Facebook、実名ポリシーの施行プロセスを変更

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一年以上にわたる実名ポリシー議論の後、FacebookはLGBTQコミュニティーの人々を含めメンバー全員の利便性を高めるために、手続きの変更を発表した。

昨年10月、Facebookは偽アカウントとみなされたためにLGBTQメンバーのページが停止された問題を受け、実名ポリシーの変更を約束した。Facebookはメンバーに対して、友達や家族に知られている名前で登録することを要求している。例えば、多くのdragパフォーマーにとって、彼らのdragネーム〈こそ〉が人々に知られている名前だが、それでもアカウント停止の例外とはならなかった。

Facebookは実名ポリシーを廃止するわけではないが、「全メンバー、特に過少評価されたり差別を受けている人々」の目的にかなうようポリシーを改善するために新たなしくみのテストを始める、とFacebookのグローバル運用担当VP、Justin Osofskyと製品マネージャー、Todd GageがFacebookのブログに書いた。

例えば、Facebookの新たな通報プロセスでは、そもそもなぜその名前を通報するのかに関する詳しい情報と状況説明を求めている。従来、疑わしい名前の通報はボタンをクリックするだけでよかった。

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またFacebookは、誰かに通報された人々が自らを弁護し名前を検証するための新しいツールをテストしている。つまり、自分のアカウントが通報されたが、実際にはdragネームを使っていたり、虐待や嫌がらせやストーカーから逃がれるために別名を使っているような場合、Facebookがアカウントを停止する前に、自分の状況を説明する猶予期間が1週間与えられる。

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Facebookは、法的身分証明の提示を求めていたことについても、それが必ずしも本人の望む名前を反映してないことから、批判を受けてきた。

その後Facebookはメンバーの名前確認に使用できる文書の選択肢を広げ、また来年初めには、「ID検証プロセスに参加しなければならない人々の数を減らし、かつ他のメンバーの安全を確保する方法を検討する。また検証プロセス体験そのもののも、思いやりのある操作しやすいものにする努力を続ける」とFacebookは言っている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebook、Momentsの改良で次のMessengerを狙う―本体の写真同期は1月10日で終了

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Facebookは大成功のMessengerに続くモバイル・アプリが手の内にあると確信しているようだ。 そのアプリとは現在プライベート・ベータ中の新しいMomentsだ。Facebookの確信のほどは、さきほど「本体の写真同期を近く終了する」と発表したことでも知ることができる。

同社ではこの情報をニュースフィードのトップに表示し、デバイス内の写真の同期と共有のために「Momentsアプリをダウンロードするよう」ユーザーに勧めている。つまりユーザーがモバイル・デバイスで撮影した写真をFacebook本体に非公開で同期させているなら、その機能が移管された新しいMomentsアプリをインストールしなければならないということだ。

Facebookはすでにニュースフィードでの推薦やメッセンジャーとの連携などを通じ、他のどのスタンドアローン・アプリにも増して、Momentsのインストールを強く推薦している。FacebookではMomentsはメインストリームのアプリになれる能力があると考えているに違いない。Facebookはこれまでに何十もの新機能が誰も使わないため消えていくのを放置してきた。同社は自然淘汰を強く信奉しているようだ。

実際、 Facebookは最近、社内のR&D担当部門、Facebook Labsを閉鎖している。この部門からはRiff、Slingshot、Roomsなど数多くの実験的プロジェクトが生まれているが、どれひとつものにはならなかった。

しかしMomentsの場合は話が違う。

このアプリはデバイスで撮影した写真を特定のFacebook友達とプライベートに共有する機能を提供するもので、この数ヶ月、Facebookがプロモーションに力を入れるにつれて
アプリ・ストアのランキングを着実にアップさせてきた。またFacebookは人気のチャット・サービス、Messengerと連携させることで+Momentsの知名度を上げる努力もしている。ユーザーがMomentsで写真を友達と共有すると、そのことが相手のFacebook本体にプッシュ通知されると同時にMessengerアプリからメッセージが送られる。

FacebookはMomentsを使うユーザーを本格的にこのアプリに定着させる構えだ。

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実はFacebookで写真同期が開始されたのは数年前だ。これはモバイル・ユーザーが写真を簡単にバックアップできると同時にFacebookに投稿しやすくすることを狙った機能だった。アプリはバックグラウンドで作動し、非公開のまま写真アルバムをFacebookのサーバーにアップロードし、後でユーザーが編集、共有、削除などの処理ができるようにした。当時、この機能は非常に高い評価を受けた。ソーシャルメディアにとって写真処理のしやすさとユーザー数や利用時間には死活的な関係があった。つまり機能をMomentsに移して本体の写真同期をシャットダウンするというのは実に大胆な決定といってよい。これは昨年FacebookがMessengerを普及させるために本体アプリからチャット機能を切り離したのに匹敵する大胆さといえる。.

しかしその結果は大成功で、MessengerはたちまちAppleのApp Storeの3位(ときおり2位)に駆け上った。FacebookはMomentsアプリでこの再演を期待している。

Facebookによれば、Momentsのインストールを望まないユーザーに対してはデバイスの写真をZIPファイルとしてコンピューターにダウンロードする(またはデバイスから削除する)機会が与えられるだろうとしている、

新しいMomentsの投入は、ライバルのGoogleがスタンドアローンの写真アプリ、 Googleフォトを成功させた(「写真とビデオ」カテゴリーでiOSアプリがトップ20、Androidアプリがトップ10入り)タイミングで行われた。

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1月10日に本体の写真同期機能が終了した後も。Momentsで同期された写真自体へはURLでアクセスできるということだ。つまりMomentsをインストールしてないユーザーも送られてきたリンクをたどれば同期写真を見ることはできる。

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十数億という桁はずれのFacebookのユーザーベースを考えればMomentsアプリもストアでのランキングを急速に上げてきたことは驚きではない。Momentsアプリは今月初めにはトップ100位に入る程度だった。しかしFacebookがプロモーションを始めると12月11日(先週の金曜)にはiTunes App Storeで3位となっていた。その後やや順位を下げたが、昨日も依然トップ15に入っていた。 Google PlayでもpMomentsアプリは10位以内だ。

ただしヨーロッパのFacebookのユーザーの場合、Momentsへの移行に関していまだに不透明な部分がある。

それはどういうことかというと、Momentsのセールスポイントは上述のように強力な顔認識機能であり、この機能に基づいて共有相手を推薦する能力だ。しかしヨーロッパではまさにこの能力がプライバシー保護の観点から禁止対象になっているため、Momentsはヨーロッパでは利用できない。FacebookとしてはヨーロッパでもMomentsをリリースする必要がので、同地向けに顔認識を削除したバージョンを用意しなければならないだろう。プライバシー上など同様の制限に対してFacebookは過去にも別バージョンで対応してきた歴史がある。当面、Facebook本体の写真同期機能が廃止されるのはMomentsが制限を受けずに公開できる国に限られるのだろうというのがこの問題に対するわれわれの理解だ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

未来の高度な人工知能技術の私蔵化を防ぐ非営利団体OpenAIがそうそうたる創立メンバーでスタート

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今日(米国時間12/11)、非営利の人工知能研究団体OpenAIの創立が発表された。そのトップは、Googleの研究員Ilya Sutskeverだ。前日には、Facebookが同社のAIハードウェアをオープンソース化した。

その存在理由は、こう説明されている:

目標はデジタルインテリジェンスの高度化をできるかぎり人類全体の利益に資する形で推進すること。それが、経済的(financial)な利益目的に制約されないことだ。

グローバルな支払い決済サービスStripeのCTOだったGreg Brockmanが、OpenAIのCTOになる。このほか多くの著名人が名を連ねており、中でもY CombinatorのSam Altmanと
Tesla/SpaceXのElon Muskが共同で理事長になる:

この団体の創立メンバーは、世界のトップクラスのリサーチエンジニアとサイエンティストである: Trevor Blackwell, Vicki Cheung, Andrej Karpathy, Durk Kingma, John Schulman, Pamela Vagata, そしてWojciech Zaremba。Pieter Abbeel, Yoshua Bengio, Alan Kay, Sergey Levine, およびVishal Sikkaはアドバイザーとなる。OpenAIの共同理事長は、Sam AltmanとElon Muskだ。

資金提供者は、Altman, Brockman, Musk, Jessica Livingston, Peter Theil, Amazon Web Services, Infosysおよび YC Researchで、寄付額の合計は10億ドルだ。Muskが公共的なAI研究に出資するのは、AIがSkynetになってしまうのを防ぐため、といわれる。OpenAIへの出資や理事長就任も、そのねらいの延長だろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

Facebookにオフラインモードができる

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Facebookは今週、モバイル接続が遅いユーザーでも、ニュースフィードで新着記事を読める新しい技術を提供することを発表した。接続が悪かったり、Facebookのサーバーとつながらない時でさえも。さらに、ユーザーはオフライン状態でもアプリでコメントを書いたり投稿したりすることができるようになり、接続が復帰した時に送信される。

こうした変更の狙いは、主要なアクセス方法が低速度の2Gネットワークである途上国市場を支援することだと同社は説明している。

当初Facebookのニュースフィードは、通信速度の遅いユーザーが新しいコンテンツを見るためにどれほど苦闘しているかを考慮せずに作られていた。

ニュースフィードはFacebookアプリで最も重要な目的地であることから、同社はユーザーが新着記事の読み込みを待つことなく新鮮なコンテンツを見られるしくみを考案した。今日からFacebookがテストする新機能では、端末にダウンロードされている(ユーザーがまだ見ていない)記事を全部調べ、関連度によってランク付けする。このランキングアルゴリズムでは、画像が入手できるかどうかも考慮すると同社は言っている。

次にアプリはそれらの「新着」記事 ― 実際には、既にダウンロードされているがニュースフィード上でそこまでスクロールしていないもの ― を表示する。コンテンツが読み込まれるまで回転アイコンを見ている代わりにすぐ記事が読めるので、エンドユーザー体験はこのプロセスによって大きく改善される。

接続状態が良くなれば、Facebookはダウンロードを再開し、通常方式で記事をランク付けする。

他にも、一日を通して接続良好の間に新着記事をダウンロードして、接続が切れた時にも重要な記事を読めるようにするしくみもテストする予定だ。

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その場合でも、オンラインの時と同じように記事を操作できるとFacebookは言っている。

従来、オフラインでも「いいね!」をしたり記事をシェアすることはできたが、最新アップデートではコメントも付けられるようになる。もちろんそのコメントは〈厳密には〉オンラインに戻るまで投稿されないが、少なくともそれまでにコメントを準備しておくことができるし、接続が切れていてもふだん通りにFacebookを使っているように感じられる。

この変更は発展途上国市場のFacebook体験を改善することが主な目的だが、先進地域にも恩恵はある。例えば、地下鉄や人の多いイベント等で接続が悪かったり完全に途絶えた時にも、新機能を活用できる。

Facebookは、現在これらの新機能をテスト中であり、フィードバックを得るために「時間をかけて」展開すると言っている。

Facebookのこうした行動は注目に値する ― 他の大きなインターネット企業(小さなところも!)彼らに倣うことを考えるべきだ。

世界の大部分はまだインターネットを利用できていない ― オンラインなのはわずか27億人、世界の約1/3だけ。Facebook、Googleその他IT巨人たちは、インターネットのない地域にアクセスを届けるためにドローンや高空飛行風船等を使うという現実離れしたプロジェクトで、この問題に取り組んでいる。インターネット利用地域の拡大と、低価格端末の組み合わせによって、多くの人々がいち早くウェブに参加できるようになる。

新たな市場がネットにつながることで、彼らはPC時代を完全にスキップして、代わりにモバイル端末を通じてインターネットに参加している。しかし彼らが必ずしも先進地域と同じ安定した環境を得られるとは限らない ― 企業の製品ロードマップの一部として、不安定なネット接続のためのデザインをすることの意味はそこにある。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Oculus Riftの発売日に提供されるコンテンツはVRゲームRock Band VR、すでに予告編あり

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Oculusからの重大な発表が、何であるか分かった。それは、今夜(米国時間12/3)ロサンゼルスで行われたThe Game Awardsのステージで共有された。

その発表は、同社のVRヘッドセットRiftの発売スケジュールやお値段ではなかった。それは、“2016年のQ1”になるしかないようだ。

しかし、23歳のOculusファウンダでRiftを発明したPalmer Luckeyが発表したのは、 HarmonixとのパートナーシップによるVRゲームRock Band VRだ。そのときの彼の短いステージには、まさにロックバンドDragonForceがいたんだけど。なお、ゲームの発売は2016年の早め、だそうだ(ということはRiftも?)。

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これがThe Game Awardsにおける、その発表だ:

そして予告編:

Rock Bandを前から知ってる人は、どんなのか想像できるだろう。プレーヤーは、バンドの奏者になりきってプレイする。予告編でちらっと見たかぎりでは、よくできてるし、まさにVRならではの没入的(immersive, イマーシブ)だ。

“実際に満員の聴衆がいて、自分が本当のロックスターになった気になれるのは、とってもすばらしい体験です”、とLuckeyは述べた。

ステージ上でLuckeyは、両社のチームはかなり前から協働している、Riftのローンチ(いつのことやら)では、ほかのゲームも発表される、と言った。今のところは、Rock Band VR はVRゲームとして完成度がとても高そうだから、ぼくも絶対に買いたい。ギターをプレイしているぼくが、だせぇアホに見えても、かまわないよ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

Facebook、ライブビデオ機能を全ユーザーに公開、写真とビデオのコラージュも

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当初数ヵ月間、著名人ジャーナリストにのみ、このPeriscope対抗機能を提供してきたFacebookは、ストリーミングビデオ配信機能、Liveを、米国内の一般iOSユーザー向けに今日(米国時間12/3)からテスト公開した。Periscopeと違うのは、親しい友達だけが配信に関する通知を受け取ること、およびライブ配信後にビデオが自動的に保存され永久に視聴可能だということだ。

このたびのLiveの提供範囲拡大は、「友達や家族が自分と同じ瞬間にいると感じられる」ようにするFacebookの取り組みの一環だと製品マネージャーのVadim LavrusikとThai Tranは言っている。

Live 2

あわせてFacebookは、複数の写真とビデオをタイル状に配置できる新しいシェア形式、Collages[コラージュ]も公開した。これはFacebookで複数写真のストーリーをシェアできるようになっただけでなく、ビデオも入れることが可能で、しかもInstagramの専用アプリLayoutと同じように、白い縁取りのタイルをサイズ変更することもできる。TranのFacebookプロフィールでサンプルを見られる。Collagesは今日からiOSで公開され、Androidは来年の予定。

LiveとCollagesのいずれも、ユーザーを引きつけておくためにはどんなシェア素材にも対応する、というFacebookの意志を感じさせる ― たとえ模倣だと批判されようとも。

Collage 1

Sharing 1Facebookが、投稿時にコンテンツタイプを選択できる新たなドロップダウンメニューもテストしているのはそれが理由だ。Facebookの開発が進めばさらに機能を追加することが可能で、例えば360度ビデオはすでにニュースフィードで再生できる。

MeerkatとPeriscopeは、モバイルライブストリーミングを最も迅速に生のままシェアする方法と位置づけた。今回Facebookはその機能を、Twitterが買収したPeriscopeのようなコンパニオンアプリではなく、人々が長い時間を過ごすニュースフィードに組み込んだ。

Facebookは、ユーザーがLiveを使えるようにしたことによる通知の過剰を防ぎたいと考えている。初めにVIP、次にその他の著名人に開放することによって、ストリーミングに値するほど重要なものや面白いものが何かを人々が知る機会を与えた。今もLiveのテストを徐々に広げていくことで、ニュースフィードに「Hello World」的なゴミストリームが溢れないようにしている。このためFacebookは、ライブ配信の通知を親しい友達あるいは自ら購読した人だけに送っている。

Periscopeが公開された4月からの数ヵ月間、Twitterはこの体験を見たり配信したりする機能をメインアプリに入れようとしなかった(できなかった?)。Facebookは、Liveの配信・視聴の機能を、他のどこでもなく、人々が既にモバイルで殆どの時間を過ごしている場所に置くことで、Twitterを一気に抜き去ろうと目録んでいる。しかし、Periscopeの先行する人気と、この単語が「モバイルでライブストリームする」という意味の動詞に転じてことから、Facebookはクローンのようにも見える。

Collage 2

一方、PicStich等のアプリで作られたコラージュは、Instagramでシェアされる写真の5枚に1枚までに増えている。当然のごとく、Instagramは独自のコラージュアプリLayoutを作り、今度はFacebookがその機能を写真アップローダーに組み込みビデオのおまけもつけた。

Collageを作るには、写真のアップロード画面へ行き、複数の写真とビデオを選択するオプションを選ぶ。後は自動的にコラージュに変換されるが、好きなようにタイルのサイズを変更したり並べ替えたりすることもできる。表示の際、ビデオは自動再生され、全部のコンテンツを見るには、いつも通り下にスクロールするか、矢印ボタンをクリックして次の画面へ移ればよい。

没頭型フルスクリーン体験のSnapchatと戦うために、Facebookはフィードを活気づけることなら何でもやる必要がある。LiveとCollagesは大いにその役割を果たしそうだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

アマチュア・デベロッパー、Facebookのメンバー情報検索ツールを開発―非力な検索にしびれを切らす

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Facebookには残念ながら使いやすく高度な検索機能がない。 これにしびれを切らしたデベロッパーが “Search Is Back”〔検索が戻ってきた〕と名付けた独自のFacebook向けツールを開発した。ユーザーは馴染みのあるドロップダウン・メニューを開いてユーザーの住む都市名、交際ステータス、出身校、ファーストネーム、その他の情報を検索できる。加えて写真、イベント、投稿などの文字情報も検索できるようなにった。

このツールのいいところは、ユーザーがFacebookの複雑きわまりないグラフ検索の仕組みを知らなくても望みの検索ができるところだ。たとえば「友達の友達」でファーストネームが「Sarah」、「スタンフォード大学出身」などという条件による検索が簡単にできる。Search Is Backのごくシンプルなメニューからいくつか選び、適切な内容を入力して実行するとサイトはFacebookを検索する。Facebookが検索を実行し、結果は公式サイに表示されるが、ユーザーがそれを見るのに改めてログインする必要はない。

現在のところ安定したグラフ検索の結果を見ることができるのは主にアメリカに居住するメンバーのようだ。もし読者のところで正しい検索結果を得られていないようなら、言語設定を英語にしてみると改善されることがある。

Facebook Advanced Search

Search Is Backで検索できる情報には以下のようjなものがある。

  • 同じ都市の出身で、現在独身で、近所に住んでいるメンバー
  • 友達の友達までの範囲で、ユーザーが職に応募しようとしている会社に勤めているメンバー
  • 訪問を予定している都市に住む友達
  • 別のSNSのメンバーでファーストネームがSamまたはSamanthaと名乗り。サンフランシスコに住んでいるUCLA出身者
  • パーティーで会ったことがあり、Googleに勤めていて、友達のDanの友達である人物
ユーザーはそういう人物や物事の写真、関係するイベント、や「いいね!」の数などの情報も入手できる。さらにこんな使い方もあるだろう。
  • 特定の2人の人物yがタグづけされている写真全部(元カレ、元カノをストーカーするのに使うのは厳禁)
  • 今夜予定されるイベントで友達が出席する予定なっているもの(話ができるかもしれない)
  • ロンドンについての友達の投稿(訪問する予定なのでアドバイスがもらいたい)
  • 同じアーティストのファンで、都市に住んでいる誰か(いっしょにコンサートに行く相手を探している)

Search Is Backは、映画製作が本業でサンフランシスコに住むMichael Morgensternが開発した。MorgensternはFacebookで何かを検索しようとすると、ひどく手間がかかったりまったく不可能だったりするのにうんざりしていたという。

私はFacebookに対して「Search Is Back.をどう評価しているのか?」と問い合わせたが返事はなかった。しかしFacebookのPlatform Policiesを丁寧に読んでみたが、Search Is Backが規定のどれかに違反しているとは思えなかった。

ソーシャル・メディア界はGraph Searchを使うと誰かが2013年に何を言ったか分かってしむと言って大騒ぎをしている。これは検索のキーワードに単なる単語でなくまとまったフレーズが使えるところからくる誤解だ。実際、Facebookの検索担当副社長、Tom
Stockyは10月に私と話し合ったとき、「自然言語を利用した対話的検索というのは(伝統的な単語検索に比べて)膨大なユーザー層を対象とした場合、適当ではないだろう」と語っていた。

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なるほどFacebookがフルテキスト検索を提供し始めたとき、 システムはフレーズと単語の区別がつかないことがあるので、グラフ検索が非常に困難になったことがあった。そういうわけで、 Facebookには高度な検索機能は実装されているのだが、目立たない場所にいくつにも分割して隠されている。 「友達を検索」するツールの一部やサイドバーのグラフ検索が導入される前の古いタイプの検索などだ。

Michael Morgenstern

Search Is Back developer Michael Morgenstern

デベロッパーのMorgensternは私の取材に対して、開発の動機について、「Facebookで何か検索しようとするたびにいひどい目に会わされてきたからだ」と語った。Morgensternは適当な既存のツールがないか探したが、どこにも見つからなかったので自作することにした。機能の実現のためにはFacebook APIではなく、一般のユーザーが使うのと同じFacebookが航会しているURLを使っている。Facebookがmorgensternのツールが気にいらなかったとしてもシャットダウンするのはAPIを使ったツールよりはるかに難しいだろう。

良きハッキングの伝統に従って、Morgensternは「モバイル・アプリができなくてもウェブを通じればできること」を試しているにすぎない。それでもFacebookはSearch Is Backをシャットダウンに追い込む方法を見つけるかもしれない。しかし作動している間、このサイトはプライバシー漏えいの懸念なしに安全にさまざまな情報を検索できる興味ある検索ボックスとなっている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

パパになったザッカーバーグ、持ち株の99%を寄付すると誓約

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Facebook CEO、Mark Zuckerbegは今日(米国時間12/1)、夫妻が持つ株式の99%を、「人間の可能性の発展および次世代の子供たちの平等性推進」のために寄付すると発表した。現在彼の持ち株は約450億ドルの価値を持つ。

彼の誓約は、生まれたばかりの娘、Maxima Chan Zuckerberg(通称Max)に宛てた長い手紙一部として書かれている。彼女の誕生はFacebook上で報告された。Zuckerbergは11月、娘の誕生後に2ヵ月関の育児休暇を取得する計画だと語った。

「あなたが未来に向けて私たちに与えてくれる希望を表現する言葉を、お母さんと私はまだ見つけられません」と手紙は始まる。「あなたの新しい生活は希望に満ちあふれて、それを全うできるよう健康でいてくれることを願っています。あなたに生きて欲しい世界について私たちがよく考える理由を、あなたはもう与えてくれました」とZuckerbergは書いた。「どこの親とも同じように、今日よりもすばらしい世界であなたが育っていくことを望んでいます」。

あなたが次の世代のChan Zuckerbergファミリーをスタートするように、私たちはChan Zuckerberg イニシャティブをスタートさせて、世界中の人たちが人間の可能性を発展させ次世代の子供たちの平等を推進します。最初に焦点を当てる分野は、個人に合わせた学習、病気の治療、人々をつなぐこと、そして強固なコミュニティーを作ることです」。私たちが持っているFacebook株 ― 現在約450億ドル ― は、生涯を通じてこの使命を果たすために使います。すでにこうした問題に注ぎ込まれている多くの資源や努力に比べて、小さな貢献であることはわかっています。それでも、自分たちにできることをして、他の多くの人たちと共に働きたいのです。

Chan Zuckerbergイニシャティブは新たな組織となり、Zuckerbergと妻Priscilla Chanが管理する有限責任会社が設立される。Zuckerbergが引き続き持ち株を管理する。同イニシャティブは、非営利団体への出資、個人投資、および政策協議への参加等を行う計画であると、リリース文に書かれている。企業へ投資から生まれた利益は、ミッションを進める新たな作業のために使用される、と同社は言った。

Zuckerbergがイニシャティブを管理する結果、持ち株も引き続き彼が管理することになる。そして、今後の株式売却時の税引後純利益は「Chan Zuckerbergイニシャティブのミッション推進のために使われる」。Zuckerbergは今後3年間、年に10億ドル以上のFacebook株を手離すことはないことを宣言しているため、当面これがZuckerbergのFacebookにおける支配的株主の立場に影響することはない、と同社は言っている。

これはZuckerbergの慈善活動の一例にすぎない。昨日彼は、ビル・ゲイツと共に他のIT幹部らに呼びかけ、Breakthrough Energy Coalitionを設立し、世界中の炭素排出ゼロ・エネルギー技術に投資することを発表した。創立メンバーにはヴァージン・グループのリチャード・ブランソン会長、日本のソフトバンクの孫正義会長、Amazonのジェフ・ベゾスCEOらも名を連ねている。

下のビデオは、ZuckerbergとChanがFacebookに投稿した、発表内容を説明するビデオ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

「Facebookでログイン」がApple TVでも使えるようになった

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Appleの新しいApple TVで最大の欠点はiPhoneのRemoteアプリが使えないことだ。特に、初めて使う時が問題で、Netflixのパスワード、Huluのパスワード、等々をApple TVのリモコンで入力しなければならない。しかし、FacebookのtvOS用の新しいSDKは、この面倒な入力手続きを回避する良い方法のようだ。

iOSと同じように、FacebookはデベロッパーがこのSDKをアプリに統合して、「Facebookでログイン」機能を使えるようにする。しかし、tvOSにはさらに一ひねりが加えられている。最初にFacebookのパスワードを聞く手順をスキップできる。

上の画像のように、ログイン画面には、スマートフォンでfacebook.com/deviceへ行くように書かれている。スマホでログインしたら、8桁の確認コードを入力するだけでFacebookアカウントとApple TVを結び付けられる。Facebookにログインしていなければ、まずそれが必要だが、スマホでやる方がずっと簡単だ。

この手法を使っているのはFacebookだけではない。Apple TVでYouTubeアプリをダウンロードすると、同じ方法でGoogleアカウントを結合できる。Android TVが動作しているデバイスでも同じしくみを使っている。

Facebook SDKには、アプリデベロッパーが分析に利用できる機能もある。iOS用SDKと同じようにイベントのログが記録される。

Facebookのシェアボタンをアプリに組み込んで、リンクや写真、ビデオ等をシェアすることもできる。ゲームデベロッパーにとっては、利用者拡大に有用な機能かもしれない。そしてもちろん、Facebookを使ってログインすれば、デベロッパーはFacebookのソーシャルグラフを使って、マルチプレーヤーゲームで友達を探すこともできる。

しかし、ソーシャルグラフにもっと強く依存しているアプリもある、例えばTinder。いま米国では感謝祭であることを考えれば、テレビでTinderを使える可能性をもたらしてくれたFacebookに、みんなで感謝すべきかもしれない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebookの野心的無料ネット接続、Internet.orgのアプリがインド全域で利用可能に

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Facebookは途上国向けにインターネット接続を無料で提供しようという野心的なInternet.org計画を進めてきた。この努力が実を結び、今やインド全域でReliance Communicationsのネットワークを利用した基本サービスの接続アプリ、 Free Basicsが無料で利用できるようになった。このプロジェクトは途上国の人々に無料でネットへのアクセスを提供しようとするものだ。ただし一部からはこれに批判の声が上がっていた。

Reliance Communicationsはインドで第4位のテレコム企業で、6月時点で1億1000万の登録契約者がいる。同社の発表によれば、ユーザーはこのアプリを使ってFacebookとFacebookメッセンジャーに加えて、Wikipedia、BBCニュース、Bing検索、Dictionary.com、各種ローカルニュースなど公共性の高いサイトにアクセスできるという。

これに対して批判者は、Internet.orgはごく一部のサイトへのアクセスを無料化することでインターネットに差別を持ち込んでおり、ネット中立性の精神を破壊するものだとしている。

Facebookのファウンダー、CEOのマーク・ザッカーバーグは、「Internet.orgは基本的なサービスへの接続を無料化しようとするもので(アプリの名前もそこから来ている)、それ以外のサイトへのアクセスを何ら制限するものではない」と反論している。Internet.orgはさらにデベロッパーその他のパートナーがFree Basicsサービスの充実に協力しやくする方法を各種発表している。

当初Internet.orgに対し、膨大なユーザーを抱えるFacebookが一部のサービスを優遇することによって副作用が生じることが懸念されていた。しかしこうしたFacebook側の対処によって批判はかなり弱められた形だ。

Free Basicsはインドに加えて南アジア、東南アジア、アフリカ、ラテンアメリカなど世界の途上国、30ヵ国に展開されている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Mark Zuckerbergが2か月の育児休暇をとる(Facebookでは最大4か月とれる)

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2004年の創業以来Facebookの顔であるMark Zuckerbergが、数か月の育児休暇*をとる。〔*: paternity leave(父親の育児休暇), 母親の育児休暇はmaternity leave〕

このニュースの出処(でどころ)は、当然ながら、彼のFacebookページだ:

Priscillaとぼくは、ぼくたちの娘を迎える準備を開始しました。すでに絵本やおもちゃを選んでいます。

また、彼女の人生の最初の数か月を、ぼくたちの休暇にすることについても、考えています。きわめて個人的な決定ですが、娘が生まれてから2か月、育児休暇をとることに決めました。

働いている両親が新生児と一緒に時間を過ごすことが、子どもたちと家族の両方に良い結果をもたらす、とさまざまな研究結果が示しています。Facebookの合衆国の社員は、父親も母親も最大4か月の有給育児休暇を、いつでもとれます。

日に日に、出産の実感が強くなっています。人生のこの新しい段階を迎えることに、わくわくしています。

下の写真は、うちのBeastとベビーシートです。彼も、何が起きるのか分かっているようです。

たとえ一時的でも、ZuckのいないFacebookは想像しづらい。でもまた、彼がいなくて何かが変わることもないだろう。重要なことなら、社長印が要るし。しかも議決権の半分以上は彼のものだからね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

Facebook、元カレ元カノの記録を調整するための新ツールを公開

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別れはただでさえ辛いものだが、Facebookにログインする度に元カレや元カノの新たな幸せがあなたの顔に飛び込んでくればなおさらだ。しかし、だからとって昔の相手を友達解除やブロックしたいわけでは必ずしもない。どこか中間地点があるべきだ。

今日(米国時間11/20)Facebookは、ユーザーがこうした複雑な関係にもっとうまく対応するための新ツールを実験中であると発表した。ツールはユーザーが、極端な行動をとることなく、昔の相手とデジタル的に距離を置けるように作られている。

説明によると、Facebookはユーザーが交際ステータスを変更した際にこの新ツールを試すよう勧める。選択すると、その相手を「見ることが減る」と共に、相手が自分について見えるものも制限するオプションが与えられる。過去の投稿や写真の設定に変更を加えることもできる。

別れた後、両者の間に(デジタル的な意味で)一定の間隔を与えようという発想だ。

新しいオプションを使うことで、ユーザーはFacebookに対してその人物を見る頻度を減らしたいことを伝えられる ― つまり、ニュースフィードでその人の投稿を見ることはなくなり、メッセージを送ったり写真にタグ付けするよう自動的に推奨されることもない。これまでFacebookに出来たのは、サイドバーの “Photo Memories” [思い出の写真]モジュールに昔の相手が表示されなくなることだけだった。ありがたい機能だが、十分にはほど遠かった。

自分がこうした変更を行ったことが、相手に通知されることもない。近頃は友達解除されたりブロックされていることを推論するのが容易になり、厄介な状況を作り出してさらに関係を悪くする恐れがあるので、このメリットは大きい。

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元相方の名前や投稿がニュースフィードから消えるのに加えて、相手が自分について見るものも制限できる、とFacebookは言う。別の画面で、現在のプライバシー設定をそのままにするか、投稿をその相手から隠すかを選択できる。

これは、昔の相手があなたを見られるのは、明示的に相手をタグ付けした場合、全体公開した場合、あるいは共通の友達のタイムラインでシェアした時だけになるという意味だ。このオプションを使うと、自分の投稿以外であっても、あなたがタグ付けされている記事を相手が見ることが制限される。

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そして、昔の写真や愛の日記を燃やすことのデジタル版とも思える機能として、このたびFacebookは、過去の投稿を読み返して2人に関わるプライバシー設定を変えたり、自分のタグを外したりできるようにした。

初めてのデート? 〈バシッ、削除〉。週末のお泊り? 〈もういい〉。バレンタインのディナー?〈消滅〉。まるでそんなことは起きなかったかのように。そして、率直に言って、タグを外したりプライバシー設定を調整することは、ちょっとした快感だ。

こうした変更は個別でも一括でもできる。例えば、投稿をタグ付けされた人だけから見えるようにもできる、とFacebookは言っている。

後者のオプションは、投稿や写真のプライバシーを、別れた後 、新しく相手と友達になる前に調整する際にも役立つ。ご想像の通り、当然その新しい相手は初めてあなたをFacebookストーカーする中で、古い写真を探しまくるだろうから。

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既に誰かと別れ、Facebookの交際ステータスを変更した後でも、遡って新ツールを使うことができる、とFacebookは言っている ― ヘルプセンターに行けばいつでも利用できる。

新しいツール群は現在米国でモバイルのみにオプションとして展開されている。Facebookは、広くユーザーに公開する前にさらに調整を加えるかもしれない。

ここで強調されているのは、失敗したロマンチックな関係の結果に対処することだが、プライバシー設定に現実社会の人間関係を正しく反映させるのに役立つこの種のツールは、デジタル生活の別の部分にも応用できる。例えば、あなたのどんちゃん騒ぎをおじいちゃん、おばあちゃんに見られたくないときや、ちょっとした知り合いに自分の生活を奥深く覗かれたくないときなど。

ともあれ、この「Facebook破局」するためのオプションは、元カレ、元カノと一定の距離を保ちたいが、デジタル生活から完全に永久に排除する心構えのできていない人たちに歓迎されるに違いない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebook、クラウド資金集めのFundraiserをスタート―Kickstarterのライバルに成長するか?

2015-11-19-kickstarter-facebook

Facebookは全インターネットをわが物としたいようだ。この巨人はいまやクラウウド・ファンディングの世界への進出を始めた。今日(米国時間11/18)、FacebookはNPO向けの新しいクラウド資金集めのサイト、Fundraiserを発表した。

NPD組織はこのサイトに資金集めのキャンペーン・ビデオを表示し、目標や実現のための手段を説明することができる。もちろん資金の受け入れも可能だ。資金を提供したユーザーはサイト内の「共有」ボタンを押すことでFacebookの友達にそのことを広く知らせることができる。

NPOが対象という意味ではFacebookの新しいプロダクトはCrowdriseのようなサイトによく似ている。

しかし少し考えていただきたい。NPOというのは「非営利団体」の頭文字だ。だが将来FacebookがこのN―non―を外したらどうなるだろうか。それは間違いなくKickstarterの強力なライバルになるだろう。私が取材した限りでは当面FacebookはNPOの資金集めの手助けに集中するようだ。なるほどそうなのだろう。しかし記憶が正しければ、FacebookはNPO団体がニュースフィードで資金を集められるよう、2013年にチャリティーに寄付するというボタンを設置した。しかしその後で通販でショッピングするボタンが登場した。Fundraiserは今のところNPO向けかもしれないが、このメカニズムはそのまま別の目的に転用できる。

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重要なのはクラウド・ファンディングのきわめて大きな部分がソーシャル・ネットワークの力に頼っていることだ。KickstarterやIndiegogoのサイトをわざわざ訪れて興味ある投資先がないか探す人間はほとんどいない。仮にあるプロジェクトがKickstarterなどのサイトのトップに目立つように表示されたとしてもスタートアップへのトラフィックの25%を占めるにすぎない。12%が普通で、場合によっては 3%くらいまで探す。Plinth Agencyのクラウド・ファンディングのコンサルタント、Desi Dangananが私に語ったところでは、クラウドで資金集めを目指す人々の大半はプロジェクトを自分自身のソーシャル・グラフを使って周知させようとする。資金集めを効果的にするためにFacebookのようなサイトが大きな役割を果たしているという。

ところがクラウド・ファンディングにFacebookを利用する上での問題は、ユーザーが資金を提供するつもりになるといったんFacebookサイトを離れてKickstarterやIndiegogoなどのサイトを訪問しなければならないことだ。これは余計な手間―われわれの用語では「フリクション」だ。ユーザーは他のサイトに行って、それが最初の訪問であれば、クレジットカード番号などの支払い情報を登録しなければならない。これもフリクションだ。これこれのプロダクトに出資を約束したことをFacebookの友達に知らせようとすれば、また何度もクリックが必要で、フリクションは増えるばかりだ。

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Facebookはこういうフリクションを嫌ってきた。Facebookほどの巨大サービスになると、フリクションをほんのわずか減少させるだけで莫大な利益が生まれることになる。最近、FacebookメッセンジャーがPhoto Magicという共有を簡単にするサービスを開始した。このサービスの顔認識機能などで節約できるのはせいぜい5秒だろうが、現在Photo Magicは毎月95億枚の写真共有を処理している。スタート以来節約できた時間は延500年分にもなる。.

Facebook上のクラウド資金集めにも発見、支払、バイラル拡散などさまざまな面で大きな可能性がある。ファンドレイザーは大金を払わずにFacebookのリソースを利用して誰がキャンペーンに興味を持ちそうかなど、さまざまな情報を集められる。

Facebook Donation Gif

ひとたびクラウド・ファンディングの仕組みが確立すれば、ファンドレイザーはFacebook上でのキャンペーンの広告に力を入れるだろう。現在でもFacebookでKickstarterやIndiegogoのプロジェクトの広告をたびたび目にする。もしこうした広告をクリックしてもFacebookの外に連れ出され、ユーザー体験が損なわれることがないなら、大いに魅力的だろう。Facebook自身のクラウンド・ファンディング・サービスには十分な可能性が感じられる。【略】

Facebook Fundraiser

KickstarterのFacebook版、いわばFacestarterをスタートさせるのであれば、優秀なプロジェクトに報酬を与えるシステムや有害な詐欺的プロジェクトを監視するシステムなども整備されねばならないだろう。

だがその程度のコストはFacebookにとってほとんど問題になるまい。Facebookほどのサイズがあれば、 どんな事業であろうと自由に実験できる。そこでKickstarterのタイヤを蹴って〔収益性をチェックして〕みるのは有益だ。万一不調であれば次のプロジェクトを考えればよいだけだからだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Facebook Messengerが読んだら消えるメッセージを実験中…人間の日常生活の会話を模倣

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Facebook Messengerが、読んだら消えるメッセージをテストしている。今はフランスの一部のユーザに提供されている機能だが、メッセージは送ってから1時間以内に消える。このニュースは、BuzzFeedが最初に報じた。本誌は今Facebookに、全面展開のスケジュールなど詳細を問い合わせている。

短命メッセージでMessenger自身も楽になるが、なにしろ今ユーザが7億もいるMessengerが、一時はFacebookが30億ドルで買うことを検討したと伝えられるSnapchatと、もろに競合することにもなる。Snapchat以外にも、上位のメッセージングアプリの一部が、蒸発するメッセージをサポートしている。

たとえばユーザ数2億1100万のLineは最近、隠れチャット(Hidden Chats)と名づけた暗号化メッセージを立ち上げた。これも一定の時間が経つと消滅する。中国最大のメッセージングアプリWeChat(ユーザ数5億)では、2014年からメッセージのリコールができる。

しかしFacebook Messengerの短命メッセージ機能は、ほかの人に知られたくない情報を送ることだけがねらいではない。本誌ライターのJosh Constineが触れているように、消えるメッセージは人間の実生活における会話の特性でもあり、それをMessengerは読了確認メッセージ(read receipts)や即席自撮りで再現しようとしている。

Facebookは前にも短命メッセージを実験したことがある。2012年の12月には、Snapchatが離陸した直後、FacebookはPokeをローンチした。これは、写真やビデオが消えるサービスだ。

当時Snapchat殺しと騒がれたFacebook Pokeは、しかしユーザが増えなかった。一方Snapchatは月間ユーザ数2億に達し、立派なエコシステムができて、単なる消える写真にとどまらず、Live Storiesのようなリッチな機能も提供するようになった。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

Facebook、iOSでもVRの360°ビデオCMをサポート―全プラットフォームでいち早く収益化を狙う

2015-11-13-facebook-360-video1

マーク・ザッカーバーグは「 拡張現実(VR)こそFacebookの未来だ」と語ったが、その言葉どおり、ザックはニュースフィードのVR化に力を入れているだけでなく、早くも収益化を図ってきた。

広告へのVRフォーマットの採用に当たって、 Facebookは消費者の関心を盛り上げるため、通常では人が行けないような場所の記録を提供しようとしている。こうすることでVRビデオへの自発的なアクセスが高まり、各方面に共有される。こうなればFacebookとしてはフィードに自社のVmaRketingのCMを忍ばせておく効果が出る。

Facebookはこの9月にウェブとAndroidアプリで360度ビデオのサポートを開始していたが、今回ユーザーはiOSでもVRビデオを体験することができるようになった。

Facebookは「没入的ストーリー」となるVRフォーマットのCMをAT&TCoronaNescafeRitz CrackersSamsungWalt Disney Worldのような有力スポンサーからまず受付を開始する。

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こうしたビデオは通常のモニター上でもタップしてドラグすることで周囲360度を見回すことができるが、Samsung Gear VRのような立体視できるVRデバイスを使えば本当の臨場感を得られる。一方でFacebookはニュースフィードに360度ビデオのコンテンツを増やすため、日本のリコー(Theta)を始めGiropticや IC Real Techなどのカメラメーカーに呼びかけて、カメラアプリに「Facebookで共有」ボタンを設置させようとしている。このボタンが普及すれば、ユーザーは録画した360度ビデオをニュースフィードにアップロードできるようローカルで面倒な処理をする必要がなくなる。

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またFacebookはフィルメーカーが高品位な360度コンテンツを制作するためのノウハウを掲載するミニ・サイトを開設し、ガイドラインやFAQなども載せ始めた。世界的なVRビデオ・プロデューサーのChris MilkやAaron Koplin(Vrse)がクリエーター向けに没入的ビデオの効果的な制作方法をプレゼンしているので関心がある読者は訪問してみるとよい。

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全体としてみるとVR普及戦略はFacebookが過去に写真、のちにビデオの投稿を増やそうとして採用した戦略とほぼ同様であることがわかる。Facebookはそのフォーマットでもっともダイナミックで魅力的に見え、ユーザーの関心を集めそうなコンテンツの制作、投稿を積極的に応援している。そこで一般ユーザーブランドが制作する非商業的コンテンツが十分集まった段階で、ユーザー体験を害しない範囲で徐々に広告を挿入していくわけだ。

現在この戦略がVRビデオに対して用いられている。FacebookのニュースフィードにはFelix & PaulBuzzFeedのような有名な有名なビデオ製作者がトップ・メーカーの360度カメラを用いた作品が続々と登場している。

この段階でブランドの果たす役割は大きい。360度ビデオ、VRビデオは制作に金がかかる。インディーの映像作家は、通常のビデオ制作に比べてはるかに多額の資金を調達するために苦労しなければならない。ここでブランドには比較的少額の投資で優秀なビデオに作品を制作させることができるチャンスが生まれる。ただしこの場合でも、作品のCM化はできるだけ控え目にすることが重要だ。

FacebookはYouTubeを始めとする有力ビデオ・プラットフォームと競争していかねばならない。新しいビデオ・サイトは皆「VR時代のYouTube」になろうとして必死だ。Facebookとしては他のプラットフォームで制作されたビデオを再共有するデスティネーション・サイトとなることは本意ではないだろう。しかしセレンディピティ〔偶然の発見〕の魅力に関するセオリーからしても、VRビデオ、360度ビデオに必要なのは、ユーザー体験を阻害するブランドの身勝手な広告化の抑制しつつ、誰も見たことのないシーン(合成された架空の景色でもよい)をできるかぎり広汎に採録してユーザーに推薦することだろう。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ノンユーザをクッキーで追跡しているFacebookがベルギーで毎日26万8000ドルを払う罰金刑に直面

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【抄訳】
データ保護をめぐるベルギーの裁判で、Facebookは、クッキーの保存に関する方針を変えないかぎり毎日25万ユーロの罰金を払うことになった。Facebookは控訴中だ。

事の発端は、ベルギーのデータ保護監視当局(DPA)が6月にFacebookに対する行政訴訟を起こしたことにある。その前に同政府機関は、今年の初めFacebookのプライバシーポリシーが変更された直後に、データ保護に関するFacebookのやり方を強く批判する報告書を発表していた。

具体的な訴件は: FacebookがサードパーティのWebサイトでクッキーの保存とソーシャルプラグイン(Likeボタンなど)を展開して、ユーザとFacebookのユーザでない者のインターネット上の活動を追跡するやり方(の違法性)だ。起訴の時点でベルギーのDPAは、ノンユーザの追跡方法と集めたデータをどうしているか、に関する質問にFacebookが答えなかったことを、起訴に踏み切った理由として挙げている。また同機関がこの訴訟を起こしたことに対する適法性の判断も、裁判所に求めている。

被告のFacebook側は、ベルギーのプライバシー機関には同社のヨーロッパにおける事業を告訴する法的資格がない、と主張した(Facebookのヨーロッパ本社はアイルランドにあるから)。しかし裁判所は、この主張を退け、問題がベルギー国民にも関わる以上ベルギーのデータ保護法が適用され、ベルギーの裁判所に裁判権がある、とした。

さらに重要なのは、ブラッセルの裁判所による裁定がEUの最高裁であるECJの画期的な判決と、軌を一にしていることだ。ECJはGoogle Spainが関与したいわゆる忘れられる権利について裁定し、もっと最近の判決ではハンガリーのデータ保護当局に対し、ハンガリーにもサービスを提供しているスロバキアのWebサイトに対する罰金の賦課を認めた。共通する原則は、従来の古典的な裁判の原則であった“居住国限定主義”を無視し、むしろ、インターネットサービスの本質である、不定形な広域性(被害〜被害可能性の及ぶ範囲が一国に限定されない)に着目していることだ。

Facebookは、クッキーの保存をユーザのための重要なセキュリティ手段(ユーザの本物性を確認できる)だ、と主張しているが、ノンユーザのデータまで集めていることに関しては、今のところコメントがない。裁判所は、重要なセキュリティ手段、という理由付けにも、同意していない。

【後略】

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

Facebook、 Apple MusicとSpotifyの曲をソーシャル共有できるMusic Storiesを発表

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今朝(米国時間11/5)、FacebookはMusic Storiesという新機能を発表した。この機能はユーザーが未知の曲を発見し、友達と共有することを助ける。 簡単にいえば、Facebookにおける新たな記事投稿フォーマットだ。Music StoriesはApple MusicとSpotifyと連動しており、これらのサービス上の曲を簡単に記事として投稿できる。

ユーザーは両サービスから曲またはアルバムを選択すると、各曲の最初の30秒を試聴でき、さらにFacebookへの投稿として公開できる。

当初のソースの選択に応じて楽曲はApple Music〔TechCrunch記事〕ないしSpotifyからストリーミング配信される。楽曲を聞いたユーザーは、その曲を購入したり、それぞれのサービスのプレイリストなどに保存することができる。つまりApple Musicがソースであれば、リンクをクリックしてiTunesから曲を購入できるわけだ。またApple MusicまたはSpotifyの加入者であれば、曲をストリーミングで聞けるよう公開することもできる。

Facebookによれば、サポートするストリーミング・サービスの種類は現在の2種類にとどまらず、今後さらに増やしている計画だという。

Spotifyのグローバル事業開発の責任者、Jorge Espinelは「われわれはFacebookのMusic Storiesに参加できたことを喜んでいる。われわれのメンバーはSpotifyで新しい楽曲を発見しFacebookで友達と共有するのが大いに簡単になる。われわれが配信する曲がFacebookで話題にされるようになればSpotifyの利用も増えるだろう」と声明を発表した。

新機能は当面FacebookのiPhoneアプリからのみ利用可能となる。将来はAndroidなど他のプラットフォームにも拡大されると予想してもよいだろう。ただしAndroid版ではApple Musicのプラットフォームを問わないストリーミングはサポートされるが、iTunesストアからのダウンロードはサポートされないだろう。ただしFacebookは将来の計画について詳しいことを明らかにしていない。

音楽はFacebookがこれまで十分に力を入れていない分野だ。FacebookがMySpaceからSNSの王座を奪った時代からその傾向があった。逆にMySpaceは音楽分野、特に新しい音楽の発見機能では定評があった。スマートフォン上で定評がある有力な音楽ストリーミング・サービスと提携することは、ユーザーがソーシャル共有のために大量の楽曲を投稿することを促し、Facebookのトラフィックを劇的に増大させる可能性がある。

新機能は現在Spotifyが提供しているFacebook関連サービスとは異なる。Music Storyは特定の曲あるいはアルバムを新発見ないしお気に入りとしてFacebookの友達に推薦するものだ。その際、ユーザーはリンクを投稿するだけでなく、問題の楽曲に対する詳しい感想を述べることもできる。Music Storyは音楽に特化しているものの、本質的には一般のFacebookの近況投稿と同じものだ。

ユーザーはApple MusicまたはSpotifyで曲またはアルバムのリンクをコピーし、Facebookの近況ボックスに貼り付けるだけでよい。するとシステムが自動的に魅力的な楽曲のプレビュー画面を作成する。プレビュー画面には回転するレコードのアイコンまで表示され、他のユーザーが曲を再生するためにクリックできる。したがって一般の近況の投稿に対するのと同様、Music Storiesに対してもコメントができる。

Music Storiesはアーティストやバンドにとっても曲をプロモーションする有力なツールとなるだろう。すでにFacebookにアーティストのプロフィールや曲のページが掲載されている場合、相乗効果は大きなものとなる。SoundCloudやこの夏、Apple自身がMusicの一部としてスタートさせたConnectなどのように、音楽分野のソーシャル化も今後は急速に進展し、Facebookとの競争も激しくなるだろう。その際にMusic StoriesはFacebookに大きな優位性をもたらすかもしれない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Facebook、一日のビデオ視聴は80億回、4月の40億回から倍増

Facebookのビデオ視聴時間が飛躍的に伸びている。現在、5億人のユーザーが一日平均80億回ビデオを見ている。4月は一日当たり40億回だった。Mark Zuckerbergが、Facebookの爆発的な2015年Q3決算報告に続く投資家向け会見で発表した。

このデータはあまり正確とは言えないと主張する向きもあるだろう、なぜならFacebookはわずか3秒見ただけでも「視聴」として数えるからだ。しかし7ヵ月間で100%の成長は、測定方法の制約を差し引いても、ユーザーが貪欲にビデオを消費していることを示している。

仮に1回の視聴当たり3秒としても、Facebookは毎日760年分の視聴時間を生み出している。これはFacebookには、デジタルへシフトしつつあるテレビCM予算を呼び込む場所が山ほどあることを意味している。現在テスト中のビデオクリエーターとの収益分配が始まれば、さらに視聴を伸ばすチャンスが増える。

この最新データは、なぜFacebookが、ユーザーがビデオを発見した後、実際に視聴するように仕向ける実験を山ほど行っているかを説明している。同社はウェブおよびモバイルで、推奨ビデオのインターフェースをテスト中だ。そこではFacebookがユーザーについて知っている全情報に基づいて追加のビデオを推奨する。この個人データこそ、Facebookがビデオの発見に関してYouTubeより優位にある点だ。

Facebookは、友達がシェアしたりFacebookでトレンドになっているビデオを、チャンネル別に見られる専用ビデオフィードもテストしている。チームは私に、いずれこのインターフェースが、椅子にもたれてスマートTVでFacebookビデオを見るユーザー体験を可能にすることも考えていると話した。

他にテスト中なのがピクチャーインピクチャーで、ニュースフィードを閲覧しながらビデオを見続けることができ、後で見るためにビデオを保存するオプションもある。

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その一方で、Facebookは他のクリエーターのビデオを盗んでシェアする行為や人々に関わる大きな問題を解決しようと試みている。現在同社は、クリエーターが他人にアップロードされた自分のビデオをブロックしたり、場合によっては収益化できるシステムを開発している。

もし著作権問題が解決できれば、もっと多くの一流ビデオクリエーターを、Facebookがテストしていると先月話していた新しい収益分配プログラムに誘い込める。Mark Zuckerbergは今日の会見で、「ある種のコンテンツの中には、オーナーが報酬を得る良い方法さえあればFacebookにやってくる、というものもある … 最近われわれはこのためのビジネスモデルを発表した。

基本的にFacebookは、トップクリエーターからなる限定テストグループが作った特選ビデオを、同社の推奨ビデオとして見せている。もしこれらのビデオがユーザーをつなぎ止め、もっと多くのビデオ広告を見せられれば、Facebookは広告売上の一部をクリエーターに支払うことができる。

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ビデオは、Facebookの使命、ビジネスどちらの未来にとっても極めて重要な役割を担っている。

会社の目的は、ユーザー同志をつなぎ、彼らが気にかけていることをシェアする手助けをすることだ。今やビデオは一番のシェア方法になりつつある。それは携帯電話に強力なビデオカメラが付き、スマホやコンピューターのストレージ容量が増え、高速モバイルネットワークによってアップロードや閲覧が簡単になったことも理由だ。2005年頃に写真をサポートして成功したFacebookが、今度はビデオの波に乗ろうとしている。

そして収益に関して言えば、ビデオ広告は最も高い料金を約束する。それが与える強烈な印象は、広告主をFacebookに多大な宣伝費を払う気にさせる。もしFacebookがこうしたビデオをいきなりフィードに流せば、ユーザーは反発するだろう。しかし、ユーザー生成ビデオの視聴時間が伸び続ける今、Facebookはあまり波風を立てることなくそっと広告を挿入することができる。

COO Sheryl Sandbergは今日、150万社の中小企業がビデオをシェアしたと言った。その中には費用を使ってビデオを広告に変え、視聴を増やした会社もあるに違いない。そして、今年米国のユーザー1人当たり広告売上が50%増加したことを踏まえれば、ビデオ広告戦略は回っている。

最終的に、もしFacebookがビデオを見る目的地となり、人々が吸い込まれるように見に行く場所になれば、それは彼らの勝利だ。そうなればFacebookは、注目を奪おうとする他のビデオ中心プラットフォームからの攻撃を防ぐと共に、稼いだ金をビデオの後継、バーチャルリアリティー等の戦略に注ぎ込むことができるだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

好調Facebook、第3四半期売上は45億ドル―世界のユーザーは15億5000万を超える

2015-11-05-facebook-mau-2015

Facebookの成長は止まる気配がない。世界のユーザーは15億5000万人を超え、2015年第3四半期の決算によれば、売上はアナリストの予想を上回る45億ドルに達し、1株当たり売上は0.57ドルとなっている。直前の第2四半期の売上は40億4000万ドルだったから、11.3%アップの大躍進だ。

Facebookが毎月発表しているユーザー数は前年同期比で4.02%急増している。 成長率自体、 2015年第2四半期には3.47%だったから今期に入って急増したことになる。

先進国市場ではFacebookのユーザー数が飽和状態に近づいているという観測も出ていたが、途上国を中心に世界でまだまだ多くのユーザーを集めつつあることがわかる。

ウォールストリートのアナリストはFacebookの今期売上を43億7000万ドル、1株当たり売上を0.52ドルと予想していた。

Facebook DAU q3 2015

メディアの注目を集めるのはFacebookの総ユーザー数だが、ビジネスの状態をもっと正確に反映するのは毎日のアクティブ・ユーザー数(DAU)だ。Facebookの毎日のDAUは10億1000万人で、8月末は1億人だった。直前の第2四半期の月間アクティブ・ユーザー(MAU)は9億6800万人だったから、DAIUをMAUで割った値、つまり毎日Facebookを使う月間アクティブ・ユーザーの割合は65.1%ということになる。以前から変わらず続く「近頃のFacebookはださくなった」という大合唱にもかかわらず、大半のアクティブ・ユーザーは毎日Facebookをチェックしていることがわかる。

Facebookの今期のモバイル・ユーザーは13億9000万人で、第2四半期は 13億1000万人だった。 毎日のモバイル・アクティブ・ユーザーは8億9400万人(第2四半期は8億4400万人)なので、モバイル・ユーザーは今やFacebookの全アクティブ・ユーザーの78%を占めるという結果となっている。モバイル・デバイスのみでFacebookを使うユーザーは7億2700万人となっている。

いささか驚くべきことだが、売上をもたらす中心となっている市場、すなわちアメリカとカナダで、Facebookは400万人の新規ユーザーを獲得している。つまりFacebookはさまざまな観測とは逆に、北米市場で、これまでFacebookを使うのをためらっていた層や、高齢者、正規にFacebookを使える年齢に達したティーンエージャーなどの獲得に成功していることを示すものだ。

Facebook Ad Revenue

過去3ヶ月のFacebookの GAAP標準の純利益、つまり実質的純利益は8億9600万ドルで、これも直前四半期の7億1900万ドルを大きく上回っている。この四半期にFacebookがMessengerを強化してパーソナル・アシスタントを全ユーザーに公開する準備として人工知能のために巨額の投資を行ったことを考えると、利益額はいっそう印象的だ。決算の発表と同時に、時間外取引で、Facebookの株価は 2.3%ほど急上昇した。

Facebookが先端的テクノロジーの開発に力を入れながらもコストをコントロールできる能力を示したことで、市場は同社が人工知能や仮想現実といった未来的分野でもリードを続けられるはずだと確信を持ったようだ。

明るい決算発表の中で唯一、暗雲となり得る数字は、総売上に占めるサードパーティーからの支払売上の割合の低下が止まらないことだろう。これはゲームが急速にモバイル化するにつれ、一時Facebookの売上の大きな部分を占めていたウェブ・ゲームのプラットフォームが死滅しかけていることによる。ただしゲームの売上は第2四半期の2億1500万ドルから今期2億200万ドルに低下したとはいえ、Facebookの総売上の5%以下にすぎないので、さほど大きな懸念とはいえなのいだろう。

[アップデート:: D決算説明の電話会議で大きな発表があった。Facebookのユーザーはビデオを毎日平均して80億回再生しているという。今年4月時点では平均40億回の再生だったのでほぼ倍増したことになる。]

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全体としてみると、第3四半期はFacebookが長期的展望に立った戦略的投資に力を入れつつ、世界的に規模を拡大し、新たな収入源を獲得するのに成功した期間といえるだろう。Facebookは今期、
ショッピングビデオ視聴の面でテストに力を入れた。どちらのも将来、重要な収入源となるはずの分野だ。

また広告テクノロジーでCanvasという新しいフォーマットがテストされた。私はインスタント広告(Instant Ads) というネーミングが気に入っている。こうしたリッチ・コンテンツによるマーケティングはFacebookアプリのユーザーの広告クリック数をアップさせる効果がありそうだ。

今や11歳を迎えたFacebookだが、この決算発表を見ると、時の試練に立派に耐えたと評価できるだろう。

Facebook ARPU 2015 Q3

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Oculusファウンダー、「仮想現実の普及の最大の障害はインターネットのケーブル接続」と警告

2015-11-03-oculus

一見奇異な発言に思えるかもしれない。しかしよく考えてみれば当然の警告だ。読者の母親はインターネットに(煩わしく、時に危険でさえある)有線で接続している間は仮想現実の世界に飛び込むことはしないだろう。

Oculusのファウンダー、パーマー・ラッキー(Palmer Luckey)は仮想現実(VR)に関するSamsungとの提携のイベントでそのことを警告した。つまりモバイル化がVR普及のカギになるという。

Oculusから発表された最新のガジェットは好評で、TechCrunchのJosh Constine記者はこう書いた。

新しいOculus Gear VRは従来より22%軽く、装着感もずっと良い。ヘッドセットのトラックパッドはこめかみ辺りに来るが、これも位置が適切だ。ユーザーが自然に指を伸ばすとトラックパッドにタッチすることができる。

Oculusのファウンダー、Palmer Luckeyは今日(米国時間11/1)、 伝統的パソコン対モバイルVRの問題について:こう述べている。

〔今後長期間にわたり、ケーブル接続はVRビジネスにとって普及の最大の障害になる。パソコンがモバイル接続にならなければモバイルVRの成功もない。〕

〔VRのソフト、ハードを開発するときは、ユーザー行動の限界を認識することが必須だ。本当のユーザーはケーブル接続を楽にしてくれる都合のいい奴隷など持っていない。〕

〔長年にわたって奴隷となってケーブルをさばき、VRの実現に努めてきた私が言うのだから間違いない!〕

実は私〔Olanoff記者〕はこの問題に関して仮想現実ビジネスのリーダーたちと幾度も話し合ってきたが、これは全員一致の意見だ。VRをメインストリームに持ち込もうとしてGoogleは段ボール製のVRセットを配ったり、SamsungはGear VRを製作したりしている。パソコンに有線接続されたVRは無線接続の場合より強力だ。しかしGear VRを利用した体験からしても VRはモバイル接続の方がはるかに快適だ。私はOculus devkit以外のデバイスでVRを体験しようとは思わない。

もちろん私は熱狂的なゲームファンではない。ゲームに関してはソニーが開発中のPlaystation VRが重要だろう。このあたりは古典的な「ニワトリが先かタマゴが先か」問題となっている。

しかし仮想現実がメインストリームに受け入れられるためには、モバイル化はやはりカギだ。現状では一般ユーザーはVRヘッドセットを装着してみて「おお、いいね」などと感心するものの、5分も経てばデモの体験は忘れられてしまう。こうした反応を示すのがLuckeyの言う「本当のユーザー」だ。VRはこういうユーザーが自発的に戻ってきて継続的に利用してくれるようにならなけれいけない。

デベロッパー、投資家ともにLuckeyが指摘した点が、VRデバイスをデザインする上でも大量生産の立ち上げに投資する上でも重要だということを認識する必要がある。この無線化をリードするのは、個人的にはLuckeyが創業し、今やFacebookの傘下にある Oculusではないかと考えている。

画像: n/a/Flickr UNDER A CC BY 2.0 LICENSE

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+