鼻に電気を流して「バーチャル臭」を作る研究

IEEEは、私が今月見た中でいちばんクールな研究プロジェクトを紹介した。昔の子供向け電子キットのようなシステムを使って人の嗅覚器官を刺激することで、匂いをシミュレーションするものだ。

このプロジェクトは相当気持ちが悪い。匂いをシミュレーションするために、研究者らは人の鼻にリード線を差し込み神経に直接つなぐ。マレーシアのImagineering Instituteのシニアリサーチフェロー、Kasun Karunanayakaは、博士課程の学生、Adrian Cheokと共に「多感覚インターネット」を作ろうと考えた。Cheokはニワトリに電子的ハグを送ったり、デジタルキスを初めて開発したインターネット有名人だ。

研究チームは数十人の被験者を集め、嗅球を刺激するために長いチューブを鼻に差し込んだ。信号の強さと周波数を変えることによって、いくつか興味深い実験結果が得られた。

被験者がもっとも多く感じたのは、彼らが良い香りまたは薬品臭と表現した匂いだった。中にはフルーティー、甘い、ミント味、木の香りなどと答えた人々もいた。

しかし最大の課題は、この幽霊のような香りを人の鼻にチューブを差し込まずに作り出す方法を見つけられるかどうかだ。この実験が、多くの被験者にとって不快なものだったことをKarunanayakaは認めている。「たくさんの人たちが参加を希望したが、1回テストしたあと帰っていった。我慢できなかったからだ。」

近い将来仮想嗅覚チューブを鼻の穴に入れる日が来ると私は思わないが、このアイデアは卓抜だ。たとえば、感覚が麻痺した人の嗅覚を取り戻すのに使えるかもしれない。決してうさん臭い提案ではない。

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「スペースペン」、50周年を迎える

スペースペンのことは誰もが知っているだろう。NASAが無重力で使える究極のペンを作るために数百万ドルの開発費をかけた結果、この驚くべき道具が出来上がった。いや、違う。事実はといえば、1966年にあるボールペンメーカーが作った——しかしそれが軌道に乗ってスペースペンの運命を全うしたのは1968年10月のことだった。

そのペンを作ったのはペン職人のPaul Fisherで、彼は100万ドルの私費を注ぎ込みそのAG-7反重力ペンを作った。ご存知かもしれないが、そのイノベーションは加圧されたインクカートリッジとゲルインクによって、方向、温度、そしてもちろん重力の有無によらず確実にインクを送り出すしくみだった。

FisherはそのペンをNASAに送った。もちろんそこは、ものごとが微小重力下で働くかどうかを間違いなく心配する唯一の組織であり、そのペンを大いに気に入った。実際、間もなくしてロシアでも使われるようになった。

Walt Cunningham、Wally Schirra、Donn Eiseleの3人は、1968年10月11日に打ち上げられたアポロ7号ミッションにこのペンを持っていき、その後軌道上で11日間使い続けた。

ペンの50周年記念エディションが、裕福で金製品を愛する人たちのために作られた。価格は500ドルで限定500本、「金色の窒化チタン張り真鍮」製で、ケースにはCunningham飛行士のことばが入った記念プレートがついている。

「50年前、初めて宇宙を飛んだスペースペンと共にアポロ7号に乗った。私はこのペンを信頼し、今でも地球上で信頼できる唯一のペンだ。

うん、いい話だ。宇宙飛行士たちが生涯これを供給され続けるのであればの話だが。

Fisher Space Penに乾杯! 半世紀にわたり使われ続けポップカルチャーに支持された、独創的でシンプルで信頼あるアメリカングッドデザインの代表例だ。

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LINE上から手軽に資産運用できる「LINEスマート投資」開始、LINE FinancialとFOLIOがタッグ

つい先日、LINEアプリから損害保険に加入できるサービス「LINEほけん」を公開していたLINE Financial。今度はLINEの基盤を活用して“資産運用”を簡単にするサービスを始めたようだ。

LINE FinancialとFOLIOは10月18日、LINE上で約70のテーマに投資をできる新しいモバイル投資サービス「LINEスマート投資」の提供を開始した。

同サービスは過去にTechCrunchでも紹介しているテーマ投資型の資産運用サービス「FOLIO」を基盤としたもの。「ドローン」や「ガールズトレンド」、「VR」など厳選された約70のテーマに投資をする仕組になっていて、個別銘柄の専門的知識がない投資初心者でも自分の趣味や嗜好に合わせて投資できるのが特徴だ。

1テーマは10社で構成。1株から取引可能な単元未満株取引を導入することで、身近なテーマに対して10万円前後の金額から分散投資できる環境を整備している。テーマの売買で発生する手数料は銘柄ごとに売買代金の0.5%(税抜・最低手数料50円)となっていて、単元未満株取引としては業界最低水準だという(単元未満株取引を扱うネット証券大手4社と比較し、1銘柄あたりの約定代金が1万円以上の場合)。

なおLINEスマート投資はLINEほけん同様に、別のアプリを立ち上げることなくLINE上にあるLINEウォレットタブからアクセスすることができる。

2018年1月にLINEがFOLIOに出資したニュースを取り上げた際、両社では業務提携も締結していて「2018年下半期をめどにLINEアプリ上から直接FOLIOの資産運用サービスが利用できるようになる予定」であることが公にされていた。LINEスマート投資はまさにそれが形になったサービスと言えるだろう。

今後は簡単な質問に回答するだけで最適な資産運用が行える「おまかせ投資」の提供や「LINE Pay」との連携によるスムーズな資金決済などを予定しているという。

150万DL突破のコスメコミュニティ「LIPS」が10億円を調達、グリーや個人投資家から

コスメの口コミアプリ「LIPS(リップス)」を運営するAppBrew(アップブリュー)は10月18日、個人投資家およびグリーより総額10億円の資金調達を明らかにした。

同社は2月にもグリーのほかGunosyやANRI、個人投資家らから5億5000万円を調達。それ以前では2017年10月にANRI、Skyland Ventures、フリークアウト代表取締役社長の佐藤裕介氏、PKSHA Technology代表取締役の上野山勝也氏、ほか個人投資家から総額7600万円を集めている

以前LIPSを「SNSに近い使用感が特徴」と紹介したけれど、同サービスはコスメの口コミを軸に、コスメの特徴や使い勝手だけでなく、メイクアップの方法なども共有しあえるコミュニティだ。特に10代〜20代から支持を得ているようで、テキストだけでなく動画やイラスト、写真などをたっぷり使った投稿も多い。

サービスのリリースは2017年の1月。2018年6月には1年半で100万ダウンロードを超えたことを明かしていたが、そこから約4ヶ月でさらに成長し現在のダウンロード数は150万件を突破、クチコミ件数も50万件以上になっているという。

ユーザー数の増加に伴って広告出稿企業も増加し、これまで国内化粧品メーカーを中心に40ブランド以上の出稿実績があるようだ。

AppBrewではさらなるユーザー数の拡大を目指し、開発体制・組織体制の強化に向けた人材採用のほか、マーケティング活動などに調達した資金を用いるという。

Tesla、ギガファクトリー3の建設で中国と合意

Teslaは、約210エーカー(85万平方メートル)の土地を上海臨港地区に確保した。同社初の米国外工場の予定地だ。

Tesla幹部、および上海市経済情報委員会、上海臨港地区開発管理団体、上海臨港グループの首脳らが参加して、水曜日に中国で調印式典を行った。

「Teslaのミッションは世界の維持可能エネルギーへの移行を、全電動車だけでなく、スケーラブルなクリーンエネルギー生成や蓄電製品を通じて促進することだ」とTeslaの国際営業担当VP、Robin Reiが声明で言った。「上海で獲得したこの場所は、Tesla初の国外ギガファクトリーとして、高度で持続可能な開発による次世代製造拠点に向けての重要な礎になるだろう」

この土地移転はTeslaにとって重要な一歩である。最近同社は、コスト上昇によりいわゆるギガファクトリー3の建設を加速する必要に迫られていると語った。Teslaは10月始めの製造・配送レポートで、関税や外洋貨物船の輸送コスト、さらには現地生産の電気自動車に与えられる金銭的インセンティブがないなどの理由により、中国で同社が不利な立場にあることを予告した。

水曜日にTeslaは、プロジェクトは北米でのModel 3生産で学んだ教訓を生かし、「資本の効率化と急成長」を期待していることを改めて宣言した。

Teslaは7月、同社が年間50万台の電気自動車の生産能力を持つという工場を作る計画について上海市当局と合意に達した。工事が始まってからTesla車の製造が可能になるまで、約2年かかる。「工場がフル稼働して年間50万台の車を製造できるようになるにはさらに2~3年が必要」とTesla広報が当時話した。

この上海工場事業は、海外企業による完全所有施設の建設、運用を認めるという中国政府の転換を意味している。従来海外企業が中国に工場を作るためには、現地パートナーと50-50のジョイントベンチャーを作る必要があった。

中国の習近平国家主席は、海外自動車メーカーの共同事業規則を2022年までに廃止すると言った。Teslaはこの規則変更の恩恵を受ける最初の事例となる。

契約は、Teslaが臨港地区で完全所有の工場を建設、運用することを認めている。新工場では、研究開発、製造、および営業活動が行われる。

しかし、依然として中国政府は関与するだろう。協力契約の下、中国政府とTeslaは電気自動車技術と産業の発展を協力して推進することになっている。上海市はGigafactory 3を支援すると言っているが、それが意味するところの詳細は希薄だ。

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ジレット、Formlabsと提携してカミソリのハンドルを3Dプリント

3Dプリンティングの製造利用は再三話題にはなるものの、本格的な応用例はほとんどない。GilletteとMIT出身のスタートアップ、Formlabsの提携から生まれたプロジェクトが、そんな興味深い未来のい可能性を垣間見せる。

たしかに、カミソリのハンドルのカスタマイズというのは目新しさ以上の何物でもないかもしれない。Invisalignの歯列矯正、人口装具、さらにはスニーカーと比べても革新的とは言えないが、もしスケーラブルになれば、多くの人の日々の生活の一部をなす製品に新たなレベルのカスタム化を加えられる可能性がある。

今のところGilletteの3Dプリントカミソリハンドルプログラムは、シェービングの巨人が個数限定で行っているパイロットプログラムにすぎない。価格は材質に応じて19ドルから45ドルまで。ユーザーはRazor Makerサイトを使って自分だけの特徴あるバージョンを作ることができる。ハンドルはGilletteのボストン本社にあるFormalbsの装置でプリントされる。

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Facebook、盗んだコンテンツのサイトをニュースフィードで降格

Facebookは、低俗なニュースパブリッシャーや他の情報源から不正に記事を転載するウェブサイトのランキングを下げる。本日(米国時間10/16)同社は、コンテンツの信憑性に関するこの新基準に加えて、クリックベイトや低俗広告満載のランディングページのサイトへのリンクを、ニュースフィードで目立たなくすることをTechCrunchだけに伝えた。これはFacebookが行ったアンケート調査と対面インタビューで、かき集めコンテンツをユーザーが嫌っているとわかったことを受けての動きだ。

不正入手された知的財産がニュースフィードで配信されにくくなれば、参照トラフィックが減り広告収入も減るので、悪党共が記事や写真やビデオを盗む動機づけがそもそもなくなる。その結果ウェブ全体でコンテンツの信憑性が改善される効果が期待できる。

そして、 最近起きたFacebookの大規模セキュリティー侵害によって2900万ユーザーが盗まれたプロィールデータが万一オンライン公開されたたときに備えて、Facebookはデータへのリンクをフィードから事実上排除するポリシーをすでに制定している。

Facebookの最新ニュースフィードポリシー変更によって降格されるタイプのサイトは、たとえばこれだ。”Latest Nigerian News” は、最近の私のTechCrunch記事を抜き取り、山のような広告で包み込んだ。

An ad-filled site that scraped my recent TechCrunch article. This site might be hit by a News Feed demotion

「当社は本日より、他サイトのコンテンツを複製、転載するだけで独自の価値を持たない低級なサイトにリンクする投稿を、ユーザーが見ることが少なくなるアップデートを公開する。これに伴い当社のパブリッシャー向けガイドラインを修正する」とFacdbookが低俗広告満載サイトの降格について書いた2017年5月の投稿への補遺書いた。Facebookは新しいガイドラインで、報道機関はコンテンツを転載する際に独自コンテンツや価値を付加しなければFacebookコミュニティーの怒りを買う、と警告するつもりだと本誌に語った。

個人的には、こうした話題に関する透明さの重要性を考えると、Facebookは元記事の更新だけでなく、新たな記事を書くべきだと私は思う。

さて、Facebookはどうやってコンテンツが盗まれたものだと決めるのか? システムはあるページのテキストコンテンツが他のあらゆるコンテンツと一致しているかどうか比較する。この一致の程度に基づいてサイトがコンテンツを盗んだかどうかを予測する。この予測値を、サイト見出しのクリックベイト加減やサイト広告の質と量と組み合わせて盗難コンテンツを決定する。

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Googleマップが電気自動車オーナー向けに充電ステーション情報を強化

火曜日(米国時間10/16)Google Mapsは、充電ステーションに関する情報をユーザーに提供するEV Charging機能をアプリに追加したと発表した。Google Mapsは数年前から充電ステーションを掲載している。しかし今回Googleは、提携ネットワークを利用してさらに多くのステーションを表示し、利用可能な充電ポート数や充電速度などステーション自身の情報も提供する。

ユーザーは”ev charging”あるいは”EV charging stations”などのキーワードを入力して近くの対応するステーションを探すことができる。

EV充電検索機能はAndroidおよびiOSでは火曜日から、デスクトップでは数週間いないに公開される。

現在Google Mapsは世界各地で充電ステーションに対応しており、TeslaとChargePointは全世界でサポートされている。米国では、さらにSemaConnect、EVgo、およびBlinkも対象になる。ChargeMasterとPod Pointは英国のGoogle Mapsに含まれており、ChargeFoxのステーションはオーストラリアとニュージーランドで表示される。

Google Mapsは,充電ステーションが設置されている商業施設、利用可能なポートのタイプ、充電速度、ポートの数などの情報を表示する。さらにユーザーは、写真、評価、レビュー、質問などドライバーから寄せられたステーションに関する情報も見ることができる。

この種の情報を提供サードパーティーはPlugShareを始めほかにもあり、これまで多くの電気自動車オーナーにとって必携の情報源だった。最近InnogyはPlugShareの親会社であるRecargoを買収した。

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大丈夫、あなたのTwitterはハックされていない

今日(米国時間10/16)iOSのTwitterユーザーが奇妙なバグに襲われた。ツイートそのものが入っているはずの通知の代わりに、受け取ったのは英数字の文字列だった。この問題はiOSユーザーだけに発生し、すでに解決済みであることを本誌は同社に確認した。

Twitterは、ユーザーからこの奇妙な通知について苦情を受けた後、速やかに対応した。

Twitter CEOのJack Dorseyは今日の12:42 PM ET、同社が問題を認識しており解決に努力していることをツイートした。

数分後、Dorseyが再びツイートし、問題が解決したことを伝えた。

本誌はTwitterに問題の詳細を問い合わせた。多くの人々がなぜ自分に届いた通知画面がこうなったのか不思議に思っていたからだ。

中にはこれが何らかのセキュリティー問題で、パスワードのリセットが必要なのではないかと懸念する向きもあった。

その後Twitterはこの問題は単なるバグであり、心配する必要はないと語った。

同社が本誌に紹介したサポートチャンネルのツイート(下図参照)には、問題が素人向きに説明されている。それによると、バグはiOS通知——具体的には”red bubbles”(アプリアイコンに付く通知数を表すバッジ)——のためのコードに関連するものだという。

通常はこれを「数字とコード」の形で見ることはない、とTwitterは説明した。

つまり @Jackが専門用語で言うところによると:システムは目に見えないバックグラウンド通知でバッジカウント(主に通知、DMなどの未読数)を送る。今回の問題はその通知が一時的に目に見えてしまったことによるものだ。正確な理由はわかっていないが、すぐに修正した」

いずれにせよ、問題は解決し、ハッキンクでもなかったので、みんな安心してよい。

フーッ。

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最短60秒、100円から加入できる「LINEほけん」がスタート

最近「LINE」のチャットを活用して様々なサービスをスピーディーかつ手軽に提供する仕組みが増えてきた。つい先日もLINE上でテイクアウトサービスの注文から決済までが完結する「LINEテイクアウト」(LINEが開発、2019年春に開始予定)を紹介したばかりだけれど、今回のテーマは“保険”だ。

LINE Financialと損害保険ジャパン日本興亜は10月16日、LINEアプリから損害保険に加入できるサービス「LINEほけん」の提供をスタートした。

LINEほけんは専用のアプリをインストールことなく、LINE上で保険に加入できるサービスだ。LINE内のウォレットタブからLINEほけんを選択することでアクセスが可能。加入するにはLINEほけんと「LINE Pay」双方のユーザーの登録が必要にはなるけれど、登録が済んでいれば「最短約60秒で保険加入に必要な全ての事項の入力を完了」する手軽さがひとつの特徴だという。

現在は全59にわたる商品プランを用意。1日単位から加入できる短期型の保険をメインに、お花見や夏祭りなどの季節のイベント、台風などの悪天候の際の保険、ボランティアや野外フェスの際の保険といった商品のほか、自転車保険や弁護士相談費用保険など年単位の保険も提供する。

保険料についても100円からの手ごろなプランが準備されていて(期間選択型における1日あたりの保険料と1年型における月額保険料を100円から用意しているという)、ユーザーはLINE Payを通じて支払う。

LINE Financialと損保ジャパン日本興亜は2018年4月に損害保険領域において業務提携を締結。損保ジャパン日本興亜の持つ保険に関するノウハウやデジタル技術の知見と、LINEのユーザー基盤や若年層へのリーチ力を生かしてスマホ特化型の保険サービスを開発するとしていた。

今後はLINEほけんで加入できる商品のラインナップを充実させるとともに、LINEならではのコミュニケーションとInsurTech(Insurance + Technology)を融合させた新たな保険サービスの開発にも取り組むという。

企業と人材エージェントをつなぐ「JoBins」が資金調達ーーエージェント間の“求人票シェア”機能も搭載

中途採用を行っている企業と人材エージェントをつなぐ求人プラットフォーム「JoBins」。同サービスを展開するJoBinsは10月16日、栖峰投資ワークスが運営するファンドを引受先とする第三者割当増資により4000万円を調達したことを明らかにした。

JoBinsは人材紹介業における課題解決に取り組むサービスなのだけど、いわゆる“転職サイト”ではなくB2Bのプラットフォームだ。つまり転職希望者が登録するタイプのものではなく、企業とエージェントの2者のみが使うシステムになっている。

人材を採用したい企業はJoBinsに求人票を掲載し、同サービスに登録しているエージェントからの推薦を待つだけ。エージェントを自ら開拓する負担がなく、料金も完全成果報酬のため「転職者を採用できないのに費用だけがかかる」ということがない。

一方のエージェントにとってはコストをかけずに新規求人企業を手に入れられる点が特徴。求人の閲覧や転職者の推薦は無料ででき、自社が保有する案件だけでは転職に至らなかった人材に適した求人を紹介するチャンスを得られる。転職希望者の視点で考えても、エージェントの取り扱う求人数が増えることはメリットだと言えるだろう。

当初からある通常プランは、上述した通り採用が決まった際に企業側が転職採用者の年収の約13%を支払うモデル。内訳は約10%がエージェントの収入、残りの約3%がJoBinsのサービス利用料となる(サービス利用料の最低金額は15万円)。

一般的にエージェントを利用して転職希望者を採用する場合、企業が負担する利用手数料は転職者の年収の30~35%にも及ぶ。JoBinsの場合はそのコストを1/3近くの約13%まで抑えている点が特徴だ。

またJoBinsでは7月より月額15万円からのプレミアムプランもスタートした。これはエージェント同士が自社の保有する求人票をサービス上でシェアできる仕組みで、全国のエージェントから転職希望者を集客できるのがウリ。他のエージェントがJoBinsにシェアした求人案件を取得して求人成約した場合には、エージェント同士で報酬を分配する。

JoBinsというプラットフォームを通じて、人材エージェント間で連携しながら求人成約を目指し、その利益をお互いでシェアするという新しい概念のサービスと言えそうだ。

2018年10月時点で同サービスの累計登録社数は1000社を突破。今後はエンジニア採用を強化して機能拡充に取り組むほか、マーケティングにも予算を投じる方針だという。JoBinsでは「2019年6月までにオンライン人材紹介プラットフォーム求人掲載数および登録企業数No.1を目指してまいります」としている。

マイクロソフト共同創業者ポール・アレン、65歳で死去

Microsoftの共同ファウンダー、Paul Allenが本日(米国時間10/15)午後シアトルで死去した。65歳だった。死因は非ホジキンリンパ腫合併症。

アレンが1986年に設立した非公開会社、Vulcanが公開した声明にこう書かれている、「深い悲しみとともに当社のファウンダー、Paul G. Allenの逝去を報告する。PaulはMicrosoftの共同ファウンダーであり、著名な技術者、篤志家、コミュニティービルダー、自然保護活動家、ミュージシャン、そして芸術の支援者だった」

彼の妹で長年VulcanのCEOを務めた実業家、Jody Allenも声明を発表し、兄について「あらゆるレベルで卓越した人物だった。Paul Allenは多くの人たちに技術者や慈善家として知られていたが、われわれにとっては愛する兄であり叔父であり類まれな友人だった。」と書いた。
「Paulの家族と友人たちは彼の知性、温かさ、寛大さ、そして深い懸念を体験する幸運に恵まれた。忙しいスケジュールの中、彼は常に家族や友人との時間を設けた。われわれ、そして多くの人たちの悲しみのときである今、彼が毎日行動で示していた気遣いと懸念に深く感謝している」

アレンは自身2度目の非ホジキンリンパ腫と戦っていた。体のリンパ系から発生するがんで、白血球の一種であるリンパ球から生じる腫瘍を引き起こす病気だ。

わずか2週間前、アレンは9年前に治療に成功したがんが再発したことを公表し、主治医は「よい結果になることに楽観的」であるとTwitterに書いた。

最近の数十年、アレンはさまざまな分野で知られていた。スポーツを愛し、音楽を愛し、それらに関連して、高価なおもちゃを愛し、そこから数多くのコレクションも築いた。

アレンは、アメリカンフットボール(NFL)チームのシアトル・シーホークスとバスケットボール(NBA)チームのポートランド・トレイルブレイザーズのオーナーであり、サッカーのメジャーリーグチーム、シアトル・サウンダーズFCの共同オーナーでもあった。極めて有能なギタリストだったアレンは、長年にわたり驚くほど多くのギターを収集し、その中にはジミ・ヘンドリックスやウディー・ガスリーが所有していた一ものもあった。

アレンの414フィートのメガヨット “Octopus” が、おそらく最も多くの見出しを飾っただろう——壮大なスケールだけでなく、その野心的探検によって。中でも有名なのが、2015年にアレン指揮の下、研究チームがこの船を使い、1944年に沈没した第二次世界大戦最大級の軍艦である日本の「武蔵」の残骸を発見したことだ。

当時アレンはCNNに、第二次世界大戦の歴史へ強い興味について、父親が米国陸軍に従事していたこと由来すると言い、「武蔵は間違いなく驚異のエンジニアリングであり、生粋のエンジニアとして私は、その建造に注ぎ込まれたテクノロジーと努力に深い敬意を持っている」と語った(さらにAllenは、少なくとも20機の第二次世界大戦の飛行機を一時期所有していた)。

その華麗な生活スタイルの一方で、アレンは慈善活動家としても知られており、最近ではシアトル市役所に3000万ドルを寄付し、ホームレスや低所得家族94世帯を収容する共同住宅の建築に貢献した。2010年にはGiving Pledgeキャンペーンに参加し、財産の半分以上を供出した。彼の最近の純資産は約200億ドルと推定されている。

アレンがMicrosoftを離れた1983年、彼は初めて非ホジキンリンパ腫と診断された。近年にはより治療可能な疾患となったが、早期に発見されないと死に至るか、呼吸障害、感染症などの原因となる。

アレンが初めて共同ファウンダーのビル・ゲイツと出会ったのは、ふたりがシアトルのレイクサイドスクール通っているときだった。アレンは当時14歳、ゲイツは12歳だった。その後10年以内に彼らはMicrosoftを作ったが、アレンが会社を去る頃までに、ふたりの長い友情はぼろぼろになっていた。

実際、2011年にアレンは自叙伝を出版し、その中でゲイツを要求が多く対立的な性格だと評し、アレンががんと戦っていた1982年には、ゲイツと後のMicrosoft CEO Steve Ballmerが「私を陥れる計画」を企んでいたと書いた。

ゲイツとアレンは後に和解したと見られ、2013年には1981年当時の2人が写った古い写真の再現までしてみせた。

画像クレジット:Paul G Allen Foundation

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Adobe、Photoshop CCのiPad版を発表

Adobeが同社の Creative Cloudアプリを近代化して、あらゆるプラットフォームに持ち込もうとしていることは周知の事実だ。本日(米国時間10/15))同社は、ロサンゼルスで行われたMaxカンファレンスで、Photoshop CCのiPad版を正式にアナウンスした。

残念ながら今すぐ試すことはできないが、2019年になったら、あらゆる画像をiPadでレタッチできるようになる。そして、当初はデスクトップ版の全機能を使うことはできないが、今後追加していく予定だとメーカーは言っている。

あらゆるAdobe製品がそうであるように、Photoshop for iPadは他のあらゆるバージョンのPhotoshopと互換があり、PSDに加えた変更はデバイスを横断してすべて同期される。ユーザー体験が一から再構築され、タッチ用にデザイン変更されているのも驚きではない。標準Photoshopの画像編集ツールとレイヤーパネルのほとんどが実装される。もちろん、デジタルスタイラスにも対応している。

iPadバージョンはデスクトップ版Photoshopとコードベースを共有しているため、「機能やパフォーマンスや編集結果に妥協は一切ない」とAdobeは言っている。

しかし現時点でPhotoshop CC iPad版についてわかっていることは、これくらいだ。これ以上は2019年まで待つしかない。もっとも、知っておくべきことはおそらくこれだけだ。Adobeはずっと以前から、ユーザーがどこにいても作業ができるようにしたい、と言ってきた。当初それは、大きなCreative Cloudエコシステムと同期する、機能に特化した数多くの小さなアプリ群のことを意味していたが、今はPhotoshopのような巨大アプリのフルバージョンをモバイルで動かす方向にシフトしているようだ

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ホーキングのブラックホールに関する最終論文がオンライン公開された

スティーヴン・ホーキングは今年76歳で死去したが、彼の驚くべき知性の科学界への貢献はまだ終わっていない。著名な物理学者の最終論文がオンラインで誰にでも読めるように公開され、博士の輝かしい経歴を明らかにした物質界の謎を振り返ることができる。

Black Hole Entropy and Soft Hair“[ブラックホールのエントロピーと柔らかい髪]と題されたその論文は、ホーキング博士と共同研究者のSasha Haco、Malcolm Perry、およびAndrew Stromingerの共著による。論文保存公開サイトのArXivから無料でダウンロードが可能で、ホーキングへの心のこもった賛辞も載せられている。

「私たちは最愛の友で共同研究者だったスティーヴン・ホーキングを亡くし深い悲しみにくれています。ブラックホール物理学に対する博士の貢献は、最後の最後まで絶大な刺激を与え続けるでしょう」

この論文は、ホーキングの経歴にとって一種のブックエンドといえるものであり、ブラックホールの量子構造に関する博士の最近の業績が集められている——ホーキングが 過去40年間追究してきたテーマだ。

ホーキングの最終論文が、物理学最大の未解決問題の一つへの挑戦となったことは実にふさわしいことだ。その問題は博士自身が提起したものでもある:ブラックホールに落ちていく物体は本当に消滅するのか、たとえ物理の法則がそれを不可能だとしていても? このパラドックスが悩ましいのは、量子力学の法則と一般相対性理論の法則を戦わせることになるからだ。

論文中ホーキングらは、「柔らかい髪」と呼ばれるものがその矛盾を解決することを示唆している。「髪」とは」とはブラックホールの縁である事象の地平線に存在する光子を意味している。柔らかい髪バージョンの事象においては、ブラックホールの縁にあるその「髪」が、ブラックホールに落下した物体に関する情報を保管する。これは、物質に付随していた情報は宇宙から消滅したのではなく、見かけ上の地平線の彼方に消えたように見えるだけであることを意味している。

「これは道半ばの一歩であり、決して完全な答えではない」と共同研究者のMalcom PerryがGuardianに語った。「これまでより若干パズルの数は減ったが、厄介な問題がいくつか残っていることは間違いない」

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分散型キッチンのPilotworksが廃業

Pilotworks。分散型キッチンサービスとしてCampbell’s Soup Co.の投資部門などから1300万ドルのベンチャー資金を調達していた同社が店じまいする。昨日同社はこのニュース伝える短い声明をウェブサイトで公開した。

Pilotworksが閉業しても、ほかのスタートアップが、大手チェーンや新たなフードコンセプト向けに分散キッチンを益々アピールしている。

Pilotworksは、既存のチェーンよりも新しい外食起業家に焦点を絞ったたために、思ったほどのスケールを実現できなかったと思われる。

今年6月、Pilotworksの共同ファウンダー・CEOのNick Devaneが辞任し、COOのZach Wareが引き継いだとThe Spoonが報じた。

その後の一か月にかけて、同社はロードアイランド州プロビデンス、ポートランド、メイン州などの施設を縮小、閉鎖していった。

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MakerPhoneは100ドルの携帯電話組み立てキット(要はんだ付け)

暇な日曜日を潰す面白い電子工作キットはいくらでもあるが、こいつは手元に携帯電話が残る。MakerPhoneはKickstarterで資金を募っているキットで、いくつかの基板と部品を組み立てて動作する携帯電話を作れる。しかもそのルックスは予想以上にとっぴだ。

およそ100ドルで、メインボード、ケース、LCD、無線モジュール、プロセッサーなど、最小限のスマートフォンを作るのに必要なものが手に入る。これを使ってInstagramを見ることはできないが、電話をかけたりテキストを送ったりSnakeをプレイすることだってできる。それでこと足りていた頃を思い出してみよう。

もちろんこれは専用に作られたハードウェアで、部品を1個ずつ組み合わせていくのではないが、単なるプラグアンドプレイでもない。はんだこてとニッパーと、ちょっとPythonをかじる必要がある(美味なニシキヘビ[python]肉ではなく、プログラミング言語のPython)。

MakerPhoneのマイクロコントローラーはArduino互換なので、改変や拡張もできる。しかし作者は(かつて似たようなDIYハンドヘルドゲーム機を販売していた)、作るために経験は一切必要ないと言っている。まったくの基本から教えてくれて、必要なツールを揃えられるプレッジのコースもある。

ごついUIも気に入っている。私は大きなピクセルが好きなので。嘘ではない。

たしかにこれは、あなたが日々使う端末にはならない(巨大だ!)だろうが、楽しいプロジェクトだし、ちょっと変わった家庭用メッセージングマシンにはなるかもしれない。わからないけど。クリエイティブになろうじゃないか!

MakerPhoneはすでに1万5000ドルのゴールを優に達成していて、そのほとんどが89ドルのアーリーバードコースをみんなが買い尽くした結果だ。しかしまだ94ドルのコースがたくさん残っている。ツールキット付きは119ドル。

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毎秒10兆フレームのカメラは光をスローモーションで捕らえる

光は宇宙で一番速いので、その動きを捕まえることは必然的に困難だ。これまでに成功例はいくつかあるが、カリフォルニア工科大学の科学者たちが作った新しい装置は、10兆フレーム毎秒という度肝を抜く速さを実現した。これは光が進むところを捕獲できるという意味だ——しかも彼らはこれを100倍速くすることを計画している。

光の動き方を理解することは、数多くの分野にとって基本的なことなので、Jinyang Liangらを衝き動かしたのは単なる好奇心だけではなかった——そうだとしても何の問題もない。しかし、物理学や工学、医学には、スケールが小さく短いすぎて測定が非常に困難な光の振る舞いに大きく依存する潜在用途がある。

秒間10億フレームや1兆フレームのカメラについて聞いたことがあるかもしれないが、その殆どは「ストリーク・カメラ」と呼ばれ、一種のズルをして数字を達成している。

T-CUPシステムが光のパルスを捕獲する。

光のパルスを完璧に再現できれば、パルスを1ミリ秒毎に放ち、カメラのキャプチャー時間をさらに短い時間、たとえば数フェムト秒(ミリ秒の10億分の1)に設定することができる。1つのパルスをここで捕獲し、次のパルスを少し先で、その次はさらに先でという具合に捕獲する。こうした作られた動画は、いろいろな意味で最初のパルスを高速で捕獲したものと区別がつかない。

これは非常に効果的だ——しかし厳密に同じ光のパルスを100万回放つことは常に可能というわけではない。注意深くレーザーエッチ加工されたレンズが最初に衝突したパルスによって変形されてしまうという状況下で、パルスがレンズを通過する際に何が起きるかを見る必要があるかもしれない。その場合、最初のパルスをリアルタイムで捕獲しなくてはならない——即ち、画像をフェムト秒精度で記録するだけでなく、フェムト秒〈間隔〉で記録するという意味だ。

Simple, right?

T-CUPメソッドのやっているのがそれだ。ストリークカメラにもう一台の固定カメラとトモグラフィーで用いられている技術を組み合わせている。

「フェムト秒ストリークカメラを使うだけでは画質に限界があることはわかっていた。そこでわれわれはこれを改善するために、静止画像を撮影する別のカメラを追加した。両方の画像を組み合わせることで、ラドン変換と呼ばれる手法を利用して高品質の画像を秒間10兆フレーム記録することが可能になった」と、共同研究者のLihong Wangが説明した。

ともあれこの方法によって、わずか100フェムト秒間隔で画像——専門用語では時空間データキューブ——を捕獲できる。これは1秒間に10兆フレームに相当するが、1秒に10兆個のデータキューブを1秒間記録できる速さのストレージアレイは存在しない。このため、今のところ連続して捕獲できるフレーム数は限られている——ここで見ることのできる実験では25フレームだ。

この25フレームは、1フェムト秒長のレーザーパルスがビームスプリッターを通過するところを映し出している——このサイズでは光がレンズ自身を通過する時間も無視できないことに注意されたい。それまでを計算に入れなくてはならないのだ!

このレベルの精度をリアルタイムで実現した前例はない。しかしチームの仕事はまだ終わっていない。

「われわれはこのスピードを1000兆(10の15乗)フレームまで上げられる可能性をすでに発見している!」とLiangがプレスリリースで意気込んでいた。光の振る舞いをこのスケール、この精度で捕獲することは、わずか数年前には想像もできなかった。これは物理学や新種材料のまったく新しい分野を切り開くものだ。

Liangらの論文は今日のLight誌に掲載されている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

CommonSense Robotics、最初の超小型自動出荷センターを開設

イスラエルのスタートアップ、CommonSense Roboticsは、初めての全自動マイクロ出荷センターをテルアビブに開設した。6000平方フィート(557平米)の小さな倉庫には床から天井まで製品が積まれている。製品の配送が決まったらあとはロボットが重労働を引き受ける。。

TechCrunchはCommonSense Roboticsのテスト用配送センターのビデオを撮影した。今日の新しい倉庫はこれよりもずっと大きいが、Amazonの倉庫よりはずっと小さい。同社初の顧客はイスラエル最大の薬局チェーン、Superpharmだ。

CommonSense Roboticsは、都市部の食料雑貨小売業者に対して、注文から1時間以内で配送できると売り込んでいる。現在の小売業者は、店舗を活用するか、郊外に巨大な倉庫を持つかのどちらかだ。

CommonSense Roboticsを利用すれば、都市内のそう遠くない場所に小さな配送センターを複数配置することが考えられる。注文が入るとロボットがすぐに倉庫内の棚を移動して商品を取り出す。中央サーバーが全ロボットをリアルタイムに制御して経路を最適化する。こうすることで人間はスキャニングステーションに居て、自分は移動することなく注文をさばくことができる。

CommonSense Roboticsは出荷センターの仕事を受け持つ。Eコマース小売業者は同社に料金を払って出荷センターの開設と管理を依頼する。こうして小売業者は在庫管理と配送のラストワンマイル(最終区間)に集中することができる。

すでに同社は、イスラエルの食料雑貨小売業者、Rami Levyと12箇所の配送センターを作る契約を結んでいる。さらに、2019年には米国でも複数のセンター設立を計画している。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Apple App Store、Q3売上がGoogle Playを93%上回る

AppleのApp StoreとGoogle Playの売上はこれまでも常に開きがあった。しかし2018年第3四半期、それが大きく広がった——おそらくこれまでで最大だ。Sensor Towerの最新レポートによると、同四半期にApple StoreはGoogle Playより93%多い売上を記録した。これは少なくとも2014年以降では最大の差だ(Sensor TowerがGoogle Playのデータを追跡し始めたのが2014年だった)。

同社によると、2018年Q3に生み出されたモバイルアプリ売上182億ドルのうち、約66%がAppleのApp Storeによるものだった。同社の四半期売上は120億ドルで前年同期の97億ドルから23.3%増えた。

一方同四半期のGoogle Playの売上は62億ドルで、一年前の51億ドルから21.5%伸ばした。

Sensor Towerの両ストアを合わせたトップセールスアプリのランキングを見ると、依然として定期購読が売上増に貢献している。Netflixは非ゲームアプリのトップセールスを3期連続で達成し、両プラットフォーム合わせて推定2.437億ドルを稼いだ。TinderとTencent Videoがそれぞれ2位と3位を守った。

モバイルゲームの利用も売上成長を後押ししており、同四半期の売上は前年比14.9%の138億ドルだった。これは同期の両プラットフォーム全アプリ売上の76%を占め、85億ドルがApp Storeから53億ドルがGoogle Playによる。

しかしながら、アプリのダウンロード数では、Google Playが依然リードしている。これは新興国市場で低価格Android端末が急速に普及したことが理由だとレポートは書いている。両ストア合わせたアプリのインストール数は271億件で2017年Q3の244億件から10.9%アップだった。

最多ダウンロード数アプリのランキングもQ3に大きく動いた。Bytedanceのショートビデオアプリ、TikTokがMusical.lyを吸収したためだ。統合の結果TikTokは、対前期比15%増、対前年比440%増で世界第4位のアプリとなった。

これで同アプリはQ3のアプリダウンロード数でInstagram(第5位)とSnapchat(第10位)の両方を上回り、Bytedanceはソーシャルアプリ市場でより重要なプレーヤーになるための地盤を築いた。

Sensor Towerのレポート全文はここで読むことができる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Gunosyがインドのオンラインレンタカー最大手「Zoomcar」に出資

Gunosyは10月10日、7月に設立した投資育成事業を担う子会社Gunosy Capitalを通じて、オンラインレンタカー事業を展開するインドのスタートアップ「Zoomcar」に出資したことを明らかにした。出資額などは非公開。Gunosy Capitalにとっては初めての投資になるという。

Zoomcarは現在インド内で25都市を超える拠点を持つ、同国では最大手のオンラインレンタカー事業会社だ。米国発の「Zipcar」に近いモデルで、Zoomcarに登録されている車を検索・予約、解錠、支払いまでアプリ上でできる仕組み。Gunosy Capitalによると、世界と比べても車の所有率が低いインドではオンラインのカーシェアリング事業が新しい解決策として受け入れられているという。

米国版のTechCrunchでは何度か取り上げているスタートアップで、2月の記事では29都市で展開、270万人のユーザーが登録し、クルマの保有台数は3500車にのぼると紹介している。これまで同社にはFord Smart MobilityやSequoia Capitalらが出資をしていて、Crunchbaseによると累計の調達額は1億ドルを超える。

インドと言えば経済の成長が著しい国としてよく知られるが、成長率は今後3年間で年率7%以上にまで上昇する見込み。2025年までに5兆ドルに達すると予想されているほか、その後も成長は続き2050年には米国を抜いて世界第2位になるとも言われている。

Gunosy Capitalでは注力領域のひとつに「シェアリングエコノミー」をあげているが、今回は車×シェアリングエコノミー(ちなみにZoomcarでは自転車のシェア事業も展開している)という領域に当てはまることに加え、インドという国自体もこれから大きな成長が見込まれることが出資の背景にあるようだ。

同社取締役の間庭裕喜氏は「カーシェアは今後大きな成長を遂げる可能性のある市場のひとつ」とした上で、今後インド以外の国で同様の事業を展開するスタートアップにも投資をする可能性はあると話していた。