Microsoft、Windows 10の「侵入後」セキュリティーツールを発表

Microsoftは今日(米国時間3/1)、新製品、Windows Defender Advaced Threat Protectionを発表した。ネットワーク攻撃による侵入が起きた後、IT担当者がWindows 10マシンへの脅威を検出するためのツールだ。

これまでのセキュリティー戦略の殆どは、悪役をネットワークの中に入れないことに集中しているが、どんなに会社が注意していても、いつかは防御が破られハッカーが侵入経路を見つける、という割り切った考えもある。攻撃が高度になればなおさらだ。

「サイバー攻撃は益々厚かましくなっている。サイバー犯罪者はよく組織化され、国家が支援する攻撃、サイバースパイ、およびサイバーテロ行為の増加は憂慮すべき状況だ。最高の防御をもってしても、高度なアタッカーはソーシャルエンジニアリングやゼロデー脆弱性を利用して、企業ネットワークに侵入する」とMicrosoftのWindowsおよびデバイスグループ執行副社長、Terry Myersonが新製品を紹介するブログ記事に書いた

Windows Defender Advanced Threat Protectionでは、どのWindows 10端末を監視するかをIT専門家が決められる。新しいツールは、Microsoftが長年蓄積し今も集め続けているセキュリティー情報データベースであるSecurity Graphに基づく機械学習を使って、問題を探し出す。ネットワーク上のWindows 10マシンを、膨大なセキュリティーデータと比較する。もしシステムが異常を発見したら、IT担当者に通知を送り、管理者がさらに調査を進める。

Myersonによると、機械学習が扱うのは問題の確率であり、必ずしも何かが起きたという確実な兆候ではないため、システムは管理者に問題の可能性を伝え、管理者が対処方法を考える。例えば、悪質なボットネットに指示を与えることが知られているIPアドレスが、データベースに登録されていれば、システムはネットワーク上のWindows 10端末がこのIPアドレスをアクセスした時、IT担当者に連絡して会社が攻撃を受けたかどうかを管理者が判断できるようにする。

もし実際に攻撃があったと管理者が判定すれば、影響を受けたマシンを隔離するための行動を起こせる。Microsoftは、将来のバージョンでより高度な修復ツールを提供することを約束している。

この製品が、現時点でWindows 10端末のみのセキュリティーに特化していることは注目に値する。旧バージョンのWindowsには対応しておらず、広範囲なネットワークでこの種の侵入を検出することはできない。これは、Windows 10端末に、高度な脅威検出機能をもたらすものであり、包活的なセキュリティーツールではない。

同社は製品の開発に当たり、50万台の端末で早期限定テストを行ってきた。近々大規摸なテストが行われる見込みだが、Myersonは正確な日付を明らかにしなかった。

IBMが昨日、侵入後の活動を支援する一連の動きを発表したことも指摘しておくべきだろう。攻撃を防ぐことだけでなく、侵入後の計画と対処方法についても市場があることを、各企業は気付きはじめている。

今日の発表は、Microsoftが市場のその部分に進出する最初の試みだ。

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Microsoft、HoloLensのデベロッパー向け開発キット予約開始―実機を含めて価格は3000ドル、出荷は3月30日

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MicrosoftはHoloLensのデベロッパー向け開発キットの予約受付を開始する。今回の発表を機に、MicrosoftはHoloLens版Skypeと何本かのゲームソフトなどHoloLensの可能性をデモするアプリをいくつかリリースした。

開発キットはデベロッパーごとに1セットを注文できる。ただし当面は招待されたデベロッパーのみで、価格は3000ドル。アメリカとカナダのデベロッパーに製品が出荷されるのは3月30日からとなる。

またHoloLensについていくつか新たな情報が公開された。

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注意すべきなのは、今回はあくまでデベロッパー向けリリースで、消費者版の発表ではないという点だ。これまでMicrosoftはHoloLensアプリ開発に関心のあるデベロッパーと水面下でやり取りをしてきたが、いよいよ正式にデベロッパーを開発プログラムに招待する運びとなったようだ。最初に招待されるのは誰なのか、広報担当は詳しいことを明らかにしなかったが、デベロッパーは数回に分けてまとめて招待されるようだ。

まだHoloLensプログラムへの参加を申し込んでいない読者も今からでも遅くないので申し込んでみるとよい。今後のバッチで招待される可能性は十分にある。

さて大枚3000ドルをはたくと何が手に入るのか? HoloLensのデベロッパー・エディションのパッケージには、まずHoloLensの実機が含まれている。クリッカーと呼ばれるループに指を通してクリックするコントローラー、キャリングケース、ノーズパッド、オーバーヘッド・ストラップ、バッテリー充電器、それにマイクロファイバーの布も含まれる。HoloLensヘッドセットはコンピューターに接続されなくても独立で作動する。64GBのフラッシュメモリーと2GBのRAM(これは少々サイズが小さすぎるようだ)を内蔵する。ヘッドセットの重量は576gだという。

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Microsoftによれば、バッテリー駆動時間は2時間から3時間で待受時間は最長2週間だ。HoloLensは自然空冷なのでファンがうるさく回るということはない。Intel の32ビットCPUとMicrosoft独自のHPU(Holographic Processing Unit)ハードウェアを備える。

もちろんこれ以外に大量のセンセー、カメラが内蔵されている。HPUはHoloLensのセンサーが収集した情報を解析し、必要な映像をリアルタイムで生成する。

ディスプレイは16:9のHD2台で、230万画素の「ホログラフィック解像度」を備えるということだ。【略】

HoloLensのデモ・アプリとゲーム

MicrosoftのAlex Kipmanのブログ記事によれば、 HoloLensはUniversal Windows 10アプリであるという。つまりWindows 10で正常に作動する現代のアプリはすべてHoloLensでも表示される(ただしHoloLens固有の機能は利用できない)ということだ。

今回のリリースを機に、MicrosoftではHoloLensのデモのためにいくつかのアプリを発表した。当初からHoloLensのデモに使われてきたSkypeが含まれるのは当然とだが、今回HoloLensからSkypeを使うユーザーは自分の見ているものを普通のデスクトップ・パソコンを使っているユーザーとも共有できるようになった。

またいくつかのゲームも公開された。

FragmentsはAR/VRのミックス・リアリティーの犯罪ドラマ仕立てで、舞台は「居間」だ。Microsoftによるとユーザーはこの部屋を歩きまわり、ソファに腰掛け、チャットができるという。

もう一つのゲームはYoung Conkerというプラットフォームで、ユーザーは自分がいる場所をベースにユニークなゲームを作成できる。どちらのゲームもAsobo Studioが開発した。

これに加えてMicrosoftは近くRoboRaidというゲームもリリースする。ユーザーは(もう見当がついただろうが)自宅をロボットの襲撃から守る。またHoloStudio 3Dモデリング・ツールや世界の絶景を360度パノラマで体験できるHoloTourも公開されるという。夏には「誰でもユーモラスで感情移入ができる3Dビデオ」を作れるActiongramのリリースも予定されている。

残念ながらHoloLens版のMinecraftに関する新情報はない。

HoloLensは私が久々に興奮して期待しているMicrosoftの製品だ。これまでのところは非常によくできたデモというレベルだったが、いよいよデモの世界を出るようだ。HoleLensが現実の環境でどんな能力を発揮するのか楽しみだ。

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Red Hat Enterprise LinuxをMicrosoftがAzureでサポート、二社合同サポートを提供

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Microsoftが今やRed Hat Enterprise Linuxのライセンスを売っている。今日(米国時間2/17)からは、Red Hat Linux Enterprise(RHLE)をAzure Marketplaceからデプロイでき、それのサポートをMicrosoftとRed Hatの両方から受けられる。

それに加えて、Microsoftの今日の発表では、Azure MarketplaceでBitnamiのイメージを提供し、またWalmartの(そう — あのWalmartの)オープンソースのアプリケーションライフサイクル管理プラットホームOneOpsをサポートする。これまでOneOpsは、AmazonのAWSプラットホーム用のマシンイメージのみ提供していた。

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一つの文の中に’Microsoft’と’Linux’の語が並んで登場するのは、一部の人たちにとってショックかもしれないが、でもMicrosoftによると、今Azure Marketplaceにあるイメージの60%以上はLinuxベースだ。

Red HatとMicrosoftはこの前パートナーシップを発表し、それが今日のリリースに結実した。だから、Azureの上でRHELの仮想マシンを動かせることは、それほど意外でもない。

既存のRHELユーザーが、そのライセンスをAzureにポートすることも可能だが、しかし今では誰もがRHELのVMをAzure上で動かせる(基本的な仮想マシンの標準料金に加えてその料金がプラスされる)し、MicrosoftとRed Hatから完全なサポートを受けられる。

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Red Hatのビジネスアーキテクチャ担当シニアディレクターMike Ferrisと、MicrosoftのAzure事業マネージングディレクターCorey Sandersによると、両社はAzure上でRHELを選んだ顧客のサポートで、密接に連携している。Red HatとMicrosoftのサポート担当者が実際に一緒に座って顧客の質問に答えており、それは両社にとって、かつてなかったことだ。

FerrisとSandersは、両社のエンタープライズカスタマーベースがほぼ100%オーバーラップしていることを強調する。Microsoftはとくにハイブリッドクラウドのデプロイに力を入れているから、そういう顧客たちがオンプレミスとクラウドで同じオペレーティングシステムを使えるようにするのも、今や当然のことだ。

Sandersは今日の発表声明でこう述べている: “パートナーシップを発表した11月以来、これまでのRed Hatへの投資の成果をAzureにも持ち込みたいという顧客の要望が増えた。Azureは、パブリッククラウドのエンタープライズ級のサポートを提供しており、Red HatとMicrosoftのサポートエンジニアが文字通り一部屋に同席して、完全に統合化されたサポート体験を提供していける”。

RHEL 6.7と7.2のイメージがAzureの全リージョンで利用できる。例外は、中国と、Azureの合衆国政府プラットホームだ。

Red Hatとのパートナーシップの深化が今日の発表のハイライトだが、Bitnamiイメージの最初の集合の認定も、Azureの顧客に大きな柔軟性を与える。Microsoftによると、Azure MarketplaceでサポートするBitnamiイメージは今後数か月でさらに増えるそうだ。

 

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Microsoftの新機種、Lumia 650は199ドルのWindows 10スマホ

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Microsoftは昨年10月に、初めてWindows 10塔載のLumiaフォンを発表した。そして今日、同社は3番目でずっと低価格のモデルを発表した。

もし、昨年のLumia 950とLumia 950 XLを印象的 ― 「終っている」プラットフォーム上のスマートフォンとしては印象的 ― だったとするなら、今日発表されたLumia 650は、その廉価版であり、価格は199ドル ― 950、950 XLのそれぞれ 549ドルと649ドルよりはるかに安い。

その199ドルで手に入るのは、5インチのOLEDスクリーン、8メガと5メガピクセルの前面および背面カメラ、およびQualcommのSnapdragon 212で、Microsoftの電話とPCをつなぐ ‘Continuum’ 機能には対応していない。

レドモンド拠点の同社はこの端末を、Windows 10を働く人のポケットに入れるお手頃価格なビジネスフォンと位置づけている ― 「あなたの会社にとって賢い選択」。

しかし、しかし、しかし、しかし…現時点でそれが会社の経費を使う最良の方法かどうかは考えなくてはいけない。

TechCrunchのNatasha Lomasは先月、Windows Phoneが公式に「過去のプラットフォーム」になったことを説明した。Microsoftの電話事業は49%減少し、四半期販売台数は1年前の1050万台から450万台へと落ち込んだ。CEOのSatya Nadellaでさえ、その数字が「2015年7月の戦略変更」以来、減少していることを認めた。

しかし、あれから数週間がすぎ、器量の良い、有能で、財布に優しい発表があった。また一つ、あなたが買わないであろう(なぜならアプリ開発者はユーザー数を気にするし、企業は自分のスマホの持ち込みを認める方向にシフトしている)、買うべきではないWindows Phoneが出た。

MicroosftはSurface Phoneの検討していて、これが最後のLumiaになるという噂がある。それは、同社が一時は独立していたLumiaチームをSurfaceチームに移管したことに基づいている。しかし、Microsoftの権威であるThurrott.comが説明しているように、現時点で新たな業務形態からどんな端末が生まれるかは誰も知らないので、臆測は空論である。

Microsoftを今ここにあるものだけから判断するなら、Lumia 650は良く出来ている、しかしWindows Phoneはほぼ終っている。

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MicrosoftのiOSアプリ“Fetch!”はあなたの犬の(そしてあなた自身の!)犬種を当てる

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【抄訳】
Microsoftの新しい画像認識ソフトですら、私の犬の犬種は分からない。でも、それはしょうがない。しかし、あなたの犬が殺処分施設から救ってきた雑種犬でなければ、最新のMicrosoft Garageプロジェクト: Fetch!を楽しめるかもしれない。このiPhoneアプリは、犬の写真を見てその犬種を当てる。正確に当てられないときは、至近の犬種である確率のパーセンテージを出す。

そう、今あなたが思ったとおり、犬でなくて人間でもよい。

このアプリは、機械学習で何ができるかを、おもしろく見せる、というシリーズのひとつだ。今回のは、画像を見て、その内容に関する何らかの判断をする。人間が自然に行う直感的判断のようなものを、マシンは教えられること(“学習”)によって身に付ける。

[100%の確率でボーダーコリーです]
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Fetchでも分かるように、その学習過程は相当難しい。人間はいくつかの断片的な情報から、これまでに知った/学んだことに基づいて、その場で犬種などを当てることができる。しかしマシンは、正しい画像と犬種に関する専門的データとマシンインテリジェンスを組み合わせて、教えてやる必要がある。

このアプリの場合は、ディープニューラルネットワーク(deep neural networks)と呼ばれる機械学習のテクニックを使っている。

“…Microsoftはこのような分野ではとても進んでいる。互いによく似ている犬種でも見分けるし、同じ犬種の色違いにも対応できる。そのほか、犬種ごとの細かい違いが分かるのだ”、と、イギリスケンブリッジのMicrosoft Researchでこの犬種プロジェクトを作ったチームのディレクターMitch Goldbergが説明する。

“ディープニューラルネットワークのいいところは、あとから加えた新しい犬種を、新しい犬種だと理解できることだ。それはとても難しい問題なんだけどね”。〔通常のNNは、すでに学習済みの何かにマッチさせようとする。〕

というかFetchは、機械学習の難しさを一般のユーザーに分かってもらうためにMicrosoftが作った一連のプロジェクトの一つなのだ。

たとえば昨年Microsoftは、人間の写真からその人の年齢を推測するサイトを作った。結果は、Fetchと同じく、当たったり当たらなかったり。

さらに同社は、感情を識別する機械学習ツールに取り組んでいるし、

顔にヒゲをはやして行う資金募集キャンペーン”Movember”を賛助するMyMoustacheプロジェクトも作った。それは、同じような技術で顔面のヒゲ率を判断する。

それに、二人の人間が双子かどうかを判断するサイトも作った。

でも、今回の犬種アプリもおもしろい。うまく当たれば!

 

【中略】

このアプリに友だちの顔を見せると、その人に似た犬種を当てようとする。それらは、けっこう当たってる、と言える!?:

[アイリッシュウォータースパニエル]
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ヒラリー・クリントンを、ウェストハイランドホワイトテリヤ、と判断した:

 

【中略】

私自身はマルチーズと判断され、まあそれは許せるけど、わが家の体重49ポンドの雑種犬がチワワはないよねぇ:

[91%の確率でチワワです]
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マシンたちよ、もっと勉強しないとダメだぞー。

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Microsoftがファイルストレージ技術の特許をGoProにライセンス提供…株価は敏感に反応

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Microsoftが今日(米国時間2/5)、同社のMicrosoft Licensing LLCGoProが、“特定のファイルストレージとそのほかのシステム技術”に関して協働的な特許ライセンス契約を結んだ、と発表した

Microsoft Technology Licensingの社長Nick Psyhogeosが、今日の極端に短い発表声明の中でこう述べている: “GoProとのこの合意は、特許契約によって非常に幅広い技術共有が可能になることを示している。パーソナルなウェアラブルの技術をMicrosoftがライセンスするのは、目の前に大きな需要があるからであり、そのために弊社はあらゆる業界の企業とパートナーして、彼らの世界中の顧客のためのソリューションの、最適化を図っていきたい”。

契約の条件は公表されず、MicrosoftからもGoProからも、この基本的な声明文以上の詳細は共有されていない。たとえば、具体的にどのパテントのことかも、明らかでない。

ただしMicrosoft Licensingはかねてから、exFATファイルシステムを、ライセンス可の技術として明示的に挙げているので、今回の合意の中身はこれかもしれない。このファイルシステムを使うと、32GBから256TBまでのストレージメディア上により大きなファイルを保存できる。GoProの最新機種では、最大128GBまでのSDカードを使える。それより大きなカードのためには、GoProはすでにexFATフォーマットを使っているが、64GB以下の小さなものでは古くからのFATフォーマットを使用している。ただしFAT32のディスクでは最大ファイルサイズが4GBなので、ファイルを分割して保存する。

Microsoftに今回の契約に関する詳細情報を求めたが、同社は礼儀正しく断った。“プレスリリースあるもの以上に共有できるものはございません”、と言って。

詳細情報がないにもかかわらず、株式市場は今日の発表にきわめてポジティブに反応した。GoProは時間外取引で5%以上上げたが、今週発表された決算報告がアナリストの期待を裏切るものだったために下がった10%を、回復するほどではなかった。

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スーパーボウルとMicrosoftのホロレンズを組み合わせるとこうなる

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スポーツ観戦はもうすぐ全く違ったものになるかもしれない ― 少なくともMicrosoftとNFLに任せたなら。あなたが気付く間もなく、ホログラフのプレーヤーたちが家の壁を通って押し寄せ、リプレイはコーヒーテーブルの上に3Dで再生される。

Microsoftは今日(米国時間2/2)、HoloLens拡張現実ゴーグルの新たなコンセプトを発表し、スポーツとHoloLensの組み合わせによってもうすぐ何が出来るかという同社のビジョンを披露した。これは一見の価値がある。フットボールが好きでない人にも。

ケチをつけるつもりはないが、HoloLensのプロトタイプを試したことのある人なら誰でも言うように、これはまだまだSFの世界だ ― HoloLensが機能しないからではなく(私は試してみたが、よくできている)、現行バージョンの視野では、Microsoftのビデオに見られるような没頭的体験を得られないからだ。

Microsoftは、現在デベロッパーにアプリ開発を勧誘中で、3000ドルのデベロッパー版HoloLensを、一部のグループに今年第1四半期中に出荷する予定だ(同社のBuild デベロッパー会議が都合よく3月30日に開催されるのでその頃になる可能性が高い)

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MicrosoftのQ2決算はクラウド好調で売上257億ドル、株価は7%アップ

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今日(米国時間1/28)、Microsoftは2016年第2四半期の決算を発表した(第2四半期というのは奇妙だが、Microsoftの会計年度は7月から6月まで)。非GAAP売上は257億ドル、調整済み1株当たり利益(EPS)は0.78ドルだった。

ウォールストリートのアナリストは売上を252.6億ドル、EPSを0.71ドルと予想していた

1年前の同四半期でMicrosoftは売上265億ドル、EPS0.71ドルという成績を得ている。

Microsoftの株価は決算の発表と同時に7%以上アップした。

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MicrosoftのCEOのサティヤ・ナデラは「世界中の企業がMicrosoft Cloudを業務のプラットフォームとして利用し、デジタル化という野心的な変身を実現しようとしている。多くの企業がWindows 10を試しており、このOSはすでに2億台以上のデバイスを現に動かしているv」と述べた。

この前の四半期決算でMicrosoftはそれまでの慣習を破り、分野別の財務内容を公表した。今回も同社は前回どおりの発表を行った。事業部別の財務内容を考慮して事業を概観すると以下のようになるだろう。

  • 生産性およびビジネス・プロセス(PBP):ここには法人向け、個人向けのOffice、Dynamicsなどが含まれ、売上は67億ドル(前四半期は63億ドル)だった。Office 365の登録ユーザーは世界で2060万に上った。.
  • インテリジェント・クラウド(IC):ここにはサービス課金が売上として計上される。 売上64億ドル(59億ドル)。
  • モア・パーソナル・コンピューティング(MPC):この事業部にはWindows、デバイス、ゲーム、検索が含まれ売上は127億ドル(前期94億ドル)。今四半期の売上増の主要な要因はSurfaceシリーズによるもので、13.5億ドルをもたらしている。こに対し〔事業を再編した〕スマートフォン部門は予想通り売上を49%減少させている。

前四半期、Microsoftは商用クラウド・ビジネスは通年換算で82億ドルの売上を得ていることを発表した。今四半期は94億ドル相当だという。以前からMicrosoftはクラウド・ビジネスの売上目標として2018年までに200億ドルを達成するとしてきた。

われわれは決算発表直後にMicrosoftの株主関係の責任者、Zack Moxceyに話を聞いたが、この目標は十分達成可能と考えているということだった。

Microsoftは今日の発表でクラウド・ビジネスの好調が決算に良い影響を与えていることを強調した。サーバー製品の売上は10%アップし、Azureの売上も140%向上した。

同社はまた検索広告ビジネスでも前進をみせた。売上は29%増加したという。Moxceyはこの原因を主としてWindows 10内に検索ビジネスを組み込んだことにあるとしている。

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Office Onlineのリアルタイム編集コラボレーションがDropboxなどMicrosoftのパートナー上のファイルに対してもできる

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Microsoftが今日(米国時間1/27)、1年前に始めたCloud Storage Partner Program(CSPP)を拡大して、BoxとDropbox、Egnyte、CitrixおよびShareFileのより深い統合をローンチする、と発表した

この‘深い統合’による、同社が自慢しているひとつの新しい機能は、Office Onlineのリアルタイム共同執筆だ。ドキュメントは、パートナーのクラウドサービスに保存されていてもよい。これにより、複数の人が一つのドキュメントの上でリアルタイムにコラボレーションできる。

共同執筆(co-authoring, コオーサリング)は前からGoogle Docsの目玉機能だったが、2013年にOffice Onlineにも登場した。ただし、Microsoftのプロダクトからしかドキュメントにアクセスできなかった(OneDriveとSharePoint Online)。昨年Microsoftは、BoxやDropboxのような人気のクラウドサービスとパートナーし始め、Officeで何でもできるように努力した。しかしそれなのに今日までは、ユーザーはこれらのサービスにファイルを保存できても、保存したドキュメントの共同執筆はできなかった。

EgnyteのCEO Vineet Jainの説によると、MicrosoftのボスSatya Nadellaは、今後有望なエンタープライズクラウドサービスに熱心なので、競合よりもプラットホームの門戸をEgnyteのような企業にどんどん開いている。

クラウドパートナーの統合は、Office for iOSでもできるようになりつつある。Dropboxのユーザーはすでに、そのアプリの中でPowerPointやWord、Excelのドキュメントを編集できていたが、今ではそれがBoxでもできるようになった。Microsoftによると、もうすぐCitrixやShareFile、Egnyte、それにEdmodoでもできるようになる。

DropboxとBoxは今後、Outlookのメールサービスとも統合するので、Dropbox/Boxに保存されているファイルをメールの連絡先へ簡単に送れるようになる。その際ユーザーは、ドキュメントをメールの添付ファイルで送ったり、あるいはクラウド上のリンクを送ったりする。

関連記事。〕

 

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Microsoftが機械学習ツールキットCNTKをGitHubに移しMITライセンスを適用

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Microsoftが今日(米国時間1/25)、デベロッパが同社のComputational Network Toolkit(CNTK)を使って深層学習(ディープラーニング, deep learning)アプリケーションを作りやすいように、プロジェクトをGitHubに載せ、MITのオープンソースライセンスを適用することにした。Microsoftがこのツールキットをオープンソースにしたのは2015年の4月だが、コードはMicrosoft自身のCodePlexサイトでホストされ、これまでは大学向けの、制約のあるライセンしかなかった。

前のライセンスでも研究者たちはプロジェクトにアクセスできたが、プロダクション用途に使うとか、大学の外の環境でいじくることには向いていなかった。今度の新しいライセンスと、GitHubへの移行により、Microsoftはそのほかのユーザも惹きつけたいと願っている。

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Microsoftのチーフスピーチサイエンティスト(chief speech scientist)Xuedong Huangは今日の発表声明の中で、CNTKはとくにスピードが高度に最適化されている、と述べている。“CNTKツールキットは、これまでわれわれが見たどれよりも、桁外れに効率的である”、とHuangは言っている。ここでHuangが比較対象にしているのは、Googleが最近オープンソースにしたTensorFlowや、TorchTheanoCaffeなどのプロジェクトだ(上図)。

Microsoftの主張によると、CNTKのアドバンテージは、シングルコアの上でも使えるし、また、GPUベースのマシンの大規模なクラスタでも使えることだ。しかも、他社のプロジェクトに比べてスケーラビリティが良く、多くのマシンに対応できる(もちろん今その検証はできないけど)。

Microsoftは昨年、もうひとつの機械学習ツールキットDMTKを、ひそかにローンチしている。DMTKは”distributed machine learning toolkit”(分散機械学習ツールキット)の頭字語で、大量のデータを効果的に分析することに力点を置いている。

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朝が嫌いな人は、マイクロソフトの新しいAndroid用アラームクロックアプリを大嫌いになる

Microsoft Garageは今日(米国時間1/21)、Android史上最も煩しいアラームクロックを公開した ― 特に、私のように朝が超苦手に人間にとっては。

Mimicker Alarmというこのアプリは、アラーム音を止めるために、特定の表情を真似する、アプリが決めたその日の色にマッチする物を写真に撮る、あるいは早口ことば(“All I want is a proper cup of coffee, made in a proper copper coffee pot”)を繰り返さなくてはいけない。

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スヌーズボタンを押せば、5分間の猶予が与えられる。

30秒以内にゲームを完了できないと、アプリはあなたが二度寝したとみなしてアラームが再び鳴らし始める。

Microsoftはこのアプリを、機械学習システムのProject Oxfordを使ってデベロッパーに何ができるかを示す一例としてこのアプリを作った。サービスは驚くほどよくできていて、同社はこれを見せつけるべく少々奇妙な実験を行っている。例えば、第一号 ― a href=”http://how-old.net”>How-Old.net ― はMicrosoftのBuildカンファレンスで大きなヒットとなった。

「われわれはMimickerを使ってProject Oxfordの様々なAPIを紹介している」と、Project Oxfordのアプリ開発マネージャー、Allison Lightが今日の発表で言った。「Project Oxfordを使って簡単にユニークで面白いアプリを作りたかった。コードはすべてオープンソースなので、アラームアプリなら他のデベロッパーがコードを見て、われわれがどうAPIを使ったかがよくわかるだろうと思った」

Microsoftによると、「アプリの社内ベータテストでは、好意的なフィードバックがチームに寄せられている」。朝型の人間たちであることは間違いない。

なお、ゲームはいつでもオフにすることができ、普通のアラームクロックして伺うこともできる。でもそれの何が楽しいの?

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Microsoftがクラウドプラットホームの10億ドル相当の利用を全世界の非営利活動に無償提供

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MicrosoftのCEO Satya Nadellaが今日(米国時間1/19)、今後3年間、Microsoft Cloudサービスにおいて非営利団体に10億ドルの寄付を行う、と発表した

計画では、Azure, Office 365, PowerBI, オンラインCRMなどMicrosoftのクラウドプラットホーム上で、合計約7万の非営利団体をサポートする。

今日の発表声明で、Nadellaはこう述べている: “Microsoftは、われわれの世代におけるもっとも変える力のある技術であるクラウドコンピューティングサービスを寄付して、この惑星全域の、使命を追求されておられる組織に力をお貸しする。今後は、7万あまりの組織が技術にアクセスし、それを、大きな社会的問題の解決に利用して、究極的には人間の状態を改良し、新たな成長を平等に前進させるだろう”。

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またMicrosoftの計画では、Azureのストレージとコンピューティングリソースへの無料アクセス助成を、大学の研究員に拡大する。現在、約600の研究事業がこの助成を受けているが、今後はその対象者を50%増やす。

さらにこれらのサービスには、“新しいローコストなラストマイルインターネットアクセス技術とコミュニティトレーニングへの投資”が組み合わされる。これの実際の意味は、たとえばアフリカにおける、テレビの(電波帯の)ホワイトスペースをインターネットアクセスに利用するプロジェクトをサポートすることだ。Microsoftは、2017年までに15か国で20の同種プロジェクトをサポートする計画だ。

根っからの皮肉屋であるぼくなんか、この3年が終わったときどうなるのか、と疑問に思わずにはいられない。こういう、初期利用の無料サービスは販促的な試用期間として提供されることが多く、無料期間が終わればプラットホームの正規ユーザになることが期待される。大学を対象とする事業も、同様だ。学生が卒業したら、これまで大学で使い慣れていたサービスを継続して利用するだろう、というわけだ。

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Microsoftが今日でWindows 8とInternet Explorer旧バージョンのサポートを終了

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MicrosoftのWindows 10普及活動は、今もまだ続いている。今日(米国時間1/12)は同社はWindows 8のサポートを終了し、またWebブラウザInternet Explorerの旧バージョンIE 8, 9, 10のサポートも停止した。もちろんこれらのソフトウェアは、ユーザの手元にあれば依然として使えるが、バグフィックスやそのほかのセキュリティパッチのアップデートはもはや行われない。OSとブラウザを最新バージョンにアップグレードしなければ、マルウェア被害のおそれがある、とMicrosoftは警告している。

同社のWebサイトでMicrosoftは、被害を防ぐためにはセキュリティパッチが必要なので、“最新バージョンにアップグレードすることが重要”、と言っている。

Internet Explorerに関しては、最新バージョンInternet Explorer 11へ移行した方がよい、とMicrosoftは示唆している。セキュリティもパフォーマンスも後方互換性も良くて、Webのスタンダードをサポートしている、と。また、このバージョンなら、今後も引き続きバグフィックスやセキュリティパッチを受けられるし、Windows 10だけでなくWindows 7とのWindows 8.1の上でも技術サポートを受けられる。

あるいは、Windows 10デバイスへ移行する人は、ブラウザをMicrosoftの新しいWebブラウザMicrosoft Edgeに乗り換えてもよい。このIEの後継ソフトウェアはWindows 10内蔵のブラウザで、デザインがシンプル、Microsoft製の仮想アシスタントCortanaを使える、テキストが読みやすくなる”Reading View”〔“読み取りビュー”〕、Webページに注釈やメモを書き込める、などの機能がある。

Microsoftが前に言ったように、今でもWindows Vista(SP2)を鞭打って使ってる人には、IE 9が今後もサポートされる。またWindows Serverでも、Server 2008(SP2)でIE 9、 Server 2012でIE 10がサポートされる。

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NetmarketshareのデータによるとIE 8から10までは、今でもデスクトップのWebブラウザの約20%のマーケットシェアを占める。その内訳は、IE 10が4.18%、9が6.67%、8が8.95%だ。かなり大きい。

今日はさらに、Windows 8のサポートも終わる。これも今日のパッチを最後に、セキュリティパッチやそのほかのアップデートが今後は行われない。PCをセキュリティのリスクから守りたければ、Windows 8.1か10にアップグレードしてサポートを継続する必要がある。

Windows 8.1にアップグレードすると、サポートを受けられるのは2023年1月10日まで、Windows 10なら2025年10月14日までだ。

Microsoftはこのところ、より新しいOSであるWindows 10を積極的にプッシュし、最近の同社の発表ではWindows 10はすでに2億以上のデバイスで動いているという。しかし同社の目標はもっと大きくて、数年語には10億超を目指している。そのためには、一般消費者ユーザにおけるものぐさ志向と、企業における変化への抵抗、この二つを克服しなければならない。

ある情報によると、Windows 8は今でも2〜3%のPCで使われている。Microsoftは旧バージョンのサポートを強制的に終わらせることによって、ユーザがついに古いソフトウェアを捨ててくれることを、動機付けようとしている。

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AndroidのフォークバージョンCyanogenにもMicrosoftのCortanaがプレインストール

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MicrosoftのCortanaにとって今週はたいへん意義のある週となり、またまたAndroid国にひそかに潜入することに成功した。その、ささやかだけど強い印象を与える動きは、あなたがたまたまOnePlus Oneスマートフォンのオーナーでなければ、見過ごしたかもしれない。

どういうことかというと、Androidオペレーティングシステムの代替系のひとつであるCyanogenのニューバージョンが、最初からCortanaをプレインストールしているのだ。それは昨年約束されたことだけど、ただしこのアップグレードは合衆国のOnePlus Oneデバイスのオーナーに対してのみ、なのだ。

で、それがどうしたの?

Cyanogenはこれまで果敢にAndroidをフォークして、相当変わったモバイルソフトウェアを作ってきた。一方MicrosoftはCyanogenに昨年投資をして、そのソフトウェアとサービスを、Microsoft固有以外の複数のプラットホームにも提供しようとしている。そしてその両者の初めてのコラボレーションが、CortanaのCyanogenお嫁入り、というわけだ。

CortanaのCyanogenへのお輿入れについて同社は、“これまでに存在しなかった未来的な能力への扉が開いた”、と言っている。

CortanaがCyanogenにあることは、SiriがiOSにあることに、相当似ている:

リマインダーの設定やミーティングのスケジュール、友だちにするべき電話やメッセージング、などなど々々々々、朝起きたときそばにCortanaがあれば、あなたがやるべきマルチタスクを彼女がやってくれる。ロックスクリーンをちらっと見たり、あるいはアプリやゲームに没頭しているときでも、”Hey Cortana”と声をかければ、彼女はすぐに自分の仕事を始める。

まったく、気味が悪いほど似ている。Androidへ行ったCortanaにはなかった*’Hey Cortana’さえ、今回はあるのだ。〔*: その後のアップデートにより今ではAndroidバージョンにもある。〕

しかしSiriは主にAppleのアプリ対応だが、Cortanaはもっと多芸だ。

CyanogenのCEO Kirk McMasterは、昨年のInternational Business Timesのインタビューでこう言っている: “AppleがWWDCでApple Musicをローンチしたとき、彼らはApple MusicとSiriの統合を披露した。SiriはSpotifyなどを動かしてくれないが、MicrosoftのCortanaをうちのOSに統合したら、自然言語でSpotifyやそのほかのサービスを呼び出すこともできる”。

OnePlus One以外のCyanogen搭載デバイスにはいつCortanaがやってくるのか、それはまだ分からないが、でもこの意欲満々のスタートアップは、本気で“AndroidをGoogleから盗み取る”つもりなのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

まだまだ健在だったRay OzzieのチームコミュニケーションツールTalkoをMicrosoftが買ってSkypeに統合

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Microsoftが、会議用の便利な機能を揃えたモバイルメッセージングアプリTalkoを買収する。このアプリを作ったRay Ozzieは、2010年までMicrosoftのChief Software Architectだった人物。Microsoftによると、買収の対象はTalkoの技術とチーム、買収の条件(価額等)は公表されない。Talkoの社員はSkypeに加わり、Talko自体は閉鎖される。しかし、Ozzieが再びMicrosoftに加わることはない。

開発に数年を要したTalkoは、2014年にローンチし、従来の会議電話をVoIPによるクラウドベースの会話でリプレースすることをねらっている。ライブの会話を録音でき、ほかにも、会話内にブックマークを作れる、ユーザにタグをつける、後から会話内に非同期でフォローアップメッセージを吹き込み、それを共有できる、などの機能がある。

Microsoftの発表によると、Talkoの技術と人材を獲得したことによって、SkypeとSkype for Businessの機能および能力を“強力に”拡大する。一方TalkoのWebサイトには、アプリとサービスを2016年3月に完全に閉鎖する、とある。それまでに既存のユーザは、過去の会話(音声、テキスト、写真)をエキスポートできる。

Talkoのどの機能がSkypeに統合されるのか、に関してはまだ発表がない。チームが知識と能力をSkypeのチームに持ち込む、という言い方だけだ。

Microsoftへの身売りを決めた理由について、Talkoは率直に語っている:

“…コミュニケーションアプリは全体としては成功しているが、個々に見ると二極化している。ごく少数のアプリがヴァイラルな成長を遂げている一方で、その他大勢は成長のないニッチに落ち込んでいる。Talkoには高い価値と利用の楽しさがあると信じており、チームはこれまで、ユーザの要望に逐一応じてきたが、利用者は熱心なニッチにとどまっている。もっと大きなインパクトを与えうるアプリだと、われわれは信じているので、そろそろやり方を変えるべき時だ。”

Lotus NotesのファウンダOzzieがMicrosoftに会社を売るのは、これが初めてではない。前は2005年にGroove NetworksをMicrosoftに売り、その後MicrosoftのChief Software Architectになった。

ZDNetによると、これはMicrosoftの、今年の20個目の買収である。

 

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

Microsoft、ビッグデータのスタートアップMetanautixを買収

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Microsoftは今日(米国時間12/18)、ビッグデータに特化したスタートアップで2014年に姿を現したMetanautixを買収したと発表した。同社はこれまでに700万ドルの資金を調達済みで、著名なベンチャーキャピタル会社、Sequioaも出資している。

買収条件の詳細は明らかにされていない。

Metanautixを紹介したTechCrunchの以前の記事によると、外部資金の大部分は同社が設立された2012年に調達されたものだ。会社の存在が一般に知られたとき、彼らは「ベータ顧客が5社程度[同社の]ソフトウェアを利用している」と言っていた。独立企業としてのビジネスはこれで終る。

MicrosoftはMetanautixを自社の「SQLサーバーおよびCortanaアナリティクススイートを含むデータプラットフォーム」に統合するつもりだ。現時点でソフトウェアの巨人はそれ以上の詳細を公表していない。

Metanautix側はさらに言葉が少なく、自社ブログにわずか175語を書いただけだ。想像以上に短い発言の中でも、CEOは社員への感謝を忘れなかった。「実にスリル満点な乗り物だった。次のエキサイティングな章を始める前に、これまでのすべてを可能にしてくれた素晴らしいチーム全員に感謝の気持ちを表したい」。

わずか700万ドルの資金、それも調達したのは何年も前なので、買収前の段階で現金が不足し、設立当時よりはるかに厳しい資金調達環境であったことは容易に想像できる。

ともあれ、Microsoftは新年に向けてビッグデータの新しい血を手に入れた。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

MicrosoftがHoloLensのデベロッパ向け体験コーナーをニューヨークのお店にセットアップ

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Microsoftは、デベロッパたちが、同社の拡張現実(augmented reality, AR)ヘッドセットHoloLensのポテンシャルに早めに目覚めてほしいので、このたびニューヨークのマンハッタン5番街にある同社の小売ストアに、HoloLens体験コーナーを作った。

HoloLensはOculus RiftやSamsung Gear VRのような仮想現実(virtual reality, VR)のプラットホームではない。そうではなくて、HoloLensは仮想的な画像を現実の環境の上に投射するから、どちらかというと拡張現実的な体験だ。

と聞くと誰もがゲームへの応用を考えると思うが、でも実は、いろんな業界業種でいろんなユースケースがありえる。その一部はエンタテイメントに使われ、他は仕事の効率を上げるために利用されるだろう。

でも新しいハードウェアが普及するための唯一の鍵は、デベロッパがそれに関心を抱いて、いろんなすばらしいアプリケーションを作ってくれることだ。MicrosoftはWindowsでも、やはりデベロッパを巻き込むために苦労をしたのだ。今回は、そのときの教訓を生かそうとしている。

HoloLensは2016年第一四半期にDeveloper Editionが3000ドルで発売されるので、そのためのポータルもすでに作ったが、実際に触ってみたい人は、ここで申し込むと、5番街のお店に招待される。

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MicrosoftがAndroidアプリストアの中に自社製のAndroidアプリストアを開店

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Microsoftが、’Microsoft Apps‘という名前のAndroidアプリを提供している。それは、Androidのアプリストアからダウンロードできる同社のAndroidアプリのリストだ。

これには、二重の意味がある。第一に、Microsoftのクロスプラットホーム努力が今も続いていること。同社はそのソフトウェアとサービスをすべてのライバルオペレーティングシステムのユーザにも提供する、という姿勢をゆるめていない。そして第二のポイントは、Microsoftが実在するAndroidアプリストアの中に、さらに別のAndroidアプリストアを作ったことだ。‘ストア’というより、‘カタログ’と言うべきか。

Google Playには早速こんなコメントが:

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[無意味では? アプリのリストにすぎないアプリを作って、どうする気?]

このコメントはほとんど正しいけど、でもしかし、Microsoft製のアプリが何百何千にもなったときには、一般的なAndroidアプリストアで目的のアプリを見つけるのは難しいだろう。同社のAndroidアプリがどうしても欲しい/必要な人のためには、Microsoft Appsは便利なアプリかもしれない。

このアプリは今、レビューが4つあって、平均スコアは4つ星だ。

このアプリは、Android上のMicrosoftアプリに関心のない人には意味のないアプリかもしれないけど、でも今どんだけあるか、知っておくのもワルくない。かなりあるよね。それに、OfficeがAndroidとiOSに来たときは、みんな大騒ぎだったんだから。

Microsoftのファンなら嬉しいし、しかも同社はAndroid上に自前のチャネルを持ったことになる。同社にとっては、ちょっとした良い手だろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

Adobeの売上は記録破り―大企業でもビジネスモデルの根本的転換は可能だ

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IBM、HP、EMCなどの大企業がビジネスモデルの転換を目指して苦闘していることはわれわれもよく知っている。それらに比べると、Adobeは興味深いケースといえるだろう。つい数年前までAdobeは箱入りソフトを売る会社だった。それがごく短期間でクラウドサービスの定期課金(サブスクリプション)を主力とする会社となった。先週発表されたAdobeの財務報告を見る限り、この変身に大成功を収めている。

まずその根拠として数字をチェックしてみよう。Adobeはこの四半期に13億1000万ドル、対前年比で22%のアップという成績を収めている。同社はまた通年の売上が48億ドルという記録破りの額に達したことを発表している。もちろんこうした数字自体も大きいが、私が特に強い印象を受けたのは、継続する課金収入だった。これは今やAdobeの売上の74%を占め、メインビジネスとなっている。2015年の同社のデジタル・メディア関連の通年定期課金収入(annual recurring revenue=ARR).は30億ドルだった。

実際、Adobeはこの第4四半期だけでARRに3億5000万ドルも加えている。同社の発表によれば、この成長は主としてエンタープライズが課金モデルへの転換を積極的に採用しているためだ。この四半期に個人やチームの83万3000人がAdobe CC(Creative Cloud)に新たに登録しているという。

多くの企業が苦闘する中、Adobeは比較的短期間に急速にクラウド企業へと変身を遂げた。これは同社が事前に周到な計画を準備していたことが大きいようだ。

Adobeの創立は1986年とはるか昔に遡る。しかしAdobeが箱入りソフトを販売していたのはそう昔ではない。それが変わったのは2013年のことだ。同社はCC(Creative Cloud)にビジネスの主力を移すと発表した。そしてその言葉どおり、従来の主役だった箱入りソフトのシリーズ、CS(Creative Suite)の販売を中止した。この決断は業界を震撼させた。 TechCrunchのLardinois記者は当時驚きを次のように書いている

Adobeはソフトウェアの将来は定期課金ベースのネットワーク配信にあると信じ、それに社運を賭けるつもりのようだ。…Maxカンファレンスの参加者の大部分はここでCS7が発表されるものと思っていたはずだ。ところが意外にもCreative Suiteのブランド名は消えていくことが判明した。…(CCの責任者)Morrisは私の取材に対して、この方針転換がかなりの冒険であることを認めた。「多くのユーザーはこういう転換が起こるとしても数年後のことだと考えていただろう。しかしそれが今日だったことはショックだったかもしれない。」

Adobeのような世界的大企業がCCの発表後、わずか2年半でにこのような思い切った決断をするというのはかなり珍しいことだ。また顧客ベースも課金モデルへの転換を強く支持ことも注目に値する。.

「牛を捕らえるには角をつかめ」

Adobeが実行したのは他の会社が恐れるような道だ。普通の会社なら確立した箱入りソフト販売モデルの横に少しずつサブスクリプション・モデルを忍び込ませるというような方法を取っただろう。しかしAdobeはいきなり箱入りソフトの販売を止め、全面的に定期課金モデルを導入した。

比較という点ではMicrosoftが参考になるかもしれない。同社は現在でも箱入りソフトのOfficeとクラウド版のOffice 365を並行して販売している。エンタープライズソフトの分野でも同様だ。

公平を期すなら、Adobeといえども古き良きマーケティング・リサーチをしなかったわけではない。AdpbeはCCを開発し、ユーザーを相手にテストを行った。その結果は思いがけないほど積極的な反応だった。前述のScott MorrisはわれわれのLardinois記者の質問に答えて2013年にこう語っている

われわれがこの決断をしたのはCreative Cloudの登録ユーザーのほとんど全員が気に入ってくれていることを発見したからだ。AdobeのオンラインストアでCreative Cloudの満足度はPhotoshopより高い。これは前代未聞だ」とMorrisは言う。

注意すべき点は、当時Adobeは極めて高価な箱入りソフトを売っていたことだ。その価格は1200ドルから上は2500ドルまでした。つまりユーザーはそれほどの金額を支払ってもそれらのソフトが提供する機能を必要としていたわけだ。サブスクリプション・モデルに移行するにあたってこうしたクリエーティブなチームや個人のユーザーは一時に高額な支払いを必要としなくなった。毎月少額を支払えばよく、しかもAdobeは常時ソフトをアップデートして最新のものにしてくれる。Adobeとしてもときおり巨大な新バージョンを出荷するより、オンラインで少しずつアップデートを繰り返す方がはるかに開発を管理しやすい。

Adobeの新モデルはユーザーにもメーカーにもメリットの大きいものとなった。関係者全員が得をするという珍しい例だった。利用ケースによって価格は大幅に異なるものの、個人ユーザーは月額わずか9.99ドルからLighroomやPhotoshopなどの人気ソフトが利用可能であり、全アプリが使い放題となるセット契約でも月額80ドルだ。エンタープライズ向け契約では1人あたり月額70ドルの使い放題や1人1アプリ月額30ドルの契約も選べる。〔日本版:日本では月額980のフォログラフィプランから月額4900円のコンプリートプラン、さらにさまざまな法人向けプランが選択できる。詳しくはこちら。〕

Adobeという教訓

Adobeは多くの大企業がはまり込んでいる泥沼を避け、まったく異なるビジネスモデルに移ることに成功した。業界の常識とは逆に、同社は箱入りソフトの販売で得ていた以上の売上を定期課金モデルで得られることを証明した。.

とはいえ、われわれもどんな規模、種類の会社もAdobeのとおりに行動して成功できるとは考えていない。

そもそも、Oracleのような純然たるエンタープライズ向け企業と個人、エンタープライズをまたいでビジネスをしてきたAdobeのような企業を単純に比較するのは難しいのだろう。それでもなおAdobeが従来のビジネスモデルを一変させ、かつそれに大成功を収めたという事実は残る。他社はおそらくAdobeの成功の秘密を知りたがるだろう。市場は現在も急変し続けており、強い意思に基づく決断によって成功したAdobeを手本にしたい企業は多いはずだ。.

画像: sikerika/Flickr UNDER A CC BY 2.0 LICENSE

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

MicrosoftのPowerAppsを使えば社内の多様なモバイルビジネスアプリ/Webアプリケーションを社員自身が簡単に作れる

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【抄訳】
Microsoftが今日(米国時間11/30)立ち上げたPowerAppsサービスを使えば、企業のどんな社員でも、仕事用の簡単なモバイルアプリやWebアプリケーションを容易に作れる。そのためのセットアップは、IT部門が行う。今このサービスは、プレビューで提供されている。

Microsoftの企業アプリケーション担当VP Bill Staplesの説明によれば、今企業の社員たちはかつてなかったほど、どっぷりとモバイル化しているが、それでも仕事の多くはデスクトップでやっている。それは今モバイルでは、個人的な、あるいはコミュニケーションやコラボレーションのためのアプリは十分に発達していても、会社が毎日生成している業務データにアクセスして仕事をこなすためのビジネスアプリが、きわめて未発達だからだ。

“企業は、CRM(顧客関係管理)や旅行、HR(人事・給与管理)など特定のシナリオでは最近ますますクラウド上のSaaSを利用するようになっている。Microsoftにもそのための、Microsoft Dynamics、Concur、WorkdayといったSaaSアプリケーションがある。しかしこれら以外のビジネスアプリケーションのシナリオはほとんどオンプレミスに幽閉され、企業内LANに接続されたPCに依存している”、とStaplesはPowerAppsの発表声明で書いている。

またそのためのデータは社内のさまざまなシステムにばらばらに保存され、それらは一体的に接続も管理もされていない。いろんな部課等のいろんな業務がいろんなデータソースにアクセスしていろんなビジネスシナリオを日々こなしている。それらのひとつひとつをすべて、IT部門がアプリ化〜Webアプリケーション化してあげることなど、不可能である。それをやろうとしたら、デベロッパが何十人いても足りない。

そこで、PowerAppsの登場となる。ITがPowerAppsをセットアップして有効にしたら、ユーザはクラウドやオンプレミスのデータソースから自分のアプリへ必要なデータを取り出せる。またユーザはPowerApps上で自分のビジネスアプリを組み立てるために、Office 365やDynamics CRM、Salesforce、Dropbox、OneDrive、オンプレミスのデータベース(SharePoint, SQL Server, Oracle, SAPなどなど)にアクセスできる。

たとえばユーザのアプリがDropbox上のExcelファイルのデータを使うなら、PowerAppsは嬉々としてそんなシナリオを組み立てる。また、人事のチームが作ったカスタムアプリは、採用記録を調べることができ、営業はSalesforceなどから営業の現在進行中の過程や過去の履歴のデータを取り出せるだろう。

PowerAppsで作るアプリは、見やすくて使いやすいGUIで構成される。また基本的なテンプレートが数多く提供されているから、クリックして適切なものを選べばアプリを早く簡単に作れる。

そうやって作ったカスタムアプリは、iOSやAndroidやWindows Phone上、あるいはWeb上の、PowerAppsアプリから使う。同僚とアプリを共有するには、アプリのリンクを送るだけでよい。

一方、これらのアプリのデータアクセスは、会社のポリシーに基づいてIT部門が適切に管理できる。またデベロッパは、PowerAppsアプリからAzure App Serviceにアクセスして、モバイルアプリやWebアプリケーションを構築できる。

【中略】(課金方式は(公式には)未定)

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このような簡易ビジネスアプリ構築サービスは、AppGyverのComposer 2など、ほかにもいろいろあるが、Microsoftはなんといっても知名度が高いし、しかも古くから多くの企業に営業的に食い込んでいる、という強みがある。

[原文へ]。
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。