Gulüluを使ってゲーム感覚で水分を補給しよう!

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スマートセンサーの力とクラウドの魔法を使えば、子供の脱水症とはもうおさらばだ。少なくとも、Gulüluのチームの手にかかればそういう事のようだ。Gulüluは本日Kickstarterにおいて同社の最新のボトルの資金集めを開始するが、そのボトルには子供に一日を通してしっかり水分を補給させるためのハイテク装備が詰まっている。

The Gululu pets that live in the water bottles. Cute, no?

Gulüluの水筒にはペットが住んでます。かわいいでしょ?

そのアイディアとは、水分の補給をゲームに組み込んでしまおう、というものだ。水筒には小さなスクリーンが組み込まれており、セットされたセンサーにより、2本のボトルをそばで同時に振るとそれぞれの水筒に住んでいるペットが友達になり、お互い交流を始める。

ボトルには充電池が内蔵されており、電池を常に満タンにしておくためのワイヤレス充電ドックが付属する。同社によるとGulüluの電池は次の充電が必要になるまで4日間持続する。

Shaking two bottles next to each other makes the pets 'friends', enabling them to interact with each other.

2本のボトルを隣で振るととそれぞれの水筒に住んでいるペットが友達になり、お互い交流できるようになる。

ボトルには複数のセンサーが埋め込まれており、1日を通じて水の減少量を感知するだけでなく、実際に子供が水分補給をしているのか、それともいたずら心から水筒の水を学校の外の花壇にまいたのか判別しようとする。実際に水を飲んだ場合のみお楽しみがある、という点がポイントだ。水筒に住むデジタルペットは、水筒の持ち主がそれを意図されたように使った場合のみ最も元気に振る舞う。

Part of the theory behind Gululu is to integrate water drinking into everyday activities

Gulüluの基本コンセプトの1つは水分補給を毎日の活動に組み込んでしまうということだ。

私の直感では、Gulüluは実際には存在しない問題に対する大変高価な解決策だと思う。

親にとっては、子供にもっと水分を補給させるように仕向ける手段となることの他に、更なる利点がある。Gulüluはクラウドと同期して子供がどうしているかiOS及びAndroidアプリでモニターできるのだ。また、”おやすみモード”や”学校モード”を設定すると、その間ペットは寝て反応しないようになるので、子供の睡眠や学習の邪魔にならないようにすることが出来る。

Gulüluは試作品が完成しており、本日Kickstarterのキャンペーンを開始して、最後の生産過程に必要な資金の出資者を募る。Gulüluは先着特別価格を89ドルに設定し、その後は一定の99ドルに移行する。出荷は9月を予定し、小売店の棚に並ぶ頃には推奨小売価格129ドルで販売される。

面白い商品だし、実際、ボトルが大ヒットして、周りの子供たちみんながGulüluのボトルをお互い振り合って走り回る様子は容易に想像できる。ただ、実際そのようなことが起こるには、2つのことがピタリとはまる必要がある。まず、子供にしっかりと水分を補給させることがとても重要なことだと親が認識すること、そして129ドルの水筒を買うことがその問題を解決するのにベストな方法だと親が決断することだ。私の直感では、Gulüluは実際には存在しない問題に対する大変高価な解決策だと思う。まあ、実際どうなのかはそのうちわかるので、Kickstarterのキャンペーンがどのように転ぶか興味深く見守るとしよう。

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(翻訳:Tsubouchi)

Oracle敗訴―陪審員はGoogleのAndroid中のJava APIを「公正使用」と評決

2016-05-27-oracle-google

多くのモバイル・アプリのデベロッパーが安堵のため息をついたはずだ。陪審員はGoogleの37件のJava APIのAndroidのコードへの利用を公正使用〔fair use〕と認めた。ただしOracleの弁護士はいち早く控訴の意向を明らかにしている。

Googleの広報担当者は「GoogleによるJava APIの利用を公正仕様と認めた今回の評決はJavaのプログラミングのコミュニティーだけでなく、オープンかつ無償のプログラミング言語を信頼して革新的なプロダクトを消費者に届けようとするあらゆるソフトウェア・デベロッパーにとっての勝利だ」と述べた。

もしこの訴訟でJava言語を所有するOracleが勝っていれば、デベロッパーはサードパーティーが開発したAndroidプログラムのJava APIを再利用することを恐れるようになっていたはずだ。これはきわめて一般的な慣行となっている。

OracleがGoogleを訴えたのは2010年にさかのぼる。 Oracleは「GoogleはOracleが所有権を持つJavaプログラミング言語を許可なく利用した」としてGoogleに対する訴訟を起こした。一審ではGoogleの行為は著作権侵害に当たらないと判決されたが、控訴審はこの判決を破棄し、争点となっているAPIには著作権が及ぶと認めて事件を下級審に差し戻した。このため争点はGoogleのAPI利用が一定の条件の下で使用が認められる公正使用に該当するかどうかとなった。

OracleにはJava言語をライセンスする権利がある。しかしGoogleは問題の37件のAPI利用は、オリジナルの内容を独自に改変して別のプラットフォーム、つまりAndroidで使用しているため公正使用に当たると主張していた。もしOracleが勝訴していれば、約90億ドルの損害賠償を得られるはずだった。

EEF(Electronic Frontier Foundation)の上級スタッフで弁護士のMitch Stoltzは著作権問題を専門としているが、「これはソフトウェア開発ビジネス全体の勝利だ。この評決でAPIを再利用するソフトウェア・デベロッパーは訴えられる心配をする必要がいくらか減った」と述べた。しかし Stoltzは「(APIに著作権が及ぶとした)上級審の判決は依然有効であり、小規模なデベロッパーがテクノロジーの巨人から訴えられる危険性は残っている」と指摘した。

この訴訟では、Googleの共同ファウンダーでAlphabetのCEO、ラリー・ペイジが証言し Oracleの主張に反駁した。ペイジは陪審員に対し、「私は著作権がAPI宣言に及ぶという定義に反対する。Java APIの宣言コードの利用はデベロッパー間に広く行われている慣行だ」と述べた。

William Alsup判事は前回のOracle対Googleの訴訟も担当しているが、「判断に当たってきわめて思慮深いアプローチを取っている」としてたびたび陪審員を賞賛している。またいささか異例ではあるが、Alsup判事は最終弁論の前に陪審員が事実を検討する時間を得るためにメモを自宅に持ち帰ることを許可した。

しかしOracle側は控訴の意向を明らかにしているため、訴訟はこれからも続くことになる。【略】

進行中の事件のため、この記事はアップデートされることがある。

画像:: corgarashu/Shutterstock

〔日本版〕記事末の画像をクリックするとOracle対Google訴訟関連のTechCrunch記事(英文)の一覧を読むことができる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

MicrosoftとFacebook、大西洋に高速海底ケーブルを建設へ

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これは日常あまり見ることのないニュースだ。MicrosoftとFacebookは今日(米国時間5/26)、共同で大西洋に海底ケーブルを敷設し、バージニア州バージニアビーチとスペインのビルバオを結ぶ計画であることを発表した

MAREAと呼ばれるこの海底ケーブルは、「高まる高速通信への顧客需要に答え、MicrosoftとFacebookおよびその顧客のために、クラウドとオンラインサービスの信頼性の高い接続を確保するため」だと両社は言っている。工事は8月に開始される予定で、完成は2017年10月を見込んでいる。

運用が開始されると、MAREAは大西洋を横断する最大容量の海底ケーブルとなり(少なくとも現時点で)、8ペアのファイバーケーブルが使用され。ケーブルは160 Tbpsの転送速度を擁し、既に米国とヨーロッパを結んでいる他のケーブルシステムとは異なる経路を利用する。この理由についてMicrosoftは、「回復力と信頼性と高い接続を、米国、ヨーロッパ他にいるわれわれの顧客に届けるため」と言っている。

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「われわれは、信頼性が高く遅延の少ない接続を提供する、新しく革新的な技術に投資を続けることで、Microsoft Cloudおよび全世界のインターネット基盤の価値を高めようとしている」と、Microsoft のグローバルネットワーク調達責任者、Frank Reyは言った。「これはインターネットの次世代基盤構築にとって重要な一歩だ」。

もう一つ変わっているのは、FacebookとMicrosoftがこの取り組みをリードしていることだ(他にTelefonicaおよび傘下のTexiusが加わりケーブルの運用を担当する)。通常、MicrosoftやFacebookのような企業は、多くのIT企業からなるコンソーシアムに参加し、通信会社が主体となってケーブルを建設(あるいは投資)する。しかし今回両社は、独自の通信基盤を作り(そこにはFacebookで知られるようになったオープンハードウェア手法が用いられている)、余剰の回線容量を第三者に販売する計画だ。

両社はこの取り組みに必要な費用について情報を公表していない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

元早稲田の24歳、多国籍チームで20万ドルを調達して留学支援プラットフォームを立ち上げ

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早稲田大学国際教養学部に在籍中の2年生だったときにアメリカのポートランドへ1年間留学した森川照太氏は、まだ24歳の起業家だ。留学経験のある森川氏が台湾系アメリカ人でシリアルアントレプレナーのMark Hsu氏と2015年9月に共同創業したST Bookingは21世紀の留学プラットフォームとなる、という大きな目標を持っている。

留学にまつわる学校紹介や海外生活支援、翻訳サービスなどのマッチングを行う留学業界は古くからあり、この業界では約60年前に創業したEF Education Firstが最大手かつ老舗。約4万人の従業員と世界500拠点を抱えている。EF Education Firstを創業したスウェーデン人のBertil Hult氏はForbesの富豪ランキングに登場するほど成功したビジネスパーソンだ。

ST Bookingの森川氏によれば、ヨーロッパから登場したEF Eduation Firstが今や留学業界最大手となっている現状はあるものの、次の留学のメインストリームとなる「アジアから英語圏への留学」という部分は、まだこれから。東南アジアなど各国の留学エージェントは小さく、そして情報やマッチングは「足、紙、電話」というように前時代的なのだという。留学エージェントが留学受け入れ先を探すときには現地へ通訳を雇った上で訪問して直接交渉などをしている状況という。だからST Bookingの狙いは「教育機関へアクセスできずにいた留学エージェントへワンストップソリューションを提供する」というものだ。受け入れ先の教育機関だけでなく、滞在先や家賃の保証人、アルバイト先確保などの生活支援における課題を解決するプラットフォームを目指していて、ここにアジア発の留学スタートアップとしてのチャンスを見ている。

「不動産業界と構造が似てます。レインズとかSUUMOみたいなマーケットプレイスがない」(森川氏)。情報流通がネット時代のスピードに追いついていない業界であることから、情報の不透明性や非対称性が存在していて、学生がぼったくられるようなケースもいまだに存在しているという。

まずは日本へのインバウンド留学でナンバーワンを目指す

screenshot_mobile_STB_01ST Bookingの狙いは「アジア、英語」という大きなところだが、まずは日本へ来たいという日本向けインバウンド留学生にターゲットを絞る。「東南アジアから日本への留学生の流れは伸びています。2014年は14万人でしたが、政府も2020年前でに30万人にするといっていて、ほぼ2倍です。今までは中国人や韓国人が圧倒的に多かったのですが、今はベトナムやネパール、ミャンマーが年率40〜90%で増えています。伸びているところでナンバーワンを取りたいです。日本留学といえば、ST Bookingというブランドを作りたい」(森川氏)

日本国内ではアウトバウンドでは留学ジャーナル、EF Education Firstといった強豪がいるし、インバウンドでもベネッセなどが事業展開をしている。勝機はどこにあるのかと聞くと、「テクノロジーや仕組みで勝負したい」という。まず学校データベースの充実、遅れている情報の多言語化などを進める。利用価値があるのに知られていない奨学金制度なども少なくないそうだ。

ST Bookingは、すでに台湾で400社、タイで300社など東南アジアで約1200社の留学エージェントをクライアントにかかえていて、日本の受け入れ側として日本語学校や専門学校、大学など約60校がパートナーとなっているそうだ。今のところST Bookingは受け入れ側のターゲットの獲得人数を決めて、そこで発生するコミッション手数料を受け取るビジネスで売り上げを作っているが、留学生はインバウンドの「上流」。ここを抑えることで、今後は不動産や求人、旅行などの市場も取り入れ、海外の人が日本で活躍するプラットフォームへと成長させたい考えだという。

ST Bookingは日本向け留学支援プラットフォームとして今日、シンガポールに拠点を置くVC、BEENEXTなどから総額20万ドル(約2400万円)のシード資金を調達したことを発表している。

六本木で先輩起業家や同世代起業家に刺激を受けて

ところで森川氏がぼくに語ったことで興味深いと思えたことがあるのでヒトコト付け加えておきたい。

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ST Booking 共同創業者の森川照太氏

森川氏の祖父や父親は事業家だった。だから、いずれは自分も事業を立ち上げたいと考えていた。ただ、まず商社かコンサルで修行を積んでから。そう思っていたそうだ。それが、以前六本木にオフィスを構えていたEast Venturesに集まる2周めや3周めの連続起業家(例えばメルカリ創業者の山田進太郎氏)や、若くして事業を伸ばしている起業家(例えばBASE創業者の鶴岡裕太氏)などを見ているうちに、自分も若い時期から挑戦するのが大事だと考えるようになったそうだ。

「進太郎さんとか鶴岡さんとかを見て、実は過去に失敗していたりするのを知って意外に普通の人だと分かったんです。あるいは最初から凄かったわけじゃなくて、若いうちから小さな成功や失敗を重ねながらやっていく中で成功してきたんだということが分かってきたんです」

これは、ぼくが初期のY Combinatorの起業家の多くから何度も直接聞いた言葉と同じだ。2000年代後半にY Combinatorが出てきたころに、このシリコンバレーのアクセラレーターの代名詞ともなったプログラムに参加した起業家たちはみんな、「Why not me?」と思う瞬間があったという。オレ(わたし)にだってできるかも、ということだ。起業家の中には、ずば抜けた頭脳や感性を持つ人がいることは事実だけど、みんなが最初から超サイヤ人というわけじゃない。1つめや2つめの起業で成功しているとも限らない。

まだまだM&AやIPOといった分かりやすい成功の絶対数は少ないものの、成功している起業家をみて why not me? と考えるようになる人が出てきている。そういうことが日本のスタートアップ業界でも起こり始めているのかなと思う。

好調Snapchat、シリーズFで18億ドル調達―取締役会資料で評価額、売上、ユーザー数も判明

2016-05-27-snapchat-money

今週われわれはSnapchatが資金調達中だという記事を書いたが、このメッセージ・スタートアップに関してもっと具体的な数字が判明した。

今日(米国時間5/26)、 証券取引委員会(SEC)に提出された報告書によれば、Snapchatは最新のシリーズFラウンドで18億ドルの資金を調達している。さらにTechCrunchに対して別途提供された同社の取締役会のプレゼン資料によって同社の売上や将来予測に関する情報を得ることができた。

このプレゼン資料によって、ロサンゼルスに本拠を置くSnapchatは2015年の売上が5900万ドルに過ぎなかったものの、巨額の資金調達を進めたことが明らかになった。しかし資金調達に成功した今は、本格的にビジネスを拡大する準備が整ったことになる。

信頼できる情報源がTechCrunchに告げたところによると、18億ドルを調達した最近のシリーズFのうち、11億5800万ドルは1月以降の5ヶ月で順次調達されたものだという。

同情報源によれば、資金を提供した投資家にはGeneral Atlantic、Sequoia Capital、T. Rowe Price、Lone Pine、Glade Brook Capital、IVP、Coatue Management、Fidelityなどが含まれている。

今回SECに提出されたForm D書式では会社評価額を明らかにする必要がない。評価額についてわれわれが聞いた情報は錯綜していた。情報源の説明によると、投資の一部はプレマネー(投資実行前の評価額)で175億ドルだったという。これに18億ドルを加えれば193億ドルとなり、TechCrunchが報じた「ポストマネーで200億ドル」という目標値にきわめて近いことになる。

ただし、この部分についてもわれわれは矛盾した情報をつかんでおり、実際の評価額はもっと低い可能性があった。TechCrunchに記事が出て数時間後にある情報源から接触があり、プレマネーの評価額は180億ドル以下だという数字が告げられた。今回のラウンドのポストマネーの評価額は160億ドルかそれ以下、プラス18億ドルだったという。

異例だが、同時に可能でもあるのは、一部の投資家が異なる会社評価額で出資したというものだ。われわれは大勢の投資家がSnapchat株式を購入するために特別に資金をプールするファンドが組成されたという噂を聞いていた。

同時にSnapchatの資金調達における会社評価額は「動的」、つまり現実に資金が調達される時点での時価総額に基づくということを聞いていた。これは同社の資金調達に多数の投資家が関与し、数ヶ月にわたるところから来たものだろう。つまりシリーズFラウンドというのは、こうした投資をすべて合計した名称ということのようだ。

記憶を呼び起こせば、昨年Snapchatは160億ドルの評価額で6億5000万ドルの資金調達を試みたことが報じられた。SECへ報告書によれば、このうち5億3700万ドルが調達ずみとなっている。Snapchatは残りの額も含めて全額を調達ずみだ。どうやら6億5000万ドルの出資目標額の残り〔1億1300万ドル〕が今回のシリーズFラウンドの最初の部分になったものらしい。

Wall Street Journalは3月の記事で、同社はFidelity(シリーズFラウンドの参加者)からhis round) から160億ドルの評価額で1億7500万ドルを調達したと報じている。この資金調達は今回SEC報告書に記載されたシリーズFラウンドの一部であったようだ〔そのためにFラウンドにおける会社評価額について異なる数字が流れたのだろう〕。【略】

巨額の資金、さらなる成長

Snapchatの会社評価額は〔160億ドルから〕いっこうに伸びていないと批判する意見もあるが、同社自体はそれどころでない成長を遂げている(TechCrunchが200億ドルという会社評価額をあり得ると考えたのもそれが一因だ)。

われわれの情報源はSnapchatに投資を試みたことがあり、同社のプレゼンのスライドをTechCrunchに提供した。この資料にはこれまで公開されたことがない数字が記載されている。

スライドの日付は2015年の末となっている。この時点でのSnapchatの2015年の売上は5900万ドルだった(ただし、同社が収益化をスタートさせたのは2015年の下半期であり、それ以前はまったく収益化を行っていなかったことは記憶しておくべきだろう)。

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Snapchatでは2016年の売上を2億5000万ドルから3億5000万ドルの間、2017年は5億ドルから10億ドルの間と予測していた。

プレゼンの資料によれば、こうした数字の上限は現実の売上に基づく推定ではなく、セールス部門の強気の目標数値だったとようだ。別の理由もあって売上予測は多少割引して聞く必要がありそうだ。それはこうした予測が同社が現に収益化の努力を始める前の予測であるという点で、広告やDiscoveなどのプロジェクトを始めるとそれなりのコストがかかることが判明した。

資料はまた2015年12月の1日あたりアクティブ・ユーザー〔DAU〕は1億1000万人だとしている。前年同期が7400万人なので50%弱の成長を遂げたことになる。

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もちろん今は2016年の5月であり、現在のDAUの数字は不明だ。しかしSnapchatは最近も目覚ましいスピードで機能を追加しており、ユーザーはテキストだけでなくビデオや音声をさまざまに処理して友達と共有できるようになっていえる。

たとえばke カメラロール中の写真の顔を別の顔と入れ替えたりビデオ中の動く対象にスタンプを貼り付けたりできるようになた。またさまざまな新機能でサービス全体の使い勝手もすっかりアップグレードされた。【略】

Snapchatではサービス内のビデオの視聴は昨年1年で350%増加し、1日あたり100億回となっていると発表している。またユーザーの3分の2は毎日Snapchatの提供する機能を利用してビデオ・コンテンツを作っている。

今回の資金調達に関連して取材した投資家は、こうした精力的な新機能の追加は「この会社のもっとも魅力的な点のひとつだ」と認めた。投資家の1人は「誰にとっても1週間は168時間しかない。 一般ユーザーのインターネット利用を考えると、1人のユーザーが繰り返し使うプロダクトはせいぜい5種類から7種類くらいだ。それ以上使う『帯域幅』はない」と語った。この投資家によれば「Snapchatはすでに一般ユーザーが繰り返し使うプロダクトの一つとしての地位を確立しており、しかもその成長は始まったばかりだ」とした。

この記事の取材にはMatthew Lynleyが協力した。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

スマートスーツケースのBluesmart、外観を整えて性能もアップしたブラックモデルをリリース

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GPSや充電用バッテリーも搭載したスマートスーツケースのBluesmartが、新たにブラックモデルを発表した。

今回のモデルはデザインを重視したものとなっている。素材やディテイルにもこだわり、よりスマートになったスマートスーツケースといった感じになっている。一般的な高級スーツケース風のいでたちだ。

初期モデルからさまざまな面が見直され、外装にはナイロンとポリエステルを採用し、また2層のPUコーティングを行い、本体に傷がつくのを防ぎ、同時に防水性ももたせている。

実用性の観点からは、取り外し可能なメッシュディバイダーも付属している。

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もちろん注目すべきはデザインよりも採用されている「テクノロジー」の方だろう。

BluesmartスーツケースにはSIMカードも搭載されていて、Telefonicaの回線を使って3G接続を行う。これによりスーツケースがある場所をリアルタイムで確認できるようになっているわけだ。また10,000mAhのUSBチャージャーも内蔵していて、スマートフォンを最高で6回程度充電できるようになっている。

さらにBluesmartは、Bluetoothを使ったリモートロックの仕組みも搭載している。所有者がスーツケースから離れれば、自動的にロックすることができるようになっている。

ところで空港で荷物を預ける際に重量オーバーを指摘された人もいるかもしれない。Bluesmartスーツケースには重量センサーも備わっていて、重さが規則の範囲内におさまっているかどうかをチェックすることもできる。

Bluesmartが当初発表したスーツケースは450ドルだったが、いろいろとバージョンアップしたこのBlackモデルは595ドルとなっている。現在はプレオーダーの受け付け中で、30日以内には出荷される予定だとのことだ。

詳細についてはこちらから確認することができる。

原文へ

(翻訳:Maeda, H

HPがゲーム専用機シリーズOmenブランドの夏季新製品を発表、赤く輝くキーボードは健在!

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Omen(前兆)という言葉そのものには元々悪い意味はないけれども、でも日常的な英語としてはほとんどの場合、omen of deathみたいに悪いことの前兆として使われる。そのため、Omen自身もネガティブなイメージを帯びてしまっている。そしてそれは、キリストに反対する若者を主人公とする40年前の映画、The Omenのせいではないだろう。

解釈はご自由に、とHPが言ったとしても、でも同社が数年前に買収したVooDooから継承した、ギラギラ輝く赤目の美学(上図)の、今後の人気に貢献するわけではない。しかし、かつて“VooDooレガシー”のちょっとした製品化にすぎなかったものが今では、HPのゲーム専用機を指す独自のブランドに育っている。

今日の同社の発表は、今後発売される一連のデバイスの前触れだ。その主役であるOmen Laptopは15.6インチと17.3インチの二機種があり、重さはそれぞれ4.6ポンドと6.28ポンドだ。このOmenシリーズのデザインでいちばん目立つのは、“Dragon Red”と呼ばれる赤いバックライトのあるキーボードと“black shadow mesh”と呼ばれる網目状の蓋だが、この二機種もそれらを引き継いでいる。

HP Omen

GPUはNVIDIA GTX、CPUは第六世代のクァッドコアi7、ストレージは4TBのHDDまたは128GBのSSHDだ。ディスプレイは、4Kのオプションもある。また、最近のHPのコンピューターの多くがそうであるように、スピーカーグリルにはBang & Olufsenのロゴがある。15インチ機は900ドルから、17インチは980ドルからで、7月10日に発売される。

一方、Omen Desktopは8月発売だ。これはIntel Core i7-6700Kプロセッサーを搭載、RAM最大32GB、ストレージは3TBのHDDだ。GPUはNVIDIA GTX 1080 Founder EditionかAMD Radeon R9 390Xのどちらかを選べる。

HP Omen

HPは、今後の成長株であるVRのメイン機としては、あくまでもこのDesktopを推す気だ。同社はHTC Viveのデモをやっていたが、このシステムを仮想現実コンテンツ/アプリケーションのテスト機としても使う気のようだ。

そしてディスプレイもOmenブランドで、Omen by HP Displayと呼ばれる。それはOmen Desktop用に設計された32インチのモニターで、解像度はQuad HD、AMD FreeSync再生技術を採用している。これもやはり、8月発売だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Mt. Goxの管財人が失われたbitcoinに対する請求の調査を終了…結果発表はもうすぐ

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bitcoin取引所Mt. Gox(マウント・ゴックス)が破綻してから2年経つが、元ユーザーの一部はやっと、彼らのbitcoinを取り戻せるかもしれない。Mt. Goxの調査で東京の裁判所が指定した管財人が、失われたbitcoinに関するすべての請求を、ようやく調べ終えた。この調査では、Krakenが管財人に協力した。

Mt. Goxが2014年に閉鎖したとき、多くのユーザーがまだbitcoinをこのプラットホーム上に保有していた。Mt. Goxは回復不能のハックに遭ったか、または単純に、CEOがきわめて怠慢な人物だった。数百万ドル相当のbitcoinが、消えてしまった。

その後同社は破産を申請し、ユーザーが債権を主張するためのページを立ち上げた。債権請求の期日は2015年7月とされた。そして管財人は、24750件の請求の正当性を監査した。

請求の合計は2.4兆ドルに達したが、その中には$2.39兆ドルの請求が1件ある。全体としてMt. Goxは、91,185,435ドル相当のbitcoinを保有していた(現在価格451ドルで換算)。

Mt. GoxのWebサイトでユーザーはもうすぐ、自分の請求のすべてまたは一部が返ってくるか否かを、調べることができる。ただしその調査は、プライバシーとセキュリティ上の理由から、Mt. Goxのウォレットのアドレスを公表しない。

以上はとにかくすばらしいニュースだが、安心するのはまだ早い。Mt. Goxの元ユーザーが資産を取り戻したという報道があるまでは、まだやるべきことが残っているのだ。でも、日本の裁判所がギブアップしなかったのは、偉いね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

地図上の地形的特徴でクェリすると各都市のマッチ結果(野球場、テニス場、etc.)を返してくれる画像検索エンジンTerrapattern

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Terrapatternは画像検索エンジンだが、誰もがそれを初めて使ったとき、“何でGoogleがこれを10年前からやってないの?”、と不思議に思うだろう。地図上の特徴(施設など)…野球場、マリーナ、ロータリー、などなど…をクリックすると、アルゴリズムが複数の都市の「それはここだ!」と信じたものの写真を見せてくれる。速いし、使い方は簡単、そして可能性としてはとっても役に立つ。

実際に試してみると、その検索がとても自然であることが分かるだろう。どんな原理なのか? ひとにぎりのデジタルアーチストとデベロッパーが、35000ドル足らずでどうやって作ったのか?

最近のおもしろいヴィジュアルコンピューティングプロジェクトの多くがそうであるように、このプロジェクトも畳み込みニューラルネットワーク(convolutional neural network)を使っている。基本的にはそれはAIのようなプログラムで、画像からあらゆるデテール(細部情報)を取り出し、さまざまな構造体の中に、そのパターンを探す。それは、人間の目が相似のパターンを探すやり方と同じだが、その精妙さと柔軟性は、人間の脳が上だ。

Terrapatternの場合は、小さな矩形の地形図を見て、それをOpenStreetMapが提供している地図上の特徴のタグ付き画像の、巨大なデータベースと比較するよう、ニューラルネットワークを訓練する。それは、地形図上の情報を何らかのコンセプトに結びつけることを学習する。

たとえばカメラが人間の顔を認識して、その顔が瞬(まばた)きしてるか微笑んでいるかを判断するとき、何をどうやっているのか。それは顔や微笑みや目などを“知っている”のではなくて、それらを画素の何らかのパターンに結びつけ、相似性の高いものを拾い上げているだけだ。

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Terrapatternを訓練して、船や貯水塔など、ありとあらゆる地理的特徴を認識しカテゴライズできるようになると、それに、ニューヨークやピッツバーグ、デトロイト、サンフランシスコなどの大きな詳細地図を見せる。するとTerrapatternはそれらの地形図を舐めるように見て、特徴と類似性の巨大なデータベースを作る。そしてそれに対して、小さな矩形の地形図でクェリすると、相似物が直ちに返される。ユーザーが地形図(施設など)をクリックしたときニューラルネットワークは“考える”のではなくて、データベースのデータ集合を照合するだけだ。

そうやってユーザーはたとえば、“オークラウンドのテニス場”を見つけたり、いろんな視覚的検索が完全にできるが、Terrapatternが探すのはあくまでもパターンの相似だから、原っぱの真ん中の家、とか、行き止まりの袋小路、とか、枯れた芝生、円形の駐車場などなども、そんなパターンが見つかれば検索結果として返す。Terrapatternにとってそれは、空港やフェリーのターミナルを探すことと、なんら変わらない。それらはすべて、ニューラルネットワークにとっては、特徴の集まり〜組み合わせにすぎない。

TerrapatternはGolan Levin, David Newbury, Kyle McDonaldの三名がKnight FoundationのPrototype Fundから得たお金で作った。彼らの資金と時間では、4つの都市の特徴マップデータベースを作るのが精一杯だったが、今後はほかの都市もやっていくつもりだ。そしてうまくいけば、もっと高いレベルと低いレベルの特徴を検出したい。野球場を見つけるのはふつうのレベルだが、小さな交差点(低レベル)や刑務所(高レベル)を見つけるのは難しい。

この作品はCreative Commons 4.0のライセンスにより、無料で利用できる。彼らのコードは、GitHubにある

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

「360度動画のテレビ局を目指す」360Channelが本日ローンチ

360Channel_top

360Channelは本日、オリジナルの360度動画の配信サービス「360Channel(サンロクマルチャンネル)」をローンチしたことを発表した。360Channelはコロプラの100%子会社で、VRで視聴できる360度動画に特化したサービスを提供するため昨年11月に設立した。これまで事業内容や提供サービスなどに関する情報開示をあまり行ってこなかったが、今月16日になって360度動画の配信サービスを開始すると発表していた。そして昨日、本日のサービスローンチに先駆け、メディア向け発表会を開催したので、その内容をお伝えしたい。

360Channelは「360度動画のテレビ局」を目指すと同社経営企画の中島健登氏は話す。360Channelでは、オリジナルの360度動画製作と動画配信を行う。360Channelは現在20名ほどの社員を抱え、テレビ番組や広告映像の製作に携わってきたメンバー、そして360度動画を製作するための映像をスティッチする部隊で高品質の動画コンテンツをユーザーに届けると話す。

最初に手がけるのは「バラエティ」「旅行」「ライブ」「パフォーマンス」「体験」「ドキュメンタリー」といったカテゴリーの6チャネルで、ローンチ時では22のコンテンツが視聴可能だという。1コンテンツの長さは5分から10分程度だ。お笑い芸人のチュートリアルが司会を務めるバラエティー番組やアイドルの音楽ライブ、ANAと協力し製作した機体工場見学などのコンテンツがある。動画の更新頻度に関しては、ユーザーの視聴習慣を促せる頻度で行ってしていきたいと360Channelは話す。

動画製作には、下の写真にあるGoProのアクションカメラを複数台取付けたVRカメラを使用しているという。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

動画コンテンツはPC、スマホ、そしてヘッドマウントディスプレイ(HMD)で視聴可能だ。ローンチ時にはOculus RiftとGear VRに対応している。順次他の機種にも対応予定だという。ユーザーは360Channelにアカウント登録をすることで動画コンテンツをお気に入りに登録することもできる。

Gear VR

Gear VRと360Channelのアプリ

今回、Gear VRとOculus Riftのどちらでもコンテンツを視聴した。Gear VRとOculus Riftの性能に差があるため操作方法が少し違ったり、動画の画質にも少し差があるが、360Channelでできることは基本的には一緒だという。

360Channelの「チャンネル」は、テレビのようにずっとコンテンツを配信しているということではなく、番組名を指しているようだ。見たいチャンネルの中に複数ある録画コンテンツの中から一つを選んで視聴する形だ。360度動画はYouTubeでもFacebookでも平面のものはいくつか見たことがあるが、HMDで見る360度動画は臨場感があり、ありきたりな表現だが本当にその場にいる雰囲気が味わえた。旅行番組では行ったことがない街のお店を見てまわっているような感覚になり、アイドルの番組では実際に話しかけられているようにも感じられた。ドキュメンタリー作品である熊本の震災現場を写した動画では、これまであまり自分ごととして感じていなかった震災がすごく身近に感じられて恐いと思う反面、震災への備えをしたり、危機感を持とうと思えた。

360Channelの体験デモ

私は今回初めてHMDで360度動画を視聴したが、操作方法は直感的ですぐに慣れることができ、意外とHMDも軽くて快適だった。動画コンテンツも頭の動きと動画表示の差はさほど感じなかったので、違和感なく楽しむことができた。ただ、自分で動画内を見回すという狭い範囲での動きは可能だが、当然のことだが動画の中で歩くことはできないし、また動画は定点で撮影しているものが多く、動画の中でシーンが切り替わることでしか次の場面に移動することもない。動画の中では、さもその場を歩いて回ったり、興味がある箇所に近寄ったりできそうな感覚なのに、そうできないのはちょっともどかしく感じた。

360Channelでは、今後動きに対応する端末への対応や動画にインタラクティブな要素を加えたり、生中継などのコンテンツも追加したりすることも考えていると話していたので、さらにコンテンツが充実していくことに期待できそうだ。

Gear VRは昨年の12月、Oculus Riftは今年の3月末に一般向けに発売されたことを考えると、まだVRが普及するには時間がかかるかもしれない。今後魅力的なコンテンツが増えるほど、より多くの人がHMDを手に取る機会も増えていくだろう。

シリコンバレーでエンドウマメからミルクを作るRipple、すでに全国販路を確保

ベイエリアは新しい文化や、世界の問題に対する新しい解決方法を育てる。それには、食べ物の問題も含まれる。たとえばシリコンバレーのRipple Foodsは、エンドウマメの蛋白質で酪農産業をディスラプトしようとしている。

ここ数年、同社のように、研究室や実験室から生まれて一般消費者市場をねらう、新しいタイプの食品企業が増えている。Memphis Meatsは、動物の細胞の細胞培養で肉を作っている。Impossible Foodsは植物原料のバーガーを作り、Clara Foodsは、鶏を使わずにイースト菌を使って卵白を作っている。

牛乳は体に良いと言われているが、しかし酪農は、排出する大量のメタンガスにより、地球温暖化の最大の犯人と呼ばれることもある。Rippleのファウンダーたちはこの問題を解決しようとして、エンドウマメという素朴な食べ物に目をつけた。

Ripple

Rippleの最初のノンミルクミルクはエンドウマメの蛋白質が原料だ。

牛乳に代わるミルク製品はすでにいろいろあるが、その多くが問題を抱えている。たとえば大豆の多くは遺伝子組換え作物であり、農薬を大量に使っている。アーモンドミルクは製造過程で大量の水資源を濫費するし、ココナッツミルクは過敏性腸症候群の人たちに合わない。

しかしエンドウマメは資源量が豊富でビタミンが多く、遺伝子組み換え品種がない。ビタミンとミネラルではとくに、ビタミンK、マンガン、食物繊維、ビタミンB1、銅、ビタミンC、リン、そして葉酸が豊富だ。

Rippleは、これまでのものよりも優れた、牛乳代替製品を作れた、と信じている。原料はエンドウマメだが、豆スープの味や食感はなくて、舌触りは完全にミルクだ。

Rippleは“完全菜食者向き”を謳い、ラクトースやナッツ、グルテンを使用していない。遺伝子組み換え作物を使わず、牛乳やナッツミルク、豆乳などに比べて製造過程における水の使用量は96%少ない。

同社はこれまで1360万ドルの資金を調達し、4月に最初の4種類のノンミルク製品を全国のWhole Foods店で発売した。それらは、オリジナル、オリジナル無糖、ヴァニラ、そしてチョコレートだ。

協同ファウンダーのNeil RenningerとAdam Lowryは共に、Rippleの前にも起業に成功した経験がある。LowryはMethod Soapの創業に加わり、そしてRenninger、再生可能化学製品の企業Amyrisの成長を助け、同社は2012年にIPOした。

私は同社のEmeryvilleの研究所でRenningerとLowryに取材し、同社のミルク代替製品を飲ませていただいた。

上のビデオには、私がRippleを飲んでいるシーンもある。ご覧になれば、同社をより詳しく理解できるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

チャット・コマース夜明け前? チャットSaaSのLayerがDIから約1億円調達して日本・アジアに展開へ

去年TechCrunch Tokyo 2015でもスピーカーとして登壇した「Layer」が、日本のドリームインキュベータから約1億円の資金調達をしたと発表した。日本やアジアで企業ユーザーとの提携を進めて事業展開を加速するという。Layerはチャット・メッセンジャーを実装するためのSDKとバックエンドサービスをSaaSで提供している。Layerは、これ以前にも2014年5月には1450万ドル(約15.9億円)を調達している。

ドリームインキュベータといってもスタートアップ業界の人なら「久しぶりに聞いた名前だ」と思う人もいるだろう。

それはその通りで同社は2000年頃からネット系企業への投資を活発に行っていて過去15年間で投資先の30社ほどが上場した実績があるものの、ライブドアショックなどで投資を一旦停止していた経緯がある。近年は企業や政府機関向けのコンサルティング事業を中心としてきた。最近は再び投資事業を再開していて、日本、アメリカ、東南アジアで1000万円から数億円前半の投資をしているのだという。投資案件数は少なめで、投資先支援を徹底して行うハンズオン投資型だという。今回の投資も、これまで同社が日本の大手企業と築いてきたコネクションを活用して、日本展開を支援していくそうだ。

すでに米大手高級スーパーなどで採用事例

Layerが提供するチャット・メッセンジャーサービスの特徴は既存プラットフォームへの依存が少なく、カスタムした一種のウィジェットのような独自チャット形式をアプリ提供社が開発できること。コマースやコミュニケーション、マーケットプレイスを提供する大企業ユーザーがLayerのターゲット。すでに米国では、例えば大手高級デパートのアプリに組み込まれていて、ファッションアイテムをチャットベースで購入できるようになっている。

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チャットの中に自然にアイテムが購買ボタンとともに表示されている例

最近のボット狂騒曲状態からすると、読者の一部はAIによるボットが顧客対応するのかと思うかもしれないが、Layerが提供するのはチャットとノーティフィケーションのレイヤー。そしてチャットの向こうにいるのは、例えば顧客と対話してアイテムを提示したりしながらショッピングを手伝う売り子だ。Facebookなどとの違いは画像のギャラリー表示や選択肢の表示、地図の表示といったモジュールを使って顧客企業が自由にUIを作れること。最近のモダンなWebアプリはAPIから受け取ったJSONをJavaScriptのUIフレームワークでレンダリングしてUIを作る構成が多いが、LayerもJSONでデータを渡して各チャットクライアント側でUIをレンダリングすることができる。

iOS、Androidのネイティブアプリ向けSDKのほかに、UI Kit部分はAtlasという名前でオープンソースプロジェクトとしてGitHub上で公開している。標準のコンポーネントや簡単なカスタマイズは宣言型の定義だけで利用できるほか、用途に応じてカスタムのパーツ、ウィジェットのようなものを定義することもできるという。例えば企業が持つCRMをつなぎ込むようなこともできる。つまり従来のコールセンター業務をチャットに置き換える場合に、以前の顧客サポート情報などを共有しながらチャットを進めるようなシナリオも簡単に設計できそうだ。

チャットのやり取りはユーザーごとに保持されるので、スタイリストとファッションアイテムについて相談をしたとしたら、それを次回のチャットでも継続できるということになる。面白いのはメールへのフォールバック機能なんかも備えていること。チャットに1時間ほど返答がない場合に、メール本文に「Reply」(返答する)とボタンで書かれたメールを顧客に自動送信したりできるそうだ。

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Layer創業者でCEOのロン・パルメリ(Ron Palmeri)氏

ぼくが見せてもらったデモでは、地図で自分の居場所を相手に示して「今から15分ならこの辺にいるよ」と伝えられるものとか、チャットしている人同士でカレンダーの一部をシェアしてアポの日時調整を行うようなカスタムウィジェットが実現できていた。あるアメリカ大手企業の例だと、テーマパークのチケット予約や販売、レビューの表示などにもカスタムのチャットUIパーツを使っているそうだ。

以前からLayer創業者でCEOのロン・パルメリ(Ron Palmeri)氏が主張しているのは、インターネットにおいてWebブラウザが果たしてきた役割を、チャットメッセージUIが置き換えつつあるということ。今後、チャットSDKはインターネットの基本的なビルディングブロックとなっていく可能性がある。「メッセージが届いて、そこからアプリに繋ぎこむという流れが大きくなっています。メッセがアプリに引き込む役割を果たしています」(パルメリ氏)

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カスタムのチャットUIの例。左は配達予想時間を表示していて、右はiPhoneの指紋認証によるアップグレードの確認画面をチャットの返答として表示している

ところでチャットとボットは似て非なるもの。チャットはUIのことで、ボットはチャットUI経由でAIが応答する自動応答システム全体もしくはバックエンドを指す。LayerではAIを使った自然言語処理エンジンや応答システム、語彙データベースなどを提供する予定は今のところはないという。もし対話を自動化したかったら、独自に作りこむかWatson APIのような他社のものを使うことになる。今後チャット・ボットのエコシステムがどう発展するのか誰にも分からないが、LayerはチャットUIのレイヤーに特化しているということだ。

すでにFacebookやLINEなど既存プラットフォーマーが次々とAPI開放を進めているが、企業ユーザーがこうしたプラットフォームを使った場合、ユーザー情報ややり取りの内容はプラットフォーマーに持っていかれるし、使えるメディアの種類(写真・動画)や決済手法などはプラットフォーマー依存となる。というところで、LayerのようなチャットUIに特化した「レイヤー」がWebブラウザが果たした役割を果たすことになるのか、ゆくえが興味深いところだ。

Zzishが学習用アプリの制作と教育現場に変革を起こそうとしている

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ロンドンを拠点とする教育系スタートアップZzishは、学習用アプリの可能性を引き出すことを使命としている。その手段として、学習用アプリ制作の簡素化、そして完成したアプリを実際の教室で使いやすくするような環境づくりに取り組んでいるのだ。

Zzishは、アプリ制作用のプラットフォームの開発を通して、時に骨の折れる学習用アプリの制作を支援しており、さらに、教師向けセントラルダッシュボードの開発も行っている。これによって教師は、生徒の学習用アプリの使用状況、特に成績や、「ラーニングギャップ」(生徒がこれまでに実際に学習した内容と、その生徒が既に学んでいるべきとされる内容の差)の特定に関連した情報を、確認することができる。

以前Googleのプロダクトマネージャーを務めていた、Zzish共同設立者兼CEOのCharles Wiles氏は「私たちは、二種類の人々がそれぞれ持っている悩みを解決しようとしています。一方は、教室で使えるような学習用アプリの開発者が持つ悩み。そしてもう一方は、そのアプリを教室で実際に使う教師が持つ悩みです」と語る。

さらに「私たちは、何百万ドルもするバックエンド環境を提供することで、開発者が自分たちでやろうとすると、年単位とは言わずとも、月単位の時間がかかる、学習関連機能の実装作業を、数時間で行えるよう支援しています。また、学ぶという行為に革新をもたらすような、最先端の学習用アプリを、誰もがつくることができる環境を提供することが、私たちの目標です」とWiles氏は言う。

Zzishが提供するサービスのもうひとつの顔にあたるのが、教師用のダッシュボードなのだが、本当のところを言うと、Zzishは、教師(または起業家業精神を持つ教師)がユーザーとしてサービスを利用するだけでなく、アプリの開発に取り組むようになることを願っている。そのダッシュボード上では、Zzishのプラットフォームを利用している学習用アプリであれば、まとめて生徒の学習状況を確認することができる。ここで重要なのは、生徒の学びに関する情報を一手に集めて確認できることで、教室で行われる全ての活動を、ひとつの場にまとめることができるという点だ。

「その一方で、教師は、本当に学習効果があり、教室で使えるような魅力あるアプリを探すのが、ますます難しくなっていると感じています。小規模で開発された学習用アプリの大きな欠点のひとつは、生徒の成績を集計する機能や、教師が成績を確認できるようなダッシュボードを設けていないことです」と述べるWiles氏。

学習進度に関するデータ不足や、さらにはそのデータを一か所から簡単に確認できないといった状況は、ある程度開発にお金がかけられていて、人気のある学習用アプリでも見られることだ。これでは生徒の学習状況について、極めて基本的な洞察しか得ることができない。「私たちは、接続しているどのアプリの情報もきれいに表示できるような、単一のダッシュボードを教師のために開発し、どんなアプリとダッシュボードの接続も数時間で完了するようにしました。さらに、我々のダッシュボードは、教師のみなさんに、シンプルで行動に移しやすい情報を素早く提供するという点に重きをおいています」

ダッシュボードには、それぞれの生徒の強みや弱み、さらにはラーニングギャップまでリアルタイムに割り出す機能が搭載されており、教師は生徒に合わせて教育方法をアレンジすることができる。

結果的にWiles氏が主張する通り、Zzishは、教師のための全く新しい製品を作りあげた。彼は自社の製品が「単なる学習用アプリを、有益な教育用ツールへと変化させるもの」であると言う。

そのコンセプトを実証するため、ZzishはQuizalizeという自前の学習用アプリの開発を行った。このアプリをプラットフォームに接続することで、教師は自分で問題を作ることができ、さらに生徒の成績を随時確認することもできる。今日までに、100ヶ国以上から2万5000人もの教師がQuizalizeに登録している。

投資家がこの状況を見て黙っているわけがない。アクセラレータープログラムTechstars London出身のZzishは、追加で70万ポンドもの資金を調達したと発表し、合計調達額は150万ポンドに達した。支援者には、教育系テック企業のVCであるLeaf Investmentsのほか、エンジェル投資家でありForward Internet Groupの設立者でもあるNeil Hutchinson氏らが名を連ねる。

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(翻訳:Atsushi Yukutake

IngressのNianticラボがアメリカでPokémon GOをベータ・リリース―一般公開近づく

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GoogleがAlphabetに改編された直後にGoogleからスピンアウトしたゲーム・スタートアップのNiantic Labsは、今日(米国時間5/25)、開発中の位置情報を利用した新ゲーム、Pokémon GOのベータ版をアメリカ向けにリリースすると発表した

今月に入って熱心なゲームファンはNianticの最新ベータ版にアクセスするための登録ができるようになった。登録したフィールド・テスターは一般公開に先立ってNianticにさまざまなフィードバックを送信することが期待されている。

ベータテストはすでに日本、オーストラリア、ニュージーランドで実施されているが、いよいよアメリカでもベータ版が公開されるということは一般公開が近づいていることを意味するのだろう。

Nianticは2015年に株式会社ポケモン、 Google、任天堂の各社から シリーズAのラウンドで2000万ドルの資金を調達したのと前後してPokémon GOの開発を始めている。NianticチームはGoogleの組織再編にともないAlphabetの傘下で活動するより、外部の独立したスタートアップとして起業する道を選んだ。NiantiのCEO、John Hankeは以前、TechCrunchのインタビューに対して、「独立企業であれば意思決定がより迅速なる。また外部の企業やチームとの協力の方法もスムーズになる」という意味のことを語っている。

しかし独立企業であることの裏側は当初から成功が必要だということでもある。期待の高いモバイル版のPokémonタイトルはなんとしても成功し、固定したファンをつかまねばならない。これまでPokémonゲームにタッチしたことのない層を新たに取り込むのが理想だ。

今日の公式ブログでNianticはゲーム自体についてもいくつかの情報を明かした。Nianticの前作、Ingressは現実世界とゲームを緊密に結びつけることで大ヒットとなったが、Pokémon GOも現実世界における場所移動をテーマとしている。

プレイヤーはゲーム内でPokémonの進化を助けるだけでなく、 家の外に出ていわゆるPokémonエッグを探したり成長したPokémonを見つけたりしなければならない。Niantecの説明によると、卵を孵すまでどんなPokémonが出てくるかわからない。また卵を孵すには一定の距離を歩く必要があるという。

またプレイヤーはPokémonジムという現実世界の一定の場所Pokémonの能力を競わせるバトルを楽しむことができる。勝者となってジムの支配権を得るのは3組のチームのうちの一つで、プレイヤーはこのバトルをするためにどれかのチームに所属する必要がある。

スマートフォンの各種センサーと位置情報を用いて現実世界とゲーム世界を結びつけるのはNianticゲームの最大のセールスポイントだ。これにゲーム世界のアイコンともいうべき高い知名度を誇るPokémonが加わるのはIngressの場合よりはるかに広い層にアピールできるだろう。

現実世界では100匹以上のPokémonが発見を待っているという。プレイヤーがこうしたPokémonに近づくとスマートフォンのプッシュ通知がそのことを教えてくれる。ゲームの詳しい情報―PokéボールでPokémonを捕まえる方法とかPokéStopsの使い方とか―はこちらで発表されている

ベータ・テストに加わっていない場合でも、まだ登録を受け付けているようなので試してみるとよい。ただしプレイを許可されるベータ・テスターの総数は明らかではない。ゲームはiOS版とAndroid版が用意され、今年中に一般公開される予定だ。

〔日本版〕 記事中のスライドショーのインポートが一時的に不調なため、とりあえず最初の画像のみ掲載。 Pokémon GOについてはポケモン・カンパニーのサイトに日本語で詳しい説明があり、紹介動画もアップされている。なお、Nianticはゴールドラッシュ時代にサンフランシスコに入港した船の名前で「ナイアンティック」と発音する。Hankeのビデオで2:30あたりから。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook

Slackが統計を発表―このエンタープライズ向けチャットにユーザー殺到中

2015-11-24-slack

毎日Slackにログインしてチャットする人間はたいへんな人数になってきた。

今日(米国時間5/25)、エンタープライズ向けコミュニケーション・プラットフォームのSlackeが公式ブログでいくつかの数字を発表した。

それによるとSlackは現在も成長の速度を緩めておらず、わずか1年で一日あたりアクティブ・ユーザー(DAU)は3倍になり、この8ヶ月だけでも2倍になっている。

  • チャット、画像その他のファイル送信、ギフトの送付などのためにSlackを毎日利用するユーザーは300万人
  • 200万人がサービスを同時に利用

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こうした統計はSlackが上向きであることを十分に示している。この数ヶ月メディアでなりを潜めていたのはSlackのエンジニアがユーザー体験の改良に全力を上げていたためらしい。このサービスにはすでに音声とビデオでのチャット機能の追加計画を発表しているが、今月に入ってSlackを利用してサインインする機能も追加された。これはFacebookのユニバーサル・ログインのエンタープライズ版と思えばよいだろう。

Slackはこの4月に2億ドルを調達し、調達総額は5億)ドルとなっている。現在の会社評価額は38億ドルだ。今回発表されたユーザー統計は十分にポジティブだ。それでもビジネス・ユーザーが毎日Slackに殺到するスピードを十分に伝えているとはいえい。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Google、Nexux Playerを静かに終了

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Nexus Playerは、誰も買わなかった最高のTVメディアプレーヤーもしれない。GoogleとAsusは、去る2014年11月にNexus Playerを発売した。それは初期Android TVデバイスの一つであり、十二分によくできた製品だった。

しかし、Googleの後押しがあったにもかかわらず、主流製品として成功したとは言えなかった ― Chromecastと比べるとなおのこと。

他のNexus製品と同じく、GoogleはこれでOEMにAndroidプラットフォームで何ができるかを見せたかった。それはAndroid TVの代表的製品だった。ライバルは、Apple TV、Amazon Fire TV、および他のAndroid TVデバイス等だ。

私は数ヵ月間使っていたが、Netflixの番組やYouTubeビデオを見るすばらしい方法であり、スマートフォンのYouTubeアプリからビデオを操作したり、コンテンツを送ることができ。その後私は最新のApple TVに乗り換えた。

しかしこれは、Android TVがなくなるという意味ではない。Googleは今もTV OSのアップデートを続けている。そして、Android TV OSを塔載した新デバイスは次々と発売されている。

SonyのスマートTVでは、Android TVが動いている。Nvidia Shieldは、Android TVにできることの限界に挑戦している。フランスのISP、例えばFreeとBouygues Telecomは、顧客にAndroid TVのセットトップボックスを配っている。そしてXiaomiはごく最近、Mi TVを発表した ― この製品は4K Nexus Playerと同等の機能を持つ。

GoogleはNexus Playerをウェブサイトで売るのをやめたが、小売店には商品を引き上げるように言っていないので、あちこちで商品を見かける。Best BuysやTarget等の店にはまだいくつか残っているかもしれないが、それが最後の出荷分だ。

Via: The Verge

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Xiaomi(シャオミ)が初のドローンを発表 ― 4Kビデオモデルがわずか450ドル

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中国のスマートフォンメーカー、Xiaomi(小米科技)は今日(米国時間5/25)初のドローンを正式発表し、先週からのティーザーキャンペーンに終りを告げた。その低価格は業界に激しい競争をもたらしそうだ。

他のXiaomi製品と同じく、Mi Droneを実際に作っているのはこの会社ではない。中国拠点の企業、Flymiが開発している。Xiaomiはその強力なブランド力を注ぎ込み、同社チャネルを通じてドローンを販売する。オンラインストアのMi.comでも販売する。

このドローンはライバルと比べてかなり安い。Xiaomiはこれまでにも、高品質のデバイスをAppleやSamsungの何分の一かの値段で売るという評判を得ている。Mi Droneの価格は、1080Pカメラ塔載の入門レベル機種が2499人民元(約380ドル)、4Kカメラ塔載の上位機種が2999人民元(450ドル)だ。これは市場をリードするDJIの4K機、800ドルや他社のドローンよりはるかに安い。

Xiamoiによると、低価格機は同社のアプリMi Homeで、2016年5月26日から「クラウドファンディング」を行い、4Kドローンは7月末からオープンベータプログラムを通じて早期テストを行う。中国以外で販売時期については実現の可否を含めて明らかにされていない。

では、ドローン自身を見てみよう。

Mi Droneは、5100 mAhバッテリーの力を得て、1セッションで27分間、3 km範囲を飛行できる。これは、DJIのドローンより5分ほど長い(ただしDJI機にはその時間を伸ばすための巧妙な方法もある)。Mi Droneは4Kビデオを撮影できる360度カメラを塔載し、ハンドヘルドのリモコンにスマートフォンを付けてドローンからのライブフィードを見ることもできる。部品はモジュール化されているようなので、バッテリーを含めて交換可能と思われる。

ドローンの追跡と管理は問題であり、新しいオーナーにとっては特にそうだが、他社と同じく、Mi Droneはバーチャルフェンスを作って、指定区域を越えると離陸した地点の戻ってくることができる。。

Mi Droneを発表したライブストリーム中継は19万5000人が視聴し、XiamiのCEO Lei Junは、これは金持ちの大人だけのものではないと言った。同社はこの注目度(と圧倒的な低価格)を生かしてテクノロジーを民主化し、1000ドル以上を費やす余裕のない人々でもドローンを持てるようにしたいと考えている。

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ギャラリー画像出典:Xiaomi forum

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

インドが、再利用可能宇宙船の飛行試験を実施

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インドは、再利用可能宇宙船市場に参入するための、小さな一歩を完了した。

月曜日(米国時間5月23日)、Indian Space Research Organization(インド版NASA)は、22フィート(6.6 m)の有翼宇宙船を高度65 kmまで打ち上げ、インド東部のベンガル湾に帰還させた。
ミッション全体は13分以内で終わり、宇宙に届く高さには達しなかったが、インド宇宙局にとって、手頃な費用による打ち上げ実施に向けた重要な一歩だった。

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Reusable Launch Vehicle-Technology Demonstator(RLV-TD)と呼ばれる実験船は、速度マッハ5に達し、大気圏再突入の高温を生き延び、無人による運転、誘導、制御や、再利用可能な耐熱保護システム等、最重要技術のテストに用いられた

2012年に開発を認可されたISROは、1400万ドル相当の資金をRLV-TDに投資したとBBCは伝えている。RLV-TDは4回の試験飛行を行う予定で、その第一回が月曜日に完了した。超音速飛行実験(HEX)およびそれに続く着陸実験(LEX)、復路飛行体験(REX)、およびスクラムジェット推進実験(SPEX)等を実施する。

ISROにとって、商用版RLV-TDへの道はまだ遠いが、彼らがBlue Origin、SpaceX、Virgin Galactic、あるいはXCORと並んで、再利用可能船の開発に取り組んでいるという事実は、この業界全体が従来の使い捨て設計から転換しようとしていることを示している。

RLV-TDは、その翼のある機体からミニスペースシャトルのように見えるかもしれないが、大きさだけを見ても、RLV-TDプログラムが前途遼遠であることの証だ。長さわずか6.6 mのRLV-TDは、低地球軌道に30年以上宇宙飛行士送り続けた、NASAの巨大な122フィート(36.6 m)有人スペースシャトル軌道船と比べると影が薄い。

それでも、今週のミッション成功は、宇宙探査活動に多大な資源を投入する数少ない国の一つであるインドにとって、記念すべきマイルストーンである。

他の先端宇宙開発国の年間予算(NASAの185億ドル、ヨーロッパの60億ドル、ロシアの50億ドル)と比べると、インドの年間予算 12億ドルは、大した額ではないように思えるかもしれないが、ISROは業界で長年重要な立場を取り続けている。

インドの働き者の打ち上げロケット、Polar Satellite Launch Vehicle(PSLV)は、20年以上にわたり、小型衛星を軌道に送り込んでいる。実際、1994に初の打ち上げに成功して以来、PSLVはアメリカを含む20ヵ国の人工衛星を打ち上げてきた。

インドが商用の再利用可能船を作るまでには、まだ時間がかかるかもしれないが、TLV-TDプログラムへの取り組みは、この国が打ち上げ費用のコストダウンと、小型衛星打ち上げ業界での優位性確保に力を入れている兆候だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Operaの株主たちが中国のコンソーシアムへの$1.2Bの売却に青信号、アップデートなどは平常どおりに

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ブラウザーメーカーのOperaは中国のコンソーシアムから12億ドルで買収というプロポーズを受けていたが、株主たちの賛意が得られたため、その実現に向けての一歩を踏み出すことになった。

Operaからの今日の発表によると、発行株の90.6%および議決権の90.9%に相当する株主たちが、買収を承認した。これは同社が公式に確認する前の結果だが、最終結果がこれら以上の数字なら、会社の売却がOKとなる。さらにその後は、ノルウェーと中国の関係当局からの承認が必要になる。

これまではGolden Brickへの売却に対し一部の不満もあっただけに、今日の承認は注目すべき結果だ。グループを構成するQihoo 360は中国でいちばんよく知られているインターネット企業のひとつで、最近93億ドルで非公開企業になり、物議をかもしたこともある。また上場しているゲーム企業Kunlunは、ゲイの人たちのためのデートサービスGrindrの60%のオーナー、そして投資企業のYonglianがグループの三つめのメンバーだ。

買収の申し込みが発表された数週間後にOperaのCEO Lars BoilesenとCTO Håkon Wium Lieは本誌に、自分たちは売る決定をしていない、と語った。

Boilesenはそのときこう語った: “私はOperaに99年からいるし、Håkonは98年からだ。彼が8番目の社員、私は16番だ。二人とも、Operaは長い。2004年にはストックホルム証券取引所に上場した。だから要するに、買収云々は株主たちの決定だ。われわれの決定ではない”。

それは到底、積極的な承認とは言えない。

買収の一件でOperaのアップデートなどが頓挫したわけではない。デスクトップブラウザーへのVPNの内蔵、そしてそのモバイルアプリ、さらに広告ブロッカーなど、いずれも予定通り進行する。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

遺伝子編集技術が人類の健康と生活に革命をもたらす

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この記事はCellectisのchairman、CEOでCrunch NetworkのメンバーAndré Choulikの執筆

遺伝子編集技術は21世紀前半を通して、我々の生活と我々が伝統的に健康というものに抱いている概念を根本的に変えるだろう。

遺伝子編集により病気の治療方法が変わる。これまでの治療が対症療法だったのに対して、遺伝子編集は病気を引き起こす原因を直接治す。遺伝子編集技術は我々が体に取り込むものに対する概念を変える。なぜなら、遺伝子編集を使えば、地球を汚染することなく、より健康的な食物を我々の食卓に供給することが可能になるからだ。こういった食べ物はただ安全なだけでなく、持続的成長や気候変動に関連した環境問題にも対応できるだろう。

結果的に、人々は遺伝子編集の是非について、その倫理性を争点にはしなくなるだろう。問題は、「いつ、遺伝子編集が世界の大部分にとって重要な事実となるか」ではない。実際のところ、これはサイエンスフィクションでも予言でもなく、遺伝子編集は今現在起きていることである。現実に、TALEN®方式で遺伝子編集されたT細胞を使っての最初のガン患者に対する治療が既に行われた。加えて今年の秋には、全米中の畑でTALEN®方式で遺伝子編集された大豆やじゃがいもが収穫される。さらには遺伝子編集を施された豚や乳牛(hornless cow)が実際に牧場を歩き回っている。

遺伝子編集をめぐる状況は明瞭とは言い難いが、近年の新しい遺伝子編集技術の出現と、新興企業の登場により倫理的な議論が不可避な状況になった。

例えば、CRISPRテクノロジーをベースにした、臨床試験の初期段階にあるスタートアップ企業の3社は製薬会社と生命工学会社の大手を主要な提携先としている。それぞれEditas Medicine (Juno Therapeutics)、CRISPR Therapeutics (VertexCelgene) 、Intellia Therapeutics (Novartis)といった具合だ。

これらの提携は重要だが、長期的な成功はこれらの企業が公約を実現できるかどうかにかかっている。CRISPRによる技術革新を、有用な認可薬の開発に結びつけることができるかが最も重要であり、そのような努力がたとえ新薬として結実するにしても、それにはこの先何年ものさらなる懸命な努力が必要だろう。

これらスタートアップ企業に加えて、遺伝子編集の分野ですでに操業しその地位を確立している企業としてSangamo BioSciencesPrecision BioSciencesがある。Precision Bioはこれまで独自のARCUS遺伝子編集技術を用いてパートナーのバイオテクノロジー企業の研究を推進してきたが、現在はその技術を自社の製品開発に使おうとしている。

Sangamoは臨床段階にあるバイオ製薬会社で、Zinc finger nucleasesを商業化する方法を研究している。Zinc fingerヌクレアーゼを使えば細胞内の特定の位置のDNAを改変できるので、狙った遺伝子を修正したり破壊したりできる。同社のリードセラピーであるSB-728はHIV/エイズの機能的治療となる可能性がある。最近公表されたデータは同社のさらなる研究の進展を裏付けており、これはHIVを免疫学的に機能制御することに向けた大きな進歩と称されている。

こういった動きは倫理的論議を引き起こすこととなる、すなわち議論の中心は遺伝子編集の潜在的脅威であり、具体的には遺伝子編集人間への脅威なのだ。

遺伝子編集への恐れ、つまりは遺伝子編集を通じて何が出来てしまうのかに対する不安、は理性的事実に基づいたものでは全くない。

実際、動物を使った遺伝子改変は35年以上前になされ、その方法は直ちにヒトにも適用可能だったが、当時その技術は遺伝子改変人間への動きにはつながらなかったことを思い出して欲しい。同様のことが、ヒトの胚性幹細胞を使って遺伝子破壊をすること、羊のドリーを作成した技術を使ってヒトをクローン化すること、もしくはヒトiPS細胞を使って新規クローンを作り出すことなどに当てはまる。遺伝子編集への恐れ、つまりは遺伝子編集を通じて何が出来てしまうのかに対する不安、は理性的事実に基づいたものでは全くない。

人々はしばしば尋ねる。「遺伝子改変って何だろう?心配すべきことなのだろうか?もし、悪意を持った人たちがこの技術に手を染めたとしたらどうなってしまうのだろう?」

答えは複雑だ。携帯電話やソーシャルメディアなどのテクノロジーはグローバル社会を根本的に変えてしまった。これまで、たとえ悪い人がそれらを悪用したとしても、大多数の場合において、これらのテクノロジーにもたらされた変化は良い方向に働いてきた。

遺伝子編集はそれと似ている。遺伝子編集技術は我々が生命の最も基本的な構成因子を見る目を根本的に変えてしまう。それは我々が病気を治療したり、食物を育てたり、ヒトとしての自分自身について考えたりする上で、これまでの概念全てについて再考を促すほどの力がある。

元来、文明行為の最たるものは植物を育て動物を飼育することにあると考えられた。それ即ち遺伝的選択とクローニングである。クローニング、即ち最高の品種の選択は、もともとは人類の生存率を高める行為として行われた。それ以来、人類はその技術に磨きをかけ続けた。

地球の人口が90億以上に達しようとする時、我々が存続できるかどうかは遺伝子編集の力にかかっているのかもしれない。さらに言えば、今日ある人が体外受精で生まれたとしても誰が気に留めるだろうか。1970年代の体外受精をめぐる議論を覚えているだろうか。この点はもはや議論にすらならない。

2015年は極めて重要な年となった。遺伝子編集は現在我々の生活を真に現実的な意味において一変させている。イギリスのGreat Ormond Street Hospitalにおいて、他の治療法では救うことができなかった白血病の患者に対し、遺伝子編集を施したCAR T細胞の候補産物が初めて使用された。彼女は遺伝子編集により救われた最初の患者となった

European Medicine Agencyの専門家によると、これは彼らが見てきた中でももっとも複雑な生産物ということだ。それはT細胞を非常に洗練された方法で再プログラミングした結果であり、その過程で一部の遺伝子が付け加えられまた他の遺伝子の働きは抑えられ、結果的にそのT細胞は強力なガン撲滅マシーンへと変化したのだ。

この細胞は何千と生産でき、長期の保存に耐え、世界中の病院に供給でき、治療の必要などんな患者に対しても投与することができる。今日、これを製造するのは複雑かもしれないが、患者に投与するのは簡単である。未来の医学においてはこれが標準となる可能性さえある。

2015年は商業的農業においても同じくらい良い年だった。遺伝子編集食物が全米中で豊富に収穫され、遺伝子編集ジャガイモと大豆が2年以内に消費者の手に届くことが現実味を帯びてきた。これまでの50年間、植物の育種の焦点は収穫量を増やすことであり、実際に生産性は向上したもののそれは除草剤と殺虫剤のさらなる使用を伴ったものであった。つい最近まで消費者の健康は重要視されておらず、それが大規模農業の弊害とされ、ひいては有機農業の隆盛を引き起こした。

今日、有機農業は現在のアメリカの農業生産において10%に満たない。それでも、人口の増加と歯止めのかからぬ耕作地の減少(地球温暖化や持続可能性、及び世界の公正成長などの要因は言うに及ばず)といった状況で、より健康的な農産物への強い需要と自然への配慮の両立を満たすには、人類の経済規模を縮小するかテクノロジーで解決するかしかない。来る遺伝子編集食物の収穫はこの利鞘縮小問題に答えを出すための第一歩となり、人類を拡張するための新たな経路の開拓と持続可能な発達の両立への扉を開くものだ。

繰り返しになるが、もし、またはいつ遺伝子編集が現実となるかが問題なのではない。むしろ、我々がそれを最初に実行するかどうかということなのだ。オバマ大統領が最も最近の一般教書演説で言った、「ガンを撲滅しよう、このアメリカの地で」。この演説はCancer MoonShot 2020の立ち上げの次の日になされた。Cancer MoonShot 2020は製薬企業大手とバイオテクノロジー企業の主導で行われる。しかし、我々は2020年までガン細胞を除去するための治療を待つ必要はない。我々は遺伝子編集によりガンの根治に着実に近づいている。

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(翻訳:Tsubouchi)