韓国LG Energyが約1700億円を投資し米国でのバッテリー生産を拡大

Tesla(テスラ)、Lucid Motors(ルシッドモーターズ)、General Motors(ゼネラルモーターズ)、Proterra(プロテラ)に電気自動車用バッテリーを供給する韓国のLG Energy Solution(LGエナジーソリューション)が、米国時間3月11日、14億ドル(約1697億円)を投じてアリゾナ州クイーンクリークに円筒形バッテリーの工場を建設することを発表した。

このことは、LG Energyが米国での存在感を高めていることを改めて明確にした。1月には、21億ドル(約2546億円)を投じてゼネラルモーターズと共同で、米国3番目のEV用バッテリー工場を建設する計画だと発表した。また2021年には、Stellantis(ステランティス)がLGとバッテリーセルとモジュールを北米で生産する契約を締結している。

今回のLGのアリゾナでの出資は、北米市場において、瞬発力を必要とする電動工具やEV・電動自転車などのモビリティ機械などに対する、円筒型セルや円筒型電池の応用需要が高まっている時期に行われる。需要が高まる理由は、LGの広報担当者によると、この種のバッテリーが比較的小さくエネルギー密度が高いからだという。

11ギガワット時規模の工場建設は、2022年第2四半期に開始され、2024年には量産が開始される予定だ。

LG Energyによると、同工場はEVメーカーに供給される円筒形バッテリーの、北米で初めての製造工場となる。ロイターの報道によると、Tesla、Lucid、ProterraなどのEVメーカーがその潜在的な顧客となる可能性があるという。LGは、契約手続きは進行中だと語ったが、アリゾナ工場がどの企業に供給するのかは明言を避けた。

LG Energyは、米国での生産能力の追加を検討しているという。1月には、LG Energyは新規株式公開により100億ドル(約1兆2145億円)以上を調達した

バッテリー製品をTeslaにも供給している日本のパナソニックは、オクラホマ州かカンザス州に工場建設用地を探していると、2月にNHKが報じている。また、トヨタは米国にバッテリー工場を建設し、2025年の生産開始を目指している。

米国でバッテリーを開発する海外バッテリー企業の流入は、ジョー・バイデン大統領が国家的なバッテリーサプライチェーンの確立のために数十億ドル(数千億円)の資金を確保するインフラ法案の産物なのかもしれない。

LGは、このようなサプライチェーン構築のために米国から提供される資金の受給資格があるかどうかの問い合わせには、締切までには回答しなかった。

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画像クレジット:LG Energy Solution

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(文:Kate Park、翻訳:sako)

視覚障がい者向けの触覚ディスプレイ「Dot Pad」

点字は視覚障がい者に広く利用されているが、ウェブやスマートデバイスのアクセシビリティが幅広く向上しているにもかかわらず、点字読書器のハードウェアの技術革新は基本的に滞っている。今回Dot(ドット)が開発したスマート点字デバイスは、文字を表示するだけでなく、画像を触覚で表現することができる。このことは教育や利用できるコンテンツにまったく新しい層を開く可能性がある。

同社のDot Pad(ドットパッド)2400本のピンが画素のように並んでおり、それらをすばやく上下させることで、点字文字や識別しやすい図形をかたち作ることができる。300文字分の点字表示領域を持ち、下部には20文字が表示できる従来のような直線領域がある。重要なことは、このデバイスがApple(アップル)の画面読み上げ機能VoiceOver(ボイスオーバー)に直接統合されていることで、この結果テキストやアイコンラベル、さらにはグラフや単純な画像をタップするだけで読み上げられるようになっていることだ。

韓国を拠点とする同社は、共同創業者のKi Kwang Sung(キ・クワン・ソン)氏とEric Ju Yoon Kim(エリック・ジュー・ユン・キム)氏によって創業された。彼らはコンピューターやインターフェースがこれだけ進化しているにもかかわらず、学習や読書のための選択肢がないことにうんざりしていたのだ。

デジタル点字ディスプレイはこれが初めてではない。このようなデバイスは何十年も前から存在していたが、その台数も機能も明らかに限られていた。デジタル文字を読むための点字ディスプレイが一般的だが、これは長年変わっていない古くさく不格好な1行表示機械で、他のやはり古くさいソフトウェアやハードウェアに依存したものであることが多い。

また、一般にこれらの機器は、子どもや学習を意識して作られていない。視覚障がいのある子どもたちは、教科書がなかったり、視覚障がいを考慮した活動が行われていないなどの、多くの社会的ハンディキャップに晒されている。そのため、ある子どもの両親は、幼児レベルで点字を教えることができる玩具BecDot(ベックドット)を開発した

ソン氏は「21世紀にもなって、視覚障がい者がグラフィカルな情報にデジタルな手段でアクセスできないのはおかしなことです」という。「教育、仕事、ソーシャルネットワークサービスなど、あらゆる業界でさまざまなイノベーションが起こり、グラフィック情報の要求が高くなっています。しかしそれが意味していることは視覚障がい者の切り捨てです。パンデミックの状況でも、障がい者のためのリモートワークや教育手段は必須だったのですが……そのためのソリューションがなかったのです」。

そこで2人は、一般人が当たり前のように使っているピクセルベースの画像や表現に、視覚障がい者がアクセスし、操作できるようなモニターを作ろうと考えたのだ。

画像クレジット:Dot

点字リーダーは一般に、ピンを必要に応じて上下させるために何百もの小さなヒンジとギアに依存しているので、非常に複雑な機械だ。また、継続的に触れることによる圧力に耐えられるような頑丈さも必要だ。これまでにも、権威ある研究機関からさまざまなイノベーションが生まれていたものの、実際に市場に出たものはなかった。Dotは、より優れた高性能のハードウェアを提供するだけでなく、スマートフォンやタブレット端末とのより深い連携によって、すべてを変革しようとしている。

Dot Padの革新性の核となるのは、やはり「ドット」そのものだ。この小さなピン(点字1文字につき6本)を何十本、何百本と、いかに確実に、すばやく(大きな音を立てずに)伸縮させるかにに対して、さまざまな解決策が生み出されてきたが、Dotのものはまったく新しい解だ。

画像クレジット:Dot

ソン氏は「スピーカーのメカニズムから発想しました」と説明する。彼らは、スマートフォンのスピーカーを振動させている小さな電磁アクチュエーターを、ピンの上下に利用することした。上下の位置で簡単にロックでき、すばやくロックを解除して引っ込めることができる磁気ボールローターを採用している。全体の大きさは、これまでの機構の数分の一で「既存の圧電点字アクチュエーターに比べて、10分の1ほどです」とソン氏はいう(Dotは、その仕組みを示す概略図やピンの断面図を私には見せてくれたが、それらを一般に公開することは拒否した)。

つまり、文字として読める大きさでありながら、画像を表すパターンを形成するのに十分な密度を持つピンを、わずかな間隔で何千本も並べたグリッドを作ることができたのだ。ドットパッドの下部には、伝統的な点字のための専用セクションがあるものの、メインのグリッド側は何よりも「触覚ディスプレイ」と表現した方がよいだろう。

私は量産前の試作機で遊ぶことができたが、それは非常にうまく機能し、画面全体を上から下へと約1秒でリフレッシュし(これも現在改善されていて、アニメーションも可能になりつつある)、ユーザーの手で容易にスキャンできるように思えた。どちらのディスプレイも、ピンの保護スクリーンを採用していて、簡単に交換することができる。ピンユニットそのものも簡単に交換できる。

Dotのもう1つの大きなアドバンテージは、Appleとの協力だ。Dot Padは、ジェスチャーで起動することが可能で、ハイライトされたものを瞬時にディスプレイ上に表示することができる。以下の動画で、その様子を見ることができる。

そして、iOS 15.2には開発者向けの新しい「触覚グラフィックスAPI」が用意されていて、アプリはこの機能を取り入れたり微調整したりできるようになっている(私はこのAPIについてAppleにコメントを求めたので、もし返信があればこの記事を更新する)。

キム氏は「世界中の多くの視覚障がい者がiPhoneやiPadを利用していますが、これは業界をリードする画面読み上げソフトVoiceOverのおかげです」という。「Dotの触覚技術がVoiceOverに最適化されたことで、デジタルアクセシビリティが拡大することを大変うれしく思っています。音声や文字として点字を超えて、ユーザーのみなさんが映像を感じ、理解を高めることができるようになりました」。

もちろん忠実度という意味では制約されているものの、アイコンや線画、グラフなどをうまく表示することができる。例えば、株の記事の中のグラフを想像して欲しい。目の見える人なら一目で理解できるが、そうでない人は、VoiceOverに組み込まれた、グラフを上昇と下降の音で表現するような、別の方法を見つけなければならない。ないよりはましだが、理想的でないことは確かだ。Dot Padは、VoiceOverと独自の画像解析アルゴリズムにより、ディスプレイ上の任意の画面領域や要素を表現しようとする。

文字も、1ページ分の点字(通常のように間隔をあけて並べる)か、文字そのものの形で表現することができる。これにより、ロゴの書体などをよりよく理解することができる(点字には当然セリフ[文字の端にある小さな飾り]はない)。実際、大型の活字を触感を使って体験するというのは、なかなか面白そうだ。

画像クレジット:Dot

さらに大切なのは、子どもたちにとってすばらしい材料となることだ。視覚障がいのある子どもは多くのことを見落としているが、Dot Padを使えば他の人たちが当たり前と思っている家や猫などの文字や形、単純なイメージなどを簡単に描くことができるようになる……視覚障がい者のコミュニティにおけるK-12教育(幼稚園から高校までの教育過程)に新たな変革が加わる可能性があるのだ。

これはもちろん、一般的なデバイスと密接に連携できるおかげだ。つまり特殊な状況だけで使えるリソースというわけではない。iPhoneやiPadは、現代のデジタル機器としてユビキタス(普遍的)なだけでなく、Dotが活用できる強固なアクセシビリティ機能群を備えている。

もちろん、音声を使ったインターフェースが大幅に改善されたことは、グラフィカルなインターフェースを使えない人々にとって非常に大きな力となったことは事実だが、特に読書や学習の場面ではいまでも点字が重要な選択肢であることに変わりはない。技術によって機会が阻害されることがないように、こうした手法はさらに 改善されなければならない。

コミュニティからのフィードバックは好意的であるという。ソン氏は「みなさん限界よりも可能性を中心に考えていらっしゃいます」という。彼らは早い段階から、画像のレンダリングを改善するために「ピクセル」数を増やしており、Dot Padに適したカスタムグラフィックスのライブラリに取り組んでいる。このため、たとえばTwitterのロゴがソフトウェアに認識された際に、毎回輪郭をスキャンするのではなく、代わりに独自のバージョンを使うことができる。

Dotは、2023年にローンチ予定のAmerican Printing House for the Blind(盲人のための米国印刷協会)とHumanWare(ヒューマンウェア)が率いるDynamic Tactile Device(動的触覚デバイス)プロジェクトで、その中核技術を利用できるようにする予定だ。開発者コミュニティにはAPIの経験に対する議論に加わる機会がある。

画像クレジット:Dot

将来の機能計画には、写真の触覚表現が含まれている。必ずしも画像そのものではなく、レイアウト、人物の位置と説明、その他の情報がディスプレイに表示される可能性がある。また、ピンを中間の高さで固定し、手触りのグラデーションなどに利用する方法も研究している。また、パッドは表示だけでなく、入力としても使える可能性がある。ピンを押して、画面の適切な部分にタッチ信号を送ることができれば、また別の便利な機能となるだろう。

もちろん、これまでの点字ディスプレイと同様、Dot Padも安くはないし、シンプルでもない。しかし、他の類似製品よりは安くてシンプルとなる可能性はある。製造や組み立ては簡単なことではないし、特に今はチップやその他の部品の価格が高騰しているため、トータルコストは口にしにくい(主に自動車の窓のコントロールスイッチに使われていた小さなICを数千個使っており、今その価格は高騰している最中だ)。

幸いなことに、これこそ誰もお金を払う必要のない機器であり、補助金などの制度も数多く用意されている。子どもたちは学校で使う机のような、どうしても必要なものにお金を払う必要はない。そして、障がい者が良い教育を受けられるようにすることは、すべての人の利益につながる。アクセシビリティの向上は、それ自体ももちろん歓迎すべきことだが、これまで学べなかった人、参加できなかった人が、ようやく仕事に参加できるようになるという大きな連鎖反応があるのだ。

Dotの創業者たちは、韓国政府や米国政府、盲人社会、支援団体と協力し、Dot Padをカリキュラムに組み入れ、既存の資金や方法を使って費用を賄っているという。触覚グラフィックスAPIの詳細については、こちらおよびAppleの開発者向けサイトで確認できる。

画像クレジット:Dot

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(文:Devin Coldewey、翻訳:sako)

ネクソン創業者の金正宙氏死去、享年54歳

ネクソンの創業者、金正宙(キム・ジョンジュ)氏

韓国のゲーム会社NEXON(ネクソン)の創業者である金正宙(キム・ジョンジュ)氏が、54歳で亡くなった。

米国時間3月1日、ネクソンの持ち株会社NXCは声明を発表した。「深い悲しみとともに、ネクソンは、2月に亡くなった愛する創業者、金正宙(キム・ジョンジュ)の予期せぬ死を悼みます」。

彼の突然の死は、金氏をアイコンであり、パイオニアとして見ている韓国のゲーム業界に大きな衝撃を与えている。同社は死因を明らかにしていない。報道によると、金氏はうつ病の治療を受けており、病状が悪化したようだという。彼には妻と娘2人がいる。

1994年にネクソンを設立した金氏は、無料で遊べるPCおよびビデオゲーム分野のパイオニアであり、1996年に多人数同時参加型オンラインロールプレイングゲーム(MMORPG)を発売した。その人気タイトルには「風の王国」「メイプルストーリー」「クレイジーレーシング・カートライダー」「マビノギ」「アラド戦記」などがある。

金氏は16年間務めたNXCのCEOを退任した。金氏は2019年に約90億ドル(約1兆350億円)相当のNXCの過半数株式の売却を検討したが、適切な買い手が見つからなかったため、売却を取り下げたという。

世界最大級のゲーム会社であるネクソンは、2005年に本社をソウルから東京に移し、2011年に東京証券取引所に上場し、その年の日本最大の新規株式公開で10億ドル(約1150億円)以上を調達した。

ネクソンの最高経営責任者(CEO)兼社長のOwen Mahoney(オーウェン・マホニー)氏は声明で「私たちの友人そして指導者であり、世界に計り知れないほどのすばらしい影響を与えた金正宙を失った悲しみは表現しきれないほどのものです。ネクソンの創業者であり、先見性のあるリーダーとして、懐疑的な目を向けられても、クリエイティブな直感を信じることが大切だと周囲に伝えてきました。彼は、ネクソンファミリーそして多くの友人から深く惜しまれることでしょう」と述べている。

Forbesによると、2021年5月時点で韓国で3番目の富豪である金氏は、2018年にスタートアップと小児病院に9300万ドル(約107億円)を寄付することを約束している。

NXCは2017年に韓国初の暗号資産取引所Korbitへの投資を通じて、暗号事業に多角化した。同社は、190カ国以上で45以上のライブゲームを提供している。

画像クレジット:Nexon founder Jung-ju Jay Kim

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(文:Kate Park、翻訳:Katsuyuki Yasui)

BTS所属のHYBEも注目、AI使った合成アバターをクリエイター向けに提供する韓国Neosapience

人工知能(AI)を活用した音声・映像技術は、近年、着実に人気を集めている。韓国のスタートアップ、Neosapience(ネオサピエンス)は、ユーザーがスタジオで録音や編集をすることなく、テキストを動画に変換できる合成音声・動画プラットフォーム「Typecast」を開発した。

Neosapienceは米国時間2月22日、成長を加速させ、新たな地域(特に米国)での事業を拡大するために、シリーズBラウンドで2150万ドル(約24億7400万円)を調達したと発表した。BRV Capital Managementが主導した今回の資金調達により、同社の累計調達額は約2670万ドル(約30億7200万円)に達した。本ラウンドには他にも、Stic Ventures、Quantum Venturesが参加した。既存投資家であるCompany K Partners、Albatross Investment Capital、Daekyo Investment、TimeWorks investmentsも参加した。

Neosapienceの共同創業者兼CEOであるTaesu Kim(キム・テス)氏はこう述べている。「今回の資金調達により、リーチを拡大し、限界をさらに押し広げることができます。より少ない労力でコンテンツを作ることを可能にするだけでなく、AIを使ったバーチャルアクターを誰もが利用できるようになるという我々のビジョンを実行することが可能になります」。

元Qualcomm(クアルコム)のエンジニアが集まって2017年に設立した同社は、韓国語と英語の170人のバーチャル声優を提供するAIボイスサービスプロバイダーとしてスタートした。2022年1月には、実在の人物のように見えるAIを活用した合成動画(アバター)機能を追加した。日本語やスペイン語など、他の言語も追加していく予定だという。

画像クレジット:Neosapience

同社のユーザーの大多数は主にクリエイターや企業のクライアントで、ビジネスやVlog、ゲームなどの個人的なチャンネルのためにビデオやオーディオコンテンツを作成するためにこのツールを使用していると、キム氏はTechCrunchに語った。企業クライアントには、韓国のボーイズグループBTSの声を作りたいと考えている、同グループが所属するHYBE Entertainmentの子会社HYBE EDUのようなメディアやエンターテインメント企業の他、オーバーザトップ(OTT)プラットフォームも含まれている。また、複数の電子書籍プラットフォームがTypecastを利用して、同社のAI声優が作成したさまざまなオーディオブックを提供していると、同氏は説明してくれた。ユーザーは、実際の俳優を雇う代わりにTypecastのアバターを使用することで、音声品質を維持しながらコストと時間を削減できるという。

「クリエイターが当社のサービスを使って、より多くの、より良いコンテンツを作ることを支援したいと考えています。クリエイターエコノミー全体が我々にとっては対応可能な市場であり、その規模は1040億ドル(約11兆9700億円)と推定されています」とキム氏はいう。

画像クレジット:Neosapience

競合他社との違いの1つは、人間のような感情の表現、話し方、韻律制御、ボーカル、ラップボイス技術など、Typecastの高度な技術にあるとキム氏は語る。

BRV Capital ManagementのマネージングディレクターであるYeemin Chung(チョン・イェミン)氏は、声明で次のように述べている。「人間の感情をテクノロジーによって表現することは、これまで非常に難しいことでした。「Neosapienceは、音声・映像合成の分野で先頭を走り続け、個人のクリエイターやエンターテインメントのための商業インフラの構築に成功しました。世界中のメディア企業は、デジタルコンテンツやバーチャルコンテンツの制作に感情を組み込む方法を革新するために、(この技術に)簡単にアクセスすることができます」。

Neosapienceのユーザーは現在、100万人以上いるという。過去2年間、2019年11月のローンチ以来、その収益は毎月約18%の成長を遂げている。同社の従業員は1月時点で41人。

「この1年で急速に成長しましたが、AIを活用したバーチャルヒューマンと、その合成メディアやインタラクティブコンテンツへの応用において、誰もが認めるグローバルリーダーになるために、さらに邁進する機会があると考えています」とキム氏は語った。

関連記事:実在しているような合成アバターがしゃべるプレゼン動画を簡単に作れるSynthesiaの技術

画像クレジット:Neosapience

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(文:Mike Butcher、翻訳:Den Nakano)

韓国大手NAVER、可能性に満ちた日本と韓国の大手eコマース販売業者の成長を加速するNew Vesselに投資

eMarketerの推定によれば、2021年の日本のeコマース市場は1440億ドル(約16兆5600億円)、韓国は1210億ドル(約13兆円9200億円)だ。市場規模の大きさにもかかわらず、両国のeコマースアグリゲーターの数は、より市場規模が小さい他の国よりも少ないと、韓国のeコマースアグリゲーターであるNew Vessel(ニューベッセル)は述べている。

同社は現地時間2月15日、韓国と日本での市場獲得をにらみ、非公開のシードラウンドで資金を調達したと発表した。韓国のインターネット大手NAVER(ネイバー)、CKD Venture Capital、Wooshin Venture Investmentが共同でラウンドをリードし、Lighthouse Combined InvestmentとS&C Networksが参加した。

New VesselのCEO、Jaebin Lee(イ・ジェビン)氏はTechCrunchに対し、新たな資金は韓国と日本でのeコマースブランドの買収と、ブランド管理、マーケティング、サプライチェーン管理の専門家の追加採用に充てると語った。同社は現在、年間売上高が少なくとも100万ドル(約1億1500万円)、利益率が15〜30%のブランドを求めており、買収案件の規模は100万〜200万ドル(約1億1500万〜2億3000万円)になるだろうと同氏は付け加えた。同社は2022年上半期に買収を完了した後、6月にシリーズA資金を調達する予定だと同氏は指摘した。

画像クレジット:eMarketer(スクリーンショット).

New Vesselは、弁護士や投資家として10年以上のM&A経験を持つイ氏と、日本のEC「楽天」や韓国のEC「Coupang(クーパン)」で活躍したKyuyong Lee(イ・キュヨン)氏が2021年9月に創業した企業だ。

ここ数年、共同創業者の2人は、ThrasioやPerchなどグローバルなアグリゲーター大手の成長を目の当たりにしてきた。だが、韓国と日本におけるeコマース市場は世界でもトップクラスにあるにもかかわらず、eコマースアグリゲーター業界はまだ始まったばかりであることに気づいた。このことは、両国を拠点とするアグリゲーターにとって大きな可能性だとイ氏は話す。

「単に時間の問題です。韓国と日本のeコマースアグリゲーター市場は、未開拓の可能性に満ちています」と同氏はいう。

New Vesselは、韓国と日本の大手eコマースの販売業者の成長を加速するために彼らと提携し、実績に裏打ちされた最適化戦略と売上拡大戦術を提供するという。同社が目指すのは、米国拠点の販売業者が韓国と日本で事業を拡大するのを支援することと、逆に、韓国と日本のブランドが米国市場へ参入できるようにすることだとイ氏は述べた。同社は最近、米国と韓国に拠点を置く携帯電話アクセサリーメーカー、Spigen(シュピゲン)と戦略的提携関係を結び、オペレーションにおける強みをさらに高めた。

「韓国のオンラインブランド販売業者の大半は、自分のブランドを売り込むことが可能であることさえ認識していません。ブランドオーナーとの提携により、すばらしい製品を手頃な価格で市場に広げ、販売者だけでなく消費者全体にも価値を提供できると信じています」。

一方、グローバルなeコマースアグリゲーターのThrasioは、日本のeコマースブランドを買収するため、2021年3月に日本に事務所を設立し、アジアに進出している。

画像クレジット:Blue Planet Studio / Getty Images

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(文:Kate Park、翻訳:Nariko Mizoguchi

パンデミック後の世界で折りたたみスマホは成功するか?アナリストはその継続的な成長を予測する

先週Samsung(サムスン)はNoteを永遠に葬ってしまった。それは象徴的な行為だった。なんと言ってもスマートフォンは、同社のGalaxy S系列の最先端であり続けるだろう。でもそれは、10年続いたブランドの終わりを表している。それはまた、フォルダブルへの自信を示す機会の1つでもあり、Noteからモバイルのフラグシップの王座を奪うことでもあった。

出だしでさまざまなつまずきを経験したにもかかわらず、Samsungは折りたたみ式スマートフォンという技術の先導者だ。同じぐらい長い企業は他にもいるが、先鞭をつけたのはこの韓国のハードウェア大手であり、同社はモバイルの未来と信ずるこのカテゴリーに他社よりずっと多い投資をしているらしい。

Samsungは少し前に、フォルダブルの市場はニッチより大きいと宣言した。私がSamsungの経営者だったら、やはりそう言っただろう。市場全体の一部として考えても、答はやはり「イエス」だ。まず、それは依然として、大企業とはいえ1つの企業の領域であり、しかもその企業の全台数の小さなパーセンテージにすぎない。

いろいろなアナリスト企業が過去数年間、このカテゴリーの成長を予測しているが、最近のCanalysの予想は、過去にあまり見たことも聞いたこともない、おもしろい視点を提供している。すなわちそれは「パンデミックはこのカテゴリーの成長に貢献するか」という問いだ。

確かにそれは、ちょっとわかりづらい視点だ。そもそも、パンデミックはこれまでも、スマートフォンに負の影響を与えているではないか。理由はいくつかある。まず、誰にとっても明らかなのは、人びとがあまり出かけなくなっているので、新しいスマートフォンなんかいらない。休業で職を失い、可処分所得が減り、しかも前からスマートフォンは更新サイクルが遅くなり価格が高くなっている。もっと最近では、半導体の不足とサプライチェーンの問題が業界を押さえつけている。

人びとが電子製品にお金を投じる機会といえば、家で仕事をするためのPCの購入ぐらいだ。でもこの曇り空が晴れ渡ったら、これらの反対を見ることになるのだろうか?

CanalysのRunar Bjørhovde(ルナー・ビョーロフデ)氏は、プレスリリースで次のように述べている。「フォルダブルの今後の成長の契機は、パンデミックの間に、多くの人びとが画面の大きいデバイスを使い始めていることだ。消費者は、自分が日常使うモバイルデバイスに、絶えずもっと良いユーザー体験を求め続けている。特に生産性とエンタープライズの方面では、欲求のバーがさらに高くなり、大きな画面を求めている。だからパンデミックの回復とともに、消費者のニーズと欲求を満たすフォルダブルスマートフォンのような製品を提供する新たな機会が、スマートフォンのベンダーに訪れる」。

これはおもしろい理屈だが、はたして人びとは、パンデミックの前に比べて大型画面のデバイスにもっとなじんでいるのだろうか?この疑問に対し、人びとは家を出なくなっているのに、スマートフォンを使う機会は増えている、と反論できるかもしれない。

1月に公表されたオーストラリアの研究者たちの報告によると「この悪質なウイルスの地域社会への伝染を防ぐために多くの国がロックダウンを課し、それにより私たちの日常生活が変わっている。ステイ・ホームやワーク・アト・ホームが、もっとも有効な感染予防措置として、個人のレベルとコミュニティのレベルの両方で、世界中で推奨されている。この自己隔離が人びとをますますスマートフォンに向かわせ、それにより互いの接続を維持しようとしている」という。

現時点では、フォルダブルの台数が増え続けていることに疑問の余地はない。Canalysは具体的な数字を挙げて、2021年には890万台のフォルダブルが出荷され、2024年には3000万台を超えると予想している。これまでの需要の停滞への反作用として、パンデミックがこれらの数字に寄与するのではないか。パンデミックでアップグレードが2年遅れ、サプライチェーンの問題もあり、新しいハンドセットを買う気になっている消費者が増えていて、しかも少々高い機種を買うのではないか。

Canalysのもう1人のアナリストによると、高級機の売上減少がメーカーを刺激してハイエンドのイノベーションを推し進めた、という。Toby Zhu(トビー・ズー)氏は次のように主張する。「Androidのベンダーは高級機の分野で大きなプレッシャーに圧されている。800ドル(約9万2000円)以上のスマートフォンが2019年には18%下落し、その間にiOSは68%伸びたからです。Googleと主なAndroidデバイスのベンダーは、製品の差別化と最先端のユーザー体験に重点投資して、ハイエンドの顧客へのアピールを続ける必要があります」。

そんな中でSamsungがある程度成功していることが、一気にフォルダブルのダムの水門を開いた。最も顕著な例であるOppoは、Find Nが初期から好評で「フォルダブルの正しい姿」という褒め言葉を、あちこちからもらった。それは、Motorolaなどによる初期のフォルダブルとは極端に違う設計だ。私の場合は、2021年のGalaxy Z Flipが、フォルダブルを本気で検討する気になった最初の機種だ。そのフォームファクタはGalaxy Foldより扱いやすく、お値段も安い。

Googleなどがもっと投資をして、フォームファクタの選択肢の幅を広げれば、関心を持つ人が増えるだろう。デバイスの生産量が増えれば、コストも下がる。ただし上記2024年の予測である3000万台は、Counterpoint Researchによると2021年に13億9000万台と言われる、スマートフォン全体の出荷量の中ではバケツの中の水一滴だ。

こんな話でいつも大きな疑問符になるのが、Apple(アップル)だ。何年も前から、折りたたみ式iPhoneの噂はあるし、発売は早くて2023年とも言われている。それらの噂によると、今は生産の問題を解決中であり、市販されるのかどうかも未定だそうだ。しかし初期のフォルダブルたちが辿った道を見れば、慎重になるのも当然だ。

画像クレジット:Brian Heater

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(文:Brian Heater、翻訳:Hiroshi Iwatani)

韓国のスタートアップAtommerce、約19.4億円の資金調達でメンタルヘルスサービスを拡大させる

モバイルアプリ「MiNDCAFE」を通じてユーザーがメンタルヘルス専門家とつながることを支援する韓国のスタートアップ、Atommerce(アトマース)は、2カ月で3倍の応募超過となった1670万ドル(約19億3600万円)のシリーズBで、メンタルヘルスのサービスを拡大する計画だ。

今回の資金調達で、Atommerceはプラットフォームの人工知能と機械学習技術を強化し、精神疾患に特化したデジタル治療に投資する予定だ。また、調達資金は人員増強にも充てられる。

ソウルを拠点とするこのスタートアップは、バーチャル・セラピー・プログラムと雇用者向けメンタルヘルス・ベネフィット・ソリューションを提供している。AtommerceのCEOであるKyu-Tae Kim(ギュテ・キム)氏はTechCrunchに対し、Atommerceは人間の専門家と同じようにセラピーができるAIチャットボットサービスを加えることで、患者、人間の専門家、精神疾患に対応するために人工知能が相互に作用するエコシステムを構築したいと考えていると語った。12月に発売された同社のAIチャットボット「RONI」は、推奨される回答を提供することで人間の専門家をサポートすると、キム氏は述べた。

Atommerceは、韓国で100万人以上のアプリユーザーと、Naver(ネイバー)、NHN、新韓インベストメント、Neowiz(ネオウィズ)、ソウル市役所など100社の企業を顧客として主張している。現在、MiNDCAFEの従業員支援プログラム(EAP)を通じて、B2Bクライアントの約20万人の従業員がアプリを利用している。同社は、250人以上のメンタルヘルス専門家を抱えているという。

新型コロナウイルスのパンデミックは、同社の成長を加速させた。例えば、2021年第1四半期の同社の売上高は、2020年第1四半期と比較して約1200%伸びた。また、過去2年間は年平均400%増の売上を記録しているという。

このスタートアップは、米国留学中にセラピーを受けてうつ病を克服したキム氏が、2015年に創業した。韓国に帰国したキム氏は、米国とは異なり、社会的なスティグマからメンタルヘルスの専門家の助けを得ることが難しいことを実感し、MiNDCAFEを立ち上げることを決意した。

韓国は、精神衛生問題を含むさまざまな要因でOECD諸国の中で最も自殺率の高い国となっているが、精神的な問題に対するスティグマから、人々は専門家に相談することをためらっていたと、キム氏はいう。しかし、ここ数年で変わってきた。現在、そのユーザーのほとんどは、国内のミレニアル世代とZ世代の成人女性であるとキム氏は付け加えた。

Atommerceは2022年前半に日本への進出を予定しており、早ければ年末に北米への浸透を目指す。同社のサービスは、言語やUX・UIなどのユーザーインターフェースデザインを完全にローカライズする予定だと、キム氏はTechCrunchに語った。また、次の資金調達計画について尋ねたところ、2023年第1四半期にシリーズCの調達を検討しているとのことだ。

画像クレジット:MiNDCAFE app

今回のラウンドで、同社の資金調達総額は約2600万ドル(約30億1400万円)に達した。シリーズBは、Hashed(ハッシュド)が主導し、E&Investment(E&Iインベストメンと)、K2 Investment(K2インベストメント)、Samsung Next(サムスンネクスト)が参加した。既存の出資者であるInsight Equity Partners(インサイト・エクイティ・パートナーズ)と韓国の製薬会社GC Green Cross Holdings(GCグリーンクロスホールディングス)もこのラウンドに参加した。

キム氏は声明の中で、今回の投資により、テクノロジーによって人々のメンタルヘルスを支援するという使命を持つMiNDCAFEが成長を加速させることができると述べている。さらに、Atommerceはメンタルケアエコシステムへのアクセスを向上させる。

画像クレジット:Carol Yepes / Getty Images

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(文:Kate Park、翻訳:Yuta Kaminishi)

自動車用シミュレーションプラットフォームのMoraiがグローバル展開のために24億円のシリーズBをクローズ

自動運転システムの安全性と信頼性を検証するための自動車用シミュレーションツールを自動運転車の開発者に提供するMorai(モライ)が、米国、ドイツ、日本、シンガポールを中心としたグローバルな展開を強化するために、シリーズB資金調達ラウンドで250億ウォン(約24億円)を調達したことを発表した。

この新たな調達は、Korea Investment Partnersが主導し、KB InvestmentとKorea Development Bankも加わっている。このラウンドには、既存の投資家であるNaver D2 Startup Factory、Hyundai Motor Group、Kakao Ventures、Atinum Investmentも参加した。これによりこれまでの資金調達額は300億ウォン(約28億9000万円)となった。

MoraiのCEOであるJiwon Jung(ジワン・ジョン)氏はTechCrunchに対して、韓国に本社を置き84名の従業員を抱える彼のスタートアップが、2022年末までに世界中の人員を倍増させるためにこの資金を使用すると語った。

共同創業者のジョン氏、Jun Hong(ジュン・ホン)氏、Sugwan Lee(スガン・イー)氏の3人は、2018年に同社を設立し、自動運転車メーカーが実際のテスト走行をシミュレートできる自動運転シミュレーションプラットフォームを構築した。

多くの自動運転車メーカーが、自身の自動運転車の検証のために、安全性と信頼性を証明するためのシミュレーションテストを繰り返し行っている。

Morai SIM(モライSIM)と呼ばれるMoraiのシミュレーターソリューションは、高精細(HD)マップベースの3Dシミュレーション環境により、ユーザーにさまざまな仮想テストシナリオを提供する。Moraiの共同創業者であるホン氏はTechCrunchに対して、Moraiの最もユニークな特徴の1つは、現実世界の物体のデジタルレプリカであるデジタルツイン技術によって実現された、大規模なシミュレーションプラットフォームだと語った。Morai SIMは、すでに世界の20都市以上で展開されている。

1月に開催されたCES 2022では「Morai SIM」のSaaSモデル、通称「Morai SIM Cloud」が発表された。このサービスを使えば、ユーザーがローカルコンピュータにソフトウェアをインストールすることなく、クラウド上でシミュレーションテストを行うことが可能になる。その結果、ユーザーは運用するハードウェアに関係なく、無数のシミュレーション環境で自動運転(AV)ドライバーをテストすることができる。

Morai SIMが開発したデジタルツイン環境、ラスベガス(画像クレジット:Morai)

Moraiは、Hyundai Mobis(現代モービス)、Hyundai AutoEver(現代オートエバー)、Naver Labs(ネイバーラボ)、42dot(42ドッツ)などの100社以上の企業顧客や、韓国科学技術院(KAIST)、韓国自動車技術研究所(KATECH)、韓国交通安全公団(KTSA)などの研究機関を顧客としている。またNVIDIA(エヌビディア)、Ansys(アンシス)、dSPACE(ディースペース)などのグローバル企業ともパートナーシップを結んでいる。

ジョン氏は、同社のシミュレーション・プラットフォームは、自動運転をはじめ、UAM(アーバン・エア・モビリティ)、物流、スマートシティなどの分野に応用できるため、大きな成長が期待できると述べている。

同スタートアップは、2021年に170万ドル(約2億円)の収益を計上し、2018年から2021年にかけては226%の年平均成長率(CAGR)を達成した。2021年には、Moraiはサンフランシスコに米国オフィスを開設している。

ジョン氏は「自動運転シミュレーションプラットフォームにおけるグローバルな競争力をさらに高めるために、技術的な優位性を高めることに全力を注ぎます」と述べていいる。

Korea Investment PartnersのエグゼクティブディレクターであるKunHo Kim(クンホ・キム)氏は「Moraiのシミュレーター技術は、自動運転車の安全性と機能性の向上に重要な役割を果たすことが期待されています」と述べている。続けて「韓国だけでなく、世界の自動運転市場をリードする可能性を秘めているので、今後も成長を期待しています」としている。

画像クレジット:Morai

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(文:Kate Park、翻訳:sako)

韓国のマイクロモビリティスタートアップSwingが成長と日本への進出を目指し約27.6億円を獲得

韓国のeスクーターおよびマイクロモビリティのスタートアップ企業であるSwing(スイング)は、現地時間2月7日、同社の成長と日本への進出に拍車をかけるため、シリーズBラウンドで2400万ドル(約27億6600万円)を調達したことを発表した。

今回の資金調達は、ベルリンのTier Mobility(ティア・モビリティ)にも出資しているWhite Star Capital(ホワイト・スター・キャピタル)が主導し、既存の出資者であるHashed(ハッシュド)なども参加した。今回の新たな資金により、Swingは2019年の創業以来、合計約3300万ドル(約400億ウォン/約38億円)を調達したことになる。

Swingの創業者兼最高経営責任者(CEO)のSan Kim(サン・キム)氏はTechCrunchに対し、同社はこの資金をマイクロモビリティの車両を増やし、日本市場にさらに浸透させるために使う予定だと語った。Swingは2022年に、互いに交換可能なバッテリーを搭載した10万台のeスクーター、eバイク、eモペットを配備し、自社使用とオプションとして他社用の充電ステーションを200基設置する予定だ。Swingは現在、eスクーターやeモペットを含む3万5000台の電気車両を運営している。

Swingのアプリとは別に、このシェアマイクロモビリティスタートアップは最近、配達ライダーが充電の手間なく1日か2日だけeモペッドやeスクーターをレンタルできる「Dayrider」という新しいアプリを発表した。

ソウル市は9月、温室効果ガス削減のため、2025年までにeモペットを含むeバイクを6万2000台増やし、電動充電スタンドを20万台追加設置すると発表した。ソウル市はまた、配送業務に使用する3万5000台のオートバイを100%電気モーターに置き換えるとも発表した。

Swingが目指すのは、市場の奪取だ。同社によると、韓国には必要な需要を満たす適切なeモペットのモデルがなく、販売、修理、再販ができるサプライチェーンもなく、eモペットの潜在的ユーザーにサービスを提供するための充電ステーションもないとのことだ。

そこで、同社はフランチャイズ方式を採用したのだ。Swingの最高執行責任者であるJason Shin(ジェイソン・シン)氏は、同社がフランチャイズモデルを採用することで、同業他社よりも小資本で迅速に車両を拡大することができると述べている。Swingは、ブランド化した車両をフランチャイズ加盟事業者に販売する。そして、そのフランチャイズ加盟事業者はSwing独自のソフトウェアを使って、eスクーターの充電とメンテナンスを行う。現在、同社のフランチャイズ・パートナーは50社以上にのぼるという。

「市場の可能性を疑う者はいませんでした。問題は、誰が競争に勝つかということです。投資家の資金をつぎ込むよりも、社内に強力な運営チームを作って、スクーター1台1台を確実に収益につなげるという戦略をとり、それが功を奏しました」とシン氏は語る。

Swingは創業2年目から純利益を出しているが、狙った数字を期待通りに達成することはできなかったと、同氏はいう。さらに、2021年のeスクーター規制強化の影響で、新規ユーザーの利用が減少していることも付け加えた。

韓国では、eスクーターに関する規制が改正され、国内のeスクーター会社が打撃を受けているのだ。2021年5月に施行された改正道路交通法では、eスクーターのライダーは16歳以上で、有効な運転免許証を持ち、ヘルメットを着用することが義務づけられている。利用者がこの新しい規制に従わない場合、罰金が課されることになる。また、eスクーター利用者は自転車専用道路を使用し、人や車から離れた場所に駐車しなければならない。ソウル市は7月、違法駐車されたeスクーターをレッカー移動し、罰金を課すと発表している。

韓国では現在、20社以上のeスクーターレンタル会社が営業をしており、この分野では運行台数や会社数に制限はない。業界関係者はTechCrunchに対し、eスクーター業界では2021年から統合が始まったと語っている。2年前に韓国市場に参入したベルリンのeスクーター・プラットフォームWind Mobility(ウィンド・モビリティ)は、2021年10月にソウルでの事業を停止している。

日本への進出

2021年、同社は日本に子会社を設立し、現在2022年前半に東京でサービスを開始することを目指している。

キム氏は、日本の顧客と都市は、スマートフォンの普及率が高く、eバイクの利用も多く、駅間距離があるためラストマイルの移動に大きな需要があり、eスクーターに最適だと述べた。

「2021年、日本政府は概念実証を通じて、合法的にeスクーターのシェアリングを開始する扉を開きました。ソウルのスタートアップであるSwingは、非常によく似た環境での優れたオペレーションと蓄積されたデータにより、日本でのマイクロモビリティ導入をリードすることができます」とキム氏は語る。

「日本市場では、政府がガイドラインや規制の微調整を行うために実証実験を行っており、eスクーターの普及に向けたエキサイティングな時期に来ていると思います。White Star CapitalとSwingのパートナーシップは、Swingの技術力と韓国で長年培ってきたオペレーションノウハウを利用できる日本のステークホルダーにとって非常に有益なものとなるでしょう。日本ではラストワンマイルのロジスティクスが依然として課題となっていますが、Swingがこうした問題に対処し、ユーザー、ライダー、企業、公共部門に優れたモビリティ体験を提供できるよう支援できることを楽しみにしています」とWhite Star Capitalのベンチャー・パートナーである長尾俊介氏は述べている。

White Star Capitalのベンチャーパートナーである同氏は「欧州のTier Mobility(ティア・モビリティ)やFinn Auto(フィン・オート)といったリーディングカンパニーと提携する幸運にも恵まれ、モビリティは私たちにとって大きなフォーカスとなっています。大手企業との緊密なパートナーシップにより開発された強固なガイドラインと規制は、欧州が技術革新的なモビリティとその環境に対するプラスの影響を受け入れるための舞台を提供します。我々は、韓国と日本がこのトレンドに密接に追随し、マイクロモビリティが今後数年で重要な変曲点に達すると予想しています」とWhite Star CapitalのパートナーであるEddie Lee(エディ・リー)氏は述べている。「White Star Capitalは、サンと彼のチームと密接に協力し、日本への進出と新しいDayrider事業による物流能力の拡大を通じて、Swingのグローバル企業への野心的なビジョンを支援していきます」。

Swingは、韓国で100人以上、日本で4人の従業員を抱えてる。

画像クレジット:Swing

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(文:Kate Park、翻訳:Akihito Mizukoshi)

韓国でJoby Aviationがエアタクシーサービス開始へ

米国カリフォルニア州を拠点とする電動垂直離着陸機のスタートアップ企業であるJoby Aviation(ジョビー・アビエーション)が、韓国最大の通信会社であるSK Telecom(SKT、SKテレコム)と提携し、韓国でエアタクシーサービスを提供することを計画している。両者は米国時間2月6日に、カリフォルニア州マリーナにあるJobyの製造工場で、戦略的提携契約を締結した。

地上と空の旅のより良い統合を提供するために、このエアタクシーサービスは、T Map Mobility platform (レンタカー、駐車場、配車サービス、その他の交通関連サービスからなるサブスクリプションベースのモビリティ・アズ・ア・サービスを提供するSKテレコムのスピンオフ企業) と、TマップとUber(ウーバー)が2021年共同で創業したジョイントベンチャーの配車サービスUTを活用する。シリコンバレー発のUberにとっては創業後8年目にして韓国市場への初めての進出だ

JobyとUberの歴史は、両社が2019年に、Uberの都市部での航空タクシーサービス立ち上げの計画を後押しするために始まった。2020年、UberはJobyのシリーズCに5000万ドル(約57億7000万円)を投資し、さらに7500万ドル(約86億5000万円)を投じて、JobyによるUberの空中ライドシェア部門であるUber Elevate(ウーバー・エレベート)の買収を支え、両社のパートナーシップを拡大した。これらの提携により、米国市場でのサービス開始時には、Jobyのライドシェアサービスは、JobyまたはUberのいずれかのアプリを通じて乗客に提供されることになる。よって、韓国のユーザーにもUTとの同様のアプリ統合が行われる可能性がある。

SKテレコムもJobyも、いつ、どこでエアタクシーサービスを開始するかについては明らかにしていないが、両社が発表した声明の中では、主要都市の交通渋滞を解消するために、韓国国土交通省が提唱する、2025年までに限定的なUAM(都市空中移動)サービスを商業化することを目標とするK-UAM(Korean Urban Air Mobility)ロードマップへの支持が表明されている。この計画では、まずソウル首都圏に1〜2路線を設置し、10年後までに10カ所のエアタクシーターミナルを設置して、すべてのターミナルが路線バスや地下鉄、その他の移動手段に接続されるようにする予定だ。

SKテレコムは、韓国国内UAMの早期安定化を推進する政府主導のコンソーシアムの「UAM Team Korea」(UAMチームコリア)のメンバーである。同コンソーシアムのメンバーは民間業者で構成されており、他に現代自動車、大韓航空、仁川国際空港公団などが参加している。

JobyのJoeBen Bevirt(ジョーベン・ベバート)CEOは「4200万人以上の人々が都市部で生活している韓国は、Jobyにとって、空中移動を日常生活の一部にし、人々が時間を節約しながら二酸化炭素排出量を削減するためのすばらしい機会を提供するでしょう」と述べている。

韓国での活動の一方で、Jobyは米国内での活動にも力を入れている。先週もTechCrunchが、Jobyが最大航続距離150マイル(約241km)、最高速度時速200マイル(約320km)の第2世代の試作機「S4」をテストするために、サンフランシスコ湾上でのエアタクシーの連続飛行の許可を求めていると報じたばかりだ。また、低騒音であることから、市街地へのアクセスが可能だとも主張している。

関連記事:サンフランシスコ湾上での「空飛ぶタクシー」飛行テストをJoby Aviationが計画

画像クレジット:Joby Aviation

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:sako)

サムスン、廃棄漁網由来のスマホで持続可能性への取り組みを強化

韓国のエレクトロニクスの巨人、Samsung(サムスン)は、ここ数年サステナビリティ(持続可能性)を派手に宣伝し、同社のエコシステムに影響をあたえている。「コーポレートシチズンシップ」などのスローガンや、環境に優しいサプライチェーンや材料、製造の強い推進など、今まで以上にグリーンな世界を強調している。Galaxy for the Planet(地球のためのGalaxy)プロジェクトの一環として、アップサイクルプログラムプラスチック包装の廃止など数多くの取り組みに続いて同社が繰り出す最新の妙技は、捨てられた漁網の再利用による環境保護だ。

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米国時間2月9日のGalaxy新機種発表を前に、同社は新しい材料が製品ラインナップのどこに居場所を見つけるかを垣間見せた。強調したのは、プラスチックの使い捨てをやめることによる効率向上と、再利用材料(特に、消費財再利用材料)や再生紙などの環境に優しい材料の使用をさらに強化することだった。

実際に意味のある影響を与えることを確かめるべく、同社は毎年64万トン廃棄されている漁網に注目した。少なくともこの一部を収集し、再利用することで少しでも海洋をきれいにする取り組みを、会社は誓約した。その結果、捨てられた漁網に絡みつかれていた海洋生物にとって、水辺の環境は少しでも改善されるだろう。

廃棄された網を海に残さないことがどの程度の環境的効果を生むのかは不明だが、マスコミに取り上げられる効果は多少なりともあるだろう(画像クレジット:Samsung)

Samsungは2021年の報告書でこれまでに数多くの善行をなし、一部のパッケージをデザイン変更したことでプラスチック使用を20%削減し、製品に省エネ機構を加え、500万トン近くの「電子廃棄物」を収集し、製造工程廃棄物の95%の再利用を確保していることを主張している。同社は、米国、ヨーロッパ、および中国で100%再生可能エネルギーも実現している。さらに、Carbon Trust Standard(カーボントラスト標準)による、二酸化炭素、水、および非リサイクル材への依存削減などの認証取得も進めている。

海洋プラスチック汚染に対し、環境および「全Galaxyユーザーの生活」に良い影響を与える方法で取り組むことを誓約する、と同社はいう。ということは、Galaxy以外の携帯電話を持っている人の生活は過去とまったく変わらないということか、それは、どうもありがとう。

冗談はさておき、そして岩礁から漁網などのごみを片付けるために数日間潜水服で過ごしたことのある1人として、これはエレクトロニクス巨人による前向きな行動だと私は思う。果たしてこれが、目に見える影響を環境にあたえるかどうかはまだわからない。Samsungは、年間64万トンの漁網のうちどれだけを海洋から取り除こうとしているのかを明らかにしていないが、コミュニケーションと測定が続いていることには希望がもてる。Samsungや他の大手メーカーが互いにグリーン化を競い合い、気候変動に対する理想的な解決策ができるまでに地球を焼け焦げにしないための役割を果たして続けてくれること願うばかりだ。

Samsungの努力に拍手を送る。そして、もしみんなが携帯電話を1年半ではなく3年毎に買い換えるようにすれば、もっと目に見える影響があるはずだ。

画像クレジット:Samsung

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(文:Haje Jan Kamps、翻訳:Nob Takahashi / facebook

韓国の不動産テックZigbangがSamsung SDSのIoTスマートホーム事業を買収

不動産取引サービスを提供する韓国の不動産テックスタートアップのZigbang(ジグバン)は現地時間1月27日、Samsung SDS(サムスンSDS)のホームIoT(internet of things)部門を買収し、スマートホーム業界へ進出すると発表した。

Samsung SDSは、傘下唯一のB2C事業であるIoTスマートホーム部門を売却し、B2Bに集中する。同部門の主な製品は、ユーザーのスマートフォンに接続するデジタルドアロックやウォールパッドなどだ。Samsung SDSは2016年、IoTスマートホーム部門をアイルランドのAllegion(アレジオン)に売却しようとしたが、合意に至らなかったと報じられた

IoTはどうしても利幅が薄く、簡単なビジネスではないため、長期にわたり業界にとどまりたいプレイヤーは、より多くのスケールメリットを求めてライバルをすくい取っていく。

Zigbangは、IoTスマートホーム事業を買収することで、技術的なシナジーを生み出し、市場シェア拡大を狙う。

「Zigbangの住宅コンテンツとSamsung SDSの住宅IoTハードウェアを組み合わせ、私たちはスマートホーム市場に革命を起こします」とZigbangのCEO、Sung-woo Ahn(スンウー・アン)氏は声明で述べた。

同社のSunwoong Lyuh(スンウー・リュー)副社長はTechCrunchに対し、Samsung SDSのIoT部門は現在16カ国以上で堅実な収益を上げているため、今回の買収により、Zigbangは世界のスマートホーム市場に参入し、成長を加速させることができるだろうと語った。

1月27日に買収契約を締結したZigbangは、2022年第2四半期の買収完了を目指すとリュー氏は述べた。同社は、買収取引の評価額についてはコメントを避けた。メディアの報道によると、取引規模は1000億ウォン(約97億8000万円)と推定されている。

Zigbangは、不動産取引からスマートホームデバイスまで、生活空間のすべてをデジタル化したいと考えている。また、セルフストレージや住宅の検査・修理サービスにも参入する計画だ。

Zigbangは2018年以降、買収拡大路線を歩んでいる。

2018年に韓国のプロップテックスタートアップHogangNoNoを、2019年には「co-living(コリビング)」プラットフォームの WooZooと、商業仲介プラットフォームのSugarhillを買収した。また、2021年には住宅管理サービスプラットフォームのMovillを買収した。

Zigbangによると、同社のユーザー数は合計3350万人、月間アクティブユーザー数は810万人だという。現在、600人の従業員数を擁している。

直近では2019年7月に1600億ウォン(約152億円)を調達し、これまでの資金調達総額は2265億ウォン(約216億円)に、評価額は7000億ウォン(約660億円)に達した。韓国の中小ベンチャー企業省が1月27日に発表した報告書によると、Zigbangの2021年6月の評価額は1兆1千億ウォン(約1044億円)だった。

画像クレジット:Zigbang

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(文:Kate Park、翻訳:Nariko Mizoguchi

韓国NAVER Zがメタバースクリエイター向けの約115億円ファンドを設立

韓国のインターネット複合企業NAVER Group(ネイバーグループ)は、若いユーザーをターゲットにした最もホットなインターネットトレンドに乗り続けている。メッセージサービス大手のLINE人気の自撮りアプリSnowを手がけたのも同社だ。そして今、RobloxやEpic Gamesなどの大手ゲーム会社で話題になっているメタバースという最新のコンセプトに向かっている。

3DアバターアプリZepetoを運営するNAVERの子会社であるNAVER Zは、クリエイターがスマートフォン、PC、VR機器向けに2Dおよび3Dコンテンツを開発できるプラットフォームUnityを搭載した新開発のプラグインを宣伝するため、今後数カ月内に1億ドル(約115億円)のファンドを設立する。

リリースから4年となるZepetoは、エンターテインメント、ゲーム、ソーシャルネットワーキングを融合させた体験を提供している。ユーザーは、自撮りした写真を3Dアバターに変換したり、デジタル空間をデザインしたり、他のユーザーと交流したりすることができる。NAVER Zの最高戦略責任者であるRudy Lee(ルディ・リー)氏はTechCrunchに、Zepetoの月間アクティブユーザー数は2020年5月の1000万人から1月時点で2000万人に増加したと語った。

同アプリの登録ユーザーは1年半前からほぼ倍増して2億9000万人となり「ワールド」という、Robloxの「エクスペリエンス」に相当するユーザー生成型の仮想空間での平均セッション時間は30分だという。

Zepetoは世界中にユーザーを抱えているが、特に韓国と中国の10代から20代前半の女性に人気がある。ターゲット層を考えれば、GucciRalph Laurenなどのデザイナーブランドや、BlackpinkやSelena Gomezといったセレブが、Zepetoを使って自社ブランドのデジタル体験を構築しているのは当然だろう。現実の世界ではほとんどの人にとって法外に高価なデザイナーズアクセサリーが、Zepetoの仮想世界では突然手ごろな値段になる。

1億ドルのクリエイターファンドは、Zepetoがサポートする「メタバース」体験を多様にすることを可能にする。NAVER Zは、Zepeto上で3D体験を生成するUnityプラグインを使用する有望なスタジオに出資する予定だ。また、プラグインを使用するZepetoの非常に有望なクリエイターには、再生、訪問、アクティブユーザーなどのパフォーマンス指標に基づいて、現金報酬を提供する。

この取り組みは、ソフトバンクビジョンファンド IIが主導し、Mirae Asset、大手のKポップタレント事務所、およびその他の投資会社が参加した、Naver Zの2021年の1億9000万ドル(約219億円)という大型のシリーズBラウンドのおかげだ。

多くのバーチャルエンターテインメントプラットフォームと同様、Zepetoは収益化をアイテム販売に頼っている。2018年の立ち上げ以来、20億個のアイテムを販売し、2020年半ばの販売数は6億個だった。売上最多のクリエイターの2021年の粗利益は50万ドル(約5800万円)だった。

画像クレジット:Zepeto

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(文:Rita Liao、翻訳:Nariko Mizoguchi

韓国EVバッテリーメーカーLG Energy Solutionが上場、時価総額で同国2位に浮上

韓国最大手のEVバッテリーメーカーであるLG Energy Solution(LGエナジーソリューション)は1月27日、成功裏に韓国取引所に上場した。終値で計算した同社の時価総額は118兆1700億ウォン(約11兆2600億円)で、Samsung Electronics(サムスン電子)に次ぐ国内2位の企業となった。

LG Energyの株価は、公募価格の30万ウォン(約2万8716円)を99%上回る59万7000ウォン(約5万7145円)で始まり、取引開始後は25%下落したこともあったが、最終的には68.3%値を上げた。

中国のCATL(寧徳時代新能源科技)に次いで世界2位のEV用バッテリーメーカーである同社は、先週、韓国最大のIPOで12兆8000億ウォン(約1兆2250億円)を調達し、同社の価値は590億ドル(約6兆8000億円)に達した。

セクターアナリストによると、LG EnergyはTesla(テスラ)、General Motors(ゼネラルモーターズ)、Volkswagen(フォルクスワーゲン)などを顧客とし、世界のEV用バッテリー市場の約23%を占めているとのこと。これに対し、中国のCATLは約35%のシェアでトップだ。また、日本のパナソニックは約13%、中国のBYD(比亜迪)は約7%のシェアをそれぞれ占めている。

LG EnergyはIPOで得た資金をもとに、グローバル市場での生産能力を高める計画だ。また、米国、欧州、中国の自動車メーカーと戦略的パートナーシップを結び、世界の競合他社に対抗していきたいと考えている。

2020年12月にLG Chem(LG化学)からスピンアウトしたLG Energyは、3万人以上の従業員を擁し、EV、モビリティ、ドローン、船舶、ITアプリケーション、電力貯蔵システム(ESS)用のリチウムイオン電池を開発している。上場後、親会社のLG ChemはLG Energyの81.8%の株式を保有することになる。

2021年6月、ソウルに本社を置く同社は、GMのChevrolet Bolt EV(シボレー・ボルトEV)についてバッテリーセルの欠陥により発火の危険性が指摘され、一連のリコールが行われたことを受けて、IPOプロセスを中断していた。

2021年7月に同社は、2025年までに電池材料に52億ドル(約6000億円)を投資する計画を発表した。LG Energyは1月25日、GMと共同で米国に26億ドル(約3000億円)規模のEV用バッテリー工場を建設する計画を発表した。

関連記事:LG化学がEV用バッテリー生産拡大へ向け2025年までに5770億円を投資

画像クレジット:LG Energy Solution

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(文:Kate Park、翻訳:Aya Nakazato)

韓国EVバッテリーメーカーLG Energy Solutionが上場、時価総額で同国2位に浮上

韓国最大手のEVバッテリーメーカーであるLG Energy Solution(LGエナジーソリューション)は1月27日、成功裏に韓国取引所に上場した。終値で計算した同社の時価総額は118兆1700億ウォン(約11兆2600億円)で、Samsung Electronics(サムスン電子)に次ぐ国内2位の企業となった。

LG Energyの株価は、公募価格の30万ウォン(約2万8716円)を99%上回る59万7000ウォン(約5万7145円)で始まり、取引開始後は25%下落したこともあったが、最終的には68.3%値を上げた。

中国のCATL(寧徳時代新能源科技)に次いで世界2位のEV用バッテリーメーカーである同社は、先週、韓国最大のIPOで12兆8000億ウォン(約1兆2250億円)を調達し、同社の価値は590億ドル(約6兆8000億円)に達した。

セクターアナリストによると、LG EnergyはTesla(テスラ)、General Motors(ゼネラルモーターズ)、Volkswagen(フォルクスワーゲン)などを顧客とし、世界のEV用バッテリー市場の約23%を占めているとのこと。これに対し、中国のCATLは約35%のシェアでトップだ。また、日本のパナソニックは約13%、中国のBYD(比亜迪)は約7%のシェアをそれぞれ占めている。

LG EnergyはIPOで得た資金をもとに、グローバル市場での生産能力を高める計画だ。また、米国、欧州、中国の自動車メーカーと戦略的パートナーシップを結び、世界の競合他社に対抗していきたいと考えている。

2020年12月にLG Chem(LG化学)からスピンアウトしたLG Energyは、3万人以上の従業員を擁し、EV、モビリティ、ドローン、船舶、ITアプリケーション、電力貯蔵システム(ESS)用のリチウムイオン電池を開発している。上場後、親会社のLG ChemはLG Energyの81.8%の株式を保有することになる。

2021年6月、ソウルに本社を置く同社は、GMのChevrolet Bolt EV(シボレー・ボルトEV)についてバッテリーセルの欠陥により発火の危険性が指摘され、一連のリコールが行われたことを受けて、IPOプロセスを中断していた。

2021年7月に同社は、2025年までに電池材料に52億ドル(約6000億円)を投資する計画を発表した。LG Energyは1月25日、GMと共同で米国に26億ドル(約3000億円)規模のEV用バッテリー工場を建設する計画を発表した。

関連記事:LG化学がEV用バッテリー生産拡大へ向け2025年までに5770億円を投資

画像クレジット:LG Energy Solution

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(文:Kate Park、翻訳:Aya Nakazato)

起亜自動車EV6の価格は約483万円から、数週間以内に発売

Kia(起亜自動車)のEV6は、Hyundai(現代自動車)のIONIQ 5とプラットフォーム、バッテリー、モーターなどを共有し、1215ドル(約14万円)のデスティネーションチャージを含めて4万2115ドル(約483万円)からと発表された。この金額で、167馬力のモーターと、米国環境保護庁(EPA)の基準で航続距離232マイル(373km)の58kWhのバッテリーパックを搭載した後輪駆動(RWD)のベースモデル「Light(ライト)」が購入できる。このモデルは、7500ドル(約86万円)の連邦税額控除が適用されるため、3万4615ドル(約397万円)まで価格を下げることができる。

これは、IONIQ 5よりも1190ドル(約13万円)高い価格だ。この2台はプラットフォームを共有し、同様の性能を提供しているが、IONIQ 5はよりエッジの効いた角ばったデザインであるのに対し、EV6はよりクラシックで丸みを帯びたデザインになっている。

画像クレジット:Kia

KiaのEV6上級モデルは、価格がかなり跳ね上がる。77.4kWHのバッテリーパックと225馬力のモーターを搭載したRWDのEV6「Wind(ウィンド)」は4万8215ドル(約553万円)からで、EPAによる航続距離は310マイル(約498km)だ。一方、GT-Line RWDは、より豪華なオプションを装備しているが、ドライブトレインは同じで、5万2415ドル(約601万円)からとなっている。WindとGT-Lineの両モデルは、それぞれ5万2115ドル(約598万円)と5万7115ドル(約655万円)から全輪駆動(AWD)にアップデートすることができる。EPAによる航続距離は両モデルとも274マイル(約440km)に低下するが、7500ドル(約86万円)の連邦税額控除が適用される。

ちなみに、インセンティブ前の価格で、Ford(フォード)のMustang Mach-Eは4万4995ドル(約516万円)から、Tesla(テスラ)Model 3は4万6490ドル(約533万円)、Volkswagen(フォルクスワーゲン)ID.4は3万9995ドル(約459万円)だ。

IONIQ 5のロードテストでは、Hyundaiは最先端の技術を提供し、運転する喜びを感じられるレトロフューチャー的な勝者を作り出したと評価した。EV6も同じ基準に達することを期待したい。最初のモデルは、今後数週間のうちにディーラーに到着する予定だ。

編集者注:本記事の初出はEngadget。執筆者のSteve DentはEngadgetのアソシエイトエディター。

画像クレジット:Kia

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(文:Steve Dent、翻訳:Yuta Kaminishi)

AndroidのゲームをWindows上で楽しめる「Google Play Games for PC」がベータテスト開始、香港・韓国・台湾で

米国時間1月19日、Googlは同社が新たに発表したGoogle Play Games for PCプロダクトの非公開ベータテストを香港、韓国、台湾の3つの海外市場で開始する。PCアプリケーションGoogle Play Gamesは2021年12月のThe Game Awardsイベントで発表され、Google Playのゲームを、これまでのモバイルとタブレットとChromeOSに加えて、Windows PCでプレイできる。対応するPCはラップトップとデスクトップの両方で、Androidスマートフォンなど別のデバイス上で途中でやめたゲームをコンピューター上で再開することもできる。

同社は前に、そのPCアプリにアクセスできる最初の市場を発表しており、その時期は2022年の初めと予想されていた。しかし正確な日付は未発表だった。

ベータにアクセスできたテスターは、人気のモバイルゲーム「モバイルレジェンド:バンバン」や「サマナーズウォー」「State of Survival:The Joker Collaboration」「Three Kingdoms Tactic」などの人気モバイルゲームをトライできる。これらはすでに、1カ月のプレイヤー数が数億に達している。ベータテスターがアクセスできるのは、Googleによると約25のゲームだ。

そのPCアプリは、ユーザーがカタログを閲覧でき、ゲームをダウンロードして大型画面でプレイできる。しかも、マウスやキーボード入力の便利さは失われていない。一方、Googleの発表によると、ユーザーのゲームプレイがどこまで進んだかは複数のデバイス間で同期され、PCでプレイしても前からのプレイポイントは継続される。

 

このPCアプリのローンチの前には、Microsoft(マイクロソフト)によるWindows 11のAndroidアプリ対応があった。それはAmazon(アマゾン)との提携でAmazon独自のAmazonアプリストアを使うやり方で、クロスプラットフォームなゲームプレイの需要と要望の過熱に応える措置だった。しかし今回のGoogle Play Games for PCアプリケーションはMicrosoftとのパートナーシップはゼロで、あくまでもGoogle独自のアプリケーションであり、Google内で開発され配布される。またゲームストリーミングサービスでもない。プレイヤー自身がゲームを自分のコンピューターにダウンロードしてプレイするものだ。

関連記事:マイクロソフトがWindows 11ベータ版でAndroidアプリのテストを開始

ベータ版の公開にともない、GoogleはAndroidの開発者向けに、既存のゲームをWindows PCと互換性を持つように最適化するための詳細を公開するとしており、これによりPCアプリが提供する拡張アクセスを利用できるようになる。Googleは2021年12月、Windowsアプリの登場により、Google Playゲームは、プラットフォームを問わず、25億人の月間アクティブユーザーを抱えるゲームエコシステムに到達することができると発表していた。

Googleはベータ版への参加に関して、開発者向けウェブサイトを開設しベータ版の継続にともなうアップデートを受け取るためのオプトインができるようにしている。

画像クレジット:Google

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hiroshi Iwatani)

韓国の人事自動化プラットフォームflexが約329億円の評価額で約36.7億円のシリーズBを獲得

韓国を拠点とする人材管理プラットフォームのflex(フレックス)は、米国時間1月17日、評価額2億8700万ドル(約329億円)で、3200万ドル(約36億7600万円)のシリーズBラウンドを完了したと発表した。これで合計調達額が4200万ドル(約48億2500万円)に達することになった、今回の資金調達は、Greenoaks(グリーンオークス)が主導し、DST Global Partners(DSTグローバル・パートナーズ)が参加した。

同社のミッションは、企業が手作業の人事業務プロセスを自動化して合理化し、より人材に集中できるようにすることだ。同社の自動化ツールは給与計算、電子署名サポート、入社・退社手続き、人材分析などにおいて、グループ間でシームレスなデータフローを実現し、従業員の体験を最適化する。また、2022年第1四半期には、パフォーマンスレビュー(業績評価)とタレントリレーションズマネジメント(人材関係管理)ツールも発表する予定だ。

「flexでは、HRを『Human Resources(人事)』ではなく、『Human Relations(人間関係)』と定義しています。私たちは、人事チームが従業員を管理し、サービスを提供するために世界クラスのソフトウェアがふさわしいと考えています。しかし今日、多くの組織がいまだにスプレッドシートやレガシー製品を使っていることは明らかです」と、flexのCEOであるHaenam Chang(ヘナム・チャン)氏は述べている。

設立2年のこのスタートアップは、今回の資金を、需要に応じた事業の拡大、人事オートメーションやSaaS製品の開発、従業員の増員などに充てる予定だ。

シリーズBの資金調達は、多くの製品の発売と新規顧客の獲得により、2021年と比較して約10倍の収益成長を達成したことを背景に行われた。同社は、主にIT分野の中小企業にサービスを提供してきた。しかし、2022年、中小企業の新しい業界をターゲットにすることで、対応可能な市場を拡大する計画だ。なお、ユーザー数や顧客数については、質問されても明らかにしなかった。

現在、flexは、過去20年間の技術進歩への適応が遅れていた人事機能とプロセスを近代化するSaaSソリューションを提供することで、韓国での成長に注力している。同社は、韓国における人材管理の文化的ニュアンスと人事規制を深く理解しているため、韓国企業に合わせた製品群を提供するのに有利な立場にあると述べている。

「一部の企業は、従業員を把握し、管理方法を改善するためのソリューションを導入していますが、ほとんどの企業が、従業員に関するその場限りの決定を下す際に、直感や不十分なデータに依然として依存しています。flexでは、従業員データの信頼できるソースと、従業員を管理するための豊富なツールセットでお客様を支援し、個人と組織のパフォーマンスを最大化させます。私たちの目標は、単に優れた人事ソフトウェアソリューションを提供することではなく、企業が最も重要な資産である従業員をよりよく把握・管理できるようにすることです」とチャン氏は述べている。

GreenoaksのJosh Cho(ジョシュ・チョウ)氏は「韓国は世界で最も大きくダイナミックな経済の1つですが、歴史的に企業が従業員を管理し給与を支払うためのネイティブなソリューションがなく、企業は不満を抱えながら独自のソリューションを開発しなければなりませんでした。flexは、国内初の次世代人事情報システムおよび給与計算プラットフォームを急速に構築しています。私たちは、企業がパフォーマンス管理から採用、給与計算など、すべての人事機能を1カ所で処理できるようにするエンド・ツー・エンドの製品に関する彼らのビジョンに期待しています」と語っている。

画像クレジット:metamorworks / Getty Images

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(文:Kate Park、翻訳:Akihito Mizukoshi)

LGがインキュベーター「LG Nova」の第1期候補企業を発表

韓国の大手テクノロジー企業であるLGは、テレビ(CESでいくつか新製品が発表された)、洗濯機、冷蔵庫など、あらゆるものを製造している。同社が関わっていないものを列挙する方が、おそらく時間がかからないだろう。そんなLGがイノベーションに強い関心を持っていても驚くことはない。LG Nova(LGノヴァ)は、カリフォルニア州シリコンバレーのサンタクララにある同社の比較的新しい北米イノベーションセンターで、ここではLGの中核となる成長分野でのミッションを推進するために、スタートアップ企業と協力する新たな興味深い方法を模索している。

2022年1月はじめにラスベガスで開催されたCESで、LGは同社との提携を希望し、その候補に入ることができた最初の企業の一群を発表した。これらの企業には共通点がある。LGのイノベーション分野における重点領域のいくつかを強調・強化する企業であるということだ。

LG Novaが目指しているのは、もちろんこれらの企業を含めたスタートアップエコシステム全体のベン図の中心になることだ。これを、より広い投資家層、大手テクノロジー企業 、学界、起業家コミュニティ、そしてLG独自の適切な販売・マーケティングチャネルなど、LG自身が持つ強みや優位性と一体化したいと考えている。

LG Novaが現在実施しているプログラムは「Mission for the Future(未来に向けたミッション)」というもので、これは本質的に、LGのエコシステムの中でビジネスを創造するために、LGの客員起業家と協力できる最も有望な起業家やスタートアップを見つけるためのろ過システムだ。

Mission for the Futureは、LG Novaが9カ月間にわたって実施するチャレンジプログラムで、より知的で健康的、そしてよりコネクテッドな未来に向けて、生活の質を向上させる最も優れたアイデア、コンセプト、ビジネスを世界中から探し出すために設けられた。

この分野におけるLGの大きなテーマの1つはコネクテッドヘルスであり、特に施設や家庭、またはその分野のサービスを通じて人々のウェルネスニーズを満たすことに特化したヘルスケアを倍増させることに重点を置いている。LG Novaは、その最初の候補企業として、遠隔医療サービスのためのVR治療室を提供するXR Health(XRヘルス)と、LGのテレビを活用して顧客に健康に関する積極的な会話を促すデジタルAIヘルスアシスタントのMaya MD(マヤMD)を発表した。

メタバースは、LG Novaが特に注目している2つ目の広範なカテゴリーだ。そこでは人と機械が新たなインタラクションモダリティ(相互作用)で、どのようにつながることができるかを、より広範に探求しているように見える。この分野においては、メタバースで製品トレーニングを行うための企業向けアプリケーションとサービスを手がけるiQ3と、超現実的な仮想旅行・観光体験を構築しているI3Mという企業が選ばれた。

LGが「Energizing Mobility(エナジング・モビリティ)」と呼ぶ持続可能なモビリティは、同社が推進するイノベーションの第3の柱である。SparkCharge(スパークチャージ)は、持続可能性を維持しつつ、電気自動車の充電をモバイル化するという興味深い企業だ。一方、Driivz(ドライブズ)は、電気自動車の充電管理のための一種のオペレーティングシステムを構築している。

LG Novaのイノベーション円グラフの最後の部分は、同社によると「Smart Lifestyles(スマート・ライフスタイル)」に関するもので、つまりこれはLGの言葉でいうスマートホーム技術のことらしい。この分野ではまず、ユニバーサルなスマートキー技術のEveryKey(エブリィキー)が選ばれた。これは1つのデバイスで車や電話、ドアのロックを解除したり、ウェブサイトのログインを安全に保つことができるようにするという技術だ。A.kin AI(エイキンAI)は、LGのハードウェア製品にバーチャルアシスタント技術を追加しようとしている会社で、特に神経多様性を持つ人々がいる家庭の在宅介護をサポートすることを目指している。そしてChefling(シェフィング)という企業が、必要栄養量に合わせて食事を計画、購入、調理するソリューションを提供し、スマート・ライフスタイルを完成させる。

今回発表されたスタートアップ企業を見れば、LG Novaがどのようなものを求めているかを少しだけ理解できる。次回の募集は2022年末に始まる予定だ。2022年のCESで筆者はこのプログラムの責任者に、LGが何を求めているのか、このプログラムがどのようにスタートアップと協力していくのか、また、選考委員会の目に留まるにはどうしたらいいのか、などについて詳しく話を聞いてきた

画像クレジット:LG Nova

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(文:Haje Jan Kamps、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

LGがインキュベーター「LG Nova」の第1期候補企業を発表

韓国の大手テクノロジー企業であるLGは、テレビ(CESでいくつか新製品が発表された)、洗濯機、冷蔵庫など、あらゆるものを製造している。同社が関わっていないものを列挙する方が、おそらく時間がかからないだろう。そんなLGがイノベーションに強い関心を持っていても驚くことはない。LG Nova(LGノヴァ)は、カリフォルニア州シリコンバレーのサンタクララにある同社の比較的新しい北米イノベーションセンターで、ここではLGの中核となる成長分野でのミッションを推進するために、スタートアップ企業と協力する新たな興味深い方法を模索している。

2022年1月はじめにラスベガスで開催されたCESで、LGは同社との提携を希望し、その候補に入ることができた最初の企業の一群を発表した。これらの企業には共通点がある。LGのイノベーション分野における重点領域のいくつかを強調・強化する企業であるということだ。

LG Novaが目指しているのは、もちろんこれらの企業を含めたスタートアップエコシステム全体のベン図の中心になることだ。これを、より広い投資家層、大手テクノロジー企業 、学界、起業家コミュニティ、そしてLG独自の適切な販売・マーケティングチャネルなど、LG自身が持つ強みや優位性と一体化したいと考えている。

LG Novaが現在実施しているプログラムは「Mission for the Future(未来に向けたミッション)」というもので、これは本質的に、LGのエコシステムの中でビジネスを創造するために、LGの客員起業家と協力できる最も有望な起業家やスタートアップを見つけるためのろ過システムだ。

Mission for the Futureは、LG Novaが9カ月間にわたって実施するチャレンジプログラムで、より知的で健康的、そしてよりコネクテッドな未来に向けて、生活の質を向上させる最も優れたアイデア、コンセプト、ビジネスを世界中から探し出すために設けられた。

この分野におけるLGの大きなテーマの1つはコネクテッドヘルスであり、特に施設や家庭、またはその分野のサービスを通じて人々のウェルネスニーズを満たすことに特化したヘルスケアを倍増させることに重点を置いている。LG Novaは、その最初の候補企業として、遠隔医療サービスのためのVR治療室を提供するXR Health(XRヘルス)と、LGのテレビを活用して顧客に健康に関する積極的な会話を促すデジタルAIヘルスアシスタントのMaya MD(マヤMD)を発表した。

メタバースは、LG Novaが特に注目している2つ目の広範なカテゴリーだ。そこでは人と機械が新たなインタラクションモダリティ(相互作用)で、どのようにつながることができるかを、より広範に探求しているように見える。この分野においては、メタバースで製品トレーニングを行うための企業向けアプリケーションとサービスを手がけるiQ3と、超現実的な仮想旅行・観光体験を構築しているI3Mという企業が選ばれた。

LGが「Energizing Mobility(エナジング・モビリティ)」と呼ぶ持続可能なモビリティは、同社が推進するイノベーションの第3の柱である。SparkCharge(スパークチャージ)は、持続可能性を維持しつつ、電気自動車の充電をモバイル化するという興味深い企業だ。一方、Driivz(ドライブズ)は、電気自動車の充電管理のための一種のオペレーティングシステムを構築している。

LG Novaのイノベーション円グラフの最後の部分は、同社によると「Smart Lifestyles(スマート・ライフスタイル)」に関するもので、つまりこれはLGの言葉でいうスマートホーム技術のことらしい。この分野ではまず、ユニバーサルなスマートキー技術のEveryKey(エブリィキー)が選ばれた。これは1つのデバイスで車や電話、ドアのロックを解除したり、ウェブサイトのログインを安全に保つことができるようにするという技術だ。A.kin AI(エイキンAI)は、LGのハードウェア製品にバーチャルアシスタント技術を追加しようとしている会社で、特に神経多様性を持つ人々がいる家庭の在宅介護をサポートすることを目指している。そしてChefling(シェフィング)という企業が、必要栄養量に合わせて食事を計画、購入、調理するソリューションを提供し、スマート・ライフスタイルを完成させる。

今回発表されたスタートアップ企業を見れば、LG Novaがどのようなものを求めているかを少しだけ理解できる。次回の募集は2022年末に始まる予定だ。2022年のCESで筆者はこのプログラムの責任者に、LGが何を求めているのか、このプログラムがどのようにスタートアップと協力していくのか、また、選考委員会の目に留まるにはどうしたらいいのか、などについて詳しく話を聞いてきた

画像クレジット:LG Nova

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(文:Haje Jan Kamps、翻訳:Hirokazu Kusakabe)