スマホが自動車のキーになるAndroid 12の新機能をグーグルが発表

Google(グーグル)は、BMWをはじめとする自動車メーカーと協力して、Androidスマートフォンから車両の施錠 / 解錠やエンジン始動ができるデジタルキーを開発中であることを、米国時間5月18日に行われた開発者向けイベント「Google I/O」で発表した。

このデジタルカーキーは、同社のモバイルOSの最新版であるAndroid 12で採用される数多くの新機能の1つ。Android & Google Playのプロダクト・マネジメント担当バイス・プレジデントであるSameer Samat(サミア・サマット)氏によると、デジタルカーキーは2021年後半に一部のPixel(ピクセル)およびSamsung Galaxy(サムスン・ギャラクシー)のスマートフォンで利用可能になるという。対応する車両は、BMWを含む2022年モデルの新型車と一部の2021年モデルとのことだが、具体的な車名やBMW以外のメーカー名はまだ明らかにされていない(発表で例として提示された画像は、BMWが2021年内に発売する新型電気自動車「i4」だった)。

このデジタルカーキーには、UWB(Ultra Wideband、超広帯域無線)と呼ばれる無線通信技術が使われている。これは、センサーが信号の方向を知ることができる、小さなレーダーのようなものだ。この技術によって携帯電話に内蔵されたアンテナは、UWB送信機を備えた物体の位置を特定し、識別することができる。UWB技術を利用するため、Androidユーザーは携帯電話を取り出さなくても、車両の施錠 / 解錠が可能になる。

画像クレジット:Google

NFC(近距離無線通信)技術を搭載した車種を所有するユーザーは、携帯電話をクルマのドアにかざすことでロックを解除できるようになる。通常はクルマのドアハンドル内に搭載されているNFCリーダーが、ユーザーの携帯電話と通信を行う仕組みだ。Googleによると、ユーザーはクルマの貸し借りをする場合にも、友人や家族とクルマのキーを安全かつ遠隔で共有することが可能になるとのこと。

Googleが今回の発表を行う前に、Apple(アップル)も2020年、iPhoneやApple Watchに同様のデジタルカーキー機能を追加すると発表している。iOS 14で導入されたこの機能は、NFCを介して動作する仕組みで、2021年モデルのBMW 5シリーズで初めて利用可能になった。

関連記事:アップルはiPhoneをクルマの鍵に変える、WWDC20で発表

最近では、独自にアプリを開発する自動車メーカーも増えており、それらを使えばユーザーはスマートフォンからリモートロック / アンロックなど、特定の機能を制御することもできるようになっている。GoogleやAppleの側から見た大きなメリットは、モバイルOSにデジタルキー機能を統合することで、ユーザーがアプリをダウンロードする必要がないということだ。

その意図は、面倒な体験を減らすことにある。そしてさらに、これをシームレスにしようという動きもある。Apple、Google、Samsung、そしてBMW、GM、Honda(ホンダ)、Hyundai(ヒュンダイ)、Volkswagen(フォルクスワーゲン)といった自動車メーカーが加盟するCar Connectivity Consortium(カー・コネクティビティ・コンソーシアム)は、メーカーの枠を超えて容易にスマートフォンを自動車のキーとして使用できるデジタルキーの標準規格を策定するために、数年を費やしてきた。

デジタルカーキーの開発は、スマートフォンが消費者の生活の中心になることを目指すGoogleの活動の一環だ。そしてその目標は、自動車抜きには達成できない。

「最近では、携帯電話を購入する際には、電話機のみならず、テレビ、ノートパソコン、自動車、スマートウォッチやフィットネストラッカーなどのウェアラブルなど、連携が求められる機器のエコシステム全体を購入することになります」と、Googleのエンジニアリング担当バイス・プレジデントを務めるErik Kay(エリック・ケイ)氏は、今回のイベントにおける発表にともなうブログ記事の中で書いている。「北米では現在、1人あたり平均約8台のコネクテッド・デバイスを所有しており、2022年にはこれが13台に増えると予測されています」。

Googleは、ユーザーがワンタップするだけでデバイスをBluetoothを介してペアリングできる「Fast Pair(ファストペア)」機能を、自動車を含む他の製品にも拡大すると言っている。

ケイ氏によると、現在までに消費者は3600万回を超える「Fast Pair」を利用して、Sony(ソニー)、Microsoft(マイクロソフト)、JBL、Philips(フィリップス)、Google、その他多くの人気ブランドを含むBluetooth機器とAndroidスマートフォンを接続しているという。

このFast Pair機能は、今後数カ月のうちに、Beats(ビーツ)のヘッドホンやBMW、Ford(フォード)の自動車など、さらに多くのデバイスに導入される予定だと、サマット氏はGoogle I/Oで語った。

関連記事
グーグルがAndroid 12の最新情報を公開、近年最大級のデザインアップデート、新ベータ版配信開始
Chromeに漏洩パスワードを自動的に修正する新機能、グーグルのAIテクノロジー「Duplex」を利用
事前トレーニングなしでより自然に会話できる新AI言語モデル「LaMDA」をグーグルが発表
今、Androidは30億台のアクティブデバイスに搭載されている
グーグルが「折りたたみ式」にフォーカスしたAndroidディベロッパー向けアップデートを追加
グーグルが次世代カスタムAIチップ「TPUv4」を発表、1ポッドでエクサフロップ以上の処理能力
グーグルの「Wear OS」とサムスンの「Tizen」が統合、アップルのwatchOSに対抗
Googleがオンラインショッピング拡大でShopifyと提携
グーグルがクロスプラットフォームUIツールキット「Flutter」をアップデート
グーグルの「Workspace」アプリが相互連携を強化し12の新機能を追加、囲い込みがさらに進む
Android TV OSの月間アクティブデバイスが8000万台に到達、新機能も発表
グーグルがWear OSの大規模アップデートを発表、Fitbitの「健康」関連機能も導入

カテゴリー:モビリティ
タグ:GoogleGoogle I/O 2021AndroidBMW自動車電気自動車

画像クレジット:Google/screenshot

原文へ

(文:Kirsten Korosec、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

クアルコムが自動車用クラウドサービスでアップデートや遠隔測定をネット化

Qualcomm(クアルコム)が米国時間1月6日、同社のCar-to-Cloud(カーツークラウド)サービスを発表した。その名のとおり、クルマをクラウドに接続するこのサービスは、同社初となる自動車のコックピットプラットフォームとSnapdragon自動車プラットフォームを、4Gと5Gサポートで統合する製品だ。

このプラットフォームにより、自動車メーカーは自分のクルマをアップトゥデートに保ち、クラウド上のインフォテインメントプラットフォームも最新状態を維持できる。さらにまた、このサービスを使って自動車とその使われ方のアナリティクスを集められる。Qualcommによると、自動車メーカーはクラウドを介してさまざまな有料サービスを提供できるため、売上機会も増やせるという。

クルマの所有という概念が変わりつつあり、またドライバーが期待するものも変わってきた。今ではアップデートできるインフォテインメントシステムが新車の標準装備になりつつあるが、そのアップデートはディーラーのWi-Fiで行われている。Qualcommは、自分たちのCar-to-Cloudサービスを使えばアップデートは確実になり、また、そのデプロイも迅速になり、アップデートのコスト効率が良くなるとも主張している。さらに、こんなクラウドチャネルがあれば、カーシェアリングやCar-as-a-Service(CaaS)などのコネクテッドサービスやオンデマンドサービスといった分野で新しいプロダクトがどんどん登場してくる、とQualcommはこのクラウドプラットフォームを売り込んでいる。

ドライバーには、もっと個人化された体験が提供できるようになる。高級車には今でもパーソナライズ機能はあるが、今後は大衆車にも浸透してくる。さらにQualcommの売り込みでは、自動車メーカーやディーラーなどが独自のコンテンツやアプリやサービスを販売できるようになり、ここでも売上機会が増える。

Qualcomm Technologiesの製品管理担当上級副社長のNakul Duggal(ナクル・ダガル)氏は「Qualcomm Car-to-CloudServiceを、Snapdragon Automotive 4G and 5G PlatformsとSnapdragon Automotive Cockpit Platformsに結びつければ、自動車メーカーとティア1のサプライヤーに力を与えて、今日の見識あるクルマのオーナーの期待に応えることができる。現代の自動車保有者はテクノロジーの柔軟で継続的なアップデートに慣れており、車の生涯時間の間にさまざまな新しい機能を自ら進んで経験する」と語る。

CES 2020 coverage - TechCrunch

[原文へ]
(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

ロシアの銃器メーカーKalashnikovがTeslaとの競合をねらう電気自動車を発表

AK-47マシンガンで有名なロシアの武器メーカーKalahsnikovが今週、電気自動車とハイブリッド車、バギー、そしてオートバイなどから成る、一連の自動車製品を披露した。電気自動車のうちの一台は、同社によると、Teslaとの競合を意識している。

世界でいちばん有名な電気自動車ブランドとの競合は、目標としては立派だが、しかしそのCV-1と呼ばれるレトロなスタイルのコンセプトカーは、ソ連時代に不評だったTrabantによく似ている。

ところで、この車のFahrvergnügen〔‘車の魅力’、VWの広告のキャッチコピー〕は、テレビの人気キャスター、コナン・オブライエンによるデモにいちばん良く表れている:

CV-1は、“Combi”と呼ばれていたレトロ車IZH-21252がベースで、Kalashnikovが自社開発したという電気駆動機構のテストベッドだ。その巡航距離は350キロメートルで、加速性能は0から100キロメートルまで6秒、と同社は言っている。

バッテリーも自社製で、容量は90KW/hだ。

EVを公開したその同じ銃器見本市でKalashnikovはさらに、ハイブリッドのバギーと電気オートバイも見せて、ハットトリックを完成した。

その四人乗りのバギーは最高時速が100キロメートルと言われ、前輪と後輪で別の電気エンジンを使用する。ショックアブソーバーは油圧式だ。ロシアの通信社RTによると、この車は比較的最近、ロシアの軍用車の仲間に加わった。

Kalashnikovの警察用電気オートバイ

KalashnikovはTeslaを意識しているのかもしれないが、もっと意識すべきはロシアの競合企業や製品よりも、アメリカの規制当局だろう。現時点では、この武器メーカーが自動車よりも有利な商機を見つけそうなマシンがもう一つあり、それもこの軍事見本市でデビューした。それは、黄金色の装甲車、ではなくて、黄金色の殺人装甲ロボットだ (!!):

以下は、新しい電気自動車の、Kalashnikov提供の写真集だ:

  1. Screen-Shot-2018-08-23-at-10.57.25-PM

  2. Screen-Shot-2018-08-23-at-10.58.10-PM

  3. Screen-Shot-2018-08-23-at-10.58.26-PM

  4. Screen-Shot-2018-08-23-at-10.58.37-PM

  5. Screen-Shot-2018-08-23-at-10.58.47-PM

  6. Screen-Shot-2018-08-23-at-10.59.15-PM1

  7. Screen-Shot-2018-08-23-at-10.57.42-PM

この記事は、Jon Russellの協力によるところが大きい。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Waymoの自動運転技術は2016年に大きく進歩、人間の介入機会が極少に

waymo_fca_fully-self-driving-chrysler-pacifica-hybrid-3

Waymo(元Google自動運転車部門)の自動運転ソフトウェアは、2016年に、2015年よりもはるかに長い距離を走行したにもかかわらず、解除される機会がずっと少なかった。カリフォルニア州自動車局の発表によると、Waymoの最新の解除報告では、解除(テスト車の自動運転をoffにする機会)の多くは、事故や軽い接触などではなく、ソフトウェアのなにかを調整したりバグを潰したりするための一時的なポーズ(小休止)だった。

これは、Waymoの技術による自動運転車の商用化に向けての、大きなニュースだ。技術陣のリーダーDmitri Dolgovがこの進歩を祝うブログ記事で、1000マイルあたりの平均解除件数で前年(2015)比4倍の進歩だ、と説明している(下図)。すなわち2015年には0.8件だったが、2016年にはそれが0.2件に減少している。しかもその多くが、事故ではない。

screen-shot-2017-01-25-at-11-28-02-am

Dolgovの説明によると、この走行距離は都市と郊外の両方を含み、とくに一般商用化に向けてWaymoが力を入れている最も複雑な運転状況、ドアツードア・サービスのテストが多く含まれている。またDolgovによると、この数少ない、間隔の長い解除は、システムに貴重な学習機会を提供し、最終的にはソフトウェア自身が、自分をしばらく運転から解除すべき状況を判断できるようになる。もうひとつは、保守的な運転状況で解除するとそれをエラーにする、という調整も行っている。これらのことを勘案すると、2016年の低い解除率はすばらしいと言える。

WaymoのCEO John Krafcikは、自動運転車用のセンサーを今後は自社で作る、と発表したときに、解除率の4倍の向上に言及している。具体的な数字で言うと、解除件数は2016年が124件、2015年が341件、2016年のテスト走行の総走行距離は63万5863マイルだった。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Airbusは、無人飛行タクシーを本気で考えている

my-kind-flyover-chapter_intro

Fordは自動運転車によるオンデマンドタクシーを2021年までにスタートさせたいようだが、それもAirbusに基準に照らせばスケールが小さい ― この航空機メーカーは、都市部の高まる交通渋滞問題を解決すべく、無人〈飛行〉タクシーを現実のものにしようとしている。

2021年までに空飛ぶタクシーを拾うことはおそらくできないだろうが、Airbusは2017年中にプロトタイプを飛ばそうとしている。シリコンバレーにあるAirbusのイノベーションに特化した開発部門 A3では、コードネーム “Vahana”(名前の由来はこちら)という自動操縦飛行機を開発している。乗客、貨物いずれも塔載可能で、Amazon等の最終配達手段(ラストマイル・プロバイダー)としても利用できる。

Airubus A3グループのプロジェクトリーダー、Rodin Lyasoffは、2017年までにVahanaを飛ばすことは実現可能である、なぜならバッテリー、モーター、航空電子工学的基礎技術等の必要な技術要素は「ほぼ揃っている」からだと同社広報誌に書いている。現在チームが直面している最大の技術的課題は、総合的な障害物回避システムの開発だ。Googleの無人走行車が道路を走るためのものと似ているが、空飛ぶ乗り物用に最適化する必要がある。

UrbanMobility_pic5_medium.2016-06-28-16-34-44

自動飛行による旅客・貨物輸送機の需要が高まれば、最終的に全世界で「数百万機」が導入される可能性がある、とLyasoffは言う。しかし、現実世界でテスト飛行を行うためには巨大な障壁がある。この種の飛行隊を都市部で運行するために必要なリモート飛行は、どの国でも許されていないからだ。それでも、Airbusが運行するドローン配達サービスをシンガポールの国立大学キャンパスで2017年にテストすることが許可されれており、将来のテスト飛行への道は開かれている。

Vahanaの長期的ゴールは、Airbusが “CityAirbus” と呼ぶ、相乗り無人旅客機の基盤を作ることだ。このサービスの利用者はスマートフォンで予約した後、近くのヘリポートへ行き、他の乗客と共に無人飛行機に乗り込む。複数の乗客が相乗りすることで料金を下げることが可能になり、現在の公共交通機関に近い、お手頃価格のサービスにできるとAirbusは言っている。

これは、約束されていた空飛ぶ車が本当になるかもしれないことを意味しているのだと私は思っている。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Uber、ピッツバーグでの自動走行車テスト中を正式に認める

screen-shot-2016-05-19-at-9-07-55-am

Uberは、ペンシルベニア州ピッツバーグで自動走行車のテストを行っていることを、ようやく認めた。Pittsburgh Tribuneが伝えた。

Uberの無人走行車への意欲はよく知られており、同社がピッツバーグ拠点の最新テクノロジーセンターを一年以上に作ったことからも明らかだが、正式にテストを認めたのは初めてだ。

実際UberのJohn Baresは、Tribune-Reviewの記者を同社のFord Fusionハイブリッドに乗せ、経路の一部を自動走行したという。

会社はブログ記事にもこのことを書いている。

Baresは、Uberの無人走行車にとってピッツバーグは最適の環境であり、それは雪や雨が多く、道路基盤は時代遅れだからだと言った。

要するに、もしUberがここでできるなら、どこへ行ってもできる、ということだ。

複数のカメラとレーザーおよびセンサーを通じて、Uberの自動走行車はあらゆる方向を最長100メートルまで見ることができる。これまでのところ、一般車との衝突は起きていない。

Uberは、Google、Lyft、Volvo、Fordら少数の企業と共に、ロビー団体、Self-Driving Coalition for Safer Streetsに参加しており、政府が無人走行車を普及させ、しかし安全を第一に考える法案を早く作るよう活動している。

国家道路交通安全局は、早ければ7月にも自動走行車のための法案を準備できると言った。

それでもUberはこの分野では比較的新参者であり、例えばGoogleはカリフォルニア州の公道で2009年から自動走行車をテストしている。

Baresは、5/18に見せたデモは初期段階であることを認めているので、ドライバーのいないUberを呼びだせるのはまだ先のことになるだろう。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Tesla Model 3の発表会で撮った写真、14枚―まずこれで予習しておこう

dsc_00051.jpg

今夜、Tesla Model 3の発表会に行ってきた。今回Teslaは奇妙なルールを設けていた。「大きなカメラは禁止」とぃうのだ。スマートフォンがいいが、ズームレンズが付けられる本格的なカメラの持ち込みは禁止だという。

正確な理由は不明だ。私は会場で誰かれとなく心当たりを尋ねてみたが、どうやら確からしいという説は「Model 3はまだ完成車ではない」というものだった。つまり細部のフィニッシュは完全ではなく、今後変更の余地があるというものだ。会場の照明は暗く、スマートフォンのカメラの暗所での性能はご存知のとおりなので写真を撮るのにはひどく苦労させられた。

Tesla自身が発表した写真を別にすれば、細部まで見定められるModel 3の写真は今のところ出回っていない。そういう次第で、以下の14枚の写真は私自身と同僚によるModel 3の実写ではあるが、描写はいまいちなのでご了承いただきたい。

普段なら多数の写真はまとめてスライドショーにするところだが、システムはギャラリーに写真を取り込むときにサイズを下げてしまうので、1枚ずつ掲載することにした。

(Model 3のスペックについてはわれわれの記事を参照)

photo2

レッドだ!

プレゼンに使われた車はシルバーだったが、右手にレッド塗装も1台あった。

デザインのコンセプトはModel Sに似ているが、単にSを縮小しただけではなかった。フロントエンドは全く異なる。この角度からだとScion FRSあるいはスバル BRZにやや似ている(フロントエンドはそれだけ目立つわけだが、ともあれゴージャスだ)。

photo3

ホィール!!

この点は後でさらに掲載。

photo4

フロントエンド

Model Sと同様、「フロントグリルなし」だ。実車を見るとかなりシュールな感じがする。まるで誰かがクレイモデルにフロントグリルを刻み忘れたみたいだ。少し離れると非常にクールだ。

photo5

ドア・ハンドル

これまでのTesla同様、Model 3のドア・ハンドルも走行中はボディー内に隠されていて外からは見えない。Model 3の場合はSよりさらに強くカーブしている。

photo6

「予約数」

プレゼンの後でステージに表示されたライブの予約受付状況に関心が移った。イーロン・マスクが登壇したときにはカウンターは11万台前後だった。つまりまだ誰も実車を見ていないうちにそれだけの予約があったわけだ。40分後、プレゼンが終わった後で数字は15万台に跳ね上がっていた(カウンターの表示はそこで終わった)。

ちなみに15万台というのはTeslaが2015年に販売した車の総数の3倍だ。

photo6

最後にもう1枚赤い車を…

photo7

シルバー!!

シルバー・モデルのサイドビュー

photo8

そして…

少し違う角度から。逆光でレンズのフレアが目立つ。

photo12

すでテストドライブが可能だが…

残念ながらModel 3は(Teslaの社員以外)、まだ誰も実車を運転できていない。言うまでもなくテストドライブの申し込みが殺到している。

photo14

ホィール!

さすがのTeslaでもホイールはあるべき位置にある。

photo13

ルーフ

脚立なしにルーフの写真を撮るのは難しかったが、造形はたいへん美しい。巨大な一枚のガラスで、フロントのサンバイザーが取り付けてある支柱と運転席・助手席の頭上を横切る支柱だけがわずかに視線をさえぎるだけだ。サンルーフに似ているが、視界ははるかに広い。Model Sのゴージャスなパノラマビューが後部座席まで拡大された。昼間や星空の下での夜などファンタスティックだろう。.

photo16

再びフロント

ドライバー席と助手席の間に大型のタッチスクリーンが設置されているのが見える。Model Sのものと似ているが、こちらは縦置き1715インチではなく横置き15インチだ(いずれも対角線長)。

photo18

スクリーンの別角度

ドライブ・システムのインターフェイスは納入車両では若干変更されるかもしれない。現状ではやや荒削りだった。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

米政府、自動運転車研究に今後10年間で40億ドルを投資

google-car

今やどの自動車メーカーも無人運転プログラムを持っているが、実際に自動運転車が公道を走ることに関する規則や規制は殆ど手つかずの状態だ。

このたび米国政府は、自動運転車に関する国家政策の制定を開始し、「現実世界のパイロットプロジェクトを通じて、安全な自動運転の開発と採用を加速する」ために今後10年間に40億ドル以上を投資することを約束した

To navigate snowy roads, Ford autonomous vehicles are equipped with high-resolution 3D maps – complete with information about the road and what’s above it, including road markings, signs, geography, landmarks and topography.

雪の中を走るFordの無人運転車

この40億ドルは、オバマ大統領の2017年予算案の一部であり、今後却下される可能もある。その狙いは、IT業界および自動車メーカーとの協力によって、つながった自動運転車を「全米の指定地帯でテストする」ことにある。

いずれそれらの指定地帯は、より一般的な政策に管理を明け渡す。このために運輸省は、自動運転のためのモデルとなる州政策を6ヵ月以内に立てたいと今日語った。長期的には、この州政策が一貫した国策へとつながる。

また運輸省は、自動車メーカーに対して、各社の自動運転機能(自動駐車等を含む)が基準を満たしているかどうかを知るために、規約解釈要求書の提出を求めている。メーカーは適用除外を要求することもできる。

「われわれは自動車技術新時代の先端にあり、そこには人々命を救い、温暖化ガスを減らし、米国民の移動方法を転換する莫大な可能性がある」と、今日(米国時間1/14)アンソニー・フォックス米運輸長官が述べた。「今日の決定と今後数ヵ月間の取り組みによって、メーカー、政府当局、および消費者が新しいテクノロジーを利用し、安全の可能性を最大限に達成する道筋の基礎が作られる」。

Googleの人々が喜ぶに違いない話の一つは、運輸省と国家道路交通安全局が、「人間ドライバーがいないことを前提に設計」された自動車のための規則も視野に入れていることだ。現在自動運転車に関する政策を持つ州は、必要な時に運転を代われる人間ドライバーが運転席に座ることを要求している。

10年は明らかに長い時間ではあるが、自動車業界の既存勢力は動きを速めているものの、デトロイトで新たな車を開発するためには、まだ2~3年はかかるだろう。自動運転車があらゆる道路を走れるようになるためには、技術面、規制面ともにまだ数多くの障壁があるが、GoogleやTesla(もしかしたらFaraday Futureも?)は、老舗自動者メーカーよりも早く仕事を進めるだろう。彼らにとって、10年間は永遠だ。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

米運輸省、自動運転車の規制緩和へ

google-ca

自動運転車が急速に進歩する中、連邦当局はこの技術に対するスタンスを考え直そうとしている。

昨日(米国時間11/24)アンソニー・フォックス運輸長官は、政府の自動運転車政策を数週間のうちに改訂すると発表した。

「運輸省として安全面を警戒するのは当然だが、目の前のイノベーションにおじけづきたくはない」とフォックスは語った。Associated Pressが伝えた。

2年前、米国運輸省は自動運転車に対して慎重な立場を取った。同省は、自動運転車の使用はテストに限定し、「一般市民が通常の運転目的に使うことは認めない」とする方針を打ち出した。

今日のニュースは、Googleが自動運転車のテスト地域をマウンテンビュー本社キャンパスから、カリフォルニア州およびテキサス州オースチンの公道へと拡大したことを受けている。Tesla Motors、日産、およびホンダも同技術の実験を続けている。しかし、いずれの場合も、ハンドルの前には人間が座りいつでも代って運転できるよう備えている。

これまでのところ、自動運転車に関連する規制の殆どは州レベルで施行されている。カリフォルニア、ネバダ、ミシガン、フロリダの各州およびワシントンDCはいずれも、自動運転を規制する法案を通過させた。他の多くの州も同様の法規制を検討している。

Googleが自動運転車の安全性が確認され次第すぐにでも、市場に広めようと推進している中、路上のルールも変わる必要がでてくるだろう。2016年に自立走行車が技術政策に関する数多くの議論を呼ぶことは間違いない。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Google自動運転車の10月度月次報告:事故ゼロ、ハロウィンは役に立つ

google-car

Googleは今日(米国時間11/2)、自動運転車月次報告書を公開した。良いニュースは、事故がなかったこと。そして、彼らがどうやってソフトウェアを訓練しているかについてチームが共有した内容が興味深い。

どうやらハロウィンが大いに役立ったらしい:

Screen Shot 2015-11-02 at 12.26.57 PM

ハロウィンは特別な学習を行うために最適の機会だ。今週は数多くの悪霊やスーパーヒーロー、ロボットまでもが、Google周辺を家族と共に走り回っていたので、われわれは駐車している車の近くをうろうろするよう彼らにお願いした。これはわれわれのセンサーとソフトウェアにとって、小さな子供たちがあらゆるおかしな形や大きさと奇妙なコスチュームでいても、認識できるようにするための特別な練習になった。

われわれは車に、子供の近くでは特に注意深く運転するよう教えている。センサーが近くに子供 ― 仮装していてもいなくても ― がいることを検出したとき、ソフトウェアは彼らが普通と異なる行動をすることを理解している。子供の動きは予測が難しく ― 突然道路に飛び出す、歩道を走る ― 駐車中の車の陰に容易に隠れてしまう。よってうちの車たちは、もし子供たちが大好きなアナ雪のキャラクターに紛していることをちゃんと理解できなかっとしても、やはり万全の注意を払っている。

走行距離と走行地域に関する最新情報も掲載されている:

– 23台のLexus RX450h SUVが公道を自動運転中。カリフォルニア州マウンテンビュー:19台、テキサス州オースチン:4台
– 25台のプロトタイプが公道を自動運転中。カリフォルニア州マウンテンビュー:21台、テキサス州オースチン:4台

2009年のプロジェクト開始以来の走行マイル数
“Autonomous mode”はソフトウェアが車両を運転し、テストドライバーはマニュアル制御装置に触れていないことを意味する。
“Manual mode” はテストドライバーが運転していることを意味する。
– Autonomous mode: 126万8108マイル
– Manual mode: 93万8621マイル
– 現在、週平均1万~1万5000マイル公道を走っている

報告書は実に興味深く、この未来的だが達成可能なプロジェクトがどれほど雑雑であるかを垣間見ることができる。彼らは自動運転中に「ドライバー」の注意を保つ方法について説明している。これは業界全体の懸念事項だ。車の中でカバンの中から携帯電話を取り出そうと身を乗り出す人の例が挙げられており、これは自動運転がいくら正確であろうとも私を脅えさせる。教訓? 人々は車を信頼している。これは、少なくともテストドライブに参加したボランティアたちはそうだという意味だ。彼らは全員Google社員だから、当然だが。

それは何一つとして簡単なことではない、なぜなら ― 運転を楽しむ人たちもいるから。Googleはこのテクノロジーが通勤に最適であることを説明している。それは間違いなく退屈なドライブである。われわれは今後も報告書を読み続けるので、みなさんは道路に注意を払い続けていただきたい。

ありがとう。

こちらも:

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

自動車のビッグデータ解析行うスマートドライブが産革から最大6.6億円の資金調達、アクサ損保と新商品の開発も

150805smartdeive

車速やエンジン回転数など150種類にも及ぶ情報を取得するために自動車に用意されている「OBD-IIコネクタ」。ここに専用のデバイスを接続してリアルタイムに運転情報を取得。この”自動車のビッグデータ”を解析し、保険や車輌動態管理、CRMツールなど、さまざまなサービスに利用できるテレマティクス(自動車や輸送車両などに対して、移動体通信を通じてサービスを提供すること)情報のプラットフォームを構築しようとしているのが、北川烈氏率いるスマートドライブだ。同社は8月5日、産業革新機構から最大6億6000万円の資金調達を実施することを明らかにした。

開発中のデバイス

開発中のデバイス

スマートドライブは2013年10月の設立、ベンチャーキャピタルのANRIからシードマネーを調達して自動車向けのデバイスや連携アプリなどを開発していた。2014年8月からは千葉県・柏の葉にて実証実験を実施していた。また総務省主催の新事業創出支援プログラム「I-Challenge!:ICTイノベーション創出チャレンジプログラム」の1号案件にも採択された。

またスマートドライブでは、アクサ損害保険との業務提携契約を締結。資本参加も決定しているという。両社は任意保険のアクサダイレクト向けに新商品および新サービスの開発を進めているという。

新商品・サービスの具体的な内容については明らかにされていないが、リアルタイムに取得する情報をもとに、ドライバーの運転特性に応じて保険料が割引される「テレマティクス保険」を提供することになるのだろう。

米国などではこの動きが先行しているが、国内でもすでにソニー損害保険の「やさしい運転キャッシュバック型」、あいおいニッセイ同和損害保険「つながる自動車保険」といったテレマティクス保険が今春以降登場している。

ロボットタクシーの実現に向けて—DeNAとZMPが合弁会社設立へ

screenshot_348

遺伝子解析からアイドル、キュレーションメディアまで新規事業を続々と発表しているディー・エヌ・エーだが、今度はZMPと組んで、ロボットタクシーの実現に向けて動き出した。両者は5月29日をめどに、合弁会社を設立。自動運転技術を活用した旅客運送事業の実現に向けた研究・開発を進めると発表した。

合弁会社の社名は「ロボットタクシー」(仮称)。資本金は7億円で、出資比率はDeNAが66.6%、ZMPが33.4%となっている。ZMP代表取締役社長の谷口恒氏が取締役会長に、DeNA執行役員 新規事業推進室長の中島宏氏が代表取締役社長にそれぞれ就任する。

ZMPは2001年の創業。当初はコンシューマ向けのロボットの開発・販売を手がけていた。30代以上の人であれば、同社のロボット「PINO」をアーティスト、宇多田ヒカルの「Can You Keep A Secret ? 」(2001年のヒット曲だ)のプロモーションビデオなんかで見たことがあるかもしれない。

そんな同社は現在、ロボットの技術を応用した自動運転技術開発用プラットフォーム「RoboCar」シリーズやセンサシステムの開発・販売を主力事業としている。IPOが間もなくと噂されたり、直近ではビジネスメディアへの露出も多いロボット関連の注目企業だ。

発表によると、合弁会社では DeNAのネットサービス運営ノウハウとZMPの自動運転に関する技術を連携させることで、ロボットタクシーやロボットバスなどの旅客運送事業の実現を目指すという。まずは自動運転技術の向上やサービスモデルの仮説検証などの実証実験を重ねていく計画だという。

DeNAはプレスリリースで次のように説明している。

過疎化や高齢化の進む地域のお年寄りや子ども、障がいのある方など不便な生活を送られている方々のサポートの役割なども担う新たな交通手段を実現させることでもあると考えており、ロボットタクシー事業の実現を通じて、将来的には日本の地方創生・地域再生の一助にもなれればと考えています。

また今回の発表にあわせて、DeNAでは「DeNA AUTOMOTIVE」のサイトをローンチしている。

安全運転のために運転時にiPhoneの機能を制限する方式でAppleが特許を取得

AppleInsiderによると、Appleにこのほど認められたパテントは、多くの不注意運転を防止するかもしれない。その技術は、携帯電話に搭載されているセンサや、あるいはBluetoothなどによる車への直接接続により、デバイスの機能を制限し、運転中にはSMSやメールなどにアクセスできないようにする。

このパテントは加速度計などデバイス搭載のセンサからの情報により、車が走行中か停車中かを判断し、それに従って機能をロック/アンロックする。最近はそんな機能が最初からある車もあるから、そんな車なら携帯をBluetoothで接続するなどの手間は要らない。Appleのシステムは、デバイス上のセンサではなく、車から直接、今走ってる/止まってるの情報を得ることもできる。

またこのパテントが記述している機能の中には、“今運転者以外のほかの人が携帯を使ってるから大丈夫”、とシステムに教える機能がある。それは顔認識を利用して、今自分を使っている人間が運転者でないことをデバイス自身が判断するのだ。そして運転者ではない、と判断したら、走行中でもメールなどをロックしないのだ。

しかしこのパテントは、車の運転以外の領域もカバーしている。すなわち運転モードのほかに親業モードがあって、子どもがSMSなどを使おうとしたときにはパスワードの入力を求める、といった使い方ができる。親が一部の機能を要パスワードに設定できる機能はiPhoneに前からあるが、今回のはその機能の拡張だろう。

でも、現段階では、Appleがこういうものを製品に実装することはないと思われる。今のAppleは、iOS 7.1におけるSiriによるCarPlayの統合のように、コミュニケーションの安全オプションを運転者に提供することに、関心があるようだ。単純に何かの機能をロックしたら、それが運転時の安全に寄与するものであっても、ユーザの大半がフラストレーションを感じるだろう。むしろCarPlayの今後のバージョンではますます、コミュニケーションをスマートフォンがアシストする、という方向に進むだろう。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


ボルボ、メルセデス・ベンツ、フェラーリが車載iOSシステム発表へ

2014年にiOSを自動車に搭載することは、Appleのインターネット・サービス担当上級副社長のEddy CueがiOS 7のプレスイベントで明らかにしていた。

Financial Timesの記事によると、いよいよボルボ、メルセデス・ベンツ、フェラーリから車載iOSシステムが発表されるらしい。奇妙なことに、昨年のプレスイベントでプレミアム・パートナーとして紹介されたBMWの名前は含まれていない。

新サービスは車載のメーカー純正エンタテインメントとコミュニケーションのシステムにiOSの機能とユーザー・インタフェースが搭載されるというものだ。多くの自動車メーカーは現在iOSデバイスと車載システムの接続をUSBに頼っているが、この方式ではiOSが提供できるメディアへのアクセスに制限が生じる。車載iOSは携帯電話による通話、Siriとの対話、メディアの再生などをシンプルなインタフェースで提供するものだ。同時にiPhoneのGPSと地図サービスを利用したカーナビ機能も内蔵する。

ホンダ、アキュラはすでに一部の機能を装備している。AppleInsider,によると車載iOSプロジェクトが遅れているのはAppleの複雑な社内政治によるものだという。

9to5macから

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


スマートフォンと車載コンピュータを連携させるAutomatic、IFTTTと連動してよりスマートに

Automaticは車の運転時にさまざまの情報を提供してアシスタントとして機能するデバイスだ。モバイルアプリケーションと組み合わせることで、データのトラッキング、分析を行い、トータルな意味での運転「能力」を向上させてくれるものだ。「スマートアシスタント」を標榜するAutomaticだが、この度IFTTTと連携することになり、一層スマートに利用できるようになった。IFTTTというのは、特定の事象が発生した際に、ある種のアクションを起こすようにするものだ。何を検知したらどのような行動を起こすのかを記したものを「レシピ」と呼ぶ(IFTTTはif this, then thatを縮めたもので「これがおきたらあれをやる」という意味だ)。

Automaticでは当然ながら、車に関連したイベントによりアクションが起動されることとなる。イベントとはたとえばイグニッションスイッチのオンオフ、エンジンチェックライトの点滅、あるいは運転を停止したとき、などといったものになる。車のシステムに関わるものだけでなく、たとえば特定の場所に到達したというようなことも、イベントとして利用することができる。

トリガーとなるイベントを設定すれば、それに応じて行うべきアクションを定義する。サンプルのレシピを見てみると、帰路についたときに家族にテキストメッセージを送るなとといった用例が登録されている。

上の用例はシンプルだが、もちろんできることに限界はない。ある街に到着したときにソーシャルメディア経由で仲間に伝えるとか、訪問先が近づいたときにその旨を相手に伝えたりするような使い方もあるだろう。あるいはホームオートメーションシステムと連動して、車庫に車を入れながら自動的に家の電気を付け、エアコンの動作を開始するようなこともできる。

ティーンエイジャーの子供を心配する親などは、車がいつガレージを出て、そしていつ戻ってきたのかを確認するという用途に使いたいと考えるかもしれない。

Automaticも、いろいろとレシピを公開していく予定であるとのこと。公開されたレシピはこちらにあるIFTTTのAutomaticページで見ることができる。安価に「スマートカー」を実現する方法として、なかなか面白い仕組みになるかもしれない。

原文へ

(翻訳:Maeda, H


Apple、新SiriのTwitter、Wikipedia、Bingとの統合を発表。新コマンドおよび男女双方の音声も用意

WWDCキーノートにて、音声を使ったパーソナルアシスタントであるSiriに施す種々の機能追加が発表された。外見的には高性能の男性および女性音声が利用できるようになる。また、複数言語にも対応している(英語、ドイツ語、フランス語等々)。しかしそうした外見的変更だけでなく、機能的にも大幅に変更されることになった。すなわちTwitter、Wikipedia、およびBingを使った検索機能を統合することとなったのだ。即ち利用者のリクエストに対して、Wikipediaから引用して回答するというようなことがあり得るようになったわけだ。

またコマンドもいくつか追加されることとなった。たとえば「Play last voicemail」(最新のボイスメールを再生)、「toggle settings」(設定変更)、ないし「increase brightness」(輝度アップ)などだ。しかし最も大きな変更は、BingをSiriの標準検索ツールとしたことだろう。

さらに、ホンダ、メルセデス、日産、シボレー、Kia、およびHyundaiなどとの提携により、車載のタッチスクリーンからも種々の機能が利用できるようになる。

原文へ

(翻訳:Maeda, H)


NTT DoCoMoがPioneerに$50M投資して車載モバイル情報システムに本格進出

日本のキャリアNTT DoCoMoは、同じく日本のデジタルエンタテイメント企業Pioneer Corporationに5000万ドルを投資する計画を発表した。Pioneerは車載電子製品を作っており、DoCoMoは同社の約7%を取得することになる。プレスリリースの中で両者はこの投資を“ビジネスと資本の連携”と説明している。このニュースは今朝(米国時間5/13)早くZDNetが捕捉した。

DoCoMoは投資のねらいを、“Pioneerの車載ナビゲーションテレマティック技術と関連機器の開発能力をわが社のモバイルクラウド技術に統合してインテリジェントトランスポートシステム(intelligent transport systems, ITS)の分野に本格参入すること”、としている。両社はこれまでも、ナビゲーションサービスDocomo Drive NetTMなどの車載電子情報サービスの分野で提携していた。それはDoCoMoのスマートフォンを車のダッシュボード上のかごに入れて使うものだが、それが契機となりDoCoMoは輸送システムに深入りすることになった。

両社は、共同でITSを開発する、としており、年内にはプラットホームと、消費者や企業向けサービス、および車載用ハードウェアをローンチする予定だ。

その計画は、次のように説明されている:

目標とする車載ITSシステムは、Pioneerの車載ナビゲーションシステムが集める探測データと、移動する車上のDoCoMoスマートフォンを使って、PioneerのITSクラウドプラットホームで詳細な交通情報を処理する。この情報をそのほかの多様なサービスと結びつけたITSサービスも共同開発し、個人顧客と企業顧客向けに年内に立ち上げる。

そのようなサービスを開発し、ITS関連のクラウドインフラストラクチャを構築することに加え、両社はそれらと互換性のある車載通信デバイスの開発と販売を行う。

DoCoMoによると、この約50億円(約5000万ドル)の投資は、第三者割当増資で行われ、6月28日にはPioneerの7%の株式を取得することになる。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Googleストリートビュー・チームにロング・インタビュー―ラリー・ペイジの車の屋根のカメラからグランドキャニオンの谷底まで

5b3a221986912de12112d9854816528b (2)

最近、私はGoogleでストリートビューを創造したメンバーに長時間インタビューする機会があった。そこでこのプロジェクトがラリー・ペイジの夢想から始まって世界中の誰もが特に意識もせずに使う日常必須のツールへと成長したのか、そのプロセスを詳しく学ぶことができた。

ラリー・ペイジの車の屋根に積まれたかさばったカメラから始まったストリートビュー撮影システムはワゴン車、乗用車、三輪車、二輪車、はてはバックパックやスノーモビルにさえ搭載されている。2007年5月25日にスタートして以来、ストリートビューはGoogleが世界を観察する視覚となった。ときには賛否の議論を巻き起こすこともあるが、Googleは前進を止めない。

ストリートビューのエンジニアリング・ディレクター、Luc Vincentとエンジニアリング・マネージャーDaniel Filipに会う前に、私はGoogleマップについてできるかぎり勉強していった。それでもストリートビューのコンセプトが生まれた当時、それがいかに「空に浮かんだパイ」のような夢物語だったかには気づかなかった。ストリートビューがこれほど身近になった今、多くの人々がこの誤解をしているものと思う。


そこに行く前のその場所の様子を知りたい

フランケンシュタインみたいな不気味な外見の車だった

Vincentによれば、ストリートビューの最初のコンセプトはスタンフォード大学のMarc Levoyの研究だという。 Levoyと彼の学生の一人がビデオを撮影してそれを1枚の画像に貼り合わせる技術を開発した。Googleはサンフランシスコ中の道路を撮影することができるかどうか見るためにこのプロジェクトに少額を投資した。その結果、ビデオの1コマずつを解析して非常に長大な街路の写真を合成することが可能だと判明した。写真は歪んでおり、画質は悪かったが、これがストリートビューの第一歩になった。

このテストの後、ラリー・ペイジは自分の車の屋根に巨大なカメラをくくりつけ、サンフランシスコ中の道路の写真を撮ってまわった。それらの写真をつぎはぎした巨大な画像はそのままでは役に立たなかったが、Vincentによれば、このテクノロジーはさらに興味深いものになった。

最初のストリートビュー開発チームは20%ルール〔社員は勤務時間の20%を自分の自由な実験に充てられるというGoogle独特の規則〕を使う少数の社員たちからなっていた。バンの屋根にはカメラとGPSとレーザーが搭載されていた。レーザーは建物など沿道の物体までの距離を測定するためだった。システムはこれによって3Dモデルを作り、画像を整合性を保って貼り合わせることができた。カメラはバンの車内のコンピュータ・アレイに接続され膨大な写真がその場で処理された。しかしまだまだ初歩的ななレベルだった。Vincentによれば―

フランケンシュタインみたいな不気味な外見の車だったが、われわれの目的に十分なくらいベイエリアの画像データを収集することができた。われわれは警備部門からバンを借りて街を乗り回した。しょっちゅうエラーが出て仕事が止まった。

Street View van

IMG_0308

正規のプロジェクトになる

しかし本格的にやるとものすごい費用が…

20%ルールで自分の好きなことをするのと、他人を巻き込み、正式なプロジェクトとして承認を受けるべく努力するのは全く別だ。Vincentのチームは十分なデータを集めてからそれを1つに継ぎ合わせてサービスとして意味のあるものに.した。

2005年の第3四半期にVincentのチームは金曜日の定例テクノロジー会議にストリートビューを持ちだした。ここで、エンジニアリング担当副社長を含めて、20%ルール以外の社員を充てることが承認された。2005年の10月にストリートビューは正式にGoogleの新プロジェクトに格上げされた。いよいよ後戻りはできなくなったわけだ。地球を隅から隅まで1ピクセルも余さずにデジタル画像化する途方もないプロジェクトが動き出した。対外的には秘密のままだったが、VincentはStreetViewプロジェクトに新規の人材を採用することができるようになった。Filipが最初の採用者だった。今でもこの2人がストリートビュー事業のリーダーだ。

2006の始め、ストリートビュー・チームのフルタイムのメンバーは7人だった。目的は実際に稼働するサービスを作り上げること。

この時期、われわれはいくつかの問題に取り組んでいた。ユーザー・インタフェースの専門家はチームに1人しかいなかった。見た目のとおりのパノラマ画像をユーザーが扱いやすい形で表現するのに非常に苦労した。というのはその当時、まだGoogleマップがなかったからだ。

rosette3_22509_lg

意外に思う読者も多いだろうが、この時点では今われわれが見るようなGoogleマップは存在していなかった。ストリートビュー・チームはいわばGoogle自身と比べてさえ進みすぎていた。Vincentによれば、

われわれはまず新しいプラットフォームを作らねばならなかった。信頼性が高く、大規模に拡大可能でかつ車載可能なシステムでなければならなかった。われわれは8台のデジタル一眼レフを放射状の花びら形に配置した。完全な情報を得るためにシステムが高価になってもやむを得ないと覚悟していた。

cameracar

データ処理

なんでもいいからできる限りの情報を集め、その後で使い方を考える

他のすべてのGoogleの活動と同様、ストリートビューでも収集したデータに対する膨大な処理が行われている。Googleはしばしばものに取り憑かれたようにあらゆるデータを収集しようとし、これがプライバシーに敏感な一部人々の反感を買っている。しかしGoogleは「なんでもいいからできる限りの情報を集め、その後で使い方を考え、人々の役に立てる」というアプローチを繰り返してきた。

ストリートビューで収集される情報量は膨大なものだ。Vincentのチームのバンは写真撮影の他に、GPS情報、周囲4箇所のレーザーによる対象物までの距離、風速、その他あらとあらゆる情報を記録した。

しかも現在ストリートビューのデータは全世界47カ国に散らばった3000のシステムから収集されている。

Vincentによれば、

ストリートビュー車には4、5台のコンピュータを積んだラックを装備してあったが、いつも何かが壊れた。われわれはこういうストリートビュー車を3、4台作って主にカリフォルニアでテストを繰り返した。始終不調になるので、なかなか規模を拡大することができなかった。

IMG_0311

800万キロを走破した現在、不調が起きる確率は著しく減った。

データから意味を引き出す

われわれの両親の世代でも意味のある情報を簡単に引き出せるようにするためにストリートビュー・チームはありとあらゆる地理情報を処理できる部内用ツールを開発した。GPS、レーザー測距装置から得られたデータと写真を重ね合わせて、意味ある結果が得られるかを検討した。大量の試行錯誤の末に、ついに意味のある利用法にたどり着いた。

CB View - depth map

ストリートビュー・カーのドライバーは撮影済みデータを収めたハードディスクを5台ずつまとめてGoogleに送る。 それらはデータセンターで情報を吸いだされ、情報は中央データベースに格納される。

データセンターでの処理の1つは、人物の顔と車両のナンバープレートにモザイクをかけることだ。今となっては当たり前に思えるプライバシー上の配慮だが、ストリートビューが登場するまではこんなことは誰も思いつかなかった。そこでGoogleはこの作業が自動的に実行できるシステムを開発しなければならなかった。またストリートビュー・カーは同じ場所を15回撮影する。システムは15枚の写真を合成して露出、光線の反射、陰などを調整してできるだけ多くの情報が表示されるようにする。こうして完璧なパノラマ画像を用意するのだ。

同時にシステムは画像から道路標識などの情報を読み取り、Googleマップシステムに転送する。これも膨大な処理量となる。

CB View - 3D facade generation & geometry

ストリートビュー車のそれぞれのカメラが写真を撮ると同時にその瞬間の位置情報とレーザー測距による空間情報も記録されている。これによってストリートビュー・チームはここに見られるような見事なパノラマ写真を合成することが可能になる。

IMG_0275

水平方向を撮影するカメラと天頂を向いた魚眼レンズを装備したカメラによって沿道の建造物の3D画像が合成される。

CB View - unstitched image2

この取材で知ったのだが、水平方向のカメラの視界が他の車両で遮られたときには他のアングルから撮影された写真で隠された部分を補うことができるシステムが用いられている。3D画像に撮影車自身が写らないのもこの技術によるものだ。

Streetview_after

リリース、そして現在

トラフィックはあっという間にわれわれの処理能力を超えてしまった

2007年にストリートビューが公式にローンチされたとき、対象地域はサンフランシスコ、ニューヨーク、ラスベガス、マイアミ、デンバーだけだった。当時のカメラはそれぞれ5メガピクセルで、これは今の携帯のカメラ程度だ。現在用いられているカメラの解像度はなんと75メガピクセルだ。

ストリートビューはリリースと同時に大人気となったのだが、実はGoogleもストリートビュー・チームも公開前は果たしてユーザーにどのように受け止められるのかまったく予想がついていなかった。もちろんGoogleは公開に備えてそれなりにコンピュータの処理能力を用意はしていた。

〔ストリートビューの〕トラフィックは見ている前で天井まで跳ね上がった。そしてあっという間にわれわれの処理能力を超えてしまった。Googleで仕事をしていて良い点はそのサービスへのトラフィックと関心をリアルタイムでモニタできることだ。ストリートビューはローンチの直後からでとてつもない関心を集めていた。世界中のウェブサイトがストリートビューから引用した面白い写真を掲載し始めた。

ストリートビューのユーモラスな写真やショッキングな写真は以来、さまざまな議論を呼びつづけている。最近もストリートビュー車が野生のロバをはねたという非難がいわれないものだと説明しなければならなかった。

いずれにせよ初期型のバンは大量に製造するのに向かなかった。ここに写っているカメラはテントウムシ型で、水平方向の8台のカメラと天頂を向いた魚眼レンズ装着のカメラで構成されている。これを搭載した自動車が世界中を日夜走り回った。目にした読者も多いに違いない。

IMG_0313

しかしこのストリートビュー・カメラが現在の形になるまでにはかなりの時間と努力が必要だった。Vincentによると、Googleが社内で利用する他のハードウェアの多くと同様、結局カメラもフレームもGoogleが独自に開発することになった。いちどテクノロジーのコア部分が完成すると、ストリートビューは小さな町や外国でも必要とされるようになったので、チームは二輪車にも搭載できるようにシステムのダウンサイジングを図った。有名なストリートビュー・トライク(人力三輪車)は自動車が入れない狭い路地や史跡の内部などを走り回っている。

IMG_0239

IMG_0250

2010年にバンクーバーで冬季五輪が開催されたとき、チームのメンバーの一人が山の景色をストリートビューに加えようと発案した。それはいいアイディアだということになって、カメラがスノーモービルに搭載された。気温がカメラには低すぎたのでエンジニアは自分のジャケットを脱いでカメラに被せなければならなかった。その後も次々に新しいアイディアが湧きでた。

われわれは人々を結びつけたかったのです

どうして屋外の写真ばかり撮っているのだ? 屋内のパノラマ写真もクールじゃないか? 特に有名な美術館、博物館の中は皆が見たいはずだ。そこでストリートビュー・カメラを載せたトロリーが開発された。屋内ストリートビューについてVincentはこう言う。

われわれは広い屋内空間を撮影するために小型のコンピュータシステムを開発し、すべてを手押し車に載せた。三脚では時間を食いすぎる。難しかったのは屋内ではGPS信号が受信できない点だった。そこでわれわれはGPSなしにトロリーの正確な位置を決定できるようレーザー位置測定に基づく複雑なアルゴリズムを開発しなければならなかった。このトロリーのおかげで現在50箇所の美術館、博物館の内部をストリートビューで見ることができる。

trolly

Vincentがストリートビュー・システムは十分な数の写真を撮影していないと感じるようになったため最新タイプのストリートビュー撮影システムには15台ものカメラが装備されている(魚眼レンズのカメラは必要がなくなった)。Googleは画像の質と正確性の限界を一歩先へ進める努力を常に続けている。Appleが地図サービスを独自にローンチしようとして大いに苦労していることは記憶に新しいが、Googleはこうしたすべてを2005年から延々と続けてきたのだ。そればかりでなく、2007年以降、Googleの地図プロジェクトは信じられないほど巨大なスケールに拡大している。これに追いつくのは並大抵のことではあるまい。

インタビューの最後に、私はVincentに「そもそもなぜこんなことを始めようと考えたのか?」と尋ねてみた。彼大真面目な表情で答えた。「われわれは人々を結びつけたかったのです」〔Facebookのモットーとして有名)

複雑高度なものを日常ありふれたものに

IMG_0297

Googleのテクノロジーのほとんどは舞台裏に隠れていてユーザーの目には触れない。ユーザーはソーセージがどうやって作られるかいちいち細かいことを知りたいとは思わない。気にするのはおしいかまずいかだけで、おいしければユーザーは戻ってくる。友だちにも勧めるだろう。VincentはGoogleのプロダクトが一般ユーザーにとって「当たり前のもの」になるのを好んでいる。そうなればイノベーションをさらに先へ進めることができるからだ。

将来、ストリートビューができそうなことは多い。バックパックで人が背負って歩けるトレッカー撮影装置は森や山で遭難した人々を捜索するのも応用できる。すでにグランドキャニオンの壮大な景色がいながらにして体験できるようになっている。

IMG_0307

地図サービスでGoogleに追いつくためにはまずこうした高度に洗練されたハードウェアを今すぐ大量に配備する必要があるだろう。なにしろ現在も何千台ものこのカメラが世界中を撮影しつつあるのだ。

また関心のある場所の映像をスマートフォンでこれほどスムーズに閲覧できるのも驚くべきテクノロジーだということを忘れないほうがよい。もしかすると、そのうち読者もGoogleマップづくりに参加できるかもしれない。あのGoogle Glassのユーザーが目の前の光景を撮影してGoogleに送ると、それがストリートビューの一部になるかもしれない。

今はクレージーに聞こえるアイディアかもしれないが、なにしろ巨大なデジタルカメラを自分の車の屋根に積んで走り回るファウンダーのいる会社だ。どんなクレージーなことを始めるか予想もつかない。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+