アップルがエッジAIのXnor.aiを約220億円で買収か

2017年に、非営利団体のAllen Institute for AI(Ai2)からスピンオフしたXnor.aiが、約2億ドル(約220億円)でApple(アップル)に買収された。同社に近い筋が、今朝のGeekWireの記事を確証した。

アップルは、このような非公表の買収に関するかねてからの常套句でその記事を確認した。「アップルはときどき、小さなテクノロジー企業を買収しており、一般的にその目的や計画は明かしていない」。念のため、コメントを求めてみたが無駄だった。

Xnor.aiは、機械学習のアルゴリズムを高度に効率的にするプロセスの開発から始まった。 高度に効率的とは、そこらのもっとも低性能なハードウェアでも動くという意味だ。例えば、ごくわずかな電力しか使わないセキュリティカメラの組み込み電子回路などだ。そんなハードウェアでもXnorのアルゴリズムを使えば、オブジェクトの認識のような通常は強力なプロセッサーやクラウドへの接続を必要とするタスクをやってのける。

関連記事:エッジコンピューティングを再定義するXnorのクラッカーサイズの太陽電池式AIハードウェア

CEOのAli Farhadi氏と彼の創業チームはAi2で同社を作り、同団体がインキュベーター事業を公式に立ち上げる直前に独立した。そして2017年の前半には270万ドル、2018年には1200万ドルを、いずれもシアトルのMadrona Venture Groupがリードするラウンドで調達し、その後もアメリカ籍の企業として着実に成長した。

情報筋によると、2億ドルという買収価額はあくまでも概算だが、仮に最終額がその半分だったとしてもMadronaとそのほかの投資家にとっては大きなリターンだ。

同社は、Appleのシアトルのオフィスへ引っ越すようだ。GeekWireが悪天候下で撮ったXnor.aiのオフィスの写真からは、引っ越しがすでに始まっていることが伺われる。Ai2は、Farhadi氏が同団体にもはやいないことを確認し、しかしワシントン大学の教授職にはとどまる、と言った。

Appleのこれまでのエッジコンピューティングへの取り組み方を見れば、この買収は完璧に理にかなっている。機械学習のワークフローをさまざまな状況で実行できるために、専用のチップまで作ったAppleは明らかに、顔認識や自然言語処理、拡張現実などのタスクを、iPhoneなどのデバイスの上でクラウドに依存せずにやらせるつもりだ。それはプライバシーよりも、パフォーマンスが目的だ。

特に同社のカメラのソフトウェアは、撮像と画像処理の両方で機械学習のアルゴリズムを広範囲に利用している。その計算集約的なタスクは、Xnorの効率化技術によってかなり軽くなるだろう。結局のところ、写真の未来はコードにあるのだから。そして短時間かつ省電力で多くのコードを実行できれば、さらにもっと高度なことができる。

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また、アップルはHomePodでスマートホームの分野にも踏み込んでおり、応用範囲が非常に広いXnorの技術の未来をアップルのような巨大企業に関して正しく予測するのは本当に難しい。

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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VMwareが機械学習計算をGPUなどで加速するBitfusionを買収

VMwareは米国時間7月18日、TechCrunchのピッチコンテスト「Startup Battlefield」に参加したことがあるBitfusion(ビットフュージョン)を買収したことを発表した。Bitfusionは、企業がGPUやFPGZ、ASICなどを使って行う複雑な計算負荷の高速化を助けるスタートアップ。4年前には、そのフォーカスはAIや機械学習よりもむしろハイパフォーマンスコンピューティングのほかの分野だったが、当然ながら近年ではAIやMLへの関心が増加したことで同社の方向性も変わった。

VMwareは、ベンダーやハードウェアを特定しないBitfusionの技術を利用して、同様の能力を顧客に提供していく。具体的には同社は、Bitfusionを同社のvSphereサーバー仮想化プラットフォームに統合する。

VMwareのCloud Platform Business部門の上級副社長でゼネラルマネージャーであるKrish Prasad(クリッシュ・プラサド)氏は「Bitfusionの買収が完了したら、ハードウェアアクセラレーターを仮想化することによってAIやMLのワークロードを支援していくVMwareの戦略がより強健になる。マルチベンダーのハードウェアアクセラレーターと、それらを軸とするエコシステムは、現代的なアプリケーションを動かしていくための基幹的部位だ。これらのアクセラレーターは場所や環境を問わず利用でき、オンプレミスでもクラウド上でもどちらでも使える」とコメントしている。

プラサド氏によると、GPUのようなハードウェアアクセラレーターを最大限有効利用するために多くの企業はそれらをベアメタルでデプロイしている。しかしVMwareの見解では、そういう使い方は(仮想化に比べて)低い利用率と効率を招きがちだ。「むしろハードウェアアクセラレーターは仮想化にきわめて適しており、リソースの共有を増してコストを下げる」と主張している。

両社とも、買収の価額を公表していない。Bitfusionは2017年に500万ドルを調達し、また2018年にはSamsung Ventures小から小額の戦略的投資を取得した。

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モニタリングとアナリティクスのDatadogがAIによるWebアプリケーションテストのMadumbo を買収

モニタリングとアナリティクスの人気プラットホームDatadogが今日(米国時間2/12)、AIを利用してアプリケーションのテスティングを行なうMadumboを買収したことを発表した。

DatadogのCEO Olivier Pomelは次のように述べている: “MadumboのチームがDatadogに加わることは、とても喜ばしい。彼らが作った高度なAIプラットホームは、Webアプリケーションの異状を素早く見つけることができる。彼らの中核的技術がわれわれのプラットホームを強化し、われわれの顧客に、さらに多くのデジタル体験のモニタリングを可能にするものと信ずる”。

パリで生まれたMadumboは、Station Fで孵化し、2017年にローンチした。同社を利用するとユーザーは自分のWebアプリケーションを、コードをいっさい書かずにテストできる。デベロッパーはMadumboのテストレコーダーを使って、サイトと対話しながらテストでき。メールやパスワード、データなどのテストもオンザフライで行える。Madumboのシステムはユーザーのサイトをウォッチし、その後加えられた変更も、確実にチェックする。このボットはJavaScriptのエラーや警告もウォッチし、その利用をデプロイスクリプトの中へ統合できる。

そのチームはDatadogのパリのオフィスに参加し、新製品の開発も行なう。その発表は、今年後半だそうだ。Madumboのプラットホームは、今後の数か月内で撤去される。

MadumboのCEO Gabriel-James Safarは次のように述べている: “Datadogに加わってMadumboのAIによるテスト技術を同社のプラットホームへ持ち込むことは、すばらしい機会だ。われわれは長年、Datadogとそのリーダーシップを賞賛してきた。Datadogのそのほかのプロダクトと密接に統合することにより、われわれの既存の技術のスコープを拡張できることを、心から期待している”。

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Microsoftの$7.5BのGitHub買収計画にEUの規制当局が青信号を点灯

Microsoftが計画していた、Gitを利用するコード共有コラボレーションサービスGitHubの買収を、欧州連合(European Union, EU)の規制当局が無条件で承認した。

この巨大ソフトウェア企業がGitHubの買収意思を発表したのは6月で、同社の株式で75億ドルを支払う、とされた。そして当時同社は、“GitHubはそのデベロッパーファーストの精神を維持し、独立した事業活動により、すべての業界のすべてのデベロッパーにオープンなプラットホームを提供する”、と誓った。

EUの執行機関欧州委員会(European Commission, EC)が今日、その計画を承認し、その査定が、関連市場における競争を阻害しないと結論した、と述べた。この併合後の企業実体の方がむしろ、継続的に“厳しい競争”に直面するであろう、と。

ECはとくに、Microsoftには自社のdevopsツールやクラウドサービスをGitHubに統合してサードパーティのツールやサービスの統合を制限する能力や誘因はない、と言っている。

委員会は、MicrosoftにはGitHubのオープン性を損なう動機はない、とも結論している。そして、そのようないかなる試みもデベロッパーにとっての価値を減損させるだろう、とも言っている。委員会の判断では、そのようなときデベロッパーは他のプラットホームに切り替える意思と能力を持っているだろう、という。

Microsoftの前の発言では、同社は買収の完了を年内と予想している。

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エンタープライズバージョンコントロールのAssemblaがMacOS用のSubversionクライアントCornerstoneを買収

今や、バージョンコントロールシステムといえばgitだけ、と思われるぐらいその人気は高いが、しかし主にエンタープライズ界隈では、gitと競合するSubversionやMercurialもかなりの数のユーザーを抱えている。そこでSubversionを使って企業にバージョンコントロールサービスを提供しているAssemblaが今日(米国時間1/18)、MacOS用のSubversionクライアントとして人気の高いCornerstoneの買収を発表したのも意外ではない。

Assemblaは、Cornerstoneとそれを作ったZennawareを買収した。Zennawareが最初にCornerstoneをローンチしたのは2008年で、今後はAssemblaがこのクライアントの販売と開発を継続する。数か月後にはバージョン4.0をリリースする予定だ。買収の財務的詳細は、公表されていない。

AssemblaのCEO Paul Lynchはこう声明している: “われわれはCornerstoneの未来に投資している。現状維持を願うのではなく、われわれがこれまでSubversionとAssemblaのWebアプリケーションに対して行ってきた重要な改良を、今すでに優れたソフトウェアであるCornerstoneのデスクトップアプリケーションに適用したい。それにより、ユーザーのリポジトリとデータまわりの対話とワークフローを、さらに良くしていきたい”。

Assembla自身は、2016年にScaleworksに買収されたScaleworksはVCとプライベート・エクイティのハイブリッドのような企業で、それ自身では成長の限界に達しているような企業に投資、ないし買収をして、その能力と価値を次のレベルへと高め、それにより投資企業としてのリターンを得ている。Scaleworksに買収される前のAssemblaも、成長が横ばい状態になっていた。そして買収後は、エンタープライズへの新たなフォーカスによって売上が倍増し、今回Cornerstoneを買収したのも、さらにその成長カーブを先へ伸ばしていくためだ。

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サードパーティコードの脆弱性をチェックするAppcanaryのチームがGitHubにスカウトされた

Y Combinatorで孵化したサービスAppcanaryは、デベロッパーが使用するサードパーティのパッケージやライブラリのセキュリティを調べる*。その同社が今日(米国時間1/4)、6月1日をもってサービスを閉鎖し、チームはGitHubに加わる、と発表した。〔*: canary,カナリアは、坑道の中で落盤の危険性を鳴き声で知らせてくれる、とされている。〕

両社の契約内容、とくにその財務的側面は公表されていないが、本誌TechCrunchの理解ではそれは、主として人材獲得を目的とする買収だ。

今日の発表声明の中でAppcanaryのファウンダーMax VeytsmanとPhill Mendonça-Vieiraはこう述べている: “私たちは最初にRubysecを作り、その後(今は亡き)Gemcanaryを作り、それからAppcanaryを始めたが、その間一貫して私たちの目標は、脆弱なソフトウェアの使用を防ぐことによって世界のセキュリティを向上させることだった。当時は、そのためのビジネスを作ることが必要と思われたが、しかしさまざまな理由により、その方向性は実らなかった”。

これまでAppcanaryは、最大三つのエージェント(三つのサーバー)をチェックしモニタするサービスに月額29ドルを課金していたが、近く料金を上げる予定だった。

なお、GitHubも最近、デベロッパーのコードの脆弱性をモニタする同種のサービス発表している。そこで当然ながらAppcanaryのファウンダーたちは、GitHubのセキュリティツールの今後の機能拡充が自分たちの仕事だと自覚している。

買収に関するGitHubの説明は、Appcanaryの発表とよく似ている: “AppcanaryのチームとPhillip Mendonça-VieiraおよびMax VeytsmanがGitHubにチームに加わったことはとても嬉しい。彼らはその専門的知識と技能をGitHubのコミュニティにもたらし、デベロッパーたちのセキュリティ能力を強化するだろう。GitHubはセキュリティアラート(Security Alerts)の分野への投資と機能拡充を、メインの重要業務の一環と見なしている”。

6月1日になるとAppcanaryのサービスはすべて閉鎖し、コードの脆弱性スキャンを求めるユーザーのニーズは、SpacewalkLandscape, CoreOS Clair, Nessus Agents, そしてThreatStackなどへリダイレクトされる。

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Googleがデータサイエンスと機械学習のコンペ主催プラットホームKaggleを買収

情報筋によるとGoogleは、データサイエンスや機械学習のアイデアのコンペ(懸賞)を主催しているKaggleを買収する*。〔*: このニュースの翌日(米国時間3/8)、Googleはサンフランシスコで行われたCloudNextカンファレンスで、この買収を確認した。〕

Kaggleの協同ファウンダーでCEOのAnthony Goldbloomは電話取材に対して、買収を否定した。Google自身は、“噂に関してコメントはしない”、と述べた。〔3月7日時点〕

Kaggleは2010年にGoldbloomとBen Hamnerが創業し、今ではここを自己表出のためのプラットホームとして利用しているデータサイエンティストが約50万人いる。同社は早くスタートした方だが、今ではDrivenData, TopCoder, HackerRankなど競合他社も少なくない。しかしKaggleはあえて特定の専門分野にフォーカスすることによって、今もトップの座を維持している。今では同社のサービスが、データサイエンスと機械学習のコンペの定番のように見なされている。

Googleが買収しようとしているのは、データサイエンスに関する最大でもっとも活発なコミュニティだ。買収によってこのコミュニティにおけるGoogleのマインドシェアも伸びるだろう(Tensorflowなどのプロジェクトを抱えるGoogleは今すでにかなり高いマインドシェアではあるが)。

KaggleとGoogleは、最近になって付き合いの履歴がある。今月の初めにはGoogleとKaggleが共同で、YouTubeのビデオを分類する賞金10万ドルのコンペを開始した。このコンペは、Google Cloud Platformとの深い統合が前提になっている。

GoogleはKaggleのサービスを、その名前を残したまま継続するようだ。

買収のねらいはKaggleの技術よりもコミュニティにあると思われるが、Kaggleはコンペを主催するためのおもしろいツールの数々や“カーネル”〔応募コードを実際に動かす環境やライブラリ〕も開発している。カーネルは、そのソースコードも(主に応募者のために)公開されている。以前それは、(コードを動かすための)“スクリプト”と呼ばれていた。

コンペ・サイトの通例として、Kaggleにも求人求職ボードがある。Googleがそれをどう利用するのかは、不明だ。

Crunchbaseのデータによると、Kaggleは2010年の立ち上げ以来1250万ドルを調達している(PitchBookによると1275万ドル)。投資家はIndex Ventures, SV Angel, Max Levchin, Naval Ravikant, GoogleのチーフエコノミストHal Varian, Khosla Ventures, そしてYuri Milnerだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Verizon曰く:Yahooの個人情報流出問題の影響は「重大」

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どうやら、5億人のYahooアカウント流出事件は、同社のVerizon(TechCrunchの親会社)への売却に影響を与えそうだ。

今日(米国時間10/13)午後ワシントンDCで行われた社内のパブリックポリシー会議で、Verizonの顧問弁護士、Craig Sillmanは、「流出の影響が重大であると信じるに足る根拠を得た。Yahooが影響の全容を明らかにすることを期待している。もしそうでないと考えるなら、Yahooは証拠を示すべきだ」と語った。

Sillimanは、VerizonがYahooに買収金額48億ドルの値下げを要求しているとの報道には言及しなかった。

本誌は、親会社の事情について何らの内部情報も持ちあわせていないが、Sillmanが影響を「重大」と称していることは、Yahooにとっておそらく良い兆候ではない。Verizonは契約条件の見直し交渉中かもしれない。

買収は既に発表済みだが、VerizonはYahooがハッキングの事実を知りながら告知していなかったと主張する可能性がある。報道によるとYahooは7月時点で問題を認識していた可能性があり、それは買収が発表された時期に重なる。一方Yahooは9月に、当時は侵入の事実に気付いていなかったとする声明を発表している。

今日Yahooにコメントを求めたところ、広報担当者は「Yahooの価値には自信を持っており、Verizonとの統合に向けて引き続き作業を進めていく」と語った。

数週間前、AOLのTim ArmstrongはCNBCのテレビインタビューでハッキングについて聞かれた際、「データ流出の件は新しく聞いた話であり、今後Yahooと共に対処していく予定だ」と話した。さらにArmstrongは、自分はVerizon株主を「守る」立場でありたいと付け加えた。

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ジョン・マカフィー、新CEOの初仕事は社名に自分の名前を付けること

Computer software pioneer John McAfee speaks with reporters outside his hotel in Miami Beach, Florida December 13, 2012. McAfee, who is wanted for questioning in Belize over the murder of a fellow American, arrived in Miami on Wednesday evening after he was deported by Guatemala, according to fellow passengers on an American Airlines flight. REUTERS/Joe Skipper  (UNITED STATES - Tags: LAW SOCIETY SCIENCE TECHNOLOGY)

John McAfee陣営からちょっと興味深いニュースが飛び込んできた。アメリカの著名な(そして最も楽しませてくれる)サイバーセキュリティー専門家が、新たな乗り物を手に入れた。

ソーシャルゲーミングアプリを所有、運営する会社であるMGT Capital Investments (NYSEMKT: MGT)は、John McAfeeをエグゼクティブチェアマン・CEOに 指名したことを発表した。MGT Capital Investmentの時価総額は1000万ドル以下で、NYSEのスモールキャップ市場で取引きされている。これは、あらゆる面で個人経営的な「公開」企業ではあることを意味している。

そして何よりも、同社は企業名をJohn McAfee Global Technologieに変更すると言っている。

それでMcAfeeはここで何をやろうとしているのか? よく聞いてくれた。新たな地位と「引き換え」に、MGT Capital Investments John McAfee Global Technologiesは、D-Vasiveとの正式な資産購入契約を完了。D-VasiveはMcAfeeのiPhoneアプリで、様々なアプリが内部ハードウェア機能をどのように使っているかを監視することができる。

つまりは、人材付き買収だった!

しかしそれだけではない! ソーシャルゲーミングのスタートアップは、コンサルタント契約をFuture Tense Secure Systemsと結んだことも発表した。このサイバーセキュリティー会社を率いるのは他でもない…John McAfee!

つまり、ある「会社」がMcAfeeを雇い、自らの社名に彼の名を冠し、彼のスタートアップを買収し、さらにコンサルティング費用を彼に払う。おわかりかな。

McAfeeの報酬は公表されていないが、同社は30万ドル、およびMGTの限定株式2380万株(同社の約47%)を、McAfeeの前の会社、D-Vasiveに支払う。

契約は、慣例的な完了条件の対象となり、MGT株主の承認もその一つだが、どうやらこれは、多くの発行済み株式保有者のいる典型的公開企業ではないようだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

MicrosoftがイタリアのIoTプラットホームSolairを買収、Azure IoT Suiteに起用か

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Microsoftが今日(米国時間5/3)、2011年に創業されたイタリアのIoT企業Solairを買収した、と発表した。それは、格納式の日よけを作っている合衆国のSolair社ではない。

Solairはすでに、MicrosoftのクラウドコンピューティングプラットホームAzureを使ってサービスを提供しているので、Microsoftがその技術をAzure IoT Suiteに統合したいと考えても不思議ではない。しかし今のところは、Solairに関するMicrosoftの計画はよく分からないし、ただ声明文で“彼らの技術と才能はすばらしい…彼らをMicrosoftのチームにお迎えすることは喜ばしい”、と言っているだけだ。

買収の価額等条件は、公表されていない。

Solairはまだ知名度の低い企業だが、すでに多様なクライアントを抱え、その中にはイタリアのエスプレッソマシンのメーカーRancilio Groupや、食品加工機械のMinerva Omega Groupなどがいる。

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MicrosoftのPartner Director for Azure IoT、Sam Georgeはこう語る: “Solairは、顧客が彼らの未使用データを有効活用してIoTによる新しいインテリジェンスを作ることを、われわれがお助けする、という弊社の強い意思を共有している。そして今回の買収は、エンタープライズのためのもっとも完成度の高いIoTを提供していく、という弊社の戦略を支える”。

Solairは、IoTシステムの構築に必要なほとんどすべてのツールやサービスを提供しており、その中には、データ収集のためのゲートウェイや、カスタムデプロイメントのためのエンタープライズプラットホーム、既存のサービスとの統合、などがある。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

コンテナを超えてマイクロサービス技術の広い世界を目指すDockerがUnikernel Systemsを買収

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Dockerが今日(米国時間1/21)、Unikernel Systemsの買収を発表した。この、イギリスのケンブリッジのスタートアップは、unikernel(ユニカーネル)の普及を目指している(少なくとも、デベロッパに対する普及を)。

Dockerは、同社のツールやサービスにユニカーネルのサポートを統合する計画だ。最近の同社は、デベロッパがさらに効率的なマイクロサービスアーキテクチャを構築できるための、コンテナ以外の技術にも着目し始めている。買収の価額は公表されていない。

ユニカーネルとは、オペレーティングシステムを最小限ぎりぎりまでそぎ落として、特定のアプリケーションだけを動かす、というものだ。それ以上のものでも、それ以下のものでもない。アプリケーションが必要とするライブラリも、コンパイルしてオペレーティングシステムのカーネルに置く。

[ユニカーネルによる隔離と専門化]
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アプリケーションがその上で動くマシン(仮想マシン)は極端に小さく、かつ、高速になり、通常のオペレーティングシステムのようなセキュリティの問題が少ない(攻撃を受け入れるインタフェイス〜入り口がほとんどない)。

そのため、ユニカーネルはセキュリティと効率が重視されるアプリケーションに向いている(セキュアであるべき政府のシステム、リアルタイムのトレーディングプラットホーム、IoTのアプリケーションなど)。

Dockerはなぜ、ユニカーネルに関心を持ったのか? DockerのファウンダでCTOのSolomon Hykesによると、確かにこれは、Dockerが行った買収の中では“いちばん分かりにくい”ものかもしれないが、しかし同時に、彼らにとっては、これまででもっともエキサイティングな買収なのだ。

Unikernel Systemsの13名のチームは、その多くが、Xenハイパーバイザーを手がけたデベロッパだ。Unikernel Systemsはユニカーネルのエコシステムと、そのオープンソース部分に対する、主要な貢献者だ。Hykesによると、Dockerもそのコミュニティへの貢献は積極的に継続していく。

この買収により、Docker自身も大量の深い技術的知識をユニカーネルの世界に持ち込むことになる。“Dockerプラットホームがスタックのずっと下の方〔カーネルレベル〕でも問題解決に向けてきわめてアグレッシブであることを、お分かりいただけるだろう”、とHykesは述べる。“今回の買収はわれわれに、これらの問題を解決するための、さらに多くの能力を与える”。

でもそれは、この買収のひとつの側面にすぎない。Dockerといえば誰もが“コンテナ”を連想するが、しかし同社自身はDockerをコンテナに限定されないエコシステムと考えているようだ。その見方に立てばDockerは、マイクロサービスを推進する中心的な力であり、したがってユニカーネルの採用も、きわめて論理的な次のステップだ。

コンテナによってデベロッパは、“小さいことの味を知った”、とHykesは語る。彼のこの見方では、ユニカーネルは、ペイロードをVMからコンテナへ、コンテナからユニカーネルへと縮小していく路線の上にある。

しかし彼は、それが必ずしも、後者が前者を置換する過程であるとは考えていない。ユニカーネルの利用には、トレードオフが伴う…主に互換性やツールの部分で。Dockerは近い将来、同社独自のツールにユニカーネルのサポートを統合する計画だ。“誰も求めていないのは、三つの完全にばらばらなツール集合だ”、と彼は指摘する。“これはVM用、これはコンテナ用、そしてこれはユニカーネル用、なんてね”。

実は、昨年のDockerCon Europeで気づいた方もおられるかもしれないが、そのときからユニカーネルはすでにDockerの予定表に載っていた。Dockerはある短いデモで、同社のツールを使ってユニカーネルのデプロイメントを管理する例を見せたが、そのデモをステージ上で行ったのは、Unikernel SystemsのCTOで、MirageOSのプロジェクトリードAnil Madhavapeddyだった。MirageOSは、ユニカーネルを構築するための、オープンソースのライブラリオペレーティングシステムだ。

 

参考記事。〕

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Apple、スター・ウォーズで使われた表情キャプチャーソフトのスタートアップ、Faceshiftを買収

2015-11-26-faceshift

VR(仮想現実)テクノロジーの市場が拡張を続ける中、Appleがこの分野で興味深い動きを見せた。TechCrunchはスイスのチューリッヒを本拠とするモーション・キャプチャーのソフトウェア企業、FaceshiftをAppleが買収したことを確認した。Faceshiftは人間の表情をビデオカメラでキャプチャーし、アニメーションで動作するアバターの顔にリアルタイムで移し替えることを専門とするスタートアップだ。

実は今年初めにもAppleがFaceshiftを買収しようとしているという情報が流れたが、当時はしっかりした証拠を得ることはできなかった。もちろんその間Appleは沈黙していた。

しかしわれわれはその後も調査を続け、信頼できる情報源や決定的なリンクを発見し、この買収が事実であるという確信を得た。結局、今日(米国時間11/25)、Appleは簡単な声明を発表してFaceshiftを買収した事実を認めた。

Faceshiftチームの一部のエンジニアは現在はヨーロッパを離れて、クパチーノApple本社で働いているようだ。

AppleがFaceshiftの表情テクノロジーを具体的にどのように利用するかわれわれはまだつかんでいないが、利用できる局面は多数考えられる。Faceshiftは数多くのデモを公開している。

たとえばゲームでは、プレイヤーが実際に体験する内容によってアバターの表情が変わることは普通だ。Faceshiftテクノロジーを利用すればプレイヤーの表情の反映がリアルタイム化し、もっと精巧にになるだろう。映画製作の過程では登場する俳優の表情をFaceshiftでキャプチャーしキャラクターのアニメーションの高度化に活かせることはもちろんだ。これまでFaceshiftはスタートアップであったために応用分野にも限りがあったが、Appleの一部となればエンタープライズ向けテクノロジーの開発も含めて可能性は大きく拡大する。たとえば高度なセキュリティーをクリアする身元確認のための顔認識などが可能になるかもしれない。

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現在のテクノロジーでは、ゲームや映画製作における表情アニメーションの導入はコストの高い困難なプロセスになっている。Faceshiiftはこの分野に大変革を呼び起こす可能性がある。同社は「Faceshiftは表情アニメーションに革命を起こしており、どんなデスクトップからでも実行可能になる」と公式ブログで述べている。

Faceshiftテクノロジーは後期のスター・ウォーズ・シリーズの人間とはかけ離れたデザインのキャラクターの表情をアニメーションするために用いられた(上の画像とこの動画の0:41あたり)。

Appleはすでに表情のモーション・キャプチャー、キャラクターの表情処理とこれらの拡張現実への応用に関して広汎な特許を取得している。これはPrimeSensePolar RoseMetaioというヨーロッパの3つのスタートアップの買収によるところが大きい。Faceshiftはこの方面のAppleのテクノロジーを大きく強化しそうだ。

Faceshiftはもともとチューリッヒでローザンヌ工科大学(École Polytechnique Fédérale de Lausanne)の Computer GraphicsとGeometry Laboratoryと提携して研究していた若いエンジニア、Thibaut Weise、Brian
Amberg、Sofien Bouazizがスピンオフして創立したものだ。Faceshiftの表情アニメーションに関する基本特許のうち2つ(これこれ)を大学が所有していたが、今年の8月に権利がFaceshiftに移された。この直後、Faceshiftは知的財産の管理をAppleと関係が深いことで知られている会社に移管している。

Faceshiftは最近オフィスをアメリカ西海岸などに設けた。映画製作とゲームに経験の深いDoug Griffin(現在はFaceshiftを離れている)がロンドンからこの部門の初代の責任者を務めた。現在ロンドン支社の責任者は特殊効果の専門家で多数の有名映画にかかわらったNico Scapelが就任している。 .

Faceshiftの初期のサイトの様子はこちらで見られる( Wayback Machine)。

YouTubeにも何本かFaceshiftのデモビデオがアップされている。IntelがRealSense 3Dカメラをプロモーションするために制作したビデオに Faceshift SDKも登場する。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

東大発ベンチャー「popIn」をバイドゥが十数億円で買収、中国から世界展開へ

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東大発ベンチャーの「popIn」をバイドゥ(百度)が買収した。バイドゥが2015年5月に全株式を取得し、経営を統合。法人としてのpopInは独立して事業を継続。今後popInでは国内事業はそのまま継続し、世界市場へはアジアを中心にバイドゥとともに世界展開していくという。株式の取得額は非公開だが、今回のディールに近い関係者へのTechCrunch Japanの取材では買収額は10億円から20億円の間ではないかという情報を得ている。popInは社員数12人。売上規模は非公開だが、過去1年で400%の伸びを示しているそう。東京大学エッジキャピタル(UTEC)が最大株主で、これまでにGMOベンチャーパートナーズFreakOutらが投資している。

groupshot

両社は本日6月8日に東京大学本郷キャンパス内の産学連携プラザで会見を開いた。

企業買収や経営統合の記者会見といったものが大学施設内で開かれることは多くないが、これはpopInが東京大学TLOから知財を、またUTECから投資を受けて同大学施設内に拠点を置いて活動してきたことから考えれば自然なこととも言える。popIn創業者の程涛氏は1982年中国生まれ。東京工業大学卒業後に、東京大学情報理工学研究科の修士課程での発明をビジネス化するため2008年7月にpopInを起業。留学生として起業し、M&Aによる売却にまでこぎ着けた。会見で挨拶した程氏は、「(留学生として来日したときには)友だちも家族もお金もなかった。日本で成功できたのは産学連携のおかげ。身近な事例として見てほしい。もっと多くチャレンジャーが出てくることを期待している」と話した。ちなみに同じ東京大学の産学連携の枠組みからは2014年に東証一部に市場替えしたバイオベンチャーのユーグレナも出ている。

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popInはこれまで、メディアのWebサイトにレコメンデーション・ウィジェットを提供する事業を展開してきた。TechCrunch Japanも一時期popInを利用していたが、記事下に表示される「おすすめ記事」に出す記事のセレクトや、UIの最適化を行うといったことだ。読者が読んだ記事と関連性が高い記事を出すほどメディアは回遊率が高まるし、ネイティブ広告のクリック率も良くなることが期待できる(ちなみにTechCrunchは英語版、日本語版ともに記事広告は1度もやったことがない。やる予定もない)。popInはネイティブアド配信事業を2014年2月にスタートしていて、ここが中国で広告プラットフォーム事業を展開するバイドゥが注目した理由となった。

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記事レコメンド市場にはOutbrainTaboolaといった競合がいて、急速なネイティブ広告市場の立ち上がりから注目されている。こうした競合とpopInのプロダクトとしての最大の違いは読了計測技術「READ」にあると程氏は言う。READはpopInが独自開発した技術で、単にページを開いたかどうかだけでなく、最後までじっくりコンテンツを読んだかどうかという指標だ。釣りタイトルや、中身が伴わない読み流されるコンテンツではREADは低くなる。READは大手ニュースサイトなど200サイト以上で採用されているそうだ。

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「レコメンドエンジンの本質は、いかに読者に満足してもらうか。満足という主観的なものなので客観的には取れないが、研究して辿り着いた結果がREADだ。ブラウザ上で表示するコンテンツに対して読むのにかかる所要時間を事前に計算する。そしてリアルタイムにコンテンツの部分部分で滞留時間を計測している。通常の広告の指標にはクリック率やコンバージョン率が使われる。しかしネイティブ広告にはコンテンツの主観指標が必要だ。すぐにコンバージョンするとは限らないからだ」。逆に競合分析として「TaboolaはUI研究をあまりやっていないように見える。Taboola本社に訪れたときに感じたのはPCと動画解析に力を入れていること」と話した。

会見で買収の背景を説明したバイドゥ日本法人代表のチャールズ・ジャン氏が引用した米BIA/Kalsey社の調査によれば、2014年に54億ドルだったネイティブ広告の市場規模は、2015年には79億ドルになり、2019年には184億ドルになるという。バイドゥは2000年創業の検索を中心とする中国のネットサービス企業だが、中国最大の広告プラットフォームも持っている。中国の広告市場で「READ」を展開すること精度を上げていくのが直近の狙いで、今後はブラジルやエジプト、タイ、インドネシアなど、すでに同社が拠点展開している都市を中心に世界展開も視野にいれるという。

国内ネット系企業も含めて、数社と買収について話を進めていたpopInだが、去年末から話をしていたバイドゥに決めた背景として程氏は、「大企業に入ったらスピード感が落ちるという不安」から、独立してやりたいというニーズを話して受け入れられたこと、世界展開のパートナーとなれること、人工知能やッビッグデータに投資を続けているバイドゥの技術支援が期待できることなどを挙げた。2014年5月に百度研究院を設立し、「深度学習研究所」に米国のスター的な研究者アンドリュー・ン(Andrew Ng)を主席科学者として招聘したことは日本でも話題になった。

バイドゥは日本から中国へを支援

バイドゥは米国留学から中国に戻ったロビン・リーが2000年に創業して7人でスタートした検索サイト。現在は、Baidu Web/Wiki/News/Map/Navi/Analytics/DataCenter/Knows/Funsなど総合サービスとして成長していて、2007年12月には中国企業として初めて米ナスダックに上場。グループの社員数は4万人で、「そのほとんどは技術者」(ジャン氏)という。2015年第1四半期の売上高は2276億円、営業利益は388億円。時価総額は約8兆円で、KPCBが発表した「Internet Trends 2015」のネット企業ランキングでも8位にランクインしている。中国ユーザーの70%にリーチしていてトラフィックは60億PV/日。

日本のバイドゥといえば、2006年に設立されたものの、今ひとつ影が薄い。Simejiの買収や、その後のプライバシー絡みでの炎上で記憶しているという読者も多いのではないだろうか。

六本木ヒルズに拠点を置くバイドゥ・ジャパンは社員数30人で、実はSimejiのような国内事業のほかに、日本企業の中国進出サポートビジネスを手がけているのだそう。具体的には広告出稿サポートや、インバウンドビジネス、版権ビジネスといったことで、楽天、無印良品、ANA、花王、住友不動産、日テレ、楽天トラベル、バンダイナムコ、明治製菓といった企業を支援した実績があるという。ジャン氏は、こうしたビジネスの中国進出に加え、今後は日本生まれの優れた技術の中国経由での世界展開もしていきたいと話した。

Officeのクラウド化に向けてMicrosoftの変身続く―カレンダー・アプリのSunriseを1億ドル以上で買収

Microsoftは自らを再発明する努力を続けている。その過程には自社のものより優れたサービスを提供するスタートアップの積極的な買収が含まれる。その最新の例がカレンダー・アプリのSunriseの買収だ。われわれの情報源によると、買収価格は1億ドル以上だという。

Sunriseはモバイルとデスクトップの双方で、異なるプラットフォームのカレンダーを統合、同期して運用できる一連の生産性ツールを提供しており、iPhone、iPad、 Android、Mac App Storeに加えてウェブ版がサポートされている。

ユーザーはGoogle、iCloud、Microsoft Exchangeのカレンダーを通じてSunriseにアクセスできる他、多数のサードパーティーのアプリと連携が可能だ。このクロス・プラットフォーム、クロス・デバイスのサポートがSunriseの重要なセールスポイントとなっている。

Microsoftは最近、Windows以外のライバルのプラットフォームのサポートを積極的に進めている。たとえばWindows 10版に先駆けて、Apple iOS向けにタッチ・フレンドリーなOfficeをリリースしている。

われわれの情報源によると、Microsoftは当面Sunriseを独立のプロダクトとして残しながら、そのテクノロジーを将来のアプリ開発のために役立てるということだ。これはMicrosoftが2億ドルで買収したメール・アプリのスタートアップ、Acompliの場合と同様の方針といえる。この買収の成果は、先週発表されたAndroid版、iOS版の新しいOutlookに現れている。

この2件の買収はMicrosoftが伝統的なOfficeパッケージの枠を超えてモバイル版の生産性ツールに力を入れていることを示している。Microsofttはコンシューマ向け、エンタープライズ向けの双方でソフトウェアのスタンドアローン販売からクラウド・サービスへとビジネスモデルを戦略的に転換中だ。そのためには現代のスマートフォン・ユーザーがOfficeを毎日利用さざるを得ないように誘導していく必要がある。2件で合計3億ドルに上る買収はそのための不可欠な投資なのだろう。

アップデート: われわれの取材に対してMicrosoftはコメントを控えた。

Sunriseは2012年の創立で、これまでに820万ドルの資金を調達している。投資家は以下のとおり。Balderton Capital、Resolute.vc、NextView Ventures、Lerer Ventures、SV Angel、BoxGroup、500 Startups、John Maloney、Slow Ventures、David King、Andrew Kortina、Adam Nash、Elliot Shmukler、Hunter Walk、Gustaf Alströme、Loic Le Meur、Bill Lee、Adam Mosseri

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


GoogleがクラウドモニタリングサービスStackdriverを買収して同社クラウドプラットホームの優位化を目指す

Googleが今日(米国時間5/7)、同社がクラウドをモニタするサービスStackdriverを買収したことを発表した。今後Googleは、同社のCloud Platformの機能の一環として、同サービスの機能を提供していくものと思われる。買収の価額等は公表されていないが、Stackdriverはこれまで、Bain CapitalとFlybridge Capitalがそれぞれ率いる2回のラウンドにより、計1500万ドルを調達している。

2012年にローンチしたStackdriverは、ユーザのクラウドアプリケーションの監視を代行し、問題が起きたときにはdevopsの一部を自動化、そして、ユーザのクラウド利用状況を詳細に数字で把握し記録する。

これまで、Amazon Web Servicesのモニタリングが主だったが、個別のサーバや、Rackspaceのクラウドサービス、Google Cloud Engineのインスタンスなどもサポートしている。昨年同社がシリーズBの資金調達ラウンドを完了したときに、協同ファウンダのIzzy AzeriとDan Belcherに聞いたところによると、今後はもっとサポートする対象サービスを増やしたいという話だった。そういった努力が、今回の買収に結びついたのだろう。

Googleとしては、Stackdriverの既有のサービスはすべてそのまま継続させ、ユーザにはハイブリッドなクラウド環境に対しても使えるツールを提供していく。ただしStackdriverのチームは当面、Google Cloud Platformとの統合化に追われ、主にGoogleの顧客に“同社の高度なモニタリング能力を提供して”いくことになる。そしてそれが、顧客においては、Googleのクラウドサービスを利用することのアドバンテージにもなる。

Googleのクラウドプラットホームが一種の節目を迎えているときに、この買収が行われた、とも言える。数週間前にはまずクラウドストレージをめぐる小規模な価格戦争の口火を切り、その後は同社のクラウドストレージとコンピューティングサービスに多様な新サービスをローンチしていった。Googleはクラウドプラットホームサービスに関して、相当本気だと伺われる。今のところ、この世界のリーダーはAmazon Web Servicesだが、AWS自体は使いやすいモニタリング機能をまだ提供していない。

だからStackdriverの高度なモニタリング機能を加えたGoogleは、そのプラットホームを市場でより目立たせることができ、クラウドコンピューティングがコモディティ化して料金も下がる一方、コアなコンピューティングとストレージサービスが主体であるかぎりは各社の差別化要因もほとんどない、というこの時期に、他社に鼻の先ぐらいの差をつけることが、できるかもしれない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


SquareとGoogleは買収の話し合いをしていない

Wall Street Journalは支払いサービスのSquareがGoogleと買収交渉を行っていると今夜報じた。それに対してわれわれは複数の事情に精通した情報源から、「両社は買収に関して意味のあるような話し合いを一切していない」という証言を得た。

Squareの共同ファウンダーはTwitterの共同ファウンダーであるJack Dorseyで、SquareはこれまでKhosla、Sequoia、Kleiner Perkinsなどの一流ベンチャーキャピタルから3億ドルの資金を調達している。Squareの評価額は数十億ドルだ。

しかしPOS支払いサービスで優位を確立するのは非常に厳しい戦いとなる。Squareもいくつもの難題への挑戦を余儀なくされている。最近、Squareは上場計画を延期し、その代わりに金融機関から2億ドルの融資枠を取り付けた。Wall Street Journalの記事はこれを1億ドル以上の融資枠と報じている。

われわれは複数の情報源から「Squareは、売却先を探してGoogleのDon Harrisonを含む複数のM&A担当幹部と話しをしている」と聞いた。

WSJの記事は、「SquareはPayPal、Appleとも買収に関して話し合った」と報じている。われわれはDorseyが昔からAppleを深く尊敬しているので、売却するならGoogleよりもAppleの方が可能性が高いのではないかと思った。

The InfomationのJessica Lessinが「最近GoogleがSquareをM&Aの対象として研究している」と報じた。しかしわれわれの聞いたところでは、両者の幹部は2分ほど会って挨拶を交わしただけで、実際に買収に関して交渉したわけではないという。

われわれの取材に対しSquareの広報担当者は、Googleと買収交渉をしている事実はないと答えた(WSJの取材に対してもそう答えている)。

〔日本版:上で「ノー」とツイートしているAaron ZamostはSquareの広報責任者。〕


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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Google、Facebookも狙っていたと噂の長時間滞空ドローンのTitan Aerospaceを買収

なかなかドラマチックな展開となった。Wall Street Journalによれば、Googleは高空に長時間滞空するドローンのTitan Aerospaceを買収した。

このスタートアップは最近、Facebookが買収のターゲットにしているという噂が流れていた(こちらはTechCrunchの記事)。Googleの買収の詳細は明らかになっていないが、Facebookはこの発表の直前にTitan Aerospaceのライバルでイギリスのスタートアップ、Ascentaをインターネット接続網の世界的展開のために買収している。

AscentaとTitan Aerospaceは共に大気圏上層に長時間滞空できるドローンの開発を目的としている。これによって世界のどんな辺鄙な場所にも安価なインターネット接続を提供しようという計画だ。WSJによれば、GoogleはTitanAerospaceのテクノロジーとノウハウをProject Loonに利用するという。Googleが取り組んでいるこのプロジェクトは高空を漂う気球によってインターネット接続を提供しようというものとされている。

しかしProject LoonだけがTitanのどローンの使い道ではないはずだ。このドローンを使えばリアルタイムで地表の高精細度画像を得られるから、マップの強化に大きな効果がある。「災害救援や環境保護にも役立つだろう」とGoogleの広報担当はWSJに語った。しかしやはり最大の目的は、Facebookもそうだが、これまでインターネットが普及していなかった地域への高速接続網の提供だ。両社とも世界指折りの大企業になったことに安住せず、新たな帝国づくりに熱意を燃やしている。

GoogleやFacebookのような大企業に買収されるというエグジットがTitanのようなスタートアップにとって現実的でもあれば有利でもあるという点についてはわれわれのSarahPerez記者がTitanがベンチャーキャピタリストの強い関心を呼ぶという記事で説明している。Titanの大型ドローンは6万5000フィート(20km)上空を太陽電池を動力にして3年にわたって飛び続けることができるようにすることが目標だ。しかし最近開発に必要な巨額の資金の調達が難しくなっていると報じられていた。

Googleも最近、Project Loonで利用する予定のプロトタイプの気球が驚くほど短期間で地球を一周することを実証するデモに成功している。しかしインターネット接続を提供する上で、操縦可能で災害救援などの緊急事態にも対応できるドローンの方が何かと便利であることは否めない。 気球とドローンの双方を利用するハイブリッドシステムも研究されているかもしれない。

Titan Aerospaceは、Googleのロボット・テクノロジー関連企業の買収の最新の例でもある。 Googleはこれまでロボット事業の新たな総責任者、Andy Rubinの指揮のもと、Boston Dynamicsはじめ7社の有望なロボット企業を買収している。 Googleのロボット事業に対するビジョンは謎めいた部分が多いが、Titanの場合は目的がはっきりしている珍しい例といえるだろう。

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Amazon、デジタル・コミック・ストア、comiXologyを買収―Marvel、DCなどを販売

Amazonは先ほど、Marvel、DCなど多くのデジタル・コミックを販売するストア、comiXologyを買収すると発表した。

comiXologyは電子コミック版のiTunesやKindleストアだ。ユーザーはコンテンツをオンラインストアで購入、独自のiOS/Androidアプリ上で読む。

現在comixologyは5万冊のコミックを販売している。また2013年にはAmazonの書籍のセルフ・パブリッシング・サービスにそっくりな、コミック作家向けのセルフ・パブリッシング・サービスを開始している。

昨年、comiXologyのiOSアプリは総売上高でトップクラスの成績を収めた。実際、comiXologyはゲーム以外でAppleの2013年の有料アプリ、トップ20に入った2つのアプリの一つだった。

このニュースは、comiXologyのCEO David Steinbergerのブログ記事で確認された。それによると、Amazonグループの一員となってからもcomiXologyのブランドは維持されるという。

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Androidのロックスクリーンをコンテキストによって自動的に最適化する注目アプリ、CoverをTwitterが買収

今日(米国時間4/7)、Twitterがたいへん興味深い買収を発表した。

CoverはAndroid向けロックスクリーン・アプリで、ユーザーのいる場所と時間に合わせて最適なアプリをロックスクリーンに表示してくれる。現在Coverは平常通りPlay Storeからダウンロードできる〔日本からも利用できる〕。

「〔Twitterによる買収でわれわれの運営に〕何か変更があれば、この場でアップデートする」と共同ファウンダーのTodd Jackson、Gordon Luk、Edward Hoが公式ブログに書いている

われわれのJosh Constine記者の非常に詳しいCover紹介記事はこちら。コンテキスト・コンピューティングの優れた例として高く評価している。

CoverはTwitterの買収が与える影響については今のところ沈黙している。「TwitterはCoverも同様だが、Androidに巨大な可能性があることを信じている。Twitterとわれわれは スマートフォンはもっとコンテキスト化でき、それによってもっと賢く、有用になれると信じている。われわれは力を合わせてこのゴールに向かって努力していく」とファウンダーたちは上記ブログ記事に書いている。

ここで思い起こされるのはFacebookがHomeサービスをAndroidのロックスクリーンの上に作ったことだ。スマートフォンに独自のSIMを提供するか、あるいはOSを自由にスタマイズできる立場にあるのでないなら、自分のサービスをユーザーの目の前にできるだけ長く露出する方法としてロックスクリーンを活用するのは自然な手法だろう。

アプリは非常に混雑した世界だ。ロックスクリーンを自由にできれば、いわば長い行列の先頭に割り込むことができるようなものだ。また将来Twitterは、ロックスクリーンを通じてツイートのストリームをユーザーに届けることを試みるかもしれない。Twitter、Facebook、Pinterestその他のストリームをホーム画面に表示するウィジェットはすでに数多く存在する。TwitterはCoverを傘下に収めたことで、洗練されたTwitterウィジェットを提供できるかもしれない。

Twitterはそもそもモバイルに重点を置いたサービスとしてスタートしたわけだが、 ビジネスの面からしても、Twitterの売上はデスクトップからよりモバイルの方が多い。

Coverは2013年10月のローンチ以来、何十万人ものユーザーを獲得しているという。Coverはこれまでに170万ドルのシード資金をFirstRound Capital、Harrison Metal、Max Levchin、Scott Banister、Charlie Cheever、KeithRabois、Dave Girouard、Alex Franzから調達している。

この件に関してはさらに取材中だ。

〔日本版〕 Coverは日本のPlay Storeからインストールできる。Galaxy S4で正常に動作した。インストールするとガイドツアーが表示される。説明文は英語だが、スクリーショットにスワイプ方向矢印などが表示されるので説明を読む必要はない。自宅と勤務先の住所の入力を促されるが、ローマ字で町名を入れると候補が表示される。それ以外ユーザーは何もする必要がない。

Coverをインストールするとロック画面の左側に縦一列にアプリのアイコンが表示され、アイコンを選んで右にスワイプすれば起動する。下から上にスワイプすると別のアプリが表示される。ユーザーの利用頻度、位置などのコンテキストを学習して表示されるアプリが変わる。設定とコンテキストの選択は右上のアイコンをタップする。選択できるコンテキストは今のところ自宅、仕事場、自動車、外出の4種類。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


人の(ネット上の)影響力に点数をつけるKloutが$200MでLithiumに買収さる

ソーシャルにカスタマサービスを行うLithium Technologiesが、 Kloutを買収したことを明日(米国時間3/27)の朝発表する。買収価額約200万ドルは現金と非公開株で支払われる、とFortuneが報じている。

先月Re/codeが、Lithiumと、各人のソーシャルネットワーク上の影響力に点をつけるKloutが、交渉の大詰めにきていることを初めて報じた

Lithiumは、昨年IPOすると予想されたが、2013年の9月には、IPOに備えたメザニン型融資として5000万ドルを調達したことを発表した。その目的は、同社の技術プラットホームの開発と、営業およびマーケティングの拡大だった。これで同社の資金調達総額は1億4200万ドルになった。

Kloutはこれまで、Kleiner Perkins Caufield & ByersやMayfield Fund、ff Venture Capital, Microsoft、CrunchFundなどから計4000万ドルあまりを調達している。(CrunchFundは、TechCrunchと同じく、Michael Arringtonが興した企業だ。)

Kloutは先月行った模様替えによって、自分のソーシャルメディアアカウントに、よりエンゲージング力のあるコンテンツをポストした人には、その影響力得点を上げる、という方式を取り入れた。収益化がうまくいかなかったこともあるが、昨年は初めて、売上が1000万ドルの大台に乗せた、と主張している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))