偽再生ボタン表示するとFacebookの表示ランクが下がる――クリックベイト対策、また一歩前進

Facebookのニュースフィードを見ていて偽の再生ボタンをクリックしてしまったことはないだろうか? このボタンはビデオを再生せず、別のサイトを開くリンクが隠されている。私は何度も引っかかった。そこで2014年にFacebookは、偽再生ボタン付きリンク画像を禁止せよという記事を書いたぐらいだ。

今になってやっとFacebook手を打ち始めたようだ。今日(米国時間8/17)、Facebookはニュースフィードの表示アルゴリズムを変更し、プレビューに偽のプレイボタンを表示したり、静止画であるのにビデオのように見せかけてファイルをアップロードするサイトのランクを大幅に下げることとした。こうした手口でトラフィックを稼いでいたパブリッシャーは大打撃を受けることになるだろう。ただしFacebookはこうした投稿を完全に削除することはしない(他の重大な約款違反がないかぎり)。

以下はスパマーがクリックベイトのためによく使う偽再生ボタンの例だ。

Facebookは広告で偽のプレイボタンを表示することを禁止している。ニュースフィードのプロダクト・マネージャー、Greg Marraは私のインタビューに対して「これは存在しない機能を表示することを禁止した広告約款の違反を理由とするもので、数年前に制定された」と話した。しかし広告以外のニュースフィードには偽プレイボタンがはびこるままだった。

「その後ユーザーから偽のプレイボタンに対する苦情が寄せられた」とMarraは付け加えた。 そこで今日のアップデートとなったわけだ。スパマーがクリック稼ぎに使うこうした偽プレイボタンや偽ビデオを発見、分類するために.Facebookでは人工知能による機械視覚を訓練しているという。【略】

Facebookによれば、パブリッシャーがリンク先にビデオが存在することを正規に示したい場合は、Open Graphメタタグを利用すべきだとしている。またパブリッシャーはタイトルやキャプションにWatchないしVideoと表示してもよい。

ニュースフィードにおけるフェイク再生ボタンを表示したプレビューの例(左)。ユーザーがビデオを再生するつもりでクリックすると広告満載のページに飛ばされる(右)。

Facebookはこれまでも。CGで秒数を表示するなどの細工をして録画ビデオを繰り返し再生しているのにライブ中継と偽ったりするような悪質な広告主に悩まされてきた。TechCrunchではこの1月にFacebookに対して、こうした連中を退治するよう勧めたところ、5月になって取り締まりが実施された。

その後Facebookではパブリッシャーがページビューを稼ぐために静止画をビデオに見せかけて投稿する新たな手口に対応を迫られていた。 今回のアップデートでこうした投稿の表示ランクは大きく下げられる。Facebookでは人工知能による「モーション・スコアリング」でクリップ画面内の動きを検知し、ランク付けするとしている。

今日のアップデートはページビュー稼ぎのクリックベイトに対する大掛かりな取り締まりの一環をなす。 Facebookでは偽ビデオの他に、誤解を招くタイトルや重要な情報を隠した投稿の規制をさらに多数の言語に拡大している。またスパマーが好んで拡散する中身のないリンクフェイクニュース も表示ランクを下げられる。またFacebookでは疑わしいニュースについては別の立場からのニュースにリンクしてユーザーがクリックベイトに釣られることを防ごうとしている。【略】

こうした不愉快で苛立たしい投稿をニュースフィードから追放すればユーザーは正常なコンテンツに集中することが可能になる。これにより滞在時間やビデオの再生回数などのエンゲージメントが増大することが期待される。つまりはFacebookのビジネスにとって有益となるわけだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ビデオストリーミングの高画質化+中断のないスムーズ化にMITの研究者がニューラルネットワークを併用

MITのコンピューター科学と人工知能研究所(Computer Science and Artificial Intelligence Lab, CSAIL)は、途中でぶち切れない、スムーズなストリーミングビデオを志向している。そのためにMohammad Alizadeh教授のチームが開発した人工知能システム‘Pensieve’は、その都度正しいアルゴリズムを選ぶことによって、中断のない最良の再生を確保する。

その方法には既存の技術の改良も含まれ、たとえばその一つYouTubeの適応ビットレート(adaptive bitrate, ABR)は、モザイクなどで画質を落とすことによって、スムーズな再生を維持しようとする。MITのAIは、今デバイスがどんなネットワーク条件に遭遇しているかによってアルゴリズムを切り替え、えんえんとひとつだけの方法を使い続けた場合の弱点を抑える。

そのアルゴリズム切り替え法によると、ストリーミングビデオの中断は10〜30%少なくなり、画質は10〜25%向上した。ビデオを長時間見るときには、これぐらいの改善でも相当大きな効果を感じるだろう。

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しかもCSAILのPensieveは、完全にアルゴリズムだけに頼るのではなくニューラルネットワークを使用し、ストリーミングの最終的な画質に応じてNNにごほうび(reward)を与えることによって、NNを鍛えていく。それにより、どんな場合にはどんなアルゴリズムとその変数セットを選ぶか、ということをNNが学習していく。たとえばビデオをバッファリングするときのアルゴリズムの選択にも、固定的なルールには従わないというのが、このシステムの大きな特長だ。

チームによると、システムの振る舞いをエンドユーザーが(好み等に応じて)カスタマイズすることもできる。たとえば再生時に、画質重視、スピード重視、データの現状保全重視、などから選ぶこともできる。

Pensieveはオープンソースのプロジェクトとして来週ロサンゼルスで行われるSIGCOMMで発表される。チームは、もっと大量のデータセットで訓練すれば画質もスピードも大幅に向上する、と期待している。また今後は、通常のビデオよりもビットレートがものすごく高いVRビデオも使って、Pensieveの性能を上げたい、と彼らは考えている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ビデオ編集時に画面から何かを取り去ったり加えたりする技術を持つFayteqをFacebookが買収

Facebookは、ビデオを編集するとき、画面中のオブジェクトを取り去ったり新たに加えたりできるコンピュータービジョン応用のソフトウェアを作っているドイツのFayteqを買収した。買収を最初に報じたのはドイツのスタートアップ情報誌だが、アメリカではVariety誌だった。本誌TechCrunchも事実を確認したが、Facebookはビデオフィルターを、ライブのストリーミングとInstagramのStories的なプラットホームの両方で充実させようとしているから、そのための買い物だろう。

ライブのビデオから何かを取り去ったり、加えたりするのは、これから流行ると思われる拡張現実(AR)の得意ワザでもある。Facebookは今年の4月のF8カンファレンスで、その内蔵カメラ用のARプラットホームをローンチし、スマートフォン上のFacebookで使うAR体験をデベロッパーたちが積極的に作るよう、仕向けている。Mark Zuckerbergによればそれは、“メインストリームになる初めての拡張現実プラットホーム”だそうだ。

このプラットホームには、スマートフォンのカメラで撮った現実世界のオブジェクトを認識する機能や、それらのオブジェクトにエフェクトを加える機能もある。AppleはiOSのARKitで、Facebookと同じことをシステムレベルでやるらしいから、仮想オブジェクトをシーンに加えるのがずっと簡単になるだろう。

Fayteqの特技によりFacebookは、この分野を一層充実させていくだろう。そのIPと特許がFacebookのものになったことによって、ARへの注力がなお一層明確になると思われる。

Facebookは買収を確認したが、今後の計画についてはまだ何も発表がない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Facebook、オリジナルビデオを新しいWatchタブで公開へ――パートナーに収入の55%分配

Facebookにオリジナルビデオを見るためのWatchタブが設置される。コンテンツはパートナーがFacebookのために製作するオリジナルビデオで、ライブストリーミングと録画の双方が含まれる。収益は55%がクリエーターに分配され、45%をFacebookが得る。Watchタブは明日からモバイル及びデスクトップでアメリカの一部のユーザー向けに公開される。

Watchタブにはユーザー個人別にカスタマイズされた推薦が表示される。これにはライブ、録画の別に加えて、「いちばん話題になっています」、「みんな笑いました」、「友達が見ています」などのカテゴリーも表示される。またお気に入りのシリーズを登録し、アップデートや新しいエピソードの配信を受けられるWatchlist機能も用意される。

オリジナルビデオには以下のような番組が含まれる。

  • Nas Daily – 有名ラッパーのNasが毎日友達を招待する。
  • Major League Baseball – MLBが毎週1試合をFacebookでフル中継する。
  • Gabby Bernstein – 自己啓発関係のベストセラー作家がライブと録画でファンの質問に応える。
  • Tastemade’s Kitchen Little – 子供向けクッキング番組で、プロのシェフがユーモラスに料理を教える。
  • Mike Rowe – 有名TVショー・ホストがコミュニティーに貢献した人物を紹介し、賞を授与する。

FacebookではWatchのクリエーターやカバー範囲をさらに拡大していく計画で、「いくつかの番組に資金提供を行っている」ということだ。

今日(米国時間8/9)、WatchについてBusiness Insiderも報じている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

YouTubeアプリが動画共有とチャット機能公開――メッセンジャーに進化

今日(米国時間8/7)、YouTubeはこれまで一部のユーザーを対象にテストをしてきたモバイルアプリにおける共有機能を一般公開する。この新機能はユーザーがモバイル・アプリ内の新しいタブから動画を他のユーザーと共有してチャットができるようにするものだ。これによりYouTubeは一種の動画のメッセンジャーの役割を果たすようになる。

YouTubeは昨年半ばからこの機能のテスト」を始めており、2017年に入るとカナダのユーザーに公開していた。YouTubeによれば、対象はその後アメリカのユーザーの一部にも拡大されていたという。

この長期にわたるベータテストから得られたフィードバックによりYouTubeは一般公開に踏み切る準備ができたと考えたようだ。動画メッセンジャー機能の公開は今日からスタートするが、世界の全ユーザーに行き渡るには数日を必要とする。つまり読者のYouTubeアプリで動画共有機能が有効になっていない場合でもあわてる必要はない。何日か待てばよいだけだ。

テストを始めて以後、チャット機能を開いたとき、下にスクロールしてもビデオが画面トップに固定されるなどYouTubeではユーザー・インタフェースや共有機能に少しずつ変更を加えてきた。またユーザーがビデオを見ている途中でチャットを始めたり答えたりできるようにした。これによりリアルタイム感が増したという。ただしYouTube Uptimeという実験で導入されているビデオを共同視聴したり絵文字を投稿したりする機能は今回は追加されていない。

しかしYouTubeでは「今後も新しい機能の追加を続ける」としている。

今回の新機能の追加はYouTubeビデオをテーマに他のソーシャルメディアで交換されているやりとりの一部をYouTube内に取り戻そうとする試みだ。他のメッセージアプリ上でYouTubeにビデオのリンクを共有したりそれに関してチャットしたりすることが盛んだが、YouTubeではそうした活動の一部をYouTube内に取り戻そうと考えている。これが目論見どおりに成功するかどうかは注目だ。それぞれのユーザーのソーシャルグラフのあり方に応じてお気に入りのメッセンジャーはすでに固定している傾向が強い。YouTubeの試みが成功するためには、友達や家族を含むソーシャル・ネットワークをYouTube上でゼロから作る必要がある。

新機能自体の使い方は簡単だが、少しオープン過ぎるかもしれない。YouTubeはチャットや共有の相手を電話帳の連絡先リストから選択できるようにしてる。しかし現在、ここで検索されないようにすることができない。つまりよく知らない相手からのチャットのリクエストを目立たないようにブロックする方法がない。もちろんリクエストを拒否することはできるが、名前やアドレスが簡単に探せてしまうのは問題だろう。私はベータテスト中にこの機能を利用する機会があったが、知らない相手からのチャット・リクエストが殺到した。ベータ中でもそうだったから本番公開後はもっとひどくなるに違いない。

ビデオの共有とチャット機能に加えて、YouTubeユーザーは共有されたビデオに対して別のビデオで回答することができる。また最高30人までのグループに対してビデオを共有することができる。

新機能はiOSとAndroidで世界のユーザーに公開される。

https://www.youtube.com/watch?v=feBF_IY-HI8

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

スペイン語の曲‘Despacito’が最多視聴の王座を短期間で奪い、YouTubeプラットホームのグローバル化を象徴

Luis Fonsiの“Despacito ft. Daddy Yankee”は、これまででもっとも多くストリーミングされた曲であるだけでなく、YouTubeの最多視聴記録を更新して、視聴数30億回を超えた。

これまでのトップWiz Khalifaの“See You Again”は、わずか3週間で王座を追われた。しかし短期間で最上位に登りつめたDespacitoは、もっと長い王位を享受するのではないだろうか。

このスペイン語の音楽ビデオは、誰もが驚くビュー数に、7か月弱で達した。Wiz Khalifaの曲は、Psyの“Gangnam Style”を追い抜くまでに26か月あまりを要している。Despacitoはリリースが1月12日だったから、これまでの一日の平均視聴数は1500万弱、毎秒170回だ。Justin Bieberが登場するリミックスバージョンは、5億近くのビューを稼いでいる。

スペイン語のビデオが過去最高のビューを稼いだことは、YouTubeがいよいよますますグローバルになっていることを示す。YouTubeのこの夏の発表によると、現在の月間ログインユーザーは15億以上、モバイルビデオの一日あたり平均視聴時間は1時間だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ストリーミングビデオの同時視聴者数をテレビ並に数百万に増やすPeer5が$2.5Mを調達

Peer5を利用すると、多数の視聴者にビデオをストリーミングできる。その同社が今日(米国時間7/27)、250万ドルのシード資金の獲得を発表した。

このスタートアップについては、今年の初めに書いたことがある。そのときはまだY Combinatorで勉強中だったが、CEO Hadar Weissによると、資金調達はYC Demo Dayの直後のことで、投資家はFundersClub, Oriza Ventures, Tank Hill Ventures, Leorsa Group, Ed Roman, そしてBuddy Anheimだった。

Weissの言葉をそのまま引用すると、Peer5が解決しようとしている問題は“インターネットがテレビほどのオーディエンスにまったく対応できない”ことだ。言い換えるとインターネットの今のインフラストラクチャでは、同時に見ている何百万もの視聴者にビデオを届けられない。人気番組のGame of Thronesがテレビでなくインターネットだけで放送されたら、画面が頻繁にフリーズして見るに耐えないものになるだろう。

Peer5はこの問題を、既存のCDN(s)を利用して解決する。CDNはビデオをいつもと同じく最初のビューワーへプッシュするが、しかしビューワーのデバイスが今度はほかのビューワーへビデオをプッシュする。Weissはこの仕組みを、ハイウェイの車線を増やすことにたとえる。

そのためにPeer5は、WebRTCの技術を利用する。これはMicrosoftAppleも、サポートすると言っている。Weissの説明では、何らかのインセンティブ(例えば高品質のブロードキャスト)と引き換えに、WebRTCによる同時再放送役をビューワーに引き受けていただく。

Peer5はどれだけ多くのビューワーをカバーできるのか? Weissによると、二年前には40000だったが、今では最大100万の同時ビューワーに対応できる。最近実際に、あるイベントでそのことが実証された。次の目標は、同時ビューワー数1000万だ。

Weissはこう主張する: “今はテレビ業界に大規模な技術移行が始まっている。今後テレビはますますネットへ移っていくから、そんなスケールでは、Peer5のようなピアツーピアのCDNが必須にならざるを得ない”。

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Sling Studioでプロ級マルチカメラ・ビデオが制作できる――バックパックでどこでもロケ可能

私はビデオを作るのが好きだ―それが仕事でもある。 そこでこの仕事を簡単してくれるガジェットを発見したときには興奮し、レビューのビデオと記事を作ろうと決心した。それがSling Studioだ。これはバックパックに詰めて持ち歩ける小型ハードウェアだが、マルチ・カメラによるビデオ・プロダクションに必要な機能がすべて備わっている優れものだ。

バックパックというのは文字通りの意味だ。私はこの「どこへでも持ち出せるスタジオ」の機能と使い勝手に強い印象を受けた。スペックや感想は下に書いたが、レビューそのものは上のビデオを見ていただきたい。

マルチカメラ・ビデオ・プロダクションに必要なすべてのハードウェアがバックパックに収まる

Sling Studioの画像

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結論(ビデオを全部見る時間のない読者向け)

Sling Studioシステムにはいくつかの制限がある。たとえば接続できるカメラは最高4台まで、また当面ライブ配信できるのは Facebook Liveと YouTube liveだけだ。しかしSling Studioによれば、ユーザーは将来独自のRTMPを追加し、自由にライブ配信ができるようになる。また今のところ、独自のアニメーション・グラフィックスを追加することができないが、ロゴ、静止画、およびSlingがサポートする少数のグラフィックを追加できる。

Slingにはかなりのレイテンシーがあり、被写体の現実の動きとiPadでモニターする映像の間には明らかにズレが認められる。そこでこのシステムを使うときにはiPadの映像に集中し、現実の動きは見ない(聞かない)ようにする必要がある。でないとライブアクションのスイッチングはめちゃめちゃになる。あとキャリヤを切り替えるなどして別のインターネットに接続してもシステムが自動的に認識してくれないのも多少わずらわしい。接続パラメーターの変更はユーザーがマニュアルで実行しなければならない。つまりシステムに新しい接続速度を設定するには「アップデート」をクリックしてメニューを開く必要がある。/p>

こうした多少の問題はあるものの、Slingはマルチカメラをスイッチングする本格的ビデオ制作のハードルを大きく下げた。これはすごいことだ。一式すべてバックパックに詰めてどこにでもでかけ、撮影後すぐに動画編集ができる。これはゲームのルールを変える存在だ。小規模なビデオプロダクション会社を運営しているなら時間と資金の節約は大きいだろう。ライブストリーミングの画質も操作性もすばらしい

TechCrunchではTricasterのビデオ・プロダクション・システムを使っている。これはすべての機能を備えたプロ用機器で、われわれは当分これを使い続けるつもりだ。しかしTricaster的でもっと手頃、あるいはもっと携帯性の高いシステムを探しているならSling Studioは間違いなくお勧めだ。

クレジット

脚本: Tito Hamze
出演 Tito Hamze
撮影: Gregory Manalo, John Murillo, Tito Hamze
編集: Tito Hamze

スペシャル・サンクス:Mitch Eason、Joe Seiler、Keven Hempel、Jenni Curticeはすてきなティー・サロン、Luna Teaでの撮影に協力してくれた。

〔日本版〕Sling Studio本体は999ドル。本体用バッテリーは149ドル、ワイヤレスカメラ・リンクは1台349ドル、専用バックパックは199ドルなど。操作のためにiPadを別に必要とする。スマートフォンはiPhone 6以降、Galaxy S6以降がサポートされる(詳しくはサイトで確認)。下はSling Studio制作のプロモーションビデオ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

iOSのLive PhotosをGIF化するGoogleのMotion Stillsアプリ、Android版が登場

【抄訳】
Googleは昨年、iOSのLive PhotosでいろんなことができるアプリMotion Stillsをリリースした。ぼやけたフレームを切り取ったり、画像を安定させたりできるほかに、Live Photosのインスタント動画を、多くの人と共有できるGIF画像に変換することもできた。そして今日(米国時間7/20)Googleは、若干変更を加えたMotion StillsをAndroidでも使えるようになった、と発表した。

AndroidにはLive Photos機能がないのにMotion Stillsとはどーゆーことだ? ご存知のようにLive Photosは、Appleが2015年に導入した機能で、iPhoneユーザーがふつうにスナップ写真を撮ると、写真が超短編の動画にもなる、という仕掛けだ。

しかし今年の後半に発表される予定のiOS 11では、LivePhotosの編集機能が最初からとても充実しているので、サードパーティのアプリケーションがなくても切り取り、重要シーンの取り出し、エフェクトを加える、などの作業ができる。ループ・エフェクトもあるから、Live PhotosをGIF的に見ることもできる。〔GIFへの変換機能は?〕

そこでGoogleは、せっかく作ったMotion Stillsの、ユースケースを広げよう、と決意したのだ。まず自分のプラットホームであるAndroidから。

同社によるとAndroidアプリのMotion Stillsには、Live Photosと同じように、写真を撮ったらすぐにそれが、共有可能な短編のビデオクリップにもなる、という機能がある。使い方は。Motion Stillsをタップして写真を撮るだけだ。Google版のLive Photosか? そう、まさにそのとおり。

もうひとつの新しい機能Fast Forward(早送り)は、長い録画を短くする。対応する最長は1分まで、処理はスマートフォン上で行われる。動画の再生速度は1から8倍まで指定可能だ。Googleはビデオ圧縮技術に工夫を凝らして、早送りでもなめらかで安定の良いクリップを作っている。オリジナルがぐらぐらしていても、友だちとシェアして恥ずかしくない動画へと加工される。

技術的な詳細に興味(と理解)のある人は、このドキュメントや、そこからリンクされているWikipediaをお読みいただきたい。

下のデモビデオ(GIF)は、オフロードバイク(自転車)のツアーを、Motion Stillsで早送りしている:

通常の動画のGIF化にも、Google独自の技術を使っている。撮影〜録画時に各フレームを拾っていくので、なめらかなGIF画像が、撮影が終わると同時に完成している。

Googleによれば、このアプリをきっかけとして同社は、短編ビデオに関する技術の実験を今後も続けていく。そしてその技術の一部は、将来のGoogle Photosで利用されるかもしれない。

Android版のMotion Stillsは、Google Playで無料でダウンロードできる。Androidは5.1以上であること。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Wiz KhalifaのSee You AgainがPsyのGangnam Styleを抜いてYouTube上の最多視聴ビデオの王座に

Wiz KhalifaのFurious 7へのオマージュ、See You Againが、YouTubeのもっとも多く見られたビデオのタイトルをPsyのGangnam Styleから奪った。

この音楽ビデオは、故Paul Walkerへの弔意も込めて、これまでのFast and the Furiousシリーズの彼の登場シーンが散りばめられている。今日まで(米国時間7/11まで)のビュー数は2,897,575,000(28億9757万5000)だ。ビデオがリリースされたのは2015年の4月。

Gangnam Styleはタイトルを5年近く保持し、2012年の6月15日にリリースされてからわずか数か月で10億ビューを突破したのも、YouTube史上初めてだった。Khalifa がこれから5年もタイトルを保持するとは考えられない。Luis FonsiのDespacito (Bieberのいないバージョン)はわずか5か月で25億近くだから、わりと早く、See You Againを抜くのではないか。

YouTubeの最近の発表によると、モバイルだけで月間ログインユーザーは15億、彼らは平均して、1日あたり1時間あまりのビデオを見ている。繰り返すと、モバイルだけで。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

YouTubeの月間正規ログインユーザー数は15億、テレビでYouTubeを見る人も増加

今年のVidConでYouTubeは、同社がモバイルビデオでもトップであることと、YouTubeをテレビで見る人が急速に増えていることを示すデータを公開した。

中でも最大の聞かせどころは、各月のログインビジター数が15億、という数字だ。もちろんGoogleのアカウントを持たず、正規にログインしていないビューワーも、日常的に相当多いはずだ。

同社の発表によると、月間アクティブユーザーが10億に達したのが2013年だ。ただしそのときの数字は、ログインしていないユーザーも含んでいる。

ログインユーザーのうち、モバイルでYouTubeを見ている人たちの平均視聴時間は1日に1時間あまりだ。モバイルWebでは、なんといってもビデオが大人気であることを示す、すごい数字だ。

しかしCEOのSusan Wojcickiは今日(米国時間6/22)のステージで、“アメリカなどでは毎日4時間テレビを見ているから、YouTubeはまだまだこれからだ”、と貪欲に言った。

しかしまた同時に、今テレビは、その上でYouTubeを見るメディアにもなりつつある。絶対数は明らかでないが、率でいうと前年比で90%の増だ。明らかに、新たなサービスYouTube TVもその増加に寄与しているだろう。なお、デスクトップのビデオ視聴者については、とくに数字の発表はなかった。

最近ではFacebookなどもビデオに力を入れ始めているから、今後は単純なビジター数、ビューワー数よりも滞留時間が重要な比較の要素になる。そしてこちらはまだ、YouTubeの独壇場かもしれない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

あなたの日常生活をライブストリーミングしたらCamSodaが毎月200ドルくれる、意外とメディアの未来を暗示か

あなたは、自分の乱れた部屋を何百人もの人たちに見せたい、と思っていたかな? 自分の朝食や昼食や夕食の様子をストリーミングして、快感と同時にお金も得たいと思っているかな? 何もすることがなくてスマホの画面を長時間じっと見つめているところを、どうしてもほかの人たちとシェアしたいと思ってるかい? CamSodaが、そんなあなたと契約したいって。

CamSodaは、男や女やいろんな人が服を脱ぐところを実況ストリーミングするサービスだが、今ではユニークなライフストリーミングもやっている。あなたの日常をみんなに見せて、月に200ドルと、無料の“カスタムメイドの”Webカメラをもらえる。そのサービスLifeStreamは、ほとんどがNSFWだから、今クリックしない方がよい。

これを、パブリシティで海千山千の企業が放った巧妙なパブリシティだ、と思ってもよいが、実はLifeStreamは、ライブストリーミングの強力なユースケースのひとつだ。 受け入れのプロセスはかなり厳しいが、選ばれた人には自分の家に置く数台のカメラが配布され、毎月200ドルの報酬をもらえる。インターネットの通信料金は、CamSodaが負担する。言い換えると、自分の生活は人が見てもおもしろいはず、と確信できる人に、誰かがお金を払ってくれるのだ。

CamSodaの注意深い説明の仕方によると、彼らが求めているのは、ありのままのライブストリーミングで、それはたまたまセクシャルであったり、なかったりする…そして結果的に同社のサービスは、FacebookやInstagram、SnapChatなどとガチで競合する。Facebookなどの名を挙げるのも、パブリシティの一環だろう。Facebookなどにもときどき、画質の悪い、見るに耐えないライブビデオが登場し、ときにはそれがニュースねたにもなるが、CamSodaはそれをあえて商用化して、ライブストリーミングというものを、セックスに依存せずにおもしろいものにしようとしている。

たしかに、セックス以外にもおもしろいライブストリーミングはある。パロアルトでシェアハウスしているプログラマーたちが、La Croix炭酸水の代金を稼ぐために、自分たちの男ばっかりのパーティーをライブストリーミングしている。あるバンドは、練習場兼彼らの住居である家を、ライブストリーミングしている。アンディ・ウォーホルの有名な言葉を借りれば、“未来には誰もが有名人になれる、飽きられるまでは”、だね。

このライブストリーミングに、VRを加える計画もある。CamSodaのプレスリリースは、こう言っている:

CamSodaは今、完全に没入的な体験を提供するために仮想現実(VR)カメラをテストしている。これによって、もっと親密な体験を共有できるようになり、視聴者自身が実際にその部屋にいるような感覚になる。

 

ここで強力な武器になるのは、(またまた)ポルノだろう。VRは良いアイデアだ。

でもインターネット上では今後ますます、ユーザーが作ったコンテンツによる収益化が難しくなるだろう。TwitterやFacebookは今のところ安全地帯にいるが、未来のネットワークはますます細分化されたオーディエンスにブロードキャストせざるを得なくなり、ギャラを払わなければならないタレントや有名人でビューを稼ぐ安易なやり方は、ますます空振りに近づくだろう。そうやってユーザー生成コンテンツ(user-generated content, UGC)が破綻したら、生き残るのはどんな企業だろうか。

結局これは、人がセックスしているところを見るサービスに帰結するのかもしれない。でもメディアの社会的構造が大きく変わろうとしている今および今後、あなたや、あなたの乱雑なベッド、あなたのだらしないゴールデンレトリーバーのビデオが、ライブストリーミングの人気を盛り上げ、ハリウッドを斜陽に追い込むかもしれない。それは、実際にありえることだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

京都発のAtmophは世界の絶景を眺めるバーチャルウィンドウ

マンハッタンでやっとすてきなアパートを見つけたが、窓から見えるのが隣のビルのコンクリートの壁だけ―といった状況を想像して欲しい。京都発のAtmophはそういう場合に壁にバーチャル窓を作ってくれる。

外の世界のさまざまな絶景を写し出すディスプレイが都会のアパートの住民に本当の景色の代りになってくれるわけだ。元任天堂社員の共同ファウンダー、CEOの姜京日(かん・きょうひ)氏のチームは世界を回り、キューバやローマですばらしい景色を撮影した。Atmophのビデオフレームではこうしたビデオが極めて高い精細度で再生され、実際に窓から外の景色を眺めている気分に浸れる。

Atmophの価格は599ドル。コンクリートの壁の代りにすばらしい景色を見ることにそれだけの価値があるのか決めるのはユーザーだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

YouTube VRの中ではチャットによる対話形式/会話形式のコメントが可能に、安全なルームならね…

YouTubeにコメント書いてる人と、実際に会いたいと思ったことある? そう、ぼくもないね。

ところが、どっこい! 今日のGoogle I/OのYouTube VRに関する説明では、コメントは従来のようにテキストで書くだけでなく、VRの中にチャットルームができるので、そこでいろいろとお話ができるようになる。それ以上詳しいことはまだ分からないんだけど、音声によるスパムが猛威を揮ったりしたら、おとろしいだろうね。

そのシステムは、Oculus Roomsとほとんど同じのようだ。それは、友だちと一緒にルームに入ってビデオを一緒に見る、という機能だ。

YouTubeのこのシステムでは、あなたはアバターになって360度のスペースに飛び込み、ビデオについてチャットする。それはFacebookがF8で見せたソーシャルネットワーキングアプリSpacesとまったく同じと思えるけど、モバイルのVRではソーシャルな対話の機能が限られてしまうだろう。

でもモバイルのVRに関しては、GoogleにとってYouTubeの価値と意義が大きい。これまでもGoogleは、そうであることを隠そうとしなかった。モバイルVRは確かに、友だちが集まるためのすばらしいソーシャルプラットホームだ。でも、きちんと荒らし対策を実装してからでないと、安心して使えないだろうね。



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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

マルチカメラの撮影/編集/ライブ放送/録画が容易にできるビデオプロダクションハブSlingStudioはお値段999ドル

【抄訳】
SlingboxSling TVなどの、消費者向けビデオ/テレビ製品で知られるSling Mediaが今度は、Facebook LiveやYouTubeの上でライブのビデオストリームを‘放送したい’プロシューマーやクリエイターのための999ドルのハードウェアSlingStudioを今日(米国時間4/24)発売した。

プロフェッショナルな放送編集機器は値段が高くて、NewTekのTriCasterなどは5000ドル以上もする。しかもそれらは、学習曲線が急峻である。それに対しSlingStudioは、iPadのアプリで簡単にコントロールできる。

つまりビデオの制作者は、そのアプリを使って容易に、最大4つまでのHDビデオ入力からのフィードを、録画し、編集し、モニタできる。なおカメラやスマートフォンは最大10台まで接続できるけど、ライブで編集できるのは同時に4台までだ。でも、通常はそれで十分だろう。フィードを途中で適当に切り替えれば、結果的に10台全部のエディットが可能だ。あるいは、すでに録画されていたビデオをストリームに挿入してもよい。

ハブとしてのSlingStudioと、アプリと、HDMI接続のカメラが数台あればとりあえず十分だが、スマホ(iOS、Android)をカメラとして使うときはCaptureというアプリが必要だ。同社はこのほか、屋外撮影用に149ドルの電池や、撮影ストリーム(生およびスイッチ後)をUSBハードディスクに記録するためのUSB-Cエキスパンダーも売っている。それらの編集には、Adobe Premiereなどを使用する。

HDMI出力のあるカメラをワイヤレスカメラにしてしまうアクセサリ、CameraLinkもある。これ自身が2時間容量の電池を内蔵していて、SlingStudio本体から最大300フィートの距離に置ける。

またSlingStudioはライブの‘放送’(ブロードキャスティング)だけでなく、すべての入力ストリームを、あとからの制作のために記録録画するだけ、という使い方もできる。

【中略】

なお、Facebook LiveとYouTube以外のコンテンツ共有サイトも、‘もうすぐ’サポートするそうだ。

【後略】

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

YouTube、モバイル・ストリーミングの要件緩和―登録人数は1万人から1000人に

ライブストリーミングにはわれがちに人々が押しかけている状態だ。さる金曜日にYouTubeはチャンネルの所有者がモバイルからライブストリーミングする能力を与えた。ただし、注意事項があった―チャンネルには登録者が1万人必要だった。

まだ登録者が1万人に届かないので悔しがっていたチャンネル運営者に朗報だ。YouTubeは制限を大幅に緩和した。いまや1000人のサブスクリプションがあればモバイルからストリーミングできるようになった。 まだ全員に開放されたわけではないが、1万人に比べれば1000人は非常に低いハードルだろう。

この変更についてYouTubeは大きな発表をしなかったし、エープリルフールの騒ぎにまぎれてあまり注目を引かなかった。しかしYouTubeのサポートページは変更を確認している。またYouTubeの広報も確認しているので単なる噂ではない。

ではなぜ一般公開ではなく、1000人という条件が残されたのか? いくつかの理由が考えられる。

  • 退屈なコンテンツはライブストリーミングの敵だ。視聴者の興味を引くようなコンテンツを編集ができないライブストリーミングで放映するのは難しい。1000人が登録しているチャンネルであれば運営者に一定のスキルがあることを推測させる。
  • 負荷テスト:ライブストリーミングは技術的に新しい課題をもたらす可能性がある。ストリーミングの数を制限することによってあらかじめ技術的問題を解決することができる。
  • すでに大勢の登録者を抱える運営者は違法なコンテンツを放映してアカウントを失う可能性が低い

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

あなたのアマチュアビデオ作品に壮大なサウンドトラックをつけるMoodelizerアプリ

ビデオを作るときは、オーディオがけっこう重要だ。良いオーディオが、賞をもらえることもある。そこでMoodelizerは、アマチュアのビデオ作品に適切なサウンドトラックをつけてくれる。画面のボタンに触るだけという、世界でもっとも平凡な作業で、あなたのビデオにすごいすてきな音がついてしまうのだ。

Moodelizerは大量の音楽トラックを作ったが、そこにはちょっとした工夫がある。それらはミックスされてないから、ミュージシャンでない人でも、適当なミキシングツールを使ってビデオ用のすばらしいサウンドトラックを作れるのだ。

たとえばスノーボードの妙技が始まる前に、とっても静かな音楽を流すのはどうだろう。そしてその選手がすごい高得点だったら、いきなりファンキーなビートと重厚なオーケストラに変わってドラマを盛り上げる、なんてどうかな。簡単に聞こえるかもしれないけど、実際にMoodelizerは簡単なんだ。でもアプリそのものはとっても良くできていて、ビデオを見る人を音で感動させることが、十分にできる。

下のデモビデオをなるべく大きな音で視れば、同社の仕事ぶりがよく分かると思う:

あるいは、これみたいに、音楽でドラマを作ることもできる。音なしのバージョンよりも、ずっといい。見る人(すなわちぼく)をハッピーにするね。

同社の、技術を誇示するようなアプリは、iOSバージョンがすでにあり、Androidバージョンは一か月後だそうだ。これらは本当は、プロ用のMoodelizer Studioのライセンスを売りたいための餌かもしれないけど、それでもいい。アプリは無料だし、すっごく楽しい。土曜日の午後いっぱい、楽しめてしまうだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

YouTubeが[笑い]も自動キャプション―機械学習で3種の環境音を認識

YouTubeはずっと前から自動キャプションシステムをサポートしている。 近年目覚ましい進歩を遂げたGoogleの機械学習テクノロジーのおかげで、自然言語の音声認識の精度は非常に高くなった。自動キャプションは驚くほど正確にビデオに発言の字幕を作ってくれる。

Googleの今日の発表によれば、自動キャプションシステムはさらに改良され、環境音を認識して[笑い]、[喝采]、[音楽]( [LAUGHTER]、 [APPLAUSE]、 [MUSIC])と字幕をつけるようになったという。

当面、システムが自動的にキャプション化してくれるのは上に挙げた3種類だ。この点について Googleは「この3種類のサウンドは多くのビデオの制作者がマニュアルでキャプション化しているからだ」と説明している。

Googleのエンジニア、Sourish Chaudhuriは今日の発表でこう説明している。「背景音自体はもちろんきわめて多彩だ。しかし〔新たにサポートされた〕3種類の環境音は文脈的な曖昧さが少ない。これに対しして例えば何かが鳴った場合に[RING]とキャプションすると視聴者はすぐに『何が鳴ったのだろう? ベル? アラーム? 電話?』と疑問を抱いてしまう」。

ただYouTubeにこうして環境音のキャプションシステムが導入されたので、今後Googleが対象となる音の種類を増やすのは比較的簡単だろうと予測される。

システムレベルでみると、YouTubeのサウンド・キャプションはGoogleのディープ・ニューラルネットワークを弱いラベル付けをしたデータで訓練した結果を用いている。新しいビデオがアップロードされるつどYouTubeのシステムはサウンドを認識しようと試みる。このシステムについてさらに詳しく知りたい場合は(Viterbiアルゴリズムを用いているという)、 Googleのブログ記事を参照のこと。

画像:ERIC PIERMONT/Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Twitter、明日、ライブビデオAPIを公開へ―多数のプロ用機器を接続できるようになる

Twitterでライブビデオを公開することがこれまでよりずっと簡単になる。明日朝、TwitterはライブビデオのAPIを公開する予定だ。これによりプロ用の映像機器とTwitterを接続した高品位のライブビデオ・ツイートが可能になる。新APIは現行のPeriscope Producerよりずっと強力な機能を備えている。

先週、新APIについてThe Informationが記事を掲載した。その後の取材でTechCrunchはローンチの期日が明日朝であることを確認した。またTelestream,、Wirecast、BrandLive、Livestream Switcherその他がAPIのパートナーして参加しており、メディアがAPIを利用するのを助ける。Twitterはその内容について詳細を明かすことを避けた。

情報源によると、Twitter’s Live APIは昨年4月にスタートしたFacebook Live APIとほぼ同様の機能でプロ用放送機材とソーシャルネットワークの接続に用いられる。このAPIを用いることで大型ビデオカメラ、ビデオ編集ハードウェア、デスクトップ・ビデオ編集ソフト、衛星中継バンその他から直接Twitterに映像を投稿できるという。

Periscope ProducerはOBDやWirecastのようシステムからビデオを投稿する場合のポータルとなるURLを提供するだけなのに対してはるかに強力だ。ただしPeriscope Producerの利用には高度な技術的知識や準備が必要ないのでセミプロやビデオ・ブロガーの利用には便利だ。【略】

Twitterはその本質が「現在」をリアルタイムで伝えることにあるため、Facebook、Instagram、Snapchatいずれと比べてもrライブビデオのホスティングに適している。Twitterの欠点は映像表示が小さいことだが、新しいAPIはこれを補って「第2のスクリーン」を提供するものだ。これは各種コンテンツ・クリエーターやパブリッシャーなどプロ級のユーザーを惹き付けることになるだろう。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

YouTubeが、友人たちとビデオを共有できる実験的アプリUptimeをローンチ

YouTubeビデオの視聴をよりソーシャルな体験にする方法を探して、Googleの社内インキュベーターのArea 120が、ビデオを友人たちと一緒に見ることができるようにするアプリUptimeをローンチした。アプリは当初iOSデバイスに対してのみ提供される(14日10時の時点では日本のStoreでは提供されていない)、通常のYouTube体験とはとても異なる感覚を受けるものだ。

アプリは若々しく、活気のあるデザインを採用している、そしてTwitterのPeriscopeや、Facebook Liveのようなライブストリーミングサービスに触発された「リアクション」機能も備えている。

ビデオを見ている最中、あなたのプロフィールアイコンがビデオの周りを回遊し、そしてビデオにコメントしたり、笑い顔、驚き顔、目がハートマーク顔、怒り顔などの絵文字をポストしたりすることもできる、このリアクションはこのビデオを見る人全員に表示される(たとえ彼らが後からそのビデオを見たとしても)。またスクリーンをタップすることで画面上に「キラキラ」を表示することもできるが、これはリアルタイムで一緒に見ているひとにしか表示されない。

共同視聴体験を提供しようと、過去にもYouTubeSocialWeMeshLiveLeadAirTimeといったアプリがリリースされてきた。しかしUptimeが目指すのは、洗練されたデザインは言うまでもなく、友達がすぐに視聴に参加できなくても、経験を分かち合えるようにすることだ。

このアプリに最初に注目したのはThe Vergeである。そこでは縦型のビデオの方が楽しめると指摘されている。

YouTubeのビデオクリップを検索しUptime上で共有することで、そのビデオを他の人が見つけられるようになる。投稿すると同時に、友人たちに通知を行うためのチェックボックスもある。現時点では、このアプリであまり沢山の友人と繋がることはできない、またソーシャルネットワークからのインポート機能やアドレス帳との同期機能もなく、ただ友人たちを招待することができるだけだ。

また、はっきりさせておきたいが、このアプリはパブリックな共有を提供するものであり、プライベートなメッセージングを提供するものではない YouTube自身は、最近そのモバイルアプリケーションにアプリ内メッセージ機能を提供した。それを使えば、他のメッセージングアプリやSNSに切り替えることなく、友人たちとビデオとコメントを共有することができる。Uptimeはこうしたプライベート共有のためにはデザインされていない、その代わりビデオコンテンツそのものに対する、よりパブリックな共有性を追求しようとしている。

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アプリ内のコンテンツの多くは、アプリの作成者によって準備されている。こうした「スタッフの今日のお勧め」がアプリのフィードを占めている。お勧めには、猫動画から、テレビ番組のクリップ、面白い動画など、一緒に見て意味のある様々なものが取り上げられている。

しかしUptimeにまだ欠けているものは、ビデオをジャンルで選んだり、既にシェアされているものを検索したりして、コミュニティでシェアされているものをフィルターする機能だ。あとスクリーンの一番上の場所をタップすることで一番上にスクロールバックする機能もない。これはiOSの共通ジェスチャなので、少し戸惑う。これは意図的なデザインなのかもしれない、アプリはひたすら連続してスクロールして行き、フィード上の全てのエントリーを見せようとは意図していないからだ。

また、ライブストリーミングもサポートされていない。しかしそうした機能や他の機能は、開発者たちが様々な種類のコンテンツに向けて開発や実験を行う中で追加されて行くだろう。

Uptimeは現在「招待のみ」で運営されているが、招待コード “PIZZA” で利用することができる。
(日本版:上にも書いたが3月14日10時の時点ではまだ日本のApp Storeでは提供されていない)。

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(翻訳:Sako)