Wi-Fiの規格の次のバージョンはWi-Fi 6になる、802.11xxより分かりやすいというが?

Wi-Fiのプロトコルに長年、802.11ab、802.11nなどの、IEEEが定義した耳に心地よい〔皮肉!〕名前をつけてきたWi-Fi Allianceがついに、数字や文字が多すぎると判断して、方針を変えた。どう変えたのか? Wi-Fiの次のバージョンはWi-Fi 6になる。これを好きになれない人は、喘そ・そ・そ息が悪化するだろう。

Wi-Fi AllianceのCEO Edgar Figueroaがプレスリリースで言っている: “20年近くWi-Fiユーザーは、自分のデバイスがWi-Fiの最新規格をサポートしているか知るために、因習的な技術用語を理解する必要があった。このたびWi-Fi 6をご提示できることは、Wi-Fi Allianceにとっても喜びであり、この新しい命名法によって業界とWi-Fiユーザーの両者が、特定のデバイスや接続がサポートしているWi-Fiのジェネレーションを容易に理解できるようになると思われる”。

Wi-Fi 6は実際には802.11axであり、802.11acの改良バージョンだ。その名目上のデータレートは、Wikipediaによると、IEEE 802.11acより“37%高く、細部の修正によりスペクトルの利用効率が良くなったのでユーザースループットは4倍の増加を達成した”。5GHzのストリームを8つと2.4GHzのストリームを4つ同時に流せる。

6に加えてこれからは、802.11acはWi-Fi 5、802.11nはWi-Fi 4と呼ばれることになる。デバイスはジェネレーションで公式に認定され、最初のWi-Fi 6デバイスが登場するのは2019年になる。でも、今からすでに802.11の命名法に別れを告げて、Wi-Fiの混乱に早めに対応した方が良いだろう。

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ソビエトのカメラメーカー「Zenit」が帰ってきた!

20世紀のソビエト製クローンカメラに詳しい人なら、Zenitをご存知だろう。Krasnogorsky Zavoiが作ったNikon/Leicaのクローンは、鉄のカーテンの向こうの人気者だったが、Lomoと同じく人気ブランドとして報いを得ることはなかった。同社は2005年にカメラ製造を中止したが、数十年に渡って東欧写真界を席巻し、ジェームズ・ボンドを思わせるようなライフル風のスナイパーカメラも作った。

このたび、Leicaとの提携によって、Zenitが帰ってきた。

カメラはLeica M Type 240プラットフォームがベースだが、昔のZeitのルックスと動作を再現するための変更が加えられている。レンズはZenitar 35 mm / f 1.0で純ロシア製だ。デジタル処理なしでボケやソフトフォーカスを使える。

Leica Mプラットフォームの仕様は、24MBフルフレームCMOSセンサー、3インチ LCD画面、HDビデオ録画、ライブビューフォーカス、0.68倍ビューファインダー、ISO 600、および3 fps連続撮影などだ。米国、ヨーロッパ、およびロシアで今年中に入手できるようになる。

過去に帰る特権を得るために必要なコストはいくらか? これまでのLeica Mの化身が何かのヒントになるとすれば、5900~7000ドルと予測する。私の家には古いフィルム式Zenitsが何台か転がっているのだが。いくつかデジタル部品を継ぎ足して、究極のフランケンZenitを作れないかと考えている。

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この小さなロボットは濡れた胃壁を這いまわって薬を届ける


香港城市大学が作ったこの小さなロボットはまだ生まれたばかりだが、将来あなたの胃腸に送り込まれるかもしれない。

この小さくてワイルドなロボットは、電磁力を利用して泳いだり前後に倒れたりしながら過酷な環境の中を前進して行く。研究者らは体の外からロボットを遠隔操作する。

「ほとんどの動物は足の長さと足の間の距離の比率が2:1から1:1だ。そこでわれわれは比率1:1のロボットを作ることにした」と同大学バイオ医療工学部のDr. Shen Yajingは言う。

足の長さは0.65 mmで先端を尖らせて摩擦を減らしている。ロボットは「ポリジメチルシロキサン(PDMS)と呼ばれるシリコン素材で作られ、埋め込まれた磁気粒子に電磁力を作用されることで遠隔操作が可能になっている」。ロボットはほぼ90度に曲がって障害物を乗り越えることができる。

研究チームはチビロボットをいくつもの過酷な環境に送り込んだ。この濡れた胃壁モデルもそのひとつ。薬剤を持って患部に落としてくることもできる。

「人体内のでこぼこな表面やさまざまな組織の構造変化が移動を困難にしている。われわれの多足ロボットはさまざまな地形で良い成績を収めており、体内の薬物送達への幅広い応用を可能にする」とWang Zuankai教授は言った。

将来は生分解性ロボットを作りたいと研究チームは考えている。食道から入ったロボットが胃腸を通り、荷物(薬剤)を落としたあとは溶けてなくなるか排泄される。

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ドローンにオプティカルフローを教育して小さな穴を高速で通過させるテクニック

メリーランド大学の研究者たちが、鳥や虫が飛ぶときのテクニックをドローンに教えて、小さな穴を高速でくぐれるようにした。ドローンはわずかに数回、環境を調べて開口部を定義し、大きなドローンが不定形な穴を訓練なしで通り抜ける。

そのGapFlytと呼ばれるプロジェクトは、Nitin J. Sanket, Chahat Deep Singh, Kanishka Ganguly, Cornelia Fermüller, Yiannis Aloimonosの計5人が立ち上げ、簡単な昆虫のような目を使ってドローンを教育した。

彼らが使ったテクニックはオプティカルフローと呼ばれ、きわめて単純な単眼のカメラを使って3Dモデルを作る。各時点の像の中の特徴をマークすることにより、ドローンは各像(写真)の変化に基づいて穴の形と深さを知る。ドローンに近いものは遠いものより大きく動くから、ドローンは前景と遠景を見分けることができる。

ビデオを見てお分かりのように、研究者たちは自分たちのシステムをテストするためにかなり雑然とした環境をわざと作った。Bebop 2ドローンがNVIDIA Jetson TX2 GPUを搭載して、穴のまわりを蜂のように飛び回り、そして秒速2メートルという、まあまあのスピードで通り抜ける。遠くに似たような壁を作ってドローンを混乱させようとしても、彼らのテクニックはその新しい面倒な状況に影響されなかった。

メリーランド大学のPerception and Robotics Group(知覚とロボティクスグループ)の報告によると、ドローンはさまざまな開口部を85%の精度で通過できた。タトゥイーンのベガーズ・キャニオンを避けて飛ぶときのルーク・スカイウォーカーほど速くはないが、でも感動的なスタートだ。

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PixFoodは食材の写真を撮るとレシピを提案する

AIと食べ物を掛け合わせると何ができるだろう? 腹を空かせたロボット? 驚いたことに、そうではない。 PixFood食材の写真を撮るとそれが何であるかだけでなく、その材料で作れる料理のレシピも教えてくれる。

資金は非公開で調達されている。

ファウンダーのTonnessonは「レシピ・アプリはたくさん出回っている。ただ、それは要するレシピを教えてくれるだけだ。PixFoodはそれと違って、ユーザーが何を作ったらいいかと考えているときに手持ちの材料で作れる料理のレシピを提供することができる。たしかにそういうことができるアプリもあるが、使い方が非常に面倒だ。何をしたいかアプリに知らせるために50の質問に答えていかねばならない」という。

PixFoodが公開されたのは8月だが、 月間アクティブ・ユーザーは3000人おり、ダウンロードも1万回を数えている。チームはさらにアプリの改良に取り組んでいるところだ。Tonnessonはまた次のように述べている。

PixFoodはAIベースで高度な写真解析機能を備えたフードアプリだ。使い方は非常にシンプルで、これから料理に使いたい食材の写真を撮るだけでいい。キッチンにある食材でもスーパーの売り場の棚でもいい。なぜこういうアプリを開発したかというと、高度に個人化可能だからだ。写真を撮るとアプリはユーザーの好みに合わせたレシピを送り返すことができる。最初は誰に対して同様の平均的なレシピ案だが、使っているうちにAIはユーザーの好みを覚えて、それに合わせたレシピを探すようになる。Aiはユーザーの行動パターンを認識し、それを考慮した回答を表示する。

私がざっとテストしたところでは、このAIはそこそこ満足に動くようだ。少なくともチンパンジーを料理するよう勧めてきたりしない。単に「トウモロコシ」とタイプすればいいという考えもあるだろうが、ともあれ機械視覚テクノロジーの興味ある応用だろう。名前の分からない食材でも写真に撮ればレシピを教えてくれるというのは正しい方向への一歩だ。写真であればホッグドッグ(イノシシ猟犬)とホットドッグを間違えるようなことはないだろう。

AIは将来、好みが似た他のユーザーを探したり、トウモロコシ(チンパンジーではなく)を買える店を教えてくれるようになるという。Tonnessonは「ユーザーはアプリがレストラン、生鮮食品スーパー、料理や食材キットの宅配サービスなどと提携していくと期待してよい」と述べている。

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ロボットも人間のように偏見を持つ、防ぎ方も人間集団と同じ

カーディフ大学とMITの研究者たちによる、おもしろい研究によれば、複数のロボットが一緒に仕事をするとき、偏見が生じることがある。チームワークをシミュレーションするロボットたちが、他のチームのロボットに対する偏見を表現した。研究者たちによると、“自動機械のグループが、お互いの振る舞いを単純に認識し、コピーし、学習することによって偏見が現れる”。

その理論をテストするために、研究者たちは、シミュレーターの中で簡単なゲームをした。そのゲームでは、評判や寄付の戦略に基づいて、外部の集団や、ロボットの個人的グループに寄付を行なう。そして、内部への寄付と外部への寄付を比較して、偏見のレベルを調べる。そのシミュレーションを動かすと、徐々に、外部に対する偏見が増えていった。

研究者たちは、シミュレーターの中で偏見を成長させることが、容易であることに気づいた。だからそれは、ロボットだけによる何かの自動運転をするときは、注意しなければならない問題だ。

カーディフ大学のRoger Whitaker教授は、こう述べている: “われわれのシミュレーションは、偏見が自然の強い力であり、それは進化して、容易に、仮想ポピュレーションの中で報奨により強化される。そしてそれにより、他者との幅広い接続性が損なわれる。偏見のあるグループから守ろうとして別のグループが、意図せずして偏見的になることもある。その結果、その仮想ポピュレーションに分裂が生ずる。偏見のそのような拡散は、逆転が困難である。差別を認識して他をコピーできる自動機械が、将来的に、人間の中に見受けられるような偏見的な現象に影響されてしまうことも、ありえる”。

おもしろいことに、“ひとつのポピュレーションの中に、はっきりとした違いのあるサブポピュレーションが多ければ多いほど”、偏見は減少する。これは、人間の偏見に関しても考えるべき、重要なポイントだ。

“サブポピュレーションの数がとても多ければ、偏見のないグループが共同して、搾取もいじめもされずに協力しあえる。これはまた、マイノリティーとしてのステータスを弱め、偏見の影響を受けにくくする。しかしながらこれは、成員が、自分たちのグループの外部との対話に向かう、より高い気質を持っている情況を必要とする”、とWhitaker教授は述べている。

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Lockheed Martinがドローンレースのチームと組んでAI自律ドローンの勝利に懸賞

Lockheed MartinDrone Racing League(DRL)が協力して、操縦者のいないドローンを今よりもずっとお利口にしようとしている。商用ドローンをAI化するそのプロジェクトは、“自律航行のドローンが人間が操縦するドローンとレースをして勝つこと”、を目指している。

今日(米国時間9/5)サンフランシスコで行われたTechCrunch Disruptで、Lockheed MartinのCTO Keoki Jacksonが、優勝者の賞金は200万ドル、と発表した。

“Lockheed Martinでは、ドローンに高度なAIを搭載して、これまで不可能だった困難な仕事をやらせることを目指している。それらは、山火事の消火や、自然災害における人命救助、深宇宙の最深部の探検などだ”、とJacksonは語る。“そこで今回は次世代のAIイノベーターたちを招待して、弊社のAlphaPilot Innovation Challengeに挑戦していただきたい。参加者たちは、自律航行とAIの未来を定義する役割を担い、世界がその将来性ある技術を利用して、より明るい未来を構築できるだろう”。

参加者はドローンのAI部にNVIDIAのJetson組み込みモジュールを使用し、しかもそのドローンは、“事前のプログラミング不要、人間の介入不要”でなければならない。レースのコースは、三次元的である。人間が操縦するDRLのドローンに“ドローンの知能テスト”でも勝つと、さらに25万ドルをもらえる。それは、アマチュアのドローン対、Lockheedの知識量の多いドローンプログラムとの勝負だ。

Lockheed Martinは今回、Drone Racing Leagueと協働して、未来のドローンレースにAIを持ち込もうとしている。目標は、人間操縦士よりも上手に飛べる自律ドローンを作ることだ。

懸賞の詳細はここにあり、レースは11月に行われる。

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MITの研究者たちが、ニューラルネットワークにうつ病の検知方法を教えている

MITの研究者たちによる新しい技術は、患者が書いた文章や口頭での反応を分析することで、うつ病を検知することができる。MITのCSAILグループによって開発が始まったこのシステムは「ニューラルネットワークモデルを使用することで、生のテキストやインタビューの音声から、うつ病を示すパターンを発見することができる」のだ。

「新しい被験者が与えられると、この技術はその個人がうつであるか否かを正確に予測することが可能である、その際に質問と答え以外の情報は何も必要とししない」と研究者らは書く。

システムの最も重要な部分は、文脈自由であることだ。すなわち、特定の質問や回答の種類を必要とはしない。ソースデータとして、日常的なやりとりを使用するだけなのだ。

研究者のTuka Alhanaiは「行おうとする質問の種類や、それらの質問に対する回答の種類に制約を課すことはないので、私たちはそれを『文脈自由』であると呼んでいるのです」と語る。

「患者の話し方はそれぞれ異なります。そしてもし私たちのモデルがその話し方の中に変化を見つけたら、医師に対して注意を促すのです」と語るのは論文の共同執筆者であるJames Glassだ。「これは臨床家を助けるために、何らかの手助けをできるか否かを見るための一歩なのです」。

リリースより:

研究者たちは、そのモデルを、メンタルヘルスに課題を抱える患者へのインタビュー(音声、文章、そして動画が含まれる)と、人間によってコントロールされる仮想エージェントのコンテンツを含む、Distress Analysis Interview Corpus(苦痛分析インタビューコーパス)の142件の対話データセットを用いて訓練し、テストを行った。各被験者は、Personal Health Questionnaire(パーソナルヘルスアンケート)を使用して、0〜27の尺度でうつ病に関して評価されていた。中程度(10〜14)と中の上程度(15〜19)の分画より上のスコアはうつ病と考えられ、それより低いものはうつ病とはみなされない。データセット内のすべての被験者のうち、28人(20%)がうつ状態にあると診断されていた。

実験では、精度と再現率のメトリクスを使用してモデルが評価された。ここで言う精度とは、モデルによってうつと判断された被験者のうち、うつと診断されていたものは何人だったのかを測ったもの。また再現率とは、全部のデータセットの中でうつ病と診断された全ての被験者に対して、モデルの出す正確さを測ったものだ。今回のモデルは、精度では71%を獲得し、再現率では83%を獲得した。エラーを考慮したこれらのメトリクスの合計平均スコアは77%だった。大部分の試験で、研究者たちのモデルは、他のほとんどすべてのモデルより優れていた。

もちろん検出は全体プロセスの一部に過ぎないが、このロボセラピストは、実際のセラピストが長い時間をかけて行う分析に対して、問題を見つけて分離することを助けることができる。それはメンタルヘルスにおける、魅力的な一歩だ。

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(翻訳:sako)

Image Credits: Bryce Durbin

VoCore2は、小さなDoomをプレイできる小さなコンピューター

VoCore2はWi-Fi対応で580 MHz CPUと128 MB RAMを搭載したコンピューターでビデオ出力も可能だ。そして、Doomをプレイできる。そう:この容易に呑み込めるコンピューターなら、パッケージがゆっくりと消化される間にハードコアのFPSをプレイできる。

この製品はIndiegogoで生まれ、10万ドルを集めた。現在単体が17ドル、USBとMicroSDカード付きが24ドルで販売されている。4インチディスプレイも売られていて25fpsのビデオを見ることができる。

いったいこれの何がいいのか? 他のシングルボードコンピューターと同じく、21世紀におけるコンピューターの意味を限界まで広げてくれる。ユーロコインサイズのコンピューターは、あらゆる場所、あらゆる奇妙なプロジェクトにフィットする。ジョイスティックのボタンサイズのコンピューターでデーモンたちを破壊できるのはクールだ。

VoCore2はまもなく出荷予定で、こちらから購入できる。

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Palette 2はどんな3Dプリンターもカラー化する

Mosaic ManufacturingのPalette 2——オリジナルのPaletteの改訂版——は自己完結のフルカラー3Dプリンティングシステムだ。複数の色のフィラメントを切ったりつないだりして、作品のプリントに合わせてプリンターに送り込む。Splice Coreと呼ばれる独特の内部カッターがフィラメントを適切な長さに切ってプリントに使うフィラメントの色を迅速に切り替える。

プリンターは4色を出力可能になり、好きな色も好きな量だけプリントできる。余分な色はタワーと呼ばれる小さな塊に射出するので、必要に応じて各色をわずかな量でも多くの量でも利用できる。フィラメント切れ検出もあるので長時間かけて大きな作品を作ることもできる。

Paletteは既存の多くの3Dプリンターで使うことが可能で、Paletteや上位機種のPalette Proを使うためにプリンターを改定する必要はない。Canvasという新しいソフトウェアを使うとユーザーはカラープリントの計画を立てて、命令をPaletteとプリンターの両方に送り込める。

Palette 2の価格は449ドル、Proは699ドル。ProはPalette 2よりも高速にプリントできる。

これは実に賢い工夫だ。プリンターに全部の仕事をやらせる代わりに、フィラメントに働かせる。ほぼあらゆるプリンターでPaletteを使うことが可能だが、現在同社は多くの人気プリンターにネイティブサポートをするよう交渉している。スマートフォンのケースや伸縮可能な素材を使ったラバー風ウォッチバンドや教材なども3Dプリントできる。いちばん印象深いのは何か? このシステムを使うと脳の断面図をプリントして腫瘍の部分を黄色で表すことができる。(まだ)完全なフルカラーではないものの、Paletteは低予算でカラー3Dプリントを考えている人にとってはすばらしいソリューションだ。

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ブロックチェーンを使用するIoTデバイスの開発が簡単にできる組み込みボードElkrem

スマートフォンをArduinoのボードに接続するツール1Sheeldを作った連中が、さらにおもしろいものを作った。彼らの新製品Elkremは、ブロックチェーンのIoTデバイスを作るためのスマートキットで、彼らはこのプロジェクトのためにEndure CapitalとConsensysから25万ドルを調達した。

ファウンダーのAmr SalehとIslam MustafaはTechCrunch Disrupt 2013で1Sheeldを発表し、その後120か国で数万台を売った。そして今度の彼らの製品は、完全にブロックチェーンがベースだ。

[Bitcoinを使用するキャンディーの自販機]

Salehは説明する: “Elkremは、ブロックチェーンハードウェアを開発するためのボードだ。ブロックチェーンのデベロッパーはハードウェア開発の詳しい知識がなくても、これを使って、ハードウェアのプロトタイプをDapps(分散型アプリケーション)に容易に統合できる。また電気工学のエンジニアやハードウェアのデベロッパーが、ブロックチェーンの詳しい知識がなくても、自分のハードウェアプロジェクトにブロックチェーンを接続できる。どちらもスマートコントラクトでアクチュエータをトリガでき、またセンサーのデータをスマートコントラクトへログできる”。

ボードはArduinoに似ていて、二つのプロセッサーとストレージとWi-Fiがある。プロセッサーのひとつはLinuxの彼ら独自の変種が走り、Ethereumや, IPFS, Swarm, Whisper, Bitcoin, Status.imなどへインタフェイスする。他方のプロセッサーは、もっぱらユーザーに対応する。

Salehは曰く、“うちの強みは、速い開発と速いプロトタイピング、そして速い市場投入だ。このボードがあれば、プライベートで分散型のIoTメッセージをピアツーピアの通信で送れる”。

つまり、このボードがあれば、ブロックチェーンを使うハードウェアの開発が簡単になる。Koynというライブラリを使って、Bitcoinによる決済をわずか1行のコードで処理でき、彼らはすでにサンプルプロジェクトとして、Bitcoin対応のキャンディーマシンや、Bitcoinで料金を払える電源コンセントなどを作っている。このボードは、年内にKickstarterにも登場する予定だ。

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SNES.partyでスーパーファミコンのゲームを友だちとWebでプレイできる

あのすばらしいNES.party(ファミコン・パーティー)に続いてHaukur Rosinkranzが、今度はスーパーファミコンのゲームを友だち全員とプレイできるサイトSNES.party(スーパーファミコン・パーティー)を立ち上げた。

Rosinkranzはアイスランド人だが、今はベルリンに住んでいる。彼は1年前に、WebRTCとWebSocketsの実験のためにNES.partyを作り、そのソフトウェアをアップデートしてスーパーファミコンをサポートした。

彼曰く、“それ〔NES.party〕を作った理由は、ChromeのRTCの実装がすごく良くなってることが分かって、これで何かをやってみよう、と思ったからだ。ゲームのビデオ成分を取り出して、それをネットワークでストリーミングできることが分かったから、これで何かクールなことをしたいと思い、ストリーミングエミュレーターを思いついた”。

そのWebアプリケーションの制作には6か月かかり、さらにそれにスーパーファミコンのサポートを加えるのに1か月かかった。

“でも正味の時間を言うのは難しい。複数のWeb閲覧者がリアルタイムで通信するようなWebアプリケーションのための開発フレームワークはないから、それを自分で作ることから始めた。それに要した時間も大きい”、と彼は言う。彼は、フリーのプログラマーである。

こいつは、退屈な一日を楽しくしてくれる上出来のハックだ。過去へのリンク〔Link to the Past, ゼルダの伝説 神々のトライフォース〕を楽しみたい人は、ぜひ、ここでプレイしよう! 〔訳注: SNES.partyはアクセスが多すぎて待たされることがある。〕

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台湾のXYZPrinting、フルカラー3Dプリンターをリリース――999ドルで予約受け付け中

台湾に本拠を置くXYZPrintingはとうとう手軽にカラー3Dプリンティングができる道を開いたかもしれない。最新のプロダクト、da Vinci Color Miniは定価1599ドルでフルカラーの3Dプリンティングができる。CMYの3色カラーインクをカートリッジで装備し、プリント時に射出されるフィラメントを15000万色に染色できる。

この3Dカラープリンターは現在Indiegogoで999ドルで予約受付中だ。

プリントできるオブジェクトのサイズは13センチ立法だ。素材はPLA(ポリ乳酸)と PETG(ポリエチレンテレフタレート)のフィラメントを用いることができる。PLAフィラメントについては小型のインクジェットで染色してカラフルなプロダクトを作れる。

XYZprintingの,CEO、Simon Shenは「ついにフルカラーでデスクトップ3Dプリンティングができるようになった。消費者が手頃か価格で購入し、簡単に操作できるプロダクトだ。カラー3Dプリンターとしては現在の市価より3万ドルも安い。以前は産業用機械でしか利用できなかったテクノロジーをこうして一般消費者向け製品に使ったのは本当に革命的だ」と述べた。

この3Dプリンターは家庭や学校での利用を念頭に置いている。しかもIndiegogoの1000ドル以下というのは価格としてスイートスポットだ。プリント精度にはまだ多少問があるが、もう少し精度が高い単色3Dプリンターの値段でフルカラー出力ができる3Dプリンターが手に入るというのは魅力だ。


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この2足歩行ロボットは頭がドローンでできている

2足ロボットを作るのは難しい。常に絶妙なバランスを保っている必要があり、驚くべき技をこなすATLASのようなロボットでさえ、時には転んでその電子の頭を強打してしまう。しかし、もしその頭がクワッドコプターならどうだろう?

東京大学で作られた意欲的ロボット、Aerial-Bipedはまさにそれだ。ロボットは完全な二本足ではないが、真に2本足で歩くための面倒な問題を回避しつつ、2足歩行ロボットのように行動する。歩く真似をしながら実際には歩かない操り人形の足を想像するとよいかもしれない。

目標は、2足歩行のように見せながら動的な移動能力をもつ、新しいビジュアル体験をあたえるロボットを作ることだ。このロボットはフラミンゴのような非常に細い足を使いながらも、移動能力を損なうことなく歩くことができる。このアプローチによって、専門知識がなくても二足ロボットの歩行を演出できるようになる。しかも、通常の二足歩行ロボットよりずっと安価に作れる、と研究チームはIEEEに語った。

このロボットは、 Balluという、浮遊する頭部とヒョロ長い足をもつ異様な外見の風船ロボットに似ている。もっともらしい歩き方は機械学習を通じて会得し、その結果実際には飛行システムでありながら、リアルな歩き方の印象を与えている。気の利いた小さなプロジェクトだが、巨大な2足歩行ロボットが倒れてくると危険なテーマパークのような環境で面白い使い方ができそうだ。

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この陽気なロボットは、自閉症児のセラピーに一役買う

LuxAIが作ったQTrobotという名の小さなロボットが、セラピストや両親と自閉症の子供たちとの橋渡しになるかもしれない。液晶画面の顔とロボティックアームを備えたロボットは、人との触れ合いを恐れる子供たちにとって居心地の良いセラピー環境を作ることができる。

プロジェクトの主体はルクセンブルグ大学のスピンオフ、LuxAIだ。彼らは今月末にRO-MAN 2018で成果を発表する。

「このロボットは、人間セラピストとロボットと子供の間に三角形のつながりを生むことができる」と共同ファウンダーのAida NazarikhorramがIEEEに伝えた。「子供は教師やセラピストとすぐに打ち解け、ロボットについて質問したりその行動に関するフィードバックをくれる」。

ロボットは自閉症児の不安を緩和し、「ハンドフラッピング」など多くの行動がロボットの存在によって減少したところを研究者らは観察している。

ロボットはアプリやタブレットよりも良い結果を生む、という点も興味深い。ロボットが具現的であることから、子供の注意を引き、iPadとアプリの組み合わせと比べて学習効果が高いと研究者らは考えている。言い換えると、子供達はタブレットで遊び、ロボットとは勉強する。

ロボットは完全自立で容易にプログラムが可能。一回の充電で数時間動作可能で3DカメラとCPUを内蔵している。

ロボットはセラピーの中心になるのではなく、セラピストと患者の接触を補助する役割を担う。これは優れた(かつ気の利いた)小さなテクノロジーが生んだ優れた研究成果であることは間違いない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

この新しい素材オーセチックスはエネルギーを抱き込んで自分の中に保存する

オーセチックス(auxetics)は、エネルギーを与えられると膨らんだり角が飛び出たりせずに、そのエネルギーを内部に保存する素材だ。押したり叩いたりするたびにそのエネルギーを蓄え、それを一定のペースで発散する。しかし歴史的にはこれらの素材には鋭利な角があって、押しすぎると簡単に破損した。そこでロンドンのクイーンメアリー大学とケンブリッジ大学の研究者たちは、オーセチックスもっと丈夫に効率的に利用する方法を発見した。この方法では、エネルギーを保存してそれを機械的に、何千回も放出するシステムを作れる。

クイーンメアリー大学のDr. Stoyan Smoukovはこう語る: “新しい素材設計の輝かしい未来は、それらがデバイスやロボットを置換していくことにある。すべてのスマートな機能を素材に埋め込める。たとえば鷲が獲物をくちばしでつつくときのように、オブジェクトを何度でもつつくことができるし、新たな力を加えることなく万力のように物を保持できる”。

たとえばロボットがこのシステムを使ったら、物を手で握って、それを離すときが来るまで手をずっと閉じていられる。開いて物を下に落とすときまで、手や鉤爪などに力を送り続ける必要がない。

このプロジェクトに参加した学部学生Eesha Khareはこう言う: “高熱など厳しい条件にさらされる素材の大きな問題は、その膨張だ。これからは、熱源との距離によって変わる温度勾配に合わせて、連続的に膨張特性が変わる素材を設計できる。それによって素材は自動的に、何度も繰り返される厳しい変化に対し、自分を自然に調節できる”。

このプロジェクトは3Dプリントを使って、歯のついたアクチュエータをつかむ小さなクリップを作った。エネルギーを放出するためには、物の反対側を引っ張って歯を外す。システムの全体はきわめて単純だが、エネルギーによってその素材が伸びたり膨らんだりせず、むしろそのエネルギーを蓄えるという事実は重要だ。これと同じ技術を使って、弾(たま)が装甲や防具に当たったら、その弾をつかんでしまうことが可能だろう。人も兵器も、より長寿になるね。

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FossilのAndroid Wearファッションウォッチが心拍計などフィットネス機能を充実

バッグや腕時計など、伝統的なファッション小物のメーカーであるFossilが、スマートウォッチという形でウェアラブルの世界に入ってきたことは、スタートアップとは別の意味で興味深い。同社のそのQウォッチシリーズの新製品Fossil Q Venture HRとFossil Q Explorist HRは、Fossilの初期のシンプルなウォッチにAndroid Wearの機能をたっぷり盛り込んでいる。いわばこれらは、フィットネスのファンのための、良くできた低価格のスマートウォッチだ。〔*: HR==heart rate==心拍数〕

最初のQウォッチはアナログの文字盤と歩数計をハイブリッドした巧妙な設計だった。しかしウェアラブルをやるようになると、同社はAndroid Wear路線を選んで低電力消費のタッチスクリーンウォッチをいくつか出した。しかし今回は新しいチップセットを採用して、大量の機能をうまくまとめることに成功した。VentureとExploristにはテザリング不要のGPS, NFC, 心拍計があり、電池寿命は24時間だ。高度計やジャイロセンサー(角速度センサー)もある。

これらの新型ウォッチは255ドルで、QualcommのSnapdragon Wear 2100チップを搭載している。それは、フィットネスウォッチ向けに最適化されているチップセットだ。

形とバンドは複数種類あり、文字盤は36種ある。それらの中にはフィットネス機能だけに専門化した文字盤もある。Google Payで支払決済もできるが、Apple Payはサポートしていない。コンテンツを保存して歩行やランニング時に見たり聴いたりできる。防水だから水泳の計時もできる。VentureとExploristはそれぞれ、40ミリと45ミリだ。ストラップは交換できる。スイス製の1万ドルの名品ではないが、ルックスも機能もとてもいい。

〔関連記事: ウェアラブルオペレーティングシステムAndroid Wearが‘Wear OS by Google’に改名

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

古いKindleが文学時計に変身

もし古いKindleリーダーを持っていたなら、取り出してみると良いだろう。このクールなハックを使えば、死んだeリーダーを生きている時計に変えることができる。何百冊もの書籍から時刻を抽出して、現在時刻を引用として表示してくれるのだ。表示は毎分更新される。

Instrucablesで説明されているこのプロジェクトは、ジェイルブレイクされたKindleと多少の作業を必要とする。このアプリはガーディアンがアートプロジェクトのために収集した引用や、チャールズ・ブコウスキーからシェークスピアに至る様々な著作を利用している。

開発者のJaap Meijersは次のように書いている。

私のガールフレンドは*とても*熱心な読書家です。英国文学の教師ならびに学者として、彼女は年間平均80冊の本を読んでいます。

彼女のウィッシュリスト(欲しいものリスト)に、私たちのリビングルーム用の時計がありました。店から壁掛け時計を買ってくることもできたのですが、それでは面白くもなんともありませんよね?そこで私は彼女に時計を作ってあげることにしました。eリーダーのディスプレイを使って文学作品の中から時間を示す部分を引用して、時刻を告げるのです。これ以上無いほどふさわしいやりかたです 🙂

私たちの家族が15台目のKindleを使っていることを思えば、これまでの1台を役立つように改造してみる価値はあるだろう。Kindleを持っていない?その場合はここでWebバージョンにアクセスできる。

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(翻訳:sako)

身体を3D計測するボディスキャンアプリ3DLOOKが100万ドルを調達

3Dボディスキャンシステムは、何年もの停滞と再起動を繰り返したあとに、大きな動きを見せた。Original StitchのBodygramに続いて、新たな3Dスキャナーである3DLOOKが、世界中の身体を測定するために、100万ドルの資金を手に競争に参入したのだ。

創業者である、Vadim Rogovskiy、Ivan Makeev、そしてAlex Arapovdは、スマートフォンだけで人体を測定できることがわかったときに3DLOOKの開発を決心した。他のソリューションでは必要な精度を実現できず、高価なハードウェアに依存してしまうことがわかったからだ。

「広告業界で6年以上の起業経験を積んだ頃、私は普通の商品ではない新しいものを作りたいと考えていました」とRogovskiyは語る。「そのころ成長を阻害するものを克服する仕事をしたいと思っていて、アパレル業界がeコマースにおける増大し続ける返品問題で苦しんでいることに気が付いたのです。3DLOOKの共同創業者たちは、2016年にSAIA(Scanning Artificial Intelligence for Apparel:アパレルのためのスキャンAI)を作成する前に、1年以上をR&Dと、新しいアプローチと様々な技術の組合せのテストに費やしました」。

これまでチームは40万ドルを調達し、そしてつい最近会社を成長させるために、シードラウンドで100万ドルを調達した。

またチームは「フィットプロファイル」を収集しており、このプロファイルを「地理的位置、年齢、そして性別グループ」に基づいて、提供することが可能だ。このことが意味するのは、3DLOOKが測定値に基いた正確なサイズを答えることが可能であること、そして衣服がどれくらい身体にフィットするかを教えてくれることができるということだ。既に彼らは2万件のプロファイルを持ち、8つの有料顧客ならびに5つの大企業のシステムと連携して作業を進めている。例えばLemonade FashionとKoviemがこのプラットフォームを使っている。

「3DLOOKは、カジュアルな写真を2枚撮影するだけで人体計測を可能にする技術を開発した最初の企業です、そしてオンラインアパレル販売市場をディスラプトする計画をもっています。ブランドや小規模店舗が、顧客の身体測定値を集めてオーダーメードの提案ができるように、デスクトップ用APIやモバイル用SDKを提供します」とRogovskiyは語る。「さらに、わが社は人間の身体測定値に関するデータベースを収集しています、これによってブランドは全てのボディタイプ向けにより良い服を作ることが可能になりますし、サイズ合わせと返品問題を解決できるのです。こうすることで、店舗が今以上のアパレルを売ることができるだけでなく、顧客も高品質のアパレルを手にすることができるのです」。

3Dスキャナーは長年にわたり改良に次ぐ改良を重ねて来ているが、企業たちがほんの数枚の写真だけで身体をスキャンできるということは興味深い。こうしたものは、好みに関する意見を述べることはできないが、注文する前に服のサイズがぴったりであることを保証してくれることは間違いない。

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(翻訳:sako)

郵送でもフィッシングは可能――中国のハッカー、マルウェア入りCDで政府機関を攻撃

単純だが効果的なソーシャル・エンジニアリングの手法だ。中国のハッカーは政府機関に対してマルウェアを入れたCDを郵送するという攻撃を行っていいるという。DHS(国土安全保障省)が組織したMS-ISAC(Multi-State Information Sharing and Analysis Center)はこれに関する情報を公開して警戒を呼びかけている。

非常に単純なトリックで、中国の消印が押された封筒でCDが同梱された無意味な書簡が政府機関に届けられる。このCDのWordファイルにはスクリプト・ベースのマルウェアが仕込まれている。誰かがこのファイルにアクセスするとマルウェアが起動し、おそらくはシステムが乗っ取られるのだろう。セキュリティー専門家、Brian Krebsは次のように書いている

MS-ISACは予備的調査の結果として、CDには普通話中国語のMicrosoft Word (.doc)ファイルが複数含まれており、一部のファイルにはVisual Basicスクリプトで書かれたマルウェアが付属していると発表した。MS-ISACによれば、アメリカ政府や自治体の公文書館、史学協会、文化教育機関などにそれぞれの宛名を付したこうした郵便物が届いているという。これらの機関で誰かが実際にCDを公的なコンピューター・システムに接続したかどうかは不明だ。

なんであれ頼まないのに勝手に送り付けられてきたストレージデバイスをコンピューターに挿入してはならない。とはいえ、このマルウェア攻撃は多少の技術的知識とCD-ROMを製作、郵送する金さえあれば簡単に実行できることもはっきりしている。もっとも、いまだにCDドライブのあるコンピューターを使っている犠牲者を選ばねばならないのは欠点だ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+