自社のクラウドストレージAPIをAmazon S3互換にしてAWSに挑戦するBackblaze

Backblazeは米国時間5月4日、同社のB2 Cloud Storageサービスを、AmazonのS3ストレージサービスとAPI互換にしたことを発表した

Backblazeは、手頃な価格のクラウドバックアップサービスとして業務を立ち上げた。ここ数年はストレージの専門知識を活用して、デベロッパー向けにB2 Coloud Storageというサービスを立ち上げてきた。大手のクラウドベンダーの同様の機能よりも、大幅に価格が安いのがウリだ。B2の料金は、1GBあたりで毎月0.005ドル(約0.5円)から。ちなみにAWSのS3は1GBあたり毎月0.021ドル(約2.2円)からとなっている。

ただしデベロッパーは、ストレージの料金が安いというだけでは、プロ​​バイダーを切り替えることができない。複数の異なるシステムをサポートするには、それなりのコストがかかる。

B2をS3に対してAPI互換とすれば、デベロッパーは単にストレージをBackblazeにリダイレクトするだけでいい。大規模なプログラムの書き換えは必要ない。

「ここ数年、多くの企業が、私たちの驚くほど使いやすいクラウドストレージを愛用してきました。それによって信じられないような成果を達成することができたのです」と、Backblazeの共同創立者でCEOのGleb Budman(グレブ・バドマン)氏は述べた。「今回、既存のツールとワークフローをそのまま使えるようにすることで、より多くの企業が私たちのストレージを利用できるようになることに、いっそうワクワクしています」。

現在のB2の顧客には、American Public Television、Patagonia、Verizon’s Complex Networksといった企業が名を連ねる(編注:VerizonはTechCrunchの親会社であるVerizon Media Groupの盟主)。Backblazeによると、B2サービスには合計で約10万の顧客がいる。今回の立ち上げに最初から参加しているパートナーとしてはCinafilm、ファイル転送およびストリーミングサービスを提供するIBMのAspera、ストレージ専門企業のQuantum、クラウドデータ管理サービスのVeeamなどが含まれている。

「パブリックなクラウドストレージは、ポストプロダクションのプロセスにとって不可欠な要素になっています。最新の機能強化により、ベンダーとしての私たちと顧客の双方にとってBackblazeのB2 Cloud Storageへのアクセス性が向上しました」と、Quantumの製品マーケティング担当上級役員、Eric Bassier(エリック・バシエ)氏は述べている。「新しいS3互換APIを使用して、Backblaze B2をStorNext互換のパブリックなクラウドストレージのターゲットリストに追加できます。それにより、ハイブリッドでマルチクラウドなワークフローを実現するための新たなステップを踏み出すことができるのです」。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

AWSが放送局級のライブ配信が可能になるデバイス「Elemental Link」をリリース

米国時間5月4日、AWSはElemental Link(日本語ページ準備中)を発表した。これはポータブルな動画圧縮、アップロード用ハードウェアデバイスで AWS Elemental MediaLive サービスと組み合わせて誰でも手軽に放送局レベルの高品位なライブ動画配信が可能となる。重さは500g、価格は995ドル(約10万6000円)で、カメラに接続すると動画にリアルタイムで強力な圧縮をかけてAWSのライブ配信サービスにアップロードする。

デバイスはファンレスなので耳障りな作動音はなくカメラの横に置ける。Etherntに加えてビデオ信号の入力用にHD-SDIとHDMのポートがある。LinkはAWSのライブ配信サービス、Elemental MediaLiveにライブ動画を供給するデバイスで、デバイスは接続速度を検出して最適なデータ出力を行う。AWSの管理コンソールからリモートで操作できる。

AWSのJeff Barr(ジェフ・バー)氏は発表で「放送局のような環境であれば、専用のハードウェアとエンジニアのチームが極めて高い水準でビデオのキャプチャ、エンコード、ストリーミング、保存を行う。しかし学校の授業、企業のプレゼンやカンファレンス、インディーのパフォーマンス、小規模なスポーツイベントなどでは、ハイエンドのビデオをライブ配信する予算やノウハウがないのが普通だ。高品質な動画を高い信頼性でストリーミング配信するにはこれまでは専用のハードウェアと操作が複雑なソフトウェアのインストールが必要だった」と説明する。

AWSは クライアントにネットワーク局を持つだけなく、最近人気が急上昇しているゲームビデオのTwitch TVの配信もホストしており、ストリーミングの経験は豊富だ。

もちろんLinkデバイスのターゲットは個人のゲーマーではなく高品位で安定したビデオ配信を必要とする企業などの組織だ。AWSのElemental MediaLiveサービスはTwitchのような一般ユーザー向けストリーミングプラットフォームよりは操作は複雑だ。また複数のカメラやパソコンなどビデオソースを切り替えながらライブ配信をしようとすれば、Open Broadcaster SoftwareのOBS Studioのようなソフト、BlackmagicのATEM Miniなどのハードが必要になるだろう。

Linkからインターネット経由でアップされたビデオはMediaLiveが処理し、外部の各種ストリーミングサービスに適したフォーマットで出力することになる。バー氏によれば、AWSはリソースのモデル化テンプレートを提供するCloudFormationを利用して簡単にこの設定が行えるよう準備をしているという。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

好きなプログラミング言語でIaCできるPulumiがサポート言語と構成対象を拡張

シアトルのPulumiは、モダンなプラットホームとしての名声を早くも確立した。それは、同社のサービスを利用すると、コードを書いてインフラストラクチャを指定するときYAMLではなく自分の好きなプログラミング言語を使えるからだ。最近ローンチしたPulumi 2.0では、最初にサポートされていたPythonに加えて、JavaScript、TypeScript、Go、そして.NETが使えるようになった。また、インフラストラクチャの構成に加えてポリシーの強制やコードの試験なども指定できる。

今日(米国時間4/21)の同社の発表によると、現在のユーザー数は10000、そして有料ユーザーが100あまりだ。これらは、前年同期比で10倍の増加になるが、必ずしも正確な数字ではないようだ。現在の顧客にはCockroach LabsやMercedes-Benz、Tableauなどがいる。

同社がローンチしたばかりのころは、コンテナとサーバーレス関連のサービスを強調していた。でもPulumiの創業者でCEOのJoe Duffy氏によると現在の同社は、各企業で技術者のためのプラットホームを構築しているインフラストラクチャのチームと直接組んで仕事をすることが多い。

Pulumi 2.0についてDuffy氏はこう言う: 「Pulumiの最初のビジョンは、お好きな言語でインフラストラクチャーアズコード(Infrastructure as Code, IaC)を、だったけど、2.0ではそれを大幅に拡張して今やスーパーパワーと呼んでいる」。つまり、インフラのプロビジョニングだけでなく、その周辺の問題領域にまで機能を拡張した、という意味だ。それには継続的デリバリーも含まれるが、さらにポリシーアズコード(policy-as-code)と呼べる機能もある。2.0からのPulumiは単なるインフラストラクチャの構成定義を超えて、インフラ関連のさまざまなポリシーまでコードで指定できるようになったのだ。

もう一つの拡張領域が、試験だ。Pulumiでは「本物の」プログラミング言語を使えるから、アプリケーション開発でコードの試験に使ってるのと同じ試験のテクニックをインフラストラクチャの構築に使って、プロダクションに行く前に間違いを捉える。しかもデベロッパーは、言語が同じだから、コードを書くために使っているツールをそのまま使って、そのコードが動くインフラストラクチャを定義できる。

Duffy氏は曰く、「基本的な考え方は、プログラミング言語について自分たちがよく知ってることや好きなことをそのまま生かして、クラウドのインフラストラクチャを定義しよう、ということなんだ。インフラストラクチャには、担当のチームづくりやセキュリティの確保など、アプリケーションのプログラミングとは違う課題が山ほどあるが、なじみの言語をそのまま使えるなら、それらも怖くない。それにより、企業全体を高い生産性でまとめて行けるだろう。つまり2.0で重要なのは、インフラストラクチャのプロビジョニングから、組織全体のサポートへ、という移行だ」。

Duffy氏は、同社の大企業ユーザーの多くがPulumiを使って彼らの内部的なアーキテクチャもコードで書き表し、それらを全社的に展開していることを強調した。

氏は曰く、「今までのそれぞれのクラウドの特長は尊重している。AWSもAzureもGoogle CloudもKubernetesも、それぞれの持ち味がある。だからそれら全体を抽象化するPaaSを提供する気はない。われわれはただ、コードによってチーム全体に矛盾や衝突のないすっきりとしたワークフローを実現し、彼らがモダンなアプローチを採用できるようにするだけだ」。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

SaaS株が急反発から押し戻される

「SAAS(サーズ)」という略称で呼ばれることの多い、サービスとしてソフトウェアを提供する近代的ソフトウェア企業は、株式市場で厳しい1日を過ごした。この種の会社を追跡するBessemer’s cloud indexは、通常取引時間に4.49%下落した。

この暴落によって、最近の急反発でソフトウェア業界が獲得した利益の一部が消滅した。その反発は高価値をつけられている一連の企業の株価が新型コロナウイルス(COVID-19)による経済低迷の懸念から急落した直後に起きたものだ。一時期SaaSおよびクラウド企業の価値は2020年最高値から38%近く下落した。

しかしこうした損失は大部分が一時的なものだといわれている。SaaS株とクラウド株の急激な反発によって、史上最高値(2020年に入って記録)からの下落を4月20日午後には10%程度まで戻した。しかし4月21日に、クラウドインデックスは4%以上下がった。この結果SaaS株とクラウド株は弱気市場と調整の間に位置づけられている。

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今日の取引が会社に与えた影響はさまざまだ。Atlassian(アトラシアン)は2.9%、Dropbox(ドロップボックス)は3.3%、Zuora(ズオラ)は5.99%それぞれ値を下げ、Slackは9.54%の急落だった。

しかし、離脱率の懸念や市場感情の変化にも関わらず、SaaS企業は依然として伝統的企業と比べて高価値をつけられている。どのくらい高いのか? Bessemerのウェブサイトによると、同社がインデックスで追跡している企業の売上マルチプル(企業価値/売上)は12.9だ。

EBITDAではなく売上マルチプルを基準に取引されているのはSaaS企業にとってありがたいことだ。優に10を超える数値を持てるのは幸運だ。今のところ長持ちしそうだ。今日の暴落に関わらず、投資家はSaaS株への思い入れをまだなくしていない。

他のインデックスの下げ幅はSaaSと比べると比較的緩やかで、ダウ平均株価は2.67%安、S&P 500は3.07%安、ナスダック総合指数は3.48%安だった。

画像クレジット:getty images

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Alibaba Cloudが今後3年間で約3兆円をインフラに追加投資

Alibaba Cloudは米国時間4月20日、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックへの対応に適応し、ビデオ会議やライブストリーミングなどのサービスへの需要が高まっていることから、今後3年間でさらに2000億人民元(約3兆円)を同社のインフラに投資すると発表した。

今回の投資はAlibaba CloudのOS、サーバー、チップの技術を、同社データセンターに拡大することに重点を置いている。Alibaba Cloudは現在、アジア、オーストラリア、中東、ヨーロッパ、米国に63のアベイラビリティゾーンを設けている。

Alibaba Cloud Intelligenceの社長であり、Alibaba(アリババ)グループの最高技術責任者であるJeff Zhang(ジェフ・チャン)氏はプレスリリースで「クラウドインフラストラクチャと基盤技術への投資を増やすことで、世界クラスの信頼性の高いコンピューティングリソースを引き続き提供し、企業のリカバリプロセスのスピードアップを支援するとともに、クラウドベースのインテリジェントソリューションを提供して、パンデミック後の世界におけるデジタルトランスフォーメーションをサポートしていきたいと考えている」と述べている。

アリババは2020年2月に発表した直近の四半期決算報告書では、クラウド部門の収益が62%増の15億ドル(約1600億円)だった。Gartner(ガートナー)によると、Alibaba Cloudはアジア太平洋市場におけるトップのクラウドプロバイダーだという。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

企業のクラウド支出の無駄を削ぎ落とすイスラエル拠点のPileus

米国時間4月15日、正式にローンチしたイスラエル拠点のPileusは、企業のクラウドへの支出をコントロールをサポートする。同社はさらに、個人のエンジェル投資家からの100万ドル(約1億800万円)のシード資金の調達を発表した。

同社のプラットホームは機械学習を利用してユーザーのクラウドの使い方を継続的に学習し、それに基づいて予測や毎日の個人化されたリコメンデーションを提供して、クラウドの使い方が予算内に収まるよう導く。

現在AWSをサポートしているが、Google CloudとMicrosoft Azureにも近く対応する。

そのサービスはユーザーのクラウドの使い方に関するすべての情報を集めて、そこに異状を見つけようとする。クラウドへの支出の詳細なログを記録して詳しいレポートを提供し、またプロジェクトやリソースごとのクラウド支出をダッシュボードに表示する。

こんなプロジェクトを手がけた人はよくご存知と思うが、この種のレポートはその良否をタグに依存している。タグは、個々のプロジェクトやリソースを正確に同定できるものでなければならない。そこでPileusは、タグ付けのポリシーを強制できるタグ付けツールを提供し、タグに高い優先度を置いている。

PileusのCEO Roni Karp(ロニ・カープ)氏は「このソリューションの実現には、何度も徹夜しなければならなかった。Pileusをやっとリリースできることは、とてもうれしいし、多くのクラウドユーザーがこれまでよりも効率的に、クラウドの使い方や費用を理解できるようになってほしい」と語る。

Pileusは現在、30日の無料試用期間中だ。その後は月額180ドルまたは年額800ドルになるが、しかし実際に同社が徴収するのは、同社のサービスによって節約できた金額の1%だ。月額や年額は、あくまでも名目である。

同社が狙う顧客は、個々の企業だけではない。同社はマネージドサービスを提供しているクラウドプロバイダーにも食い込み、彼らの顧客への課金を管理しレポートを作る。カープ氏は「こっちの方が大きな売上になる」と想定している。「今、クラウドベンダーのためのツールにはいいのがない。特に狙うのはAzureだ」と語る。

しかしPileusが狙うこの市場にはすでに、スタートアップに人気のあるCloudabilityを初め先客がいる。しかしカープ氏は、Pileusは機械学習の利用とレポート提出の早さで有利だと見ている。競合他社は結果報告が数週間後というものがざらにあると彼は説明する。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Relativity Spaceは3Dプリントとクラウドベースのソフトウェアで新型コロナの嵐をやり過ごす

他のどの業界とも同様に宇宙関連の若いスタートアップや企業でも、新型コロナウイルス危機の煽りを受けてレイオフが相次いでいる。しかし、Relativity Space(レラティビティー・スペース)は、なんとかレイオフを回避できた。それどころか、世界的パンデミックにも負けず、新規に従業員を雇用している。RelativityのCEOで創設者のTim Ellis(ティム・エリス)氏は、大型3Dプリントと、クラウドベースのツールとテクノロジーの導入にフォーカスしたことが、会社を苦境に追い込まなかった大きな要因だと話している。

Relativityが間もなく完成させるロケットは、エンジンから胴体、さらにはその中間にあるものまで、ほとんどが3Dプリント部品で構成されるため、基本的にほぼ途切れることなくプロトタイプの製造を進めることができた。Relativityは、航空宇宙と防衛に携わる企業の例に漏れず、必要不可欠な事業と認知されているのだが、相当早い時期から新型コロナウイルスの潜在的な危険性に対処し、従業員の健康と安全を確保すべく手を打ってきたとエリス氏は言う。米国でこの病気が問題視され始めた3月9日、公式な規制や自宅待機の要請が出される以前に、Relativityでは早くも従業員に自宅勤務を勧めていた。

「それができたのは、一部には私たちの自動プリント技術のおかげです。工場にはごくごくわずかな人間しかいませんが、それでもプリンターを動かし続けることができます」とエリス氏はインタビューで話してくれた。「現に今はたった1人で数台のプリンターを見ていますが、実際にプリントが行われています。文字通りワンマン運転です。その一方、この2週間ほどの間に、会社の業務の大半を自宅で処理できるようにしました」。

たった1人の現場担当者で工場全体を管理できる能力は、現在の状況において、競争上、非常に大きな強みであり、同時に従業員の健康と安全を大切に守る方策でもある。エリス氏によると、同社はすでに複数の地域で業務を行っているという。ケープ・カナベラルとフロリダに加えて、ミシシッピ州のジョン・C・ステニス宇宙センターとロサンゼルス本社だ。Relativityではまた、米国内の離れた場所からも数名の従業員がテレワークしている。同社は早くから、全員が一箇所に集まらなくてもデザインや開発が行えるように体制を整えていたのだ。

「私たちはワークフローを円滑にするために、独自のソフトウェアツールを開発しました。それが大変に優れています」とエリス氏。「しかも、ITAR(国際武器取引規制)と複数の暗号プロトコルに準拠しつつクラウドに深く対応した企業ということだけでも、本当に有利なのです」。

自社開発のソフトウェアとクラウドベースのツールに集中したことに加え、エリス氏は、一番新しい資金調達ラウンド 、 2019年10月にクローズした1億4000万ドル(約152億円) のタイミングも、新型コロナウイルス危機への備えに貢献したと考えている。Relativityはレイオフを回避し、新たな求人も開始しただけではない。パートタイムも含め、全従業員に給与を全額支給し続けている。これはすべて、今思えば先を見通したビジネスモデルのおかげなのだが、現在の国際的ビジネス状況におけるこの目覚ましい優位性は、実際のところ単に幸運の賜物だとエリス氏は言う。それでもこれまでのRelativityの回復力は、一部には新型コロナウイルスのパンデミックに起因する大きな永続的変化の現れだと彼は信じている。

「それによって本当に変わるもの【中略】は、国際的なサプライチェーンへのアプローチです」と彼は言う。「もっと多くのものを米国内で生産して、サプライチェーンの過度なグローバル化への依存を減らそうという圧力が高まると思います。私たちがずっと3Dプリンターを使ってきたのは、そのためでもあります。それは、ごくわずかな作業員で、今のような状況下でもロケットの第1段が作れてしまう自動化のテクノロジーというだけではありません。サプライチェーンに関して言えば、限られた数の供給業者と、いくつもの製造方法からなる簡素なサプライチェーンを持つことで、供給業者やサプライチェーンの停止による大打撃を大幅に減らせるのです」。

新型コロナウイルス危機が、2021年に最初の3Dプリントロケットを飛ばすという予定を含めた打ち上げスケジュール全体に、どこまで影響を与えるかはまるで予測できないが、テレワークと社会的隔離指示に難なく添える製造ラインで多くの業務がこなせるとエリス氏は期待している。ジョン・C・ステニス宇宙センターのエンジン試験場といった提携施設が閉鎖されれば、確かに打撃にはなる。だがRelativityの回復力は、この危機的状況が去ったあかつきには、あらゆる種類の製造業の模範となるだろう。

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:金井哲夫)

Google CloudでBigtableの小さなワークロードでも動かせる

Cloud Bigtableは長年、Google Cloud上の大きなペタバイト級の分析やオペレーショナルのワークロードを支える、完全なマネージドNoSQLサービスだった。しかし1ノード1時間あたり0.65ドルという料金と、1クラスターあたり3ノード以上というGoogle Cloudの要求により、それは決してお安いサービスとは言えなかった。しかしながら、今日(米国時間4/7)からそれが変わる。これからはBigtableのプロダクションワークロードを、わずか1ノードでも動かすことができる。

Google Cloud BigtableのプロダクトマネージャーSandy Ghai氏が、今日の発表声明で次のように述べている。「Bigtableを、大小を問わず、さまざまなキー-ヴァリューおよびワイドカラムのユースケースの優れたホームにしたい。それは新人デベロッパーでも、古参のエンタープライズでも同じであり、みなさまが自己管理しておられたHBaseやCassandraなどのクラスターの、ランディングページでありたい」。

これによりGoogle Cloudでは、小さなクラスターのレプリケーションによる高可用性と、ワンノードの開発インスタンスとワンノードのプロダクションインスタンスを必要に応じて切り替えることが可能になる。さらにまた、今ではサービスのSLAが、サイズを問わずすべてのBigtableのインスタンスを対象にしている。

このところGoogle Cloudは大企業エンタープライズ顧客の獲得と問題対応に熱心だったから、今回のようにBigtableに小さなワークロードを歓迎する動きは興味深い。でも、初めに一つのノードだけを必要とした企業が、やがて大量のクラスターを必要とするようになったりするから、Bigtableのこれまでの最小要件は小さな企業にとって障壁だった。しかもデータベースは、企業が小さい時期と大きくなってからとで、安易に切り換えるようなサービスではない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

機械学習モデルをさまざまなハードウェアに合わせて最適化するOctoMLが16億円相当を調達

OctoMLは機械学習のコンパイラースタックプロジェクトApache TVMのチームが創ったスタートアップだ。米国時間4月3日に同社は、Amplifyがリードし、90万ドル(約4億2000万円)のシードラウンドをリードしたMadrona Venturesが参加したシリーズAのラウンドで1500万ドル(約16億円)を調達した。OctoMLとTVMの中核的なアイデアは、機械学習を使って機械学習モデルを最適化し、さまざまなタイプのハードウェアでより効率的に動くようにすることだ。

OctoMLのCEOでワシントン大学の教授Luis Ceze(ルイス・セズ)氏は「機械学習モデルの開発はかなり進歩しているが、モデルを手にした時点から例えば、それを実際にエッジやクラウドで有効に使うためにはどう活用するのかという大きな苦労が始まる」と語る。

そのためにセズ氏と彼のワシントン大学のアレンコンピューターサイエンススクール(Paul G. Allen School of Computer Science & Engineering)の仲間たちがローンチしたのが、TVMプロジェクトだ。今やそれはApacheのインキュベイティングプロジェクトであり、AWS、ARM、Facebook、Google、Intel、Microsoft、Nvidia, Xilinxなどの企業からの利用、サポートが多いことから、チームは本格的な商用化が必要と考えた。そこで生まれたのがOctoMLだ。今日では、Amazon Alexaのウェイクワードの検出にもTVMが使われている。

セズ氏はTVMを、機械学習のモデルのための新しいオペレーティングシステムだ、と説明する。「機械学習のモデルはコードではないため、そこにコンピューターが実行する命令はない。そこにあるのは、統計的なモデリングを記述する数字だ。そんなモデルを特定のハードウェアプラットフォーム上で効率的に動作させるには非常に多くの問題があります。実行性能の良い方法を決めるのは非常に困難なで、人間の直観を必要とする重要な作業です」。

そのためOctoMLと、そのSaaSプロダクト「Octomizer」が登場した。ユーザーは自分のモデルをこのSaaSへアップロードすると自動的にモデルはユーザーが指定したハードウェアとフォーマットに基づいて最適化され、ベンチマークされ、パッケージされる。さらに高度な使い方として、このサービスのAPIをCI/CDの工程中に加えるやり方もある。そうやって最適化されたモデルは、それが動くハードウェアを完全に有効利用するよう最適化されているため相当速いが、多くの企業にとってさらにありがたいのは、効率化されたモデルがクラウドの利用コストを下げてくれること。そして性能の低い安価なハードウェアを使っても、これまでと同じ結果が得られることだ。ユースケースによっては、TVMはすでに80倍のパフォーマンス向上を達成している。

現在、OctoMLのチームは約20名だ。今回の新しい資金で増員を予定している。採用されるのは主にエンジニアだが、エバンジェリストも雇いたいとセズ氏は言う。また彼によると、SaaSプロダクト「Octomizer」は出だしとしては良いが、本当の目標は機能がもっと完全に揃ったMLOpsのプラットフォームだとのこと。「OctoMLのミッションは、MLOpsを自動化する世界で最良のプラットフォームを構築することだ」とセズ氏は語っている。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

マイクロソフトがEdge Zones for Azureを発表

Microsoft(マイクロソフト)は米国時間3月31日、Azure Edge Zonesのローンチを発表した。Azure Edge Zonesは、Azureユーザーがアプリケーションを同社のEdgeロケーションに持ってくることができるというサービスで、主な狙いはリアルタイムで低レイテンシーの5Gアプリケーションを可能にすることにある。同社はまた、AT&Tをはじめとするキャリア向けのEdge Zonesをプレビューで発表したが、これらのゾーンをキャリアのデータセンター内の5Gネットワークに直接接続するためのものだ。そしてまたAzureは、Azure Stack Edgeと組み合わせてプライベートな5G/LTEネットワークを展開している顧客向けに、Private Edge Zonesも取得している。

最初のパートナーとなるキャリアはAT&Tだが、今後はRogers、SK Telecom、Telstra、Vodafoneなども加わる。そして2020年夏の終わりにLA、マイアミ、ニューヨークを、2021年に向けて10以上の都市でスタンドアローンのAzure Edge Zonesを立ち上げる。

発表声明では次のように述べられている。「これまでの数十年間は主にキャリアと通信事業者は、互いに接続する方法を開拓し、電話や携帯電話の基盤を築いてきた。しかしクラウドと5Gの登場によって、コンピュート(計算機処理)のようなクラウドサービスとAIを高帯域幅と超低レイテンシーを組み合わせることで新たな可能性が生まれてきた。マイクロソトフは企業やデベロッパーが構築する没入型アプリケーションに5Gをもたらすために活性化する彼らをパートナーする」。

この聞いたことがあるように感じられるは、数週間前にGoogleがAnthos for TelecomとGlobal Mobile Edge Cloudをローンチしたときにも述べた構想だからだ。アプリケーションをクラウドのEdgeに持ち込んで5Gと通信事業者に供するという形は、両社ともに似ているようだが、マイクロソフトは、パートナーのエコシステムと提供域の地理的大きさの両方で自分の方がより包括的だと主張している。しかしいずれにしても5Gはすべての大手クラウドプロバイダーにとってトレンドであり、乗り遅れたくないバスだ。マイクロソフトが5Gクラウドの専門企業Affirmed Networksを買収したのも、その市場参入努力の一環となる。

各種バージョンの詳細についていうなら、Edge ZoneはもっぱらIoTとAIのワークロードに焦点を当てているが、マイクロソフトによればその中においてEdge Zones with Carriersは低レイテンシーのオンラインゲームやリモートミーティング、イベントそしてスマートインフラに重きを置いているという。キャリアのプライベートネットワークとAzure Stack Edgeを組み合わせたPrivate Edge Zonesは、少数の巨大エンタープライズ企業だけが関心を向ける、高価格で複雑なシステムだろう。

関連記事: Google Cloud goes after the telco business with Anthos for Telecom and its Global Mobile Edge Cloud…Google Cloudが通信事業者にもクラウドサービスを売り込む(未訳)
マイクロソフトが5Gの専門企業Affirmed Networksを買収

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

D-Waveが新型コロナ対策用に量子コンピューターへのアクセスを無料提供

D-Waveは、カナダにある量子コンピューティング企業だ。米国時間3月31日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対応に取り組んでいる人なら誰にでも、Leap 2と呼ばれる量子コンピューティングのクラウドサービスへのアクセスを無料で提供すると発表した。これは新薬の開発に取り組んでいる人たちだけのものではなく、現在の危機を解決するために働いている研究者、チームなら誰にでも提供される。例えばロジスティクス、ウイルス蔓延のモデル化、あるいは新しい診断方法の開発など、分野は問わない。

D-Waveのプログラムをユニークなものにしているのは、すでに同社と他のプロジェクトで仕事をしている多くのパートナーを巻き込んだことだ。そこにはVolkswagen(フォルクスワーゲン)、デンソー、Jülich Supercomputing Centre、MDR、Menten AI、Sigma-i/東北大学、Ludwig Maximilian大学、OTI Lumionicsが含まれている。こうしたパートナーは、Leap 2を使って新型コロナウイルス危機の解決策を開発しようというチームに、エンジニアリングの専門知識を提供する。

D-WaveのCEOであるAlan Baratz(アラン・バラッツ)氏が私に語ったところによれば、このプロジェクトは約1週間半前に具体化し始めたばかりだという。その会話で同氏は、Leap 2を使用するチームは商用ライセンスを取得することになるので、開発したソリューションをオープンソース化する必要はないという点を強調した。また、通常D-Waveクラウドサービスを利用する際に標準的な、1月あたり1分という制限も課されることがないという。

「Leap 2はハイブリッドのソルバーサービスによって2月26日から利用可能となっています。これはかなり大きな問題を解くことができる量子コンピューティング機能です。現実世界における生産上の問題を解決する規模で、大きな課題を解くことができます」とバラッツ氏は述べた。「そこで私たちは、他に方法がなければ、これはパンデミックへの対応策を考え出そうとしている人たちの役に立つツールとなる可能性があると考えました。そして、これを利用可能にすべきだと考えたのです」。

同氏も、このシステムにアクセスすることになったチームが、実行可能なソリューションを考え出せる保証はないことも承知している。「それでも私たちは、このツールを公開しないのは、怠慢にあたると判断したのです」と述べた。

Leapは現在、米国、カナダ、日本そしてヨーロッパの32カ国から利用可能となっている。それらの国々では、D-Waveのパートナーも活動しており、研究者は同システムを無料で利用できるようになる。

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

Google Cloudがゲームのためのマネージドクラウドバックエンド「Game Servers」を立ち上げ

Google Cloudが3月13日、ゲーム開発者がゲームを動かすための日常的なバックエンドをクラウドで提供するマネージドサービス、Game Serversのベータ版をローンチしたことを発表した。マルチプレイヤーのゲームもサポートするが、ゲームストリーミングサーバーではなく、ゲーム開発者がゲームのバックエンドサービスを制作、拡張、管理する作業を楽にしてくれる。

このサービスは、GoogleとUbisoftが2018年に発表したオープンソースのゲームサーバープロジェクトAgonesと、コンテナオーケストレーションプラットホームKubernetesがベースとなっている。Google CloudのプロダクトマネージャーであるScott Van Woudenberg(スコット・ヴァン・ウーデンバーグ)氏によると、このサービスはマルチクラウド上のKubernetesクラスターを管理するGoogleのサービス、Anthosも部分的に使用している。そしてGame Serversは目下Google Kubernetes Engine上でのみ動くが、年内にはハイブリッドクラウドやマルチクラウドもサポートされる予定だ。

すでにかなり多くのゲーム企業が、独自のオンプレミスサーバー集団を構築しているから、エンタープライズの場合と同様、このようなツールもハイブリッドクラウド対応であることが必須だ。またGame Serversの外ですでにAgonesを使っているデベロッパーも、そのサーバーをGame ServersのAPIで登録すれば、Game Serversのマネージドサービス下に置くことができる。

ヴァン・ウーデンバーグ氏が指摘するとおり、今では事実上ほとんどすべてのゲームが、何らかのクラウドバックエンドを必要としている。例えばマルチプレイヤー機能や対戦相手の組み合わせ(マッチメイキング)、長期保存性のあるゲームデータなどは、多くの場合でクラウドを利用している。それは大手のゲームスタジオだけでなく、インディーの開発者でも同様だ。Game Serversを利用すれば、それらの開発者は必要に応じて容易にクラスターのスケールアップしたり、ダウンできるようになる。Game Serversにはまた、A/Bテストやカナリアテストの機能もあり、将来的にはマッチメイキングフレームワークであるOpen Matchの統合も予定している。

利用には、ゲームサーバーがコンテナ化されていることが必要だ。すでにAgonesを利用している企業なら、それは単純な作業だろうとヴァン・ウーデンバーグ氏は言う。その他のさらに助けを必要とする企業には、Googleがそのパートナーと一緒に導入支援をを行う。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

GoogleがCloud Nextのオンライン開催を日程未定で延期

数週間前にGoogleは、同社の2020年最大のカンファレンスであるCloud Nextの実会場における開催を中止した。現在、他の大きなイベントの新型コロナウイルス流行による中止が相次いでいる。Cloud Nextは当初、4月6日から8日までに延期され、他の企業と同じくオンラインでの開催になっていたが、米国時間3月17日の発表でそれもまた延期されることになった。新たな日程は発表されていない。

Google Cloudのチーフ・マーケティング・オフィサーであるAlison Wagonfeld(アリソン・ワゴンフェルド)氏は、再度の延期を発表するブログ記事の中で次のように記している。「目下、私たちにできる最も重要なことは、私たちの顧客とパートナー両者のサポートに集中することである。『Google Cloud Next’20: Digital Connect』の実施に対して今でも全精力を傾けているが、それは正しいタイミングで行うべきだ。状況が好転次第、その新たな日程をシェアしたい」

おそらくこれからの数週間は、これと似た発表が次々に行われるのではないだろうか。企業がリモートワークへ移行し、州が外出禁止を指示し、社会的距離(social distancing)という言葉を突然多くの人が知るようになり、基調講演をストリーミングでやることも難しくなっている。皮肉な見方をすれば、重要な疾病に関するニュースがひっきりなしに飛び込んでくる中、テクノロジー企業の発表の影が薄いことは注目に値するだろう。最近の数日で、複数の企業が延期の延期を発表しているが、今後さらに発表されることは確実だ。

関連記事:Googleは新型コロナの影響で同社最大のカンファレンスCloud Nextをオンラインで開催

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

AWSがケニアのSafaricomと協力してアフリカにクラウドとコンサルティングサービスを売り込む

【抄訳】
AWS(Amazon Web Services)が、ケニア最大の電話および通信企業であるSafaricomとパートナーシップを結んだ。両社のコラボレーションはアフリカに、米国におけるクラウドプロバイダー間の競争をもたらすだろう。

TechCrunch宛ての声明でこの東アフリカの企業は、協定を「戦略的合意」と呼び、SafaricomAWSのサービス(主にクラウド)を同社の東アフリカの顧客ネットワークへ販売していくことになる。

SafaricomはモバイルマネーM-Pesaでよく知られているが、これからは、東アフリカのAWSパートナーネットワーク(APN)のための初めてのAdvanced Consulting Partnerになる。

「テクノロジーのための事業であるAPNは、AWSを利用して顧客のためにソリューションとサービスを構築している企業の集まりであり、価値あるビジネスと技術およびマーケティングのサポートを提供することによってAWSの提供物を売っていく」とSafaricomは語っている。

SafaricomCEOであるMichael Joseph(マイケル・ジョセフ)氏は、「AWSとのパートナーシップを選んだのは、同社が最も広範で、最も深いクラウドプラットホームを顧客に提供しているからだ。この合意によって、ケニアにデジタルトランスフォーメーションをもたらす我々の取り組みを加速できる」と述べている。

同社の声明はさらに続けて「SafaricomAWSのサービスを東アフリカの顧客に提供し、あらゆるサイズの企業がAWSクラウドの利用を速やかに開始するようにできる」と語っている。

【中略】

AWS-Safaricomの戦略的合意にとって、最も明確なライバルは、MicrosoftLiquid Telecomのコラボレーションだ。2017年以来、Microsoftはこのアフリカ南部のデジタルインフラストラクチャ企業をパートナーに、同社の対AWS競合製品Azureの採用を伸ばし、アフリカ大陸のスタートアップと既存企業に、クラウドサービスを提供している。特にMicrosoftLiquid Telecomのパートナーシップは、アフリカの未来を担うのはスタートアップとの信条のもとに、若いテクノロジー企業にフォーカスしている。

【後略】

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アマゾンが最新の透明性レポートを黙って発表

絶好調の決算報告でご機嫌のAmazon(アマゾン)が、いつものように無言で最新の透明性レポートを発表し、ユーザーデータに関する政府の要求がわずかに減ったことを明かしている。

同じ時期に透明性レポートは、FacebookやGoogle、Microsoft、Twitterなどのテクノロジー大手にも届き、そしてそのほとんどすべてが政府からの要求の増加を示していた。 減っていたのは、Appleだけだった。

アマゾンの場合は、1841通の召喚状と、440通の捜索礼状、ユーザーデータを求めるそのほかの裁判所命令114を2019年の後半6か月に受け取った。それらの対象デバイスはEchoやFireなどだ。以上は、前年同期に比べて4%の減少だった。

また、同社のクラウドサービスAmazon Web Servicesも、顧客が保存しているデータへの要求は約10%減少した。アマゾンの消費者サービスとクラウドサービス両方が受け取った国家安全リクエストの数は0から249の間だった。これは司法省の規則により具体的な値でなく値域しか開示できない。

この記事を書いている時点では、アマゾンは法執行要求ページを今度の透明性レポートでアップデートしていない。

年に2回来る透明性レポートは、テクノロジー業界全体の中でアマゾンのものがいちばん軽い。前にTechCrunchdでも報じたように、アマゾンの透明性レポートは長年、意図的に曖昧にされ、業界のトレンドである明晰に反していた。同社はわずか3ページの報告で、それぞれの法的要求にどう応えたかを述べ、その数字は明かしていない。

法執行当局とのなれ合い的関係お粗末なセキュリテと批判を浴びたスマートカメラのRingも、データ要求の数を明かしていない

関連記事:スマート家電メーカーは見聞きした情報を政府に開示するのか?

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ハイブリッドITのオペレーションを助けるOpsRampが40億円超を調達

企業のITチームによる、ハイブリッド環境の理解と監視、管理、そして最も重要な項目である自動化を支援するOpsRampが米国時間1月30日、Morgan Stanley Expansion Capitalがリードする3750万ドル(約40億9100万円)の資金調達ラウンドの完了を発表した。これには、前からの投資家であるSapphire Venturesと新たな投資家Hewlett Packard Enterpriseが参加した。

OpsRampのこの前の資金調達は2017年で、そのときはSapphireが2000万ドルのシリーズAをリードした。

OpsRampのサービスの中核は、そのAIOpsプラットホームだ。このサービスは機械学習とそのほかの技術を利用して、近年ますます複雑性を増しているインフラストラクチャのデプロイとその管理を支援し、インテリジェントなアラートを提供するとともに、最終的にはチームのタスクの多くを自動化する。同社のプロダクトにはさらに、クラウドのモニタリングやインシデント管理のツールも含まれている。

同社によると、その年商は2019年に前年比で300%増加した(ただしその額は非公表)。顧客は1400社あり、またAWSやServiceNow、Google Cloud Platform、およびMicrosoft Azureなどのクラウドベンダーをパートナーにしている。

OpsRampの共同創業者でCEOのバルマ・クナパラジュ氏

共同創業者でCEOのVarma Kunaparaju(バルマ・クナパラジュ)氏によると、顧客企業の多くは大企業と中規模企業だ。同氏によると「これらの企業のITチームは大きくて複雑なハイブリッド環境を抱えていて、その単純化と一元化に苦労している。しかも、そういう思いとは裏腹にシステムとインフラストラクチャはますます分断化し、バラバラになっている。それでもなお、彼らは弊社のパートナーであるクラウドベンダーたちの成功に倣って、自分もFortune 5000社のグローバル企業の一員を目指したいと願っている」。

クナパラジュ氏によると、同社は今回の資金をマーケティングと製品開発の拡充に充てたいと考えている。「資金は主に、ヨーロッパ、中東、アフリカ、アジア太平洋などへの市場拡大に使いたい。ただしもちろん、北米におけるプレゼンスの拡張も重要だ。また、さまざまな方向性の製品開発にも力を入れたい」と続ける。

ハイブリッドクラウドは企業のITの負荷を増大し、利用するツールも増えるから、それを助けるOpsRampのようなスタートアップに投資家が着目するのも当然だ。今後このような投資案件は、さらに増えるだろう。

Hewlett Packard Pathfinderのトップで副社長のPaul Glaser(ポール・グレイザー)氏は 「我々も顧客企業のハイブリッドインフラストラクチャへの移行が増えている。そういう傾向に合わせて、OpsRampはITのオペレーションを管理するサービスとして差別化を図っており、それは弊社HPEの中核的戦略にもよく沿うものだ。OpsRampのプロダクトのビジョンと顧客企業からの支持を見ると、今は彼らの成長と拡大に投資すべき絶好のタイミングだ」と語る。

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G SuiteはAI搭載でより便利に、GoogleカレンダーとGoogleアシスタントが融合

Google(グーグル)は米国時間11月20日、G Suiteツールをアップデートした。Google Docsには、AIによる文法チェッカーや精度を高めたスペルチェックといった機能が加わった。さらに今後、スペルの自動修正機能も搭載される予定だ。Googleカレンダーに関しては、Googleアシスタントがスケジュールを認識できるようになったほか、イベントの作成、キャンセル、そしてスケジュールの変更ができるようになる。さらにGoogleアシスタントには、ミーティングで使える新しいアクセシビリティー機能も加わる。

米国時間11月20日の発表では、Smart Composeも近くG Suiteに加わるという。

Google Docsに正しい文法のヒントが加わるのは意外でもない。Googleも数カ月前からその話をしていた。最初に紹介されたのは2018年だ。そのほかの文法ツールと違ってGoogle Docsは、ニューラルネットワークを利用して文法上の問題と思われるものを見つける。同様のテクニックが機械翻訳のモデルの能力を高めるためにも使われている。

すでにGmailに導入されている自動修正機能が、Google Docsにも加わる。このツールはグーグルの検索を利用して新しい言葉を覚えていくが、今回の発表ではさらに新しいシステムにより、ユーザーが自分のドキュメントの特性に基づいて正しいスペルのヒントをカスタマイズできるようになる。社内で使う独特の略語などは、通常は間違いと指摘するだろう。

GoogleアシスタントがGoogleカレンダーのデータを取り込む機能は、目下ベータ段階だが詳しい説明は不要だろう。こんな簡単な機能の導入が、これだけ遅れたことのほうがむしろ不思議だ。声でGoogleカレンダーを管理するだけでなく、ミーティングの出席者たちへメッセージを送ったり、ミーティングにアシスタントを参加させたり機能も近く加わる予定だ。いつものように朝寝坊しただけでなく、渋滞につかまって朝8時のミーティングに出られないときもアシスタントが役に立つだろう。

関連記事:文書補完機能の「Smart Compose」がGoogleドキュメントで利用可能に

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Google CloudがBare Metal Solutionで顧客機によるベアメタルサービスを提供

Google Cloudは米国時間11月20日、Bare Metal Solutionと名付けたベアメタル(物理サーバー)サービスを発表した。ただしそれは、Google Cloudが直接提供するベアメタルサービスではなく、Googleが認定したハードウェアを企業がGoogleのデータセンターに置き、そこでそれら専用のワークロードを動かし、Google Cloudの一連のサービスにも直接接続できるというものだ。このようなセットアップがふさわしいワークロードはデータベースだとGoogleは表明している。具体的にはOracle Databaseだ。

Bare Metal Solutionは、その名が示すとおり、この種のインフラストラクチャをセットアップするための完全に統合された、そして完全な管理を伴うソリューションだ。ハードウェアのインフラストラクチャも、サーバーだけでなく電源や冷房までも含むその全体が完全に管理される。Google Cloudとのサポート契約や課金はGoogleのシステムが扱いSLAもある。それらのマシンにデプロイされるソフトウェアは、Googleではなく顧客が管理する。

全体としての考え方は、特殊なワークロードを抱えた企業が容易にクラウドへ移行できるようにし、それによって、クラウドからのサービスがこれらのシステムのデータに便利にアクセスできるようにすることだ。機械学習がそんなワークロードの典型的な例だが、Googleの考えではこれによって企業が徐々に自己の技術的インフラストラクチャを現代化していける。ここで現代化とは、クラウドへの移行という意味だ。

Googleは「そういう特殊なワークロードは認定されたハードウェアと、ライセンスやサポートに関する複雑な協定を必要とする場合が多い。今回のソリューションはアプリケーションのインフラストラクチャの全体構造を現代化する経路を与え、それと同時に既存の投資とアーキテクチャを保全できる。またBare Metal Solutionで特殊なワークロードをGoogle Cloudに持ち込むことができ、各種のGCPサービスに最小のレイテンシーでアクセスおよび統合できる」と説明する。

このサービスはGoogle Cloudと同じ場所にあるので、同じリージョンのBare Metal SolutionとGoogle Cloudの間のデータの出入りは課金されない。

このソリューションで使うサーバーは、Oracle Databaseをはじめさまざまなアプリケーションの実行に関して認定され、構成は最小でも2ソケット16コアでメモリー384GB、最大は112コアでメモリー3072GBの4ソケットサーバーとなる。料金は月額制で、推奨契約期間は36か月だ。

もちろんこれは、完全に自力で用意するシステムではないから、その料金なども含めて、Googleの営業と話し合うことが第一歩になる。今、いろんな手段やサービスでエンタープライズ対応を手厚く進めているGoogle Cloudにとって、当然予想できたサービスだが。

関連記事:Google makes converting VMs to containers easier with the GA of Migrate for Anthos(GoogleはMigrate for AnthosでVMのコンテナ変換をサポート、未訳)

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AWS Nitroの競合技術を有するPensandoが脱ステルス

元Cisco(シスコ)の技術者たちが創業したエッジコンピューティングのスタートアップであるPensando(ペンサンド)がシリーズCで1億4500万ドル(約157億7000万円)を調達し、ステルス状態を終えた。同社のソフトウェアとハードウェアはデータセンターにおけるクラウドコンピューティングサーバーの柔軟性を拡大し、Amazon Web ServicesのNitroと競合する技術と位置づけられる。

今回のラウンドはHewlett Packard EnterpriseとLightspeed Venture Partnersがリードし、これによりPensandoの調達総額は2億7800万ドル(約303億円)になる。HPEのCTOであるMark Potter(マーク・ポッター)氏とLightspeed VentureのパートナーであるBarry Eggers(バリー・エッガース)氏が、Pensandoの取締役会に加わる。同社の会長は元CiscoのCEO John Chambers(ジョン・チェンバース)氏で、彼はJC2 Venturesを介してPensandoの投資者の一人でもある。

Pensandoは2017年に、Mario Mazzola(マリオ・マッゾラ)氏、Prem Jain(プレム・ジャイン)氏、Luca Cafiero(ルカ・カフィエロ)氏、およびSoni Jiandani(ソニ・ジャンダニ)氏によって創業された。この技術者チームはCiscoの重要な技術開発のいくつかを先頭に立って推進した人々であり、その前にはInsieme Networksなど4つのスタートアップを創業して、それらはいずれもCiscoが買収している。

ロイターのインタビューで、前にCiscoの執行副社長だったPensandoのCFOを務めるRandy Pond(ランディ・ポンド)氏は、CiscoがPensandoの買収に関心があるかは明らかでないが、「現時点でうちはIPOを志向している。でもお金に関しては常にほかの可能性もある」と述べた。

同社によると、そのエッジコンピューティングプラットホームのパフォーマンスは生産性とスケールで比較するとAWS Nitroの5倍から9倍だ。Pensandoは、エッジコンピューティングのためのデータセンターインフラストラクチャを5Gからのデータや人工知能、そして物のインターネット(IoT)アプリケーションに対し最適化して用意する。ステルスの間に同社は、HPE、Goldman Sachs、NetApp、Equinixなどの顧客を獲得した。

プレス向けの声明でポッター氏は「現在のような変化が激しく、超稠密に接続された世界では、以前にも増して柔軟性と選択肢の幅の大きい操業環境を企業は必要とする。HPEとPensando Systemsとの関係が拡大しているのは、エンタープライズとクラウドの理解を互いに共有しているからだ。我々はPensandoへの投資とソリューションレベルのパートナーシップを誇らしく感じており、顧客のニーズを前もって把握したソリューションを今後とも推進していきたい」と語っている。

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グーグルがポーランドに新しいクラウドリージョン開設

Google(グーグル)は米国時間9月28日、ポーランドのワルシャワにクラウドの新たなリージョンを開設し、中欧と東欧の顧客へのサービスを充実させると発表した

Googleはこれまでもデータセンターの物理的な供用域の拡大に努めており、今回の動きもその一環だ。数日前に同社は、今後2年間でヨーロッパだけでもそのデータセンターのプレゼンスに33億ドル(約3600億円)を支出すると発表したばかりだ。

Google Cloudには現在、20のリージョン(各地域で独立したクラウド領域)と61のアベイラビリティーゾーン(リージョン内で独立したクラウド領域)がある。Googleのそのほかのリージョンとほぼ同様に、ワルシャワには3つのアベイラビリティーゾーンがあり、Google Cloudの標準的コアサービスのすべてをローンチする。それらは、Compute Engine、App Engine、Google Kubernetes Engine、Cloud Bigtable、Cloud Spanner、そしてBigQueryだ。

ポーランドに新しいリージョンを立ち上げるために同社は、Domestic Cloud Provider(DCP)をパートナーとする。この地元のクラウドプロバイダーはChmury Krajowejとも呼ばれ、Polish Development FundとPKO Bank Polskiのジョイントベンチャーだ。DCPはこの国におけるGoogle Cloudの販売代理店になり、Googleのインフラストラクチャを利用するマネージドサービスを構築する。

Google CloudのCEOであるThomas Kurian(トーマス・クリアン)氏は「ポーランドは今急ピッチでデジタル化を加速しており、今やソフトウェアエンジニアリングの国際的なハブだ。DCPとの戦略的パートナーシップおよびGoogle Cloudのワルシャワ新リージョンはともに、ポーランドのデジタル経済振興に向けての我々の積極的関与を表しており、ポーランドの企業にとって可用性の高い有意義なアプリケーションを顧客のために作っていくことが、なお一層容易になる」と語る。

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