スマート配電盤で一般家庭の電化を進めるSpanが約110億円調達

あの地味なブレーカーパネルは、特に愛されることもなくすでにまるまる1世紀存在しているが、そこに登場したのがSpanだ。同社は現代的でスマート、そして魅力的な配電盤を作っており、その進化を継続するために、このほど9000万ドル(約110億円)を調達した。同社は電化とマイクログリッドの均衡化という問題の解決を目指しており、それにより未来のスマートホームが自らの電力消費の状況をもっとよく把握できるようにする。

Spanは2年前に1000万ドル(約12億円)を調達し、Alexaを統合して、さらに2022年初めにはスマートパネルと相性がいいよりスマートなEV充電器をローンチした。

SpanのCEOで創業者のArch Rao(アーチ・ラオ)氏は、2022年初めのインタビューで次のように語っている。「初期のTeslaに入って、後にTesla Energyになるもの設計に最初から関われたことは、とてもラッキーでした。私は、Energy Groupの初期のリーダーの1人でした。みんながよく知っているのはPowerwallバッテリーだと思いますが、私はそのプロダクトチームのリーダーで、一般住宅用製品や産業用製品、それに公益企業が使うような規模の製品をハードとソフトの両面で設計、開発そしてデプロイしていました。また、ソーラールーフや太陽光発電の導入など、ガラス屋根の製品も担当しました」。

「家庭用バッテリーやソーラーシステム、電気自動車の充電システムを世界中で展開する中、私が直接目にしたことの1つに、インフラと結びついた根本的な問題があることです。特に、電化が私たちの目指す『脱化石燃料』の重要な一部であると考えるのであれば、インフラは分散型クリーンエネルギー導入の足かせになってしまいます。化石燃料を使用した家電製品を優れた電気製品に置き換えるには、家庭用電気パネルから始まるインフラの大規模なアップグレードが必要になるのです」。

「私たちは家庭の電化を実現するために、拡張性のある方法の中核となる配電盤を再発明することから始めました。しかし消費者はそれ以上のものを求めています。新しい資本を投入して、家庭の脱炭素化を実現する製品を拡大し、Spanが独自に提供する家庭のエネルギー管理という比類のないアプローチを開発し続けられることに興奮しています。」とラオ氏は語る。

SpanのシリーズBをリードしたのはFifth Wall Climate TechとWellington Managementだ。その他の投資家はAngeleno Group、FootPrint Coalition、Obsidian Investment Partners、そしてA/O PropTechとなる。同社の説明によると、資金は主にSpan Homeシリーズのエネルギー製品およびソリューションの開発の継続により、同社の商業的成功を引っ張り家庭の新しい電化を加速していくことに向けられる。

画像クレジット:Span

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(文:Haje Jan Kamps、翻訳:Hiroshi Iwatani)

Intuition Roboticsの高齢者ケアコンパニオンロボット「ElliQ」がいよいよ発売開始

鋭いTechCrunch読者なら、我々がIntuition Robotics(イントゥイション・ロボティクス)を5年前から取材していることにすぐに気がつくだろう。遡ること2017年2月の、高齢者ケアロボットのクラウドファンディングキャンペーンからである。それ以来の取材のほとんどは、イスラエルを拠点とする同社がさまざまなラウンドでさらに多くの資金を調達していることについてで、最も重要な質問である「いつ」に答えることはなかった。具体的には、ElliQ(エリキュー)ロボットはいつ販売されるのだろうか?

ようやくプライムタイムの準備が整ったようだ。ロボットを作るのは時間がかかるもので、同社は数年かけてベータテストを行ってきた。Intuitionは、ElliQを米国時間3月15日より正式に販売することを、製品サイトを通じて発表した。2022年のロボット業界がたいていそうであるように、このデバイスはサブスクリプションプラン、いわばRaaS(Robotics as a Service)を通じて提供される。年間契約の場合、初期費用250ドル(約2万9570円)、月額30ドル(約3550円)で利用できる。

高齢者ケアは、日本では長い間ロボティクスの中心的存在だったが、他の地域ではなかなか足場を固めることができなかった。米国では、Labrador Systems(ラブラドールシステムズ)をはじめとするスタートアップが参入しており、Amazon(アマゾン)やGoogle(グーグル)といったスマートホーム機器メーカーも関連機能を自社システムに組み込み始めている。

画像クレジット:Intuition Robotics

ElliQは、惜しまれつつも生産終了したKuri(クリ)やJibo(ジーボ)のような、高齢者ユーザー向けに特化した製品だ。Labradorのように実際に雑用を手伝うのとは異なり、シニア層の参加を持続させるように設計されている。同社によると、平均的なユーザーは1日に20回、合わせて20分ほどこの製品と関わりを持つそうだ。つまり、テレビのようなエンゲージメントレベルではなく、もっと頻繁に、短い時間でチェックインできるように設計されているといえる。

共同設立者でありCEOのDor Skuler(ドール・スクーラー)氏はリリースでこう述べている。「長年の努力の末、ついにこの日がやってきました。パンデミックの間中、私たちは孤独が高齢者層にもたらす破壊的な影響を目の当たりにしました。同時に、ElliQがベータ版ユーザーに信じられないほど役立ち、笑顔をもたらすのも目の当たりにしてきました」。

エクササイズ、Mayo Clinic(メイヨー・クリニック)からの健康情報、家族とのチェックイン、Uber Healthによる交通手段の提供など、デバイスを通じて利用できるコンテンツは多岐にわたる。つまり、普段は1人暮らしでも大丈夫なくらい自立しているが、もう少し手助け・サポートが必要な人のために、サポートとエンゲージメントという2つの要素が用意されているのだ。

画像クレジット:Intuition Robotics

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(文:Brian Heater、翻訳:Den Nakano)

韓国の不動産テックZigbangがSamsung SDSのIoTスマートホーム事業を買収

不動産取引サービスを提供する韓国の不動産テックスタートアップのZigbang(ジグバン)は現地時間1月27日、Samsung SDS(サムスンSDS)のホームIoT(internet of things)部門を買収し、スマートホーム業界へ進出すると発表した。

Samsung SDSは、傘下唯一のB2C事業であるIoTスマートホーム部門を売却し、B2Bに集中する。同部門の主な製品は、ユーザーのスマートフォンに接続するデジタルドアロックやウォールパッドなどだ。Samsung SDSは2016年、IoTスマートホーム部門をアイルランドのAllegion(アレジオン)に売却しようとしたが、合意に至らなかったと報じられた

IoTはどうしても利幅が薄く、簡単なビジネスではないため、長期にわたり業界にとどまりたいプレイヤーは、より多くのスケールメリットを求めてライバルをすくい取っていく。

Zigbangは、IoTスマートホーム事業を買収することで、技術的なシナジーを生み出し、市場シェア拡大を狙う。

「Zigbangの住宅コンテンツとSamsung SDSの住宅IoTハードウェアを組み合わせ、私たちはスマートホーム市場に革命を起こします」とZigbangのCEO、Sung-woo Ahn(スンウー・アン)氏は声明で述べた。

同社のSunwoong Lyuh(スンウー・リュー)副社長はTechCrunchに対し、Samsung SDSのIoT部門は現在16カ国以上で堅実な収益を上げているため、今回の買収により、Zigbangは世界のスマートホーム市場に参入し、成長を加速させることができるだろうと語った。

1月27日に買収契約を締結したZigbangは、2022年第2四半期の買収完了を目指すとリュー氏は述べた。同社は、買収取引の評価額についてはコメントを避けた。メディアの報道によると、取引規模は1000億ウォン(約97億8000万円)と推定されている。

Zigbangは、不動産取引からスマートホームデバイスまで、生活空間のすべてをデジタル化したいと考えている。また、セルフストレージや住宅の検査・修理サービスにも参入する計画だ。

Zigbangは2018年以降、買収拡大路線を歩んでいる。

2018年に韓国のプロップテックスタートアップHogangNoNoを、2019年には「co-living(コリビング)」プラットフォームの WooZooと、商業仲介プラットフォームのSugarhillを買収した。また、2021年には住宅管理サービスプラットフォームのMovillを買収した。

Zigbangによると、同社のユーザー数は合計3350万人、月間アクティブユーザー数は810万人だという。現在、600人の従業員数を擁している。

直近では2019年7月に1600億ウォン(約152億円)を調達し、これまでの資金調達総額は2265億ウォン(約216億円)に、評価額は7000億ウォン(約660億円)に達した。韓国の中小ベンチャー企業省が1月27日に発表した報告書によると、Zigbangの2021年6月の評価額は1兆1千億ウォン(約1044億円)だった。

画像クレジット:Zigbang

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(文:Kate Park、翻訳:Nariko Mizoguchi

スマートホームエナジースタートアップの独Tadoが約588億円の評価額でSPAC上場を計画

サーモスタットを専門とし、最近ではロードシフトテクノロジーに基づく柔軟な「使用時間帯別」エネルギー料金体系に移行したドイツのスマートホームスタートアップtado(タド)は現地時間1月17日、企業としての次なるステップを発表した。SPAC(特別買収目的会社)との取引による株式公開だ。

持続可能な技術に特化したドイツのSPAC企業GFJ ESG Acquisitionは、tadoと合併して新会社をフランクフルト証券取引所に上場させると発表した。GFJとtadoは現在、PIPEs(私募増資)に取り組んでおり、完了すればtadoの評価額は4億5000万ユーロ(約588億円)になると予想される。新会社は引き続きtadoとして取引される。

tadoの広報担当者は、予定している上場での調達額や、上場時期についても2022年前半になりそうだということ以外は明らかにしないと述べた。

今回の動きは、tadoにとって2つの大きな進展があった直後のものだ。同社は1月11日、aWATTar(そう、これは社名の呼び方だ……)を買収し、家庭内のエネルギー消費ハードウェアから管理ソフトウェアへと事業を拡大した。このソフトウェアは顧客のエネルギー使用方法と、エネルギーソースの変動(太陽光や風力などの再生可能エネルギーや、より従来型のチャネルも含む)に応じた価格変動に基づくエネルギー消費とコストを管理できるようにするものだ。

また、5月には4600万ドル(約52億円)を調達した。当時、同社はこれが上場前の最後のラウンドになるだろうと述べていたが、それが今、現実のものとなっている。同社はこれまでにAmazon、Siemens、Telefonicaといった豪華な投資家陣から総額1億5900万ドル(約182億円)弱の資金を調達した。PitchBookのデータによると、そうしたプライベートなラウンド時の評価額は2億5500万ドル(約292億円)で、上場時に見込まれる時価総額4億5000万ドルをかなり下回っていた。

今回の合併は、株式公開する大規模なグリーンテックスタートアップとしては欧州初のケースとなるため注目すべきものだ。tadoの大きな目標は、電力網から消費者の家庭まで、エンド・ツー・エンドのシステムでエネルギー使用を管理するサービスを構築することだ。同社はこれまで2回方向転換した。最初はスマートサーモスタットのメーカーとしてスタートし、約200万のデバイスを販売してきた。その後、tadoはエネルギー料金体系を多様化し、使用状況を管理することで、ビッグデータ、予測分析、再生可能エネルギーとエネルギーハードウェアシステムという広範かつ非常に断片的な市場の活用に基づく幅広いビジネスへと発展してきた。

同社は現在、200万台以上のスマートサーモスタットを販売し、エネルギー管理技術によって20カ国にまたがる約40万のビルや家庭をつなげ、7ギガワット以上のエネルギー容量を管理していると話す。OEM900社が提供する約1万8000のシステムと連携しており、同社の負荷分散技術を使用する顧客は年間暖房費を平均22%節約できる、としている。

気候変動への懸念がますます高まり、そして消費者が温室効果ガスの排出を削減するためのサービスをより簡単に、より手頃な価格で利用できるようになるにつれ、グリーンテックやクリーンテックの企業にとって絶好の機会が出現している。今回の上場は、そのような企業の1つが、さらなる成長を目指して株式公開に踏み切るだけの十分な牽引力を感じていることを明確に示している。

tadoのCEOであるToon Bouten(トゥーン・ボウテン)氏は「tadoのチーム全体が GFJと提携することを非常に誇りに思っています」と声明で述べている。「我々は同じ信念を持ち、環境技術への情熱を共有しています。そして、顧客のコスト削減とエコロジカルフットプリントの抑制に共同で貢献することを決意しました。より持続可能なエネルギーの未来を創造するためのすばらしい位置につけています」。

この取引が完了すると、ボウテン氏は代表を退き(現職はオフィスソリューションプロバイダーRoomの社長と記載されている)、Oliver Kaltner(オリバー・カルトナー)氏がCEOに就任する。そしてChristian Deilmann(クリスチャン・デイルマン)氏がCPO、Johannes Schwarz(ヨハネス・シュワルツ)氏がCTOに就く予定だ。Emanuel Eibach(エマニュエル・アイバッハ)氏は引き続きCFOを務める。Gisbert Rühl(ギスバート・リュール)氏は監査役会会長に就任する。また、Josef Brunner(ジョセフ・ブルナー)氏、Petr Míkovec(ピョートル・ミコヴェック)氏、ボウテン氏、Maximilian Mayer(マキシミリアン・メイヤー)氏が監査役に就く。

GFJのCEOであるGisbert Rühl(ギスベルト・リュール)氏は「GFJとtadoはともに、気候変動との戦いにスマートな方法で挑むことを決意しています。tadoはすでにグリーンテック企業のニューウェーブの精神を受け継ぐマーケットリーダーです。EUのエネルギー消費の約21%は、住宅の冷暖房に使用されています。EUとドイツが、2050年までに世界で初めて経済をクライメート・ニュートラルなものにするという約束を果たしたいのであれば、住宅分野の脱炭素化に代わるものはありません」と述べた。

tadoは上場企業として市場に対して新たなレベルの透明性を獲得することになり、広く捉えるとグリーンテック業界全体にとってもプラスだ。今のところ、同社は3年後の2025年までに年5億ユーロ(約653億円)超の収益を上げるようになると予想している。

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(文:Ingrid Lunden、翻訳:Nariko Mizoguchi

トラッカー、プロジェクター、ロボット、可動するルーター、CESのガジェットについて語ろう

CESが真の意味で「Consumer Electronics Show」(消費者向け電気機器展示会)の略だった時代はとうに過ぎ去った。主催のCTA(全米民生技術協会)は、そのことを小さく表記することであれこれ配慮している。スマートフォンなどが主役だった時代を振り返るには、先日の「10年前のCESベスト」記事がおすすめだ。各社が自社イベントでフラッグシップモデルを発表する傾向が強まり、Mobile World Congress(モバイルワールドコングレス)がCESの勢いを削いできた。

2022年は並行して開催されたイベントで、Samsung(サムソン)の廉価版フラッグシップとOnePlusの最新機種のプレビューが行われた。もちろん、LGとHTCも今回のショーに参加はしていたものの、スマートフォンのゲームからほとんど、あるいは完全に撤退してしまっていたことは状況の改善には良い影響を与えなかった。また、ほんの数年前まではショーで大きな存在感を示していたHuawei(ファーウェイ)も、すぐにはCESに復帰することはないだろう。

こうした空白の多くは「輸送技術」によって埋められた。この10年間で、CESは主要な自動車ショーへと変貌を遂げた。自動車メーカーは、自動運転や車載システムをはじめとして火星のメタバースへのロボットの派遣など、最先端の技術を世界に証明しようとしている。もちろんこのショーのおかげで、Kirsten(カーステン)記者とRebecca(レベッカ)記者は今週とても忙しかった

CESは、かつてのように携帯電話が多くないにもかかわらず、コンシューマーハードウェアの面でも大きなイベントであり続けている。PC、コネクテッドヘルス、スマートホームガジェット、アクセサリー、さらにはロボットの主要な展示会であることに変わりはない。また、業界がどのように進化しているかを知ることができるのも魅力だ。フィットネスを例にとると、ウェアラブルの数は減少しているものの、各社はリング(指輪)のような新しい形状を試している。一方で、Peloton(ペロトン)やMirror(ミラー)のような企業に対抗しようとする企業も急増してる。

画像クレジット:Garmin

ウェアラブル製品の展示はかなり控えめなものではあったが、Garmin(ガーミン)はハイブリッド型スマートウォッチSport(スポート)で注目を集めた。ハイブリッドスマートウォッチは、確かに長年にわたってさまざまな課題を抱えてきたが、Garminはウェアラブルカテゴリーにおいて驚くほど強いブランドであることを証明してきた。そしてVivomove Sport(ビボムーブ・スポート)は、派手なスマートウォッチを敬遠している人にもアピールできるすっきりとしたデザインで、かなり見栄えがする時計だ。

Tile(タイル)やApple(アップル)のAirTag(エアタグ)といった製品の人気を受けて、トラッカーはちょっとしたブームになった。2022年は、Tileが新しいPCパートナーを獲得した。ThinkPad X1(シンクパッドX1)がTileトラッキングに対応し、電源を切った状態でも最大14日間、紛失したノートPCを探すことができるようになった。一方、Targus(ターガス)は、AppleのFind My(探す)サポートを 最新のバックパックに直接組み込んでいる。

画像クレジット:Chipolo

しかし、CARDを発表したことで、Chipolo(チポロ)が一歩先に踏み出した。このデバイスは、クレジットカードよりもわずかに大きく、財布の中に入るようにデザインされていて、Find Myにも対応しているため製品を置き忘れると警告が表示される。現在、私はAirTagを1つ所有しており、鍵に使用している。大人になってから何度も財布を失くしたことがある私にとって、これはもう1つの購入しようと思わせる、かなり説得力のあるユースケースだと思う。

画像クレジット:TP-Link

Devin(デビン)記者は、「もし私が独立して裕福になったら、自宅での仕事のセットアップはどのようになるだろうか」(これは私の言い換えだが)という記事の最後に、AXE11000 Tri-Band Wi-Fi 6E Routerを紹介している。この製品は、ルーターの世界ではかなり異色な存在だ。このシステムには、より強い信号を得るために調整できるモーター付きのアンテナが搭載されている。価格は未定だが、今でも高価なTP-Linkの価格にこの贅沢さを上乗せすることになるだろう。しかし、より速いWi-Fiに値段をつけることができるだろうか?

画像クレジット:Anker

それよりもはるかにリーズナブルな価格で提供されるであろうリモートアクセサリーに拍手を送りたい。とりわけAnker(アンカー)はコストを抑える方法を知っている。220ドル(約2万5400円)で手に入るVideo Bar(ビデオバー)は、一種のオールインワンのウェブカムソリューションだ。これはAIによるピクチャーフレーミング機能を備えた2Kカメラと、内蔵のライトバーとスピーカーを搭載している。高度なスタジオ設備(あるいはOpal[オパール])に取って代わるものではないが、(比較的)安価にホームビデオのレベルアップを図りたい人にとっては、堅実なプラグ・アンド・プレイ・ソリューションと言えるだろう。

画像クレジット:Labrador Systems

今週初めには、ロボットショーとして進化しているCESについての記事を書いた。最大の難点は、家庭用ロボットは、ルンバをはじめとするロボット掃除機以外には、実用的なものがないことだ。しかし、今週Labrador(ラブラドール)のシステムを詳しく見ることができたのは幸いだった。なぜならこのシステムは、特に動きが不自由でありながら独立した生活を模索しているひとたちの、非常に現実的なニーズに対応しているからだ。このシステムは実質的に、家庭用のモバイル・ヘルプ・ハンドだ。

画像クレジット:Asus

楽しく新しい形状が登場しなければCESとはいえないが、2022年のCESでは、折りたたみ式の携帯電話の形状をノートPCにとりいれたAsus Zenbook 17 Fold OLED(エイスース・ゼンブック17・フォールドOLED)が圧倒的な存在感を示している。何よりも驚かされるのは、同社が実際に発売を予定しているということだ。レンダリング画像を最初に見たときに、この製品は単なるコンセプトだと思ったのは私だけではないと思うが、Asusはこのシステムを2022年の第2四半期に発売する予定だ。この写真にどれほど近いものが商品化されるかは、ほどなくわかるだろう。

画像クレジット:Samsung

Samsungは2022年、いつものような五感を刺激するような演出をしなかった。ロボットはなく、特注の洗濯機や格安の電話機などがあったが、楽しいプロジェクターが紛れ込んでいたのが良かった。比較的限定的な魅力しかないものの、各社はプロジェクターを実現しようと努力を続けている。少なくともこのプロジェクターは、小さくて、よくできていて、見た目も良い。ただ価格が900ドル(約10万4000円)であることから、ニッチな分野にとどまる可能性が高い。

画像クレジット:ROBYN BECK/AFP / Getty Images

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(文:Brian Heater、翻訳:sako)

ごちゃごちゃしがちなスマートホーム機器を統合・連携、ユーザーにプライバシーのベールをもたらすHomey

ほぼすべてのスマートホームデバイスに接続することができて、さまざまなスマートルールを設定でき、多くのセキュリティ機能を追加することできると聞けば、おそらくHomey(ホーミー)が何を提供しようとしているのか、あなたはきっとある程度想像することができるだろう。Homeyは、スマートホームプロバイダーにデータを転送する代わりに、広告主にデータを盗まれないよう安全にデータを管理してくれることを約束している。

Homeyは、2014年からヨーロッパで事業を展開しており、米国時間1月5日のCESで米国での事業展開を発表した。この会社が解決する重要な問題は、多くのスマートホームソリューションが非常に継ぎ接ぎな状態で繋がっており、その過程で、それらが悪意のある目的にも使用できる巨大なデータコレクターになってしまっているということだ。これまで顧客は、それがスマートホームを持つためのコストであると受け入れさせられてきたが、ここに別の方法があると同社は考えている。同社は、顧客データを盗聴したり販売したりすることはなく、個人情報を使ってユーザープロファイルやターゲット広告を作成することもないと主張している。

スマートホームプロバイダー同士の目隠しに加えて、同社のスマートホームハブ「Homey Pro」は、楽しい新機能をいくつか携えてきている。IFTTT(If This Then That )で遊んだことがある人なら、きっと賢い自動化を思いついたことがあるはずだ。誰かがドアベルを鳴らすと電気をつける、夜10時以降はスピーカーの音量を下げる、などだ。Homeyのアプリは、このような機能をアプリのコアアーキテクチャに大量に組み込んでいる。同社はこうした自動化を「フロー」と呼び「カーテンを閉めたら寝室の照明を常に暗くする」「玄関の鍵をかけたらサーモスタットを自動的に下げ、照明を落とし、アラームを有効にする」など、さまざまな例を挙げている。

もちろん、フローはGoogle、Alexa、Siriショートカットなどの音声アシスタントを使って起動することも可能だ。また、モバイルやApple Watch用のウィジェットも提供されている。

音声コントロールやフローなど、あって当たり前の機能に加え、アプリはエネルギー使用をリアルタイムで分析するツールを提供し、さらなる節電方法を提案してくれる。例えば、洗濯機の「温水」サイクルと「冷水」サイクルのエネルギー消費を比較したり、最もエネルギー効率の良い(そして最も悪い)部屋がどれかを教えてくれたりする。

Homeyは、そのスマートハブが1000以上のブランドの5万以上のスマートホームデバイスと接続ができ、iOS、Android、ウェブアプリで全体のコントロールや設定を行うことができると謳っている。ハブは、Zigbee、Z-Wave Plus、Wi-Fi、Bluetooth、433MHz無線に加え、家中にコマンドを送信するための赤外線通信LEDを備えており、豊富な接続性を兼ね備えている。

Homeyアプリは、69ドル(約7980円)のHomey Bridgeを介して、またはHomeyハードウェアを必要としないアプリのみのソリューションとして、スマートホーム機器のコントロールに使用することができる。無料版のHomeyアプリでは最大5台のデバイスをコントロールできるが、プレミアム版では家庭全体で無制限にスマートデバイスを接続することができる。プレミアム版のアプリは、月額2.99ドル(約340円)で利用できる。

「家庭にはそれぞれ個性があり、一律に対応できるものではありません。今日のスマートホームシステムのほとんどは、単一のブランド、技術、またはユースケースが中心となっています。例えば、Philips Hueは照明には最適ですが、ただそれだけです」とHomeyのメーカーであるAthom(アトム)の共同創業者兼クリエイティブディレクターのEmile Nijssen(エミール・ナイセン)氏は語る。「その結果、スマートホームはあらゆる種類のアプリですぐに複雑になり、ごちゃごちゃしてしまいます。私たちがHomeyで目指しているのは、現状を変え、すべてのスマートデバイスを統一し、同時に消費者のプライバシーを確保する、オープンで手頃な価格のユーザーフレンドリーなシステムを作ることです」。

画像クレジット:Homey

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(文:Haje Jan Kamps、翻訳:Akihito Mizukoshi)

CES 2022でスマートホームデバイスの接続規格「Matter」に注目が集まっている理由

現在、ラスベガスで開催中の2022年CESテクノロジーショーで各社が新しいスマートホーム機器を発表する中、スマートホームデバイスは他のシステムとシームレスに統合され、安全で信頼できるものであるべきだという共通の信念に基づいて作られたオープンソース接続規格「Matter(マター)」が大きな話題になっている。

Deloitte(デロイト)によると、スマートホームデバイスを導入している家庭の割合は66%に上り、デバイス好きな人はおそらくきっとこの数字の中に含まれていることだろう。また、1つの会社やブランドにこだわらず、少なくとも6つの異なる会社からデバイスを購入されていることだろう。そのため、2022年スマートホームデバイスを発売する企業にとって、Matterのサポートはとても助かるものだ。

このプロトコルは、Apple(アップル)、Amazon(アマゾン)、Google(グーグル)といった大手テック企業やスマートホームデバイスメーカーによって開発されているだけでなく、断片化したスマートホームシステムに関する問題を最終的に解決し、すべてのデバイスを1つの場所から簡単にセットアップしてルーティングできるようにするために設計されている。

Matterは、ローカル・コントローラー・デバイスを介した、すべてのデバイスの通信を可能にするインフラ、パイプライン、言語となる。そのインターネットプロトコルは、デバイス認証のためのIPベースのネットワーク技術の特定のセットを定義し、メーカーがApple SiriやAmazon Alexa、Google Assistantと互換性のあるデバイスを製造できるようにしてくれる。Matterの最初のプロトコルは、Wi-FiとThreadのネットワーク層で動作し、コミッショニングにはBluetooth Low Energyを利用する予定だ。

最初のMatter認定デバイスのテストを組織しているConnectivity Standards Alliance(通信規格標準化団体、旧Zigbee Alliance)は、2022年のCESでブースや会議室、バーチャル会議においてMatterを展示または紹介している企業を20社以上特定した。その中には、NXP、Qualcomm(クアルコム)、Samsung(サムスン)SmartThings、Telink(テリンク)、Texas Instruments(テキサス・インスツルメンツ)、Universal Electronics(ユニバーサル・エレクトロニクス)が含まれている。

5月にGoogleは、MatterをAndroidとNestに導入すると発表し、米国時間1月5日、数カ月後にAndroidの「Fast Pair」機能を使って、新しいMatter対応スマートホーム機器を数クリックでホームネットワーク、Google Homeや他のアプリにすばやく接続できるようになると発表した。

関連記事:グーグルがFast Pair機能をヘッドフォン以外にも拡大、デバイスと生活で使うさまざまな機器をつなぐプラットフォームに

そして1月5日未明、Amazonは、その「フラストレーションフリーのセットアップ」ドキュメントが現在デバイスメーカーに公開され、インターネット接続がダウンしてもそれらをコントロールできるように、そのデバイスをMatterデバイスの第二管理者として追加するなど、セットアップ体験とAlexa機能の両方について多くの企業と協働していると述べている。

また、同社はシリコンベンダーと協力して、フラストレーションフリーのセットアップをサポートする「Matter System-on-a-Chip」となるものを開発中だという。これらはすべて、ほとんどのEchoデバイスがMatterをサポートし、第4世代のEchoとeeroデバイスがMatter Threadボーダルーターになるという2021年の発表に続くものだ。

その他、Matterに対応する新しいデバイスやサービスを発表した企業を紹介する。

  • Comcast(コムキャスト)は、スマートライト、スマートプラグ、スマートロックなどのIoTおよびホームオートメーションデバイスの中央コネクタとして機能するZigbeeおよびMatter互換の「未来のスマートホームのためのIoT」機能を備えた新しい「xFi Advanced Gateway Router」を発表しながらそれに言及した。
  • コネクテッドホーム製品を製造するEve Systems(イヴ・システムズ)は「Eve MotionBlinds」を制作し、同製品を「Threadに対応した市場初のコネクテッドブラインドとシェードモーター」だとアピールした。
  • ホームセキュリティブランドのArlo Technologies(アーロ・テクノロジーズ)は、セキュリティハブと統合キーパッドに対応した8種類の機能を持つセンサーセット「Arlo Security System」を、よりDIY的なセキュリティ監視ソリューションを求める小規模企業や消費者向けに発表した。また、スマートホームの分野で幅広い互換性を確保する姿勢を固めるため、Matterへのコミットメントも表明した。
  • エッジコンピューティング企業のVeea(ヴィーア)は、Matter、Thread、Wi-Fi 6のサポートを含む「Smart-home-as-a-Service」を発表した。これには「STAX」と呼ばれる家庭用Veea SmartHubメッシュ・ルーターが含まれる。
  • Belkin(ベルキン)がCESで発表した家庭向けのMatter対応製品の中には、AppleのHomeKitと連携する新しい「Wemo」スマートビデオドアベルや、Thread上でMatterと連携するスマートライトスイッチ、スマートディマーがある。
  • Mui Lab(ムイ・ラボ)は、スマートデバイスを「より落ち着いたもの」に変えるMatter対応の「muiPlatform」をデビューさせた。これにはAmazonのAlexaをより視覚的なインターフェースに変えるボードが含まれる。

Connectivity Standards Alliance(CSA)のマーケティング担当副社長であるMichelle Mindala-Freeman(ミシェル・ミンダラ=フリーマン)氏は、米国時間1月4日に発表されたSchlage(シュレージ)の新しいスマートWi-Fiデッドボルトに注目している。

彼女は、2022年はMatterにとって大きな年になるだろうと述べている。CSAとMatterの両方に関わっている企業は数百社あり、50社がすでに134の製品を持ち込んでいると、同氏ははTechCrunchに語っている。

CSAは、2022年の半ばまでに認証、仕様、テストツール、SDKをリリースする予定だ。これにより、企業は新しいハードウェアやイノベーションをより早く市場に投入することができるようになり、より幅広い消費者にリーチすることが可能になる。

ミンダラ=フリーマン氏は「根本的なレベルでは、CSAの仕事は、断片化をなくし、企業が成長し、消費者にとって価値の高い方法でそれを実現するのを支援することです。Matterのような標準規格は、それを実現するものであり、すべての船を上昇させる潮流であると信じています」。と述べている。

画像クレジット:Schlage / Schlage Encode Plus Smart WiFi Deadbolt

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(文:Christine Hall、翻訳:Akihito Mizukoshi)

グーグルがFast Pair機能をヘッドフォン以外にも拡大、デバイスと生活で使うさまざまな機器をつなぐプラットフォームに

2022年のCESでは、Googleのハードウェアに関する発表はかなり少なくなりそうだが、ソフトウェアでは多くの新機能を発表する予定になっている。中でも重要なのは、これまで主にイヤフォンのペアリングで利用されてきたFast Pairのアップデートだ。新たに追加されたいくつかの機能はGoogle製デバイスとOSを統合するプラットフォームのようなものだと位置づけられている。

「私たちはパートナーと協力して、Fast Pairの機能をウェアラブル、ヘッドフォン、スピーカー、クルマなどのオーディオ接続だけでなく、テレビやスマートホーム機器にも拡張し、瞬時に生活の中にあるあらゆる機器をすべて使い始めることができるようになります」と同社はブログで述べている。

画像クレジット:Google

Googleは、コネクテッドスマートホーム機器向けの統一プラットフォームのようなものを提供することを目的とした「Matter」規格の採用を拡大している。まず、Chromebookの機能が強化され、Chrome OSにインスタントヘッドフォンのペアリング機能が追加された。この機能は数週間以内に提供される予定となっている。

また、2022年後半には、新しいChromebookの所有者は、Android端末を使用してデバイスをすぐに設定することができ、GoogleのログインやWi-Fiパスワードなどを瞬時に移せるようになる予定だ。Android端末でChromebookのロックを解除するすでにある機能に加え、Googleは競争力のあるウェアラブルOSの構築を目指し、Wear OSでもロックを解除する機能を追加する予定だ。

画像クレジット:Google

Fast Pairは、今後数カ月以内にGoogle TVおよびAndroid TV OSデバイスとヘッドフォンを同期し、AndroidのMatterサポートにより、スマートホームデバイスの迅速な立ち上げをサポートする。Googleのヘッドフォンにも自動切り替え機能が搭載され、ユーザーはAndroidデバイス間での接続を切り替えられるようになる。Googleは、Appleのヘッドフォン製品によりダイレクトに対抗するために、空間オーディオ機能とともに、こちらも今後数カ月のうちに登場する予定だ。

Googleはさらに、サードパーティメーカーと提携し、Boseのサウンドバーやスマートスピーカーを皮切りに、Chromecast機能を各社ハードウェアに組み込んでいく予定だ。

画像クレジット:Google

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(文:Brian Heater、翻訳:Katsuyuki Yasui)

グーグルがFast Pair機能をヘッドフォン以外にも拡大、デバイスと生活で使うさまざまな機器をつなぐプラットフォームに

2022年のCESでは、Googleのハードウェアに関する発表はかなり少なくなりそうだが、ソフトウェアでは多くの新機能を発表する予定になっている。中でも重要なのは、これまで主にイヤフォンのペアリングで利用されてきたFast Pairのアップデートだ。新たに追加されたいくつかの機能はGoogle製デバイスとOSを統合するプラットフォームのようなものだと位置づけられている。

「私たちはパートナーと協力して、Fast Pairの機能をウェアラブル、ヘッドフォン、スピーカー、クルマなどのオーディオ接続だけでなく、テレビやスマートホーム機器にも拡張し、瞬時に生活の中にあるあらゆる機器をすべて使い始めることができるようになります」と同社はブログで述べている。

画像クレジット:Google

Googleは、コネクテッドスマートホーム機器向けの統一プラットフォームのようなものを提供することを目的とした「Matter」規格の採用を拡大している。まず、Chromebookの機能が強化され、Chrome OSにインスタントヘッドフォンのペアリング機能が追加された。この機能は数週間以内に提供される予定となっている。

また、2022年後半には、新しいChromebookの所有者は、Android端末を使用してデバイスをすぐに設定することができ、GoogleのログインやWi-Fiパスワードなどを瞬時に移せるようになる予定だ。Android端末でChromebookのロックを解除するすでにある機能に加え、Googleは競争力のあるウェアラブルOSの構築を目指し、Wear OSでもロックを解除する機能を追加する予定だ。

画像クレジット:Google

Fast Pairは、今後数カ月以内にGoogle TVおよびAndroid TV OSデバイスとヘッドフォンを同期し、AndroidのMatterサポートにより、スマートホームデバイスの迅速な立ち上げをサポートする。Googleのヘッドフォンにも自動切り替え機能が搭載され、ユーザーはAndroidデバイス間での接続を切り替えられるようになる。Googleは、Appleのヘッドフォン製品によりダイレクトに対抗するために、空間オーディオ機能とともに、こちらも今後数カ月のうちに登場する予定だ。

Googleはさらに、サードパーティメーカーと提携し、Boseのサウンドバーやスマートスピーカーを皮切りに、Chromecast機能を各社ハードウェアに組み込んでいく予定だ。

画像クレジット:Google

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(文:Brian Heater、翻訳:Katsuyuki Yasui)

この電球はユーザーの健康状態をモニターする

CES 2022で見つけた、ちょっと変わった楽しい製品だ。心拍数、体温、睡眠の記録といった健康状態の測定ができるスマート電球だ。必要なものではないが、おもしろい。

本製品は、一見したところ最新のNest Hubと同様の機能を持ち、同様の技術を使用している。レーダーセンサーを中心に、ユーザーの身体の変化を計測し、スマートウォッチやフィットネスバンドを装着する必要のないパッシブなヘルスモニターシステムとなる。

もちろん、電球と睡眠時に頭の横に設置するために特別に設計された製品とでは、もっと多くの変数があります。また、フィットネスバンドや指輪をしないという便利さは、電球にアウトソーシングしたいと思うほどすごいことなのか?精度はどうだろうか?身体に直接取り付けるセンサーによる測定値と精度を競うのは酷ではないだろうか?

このスマートホームガジェットは、BluetoothとWi-Fiの機能を持ち、転倒検知など、高齢者介護に役立つ可能性のあるアプリケーションを搭載している。The Vergeは、2022年末に価格未定で発売予定となっているこの電球について、もう少し詳しい情報を紹介している。メーカーのSengledは、この展示会で、スマートオイルディフューザー、ポータブルランプ、モーションセンサーなど、他の製品も多数発表している。

画像クレジット:Sengled

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(文:Brian Heater、翻訳:Hiroshi Iwatani)

GE Lightingがサーモスタットや防犯カメラなどの「明るい」アイデアから誕生したスマートホーム製品を多数発表

Savantの子会社であるGE Lighting(GEライティング)は、米国時間1月4日、スマートサーモスタット、温度センサー、セキュリティカメラ、照明の新製品を発表し、スマートホームのラインアップを拡充した。さらに、Cyncアプリと連動したホームスマート化ガジェットを多数開発中であることも発表している。

2020年にGEのライティング部門をSavantに売却されるという電光石火な瞬間を経て、ますます紛らわしい名前となったGE LightingSavant傘下)は、ラスベガスで開催されているCESで、スマートホーム分野で、かつて「C by GE」と呼ばれていた自社ブランド「Cync」で新製品を多数発表し、イノベーションを続けている。このネーミングだけでも、製品 / 会社にいくつ名前が必要なのか、また「シンプルに」というメモが本社の地下にある蒸気管のどこかにいってしまったのではと思う。幸いなことに、製品ラインアップはその命名法よりもわかりやすくなっており、新製品群は世界のPhilips HueとNestのエコシステムに挑むというGE Lightingの決意を強固なものにしている。

GE Lightingのエクスペリエンス担当副社長Paul Williams(ポール・ウィリアムズ)氏は「『最も賢い』スマートホームは、シームレスに連携し、設置や使用が簡単で、究極の利便性、快適性、安全性を実現する信頼できる製品のネットワークで構成されています」と語る。「当社の新製品は、ハブレスで1つのアプリまたは音声ですべてを制御できる新たなホールホーム機能で、消費者がCyncスマートホームを強化する能力を提供します」。

廊下に設置されたCync Smart Thermostat(画像クレジット:GE Lighting)

新製品「Cync Smart Thermostat」は、スマートサーモスタットに期待されるすべての機能を備えているが、さらにいくつかのすばらしい工夫もある。他の主要なサーモスタットと違い、共通のワイヤーなしでインストールすることができ、あらゆるタイプのサーモスタットを備えた古いアパートでも、スマートホーム技術の力を活用するために簡単に使用することができる。このサーモスタット製品は、現在出荷が始まっており、価格は120ドル(約1万3900円)前後になる予定だ。

このサーモスタットは、同社の30ドル(約3500円)の「室温センサー」と組み合わせることで、それぞれの部屋を監視することも可能だ。例えば、寝室の温度が他の部屋より4℃高い場合、強制換気装置を調整することで、その問題を解決することができるかもしれない。そのためにスマートな温度センサーが必要かどうかという議論は別の機会に譲るとして、少なくともその選択肢はある。

Cync smart home camera(有線タイプ)。バッテリータイプや、オプションでソーラーパネルも用意されている(画像クレジット:GE Lighting)

Cyncは少し前に屋外用カメラを発売しましたが、この度、そのラインナップに追加製品としてCync Outdoor Smart Cameraの有線またはバッテリー / ソーラー電源のオプションを発表した。2K/1280Pの高解像度ビデオフィードとナイトビジョン、そして「デジタル旋回ヘッド」(ビデオのクロップを変更するオプション)を搭載し、少なくとも聞いた感じでは、このカメラはかなり堅実な選択のようだ。また、プライバシーとセキュリティを強化するためのオプションも用意されており、クラウドとローカルのSDカードストレージのオプションが利用できる。有線式は100ドル(約1万1600円)、バッテリー式は120ドル(約1万3900円)で、45ドル(約5200円)でソーラーパネルを追加して、監視を継続することができる。

GE LightingのDecorative White Exterior Bulbsは、スマート電球がつまらない見た目である必要はないことを示している(画像クレジット:GE Lighting)

さらぶCESでは、燭台型やグローブ型などさまざまな形状やサイズのスマートなフィラメント型電球や、電球のような形の「汎用電球」など、11種類の新製品が発表されている。白色とフルカラーの2色展開で、明るいアイデアを提案するラインナップだ。もちろん、Wi-Fiを搭載しており、音声コントロール、スケジュール管理、シーン設定など、さまざまな機能をCyncアプリからコントロールすることができる。

Cyncのアプリは、AmazonのAlexa、Google Home、AppleのHome Kitで操作できる。

画像クレジット:GE Lighting

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(文:Haje Jan Kamps、翻訳:Katsuyuki Yasui)

Schlageの新型スマートロックはApple Watchで玄関を解錠することが可能

この数年、スマートロックを目にする機会は少なくはなかったが、業界の大手も未来に向けて目覚め始めたようだ。CESでは、大手Schlage(シュレージ)がスマートフォンやApple Watchに触れるだけでドアを開けられる機能を導入した「Schlage Encode Plus Smart WiFi Deadbolt」を発表した。

この技術は、iOS 15で導入されたAppleの最近のHome Keyの革新的技術に基づいて構築されている。この技術では、Apple Walletに家の鍵を追加することができ、身の回りの鍵と通信することができる。これにより、スマホやApple Watchをタップをするだけで(わざとらしく「オープンセサミ」「オープンシュレージ」と叫ぶのはオプションだと思われるが、同社のプレスリリースには明記されていない)、家の中に入ることができるのだ。

この技術のメリットは、鍵を簡単に配布できることだ。ゲストに一時的に家の鍵を渡すことができるのだ。例えば、カプチーノを買いに出かけなくてはいけなくなった後、あなたのドッグウォーカーが愛犬を連れて帰る必要がある場合や、配管工が予定より早く来て、家に入れないと帰ると脅された場合などだ。

Schlage Encode Plusロックは、Home Key機能を備えたHomeKitに対するAppleの最新の機能強化にいち早く対応したものとなる。エコシステムへの追加は歓迎すべきことだと思う。Schlageには100年にわたる錠前製造の経験があり、スマートホーム技術に関しては、BluetoothとIoTチップセットの助けを借りて製品全体を構築するよりも、もともとすばらしい働きをする製品にスマートさを追加する方が簡単なことが多いのだ。

Allegion(アレジオン)のブランドであるSchlageのゼネラルマネージャーであるDave Ilardi(デイブ・イラルディ)氏は「当社は100年の歴史を通じて、お客様が信頼できる便利で安全なホームアクセスでユーザーエクスペリエンスを革新することに専念してきました。私たちは、コネクテッドホームに革新をもたらしているという歴史と評判を持つ、高く評価されているこの2つのブランドを結びつけるAppleとのコラボレーションに興奮しています」と述べている。Schlage Encode Plus Smart WiFi Deadboltは、ホームオーナーに、よりシンプルで安全なアクセス方法を提供する。これは、シンプルさと安心感をもたらす目的にかなった体験を創造するという同社のビジョンの新たな一歩にすぎない。

イケているのが、当技術が「省電力」モードでも動作することだ。つまり、スマホやApple Watchの充電が切れそうになっている状態でも、さらに数時間、ドアを開けるために使用することができるということだ。

Schlage Encode Plusロックは、タップして開けるというワザを除けば、機能的にはSchlage Encode Wi-Fi対応ロックとかなり似ており、ドアがロックされているかどうかを確認したり、施錠 / 解錠をスマホから行うことができる。アプリから特定の時間帯にアクセスコードを設定できるので、永続的、一時的、定期的にかかわらず、特定のコードで特定の時間帯に他人へアクセスを与えることができる。また、同デバイスはリアルタイムのアクティビティログを保持しているので、どのコードがいつ、どの鍵を開くために使われたかを確認することもできる。Siri、Googleアシスタント、Alexaにも対応しており、それらからデバイスのコントロールが可能だ。

タップして解錠する機能は、AppleのHome Key機能で、iOSまたはApple Watchのデバイスでしか利用できないので、Androidユーザーは今のところその機能を使わずにやり過ごすことになるが、もちろんGoogleアシスタントやSchlageアプリを使ってデバイスをコントロールすることはできるだろう。

Schlage Encode Plus Smart WiFi Deadboltは2022年春末に購入可能で、小売価格は299.99ドル(約3万4800円)だ。

画像クレジット:Schlage

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(文:Haje Jan Kamps、翻訳:Akihito Mizukoshi)

夕食はロボットにお任せ、レストランロボットと風変わりなドロイド

私は2022年初めのCESに向けて計画を進めてきたが、おそらく今週中には白紙に戻りそうだ。呆れるほど多数の紫外線消毒ロボットの売り込みがなくなることに奇妙な寂しさも感じるものの、一方では最新変異株(オミクロン)の急増の中で、ショーに直接参加することの是非を検討していたのだ。最終的には、今回はラスベガスに参加しないことにしたが、数週間以内にはお伝えすることがたくさん出てくると思う。

ほぼ2年前のCESとそれに続く私たちのロボットセッションが、私が直接参加した最後のイベントであったことに気づいて、とても奇妙な心持ちがしている。ロボットセッションをオーガナイズして、TechCrunchのCESへの取り組みを主導する役割を果たしてきた私は、これらの決定を軽く考えることはとてもできない。

そして、特にロボットの評価に関しては、直接会議に参加することにはまだ個人的なメリットがあると感じている。Zoom(ズーム)を通してロボットの見栄えを良くしようとしても限界があるからだ。

どちらかといえば、こうしたことすべてが、ロボットシステムの本格的な採用が、非常に近くて同時にまだ遠いものだということを痛感させる。ちなみに私は、来年のCESに向けて、本当に多数のロボットの売り込みを受けたと言っても構わない。今回のショーは、来年の動き全体を占うものになるようにデザインされている。それらは、消費者向けから産業用途まで、そしてその間のすべてのものをも幅広く含んでいる。

パンデミックが業界の興奮と投資を加速させたことは間違いないが、実際の導入スピードはカテゴリーによって大きく異なる。年末の他の記事でこれまで見てきた2つの例は、かなり進んでいる。これまでの製品と同様に、倉庫ならびにフルフィルメントのロボットは現在とても現実的なものだ。最近オンラインで何かを購入したのなら、ロボットがラインのどこかの時点で製品の入手を手伝ってくれた可能性がかなり大きい。

配達ロボットはさらに難しい。たくさんのパイロットプロジェクトが存在しているが、住んでいる地域によっては(特に大学キャンパスの近くにいる場合には)、そのうちの1台が自分向けの出前でなくても近くを走っているのを見たことがあるかもしれない。一般に、歩道は倉庫よりも管理されていない場所であり、規制上の煩雑な手続きを経て世に出す必要があるため、資金調達の成否にかかわらず、明日の朝ロボットで歩道が溢れかえっているようなことはないだろう。

今週は、そうしたロボットが配達しているかどうかはともかく、対象となる食べ物を、実際に作っているのは誰なのか、あるいは「何」なのかについて話したいと思う。

画像クレジット:Paul Marotta / Getty Images for TechCrunch

細かい話に入る前に、iRobot(アイロボット)の共同創業者でCEOのColin Angle(コリン・アングル)に、過去1年間のロボット業界を振り返り、来年の予測をしてもらえるようお願いした。

2021年のロボット / AI / 自動化のトレンドを定義したのは何でしたか?2021年には、倉庫の自動化、自動運転技術、そしてもちろん排泄物検出がブレークスルーをもたらしました。2021年は、自動化への大規模な投資が功を奏し、2020年をほぼ超えたオンラインショッピングの驚異的な増加が、目覚ましい年となりました。中米をターゲットにした自動運転トラックのテレビコマーシャルを実際に見ました。これは本当に起こっていることなのでしょうか?そして私は、ロボットの真空掃除機にまつわる汚くてめったに議論されない課題の1つが、手頃な価格で信頼性の高い視覚的物体認識の出現によって、過去のものになったと言えることを誇りに思っています。2021年はロボットにとって変革の年だったといっても過言ではないでしょう。

2022年はこれらのカテゴリーで何が起きるのでしょう?2022年に入ってからは、人々が待ち望んでいたスマートホームの本当の進歩を目にできたらと思います。現在のバージョンのスマートホームでは、複雑過ぎますし、使いやすさが貧弱過ぎます。しかし、経験を最優先するエコシステムを生み出し、能力とシステムのシンプルさにも優れ、成長を始めることができるツールが登場しつつあります。そこで私は、2022年が、一般の人々の間で業界が加速し続ける年になるだけでなく、私たちの日常生活へのロボットの思慮深い統合に重要な前進が見られる年になることを期待しています。非常に多くの面で勢いが増しているのを見られるのはエキサイティングです!

さて、私の長年の輝かしいキャリアの中では最も不快な話題転換ではあるが、排泄物の検出から食事の準備に話題を移すことにしよう(会社が「読者が減ったのは何故だ」と聞いてきたときのためにここにメモとして残しておく)。

Los Angeles Timesのテストキッチンで2009年3月11日に撮影された、レンガのオーブンから取り出されたマルゲリータピザの画像(写真クレジット:Anne Cusack/Los Angeles Times via Getty Images)

この1年はロボットによる食品調理にとって大きな年だった。パンデミックが発生する前は、この分野に関与した著名なスタートアップは極めて稀だった。特にZume Robotics(ズームロボティックス)などを含む一部の企業は、業界から去っていった。しかし、ロボット分野対するベンチャーキャピタルの大規模な流入に伴って、レストランビジネスの自動化が進んでいる。その主な2つ理由は、この2年で骨身に沁みて理解できているはずだ。第一に、米国では人材が大幅に不足しているということ。第二に、ロボットは病気になることはなく、人びとを病気にすることもないということだ。

もし私が、食品ロボットの現状を4ワードで要約しなければならないとすると、次のようになる。

  • ピザ
  • ボウル(日本でいうどんぶり物)
  • ファーストフード(1ワードにまとめてズルをした)
  • キオスク(売店)

画像クレジット:Picnic

最初の2つがリストの一番上にあるのは同じ理由だ。食品を自動化する場合には、人気があって、比較的均一なものである必要がある。もちろん、さまざまなトッピングはあるものの、ロボットにとっては、ピザを作ることは、生地、ソース、チーズ、トッピング、調理、繰り返しといった、かなり簡単な経験なのだ。Picnic(ピクニック)やXRobotics(エックスロボティックス)のような企業は、Zumeが中断したものを引き継ごうとしている。

関連記事:XRoboticsはピザロボットの夢を諦めず正式発表に漕ぎ着ける、1時間で最大150枚、20種類以上のトッピングに対応

画像クレジット:Spyce

ボウルはピザ同様の領域を埋める。それらは近年人気が高まっていて、かなり基本的なテンプレートが確立している。サラダやキノア(食用の実)などのトッピングやベースのバリエーションがあるとしても原理はかなり単純だ。したがって、カリフォルニアを拠点とするファストカジュアルサラダチェーンのSweetgreens(スイートグリーンス)が、MITのスピンアウトであるSpyce(スパイス)を買収して、先の8月に登場したことはおそらく驚くようなことではない。この動きは、2月にサラダ製造ロボット会社Chowbotics(チャウボティックス)を買収したDoorDash(ドアダッシュ)による類似の買収に続いたものだ。

Miso(ミソ)は現在ファーストフードレースをリードしていて、数多くの大きなパートナーシップが発表されている。同社のハンバーガーフリッピング(パテ焼)ならびにフライクッキング(揚げ物)ロボットは、まだ人間のキッチンスタッフを完全に置き換えることはできないものの、世代を重ねるにつれて、ますます能力を高めている。

画像クレジット: Nommi

一方、キオスクは、主に人間を作業工程から外すように設計されている。この解決策は、前述の労働力不足のおかげで、ますます勢いを増している。システムと人間の相互作用は、主に材料投入、メンテナンス、および注文に限定されている。しかし、適切な技術があれば、Nommi(ノミー)のようにボタンを押すだけで簡単に新鮮な食材を調理することができる。たとえば最近行われたNommiとC3との提携では、Iron Chef(料理の鉄人)の森本正治氏の料理が、24時間年中無休の調理マシンに採用されている。

関連記事:ハンバーガーをひっくり返すロボット「Flippy」の能力が向上、調理前後の作業を追加

今週は、クリスマスということもあり、ニュースの流れは多少ゆっくりとしている。とはいえ私たちは、Hyundai(ヒョンデ、現代自動車)がCESのために何を準備しているのかを垣間見ることができた。Hyundaiは、Boston Dynamics(ボストンダイナミクス)の買収を含め、ロボットへの取り組みを実際に倍増させている。新しいMobile Eccentric Droid(MobED、モバイルエキセントリックドロイド)は、あらゆる意味でプラットフォームだ。それは文字通りのもので、中央に台になる部分を備えた四輪移動装置だ。また、電話会議から荷物の配達、スマートな乳母車まで、さまざまな機能を収容することができる。

画像クレジット:Hyundai

その安定化技術について、Hyundaiは次のようにいう。

偏心機構による姿勢制御システムは、地表状態に応じて各車輪の高さを調整することで、体の姿勢も安定させます。MobEDの12インチ空気タイヤは、さらに衝撃や振動を吸収するのに役立ちます。

一方、Tiger Globalはその派手な支出を続けている。今週同社は、カリフォルニア州パサデナを拠点とするElementary(エレメンタリー)のために3000万ドル(約34億3000万円)のシリーズBを主導した。Fika Ventures、Fathom Capital、Riot VC、Toyota Venturesも参加したこのラウンドによって、このマシンビジョンスタートアップの総資本は4750万ドル(約54億3000万円)になった。創業者のArye Barnehama(アーリエ・バーナハマ)CEOはTechCrunchに次のように語った。

製造業と物流は、パンデミックの前にすでに始まっていて、パンデミックの最中に大幅に増加した大規模な人手不足を経験しています。企業が、高価で見つけるのが難しいエンジニアリング人材に頼らずに、自動化を続けようとする中で、ノーコードAIソリューションを提供できる私たちのビジネスは拡大してきました。

インドを拠点とするロジスティクスロボティクス企業Unbox Roboticsの700万ドルのシリーズAラウンドは、3one4 Capitalによって主導された。Sixth Sense VenturesとRedstart Labsもラウンドに参加し、SOSVを含む多くの既存の投資家も参加した。同社によれば、調達した資金は採用、技術開発、そして新しい領域への拡大に向けられるとのことだ。

画像クレジット:Getty Images

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(文: Brian Heater、翻訳:sako)

米アマゾンが月額約2200円の家族向け高齢者介護サブスク「Alexa Together」を提供開始

Amazonは米国時間12月7日、まだ自立した生活をしているものの、さらなるサポートを必要とする高齢者を介護する家族を対象としたサブスクリプションサービスAlexa Togetherの正式な開始を発表した。この機能は、同社の2021年秋のイベントで初めて紹介されたもので、Amazonの既存製品Alexa Care Hubを拡張し、月額19.99ドル(約2200円)または年額199ドル(約2万2000円)のサブスクリプションサービスとしてパッケージ化したものだ。

関連記事:アマゾンが高齢者介護のサブスクサービス「Alexa Together」を開始

Alexa Care Hubは、家庭内のAlexaデバイスを高齢の家族を介護するためのツールにするという、同社の最初の試みだった。そのサービスには、家族が年老いた両親やその他の大切な人を(本人の許可を得て)見守り、例えば家族が助けを求めた場合などに、特定の行動に反応するような機能が含まれていた。

Alexa Togetherは、Care Hubの機能を拡張したもので、緊急時のヘルプラインへのアクセス、転倒検知対応機能、家族が高齢者のデバイスの設定を管理できるリモートアシストオプション、愛する人がAlexaや他のスマートホームデバイスを使っているときに通知したり、普段の活動が滞っているときに通知したりすることができる家族向けのアクティビティフィードなどを備えている。

これらの機能は、有効にするには、双方が一緒にサインアッププロセスを完了する必要があるオプトイン・コンセント型の環境で使用されるように設計されている。

一度設定すれば、高齢者の方が緊急時の助けが必要な時に「Alexa、助けを呼んで」と声をかけることができる。すると訓練を受けたエージェントが、警察や消防、救急車などを、他のホームセキュリティシステムと同じように、その場所に派遣することができる。しかし、Alexa Togetherシステムは、カスタマーが緊急支援を必要としているかどうかを検知するために、Assistive Technology Service(アシスタント・テクノロジー・サービス)やVayyar(ヴァイヤ)のサードパーティ製デバイスと連携することができる。

Vayyar Care(ヴァイヤ・ケア)は、転倒を検知することができる壁に取りつけるセンサーで、ATSのSkyAngelCare(スカイ・エンジェル・ケア)は、高齢のカスタマーが首から下げる転倒検知ペンダントだ。SkyAngelCareはペンダントのボタンを押すと検知できるように、どちらも転倒を検知する。Amazonによると、Alexa Togetherには今後さらに多くのデバイスメーカーが追加される予定だ。

リモートアシスト機能は、家族が高齢者のデヴァイスのさまざまな設定を管理できる機能だ。これには、リマインダーの設定、電話やメッセージの連絡先の追加、買い物リストの追加とチェック、音楽サービスのリンクなどが含まれる。これにより、高齢者の方がAmazonに助けを求める電話をしなくても、家族がITのサポートを行うことができる。

画像クレジット:Amazon

アクティビティフィードは、高齢の家族が1日を過ごし、Alexaやその他の接続されたスマートホームデバイスと初めて対話したことを知らせるために、家族にアラートを送信する。これは、家族が定期的にAlexaと関わることを前提としているため、家族が問題なく過ごしているかどうかを知るための代理として機能するという点では、不完全なシステムだ。しかし、何のアクティビティもない場合にアラートが送信されることは、家族が愛する人に連絡を取り、問題がないかどうかを確認することを思い出させることができる。

このサブスクリプションサービスは、このソリューションが適しているかどうかを判断するために、6カ月間の無料トライアルを提供している。また、Alexa Care Hubの既存顧客は、本日から2022年12月7日まで、Alexa Togetherを1年間無料で利用できるようになる。

将来的には、Alexa Togetherが家族や友人、さらには隣人など複数の介護者をサポートする機能などを展開していくと、Amazonは述べている。

Amazonは、Alexaを使った高齢者や病弱な人々の介護への投資を増やしている。Care HubやAlexa Togetherに加えて、2021年の秋には、Atria(アトリア)やEskaton(エスカトン)のリビングセンターや、Cedars-Sinai(シダーズサイナイ)、BayCare(ベイケア)、Houston Methodist(ヒューストン・メソジスト)などの病院にAlexaを導入することを発表した。また、K4Connect(K4コネクト)、Lifeline Senior Living(ライフライン・シニア・リビング)、Aiva(アイヴァ)、Vocera(ヴォケラ)など、高齢者介護市場に特化したソリューションを開発できるAlexa Smart Properties(アレクサ・スマート・プロパティ)のツールやAPIを活用できるパートナーと協力していくとしています。これらのソリューションを実現するために、AmazonはAlexaの医療スキルをHIPAA(医療保険の携行性と責任に関する法律)に準拠させることに取り組み、その他のHIPAA規制をナビゲートするヘルスケアチームを構築した。

関連記事:アマゾンがAlexaを病院や高齢者施設に導入、Alexaで家族の呼び出しやニュースの確認などが可能に

しかし、これらの既存の高齢者ケアソリューションの多くは、企業間取引(B2B)での販売を想定しているが、Alexa Care Hubと今回のAlexa Togetherのサービスは、消費者市場を対象としたサブスクリプション型のサービスとなっている。

Alexa Togetherは、Echo、Echo Dot、Echo Showなどの対応するAlexaデバイスで動作し、アドオンサービスまたはデバイスバンドルのいずれかで利用できる。

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(文:Sarah Perez、翻訳:Yuta Kaminishi)

掃除ロボ「ルンバ」のiRobotがスマート空気清浄機メーカーAerisを買収

ちょうど1週間前、我々はiRobot(アイロボット)のAmazon(アマゾン)との協業に関連して、同社のスマートホームの野望について議論していた。iRobotは、スマートホームのミッシングリンクとしてのRoomba(ルンバ)の可能性を引き出すことを目指して、過去2、3年の間に少しずつその計画を明らかにしてきた。

そして米国時間11月18日、同社はHEPA空気清浄機で知られるスイスのAeris Cleantec AGを買収するという、ちょっと意外な次のステップを踏み出した。この買収は、最初のロボット掃除機を発表してから約20年が経過した今、家庭内の清掃という同社の中核を成すフォーカスに合致したものと言える。

CEOのColin Angle(コリン・アングル)氏はリリースでこう述べている。「本日発表されたAerisの買収は、iRobotの戦略における重要なステップであり、対応可能なマーケット全体を拡大し、製品ポートフォリオを多様化することで、消費者のみなさまに家をより清潔で健康的に保つための新しい方法を提供するものです。特に、パンデミックによって、より清潔で健康的な家庭を維持することの価値に対する消費者意識が高まっていることから、Aerisの製品の成長ポテンシャルを高く評価しています。また、当社のGenius Home Intelligenceプラットフォームと家庭用ロボットの既存のエコシステムを活用して、iRobotの体験を空気清浄機にもたらすことができる可能性にも期待しています」。

先週話していたように、iRobotのルンバ以外の成功したラインのほとんどが、2012年にBraava(ブラーバ)、2019年にRoot(ルート)を買収したことを含め、買収から派生していることは特筆すべき点だ。

空気清浄機は、パンデミックの影響で、この2年間で非常に重視されるようになったトピックであることは間違いない。しかし、それ以前にも、コネクテッドホームフィルターなどの登場により、このカテゴリーは活況を呈していた。Aerisの主力製品である「Lite」と「3-in-1 Pro」には、デバイスの状態を監視したり、複数の接続された機器を制御したりするためのスマートフォンアプリが搭載されている。

最後の部分には、iRobotの大きな計画を垣間見ることができる。独自のスマートスピーカーを持たないiRobotは、接続されたビーコンとしての役割を果たす、何らかのスマートホームデバイスを探していることは間違いない。それは、高価ではあるが、空気清浄機のようなものになるかもしれない。将来的には、ルンバのドッキングステーションにAerisの浄化技術が組み込まれるかもしれない。

iRobotによると、この取引はすでに終了しており、同社はAerisに7200万ドル(約82億2000万円)の現金を支払ったという。「この最初の現金対価に加えて、取引には、Aerisが2022年に一定の目標を達成した場合、ささやかな業績ベースのアーンアウト条項が含まれています」とのこと。

画像クレジット:iRobot

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(文:Brian Heater、翻訳:Aya Nakazato)

家庭の電力利用をよりスマートにすることを使命とするSpan、新しいEV充電器Span Driveをリリース

エアコンや洗濯機、乾燥機などの電化製品が家庭で主役を務めた時代は終わった。最近は、EV(電気自動車)充電器、太陽光発電パネル、蓄電ソリューションなどにより、家庭の電力利用状況はますます複雑度を増している。Spanは、そうした状況にスマートさを組み込もうとしている会社の1つだ。同社がこのたびリリースしたSpan Driveは、さまざまなルールに基づいてEVをさらにパワフルな存在にするEV充電器だ。

米国の家庭はますます電化が進み、とりわけ最新の電化製品は古い設計の家では想定されていないような大量の電力を消費する。エアコン、ヒーター、ヒートポンプ、給湯器、洗濯機、乾燥機、電気コンロ、電気オーブン、EV充電器、蓄電装置などは、多大な電力を消費する可能性がある。それに加えて、ソーラーパネルを設置する家庭が増えたため、大量の電力が家庭に入ってくるようになった。こうした状況の中、米国家庭の電力状況は複雑度を増し、電力を大量消費するようになっているが、実際には、こうした電化製品をすべて同時に使用することはまずない。これは、最近の電子設計が直面している難題である。つまり、家庭に送電網から送電されてくる電力が最大100Aで、家庭にある電化製品の消費電力の合計が180Aであっても、実際にはそれらの電化製品をすべて同時に使用することはおそらくない。問題は、一時的に、すべての電化製品の電源を同時にオンにした場合、少なくともブレーカーが上がるまでは、電力会社にとって厳しい状況になるという点だ。

Spanはこうした問題を解消してくれる。Spanは5月に、家庭用スマートブレーカーパネルをリリースし、その数カ月前に2000万ドル(約22億8000万円)の資金調達ラウンドを発表した。同社はこのたび、500ドル(約5万7000円)のEV充電器Span Driveをリリースし、それに合わせて、3500ドル(約40万円)のブレーカーパネルは、今家庭で最大の電力を消費する装置である電気自動車向けにスマート性能が強化された。

「当社は、家庭でアンペアを100から200、200から400に上げる際のコストや時間をかけることなく、電化製品を追加し続けることができるようにしたいと考えています」とSpanのCEO Arch Rao(アーチ・ラオ)氏はいう。

「ブレーカーパネルをアップグレードするというより、家庭内の電化製品の使われ方を基本的に考え直して、電源管理を改善し、クリーンエネルギーと電化製品の統合を強化したいと考えています。従来のブレーカーパネルは安全装置としては大変優れていました。家庭に入ってきた電気はこのパネルを経由して家庭内の各装置と回路に分配されます。回路の動作状況が危険なレベルに達すると、回路は遮断されます。これがブレーカーの仕事であり、その仕組みは約100年間進歩していません。つまり、受動的な安全装置として機能しているのです」とラオ氏は説明する。「ブレーカーパネルが設置されている場所こそ、まさしくイノベーションが必要な場所です。ブレーカーパネルはグリッドと家庭内のすべての電化製品の交差点に位置しています。電化製品だけではなく、ソーラーシステム、電気自動車、蓄電システムなども、ブレーカーパネルに接続されています。当社が開発した新しいパネルは、グリッドと安全に遮断または再接続するための装置であるという点で、単なる安全装置としての機能よりもはるかに多くの仕事をします」。

グリッドとの接続とグリッドからの遮断は、グリッドに依存して生活している人たちにとって重要な点だ。家庭を、少なくとも電気的には、島に変えることができるというのが、将来的な観点から見たときのSpanのシステムの興味深い点の1つだ。また、Spanのパネルを使用すれば、停電時に従来よりも長く自力で電力を供給できる。蓄電ソリューションが設置されている家庭では、このパネルはよりスマートに動作する。停電を検出すると、不要な電気製品の電源が落とされる。例えばサーモスタットをオフにして、食品が腐らないように冷蔵庫や冷凍庫をできるだけ長く稼働させる。

Span Driveはしゃれたデザインの低価格EV充電器で、Span製パネルの機能を拡張する(画像クレジット:Span)

このシステムはアプリで制御できる。このアプリで家の電気の使い方に関する「ルール」を設定できる。例えば太陽光発電でまかなえるときだけエアコンを稼働するよう選択できる。48Aを電気自動車に接続して高速充電するよう選択する場合は、他の大量に電力を消費する電化製品の電源を落として、総電力消費量を100A以下に抑えるようにする。逆のケースもある。つまり、できるだけ高アンペアで高速充電しているときに、乾燥機、エアコンが同時に稼働し、電気オーブンと電気コンロで料理を始めると、Span Driveは充電に使用する電流を下げ、子どもたちが食事を済ませ、衣類がすっかり乾いてみんなでハグできるようになったら元に戻す。

あるいは、電気自動車の充電を太陽光発電でのみまかなうようSpan Driveをプログラムすることもできる。Tesla(テスラ)のオーナーは信号待ちから静かに発信させてフェラーリを抜き去りたいといつも考えているようだが、Span Driveのこの機能でそうしたオーナーの自己満足度は何倍にもなるに違いない。

もちろん、Spanのパネル自体から回路をオン / オフすることもできるが、このパネルは各回路に分配されている電力量を把握しているため、家電製品が増えてもより細かい制御が可能になる。これにはおそらくAmazon(アマゾン)のアイデアも一部入っているのだろう。アマゾンはSpanの最近の投資ラウンドに参加し、Alexaとの互換性を実現することも発表した。

ある意味、Spanは、従来家庭内でスマートさを欠いていた部分に多くのスマートな機能を組み込んだように感じる。電力はそのままではローテクだが、電化製品のスマート性が向上し、IoTの波が日常的に使う多くの電化製品にまで押し寄せる中、Spanは家庭全体に、マイクログリッドを構築しているように思われる。それは、孤立したゾーンであり、まだ誰も使い方を知らない強力な機能を備えている。SpanのCEOもその点を認識しており、同社は家庭の未来の争奪戦の真っ只中にいることに同意する。

「ブレーカーパネルには、他のどんな製品にもない永続性があります。今後30年は、現在と変わらず壁に設置されたままでしょう。もちろん、将来を見据えた設計についても考えています。現在当社が提供している機能は、競合他社が提供するどのような機能とも一線を画すものです。未来に重点を置くことで、現行のさまざまなソリューションを基本的な部分で凌駕していると思います」とラオ氏は話す。

画像クレジット:Span

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(文:Haje Jan Kamps、翻訳:Dragonfly)

アマゾンがAlexa用スマート空気質モニターを12月に米国で発売、約7980円

Amazon(アマゾン)は2021年9月下旬にスマートホーム機器の新製品を次々と発表したが、ホリデーシーズンを前にして、まだ製品を続々と登場させている。確かに、Smart Air Quality Monitor(スマート空気質モニター)は、巨大なEcho Showやホームロボット、あるいはサーモスタットのようにエキサイティングな製品ではないが、少なくともこのような製品に内在する価値は明らかだ。

このデバイスは、一酸化炭素を含む粒子状物質、ほこり、揮発性有機化合物(空気中の化学物質で体に害を及ぼす可能性があるもの)を測定するように設計されている。また、温度と湿度の検知機能もビルトインされている。製品ページに記載されているように、このデバイスにはマイクやスピーカーが内蔵されていない。つまり、何かがおかしい状態になったときの警告は、接続されたEchoデバイスやAlexaアプリに頼ることになる。なので、家の中のマイクの数が1つ減るわけだ。これはプラスだ。

同社によると、このデバイスはテスト期間中のユーザーのフィードバックから生まれたものだという。同社は次のように説明している。

部屋の換気を頻繁に行う、料理中に窓を開ける、空気清浄機や加湿器をつけるなど、小さな工夫をすることで、テスト参加者は空気の質が目に見えて向上したことを実感しました。また、これらの細かな調整により、家の中での呼吸が楽になり、夜もぐっすり眠れるようになったとテスト参加者は教えてくれました。

アラート機能に加えて、モニターするレベルの経時変化も測定できるので、ユーザーはさまざまな活動がこれらの問題にどのように影響するかを知ることができる。Smart Air Quality Monitorは11月3日から予約受付を開始し、12月に出荷が始まる。

画像クレジット:Amazon

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(文:Brian Heater、翻訳:Nariko Mizoguchi

アップルのHomePod miniに新色イエロー、オレンジ、ブルー登場

おそらく誰もHomePodの登場は、期待していなかっただろう。現在、Appleの主要なスマートホームデバイスとなったこのminiに新色が登場する。

今回イベントで、Appleはこの小型スマートスピーカーにイエロー、オレンジ、ブルーのバージョンを追加。この新色は、従来のブラックとホワイトに加えて、それぞれのバージョンと同様に99ドルで販売される。miniの新バージョンは、ホリデーシーズンに間に合うよう、11月に発売される予定だ。

もちろん、Apple MusicのSiriに特化した月額5ドルのボイスプランとの連携も可能だ。

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(文:Brian Heater、翻訳:Katsuyuki Yasui)

アマゾン傘下のRingが「バーチャルセキュリティガード」や新アラームシステム、よりスマートなモーションアラート機能を発表

2021年のRing(リング)は、Amazon(アマゾン)が毎年開催しているデバイスとサービスイベントの一部に過ぎないが、ハードウェアの刷新とEero Wi-Fi 6ルーター機能の統合を含む新しいプロアラームなど、多くのアップデートを行っている。また「Virtual Security Guard(バーチャル・セキュリティ・ガード)」と呼ばれる新サービスも用意されており、これは基本的に、ユーザーが監視できないときに代わりRingのフィードを監視するもので、よりスマートな状況認識能力により、既存のドアベルやカメラの警戒能力を向上している。

Ring Alarm Pro

「Ring Alarm Pro(リング・アラーム・プロ)」は、Eeroを内蔵したベースステーションを含む、ホームセキュリティシステムのアップグレード版だ。このベースステーションは、他の最新のEeroハードウェアとリンクするためのメッシュ機能を備えたWi-Fi 6ルーターとしても機能する(これは、Amazonが買収したコンシューマー向けブランドとのすばらしいシナジー効果となっている)。Ring Alarm Proには、月に3GBのモバイルデータが含まれており、1GBあたり3ドル(約330円)で追加データを利用できるため、24時間365日のバックアップインターネットが可能だ。RingのPower Packアクセサリーをベースステーションに取り付ければ、停電時にもインターネットを利用することができる。

また、Alarm Proベースステーションには、最大64GBのカードに対応したmicroSDカードスロットがあり、接続したRingカメラやドアベルのローカルビデオストレージとして利用できる。

これまでのRingのアラーム製品と同様に、モーションセンサー、ドア・窓センサー、火災・湿気センサーなどと連携する。また、同社のサブスクリプション製品にはプロレベル(月額約2200円)が導入されており、セルラーバックアップサービスに加えて、プロによるモニタリングや、Eeroを介した家庭用インターネットの広告ブロック(これもまたシナジー!)、コンテンツフィルタリング、脅威防御サービスなどを利用することができる。

Virtual Security Guard

Eeroの新たなプロレベルのサブスクリプション(従来の月額10ドルのオプションと一緒に提供される)とは別の「Virtual Security Guard(バーチャル・セキュリティ・ガード)」と呼ばれる新たなサブスクリプション・サービスは、現場にいるセキュリティ・ガードの利点を模倣することを目的としている。

基本的に、モニタリング会社Rapid Response(ラピッド・レスポンス)との提携により、プロの監視員による監視を追加するものだ。Rapid Responseの担当者は、会員が指定したRingのカメラやドアベルのフィードを監視し、モーションアラートに反応して、サイレンやライトの作動、双方向通話機能の使用などの介入を行い、必要と判断した場合には、実際に救急隊員を派遣する指示を仰ぐことができる。

Ringは、Virtual Security Guardが完全に契約者の管理下にあることを強調している。例えば、カメラはデフォルトで除外されており、どのカメラをいつ監視するかはユーザーが選択する。また、エージェントは、ユーザーが指定したホームモードまたはアウェイモードで監視するようにグリーンライトが点灯しない限り、カメラを起動することはできない。エージェントは、動きが検出されたときにライブビューでリアルタイムの映像を見ることができるだけで、映像はダウンロードなどのために保存されることはない。さらに、ユーザーが設定したプライバシーゾーンは監視エージェントには表示されず、バーチャルセキュリティエージェントがフィードを監視しているときは、Ringアプリでライブ表示され、エージェントが見た過去のライブビューも明確に表示されるようになっている。

具体的な価格については明らかにされていないが、ユーザーがすでにプロの監視プランを導入していることが条件となっているため、割高な価格設定になると思われる。また、このプログラムを利用するには、Ringの、屋外用のワイヤー接続したビデオドアベルまたはセキュリティカメラを導入している必要があり、2021年後半から招待制で提供される予定だ。

Custom Event AlertsとPackage Alerts

画像クレジット:Ring

2021年のRingは、空飛ぶドローンが実際に出荷されるなど、かなり目を引く発表を行っているが、多くのユーザーにとって最も役に立つニュースは「Package Alerts(パッケージアラート)」と「Custome Event Alerts(カスタムイベントアラート)」という新しいスマートアラートの導入だろう。

関連記事:Ringのホームセキュリティドローンが米国内で招待制で販売開始

「Package Alerts」は、その名の通り、ゾーンを指定して、そのゾーンに荷物があると通知を受け取ることができるというものだ。例えば、玄関先やポーチを監視するように設定して、Amazonが荷物を配達したときに通知を受け取ることができる。

これらの機能は、Ring Video Doorbell Pro 2とRing Video Doorbell(2020年モデル)のデバイスを持っている人であれば、Ring Protect Plan(リング・プロテクション・プラン)に加入している場合に限り、米国時間9月28日より利用可能となる。

「Custom Event Alerts」は、Spotlight Battery Camのユーザーに適用されるが、こちらもRing Protect Planに加入していることが条件となり、もう少しカスタマイズの自由度が増えることとなる。例えば、Ringが撮影した閉じた状態のガレージドアの静止画と開いた状態の静止画を使用して、この2つの状態を区別し、状態の変化が起こったときに警告するように教えることができる。Ringはこの機能を、ゲートやドアなど、ユーザーが定義した他のタイプの状態変化にも適用できると述べている。Package Alertsよりも少し遅れて配信を開始し「今後数カ月のうちに」利用可能になる予定だ。

Ring Jobsite Security

画像クレジット:Ring

最後に、Ringはコントラクターや現場管理者をターゲットにした「Jobsite Security(ジョブサイト・セキュリティ)」を発表した。これは、Ring Alarm Proをベースにした製品で、例えばゲートの開閉状態を把握するためのOutdoor Contactセンサーなどのアップグレード製品と使う業務用に調整されている。また、ターゲット層を「反映」して、セーフティーオレンジを多用している(セーフティーオレンジは、”反射性”を利用しているというダジャレ)。

Jobsite Securityは、The Home Depot(ザ・ホーム・デポ)との提携により、399.99ドル(約4万4000円)から独占販売される。これは、同社のブランドを国内だけにとどまらせず、B2Bの分野にも広げていくという布石なのかもしれない。

画像クレジット:Ring

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(文:Darrell Etherington、翻訳:Akihito Mizukoshi)

アマゾンの最新「Echo Show」は15インチの壁掛け型スマートピクチャーフレーム

Amazon(アマゾン)は先ほど、最新かつ最大の、Echo Showファミリーメンバーのベールを剥いだ。Echo Show 15は同社のスマートスクリーン技術を生かし、15.6インチ、1080pのディスプレイを壁に掛け、巨大デジタルピクチャーフレームとの二役を担わせる。

250ドル(約2万7900円)の新デバイスは、すでにEcho Show 5とEcho Show 8、さらには部屋にいる人に合わせて首を振る画面で一部の不評を買ったEcho Show 10(同じく価格は250ドル)が揃っている商品ラインへの間違いなく斬新な追加アプローチだ。新しいデバイスは、顔認識を利用して個人を認識しカスタマイズされたコンテンツを提案する新機能、Visual ID(ビジュアルID)の追加によってレベルアップを図っている。

画像クレジット:Amazon

新しい体験は、Alexa(アレクサ)ホームエコシステムのコントロールパネルのような役割を果たすカスタマイズ可能なホーム画面を中心につくられている。機能は主にカスタマイズ可能なウィジェットを通じて実現されていて、カレンダーイベント、ToDoリスト、レシピなどを追加できる。デジタルホワイトボートか冷蔵庫に貼られたマグネットのようでもある。他に、防犯カメラや玄関インターホンの映像を1つのウィジェットで見られるスマートホームコントロールもある。

Echo Show 15の明確な強みの1つは画面の広さだ。これはさまざまな情報を同時に見られることを意味していて、タイリング効果やピクチャーインピクチャーなどを使って、玄関ベルが鳴った時など特別な状況下でビデオを表示できる。実際これは、Samsung(サムスン)のスマート冷蔵庫の扉で見るような夢の機能を、何千ドルも払うことなく実現していると言えるかもしれない。

これ以外にもこのデバイスは、現在Echo Showに期待することはおよそ何でもこなし、実質的に大きなキッチンテレビとして機能する。たとえばPrime Video(プライムビデオ)、Netflix(ネットフリックス)、Hulu(フールー)、Sling TV(スリングTV)などのストリーミングが可能だ。最後のSling TVはTikTok(ティックトック)のコンテンツとともに近日提供される予定で、好きな人は15.6インチの画面で見られるようになる。

画像クレジット:Amazon

1080pのスクリーンの左右にはサイドファイアリング方式スピーカーが付いている。短いビデオクリップには十分だろうが、ストリーミング・ミュージックや映画、テレビなどを長い時間鑑賞するつもりなら別のEchoかBluetoothスピーカーとつなぎたくなるだろう。

カメラは大きめのベゼル(額縁用語にこだわるなら「マット」)に組み込まれている。この場合、白い縁取りが右上隅にある5メガピクセルカメラの存在を際立たせているのは良いことだ。隠しカメラのような存在は、間違いなくプライバシー問題の元になるが、少なくともここでは鮮やかな15.6インチ画面の横に白い背景にくっきりと黒い円形が見えている。、

画像クレジット:Amazon

デバイスはビデオチャットにも使用可能なので、Alexa for Businessを職場へのハードウェア進出手段として推進しているAmazonにとって、いずれ興味深い提案商品になるだろう。予算が厳しくたくさんの会議室のある会社向けの(比較的)低価格なリモート会議デバイスとして、この商品が使われることが想像できる。使っていないときには天気予報や社内イベント、会議室予約などをカレンダーに表示することもできる。Amazonが本格的にIT部門に売り込むことになれば興味深い。

カメラをふさぐ物理的遮断ボタンがついているらしい(未確認)。しかし私ならAirbnbで泊まった部屋にこれが掛けられていたら、コンセントを抜いて裏返しておくだろう。もちろん私はEcho Show 10の顔追跡機能を特に気味悪がった1人なので、そう思って読んでいただきたい。2020年、Amazonがその機能を発表したとき、顔の細かい特徴は追跡に使っていないとすかさず指摘していた。

画像クレジット:Amazon

ここでもAmazonは、Visual IDを利用するにはユーザーがオプトインして自分の顔を登録必要があることを強調した。ユーザーは、気が変わったら、自分のプロフィールをデバイス上でもAlexaアプリからでも削除できる。この機能はカメラを内蔵した同社のさまざまなShow製品全体に今後搭載されていくと私は予想している。ディスプレイはAmazonが最近発表したクアッドコアAZ2チップ(2020年のAZ1の後継)とオンボードのニューラルプロセッサーが駆動する。このカスタムビルトインチップはほとんどの処理をボード上で実行するので、Visual IDのデータをクラウドに送ることはない。しかしながらAmazonの顔認識にまつわる過去の経緯を踏まえると、この機能がプライバシー擁護派の間で懸念を呼ぶことはまず間違いない。

関連記事:アマゾンが顔認識技術を地方警察には1年間提供しないと表明、FBIへの提供についてはノーコメント

Show 15は2021年初めにベータ版が公開されたSound Detection(音声検知)機能の改訂版を搭載している。当初この機能は、ガラスの割れる音や赤ん坊の鳴き声などの決められた音を検知し、その時点でアカウント所有者に警告を送るように作られていた。新たに追加されたCustom Sounds(カスタム・サウンド)は、デバイスに音を聞かせることで実質的にシステムを訓練することができる。

画像クレジット:Amazon

Echo Show 15の価格は250ドルで、2021年中に発売される。実際に商品を近くで見ていないので製造品質について語ることはできないが、この価格からは、単なるデジタルフォトフレームのスケールアップ版以上のものを期待したい。壁に掛けたりカウンターやテーブルの上に常時置かれるものなのでなおさらだ。この商品は、多かれ少なかれ背景に溶け込むようにデザインされていた初期のスマートスピーカーに対する事実上のアンチテーゼだ。カウンタートップスタンドとキャビネットマウントも用意されているが別売りだ。

画像クレジット:Amazon

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(文:Brian Heater、翻訳:Nob Takahashi / facebook