SIMハイジャック犯、仮想通貨アカウントから数十万ドルを強奪。2要素認証を悪用?

eng-logo-2015米フロリダ州の警察当局が、SIMハイジャックにより複数の州での犯行に関与した人物を逮捕したことが報じられています。

被疑者の部屋からは、7つの州で7人の被害者を出したSIMカードが発見されたとのこと。身元の偽装や、仮想通貨アカウントから数十万ドルが盗まれるなど、被害額の大きさや犯行の手口が伝えられました。

SIMハイジャックとはSIMカードの乗っ取りのこと。まず犯罪者はSIMカードを紛失したと通信キャリアに届け出て、自分のSIMカードに電話番号を転送してもらうか、新たなSIMカードを発行してもらうよう手続きします。

これが成功すると、新たなSIMカードのみが有効となり、被害者は事実上SIMを失うという仕組みです。特に高度なツールを使うわけではなく、「被害者のフリをして騙す」詐欺の手口と変りません。そうした手軽さのためか、アメリカでは被害者の増加が報じられていました。

裁判所の記録によると、ミシガン州在住の被疑者の母親が、息子がAT&Tの従業員になりすましていると知って警察に通報したとのこと。捜査当局は被疑者の部屋とPCを捜索し、複数のSIMカードや携帯電話とともに名前や電話番号のリストを見つけたと述べられています。

被疑者および少なくとも8人もの犯行グループは、時には通信キャリア会社の従業員と共謀して、偽のSIM交換請求を成功させ、犯行に使う携帯電話に番号を移し替えたとか。つまり、SIMハイジャックで最もハードルが高い「被害者の身元を偽る」を、キャリア側の人間を巻き込むことでクリアしたようです。

これにより、電話番号と紐付けられた仮想通貨アカウントから数十万ドルを盗み出したとのこと。警察は盗んだ仮想通貨のうち10万ドル以上が資金洗浄されたと発表していますが、被疑者はその件については無罪を主張しています。

仮想通貨やSNSなど、セキュリティ確保のために携帯電話による2要素認証を利用するサービスは増えていますが、それが逆用されてパスワードが盗まれたり、アカウントが乗っ取られる可能性が高くなっています。

SIMハイジャックによりInstagramやAmazon、Netflixなどのアカウントが奪われたという事件も、すでに珍しくなくなっています。本格的な対策が取られるまでは、手元の携帯に不審なメッセージがないか注意し、あった場合は迅速に対応するしかなさそうです。

Engadget 日本版からの転載。

Facebook、米国フォロワーの多いページのセキュリティーを強化

本日(米国時間8/12)Facebookは、多数の米国人フォロワーをもつFacebookページの安全を強化し,偽アカウントや乗っ取ったアカウントを使ってページを運営することを困難にする新しい規制を実施する。米国に多くのフォロワーをもつ人々を皮切りに、一部のFacebookページではPage Publising Authorization(ページ発行承認)プロセスの通過が必要になっている。Page管理者は自分のアカウントのセキュリティーを確保し、位置情報の検証も行わなければならない。

手続きは数分で終わるとFacebookは言っている。この承認が必要なページの管理者は、ニュースフィードのトップに通知が表示されプロセスを開始するよう誘導される。

承認プロセスを拒否すると、ページに投稿できなくなるとFacebookは言っている。規制は今月から適用が開始される。

ページ管理者がクリックしていくと、なぜこれか行なわれていて、どんなステップがあるのかを説明するメッセージが表示される。アカウントの安全を確立するために、Facebookはページ管理者に二要素認証の利用を要求する。こうすることで第三者に乗っ取られる可能性が小さくなり、これはページ管理者に限らず全Facebookユーザーがとるべき最善の行動でもある。

さらにページ管理者は自分の位置情報も検証する必要がある。これに基づいてページの主要所属国が設定され、6月に導入された新しいページ情報タブに表示される

Facebookは、そのページを管理している人たちの属する国を一覧表示し、それぞれの国から管理者が何人参加しているかも表示する。

また、ページ履歴にはそのページが他のページと統合された時期も表示される。

同社によると、新しいポリシーはまず米国内ユーザーの多いページに適用され、Instagramでも近く同様の規定が実施される。Instagramでは、フォロワー数の多いアカウントに関して、より詳細な情報を見られるようにする。

「目的は、組織や個人が自らの素性や行動内容を偽ってアカウントを作るのを防ぐこと」とFacebookの発表リリースに書かれている。「今回の変更は、Facebookページの信憑性と透明性を高めるための継続的取り組みの一環である」。

今回の変更は、中間選挙に向けてロシアが選挙妨害に関与している可能性をFacebookが発見したことを受けたものだ。同社はこの発見に基づき、Facebookページ8件、Facebookアカウント17件、およびInstagram アカウント7件を削除した。

多数の米国人ユーザーと繋がっているFacebookページの安全性と管理状態の透明性を高める今回のポリシー変更は、Facebookにできる行動として良い第一歩と言える。それでも、民主主義を破壊し、分裂をうながそうと企む連中は、いずれこうした規制の抜け穴を見つけるのだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Federacyが目指す、スタートアップでも使えるバグ報奨金プログラム

Y Combinator Summer 2018クラスのメンバーであるFederacyは、とても小さなスタートアップでも、バグ報奨金プログラム(見つけたバグによって謝礼を支払う制度)を利用できるようにすることが使命だと考えている。

従来からあるBugcrowdやHackerOneなどが提供するバグ報奨金プログラムは、より大きな組織向けに提供されてきた。それはそれで意義のあるものだったが、双子であるWilliamとJames Sulinskiの2人は、市場にはギャップがあることを感じていた。すなわちそうしたサービスが重要な意味を持つ小規模な組織が閉め出されていることだ。彼らはバグ報奨金プログラムをつくり、外部のリサーチャーたちを知らずともプログラムに簡単にアクセスできるようにしたいと考えた。それがFederacy誕生の動機だ。

「プラットフォームを自由に設定できるようにして、驚くほどシンプルにすることで、最もリソースの厳しいスタートアップに対しても、価値を引き出す上で最大のインパクトを生み出すことができると考えています。そうすることで、現在はBugcrowdやHackerOneなどを介して、数百社程度の会社が採用しているだけの報奨金プログラムを、将来的には100万以上の会社が採用できるものへと広げたいと思っています」と、William SulinskiはTechCrunchに語った。

これは野心的な長期目標だが、現時点ではまだ着手した段階に過ぎない。実際兄弟は、2、3ヵ月前にY Combinatorに参加したときから、プラットフォームの構築を始めたばかりだ。一度動く製品を作ったあと、彼らは仲間たちを使い、知識のある友人たちをセキュリティ研究者と見立てて、テストを始めた。

彼らは先週初めて、Hacker News上でサービスを公開し、すでに120件以上の登録があったことを報告している。彼らの目標は、年末までに1000件の登録を集めることだ。そうなれば数の上で最大のバグ報奨金プラットフォームになると、Williamsは言う。

スクリーンショット提供:Federacy

現時点では、彼らはプラットフォームに参加する全てのリサーチャーを審査しているところだ。もちろんこのアプローチを永遠に続けることはできないと認識しているものの、少なくともプラットフォームを構築している初期段階では。彼らはアクセスに対するコントロールを手にしていたいと考えている。彼らは、リサーチャーたちがエコシステムにもたらす価値を認識しており、特に注意を払う予定だ。

「リサーチャーたちを尊敬し注意深く扱うことは本当に大切です。こうした人たちは信じられないほどスマートで貴重ですが、しばしば適切な扱いを受けていません。大事なことは、彼らが報告を行ったときに、きちんと対応することなのです」Sulinskiは説明した。

スクリーンショット提供:Federacy

将来的にも、兄弟はプログラムの構築とプラットフォームの開発を続けていきたいと考えている。彼らが持っている一つのアイデアは、クライアントが特定のリサーチャーとの関係をもち、その個人と契約したい場合には、手数料を得るということだ。また各報奨金のわずかな部分を収益として得ることも計画している。

典型的なYCの参加者とは異なり、兄弟は30代半ばと少々高齢で、20年以上にわたる職業経験を身に付けている。 片割れのJamesは、2013年にTwitterが3億5,000万ドルで買収したモバイル広告プラットフォームMoPubのエンジニアリング責任者だった。それ以前には、Facebookが2010年に買収したファイル共有サイト、drop.ioのインフラストラクチャの構築を手伝っていたこともある。Williamの方は、AccelGolfとPistol LakeのCEO、そしてSharehololicの創業メンバー兼プロジェクトリーダーを務めた。

幅広い経験を持ってはいたものの、兄弟はY Combinatorが彼らに提供した実用的なアドバイスに価値を見出し、その鼓舞する雰囲気に気が付いた。「先人たちが、このプログラムの中で作り上げてきた。素晴らしいものたちに対して、畏敬の念を抱かずにいることは難しいことです」とWilliamは語った。

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(翻訳:sako)

画像クレジット:Matt Anderson Photography / Getty Images

TechCrunch Tokyoの目玉「スタートアップバトル」今年も登壇企業を募集開始

TC Tokyo 2017のスタートアップバトルで最優秀賞を獲得した、空 代表取締役の松村大貴氏

11月15日、16日に開催するスタートアップの祭典「TechCrunch Tokyo 2018」。今日はみなさんに、このイベントの目玉企画であるスタートアップバトルの応募開始をお知らせしたい。

スタートアップバトルは、創業3年未満のスタートアップがみずからのプロダクトやサービスをプレゼンするピッチバトルだ。壇上にあがる起業家たちの表情は真剣そのもの。投資家や大企業の新規事業担当者も多く参加するTechCrunch Tokyoでは、このピッチバトルをきっかけに出資が決まったり、優秀な人材の採用につながることも少なくないからだ。

例年、スタートアップバトルには100社以上のスタートアップから応募があり、その中から事前の書類審査を通過した約20社が本戦に進む。ファーストラウンドはイベント初日の11月15日に開催され、それを勝ち上がったスタートアップが2日目のファイナルラウンドでピッチを行う。もちろん、最終的に“優勝”という名誉を勝ち取れるのはたったの1社だけだ。

2017年のスタートアップバトルで優勝したのは、ホテル向け経営分析ツールを提供する空だった。彼らは今年7月には1億7000万円の資金調達も発表し、利用顧客数も1500社を超すなど、その後も順調に成長を続けているようだ。

ちなみに、空は7月の資金調達ラウンドでマネックスベンチャーズからも出資を受けているが、昨年のTC Tokyoで審査員を務めていたマネックスグループ代表取締役の松本大氏とイベント当日に話をしたことがきっかけになったのだとか。

正直、スタートアップが成功するための必要条件に「ピッチイベントでの優勝」が入っているかどうかは分からない。でも、スタートアップバトルへの参加によって生まれた“出会い”はあるはずだし、今年の出場を検討している画面の前のあなたにも、今日からそのチャンスの扉は開かれている。

みなさんの応募を心待ちにしている。

[応募資格]

  • 未ローンチまたは2017年10月以降にローンチしたデモが可能なプロダクトを持つスタートアップ企業であること。
  • 創業年数3年未満(2015年10月以降に創業)で上場企業の子会社でないこと。

[書類審査員]

  • 有安伸宏氏 起業家・エンジェル投資家
  • 今野穣氏 グロービス・キャピタル・パートナーズ パートナー、Chief Operating Officer
  • 澤山陽平氏 500 Startups Japan マネージングパートナー
  • 西田隆一氏 B Dash Ventures ディレクター
  • 田島聡一氏 ジェネシア・ベンチャーズ ジェネラル・パートナー
  • 和田圭祐氏 インキュベイトファンド 代表パートナー
  • 吉田博英 TechCrunch Japan 副編集長
  • 木村拓哉 TechCrunch Japan 編集記者
  • 菊池大介 TechCrunch Japan 編集記者

応募はこちらから

シェフと企業をマッチング、Green Dining運営がシードラウンドで2000万円を調達

企業向けに、会議やちょっとしたパーティーのためのお弁当やオードブルを届けてくれるケータリングサービス。古くは仕出し弁当として提供されてきたサービスだし、今では「ごちクル」のようにウェブでサービス展開するものもたくさんある。

そんな中で今日紹介する「Green Dining」は、料理を発注するというのではなく、料理人と企業やイベントをマッチングする、というプラットフォーム事業だ。

Green Diningを提供するグラアティアは8月13日、ゼロワンブースターSGcapitalほか複数の個人投資家を引受先とした約2000万円の資金調達を発表した。同社は2017年8月、ゼロワンブースターがキリンとともに運営する「KIRINアクセラレター2017」で優秀賞を受賞している。

グラアティアは2016年11月の設立と同時にGreen Diningの運用をスタートした。グラアティア代表取締役の竹内恵子氏はIBM、Microsoft、Amazonと外資系IT企業に所属してきた人物。同じく外資系IT企業を経験してきた共同代表取締役の新垣道子氏とAmazonで知り合い、「食」と「場」を提供するサービスを提供したい、とこの事業を立ち上げた。

竹内氏はGreen Diningのサービスについて「はじめから企業向けとして設定した」と話す。「家庭へシェフを呼ぶ、というサービスもあるが、家庭にはキッチンもあるし、サービスとして企業が間に入るメリットはあまりない。BtoBで大きな会をターゲットにすると、運営も難しいので需要があるし、(間に入ることで)特別感のある料理やイベントを提供することができる」(竹内氏)

大手企業で法人の顧客に相対してきた経験もあり、企業のニーズを捉えることにも長けていた、という竹内氏。「サービスを提供していく中で、企業がどうすればより使いやすくなるかもわかってきた」と話している。

また、マッチングする一方の先となるシェフのニーズも見えてきた、と竹内氏はいう。「フリーのシェフとして働いている人も多いが、中にはレストランをやっている人も。いずれも“店舗”にこだわらずに腕を振るいたい、プロの料理人だ。そうした人たちがビジネスをやりやすくするためのプラットフォームとしてサービスを提供していきたい」(竹内氏)

Green Diningが目指すのは、従来型の「ザ・ケータリング」ではない、と竹内氏。「企業にとって、社員のコミュニケーションやオープンイノベーションを生み出すような、料理と場を提供するのが我々のサービス。商談に使いたい、という企業や、食を使ったビジネス創出についても相談を受けるようになった」と話す。

これまでに累計約1万5000人が、企業のネットワーキングイベントや祝賀パーティー、社内イベントなどで、その料理を楽しんできているというGreen Dining。1回あたりの参加者数は30人から1700人と幅広い。「1000人を超すような会では、シェフ1人では回らないので、数名のチームを用意するなど、Green Diningでプロジェクトマネージメントも行っている」そうだ。

これまでの約1年半は、市場の需要を見ながらマニュアルで運営されてきたというGreen Dining。竹内氏は「今までは事業のベースづくりのため、いろいろと試しながらやってきた。資金調達を機に、エンジニア増強、プラットフォームシステムの構築を行っていく」と述べている。

Twitchがコミュニティを閉鎖する予定

Twitchのコミュニティにさよならを言おう。ゲームストリーミングサービスのTwitchは、まだサイトに導入して日の浅いこの機能を間もなく停止する。その引き換えに導入されるのがタグシステムだ。この変更によって、ユーザーは、視聴したい種類のストリーム(配信)を見つけやすくするために、ディレクトリやブラウズページ内のタグによってストリームをフィルタリングすることができるようになる。

Twitchによれば、コミュニティの閉鎖とタグの追加は、9月中旬に予定されている。

Twitchがユーザーのユニークな関心をより良く満たそうと、コミュニティを立ち上げたのは昨年のことだ。たとえば、レトロなゲームといったゲームタイプや、スピードランニングなどのアクティビティタイプによって、独自のコミュニティを作ることができた。またFortnite Battle Royale、PUBG、そしてLegends of Legendsなどのタイトルを中心としたコミュニティや、音楽、絵画、料理、コスプレといったクリエイティブな活動に焦点を当てたコミュニティもある。

しかし、Twitch自身が成長し、ストリーマー(配信者)やコミュニティの数が増えるにつれて、このシステムは段々と役に立たないものと化していた。Twitchは、今では異なるコミュニティ間、あるいはコミュニティとゲーム間に、多くの重複が生まれていると述べている。

これは、部分的にはコミュニティのオープンな性質に起因するものだ。似通った名前のコミュニティが沢山あり、ひと目でお互いがどう違うのかを示す良い手段は存在していない。

「もともとコミュニティは、視聴者のみなさんが、見るべきものを決める手助けをするための、情報提供ソリューションの1つでした。しかし視聴者のみなさんが、興味のあるディレクトリの中をブラウズしても、そうした情報を見つけることはできなかったのです」と同社は発表の中で述べている。

また、コミュニティはメンバーたちをストリームの視聴へと向かわせていないことも判明した。実際Twitchの視聴者の中で、コミュニティの機能を通してストリームの視聴へとやってきた者の割合は3%以下だったのだ。これは、発見機能としてのコミュニティがほぼ失敗に終わっていることを示している。

Twitchは、タグの実装によって発見機能が改善されることを期待している。

同社は、9月中旬にサイトにタグ機能を追加すると発表しており、Twitchのディレクトリページ、ホームページ、検索、チャンネルページを含むあらゆる場所で、ストリームを特定するためにタグが用いられる。メインのDirectoryページと、Browseページでも、タグによるフィルタリングを行うことができ、また一部のタグは自動生成される。

Twitchによれば、ゲームジャンルのようなタグと、自動検出できるゲーム内機能といったタグは自動的に追加されると述べている。しかしタグの大部分はストリーマー自身によって選択されるものだ。念のために強調しておくが、これは勝手に作って良いタグではなく、あくまでも選択されるものなのだ。

とはいえストリーマーたちが、新しいタグを提案することはできるようになる。

これらのタグは、ビデオのサムネイル、ストリームのタイトル、ストリーミングされるゲームやカテゴリの横に表示される。

この変更は、大量の情報にアクセスするために使用されるポータル的インターフェイスの限界を証明するものだ。すなわち好きなものを探すために特定のセクションをブラウズし、その結果をスクロールしていくことは、多大な時間を使いすぎるのだ。長期的にはそれほど役に立たない。この場合、タグ付け機能を使用することで、ユーザーは情報をフィルタリングして、膨大なTwitchストリームの中から好きなものを見付けることができるようになる。

そうは言うものの、すべてのTwitchユーザーがこの変更を歓迎しているというわけではない。しかし、変更を喜ぶものもいれば、用心深くながらタグに楽観的なものもいる。

Twitchによれば、タグ付けはまずWeb上で開始され、モバイル上にその機能を展開する前に、足りないタグに関するフィードバックの聞き取りを行う。

9月中旬となっている開始日は変更される可能性はあるが、現在のところはそこが目標だ。

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(翻訳:sako)

Facebook、他ユーザーに経済的脅威をあたえる投稿も削除へ

Facebookが削除するのは、暴力やヘイトスピーチにかかわる投稿だけではない。人を身体的だけでなく経済的危機にさらしたり、儲け話で人をだます行為も厳しく禁止されることになった。

本日(米国時間8/9)Facebookはポリシーを説明し、今後のポリシー適用をスムーズに行うためにルールを明確化した。 これは、Infowarsの陰謀論者、Alex Jonesに関わるFacebookページ4件を削除した際のあいまいな決定が反感を呼んだことを受けてのことだ。

Facebookはまず、自分たちは政府ではない、と繰り返し強調した——政府と同じ修正第1条に沿う必要がないことを示しているに違いない。

「われわれは、たとえば身体的あるいは経済的に人々を危機をもたらすコンテンツ、ヘイトスピーチによって人に脅威を与えるコンテンツ、あるいはFacebookユーザーをだまして利益を上げようとするコンテンツを認めない」とポリシー担当副社長のRichard Allenが本日投稿した。

ウェブを検索した限り、Facebookが経済的攻撃に関してこうした言葉を発したのは初めてだ。本誌はFacebookがこのポリシーについて正確にどう考えているのかコメントを求めている。

これは重要だ。なぜなら、これはFacebookのポリシーが、他人の信用を毀損したり、盗難を指示したり、雇用の機会を奪うことなどの脅威も対象に含めることを意味しているからだ。これらは身体的脅威を与えるものではないが、被害者に現実世界におけるダメージを与える可能性がある。

同様に、儲け話詐欺に対するこうした立場は、Facebookがスパマー、スキャマーや自社製品について虚偽の主張をするインチキ商法と戦う上で、適当な距離をおくことも可能にする。問題はFacebookがどうやってこのルールを適用するかだ。ほとんどの広告は企業が利益を得るために人をだますように作られているという人もいる。Facebookが阻止しようとしているのは、自社製品が人の役に立つというあり得ない主張をするような明らかな詐欺行為であり、単に品質や価値を誇張するだけの広告ではないだろう。

今日追加された明確化のための説明は、優柔不断なTwitterをはじめとする他のプラットフォームがコンテンツ管理で見習うべきおおらかさと入念さを際立たせた。透明性を高めることによって悪者がシステムを乱用するのではないか、という恐怖が長年あったが、ソーシャルプラットフォームが民主主義にとって重要な意味を持つようになった今、ガイドラインをオープンにすることで、規則の適用に偏向があるという指摘を回避する必要がある。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebookは極右グループProud Boysご指定の人集めツールだ

【抄訳】
TwitterはProud Boysとその人騒がせなリーダーGavin McInnesのアカウントを停止したが、でもTwitterは、彼らが‘そのために’選んだプラットホームではなかった。

Proud Boysは自分たちのことを“西欧至上主義者”の団体と呼び、もっと硬派な極右団体と行動を共にすることも多い。そのProud Boysが今や、Facebook上に勧誘ページの複雑なネットワークを張りめぐらして、新会員を募集している。McInnesはいろんなプラットホームに顔を出しているが、この団体の運営の中核はFacebookだ。Proud Boysは、35あまりの地方グループと都市グループがあって、そこが新会員の窓口になっていると自慢しているが、それらの‘グループ’が一体どこにあるかといえば、Facebookの上だ。

同団体が社会的な問題になりそうな場面で、必ず登場して弁舌をふるうのがMcInnesだ。Viceのファウンダーでカナダ人の彼は2016年に彼の最新のプロジェクトを立ち上げ、その激しい政治活動が極右たちの大人気を博し、団体(Proud Boys)のローンチに至った。それは“West is best”をモットーとする男子クラブで、Trumpに献身し、ビーチサンダルポルノを禁じている。

【後略】

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

サイバーセキュリティ上の脅威に晒されている医療業界

【編集部注】著者のRobert Ackerman Jr.は、アーリーステージのサイバーセキュリティ企業を対象とするベンチャーファームAllegis Capitalの創業者兼ディレクターである。また元政府関係のテクノロジーイノベーターやサイバーセキュリティプロフェッショナルを雇用するサイバースタートアップたち向けの、スタートアップ「スタジオ」であるDataTribeの創業者でもある。

情け容赦のないサイバーアタックが、あらゆる産業の企業をひどく苦しめ、そのダメージの修復に巨額の支出を強いている。そして混乱の中で失われるものが、他の産業に比べて大きな ―― しばしばとりわけ大きな ―― ものになる産業もある。ほとんど常に、怪しげな勢力からの注目を集めている企業被害者が、米国第2位の産業である医療業界だ。ハッカーによる業務妨害が、時間や、お金、そして操業停止につながるだけでなく、人命をも危機に晒すのだ。

医療業界自身も部分的な責任を負っている。患者へのケアの質を最大限に引き出すという素晴らしいお題目の下では、狭まった視野がそれ以外の要素への考慮を浅いものとしてしまう。特にサイバーセキュリティは後回しになる傾向がある。

総じて医療機関は、他の業界と比べると、サイバーセキュリティに対して半分程度の費用しか費やしていない。こうした理由や、盗まれた患者履歴のブラックマーケットでの異常な高値などから、沢山のハッカー集団が引き付けられ、病院は終わることのないサイバー戦場と化している。大手セキュリティ企業であるFortiGuard Labsは、2017年には1医療機関が1日あたり平均3万2000件の侵入攻撃を受けたと発表している。これは他の産業における平均値である1組織あたり1万4300件を上回るものだ。

明らかに致命的な攻撃もある。たとえば、メリーランド州を拠点とする巨大な医療グループであるMedStar Healthは、ランサムウェア攻撃によって厳しい機能不全に追い込まれた。特に人命が脅威に晒されたことで、全国ニュースの見出しとして取り上げられてしまった。よく知られたセキュリティ上の脆弱性を使った攻撃を受け、MedStar Healthは電子メールと膨大な履歴データベースへのアクセスを遮断されただけでなく、数日間にわたってがん患者に対する放射線治療を行うことができなくなった。

このようなトラブルは、多くの場合医師または他の医療従事者が攻撃者から送られたメールの開封を促され、その中のリンクや添付ファイルをクリックすることによって始まるのが典型的なケースだ。クリックによってマルウェアがPCにダウンロードされるこうした攻撃は「フィッシング」攻撃と呼ばれる。攻撃者はこのダウンロードされたソフトウェアを使用して、医療機関の財務、経営および医療情報システムにアクセスする。

攻撃者はまた、病院内ネットワークを使用して、人工呼吸器、X線およびMRI装置、医療用レーザー、さらには電動車椅子に至る、さまざまな接続された医療機械および機器に手を広げることができる。

ネットワークに接続されている医療機器は、ハッカーに乗っ取られて悪用される危険性がある。

病院やその他の医療提供者は、より良いサーバーセキュリティの習慣を身に付けなければならない。

脅威を複雑にしているのが、広く普及しているにもかかわらず脆弱な Internet of Medical Things(IoMT:医療機器のインターネット)機器たちだ。こうした機器は複数のサプライヤーの部品とソフトウェアを、あまりセキュリティに注意を払うこと無く統合している。個別の患者でさえも標的にされることがある。数年前、元米国副大統領のディック・チェイニーの医師たちは、攻撃者がこのような装置をハックして患者を殺す可能性があるという懸念について触れたレポートが出されたために、彼のペースメーカーのネットワーク機能を無効にした。

それは対処しなければならない差し迫った状況だ。病院やその他の医療提供者は、より良いサーバーセキュリティの習慣を身に付けなければならない。まず手始めに医療機関は、ソフトウェアへのパッチ適用と更新プロセスに対する、迅速性と徹底性を改善しなければならない。可能な限り組織は、ソーシャルメディア攻撃やその他の攻撃に備えために、組織的なサイバー意識向上の訓練を行うだけでなく、脅威情報と自動化を活用する必要もある。

IoMT機器が増えるにつれて、より入念なネットワークのセグメンテーションとインスペクションが必要となる。セグメント化された戦略をとることで、組織はネットワークの様々なポイントにおける、ユーザーやアプリケーション、そしてデータフローを制御するための検査基準や方針を策定することができるようになり、セキュリティ上の脅威をより素早く検出し隔離することが可能になる。そして、ネットワークの可視性の面では、医療機関はクラウドを含むネットワーク全体に対しての、より深い洞察を必要としている。

同時に、病院やその他の医療機関は、患者の記録の保護により留意しなければならない。紙による記録から電子化された電子健康記録(EHR:Electronic Health Record)への移行以来、一般的に記録は医師によって更新されたあと、他の病院の専門家に送られるようになった。ここでの問題は、病院という組織は、金融情報がロックされ共有されることがない銀行のような組織ではないということだ。こうした暗号化されていない情報は、利益を虎視眈々と狙うハッカーの攻撃に対して脆弱だ。

これに対する解決策として使われることが多いのが準同型暗号(homomorphic encryption)である。これは暗号化したままのデータ操作を可能とする興味深い技術であり、最も価値のある医療情報を保護できる素晴らしい可能性を秘めている。特にこの技術は、しばしばサイバー泥棒たちの標的になる、機密性の高い医療記録と個人識別情報(PII:personally identifiable information)を安全に保護することができる。

データが豊富に含まれるヘルスケア記録が、ブラックマーケットではクレジットカードの10倍以上の価値を持つというのは事実だが、この技術を用いることで最も攻撃的な「データ狙い」のハッカーを撃退することができる。

だがこうした改善は、十分な金銭的投資や労力の投入なしには成し遂げられない。病院が日々のケアの品質に、これ以上ないほどに焦点を当てていることは称賛に値するものの、彼らも時代が変わっている事に気付き、自分たちのミッションをより広い視野で眺めなければならない。そうしたことに追いついていないために、病院は多くの場合、止むことのないランサムウェア攻撃に対して支払いを行い、システムがダウンしている間に起きる可能性のある健康に対する脅威を最小化しようとする。

病院たちが変化への道を追求する上で直面する障害の中には、医療分野で激化しているM&A活動もある。異なる医療技術を含むIT統合への挑戦は、新しく併合された組織間での情報共有の必要性と同時に、新たな脆弱性を生み出してしまう。

医療機関の評判と信頼は、脅威の真の影響度への理解と、それらを防ぐための十分な対策をとることにかかっている。ヘルスケア業界には、セキュリティに関する能力を向上させること以外の選択肢はない。まさに私たちの生命が懸かっているのだ。

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(翻訳:sako)

この新しい素材オーセチックスはエネルギーを抱き込んで自分の中に保存する

オーセチックス(auxetics)は、エネルギーを与えられると膨らんだり角が飛び出たりせずに、そのエネルギーを内部に保存する素材だ。押したり叩いたりするたびにそのエネルギーを蓄え、それを一定のペースで発散する。しかし歴史的にはこれらの素材には鋭利な角があって、押しすぎると簡単に破損した。そこでロンドンのクイーンメアリー大学とケンブリッジ大学の研究者たちは、オーセチックスもっと丈夫に効率的に利用する方法を発見した。この方法では、エネルギーを保存してそれを機械的に、何千回も放出するシステムを作れる。

クイーンメアリー大学のDr. Stoyan Smoukovはこう語る: “新しい素材設計の輝かしい未来は、それらがデバイスやロボットを置換していくことにある。すべてのスマートな機能を素材に埋め込める。たとえば鷲が獲物をくちばしでつつくときのように、オブジェクトを何度でもつつくことができるし、新たな力を加えることなく万力のように物を保持できる”。

たとえばロボットがこのシステムを使ったら、物を手で握って、それを離すときが来るまで手をずっと閉じていられる。開いて物を下に落とすときまで、手や鉤爪などに力を送り続ける必要がない。

このプロジェクトに参加した学部学生Eesha Khareはこう言う: “高熱など厳しい条件にさらされる素材の大きな問題は、その膨張だ。これからは、熱源との距離によって変わる温度勾配に合わせて、連続的に膨張特性が変わる素材を設計できる。それによって素材は自動的に、何度も繰り返される厳しい変化に対し、自分を自然に調節できる”。

このプロジェクトは3Dプリントを使って、歯のついたアクチュエータをつかむ小さなクリップを作った。エネルギーを放出するためには、物の反対側を引っ張って歯を外す。システムの全体はきわめて単純だが、エネルギーによってその素材が伸びたり膨らんだりせず、むしろそのエネルギーを蓄えるという事実は重要だ。これと同じ技術を使って、弾(たま)が装甲や防具に当たったら、その弾をつかんでしまうことが可能だろう。人も兵器も、より長寿になるね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

フォートナイト・バトルロイヤルAndroid版がPlay Storeをスルー――Googleの損失は5000万ドル以上に

Epic Gamesの大ヒットゲーム、フォートナイト・バトルロイヤル(Fortnite Battle Royale)がAndroidにやって来た。しかしGoogle Playストアをバイパスするという異例のローンチとなった。このゲームはEpic Games自身のウェブサイトからインストールできる。しかし普通のアプリやゲームではこういう贅沢は不可能だろう。

Google PlayはあらゆるAndroid端末でデフォルトでインストールされているので、ソフトウェア・メーカーのビジネスにとってこれを無視するのは多大のリスクとなる。しかしEpic Gamesではフォートナイトの人気ならユーザーを特設ウェブサイトに呼び寄せることができると踏んだようだ。ある調査によれば、これはGoogleにとって今年だけで5000万ドルの手数料の損失になると見積もられている。

Android版の発表に先立ち、フォートナイトはiOSデバイスで1億8000万ドルを稼いでいる。当初、3月15日に発表されたときは「招待オンリー」のベータ版だったが、その後、App Storeのユーザー全員が利用できるようになった。

App Storeのアナリティクスを専門とする企業、Sensor Towerのデータによれば、 本体売上およびアプリ内課金の30%を徴収するプラットフォーム手数料のおかげでAppleはフォートナイトから5400万ドル以上の収益を上げている。

つまりAndroid版の場合、Epic Gamesはこれに相当する金額をGoogleに払わずにすむわけだ。

AppleのデバイスではアプリはすべてApp Storeからダウンロードしなければならないが、Googleのプラットフォームはもっとオープンだ。Androidデバイスでは設定を変えることでGoogle Playストア以外からのアプリもインストールできるようになる。しかしそのように設定することはウィールスその他のマルウェアに感染する可能性を高め、セキュリティー上のリスクを大きく増大させる。

セキュリティー専門家はEpic Gamesの新しい方針はユーザーにデフォールトのセキュリティー保護機能を解除させる危険な前例になると指摘している。同時にGoogle Play上にフォートナイトが存在しないことは、このゲームを探しているユーザーが騙されてマルウェアを含むファイルをダウンロードすることになる可能性もあるという。

Google自身もこの点に懸念を感じている。

Google Playではフォートナイトはダウンロードできないと注意している。 Googleが特定のゲームの不在を警告するのは今回が初めてだ。

ユーザーがGoogle PlayでFortniteあるいはFortnite Battle Royaleという検索語を入力すると、Google Playには存在しませんという警告が返ってくる(このときRoyaleのスペルがRoyalとなっていて語尾のeが抜けているのはEpic Gamesへの反感なのかただのタイポなのか微妙なところだ)。

いずれにせよこうしたメッセージを表示するのはGoogleとして異例だが、ユーザーがスカム・アプリによる被害を受けないようにする配慮なのだろう。

同時にこれはEpic Gamesへの圧力としても働きそうだ。どうやってPlay Store以外からアプリをインストールすればいいかわからないユーザー以外にも多くのAndroidユーザーはもっと簡単で(かつはるかに安全な)ダウンロードの方法を求めるはずだ。

またGoogleはこちらも人気のバトルロイヤル・ゲーム、PUBG(プレイヤー・アンノウウンズ・バトルグラウンド)のAndoroid版をFortniteの検索結果に載せてくる。ユーザーがこちらをインストールすればフォートナイトから時間も関心も奪ってしまうことになるだろう。

Epic Gamesだけの動きであればGoogle Playにとってさして大きな問題ではないが、他の大手ゲームスタジオがフォートナイトの例にならってPlay Storeにゲームを登録しなくなるのであればGoogleにとって厄介なことになるかもしれない。

Sensor Towerの報告によれば古いバージョンのAndroidの場合、Play Storeからのインストールはやや面倒になる可能性があるが、全体としてはそれほど大きな問題にはならないだろうという。

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滑川海彦@Facebook Google+

ハリウッドにオープンソース団体ができてLinux Foundationと提携、アニメなどはほとんどオープンソース

今やオープンソースは至るところにあるので、あのアカデミー賞の主宰団体Academy of Motion Picture Arts and Sciencesが今日(米国時間8/10)、Linux Foundationとパートナーして、映画とメディア分野のデベロッパーのための、新しいオープンソースファウンデーションAcademy Software Foundationを発表したことも、意外ではないかもしれない。

創立メンバーには、強力なメディアおよびテクノロジー企業が顔を揃えている。それらは、Animal Logic, Blue Sky Studios, Cisco, DreamWorks, Epic Games, Google, Intel, SideFX, Walt Disney Studios, そしてWeta Digitalなどだ。

Linux FoundationのCEO Jim Zemlinはこう言っている: “オープンソースのソフトウェアは、デベロッパーやエンジニアが、映画やテレビやビデオゲームなどにおいて毎日のように、すばらしい効果やアニメーションを作ることを可能にしている。Academy Software Foundationは、このオープンソースデベロッパーのコミュニティが互いに協力し、映画や幅広いメディア産業の全域にわたって、次の大きなイノベーションの波を起こしていくための、拠点を提供する”。

Academy Software Foundationの綱領はこう述べている: “複数のプロジェクトにまたがる取り組みを調整する、神経系のようなフォーラムでありたい。ビルドとテストのための共通のインフラストラクチャを提供し、個人や組織に、オープンソースのエコシステムを前進させるための明確な参加の径路を提供したい”。

Academyの調査によると、業界の84%の企業がすでに、主にアニメーションや視覚効果のためにオープンソースのソフトウェアを使っている。また、メディア業界でオープンソースの開発の妨げになっているものは、複数の企業から成る開発チームがそれぞれ、孤立して閉鎖的になりがちなことだ、という。

Walt Disney Animation StudiosのCTO Nick Cannonはこう語る: “Academy Software Foundationが作られたことは、映画産業にとって重要でエキサイティングなステップだ。この団体は業界内のコラボレーションを増進することによって、われわれ全員の努力を共通の技術基盤の上にプールさせ、相互運用性の新しいスタンダードを産み育て、イノベーションのペースを大きくする”。

今やハリウッドでさえオープンソースとその協力的性質を前向きに受け入れようとしていることは、ソフトウェア開発の世界がここ数年間でいかに変わったかを表している。近年では、伝統的な大企業が、自分たちのソフトウェアインフラストラクチャを動かすために開発した技術が、実際には彼らの顧客に価値を届けていないことに、気づきつつある。ソフトウェア開発という分野では、お互いが企業として激しく競争していても、協力することに意義がある。その抗しがたい事実を、ハリウッドの伝統的な映画スタジオも認めざるを得なくなっている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

AppleがTeslaに転職していた上級技術者を再雇用、車の開発を再開する兆しか?

噂ばかり長かったAppleの自動車開発が、本物だという兆候を探していた人にとって、ビッグなサインが飛び込んできた。AppleでMacのハードウェアエンジニアリング担当VPだったDoug Fieldが、転職先のTeslaからまたAppleに戻ってきたのだ。

Daring FireballのJohn Gruberが特ダネしたニュースによると、FieldはAppleに戻る前の5年間、TeslaでModel 3の生産を監督していた。

Appleは本誌TechCrunchに、Fieldの再雇用を認めたが、彼の役割に関する情報はくれなかった。しかしGruberの記事では、Fieldは過去に一緒にMacのハードウェアの仕事をしていたBob Mansfieldとまた一緒になるらしい。そのMansfieldが、Appleの自動車プロジェクト‘Project Titan’のトップで、定年退職を引き止められた人物というから、いきなり濃い話になってくる。

秘密主義的なProject Titanに関してはいろんな憶測があったが、中でもいちばん強烈なのは、Appleが自動車の開発を放棄したという2016年の報道だった。そして、車は作らないが自動運転技術にフォーカスする、とされた。プロジェクトは依然として不透明で見定めがたいが、でもTeslaで生産を監督していた人を— Waymoの自動運転技術者をスカウトした直後に—雇用するのは、Appleが自動車の開発を近く再開することの、強力な兆候かもしれない。

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濃紺スケルトンデザインのPS4 Proが8月24日に発売。全世界合計5万台限定の特別モデル

eng-logo-2015ソニー・インタラクティブエンタテインメントが、PS4 Proの特別デザイン・数量限定モデル「PlayStation 4 Pro 500 Million Limited Edition」を8月24日(金)に発売します。希望小売価格は4万9980円(税別)。

「歴代プレイステーションハードウェア世界累計実売台数5億2530万台突破に際して、多くの人々に感謝の気持ちを形にした特別モデル」とのこと。PS4で初となる濃紺色のスケルトンデザインを採用し、全世界合計で5万台限定、本体にもシリアルナンバーが入る仕様です。

初代プレイステーション(SCPH-1000)が1994年12月3日に日本で発売されてから、今年で24年目。ここでいう「歴代プレイステーションハードウェア」とは、シリーズであるPS2やPS3のほか、PSPやPS Vitaなどの携帯ゲーム機も含めた数字です。

その中で現世代のPS4(2013年11月15日発売)は、2018年7月22日時点で全世界の累計実売台数が8120万台を超えたとのこと。ニンテンドースイッチも発売から約1年半で累計販売台数1967万台を達成しましたが、現世代ゲーム専用機におけるPS4のトップは依然揺るぎないようです。

今回販売される500 Million Limited Editionは、濃紺色・スケルトンデザインの特別仕様で、本体起動時には電源ボタン周辺で鮮やかな青色ライトが発光し、内部構造を照らし出します。

また天面にあるPS4ロゴは、本体デザインにマッチしたマットな質感のブロンズカラー仕上げ。さらに前面には、1から50000までの番号が刻印された同色のプレートが配され、「世界でひとつだけのPS4 Pro」を強調している作りです。

さらに、同梱されるワイヤレスコントローラー(DUALSHOCK 4)やPlayStation Camera、縦置きスタンド、モノラルヘッドセットも、本体と同色を採用する特別仕様です。

また、本製品に同梱する「ワイヤレスコントローラー (DUALSHOCK 4) 500 Million Limited Edition」および「ワイヤレスサラウンドヘッドセット 500 Million Limited Edition」は、単品でも販売されます。
それぞれ数量限定で、国内では9月6日(木)より発売と報じられています。

また注目すべきは、これら周辺機器まで配慮されたデザインの統一性もさることながら、コストパフォーマンスの高さです。

標準版PS4 Proの実売価格は、ソニーストア(直販)で4万4980円(税別)で、本機に付属するPS Cameraは希望小売価格5980円(同)と、カメラをセットにすると既に標準版より安価に。さらに本機に内蔵されるHDDは2TB。通常版PS4 Proが1TBのため、特別デザインを抜きにしてもお買い得感があります。

PS4 Proで本格的にゲームをやり込む場合は、起動やロード時間短縮のためにSSDへの換装を推奨したいところではあるものの(とくに『モンスターハンター:ワールド』では劇的な効果があります)、このお買い得度は特筆もの。限定モデルとしてだけではなく、PS4をこれから始めるユーザーへのスタートアップキットとしても好適と言えそうです。

Engadget 日本版からの転載。

AmazonのAlexa Auto SDKで音声アシスタントを車の中で使える

Amazonが今朝(米国時間8/9)、Alexaを車のインフォテインメントシステムに統合するためのツールキットを発表した。その“Alexa Auto SDK”は今GitHubにあって、Alexaの中核的機能のすべて…メディアのストリーミング、スマートホームの制御、天気予報、何千もあるサードパーティ製スキルのサポート、などなど…が含まれている。また車特有の機能として、ナビゲーションや検索もある。

ソースコードとファンクションのライブラリはC++とJavaで書かれていて、それらにより車は、音声入力と各種トリガーを処理してAlexaのサービスに接続し、Alexaとの対話をサポートする。

Amazonはさまざまなアプリの作例や、ビルドスクリプト、そしてドキュメンテーションも提供している。サポートしているプラットホームは、ARMとx86プロセッサーアーキテクチャ上のAndroidとQNXオペレーティングシステムだ。

このSDKでAmazon MusicやiHeartRadio、それにAudibleのストリーミングを聴けるし、また相手の名前や電話番号を言うと電話をかけられる。これらは、車のネイティブな通話サービスを利用することになる。

同じく車のネイティブなターンバイターンのナビゲーションシステムも利用し、ユーザーはAlexaに音声で、アドレスや目印などを指定できる。ナビゲーションのキャンセルも、命令できる。

ローカルな検索機能では、レストランや映画館、食料品店、ホテルなどを探して、そこへナビできる。

Alexaと車のご縁は、これが初めてではない。これまでもすでに、Ford, BMW, SEAT, Lexus, Toyotaなどど協働して、音声アシスタントを特定の車種に載せている。また、AnkerMuse(Speak Music), Garmin, Logitechなどのアドオンデバイスを使って、古い車種でAlexaを使うこともできる。

このSDKにより、もっと広い範囲のデベロッパーが、音声アシスタントを車に組み込めるようになる。Amazonと関係のないデベロッパーでも。

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Samsungのワイヤレス充電器DuoはApple AirPowerを標的とする

AirPowerをおぼえておらえるかな? 1年近く前にローンチしたときそれは、Appleが大いにその将来を期待する充電マットだった。しかしその後、そのiPhone/Apple Watch/AirPod用のアクセサリーはMIA(戦闘中行方不明兵士)になってしまい、しかもその理由は、宇宙船クパチーノ号の外にいる者には全然分からないのだ。〔クパチーノ, Apple本社所在地。〕

今日(米国時間8/9)ブルックリンで行われたSamsung Note 9のビッグイベントでは、Samsung独自のワイヤレス充電技術が披露された。それは、Appleの、どこにでも置ける方式に比べると平凡だが、でも、今でもまだ、他社に先駆けての発表、とは言えるようだ。

そのワイヤレス充電器Duoには、二つの異なった使用面がある。ひとつはGalaxyハンドセット用、他は同社のスマートウォッチ用だ。前者は立っているので、ベッドサイドにスマートフォンと共に置けば目ざましになる。スマートフォンと一緒に寝てしまうよりは、健康的だ。そんなことを言う人間(すなわちぼく)は、目ざましの音が鳴り止んでからやっと起きるタイプだけど。

Note 9とそのあらゆる情報は確かに今日デビューしたが、その道の先にはGalaxy Watchのリリースが待っている。その謎のウェアラブルのローンチは、今日でもよかったし、数週間後のIFAでもよい。同社のスマートウォッチの発表は、伝統的に後者だった。

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トークンエコノミー×グルメSNS「シンクロライフ」、トークンへの転換権を付与したスキームで資金調達

つい先日、グルメSNS「シンクロライフ」がトークンエコノミーの仕組みを導入することで、同サービスをさらにユニークなものにしようとしていることをお伝えした。

具体的には良質なレビュアーなど、プラットフォームに貢献しているユーザーが報酬として独自トークン(SynchroCoin)を受け取れる仕組みを設計。将来的に保有するトークンをレストランの食事券と交換したり、食事代金の支払いに使えるようにしたりすることで、独自の経済圏を作ろうという取り組みだ。

この構想の実現に向けて、シンクロライフを運営するGINKANは8月10日、セレスと元サイバードホールディングス代表取締役会長の小村富士夫氏を引受先とする第三者割当増資により、総額8000万円を調達したことを明らかにした。

セレスとは業務提携も締結。モッピーなどアクティブ会員が350万人を超えるスマホ向けポイントメディアの基盤を持つセレスとタッグを組み、メディア間のシナジーやブロックチェーン技術の実サービスへの活用に向けた研究開発を進める方針だ。

なお今回の資金調達はGINKANの子会社であるSynchroLife, Limitedが発行するトークンへの転換権を付与した形での、株式の第三者割当増資というスキームを採用。詳細については後述するが、これによって株式市場への上場や事業売却以外のエグジットも可能になるという。

AI活用で好みにあった飲食店をレコメンド

シンクロライフは、ユーザーがレストランでの食体験を投稿できるグルメSNSだ。

特徴のひとつがAIを活用したレコメンドシステムによる、パーソナルキュレーションの仕組み。ユーザーの投稿や観覧履歴を始めとしたアプリ内でのアクションを独自のアルゴリズムで学習・分析することで、使い続けるほど自分の好みに合った飲食店が見つかりやすい仕様になっている。

同アプリにはすでに17万件以上のレビュー、42万枚の写真が掲載。現在は日本語のほか英語や韓国語、中国語にも対応し、82ヶ国でユーザー登録、48ヶ国でレビュー投稿がされているという。

そして8月2日にβ版をリリースした新バージョンでは、ここにSynchroCoinというトークンの概念が加わった。冒頭でも触れた通り、良質なレビューや飲食店情報の登録、編集、翻訳といったプラットフォームに貢献したアクションに対して報酬が付与されるようになる。

コミュニティを加速する手段としてのトークン

ここでおそらく多くの人が気になるのが「良質なレビューとはどんなものか」「トークンを付与したところでどれほどの効果があるのか」といった点ではないだろうか。

この点についてGINKAN代表取締役CEOの神谷知愛氏に聞いてみたところ、各ユーザーが持つスコアや各レビューの性質、そしてそこに対する「行きたい」などの反応をスコアリングする仕組みのようだ。シンプルに言えば「そのレビューは誰が投稿したものか、そしてそれに対してどんな反応があったか」が基準になる。

もう少し補足をすると、そもそもシンクロライフには以前から「経験値」というゲーム要素が導入されていて、トークンのようなインセンティブはないものの同じようなシステムが回っていた。

ユーザーは投稿した口コミのサービス貢献度に応じて経験値を獲得でき、経験値がたまるごとに称号(初段〜神)がランクアップする仕組みを導入。例えばまだ誰も投稿していない店舗や投稿が少ない店舗のレビューを書いたり、他のユーザーの参考になる(「行きたい」が多くつくなど)レビューを書いたりすると経験値が貯まるようになっている。

ここですでにレビューをスコアリングする機能は実装されていて、しかもこのシステムがシンクロライフのコミュニティを拡大するのに大きな影響を与えてきたのだという。それは投稿数や写真枚数の増加はもちろん、店舗情報の追加や修正、閉店依頼といったアクションにも繋がったそうだ。

「実は以前からアプリ内通貨のような仕組みをやりたいという思いはあった。今まではレビューや情報提供を通じて飲食店やプラットフォームに貢献しても、それはボランティア的な位置付け。そこにトークンという経済的な要素を入れることで、ユーザーのモチベーションや継続率も上がるのではと考えた。トークンはもともと動いているコミュニティを、さらに大きく強固にするためのものだ」(神谷氏)

今までにないグルメコミュニティの可能性

シンクロライフでは報酬用として全体の20%となる2000万トークンをプールしていて、そこから1週間ごとに一定量を分配するように設計されている。つまり毎週スコアの集計が行われ、その値に応じたトークンがもらえるというわけだ。

現時点でトークン付与の対象になるのは飲食店のレビューと店舗情報の作成。今後は情報の翻訳や加盟店舗の紹介などに対してもトークンを提供したいということだった。

神谷氏いわく「レビューではなく、良質なレビューであることが重要」というように、とにかくレビューを書けばトークンがもらえるという仕様ではなく、トークンの付与はあくまでサービスへの貢献度が高いアクションに限定する。

その一方で「消費者が気軽に楽しめる環境を作ることがキャズムを超える鍵」とも話していて、加盟店舗で食事をした際に還元リワードとして一定割合のトークンが付与される仕組みを作る計画。この還元率を店舗が設定できるようにすることで、顧客を呼び込む集客ツールとしても機能するようにしたいという。

その先にはトークンをレストランの食事券と交換したり、食事代金の決済で利用したりできるようにする予定。もしこのサイクルが上手く回れば、今までとは違ったグルメコミュニティができる可能性もあるだろう(もちろん加盟店をどれだけ開拓できるかなど、超えなければならない壁はある)。

トークンへの転換権を付与したスキームによる調達

最後に今回の資金調達のスキームについても少し触れておきたい。冒頭でも紹介したように、今回はGINKANの子会社であるSynchroLife, Limitedが発行するSynchroCoinへの転換権を付与した形での、株式の第三者割当増資という形を取っている。

GINKANではこれまでエンジェルラウンドで小村氏らから3000万円を調達しているほか、昨年香港法人のSynchroLife, LimitedにてICOを実施。755イーサ(日本円で約5000万ほど)を集めた。

ただこのICOを取り巻く環境はまだまだ不透明な状況にある。今回は神谷氏に加えセレスの担当者にも話を聞くことができたのだけど「一部ではICOをしていると監査法人が監査契約を結んでくれないとか、投資家から出資を受けづらいといった話も聞く」のだという。

GINKANとセレスのメンバー。前列の左から2番目がGINKAN代表取締役CEOの神谷知愛氏

セレスではこれまで仮想通貨・ブロックチェーン領域の事業展開や、関連するスタートアップへの出資を推進してきたが、アプリケーションレイヤーへの投資はまだ多くないそう。シンクロライフについてはトークンエコノミーとの相性なども鑑みて出資をしたいと考えた一方で、ICOをしていることがひとつのネックになった。

「(セレスは)事業会社なのでそこまでエグジット、エグジットと言う訳ではないが、取締役会などで話をする際にはそのストーリーを話す必要はある。もし仮に監査法人がつかなかった場合にどうするかを相談した上で『だったらトークンへの転換権をつければいいのでは』という話が出てきた。ビジネスとしてきちんと成功すれば、その裏側にあるトークンは値上がりしていると考えられるためだ」(セレス担当者)

トークンへの転換権を行使することで、IPOやM&A以外でのイグジットも仕組み上は可能になり、これがスタートアップの新たなオプションにもなりうるというのが双方の見解。フレキシブルな資金調達の手段を作ることで、スタートアップ界隈へはもちろん「トークンエコノミーの発展にも寄与できれば」という。

GitHubのJulio Avalos氏がTC Tokyoに登壇ーーMicrosoftによる買収で変わるもの、変わらないもの

TechCrunchの読者にとってはおなじみの、ソースコードをホスティングするソフトウェア開発プラットフォームGitHub。同社のチーフ・ストラテジー・オフィサー兼ジェネラル・カウンセルのJulio Avalos(フリオ・アバロス)氏が、11月15日と11月16日に東京・渋谷ヒカリエで開催する日本最大級のスタートアップ・テクノロジーの祭典TechCrunch Tokyo 2018に登壇することが決定したのでお知らせしたい。

Julio Avalos氏

今年の6月にMicrosoftはGitHubを買収すると発表し、大きな話題となった。そんなタイムリーな同社からAvalos氏に登壇いただくことを僕たちTechCrunch Japan編集部は大変嬉しく思っている。どんな話が聞けるのか、イベントまでまだ3カ月ほどあるがすでにワクワクした気持ちだ。

Avalos氏は2012年にGitHubにジョイン。同社では経営陣および取締役会との連携を推進、ビジョンの定義および事業の管理運営を担うと同時に、法務や政策、人材、ソーシャルインパクト、戦略的パートナーシップを監督している。

先ほども述べた通り、まだ記憶に新しいと思うが2018年6月4日にMicrosoftはGitHubを75億ドル(約8200億円)相当の株式で買収する計画を発表した。GitHub共同ファウンダーのChris Wanstrath氏はCEOを離任し、Xamarinファウンダーで現MicrosoftコーポレートバイスプレジデントNat Friedman氏がそのポジションに就く予定だ。

GitHubは今後も独立の企業として運営され、オープンプラットフォームという形態はそのまま維持されるという。だが、買収によりMicrosoftと共にどのような変化を歩むのかーーAvalos氏には今後のGitHubの戦略について聞きたいと思っている。

Avalos氏は前職Yelpで法務顧問を担当。それ以前は法律事務所のOrrickおよびHerrington & Sutcliffeにおいて主にFacebookを担当し、サイバーガバナンス、オンラインプライバシー、知的財産、セキュリティ関連の問題に取り組んできた。

同氏は「テクノロジーとヒューマニズムを結びつける政策を立案し提唱することで技術革新を加速させ、ソフトウェアを我々の共通する未来において不可欠な要素として捉えること」を奨励している。

TechCrunch Tokyo 2018は先日よりお得な「超早割チケット」を販売している。一般チケットの値段は4万円(税込)だが、この超早割チケットは半額以下の1万8000円(税込)だ。販売期間は9月18日までなので、このチャンスを逃さないでほしい。

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PrometheusモニタリングツールがCNCFの新たな‘卒業’プロジェクトとしてKubernetesに加わる

Cloud Native Computing Foundation(CNCF)はまだそれほどメジャーな名前ではないが、今急成長しているコンテナオーケストレーションツールKubernetesなど、いくつかの重要なオープンソースプロジェクトの本拠地だ。今日CNCFは、モニタリングツールPrometheusが、同団体の第二の“卒業”プロジェクトとしてKubernetesに加わったことを発表した。〔*: 卒業プロジェクト, graduated projecとは、育成涵養段階を脱して、単独・独立の“一人前の”プロジェクトとして扱われること。〕

その発表は、今週ミュンヘンで行われているPrometheusのカンファレンスPromConで行われた。CNCFのCTO兼COOのChris Aniszczykによると、卒業プロジェクトとはプロジェクトの全般的な成熟を表していて、コントリビューションやコミュニティや採用が多様になったことを意味している。

Prometheusの場合は、今すでに20名のアクティブメンテナーがおり、1000名以上のコントリビューターが13000あまりのコミットを行っている。コントリビューターの中には、DigitalOcean, Weaveworks, ShowMax, そしてUberなどがいる。

CNCFのプロジェクトはサンドボックスで始まり、インキュベーションの段階へ入り、そして最後に卒業する。卒業の条件は、CNCFのCode of Conduct(行動規範)の遵守、セキュリティ監査に合格、そしてコミュニティの統治構造が定義されていることだ。また、“コードの質とセキュリティのベストプラクティスに持続的にコミットしていること”も必要だ。

Aniszczykによると、Prometheusツールは時系列データベースにクエリー言語を結びつけたシステムで、ユーザー(主にデベロッパー)がターゲットシステムの問題を知るためにはそのクエリー言語で検索し、それに対する分析結果(アナリティクス)を得る。すでに感づいておられたと思うが、それはとくに、コンテナに適したツールだ。

Kubernetesと同様、のちにPrometheusになるプロジェクトも、ルーツはGoogleにある。Googleはコンテナを積極的に採用した初期の企業のひとつで、Kubernetesの前身であるBorgや、Prometheusの前駆システムBorgmonを開発した。Borgの仕事はコンテナのオーケストレーションを管理することで、Borgにmon(monitor)を付けたBorgmonの仕事はそのプロセスをモニタして技術者にフィードバックを提供し、コンテナの全ライフサイクルにおいて、その中で起きていることを察知させる。

ルーツはBorgmonでも、今ある姿のPrometheusは二人の元Googleエンジニアが2012年にSoundCloudで開発した。2016年5月には第二のCNCFプロジェクトとしてKubernetesに加わり、そして当然のように、第二の卒業プロジェクトになった。

その過程におけるCloud Native Computing Foundationの役割は、クラウドネイティブコンピューティングを推進することだ。どんなに違いのあるインフラストラクチャでも共通のやり方で管理できる、とするその概念は、オンプレミスとクラウドのリソース管理に伴う複雑性を大幅に軽減した。CNCFはLinux Foundationの一員であり、そのメンバーにはテクノロジー業界の大物たちが多い。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Galaxy Note 9のカメラはユーザーの撮影ミスを教えてくれる

今日のGalaxy Note 9の大イベントは、内部スペックについての発表が中心だったが、カメラに関する新機能も隠されていた。Scene Optimizerは、Androidユーザーにとってはお馴染みだろう。LGをはじめいくつかのメーカーが同様の機能を提供している。今回の機能追加では、夜間、雪、街路、鳥、室内、テキスト、料理、ペット、花、日没など20種類のシーンが提供される。

これは面白い機能であり、Samsungの業界をリードするカメラを使ってアマチュアが名作を撮る助けになるだろう。しかし、Flaw Detection[失敗検知]は地味だが興味深い新機能だ。撮った写真がピンボケや逆光だったり、被写体が肝心の瞬間に目をつぶってしまったときなどにユーザーに警告を発する。

Samsungは、この新端末は「ユーザーに代わってシャッターを押す以外のことは何でもやる」といっており、Flaw Detectionは最大の弱点である「人的エラー」の解消に一歩近づくものだ。目をつぶったことに気づかないことは多いし、逆光が画像にどんな影響を与えるか知らないアマチュアもいる。

スマホの写真機能をハードウェア面だけで差別化することはますます難しくなっている。2018年の各社代表機種ならカメラ機能はどれも十分だ。しかしこの新しいソフトウェアは、その高度なカメラ機能をユーザーのスキルによらず使いこなせるようにする方法だと言える。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook