Tesla、社員9%をレイオフ

Electrek firstはTeslaが社員の9%のレイオフを決定したと報じた。これは先月、四半期決算を説明するカンファレンス・コールでイーロン・マスクが説明したリストラの一環だ。レイオフは月曜に始まり、今日中に公表されるもようだ。

SolarCity事業も傘下に持つTeslaがレイオフするのはホワイトカラー社員のみで、現場の製造要員は対象になっていない。同社はModel 3の生産増強に全力を挙げている。

Teslaのファウンダー、CEOのイーロン・マスクが社員全員に向けて送ったレイオフを説明するメールをTechCrunchは入手した。このメールには「われわれがこの決定に至ったのは、いくつかのきわめて重要な要素、あるタスクを達成する上での効率性、生産性、また個々の社員についての特定の能力、技能のレベル等を評価した結果による。すでに知られているとおり、われわれは 管理階層の簡素化を引き続き進めていく。これにより、社内コミュニケーションを改善し官僚主義を排して、よりすばやく行動できるようようにしていく」と述べられている。

Teslaが2016年にSolarCityを買収したとき従業員数は3万人に増加した。2017末のTeslaの従業員総数は3万7000人だった。

今年2月にTeslaはDIYの全国チェーン、Home Depotと契約を結び、同社の800店舗でソーラーパネル、PowerWallの販売を始めている。しかしTeslaはこの契約を更新しないと報じられている。つまりHome Depotで働いていたTesla社員は今後必要とされないわけだ。マスクは今回のメールで「〔これらの社員は〕Tesla自身の販売チャンネルに移る機会を与えられる」と説明している。

今回のリストラの目的は黒字化の達成だ。直近の四半期にTeslaは売上額でも損失額でも新記録を達成してしまった。2018年第1四半期のTeslaの純損失は7億8460万ドル(1株あたり4.19ドル)だった。

〔日本版〕原文にはマスクの社員向けメールの全文が掲載されている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

レシート1枚10円で買う「ONE」、約半日で買取レシート数10万件突破も買取を一時ストップ

どんなレシートでも1枚10円にかわるアプリ「ONE」。本日6月12日の6時にローンチしたばかりの同アプリには、運営元のワンファイナンシャルが想像していた以上の反響があったようだ。

同社はローンチから12時間25分でONEのユーザー数が3万人に、同じく12時間35分で買取レシート数が10万件に達したことを明かした。なおこのユーザー数というのは、アプリをダウンロード後に電話番号認証をした人の数を指すという。

ワンファイナンシャルCEOの山内奏人氏に確認したところ、19時30分時点でユーザー数は約4万5000人にまで増え、買取レシート数も約16万件になっているそう。本人確認の通知も約1万件ほど届いているとのことで(ONEでは出金するまでに本人確認が必要)、現在10人以上の体制で対応をしているも追いついていない状況。

公式Twitterでは「本人確認完了まで最長で1ヶ月ほど掛かる見込み」としている。

山内氏の話ではリリース前は「月に1万件程度」を想定していたそうだが、実際は約半日でその10倍を超えた計算になる。

【6月12日21時30分追記】ONEではレシートの買取を一時的にストップすることを発表。運営に確認したところ現時点では「再開時期は未定」とのことで、アプリのダウンロードや登録自体はできる。

SoftBankのVision FundがCohesityのハイパーコンバージドデータプラットホームへのシリーズD$250Mの投資をリード

サンノゼのエンタープライズソフトウェア企業Cohesityが、SoftBankのVision Fundが率いる応募過多のシリーズDラウンドで2億5000万ドルを調達し、その調達総額が4億1000万ドルに達した。同社は、プロダクションアプリケーションの外に発生する二次的データをすべて保存し管理するための、ハイパーコンバージドデータプラットホームを顧客に提供している。

今日(米国時間6/11)のプレスリリースで同社は、SoftBankの巨大なVision Fundがエンタープライズソフトウェア企業に投資するのは今回でわずか二度目だ、と言っている。総サイズ約1000億ドルと言われるこのファンドは、今後の投資計画を除外して言えば、2017年の9月にエンタープライズメッセージング企業Slackへの同じく2億5000万ドルの投資をリードしている。

Cohesityはハイパーコンバージドセカンダリーストレージ を、パブリックおよびプライベートなクラウドにまたがる、エンタープライズのインフラストラクチャのもっと大きな変容を目指す第一歩として開拓した。SoftBank Investment AdvisersのシニアマネージメントパートナーDeep Nisharは、この投資を支持する声明の中で、こう述べている: “CohesityのWebスケールでGoogle的なアプローチと、クラウドネイティブなアーキテクチャ、そしてそのとてつもない単純性は、ITのビジネスを抜本的に変えようとしている”。

今回の投資にはCohesiveの既存の戦略的投資家たちも参加している。それらは、Cisco Investments, Hewlett Packard Enterprise(HPE), そしてMorgan Stanley Expansion Capital, 初期の投資家であるSequoia Capitalらも参加した。

同社によるとこの投資は同社の今後の“大規模なグローバル展開”に充てられ、同社プロダクトのコストメリットや、複数の別々の点的ソリューションを一点に統合することによる大きな節約効果を、もっと多くのエンタープライズに訴求していきたい、としている。顧客獲得のためのもうひとつの重要な訴求が、同社の戦略的投資家であるCiscoやHPEからのサポートがある、という点だ。

Cohesityによると、最前の二つの四半期で200社以上の新たなエンタープライズ顧客が増えた。それらは、Air Bud Entertainment, AutoNation, BC Oil and Gas Commission, Bungie, Harris Teeter, Hyatt, Kelly Services, LendingClub, Piedmont Healthcare, Schneider Electric, San Francisco Giants, TCF Bank, U.S. Department of Energy(合衆国エネルギー省), U.S. Air Force(アメリカ空軍), などだ。年商は、2016年から2017年にかけて600%増加した。

同社のファウンダーでCEOのMohit Aronは、こう述べている: “私のビジョンはつねに、エンタープライズにクラウドのような単純性を提供し、彼らの複雑に断片化しているアプリケーションやデータをシンプルに統一することだった。そうすれば、バックアップでもテストでも開発でもアナリティクスでも確実に同じデータが使われていることが保証され、IT全体の費用効率と質が向上する”*。〔*: これがハイパーコンバージド(超収束)のキモである。統一には、ハードウェアの統一も含まれる。参考記事。〕

“Cohesityは過去12か月で業績に大きな勢いがつき、マーケットシェアも伸びた。まだスタートしたばかりの企業なのに〔創業2013年〕”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

ヒトとAIが協働、接客アバターの「コラボロイド」提供元が数千万円を調達

最近ではキャラクターを通じてYoutube上で動画配信を行うバーチャルYouTuber(VTuber)が注目を浴びているが、今後は店舗での窓口案内や受付業務などさまざまなシーンでアバターが活躍する時代になっていくのかもしれない。

アバターを通じて接客業務や案内業務を効率化するデジタル派遣サービス「コラボロイド」。同システムを開発するUsideUは6月12日、Draper NexusおよびDEEPCOREを引受先とした第三者割当増資を実施したことを明らかにした。金額は非公開だが、関係者によると数千万円規模とのこと。なお資金調達をしたのは2018年の4月10日だという。

コラボロイドはアバターによる音声や表情、ジェスチャーとタッチパネルやテキスト、画像などの情報を組み合わせることで対話業務を効率化するサービスだ。遠隔からアバターを操作する人間のスタッフとAIが補完しあう仕組みを採用。定型化できる業務についてはAIが担い、AIだけでは難しい業務を人が対応する。

現在ハウステンボスが運営する「変なホテル ハウステンボス」内の「変なバー」ですでに導入済み。ここでは店内に設置されたタブレット越しに、アバターが飲み物の説明や注文の受付を担当。遠隔で控えているスタッフと、アバター越しに会話を楽しむこともできる(スタッフの声はボイスチェンジャーで変更)。

初期は人間が対応する比率が高くなるが、接客データが蓄積されていけば徐々に自動化できることも増える。UsideU代表取締役社長の高岡淳二氏の話では「ある程度定型的な会話はAIに任せられるようになる」という。

コラボロイドはアバターによる声やジェスチャーに加えて、画面にメニューや案内の情報を出しながら対話をできるのが特徴。たとえばどのタイミングでどんな情報を出しながら説明するのが効果的なのか、そういったデータも集めているそうだ。

このようにコラボロイドを用いることで、これまでは現地で担当者が対応していた業務の一部は遠隔にいるスタッフとAIで担えるようになる。UsideUでは「デジタル派遣サービス」と表現するが、自動化によって業務が効率化されるだけでなく、その場にいないとできない仕事が減っていくことで「柔軟な働き方を選びやすくなったり、サービス産業の人材不足を解決していく効果もある」(高岡氏)という。

同社では今回調達した資金をもとにプロダクトの開発を進めるほか、6月末からはハウステンボス内での接客業務や案内業務の効率化を目指し、コラボロイドを活用した取り組みを始める予定だ。

UsideUは2017年6月の設立。代表の高岡氏は中国で転職サイトの立ち上げを経験したのち、アリババジャパンの社長室やシリコンバレーのVC・Draper Nexusでの勤務を経て起業している。

UsideUのメンバー。写真右上が代表取締役社長の高岡淳二氏

IBMと米国エネルギー省が世界最速のスーパーコンピューターを構築

IBMと米国エネルギー省(DoE)のオークリッジ国立研究所(Oak Ridge National Laboratory、ORNL)は6月9日(米国時間)、同部門の最新のスーパーコンピューターであるSummitを発表した。IBMは、サミットを現在「世界で最も強力でスマートなサイエンススーパーコンピューター」であると主張しているが、そのピークパフォーマンスは毎秒20京回の計算(200ペタフロップス)という驚くべきレベルに達する。このパフォーマンスによって、今月末に発表されるスーパーコンピュータートップ500ランキングでは余裕のトップとなる筈だ。それはまた、2012年以来初めて、米国を拠点とするスーパーコンピューターが首位になるということを意味する。

Summitは数年前から稼働しているが、現在4608台の計算サーバーに、それぞれ22コアのIBMPower9チップを2個、そしてNvidia Tesla V100 GPUを6個搭載している。合計では、システムには10ペタバイトを超えるメモリが搭載されている。Nvidia GPUの存在を考えると、オークリッジ国立研究所で通常行われるエネルギーや先進素材の研究に対するハイパフォーマンス計算に加えて、このシステムが機械学習や深層学習アプリケーションに利用されることは意外なことではない。

IBMがSummitの元請け業者となり、Nvidia、RedHat、そしてInfiniBandのネットワーキングスペシャリストであるMellanoxと協力して新しいマシンを提供している。

画像クレジット:オークリッジ国立研究所

「SummitのAIに最適化されたハードウェアは、研究者たちに、膨大なデータセットの分析と、発見のペースを加速する知的なソフトウェア作成のための、素晴らしいプラットフォームを提供します」と発表の中で語ったのは、ORNLのコンピューティングならびにコンピューティングサイエンスのアソシエイトディレクターであるJeff Nicholsである。

Summitは、IBMがエネルギー省のために構築している次世代スーパーコンピューター2つのうちの1つである。 2つ目はSierraという名前で、ローレンス・リバモア国立研究所に設置される。今年運用が予定されているSierraは、予定されている計算能力は125ペタ(12.5京)フロップスとSummitほど強力ではないが、どちらのマシンも現在エネルギー省で使われているどのマシンよりも遥かに強力である。

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(翻訳:sako)

画像クレジット: オークリッジ国立研究所

SonyがE3 2018で発表するPSゲームの数々、最人気はやはりバイオハ…

SonyはE3 2018のプレスカンファレンスをイベントにしたかった。Microsoftみたいに“新しいタイトルを50揃えました”ではなく、記者たちが席から立ち上がって歩きまわるものに。

それはまるで、今流行(はや)りの実験的レストランみたいだ。一食々々がとても小さいので食べ終えてもお腹が減っているが、でもそれが意外と楽しかったりする。

The Last of Us Part II

情熱的なキスで始まりキスで終わるトレーラーが、この人類絶滅後のサバイバルゲームのとても精巧なゲームプレイを強調している。でもそれは、このシリーズに初めから期待されているものであり、大画面のクローズアップでは全員がコーフンしていた。

Ghost of Tsushima

これも大画面が似合う凄惨で血まみれの傑作。このサムライ時代劇は時代が蒙古襲来のころで、大量の人斬りチャンバラ剣劇あり。サッカーパンチプロダクションズの最新ゲームが、この席でデビューした。

Control

あまり話題はないが、トレーラーを見ると、本物のFPSインセプションをかけ合せたみたい。大いにグッド。

Resident Evil 2

大人気のゾンビー殺人シリーズのリメイクは、集まった記者たちが大コーフン。ネタバレがたくさんあったが、犠牲者の顔を食べるゾンビーが、よくできてる。今日(米国時間6/11)から予約販売し、発売は来年1月だ。

Trever Saves the Universe(ワンダーウーマン)

リック・アンド・モーティの共同制作者たちの作のひとつ。トレーラーは笑いを取ろうとしていたが、ちょっと物足りない。集まった全員がPlaystationのファンでもね。でも、色はきれい。

Death Stranding

Norman Reedusが自分の足の爪をはぎ取るところが、それまでの30分のゾンビー殺人を全部合わせたのよりもキモ悪い。でも美しい風景や、出産のクローズアップ、かっこいい未来の傘など、最高に画期的なトレーラーだ。

MarvelのSpider-Man Game(スパイダーマン)

発売が9月だから、このイベントでも大きく扱われた。Sonyはいろんなゲームプレイを用意し、あなたの仲良しの隣人Spider-Manが監獄島Raftの超悪人たちと戦う。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Facebook、思い出を懐かしむ “Memories”ページ を公開

本日(米国時間6/11)Facebookは、家族や友達と過ごした日々を思い出すための専用ページ、Memoriesを公開した。このページは実質的にFacebookの馴染みのある機能「過去のこの日」の拡張コレクション版だ。ほかに友達とシェアした思い出もある。

Memoriesにあるコンテンツは新しいものではないが、専用セクションが作られたことでいつでも簡単に見に行けるようになった。

“Friends Made on this Day”には、過去の同じ日に友達になった人のリストが表示される。”friendversaries”(友達記念日)を祝うスペシャルビデオやコラージュもある。

“Memories You May Have Missed” という頻繁にログインしない人にシェアを進めるコーナーもある。”Recapps of Memories” では季節や月ごとに思い出をまとめた短編ビデオやメッセージを見ることができる。

Facebookは一年前にこの思い出再現機能を初めて提供した。オーガニックなシェアが減少していたため、パーソナルなシェアを推奨する試みだった。

同社はほかにも近況アップデートのカラー背景や、コメント内のGIF対応など、投稿やコメントを増やすためにさまざまな施策を打ってきた。

ほかにもティーン向けメッセージアプリのtbhを買収し、ソーシャル質問 “Did You Know” もスタートした。

しかし最近は、以前ほどFacebookで個人コンテンツをシェアすることがなくなった。Facebook以外にも発表の場があるからだ。

今や人々はSnapchatやInstagram(幸運なことにFacebookはここも所有している)、さらにはこれもFacebookがWhatsAppとMessengerで大きなシェアを誇るプライベートなメッセージチャンネルでも情報をシェアしている。

Memoriesは、Facebookが推進するtime-well-spent[有意義な時間]とも密接につながっている。サイトの滞在時間を犠牲にしてでも、Facebookとの質の高い関係を維持する取り組みだ。

Memoriesには見たいコンテンツを調整する機能もある。思い出によっては必ずしも再会したくないものもあるからだ。

「思い出は極めて個人的なものだと理解している——必ずしもポジティブでないことも。われわれはフィードバックに耳を傾け、人々が正しく制御し、簡単にアクセスできるようにデザインしていく」とFacebookのプロダクトマネージャー、Oren Hodが発表で語った。「これらのコンテンツは各自の個人的体験の一部であることを留意して取り組んでいる。これまでに情報を共有してきた人たちに感謝している」

Memoriesは、デスクトップ画面のニュースフィードの左側か、モバイルアプリ右下の「その他」タブ、通知やニュースフィード内のメッセージなどから利用できる。 Facebook.com/memoriesでも見ることができる。

【日本語版中:いつもの通り、ユーザーによっては利用できるまでに時間がかかることがある】

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

3回の倒産危機を救った自作の在庫削減ツールを世の中へ、ハモンズが1.2億円を調達

ECやリアル店舗向けの在庫削減クラウドサービス「FULL KAITEN」を開発するハモンズ。同社は6月12日、大和企業投資、ユナイテッド、ベンチャーユナイテッド、みずほキャピタル、京銀リース・キャピタルを引受先とする第三者割当増資により、約1.2億円を調達したことを明らかにした。

本ラウンドはハモンズにとってシリーズAにあたるもので、2017年5月に大和企業投資から資金調達をして以来2度目となる。同社では今回調達した資金をもとに人材採用を進め組織体制を強化する計画。合わせてFULL KAITENの新バージョンや新機能の開発を進めるという。

小売業者にとって切実な在庫の問題を解決

FULL KAITENは小売事業者が抱える在庫の問題を解決するクラウドサービスだ。小売企業の在庫データをもとに取り扱うひとつひとつの商品に対して、これからどれくらい売れるのかを独自のアルゴリズムで予測。現在保有する在庫と照らし合わせ、適正な量なのかどうかを自動で導き出す。

ハモンズ代表取締役の瀬川直寛氏の話では、FULL KAITENの大きな特徴は3点だ。

1つ目は数万〜数十万の取扱商品を適正在庫、過剰在庫、不良在庫に自動で分類した上で、削減リストを数クリックで自動生成できること。資金繰り悪化の原因となる在庫の増加を検知し、削減すべき在庫の推奨セール価格まで提示する。

「重要なのは、いかに不良在庫になる前に在庫を動かしていくか。在庫が過剰になっている時にいち早く抽出して、セールなどで上手に販売していくことが必要。『気づいたら売上は増えているものの、売れない在庫も増えている』というありがちな問題をなくしたい」(瀬川氏)

2つ目は最適な仕入れ量を自動で算出できること。これには大きく2つの側面がある。要は「そもそも売れない商品は仕入れない、もしくはポテンシャル以上の量を仕入れない」ようにする一方で、「売れる商品についてはしっかりと仕入れる(機会損失を減らす)」ということだ。

瀬川氏によると、仕入れについては担当者が勘と経験に基づいて「どの商品を、どれくらい仕入れるか」を決めていることも多いそう。前回すごく売れたからという理由で安易にたくさんの在庫を抱えてしまうことが、経営を圧迫する原因にもなりうる。

FULL KAITENの場合は商品ごとの販売データを使って、各商品がピーク状態にあるのか、下降トレンドにあるかといった状況を分析し、適切な仕入れ量を計算するという。

そして3つ目が在庫の収益性を分析し、粗利が上がるような売り方を見える化できること。粗利を軸に考えた際に、自社にとって重点商品といえるものは何か。そしてそれをどのように売るのがいいのか。たとえば「他のどの商品と一緒に購入された時に粗利が増加したか」を始め、自社の粗利を伸ばすための方法を自動で分析するという。

「小売事業で売上を増やそうと思った時、絶対にやるのが在庫を増やすこと。ただやみくもに在庫を増やせば、売上が上がっても売れない商品も溜まるばかり。これまでも小売企業は担当者をつけて在庫のコントロールをしようと努力してきたが、商品点数が多いところほど人力でやるのには限界があった。FULL KAITENはシステムでその限界を解決する」(瀬川氏)

もともとは自社ECの課題解決のために生まれたツール

FULL KAITENのストーリーで興味深いのが、もともとは自社の課題を解決するために作られた社内ツールであったということだ。

ハモンズは2012年5月の創業以来、自社でECサイトを運営してきた。2014年2月から続けているベビー服EC「べびちゅ」では3回ほど倒産しかけたそうだが、そんな時に危機を救ったのが自作の在庫削減ツールだったという。

「今でもよく覚えているが、最初は2015年の12月。このままでは翌年2月の給料が払えないからと、『不良在庫を徹底的に削減しよう』と動き出した。ただ考えてみるとそもそも不良在庫とは何を意味するのかも曖昧。そこから在庫に関する議論が始まって、最終的に不良在庫かどうかは在庫の数だけでは判断できず、これからどんな売れ方をするのか予測する必要があるという結論に至った」(瀬川氏)

ハモンズには統計学や機械学習、コンピュータシミュレーションといったバックグラウンドを持つ理系出身のメンバーがいたこともあり、まずは移動平均のロジックを使って不良在庫を洗い出す仕組みを開発。該当するものはセールで販売し、危機を乗り切ったという。

ハモンズのメンバー。写真右から2番目が代表取締役の瀬川直寛氏

ところがその半年後には在庫がたまり、またピンチが訪れる。

「不良在庫を算出する仕組みはできても、そもそも不良在庫を生まない(仕入れない)仕組みはできていなかった。そこで予測結果を活用して、不良在庫になる商品を仕入れないで済むシステムを作ろうと。合わせて過剰在庫のコントロールをできるような機能もとりいれた」(瀬川氏)

このようなプロセスを繰り返した結果、不良在庫リスクを極小化する独自アルゴリズムの開発に成功。今では年間で在庫が17回転するような体制を構築できている(中小のアパレルECではだいたい5~6回転が多いそう)。

この自社ツールのアルゴリズムや汎用性をアップデートしたものこそが、2017年11月にリリースしたFULL KAITENだ。現在はアパレル企業を中心に、家具やスポーツ用品を扱う小売事業者などがすでに導入済み。導入企業数は非公開だが、規模でいくと月商1億円以上の企業がほとんどとのこと。現状は7割がECで、残りの3割がリアルな店舗だという。

同社では今回調達した資金をもとに組織体制を強化し、マーケティングやセールスを本格化していくほか、長い期間の需要予測ができる機能を備えた新バージョンの開発にも取り組む。

「近年ECであればCVRやCPAなどを最適化するためのツールが増えている。もちろんこれらのツールは価値があるが、『○○率』の改善は分母が大きいからこそインパクトがある。小売の場合は商品こそがカギで、売上を増やすには商品を増やすのが王道。だからこそFULL KAITENはどの商品をどのくらい保有しておくべきなのか、何を売れば効果的に売上が上がるのかを把握し、実行に移せるようなサービスにしていきたい」(瀬川氏)

継続的インテグレーション(CI)による開発自動化プラットホームCircleCIが初の海外オフィスを日本に

CircleCIの、継続的インテグレーションとデプロイメントをベースとするビルドプラットホームは、今や世界中の数十万のデベロッパーが利用している。同社はこれまで5900万ドルのVC資金を調達しているが、うち3100万ドルは、今年初めのシリーズCのラウンドだ。

グローバル化によって成長を維持したい同社はこのほど初めて、サンフランシスコの本社の外、日本の東京にオフィスを開いた。最初はそのオフィスの社員を4〜5名とし、地元企業とのパートナーシップで事業を展開するつもりだ。

同社にとって日本は初体験ではない。すでに数名のリモートワーカーがいるし、またCyberAgentやDeNAとの仕事を通じて、日本はアメリカとイギリスに次ぐ同社の世界第三位の市場だ。

CEOのJim Roseはこう説明する: “日本やグローバル市場で活躍できることは、本当にすばらしい。日本はこれまでも、うちにとって成長市場だったし、最近では成長のスピードが上がっている”。Roseは2014年にCircleCIがDistillerを買収したとき同社のCOOになり、2015年にCEOになった。

CircleCIは世界のどこにいて、どんなインフラを使っているデベロッパーでも簡単にインストールして使えるため、同社の売上はボトムアップ的(口コミ的)に伸びている。今や同社の知名度は高く、売上の35〜40%はすでにグローバル市場からだ。

しかしCircleCIのプロダクトは、ワンクリックでインストールできる簡便さが売りではない。むしろCircleCIは、クラウドネイティブな環境でソフトウェアを管理するためのまったく新しい方法であり、デベロッパーと管理職との密接な協働を支えることにより、レガシーのコードベースをクラウドとGitから成る環境へ移行させる過程を助ける。Roseは曰く、“最近の6四半期ぐらいの傾向としては、大企業でもそんなやり方が根付きつつある”。

でも。そのための教育訓練や企業文化の変化は、日本のような非英語圏では容易でないだろう。Roseによると、企業がCircleCIのシステムをインストールするという導入の第一歩をクリアしたら、“今度はそれを社内に周知する仕事があり、それにはローカルな知識が必要だ”。そこで地元雇用の社員たちや地元企業とのパートナーシップが、CircleCIを顧客企業のワークフローに接着していくことを、同社は期待している。

イギリスは同社の二番目に大きな市場だが、新たにオフィスを置くという形での国際展開の端緒として日本を選んだのは、同社の英語のリソースが日本では十分に通用することが実証されたからであり、そしてイギリスはBrexitによってヨーロッパにおける戦略立案が難しくなっているためだ。

“BrexitとGDPRをめぐっては、大量の可動部品があり、単一市場としてアプローチできるのかも、はっきりしない。とりあえずイギリスは、EUとは別の単独市場としてアプローチすべきだろう”、とRoseは説明する。ドイツ、フランス、北欧など、ヨーロッパのそのほかの部分に対する国際展開は、その正しいやり方を目下思案中だ。

Roseの構想では、アメリカ以外の売上を売上全体の50%にもっていきたい。日本は今後国際展開に力を入れていくための、いわばスタート地点だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

アルゴリズムアップデートの影響は早いが、テクニカルな変更は影響が遅い

サイトの順位が変動するのには、Googleのアルゴリズム変更、自社サイトのコンテンツや技術仕様の変更、競合サイトの台頭、など様々な理由があります。Googleのジョン氏は、アルゴリズムのアップデートがサイトに影響を与えるのは、自サイトにテクニカルな変更を加えるよりも素早く影響を与えると述べました。
— SEO Japan

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Goolgeのジョン・ミューラー氏はウェブマスターハングアウトで、「もしサイトの順位が一日で大きく下落して、Googleのアップデートだと周りで騒がれていれば、おそらくそれは検索順位アルゴリズムの変更が完了したことに関係しているであろう」と述べた。ジョン氏はさらに、「サイトに技術的な変更を加えた時、一般的にはそれらの変更がサイト(の順位)に影響を与えるのは数週間から数か月かかる。これはアルゴリズム変動の影響よりも何倍も時間がかかる」と付け加えた。

なので、例えばURLの命名規則を変更したあとGoogleが全ての301を認識するまでのプロセスには時間がかかり、一晩で順位が下落するという事はない。その変動が影響するまでにはより長い期間かかり、より長く影響を持ち続ける。

しかしもしGoogleのアルゴリズムアップデートが、あなたのサイトを以前ほど良くないと判断した場合は、数日などの短い期間で即座に影響が出るだろう。

より抽象化していうと、全てのテクニカルな変更が長い期間を要するわけでは無い。もしGoogleからのサイトのアクセスを全てブロックした場合、すぐに順位は下落する可能性はあるだろう。
さらに全てのアルゴリズムがサイトに対して即座にインパクトを与える訳でもない。いくつかのアルゴリズムは世に出されるのに時間がかかり、新しいクロールと処理のみ取り上げるのである。

Glenn氏が以下のようにまとめてくれた。

(Glenn氏ツイート)アルゴリズムのメジャーアップデートによる影響は、直近の変更だとは限らない。大きいサイトであれば、Googleのアルゴリズムがサイトの変更に対応するのには時間がかかるだろう。再クロール、再インデックス、再処理を行うのに数か月かかる可能性もある。


この記事は、Search Engine Roundtableに掲載された「Google: Algorithm Updates Impact Sites Quickly, Technical Changes Take A While To Impact A Site」を翻訳した内容です。


本文中でも述べられているように例外は存在しますが、サイトに技術的な仕様変更を加えた場合は、適切な経過観察期間を設けることが必要なのかもしれません。
— SEO Japan

Uber、アプリで酔っ払い乗客を識別する特許を申請

Uberの登場は、多くの人の交通に対する考え方に変化をもたらし、そして酔っ払った人が夜帰宅する方法も変えた。手当たり次第タクシーを大声で呼び止めたり、酔った状態で車を運転したりするより、Uberを使った方がかなり安全にA地点からB地点へと移動できる。

Uberは酔っ払いのユーザーに非常に関心を持ち続けていたようだ。機械学習を使って乗客の“状態”を判断するシステムの特許を米国特許商標庁に申請した。

特許そのものは“ユーザーの状態”という不毛の議論に限定される一方で、Uberの本当の関心は、素面の人と酒が入っている人との違いを感知することにある。

この特許についてはCNNが最初に報道したが、位置情報、入力の精度やスピード、操作状況、端末を持つ角度、そして歩くスピードといったデータを使って、正常な行動と比較しながらユーザーの行動を見極める手法、と形容している。

この特許にはまた、乗客の状態をドライバーに知らせるシステムも含まれていて、理論的にはこのシステムによりドライバーは、厄介な客かもしれないと心の準備をしておくことができる。

また特許では、かなり酔った客には特別な訓練を受けたドライバーまたは専門のドライバーをあてたり、あるいは乗車サービスそのものを提供しないこともあるとしている。

多くの場合において、酔っ払った人が帰宅するのにUberを呼ぶのが最も安全な方法の一つだ。一方で、Uberでは、ドライバーが乗客に性的暴行を加えるという事件もあった。CNNは、過去4年間に米国で少なくとも103人のUberドライバーが乗客に性的暴行または暴力を加えたとして告発された、としている。警察の発表では、それらのほとんどのケースで乗客は酔わされたり、乗車する前に飲酒していたという指摘はない。

乗客が酔っているかどうかをドライバーに知らせるというのは、どうしようもない客を乗せてあちこち走らされるということからドライバーを救うことになる。あるいは、往々にして料金の争いにつながる、車内での嘔吐などをあらかじめ回避することにもつながる。しかし、特許にあるこのシステムでは、タチの悪いドライバーに略奪行為を許してしまうことにもなる。

また、酔っているかどうかをUberに把握されるというのは広範に関係してくる。ユーザーデータに関してUberは信頼される存在ではない。 Uberは“God View”を使って客の行動を監視していたとして2万ドルを支払わなければならず、また大量のデータ漏えいについての口止め料を支払っていたともされる。

もちろん、企業が出願した特許が最終的に商品化されるのはごくわずかだ。乗客を監視するという今回のUberのアイデアがアプリ内にとどまるのかどうかは今後明らかになる。

イメージクレジット:Jaap Arriens/NurPhoto / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi)

Ford、自動運転車によるオンデマンド・デリバリーサービスをテスト中

Fordは、スタートアップのPostmatesと組んで、無人オンデマンド・デリバリーサービスのバイロットテストをフロリダ州マイアミおよびマイアミビーチで行う。パイロットプログラムにはCoyo Tacoをを始めとする70社が参加する。

Fordは、複数のロッカーう搭載した車両もテスト中で、これは一回の配達ルートで2箇所以上の顧客に届けるためだ。Postmatesは食料から金物まで何でも扱うためロッカーのサイズも様々だ。

目的は、企業や消費者が自動運転デリバリー車にどう反応するかを見るためだ。店舗側は、アクセスコードをもらって商品を格納する。一方顧客側は、注文した商品が引取可能になったらテキストメッセージでアクセスコードを受け取る。

「自動運転車とのやりとりをできるだけ簡単にすることが目標」とFordはブログに書いた。「Postmatesとの共同作業によって、地域企業がリーチを広げ、顧客にシームレスな体験を提供するための効率の良い配達を実現するために、さまざまな方法をテストしているところだ」。

これは、以前ミシガン州アンアーバーとフロリダ州マイアミで行っていたFordとDominosの提携と似ている。しかし違うのは、複数のロッカーを備えた車両デザインと、タッチスクリーン、音声の両方を使った操作方法だ。各ロッカーにはカップホルダーが2つ設置されていて、飲み物の配達にも対応している。

Fordはこうした専用自動運転車を2021年に正式提供しようとしている。Dominosとのパイロットテストでは、「顧客は到着とともに自動運転車の外側に設置されたスピーカーから流れるピザの取り出し方の説明がよかったと言っている」と、FordのEVP兼国際マーケット担当プレジデントが12月にMediumへの投稿に書いた

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

英語教師からリフォームまで、プロと依頼主をつなげる集客プラットフォームのZehitomoが4億円調達

写真右がZehitomo代表取締役のジョーダン・フィッシャー氏

個人事業主やスモールビジネス向け集客プラットフォーム「Zehitomo」を提供するZehitomoは6月12日、500 Startups Japan、KLab Venture Partners、Draper Nexus Ventures、ベクトル、みずほキャピタル、SMBCベンチャーキャピタル、Social Starts、および複数の個人投資家から約4億円を調達したと発表した。

Zehitomoは、カメラマンや英語教師などの個人事業主を含むSMBと、仕事を依頼したいユーザーをつなげる集客プラットフォームだ。結婚式の写真を撮ってもらいたい、英語を教えてもらいたい、家を改装したい時など、ユーザーはそれぞれの仕事を直接依頼できる“プロ”を検索することができる。

依頼を受けたプロはユーザーに対して見積書を送り、その依頼に「応募」することが可能。ユーザーは送られた見積書を比較して、最終的にどのプロに仕事を依頼するのかを決めるという流れだ。

報酬の〇%が手数料という決済手数料型のクラウドソーシングとは違い、Zehitomoでは依頼への応募ごとに課金するというビジネスモデルで、プロ側は1回の応募につき平均500円の費用がかかる。逆に依頼主であるユーザーはZehitomoを無料で利用できる。ちなみに、Zehitomoが扱う仕事の単価は平均5万円程度だという。

TechCrunch Japanが最後にZehitomoを取材したのは、同社が1.5億円を調達した2017年7月。当時の登録プロ数は約6800人ということだったが、それから約1年で登録者数は5万人(法人含む)にまで拡大している。ユーザーからの依頼は1週間に1000件以上が寄せられるようにもなった。順調に成長を続ける同社だが、ここまでの道のりは決して平坦ではなかったとZehitomo代表取締役のジョーダン・フィッシャー氏は話す。

「前回の資金調達のあと、自分が思っていたスピードでグロースすることができなかった。初めての資金調達でお金を手にすると、やりたいことが沢山浮かんでくる。結果、Must Have(必須事項)ではなく、より着手もしやすいNice to Haveばかりに手を出してしまっていた。昨年のQ4にそれを見直し、選択と集中を進めた結果、ユーザー数も上手く伸びるようになった」(フィッシャー氏)

前回の資金調達から多くを学んだというフィッシャー氏。新たに4億円を調達し、これからの注力ポイントとして彼が選んだのは、組織の強化とZehitomoへの理解度の向上だ。同社はまず、2018年4月に就任したロバート・シューマン新CTOのもと新しいエンジニアチームの構築を目指す。

また、Zehitomoはセールスチームの人員も増やし、プロとのコミュニケーションも強化していくという。「このビジネスモデルへの理解度はまだまだ足りない。(約1年前と比べて)数字の面ではあらゆる指標が10倍になったけれど、理解度は10倍にはなっていない。今年は、プロがどのようにみずからをPRするかを一緒に考えるコンサル的なことも含め、彼らとのコミュニケーション強化をテーマにしたい」(フィッシャー氏)

Kindle Unlimited史上最大の悪用ユーザーが追放された

Kindle UnlimitedのベストセラーやSF/ロマンス/アドベンチャー作品から何階層も離れたこのKindle Direct Publishingマーケットの最暗部には、詐欺師が毎日数百ドルを稼ぐために作られたまったくのゴミ作品が存在している。自らをChance Carterと呼ぶ一人のユーザーは、KDPシステム最大の悪用ユーザーであり、中身のまったくない本を繰り返しアップロードしては1冊あたり15ドル以上を懐に入れている。

Digital Readerによると、Carterは他の本をもとに長編書籍を作っている。数百ページにわたる最初にページに、最終ページに行けば無料プレゼントがもらえる旨書かれている。KDPは著者に対してダウンロードおよび読まれたページ数に応じて支払い、読むスピードは調べておらず、到達した最大ページ番号だけしか見ていない。このためChanceの「読者」たちは1回読むと直ちに約20ドルを彼だか彼女だかに送っていた。

このキセル本詐欺は、Kindle Unlimitedにアップロードする本の中に山ほどの余分なページを詰め込み、読者をだまして本の最終ページまでジャンプさせるしくみだ。

Kindleプラットフォームの欠陥、中でも読者が読んでいる場所はわかっても実際何ページ読んだかはわからないという点をついて、詐欺師はユーザーを最後のページにジャンプさせることで本を「読んだ」ことにさせて支払いを受けることができる。

実際この手のKDP詐欺は極めて異例だ。Amazonは詐欺師がKDP「プール」——KDP作家たちに配られるべき数百万ドルの口座——から現金を引き出すのを防ぐ取り組みを続けてきたが、本件はあまりにも長期に渡りかつ巧妙だったため、これらの本をストアから削除するのに時間がかかったのも驚きではない。ちなみに、この最終ページジャンプ詐欺は新しいKindleでは使えないが、アップデートしていないKindleでは今も通用するため、未だに詐欺師を儲けさせている。

Carterは、本を最後までめくればティファニーのジュエリーを無料プレゼントすると言っていた。もちろんこれはKDPの規約違反である。

Carterとその本は追放されたが、同じような詐欺師は今でもいる。これ自身は犯罪ではないが、Kindle電子書籍を汚染し、市場にゴミコンテンツをもたらすものだ。ほとんどの人はこの人を小ばかにしたトリックにかかることはないだろうが、ひっかかる人もいるので、読者にとっては危険であり詐欺師にとっては朗報だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

デトロイト荒廃の象徴だった駅ビル、自動運転で復活へ――フォードがミシガン・セントラル・ステーションを買収

この巨大なビルと操車場は長年、デトロイト衰退の象徴だった。しかしフォードがこの厄介物を買収することを決めた。ミシガン・セントラル・ステーションはデトロイト復活のシンボルに変身しようとしている。

セントラル・ステーションのビルの前で開かれたプレスイベントでフォードはこの歴史的建造物を買収する提案が受諾されたことを発表した。この買収により、デトロイトのコークタウン地区は自動運転テクノロジー開発チームの本拠となることが決まった。

今日のイベントでは、このビルを1995年から所有しているMoroun家を代表してMatthew Morounが「契約は完了した。施設にには新しい未来が確保された。セントラル・ステーションは未来を開くのにふさわしい次の所有者を得た。ミシガン・セントラル・ステーションはデトロイトの進歩と成功の輝かしいシンボルとなるだろう」と述べた。

建前とは違って、この買収は4ヶ月も前から内容が知れ渡っていた。フォードの自動運転チームが移転してくることは荒廃していたコークタウン地域に活気を取り戻す切り札と考えられている。この地区は繁栄を取り戻したデトロイトのダウンタウンの中心部に隣接しているにもかかわらず、これまで復活の恩恵にあずかっていなかった。アムトラックが施設を最後に使ったのは1988年で、以後所有者は何度も変わった。

この買収はデトロイトそのものを大きく変える可能性がある。ダウンタウンはすでにデトロイトの復活によりビジネス、文化とも活気づいているが、周辺地域はまだ苦闘中だ。コークタウンは立地もよく住宅や社屋の建設に適したスペースが十分にある。セントラル・ステーションがフォードの新しいテクノロジー・ハブとして成功すれば、この地域に再開発に必要な関心と資金を集めるのに役立つだろう。

今回の買収はコークタウンへのフォードの2回目の大型投資となる。今年初め800メートルと離れていないザ・ファクトリー・ビルディングにオフィスを移転させ、200人以上のフォード従業員が入居した。セントラル・ステーションの再開発では1000人以上の従業員が移転することになるかもしれない。現在フォード本社の従業員の大半はデトロイト郊外のディアボーンのいくつかのオフィスに勤務している。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

レシートが1枚10円にかわるアプリ「ONE」公開、17歳起業家が新たに目指すのは“次世代の金券ショップ”

突然だがTechCrunch読者のみなさんは買い物をした際に渡されるレシートをどうしているだろうか?

面倒くさがりな僕はたいてい「レシートはけっこうです」と言ってもらうことすらしないのだけど、家計簿に記録するために丁寧に保管している人もいれば、なんとなく財布の中に溜め込んでしまう人、すぐに捨ててしまう人などそれぞれだろう。

そんなレシートは多くの人にとって日々の買い物(支出)の記録以上の価値はないかもしれないけれど、もしかしたら他の誰かからすればお金を払ってでも買う価値のあるものなのかもしれない。

前置きが長くなってしまったけど、ワンファイナンシャルが6月12日に公開した「ONE」はまさにそのような世界観のサービス。どんなレシートでも1枚10円に変わってしまうというものだ。

レシートが1枚10円になるカラクリ

「きっかけはスイスの友人から現地の小銭をもらったこと」——ワンファイナンシャルCEOの山内奏人氏によると、この出来事がONEのひとつのテーマでもある“価値の非対称性”に着目する契機になったという。

「日本にいる自分にとってはスイスの小銭もただの金属の塊と変わらない。その時に自分にとっては価値がないけれど、他の誰かには価値があるものが面白いなと思った。普段多くの人が日常的に使っているもので同じような例はないか考えた時に浮かんだのが、レシートだった」(山内氏)

先にいってしまうと、ONEはユーザーから「レシートという形をした決済データ」を買い取り、そのデータを手に入れたい企業に販売していく構造になっている。

近年パーソナライズという言葉が頻繁に使われるようになったように、大まかな統計データではなく個人個人の消費傾向を把握し、個々に最適な提案をすることが求められる時代だ。だからこそ「どんな人がどのタイミングで、どのような商品を買っているのか。その商品と一緒に買っているものは何か。といった購買データに価値がある」と山内氏は話す。

ONEの機能はシンプルで、ユーザーはアプリからレシートの写真を撮影するだけ。買い物の金額や購入した商品数などの違いはなく、どんなレシートも1枚10円に変わる(アプリ内のウォレットに10円が振り込まれる)。

ユーザー1人あたりが1日に撮影できるレシートは10枚まで。アプリ内に貯まったお金は300円から出金でき、メガバンクを始め国内ほぼ全ての民間金融機関に対応しているという。利用料等はかからないが、出金時の手数料200円についてはユーザーの負担となる。

出金時には本人確認が必要になるため、ONEの運営側から見ればこのタイミングで大まかな属性データが取得できる。これを送られてきたレシートのデータと合わせて、決済データが欲しい企業へ提供していく仕組みだ。

レシートからは金銭感覚や消費傾向がわかるため、マネタイズの方法としては取得したデータを純粋に企業へ売っていくというのがひとつ。そしてもうひとつ、特定のユーザーにクーポンを配信することで送客をするモデルも考えているという。

目指すのは次世代の金券ショップ

ワンファイナンシャルについては、同社が1億円の資金調達を発表した2017年10月に一度紹介している。当時16歳ながらすでに複数のサービス立ち上げを経験していた山内氏は、スマホ1台あれば数分でカード決済を導入できるアプリONE PAYを手がけていた。

その後ONEPAYMENTへと名前を変えサービスを伸ばしていたが、それに伴い不正利用も増加。2018年4月には不正利用リスクが原因でStripe社から出金APIの利用を止められ、サービスを停止せざるをえない状況に陥った。

一時は再開したものの不正利用のリスクは消えない。山内氏が「多くのユーザーに使ってもらっていたので申し訳ない気持ちはあったが、そのままの形で続けるのは難しかった」と話すように、最終的にはサービスの継続を断念。ユーザーへサービスの終了を通知していた(6月29日に決済機能を停止し、7月31日に出金を含むすべてのサービスを停止)。

ONEPAYMENTはクローズすることになったが、決済データを活用したビジネスへの関心や、新しい金融の仕組みを作りたいという気持ちは変わらなかったという山内氏。上述の通りスイスの小銭がひとつのけっかけとなって、新しいサービスを立ち上げるに至った。

ONEについてはどのような使われ方をされるのか予想できない部分もあるというが、将来的には「次世代の金券ショップのようなものを作っていきたい」という構想を持っているようだ。

「多くの人にとってレシートはものすごく身近なものでもあるので、まずは第一弾としてレシートから。いずれはたとえばギフト券など、もっと多くのものを扱えるようにしたい。データがたまっていけば、与信スコアのような形でレシートの買い取り価格を変えたり、レンディングなど別の展開も考えられる。ここを中心に新しい金融の仕組みを作れるように、サービスを作りこんでいきたい」(山内氏)

Bitcoin価格急落――しかし取引は続く

最近Bitcoinマーケットを見ていなかったなら驚いたはずだ。笑った人もいるかもしれない。Bitcoinは1万9000ドルという過去最高値を付けた後で急落した。この記事を書いている時点で6785ドルあたりを低迷している。そこでBitcoinという実験は終わりだと考えたものも多い。しかしもっと多くの人間がこれは何かの始まりによくある現象に過ぎないと考えている。

もちろんこの暴落で痛手を受けた話にはこと欠かない。ルーマニアの起業家から聞いたところによると、友達がクレジットカードで目一杯BTCを買った末、ひどい苦境に陥っているという。Bitcoinブームのテールエンドにようやく滑り込んだつもりの人間は努力が水の泡となるのを見ただろう。私の友人は仕事中のウェイターが1万8000ドルでBitcoinのトレードをしていのを目撃した。暴落前にポジションを処分していることを祈る。

しかし暗号通貨を積んだ列車は止まる気配をみせていない。 世界中のスタートアップはICOを検討し、実行している。初期からの暗号通貨のマイナーやトレーダーは十分な利益を確保しており、あらゆる形で投資することができる。ブロックチェーン・サービスのR3が苦境に陥っていることに対してBitcoinコミュニティーは冷淡だ。金融機関は「重要なのはブロックチェーン・テクノロジーであってBitcoinではない」といった意見にはあまり興味を示さない。金融機関は伝統的な証券やコモディティ商品と同様、Bitcoinも重要な金融マーケットの一つであると認識し始めている。.

もちろんマーケットにおける取引も活発に続いている。これは重要なことだ。Coindeskのレポートも指摘しているように、何を扱う市場であれ、市場というのは乱高下するものだ。リスクを取ることをいとわない参加者にとって暴落はチャンスとなる。

私の言うことを鵜呑みにする必要はない。下に掲載したのはほぼすべての主要なマーケットにおけるこの7日間の取引量だ。

Bitcoinは過去に例を見なかったレベルで組織的かつ国際的に富の再編、移転をもたらすという点が本質だ。これまでこうした富の再編は、相続や事業合弁によって徐々に行われてきた。しかし暗号通貨取引は世代も遠近も問わず、ほとんど即時にパートナーを形成することができる。これは非常に興味深い経済的な仕組みであり、近い将来に無用になるとは思えない。

価格は急上昇することもあれば急降下することもある。賢明な参加者でありたいなら市場の本質として覚えておくべき点だろう。市場の心電図は激しく動いており、決して水平なラインを示していない。患者は死んでいない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

LINEが新サービスーー1分100円で恋愛やダイエットをチャットで相談できる「トークCARE」

先日、TechCrunch Japanではチャットで旅行先を相談できるというサービスを紹介したばかりだけれど、恋愛やダイエットに関する相談も気軽にチャットできるようになったみたいだ。LINEは6月11日、女性が抱える悩みを専門家にチャットで相談できるサービス「トークCARE」をローンチした。

トークCAREにはファッション専門家や栄養士など、各ジャンルの専門家が約200名在籍。専門家の検索から相談までLINE上で完結できるため、時間や場所を問わず気軽に相談できることが特徴だ。

LINEはもともと、トークCAREに先駆けてチャットで占い師に相談できるサービスをリリースしていた。占い未経験でも気軽に相談できることや、鑑定を見返すことができるなど、チャットならではの特徴から人気を集めていた同サービスだが、その相談内容のじつに約8割は恋愛や結婚に関する相談だったのだとか。

LINEをすでにインストールしていればトークCAREの利用はとても簡単だ。LINEの中にある「LINEアプリ内ウォレット」タブ(クレカのマーク)を選択し、下にスクロールしていくと関連サービスのセクションにトークCAREのボタンがある。チャットの場合1分100円から、電話の場合は1分130円から利用できる。

恋する相手から“未読スルー”されたりなど、LINEで傷ついた心はLINEで癒してもらおう。

テスラ、「完全自動運転」機能有効な新ソフトウェアを8月配布へ

eng-logo-2015テスラを率いるイーロン・マスク(Elon Musk)氏は、車載ソフトウェアのアップデート「バージョン 9.0」を8月から配布開始すると表明しました。このバージョン 9.0では、「オートパイロット 2.0」以降を搭載した車両で「完全自動運転」機能が利用できると同氏はツイートしています。

2016年にバージョン 8.0、2017年にバージョン 8.1が配布され、そのたびに自動運転機能の拡張と利用速度域の向上が図られてきたテスラの自動運転機能。さらに2年前には完全自動運転機能を2018年にリリース予定だと表明しており、上のようなデモ動画も公開されています。

動画を見ると、完全にハンドルから手放した状態で車両が周囲の状況を判断しながら交差点を曲がり、曲がりくねった道を走行し、赤信号で停止し、高速道路でレーンをチェンジしたり、インターチェンジから降りたり……といった動作が確認できます。ただしこれはあくまでもデモで、この動画と同等の自動運転機能が実装されるかどうかは今のところ不明です。それに、法規制等の問題から手放しでの自動運転も難しいところでしょう。

また、テスラが「完全自動運転」を主張するも、その実態はドライバーが運転席のシートに座り、いつでも運転をコントロールできる必要があります完全自動運転と聞くと「車両が運転をすべて担当し、ドライバーはハンドルすら握らずシートに座っていればいいんだな」と誤解しがちですが、テスラ独特のこの言い回しには若干注意が必要です。完全にドライバーのコントロールが必要ない「自動運転レベル5」は、現時点ではまだ実験段階です。

テスラの自動運転技術といえば、残念ながら最近は利用中の事故の報道が多く目につきます。2018年4月の事故の際にはドライバーが直前にハンドルを握っていなかったことが判明していますが、これは自動運転技術がまだまだ発展途上である、さらにはテスラと一般ドライバーの間で「自動運転機能」の捉え方差があることを感じさせます。

なにはともあれ、今年の夏にはデビューする予定のテスラの「完全自動運転」機能。ぜひ自動運転技術の未来を見せてほしいものです。

Engadget 日本版からの転載。

外国人が自国語で医師に相談できる「UrDoc」、7月公開を前に医師向けアプリのベータ版を公開

TechCrunch読者の中には、海外で体調が悪くなったり、けがをしたりして不安になった経験をお持ちの方も多いのではないだろうか。症状や自分の状態を外国語で伝えるのはなかなか難しいことだ。それは海外から日本に来た、日本語に通じていない人も同じこと。「UrDoc(ユアドク)」は日本に滞在する外国人が急な体調不良やけがに見舞われたとき、アプリを通じて自分が慣れ親しんだ言語で医師に相談できるサービスだ。

UrDocを開発するサーティーフォーは6月11日、7月のサービス正式公開に先駆け、相談を担う医師のための専用アプリ「UrDoc for Dr.」ベータ版を公開した。

UrDocでは、ユーザーのリクエストに応じて、登録した医師がそれぞれの空いている時間にオンラインで相談を担い、収入を得ることができる。ユーザーは相談に使った時間あたりの従量課金で費用を支払う。サーティーフォーはそのうちの一定の割合を手数料として得る形だ。

登録医師は、UrDocの審査にパスした現役の医師。2018年2月からクローズドで実施されてきたUrDocのアルファ版では、10名前後の医師と、協力するホテルの宿泊客などを対象に実証実験が行われてきた。

サーティーフォーのヘルステック事業担当者によれば、アルファ版の評判は上々で、外国人ユーザーから「助かった」との感謝の声や、以前滞在していた時に子どもが具合が悪くなった経験を持つ人から「こういうサービスを待っていた」との感想も届いているそうだ。また意外にも、日本人で本当に具合の悪い人が利用したケースで「医者がなかなか見つからなかったので役に立った」との声もあったという。

医療相談アプリでは、TechCrunch Tokyo 2016のスタートアップバトルで最優秀賞を獲得した「小児科オンライン」や、1月に1.5億円を調達したiCAREの「Carely」など、いくつかのサービスが既にある。UrDocは多言語対応している点と、事前予約や月額での利用登録不要で、必要なときに必要なだけ、リアルタイムに利用することができる点が特徴となっている。

サーティーフォーでは今後、当面は多言語対応を基本としてサービスの整備を進める予定だ。そして次のフェイズでは日本語での相談や、日本から海外へ出かける日本人への医療相談などにもサービスを展開していきたい、としている。

サーティーフォーは神奈川県相模原市に本社を置く、総合不動産業を営む企業。2017年4月より業務多角化の一環としてヘルステック事業部を新設し、UrDocの開発に当たってきた。2017年10月には経済産業省のベンチャープログラム「飛躍 Next Enterprise」でシリコンバレーコースに採択されている。