Google Cloudがユーザーのネットワークを最適化できるための詳細分析情報を提供

Google Cloudが今日(米国時間4/5)ローンチする新しい機能でユーザーは、Google Cloud上のユーザーのサーバー群とGoogleのそのほかのサービスやオンプレミスのデプロイメント、そしてそのほかのありとあらゆるインターネットのエンドポイントとの間のデータフローをモニタし、最適化できる。名前が示すように、そのVPC Flow Logsと呼ばれる機能は、GoogleのVirtual Private Cloud機能(仮想プライベートクラウド, VPC)を使って自分たちのリソースを他のユーザーから隔離している企業が利用する。

VPC Flow Logsは、VPC内の仮想マシンが送受するすべてのネットワークフロー(UDPとTCPの両方)をモニタしログする。それには、Google Cloudの複数のリージョン間のトラフィックも含まれる。そのデータをGoogle Cloudに保存したければ、すべてのデータをStackdriver LoggingやBigQueryへエクスポートできる。後述のように、そのほかのリアルタイムアナリティクスやセキュリティプラットホームにエクスポートするには、Cloud Pub/Subを使える。データは5秒おきにアップデートされるが、このサービスの利用がユーザーがデプロイしているアプリケーションのパフォーマンスに影響を与えないことを、Googleは約束している。

今日の発表におけるGoogleの注記によると、これによりネットワークの運用者はGoogleのネットワークのパフォーマンスを詳細に知ることができ、ネットワークのトラブルシューティングも可能になる。またユーザーのグローバルなトラフィックに関するさまざまな情報が得られるので、ネットワークの使い方や費用を最適化できるようになる。

そのデータはすべて、不審者がユーザーのネットワークに入り込んでいたときなどの捜査にも役に立つ。ただしそのためには、データを、SplunkやArcSightのようなセキュリティ情報とイベント管理(security information and event management, SIEM)の専門企業へエクスポートした方がよいだろう。

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AWSのDynamoDBが継続的自動バックアップと事故時の即時リカバリを提供

クラウドコンピューティングはいろいろ便利だが、データの扱いもクラウドのベンダーがやってくれるのがありがたい。でもそれは、ソフトウェアをアップデートしてくれるとか、ハードウェアのスケールアップ/ダウンを勝手にやってくれる、ぐらいのことだった。しかし今日(米国時間4/4)AWSはそれを一歩進めて、Amazon DynamoDB Continuous BackupsおよびPoint-In-Time Recovery(PITR)〔継続的自動化バックアップと即時リカバリ〕なるものを発表した

この新しいサービスでは、ユーザーがバックアップツールを有効にしておくと、バックアップが自動的に行われる。あとのことはすべてAmazonが面倒を見て、ユーザーのDynamoDBデータベースにあるすべてのデータを継続的にバックアップする。

しかもそれだけではなく、バックアップシステムは記録もつける。つまり、そのおかげで、過去35日以内ならデータの“巻き戻し”ができて、その粒度は秒単位だ。しかもそのツールにはユーザーがAWS Management Consoleからアクセスでき、AWS Command Line Interface(CLI)でAPIを呼び出せる。

スクリーンショット提供: Amazon

この新しい機能を発表するブログ記事でAmazonのRandall Huntが書いている: “この機能を作ったのは、事故的な上書きや削除からユーザーとデータを守るためだ。デベロッパーがステージングではなくプロダクションに対してスクリプトを動かしたとか、どこかのファットフィンガー(fat-finger, 指が太すぎるやつ)が間違ってDeleteItemボタンを押してしまったときには、PITRが助ける。また、ユーザーにとって予想外の事態にも対応できる”。

35日のリミットが気になる人は、通常の定期的なオンデマンドのバックアップならいくらでも長期保存できることを、おぼえておこう。

AmazonのCTO Werner Vogelsが、今日サンフランシスコで行われたAWS Summitでこの新しいサービスを紹介した。そして、どれだけ大量のデータがあっても平気だ、と言った。つまりこれらの新しいサービスは、データ量がテラバイト級でも使える。“これはAWSの本当に強力な仕組みなんだ”、とVogelsは自画自賛した。

この新しいサービスは今日からいくつかのリージョンで可利用になる。それらがどことどこか知りたい人は、このページを見てみよう。

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AWSのストレージサービスS3にゾーンを一つしか使えない低料金バージョンが登場

AWSのストレージサービスS3が今日(米国時間4/4)、データをクラウドに保存するための、低料金なオプションを導入した。デベロッパーは、それほど頻繁にストレージにアクセスしないアプリケーションのために、高い可用性を求めないことにより、最大でS3の標準料金の20%引きで利用できる。S3のこの新しいティアの名前は、S3 One Zone-Infrequent Access(ゾーンがひとつの非頻繁アクセス)だ。

S3は、AWSが最初から提供していたサービスのひとつだ。これまで、ティアの種類が少しずつ増えてきた。S3 Standardティアは、99.999999999%の永続性と99.99%の可用性を約束しているが、S3 Standard-Infrequent Accessは、同じ永続性と99.9%の可用性を約束している。またGlacierは、コールドストレージだ。

StandardとStandard-Infrequentに保存されるデータは、三つ以上のアベイラビリティゾーンへ複製される。しかし低料金のOne Zone-Infrequent Accessティアは、名前が示すように、一つのアベイラビリティゾーンにしか保存されない。複数のマシンへ複製することはできるが、しかしそのゾーンがダウンしたり破壊されると、データにアクセスできない。

そのため、この新しい低料金ティアは可用性が99.5%で99%のSLA(アップタイム率)しか提供しない。しかしその機能や永続性は、S3のほかのティアと違いはない。

今日(米国時間4/5)サンフランシスコで行われたAWS SummitのキーノートでCTOのWerner Vogelsが言ったように、ストレージのコストは複製を行うアベイラビリティゾーンの数で決まる。彼の見解では、この新しいサービスは、頻繁にアクセスされないけど複製はできる、というデータに利用すべきだ。

99.5%の可用性は、1年に1日か2日の、データにアクセスできない日がある、という意味だ。一部のアプリケーションにとっては、それで十分だが、Vogelsの説では、顧客はこのストレージを二次的なバックアップコピーや、複製可能なメディアファイルの保存に使うだろう、と言う。

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サーバーレスコンピューティングのモニタリングサービスStackeryが$5.5Mを調達

StackeryのファウンダーたちがまだNew Relicにいた2014年に彼らは、今後伸びてくるサーバーレス技術の市場にツールを提供していく機会がある、と考えていた。New RelicのIPOを契機に同社を去った彼らは、サーバーレスのアーキテクチャに統括と管理の層を提供する、を目標としてStackeryを創業した。

今日(米国時間4/3)同社は二つの大きな発表を行い、その最初の550万ドルの資金調達を彼らは“シード+”(プラス)と呼んでいる。第二の発表は、Health Metrics Dashboardと呼ばれるサーバーレスのパフォーマンスモニタツールだ。

まず、資金調達の話から。なぜ、シードプラスと呼ぶのか? 同社の協同ファウンダーでCEOのNathan Taggartによると、シリーズAでも良かったけど、でもまだ彼らの市場がそれほど成熟していないので、控えめな呼び方にした。“シリーズAへの欲求はあったけど、シードプラスの方が市場の現状に合っている”、と彼は述べる。今はまだ、各社がやっとサーバーレス方式の利点を理解し始めた段階だから、明らかに成長途上の市場だ。

HWVPがこのラウンドをリードし、Voyager Capital, Pipeline Capital Partners, そしてFounders’ Co-opが参加した。これにより、2016年に創業した同社の調達総額は730万ドルになった。

AWS LambdaAzure Functionsなどのサーバーレスコンピューティングという呼び名は、やや誤称だ。プログラムはサーバーが動かすのだけれども、アプリケーションのための専用のサーバーは要らない。トリガーイベントがあってそれに呼応するコードをサーバーが実行するときだけ、料金が発生する。これに先駆けてやってきたクラウドコンピューティングと同じく、デベロッパーがこれを好むのは、アプリケーションの構成やリソースの確保に大量の時間を取られずに済むからだ。

しかし、従来のクラウドコンピューティングと同じく、サーバーレスも実はクラウドサービスだ。だからこそ、デベロッパーは容易にアクセスできる。2011年に始まった“ITの消費者化”現象を思い出せば、それはクラウドサービスを容易に調達できる能力と引き換えに、組織内部のコントロールを失うことを意味していた。

クラウド初期の当時と同じく、今企業はサーバーレス技術のアドバンテージを求めるが、それと同時に、その費用や、他企業の利用状況、セキュリティ、企業のルールとのコンプライアンスなどが気になる。そこで、Stackeryのようなサービスの出番となる。

Health Metrics Dashboardと名付けられた新しいダッシュボードは、このビジョンの延長であり、モニタリングにルーツを持つファウンダーたちらしいプロダクトだ。サーバーレスはコンテナを扱うことが多く、多くのファンクションがそこにはある。何かがおかしくなったとき、その根因を見つけるのが難しい。

StackeryのHealth Metricsダッシュボード。写真提供: Stackery

そのダッシュボードは、ひとつのアーキテクチャ全域のスループットと各リソースのパフォーマンスを見せるから、デベロッパーは、どこにボトルネックがあり、パフォーマンスの問題や失敗があるか分かる。

同社は2016年に創業し、オレゴン州ポートランドに本社がある。社員は今9名で、内5名がエンジニアだ。年内には3名の増員を計画している。

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Apple、Mac向け独自チップを開発中との報道

Apple はMacに自社製の独自チップを使おうと計画している。これは現在デスクトップとノートで使われているIntelチップが置き換えられるかもしれないことを意味している。Bloombergが報じた。

Appleはこれまでにも数多くのカスタムチップを作っている。Bluetoothヘッドホン用のW-series、Apple Watch用のS-series、iPhone用のA-series、さらには新しいiPhoneで使われているカスタム版GPUなどだ。つまりAppleは、チップのファブレス製造を行う方法をいくつも持っている。デバイスの用途を益々特化し、サードパーティーへの部品の依存度を減らす意味でも理にかなった考え方だ。すでにAppleはQualcommとロイヤルティの件でもめている。またMacは製品ラインアップ的には第3の製品ともいえるが、今も会社の収益の大きな部分を占めている。

すべてのカスタムチップを自社開発することによってAppleは様々なことが可能になる。少なくとも、デバイス同士が効率的に話し合えるシステムにMacを仲間入りさせることができる。すでにAppleはユーザーのアクティビティをデバイス間で移動する手段をいくつも持っているが、これをよりシームレスにすることで、ユーザーをAppleエコシステムに囲い込むことが容易になる。W1チップ内蔵のワイヤレスヘッドホンをiPhoneに接続したことのある人なら、一般のBluetoothヘッドホンとの違いがわかるはずだ。チップセット全体を支配することでさらに差別化が強化されるだろう。Bloombergの記事によるとAppleは早ければ2020年にはチップを製造する可能性がある。

そうなればIntel は明らかな敗者となる恐れがあり、市場はそれを映し出している。Intel株はこのニュースのあと8%近く下落した。Appleが従来のチップからカスタムデザインへ移行することは、Intelが長年培ってきたアーキテクチャーからの明確な離脱だ。そして、独自のチップ設計を見込んでいるのはAppleだけではない。Amazon Alexa向けに独自のAIチップを開発して、Amazonエコシステムへの取り込みを狙っている。主要メーカーらが独自アーキテクチャーに目を向ける一方では、居並ぶスタートアップの群れがAI向けカスタムチップ開発のために巨額の資金を集めている

Appleはコメントを拒んだ。

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Microsoft Azureのアベイラビリティゾーンがやっとアベイラブルになった

どのクラウドを使う場合でも、あなたのアプリケーションの可利用性を高く維持するためには、そのアプリケーションとデータを物理的に異なる複数のリージョンに置きたいだろう。そうしないと、ひとつのリージョンがダウンするとアプリケーションもダウンする。しかし大手クラウドプラットホームはすべて、ひとつのリージョン内に‘アベイラビリティーゾーン(availability zone)’という概念を設けて、アプリケーションを同じリージョン内の二つのデータセンターでホストするオプションを提供している。すべて、と言ったが、Azureのアベイラビリティゾーンは昨年9月にベータでローンチし、今日(米国時間3/30)から一般供用される。

今日のローンチに先駆けてMicrosoftのAzure担当VP Julia Whiteは、データセンターのネットワークに関する同社の設計哲学はつねに、商用利用の顧客にできるかぎり広い圏域のリージョンを提供して、彼らの顧客との至近性を確保し、またローカルデータの独立性とプライバシーに関する法律を守ることにある、と述べた。たしかにAzureは競合他社に比べてリージョンの数が多く、今可利用なものが38、発表されているものが12ある。

“Microsoftのインフラストラクチャのアプローチはエンタープライズの組織を念頭に置いており、そのために多数のリージョンを設けている”、とWhiteは言っている。“このようなリージョンの設定は、容易でシンプルだからしているのではない。顧客が本当に望むものはこれだ、と信じているからだ”。

それぞれのアベイラビリティゾーンに独自のネットワーク接続と電力のバックアップがあり、リージョン内のひとつのゾーンがダウンしてもほかは無事だ。しかしリージョン全体に及ぶ災害はすべてのゾーンを遮断するだろうから多くの企業は、データを少なくともあとひとつの別のリージョンに保存したいだろう。

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MySQL代替系MariaDBがビッグデータ分析スタートアップMammothDBを買収してBIアナリティクスを強化

MariaDBは、人気の高いMySQLデータベースの簡易な代替系としていちばんよく知られている。しかしMariaDB Corporationを創ったのはMySQLのファウンダーMonty Wideniusであり、そこがそのソフトウェアのすべてをオープンソースのライセンスで提供している。それは明らかに、もっと大きな市場をねらっているからであり、大きくなってOracleなどともより有利に競合したいからだ。という同社が今日(米国時間3/27)、ブルガリアの企業向けビッグデータ分析サービスMammothDBを買収したことを発表した。

MariaDBはすでに、MariaDB AXという名で企業向けアナリティクスとデータウェアハウジングのシステムを提供している。そのサービスは2017年にローンチしたが、これにMammothDBの専門的能力を注いで、力をつけたいのだ。

MariaDBのCEO Michael Howardはこう説明する: “MammothDBのチームは、MariaDBの成長にとってきわめて重要な時期に来てくれた。彼らは、ビッグデータのソリューションでめざましい実績を有している。昨年はMariaDB AXの需要が急増したが、それは、Oracle やTeradataのようなプロプライエタリな提供物と違ってオープンソースの世界では従来、アナリティクスの部分に欠落があり、企業ユーザーはその欠落を埋めたかったからだ。MariaDBがこの成長中のニーズに対応し、そのアナリティクスのプロダクト(MariaDB AX)を継続的にイノベーションしていくためには、MammothDBの専門的なアナリティクスの能力が欠かせない”。

買収の価額は公表されていない。MammothDBは2015年に3TS Capital PartnersとEmpower Capitalがリードするラウンドで180万ドルのシード資金を調達したが、その後の資金獲得の話は聞かない。一方MariaDBは、2017年の後半にAlibaba GroupとEuropean Investment Bankが率いるシリーズCのラウンドで5400万ドルを調達した。その資金が、今回の買収を支えたものと思われる。

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マイクロソフト、利用規約改訂で攻撃的コンテンツや発言を禁止へ

CSOOnlineの報道によると、Microsoft は同社サービス上で攻撃的発言を禁止する方法を検討している。対象となるプラットフォームにはSkype、Xboxのほか、なぜかOfficeも含まれている。記事に取り上げられているMicrosoftの新しい利用規約には、ユーザーに「各種サービスを利用して不適切なコンテンツや資料(ヌード、残虐性、ポルノ、攻撃的言語、露骨な暴力、犯罪行為等)」を共有することを許さない」と記されている。つまり、ゲーム「オーバーウォッチ」で子供に罵詈雑言を浴びせるとXbox Liveのメンバー資格を失うことになるかもしれない。

「われわれは当社顧客が安全に安心してサービスを利用できることを約束する。最近改訂されたMicrosoft利用規約には、ユーザーから不適切な公開コンテンツについて通報を受けた際の当社の対応方法が明記されている」とMicrosoftの広報担当者は言った。同社は “Microsoft Agents” はSkype 通話を監視していないため、明らかな乱用の証拠を伴う苦情に対してのみ対処することも付け加えた。5月1日に発効される新規約では、Microsoftが不適切なコンテンツを発信したり攻撃的発言を行う行為を発見した場合、そのユーザーをサービスから排除できるようになる。

改訂された規約によって、Microsoftは悪質なユーザーに対処する大きな力を得る。同社サービス上での悪質行為の取り締まりに本腰を入れ始めたようだ。これはMicrosoft製品上のプライベートなコミュニケーションチャンネルで悪質行為の被害にあっている人たちにとって朗報だ。Xboxで相手の母親を罵るような言葉を発する「荒らし」たちに、考え直す機会を与えることを期待したい。

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Linux Foundationにディープラーニングのオープンソース団体が加わる

名前はLinuxでも、Linux Foundationかなり前から、Linuxのためだけの団体ではない。今ではCloud Foundry, Automotive Grade Linux Initiative, Cloud Native Computing Foundationなど、さまざまなオープンソースの財団やプロジェクトを支えている。そして今日(米国時間3/26)Linux Foundationにはさらにもうひとつの財団、LF Deep Learning Foundationのサポートが加わった

LF Deep Learning Foundationの目的は、“人工知能や機械学習、およびディープラーニングのオープンソースのイノベーションをサポートして支え、これらの重要な技術を世界中のデベロッパーとデータサイエンティストにとって可利用にすること”だ。

創設メンバーは、Amdocs, AT&T, B.Yond, Baidu, Huawei, Nokia, Tech Mahindra, Tencent, Univa, そしてZTEだ。今後、さらに増えていくであろう。

The Linux Foundationの事務局長Jim Zemlinはこう述べている: “AIや機械学習およびディープラーニングのエコシステムにおける多くのプロジェクトに長期的な戦略と支援を提供し続けることを目的とする団体をご提供できることは、きわめて喜ばしい”。

同団体の最初の公式プロジェクトはAcumos AI Projectで、これはLinux Foundationがすでにホストしている、AT&TとTech Mahindraのコラボレーションだ。Acumos AIは、AIのモデルとワークフローを開発、発見、そして共有するためのプラットホームだ。

Linux Foundationが支えるそのほかの団体と同じく、LF Deep Learning Foundationもさまざまなレベルの会員資格を支援企業に提供し、また非営利団体も会員として受け入れる。LF Deep Learningの会員は、同時にLinux Foundationの会員にもなる。

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Dropbox、上場2日目も株価7%アップ

Dropboxの株価が急騰を続けている。上場2日目も7%高で取引を終えた。

終値は30.45ドルで、完全希釈後の時価総額は130億ドルを超えた。

IPO価格が設定されたとき、果たしてDropboxが最後の調達ラウンドで達成した会社評価額100億ドルを超えられるのかという疑問があった。同社はそんな懸念を一夜のうちに一掃した。

上場直後の数日間は、このクラウドストレージ会社に対する投資家の需要を表す重要な指標になっている

おさらいしておくと、当初DropboxはIPO価格を16~18ドルと希望し、後に18~20ドルへと引き上げた。最終的には21ドルでIPOを果たし、28ドル以上で初日の取引きを終えた。そして今も上がり続けている。

通常主幹銀行はIPO価格を、IPO Popと呼ばれる初日の急騰で20%程度上がるように設定する。今の上昇ぶりは、Dropboxがウォール街の予想を上回ることを示唆している。これは、Dropboxが株価をもっと高く設定していればもっと多額の資金を得られたであろうという意味でもある

Dropboxは募集価格21ドルでIPOを実施して7億5600万ドル調達した。仮にそれを24ドルにしていれば、調達額は8億6400万ドルとなり、それでも新規投資家は大きな利益を得ていた

企業の財政が好転することを喜ぶ株式市場の投資家らにとって、これは間違いなく勝利だ。

Dropboxは直近の年度に11億ドルの収益をあげ、2016年の8億4500万ドル、2015年の6億0400万ドルから上昇した。

しかし、キャッシュフローは2016年以来黒字だが利益はまだ出ていない。昨年Dropboxは約1億1200万ドルの損失を出した。それでも、2016年の2億1000万ドル、2015年の3億2600万ドルと比べて利幅は改善されている。

月曜日(米国時間3/26)は株式市場全般に好調の一日だった。Dowは600ポイント急上昇し、Microsoft、AppleといったIT株の値上がりが理由のひとつだった。

Dropboxの筆頭株主は、共同ファウンダー・CEOのDrew Houstonで、IPO前に同社の25.3%を所有していた。Sequia Capitalの持ち株比率は23.2%だった。

Dropboxは、来週上場予定のSpotifyとはまったくタイプの異なる会社だが、投資家はこの好調なデビューをIPOの窓が「開いている」証拠と見ている。つまり、IT企業の新規上場に対する需要が高まっている、という意味だ。

最近、ZuoraPivotalSmartsheetもIPO申請したことを公表し、いずれも4月中の上場を予定している。そして本誌はDocuSignのIPOが近いというニュースもいち早く報じた。

ここ数年、テクノロジー企業のIPOは低調だったが、今年は変わる、と専門家は期待している。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の国際上場責任者、John Tuttleは「市場環境が安定すれば好調の一年になる」と予想している。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Dropbox、上場初日の株価は36%アップ――終値は$28.48、100億ドル企業の仲間入り

今日(米国時間3/23)、Dropboxが上場を果たし、公開企業の仲間入りをした。1株当たり21ドルで売り出し、7億5600万ドルを市場から調達した後、株価は一時31.60ドルまで跳ね上がった後、28.48ドルで取引を終えた。上場初日のアップ幅は36%となった。

Dropboxのパフォーマンスは市場がクラウドストレージサービスの将来に強い期待を寄せていることを間違いなく示している。同社は上場売り出し価格の範囲を16ドルから18ドルに設定したが、その後18ドルから20ドルに上方修正していた。

またDropbox の終値は、前回の資金調達ラウンドの際の評価額、100億ドルを大きく超えたことを意味する。 希釈後のDropboxの時価総額は120億ドルとなった。

Dropboxの3017年の売上は11億ドルで、. 2016年の8億4500万ドル、2015年の6億400万ドルから順調な伸びを見せている。

2016年以降、キャッシュフローは黒字であるものの、損益では1億1200万ドル近くの赤字を出している。しかし赤字幅は2016年の2億1000万ドル、2015年の3億2600万ドルと比較すると大きく圧縮されている。

有料ユーザー1件当たりの売上は111.91ドルだ。

フリーミアムモデルを採用しているDropboxが一般ユーザー向け企業なのかエンタープライズ向け企業なのかについてはこれまでも議論があった。同社の登録ユーザーは5億人いるものの、有料ユーザーは1100万に留まっている。

Dropboxは創立1年後の2008年にTechCrunch 50カンファレンスに登壇したが、ステージでピッチを行ったCEOのドルー・ハウストンはデモの途中、WiFiの不具合で立ち往生した苦しい経験を語っている。この記事でそのときのビデオが見られる

上場時点でSequoia Capitalが発行済全株式の23.2%を所有し、最大の投資家となっている。SequoiaのサイトにはDropboxが2007年にシード資金を調達するために作成したスライドが掲載されている〔Original seed pitch from 2007というキャプションが付されている〕。2位の投資家はAccelで5%を所有している。

ドルー・ハウストンは25.3%を所有している。

Greylock Partnersも若干の株を保有しており、ジェネラル・パートナーのJohn Lillyは「Dropboxに投資したのはドルー・ハウストンとそのチームが仕事のやり方の将来に関して非常に明確なビジョンを持っていたからだ」と述べている。

しかしクラウドサービスを提供するライバルは数多く、Dropboxの市場では激しい競争が繰り広げられている。【略】

メディアではDropboxと比較されることが多いBoxに関してハウストンは「正面からのライバル関係ではない」と必要以上に重視しない姿勢を見せている。たしかに両者のサービスには類似点も多いが、ビジネスモデルではBoxはエンタープライズ寄りであり相当に異なる。Dropboxは投資家にこの点に留意するよう求めていた。初日の値動きを見ると、Dropboxの戦略は功を奏したようだ。

NasdaqのティッカーシンボルはDBXとなった。

われわれがDropboxの上場と将来像に関して討論した内容をポッドキャストとして下にエンベッドした。参加者のEric KimはGoodwater Capitalのマネージング・パートナーで、このレポートを執筆している

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

GitLabがライバルのGitHubをサポート、CI/CDで顧客を取り込みたい

おもしろい展開だ。チームがコードを共有するための共有リポジトリを提供するサービス、という点では多くの点でGitHubと競合するGitLabで、その継続的インテグレーションとデリバリ(continuous integration and delivery(CI/CD))の機能がGitHubをサポートすることになった

今日(米国時間3/22)ローンチするその新しいサービスは、GitLabがホストするサービスの一環だ。2019年の3月22日までは無料で利用できるが、その後は、GitLab.comの有料のSilverティアへ行く。

GitHubもやはり、そのコアツールの上の層としてベーシックなプロジェクト管理やタスク管理のサービスを提供しているが、しかしDevOpsのライフサイクルのほとんどの部分はパートナーたちにまかせている。GitLabは、複数のコードリポジトリを統合するなど、もっと完全なCI/CDソリューションを提供しているが、GitLabの人気もけっして低くはないけど、GitHubはデベロッパーや企業による知名度ではGitLabを大きく引き離している。というわけで今回GitLabは、コードをGitHubに保存しているけどより完全なCI/CDソリューションも使いたい、という新しいユーザー、とりわけエンタープライズユーザーを獲得したいのだ。

今度の新たなGitHubの統合により、デベロッパーは自分のプロジェクトをGitLabでセットアップし、それらをGitHubのリポジトリに接続できる。するとデベロッパーがコードをそのGitHubのリポジトリへプッシュするたびに、GitLabがそのプロジェクトのCI/CDパイプラインを動かし、ビルドとテストとデプロイを自動化する。

GitLabのCEOで協同ファウンダーのSid Sijbrandijはこう述べる: “継続的インテグレーションとデプロイメントは現代的なDevOpsの根幹だ。今回の新しいサービスにより、GitHubをコードリポジトリとして使っている企業やオープンソースのプロジェクトは、GitLabの、業界のトップを走る高度なCI/CDサービスを利用できる”。

なおGitLabは、AtlassianのBitBucketの、今回とよく似た統合も提供している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Dropbox、IPOを明日に控え売出価格を21ドルに引上げか

本日(米国時間米国時間3/22)Dropboxは、明日の株式公開の売出価格を 当初の予定より高く設定すると発表した。時価総額は目標の100億ドルに近づく。

今週Dropboxは、IPO価格を1株あたり18~20ドルの範囲として時価総額最大80億ドル(完全希薄化した株数に基づけば約87.5億ドル)に設定すると発言していた。新しい価格設定によるとDropboxの評価額は約84億ドル(完全希薄化株数では90億ドル)になる。18~20ドルという価格範囲も当初提示された16~18ドルよりは上がっていた。DropboxはこのIPOで7億ドル以上の資金調達を見込んでおり、並行して既存株主が900万株以上を売りに出す。

つまりはDropboxが世間の関心を試したということで、実際関心は非常に高い。IPOの価格範囲を控えめに設定しその後その価格で買いたいという投資家候補がどれだけいるかを見て価格を上げる企業もある。Dropboxは明日、株式市場デビューを果たす予定で、時価総額を最大化するとともに、IPOポップとよばれる急騰(通常20%前後の値上がり)も確保したい。正式な価格は今日のSEC申請資料でわかるはずた。

順調に行けばDropboxは最後の調達ラウンドの評価額を上回り、消費者プロダクトスタートアップのブームの中、時価総額100億ドルに届く可能性がある。オンラインストレージの先駆者であるDropboxは、近年では大企業ユーザーを徐々に獲得して高収益な第2の事業も進めようとしている。同社は、まず企業内チームの顧客を取り込み、成長とともに会社幹部にリーチを伸ばす古典的なシナリオを展開しているが、Dropboxが普及するにつれ逆のパターンも可能になるだろう。

CNBC が最初にこのニュースを取り上げた

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

トランプ介入でBroadcomの買収を退けたがQualcommに苦難が続く――創業家はVision Fundの資金で攻勢か

Qualcomm対Broadcomの歴史的戦いはとりあえず停戦となった。先週、トランプ政権がCFIUS(対米外国投資委員会)を通じて Broadcomによる買収の差し止めを命じたからだ。実現していればテクノロジー分野における過去最大のM&Aになったはずだ。

これでとりあえずモバイルチップ戦線は異常なしとなった。しかしQualcommとBroadcomは来るべき5G時代に向けてそれぞれ戦略を立て直する必要がある。取締役会から去った創業者の息子、Paul Jacobsによる買収の試みへの対処など、Qualcommの前には深刻な問題がいくつも待ち構えている。

一方、Broadcomも成長を続けるために新たな買収先を探す必要がある。

戦争ではいつもそうなるが、犠牲者は敵対する両陣営内に留まらない。 Qualcommが敵対的買収を防ぐためにとった措置は今後のM&Aにおいて企業統治や株主自主権の範囲の見直しをもたらすだろう。さらにアメリカに対する外国投資には一層厳しい監視の目が向けられることになる。

Qualcommは瓦礫から何を拾えるか?

敵対的買収というのはその結果がどうであろうと犠牲がつきものだ。取締役会、ことにテクノロジー企業の取締役会のもっとも重要な使命は、長期的に何が会社の脅威となるか、チャンスとなるかを見抜き、株主にとって最良の結果を得るよう適切に会社を導びくことにある。この点、敵対的買収への対処は消火作業に似ている。将来へのビジョンやそれを実現するためのロードマップはいったん脇に置き、危険な侵入者を追い払うために1分ごとに新たな策を投入する必要がある。

Qualcommも未来戦略の確立に注力すべきだが、現在は四方八方からの攻撃を受けている。 会社の将来に関して株主と戦い、収入に関してApple、Huaweiと戦い、NXPの買収で中国と戦い、さらには創業者の息子の買収と非公開化の試みとも戦わねばならない。

株主の多くはQualcommのパフォーマンスに満足していない。過去6年Qualcommの株価はかなりの乱高下をみせてきたが、結果として、今日の株価は2012年1月と同水準だ。同じ期間中にBroadcomの株価場合は740%アップしている。半導体各社の株価を総合した指数、PHLX Semiconductor Sector indexによれば、半導体業界は全体として280%のアップだ。

そこでQualcommの株主が35%のプレミアムを上乗せした1株82ドルというBroadcommの買収提案に乗り気になったのは当然だ。Qualcommの取締役会とは逆に株主はBroadcomに買収に前向きだった。Bloombergが報じたように、 Qualcommの取締役会は株主との戦いに敗れたことに気づいたいたようだ。【略】

Broadcomの提案が株主に承認されたことを知り、Qualcommの取締役会は買収に否定的なワシントンの政官界に働きかけの中心を移した。 Bloombergによれば「連邦政府への2017年のロビーイング支出はQualcommの場合、830万ドルで、Broadcommの8万5000のざっと100倍」だったという。こうなればワシントンは調整役というより味方だ。

1月にはいって、Qualcommの取締役会はCFIUSに対して自発的に予備的な秘密の通告を行った。これはBroadcomがQualcommの取締役会を支配しようとについて同委員会の調査を求めるものだった。ここでBroadcomはCFIUSの介入を逃れるためにシンガポール企業からアメリカ企業に戻ろうとした(米国企業であればCFIUSの管轄外となる)。これがアメリカ政府を激怒させ、Broadcommの提案の運命を決めた。Qulcommの取締役会の要請はBroadcommの失策を招き、最終的にトランプ政権による買収ブロックという結果となった。

Qualcommの取締役会は戦争には勝ったものの、依然としてPaul Jacobsなど数多くの敵対者を抱えている。延期されていた株主総会は今週開催され、現取締役は対立候補なしで再任の承認を求める。ロシアの大統領選挙同様、一部の株主はことの成り行きに不満を表明するために棄権するかもしれない。 Wall Street Journalによれば、「有力なプロキシー・アドバイザーのInstitutional Shareholder Services Inc.は …機関投資家向けの水曜のメモでQualcommの11人の取締役選任に当ってはBroadcomが推薦する4名の候補に投票するよう求める立場を再確認した。これは抗議の意思を示すためで、Broadcomm側取締役が選任される可能性はない」という。

今回のQualcommの株主総会が波乱含みなのは疑いない。Qualcommの取締役会と経営陣は「この問題は終わった」と主張するが、内紛もふくめてさらにいくつかの火事を消し止めねばならない。

Qualcommは依然として440億ドルに上るNXPの買収の中途にあり、中国の規制当局の承認待ちだ。当局がいつどのよう判断するかは明らかでない。しかし承認が得られたとしてもまだ契約は成立していない。Qualcommが買収を完了させるためには多大のコストとリソースを要するだろう。

さらに複雑なのはAppleとHuaweiに対するQualcommの知的所有権のライセンスを巡る訴訟だ。.ライセンス料はQualcomの収入のきわめて重要な部分を占める。取締役会は将来のビジョンを考える前に、まず当面の訴訟の動向と訴訟戦術に中を向けねばならない。

内紛というのは、Paul Jacobsが会社の支配を取り戻そうとしている件だ。昨日、Qualcommの取締役会はPaul Jacobsを取締役から解任する決議を行った。JacobsはQualcommのファウンダーの息子であり、2005年から2014にかけて同社のCEOを務めた。Jacobsは先週、エグゼクティブ・チェアマンから単なる取締役に降格されたばかりだった。New York Timesの記事によれば、「この別れは友好的なものではなかった。QualcomのトップからJacobs家のメンバーが完全に外れるのはここ33年で初めての事態だ」という。

別の記事によればJacobsは1000億ドルでQualcomを買収する準備を進めており、資金としてSoftBankのVision Fundを利用するという。言うまでもなくSoftBankは日本の会社であり、Vision FundにはサウジアラビアやUAEの国営ファンドの資金が含まれている。しかもQualcommはSoftBankのVision Fundへの出資者メンバーだ。

JacobsはDellの創業者、Michael Dellでが2013年に240億ドルを投じてDellを上場企業から非公開企業に戻した例にならおうとしている。JacobsはDellの非公開化に必要とした額の4倍もの資金を集められるだろうか? Qualcommは同社のファウンダーの息子による会社支配の試みを「外国勢力による」ものとして再度ブロックをトランプ政権に要求するだろうか?

Jacobsはどうにしか資金の都合を付け、取締役会は創業者の息子で前取締役による買収を差し止めようとワシントンに再度駆け込むことはしないだろう、と私は予測するが、さほど確信があるわけではない。

依然としてBroadcomの立場は強い

大いに目立つ失敗をしたものの、Broadcomがこの戦争で受けた損害はさほどでもない。今週発表された第1四半期の決算はアナリストの予測を上回った。特にワイヤレス・コミュニケーション分野での成長は対前年比88%と著しいものがあった。またBroadcommは大幅なコスト削減にも成功しており、粗利益率を64.8%もアップさせている(たしかにファブレスで特許料を主軸にしたビジネスモデルは効果がある)。

Broadcomは今後も健全なパフォーマンスを続けそうだ。最大の疑問は、Qualcomm買収が失敗に終わった今、Broadcomの次の手は何かだ。QualcommはBroadcomが買収可能なチップメーカーとしては最大にして最も重要なものだった((Intelはスケールが違いすぎる)。もしBroadcomがシンガポール企業からアメリカ企業に戻るなら、国内企業として改めてQualcommの買収を試みることができる。いずれにせよBroadcommがここ数年の成長速度を維持するためには適切な買収相手を発見する必要がある。 【略】

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

東芝がWindows 10で動く企業向けARヘッドセットを発表、地味だが実用性に配慮

今日(米国時間3/12)Toshibaが、企業向けARヘッドセットdynaEdgeを披露した。その、あまりセクシーとは言えないヘッドセットは、多くの点で平々凡々だが、独特なのは、Windows 10 Professional PCの完全バージョンが付随することだ。

その1899ドルのパッケージを構成するものは、Vuzix製のGoogle Glassふうヘッドアップディスプレイと、それが接続するIntelの第6世代プロセッサーを搭載するバッテリー駆動のWindows 10 PCだ。

ヘッドセットは片目を覆うだけで、ユーザーがそれを視界から外すことも容易にできる。工場などのタスクに向けて最適化されており、たとえばスクリーン上のチェックリストおよび画像と棚の上の現物を対照していく(上図)といった作業に向いている。現場の労働者がそのデザインを気に入ることはないと思うが、安全帽の上からでも着用できるし、邪魔なら簡単に視界から外せるので、他社製品ほど、うっとうしくはない。

インタフェイスもAR向けに最適化されているから、PDFのドキュメントを仕事をしながらページを繰ったり、今見たい必要なビデオをストリーミングさせたり、製品のQRコードをスキャンしたり、などなどのことができる。

ARヘッドセットを企業が生産ラインに持ち込むときの、最大の問題のひとつが、使用者の訓練と、その企業のITのセキュリティとの統合だ。これまでのヘッドセットはその多くが、Windowsの世界に迷い込んだAndroidの孤児だ。そこでToshibaが考えたのは、ヘッドセットもWindows化することによって、それを企業顧客が採用しやすくすることだ。

またToshibaという名前とブランドイメージが、企業顧客には一定の安心感を与える。ほんの数年前に生まれたばかりのスタートアップから買うことを、渋っていた企業でも。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

新手のDDoS攻撃がインターネットを襲った

1.3 TbpsのDDos攻撃 —— 単一の標的を狙って膨大なデータを送り込む悪質な行為 —— が3月1日に発生した。攻撃自体も注目すべきだが、さらに興味深いものが攻撃そのものの中に隠されていた。

攻撃が悪用した”memcached”は多くのサーバーで稼働している真っ当なサービスだ。このサービスはUser Datagramプロトコルを使っており様々な発信元から認証なしでデータを受信するため、その発信元になりすますことができれば容易に標的に侵入できる。Brian Krebsの記事によると、「UDPを悪用するDDoS戦術の中でもっともよく使われるものは、攻撃トラフィックを10~20倍に増幅できる —— すなわち 1 MBのファイル要求に対するレスポンスとして10~20 MBのトラフィックを生成する。

「この攻撃はこれまでAkamaiが見た中でも最大の攻撃であり、2016年9月にMirai botnetを宣言した攻撃の2倍のサイズで、一般に公表されたDDdS攻撃として史上最大かもしれない」とAkamaiは言う。memcachedにはレフレクション機能があるため、この記録がすぐに破られる可能性は高い。

そして、攻撃に使われた1 MBのファイルには身代金要求と仮想通貨のMoneroのアドレスが書かれていた。つまりDDoS攻撃が送りつけた荷物の中に脅迫状が入っていたというわけだ。

要するに、攻撃者はサーバーに膨大な量のデータを送り込んだだけでなく、標的になったサイトは攻撃をやめさせるために法外な金額を要求された。

これはメッセージが攻撃を補助する爆弾になるという狡賢く、新しい戦術だ。下に貼ったビデオはCybereasonのセキュリティー研究者らが作ったもので、memcachedがなりすましサーバーから受け取ったファイルを見ることができる。主要回線のシステム管理者たちは現在この悪質な攻撃の対応に追われている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

企業内でのデータコラボレーションを提供するData.world

大きな組織内のデータのための、一種のFacebookのようなツールを想像して欲しい。そこではデータを扱うプロジェクトやチームを結成したり、データセットをアップロードして共有したり、生のデータや分析結果をコミュニティ環境の中で同僚たちと議論することができる。それこそが、オースティンのスタートアップであるData.worldが、本日(米国時間3月6日)発表したものだ。

データは大部分の現代的組織にとっての生命線であり、Data.worldはそこで、データをソーシャルネットワークと組み合わせるツールを構築しようとしている。それは、さまざまなレベルの能力と理解度を持つユーザーたちのコミュニティが、データセットとモデル上で共同して作業できる場所を提供する。

「私たちが解決しようとしているのは、ネットワーク時代に住んでいるのにもかかわらず、データ同士が極端に断絶している状況です。世界の多くのデータは孤立した状況にあり、たとえ見つけても理解しにくいものなのです」とTechCrunchに語るのは、Data.worldのCEOで共同創業者のBrett Hurtである。Hurtと彼の共同創業者は、ツールチェーンから切り離されたデータを見て、それが生産性の大幅な低下を引き起こしていると考えたのだ。

同社はもともと、オープンコミュニティとしてData.worldを構築していいたが、同時にデータサイエンティストとデータアナリストがしばしばお互いに分離されている、大規模な組織内でのプライベートコミュニティの必要性も認識した。「私たちは、今がエンタープライズ版を提供するのに良いタイミングだと感じました。私たちは、ユーザの皆さまがソーシャルスタイルで作業し、データに対する皆の力を結集できる、最高のデータコラボレーション機能を構築しました」と彼は語る。

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彼らが構築したエンタープライズ向けプロダクトは、データに関心があり、それらに対してデータギークたちが使う一般的なツールを適用する方法を必要としている人びと同士をつなぐものだ。その目的を果すために、Data.worldのエンタープライズエディションは、Tableau、Microsoft Excel、そしてPower BI、IBM SPSS、MicroStrategy、Google Data Studio、そしてR、Python、果てはIFTTTとも接続を行う。

エンタープライズプラットフォームを利用している顧客の1つがAP通信だ、同社はData.worldを使って、データを様々なニュースルームのメンバー組織たちと共有し、レポーターたちが記事の品質を向上させるためにより効率的に使えるようにしている。

同社はまた、オバマ政権時代に米国政府のチーフ・データ・サイエンティストを務めたDJ Patilが、同社の取締役会に加わることを発表した。Data.worldは2015年に創立され、2度のラウンドで約3300万ドルの資金調達が行われた。最も多額だったラウンドは2017年に1870万ドルを調達したシリーズBである

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(翻訳:sako)

FEATURED IMAGE: APING VISION / STS/GETTY IMAGES

Google、Hangouts Chat、G Suite向け正式版公開――Slackのライバルを狙う

Googleのビジネス向けリアルタイム・コミュニケーション、Hangouts Chatが正式版として一般公開された。今後G Suiteのコアの一部を構成することとなるこのサービスはCloud Next 2017でHangouts Meetと同時に発表された。Meetは即時に一般公開されたが、Chatは「招待オンリー」のベータ版だった。今回やっとGoogleはG Suiteユーザー全員に向けてChatを公開することとなった(公開は1週間程度かけて順次行われる予定)。

サービスの目的、性格は明らかにGoogle版のSlackないしMicrosoft Teamsだ。Googleが去年Chatを発表した頃、AtlassianもStrideを公開して競争に加わっている。ChatはiOS、Android、ウェブから利用可能だ。

上で挙げたような各社のサービスは基本的にどれも似ているが、それぞれに特色を出そうと苦心している。Googleの場合は、AIの活用だ。会議の予定を立てるサービスを担当する@Meetボットがいい例だ。@DriveボットはGoogleドライブに関連する処理を担当し、誰かがファイルを送ってきたり、あるいはファイルへのアクセスを要求してきた場合にユーザーを助ける。

Hangout Chatは現在28ヶ国語で提供され、メンバーは最大8000人までサポートされる。 特に重要な点はGoogleがすでにChatを中心とするエコシステムを作り上げており、インテグレーションのパートナーは独自のボットを持つくとができる。こうしたパートナーにはXero、RingCentral、UberConference、Salesforce、Zenefits、Zoom.ai、Jira、Trello、Wrike、Kayak.などがある。Giphyも独自のボットを持っているという。

デベロッパーはボットを開発してChatサービスに組み込むことができる。

Chatの強みはもちろんGoogleが提供する他のサービスとの親和性が高いことだ。たとえばChatのビデオ会議機能はGoogle Driveその他の共同作業ツールに組み込まれ、それぞれのサービス中から開始することが可能だ。

Hangouts Chatが参入した分野は、まだまだ成長の余地があるものの次第に競争が激しくなっている。多くの大企業はすでに使用するサービスを決めている。Googleの強みはもちろんG Suiteプロダクトの一部であり、すでに契約している企業はChatを利用するのに新たな手続きや料金プランを必要としない点だ。GoogleではAIを利用したボットの高度な能力が追い風になることも期待しているだろう。

ただしスマートフォンでHangoutsを利用したいだけの一般ユーザーの場合、Chatの公開はGoogleのメッセージ・サービスではどれを使ったらよいのか迷わせる可能性もある。Googleの方針は明瞭で、一般ユーザー向けメッセージ・アプリはDuo(ビデオ)とAllo(テキスト)であり、Hangouts Meet(ビデオ)とChat(テキスト)はそのビジネス版という位置づけだ。しかしAlloはさしてユーザーを獲得できず、大勢のユーザーが相変わらずHangoutsを別アプリとして利用している(別にAndroid Messagesもあるが、こちらはむしろハンドセットのメーカーやキャリヤとの関係が重要となる。GoogleのRCSプラットフォームに関しては こちらの記事が紹介している)。【略】

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ついにDropboxがIPOを申請、プライベート時代の評価額を上回るか?

いよいよ本物。DropboxのIPO申請書類がこれだ

上場はDropboxにとって大きな節目であり、それはここ数年間、もっとも期待されたIPOのひとつだ。このクラウドストレージ企業は2007年に創業され、これまでに6億ドルあまりを調達してきた

申請はすでに非公開で行われていたが、同社は今日(米国時間2/23)それを公開し、実際のIPOが近いことを匂わせた。たぶん、3月の後半だろう。

同社によると、ねらっている資金調達額は5億ドルだが、しかしこの数字は単なるプレースホルダーであることが多い。

その申請書類はDropboxの昨年の売上を11億ドルとしている。前年は8億4500万ドル、そして2015年は6億400万ドルだった。

同社はまだ利益を計上しておらず、昨年で損失が1億1200万ドル近い。しかし2016年は2億1000万ドル、2015年は3億2600万ドルの損失だから、大きな改善だ。

Dropboxは2016年以来、キャッシュフローでは黒字だ。

Dropboxはフリーミアムで、有料ユーザーは1100万人/社と公表している。無料の登録ユーザーは5億以上いるから、1100万はその小部分でしかない。

有料ユーザー一人/社あたりの平均売上は、111ドル91セントだ。

同社はプライベート市場で100億ドルの評価額を達成しているが、これからの公開市場ではどうなるか? その予測には、2015年に上場したBoxの推移が参考になるかもしれない。

趣意書は競合環境を警戒している:

“コンテンツコラボレーションプラットホームの市場には競合があり、急速に変化している。われわれのプラットホームの一部の機能は、クラウドストレージの市場で、AmazonやApple、Google、Microsoftが提供している製品と競合し、そしてコンテンツコラボレーションの市場ではAtlassian, Google, そしてMicrosoftが提供している製品と競合する。また大企業によるデプロイメンツに関しては、クラウドストレージ市場でBoxと、より限られた範囲で競合している”。

BoxのCEO Aaron Levieが、本誌のポッドキャスト“Equity”で、競合相手のDropboxのIPO申請に対する、その直後の反応をシェアしている。

〔訳注: ここにポッドキャストの起動インタフェイスがない場合は、原文を見てください。〕

申請を見ると、最大の株主はSequoia Capitalで、すべての発行済株の23.2%を保有している。それは大きな持ち分であり、対してAccelは全体で5%だ。

ファウンダーでCEOのDrew Houstonは、同社の25.3%を保有している。

同社はNasdaqに上場され、チッカーは“DBX”になる。

上場を志向している他社は、Dropboxのパフォーマンスに注目するだろう。投資家たちはこの“IPOの窓”を重視し、最近のデビューを、テクノロジー企業に対する投資‘食欲’の試金石と見ている。

Spotifyも同じ時期に上場するが、資金調達をしない上場により、伝統的なIPO過程を避けるだろう。

この記事は、事態の進展に伴い、今後のアップデートがありえる

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

GoogleドライブでOffice文書/PDF/画像にコメントできるようになった

本日(米国時間2/7)GoogleはGoogle Driveのアップデートを公開し、G SuiteとMicrosoft Officeが混在する職場や組織で、同僚や顧客との共同作業を便利にする機能を追加した。

このアップデートで、Google DriveユーザーはOffice文書やPDF、画像などにDriveのプレビュー画面内でコメントできるようになり、Microsoft OfficeやAcrobat Readerなどのツールを(場合によっては有償で)使う必要がない —— Googleドキュメントやシートやスライドのファイルに変換する必要もない。これは、G SuiteやOffice 365のリアルタイムコメント機能とまではいかないものの、OfficeとG Suiteの間でしょっちゅう相互変換するよりは便利だ。

この機能は、Drive plugin for Outlookを始めとするOfficeとG Suiteの相互運用性を高める取組みの一環だ。もちろんGoogleの理想世界では誰もがG Guiteだけを使っている。しかしここ数年Googleはプロダクティビティー市場に足跡を残してはいるものの、ほとんどの企業では未だにMicrosoft Officeの方がはるかに優勢だ。この傾向は大企業では特に顕著だ。そこはGoogleが切望しながらもいまだに苦闘を続けている市場でもある。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook