CO2からウォッカを作るスタートアップAir Co.が技術転用で手指消毒液を生産し寄付

大気中から二酸化炭素を抽出し、水と混ぜてウォッカを作る技術を開発したニューヨークに本社を置くスタートアップが、そのすべての生産能力をすべて手指消毒液の製造に振り向け、ニューヨーク市当局の協力を通じて、生産した製品のすべてを寄付することにした。それは、社会的距離の確保や自宅待機の措置が続く中、非常に重要となる出前スタッフを雇用している地元レストランにも届く可能性がある。

Air Co.は、2019年にウォッカの販売を開始したばかりだ。事実上、二酸化炭素の収支が完全にゼロの独自開発の工程(NASAとXPrizeから表彰されている)を採用している。空気中から二酸化炭素を1ポンド(約450グラム)取り出し、太陽光を基本とする再生可能エネルギーを使って水と混合し、純粋なエタノールを生産する。エタノールは手指消毒液の主要な成分でもある。最も効果的な作業を繰り返すことで、通常、60パーセントから95パーセントの濃度のアルコールが生成できる。

Air Co.のCEOで共同創設者のGregory Constantine(グレゴリー・コンスタンティン)氏が電子メールで私に話してくれたところによると、同社は社会を良くするという基本的使命に基づいて設立されたため、新型コロナウイルスのパンデミックに対抗する地元の活動に協力できる方法を考えていたという。そして自然の流れとして、同社の主力製品であるエタノールで、アルコール濃度70パーセントの手指消毒液を作ることを思いついた。

同社は、現在の(分別のない)買い占めにより、大手小売り店やAmazonで手指消毒液が売り切れや品薄になる風潮に乗って稼ごうとしているわけではない。むしろ同社は、生産能力の100パーセントを手指消毒液の生産に切り替えながらも、商品すべてを寄付すると決めている。

当初の生産量は思っていたよりも少ないが、製造方法を変えることで生産量を増やせるとコンスタンティン氏は話している。現在、50ミリリットル入りボトル1000本をなんとか生産しているが、今後も「1週間に1000本のペースで生産を続け、技術が追いつく限り供給量を増やしていく」とのことだ。

私はコンスタンティン氏に、手指消毒液を寄付する相手はどうやって決めるのかと尋ねた。このような慈善事業を喜ぶ団体はたくさんあるに違いない。

「私たちは、寄付したすべての製品を、市の助言に従い直接供給します」と彼は言う。「食事をデリバリーする人たちに我々の手指消毒液を使ってもらうよう、地元のレストランと協力したいとも考えています。バーやレストランは閉店を要請され、ここニューヨークでの外食産業の最前線はデリバリーサービスだけとなるからです」

今回の取り組みのために、彼らは利益を生む事業からまったく別の生産ラインに切り替えたわけだが、いつまでこれを続けるつもりかコンスタンティン氏に聞いてみた。どこまでこの必要性が続くのかは不確かながら、彼らは「できる限り」手指消毒液の生産を続けるという。

「私たちは生産ラインを切り替え、非常に限られた人数で運営しています。私たちの活動によりウイルスが拡散しないようにするためです」と彼は言い添えた。「すべての人と企業の小さな支援のひとつひとつが、こうした困難な時期に実を結びます。私たちはできることなら何でもやる覚悟です」

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(翻訳:金井哲夫)

サンフランシスコ・ベイエリア住民に朗報、(今のところ)ハイキングに出かけるのはOKだ

米国時間3月16日、サンフランシスコのLondon Breed(ロンドン・ブリード)市長は、ベイエリア6郡の屋内避難指示を発表した。サンフランシスコ、サンタクララ、サンマテオ、マリン、コントラコスタ、アラメダの各郡が対象だ。この公衆衛生に関する指示は、700万人近いベイエリア人口の移動を減少させ、COVID-19流行の恐れを軽減する大きな一歩だ。

重要なのは、今日現在、市長は完全な封鎖指示を出しているわけではないことだ。つまり、運動やレジャーのため、あるいは地元の食料品店に行くために外出することはできる(私の行く店では、ストレスが溜まった人たちのために無料で花を配っている)。好きなアプリでフードデリバリーを頼むことももちろん可能だ。レストランの中には宅配に応じるところもあり、Black Hammer Brewingではクラフトビールの持ち帰りサービスをしている。

サンフランシスコ・クロニクル紙によると、エクササイズのために自転車に乗ることも、新鮮な空気を吸うためにハイキングや海岸に車で行くのも構わない。ゴールデンゲート近くのランズエンドやフォートファストンは大いにお薦めしたい。バーナル・ハイツや数ある桟橋で見るサンセットもすばらしい。

外出する際の注意事項は、他の人とは常に6フィート(183 cm)以上の距離を保つことだ。

聞かれる前に言っておくと、今日の午前、嗜好用、医療用ともにマリファナの販売中止命令が発行されたが、サンフランシスコ公衆衛生局は、調剤薬局は「必要不可欠な事業」であるため営業を続けることができるとツイートしている。

上記を踏まえた上で、最後に一般的な注意を挙げておこう。優しい心をもち、人間らしさや愛のひとときに感謝してこのストレスフルな時期を乗り切ろう。誰もが恐怖を感じている。トイレットペーパーを買い占めようと店に走ることは、あなたの考えるほど思慮深い行動ではない。

画像クレジット:Roine Magnusson/DigitalVision

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

米政府はハイテク企業と協議し新型コロナとの戦いに位置情報を活す作戦を練る

Washington Postの最新報道によると、米国政府関係者は現在、携帯電話からのデータを新型コロナウイルスのパンデミック対策に活かす方法はないか、Facebook(フェイスブック)やGoogle(グーグル)を含む複数のハイテク企業と検討しているという。この会談では、医療の専門家によるパンデミックと伝播を監視する可能性も話し合われている。携帯電話のデータを有効活用する有望な方法として集約し匿名化した位置情報の利用があると、その記事の情報筋は伝えている。

米国人の携帯電話から回収した位置情報は、公衆衛生の専門家が大まかな感染の広がり具合を監視しマッピングするときの役に立つ。専門家グループはすでにそれを理論化しているものの、当然のことながらあらゆる位置情報が追跡されると考えると、人々の反感は避けられない。特にそれが大規模に実施され、政府と業務提携をしている民間企業のみならず、政府の人間も含まれるとなればなおさらだ。

だがこれらの試みは、米疾病予防管理センター(CDC)による感染パターンの概要把握という目的のみに厳格に用途を絞ったもので、個々の携帯電話利用者は対象にしていない。Washington Postの情報筋は、いかなるかたちであれ、そこから政府のデータベースが構築されることはないと強調している。あくまで匿名化され集約されたデータからCOVID-19の伝播と拡散のモデルを知るためだけに限定される。

すでに、新型コロナウイルスのパンデミックに関連する問題で、世界の最大手級のハイテク企業が前例のない共同研究を開始している。情報を広めるための製品を扱う事実上すべての大手ハイテク企業は、3月16日に会合を開き、ウイルスに関するデマや誤情報の拡散に対処するため緊密に連携するとの声明を発表した。

ホワイトハウスも、ウイルスと米国の対応についてハイテク企業に助言をもらってきた。先週、Amazon(アマゾン)、Apple(アップル)、Facebook、Google、Microsoft(マイクロソフト)、Twitter(ツイッター)が参加した会合もそのひとつだ。AmazonのJeff Bezos(ジェフ・ベゾス)CEOは、現政権と定期的に接触している。Amazonは隔離、社会的距離の確保、収容さらには自宅待機命令に関する実質的な国際的指針に人々が対処する上で中心的な役割を果たし、ますます重要性が高まっているからだ。

今週初めに疫学者、企業幹部、医師、学会関係者が数多く署名した公開書簡が発表されたが、そこでもハイテク企業が貢献できるCOVID-19のパンデミック対策の概要が示された。そのひとつに(特にモバイル用OSを提供するAppleとGoogleに向けられているが)、ウイルス感染者と接触した可能性のある個人のために「本人の了承を得た上で、プライバシーを保護するOSの機能を接触者追跡に役立てる」といった提案がある。

もちろん、乱用を否定する保証があるなしに関わらず、広範に個人情報を収集しようという試みに警戒心を抱くのは自然なことだ。個人の自由か保護かの究極の選択を迫られ、その駆け引きが結果的に暴走するという歴史的な事例を見れば、なおさらそう感じる。New York Timesも今週伝えているが、これまで秘密にされてきたが実在していたイスラエルの携帯電話事業者とその利用者の携帯電話の自撮り写真などの個人情報データベースを使って、ウイルス感染者の位置情報を追跡しようという動きすらある。

それでも、プライバシーを保護しながらハイテク企業が持つ情報を活用する方法を探ろうという考えを、今すぐ止めさせるべきではない相応な理由はある。特に現在実施されている社会的距離を保つ措置による影響を知る上でも、そこには大きな恩恵が得られる可能性があるように思えるからだ。

画像クレジットAmin Yusifov / Getty Images

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(翻訳:金井哲夫)

アップルが新型コロナによる実店舗閉鎖を無期限延長

Apple(アップル)は新型コロナウイルスの感染拡大による公衆衛生の危機を受け、実店舗の閉鎖を延長するようだ。

今週初め同社はプレスリリースで中華圏外の全店舗を3月27日まで閉鎖すると発表した。そして現在、ウェブサイトにあるメモには、閉鎖は無期限とある。店舗を「追ってお知らせするまで休業いたします」と書かれており、少なくとも店舗再開にはさらに時間がかかることが見込まれることを顧客にアナウンスしている。

Apple製品を購入したい人はウェブサイトで買い物するよう案内されている。サービスやサポートもオンラインまたは電話で受けることができる。

我々は方針の変更を確認すべくAppleに問い合わせている。

3月13日付の長い書簡で、同社は時間給で働く人には店舗が開いている時と同様の支払いを約束するとしている。また「自分自身あるいは家族のCOVID-19による健康問題に対応するため」の休暇制度を拡充することも明らかにした。

3月16日、サンフランシスコ・ベイエリアの6郡は新型コロナウイルスのさらなる感染拡大を抑制するために「屋内避難指示」を発令した。数日以内に追加の対策が講じられることも予想される。

EUのいくつかの国はすでに、生活必需品の購入のための外出や在宅勤務ができない人が仕事に行く以外は家の中に留まるよう、外出禁止令を出している。

画像クレジット: Anthony Kwan/Bloomberg / Getty Images (Image has been modified)

参考:サンフランシスコ・ベイエリア6郡に4月7日までの屋内避難指示

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(翻訳:Mizoguchi

UberとLyftが新型コロナ拡大を受けライドシェアサービスを一時停止

Uberは客が乗車をシェアする相乗りマッチングサービス「Uber Pool」の提供を一時的に見合わせる。同社が17日発表した。Uber Poolのオプションでは、行き先に基づいて乗り合わせをマッチングし、最大3人が1台の車をシェアすることができる。Uber Ridesとプラットフォーム担当の副社長Andrew Macdonald(アンドリュー・マクドナルド)氏は声明の中で「サービス提供の見合わせを通じて、我々がサービスを提供する街での市中感染の増加を抑制するのが狙いだ」と述べた。Lyftも同様の理由でサービスを展開するすべてのマーケットで「ライドシェアサービス提供を見合わせる」と発表した。

これは当面、米国とカナダに適用される。Uberはカープールを提供している他の国でも同様の措置を取るか検討している。一方で個人が予約する通常のオンデマンド乗車やUber Eatsデリバリーサービスはこれまで通りの展開となる。ただ、乗客向けのアプリ内で「Flatten the Curve(感染拡大を抑制しよう)」というメッセージを常時表示し、ユーザーに「移動は必要な場合のみ」「あなた自身のため、そしてコミュニティのために用心を」と呼びかけている。

Uberはまた、Uber Eatsが米国とカナダのレストラン向けに配達料を免除することも発表した。そして、配達員が食品を玄関先に置くオプションをユーザーが選べるようにもしている。さらに同社は、感染の最前線で働くヘルスケアワーカーや救急隊員に30万食を届けることを約束している。

こうした対策に加えて、Uberは同社のプラットフォームを利用するドライバーを対象に、COVID-19感染を診断されたり公衆衛生当局によって隔離を促された場合に経済的援助を提供する。援助する額は過去6カ月間のドライバーの平均収入に基づく。

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(翻訳:Mizoguchi

ユネスコが学校が閉鎖された全世界7億7670万人の子供たち用遠隔学習ガイドを公開

世界中の学校がCOVID-19の流行を緩和するために閉鎖されたり、オンラインのクラスに移行するなか、多くの保護者や教育者が良いアイディアを求めてもがいている。ユネスコ(UNESCO、国際連合教育科学文化機関)は、遠隔学習アプリや、その他のリソースへのリンクを掲載したオンラインガイドを作成した

ユネスコによると「COVID-19によって、前例のない数の子供、若者、大人が学校や大学に通えなくなっています」という。実際、100カ国の政府が学校の閉鎖を発表し、あるいはすでに実施している。全国すべての学校が閉鎖された85カ国では、合計で7億7670万人以上の子供たちが影響を受けている。

ユネスコは、各国の国営学習ポータルのリストに加えて、デジタル教育ツールのリストも更新している。その中には、ClassDojoGoogle Classroomといったデジタル学習管理システム、KaiOSというガラケーでスマホ的なアプリを利用できるようにするソフトウェア、Can’t Wait to LearnKolibriRumieUstad Mobileといったオフラインでも十分使える機能を備えたソフトウェアなどが含まれている。

このリストでは自己学習プラットフォームのMOOC、モバイル読書アプリ、教育用ソフトウェア開発ツールそしてDingtalkHangouts MeetZoomといったライブビデオのプラットフォームも紹介されている。

関連記事:Lawmakers look to bridge ‘homework gap’ with subsidized Wi-Fi hotspots for students

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

サンフランシスコの屋内避難指示とそれでも屋外で働くギグワーカーたちの苦悩

サンフランシスコのLondon Breed(ロンドン・ブリード)市長は、米国時間3月16日朝、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡散を遅らせるために、屋内避難指示(shelter-in-place order)を発表した。この指示は、食料品店に行く、ガソリンを買う、あるいは薬局に行くといった必要不可欠の行為でない限り、市民にできる限り家にいることを法的に要求するものだ。つまり、もうレストラン、ジム、あるいはナイトクラブに出かけることはできない。ただし居住者は「真に必要な移動の場合のみ」に限定されているUberやLyftの配車サービス同様に、レストランに出前を注文することは可能だ。

つまりPostmates、Instacart、DoorDashそしてUberEatsの労働者は、人びとに食べ物を届けるという困難な状況に立たされたままであり、乗客を運ぶ配車サービスの運転手たちはウイルス感染の危険に晒されている。

2020年の初めから一部のギグワーカーたちが提唱してきたおかげで、カリフォルニア州はギグワーカー保護法「AB-5」を適用し、すべての労働者が有給の病気休暇、傷病保障、家族休暇そして失業保険を利用できるように迫られている。最近、Gig Workers Risingは、カリフォルニア州知事Gavin Newsom(ギャビン・ニューサム)氏や他の州当局に手紙を送り、このパンデミックの渦中での介入と労働者の保護を求めた。

「私たちは州政府に対して、新型コロナウィルスパンデミックの期間中、AB-5を完全に実施することで保護を行い、ギグワーカーたちが有給の病気休暇、傷病保障、家族休暇そして失業保険などの福利厚生を利用できるようにすることを要求します」と当局宛の手紙に書いたのは、自身も配車ドライバーでありGig Workers RisingのメンバーでもあるSteve Gregg(スティーブ・グレッグ)氏だ。「今後数週間から数カ月にわたるこれらの対策によって、誰が生き延びるのか、誰が住む場所を守れるのか、誰が飢えないのかの違いが生み出されることになります」

ギグエコノミー企業も、ギグワーカーを支援するための措置を講じ始めた。例えばUber は、感染したり公衆衛生当局によって隔離されたりしたドライバーを支援するためのファンドを創設した。Instacartは店舗で買い物を代行する「ショッパー」に対して、病気時の支払いポリシーを導入し、COVID-19の影響を受けた独立請負業者を含むすべての「ショッパー」に対する支払いを拡大した。同様にPostmatesは、ウイルス検査で陽性になったワーカーに、2週間の有給病気休暇を提供し始めた。

こうした企業は経済的不安をある程度和らげることができるが、労働者たちは相変わらず障害保障、家族休暇、失業保険なしで働いている。健康保険に加入していない労働者もいる。もちろん、これらの企業はそのワーカーに運転や食べ物の配達を強制するわけではない、だが多くの人は家賃や住宅ローンを支払い、家族を支えるための収入が必要なのだ。

「仕事をしないことは選択肢にないので、病気も私の選択肢とはならない」と先週の声明で述べたのは、配車ドライバーでGig Workers RisingのメンバーでもあるEdan A(エダン・A)氏だ。「もし病気になってしまったら、働き続けるか生き続けられないかの選択となってしまいます。単なる収入の問題ではありません。新型コロナウイルスが流行する前は、私はなんとか月々の請求書を払っていました。そこには間違える余地もありませんでした。危機に瀕しているのは、家賃の支払い、車の支払い、健康保険、そしてもちろん食料です。セーフティネットなしで仕事を止めなければならない場合は、これらのすべてを失ってしまいます」

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(翻訳:sako)

ジェフ・ベゾス氏がホワイトハウスと新型コロナ対策で密に連絡

米国時間3月16日のホワイトハウスのブリーフィングで、政権の新型コロナウイルス対策タスクフォースと、CDC(米疾病予防管理センター)からの公衆衛生に関する新しい勧告について、詳細が語られた。その中でトランプ大統領は、ホワイトハウスがAmazon(アマゾン)のCEOJeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏とCOVID-19の流行に関して「毎日」のように連絡をとっているという報道について、報道陣から真偽をたずねられた。

トランプ氏の答えは、それを明確に確認するものではなかったものの、アマゾンの創立者兼最高経営責任者とホワイトハウスが、状況の変化に応じて一定程度協力していることを示すもののように思われた。明確な答えを求めたTechCrunchに対して、アマゾンの広報担当者は、新型コロナウイルスの流行に関して「ジェフ・ベゾスはホワイトハウスと連絡を取り合っています」と明かしている。

「まあ、それは本当だと聞いているよ」と、トランプ氏もブリーフィング中に語っている。「ホントかどうかはわからないが、我々のスタッフがアマゾン、あるいはベゾス氏本人と関わっていると、私は理解しているよ。素晴らしいことじゃないか。我々は多くの人達から多大なサポートを受けているんだ。彼もその1人だと思っているよ」

先週Fox Businessは、ウイルスを封じ込める対策にについて話し合うため、ホワイトハウスは大手IT企業と会合を持つことになるだろうと報じた。その対象としては、Facebook(フェイスッブック)、Google(グーグル)、アマゾン、Twitter(ツイッター)、Apple(アップル)、Microsoft(マイクソフト)が挙げられていた。

ベゾス氏が、どの程度ホワイトハウスと協力し、コロナウイルスのパンデミックに対処するのかは、まだよくわからない。とはいえ、アマゾンとしても世界的なウイルスの流行によって大きな影響を受けていることは確かだ。その証拠にアマゾンは、米国内で10万人の雇用を追加して、倉庫と配送に配備することを模索している。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

Apple Cardの3月分支払いを無利息で先送りできると利用者へ通達

AppleとGoldman Sachs(ゴールドマン・サックス)は、Apple Cardの所有者に対して、Customer Assistance Program(顧客支援措置)に登録することで2020年3月分の支払いを無利息で先送りにできると通達した。現在、Apple Cardを所有している人たちへは、先週末にこのオプションが電子メールで伝えられている。そこでは、COVID-19により引き起こされた困難な状況に際して、通常の支払いができなくなる利用者もいるからだと説明されている。

「Apple Cardは、あなたが経済的に健全な生活が送れるようにお手伝いすることを確約します」とメールには書かれている。

顧客支援措置に登録するには、Apple Card利用者は電子メールのリンク(こちら)をクリックするか、Apple WalletアプリからAppleのサポート係に直接メッセージまたは電話をする。

「メッセージ」で手続きするのがいちばん簡単だ。リンクをクリックすると自動的に次のメッセージが表示される。「あなたのご苦労をお察しし、お手伝いいたしたく存じます」

そして、ゴールドマン・サックスへ転送されて手続きを進めることになる。

送られてきたリンクをクリックすると、2つめの自動応答メッセージが届く。これは顧客支援措置が提供する内容の説明だが、特に重要なのは、無利息で支払いを遅らせる件だ。その後、登録するか否かをたずねられる。

登録を申請すると、数日内に確認書類が電子メールで送られ、そこで登録が完了する、とAppleから伝えられる。これで終了だ。

登録手続きはわかりやすく、電話を掛けるよりもメッセージを使えばさらに楽に行える。だが、メッセージでこの措置に関する質問をして答えを得るのは、少し難しい。実験として、私たちはAppleのチャットボットに質問してみたが、「Appleのスペシャリストとゴールドマン・サックスにおつなぎします」と返ってきた。それが1時間前だが、今これを書いている時点ではまだサポート係からの応答はない。

提示されている電話番号(1-877-255-5923)での人によるサポートのほうが簡単だったが、あるサポート担当者によると電話の量が「激増」しているとのことだった。電話の自動応答システムで登録に関する説明を聞かされた後、2を押すとサポート担当者と直接話せるようになる。その日の午後は、意外に早くつながり、担当者がすぐに出てくれた。

支払いの先延ばしを申請した時点におけるカード口座の残高で、何らかの制限を受けることはないと私たちは知った。だが、この申請が自分の信用情報や信用スコアに影響するかについては、担当者は答えられなかった。自然災害の場合は、被災した利用者を特定して、支払いが滞っても信用情報に不利な影響がないように貸し手側が配慮する制度がある(Appleは利用者の口座は流動負債として報告されると認めている)。

この措置が4月まで続くかどうかについては、未確定事項のため、担当者は明言できなかった。

支払いの先延ばしを決めたカードはApple Cardだけではない。

Citi(シティ)は、3月早々に利用者のための支援措置を講じた。これには、信用枠の引き上げと支払猶予が含まれる。最近では、PNC Bank(PNCバンク)、Capital One(キャピタル・ワン)、Bank of America(バンク・オブ・アメリカ)、Chase(チェイス)、Discover(ディスカバー)、U.S. Bank(USバンク)、Wells Fargo(ウェルズ・ファーゴ)、Fifth Third(フィフス・サード)他のカードも、新型コロナウイルスが流行している間、それぞれの支援措置を提供する旨を利用者に伝えている。

American Express(アメリカン・エキスプレス)も、利用者からの要請があれば対応するとTechCrunchに語っている。

「アメリカン・エキスプレスは、COVID-19の影響で経済的な困難に陥っている利用者を救済する準備ができています。カードの裏面に記されているカスタマー・ケア・プロフェッショナルに電話をするか、デジタル・サービス・チャンネル(オンライン・チャットまたはAmexアプリ)を通じていつでも対応します」と広報担当者は話している。支払いの先延ばし、戻り小切手手数料、利子などについて、利用者との個別の相談に応じるとのことだ。

「私たちには、経済的困難に対処する短期から長期にわたる数々の支援措置があります」と彼らは話す。

新型コロナウイルス流行時に家計を守るためのNerdWalletのガイドには、金融業者やクレジットカード発行会社は、その他の問題についても個人ベースで対応してもらえるケースがあると書かれている。

「利用者と1対1で対応する他に、銀行の中には一部の手数料を一律に変更するところもあります。たとえばシティカードは、3月9日から(30日間)数々の手数料を免除します。銀行口座の月間利用料や現金自動支払機での期限前払い戻しの違反金などです」とNerdWalletの広報担当者は言う。「助けが必要なときは、こうした提案を利用してください。あなたの負担が軽くなり、態勢を立て直して、先へ進むための計画を立てる時間が得られます」と彼らは話している。

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(翻訳:金井哲夫)

在宅人口の急増で宅配の需要が増えAmazonは10万名の倉庫労働者を緊急雇用

Amazon(アマゾン)は米国時間3月16日、新型コロナウイルス騒動による需要急増に対処するため、米国における倉庫および配送関連の従業員を新たに10万人雇用すると発表した。

米国のフルフィルメントセンターの労働者は、4月末まで時給が2ドル(約213円)アップする。現在のフルフィルメントセンターの時給は、最低が15ドル(約1598円)だ。また英国では2ポンド(約261円)、EU諸国ではおよそ2ユーロ(約238円)時給が上がる。これらのためのAmazonの新たな支出は、米国と欧州とカナダを合わせて3億5000万ドル(約372億8600万円)になる。

Amazonのワールドオペレーション担当シニアバイスプレジデントであるDave Clark(デイブ・クラーク)氏は次のように述べている。「COVID-19によるパンデミックが続いている中で、Amazonとそのパートナーネットワークは、ほとんど誰にもできない方法で世界中の地域社会を助けている。どうしても必要な品物を高齢者や障害者など社会的に孤立しがちな人びとの玄関先に届けすることは、コミュニティの存亡にも関わる。需要はこのところ急増しており、この時期としては前例のないほど大きな労働力が必要となっている」

現在の危機にあって人びとは、なるべく家に留まることを促されており、そのため宅配の需要はかつてないほど高い。Amazonのロジスティクスはすでに現在の需要に応えることが難しくなっておりAmazonプライムとフレッシュの当日配達はもちろん、翌々日配達すらままならなくなっている。また同時に、長期間にわたって家にいる人が増えているため、Amazonはトイレットペーパーといった日用品の在庫を切らし初めている。

先週のAmazonの発表では、COVID-19と診断された者には最大2週間分の給与が支払われ、またパートナーの配達サービスやドライバーには2500万ドル(約26億6000万円)の救援基金が設立された。

また3月16日のトランプ大統領の記者会見では、アマゾンCEOのJaff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏が政府への寄付を申し出たことが明らかにされた。ただし、その額は不明だ。

画像クレジット: Johannes EISELE / AFP / Getty Images

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

米国で新型コロナウイルスワクチンの人間への臨床試験開始

AP通信によると、新型コロナウイルスのワクチンの人間への臨床試験が、米国時間3月16日に開始される。今回の試験は、NIH(米国立衛生研究所)と医薬品メーカーのModernaが開発した実験的なワクチン注射の効果をテストするもの。一般的なワクチンのように、活性なウイルス、あるいは非活性化したウイルスのサンプルを使ったものではない。その代わりに、ウイルスの遺伝子に含まれるメッセンジャーRNAを利用して、ターゲットの免疫反応を引き出そうというものだ。

画像クレジット:Thana Prasongsin/Getty Images

Wall Street Journalは、2020年2月にModernaが開発中のワクチンについて報告している。同社は、このような遺伝子ベースのアプローチによる薬剤治療法の開発を主業務として設立された、比較的若い会社だ。当時の報告では、テストは4月に開始される予定とのことだったが、2月末から現在までの世界的な状況の変化を考慮して、スケジュールが前倒しされたようだ。とはいえ、公衆衛生当局によると、例え今回の治験で効果が実証されたとしても、ワクチンの最終的な検証には、少なくとも1年から1年半はかかるとのことだ。

COVID-19が突きつける継続的な脅威に対処するために、ワクチンを開発しようという試みは、もちろんこのModernaとNIHによる取り組みだけではない。ワクチンと治療法の両方で官民を問わず、多くの取り組みが進行中だ。今回のテストは、ヒトを対象にした臨床試験プログラムとして迅速に対処されたものとなる。

治験者は、実際にはウイルスを注射されるわけではないので、今回のテストプログラムでCOVID-19に感染するリスクはない。ただし、このプログラムにボランティアで参加しているとされる45人のように、若く健康な治験者でさえ、新たに開発されたワクチンを注射するとなれば、まだ知られていないことが多く存在する。この段階で、NIHとModernaは開発中のワクチンが望ましくない、あるいは危険な副作用を引き起こさないことを確認することを目指し、その後、有効性や別の他の安全性を証明するため、さらなるテストが必要となる。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

Alphabet傘下のVerilyがカリフォルニアで新型コロナスクリーニングサイトのパイロット開始

Alphabet(アルファベット)傘下のヘルステクノロジー企業Verily(ベリリー)が新型コロナウイルス(COVID-19)のスクリーニングサイトを立ち上げた。トランプ大統領は当初、これは新型コロナウイルスをウェブベースでスクリーニング・検査する公共のサイトで、Google(グーグル)によって開発されたと誤って発表していた。週末のGoogleとVerilyの一連のブログ投稿ホワイトハウスの追加記者会見の後、スクリーニングと検査のサイトはVerilyによるプロジェクトであること、対象はカリフォルニア州の住民限定で、しかも当面は2つの郡に限られることが明らかになっている。

最終的に政府が明らかにしたように、サイトは3月16日朝から運用が開始された。VerilyのProject Baselineが運営。現在のところ、サイト利用者と医療分野の研究機関をつなぐポータルとして機能している。カリフォルニア州で新型コロナウイルスのリスクスクリーニングと検査を実施するこのサイトは、一定の要件を満たす人にスクリーニングと無料の検査を提供する。現在、サンタクララ郡とサンマテオ郡の住民が対象だ。

上記の地域に住んでいることに加え、パイロットテストへの参加に必要な要件は18歳以上であること、米国居住者であること、英語を話し、読むことができること、新型コロナ公衆衛生承諾フォームに署名する意思があることだ。このフォーム上で、Verityが個人情報を収集してスクリーニングプロセスに使用することを承諾する。サイトを利用したい人は、新しいGoogleアカウントを作成するか、既存のGoogleアカウントでログインした上で登録する必要がある。

Googleアカウントが必要にもかかわらず、VerilyはウェブサイトのFAQで「個人データの収集と使用に関する連邦および州の規制に従い」暗号化された形式で安全に情報を保管すると述べている。またFAQには、Verilyのスタッフがすべてのサイト利用者を特定する直接的な情報を有し、その情報が医療従事者、研究機関の職員、保健当局のみならず、Verilyにデータテクノロジーを提供するパートナー(Googleを含む)と共有される可能性があると記載されている。

同社はさらに、本人の同意なく保険会社や医療機関と情報を共有することはなく、新型コロナスクリーニングプロセスで得た情報は広告に使用されないと述べている。

ウェブサイトで実際に利用者が目にするのは、サイト利用資格を判定する複数の質問による調査と、それに続く新型コロナウイルスへの感染リスクを評価する詳細な質問表だ。評価結果によっては、移動検査会場に行くよう促される。そこで鼻粘膜から検体を採取し、Verilyによると「数日」後に検査結果が通知される。

Verilyは週末のブログ投稿で、カリフォルニア州のGavin Newsom(ギャビン・ニューサム)知事の知事室と協力して、ベイエリアの他の地域と他の州におけるツールの利用可能性を検討していると述べた。同社はこれまで他の州への拡大計画について明らかにしていなかった。筆者が問い合わせのメールを送ったところ、自動応答の返信があり、現在大量の問い合わせを受けている旨とブログ投稿へのリンクが記載されていた。

画像クレジット:SAUL LOEB / Contributor / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

新型コロナによる学校閉鎖を受けVarsity Tutorsがオンライン学習サイトを無料公開

生徒と先生をライブ、オンデマンドでつなごうとするEdTech(教育技術)企業のVarsity Tutorsが、新型コロナウィルスのパンデミックで世界中の学校が閉鎖される中、生徒と親のためにVirtual School Day(バーチャル登校日)という無料アプリを米国時間3月16日に公開する。

アプリは、幼稚園年長から高校3年まで(K-12)の主要教科のオンラインクラスを、20時間以上ライブで提供するもので、各クラスではVarsity Tutorsが擁するエキスパート教師が教鞭をとっている。教師たちは教科内容を教えるだけでなく、バーチャルで教育も行っている。

主要クラスにはK-12の数学(四則演算から微積分まで)、読解、文学、作文、科学(生物、化学、物理)をはじめ、その他の講座もある。たとえば特定のテーマを集中して学びたい生徒のために、数学、科学、英語の専門家教師が教えるクラスもある。

Virtual School Dayには、年齢グループごとの特別授業もあり、小学生向けの「The Story of Your Favorite Fairy Tales(有名な童話の物語)」や「Secretes of Staying Healthy(健康を保つ秘訣)」「中学生向けのThe Science of Pandemics(パンデミックの科学)」や「Video Game Sound Design(ビデオゲームのサウンドデザイン)」「高校生向けにはHistory of National Parks(国立公園の歴史)」「Careers in Science(科学に関する職業)」といった授業も用意されている。

この数年間、Varsity Tutors はオンライン教育に大きく力を入れていて、2019年1月には Veritas Prepを買収して個人授業によるオンラインクラスをさらに強化した。Varsity Tutorsは設立以来1対1の家庭教師に重点を置いており、当初は対面で、後にはオンデマンドのビデオチャットを利用したオンライン方式になった。

同社はアプリを開発し、教師側にはホワイトボード機能、文書編集などのツールを備えている。

これまでに1億ドル(約106億円)以上の資金を得ているVarsity Tutorsは、個人指導だけでなく、ライブ講座、オンラインコース、SAT、ACT向けの無料テストなどにも事業を拡大している。

Varsity TutorsのChief Academic Officer(最高学術責任者)Brian Galvin(ブライアン・ガルビン)氏は、Virtual School Dayについて声明文で次のように語った。

大規模な休校によって、生徒、親ともに大きな困難に直面している。一部はオンライン教材を提供しているが、ほとんどの学校は最低限の自習用の宿題か、何も与えていない状態だ。親たちが子どもの学力低下やビデオゲームといった消費カロリーゼロの遊びに時間を費やしていることを懸念するのも当然だ。高品質の教材を無料で提供し、この困難な時期に生徒たちの学習意欲を維持することで、全世界の家族の主要なストレス要因を取り除けることを願っている」

Virtual School Dayクラスはすべて英語で、全世界で利用できる。興味のある人はこのwebinar(ウェビナー)で日本時間3月18日9時から詳しい説明を確認することができる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

オンライン個人認証の需要がCOVID-19により急上昇

COVID-19のパンデミックの中、従業員をテレワークに切り替える企業が増え、ビデオ会議やZoomなどのコミュニケーションツールが爆発的な需要の伸びを記録している。

その他のタイプのスタートアップでも、世界的な健康危機の中、さまざまな用事をオンラインで済ませようと考える消費者や企業の間で利用者が急激に高まっている。Telehealth(テレヘルス)はその最たる例だ。2020年3月初旬に米国のトランプ大統領は、連邦政府による公的医療保険制度「メディケア」での遠隔医療サービスの規制を撤廃し、保険適用として急増する米国人向け遠隔診療に扉を開いた。

一方、COVID-19の感染が確認された人の増加率が最も高い欧州でも、遠隔検査の需要が高まっている。

スウェーデンに拠点を置くビデオ診療のスタートアップKRY(クリー)は、本日、そのすべての市場(スウェーデン、ノルウェー、イギリス、フランス、ドイツ)で需要が増大しており、それは現在進行中の新型コロナウイルスのパンデミックの影響だと報告した。ウイルスの感染症状に関する診察だけで、2月1日から240%も増えている。

いくつかのオンライン個人認証スタートアップも、この数週間で需要が増大しているという。そのひとつは、個人の機密情報を伴う患者の本人確認が大変に重要となる遠隔診療の需要と並行して伸びている。

デジタル認証のスタートアップPassbase(パスベース)は、消費者が使いやすい本人確認方式に幅広く対応し、接続や統合を簡略化するAPIを開発者に提供しているが、ここもまた、この2週間強の間に、医療技術分野で活動する欧州と北米の企業からの需要が、ウイルスの拡散を防ごうと遠隔診療の道を探る人たちの増加に伴い、「前例のない」急上昇を見せていると話していた。

Passbaseの顧客にはドイツの遠隔医療プラットフォームTeleClinic(テレクリニック)があるが、同社はドイツで最初にCOVID-19の感染が見つかった自動車工場の従業員の診察に直接協力している。

「私たちのサービスにおいては、医療とデジタル製品の信頼性が不可欠です」とTeleClinicの創設者でCEOのKatharina Jünger(カタリーナ・ユンガー)氏は、Passbaseを利用する企業が急速に増えた要因を解説した声明の中で述べている。「個々の患者が医療の専門家と話をして、信頼に足る情報を即座に受け取れるという事実が、特に現在のような時期には、きわめて重要なのです」

Passbaseは、最優先事項を統合した支援とCOVID−19の危機と戦う個人への支援に専念するすべての企業に対して、利用料金を免除するとしている。「このような前代未聞の事態においては、進行する感染拡大に対してともに戦いつつ、各々が自分のやるべき仕事に専念することが大切です。そうした企業をいち早く参加させることで、私たちは新型コロナウイルスに感染した人たちを少しでも助けられるようになります」と、共同創設者でCEOのMathias Klenk(マティアス・クレンク)氏は言い添えた。

また、同社のウェブサイトなら15秒で本人確認ができると謳うデジタル認証スタートアップのOnfido(オンフィド)は、医療分野での需要が一気に増大したと私たちに話してくれた。

「オンラインの遠隔診療を提供している私たちの顧客企業では、2019年の同時期と比較して利用申し込み数が370%も増えています」と同社の広報担当者は言う。「明らかに、病院や近所の医院の待合室でウイルスに感染する心配をしなくて済むという利点によるものです」

同社はまた、非常にニッチではあるが、旅行関連でも大きな需要の伸びがあるとも話している。レンタカーだ。

この分野では、3月に利用を開始した顧客の数は、2019年の同じ時期に比べて26%以上も増えているという。「車を所有していない人たちが、混雑する電車やバスでウイルスに感染するのを恐れて、公共交通機関を使わずに自分で車を運転して通勤する方法を選んだ、という説明が当てはまると思います」と広報担当者は話す。

オンラインバンキングやフィンテックでも需要が高まり、今のところ同社ツールの利用者を急増させていると広報担当者は言う。「今月の登録者数が21%増加したことが、最初の兆候のようでした。金融機関の店舗へ赴くことなく、自宅から金融サービスを利用できるためだと想像できます」と同社は話している。

先週、入力された認証情報の自動と手動の分析方法を組み合わせた「エンド・ツー・エンドの認証サービス」を提供する、この分野の別のスタートアップVeriff(ベリフ)は、認証製品が「着実な伸び」を見せていると報告した。COVID-19の大流行と部分的に関連しているという。

だが、彼らのサービスへの問い合わせ件数が急増していることから、今後さらに大きな伸びが期待できるとのことだ。

「新型コロナウイルスは、新たな使用事例と遠隔個人認証の必要性をもたらしました」と創設者でCEOのKaarel Kotkas(カーレル・コットカス)氏は言う。「たとえば、私たちは遠隔試験の可能性を模索している大学からの問い合わせがありましたし、テレワークを支えるアカウントの回復や資格情報のリセットを行う大手ハイテク企業からも連絡がありました」

「現在の顧客の間でも、2020年3月に個人認証で着実な伸びがありました。全体でおよそ20%の増加です。すべて新型コロナウイルスの影響とは言い切れませんが。それでも、欧州と米国で新型コロナウイルスの感染が大幅に拡大したこの2週間を振り返ると、電子公証人やデジタル医療など、新型コロナウイルスにまつわる数多くの統合の引き金にはなっています。そのため、来月の4月は50%パーセントの急増を予測しています」

デジタル認証分野の古参であり、オムニチャンネルの個人認証やKYCサービスを販売しているAuthenteq(オーセンテック)もまた、需要の急増を認めている。

「テレワーク市場の需要に応える企業ばかりでなく、テレワークにや自宅勤務の方針に大きく移行したい企業の両方からの問い合わせが増えています」と、共同創設者でCEOのKari Thor(カリ・ソア)氏は言う。

「私たちは大手多国籍企業と、我々の個人認証ソリューションを統合する計画を進めていましたが、数週間前、それを従業員のテレワークのための認証という使用事例に切り替えることにしました。会社のイントラネットなどにアクセスできるようにするだけでなく、Authenteqの技術を使って自宅で仕事をする人が電子的に書類や契約書にサインできるようにするものです」

「これまでそれは、私たちの本筋の価値提案ではなく、しかも特殊な状況で従業員の電子IDを取り扱うだけのものでしたが、この不確実な時期に企業に提供できるこの製品に重点を置き始めました」

「アジアや欧州に比べて、米国がやや遅れているのは明らかなようです。今週あたりから米国企業も、この10日の間に欧州が取り組んできた自宅勤務の方針と同じ方向に進むものと気づき、興味を持ち始めるでしょう」と彼はつけ加えた。

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(翻訳:金井哲夫)

サンフランシスコ・ベイエリア6郡に4月7日までの屋内避難指示 

ベイエリア(サンフランシスコ湾岸)のサンフランシスコ、サンタクララ、サンマテオ、マリン、コントラコスタ、およびアラメダの6郡が「屋内避難」指示を発令した。記者会見で発表されたこの避難指示は米国時間3月17日火曜日午前0:01に発効される。完全な封鎖ではないが、極めて広範囲にわたる厳重なものであることに変わりはない。カリフォルニア北部はCOVID-19の急激な蔓延を阻止しようとしている。

「パニックになる必要はない」とサンフランシスコのLondon Breed(ロンドン・ブリード)市長は記者会見で発言し、パンデミックの最中でも引き続き冷静な行動をとるよう市民に要請した。

退避命令の有効期限は4月7日まで。ブリード市長は、日程は状況に応じて調整されるかもしれないと付け加えた。「当市の衛生担当者の助言によって日程が延長あるいは短縮される可能性がある」と市長は説明した。担当チームはこの危機において優先すべき要素として「社会的距離確保による市中拡散の防止」「影響を受けやすい人たちの保護」「および医療従事者と初期対応者(救急、消防、警察など)の保護」の3つを挙げている。

SF Chronicle(サンフランシスコ・クロニクル紙)によると、対象都市には670万以上の人々がいる。この動きは、先に実施された250人以上の集会を禁止する市および州規模の要請に続くものだが、それよりはるかに積極的であり「歩行、自転車、スクーター、自動車、および公共交通機関」による移動は、不可欠と判断されるもの以外禁止されている。

医療行為や「必需品」の購入、支援を必要とする友人と家族の援助も例外となる。非ベイエリア住民が実家に帰る場合も例外だ。空港および公共交通は引き続き利用可能で、不可欠な移動のために限定運用される。市民は6フィート(約183 cm)の「社会的距離」を維持しなければならない。

警察、消防、ゴミ収集などの業務は封鎖中も行われる。Bill Scott(ビル・スコット)警察署長は、警察はルールを強制するつもりはないとコメントしたが、必要とあらば行うようにもみえる。「政府機関の活動や医療、安全、福祉を公衆に提供する行為」も例外になる。

食料品店、銀行、薬局、ガソリンスタンドも営業を続け、住民が必要物資を入手できるようにする。ただし「今すぐ買いに走る必要はない」とブリード市長は付け加えている。バーおよびスポーツジムも閉店し、レストランはテイクアウトのみ可能。フードデリバリーも営業を続ける。

ベイエリアに住む多数のホームレスも例外対象だが、地域の避難所での宿泊を探すよう市は推奨している。先週サンフランシスコは、ウイルスに感染したホームレス在住者を隔離するために、RV車を市内に走らせる計画を発表した。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

在宅フィットネスPelotonの株価が新型コロナによる外出制限を受け急上昇

米国中の地方自治体が、ジムのようなそれほど重要ではない公的施設の営業中止を検討しているのに伴い、これまでになく多くの人がPelotonの高価なギアの購入を検討している。

株式市場はこのところ明らかにかなりの下落に直面しているが、上場したばかりのPelotonは他のテック株よりもいい位置につけている。3月16日、このエクササイズブランドの株価は13%上昇した。参考までにいうと、Nasdaqは同日12%超下落した。

公共施設の一時閉鎖に伴い、社会的責任としてより多くの人が家で過ごすようになっていて、当然のことながら、在宅でのエクササイズを専門とするPelotonは今後数カ月間の成長が見込まれる。もちろん、マーケット全体が(願わくば)回復するなかでも、いかに成長を維持していくかが、今後の同社における課題となる。

より多くの客を引きつける試みとしてPelotonは16日に、米国、英国、カナダでのアプリの無料お試し期間を30日から90日に拡大すると発表した。同社のライブクラスの多くは、高価なハードウェアで体験するのがベストだが、ヨガやカーディオトレーニング、瞑想などのオンデマンドクラスも提供している。また自転車の30日トライアルを継続しているのも特筆に値するだろう。

Pelotonは新型コロナの負の影響にも直面してきた。ショールームを月末まで閉鎖し、ライブスタジオの一般公開も中止している。ニューヨークにあるショールームからのライブクラスは、今週前半は中止され、3月19日の木曜日から再開される予定だ。

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(翻訳:Mizoguchi

Uber Eatsが新型コロナで苦しむ個人経営レストランの配達料を免除

新型コロナウイルスの感染拡大が続き、不要不急の事業が休止を余儀されている中、Uber Eatsは3月16日、同社サービスを利用する個人経営レストランに対してその配達料金を免除すると発表した。

全米のレストランは、市や州の当局がCOVID-19拡大を阻止するための措置をとるにつれ、経営が苦しくなりつつある。デンバー市長のMichael Hancock(マイケル・ハンコック)氏は16日、すべてのレストランやバーのデリバリーを除いた営業を今後2カ月間禁止することを命じた。ロサンゼルス市長のEric Garcetti(エリック・ガーセッティ)氏は市内の全レストランに少なくとも3月31日までデリバリーやテイクアウトを除き営業を止めるよう命じており、ニューヨーク市はすべてのバーとレストランを対象に閉鎖措置をとっている。しかし、デリバリーは可能だ。

Uberによると、Uber Eatsアプリには10万店のレストランが登録している。

「人々が家で過ごすようになるにつれ、地域のレストランはこれまで以上にビジネスを必要としている。だからこそ我々はUber Eatsを利用する個人経営のレストランすべての配達にかかる料金を免除する。アプリにはレストラン10万店超が登録している」と同社は電子メールで述べた。

顧客はアプリ内のEAT LOCALバナーから個人経営のレストランを探すことができる。配達料金は、対象となる注文で自動的に免除される。

Uber Eatsはまた、接触しないデリバリーのオプションを含め、新型コロナウイルス感染拡大を抑制するための対策をしている。さらにドライバーには衛生用品の提供も行っている。「これまで同様、レストランがパックした食品は触れられることはない」と同社は付け加えた。

Uber Eatsは、デリバリー人員やドライバーが新型コロナ感染を診断されたりウイルスにさらされたりして働けなくなった場合の経済的な援助や、米国とカナダのヘルスケアワーカーや救急隊に30万食を無料提供することを約束している。

画像クレジット: TechCrunch

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(翻訳:Mizoguchi

ホワイトハウスが新型コロナ対策ガイドライン更新、8月まで流行が続く可能性も示唆

月曜日にホワイトハウスは記者会見を行い、冒頭でトランプ大統領は、新型コロナウイルス感染拡大を遅らせるためのガイドラインのアップデートを発表した。ガイドラインには子供たちは可能な限り自宅で学習させる、10人を超える人数の会合を避ける、必要でない旅行やバー、レストラン、フードコートでの食事を避けるといった勧告が含まれている。

こうした勧告は、トランプ政権の新型コロナウイルス対策タスクフォースの専門家が作成したもので、最低今後15日間適用されるべきだとしている。しかしながら「このような状況がいつまで続くと考えているか?」という記者団からの質問に対して、トランプ大統領は 「7月か8月だろう。もしかするとさらに長くなるかもしれない」と答えている。 これは2月下旬の大統領選集会で「新型コロナウイルス(のパンデミック)は民主党のデマだ」と否定したときとは違うトーンだった。

今回のアップデートでは個人がバー、レストランを避け、外食が必要な場合はドライブスルー、持ち帰り、宅配などを利用するだけでなく、COVID-19が流行している州では、レストランやバーのオーナーは店舗を閉鎖する必要があると勧告している。またガイドラインは、体調が悪い場合は外出を控えて医療提供者に連絡すること、家族の1人が検査で陽性反応を示した場合、その家族全員が自宅で隔離される必要があるとしている。

ガイドラインはまた「(自分以外の)多くの人が使うものの表面に触れた後は手を洗う」「咳やくしゃみをするときはティシュや曲げた肘の内側を口にあてる」といった勧告を繰り返して注意を呼びかけている。さらに、よく触れるものの表面を頻繁に消毒することもすすめている。

医師であり新型コロナウイルスの対策チームの責任者でもあるDeborah Birx(デボラ・バークス)博士は「ミレニアル世代(30代、40代)にはこの局面を乗り切る模範となってもらいたい」と述べ、アドバイスを遵守すると同時にハイリスクな状態にある高齢者や持病のある人々に感染を広げないよう十分に注意するよう呼びかけている。

Mike Pence(マイク・ペンス)副大統領は「ガイドラインにあるとおり、今後15日間が新型コロナウイルスの感染率を低下させるための最大のチャンスだというのが専門家の考えだ」と述べた。

【Japan編集部追記】ホワイトハウスが発表したガイドライン(PDF)文書(一度で表示されない場合は再読み込み)では、上記記事に含まれる内容のほか「必須のサービスを提供する場合以外、老人ホームなどの高齢者施設を訪問しない」「自分の顔に触れない」などと呼びかけられている。

画像:BRENDAN SMIALOWSKI/AFP / Getty Images

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滑川海彦@Facebook

カナダが新型コロナ対策で米国市民以外の外国人の入国を禁止

カナダのJustin Trudeau(ジャスティン・トルドー)首相は、同国での新型コロナウイルス感染症拡大を防ぐために国レベルの追加対策を発表した。最大の対策はカナダ市民ならびに永住権保持者以外の入国を禁止するというものだが、米国の市民は対象外であり、また商業旅客機や貨物機の運航にも適用されない。

入国禁止措置に加えて、カナダの国民も含めて症状のある旅行者の飛行機搭乗は拒否される、とトルドー首相は記者会見で述べている。

「はっきりさせておくと、もしカナダ国外に滞在しているのなら帰国すべきだ。もし入国したばかりなら、14日間自己隔離すべきだ」と語って会見を締め括った。また「自宅にいる国民も症状がなくても家に引きこもり、可能な限り他人との接触は控えるべきだ」とも付け加えた。

トルドー首相は、なぜ入国禁止措置で米国の市民を対象から除外したのか、その理由を繰り返し質問された。米国では感染者数が急増していることを念頭に置いた問いだ。しかしこの質問に対する確たる答えは明確に示さず、国の方策はいかなるときもカナダ国民の健康を守る最善の策に基づくと繰り返した。そしてその方策は適時追加されるとも述べた。

トルドー首相は、米国国民に入国を許可し続ける理由は、部分的に両国の経済が統合されているという性質にある、と述べた。そして今後、米国市民の入国も禁止する可能性があることも示した。「我々はあらゆる対策を排除しない。すべてが検討対象だ」と語った。

今回の外国人の入国禁止措置は、航空会社の乗務員やトラックドライバーのような仕事をしている個人も対象外としている。また、カナダ国民の海外からの帰国や、すでに症状があったり国境の封鎖で移動が制限されて帰国できない国民が海外で安全を確保するのに経済的援助を行うことも表明している。

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(翻訳:Mizoguchi

米株式市場で新型コロナにより3度目のサーキットブレーカー発動

FRB(連邦準備制度理事会)は、大統領の強い要請を背景に金利をゼロ近くまで引き下げた。これは新型コロナウイルスのパンデミックによる世界経済の落ち込みを恐れる市場を安定させるための措置だった。しかし翌朝、アメリカの主要株価指数は軒並み大きく下げた。

ダウは市場の開幕と同時にこの過去2週間で3回目となるサーキットブレーカーによる取引停止に見舞われた。

  • ダウ(Dow Jones Industrial Average)は10%近く(2250ドル)ダウンし2万0935ドル
  • Nasdaqは6.12%ダウン、7392.73ドル
  • S&P 500は8.14%(220.55ドル)ダウンして2490.47

FRBの大幅な利下げは世界の市場にショックを与え、混乱を激化させた。この国際市場の値動きがさらにアメリカ市場に反映されたわけだ。 香港のハンセン指数、日本のNikkei、ロンドンのFTSE、上海のExchangeはいずれも利下げの当日に損失を被った(ロンドンはまだ取引時間内)。

3月16日の月曜日朝の売りは、3月13日金曜日にトランプ大統領が「歴史上最大の株価アップ」と宣伝に務めた回復を帳消しにした。大統領はこのとき、ホワイトハウスの中庭で演説し、COVID-19流行の拡大を防ぐために米国の諸組織がとっている施策について説明したところだった。

米国ではこの週末、各都市で緊急事態の宣言や不要不急の外出、移動自粛の要請が相次いだ。

一方、米国政府は大規模なCOVID-19検査を実施し、流行の広がりを正確につかもうとしている。 ジョンズ・ホプキンス大学の集計によれば、全世界の感染者は約17万人、アメリカでは3800人だ(日本時間3月17日朝時点では全世界約18万人、アメリカは4281人、日本は825人)。

市場はシーソー的な乱高下を経験しており、デジタル金庫の役割を果たすはずだったbitcoinでさえ免疫を持っていないようだ。価格は1カ月前の1万ドル前後から4644.53ドルへと半減している。

いわゆるサーキットブレーカー(価格下落による取引の自動停止)が作動したのは過去数日間でこれが3回目となる。 3月9日にレベル1(15分停止)のサーキットブレーカーが発動し、3月12日に再度発動している。どちらも新型コロナウイルスの世界的流行に対する懸念の高まりに市場が反応したものだ。この間、株価は棒下げだったわけではなく、金曜には5%以上アップした。しかし消費者、旅行者に対する制限が拡大し続けたため、株価上昇はトレンドにならなかった。

レベル1のサーキットブレーカーはS&P 500が前日終値から7%のダウンすると発動し、取引を15分間停止する。 レベル2は13%のダウンで取引停止がさらに15分延長される。レベル3は20%のダウンで終日取引停止となる。これはNYSE(ニューヨーク証券取引所)をはじめ米国各地の証券取引所に適用される。

サーキットブレーカー制度は、SEC(米証券取引委員会)によって導入され、2012年から標準化されて米国の主要証券取引所のシステムの一部となっている。

サーキットブレーカーは個別株に対しても同様の基準で適用される。個別の株の一時取引停止は例が多いが、市場全体をストップさせることはまれだ。9.11のテロ攻撃の際にニューヨーク他の市場が1週間閉鎖されたのを除けば、わずか1週間で3回もサーキットブレーカーが作動したことは米国市場において前例がない。

画像:Somyot Techapuwapat / EyeEm / Getty Images

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[滑川海彦@Facebook]