ウェアラブル市場の分かれ目は「妥協」

フィットネスアプリとウェアラブルが牽引力を増す中、Android Wearの発表によって、消費者は初めて〈使えるであろう〉スマートウォッチを提示された。これからの数ヵ月や数年、この新カテゴリーは、MicrosoftのOSに対する統一アプローチ〈対〉AppleのiOSとMac OS Xの意図的な多様化、に似た決断を消費者に迫るだろう。

Windows 8は、「妥協なき」オペレーティングシステムとして設計されたことがよく知られている。タブレット、ノート、デスクトップを含むあらゆるカテゴリーのデバイスに統一された体験を提供する。これは、キーボード、マウス、タッチ、スタイラス等の複数タイプの入力、およびコートのポケットに入る小さなダブレットから、テレビ兼用にも使えるオールインワン機までの様々なフォームファクターを扱えるインターフェースをデザインすることを意味している。

Appleは正反対のアプローチを採用した。自社デバイスはそれぞれのフォームファクターに合わせて正しく妥協してデザインする。iPadのラインアップはタッチに、Macのハードウェアとソフトウェアはキーボードとマウスに、それぞれ最適化されている。

これまでのところ、二つの哲学の間に起きている矛盾は、伝統的PCにおけるWindows 8に対する緩やかな反応と、iPadがライバルのWindows 8タブレットたちを ― Microsoftがゴールをずらして、Surface 3タブレットの本当にライバルはMacbook Airだと言うところまで ― 圧倒しているという結果を招いている

SurfaceがノートPCとタブレットの融合体であるように、Android Wearデバイスは、フィットネス中心のウエアラブルとスマートフォン、それぞれから機能を取り入れている。歩数や心拍数を測定することができるスマートウォッチに、将来メーカーはさらに健康情報を得るために、あらゆるセンサーを投入するに違いない。センサーとバッテリーと画面を詰め込み、さらに道順を値るなど複雑な対話に必要なインターフェースを備えるために、彼らは大きさを犠牲にするだろう。

ウエアラブル界のもう一方の端には、Jawbone UPのように、センサーとワイヤレス機能以外をすべて剥ぎとったデバイスがある。これらの製品はより快適で、バッテリー寿命も長く、デバイス自身には事実上ユーザー体験がない。市場が拡大し、センサーが小さく安くなるにつれ、こうしたデバイスは安くなる一方だ。

どちらの哲学が消費者に受け入れられるかは興味深い。人々は、携帯電話を1台しか持たないのと同じように、1種類のデバイスを腕に巻き、最小限に妥協したデバイスを使うのか? それとも、固有の興味や健康への気遣いのために、減量用にリストバンドを1つ、睡眠習慣の監視にもう一つという具合に選ぶのか。

あるいは、ださいと思われることを乗り越えて複数のデバイスを身に付けるのか。片腕に通知と音声検索のためのスマートウォッチ、もう一方の腕にはセンサー満載の様々なデバイスを、用途に応じて取っかえひっかえするのかもしれない。

Android Wearが今日初めて市場に現れたばかりで、Appleの “iWatch” は来たる10月に発表されるであろうという今、予言するにはまだ早すぎる。どちらの会社とも両面作戦をとっているようだ ― GoogleはAndroid WearとGoogle Fitを提供し、Appleは自社独自のウォッチを作りつつ、Healthアプリで複数デバイスのデータを管理しようとしている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


ラリー・ペイジ、サーゲイ・ブリンがGoogleを語る―ヘルス分野は規制が重荷、手を広げすぎた方が実は効率的

Googleの共同ファウンダー、サーゲイ・ブリンラリー・ペイジが珍しく長い公開インタビューに応じた。有力ベンチャーキャピタルのKhosla Venturesの例年のサミット・カンファレンスでVinod Khoslaのインタビューを受ける2人の映像が先週末YouTubeにアップされた。

リラックスした雰囲気で話題もGoogleの歴史から機械学習、職業の変貌、ヘルス・テクノロジーの未来まで幅広い範囲にわたっていた。42分のインタビュー全編を収めたビデオをエンベッドした。

特に興味深かったのはヘルス・テクノロジーへの最近のGoogleの進出の動きに関連する話だった。ビデオでは29分あたりからその話題になる。まずKhoslaが「Googleがヘルス企業になることを考えたことがあるだろうか? 健康・医療関連は検索やメディアよりずっと大きなビジネス分野だろう」と口火を切った。

ペイジとブリンはもちろんヘルス分野に強い関心を抱いているものの、現在のアメリカ市場におけるような厳しい規制では参入のハードルが高すぎると感じているようだった。ブリンはこう答えた。

ヘルスは検索より大きいビジネスかもしれない。われわれも血糖をモニタするコンタクトレンズのようなプロダクトを開発している。…しかし一般論として、ヘルスは規制が煩瑣過ぎる。参入するするには苦労が大きい。私が長時間を費やしたいようなタイプの仕事ではない。われわれもある程度までヘルス関連のプロジェクトを進めているが、限定的なものに留まりそうだ。アメリカにおける規制の煩雑さで多くの起業家がこの分野への参入を躊躇していると思う。

ペイジはそれに続けて、

データによってヘルス分野が改善される可能性には私も関心がある。しかしサーゲイも言ったように、この分野は規制が厳しすぎて難しい。

一例を挙げよう。もし名前など個人が特定できる情報は外した上でアメリカ中の医療情報に医療分野の研究者が自由にアクセスできるようになったとしよう。 それだけで最初の1年で1万人の命が救われると思う。しかしそんなことはHIPAA(.医療保険の相互運用性と責任に関する法律)のために不可能だ。だからわれわれは(医療分野での)データ・マイニングからは距離を置かねばならない。

ペイジは規制の煩瑣さが政府や企業の効率をいかに損ねているかについて37分あたりでも述べている。

〔日本版〕ペイジとブリンはこの他にも興味深い発言をしているのでいくつか紹介しておこう。

「Googleにとって今後もっとも重要になると考えているのはどんな分野か」と尋ねられてペイジはGoogle Nowを挙げた。

Google Nowのようなプロダクトではユーザーは質問する必要がない。実はI’m feeling luckyボタンはそれを意図していた。いちいち検索結果を見ていかなくても即座に答えが得られることを狙ったのだが、命名がよくなかったこともあり、うまくいかなかった。コンピュータから得られる有用な情報の量とそれを得るまでにかかる時間の割合はいまだによくない。現在われわれが取り組んでいるほとんどのプロジェクトはこの点の改良を目的としている。

自動走行車について、ブリンは

自動走行車は劇的な変化をもたらすはずだ。老人や障害者など車を運転できないために自由に外出できない人々の役に立つのはもちろんだが、それに以上に巨大な社会的影響があるだろう。たとえばアメリカの都市の面積のなんと3割から5割が駐車スペースだ。これは途方もない浪費だ。自動走行車が普及すれば、駐車スペースも含めて道路交通そのものものが大幅に効率化される。1人が1台ずつ専用の自動車を持つ必要がなくなる。車は必要なときに道ばたで呼び止めれば行きたいところへ連れて行ってくれるようになる。高速道路では自動走行車を列車のように連結走行させれば安全に、かつ列車なみの高速で走らせることができるだろう。とにかく可能性は膨大だ。

Googleが「あまりにも多方面に手を広げすぎている」という批判に対してペイジは、ユニークな見解を述べた。

この点については以前スティーブ・ジョブズに「きみらはいろいろなことをやり過ぎだ」と言われたことがある。私は「そうですね」と答えた。ジョブズの言うのも正しい。しかしこの問題には別の側面があって、私がそれに気づいたには比較的最近だ。つまり密接にからみあった問題は各部署では決定できなくなる。たとえばわれわれのインターネット・サービスはすべてが関連している。機能もユーザーインターフェイスもGoogleらしくあらねばならない。そういう問題の調整は結局CEOのところまで上がってくる。

しかし自動走行車のことはサーゲイが取り仕切っている。私は自動走行車については何も調整する必要がない。自動走行車プロジェクトはGoogleの他の事業にほとんど影響を与えないからだ。同様にマップ事業部も独自に開発を進めている。プロジェクトというのは巨大化すると管理コストが指数関数的に増加していく。企業はとかく「この分野のことはよく知っている。だからその隣接分野をやろう」と考えがちだが、実はそこには落とし穴がある。巨大な一つのプロジェクトより関連性のあまりないプロジェクト多数の方が管理コストが低いということに私は気づいた。

コンピュータ化が人間の職を奪っているという問題についてはペイジはこう語った。

昔は雇用の9割の農業だった。だから大規模な職のシフトは以前にも起きており、驚くべきことではない。われわれはピーター・ディアマンディスのいう「豊穣の時代」に生きているのだと思う。人々が文化的な生活を送るために必要な労働資源は実はごく少ない。必要を満たすために全員が猛烈に働かなければならないというのは思い込みにすぎない。もちろんそこには社会的な問題―多くの人々はすることがないと満足できないという問題がある。そのために不必要な活動が膨大に行われ、地球環境が破壊されている。

〔ヴァージン・グループの〕リチャード・ブランソンはイギリスでフルタイムの社員1人を雇う代わりにパートタイムの若者2人を雇っている。これは雇用者にとってはコストが多少余計にかかるやり方だが、「何もすることがない」若者を減らす役に立っている。

世界的なもっと広範囲な失業問題にも結局はこの方法で対処するしかないと私は考えている。つまり労働時間の短縮だ。私はあちこちで多くの人々に「休暇が1週間余計にあったらいいと思う人は手を挙げて」と尋ねてきた。するといつも100%が手を挙げた。秩序だった方法で労働時間を減らすことが、失業問題の解決には有効だと思う。

このインタビューについては全編のテープ起こしがこちらで公開されている。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


ヨーロッパ司法の忘れられる権利を笑劇に変えてしまった凄腕のGoogle

まばたきをしても、それはまだ見えるだろう。錯視ではなく、目の前の現実だから。ヨーロッパ司法裁判所の忘れられる権利に関する裁定を実質的に無効にしてしまうGoogleの戦略が、見事に成功している。

5月の終わりに下されたその裁定は、人の名前で検索をしたときに拾い出されるその人に関する古い、または不適切な情報を、その人からのリクエストがあった場合には検索のインデクスから外す(==今後の検索結果に現れない)ことを、Googleに課している。

そのデータが外されるのは、European Googleの検索結果のみであり、Google.comではない。また、対象は私人としての個人であり、公人に関しては公共の利益を根拠として対象から除外される。Googleによると、同社はこれまでにおよそ7万件のリクエストを受け取っている。

リンクを検索のインデクスから外す、という遵法作業をGoogleは、先月(6月)の終わりに開始している。しかし今週(7月第1週)に入ってこの巨大広告企業は、検閲反対のキャンペーンを、Googleに同調するそのほかのメディアの力を借りる形で展開しつつある。

たとえば今週初めにはBBCのジャーナリストRobert Pestonが、Why has Google cast me into oblivion?(なぜGoogleは私を世間から忘れられた存在にしてしまったのか?)と題する感情的なブログ記事を公開し、Googleがジャーナリストとしての自分の過去の業績を消し去ることに疑問を呈した。

これは、一種の挑発だろうか? 違う。

これは、彼のような職業にとっては、当然の懸念だ。

メディアは自分たちの過去の成果を検索で見つけてほしい立場だから、Googleへの同情票はGoogle自身が指一本動かさなくても、いくらでも集まる。

しかしそうは言っても、最近の動きには明らかに、紐付きの気配がある。まず、Googleは今では、記事のリンクを検索結果から削除したことをニュースサイトなどにメールで通知している。しかしそれは、メディアに対する、裁定を批判し攻撃せよ、という暗黙の合図でもある。Googleは、これまでに送った通知メールの数を公表しない姿勢だ。

裁定によると、Googleがやるべきことへの要件には、このような、情報のパブリッシャーへの通知は含まれていない。Google自身もこれまでは、たとえば、あらゆる種類のサイトに影響を与える検索結果のランク付けアルゴリズムの重要な変更などを、とくにユーザに通知することなく行ってきた。

しかし今回の問題は、Google自身の今後の業績に負の影響を及ぼす可能性がある。人には忘れられる権利があるとする裁定は、ヨーロッパの裁判所や立法府が、元々その気のないGoogleの顔に投げつけた変更要請であり、そのプライバシー保護のための強制事項は、同社のメインエンジンであるビジネスモデルに真っ向から反している。そのビジネスモデルとは、個人がデータを収穫することを基本商材とし、しかし収益を広告に依存することにより、その基本商材へのアクセスは完全に無料にする、というものだ。ヨーロッパの法廷の裁定は、その重要な商材に無視できない傷を与えるから、Googleが易々諾々と受け入れることは絶対にできない。

今のところGoogleのメディア戦略は見事に成功している。各メディアは、削除されたリンクに関する記事を掲載するから、裁定の効果は、当初の目的だった“忘れられる”から、“人びとが思い出す”へと、完全に逆転している。古い記事や不適切な記事を葬ってしまいたい個人は、むしろそれらの、墓場からの掘り出しを眼前にしているのだ。

今週、その裁定はデジタルの劇場(ないし見世物小屋)となり、Googleは自分にとって容易に作ることのできた「ヨーロッパのデータプライバシー」と題する笑劇に、笑い転げている。

Andrew OrlowskiはThe Registerで、Googleは個人からのリクエストをEUのデータ保護監視機関に送り返せばよい、と指摘している。そして、監視機関がリクエストを是とするたびに、控訴すればよい。もちろん、それをやれば、たいへんな手間にはなるが。

‘司法の空振り三振’を見せつけるためのもっとも簡単な方法は、情報に関する公共の関心と利益を強調し、裁定が有害な検閲行為に相当することを明らかにして、メディアや人びとにヨーロッパ司法裁判所に対する非難の声を上げさせることだ。

もちろん私は、個々のインデクス外しに関してGoogleの意思決定に関与してはいないが、結果がすべてを物語っている。Google自身は、個々のリクエストに対する意思決定の過程については、何も明かさない。

昨日(米国時間7/3)のReutersの記事によると、Guardianが、「うちの記事が勝手に検索結果から消えた、けしからん」、と騒ぎ立てた記事を、Googleは黙って復活させたそうだ。

Guardianに書いた自分の記事を6つも‘消された’同紙の記者James Ballは(一部の記事は‘復活’したのだと思うが)、Googleのやり方を“報道の自由に対する宣戦布告” と呼び、“表現の自由が同様の犠牲者になるのは時間の問題”、と論じた。

Googleが一部の記事の検索インデクスを戻した(復活させた)あと、GuardianのスポークスウーマンがReutersにこう語った: “Googleの今のやり方は解釈の幅が広すぎるようだ。あの判決の目的が、パブリッシャーに対する検閲のためのバックドアを設けることではない、とするなら、われわれは、Googleが決定に用いている基準を同社が一般公開するよう、求めていくべきだ。また、パブリッシャーが異議申立てをするための方法と窓口と手順も、正式に整備されなければならない”。

上記の‘解釈の幅が広すぎる’は、Googleの姿勢をぴたり言い当てているようだ。多めに拾っておけば、問題ないだろう、大は小を兼ねる、という姿勢だ。

Googleは、その処理が現在は“進化の途上にある”、と言うだけだろう。それなら、どんな批判の弾(たま)も逸らすことができるし、いずれは裁定を覆すためにわざと良い記事を消した場合でも、“進化途上”がその言い訳になる。

私がGoogleにコメントを求めたときに返ってきた声明も、今週初めに発表されたものとほぼ同じだ: “弊社は最近、ヨーロッパ司法裁判所の裁定のあとに弊社が受け取った削除リクエストに対する対応を開始しました。これは弊社にとって、新しくて進化途上のプロセスです。弊社は今後も継続的にフィードバックに耳を傾け、またデータ保護の専門化などとも協働して、裁定を順守して参ります”。

BBCのPestonの例が典型的に示しているように、裁定へのGoogleの対応の仕方は、それが重要で公共性のある情報に対する‘検閲’だという、ネガティブでおどろおどろしい反応を作り出している。

Pestonが、正当な理由なくGoogleに‘消された’と騒いでいる記事は、2007年のブログ記事で、投資銀行Merrill Lynchの前頭取Stan O’Nealについて書いている。O’Nealは銀行が巨額の損失を出したために頭取の座を追われたが、Prestonの記事は“同行が行った無謀な投資による途方もない額の損失”、といった書き方をしている。

今度は投資銀行家たちとジャーナリストが、ポスト金融危機の時代のもっとも憎まれた人たちをめぐって対立する。ステージにはパントマイムの悪役が登場し、Googleに代わり、忘れられる権利をボードに大書する。でも、銀行家の過去の行為を拭い去ることを助けるような法律を、誰が支持するのか?

しかも問題は、O’Neal自身がPrestonのブログ記事の削除をリクエストしたのではないことだ。それにO’Nealの名前で検索すると記事は消えていないから、銀行家の過去は拭い去られていない。

Pestonは自分の記事を更新してこの事実を書き記した。それによると、削除をリクエストしたのは、元のブログ記事にコメントを寄せた某氏だ、という。だから、O’Nealの名前ならPrestonの記事は出てくる。コメントを書いた某氏の名前で検索したら、出てこないのだ。

こういう、見当はずれが起きる。

でも、裁定の筆の幅が太すぎるために、Googleは無害な記事でもリクエストに応えて削除し、それがひいては、メディアの自由を奪うという悪評につながる。Googleが笑劇を書くためには、好都合だ。だから本当は、裁判所はGoogleがリクエストに応じるべき記事を、いくつかのパラメータとその値域で、具体的に指定すべきだった、という議論が生まれる。

今明らかなのは、今週のGoogleの笑劇によって、この裁定が保護しようとしたまさにその人が、ハイライトを外され、舞台の影の目立たない脇役みたいになってしまっていることだ。(公人でなく)私人の古い情報や不適切な情報が検索で出たら、その後の人生が生きづらくなるのか。失業者になり、別の仕事を探さなければならなくなるのか。自分のデジタルの足跡が、無関係な他人の評判にくっついて現れるのをどうやって防ぐのか。自宅の住所は、許可無く公開されてもよいのか。…等々の、中心的な問題点が、どっかへ行ってしまっている。

平均的個人のプライベートな生活の権利こそむしろ、Googleがあなたに忘れてほしいと思っているものなのだ。

忘れられるためのリクエストを提出する作業を助けてくれるサービス、Forget.meの初期のデータによると、リンクの削除を求める最大の動機が、プライバシーだった。

‘プライバシーの侵犯’と‘名誉毀損や侮辱’が、同サービスを利用してリクエストを提出しようとする人たちの理由の半数近くを占める。そしてプライバシー関連の理由の上位3項目は、1)自宅住所の開示、2)ネガティブな意見、3)失業(失職)だ。名誉既存(誹謗中傷)の最上位の理由は、‘(本当は)当人と無関係なことへの結びつけ’だ。

個人のプライバシーを守ろうとするこの裁定に、メディアが慌ただしげに、‘恣意的な検閲’というブランド名をつけることは、無責任だけど意外ではない。

個人のプライバシーを害するおそれのあるデータを大量に保持することは困難であり、その困難性は日増しに増大する。この問題が単純だ、というふりはすべきでない。経営と利益を重視する私企業が、背後で紐をひっぱているときにはなおさらだ。

[画像: Edmond Wells/Flickr]

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


対話的な3Dの(6面体の)音楽ビデオプラットホーム、Google Labsの実験作The Cube

それはThe Cubeと呼ばれる。そしてそれは、まさにトリップだ。GoogleのCreative Labsが作った“対話的なお話プラットホーム”The Cubeは、ブラウザの画面に現れる3Dのボックスで、ユーザがそれを操作できる。キューブの各面に、いろいろなビデオやオーディオなどがある。今日オンラインでデビューしたキューブは、インディーのダンスバンドPresetsのニューシングル、”No Fun”をフィーチャーしている。見たい面をクリックしてドラッグすると、一つの面、または複数の面の組み合わせを見られる。

Labsの連中がLSD漬けになったわけではない。目的は、多面的なプロモーションだ。The Cubeを動かせるのは、ChromeブラウザとAndroidのみで、そのPresetsのシングルをGoogle Playで買えるリンクがある(有効期間48時間)。このThe Cubeは、デベロッパというよりも明らかに、デザイナーたちのやる気をそそるオブジェクトだ。

それに、The CubeはYouTubeビデオみたいに埋め込みできるから、たとえば下のようにページに埋め込んでプレイできる。それは、浴槽の中の少女と、けばけばしい色のヘアでダンスする男のお話だ。

Googleが一風変わった対話的音楽ビデオを作るのは、これが初めてではない。Chrome ExperimentsがArcade Fireで二つやった。“The Wilderness Downtown“は、ユーザのアドレスとGoogle Mapsを使ってビデオをユーザの家の航空写真でカスタマイズした。“Just A Reflektor”はユーザの携帯とWebカメラを使って、ユーザの動きでアクションをコントロールした。

しかしThe Cubeは一回かぎりの実験ではなくて“プラットホーム”だそうだから、今後いろんなアートが登場するのだろう。これを考えたのはGoogle SydneyのCreative Labで、先月、地元のカンファレンスでデモをした。そして今回はThe Presetsが起用されたが、もちろん音楽以外にもさまざまな表現の可能性がある。

たとえば、六つ(6面)の画面が同時並行的に表示されるストーリーはどうだろう。あるいはデータの視覚化にThe Cubeを利用したら、すごくかっこいいかもしれない。

The Cubeの開発過程については、下の楽屋裏的ビデオを見てみよう。その前にまず、The Cubeを停止した方がよいかもしれないね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Googleのナレッジグラフから検索トラフィックを獲得する方法

知識としては持っていても今いちSEOに活用しきれていないという人は私も含めて多いと思います。今回はナレッジグラフを具体的に検索エンジンからの集客数アップにつなげる方法をカリスママーケッターのニール・パテルが解説してくれたありがたい記事をお届けします。ナレッジグラフの基本的な知識と具体的なSEOへの活用方法がわかる内容です。 — SEO Japan

traffic

Googleが、2012年5月16日に導入したナレッジグラフは、検索コミュニティに大きな衝撃を与えた。当時のレポートは、Googleが、人口知能に進出し、大幅に賢くなったと伝えていた。

ナレッジグラフが導入されてから2年が経過するものの、ナレッジグラフ最適化(Knowledge Graph Optimization: KGO)の重要性を的確に理解しているSEOのエキスパートは、まだまだ少ない。

Googleが「賢くなった」なら、ウェブサイトを運営する側も賢くならなければならない。 ただし、システムを操作するために「賢くなる」のではなく、あくまでも、ユーザーが検索を行い、求める情報を得る仕組みを理解するために、賢くなってもらいたい。

Googleの目標は、ユーザーに最も正確な検索結果を出来るだけ早く提供することだ。マーケッターも同じ目標を持つ必要がある — つまり、ユーザーが求めているものを正確に提供する必要がある。当然、サイトを運営しているなら、自分のサイトが検索結果に表示されることを望む。それなら、ナレッジグラフを意識して、ウェブサイトを最適化する取り組みを行うべきである。

しかし、その前にナレッジグラフとは何かを確認していこう:

ナレッジグラフとは?

ナレッジグラフは、Googleが、問いに答え、情報を直接提供する手段である。

ナレッジグラフを理解する際は、「What is the knowledge graph?」(ナレッジグラフとは)で検索を行うと良い。表示される結果は、ナレッジグラフそのものであり、SERPの上部に表示される。ナレッジグラフでは、大きなフォントが用いられ、グレイの専門のボックスが設けられる。

knowledge graph

もっと具体的に説明していこう。ナレッジグラフ(KG)とは、– Search Engine Landによると — 「人物、場所、物事に関する事実(エンティティ)、そして、このエンティティのつながりを理解する」テクノロジーを指す。

実際のKGを確認すると、仕組みを理解してもらいやすいので、例を挙げていく。

「famous actors」(有名俳優)で検索を行うと、次のGoogleのSERPが返される。上部の写真のカルーセルが、ナレッジグラフの結果である:

knowledge graph actors

「Colorado Rockies」の検索結果では、ナレッジグラフの結果が大きなスペースを占めている:

rockies

「best sandwich shop in San Francisco」(サンフランシスコで一番おいしいサンドイッチ屋)で検索を行うと、カルーセルの結果とマップが表示される。どちらもKGである。

sandwich

個人の人物に関する結果は、クエリの表現に左右される。例えば、「who is the ceo of google」(GoogleのCEOは誰)と入力すると、次の結果が返された:

ceo

しかし、「who is Larry Page」(ラリー・ペイジは誰?)と検索すると、次の結果が表示される:

larry page

ナレッジグラフは、場所、そして、Google+のアカウントを含む様々な要因に応じて、パーソナライズされた結果を提供する。次にGoogleが提供するパーソナライズされた結果の例を挙げる:

ip address

ナレッジグラフの仕組み

複数の興味深いアルゴリズムのテクノロジーが、ナレッジグラフを動かしている。そのうちの幾つか紹介していこう:

  • セマンティック検索 — ナレッジグラフがインプットを理解する上で、原動力として活躍するのが、セマンティック検索である。KGは、様々なデータのポイント — ワードのバリエーション、類義語、コンセプトのマッチング、自然言語、IPの場所、検索のコンテキスト — を考慮して、より具体的な結果を提供する。Googleは、最近のアルゴリズムのアップデートの多くで、セマンティック検索の力を強化してきた。
  • エンティティのインデックスと曖昧性の解消 — ナレッジグラフは、あらゆる事柄 – 名詞、物、エンティティ – を列挙し、他の事柄と結びつける壮大な取り組みである。この「事柄」は「エンティティ」と呼ばれる。そして、エンティティの振り分けを行うプロセスは、エンティティの認証と曖昧性の解消(Entity Recognition and Disambiguation: ERD)と呼ばれる。これから説明していくが、エンティティの力を理解することは、KGOにおいて、重要な鍵を握る。
  • ユーザーの行動 — 個人的に面白いと思ったのは、ナレッジグラフは、ユーザーの行動に大きく左右される点だ。先程紹介したクエリ「what is the knowledge graph」に対して、ナレッジグラフ自体は、Google独自の用語ではあるものの、SERPには、Googleではなく、Wikipediaのページをグラフ化したコンテンツが掲載されている。この事実だけをとっても、Googleが、アルゴリズムを介して、(私の知る限り)Google自身の結果ではなく、Wikipediaの結果を優先していることが分かる。これは、大半のユーザーが、Wikipediaを情報源として利用していることが影響している。CTR、自然なトラフィック、直接的なトラフィックを含む検索トラフィックのパフォーマンスが優れているため、Wikipediaには、ユーザーのクエリに対する最高の答えが含まれていると考えられる。

これでナレッジグラフとは何か、そして、その仕組みを理解してもらえたはずなので、検索トラフィックを増やすために必要な作業を検証していこう。

エンティティのキーワードを使ってコンテンツマーケティングを継続する

基本的なレベルで、キーワードを利用しよう。ナレッジグラフ(KG)は、エンティティの認証および曖昧性の解消を行うシステムとして、キーワードを「エンティティ」と考慮する。KGは、特定のエンティティを認識し、曖昧性を取り除き、データベース内のその他の無数のエンティティに関連付ける。

キーワードを利用しない状態では、ウェブサイト上のページを特定の検索クエリに結びつける作業は難航する。

Schemaマークアップを可能な限りあらゆる場所で利用する

Schemaマークアップは、ナレッジグラフで、自分のサイトのコンテンツをグラフボックス内に表示してもらうための、最も手っ取り早く、それでいて、最も効果的な方法だと言えるだろう。SchemaのマークアップはGoogleの検索結果の36%に表示されることが判明している。従って、Googleが、Schema マークアップを持つページを優先していると推測することが出来る。そのため、出来る限りSchema マークアップを利用してもらいたい。

様々なウェブサイトに対して、マークアップの選択肢が用意されている。ナレッジグラフは、有益な結果を生成する上で、このマークアップに大きく依存しているため、サイトのエンティティにSchemaを利用するべきである。

大勢の方々が、マークアップに、既に慣れ親しんでいるはずだ。以下に映画のマークアップの結果を掲載する:

movies

サイトで利用することが可能なSchemaは他にも数多く存在する。

例えば、レシピをサイトで利用しているなら、Schemaを使って、料理の作り方、料理のタイプ、調理時間、材料を特定すると良いだろう。

recipe

Googleは、入力する全てのSchemaのデータに対して、全てのナレッジグラフのデータを取り上げるわけではないが、確実に一部のSchemaを採用する。また、セマンティック検索とマークアップが、時間の経過とともに、アルゴリズムにとって、より重要になるにつれ、さらに多くのSchemaが返されるようになるだろう。

下の結果で、マークアップがナレッジグラフの結果をどのように提供しているのか、注目してもらいたい。Googleは、マークアップがなくても、結果をマークアップとして読み込んでいる。その上、Googleは、準備時間、カロリー、評価、そして、レビューを特定するマークアップに対して、KGの結果を提供する。

stir fry

上記のマークアップは、ナレッジグラフの結果を生成するマークアップのタイプのほんの一例に過ぎない。その他にもサイトに利用することが可能なSchemaは、数多くある。Schema.orgのサイトに各種のSchemaが紹介されているので、一度、確認してもらいたい。

Google+のページを最適化する

ナレッジグラフは、Google+から直接多くの情報を引き寄せる。そのため、Google+のページを最適化している企業、そして、団体は、KGOにおいてアドバンテージを持っていると言えるだろう。Google+のページを最適化すると、結果的に、ナレッジグラフに対する最適化につながる。

例を挙げて説明しよう。カリフォルニア州のサンホセで、美味しいレストランを探しており、「eatery in san jose」(レストラン サンホセ)で検索を行うと仮定する。すると、表示されたナレッジグラフのカルーセルには、写真、レビュー、ルートが、関連するレストランのGoogle+のページから直接掲載されていることが分かった。

eatery

特定のレストラン、例えば、Flames Eateryをクリックすると、クエリは自動的に変化し(検索フィールドに注目)、SERPにさらに多くのGoogle+のデータが掲載されるようになる。Googleにログインした状態で検索を行うと、Googleのサークルに追加してレストランを「フォロー」することも、レビューを作成することも出来る。

flames

Google+は、レストランの営業時間、メニューを含むその他の重要な情報を用意することが可能であり、検索エンジンのユーザーは、ナレッジグラフの結果でこの表示を入手する。

顧客のレビューを促す

KGの結果の中で、とりわけ多く表示されているのが、レビューである。Googleは、検索、および、地図の検索結果において、グラフを作る際にレビューのテキストを当てにする。そこで、ユーザーのインプットが、Googleマップ内のナレッジグラフのデータに与える影響を確認しておこう:

ruby skye

当然ながら情報が豊富に詰まった詳細なレビューは、有益な結果を提供する。

レビューを要請する方法は、この記事では取り上げるつもりはないが、検索の関連性、さらには、ナレッジグラフの結果にインパクトを与える点を覚えておいてもらいたい。

Freebase MID(sameAs)を利用する

Freebaseは、エンティティのデータベースであり、MID(Machine Identification: 機械ID)を全てのエンティティに割り当てる。ある程度知名度が高いエンティティには、FreebaseでIDが与えられている可能性が高い。

freebase

Googleは、2010年にMetawebを買収し、Freebaseを入手した。Freebaseは、今でもクリエイティブコモンズのライセンスを受けるものの、同団体が作るデータは、Googleのナレッジグラフのデータベースに完全に組み込まれる。従って、ブランドのエンティティをFreebaseと結びつけると、構造化したデータをFreebaseのデータと相互に関連させることが可能になり、エンティティの曖昧性の解消を促進させ、KGの結果を整える上で有効に働く。

この相互的な検証がプラスに働く方法の一つが、sameAsプロパティである。AJ Kohns氏は「エンティティカノニカル」と表現している。itemprop=”sameAs”マークアップを加えると、簡素なナレッジグラフのコンテンツを提供する上で欠かせない、曖昧性の解消を即座に実施することが出来る。

エンティティ(人物、物事、会社等)が、Freebaseのデータベースに含まれていなくても、簡単に追加することが可能である。

schema

Wikipediaを助ける

Wikipediaは、明らかにナレッジグラフの情報源の一つとして認識されている。Wikipediaの正確で、信頼され、尚且つ、有益な情報に貢献することが出来る。ただし、Wikipediaは、SEO/KGOの手段ではなく、ナレッジグラフの情報源である点を忘れないでもらいたい — そして、ウェブサイトを成功に導く要素の一つでもある。

先程も申し上げた通り、KGOはSEOではない。KGOでは、オンラインマーケティングの客観的で、ユーザーの情報を意識した見解が求められる。

Googleを助ける

最後になるが、Googleがナレッジグラフの結果を精査する取り組みを、「not useful」、「useful」、もしくは、「awesome」で評価することで支援する手もある。これは、今回紹介した方法の中で、結果への影響力は最も低いと思われる。ただし、少なくとも挙げておきたかったため、最後に紹介した。

それでは、意見をGoogleに伝える方法を伝授しよう。

ナレッジグラフのボックスの下に、通常、「フィードバック」が用意されている。このフィードバックをクリックすると、結果に関する意見を伝えることが出来る。

cheesesteak

レスポンスを求めるポップアップが現れることもある:

feedback

個人的には、私の意見が、Googleの壮大な取り組みに大した影響を与えることが出来るとは考えていない。しかし、Googleが、検索の能力を改善する上で手を貸すことが出来るなら、助けてあげるのも悪くはないはずだ。

結論

ナレッジグラフに対する最適化は、その場しのぎの解決策でもなければ、巧妙なトリックでもなく、あくまでも、信頼を優先したマーケティングの取り組みである。ユーザーに有益な情報を与え、最善の決定を下してもらうことが、KGOの中核を占めている。

ナレッジグラフの結果に対して、その他に最適化する方法をご存知なら、是非、発表して頂きたい。


この記事は、Quick Sproutに掲載された「How to Get Search Traffic from Google’s Knowledge Graph」を翻訳した内容です。

ディテールにこだわりすぎるニール・パテルだけにそこまでやる必要あるのかという網羅ぶりでしたが、結果ナレッジグラフが影響を与える・ナレッジグラフに影響を与える要素が幅広く理解できたのではないでしょうか。とりあえずSCHEMAを押さえたマークアップはSEO的には今後必須になりそうです。日本ではウェブ制作会社へのSEOリタラシーの低さもあってか全体的に導入が遅れ気味のようですが、とりあえずSEOを気にしているサイトであれば今年中に対応しておきたいですね。 — SEO Japan

Googleのトリビア・クイズ、Smarty Pinsは地図マニアにはたまらない

例によってGoogleからちょっとした楽しい贈り物がある。今回は地図ベースのトリビア・クイズだ。Googleは今日(米国時間7/1)、Smarty Pinsというウェブゲームをローンチした。このクイズは芸術、カルチャー、科学、スポーツなど6分野から地理の知識を試す問題が出される。

これがけっこう面白い。問題はたとえば「ウィンナーシュニッツェルとウィンナーソーセージはこのオーストリアの首都から名づけられました」などという形で出題される。

地図上におなじみのGoogleマップのピンのアイコンが表示されるので、それを適切な場所にドラッグ&ドロップして回答する。答えは国や都市などの場合もあれば、特定の建物や名所であることもある。Googleに取材してみたところ、ワールドカップにちなんでサッカー関連のトリビアも出題されているそうだ。

回答者は開始時点で1000ポイントを与えられており、答えが1マイルずれるごとに1ポイント減点される。逆に速く正解した場合はボーナス・ポイントが与えられる。ポイントを使い果たすとゲームオーバーだ。

私が少し調べてみた限りでは、Googleはこのゲームを作るために特別のテクニックは使っていない。Smarty Pinsはいくつかのウェブ・コンポネントとMaps API、それに標準的なHTML5から成り立っている。デザインはアニメーションとシャドーを多用しているが、最近発表されたMaterial Design準拠ではない。

ゲームはこちらから

〔日本版〕例に挙がっていた「ウィーン」のように簡単な問題もあるが、「エレクトリック・フォレスト音楽フェスティバルの開催場所」というようなGoogle検索しないと分からないような問題もある。この場合は英語版Google検索を使った方が早く目的の情報を探せる。

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Google、音楽ストリーミングのSongzaを買収―Google Play MusicやYouTubeも強化へ

Googleは音楽ストリーミング・サービスのSongzaを買収した。GoogleがSongzaと交渉y中だという噂は数週間前から流れていた。

Songzaは個々のユーザーに対してもっとも適切と考えられるプレイリストを作成するために、人間(DJ、ローリングストーン誌のライターなどの音楽専門家)によるキュレーションを利用している。

音楽体験を改善するために人手を借りるサービスはほとんどない。Pandora、Spotifyその他、有力サービスはみなアルゴリズムを多用している―そしてそのことを主なセールスポイントとしている。

一方、Songzaはユーザーがどんな活動、時間帯、天候等々のコンテキストの下でどんな音楽を聞くかについて膨大なデータを持っている。Googleのように人間の生活のあらゆる部分にテクノロジーを浸透させたいGoogleのような企業にとってこのデータは垂涎ものだろう。

当初Googleは1500万ドル程度を提示しているという情報が流れた。しかし、われわれの情報源によると、Google以外にもSongzaの買収を望むライバルが現れたため、買収額は相当にアップしたという。

Googleの発表によれば、当面Songzaの運営は従来と一切変わりなく行われるが、SongzaのノウハウはGoogle Play MusicやYouTubeなど他のプロダクトに応用されるという。ただしGoogleは現在のSongza社員が今後どような処遇を受けるかについては明らかにしていない。

Songzaはここ数週間のうちに、ロングアイランド・シティーの現在のオフィスからGoogleのニューヨーク本部ビルに引っ越す。

Songzaが設立されたのは2007年で、音楽専門家によるプレイリストを提供するストリーミング・サービスとして出発した。その後、Songzaはユーザーの好み、活動、時間帯などの情報をベースに最適のプレイリストを選び出すコンシェルジュ機能を追加した。

SongzaはこれまでにAmazon、Gary Vaynerchuk、Scooter Braun、Deep Fork Capital、LererVentures、Metamorphic VenturesのDavid Hirschらの投資家から670万ドルの資金を調達している。Metamorphicにとってはこれが1週間で2度目のエグジットとなった。

Songzaのアクティブ・ユーザーは550人程度とみられる。無料版には広告が入るが、週0.99ドルの広告なしの有料版も提供されている。有料版のユーザーがどれほどの割合になるかは明らかにされていない。

Googleは次のようなコメントを発表した。

[Songzaは] 専門家のキュレーションによるユーザーのコンテキストに応じた音楽体験を提供する素晴らしいサービスを作り上げることに成功している。ユーザーはその時々に応じてもっとも適切な音楽を聞くことができる。われわれは当面Songzaの運営に変更を加える計画はない。

AppleがBeats Musicを30億ドルで買収したのも、同じような動機はによるものだろう。実はBeats Musicのプレイリスト作成のアプローチも、Pandoraその他と異なり、Songza似た人手によるキュレーションだった。

またAmazonも最近Prime会員向けの無料音楽サービスを開始し、“数百万のユーザー”が利用しているという。

音楽ストリーミングサービスのプラットフォーム戦争が激化する中でGoogleもGoogle Play Musicを強化するようなサービスが必要だったはずだ。Songzaはこの点理想的なターゲットだったといえそうだ。

〔日本版〕 Google Play Musicのストリーミング機能を日本から使う方法がネットに公開されている。登録に成功すればiTunesからの移行も比較的簡単なようだ。正式にサポートされているわけではないので利用する場合はあくまで自己責任ということになる。

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Dartプログラミング言語をGoogleのApp Engineがサポート…ついにサーバ言語としても位置づけ

デベロッパカンファレンスGoogle I/Oが始まる数日前に実はGoogleは、同社のApp EngineがDartプログラミング言語をサポートする、と発表していた。

言語のこの実装は、同社が最近ローンチしたマネージドバーチャルマシン(管理を伴う仮想マシン)と、そのサービスがサポートするカスタムランタイムを使用する。ただしカスタムランタイムはまだ非公開ベータなので、Dartのサーバサポートもまだ一般公開はできない。でもGoogleはI/Oの席で、Dartデベロッパたちに、ささやかな プレビューを行った。

デベロッパたちの多くは、DartはJavaScriptと競合する言語だ、と見ている。たしかにGoogleがねらっていたユースケースはJavaScriptと同じWebスクリプティング言語だし、同社のChromeブラウザにはDartをサポートしているバージョンもある。GoogleはDartをJavaScriptに翻訳するコンパイラをはじめ、Dart関連の豊富なツールも提供している。でも、今度そのランタイムをApp Engineに持ち込んだということは、GoogleがDartに関して抱いている視野がもっと大きいことを、うかがわせる(単なるWebクライアント言語ではない)。

今回は、Dartを作った二人のデンマーク人Lars BakとKasper Lundに会って、Dartの現状と未来について、話を聞いた。なお、BakはGoogleのJavaScriptエンジンV8の作者でもある。

彼らによると、最初DartはJavaScriptの代替言語(better JavaScript)ではなく、あくまでも汎用のプログラミング言語を目指して開発に取り組んだ。目的は型付けが動的に行われる言語で、デベロッパがすぐに使い始められること、そしてデベロッパの生産性を高めるような言語だ。

そのため二人は、単に言語だけでなく、専用のエディタDart EditorやDart用IDE、大量のライブラリなど、デベロッパの生産性を支えるツールも並行して作っていった。最近ではDartのサポートを内蔵しているAndroid用のChromeブラウザまで作った。またDart Editorにも、デベロッパがプログラムをランタイムにモニタできるためのいろんなツールが伴っている。I/Oで二人は、Dartと、GoogleのWebコンポーネントプロジェクトPolymer、および新しいユーザインタフェイスデザイン言語Material Designを合わせた開発が容易にできることを、実例で示した。

GoogleはI/Oで、デベロッパがCompute Engineの上で、Dockerを使用してDartを展開できることと、Googleのクラウドモニタリング/キャッシングサービスData Storeにも容易にアクセスできることを発表した。

しかしデベロッパたちは、Dartをサポートした特殊なバージョンのChromeではなく、ふつうのChromeがふつうに最初からDartをサポートすることを望んでいる。Bakにこの点を尋ねると、彼は微笑みながら、それももうすぐ発表すると述べた。Chromeが標準的にサポートすれば、Dartはメジャーの位置に近づくだろう。もちろん、Dart-to-JavaScriptコンパイラを経由するよりはDart VM直接の方がコードの実行もずっと速い。いったんサポートしたら今後下ろされることはないだろうから、デベロッパにとってもDartを採用する大きなインセンティブになる。

今後の予定としてBakたちは、 JavaScriptのasyn/awaitのような非同期処理をDartに実装することを考えている。

二人はDart 1.0をリリースしたあと、DartのEcma標準規格の作成にも取り組んだ。JavaScriptも今では、EcmaScriptの規格に準拠している。Bakによると、良いプログラミング言語が委員会によって作られることはないので、Dartも完成した実装(v. 1.0)をまず自分たちで作ることが重要だった。そしてそのあとで、業界全体の標準言語として広めていきたい。そうすれば、ほかのブラウザもDartをデフォルトでサポートするようになるだろう、と二人は期待している。

Dartは汎用言語でもあるので、フロントエンドとバックエンドの両方を同じ言語で書ける。したがってより安定性の良いコードが書けるし、デベロッパチームによるコラボレーション的な開発もより容易にできる、と二人は信じている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Google、提供してきたソーシャルネットワークのOrkutを9月に停止予定

Orkutをご記憶だろうか。Googleが2004年に立ち上げたソーシャルネットワーク・サービスだ。ブラジルおよびインド以外ではほとんど利用されなかったサービスだが、いくたびもの春の大掃除を奇跡的に生き延びてきた。これまでずっと、サービス終了は時間の問題であるとみなされてきた。そして、ついにその時がやってくるようだ

2014年9月30日をもって、Orkutはついにサービスを終了することとなる。その時点で、サービスへのログインはできなくなる。また、Google+へのデータのエクスポートもできなくなる。提供されているAPIなども、その時点をもって利用不能となる。

ただし、2016年9月までの間であれば、Google Takeoutを使ったエクスポートには対応するとのこと。ちなみにサービス停止の報を受けてOrkutに興味を持ったという人には残念な話がある。新しいアカウントの作成は、既に停止されているのだ。どのようなものだったのかと確認する術は永久に失われた。

GoogleはOrkutなどを擁してソーシャルネットワーク・サービスに参入を始めた。残念ながらアメリカではほとんど利用者を集めることができなかった。しかしブラジルでは、しばらくの間に過ぎなかったとはいえ、ナンバーワンのソーシャルネットワークであった。Facebookの方がメジャーな存在になったのは2012年になってからのことだった。インドでも善戦していて、2010年までは首位の座を保っていた

現在の状況をいえば、Orkut利用者の50%がブラジル在住だ。また20%をインドからの利用者が占めている。アメリカからの利用者はといえば18%未満ということになっている。

システム開発についていえば、2012年からほとんど放置されていたというのが実際のところだ。以前のGoogleサービスがメニューバーに存在し、今ではなくなってしまったGoogle Talkも現役であるかのように言及されていたりする。そんなこんなで、Orkutのサイトは既に古臭い感じのするものとなっている。Googleとしては、速やかにGoogle+に乗り換えてほしいと考えているわけなのだろう。

Googleの20パーセントプロジェクトからはじまって、これまでサービスが続いたというのは悪い話でもあるまい。しかしGoogleによれば、YouTube、Blogger、およびGoogle+など成功したプロジェクトについては(Google+が成功かどうかについてはいろいろと議論のあるところだろう)、「成長率がOrkutの成長率を凌駕している」という状況であるようだ。Googleは限定的なリソースに注力することにより「提供するソーシャルプラットフォームを、利用者にとって本当にエキサイティングな場所として提供していきたい」ということであるようだ。

訳注:TechCrunch JapanでもOrkutの話題はいろいろと取り上げてきました。過去の関連記事はこちら

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(翻訳:Maeda, H


Googleダンボール製VRヘッドセット開発の背景、そして今後の可能性?!

話題を引きずり過ぎかもしれない。しかし今年のGoogle I/Oにて、何に一番驚いたかといえばダンボール製VRヘッドセット(Cardboard)だったのではないかと思うのだ。ペーパークラフトの中にスマートフォンを装着して、VRビューワーとして利用するものだ。キーノート公演で紹介されたものだが、その開発者であるDavid Cozが開発の背景についても教えてくれた。

このCardboardが開発された理由については、Oculus Riftの買収額があまりに高額であったことを揶揄するためであったとか、あるいはGoogleで買収できなかったことを悔しく感じたためだなどという話もある。しかしパリのGoogle Cultural Instituteで仕事をするCozによると、これは「作ってみたかったから」だとのことだ。

「VRが大好きなのです」とも発言している。VRはここ数年で進化して、一層面白いものになってきていると感じているのだそうだ。Cardboardを作ることで、「簡単かつ安価」であっても、面白いVRビューワーが作れることを示したかったのだとのこと。

プロジェクトを開始したのは6ヵ月ほど前のことだ。CozはこれをマウンテンビューでGoogle Research Scientistとして働いているChristian Plagemannに見せた。Plagemannは、自らも例の20%プロジェクトとして取り組むことを決め、そしてGoogle社もプロジェクト化を認めたのだそうだ。

ところで、ダンボールを使うことに何か理由はあるのだろうか。Coz曰く、プロトタイプを考えていく際に簡単に扱えるからというのがひとつの理由だったそうだ。それに加えて「ダンボール製」ということで「シンプルさ」を表現したいという気持ちもあるのだとのこと。情報処理は内部におさめるスマートフォンが担う。「ハサミとホッチキスで簡単に改造できるようにしたかったのです」という意味もあるのだそうだ。

Googleは開発者用のツールキットも公開しており、すなわちこのハードウェア(ペーパーウェア?)は、単に「シンプル」なだけではなく、「オープンソース」のプロダクトとして提示されてもいることになる。サードパーティーからも、Cardboard用アプリケーションがいろいろと出てくるという事態もあり得るのかもしれない。開発チームは、Project Tangoと連携していく可能性もあると示唆していた。

もちろん他にもスマートフォンを利用したVR技術を世に出そうとする企業やグループは存在する。しかし、Googleが本気で開発者を巻き込もうとするのなら、Cardboardを主役としたエコシステムが登場してくる可能性もある。

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(翻訳:Maeda, H


Moto 360に触ってみた。初の丸形Android Wearスマートウォッチ

MotorolaのMoto 360は、皮肉なことにおそらく今年のGoogle I/Oでいちばん誰もが欲しがるスマートウォッチだった。注目されながらも手に入らない唯一の製品だからでもある。カンファレンス参加者全員に送られるのは、この夏に一般販売される時だ。しかし、本誌は使ってみる機会を得、Motorola自身による紹介ビデオも手に入れた。

このスマートウォッチは、Android Wearの円形デザインを使った最初の製品で、Motorolaが文字盤をカスタマイズしている。文字盤と他のUI要素でが円形画面全体を占めている。即ち、Motorolaいわく、角型画面でなくてもそこに無駄なスペースはない。

形状以外は、SamsungとLGのAndroid Wearスマートウォッチ2機種と機能に変わりはなく、スマートフォンからのプッシュ通知、Google Nowからのコンテキストに合った情報が送られてくる他、内蔵マイクによるボイス制御も可能だ。

デザイン的には、Moto 360の第一印象はその大きさだろう ― 円形デザインのために、他の2機種よりも大きく見える。しかし、実際には細い腕には他機種よりも馴じむ気がする。ステンレス製ケースが他機種を差別化する高級感を醸しだしており、腕時計愛好者として私は、これをお気に入りのAndroid Wearデバイスに認定する。皮製ベルトもプレミアム感を増している。

Motorolaは、出荷予定日は以前から8月終りと決めており、カンファレンスに間に合わすために急ぐことはしておらず、すべては予定通りだと言っている。少々熱を持つことを別にして完成度は高いので、長く待たされることはなさそうだ。


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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Google I/O:デザインでもAppleに対抗へ―ユニバーサル・デザイン言語、Material Design発表

Googleは昨日(米国時間6/26)のGoogle I/Oカンファレンスで、Material Designという新しいユニバーサル・デザイン言語を発表した。これは次世代のAndroid OS、“L”シリーズの重要な部分となる。Googleによれば、このデザインは「モバイル、タブレット、デスクトップ、そしてそれ以上」のデバイスに統一的なルックアンドフィールを与えるという。

「われわれは、ピクセルが色だけでなく奥行きも持っていたらどうなるか想像してみた。また状況に応じてテクスチャーを変えられるような素材があったらどうだろうと考えてみた。これがMaterial Designを開発するきっかけになった」とAndroid OSのユーザー体験の責任者、Matias Durateは語った。

新デザインにはシステムフォント、Robotoのアップデート版、大胆なカラースキーム、滑らかなアニメーションなども含まれている。

DurateはI/Oキーノートで概要を説明したが、詳細はgoogle.com/designで公開されている。Googleのプラットフォームで開発を行うデベロッパーはすべてこのフレームワークを利用することを求められる。これによってアプリは作動するデバイスを問わずすべて統一感のあるルックアンドフィールを持つことになる。この役割はAppleがMacとiOSのデベロッパーに課しているガイドラインに似ている。

Google自身が率先してこの新デザインを用い、モバイルとデスクトップの双方でGmailやカレンダーなどフラグシップ・アプリのアップデートに取り組んでいる。先月、Gmaiの開発中の新デザインが一部のブログでリークされたことを覚えている読者もいるだろう。シンプルでクリアなあのデザインがMaterial Designを用いたものだった。

オープンソースのフレームワーク、Polymer去年のGoogle I/Oで登場したが、今回もデベロッパーがMaterial Designと共に利用すべきツールとして紹介された。Polymerは 対話性に優れたウェブサイトを素早く構築できるプロトタイピング・ツールで、カスタマイズ可能なさまざまなエレメントがライブラリーとして用意されている。GoogleがQuantum Paperというコードネームで準備している包括的なデザインのアップデートについてはわれわれもこの記事で詳しく紹介している。

Google Designのウェブサイトによれば、Material Designの目的は以下のようなものだ。

  • 古典的なビジュアルなグッドデザインとテクノロジーのイノベーションを統合する
  • プラットフォームの種類、デバイスのサイズにかかわらず統一的なUIシステムを構築する。モバイル対応はもっとも重要な要素だが、タッチ、音声、マウス、キーボードなども主要入力手段して包含される。

Googleは新デザイン「紙とインクのデザインの優れた前例を参考としながら最新のテクノロジーを応用し、想像力を働かせて魔法に近づける」ものだとしている。

Material Designの各要素は「印刷ベースのタイポグラフィーの伝統に従い、慎重に計算されたカラースキーム、画面をいっぱいの裁ち落としの画像、多様なフォント、意図的に残された空白などを用い、ユーザーに強い印象を与える没入的な視覚インターフェイスを構築する」のだという。

もう一つの重要な要素はアニメーションだが、Googleはその利用にあたっては、「アニメーションは適切な場面ではっきりした意味を持つように用いられ、ユーザーの注意を引きつけ、ストーリーの連続性を確保するために役立てられる」べきだとしている。

Appleは以前からデベロッパーに対して厳格なデザインガイドラインを課し、消費者にAppleは優れたデザインを提供するというイメージを強く植え付けるのに成功している。今後GoogleはAppleとデザインの品質でも競争していこうとするのだろう。

Appleは逆にクラウドなどGoogleの優勢な分野の強化を図っている。情報源によればGoogleは自分たちのインフラ面での優勢よりAppleのデザイン面での優勢の方が大きいのではないかと考えてこうしたAppleの動きに神経を尖らせているという。Material DesignでGoogleがデザインの抜本的改良に乗り出した背景にはこういう事情もありそうだ。

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Android Wearベースのスマートウォッチ、LG Gのファースト・インプレッション

LG G Watchを手に入れてからまる1日、寝るとき以外はずっと身につけていた。Googleのスマートウォッチ用OS、Android Wearベースのデバイスを試すのはこれが初めてだが、これまでに受けた印象は「間違いなく役立つ」というものだ。

この腕時計の付け心地は普通の腕時計と同様で、特に具合の悪いところはない。軽く、やや大きいが、少なくとも私の腕に対しては大きすぎるというほどではない。LGは万人向けにデザインしたと言っているが、それでも腕の細いユーザーなどにはやや大きすぎるかもしれない。

このスマートウォッチは実に巧妙にスマートフォンを補完してくれる。GoogleはAndroid Wearの開発にあたってどの機能を搭載し、どの機能を省くか慎重に考えぬいたことがうかがえる。スマートフォンに来るプッシュ通知がすべてそのままAndroid Wearにも来る。LG Gの画面下部に通知が来ていることが表示され、上にスワイプすると内容が読める。Wear向けに最適化されたアプリの場合、アプリ内のページをスマートウォッチに表示させることができる。またハングアウト・アプリなどの場合、メッセージに対して音声入力を用いて返信できる。

LG Gの音声入力は良く出来ている。私は昨晩、Google I/Oの懇親パーティーの騒がしい会場でも音声入力を試したが、どんな条件でもほとんど認識エラーは出なかった。“OkGoogle”という呼びかけによる起動も問題なかった。実際、音声コマンドで思ったよりずっとたくさんのことをLG Gにやらせることができて驚いた。

ただしとおりいっぺん以上のことをさせようとすると設定は多少面倒だが、その原因の一部は私が使っているLG Gは一般公開前のベータ版のソフトが搭載されているためだ。あとアプリをロードするのにだいぶ時間がかかり、「少々お待ちください」と何度も言われる。7月7日の出荷までにはこのあたりが改善されていることを期待したい。

一言でいえば、GoogleのAndroid Wearはスマートウォッチのインターフェイスとして合理的であり十分役立つ。Google Nowは天気やスケジュールなどをポップアップで随時表示してくれる。メールやハングアウト・メッセージに定型文や音声入力で返信することがのは大にに時間の節約になる。腕時計タイプのデバイスに向いているタスクはすべて出来るが、余計な機能は省かれている。

Android Wearのおかげで明日にも世界中にスマートウォッチが溢れるということにはならないだろうが、このジャンルをメインストリームに向けて大きく前進させたことは確かだ。LG Gスマートウォッチはそのパイオニアとして十分に納得のいくプロダクトだ。この後、もっと長時間使ってみた上でさらに詳しいレポートもお届けする予定だ。

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Googleのダンボール製VRヘッドセット、クローンなら$20で販売中

Googleのダンボール製VRヘッドセット(#Cardboard)はもうご覧になっただろうか。このダンボール製VRヘッドセットのクローンが、なんと19.95ドルで売り出されることになった。キットを作ったのはサンフランシスコの業者だ。プロダクトはもちろんGoogle本家の#Cardboardキットとは異なる。また自分で組み立てる必要があり、かつNFC対応にするには5ドルの追加費用もかかる。

上でリンクした記事にもあるように、オフィシャルな#Cardboardは非常に良い出来のものだった。アプリケーションと組み合わせることで、かなりのレベルのVR体験をすることができる。ダンボール製であるので、もちろんDIYの楽しみを満たすこともできるだろう。

ちなみにアメリカ版TechCrunchでは(1台限定ながら)プレゼント企画も行っている。こちらの記事にコメントすることで、プレゼントに応募したことになる。


Google #Cardboardハンズオン

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(翻訳:Maeda, H


初日のGoogle I/Oはこうだった

GoogleのデベロッパカンファレンスGoogle I/Oが今日から始まり、初日のキーノートはその日開陳されるすべてのニュースの概要を紹介した。それらの中には、まだ”L”としか呼ばれていないAndroidの次のバージョンのプレビューもあり、このバージョンでは、さまざまなスクリーンやデバイスの上でも十分に使えるように、デザインのパラダイムが一新されるようだ。

3時間近いキーノートには山も谷もあったが、でも結局最終的には、相当大量の、すばらしい新機軸が披露された。またステージ上で紹介されただけではデベロッパたちですらわかりにくいと思われる話題についても、紹介と説明に長時間が割かれた。デスクトップとモバイルと車とユーザの“腕”の上などなどで、AndroidとChromeを統一するというビジョンも素描された。それはしかし、ソフトウェアをいろんな多様な用途にまたがって翻訳しながら使っていくといった、無理で無骨なやり方ではない。

全体としては、なかなか感動的だった。年商数十億ドルという巨大企業が、巨費を投じてクールなものを見せてくれるのだから、それも当然。でも今日の勝者は、ボール紙で作ったヘッドセットだったかもしれないな。


〔以下、日本語訳のある記事は、リンクが日本語記事へのリンクになっています。〕

Google Fit Warms Up(Googleがフィットネスに進出)

The Elephants In The Google I/O Room: Glass And Plus(登場しなかった巨象: Google+とGoogle Glass)

Google I/O Attendees Gifted Brand-New Android Wear Smartwatches(来場者がもらったおみやげはAndroid Wearのスマートウォッチ)

Google Acquires Mobile Testing Platform Appurify, Will Keep It Open On iOS And Android(モバイルアプリの試験を自動化するAppurifyを買収)

Google’s Cloud Platform Gets New Tools For Monitoring And Debugging Apps(Google Cloudにモニタリングとデバッグのツールを導入)

Google Launches Cloud Dataflow, A Managed Data Processing Service(管理サービス付きのデータ処理サービスCloud Dataflowを立ち上げ)

Update: A Second Protestor Has Interrupted Google IO(第二の抗議者がI/O会場に乱入)

Chromecast Update Introduces An AirPlay-Like Android Mirroring Feature, Photo Backdrops And More(ChromecastがAirPlay的にアップデート)

Google Will Soon Bring Android Apps To Chrome OS(AndroidアプリがChrome OSへ)

Google I/O Protester Stopped The Conference Claiming To Be Jack Halprin Eviction Victim(自宅の強制立ち退きをGoogleのせいにする抗議者が闖入)

Google Announces Android Auto, Promises Enabled Cars By The End Of 2014(完全音声制御の車載用Androidを発表)

Google Blurs The Line Between Web And Native Apps On Android(Webとネイティブの区別が薄れる)

Google Introduces Android TV, Its New Platform For Smart TV Apps And Navigation(スマートテレビアプリAndroid TVを紹介)

Google Shames Apple’s iOS For Adding What Android Did Years Ago(iOSはAndroidより5年後れている、という主張)

Google Launches Full Android Wear SDK, Lets Developers Create Custom UIs And Access Sensors(完成度の高いAndroid Wear SDKをローンチ)

The First Android Wear Smartwatches Will Go On Sale Today(初のAndroid Wearスマートウォッチが今日発売)

Google Unveils New Cross Platform Design Language “Material Design”(クロスプラットホームなデザイン言語“Material Design”)

Google Introduces Android One Program To Bring More Smartphones To Developing Markets(途上国向けの安価なAndroidスマートフォンAndroid Oneを提唱)

Google Now Has 1B Active Monthly Android Users(Androidユーザは10億を突破)

Watch The Google I/O Keynote Here(初日キーノートのビデオ)

Google Makes Its Nest At The Center Of The Smart Home(Nestがスマートホームの核に)

Google Launches Drive For Work With Unlimited Storage For $10/Month(容量無制限のストレージが月額10ドル)

Google Play For Education Goes Beyond Tablets, Now Available For Chromebooks, Too(Google Play For EducationがChromebookにも)

Hands On With Google’s Incredibly Clever Cardboard Virtual Reality Headset(ボール紙で作ったVRヘッドセット)

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Google I/O:Androidスマートウォッチお披露目―参加者にもれなく2個プレゼント!

Googleファンの諸君、うらやめ!

今朝(米国時間6/25)開幕したGoogle I/Oデベロッパーカンファレンスの参加者はもれなく真新しいAndroid Wearベースのスマートウォッチをプレゼントしてもらえることになった。 参加者は今朝発表されたAndroid Wearウォッチのうち、Samsung Gear LiveかLG G3 Android Wearのいずれかを選ぶことができる。さらにMotorolaのMoto 360ウォッチもリリースされ次第プレゼントされる。

そう、スマートウォッチが2個もらえるのだ。ChromebookのプレゼントはなかったのでGoogleが気の毒に思ったのかもしれない。Googleは参加者が会場を出るときに段ボール(本物の段ボール、つまり貧乏人のバーチャルリアリティーだ)の記念品を配った。

さて、参加者がLGとSamsungのどちらを選ぶか見ものだ。

3月に公開されたウェアラブルデバイスのプラットフォーム、Android Wearのさまざまな機能が今朝のキーノートで紹介された。Google Nowスマートアシスタントを利用したカード式のUIもデモされた。

またAndroid Wear SDKが公開され、デベロッパーはインターフェイスやセンサー・コントロールのカスタマイズができるようになった。このSDKでは音声コマンド、スマートウォッチ間、タブレットスマートフォンとの通信も処理できる。

本日発売開始の新しいスマートウォッチにはスワイプでメッセージを非表示に、コンテキスト情報を表示する、などいくつかの新機能サポートされている。

〔日本版〕トップの画像の円形のモデルがMoto 360。2番めの画像の角型モデルの左がLG、右がSamsung。

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Google I/O:ビジネス向けクラウド・ストレージ、Drive For Workは月額10ドルで容量無制限

今朝(米国時間6/25)開会したI/Oデベロッパー・カンファンレンスで、Googleはドライブをメジャー・アップデートしたのに加えて、Drive for Workを発表した。これはビジネス向けのクラウドストレージと生産性ツールのスイートで、セキュリティも大幅に強化されている。また特筆すべき特長は、保存容量が無制限であることだ。

しかしGoogleの動向を注意深く追っていたものにとってはショックではない。Googleは今年に入ってドライブの料金を大幅に引き下げた。この際、ドライブのプロダクト・マネジメントの責任者、Scott Johnstonは私の取材に答えて「企業のIT部門は今後ストレージ容量の心配をする必要がなくなる」と語った。

ユーザー1人当たり月額10ドルというDrive for Workの登場で、IT部門はストレージ容量だけでなく料金の心配もする必要がなくなったといえるだろう。またアップロード可能なファイルサイズの最大限を5TBに引き上げたことでもGoogleが「容量無制限」に真剣に取り組んでいることが分かる。正気の人間なら5TBのファイルをGoogleドライブにアップロードしようとは(当面)考えないだろうが、やろうと思えば出来るというのは心強い。

ユーザー1人月額5ドルの既存のGoogle Apps for Businessアカウントも存続される。

容量無制限というのがやはりいちばん人目を引くが、Drive for Workにはそれ以外にもビジネス・ユースに不可欠な多くの機能が用意されている。たとえばGoogle Apps Vaultは法の定めや会計業務のため、改ざんがないことを証明できるかたちでメールその他のデータを保管する機能だ。

またDrive for Workの管理者にはどのユーザーがいつ、どのファイルにアクセスしたかを確認できる監査機能が提供される。またGoogle はAudit APIを公開したので、企業は独自の監査ダッシュボードを作成できる。

Googleによれば、Drive for Workは大企業に対し、SSAE 16/ISAE 3402 Type II、SOC 2-audit、ISO 27001、Safe Harbor Privacy Principlesなどのコンプライアンスと監査のレベルを提供できるという。まだ医療分野のHIPAAのような業種別のセキュリティー要求もサポートする。

アクセス・コントロールは企業ごとの必要に応じてきめ細かく設定できる。たとえば一部のユーザーをファイル同期の対象から除外するようなことも可能だ。

Johnstonは「Drive for Workは、大企業向けのVaultのような機能を含め、スモールビジネスから中小企業まであらゆる企業のニーズに応えられるサービスとなっている。企業が成長した場合に必要になるような機能もそろっているので安心だ」と強調した。

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Google I/O:ドライブがQuickoffice統合でネーティブOffice互換に、暗号化もサポート

今朝(米国時間6/25)開会したデベロッパー・カンファレンスGoogle I/OでGoogleはクラウド・サービスのGoogleドライブをアップデートし、大幅な改良を加えた。これにともない、Googleドキュメント、スプレッドシート、スライドなどの生産性ツールにも新機能が加えられた。

中でも重要なのはQuickofficeのドライブへの統合だ。

QuickofficeはGoogleが2年前に買収したテクノロジーで、モバイル向けOffice互換の生産性アプリだが、今回Googleドライブに統合された。これによりMicrosoftのWord、Excel、PowerPointのファイルをネーティブ・モードでGoogleドライブで開き、編集することができる。この機能はスンダル・ピチャイ上級副社長が1年以上前にあと3ヶ月くらいでリリースすると予告していたものだ。

QuickofficeはGoogleのネーティブ・クライアント・テクノロジーを用いてChromeブラウザ内で高速のレンダリングを行う。そのためQuickofficeは当面Chromeだけでしか作動しない。GoogleはAndroid版、iOS版のQuickofficeを開発中だが、リリースまでにはまだ少々待つ必要がある。

QuickoffficeのGoogleドライブへの統合に伴い、スタンドアローンのQuickofficeアプリは役割を終え、近く消えることになる。先週、私はGoogle ドライブのプロダクト・マネジメント・ディレクター、Scott Johnsonに取材し、QuickofficeをGoogle Driveに統合するのになぜこれほど長い時間がかかったかのか尋ねた。Johnsonは「まったくベースが異なるコードを統合してGoogleドライブのような規模で作動させるようにするのは難しい作業だ。またドライブは現在非常に多くのプラットフォームで動いている。すべてのプラットフォームとデバイスで正しく作動するよう確認する必要があった」と答えた。

新バージョンのGoogleドライブを開くとルックアンドフィールが大きく変わったことに気づく。Johnstonは「ウェブ・アプリをデスクトップ・アプリにできるかぎり近づけ、どちらでもユーザー体験が変わらないようにするのが目的だ」と述べた。

これ以外にもいろいろな変更があるが、たとえば“Shared with me”〔共有アイテム〕というフォルダーはシンプルに“incoming.”という名前になった。ドライブのツールバーもシンプルになると同時にアップロード・ダイアログを消し、アップロードをドラグ&ドロップに統一した。

もうひとつの便利な改良はドライブ内のファイルをデフォールトのアプリケーションで開けるようになったことだ。たとえばドライブに保存していたPhotoshopファイルを開くと自動的にPhotoshopが立ち上がる。小さな変更だが、これもウェブとデスクトップの差を意識しないですむという方向への一歩だ。

また「更新情報」タブがモバイルのドライブにも付け加えられた。リンクの共有もワンタップでできるようになった。Johnstonによればアップロードの速度も改良されたという。

セキュリティも大きく改善された。ユーザーはローカル、通信経路、Googleのサーバーのすべてでドキュメントを暗号化しておくことができる ようになった。

〔日本版〕6/26朝現在、日本にはまだGoogleドライブのアップデートはリリースされていない。

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Twilio + ChromeOSでコールセンターから古めかしい電話ハードウェアを一掃

コールセンターを作るのはかなりの大仕事だが、やっと動き出したと思えば、電話関連のハードウェアが時代遅れになっていた、ということも少なくない。長年、電話という物理的なコミュニケーションをハードウェアからソフトウェアに置き換えるためのAPIを提供してきたTwilioが今日(米国時間6/24)、GoogleおよびLiveOpsと提携して、コールセンターのための新しいサービスを立ち上げた。

今日から、LiveOpsは同社のユーザに、ChromebookまたはChromeboxに高品質なヘッドセットとTwilioのVoIPを組み合わせた会員制サービスを提供する。企業向けVoIPサービスTwilio CXがこのシステムの軸となり、コールセンターの日常運用はレガシーのハードウェアをほとんど完全にバイパスすることになる。代わりにユーザはこのサービスの会員になり、そうするとChromebookなどを収めた箱が宅配便で届くから、わずか数分で新入社員のためのセットアップは終わる。そして即、運用を開始できる。

LiveOpsのパッケージによりユーザは、TwilioのWebRTCのクライアントとして7500分/月の電話(VoIP電話)に応答する。これはChrome OSベースのサービスでもあるので、ユーザは社内のChromeデバイスの展開と管理のためにGoogleのサービスにもアクセスする。

TwilioのCEOで協同ファウンダのJeff Lawsonによると、同社はコールセンターが同社の顧客にとっても特別の価値のある分野であることに、気づいている。すでにTwilioのAPIを使って独自のソリューションを構築している大企業の顧客もいるが、社内にそんな技術や知識のない企業顧客にも今後はそんなサービスを提供していきたい。“Twilio CXを使えば、完全なソリューションを新たな資本支出なしでご提供できる”、と彼は語る。

今のところ、上記のようなバンドルを提供しているのはLiveOpsだけだが、そのほかのTwilioパートナーたちも将来は同種のサービスを提供していくことだろう。

 

 

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Google、スマートサーモスタットNestをハブとするホームオートメーション・プラットフォームを発表

「オーケーGoogle、部屋の温度を下げて」と言うとエアコンがそのとおりに動作するという時代がすぐそこまで来ている。

Nestのスマートサーモスタットを設置した家庭ではGoogle Nowを通じてエアコンを操作できるようになる。しかもそれはほんの手始めだ。

GoogleはNest Learning Thermostatをスマートホームのハブに据えようとしている。Googleは今日(米国時間6/24)、Works with Nestというデベロッパー・プログラムをスタートさせた。これによってガジェット、自動車、リモコンなどがブランド、OSを問わずNestのサーモスタットと会話し、連携動作することが可能になる。スマートホームが一気に身近なものになってきた。

スマートホームの普及の上で大きな問題は、フラグメンテーションだった。スマートライトからウェブ接続家電までそれぞれが独自の規格、閉鎖的なアプリで作動し、互いに会話ができない。複数のブランドのガジェットに協調動作をさせようという試みはあったが、そのためには橋渡しをする別のガジェット、別のアプリが必要になり、問題をますます複雑化させる結果になっていた。

しかしWorks with Nestプログラムの登場で、いまやGoogleのスマートサーモスタットがスマートホームのデファクト標準となりそうだ。

このプログラムではサードパーティーのガジェットがNest内蔵の各種センサーに加えて機械学習、音声認識、ジェスチャー認識などの機能にアクセスし、活用することができる。

Works With Nestというエコシステム

すでにLIFX、Logitech、Chamberlain、Whirlpool、メルセデス・ベンツといった世界的なブランドがNestプログラムに参加している。Whirlpoolの場合、Nestがユーザーが家を離れていることを感知すると、「送風フレッシュ・モード」で乾燥機を作動させる。これでユーザーが帰宅して乾燥機から衣類を取り出すまでシワにならないようにするわけだ。LIFXの場合は、Nest Protect火災ガス警報器が一酸化炭素を検出するとウェブに接続した赤色の照明が点滅して危険を知らせる。 メルセデス・ベンツの一部の車種は車内からNestに対してエアコンの作動を命令できる。

またNest ProtectとNestサーモスタットはIFTTTをサポートしており、ユーザーが独自の動作を設定できる。たとえば、「もしNest Protectが煙を感知したら、次のテキストメッセージを隣人に送信する」とか「もしNestサーモスタットが摂氏22度以下になり、かつエアコンが作動中なら、以下のTwitterDMを私宛に送信する(そんなにエアコンを強くするなと子供を叱るため)」といった動作をプログラムできる。

また今年の秋にはGoogle Nowが正式にNestと連動する。ユーザーはAndroidスマートフォンさえ持っていればどこにいてNestに命令することができるようになる。

またGoogleはJawboneと共同でUP睡眠モニタをNestのエコシステムに取り入れようとしている。

スマートホームのハブへ

32億ドルでのNest買収はGoogleを一気にスマートホームのリーダーへと押し上げた。一方Appleもこれに対抗して今月、HomeKitというスマートホーム・プロジェクトを発表した。TechCrunchのMatthew Panzarino編集長の記事にあるように、HomeKitはデベロッパーがBluetoothを通じてさまざまなデバイスに対して命令を出せるようにするフレームワークだ。

HomeKitはスペック上はWorks with Nestよりも多機能だ。しかしHomeKitはGoogleのプロジェクトに比べるとまだ開発の初期段階にある。AppleのHomeKitが実際に作動するようになるには数ヶ月はかかるだろう。

Googleといえどもホームオートメーションのすべての要素を自製することは不可能だ。しかしNestをデファクト標準化し、協調動作することが確認されたデバイスにNest認証を与えることはスマートホーム実現に向けて非常に有効な戦略だろう。スマートホーム市場に参入する企業にとってはNest認証を受けることが大量普及への最良の道となるなら、Googleの立場は極めて強いものになる。

Works With Nest紹介ビデオ

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+