建設現場の空撮ドローンのSkycatchが1320万ドルを調達―クライアントにはベクテルも

ドローンは遊びにも配達にも軍用にも使える。ではその他に何に使えるだろう? それがChristian Sanzという起業家が数年前に取り組んだ疑問だった。さまざまな可能性を試した後、Sanzはある分野でドローンの需要が間違いなく高いことを発見した。建設現場のデータ収集だ。Sanzのスタートアップ、Skycatchはこのほど新たに1320万ドルの資金調達に成功した。

私の取材に答えてSanzは、「この分野の可能性に気づいたのは、私がドローンのプロトタイプを大勢の聴衆にデモしたとき、ある建設関係者が現場の空撮をしてくれないかと言ったときだ」と語った。

この建設業者はSanzにいろいろな空撮業務を依頼し、料金を支払うと申し出たが、Sanzは開発のために無料で撮影した。建設や土木の工事現場では通例、設計段階での1回の空撮写真しか得られない。運が良ければ数ヶ月ごとに追加の空撮が行われる。

Sanzが提供するサービスでは、ドローンの編隊を駆使して、工事の進捗状況を頻繁に空中から撮影する。なんらかの異常があれば早期に発見でき、莫大なコスト削減につながる。

それにミスを発見するだけではない。工事現場に関してこれまでは得られなかった膨大な情報が蓄積できる。 センサーとカメラを搭載したドローンは工事に関するあらゆる情報を正確に記録できる。

SkycatchはすでにBechtel、Bouygues、Rio Tintoなどの世界的エンジニアリング企業を始めとして数多くのクライアントを獲得している。契約上、社名を明かせないクライアントも多いという。Skycatchのドローンは現場上空から2Dと3Dの写真を撮影するが、この飛行は予めプログラミングされた経路に沿って自律的に操縦され、自動的に発進場所に帰ってくる。風の状態にもよるが、1回、最長30分の飛行が可能で15GBのデータが取得できる。

今回の資金調達でSkycatchは既存ビジネスの強化と同時に、高高度に長期間滞空できる新しい無人機の開発も計画している。こうした長期滞空タイプのドローンはGoogleとFacebookのドローンによるインターネット・アクセス・ポイント提供計画で用いられるものと類似している。私は「この分野には手強いライバルが多いのではないか?」と尋ねたが、Sanzは「まだ現実にはそこまで行っていないし、将来は商業航空機の飛行高度以上からの情報収集ドローンに関しては多くの企業が共通の通信チャンネルを確立するなどして協力していくものと思う。単なる競争関係にはならないはずだ」と答えた。

Skycatchはビッグデータの収集、解析とドローンという2つの未来的な要素を結びつけたところにビジネスを成長させようとしている。 これまでの建設プロジェクトでは、ビルや橋が崩落して始めて重大なミスがあったことに気づいていたが、Skycatchのようなサービスを利用すれば問題の発生と同時に直ちに正確な情報が取得できる。言い古された表現だが、Skycatchの成長の可能性は「青天井」だ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


活発な動きを見せる国内家族向けSNS–「KiDDY」運営のCompath Meが5000万円調達

最近では「Snapchat」や「Secret」「Wisper」といった匿名やクローズドなコミュニケーションサービスの話題を聞くことが多いが、日本では今、「家族」に限定したコミュニケーションサービスの動きが活発だ。TechCrunch Japanでも、ここ3カ月の間にTIMERSの「famm」やウェルスタイルの「wellnote」などを紹介している。

実はこの領域、国内の事業者に聞いてみると、海外の競合サービスとして名前が挙がるのは「23Snaps」くらい。国内では、デファクトスタンダードたる立ち位置となっているサービスはまだないようだが、各社ともに着実にユーザーを集めているという。

そんな国内のプレーヤーの1つで、家族向けSNS「KiDDY」を展開するCompath Meが5月29日、ベンチャーユナイテッドの運営するファンド「DACベンチャーユナイテッド・ファンド1号投資事業有限責任組合」を割当先とした約5000万円の第三者割当増資を実施したことをあきらかにした。今回の増資をもとに開発体制の強化と海外対応の強化を図るとしている。同社はこれまでにOpen Network Lab、DGインキュベーション、アーキタイプ、BEENOS(旧ネットプライスドットコム)などから出資を受けている。

KiDDYは、夫婦や親戚で育児の記録や子どもの写真を共有できるサービス。写真はクラウド上に保管されており、安全にデータを管理できるという。毎月最大5枚までの写真を指定して、1枚のポストカードにして自動で郵送してくれる有料オプションや、最大30枚の写真を指定してアルバムを作る有料サービスなども展開している。このリアルなポストカードやアルバムの提供が現在のマネタイズポイントとなっている。

2012年12月にクローズドベータ版サービスを公開。現在は5万の家族が利用しているという。実は国外のユーザーも多いそうで、現在日本語と英語にのみ対応しているが、欧州の言語への対応ニーズなどは比較的高いという。実はポストカードの販売も海外対応しており、アルバムについても今夏には海外対応する予定だそうだ。

WAU(週間アクセスユーザー)は30%ほどで、1家族あたり1日5枚までの投稿に制限されているが、これまでに300万枚の写真がアップされている。「KiDDYはデータのストレージのハブになる。よくほかのサービスでも代用できると言われるが、実は家族に特化して、かつ簡単な操作のサービスはそうはない。KiDDYのユーザーの3割以上がFacebookもLINEも使っていないユーザーだ」(Compath Me代表取締役社長の安藤拓道氏)

海外も含めてサービスの好調ぶりを語ってくれた安藤氏だが、正直なところポストカードとアルバムの販売だけでビジネスでの大きな成長は難しいのではないだろうか。そう尋ねたところ同氏は、「ポストカードを一度でも利用してもらえば、アルバムの購入や(期間限定で展開していた)年賀状の印刷ニーズも高まる傾向にあり、ARPUで言えば数字は伸びている」と説明してくれた。
今後はポストカード以外にもオプション機能が利用できる有料プランの提供も予定しているほか、ユーザー数の拡大に合わせて広告やECなどの展開も視野に入れるとしている。


健在ぶりを誇るDrupal、その企業向けプラットホームAcquiaが$50Mを調達

DrupalのファウンダDries BuytaertがDrupalの企業利用の便宜のために立ちあげたプラットホームサービスAcquiaが今日(米国時間5/27)、New Enterprise Associatesが率いるラウンドにより5000万ドルを調達した、と発表した。これに、新しい投資家としてSplit Rock Partners、そして既存の投資家North Bridge Venture PartnersSigma PartnersInvestor Growth Capital、およびTenaya Capitalが参加した。NEAのゼネラルパートナーRavi Viswanathanが、Acquiaの取締役会に加わる。

AcquiaとDrupalの関係は、WordPress.comとオープンソースのCMS WordPressの関係にやや似ている。AcquiaもやはりDrupalの開発に関わっているが、WordPress.comほど大衆的なプラットホームではなくて、各分野のプロ、大企業、メディア、それにデベロッパなどが主なユーザだ。そういう意味ではAcquiaは、WordPress.comよりも、WebサイトプラットホームPantheonに似ている(ここはDrupalとWordPressのホスティングを提供)。

今日のラウンドで、Acquiaの調達総額は1億1860万ドルに達する。新資金の用途は、営業とマーケティング活動の拡大、そしてビッグデータマーケティングやエンゲージメントとコマースの個人化、とされている。これらの領域はDrupalの柔軟性が示されている分野であり、しかもAcquiaをベーシックなCMSで終わらせたくないという意欲の表れでもある。AcquiaのCEO Tom Ericksonによると、同社は、“弊社が提供するオープンなクラウドプラットホームによる総合的なデジタル体験により顧客がそのビジネスインパクトの最大化を図る”ことを期待する、と称している。

同社の現在のプロダクト系列には、高トラフィックなDrupalサイトやeコマースのサイト、マルチサイト展開、Drupalデベロッパのためのサービスなど、専門化された多様なサービスが含まれている。またAcquia Liftは、Drupalのサイトに高度な個人化サービスを提供する。

Acquia自身のデータによると、2014年の登録ユーザ数は前年同期比で55%増加した。

 

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


経営体制を一新するCerevo 人員を4倍に拡大してウェアラブルデバイスも開発へ

家電ベンチャーのCerevoが、6月より資本関係および経営体制を変更する。これまでCerevoに出資をしているイノーヴァ1 号投資事業有限責任組合、ネオステラ1 号投資事業有限責任組合、VOYAGE VENTURES、ならびに一部の個人株主が有する全ての弊社株式と、インスパイア・テクノロジー・イノベーション・ファンド投資事業有限責任組合の保有する優先株式をnomad代表取締役の小笠原治氏個人に譲渡する。

取得額や株式比率は不明だが、株式の3分の2以上を獲得することになるという。「岩佐さん(Cerevo代表取締役のの岩佐琢磨氏)と僕で会社の意思決定をできるようにする。既存株主としてはエグジットと言える額だと思う」と小笠原氏は説明している。またこれにあわせて取締役だった鈴木智也が辞任し、6月2日の株主総会の決議をもって小笠原氏が取締役に就任する予定だ。

Cerevoは今回の組織体制を機に開発体制を大幅に強化する。フロントエンドエンジニア、サーバサイドバックエンドエンジニア、電気回路設計エンジニア、組み込みソフトウェアエンジニア、デザイナーを中心に数十名を募集。Cerevoの社員は現在13人だが、2014年度内に50人体制にまで拡大する予定。さらに、今夏にも小笠原氏が設立する予定の20億円規模のハードウェアベンチャー向けファンドから資金を調達することを検討しているという。

小笠原氏はさくらインターネットの共同創業者であり、現在ではコワーキングスペースや飲食店運営、エンジェル投資家としても活躍する。2013年からは、ハードウェアスタートアップ向けの投資プログラム「ABBALab」なども展開している。

「今攻めないんだったらどこで攻めるんですか? という時期にきたと思う」Cerevo代表取締役の岩佐琢磨氏はこう語る。メイカーズムーブメントが起こり、ハードウェアスタートアップも徐々に増えてきた。また特に海外では、Kickstarterをはじめとしたクラウドファンディングでもハードウェア開発の資金が集まるようになってきている。これまで非常にニッチではあるが、世界的にニーズがあるという「グローバル・ニッチ」な家電を手がけてきたCerevoとしても、ここで組織強化をし、アクセルを踏んで事業のスピードを上げていきたいと語る。年内にはウェアラブルデバイスの開発にも取り組む予定だ。「みんなが欲しい物ではないが、ニッチな層ではものすごく欲しい製品になると思う」(岩佐氏)

今後Cerevoでは、自社製品の開発を進める一方で、これまで同社が得てきたハードウェア製造のノウハウを生かして、ハードウェアスタートアップ各社の開発支援なども手がける予定だという。


東南アジアのプリペイド式ケータイに注目した日本発スタートアップYOYO、グリーVやCAVから1.3億円を調達

携帯電話料金の支払いというと、多くの読者が口座引き落としをはじめとした「ポストペイド(料金後払い)」を思い浮かべるのではないだろうか。でも実は、携帯電話料金のポストペイドを採用している国は、世界全体の20%にも満たないのだという。残りの80%、つまり世界の大半はプリペイド(料金先払い)なのだ。

プリペイド式の携帯電話が最も流通している地域の1つが東南アジアだ。フィリピンでは96%、インドネシアでは98%のモバイルユーザーの端末がプリペイド式なのだという。タイでも全体の9割近い端末がプリペイド式だ。

このプリペイド式携帯電話が流通するマーケットに着目したスタートアップが、ディー・エヌ・エーを退職した2人の日本人起業家がシンガポールに設立したYOYO Holdingsだ。同社は5月21日、グリーベンチャーズ、サイバーエージェント・ベンチャーズ及びインキュベイトファンドを割当先とした総額約1.3億円の第三者割当増資を実施した。

YOYO Holdingsは2012年10月の設立。代表を務める深田洋輔氏とCTOの尾崎良樹氏は、いずれもディー・エヌ・エーの出身。

同社が提供するのは、プリペイド式携帯電話の通信料金を”報酬”としたリワードプラットフォーム「Candy」だ。Android、iOS向けのアプリをダウンロードして会員登録し、その後アンケートに回答したり、指定されたアプリをダウンロードすることでポイントが蓄積されていく。貯まったポイントは、プリペイドのポイントとして携帯電話にチャージすることができる。

3月にフィリピンでベータ版をローンチ。7月に正式版に開始した。現在、インドネシアとタイにサービスを拡大しており、ユーザーは10代後半から20代を中心に25万人にのぼる。

同社では今回の資金調達で、人材拡充やインフラ増強、マーケティング強化を図る。開発はフィリピン・マニラで行うとのことだが、人材に関しては、日本やフィリピンなど幅広く採用するとしている。また、スマートフォンアプリを使った新事業も展開する予定だ。

 


スマホゲームのアカツキが14億円を調達して台湾にも拠点設立


先日のSansanの発表以降も大型調達のニュースが続いている。スマートフォンゲームの開発を手がけるアカツキが、グロービスやリンクアンドモチベーションを引受先とした総額14億円の第三者割当増資を実施した。出資比率は非公開。この調達を契機に、開発体制の強化、テレビCMを含めた広告宣伝の強化、海外進出を進める。現在スタッフは約70人だが、来年をめどに倍近い130人まで拡大する。

アカツキは2010年6月の設立。共同創業者で代表取締役 CEOの塩田元規氏は、ディー・エヌ・エーの出身。同じく共同創業者で取締役 COOの香田哲朗氏は、アクセンチュアの出身。創業当初はGREE、Mobageのプラットフォーム向けにソーシャルゲームを提供してきたが、2012年後半には開発リソースをスマートフォン向けのネイティブゲームにシフト。現在テレビCMも展開している「サウザンドメモリーズ」は現在200万ダウンロード(CM効果もあり、2週間で70万ユーザーが増加。この時期の新規ユーザーは実数こそ聞けなかったが、アクティブ率も高いそうだ)。そのほかにもバンダイナムコゲームスとの共同タイトル「テイルズオブリンク」などが好調だという。売上高は非開示だが、4期連続での成長を実現しているとのこと。

海外展開については、6月をめどに台湾に子会社「「暁数碼股份有限公司(Akatsuki Taiwan Inc.)」を設立。香田氏が代表に就任する。子会社は日本法人の外部開発リソースという扱いではなく、企画から開発までゲームスタジオとしての機能を一通り持たせて、中国語圏へのゲーム展開の拠点とすることを狙う。

また今回の発表にあわせて、元IBM Venture Capital Groupパートナー日本代表で、勝屋久事務所代表の勝屋久氏が社外取締役に、元ミクシィ取締役CFOの小泉文明氏が非常勤監査役に就任する。小泉氏はメルカリ取締役を務めるなど、スタートアップ複数社の資本施策を支援しているという。先日メルカリが発表した14.5億円の調達にも関わった。

リンクアンドモチベーションが出資する理由は?

僕としては増資の引受先としてリンクアンドモチベーションの名前が挙がったのが意外だったが、これにはアカツキの理念が関係してくるのだという。

香田氏が「業績がよくても、『働いても幸せではない』なんてことがあるじゃないですか。そういうことにはならない会社にしたい」と語るとおり、アカツキでは幸せに働くためのオフィス環境整備、制度作りには相当力を入れているそうだ。夜になると、自社が契約する八百屋からサラダが届けられる「OFFICE DE YASAI」のような仕組みもあるそうだ。

そういった風土作りのために、同社はリンクアンドモチベーションから人材に関するコンサルティングを受けており、その中でリンクアンドモチベーションが2013年秋よりインキュベーションを手がけていることを知ったそうだ。香田氏は「人材についての考え方がシンクしたことが大きい。同社の執行役員がアドバイザーに入ることになるが、経営者の課題はやはり『人』なので、そこを一緒に考えてもらえることは大きい」と語った。


Twitterは音楽スタートアップのSoundCloudを買うべきでない[アップデート:買わないらしい]

TwitterがSoundCloudを買収しようとしているという情報が流れた。Re/codeのPeter Kafkaが両者に近い情報源から聞いたという。

SoundCloudは誰でもオーディオファイルをアップロードでき、誰でもストリーミングあるいはダウンロードして再生できるサービスだ。ユーザーは互いにフォローでき(この点はTwitterに似ている)、新人のDJやインディーバンドばかりでなく、大物ミュージシャンもプロモーションのためによく利用している。SoundCloudのビジネスモデルはアップロード、ダウンロード数の制限を外した有料のProアカウントだ。加えてスライドショー形式の画像やフォロー相手の推薦などのネーティブ広告も実験中だ。

SoundCloudはなるほど音楽版のYouTubeになる可能性がある。しかしそのことはGoogleの真似をしてTwitterがこのドイツのスタートアップを買収すべきだということにはならない。株式上場で得た20億ドルの資金の使い道ならもっと他にあるだろう。

[アップデート: ドイツのニュースメディア、SPIEGEL ONLINEが先ほど伝えたところでは、TwitterはSoundCloudを買収しないという。SPIEGELの情報源によれば、TwitterがSoundCloudの買収を検討していたのは事実だが、結局、断念したという。]

2007年の創立以来、SoundCloudはMyspaceが人気を失った後、その穴を埋める形で、セルフ・プロモーションを試みるミュージシャンに高い人気を得ている。2013年7月には登録ユーザーが4000万、非登録聴取者も加えれえば月間ユーザー数は2億人にもなると発表された。2013年10月には月間ユーザー数はさらに2億5000万人に達した。現在では3億人に近いものと推定されている。

SoundCloudは6000万ドルを調達した今年1月のラウンドで7億ドルと評価されている。Twitterが買収するならその額の何倍も支払う必要があるだろう。Twitterは上場によって市場から21億ドルの資金を調達したものの、依然として赤字だ。SoundCloudの買収はTwitterのキャッシュを大きく減少させる。

【中略】


Twitterは拡大の前に本業への集中が必要

私は何人もの音楽系テクノロジー企業のトップに取材したが、SoundCloudの買収がTwitterにとって必須である理由を説明できたものは誰もいなかった。

Twitterはすでに音楽分野への拡大を模索してきた。昨年4月、買収したWe Ar Huntedのテクノロジーをベースにスタンドアローン・アプリの#Musicを発表したものの、不人気のため今年3月にはアプリを取り下げている。音楽は生活の中で非常に重要だが、人々は必ずしもTwitterにそれを求めていないようだ。.

TwitterがSoundCloudを買収しても事情は変わらないだろう。SoundCloudはTwitterのような一般ユーザーの投稿によって成り立つソーシャル・メディアではない。SoundCloudのコンテンツは大部分がプロないしセミプロのミュージシャンによって作られている。

TwitterやVineでも著名ユーザー、インフルエンサーの影響力は大きいが、投稿のほとんどは一般ユーザーによるものだ。しかし一般ユーザーがSoundCloudに音源をアップしても誰も反応はゼロだろう。SoundCloudの圧倒的多数のユーザーはリスナーであり、マネタイズは非常に難しい。Twitterがミュージシャン向けにプロモーション・ツールを作りたいならSoundCloudを買収するより独自に開発する方がはるかに現実的だ。

これに対してInstagramを買収できていたら、Twitterは大量のユーザー投稿コンテンツと大量のPVを確保できただろう。しかしInstagramはとうにFacebookのバスに乗って出発してしまった。

一方でSoundCloud側にはTwitterの傘下に入ろうとする動機が十分にある。Twitterのネットワークを通して音楽をプロモーションし、Twitterのビジネス・チームの力を借りて収益化が図れるからだ。SoundCloudの現在のビジネスモデルでは株式上場を成功させるのは難しいだろう。私が取材した情報源よると、大手レコード会社はSoundCloudに対するライセンス条件を厳しくしており、おそらく一部のレーベルはSoundClouddを叩き潰すつもりだろうという。

そうであればこの時点で買収によるエグジットを狙うのは自然だ。だがユーザー数の急成長が示すとおり、この難局を生き延びることができれば大企業への成長も夢ではないかもしれない。

Twitterがもっと体力のある会社であればこの買収も意味があるかもしれない。YouTubeを買収したときGoogleはすでにAdSenseビジネスが軌道に乗っており、GmailとGoogleマップも初期の欠点を克服しつつあった。当時YouTubeは創業1年で調達した資金総額もわずか1200万ドルだった。それに引き換えTwitterはいまだにコア・ビジネスで安定して利益を出せるようになっていない。広告事業もすばらしいスタートは切ったものの、会社を黒字化させるのはまだ先の話だ。SoundCloudは創立7年で1億2300万ドルを調達している。なるほどSoundCloudは買収候補として有望な企業かもしれないが、現在のTwitter向きではないだろう。

今のTwitterはコア・サービスの充実に務める時期だ。特にまだフォロワーをもっていない新しいユーザーがTwitterを快適に利用できるように機能を強化する必要がある。Twitterは虎の子の資金をコア・サービスを改良できるような人材の採用や会社の買収にあてるべきだと思う。

[画像: Len Peters/Flickr via NHPR]

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


「マネタイズは来年以降に」–BASEがグローバル・ブレインから3億円調達、元ペパボ福岡支社長も参画

「当初は今夏にもマネタイズを始める予定だったが、2014年中は考えないことにした。市場自体がまだまだ大きくなる」——ネットショップ作成サービス「BASE」を手がけるBASE代表取締役社の鶴岡裕太氏はこう語る。同社は5月15日、グローバル・ブレインから約3億円の資金調達を実施したことを明らかにした。

「30 秒でネットショップを作ることができる」をうたうBASEだが、出店店舗数は楽天超えの(楽天は約4万2000店舗。もちろん性質も異なり単純比較はできないが)8万店舗を達成。月間の流通総額は非公開ながら、「すでに億単位にはなっている」(鶴岡氏)とのことだ。直近では大型のクライアントも出店をはじめたほか、百貨店とのリアルイベントを開催するなどしている。

しかし一方でマネタイズはほとんど進めていない。もちろん決済会社の手数料はユーザーから取得するものの、同社としてのサービス利用料などは取っておらず、オプションサービス群を提供する「BASE Apps」でもほぼ収益を出さずにサービスを提供している状況だという(余談だが、ブラケットの「Stores.jp」は、オプションサービスでも利益を出していると聞いている。世間で競合とは言われているが、ビジネスモデルは違うようだ)。

そのためBASEでは、当初2014年夏にも各種手数料やオプション、業種特化型のテンプレート販売などで収益化を検討していたとのこと。しかし今回の調達を決定して、この予定を2015年以降にずらした。2014年はサービス拡大のために注力するという。「マーケットにはいろんなプレーヤーががいるが、BASEを含めてみんな成長している状況」(鶴岡氏)。今後はBASE の開発やサポート人材の拡充、PRの強化のほか、多国語対応を進めて海外進出も視野に入れる。今回の増資に伴ってグローバル・ブレインの深山和彦氏が社外取締役に就任する。

またBASEでは、元GMO ペパボ取締役で福岡支社長の進浩人氏をCOO に迎える予定。鶴岡氏によると、進氏はネットショップ構築サービス「カラーミーショップ」やハンドメイド作品のCtoCプラットフォーム「ミンネ」など、GMO ペパボのEC関連事業の立ち上げを手がけてきた人物とのこと。


NagisaがDonutsから1億円調達、多ジャンルのアプリ提供で1億ダウンロードを目指す

スマートフォンアプリを続々とリリースするNagisa。同社は5月15日、Donutsを引受先とする1億円の第三者割当増資を実施したと発表した。

かつてはLINE対抗のメッセージングサービス「Balloon」などを手がけてきたNagisaだが、現在は複数の写真を組み合わせてスライド動画を作成する「SLIDE MOVIES」や日記アプリ「Livre」、カジュアルゲーム「49人目の少女」などアプリを続々と提供。現在までに累計500万ダウンロードを達成したという。4月単月で100万ダウンロードを達成するなど、急速な成長を遂げているという。

これらのアプリ群は、1つがずば抜けてダウンロードされているというわけではないが、それぞれディレクターとエンジニアの2人といった比較的少人数な体制で開発。SLIDE MOVIESで140万ダウンロードを達成するなどスマッシュヒットを続けているとのことだ。そのアプリ上で広告や課金をすることで「すでにプロフィッタブルな状況」(Nagisa代表取締役社長の横山佳幸氏)だという。

そんなNagisaだが、収益を成長のために投資に回し、さらに資金調達をすることで、人材採用や経営基盤の強化を図り、事業を一気に加速するとしている。「今後2年以内にAppStore、Google Playの全てのカテゴリーにおける上位にランクインできるアプリを企画、開発していき、『全てのスマホにNagisaのアプリを』というポートフォリオを組んでいく。LINEがコミュニケーションアプリを1つのプラットフォーム、ユーザープールにしているが、Nagisaはたくさんのアプリをユーザープールにしていく」(横山氏)。直近にはオフィス移転を決定し、現在20人体制のスタッフを一気に40〜50人まで拡大していくことを予定するほか、SNSやCtoC、ファッションEC、ゲームなど幅広い領域でアプリをリリースしていくという。今後は2016年3月末までに合計数1億ダウンロードを目指す。

Nagisaに出資するDonutsは、「暴走列伝 単車の虎」、「Tokyo 7th シスターズ」といったゲームや、10秒動画投稿コミュニティの「MixChannel」などを展開している。ランチを軸にしたマッチングサービス(現在は就職活動する学生向けにサービスを特化させている)「ソーシャルランチ」運営のシンクランチ買収でも話題になった。

シンクランチの共同創業者でもあり、現在Donutsの経営企画室室長兼ヒューマンリソース部部長を務める上村康太氏。出資の意図について「シナジーとIPOによるキャピタルゲインを狙う」と語る。上村氏は「ブーストなどの広告施策の効果が薄れてゆく中で、Nagisaのアプリが抱えるユーザープールは今度の新作ゲーム立ち上げのタイミングで大きな威力を発揮すると判断した」と続けるが、直近ではまず、ゲームに次ぐ主力事業として注力するMixChannelにおいて、NagisaのSLIDE MOVIESとの連携や他アプリを含めての相互送客などを進める。


カップルアプリ「Between」提供の韓国VCNC、グローバルブレインと500Startupsから調達

カップル向けアプリ「Between」を提供する韓国VCNCは5月12日、グローバル・ブレインおよび500Startupsから資金調達を実施したことを明らかにした。VCNCは2月にディー・エヌ・エー(DeNA)からも資金を調達したと発表しており、今回の発表でシリーズCの調達をクローズする。調達額は非公開だが、数億円とみられる。同社は今回の調達をもとに、API開発に向けた人材強化と、グローバル展開に向けた各国でのパートナー拡大を進めるとしている。

Betweenは、チャットや写真、カレンダーなどの機能を通じて、恋人と2人きりでのコミュニケーションを実現するアプリ。5月時点で世界730万ダウンロードを達成。400万ダウンロードを誇る韓国では、BetweenをプラットフォームとしたEC事業の展開も開始した。国内でも5月中にも100万ダウンロードを達成する見込みだという。

また最近では台湾でもスタッフを採用。そのほか東南アジアにも積極的にサービスを展開しているそうだ。シンガポールでは、この半年でユーザー数が約2倍になったという(ただし実数は非公開なので、2倍と言ってもどこまで大きいかというと判断がつかないところもあるが)。ともかく、今回の調達によって、すでに法人を設置している日本での展開を強化するほか、さらに米国市場も視野に入れていくという。

国内を見れば、同じくカップル向けアプリ「Pairy」を提供するTIMERSが、かねてから提供を公言していた家族向けアプリ「Famm」のティザーサイトを4月末に公開。そのユーザーの対象範囲をカップルから、家族にまで広げようとしている。VCNC Japan代表の梶谷恵翼氏にBetweenの今後について尋ねたところ、「家族向けのサービスとなると、また求められるものも違ってくる。まずはカップルのプラットフォームを作ることに注力する」とのことだった。


Instagramの「タグ」を利用にしたフリマサービスを米国で展開する10sec、藤田ファンドから1.6億円を調達

サイバーエージェントが3月に開催した「スタートアップ版あした会議」。これは、サイバーエージェント内で開催されているビジネスプランコンテストである「あした会議」のスタートアップ版となる。

書類と面接による事前審査を通過した創業2年以内のスタートアップに対して、サイバーエージェントの経営陣や子会社の経営者がアドバイザーとなり、2日間でサービスのブラッシュアップに取り組むというものだ。優秀プランには最大3億円の投資がなされるとされていたが、最終的に5社が投資検討の対象となり、うち2社への投資が発表されている。

1社目はファッションECアプリ「melo」運営のGorooに

まず1社目は、スマホアプリ「melo」を5月2日に公開したGorooだ。同社はサイバーエージェントから2000万円の資金を調達したことを4月25日に発表している。

Gorooの手がけるmeloは、大手通販サイトからネット展開のみの小規模ブランドまで、200以上のウェブサイトに掲載されている商品を横断して閲覧したり、お気に入りの商品を投稿したりできるというもの。興味を持った商品は、直接当該サイトにアクセスして購入することができる。10代から20代の女性にターゲットを絞ってサービスを提供する。

Goroo代表取締役の花房弘也氏は、「ネットで服を買うのが楽しくないのは『チャネルが限られている』という理由から。BASEやStore.jpのようなプラットフォームが登場し、個人で運営するような規模のファッションサイトは今後増えると思うが、そういったサイトが食っていけるような世界を作りたい」とサービスへの思いを語る。今後は各ECサイトへの送客トラフィックを拡大し、ツール提供などでのマネタイズを検討する。

10secは「Instagram」をプラットフォームにコマースを展開

そして5月8日、スタートアップ版あした会議発のスタートアップとして2社目の投資先として発表されたのが、10sec(旧Instamall)だ。同社はサイバーエージェントから1億6000万円の資金を調達した。ちなみに、今回の出資はサイバーエージェント代表取締役である藤田晋氏の名を冠した投資案件を指す「藤田ファンド」としての出資になるそうだ。実は藤田ファンドというのは、サイバーエージェント投資事業本部の投資案件の中でも、グロースステージのスタートアップへの大規模な投資に限定されているそうだ。これまでの実績で言えば、BASEやクラウドワークス、スマートエデュケーションなどへの投資がそれにあたる。

話を戻そう。10secの手がける「10sec」(現在米国からのみ利用可能)は、画像共有サービスの「Instagram」を利用してCtoCコマースを実現するプラットフォームだ。ユーザー登録をすれば、「#10sec」というハッシュタグを付与してInstagramに投稿した写真の商品を10sec上に出品して販売できる。投稿時に「○○$」とコメントを入力していれば、それがそのまま商品の販売価格として表示される。商品の購入には、出品者の指定の金額で購入する「Buy」と、値引きの交渉をして出品者がそれを受け入れた場合に購入できる「Offer」の2つの手段を用意する。出品者が価格を設定せずに出品した場合は、「Best Offer」と呼ぶ入札制度も導入する。サービスは現在手数料無料で提供しているが、将来的には出品者から10%の手数料を徴収する予定だそうだ。

安全な取引に向けて、エスクローサービスも導入。購入者が決済(stripeを採用)をしたのち、出品者が商品を送付し、出品者が受け取り完了の処理をする、もしくは送付から10日が経過した時点ではじめて出品者に入金がなされる仕組み。物流などは現在出品者に手段をゆだねるが、今後は自社、もしくはパートナーとともに提供する考えもあるという。

10secは、インキュベイトファンドが主催するインキュベーションプログラム「インキュベイトキャンプ 5th」の卒業生。インキュベイトファンド代表パートナーの赤浦徹氏を通じて、同社から合計2300万円の出資を受け、米国に限定して2013年11月よりほぼノンプロモーションでサービスを提供してきた。10sec「1年半ほど前から、Instagramで『#forsale』『#buy』といったハッシュタグを使ってフリマアプリのように商品を販売しているユーザーが居るのに気付いた。だがInstagramで写真を撮って出品しても、売買をサポートするツールもなかった」——代表取締役CEOの正田英之氏はサービス提供のきっかけについてこう語る。僕も確認したが、#forsaleタグがついた写真は270万件以上も存在している。

10secでは、今回調達した資金をもとにマーケティングと人材採用を進める。すでに設立済みの米国子会社にマーケティング担当者を置くほか、サービスを開発する日本法人のエンジニア採用を進める。また、5月にはiOSアプリをクローズドベータ版として公開。6月から7月頃の正式リリースを目指すという。同社では当面米国でサービスを提供するとのことで、日本でのサービス展開については「すでにメルカリやLINE MALLもいるレッドオーシャン、そのまま勝負をすることはない」(正田氏)とのことだ。

ところで、サイバーエージェントとしては、日本でサービスを展開せず米国でのみサービスを展開するスタートアップに投資する意義はあるのだろうか? サイバーエージェント投資事業本部 本部長の宮崎聡氏は「どこで事業を展開するかは意識しておらず、グローバルでやった方が伸ばせる座組みなのであれば、そんな会社に出資する。資金を用意してアクセルを踏めばユーザーを取れるのであれば、そこに資金とノウハウを注入したい。また、米国であれば、我々が子会社設立の時にぶち当たった壁も理解しているのでアドバイスできるし、ネットワークもある」と、語ってくれた。

同社が将来的に考えるのは、Instagramだけではなく、さまざまなソーシャルメディアと連携したCtoCプラットフォームの構築だという。たとえばFacebookもPinterestもタグを付与して写真をアップロードできるので、これをすべて10secの出品のプラットフォームにする。また逆に、10secに出品した写真をさまざまなソーシャルメディアに掲載して、10secへの集客を図るというものだ。もしこの構想が実現すれば、全世界のソーシャルメディアユーザーが、CtoCの出品者、購入者たりえる世界がやってくることになる。もちろんそのためには、クロスボーダーでの物流や決済など、課題もたくさんあるのだけれども。

正田氏(左)と宮崎氏(右)


ソシャゲのノウハウは採用に生かせる? CAVとANRIが投資するのはグリー初期メンバーが提供するHR向けサービス

ソーシャルゲームの成功に必要なことの1つはリテンション、つまりいかに既存ユーザーにゲームを継続して遊んでもらうかだ。そのためには、ビッグデータの解析をして、ユーザーの傾向に適した施策を検討することは重要だ。そんなソーシャルゲームで培ったテクノロジーでHR領域、特に採用の改革を進めるのがハッチだ。同社は5月8日、サイバーエージェントベンチャーズおよびANRIから、総額7500万円の資金調達を実施したことを明らかにした。

ハッチの設立は2013年8月。代表取締役の二宮明仁氏は、新卒でサイバーエージェントに入社して、19番目の社員としてグリーに転職。KDDIとの提携でスタートした「EZ GREE」のディレクションを担当。その後「クリノッペ」や「ハコニワ」、「海賊王国コロンブス」といったゲームに携わり、GREE Internationalの立ち上げにも参画。グリーが買収した米funzioの黒字化を進めたという人物。7年半のグリーでの経験を経てゲーム以外での起業を考えていたとのことだが、「新しい分野で業界の常識をひっくり返したいと思った。当初Edtech(教育×テクノロジー)をテーマにも考えたが、HR(人材)分野もテクノロジーオリエンテッドな会社が少ない。ここで今までのノウハウを生かせないかと考えた」(二宮氏)と、思いを語る。

同社が手がけるのは、HR向けのクラウドサービスブランド「Talentio(タレンティオ)」だ。機械学習やビッグデータ解析を基盤にした人材の管理ツールを展開していくという。その全体像については開発中の部分も多いということで詳細を聞くことができなかったが、4月より、コイニーやnanapi、フリークアウトなど一部の企業に限定して、採用の進捗管理機能を提供している。「データをきちんと蓄積して、スクリーニング、面接、といった人事担当者の作業を見えるようにする管理ツール。将来的には人材版のGoogle Analyticsといったようなものを作りたい」(二宮氏)。

採用の進捗管理や効率化では、すでにジャパンジョブポスティングサービスの「JobSuite」などがある。だがハッチでは、求職者と求人を募集する企業の両社にサービスを提供していくことを考えているようだ。求職者に対しては、自身の能力や才能をより発揮できる仕事やプロジェクトの発見を促し、ビジネスでのつながりを可視化するサービス。また企業に対しては、自社に最適な人材をより効率的かつ低コストで探し出し、採用・人事にまつわる様々なデータを蓄積し解析するサービスを考えているという。「求職者が自分の履歴や経歴を登録して、最適な仕事とマッチングできるようになる。また企業は、どういう人材が一番いい人材なのかといったことや、優秀な人材はどういったソースから来ているのかということが分析できるようになる」(二宮氏)。正直なところサイトが正式公開されていないし、僕も管理画面を1ページを見ただけなのでどこまでサービスが実現するのか分からないところがあるが、求職者から見れば「LinkedIn」のような機能が提供されることになるのだろうか。

同社では今回の調達をもとに、エンジニアの採用を実施。加えてインフラの増強やマーケティング強化を進める。また、サービスに興味のある企業の経営陣や人事限定でのサービス披露イベント「Talentio Secret Release Party」を開催する予定だ。


WordPressのAutomatticが大枚$160Mを調達, いよいよ垂直市場ねらいで利益基盤を強化か

WordPress.comとオープンソースのWordpressプラットホームを抱えるAutomatticが今日(米国時間5/5)、Insight VenturesやTrue Ventures、Chris Sacca、Endurance、Tiger Global Management、IconiqなどからシリーズCで1億6000万ドルを調達した、と発表した

WordPressにとってこれは、ニュースとして取り上げる価値のある大金だ。資金調達そのものが前回の2008年以来久しぶりだし、しかもそのときの額は“わずか”1200万ドルだった。その理由としてAutomatticのCEOでファウンダのMatt Mullenwegは曰く、“今年の初めにCEOになったとき、WordPressの資金状況が実は切迫していることが分かった”。

彼は、“一年前には、‘WordPressは健全であり、利益をあげており、成長も順調だから、新たに資金を調達する必要はない、うちは資金的に厳しい状況ではない’、と思っていた”、が、しかし今では違う見方をしている。

WordPressはこのところ、何かの節目に達しているようだ。一部のデータによると、同社は世界の上位1000万のWebサイトの22%が使っている(本誌TechCrunchも)。 でも今のWordPressは、数年前の使いやすいブログプラットホームから大きく成長して、本格的なCMSだ。

でも最初からCMSとして設計されたソフトウェアではないから、難しい側面もある。そもそもこのような、青虫から蝶への変身は、ユーザサイドで、デザイナーやデベロッパたちがWordPressにいろんな機能を付け加えていって、自然に起きたことだ。たとえば商用化されているWordPressのテーマも、2年前と今では相当違う。WordPressはそうやって、ユーザパワーで成長してきたのだが、それに伴って次第に複雑なソフトウェアになってきた。今ではこのプラットホームの上で、単純なWebページも作れるし、ユーザ数何百万というプロフェッショナルな、雑誌のような出版物も運営できる。

そのため今のWordPressは、そのほかのブログプラットホームとではなく、小企業向けのWebサイト構築ツール(Squarespace、Wix、Weeblyなど)と競合しなければならない。お仲間だったブログプラットホームの方は、TumblrやTwitterのような、より単純なプラットホームが人気になったため、やや影が薄くなっているが、Webサイト構築サービスの方は今も資金調達を積極的に行っている。WordPressも最近徐々に、レストランやホテル、学校、ミュージシャンなど、専門分野のサポートを始めているが、まだそれほど本格的に力を入れてはいない。たとえばバックエンドの特化や、これら垂直市場をサポートするための機能の導入などはやっていない。まあ、やっているのはテーマの提供ぐらいだ(各分野向けのテーマを提供していたのだから、これらの専門分野を完全に無視していたわけでもない)。

テーマなどで努力はしていても、これら専門的なユースケースを新しい収益源に育てることは未着手だ。WordPress.comの中心的な機能は、今でも無料だ。自分のドメインネームが欲しかったり、大量の画像やビデオをアップロードしたり、CSSのコードを変えるなどの場合だけ、料金が発生する。

しかし今回の巨額な資金を、同社の新たな利益基盤の構築のために使うことができれば、WordPressの経営体質はこれまでになく頑健になり、それこそ今後当分は新たな外部資金などいらなくなるだろう。基本的なフリーミアム形式は今後も維持されるだろうが、このプラットホームのいろんなところに、本格的な収益化に結びつけられるものがたくさん転がっている。とくに今後重要なのは、さまざまな垂直市場だ。彼らにテーマを提供するだけなのは、もったいない。

Mullenwegは、競合他社に対する同社のアドバンテージが、オープンソースであることにある、と信じている(他社は多くがクローズドソース)。オープンソースだからこそ、プラグインやテーマなどでユーザ貢献の部分が大きく成長したのだ。しかしそれと同時に、これだけ多様なユーザ層を満足させなければならない、ということが同社の大きな負担になってきた。Re/CodeのインタビューでMullenwegは、先頭走者の位置をキープし続けるためには、“イノベーションの継続が何よりも重要、うちの市場はものすごく大きいのだから”、と言っている。

今回の大きな資金によってWordPressは、元々料金を払える体質を十分に持っている各種垂直市場(企業など)への働きかけを本格化し、そういう取り組みをやっていない競合他社(ブログプラットホーム~Web構築~CMS)を、大きく引き離すことができるだろう。

画像クレジット: Flickr/mkhmarketing; CC 2.0 licenseのライセンスによる。switch up

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


スマホゲーム動画の録画共有を実現するKamcord、DeNAとKLabが出資して日本進出を支援

YouTubeのチャンネル登録数を見ると、実は「ゲーム」カテゴリの登録が7924万人と、音楽(8578万人)に次いで多いことに気付く。

その動画の中には、PCゲームから家庭用ゲーム機、モバイルゲームの攻略動画から解説動画まであるのだが、1つのジャンルとして、モバイルゲームのプレイ動画がアップされているのに気付く。そのモバイルゲームのプレイ動画を録画し、共有するという仕組みを提供するのが、Y Combinator出身の米Kamcordの「Kamcord」だ。

同社は、モバイルゲーム向けのSDKをゲーム開発者に提供している。このSDKを組み込んだゲームでは、ゲームのプレイ中にバックグラウンドで動画を録画。ゲーム終了後などにその内容を即座にKamcordのプラットフォームやソーシャルメディアに投稿できるようになっている。導入デベロッパーは160以上、導入ゲームは200以上、Kamcordを通じてネット上に投稿された動画数は、合計20億件に上るという。国内でも、バンダイナムコゲームズやコロプラをはじめとしたデベロッパーがすでに導入している。投稿された動画が視聴、共有されることは、新規ユーザーの獲得やリテンション(利用継続)といった観点で強力なツールとなる。

そんなKamcordが米国時間5月1日に、TransLink Capitalなどから合計710万ドルに上る資金調達を実施したことを明らかにした。その中には国内のディー・エヌ・エーKLab Venturesも含まれている。両者の出資額は非公開。

まだ具体的な取り組みは明らかにされていないが、DeNA、KLabの両社は今後、Kamcordの日本およびアジア進出をサポートしていくようだ。すでに両社で提供するモバイルゲームの一部にはSDKの導入が開始されているそうで、今後は検証のほか、国内デベロッパーへの導入を進めていくという。

実はKamcordの競合サービスである「Everyplay」を提供するフィンランドのApplifierが3月、Unity Technologiesに買収されたばかり。今後開発環境にUnityを選択した場合はEveryplayがバンドルされることになるが、KLab Venturesの楠田雄己氏は「KamcordがEveryplayの2倍のリテンションを記録した事例もある。バンドルされているから使うのではなく、クオリティが重要」としている。なおKamcordの収益化だが、当面は検討していないとのこと。「まずはデベロッパーに導入されないことには始まらない」(楠田氏)


“リブセンス仕込み”のキャッシュバック付き賃貸情報サイト、運営会社が1億円調達

賃貸情報は4月22日、グローバル・ブレインが運営するグローバル・ブレイン5号投資事業有限責任組合を割当先とする1億円の第三者割当増資を実施した。

賃貸情報は2012年9月の設立。賃貸情報代表取締役の金氏一真氏は、司法書士からジャスダック上場のアスコットに入社し、不動産ビジネスを手がけていた人物。取締役副社長の遠藤彰二氏はリブセンスの創業メンバーで、祝い金(キャッシュバック)付きアルバイト情報サイト「ジョブセンス」の事業部長などを務めた後に独立。その後ブルームの共同創業者となり「ドリパス」をヤフーに売却するなどしている。

同社が2013年11月から展開している賃貸情報サイト「キャッシュバック賃貸」は、賃貸情報の掲載料を無料にし、成約時に情報掲載者に課金するという「成約課金」型のサービスだ。借り主であるユーザーは、成約時にお祝い金として1万円以上のキャッシュバックを受けられる。このキャッシュバックの仕組みを導入することで、運営側で成約情報を把握できるようになっている。またキャッシュバック金額は掲載者が設定することが可能で、金額が大きい物件情報ほど検索結果の上位に表示するようにしている。

掲載物件数は現在98万5000件。今後は仲介会社のシステムとのつなぎ込みを完了すれば常時200万件程度まで物件情報は増える見込み。

”リブセンス仕込み”のビジネスモデル

賃貸情報サイトとといえば、ネクストの「HOME’S」、リクルート住まいカンパニーの「SUUMO」などが大手だが、それぞれ課金の方式が違う。SUUMOでは、掲載自体に課金する「掲載課金」、HOME’Sも以前は掲載課金だったが、現在は掲載自体は無料だが問い合わせがあった場合に課金する「反響課金」という課金モデルを採用している。

掲載課金であれば予算によって掲載できる物件数に限りがあり、その効果を計測することも難しい。そこでHOME’Sが採用したのが反響課金。だが反響課金で掲載数が増えたとしても一部の物件に問い合わせが集中するなどの不都合が起きる。それに対して成約課金は実際に成約した場合にのみ費用がかかるため、もっとも効率がいいという。ただしキャッシュバック金額によって表出順位が変わるため、どういった物件の注目度を上げるかなどは考えないといけないだろう。

「不動産は成功報酬でやっている世界なのに、広告は先払い。先払いの広告を排除するのは、不動産仲介業の悲願」とまで金氏氏は語るが、実際のところ、既存の事業者は相当数の営業マンを抱えていることもあってすぐにビジネスモデルを変更できないこともあり、成約課金にするのは難しいようだ。このあたりはジョブセンスを開始した当時のリブセンスとリクルートの関係にも通じるところがある。

なおこのキャッシュバック賃貸、現在6割のアクセスがモバイルからということもあり、今後はスマートフォン版の開発に注力していくそうだ。


グロースハックツール提供のKAIZEN platformが500万ドルを調達、海外進出に積極投資

KAIZEN platformは2013年設立でもっとも注目の集まったスタートアップの1社だろう。同社の手がける「Plan BCD」は、異なるユーザーインターフェース(UI)のウェブページを用意し、ユーザーの反応をもとにコンバージョン率の改善などを図るA/Bテストを実現するサービスだ。

自らページを用意するだけでなく、登録するグロースハッカーにページのUI改善を依頼できるのが特徴。その詳細はTechCrunch Japanでも「グロースハッカーごとサービスで提供――、日本発の新A/Bテストの『Kaizen Platform』」「A/Bテストの「KAIZEN platform」がグーグルとグリー出身者を要職に起用して海外展開へ」として紹介してきた。提供から半年でのエンタープライズ版の導入社数は30社以上。2013年11月リリースのオンライン版は提供から4カ月で世界15カ国500社に導入されているという。

Plan BCDのイメージ

そんな同社がFidelity Growth PartnersJapanとグリーベンチャーズから総額500万ドルの資金調達を実施したと発表した(グリーベンチャーズはシードラウンドからの追加投資となる)。

同社では今回の調達をもとに、かねてから発表されていた海外進出を本格化。米国サンフランシスコとニューヨークの両地域にてマーケティングを強化するという。「日本のビジネスは拡大基調。少なくとも日本のマーケットはできてきたので、海外でのセールスを強化していく。米国ではクライアントの獲得と合わせて、デザイン会社、グロースハッカーとの提携を進める」(創業者兼CEOの須藤憲司氏)

調達にあわせて、今後は須藤氏が海外事業の立ち上げに注力する。初夏をめどに、拠点も米国に移す予定だ。国内については、グーグル日本法人で広告営業部門を立ち上げた経験もある小川淳氏が、カントリーマネージャーとして統括する。なお、KAIZEN Platformは日本人チームによる創業だが、当時より海外進出を想定していたため、米国に登記している。

戦える500人のグロースハッカーが必要

実はこれまでPlan BCDを導入しているのは、グロースハッカーやデザイナーを社内、プロジェクト内に抱える企業が中心だという。Plan BCDの“キモ”とも言える外部のグロースハッカーへのクラウドソーシングは、品質管理も含めて一部の導入企業でテストの真っ最中だ。

同社ではこれまで国内のデザイン会社などにグロースハッカーの登録を促してきたが、「事業をやって分かったが『天然モノ』のグロースハッカーはいない。我々が『養殖』するしかない状況だ。根本的にはツールを使える人は少ないので外部のリソースが欲しい。日本も海外も人が全然足りない」(須藤氏)状況だという。

そのため今後は学校との提携や地方自治体と連携した人材教育なども視野に入れていくという。「戦えるグロースハッカーが500人いれば、相当な案件をさばけるようになる」(須藤氏)。また、クラウドソーシングによって得られる対価も「デザイン会社などでも、単なるサイトの受発注では単価が安くなるが、我々がやるのはコンバージョンの改善。比較するのが広告費やシステム費なので、1万、2万円の作業でなく、数十万円の広告と換算できる」(小川氏)と期待を寄せる。

左から小川淳氏、須藤憲司氏、瀧野論吾氏(写真は2月のもの)


14.5億円の大型調達を実施したフリマアプリ運営のメルカリ、米国進出へ

スタートアップから大手まで、各社が参入して競争に拍車がかかるフリマアプリだが、ウノウ創業者である山田進太郎氏が立ち上げたメルカリが、大型の調達を実施。米国でのサービス展開を進める。

メルカリは3月31日、グローバル・ブレイン、グロービス・キャピタル・パートナーズ(GCP)、伊藤忠テクノロジーベンチャーズ(ITV)、GMOベンチャーパートナーズ(GMO-VP)などを引受先とした第三者割当増資を実施し、14億5000万円を調達したことを発表した。今回の発表に合わせて、2013年末より参画していた元ミクシィ取締役の小泉文明氏が取締役に、GCPの高宮慎一氏が社外取締役に就任する。

また、米国に子会社を設立。取締役でRock Youの創業者である石塚亮氏が赴任する。開発は当面国内に集中し、米国ではマーケティングやカスタマーサポートなどの体制を整えるとしており、早期のアプリリリースを目指す。「法律面も含めて複数の弁護士に話をしているところ。米国では夏までにアプリを出したい。UberやAirBnBなども広義でのCtoCサービス。どちらかと言うと(法律面で)きれいにするのに時間かかっているが、市場としては日本の4〜5倍はあるはず。もちろんそんなに簡単ではないが、米国の次はヨーロッパ、その先にはアジアやクロスボーダーな取引にも挑戦したい」(メルカリ代表取締役の山田進太郎氏)。人材についても、石塚氏のこれまでの人脈などを通じて「アンオフィシャルなものも含めて数十人とは会っている。普通の日本の会社に比べるとAクラス、Sクラスの人々にアクセスできている」(山田氏)という。

すでに国内最大規模に——競合の参入には「歓迎」

メルカリは、2013年2月の設立(当時の社名はコウゾウ)。7月にフリマアプリ「メルカリ」を公開した。これはスマートフォンのカメラで撮影したアイテムをそのまま出品できるアプリだ。商品を販売した金額は、メルカリ内での商品を購入するポイントとしても利用できる。現在アプリのダウンロード数はiOS、Android合わせて150万件以上。地方の20代女性の利用を中心に、1日の出品数は数万件、流通総額は月間で数億円となっている。フリマアプリの事業者は、各社とも流通総額などを公開しておらず、メルカリも“数億円”という表現にとどまっている。だが、競合と比較しても「推定ではあるが、国内最大級だと考えている」と山田氏は語る。僕が業界関係者らに聞いたところでも、「大きなサービスでも月間の流通総額は数億円前半ではないか」という回答が多い。ちなみにヤフーの「Yahoo! オークション」は月間流通総額500億〜600億円と言われているので、まだまだのびしろは大きいだろう。

最近はLINEも「LINE MALL」でフリマアプリに参入している。これについて山田氏は「若干怖いが、僕らとしては市場が盛り上がればいい。プッシュ(通知)をフックにユーザーを集める企画(チャンスプライス)なども、LINEのDAUを考えれば理にかなっており、よくできている」と語る。市場全体については、「消費増税も追い風。いいものを安く買いたい、使えるものを誰かに渡したいとは思うが、これまでのオークションでは敷居が高い。そのハードルを下げていければもっと使ってもらえるのではないか」(メルカリ取締役の小泉文明氏)と期待を寄せる。

なおメルカリでは、出品、販売、落札の手数料を「当面無料」としており、落札代金の振り込みのみ有料としているが、今後もこの施策を続けていく予定だという。「今は市場拡大の時、短期的に収益を求めるわけではない。とはいえ社員も30人ほどいる。今回の調達は、厚めに資本を持って市場を開拓していくための施策だ。最終的にはどこかのタイミングでで有料化するつもりだ」(山田氏)

メルカリ代表取締役の山田進太郎氏(右)と取締役の小泉文明氏(左)


GunosyにKDDIが推定12億円の大型出資–社外取締役に元Facebook森岡氏

先日からスタートアップ界隈で話題になっていたニュースアプリ「Gunosy」開発元であるGunosyの大型調達。これまで資本準備金を含めて4億3758万円だった資本金が、2014年に入っていつの間にやら16億3758万円に変わっており、その差額12億円の増資がなされていたというものだ。

詳細が明らかにされていなかったこの大型調達が、ついに発表された。また、今回の出資はKDDIがグローバル・ブレインとともに手がけるコーポレートベンチャーファンド「KDDI Open Innovation Fund」ではなく、KDDI本体からの投資である。なお、Gunosyのバリュエーションは投資後で80億円程度と見られる。

また、今回の調達にあわせる形で、元Facebook日本副代表で現在はKDDI新規ビジネス推進本部 ビジネス統括部 担当部長を務める森岡康一氏が、1月にGunosyの社外取締役に就任している。


Business Insiderがジェフ・ベゾスらから1200万ドル調達―評価額が1億ドルでもおかしくない12の理由

Business Insiderが先ほど1200万ドルの資金を調達したと発表した。Ruetersの報道によると、会社評価額は1億ドルだったという。今回のラウンドかの有名なジェフ・ベゾス、RRE Ventures、IVP、Jim Friedlich、WallStreet Journalの発行人、Gordon Crovitzらがリードしたという。

私の見るところ、1億ドルという評価額はさほど高すぎはしない。なぜなら―

1. Aolが〔TechCrunchとEngadgetを〕売りに出している噂が流れたときの価格が1億ドルだと言われた。

2. Business Insiderの2013年の売上は2000万ドルで、評価額はその5倍ということになる。Aolが2011年にHuffington Postを3億1500万ドルで買収したときの売上倍率は6倍だった。

3. インサイダー取引で捕まった証券トレーダーがスタンフォードのMBAを剥奪されたというスクープをしている。

4. 傑作なツイートをするゴールドマン・サックスの幹部 @Goldmansachselevatorが寄稿している。

5. Nich Carlsonがビジネスクラスで中国に飛んだときの詳しい体験記。

6. CarlsonはまたMarissa Mayerについてもたいへん面白い記事を書いている。.

7. われわれのカンファレンスでの講演者を探すとき私はよくニューヨークのシリコンアレーの100人のスライドショーをぐぐってみる。.

8. カテゴリーが豊富

9. マーク・アンドリーセンがニュースメディアの未来だと評した。

10. マーク・アンドリーセンが投資家の一人(今回のラウンドには参加していない)

11. ヘンリー・ブロジェットはドットコム・バブル時代に証券詐欺の疑いで証券業界から永久追放処分を受けた。その経歴を考えると、人生はやり直しができると力づけられる。

12. ヘンリー・ブロジェットはいくら攻撃されてもDGAF〔Don’t Give A F**k=蛙の面に小便〕である。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


人気独占のWebサーバNginxが有料版充実のためにシリーズBで$10Mを調達

最近ますます人気が高まっているWebサーバNginx(エンジンX)が今日(米国時間10/15)、New Enterprise Associatesが指揮するシリーズBのラウンドにより1000万ドルを調達した、と発表した。今からちょうど2年前の、シリーズA(300万ドル)のときの投資家e.ventures、Runa Capital、MSD Capitalのほか、BoxのCEO Aaron Levieもこの投資に参加した。

NginxのCEO Gus Robertsonによると、この新たな資金はモスクワにいる同社のメインの技術者チームを拡張し、オープンソースのサーバであるNginxの開発を続行していくために使われる。さらにこのほか、サポート体制の一層の充実と、同社の商用顧客向けツールの構築努力の拡大にも充てたい、という。今15名の社員を、2014年には50名とする予定だ。

Nginxが商用バージョンを立ち上げたのは8月だが、すでにそのNginx Plus製品を利用する有料ユーザは100社を超えている。Nginx Plusは、アプリケーションの健康チェック、モニタリング、ロードバランサなど、オープンソースバージョンにない高度な機能を提供する。有料顧客は、エンタテイメント、eコマース、教育、旅行、レジャーなど、さまざまな業界の企業だ。Robertsonは、彼らの多くが単にWebサイトを動かすだけでなく、APIの提供にもNginxを使っている、と力説する。

Nginxには活発なコミュニティがあるが、基本部分の開発はほとんどNginxの内部で行われている。一方コミュニティは、サーバのインストールやメンテナンスでユーザを支援することが多い。しかし、今では商用ユーザもおり、彼らはそういうサポートをNginxから直接受けたいと願っている。だからこそ今回、新たな資金を導入したのだ。

今現在、世界のトップクラスのサイト上位1000を動かしているサーバでもっとも多いのは、ApacheでもMicrosoft IISでもなくNginxだ。トップサイト10000でも、Nginxが最多になろうとしている。今Nginxが動かしているWebサイトの総数は1億2000万を超えており、しかもその数は、今でも急速に増えている。

画像: Schlüsselbein2007

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))