ボタニカルライフメディア「LOVEGREEN」のストロボライトが1.4億円を調達、サービスECのマーケット創出へ

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ボタニカルライフメディアの「LOVEGREEN」を運営する日本のストロボライトは本日、ニッセイキャピタル株式会社を引受先とした第三者割当増資により1億4000万円を調達したことを発表した。同社は2015年9月30日にも資金調達を実施している(金額は非公開)。また、株式会社アイスタイル出身の川上睦生氏が10月1日付けでCOOに就任したことも同時に発表された。

同社は今回調達した資金を利用して、LOVEGREENのグロース、新規事業となるサービスEC事業の立ち上げ、そしてそれに伴う人材強化とオフィス移転を予定している。

コアなファンも認める質の高いコンテンツを

2012年創業のストロボライトが手掛けるのは、植物の育成管理や飾り方などの情報を配信するボタニカルライフメディアの「LOVEGREEN」だ。現在、同メディアのFacebookページでは約9万4000の「いいね!」数を獲得しており、植物関連では最大のメディアと言えるだろう。現在のところMAUとPVは公表していないが、代表取締役の石塚秀彦氏は「年明けくらいには公表することも考えている」と話す。

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LOVEGREENが集中的に取り組むのが、記事クオリティの維持向上だ。当初は外部のライターを中心にコンテンツを製作していたものの、クオリティのさらなる向上を目指し、編集部所属のライターを増やしていく方針に転換している。「読者の半数以上が、週に1度は園芸ストアに通ったり、イベントに参加している人たち」だという。石塚氏がある植物の生産者とインタビューした際には、「あの記事どうやって書いてるの?実は、LOVEGREENの記事を参考にして育ているんですよ」と言われることもあったそうだ。

注目すべきはLOVEGREENの読者層だ。同メディアの読者層は40代前半の女性であり、読者の半数以上が「戸建て持ち」の主婦層だという。そこで出番となるのが、ストロボライトの新規事業である。

既存サービスとのシナジー効果の高いストック型のビジネス

ストロボライトは庭の造園・植栽・剪定の見積もりと注文ができるサービスEC事業の立ち上げを予定している。外部の専門業者とユーザーをつなげる仲介型のマーケットプレイスだ。上述したように、LOVEGREEN読者の半分が庭の手入れが必要な戸建て持ち世帯であることを考えれば、既存サービスであるLOVEGREENと新規事業のシナジー効果はとても高いと言える。

気になるのはその市場規模だ。植物にフォーカスする直接的な競合はいないというが、それはその業界がニッチな市場だからなのではないか。しかし石塚氏によれば、「日本には園芸にお金を使う人が全国で3000万人いて、市場規模は1兆円を超える」と語る。さらに、この業界のサービス単価は高い。

枝の一部をはさみで切り取るという、比較的シンプルな作業の「剪定」の単価こそ3万円程度だが、空間のコーディネートである「造園」の場合、数十万円から数百万円の単価になる。

植物は時間が経てば伸びてくる。伸びすぎた枝は切らなければならない。だから、ストロボライトの新規事業は、リピーターさえ増やせれば継続的収入も見込めそうだ。

「造園業者も高齢化がすすんでいて、業者のWebページを見てみても時代遅れと言わざるを得ないようなデザインなのが現状。業者の方々に、この事業について話をしてみても”こういうのがあればよかった”と言われたこともあり、新サービスに対する変なしがらみなどもない」(石塚氏)

新規事業の収益モデルは手数料型で、石塚氏は「当初は実績をあげることに集中するが、消費者と施工業者にそれぞれ付加価値を提供することができれば、将来的には最低でも15%から30%程の手数料率は狙えるのではないか」と話している。

しかし、マーケットプレイス型のビジネスだからこそ懸念されるのが、ユーザーと業者の直接取引だ。実際、人的資源のマーケットプレイスであるクラウドソーシングの「ランサーズ」や「クラウドワークス」でもこのような行為を利用規約により禁止している。それについて石塚氏は、「既存サービスであるメディアを通じてユーザーとの信頼関係を構築したり、ポイント制を導入することなどを考えている」と話しているものの、同社のマーケットプレイスにどれだけユーザーを巻き込めるのかがリリース後の課題となりそうだ。

「ボタニカル石塚」CEOと、彼に魅了された新COO

メディアを通じてファンを獲得することが、直接取引という問題の解決策の1つだが、10月1日付でCOOに就任した川上睦生氏も、実は入社以前からLOVEGREENのファンの1人だったという。川上氏は、「他のメディアが書いている植物に関する記事と比べても、LOVEGREENの記事のクオリティは全然違うと感じていた。そういうこともあり、求人広告を見た瞬間”ここだ!”と思った」と入社したきっかけについて話す。さらに、「石塚さんと話した瞬間から3年くらい先の事業プランも見えたし、彼の熱い気持ちを感じた」とも語る。「Incubate Camp 8th」のプレゼンテーションの最中、みずからを「ボタニカル石塚」と改名する程のCEOの情熱に魅了されたのだろう。

植物への愛にあふれる「ボタニカル石塚」CEOと、新しくCOOに就任した川上氏の新体制となったストロボライト。彼らが次に情熱を捧げる新規事業は、2017年2月から3月頃のリリースを予定している。

一般道と交差点を颯爽と駆け抜ける、自動運転のTesla

Teslaはこの先、生産するすべての車を、将来完全な自動運転を実現するために必要な全てのハードウェアを搭載したものにするという発表を行い、同時にプロトタイプソフトウェアの短いデモビデオを公開した。今度の新しいビデオは、自動運転のTeslaが、混雑した道や沢山の交差点を完璧に駆け抜ける様子を描いている。

ビデオはドライバーの視点で提供され、ハンドルの前に座る人間(法律の規制により座っている)が、ハンドルにもブレーキにもアクセルにも一度たりとも触れていない様子をはっきりと写している。ビデオはまた、Teslaの光学カメラが運転中に見ているもの全てを3つの分離したビューで示していて、そこにはオンボードコンピューターが路上の物体や車線として認識したものが色付きでオーバーレイ表示されている。

Autopilotの完全自動運転バージョンが動作している様子は真に印象的である、そして創業者兼CEOのイーロン・マスクの語った、Teslaによる来年の後半に行う米国横断テストドライブという目標の達成が、可能なのではないかと思わせることに役立っている。

なおBGMの黒く塗れが少々胃にもたれる読者のために、ベニー・ヒルバージョンのビデオも用意されている。

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(翻訳:Sako)

世界を養うテクノロジー

Close-Up Of Wheat Growing On Field

【編集部注】著者のJoseph Byrum氏はSyngenta社のライフサイエンス – グローバルプロダクト開発・イノベーション・デリバリー部門のシニアR&Dエグゼクティブである。

今から20年後、あなたのテーブルの上に食べ物を載せるための最も重要なツールは、収穫機でも、コンバインでも、そしてトラクターでもない。それはソフトウェアたちだ。

現在農業は、完全にハイテク企業へ移行する過程にある。これは何世紀にも渡ってものごとが行われてきた方法に対する、遅れてきた革命なのだ。事実を見つめるならば、もし私たちが昔ながらの方法で農業やり続けるならば、2050年までには更に20億人の人びとが飢えることになる。

世界の人口増加が、農業生産性の急激な向上を、差し迫って求めている。生産性に対する、地道な進歩を待っていては、もう単に間に合わない。2050年の課題は、前例のないものである — 今日生きている全ての人を養った上に、1920年に生きていた全員を加えた人口を養うことと等価なのだ。

簡単に言えば、20世紀を通して私たちを導いてきた技術は、21世紀においては私たちを遠くまで導くことができない。そしてこのジレンマを解決するための、どのようなソリューションを手に入れるにせよ、土地と水は乏しい資源であり続け、環境の持続可能性が最優先事項であることも考慮に入れる必要がある。

幸いなことに、ハイテクガジェットが全国の農場に広がりつつあり、作物の生産性を押し上げている。自動運転車が米国のハイウェイ上で受け入れられることに手間取っている一方で、自動運転コンバインやトラクターは、米国の小麦並びにトウモロコシ畑では徐々にありふれた景色になりつつある。

Teslaは昨年自動運転装置を装備したModel Sモデルを5万台販売したが、John Deere社は既に20万台の自動運転トラクターを農場に投入している

ドローンや人工衛星が、農家に対して作物の健康状態に関する、これまでにはなかったオーバービューを与えている一方で、グラウンドレベルのセンサアレイは、土壌と気候に関するリアルタイムのデータを提供している。これらのシステムは、有害な昆虫や作物の生育を脅かすかもしれない他の問題の存在に対して、早期に警告を与える。

農業用ドローンとPrecisionHawks社のDataMapperを利用して作成された土壌マップ

農業用ドローンとPrecisionHawks社のDataMapperを利用して作成された土壌マップ

十分な情報を得ている農家は、問題が深刻になる前に解決へ向けて迅速に行動することが可能になる。例えば、窒素センサが、フィールドの一部における窒素の過剰を報告することもあれば、他の一部では不足を報告するかもしれない。これによって農家は、栄養が多すぎず、少なすぎず、必要な量だけ正確に供給される先進的な施肥システムを制御することができる。高い精度は無駄を省き、お金を節約し、そして環境のために良いのだ。

成長する植物は窒素を渇望し吸収するが、最新設備のない農家はしばしば「念のために」作物が必要とするものよりも多くの施肥を行いがちである。残念なことに、植物によって吸収されなかった余剰窒素は、地下水に浸透する傾向があり、それが多ければ魚に有害なものとなる。

したがって、これらのハイテクガジェットから得られる、効率と環境への潜在的な利点は途方もないものとなるが、それらははるかに複雑なパズルの一片を表しているのだ。

ガジェットが行うのは、前例のないレベルのモニタリングとデータ収集能力の解放である。しかし、21世紀の農業の中心となるものは、これらのデータの処理である。明日の農業のキラーアプリは情報による収穫だ。

成長という話題になると、農家は沢山の疑問に直面する。どのような作物を、いつ、どこに植えるべきなのか?どのくらいの水が必要とされるのか?どのくらいの肥料が必要とされるのか?水や肥料の量は、畑ごとに異なり、個々の畑の中でも異なる。その量も日によって、あるいは時間によっても変化する。このプロセスには、相互に関連する何千もの複雑な変数が関わっている。

ISRAEL – OCTOBER 03: 点滴灌漑  (写真:James L. Stanfield/National Geographic/Getty Images)Netiv Ha Asara, Near Qiryat Gat, Israel. (Photo by James L. Stanfield/National Geographic/Getty Images)

ISRAEL – OCTOBER 03: 点滴灌漑  (写真:James L. Stanfield/National Geographic/Getty Images)

複雑な数学が計算尺と黒板を用いることでしか行えなかった遠い昔には、私たちは訓練された推測以上に、最善の道筋を決定するための、複雑で増大する質問に答える計算能力は持っていなかった。

しかし今や計算能力は安価であり、全ての可能な選択肢とその潜在的な結果をモデル化することが可能になった。例えば、Google Mapを搭載したスマートフォンは、現在の交通状況に基いてA地点からB地点までの全ての経路を、最短あるいは最速の観点から評価することができる。

シミュレーションとモデリングはまた、作物栽培を行う際に迷子になることを防ぐ。最も基本的なレベルとして、作物は成長の様々な段階に応じてレベルが変化する、太陽光、水、そして栄養分を必要としている。これは単純な話に聞こえるが、大規模に行われる世界では、各因子を最適化すれば巨大な見返りが得られるのだ。

米国は毎年5000万エーカーの農地全体から、23億ブッシェル(1ブッシェルは米国では約35.2リットル)の小麦を収穫する。もし生産性が1パーセント伸びれば、毎年67万800トンの小麦粉が追加されることになる。

そしてデータ分析の能力をフルに利用すれば、1%よりもはるかに多い増産を行うことができる。

例え農場の地面に最初の種が蒔かれる前であっても、全国のそして世界中の成長の様々な条件のための遺伝的潜在能力を最大化を狙って、植物品種の育種を最適化するために、データ分析を利用することができる。カリフォルニア州の農家が干ばつに強い種を必要とするかもしれない一方で、中西部の農家は特定の植物病害に対してより強い抵抗性を有する種を欲しいかもしれない。

Prosperaの作物のモニタリングシステムは、農家が収穫量を向上させるための手助けをするために、コンピュータビジョンと人工知能を利用している。

Prosperaの作物のモニタリングシステムは、農家が収穫量を向上させるための手助けをするために、コンピュータビジョンと人工知能を利用している。

データ分析はまた個別の農家側でも役に立つ。例えば特定の農家のニーズと、その農家の畑の(昨年ではなく)今年予想される収穫条件の下で、最高の収量を期待できる種をマッチングする。

そしてその種を植えるタイミングになったときには、データ分析は作物の成長や土の条件、天候、そしてその他のキイファクターに関する大量の履歴データを処理し、個別の作物の条件が最大収量に向かって最適化されるようにする。収穫後には、データ分析は、配送物流や作物の販売を支援する。

情報による収穫は、種子の品種の育種から店舗の棚への食品の配置至るプロセスの各ステップを最適化する、完全なシステムとして考えられなければならない。目指すのは農業における意思決定を改善することだ、農家やそのサプライヤーから、農業機器メーカーまで、そして最終的には消費者たちの意思決定を。

食品製造プロセスの各段階において可能な最善の選択を行うことで、生産性が最大化され、より少ないリソースでより多くの食品を得るというゴールへ近付くことができる。これが、2050年に世界を養うために必要な作物の成長を達成するために、必要とされる努力のレベルだ。

これは、いかなる会社もしくは個人よりも大きな仕事である。既存の農業コミュニティさえ超えている課題なのだ。食品セキュリティは全ての人に影響する、そしてその問題解決が要求するのは、農業が次のレベルの生産性に到達するために必要な革新的なシステムを構築できる、数学とソフトウェア工学の世界からの才能の注入である。

これらのことが意味するのは、明日の最も偉大なテクノロジーの機会は、シリコンバレーではなく、(穀倉地帯である)中西部で見出すことができるということだ。

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(翻訳:Sako)

コールセンターのフィードバック・プラットフォーム「Cogito」がシリーズBで1500万ドルを調達

People working at conference table in office

現地時間11月18日、カスタマーサービス向けにリアルタイムなフィードバック・プラットフォームを提供するCogitoは、シリーズBで1500万ドルを調達したことを発表した。本ラウンドを含めると、同社のこれまでの調達金額は合計で2250万ドルとなる。

MIT Media Labのスピンオフ企業である同社は、行動科学の原理をコールセンターに適用することでカスタマーエクスペリエンスの向上を目指している。過去の成功例と現在進行中の会話との間で、会話の各特徴を比較しているのだ。Cogitoでは、声の大きさや、会話が途切れた時間、会話のスピードなどの特徴を模範例と比較し、それに基づいてコールセンターの従業員にリアルタイムなフィードバックを提供している。同プロダクトはこれまでに、HumanaやCareFirst BlueCross BlueShieldなどのFortune 500企業に採用されており、Cogitoはこれらの企業に対する顧客満足度を20%向上することに成功したと主張している。

行動科学のビジネスへの応用はまだ始まったばかりだ。大量のデータを利用する機械学習によって行動科学の研究が進歩するなか、今後さまざまな業界でユニークな応用例が誕生していくだろう。

本ラウンドでリード投資家を務めたのはOpenView Venture Partnersだ。設立から10年のOpenViewは、ボストンにあるCogitoの本社から歩いて通える位置にある。OpenViewのパートナーであり、Cogitoの取締役に新しく就任したScott Maxwellにとっては非常に便利だろう。Maxwellが取締役会に加わることにより、彼のエンタープライズ向けクラウドサービスに関する知識がCogitoにもたらされることになる。また、彼はかなり実践的な人物としても知られている。既存投資家であるRomulus CapitalSalesforce Venturesも今回のラウンドに参加している。

[原文]

(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter

Intelがウェアラブル部門の従業員を大量解雇か

HANOVER, GERMANY - MARCH 14:  The Intel logo hangs over the company's stand at the 2016 CeBIT digital technology trade fair on the fair's opening day on March 14, 2016 in Hanover, Germany. The 2016 CeBIT will run from March 14-18.  (Photo by Sean Gallup/Getty Images)

Intelの内情に詳しい情報源によれば、同社は今にもウェアラブル分野から撤退することを考えているようだ。

2014年、Intelはフィットネス・ウォッチの製造を手掛けるBasisを買収した。当時Basisの名前はあまり知られていなかったが、素晴らしいウェアラブル端末を製造する企業だった。IntelがBasisブランドを同社のNew Digital Group(NDG)の一員に加えたことを考えれば、この買収は大きなパズルの1ピースだったと言えるだろう。NDGは拡大するウェアラブル市場で大きな成果を残すことを目的に、当時設立されたばかりだった。この部門には半導体市場のライバルであるQualcommへの反撃の意味も込められている。

2015年6月、Intelは同じくウェアラブルのReconを買収している。Reconはサイクリングやスノーボード向けのヘッドアップディスプレイを開発する企業だ。Reconの共同創業者であるDan Eisenhardtが買収時に発表したコメントを以下に引用する。

IntelはReconにとって理想的なパートナーです。Brian Krzanichは、彼が2013年にIntel CEOに就任してすぐにウェアラブルに対する明確なコミットメントを打ち出してきました。今年1月に開催されたConsumer Electronics Showでのキーノートでも、彼はこのコミットメントを続けていくと再び断言しています。Brianと彼のチーム、そしてNew Technology Gropを率いるJosh Waldenは、私たちと同じビジョンを持ち、消費者向け、エンタープライズ向けそれぞれのマーケットにおけるスマートメガネのポテンシャルを見出しています。そして、今回の買収はそのビジョンを表したものなのです。

しかし、今年の夏には同社のウェアラブル戦略に亀裂が走ることになる。今年6月、Intel製ウェアラブル端末のBasis Peakに過熱の恐れがあるとして、Intelは同デバイスのリコールを発表した。同社の発表によれば、過熱の恐れがあるデバイスは全体の0.2%程だということだった。Intelはリコールへの対処として、デバイスの取り換えという選択肢を選ばなかった。デバイスの販売を全面的に停止したのだ。さらにIntelは、今年の終わりまでにPeakのソフトウェア・サポートを終了することも発表している(これにはクラウド・ストレージのサポートも含まれる)。

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これは明らかにIntelのウェアラブル戦略の挫折を表していた。結局、IntelがBasisの買収によって達成したことと言えば、Peakよりおしゃれでスーツに似合うTitaniumのリリースくらいだ。

そして現在、Intelの内情に詳しい情報源によれば、同社はこの分野への投資を大幅に削減することを検討中だという。もしくは、この分野から完全に撤退する可能性もある。これにより大勢のNGDのメンバーが解雇されることになる。今年4月にNGDを統合したNew Technologies Groupも同様だ。この件はウェアラブル端末部門に対するIntelの不快感の現れだと考えている者もいる。

すでに何人かの従業員には解雇通告がされており、彼らは今年の終わりまでにIntelを離れる予定だ。各メディアがこの件について報じており、その内容は今のところバラバラだ。しかし、そのすべてがNDGの大型解雇、そして部門の完全閉鎖の可能性を伝えている。

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この方針転換によってNDGのプロダクトが今後陽の目を浴びることもなくなるだろう。そのようなプロダクトには未発表のフィットネス・ウォッチ「Basis Ruby」も含まれる。少なくとも、Basis RubyはPeakの失敗で落ち込むIntelを支えてきたのかもしれない。

私たちはこの件に関してIntelに取材を試みている。彼らからコメントが得られればすぐにお伝えする予定だ。

[原文]

(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter

日本のDendamaが「けん玉」をIoT化、ネット上で対戦プレーができる、技(わざ)もアプリが教えてくれる

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日本の伝統的なゲームKendama(けん玉、拳玉)では、まさにKen(眼界、視界)が重要な要素だ。それはカップとボールを空中で操(あやつ)る玩具で、17世紀頃から今日(こんにち)までずっと変わっていない。でも、変わらないのも今日(きょう)までだ。物のインターネット(Internet of Things, IoT)を指向している企業のDendamaが、Kendamaの21世紀版を作った。

この玩具は最近の15年間で、日本でも世界でも人気が上昇してきた。さまざまな国内/国際競技大会も行われている。たとえば2016年のワールドカップのビデオがこれだ。すごいね!

TechCrunch Tokyoに出場したDendamaのCEO Yoshihiro Ohtaniはこう言う: “この古いゲームのすべての接触面にセンサーを付けたんだ”。「皿」と「けん先」にセンサーがあるだけでなく、加速度計を内蔵して、プレーヤーがやろうとしている技(わざ)とその成功を判断する。

そしてDendamaはワイヤレスでスマートフォンに接続し、アプリがユーザーに新しい技を教える。アプリには、この年代物のゲームをマルチプレーヤーでやる機能もある。技には難度があり、その得点で勝敗が決まる。

I hope that clears things up.

同社のWebサイトにあるこの絵から、何をどうするのかが分かるだろう。

同社は、日本のクラウドファンディングサイトMakuakeで、約11300ドルの資金を集めた。Ohtaniによると、2017年の3月にはKickstarterでクラウドファンディングをやり、生産のための資金を獲得するとともに、製品に対する国際的な関心や嗜好を試したい、という。

数百年の歴史を持つゲームがデジタル化されるとどうなるか、下のビデオでご覧いただこう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

AIが搭載された研究者向けの高機能検索エンジンSemantic Scholar

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科学論文はかなりの頻度で発行されており、主要な分野の最先端にいる人が論文の情報を追おうとすると、それだけでフルタイムの仕事になってしまうほどだ。しかし、論文サーチエンジンのSemantic Scholarは、自動で論文を読み込み、トピックやその影響力、引用回数などの情報を取り出す機能を備えており、ユーザーは簡単に最新の論文や探しているものをみつけることができる。

もしもあなたが科学者であれば、きっとこのようなサービスを求めていたことだろう。Google  ScholarやPudMedも便利なリソースではあるが、メタデータに関しては、著者や論文の引用回数や実験対象となる有機体、使われている共変数など比較的基礎的なものしか含まれていない。

Semantic Scholarは、特定分野の論文を10万本以上読み込んだデータを参照し、重要なフレーズを探しながら、新しい論文の文章全てを分析する。自然言語処理能力も備えているため、ある論文が独自の実験を基に書かれているのか、他人の実験について論じているのか理解することができ、そこから実験方法やマテリアル、動物の種類、テストを行った脳の部位など重要な情報を取り出すことができるのだ。さらに可能な場合は図表を引っ張ってきて、後で検索やソートができるようにその内容まで読み込もうとする。

semantic_illoまた、Semantic Scholarは同じトピックについて書かれた他の論文の情報も参照するため、例えば、どの関連論文もしくは引用元の論文が分析対象の論文と関連性が高いかや、分析中の論文を参照してその後どのような研究が行われたか、といったインテリジェントな判断もできるようになっている。さらにはTwitterとも連携しているため、ユーザーは気になる論文の著者や部署・学部に直接メッセージを送ったり、その後の議論がどのように展開されていったか確認したりできる。

検索スピードは早く、検索結果の関連度合いも高い上、簡単に検索結果をソート・深堀りすることもできる。このような論文を参照することの多い科学者にとって、Semantic Scholarの機能は大きなアドバンテージだ。実際に昨年ベータ版が公開されてから、すでに何百万回もこのサービスが利用されている。

semantic_scholarSemantic Scholarが一番最初に特化した分野は、コンピューターサイエンスだった。しかし、今後はバイオメディカルにも対応していくと本日発表され、最初のフォーカスは神経科学になるようだ。神経科学に関する情報が貯まったあとは、PubMedのバイオメディカルに関する論文全てを2017年中にSemantic Scholarに読み込ませる予定だ。もちろん有料で提供されている他のサービス上にもたくさんの論文が掲載されており、ElsevierやSpringerといった企業がそれを無料で開放するとは考えづらい。しかしそのような企業とも交渉にあたっているところだとSemantic Scholarは語っていた。

Semantic ScholarをつくったAllen Institute for Artificial Intelligence(AI2)は、数十人程度の小さな組織であると同時に、アメリカ最大の非営利AI研究機関でもある。彼らのモットーは、「公共の利益のためのAI」で、純粋かつ直接的に社会に貢献できるよう、AIテクノロジーを発展させることに注力している。

「医療界のブレイクスルーを、科学論文の検索のように面倒なプロセスのために遅らせるわけにはいきません。私が考えているSemantic Sholarのビジョンは、科学者がオンライン上にある何百万という数の論文を効率的にチェックし、爆発的に増え続ける情報にもついていけるような強力なツールをつくることです」とファウンダーのPaul Allenはプレスリリースの中で語った。

また、AI2のシアトルのオフィスを訪ね、CEOのOren Etzioniに話を聞いたところ、彼はSemantic Scholarが最終的に仮説生成エンジンになる可能性を秘めていると説明してくれた。彼の言う仮説生成エンジンとは、研究者の仕事を奪ってしまうほど高度なものではなく、むしろ大局的な「この手法は、感覚皮質では有効だけど、運動皮質では誰も試したことがないようだから、もしかしたらそっちを試してみた方がいいかもね」と意見を述べる教授のようなものを指している。

さらにEtzioniは、他の分野でもAI関連のプロジェクトを率いており、その多くでも自然言語処理技術が利用されている。例えばEuclidは、「3つの立方数の合計で最小の正の数は?」のように、普段私たちが使っている言葉で表現された数学の問題を理解することができる。また、別のプロジェクトでは、4年生の子供が日頃解いているような、読解問題から構成された標準テストを解くことを目標にソフトの開発が進められている。このようなプロジェクトは意外に難しいと同時に、チュータリングソフトやテストを自動で生成するソフトのように、便利なサービスにつながる可能性があり興味深い。

Semantic Scholarは誰でも試すことができるが、コンピューターサイエンスや神経科学の分野にいない人だと、検索結果はあまり役に立たないだろう。しかし、もしもあなたがそのような分野の研究をしているのであれば、Semantic Scholarを天から与えられたツールのように感じるかもしれない。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

Tesla Model S P85Dの加速性能が未然に追突事故を防いだ(ビデオあり)


Teslaの自動運転への熱心な取り組みは、ドライバーの安全に利益をもたらす大きな可能性をもっている。しかし、上に貼ったTesla Model S P85Dのビデオは、現在ある自動運転とは無関係能力が、実際に事故を未然に防ぐのに役立ったところを見せている。

TeslaオーナーのJason Hughesは、あわや追突されそうになった瞬間を後方カメラで捕えた。うしろから来たPriusは、Hughesが駐車場へ左折するために停止したことに全く気付いていなかった。

ボーっとしていたPriusのドライバーは、Teslaに向かって突進する自分に気付き、路肩に向けてハンドルを切って衝突を回避した。しかし、ドライバーが反応したとき、P85Dはすでに危険ゾーンを脱していた。これは、Teslaの急加速性能のおかげであり、化石燃料を燃やす車と異なり瞬時にトルクを出せる電動モーターの能力によるものだとHughesは言う。。

Hughesは、ビデオクリップの終了直後に制限速度に戻したと話していて、P85Dの加速がいかに速いかをものがる。私の車が同じ状況で何とかできることは絶対にない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

マクド(McDonald’s)の新型店Just For YouをGoogle CardboardのVRコンテンツで仮想体験

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McDonaldには、各時代に合ったMcDonaldがある。そして、このどこにでもあるファストフードチェーンはときどき、時代に合わせて自分を作り変える。1990年代のオーストラリアにはコーヒーショップ的なレストランMcCaféがあり、そして数年前には、Shake Shackとの競合を意識して、メニューをカスタマイズできるサービス、Create Your Taste(あなたのお味をお作りください)コンセプトを展開した。帽子をかぶったアマチュアレスラーみたいなキャラクター、Hamburglarも登場した。

同店の最新のモデルが、“Just For You”だ。それは海外でいくつか展開し、その後アメリカにも登場している。まずカリフォルニアとフロリダとニューヨークのレストランに現れ、来年の初めにはサンフランシスコとボストン、シカゴ、D.C.、シアトルにもできる。これまでとの大きな違いは、大型画面のタッチスクリーン・キオスク(小塔)があってオーダーをカスタマイズでき、テーブルサービスがあり、Apple PayやAndroid Payを使えること。

まだこの店舗スタイルを体験できない可哀想な人たちのためにMcDonald’sは、Google Cardboard用のビデオを作った。新しいお店でハンバーガーをオーダーするとどんな感じか、それをVRでシミュレートしている。その店内には、つねに微笑みを絶やさない、すてきな店員さんも、いっぱいいるよ。

それが、今という時代であり、世代なんだな。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Microsoft Paint 3Dの開発者向け利用が可能に

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新しいMicrosoft Paintに触れてみる日を待ちかねていたことだろう — 本当にそれが宣伝されて来たもののようになったのかを確かめるために。80年代の半ばからWindowsに同梱されてきたこの長らく悪評の的だったアプリケーションの大きな変化を実際に知るために。

Paint 3Dは疑いなく、このアプリケーションの歴史の中で最大のリフレッシュの1つだ。実際にそれは完全に再考され、これから登場してくる、3D制作をオペレーティングシステムの重要な要素とすることを狙うWindows 10 Creators Updateのための重要なマイルストーンの1つなのだ。

現在Windows Insiderなら、新しくリリースされたビルド14971の一部として、アプリケーションを手に入れることができる。新バージョンのペイントは、現在、英語版のみが利用可能で、このビルドで完全に旧バージョンを置き換えたようだ、シンプルなスケッチを3Dオブジェクトに変換するための本当にシンプルなツールが伴っている。

筆者は数週間前にMicrosoftの発表記念イベントでこのアプリケーションに触れ、3Dモデリングの初歩の楽しさを見出した。ツールの機能は、MS Paintがずっとそうであったように、とても限られているが、ツールをちょっと立ち上げて試す人のためには十分シンプルなものであり、CADの世界への布石となり得るものだ。

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(翻訳:Sako)

Sonyの音声アシスタントウェアラブルXperia Earが12月に200ドルで発売

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Xperia Earは、かなり前から、いろんな形で存在していたが、でも今年のIFAまでは、この奇妙でちっちゃなウェアラブルは、単なるコンセプトのようだった。しかし、やっと本気になったSonyは来月、12月13日にAmazonでデバイスをリリースする。ホリデイギフトにぎりぎり間に合った形だが、今後はFry’s, Abt, B&Hなどでも買えるようになる。

定価200ドルのEarは、AmazonのEchoやGoogle Homeなどと競合する製品で、パーソナルアシスタントの機能をBluetoothイヤホンのような形にまとめている(上図)。2000年ごろの優秀なビジネスマン、みたいに見えるかも。

このハードウェアを、Sony自身のAgentアシスタントが駆動する。外を動きまわている人向け、というデザインで、機能もカレンダーのリマインダーや運転時の方向案内、テキストメッセージングなどがメインだ。いろんなセンサーを内蔵しているので、たとえば、指示や指令をうなずいて確認する、などのことができる。町中(まちなか)で独り言を言ってデバイスに話しかけるよりは、まともかもしれない。

電池寿命は、Sonyのスペックによると、まる一日を約束している。スマホの機種との相性は、もちろんXperiaがベストだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

就活サポートのHandshakeが今年2回目のラウンドで2000万ドルを調達

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私の経験からいうと、自分が通う大学が所属する州や地域をまたいで就職活動をするのは難しい。もちろん、Fortune 100のような大企業になれば、様々な地域の学生をリクルートするためのプログラムを運営していることは確かだ。しかし、もし学生がそのような大企業への就職を望まないのであれば、彼らはオンラインで見つけたリクルーターとの冷たいEメールのやり取りに何時間も費やすことになるだろう。このような状況が変わらなければ、優秀な学生も夢にまでみた希望の職業に就くのをあきらめ、自分の能力に見合わない企業に就職することになってしまう。

大学のキャリアセンターと共同でこの問題に取り組む急成長株のHandshakeは本日、シリーズBでSpark Capitalなどから2000万ドルを調達したことを発表した。それと同時に、Spark CapitalのパートナーであるMegan Quinnが同社の取締役会に参加することも発表している。

Handshakeは今年2月にもKleiner Perkins Caufield&Byers(KPCB)がリードするシリーズAで1050万ドルを調達している。その他にもTrue VenturesLightspeed Venture PartnersLowercase CapitalもシリーズAラウンドに参加している。彼らは本日発表のシリーズBにも参加している。

Handshake CEOのGarrett Lord氏は、私に同社のミッションについて説明してくれた。それは、住む場所に左右されない就職サポートを大学生に提供するというものだ。43名のチームを抱える同社のプロダクトは、これまでに170の大学で採用されており、来年には提携大学数を200校にまで伸ばすことを目指している。同社は今回調達した資金を利用してチームを強化し、拡大する同プロダクトへの需要に対応していく予定だ。

大学生たちは所属する大学から提供されたHandshakeを利用することで、採用面接の予定の管理、リクルーターとの連絡、希望の就職先やインターンシップ先を探し出すことができる。Handshakeは長年のあいだ大学で利用されてきた従来のプラットフォームに取って代わることを目指している。そのような従来のプラットフォームでは、その大学が所属する州や地域によってプラットフォームに掲載される企業が人為的に制限されていた。例えば、テック系企業に囲まれたカルフォルニアの大学に通う学生にとって、テキサスにある石油やガス関連企業の求人を見つけるのは難しい。その一方で、Handshakeのプラットフォームを利用する企業は、たった1つのプラットフォームに求人を掲載しさえすれば、別々の大学に通う学生たちに対して横断的にアプローチすることができる。

College Job Fair. (Photo by: Jeff Greenberg/UIG via Getty Images)

この写真のような就職活動はスムーズとは言えない。

大学がHandshakeのプラットフォームに見出す価値は、その大学が抱える問題によって変わってくる。例えば、エンジニアリング分野に定評があるカーネギーメロン大学は、同校に通う文系の学生にもスポットライトを当てるためにHandshakeを利用するかもしれない。さもなければ、その学生は地域の企業から無視される存在になりかねないからだ。一方で、ミシガン大学のような大規模の大学では、同じ学部に通う学生がそれぞれ持つ特徴や違いを強調するためにHandshakeを利用することなどが考えられるだろう。

Lord氏は、同社と大学のキャリアセンターはパートナーのような関係だと考えている。たとえ大学がHandshakeを採用すると決めたとしても、それが同社と大学のリレーションシップの終着駅だと考えている訳ではないと彼はいう。その後も両社は協働を続け、大学は彼らがもつ学生に関するデータや、リクルーティングのプロセスをすべてのステークホルダーのために改善するという彼らの役割に集中するようになる。

大学は大量の学生データを抱えており、彼らがそれを利用することで学生の就職活動をより良いものにするための積極的なステップを踏むことができる。それと同じことをLinkedInが実現するのは不可能だ。

キャリア系のWebサービスを利用する際、ほとんどの場合ユーザー自身がプロフィールの作成や更新をしていかなければならない。その一方で大学と友好な関係を持つHandshakeの場合、大学が持つデータがそのままプラットフォームに反映されるため、就職活動のサポートをすぐに開始することができる。大学が学生の学部や年次などのデータを提供してさえいれば、初回のログイン時にはすでにニュースフィード上におすすめの求人情報が掲載されるようになっているのだ。

リクルーターにとって、そのようなデータが持つ価値は計り知れない。特に、すでにデータが整理され、大学間でデータの構造が標準化されている状態であれば尚の事だ。もし、授業の成績順でコンピューターサイエンス学部の学生を並べることができるとすれば、リクルーターはそのようなデータに巨額の料金を支払うだろう。そのためには、授業を「データサイエンス」などの分野別、または「Python」や「R」などのプログラミング言語別に並べ替えができるシステムを開発する必要があるかもしれない。Handshakeはその実現のため、大学と協働してより効率的なシステムの構築を目指している。

[原文]

(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter

Googleはデバイスの売り方をGoogle Shopで再考中

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Googleは、自らデザインし製造を手掛けた新しいPixelとPixel XLスマートフォンで、そのハードウェアに対するアプローチを大幅に再考した。またそのデバイスの売り方も、同時に新しいGoogle Shopで再考中だ。

この秋にはGoogleはPixel、Chromecast Ultra、Daydream View VRヘッドセットを発表し、顧客にそれらのデバイスで何ができるかを見せて販売を促進するために、同社は北米カナダのBest Buy店内に、ストア内ストアをオープンした。

イベントでPixelを発表したとき、Googleは同時にGoogle Wifi、Google Home、Daydream Viewの初お披露目も行った。Googleはその際にその新しい機器を試すことができるようにニューヨークに一時的なExperience Store(体験店舗)を用意することも発表した。だがカナダにオープンしたGoogle Shopは一時的なものとしてはデザインされていない;Googleはそこを現行のそして将来のデバイスのためのショウケースとして期待しているだけはなく、デバイスのユーザーたちのためにコミュニテイのような役割を果たす場所にしようとしているのだ。

どこかで聞いたような話だって?それはそうだろう – Google Shopは一般に解放された様々なアクティビティを用意している、これはAppleが運営しているインストアプログラムと類似したものだ。内装も似通っているが、明らかに審美的にはGoogleテイストである。明るい木目調とグレーの布地が遊び心のヒントに満ちた(Google調の)明るい色と組み合わされている。ここはショップ内ショップであるため、空間は貴重である、しかしGoogleはこの限られた空間を特製のモジュラー家具を使って活用している。立つ場所が少ない時には重ねられ、例えば学生たちの小さなグループが詰めて座ったりするときには簡単に並べられるようなものだ。

プロダクトはグループごとにまとめられているが、組み合わせたときに意味があるもののために特別な場所も用意されている、例えば;ChromecastとPixel、あるいはPixelとDaydream Viewといった具合だ。ダイヤルで制御できるマルチスクリーンがスペースの一角を占めていて、来場者たちは大画面でGoogle Earthを楽しむことができるし、ホリデイシーズンのスペシャルイベントではサンタを追跡したりHangoutをすることもできる。

「人びとがやってきて、発見し、遊び、楽しむのを見るのが大好きです。それがたまたまテクノロジーを使っているというだけで」と話すのは、GoogleのリテールマーケティングディレクターのJanell Fischerだ。「なので私たちは本当に、色々な没入型の体験を重ねようとしています、プロダクトやプロダクト機能の直接的なデモもありますが、より探求的で楽しいものも用意しているのですよ」。

と言いながら、Fischerは「Portal」を紹介した。上で述べたインタラクティブマルチスクリーンを使って、顧客をGoogle Earth上で飛行させたり、太陽系への旅へ誘ったりするものだ。GoogleはまたYouTuberたちを招いて特別ワークショップやセッションを行っている、その中には、クリスマスをテーマにした不格好なセーター(ugly sweater)を自作するTheSorryGirlsによるデビューイベントなども含まれている。

Googleの店は、YouTubeユーザーTheSorryGirlsから就任の1を含むワークショップやイベントを開催します。

Google Shopはワークショップやイベントも主催する。その中にはYouTuberであるTheSorryGirlsの初公開イベントも含まれている。

Fischerは、この空間をこうしたイベントや「グーグルガイド」が行うプロダクトチュートリアルに向けて「超プログラマブル」に仕上げたと語った。なおグーグルガイドとはGoogleと提携したフルタイムスタッフで、Best Buyのスタッフではない。例えば「Google Assistantを使って行うホリディシーズン旅行計画」などがチュートリアルの例として挙げられる。そしてガイドは同時にもっと日常的なタスクに関する手助けを行うこともできる、例えば基本的なデバイス操作などだ。

Googleはまた英国にDixonと協力して3店舗を出店していたが、Fischerによれば、Google自身のハードウェアデバイスの発売を受けて、エクスペリエンスの全てを再デザインしたということだ。Dixonの店舗は、ソフトウェアとサービスに焦点が当てられていた、とFischerは語る、しかしハードウェアの登場により、それらをどのように組み合わせて利用すれば良いのかを紹介するという点に焦点が当たり、促進されるようになったのだ。ここでも、これはAppleのアプローチに似たやり方に聞こえる – 実際Fischerも3年前にGoogleに入社する前はAppleのリテール部門で働いていたのだ。Googleによる物理的な小売へのアプローチはしかし、増加し進化するハイパーローカル要素(小さなコミュニティや地域の特性に考慮した要素)を取り込むもののように思える。

「このスペースの素晴らしいところは、新しいプロダクトが発表されたらすぐにアップデートを行うことができるところです、デジタルコンテンツも素早くアップデートすることが可能なので、このスペースに特化したPortal向けの新しいアプリも作っていきます」とFischerは説明した。「私たちはここに来店する皆さんから多くのことを学んでいます、そして彼らにコンテンツが受け入れられるところを見たいのです」。

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ローカルな企画を超えて、Best BuyのそれぞれのGoogle Shopは、それぞれの店舗が存在する街にむけて、カスタマイズされたデジタルコンテンツを提供することができる – たとえばここでは、店舗が存在するトロントの郊外を示す「Mississauga」という大きなデジタルサインがPortalを飾っている。

小売店の存在は、プレミアムモバイルデバイスの大きくて忠実な顧客ベースを構築するためのキーとして大切なものだ。そしてそれは以前のNexusプログラムの際にはGoogleが持っていなかったものである。Google Shopは、そうした活動へのよいスタートを切ったように見える。なぜなら明らかに着手細部へのこだわりがたくさんあり、今後小売を前に進めるためのアプローチを進化させるためにフィードバックから学ぼうという意志を持っているからだ。

アプローチは有望だが、少なくとも今のところ、これは英国とカナダに限定されているようだ。「私たちは、現在米国では何もする予定がありません」とFischerは私に語った。しかし、この投資と彼らの気の回し方は、これがより大きな小売計画のプロトタイプであることを示唆している。

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(翻訳:Sako)

セキュリティカメラがWi-Fiネットワークに接続してから98秒後にマルウェアに感染した

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これは、物のインターネット(Internet of Things, IoT)と呼ばれているものの、お粗末な現状を示す好例だ: Robert Stephensが、Wi-Fiで接続されるセキュリティカメラを彼のネットワークにつないだら、それは、それから98秒後に侵された

経験豊富な技術者であるStephensは、当然、最初からセキュリティ対策を講じていた。ネットワークのそのほかのメンバーとカメラは壁で隔てられ、レート制限によりDDoS攻撃にやられないようにしていた。

彼はそのトラフィックを注意深くモニタし、ほかの人たちもよくするように、デバイスを乗っ取ろうとするやつがいないか、見守った。しかし、セキュリティの専門家ですら予想しなかったと思うが、2分弱でそれは起きた。

[据え付けを終わったカメラは自分のバイナリを動かし、そして今では明白に侵入されている。]
[実は、最初の侵入は据え付けから98秒後に起きている。]

そのカメラはWi-Fiに接続されてから98秒後に、デフォルトのログインとパスワードを知っていたMiraiのようなワームにやられた。そのワーム(の先発エージェント)は、自分の新しい家のスペックを調べ、本隊をデバイス上にダウンロードし、そして、Stephensが事前にロックしていなかったら、ありとあらゆる悪行を働いただろう。

そのカメラは、12ドルのスマートウォッチを売ってる会社の、安物のノーブランド品だ。そういうものは、ファームウェアのアップデート、あるいは単純にパスワードの変更だけで問題が解決するが、やり方を知らない人もいるし、技術の分かる人でも2分でやるのは無理だ。

良質な製品なら、最初から完全に保護され、別のデバイスに接続されて、手作業で正しくセットアップされるまで、すべての入力トラフィックをブロックするはずだ。でもここはジャングル、どんな野獣がいても不思議ではない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Facebook、企業ユーザー向けにFacebookとMessengerとInstagramをまとめた統合受信箱を提供

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Facebookは、企業のFacebook、Facebook Messenger、Instagramを使った顧客とのやりを便利にする新機能を披露した。

Facebookページのグローバル責任者、Benji Shomairはこの新しい機能について「最も要望の多かったものの一つ」と説明している。

従来、企業がFacebookとInstagramで顧客に対応するためには、それぞれのアプリを立ち上げる必要があった ― ソーシャルメディア上でのコミュニケーションが増えるにつれ益々困難になる(Facebookによると、Facebookページだけで毎月「50億件近いコメントとメッセージとユーザー投稿がある」)。

「中には、様々な要望に迅速に対応するために複数の電話機を持つ人もいる」と同氏は付け加えた。

これからは、Facebookのページマネージャーアプリを使って、企業はどのコメントにも ― Facebookの投稿、Facebookページの投稿、Instagramおよびビデオへのメッセージとコメント等 ― 返信できるようになる。個々のチャンネルに集中できるように専用のタブも作られる。

既にFacebookは、一部のユーザーでこれをテスト中で、今後数週間のうちに広く公開される予定だ(これはどちらかというと、小から中程度の企業に向いている。大企業は自社のソーシャルメディア活動を管理するために専用のアプリを持っていることが多い)。

ちなみに、Instagramを使っている時にはInstagramのコメントに普通に返信したいという人は、もちろんこれまで通りに行うことができる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

TC Tokyo 2016「スタートアップバトル」勝者は小児科特化の遠隔医療相談サービス「小児科オンライン」

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東京・渋谷にて開催されている日本最大級のスタートアップの祭典「TechCrunch Tokyo 2016」。目玉企画の一つである、スタートアップバトルのファイナルラウンドが18日に行われ、114社が参加した書類審査、ファーストラウンドを通過したチームが自社プロダクトをプレゼンし、競い合った。

今年も立ち見が出るほど、大きな盛り上がりを見せたスタートアップバトルの勝者に輝いたのは、小児科に特化した遠隔医療相談サービス「小児科オンライン」を運営する株式会社Kids Publicだった。惜しくも優勝を逃したタウンWiFiには審査員特別賞が送られた。以下、優勝チームと次点チーム、その他のチームを登壇順に紹介する。

小児科オンライン(株式会社Kids Public):優勝、PwC Japan INFINITY賞

小児科に特化した遠隔医療相談サービス。平日の夜18〜22時、こどもについての質問や悩みをLINE、電話、Skypeで医師に相談することができる。予約の方法はシンプル。料金は初週無料だが、それ以降は月額980円かかる(※12月1日から月額3,980円に変更予定)。これからは健保、保育園を中心にtoB向けにビジネスを推進。”受診すべきか”を医師なしで判断できる遠隔医療システムの浸透を目指していく。

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タウンWiFi(株式会社タウンWiFi):審査員特別賞

公衆の無料Wi-Fiに自動で接続&認証してくれるアプリ。各キャリアが大容量データプランを開始し始めたが、多くのスマホユーザーにとって通信量過多による速度制限は未だに悩みの種だ。タウンWiFiは公衆の無料Wi-Fiに自動で接続することでスマホの通信量を削減。速度制限を解消する。現在、21万スポットが登録されており、月間4000万回接続されているという。「世界一の通信会社を目指す」と言うタウンWiFi。11月15日に韓国で1万スポットを対象にサービスを開始。今後、数年の間に海外30カ国でのサービス展開も目指していく予定だ。

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Refcome(株式会社Combinator):IBM BlueHub賞

社員の紹介による「リファラル採用」を活性化するサービス。日本でもリファラル採用が少しずつ浸透し始めてきたが、運用に課題を残す企業も多くある。Refcomeはそういった企業に向け、社員への人材紹介依頼機能や、協力した社員の管理機能、そして友人の招待を促すメッセージの作成機能を提供。これにより、人事、社員の双方に余計な手間がかからないリファラル採用が実現する。利用料は導入企業の社員数やコンサルティング内容によって異なるが月額7万〜10万円程度。サービス開始から4ヶ月ながら、IT業界はもちろんのこと、不動産・金融業界など様々な業界・業種で利用されており、需要の高さを感じさせる。

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Folio collection(株式会社FOLIO):AWS賞

リスク許容度に応じた分散投資を自動化する資産運用サービス。これまで難しいというイメージが先行し、リテラシーが高い人しかできなかった「投資」を誰もができるようにすることを目指す。10万円から分散投資が可能で、具体的には気になるテーマを選択するだけ。ショッピング感覚で投資をすることができるという。例えば、「新垣結衣」というテーマを選択すれば、新垣結衣に関連する魅力的な銘柄に投資される。サービスリリースは年内を予定。まずは国内証券の取り扱いから始めていき、海外証券などプロダクトの拡充を目指していくという。

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SCOUTER(株式会社SCOUTER):PR TIMES賞

転職希望者を企業に紹介することで報酬をもらえるソーシャルヘッドハンティングサービス。紹介者としてユーザー登録し審査を通過した「スカウター」が転職を希望する知人・友人を企業に紹介することを支援する。無事、採用が決まれば紹介者は転職者の年収の5%(最低15万円)を報酬として受け取ることができる。2016年4月に開始したサービスだが、スカウター登録者は1,000名、登録企業数は600社を超えているという。年内には雇用契約なしで人材紹介には当たらない活動ができるコースも用意し、副業が禁止されているビジネスマンでも参加できる形にすることを目指すそうだ。

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Diggle(タシナレッジ株式会社):FUJITSU MetaArc賞

企業の予算管理と資金シミュレーション業務を支援するサービス。Excelでの予算管理・予実比較は基本的に手作業のため人為的なミスが多く発生する。また、チェックにも時間がかかるなど非常に非効率な作業だ。Diggleは関数なしに月次の予算を作成することができる”予算策定機能”、複数の部門にまたがる予算をクリックだけで積上、比較することができる”予実対比機能”、さらに”資金シミュレーション機能”をフリーミアムモデルで提供。予算管理と資金シミュレーション業務をミスなく効率的に行えることを目指す。現在、事前登録者を募集中だ。

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AmazonのPrime Videoがついにグローバル化でNetflixも本格的な競合へ

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Netflixは1月にグローバルな拡張を行い、世界のほとんどの国で視聴できる唯一のビデオストリーミングサイトになった。でもAmazonがその競合サービスの大規模な国際展開をほのめかしてからは、Netflixの一人舞台は短期間で終わりそうになってきた。

Amazon Prime Videoを今利用できる国は、アメリカ、イギリス、ドイツ、オーストリア、日本の5か国だ。もうすぐインドが加わる。しかしAmazonがこぼした重量級のヒントによると、12月からは一挙に世界の200のマーケットに拡張するらしい。

ただしそれには、いろんな‘ただし’が付く。

まず、今のところグローバルな展開が確認されているのは、イギリスの人気モーターショーTop GearのリメイクThe Grand Tourだけだ。しかし現状では未確認だが、それと同時または直後に、全世界のピーク時オーディエンス3億5000万というTop Gearの人気に乗った、ほかの番組もローンチするかもしれない。

それは現時点での計画だが、Wall Street Journalの記事はAmazon筋の説として、同社のビデオサービスは今、“大規模なグローバル展開の瀬戸際にある”、と書いている。

Amazonが2億5000万ドルを払ったとされるThe Grand Tourそのものは、昨日(米国時間11/16)からPrime Videoで見られるし、またAmazonのCEO Jeff Bezosのツイートと、この番組のスターが出てくるYouTubeビデオによると、12月からグローバルになる。

しかも、一部の国ではすでに今週から見られるらしい。ある記事によると、オーストラリアのユーザーは今Web上でそのサービスにアクセスできている。ただしモバイルアプリはまだない。それに、ほかの国でも、秘(ひそ)かに静かに、すでにそんな状態になってる可能性もある。今でなければ近未来に。

Netflixは、インディー映画のMubiや、東南アジアのiFlixなどニッチな競合相手が多いが、Amazonは待望のグローバルな競争を持ち込むだろう。

そして次の拡張は、Amazonの音楽サービスかもしれない。それは先週初めてアメリカの外でローンチし、イギリスに上陸した。ほかには、インドでは苦戦Primeを中国に持ち込む、そして東南アジアの将来性に色気を示す、といったところ。AmazonはPrime Videoなどのメディアサービスのあるところが、各地地元のeコマースより有利かもしれない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

犬泥棒が横行する今の都市、犬用のスマートハウスDog Parkerを利用しよう

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犬は大きな責任だ、と誰もが言うけど、その責任の重さは、実際に飼ってみて初めて分かる。

ERA出身のニューヨークのスタートアップDog Parkerは、犬を飼うことに伴うストレスを、ある程度軽減したい、と考えた。

Dog Parker、‘犬を駐車させる’という名前は、犬を食料品店やコーヒーショップの外に置いておいて、自分はそのお店の中に入る、という意味だ。

犬の窃盗がニューヨークでも大きな問題になっている。だから犬をお店の外につないでおくのは、わずか数分でもとても不安だ。犬を散歩させることと、バーガーを買ったり、朝のコーヒーショップを利用することは、マルチタスクが難しい。

そこで、Dog Parkerだ。

Dog Parkerは犬一頭用のハウスで(上図)、ネットにつながっている。犬のオーナーはDog Parkerの会員になり、近くのベーグル店のDog Parkerをアプリから予約する。するとあなたが日曜の朝、ベーグルをあれこれ選んで買ってるとき、ワンちゃんはParkerの中で安全に休んでいる。

店内でアプリを起動すると、犬の様子がWebカメラで分かる。Parkerのドアの開閉ができるのは、今それを使っているオーナー(Dog Parker会員)だけだ。犬泥棒にやられる心配がない。

Dog Parkerの中には短波長紫外線(UVC)消毒灯があるので、次の人も安心してParkerを使える。そして一日の終わりには巡回のメンテナーが来て、完全な掃除をする。

今同社は、ブルックリン界隈で7箇所5基のDog Parkersを使ってベータテストをやっている。今日(米国時間11/17)は、Dog Parkerの新型機が投入された。その新型Dog Parkerはニューヨークで製造されていて、今週はブルックリン地区に100基設置される。

Dog Parkerの会費は、年額25ドル、プラス、使用時間1分につき20セントだ。

Dog Parkerについて詳しく知りたい人は、同社のWebサイトへ行ってみよう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Appleがついにやっと、iPhone 6 Plusの‘タッチ病’を安い料金で治します

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多くのiPhone 6 Plusが、“Touch Disease”(タッチ病)と呼ばれる苦難を経験しているが、Appleはその問題を、一般的で広範囲であるとは認めなかった…今の今まで。今日(米国時間11/17)Appleは、謝罪らしき言葉とともに、画面のチラつきやタッチスクリーンに問題のあるiPhone 6 Plusは低料金で修理する、と発表した。

Appleの細心の注意書きによるとこの問題は主に、“硬い面に数回落として、その後さらにストレスを与えた”場合に現れる、としているが、しかしiFixitは、あの忌まわしい曲がり癖のせいだ、と示唆している。いずれにしても、何らかの力が加えられたからであり、そのために重要な部位であるタッチスクリーンの信頼性が、損なわれたのだ。しかもその原因の一部がユーザーの行為にあることは、否定できない。

タッチ病は、今回の修理で、149ドルで治してもらえる。ただし前に修理して、最大で300ドルも払った人には、Appleが差額を返済する。

この特別修理企画はiPhone 6 Plusだけが対象で、問題は6にも起きたという過去の説は、Appleを信ずるならそれは6 Plusだったはず、ということだろう。

今回は、Appleが腰を上げるまでが長すぎた。6 Plusが出てから2年以上経っているが、Appleはタッチ病の問題に対応しなかった。でもそれは、わりとよくある問題になっていた。Appleは再発防止のために、iPhoneの次世代機では筐体の強化を行ったが、そのことも公には認めていない。

それは、ついに訴訟まで起こされるほどに長かった、と言える。訴状は、Appleは問題があることを知っていながら被害者のユーザーに適切なサポートを提供しなかった、と言っている。今回の修理企画が訴訟にどんな影響を与えるのか、訴訟を仕切っている法律事務所に問い合わせているので、何か分かればこの記事をアップデートしよう。

しかし、やらないより遅い方がましであり、前の修理代の差額を払うのは、Appleにしては気前が良い。あなたのiPhone 6 Plusが問題を抱えているなら、ぜひ近くのAppleストアや公認代理店を訪ねてみよう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

拡張現実と機械学習による農業革命

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【編集部注】著者のJeff Kavanaugh氏は、Infosys Consultingの、High-Tech & Manufacturingにおける、VP兼マネージングパートナーである

農業は、これまで人類が生み出したもっとも成熟した産業だ。文明の黎明期から、農業は洗練され、調整され、適応されてきた — しかし完成したことはなかった。私たちは社会として、常に農業の未来を心配している。今日では、私たちはハイテクセクターが提供する概念も適用している — デジタル、IoT、AIなどなど。では、なぜ私たちは心配しているのだろうか?

エコノミスト誌の技術四半期Q2報告では、世界の人口増加を養うために、農業はすぐに他の製造業のようになる必要があると宣言されている。サイエンティフィック・アメリカンの報告によれば、不確実な気候でも効率的に成長させるために、作物はより干ばつ耐性を上げる必要があり、またニューヨーク・タイムズ紙によれば、少ない水でより多く収穫する方法をすぐに学ぶ必要がある。

それらは皆正しい。もし農場が世界の人口を養い続ける場合には、変わり続け、不安定なこの星の気候から、独立しそして適応するやり方を進めなければならない。そのためには、実績があり最先端技術を用いた、スマートなアプリケーションが必要となる。そのインターフェイスは単純なものでなければならない。そしてもちろん、今日のスキルを基にした適用が行える必要がある。

幸いなことに、この将来のための基礎は現在探求されている最中だ 。例えば、垂直農法(農家が作物をコントロールされた環境の下で栽培から収穫までを行えるようにする技術だ、しばしば屋内で垂直な棚を用いる)は人気と可能性の両者で沸き立っている。実際にこの方法は、91%少ない水で20%速く、いくつかの作物を生育させることが示されてきた。干ばつや洪水に耐えることができる遺伝子組み換え種子は、ケニアで見られるような最も乾燥した条件下での収穫を可能にする。

もし農場が世界の人口を養い続ける場合には、変わり続け、不安定なこの星の気候から、独立しそして適応するやり方を進めなければならない

しかし、このような進歩を管理することは、屋内か野外かを問わず、それ自体が挑戦である。酸度と土壌の養分をモニタし、そしてそれぞれの植物のための最適な成長を促す水やりは、良くて当て推量であり、悪ければ後知恵である。しかし、ここでこそ新しいインタラクティブ技術が輝くのだ。少数のセンサーの組が、植物の生育状況を監視し、リモートサーバーへリアルタイムの更新を行う。人工知能の年下の従兄弟である機械学習は、この作物の生育状況を学習し、次に必要なものを予測することができる。そして、拡張現実(AR)を用いて日常のオブジェクトに有益な情報イメージをオーバーレイすることによって、農家や庭師たちによる作物の健康の監視と管理を可能にする。

Plant.IO*は、それをがどのように行えるかを示したシステムの1つだ:塩ビ管のキューブがセンサー、生育ライト、カメラ、その他のもののフレームを提供する。機械学習専用のリモートサーバが、生育と生育条件を分析し、この先の植物のニーズを予想する。AR対応のメガネセットは、使用場所を問わず、ユーザーに植物の画像または情報を提供する。もしAR装置が、Microsoft HoloLensように高機能である場合には、肥料、水の流れ、成長ライトなどを調整して、作物の面倒を見る手段を提供することもできる。

この方法論は、ゲーミフィケーションと対になったときに、作物管理の新しい簡潔な方法に自らを委ねることになる。AIとARは共に使われることによって、大人から青少年の誰にとっても、家庭や遠くから自分の庭園を監視し管理することを、シンプルで楽しいものにする。このアイデアがPlant.IOの心臓部である:農業シナリオに、楽しく、使えるソリューションを。そこではデジタル情報が物理的オブジェクトやフィールドに、コンテキストを失うことなくオーバーレイされる。

実際には、この種の管理システムは、庭園や農場を超えて拡張できる可能性がある。測定可能なデータが存在する環境であれば、どのようなシナリオでも潜在的にはAR/AIの応用から利益を得ることができる。例えば倉庫管理などの産業オペレーションは、有望なエリアだ。AIと赤外線カメラを組み合わせた、フィールドの健康を測定する農業は、また別の候補である。

ARとAIを正しく利用すれば、ユーザーは事実上世界中のどこからでも植物を監視し育てることができる。それがキッチンカウンターの上で植物を育てようとしているのか、あるいは次の収穫の準備をしているのかは問わない。もっと良いことは、こうした作業を植物の酸性度、栄養、水レベルその他の最新の情報に基きながら、環境に配慮した方法で行うことができるということだ。

最初の産業革命は、機械化農業による生産性向上で、私たちが農場から都市へと移動する手助けをした。今度の産業革命は機械学習とその他のデジタル「実装」が農業を更に先へと推し進める — そして世界を養うのだ。

*注記:Plant.IOはInfosysによって開発されたオープンソースのデジタル農業プロジェクトである

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(翻訳:Sako)