっくりとした拡大方針は、EC事業だけでなくEchoやAlexaといったプロダクトでも採用されており、アメリカでは大成功をおさめている両プロダクトも、海外ではこれまでのところイギリスとドイツにしか進出していない)。

東南アジア進出に向けたAmazonシンガポールのローンチは、当初今年のQ1に予定されていたが、年内のローンチへと計画が延期されたと複数の情報筋は語る。一方同社は、現在オーストラリアでのサービス開始に向けて準備を進めているとも報じられている。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

「ビデオコンテンツの分析ニーズは巨大になる」 ― ソーシャル管理のHootsuiteがSnapchatにも対応

企業向けのソーシャルメディア管理ツールを提供するHootsuiteが、Snapchat上のアクティビティをトラッキングする術を手に入れた。同社は米国時間21日、Naritivが開発したSnapchat分析ツールを買収すると発表したのだ。ロサンゼルス出身のNaritivは、StoryをはじめとするSnapchatコンテンツをいち早く提供してきたスタートアップだ。

今回のディールによって、DisneyやGreylockなどのVCから累計で400万ドルを調達したNaritivがHootsuiteに吸収されるわけではない。その代わりに、同社はみずからが開発した分析ツールをHootsuiteに売却し、「『ケーブル』という言葉の意味も知らない世代向けにコンテンツを提供する」メディアを創るという、彼らの野望を実現させようとしている。

買収価格などは公表されていないが、HootsuiteがNaritivの株式を取得したり、同社に資本参加したりすることはないようだ。今回取材をしたHootsuite共同創業者兼CEOのRyan Holms氏、およびNaritiv共同創業者のDan Altmann氏によれば、今回のディールにより、分析ツール関連のテクノロジーとNaritivの従業員3名がHootsuiteに加わることになる。この従業員たちはバンクーバー出身のHootsuiteが新たに構えるロサンゼルスオフィスで勤務することになる。

Hootsuiteはこれまでに1500万のユーザーを獲得している。その内の「数十万」が課金ユーザーだ。Hootsuiteを利用することで、ユーザーはTwitterやFacebook、LinkedInなど数十種類のソーシャルメディアを一括して管理することが可能だ(元々Hootsuiteはtwitterの管理ツールとして誕生した)。そして、今回の買収によりHootsuiteが対応するソーシャルメディアにSnapchatが追加されたのだ。

Hootsuiteが今回の買収を決めたのは、現段階ですでにSnapchat上のアクティビティが多いからというわけではない。実際、今年はSnapchat関連の収益よりも、AdEspressoなどのFacebook関連の収益の方が多くなるだろうとHolmes氏は語っている(AdEspressoはFacebookでネイティブアドを運用するためのツール。同社は今年の2月にこのツールを買収したばかりだ)。

Holmes氏(カナダ人)によれば、Hootsuiteが買収を決定したのは「ホッケー選手はパックが向かう方向を目指して滑る」からだという。

彼の言葉を言い換えれば、企業やブランドはこれからユーザーが増えそうなソーシャルメディアに向かっていく、そして、今もっともユーザーを惹きつけているソーシャルアプリの1つがSnapchatだということだ。そのため、今後HootsuiteはSnapchatコンテンツの作成支援やその効果測定ツールなどを提供していく。そこで今回買収した分析ツールの出番となるのだ。

「私たちのロードマップにおけるSnapchatの存在感がますます高まっています」とHolmes氏は話す。「現在、そして将来の顧客ニーズに最適なプラットフォームを構築したいと考えています。将来、ビデオコンテンツの分析ニーズは巨大になると私たちは考えています」。

元々この分析ツールは、Naritiveやその顧客が作成したSnapchatコンテンツの効果測定ツールとして誕生したものだ。しかし、面白いことに、Hootsuiteはこのツールを他のプラットフォーム向けにも利用しようとしているようだ。

このツールの分析対象として考えられるのがFacebookのコンテンツだ。先日、FacebookはSnapchat Storyと似た機能をInstagramに追加した。また、より最近の話では、Messengerにも同様の機能が追加されるというニュースもあった。この影響でSnapchatの成長速度が鈍化している。

Hootsuiteの累計調達金額は2億5000万ドル以上。CEOのRyan Holmes氏によれば、同社のバリュエーションは10億ドルを「はるかに上回って」おり、キャッシュフローはポジティブだという。

[原文]

(翻訳: 木村拓哉 /Website /Facebook /Twitter

Intel、Mobileyeを153億ドルで買収―自動運転テクノロジーの拠点をイスラエルに移す

Intelは自動運転のためのコンピューター・ビジョンのリーダー、Mobileyeを153億ドルで買収することを確認した。両社の関係は当初は提携だったが、最終的には買収に進んだ。これはテクノロジー関連のイスラエル企業の買収としてこれまでで最大となる。

Intelは声明で次のように述べている。 「合意された条件に基づき、Intelの子会社は、Mobileye社株式について1株当り63.54ドルのキャッシュで公開買付を開始する。すべての発行済株式が買付の対象となる。〔オプション実行などによる〕希薄化後の株式を含んだ買付総額は約153億ドルと見込まれる。会社評価額は147億ドル(…)」。買収手続きは9ヶ月程度で完了するものとIntelは見込んでいる。

現在Mobileyeは 広範囲なテクノロジーとサービスを保有している。センサーフュージョン、マッピング、フロントおよびリアカメラ関連のテクノロジーが含まれる。2018年には高精細度マップのためにデータ取得のクラウドソーシングを開始する。また自動運転の決断の基礎となるドライビング・ポリシーの実用化も導入するととしている。これらの新しいテクノロジーとサービスは今後すべてIntelブランドとなる。Intelはさまざまな自動運転テクノロジーを取得することになるだけでなく、自動車メーカー各社がMobileyeと結んでいる密接な関係もIntleの傘下に入ることを意味する。今日(米国時間3/13)の電話記者会見でMobileyeの共同ファウンダー、CTOのAmnon Shashuaは「われわれは現在自動車メーカー27社と提携している。20016年にはAudi、BMWその他のメーカーと10種類のプロダクション・モデルに関するプロジェクトを実行している」と述べた。【略】

Intelは当初のTechCrunch記事を確認し「Mobileyeの共同ファウンダー、CTOのAmnon Shashua教授がIntelの自動運転事業部の責任者となり、これはイスラエルを拠点する。Intelの上級副社長 Doug DavisがMobileyeとIntelの業務統合全般を指揮し、Shashua教授に直属する」と発表した。

イスラエルをベースとするコンピューター・ビジョン、機械学習に関連して、Googleは道路情報をクラウドソーシングするWazeを11億ドルで買収Appleは3DセンサーのPrimeSenseを3億ドルと報道される額で買収している。

Mobileyeが買収後もイスラエルにとどまることになったのはWazeの買収をめぐるドラマを想起させる。当初FacebookがWaze買収に動いたものの、Wazeのエンジニアはイスラエルにとどまりたいと希望し、FacebookはチームをシリコンバレーのFacebook本社に移したがった。この問題で交渉が中断している間にGoogleがWazeをさらってしまった。Googleはイスラエルに本拠を置きたいというWazeの条件を認めたために買収は即決されたという。

IntelとMobileyeは昨年から公式に提携していた。 今年に入って両社は、BMWの自動運転車40台にテクノロジーを供給している。Mobileyeは早期からTeslaの自動運転テクノロジーのパートナーだった。ただしMobileyeがTeslaの安全性に関する方針に反対したためこの提携は終了している

Mobileyeは2014年にNasdaqに上場し、現在の時価総額は105億ドル.だ。買収のニュースが流れると同時に、市場が開く前に、株価は33%以上アップした。【略】

自動運転テクノロジー関連の動きはIntelにとどまらない。同じく今日、自動車部品メーカー大手のValeoがドイツのスタートアップで、車載3D画像処理ソフトウェアのgestigonを買収したことを明らかにしている。同社のテクノロジーは車両内外のさまざまな情報をドライバーに伝えると同時に自動運転システムともコミュニケーションを取り、車両の動作を決定するのを助けるという。

金額など買収の詳細は明らかになっていない。Valeoは従来から自動運転テクノロジーに活発に投資しており、これまでにもフランスの自動運転シャトルバス、Navyaの株式の一部を取得したりカリフォルニア州で自動運転車のテストを行うライセンスを取得するなどしている。gestigonの買収はこの分野への関心が非常に強いものであることを意味するようだ。

Valeoはこの後、投資家向け電話会見を開く予定なので新しいニュースが判明すればアップデートする予定だ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

DenonやMarantzなど有力オーディオブランドがSound Unitedの下で大連合、テクノロジー系勢力に対し危機感

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オーディオ装置のトップメーカーたちが、大きくまとまろうとしている。スピーカーのブランドPolk AudioとDefinitive Technologyを保有するSound Unitedが今日(米国時間3/1)、DenonとMarantz、およびBoston Acoustics(スピーカー)とHeos(マルチルームオーディオ)のブランドを保有するD+M Groupを買収した、と発表した

この企業集合はSound Unitedという名前になり、今のCEO Kevin Duffyが率いる。買収の条件は公表されていない。Sound Unitedは持株会社DEI Holdingsの傘下で、後者はさらにボストンのプライベート・エクイティ企業Charlesbankのポートフォリオ企業だ。D+M Groupは、Bain Capitalの日本(東京)企業K.K.BCJ-2の一部だった。

Duffyはこう語る: “D+M Groupのブランドポートフォリオとアジア太平洋およびヨーロッパの事業実績は、グローバルな成長を目指すSound Unitedにとって完璧な補完だ。製品や技術のポートフォリオも補完性があり、A/V受信器など新しい市場分野への進出が可能になる”。

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Sound Unitedは、オーディオシステムのオーダーメイドやハイエンドオーディオから消費者オーディオ市場までの広範囲をカバーすることになる。2014年には同社ブランドのヨーロッパ向け流通でD+Mとパートナーしていたから、買収はその延長線上にあるとも言える。

Duffyによると、“今のところは、製品も社員も各社の立地もいじるつもりはない。もっといろいろ分かってくれば、パートナーや顧客たちにも告知していきたい”、という。

今回の買収の動機は、競合対策というより、市場の拡大と、最近の高度なハードウェア技術の共有にあるようだ。今オーディオビジネスは、Amazon Echo, Google Home, Sonosなどのテクノロジー勢力に押されているから、今度の連合結成は伝統的なブランドの防衛策でもある。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))