アップルの上級副社長が新型コロナ対応サプライチェーンの安全性について説明

Apple(アップル)は米国時間5月14日、2020年のサプライヤー責任進捗報告書を公開した。Sabih Khan(サビ・カーン)オペレーション担当上級副社長は報告書中の書簡で、世界中のサプライチェーンにおける安全と保護に関する取り組み強化に向け同社が策定した計画の概要を詳述した。

カーン氏が2019年に現職に就任してから公に何かを発表するのは筆者が知る限りこれが初めてだ。この書簡ではアップルの従業員とサプライチェーンメンバーの「安全で健康的な職場に対する権利」を確保するためのアップルの取り組みについて説明している。

世界で最も優れた家電メーカーであり、ポールポジションに位置する企業として、アップルの取り組みと姿勢は明らかに、いわばつぶさに見られている。アップルの施策は世界中に展開する他の製造業者の手引きとなるだろう。

カーン氏はアップルのサプライヤーにまず感謝し、何千人もの従業員がサプライヤーと協力して事業を継続する計画を立てたと述べている。その計画は、各国の健康に関する推奨事項と新型コロナウイルス(COVID-19)の拡散緩和に関する普遍的なルールを考慮して策定された。

サプライヤーの工場で実施された施策は次のとおりだ。

  • 健康診断
  • 密度の制限とソーシャルディスタンス(社会的距離)の厳格な順守
  • 作業中および共有エリアの両方で個人防護具の使用を義務付け
  • ディープクリーニングプロトコルの実施
  • マスクと消毒剤の従業員への配布

アップルはまた、必要に応じてサプライヤーの工場のフロアプランを再設計・再構成した。社会的距離の確保のために時差勤務シフトなどの柔軟な労働時間も導入している。

アップルは自社のサプライヤーに対して実施したさまざまな安全保護の施策実行に加えて、業界全体のスタンダード確立に向け、NGOや他の組織に同社の計画を共有した。

「我々はあらゆるもののなかで人を第一に考える。そして我々と一緒に働くすべての人に同じことを求める。最高の基準を維持したいと考えるからだ」とカーン氏は書簡で述べている。「当社のサプライヤー行動規範は、あらゆる種類の差別やハラスメントを防ぎ、サプライヤーの従業員が匿名で声を上げられる通報手段を提供する。我々はサプライヤーと提携して教育と訓練の機会を創出している。大学の学位取得プログラム、職業訓練イニシアチブ、健康増進プログラムなどを提供し、従業員が新しいスキルを学び、目標の達成に向けて取り組めるようにしている」。

アップルのサプライヤー報告書は例年2~3月に公開されるが、報告書で新型コロナウイルス対応の詳細を発表する前に、まず保護対策の計画・実行に時間をかけたかったという。

「新型コロナは前例のない挑戦となったが、同僚、友人、隣人の健康を改めて大切に思う人間愛から希望とインスピレーションを得た。自分と他人の健康を思う気持ちは我々がいつも持てるものだ。人と地球を守る我々の取り組みに終わりはないかもしれないが、この先に最高に明るい未来が待っていると今ほど確信したことはない」。

2020年のサプライヤー報告書は、サプライチェーンの従業員5万2000人へのインタビューに基づいている。現在49カ国のサプライヤーを監査しており、2018年の30カ国から増加した。2019年の監査は合計1142件だった。アップルの廃棄物ゼロプログラムは、サプライチェーンからの炭素排出量と廃棄物を削減するために2015年に導入された。報告書によるとこのプログラムは現在、すべての主要製品の最終組み立て、検査、包装工程に統合されている。アップルは2019年に130万トンの廃棄物の埋め立て地行きを回避し、製造工程から出る水の40%(約94億ガロン=427億リットル)を再利用した。

カーン氏の書簡の全文は以下のとおり。

健康が第一です。 今も、いつでも。

世界中の人々が新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックに伴う多くの困難に直面する中、地球を守り、あらゆる人々に尊厳と尊敬をもって接することの重要性を再認識しました。これは我々の意思決定すべてに反映されている価値観です。

サプライヤー責任進捗報告書は、そうした理念をどの程度実行に移したのか、進捗状況を振り返っています。しかし、私はまず、グローバルサプライチェーンにおいて今、新型コロナという前例のない挑戦に対処し、人々が安全に仕事に戻れるよう、我々がどう行動しているかについて共有したいと思います。あらゆる人々に安全で健康的な職場に仕事に戻る権利があるからです。

パンデミックによって影響を受けなかった国はありません。新型コロナによる複雑かつ急速に変化する影響を乗り切るにあたり、世界中のすべてのサプライヤーのコミットメント、柔軟性、チームへの配慮に感謝したいと思います。我々は当初からサプライヤーと協力して、人々の健康を最優先する計画を策定し、実行してきました。何千人ものアップルの従業員が、世界中のサプライヤーと協力してその計画を実行するために精力的に取り組んできました。

これは何よりもまず、健康診断、密度の制限、工場における社会的距離の厳格な順守など、各国の状況に適したさまざまな保護策について世界中のサプライヤーと協力することを意味します。作業中およびすべての共用エリアの両方で個人保護具の使用を義務付け、ディープクリーニングプロトコルを実施しマスクと消毒剤を配布するためにサプライヤーと協力してきました。

また、当社のチームはサプライヤーと提携し、必要に応じて工場のフロアプランを再設計および再構成し、人間同士の距離を最大化するため、時差勤務シフトを含む柔軟な労働時間を設定しています。我々は、最先端の医療およびプライバシーの専門家と緊密に協力して、高度な安全衛生プロトコルを開発し続けます。

サプライチェーン全体でツールを開発しベストプラクティスを実行するにあたり、業界内外で得た知見を共有しています。我々が何者であるかを長く定義してきた価値が、新型コロナによって弱められることはありません。その価値は我々がお互いやこの惑星に対して負っている責任に根ざしています。

今年のサプライヤー責任進捗報告書では、こうしたことを実現するために2019年に取り組んだことについて説明しています。100%再生可能エネルギーへ移行することであっても、職場での権利について何百万人もの従業員に周知することであっても、事業のすべての側面に当社の価値観を適用します。そして毎年、サプライヤーも順守を求められる基準の水準を引き上げています。

我々はあらゆる事のなかで人を第一に考えます。そして我々と一緒に働くすべての人に同じことを求めます。当社のサプライヤー行動規範は、あらゆる種類の差別やハラスメントを防ぎ、サプライヤーの従業員が匿名で声を上げられる通報手段を提供します。我々はサプライヤーと提携して教育と訓練の機会を創出しています。大学の学位取得プログラム、職業訓練イニシアチブ、健康増進プログラムなどを提供し、従業員が新しいスキルを学び、目標の達成に向けて取り組めるようにしています。

我々は実現したこと、していないことに関して進捗状況を報告し、透明性の確保に努めています。この報告書は、サプライチェーンの5万人を超える従業員へのインタビューと、抜き打ち監査を含む49カ国1000以上のサプライヤー工場監査に基づいています。当社の製品に注ぐのと同様の細部と革新への注意が、この報告書だけでなく、我々の世界中のサプライヤーネットワークが確実に基準を維持するための作業にも反映されています。

我々全員が共有する環境は壊れやすいものです。気候変動との戦いや排出量の削減にこれまで以上に力を注いでいます。戦略的パートナーシップを通じて、当社のサプライヤーは二酸化炭素排出量を削減し、水やエネルギーなどの貴重な資源を節約に貢献しています。グリーンマニュファクチャリングはスマートマニュファクチャリングであり、より広く言えば、環境に良いものはビジネスにも良いことを理解しています。

新型コロナは前例のない挑戦となりましたが、同僚、友人、隣人の健康を改めて大切に思う人間愛から希望とインスピレーションを得ました。自分と他人の健康を思う気持ちは我々がいつも持てるものです。

人と地球を守る我々の取り組みに終わりはないかもしれませんが、この先に最高に明るい未来が待っていると今ほど確信したことはありません。

サビ・カーンはアップルのオペレーション担当上級副社長です。

サビは、サプライヤーに関する責任を含むアップルのグローバルサプライチェーンをリードしています。

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(翻訳:Mizoguchi

Foxconnの利益が新型コロナによる工場閉鎖で90%近く落ち込む

決算報告のシーズンがひと段落して、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックが企業経営にもたらした深刻な影響がよりはっきりわかるようになってきた。台湾の製造業大手であるFoxconnも、前四半期が散々な結果になった企業の1つだ。主に中国における工場の閉鎖で、利益は前年同期比で90%も落ち込んだ。

Foxconnは3月の時点で既に、投資家たちに凶報を予告していた。そのとき同社は、年度の業績に関する明確なガイダンスを提供できず、それをウイルスという前例のない不確定要素のせいにした。当時、会長のLiu Young-Way(劉揚偉)氏は「アウトブレイクの防止、仕事と生産の再開が弊社のプライオリティの最上位にある」と語っている。

それから2カ月になるが、不確定性は残っている。劉氏は今週行われた発表で「1年の展望に関しては未知の部分が多い。現状では2020年後半に関する展望を提示できない」と述べている。しかし劉氏は、次の四半期における売上の減少は、今期よりはるかに小さいだろうとも語っている。

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このやや明るい見通しは、主に中国の工場の多くが2020年1月後半の閉鎖の後、通常の生産を再開していることによる。Foxconnの生産能力の約3/4は中国にある。ただし、多くの企業でスマートフォンの売上が低迷すると予想されるため、Foxconnのサービスへの需要も減少により、理想の数字にはならないだろう。

Foxconnの大型クライアントの1つであるApple(アップル)は、消費者の需要とサプライチェーンの不足により、同社の次期フラグシップモデルのリリースを遅らせるといわれている。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

有望な新型コロナ抗体を米Sorrentoが発見、実験室では100%の効果と発表

カリフォルニアの新治療法研究企業、Sorrento Therapeuticsは新型コロナウイルス対策の突破口となる可能性のある物質を発見したと発表した。この物質はパンデミックの原因となっているSARS-CoV-2(COVID-19)ウイルスに対して臨床前実験で100%の感染阻止の効果を示したという。

5月15日にSorrentoは前臨床研究の論文を発表し「4日間にわたる培養で健康な細胞へのSARS-CoV-2の感染を100%阻止する抗体を発見した」と報告した。論文は前臨床研究の報告であり、まだ専門家の査読を受ける必要がある。これはインビトロ(「試験管内」という意味)の研究で、臨床前のものだが、有望な発見だ。SorrentoはさらにSARS-CoV-2ウイルスが変異しても有効な抗体の「カクテル」の開発を進めるという。

SorrentoによればSTI-1499と呼ばれる抗体が候補物質の中で際立った効果を示したのだという。同社は広汎なヒト抗体ライブラリーを持ち、数十億の候補をスクリーニングした。SARS-CoV-2ウイルスはスパイク状のタンパク質を標的細胞の受容体に結合させて細胞に侵入する。STI-1499はこの結合作用を完全にブロックする能力がみられた。つまり、ウイルスがヒトの健康な細胞に感染するのを阻止できるわけだ。

現在、Sorrentoは新型コロナウイルス治療薬を開発中だが、STI-1499は細胞への感染阻止に高い有効性があるため、この「カクテル」に含まれる最初の抗体の候補だという。「カクテル」と呼ばれるのは治療薬はウイルスが細胞と結合するのをブロックする効果のある多数の抗体を含むことになるからだ。これはウイルスがヒトからヒトへの感染ないし特定個人の体内で変異を起こしても効果が持続することを狙っているためだ。

実際、研究者が現在答えを求めている最大の問題の1つは、SARS-CoV-2変異原性だ。例えば普通の風邪のワクチンや抗ウイルス薬の開発が困難なのは、原因となるコロナウイルスが急速に変異する傾向を示すためだ。

Sorrentoが開発している抗ウイルスカクテルのCOVID-SHIELDは、さまざまな変異株に対しても効果があるよう多数の抗体をミックスさせたもになるはずだが、同社ではSTI-1499を単独の抗体として使用する研究も進めるという。Sorrentoは、STI-1499の実用化を加速するためにFDA(米国食品医薬品局)と協議中だとしている。またFDAの使用承認の取得を進める一方で、投与100万回分を生産する準備も進めている。

ただしSARS-CoV-2(COVID-19)を根絶できる「魔法の弾丸」となるようなワクチンや特効薬が、すぐに登場する可能性はほとんどないことに留意しておく必要があるだろう。そうではあっても、これは非常に有望な発見であり、今後の臨床試験の結果や使用承認のプロセスに注目していくべきだろう。

画像クレジット:Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

米国の2020年Q1におけるゲーム売上高が過去最高、新型コロナ外出禁止で需要増

調査会社NPDが発表したデータで、皆が既にわかっていた事実が確認された。ゲーム会社にとって2020年第1四半期はとてもいいものだった、という事実だ。レポートによると、2020年1〜3月期の米国におけるビデオゲーム売上高は過去最高の108億6000万ドル(約1兆1600億円)で、95億8000万ドル(約1兆300億円)だった2019年同期から9%増となった。

主要因は、お察しのとおり新型コロナウイルス(COVID-19)だ。外出禁止令が国家、州レベルで出され、人々はビデオゲームをすることで現在も続いている日々の恐怖に対処している。本当にたくさんのビデオゲームだ。

NPDのMat Piscatella(マット・ピスカテーラ)氏が、我々が持っている疑念に次のように答えてくれた。「このタフな時期に、ビデオゲームは多くの人に安らぎとつながりをもたらしている。家で過ごすようになるにつれ、人々は気晴らしや現実逃避としてだけでなく家族や友達とつながる手段としてゲームをするようになった。コンソール、モバイル、PC、VRに関係なく、第1四半期のゲームの使用と売上高は成長した」。

またこの成長には、多くの消費者が楽しんでいるゲームタイトルも部分的に貢献している。すでに任天堂が発表したとおり、「Animal Crossing(どうぶつの森シリーズ)」が発売後最初の四半期としては同社史上最高の売上を記録した。これは供給問題にもかかわらずSwitchの売上にも貢献した。「Animal Crossing」は外出禁止令が出たちょうどのタイミングにリリースされ、競合するタイトルもさほどない中で前向きなソーシャル体験のようなものをもたらした。

実際にSwitchの成功は他のプラットフォームの不足を補った。Microsoft(マイクロソフト)とSony(ソニー)が次世代コンソールで年末までに巻き返しを図るのは間違いないだろう。しかし当面は、多くの消費者がXboxやプレイステーションに金をつぎ込むホリデーシーズンが来るまで現状を維持することが予想される。米国で急上昇している失業率もまた間違いなくゲーム業界の収支に影響を及ぼすだろう。

画像クレジット: Jasmin Merdan / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

テスラは延長された在宅命令を無視して工場を再開させる計画だった

米国時間5月8日の金曜日にアラメダ郡保健担当官のErica Pan(エリカ・パン)博士は、Tesla(テスラ)はカリフォルニア州フリーモントの工場を再開するための許可をまだ与えられていないと、ビデオストリーミングで開催されたタウンホールミーティングで語った。

郡の延長された在宅命令に抗してテスラは、金曜日には工場を再開する計画を立てていた。

テスラはTechCrunchが確認できた5月7日の木曜日に従業員宛に送られた内部メールの中で、アラメダ郡にあるフリーモント工場の「限られた操業」を再開する計画であると記していた。テスラの決定は、アラメダ郡の在宅命令と直接対立するものだ。

パン博士によればアラメダ州の保健当局と郡当局はテスラと協力して、再開のための安全計画を見直しているという。「私たちは彼らに待つようにお願いしている」と彼女は付け加えた。

テスラはコメントのリクエストに応じていない。

従業員には、CEOのElon Musk(イーロン・マスク)氏からのメールと、会社の人事部長であるValerie Workman(バレリー・ワークマン)氏からのメールの2通が届いていて、どちらも工場が早ければ金曜日に再開することを示していた。再開の決定は、製造業は操業を再開できると木曜日に語ったカリフォルニア州知事のGavin Newsom(ガビン・ニューサム)氏による新しいガイドラインに基いたものだった。ただしニューサム知事のガイダンスには、地方自治体はより制限的なルールを維持できるという警告も含まれていた。

アラメダ郡は、他のいくつかのベイエリアの郡や市とともに、2020年5月末まで続く改訂版在宅命令を発令した。これらの改訂された命令は、いくつかの制限を緩和している。ただし、製造業への命令は解除されなかった。

以下は、あるテスラの従業員からTechCrunchに送信された電子メールのスクリーンショットだ。

テスラの内部メール(5月7日)

画像クレジット:Kirsten Korosec

2020年5月8日より、フリーモント工場で限定的な作業を再開します。
具体的な開始日と時間の詳細については、上司または人事部からEメールまたは電話で連絡があります。また、ネバダ州とニューヨーク州にある当社のギガファクトリーも、それぞれの州の認可を受けて限定的な操業を開始しました。同様にセールス、サービス、配送、エネルギー事業も州ごとに徐々に再開しています。

パン博士ならびにベイエリア周辺のその他の郡の保健当局は、制限を緩めることによる影響がないことを確信できるまで、テスラのような企業が待ってくれることを希望している。また企業がベストプラクティスに従っていることを確認するために、ビジネスの再開を計画するための適切な時間をとれていることを確認したいと考えている。

「私たちは郡内の各施設に、地域の健康秩序が守られていることを伝え、最初の制限解除を行った後に何が起こるかを確認するために、もう1週間ほど待つことを本当に求めているところです」とパン博士は語った。

アラメダ郡保健局は、テスラに対して「経済とコミュニティのさまざまなセクターの安全な再開を段階的に進めるために、成り立たなければならいすべての条件」を通知したことをTechCrunchに伝えている。

郡の命令に記載されている制限基準を満たしていないビジネスは、再開することができない。

「テスラはこれらの基準を満たしていないため、再開するべきではないことを通知されています」と郡保健局の広報担当者はメールで述べている。「私たちは、テスラの再開計画に関する積極的な取り組みを歓迎しています。再開の基準に適合すれば、彼らは従業員とコミュニティ全体を保護する方法とともに再開することができます」。

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画像クレジット: Mason Trinca for The Washington Post / Getty Images<

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(翻訳:sako)

新型コロナ禍の中でカリフォルニアは大統領選挙に向け住民の安全のために郵便投票を採用

米国時間5月8日、米国カリフォルニア州知事のGavin Newsom(ギャビン・ニューサム)氏は、11月の大統領選挙に向けて登録済有権者全員に郵便投票用紙(未訳記事)を発行すると発表した。ニューサム氏はこの決定を、他のカリフォルニア州機関と調整の上、行政命令として下した。

この命令は、すべての郡の選挙担当者に、有権者へ郵便投票用紙を提供することを要求するものだが、同時に障碍者、住所をもたないホームレス、英語以外の言語での投票資料を必要とする人たちのために対面式投票所の設置も設定することも求めている。

カリフォルニアは、郵便投票州になりました。
登録されている有権者の皆さまに、11月の選挙のための郵便投票用紙が送られます。
安全な対面投票オプションも提供します。
投票権は私たちの民主主義の基盤です。その権利を行使するために健康を危険にさらすことを強いられてはなりません。

命令によれば、対面投票を可能な限り安全にするために、知事は州務長官およびカリフォルニア州議会と調整を行う。カリフォルニア州では、州務長官が選挙の最高責任者であり、投票設備、セキュリティ、そしてアクセシビリティの監督を行っている。

Alex Padilla(アレックス・パディラ)州務長官はこの決定について「全登録有権者に投票用紙を郵送することで、カリフォルニア州は新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックに対応する国内で最初の州になります」と語った。「私たちは今年11月の選挙で、アクセスしやすく、安全で、安心な選挙を提供するという義務を果たします。登録されているすべての有権者に、郵便で投票用紙を送ることは賢明な方針ですし、この新型コロナウイルスパンデミック期間で行うこととしては絶対に正しい行動です」。

11月の選挙が迫る中、パンデミックの真っ最中の総選挙が突き付ける独自の課題に、各州は迅速に対応しようとしている。この先投票システムを再考できない州に起き得る混乱を、既に行われた予備選挙戦が予め示したからだ。特にウィスコンシン州では、長い列と混雑した投票所が報じられた。他の多くの州が予備選挙を遅らせて(未訳記事)時間を稼ぐ中、ウィスコンシン州は健康専門家からの警告と有権者からの懸念にもかかわらず、当初の日程で対面投票を進めたのだ。

一部の政治家(特にトランプ大統領はその筆頭)たちは郵便投票を党派的な問題だと片付けようとしているが、現実には、赤い州(共和党支持が多い週)と青い州(民主党支持が多い州)どちらの選挙担当者も、11月には投票用紙を住民に郵便で送ることを検討している。

オレゴン州、ワシントン州、コロラド州、ユタ州、ハワイ州では、すでに郵便投票を主要な投票手段として安全に利用しており、これらの州(ならびに不在者投票を認めている他の州)での投票者の不正行為は、統計的に無視できる程度のものである。

関連記事:Vote-by-mail should be having its moment.Will it?(郵便投票が、いままさに脚光を浴びるのか?、未訳記事)

画像クレジット: Getty Images

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(翻訳:sako)

新型コロナは世界をどう変えるか? Parliaでならそれがわかる

Is Greta Thunberg a hypocrite?(グレタ・トゥーンベリは偽善者か?)」とググると、何千もの結果が得られる。それは、インターネットの上では「Q&A」というモデルがほとんど壊れていることの証明だ。かつてはYahoo AnswersやQuoraが、Web 2.0の「Read/Write Web(リード/ライトウェブ)」の若き希望の星ともてはやされたが、今は大量の検索結果のカオスがあるだけだ。率直にいって、Q&Aを革新しようと試みた人は多かった(「Mahalo」を覚えている人はいるかな?)けど、成果は乏しく、多くがゾンビサイトになってしまった。

でもよく見ると、何かに気づくだろう。Parliaというサイトが、「グレタ・トゥーンベリは偽善者か」の検索で3位に登場する。しかしParliaは、2019年10月にステルスでローンチしたばかりだ。ではなぜ、検索で上位にヒットするのか?

このQ&A分野の新人は最近、Bloomberg BetaやTiny VCなどからのシードラウンドを完了した。資金の額は公表されていない。

創業者で元ジャーナリストのTuri Munthe(トゥリ・ムンテ)氏によると、Parliaは「オピニオンの百科事典」を目指している。

ムンテ氏は「Parliaは一種のWiki(参加型共同編集サイト)であり、ニュースや現在行われている議論に対するすべての視点を整理し紹介する。神は存在するか? や、メッシは本当にロナルドよりも優れているのか? といった永遠の疑問も扱う。サイトの構築の仕方とその目標は、今日の社会の分極化や暴言、情報の引きこもり蛸壺化を解決することだ」と語っている。

Q&Aサイトの多くは、X対Yという対立項が登場して理性的な議論を進めるが、Parlia(議会、討議場)はすべての意見を整理しながら載せる。地球平面説も排除しない。規範的であるよりも記述的(ありのまま)を目指し、QuoraよりもWikiに近い。前者は、自分をエキスパートとして売り込もうとする人が多い。

Parliaのサイトはすでに活気がある。今の時代にとても合ってるような気がする。

現在、上位の話題は「How to stay healthy during quarantine at home?(家に隔離されていて健康を維持する方法)」や「What are the effects of spending long periods in coronavirus isolation?(新型コロナウイルスで長期間孤立したときの影響)」、「Will the coronavirus crisis bring society together?(コロナウイルスの危機は社会をまとめるだろうか?)」などだ。ユーザーは議論を静観したり、関心を示さなかったり反論したりとさまざまだ。

「2016年に、政治的コンセンサスの時代は終わったと気づいた。英国のEU離脱をめぐって大量の言葉が氾濫したが、離脱に賛成し反対する理由は、どちらもせいぜい片手で数えられるぐらいしかない」とムンテ氏はいう。

Brexitのような国を分かつような大きな問題でも、それをめぐってごく少数の有限の数の議論しかないため、あらゆることについてそうだろうと彼は考えた。だから例えば銃規制や避妊の是非、新型コロナウイルスへの対応、AIの脅威などなどの問題でも、すべての議論をマップに落とせるはずだ。

しかし、何のためにそんなことをするのだろうか? もちろんそれ自体が良いことだし、人びとが自分以外の人びとの考えを理解し、世界中の意見の分布や構成も理解するだろう。

ビジネスモデルには事欠かない。広告を載せられるしスポンサーもつく、会員制や寄付もありうる。また、データそのものが売れる。やり方が正しければ、文字通り意見や考え方の世界地図が得られるだろう。

ムンテ氏は、ユーザーはすべてGoogle検索からやってくると考えている。そしてParliaの「メディアとしてチャンスの総量は月間ページビュー換算で1億にはなる」という。

共同創業者のJ. Paul Neeley(ジェイ・ ポール・ニーリー)氏は英王立美術院の元教授で、ユニリーバのサービスデザイナーや英国内閣府も経験している。ムンテ氏自身は、メディアのエコシステムにおけるシステム的な問題をしばらく研究していた。最初はレバノンで小さな雑誌を創業し、2003年にはイラク戦争を報道、その後ネット上の写真代理店であるDemotixを創業してエグジット、次いでメディアにフォーカスするVC North Base Mediaを立ち上げた。

商業化すると、偏向が生じる恐れもある。しかしムンテ氏は「政党とは絶対に仕事をしないし、独自の倫理顧問委員会を設ける。しかし多様な意見のマップを知ることは、マーケティングリサーチや、さまざまな研究機関の役に立つだろう」という。

というわけで、Parliaのサイトでは「How coronavirus will change the world(新型コロナウイルスで世界がどう変わるか)」ということもわかるのだ。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

グーグル子会社スマートシティ開発のSidewalk Labsがトロント事業から撤退

Sidewalk Labs(サイドウォーク・ラボ)はトロントのプロジェクトから撤退する。同社が米国時間5月7日、短い声明文で発表した。

「2年半にわたり、キーサイド地区開発の実現に情熱を注いできた。実際、我々はウォーターフロントにスタッフ30人を擁するオフィスを置くなど、時間や人材、リソースをトロントに投資してきた」とSidewalk Labsの最高責任者であるDan Doctoroff(ダン・ドクトロフ)氏はブログに書いた。「しかし前例のない経済不透明性が世界やトロントの不動産マーケットを覆っていて、真に包括的で持続可能なコミュニティを構築するためにWaterfront Torontoとともにこれまで練り上げてきた計画の根幹部分を損なうことなく12エーカー(約4万8500平方m)のプロジェクトを財政的に存立させることが極めて困難になった」。

Sidewalk Toronto(サイドウォーク・トロント)には多くの新テクノロジーをテストする場としての役割があった。未来の都市をいかに構築(または再構築)するか、その中心にデータ収集を据えたやり方で都市インフラを作り直すためのものだ。初めからプロジェクトは全監視システム問題の壁にぶつかった。この問題は、Sidewalk Labsが親会社のGoogleとデータを共有するという事実によりいっそう大きなものになった。

トロントのプロジェクトを棚上げするという決断はSidewalkにとってかなりの逆風となる。しかし新型コロナウイルス(COVID-19)による世界経済の後退を考えた時に予想されるべきことではあった。

「このプロジェクトの継続は止めたが、現在の衛生的な危機で将来のために都市を再設計することの重要性を認識した」とドクトロフ氏は声明文に書いている。「我々が過去2年半築いてきたアイデアは都市が抱える大きな問題、特にアフォーダビリティと持続可能性における取り組みに大きく貢献すると確信している。これは必要不可欠な社会的努力であり、Sidewalk Labsはそこに貢献するために取り組みを続ける」。

Sidewalk Labsはこれまで援助してきた、あるいはスピンアウトした内部イニシアチブのサポートを続けるとドクトロフ氏は述べている。ここには、次世代都市プラニングツールのReplica、 Sidewalk Infrastructure Partners、インフラ投資ファンド、都市コミュニティでのヘルスケアサービスを再設計する試みCityblockなどが含まれる。

Sidewalkはまた、これまで支援してきたロボティック家具のOri Systems、リサイクル企業のAMP Robotics、電気のモニター、管理ツールであるVoltServerのサポートも続ける。

Sidewalkはこれまでに、高層ビル向けの新たな建設材料や都市開発のためのデザインツール面で画期的な成果を出してきた。

「キーサイド地区のプロジェクトは我々にとって重要なものだった。今回の決断は難しかった。このプロジェクトに関わった多くのトロントの人々、そしてコミュニティグループや市民リーダー、地元の住人から受けたサポートに感謝している」とドクトロフ氏は書いた。「Sidewalk Labsはトロントの多様性、成長、チャンスに惹かれ、その思いはステップを経るごとに確たるものになった。トロントは、テクノロジーにおけるイノベーションで世界の中心となっている都市の1つであり、今回の決断はその事実を打ち消すものではない」。

画像クレジット:Sidewalk Labs

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(翻訳:Mizoguchi

Waymoが米国フェニックスでの配車事業を来週にも再開へ

新型コロナウイルス(COVID-19)の影響で3月末に事業を一時停止していたWaymoは、5月11日にアリゾナ州で配車ビジネスを再開すると発表した。

Waymoはサンフランシスコやデトロイト、ロサンゼルスなどの他の都市で事業を再開する前に「当社のチーム、パートナー、地元住民および州当局」との話し合いの結果、フェニックス地域で配車事業を再開することを決定したと述べている。

アリゾナ州での自宅待機命令は5月15日までだが、学識経験者は同州がまだ新型コロナウイルス拡大のピークに達していないとの懸念を示しており、州政府に協力していた一部の関係者は最近、予測やモデル化作業を「一時停止」するよう求められたと、ワシントン・ポスト紙に語っている。

同社の発表によると、これは「安全に事業を再開するための段階的なアプローチ」の第1段階であり、テスト車両から始まり、最終的には自動運転車による配車サービスであるWaymo Oneまでの提供を再開するという。

Waymoは地方自治体や州政府、米疾病予防管理センター(CDC)による安全ガイダンスに従っていると述べた。同社が実施した安全対策には、1人で車両を運転している場合を除き、車両内や施設ではフェイスマスクを着用することを従業員に義務付けることや、AutoNationとの提携により1日に数回車内を清掃することなどが含まれる。

またWaymoによると、最大キャパシティを制限したり、作業エリアにソーシャルディスタンスのガイドラインを取り入れたり、チームのための安全性と衛生トレーニングを作成したり、産業医療従事者と協力して施設に入る前に人々をスクリーニングしたりするとしている。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

シャオミやサムスンが新型コロナで停止していたインドでのスマホ生産を再開へ

Xiaomi(シャオミ)、Vivo(ビボ)、Samsung(サムスン)、Oppo(オッポ)、その他のスマホメーカーは、インド州政府からデバイス製造・組み立ての部分的再開が許可された。世界第2位のスマホ市場であるインドのデバイス製造プラントは2020年3月下旬から停止していて、国のロックダウンはまだ続いている。

スマホメーカーは、製造オペレーションを再開させる許可を得たと話したが、労働者数を制限しての操業など、いくつかの規制はまだ残っている(連邦政府は5月初めにスマホ生産再開を許可したが、規制を緩和できるだけ地域の状況が安全かどうかは最終的に州政府が判断する)。

連邦政府は5月初めに、スマホ生産再開を許可する数日前にロックダウンを2週間延長した。しかし、3月下旬に全土に厳重な外出禁止令を出してから停止していた経済活動を復活させるため、一部の規制を緩和している。

今週初め、連邦政府はeコマース企業や配車サービス会社に、グリーンゾーンとオレンジゾーンでの営業再開を許可した。これらのゾーンは新型コロナウイルス(COVID-19)感染が深刻でない地域で、全733地方のうち82%がグリーン、そしてオレンジとなっている。

Snapdragon 865で作動するスマホ Mi 10を含むさまざまなデバイスをインドで展開しているXiaomiは、需要に応えるための在庫は最大3週間分しかない、と5月初めに述べていた。

Xiaomiの副社長Manu Kumar Jain(マヌ・クマール・ジャイン)氏は5月8日、スマホメーカーとしてインドで2年にわたってトップシェアを占めている同社が、アーンドラ・プラデーシュ州にある契約企業Foxconn(フォクスコン)の施設で操業を再開すると述べた。

この件に詳しい情報筋は、Apple(アップル)の委託企業Wistron(ウィストロン)はバンガロールで操業を一部再開したとTechCrunchに語った。

インドで第2位のスマホメーカーであるVivoは、生産能力の30%で再開すると話した。同社の広報担当は「従業員3000人程度で生産を再開するだろう」と述べた。

Vivoと同様、Oppoもグレーター・ノイダにある施設で生産を再開し、従業員3000人がローテーションで作業すると話した。2018年に世界最大のスマホ工場をインドに開設したSamsungもその施設での操業を再開することを明らかにした。

「5月7日に工場は一部再開し、今後段階的に稼働率を上げていく。従業員の安全と健康が最優先事項であり、政府のガイドラインに沿った工場内の衛生とソーシャルディスタンシング(物理的距離の維持)を確認した」とSamsungの広報担当は話した。

新型コロナはいくつかの事業にかなり深刻な影響を及ぼしている。調査会社Counterpointによると、4月のインドでのスマホ販売はゼロだった。Counterpointはまた、インドのスマホ出荷台数は今年10%減を予想している。参考までに2019年のスマホ出荷は8.9%増、2018年は10%増だった。

上位スマホメーカーはすべて、インド政府の税優遇を受けるために自社プラントを設けるか、パートナー企業に委託してインドでスマホを生産している。

画像クレジット: Karen Dias / Bloomberg / Getty Images

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ウォーレン氏やサンダース氏を含む9人の上院議員が労働者の解雇でAmazonに公開書簡

マサチューセッツ州選出の民主党員Elizabeth Warren(エリザベス・ウォーレン)氏をリーダーとする9人の上院議員グループが今週、Amazon(アマゾン)のCEO Jeff Bezos氏宛に公開書簡を送り、最近の社員解雇に関する詳しい情報を求めている。その声明は、COVID-19と気候変動に関する同社のポリシーを強硬に批判した4名の従業員の解雇に言及している。

Bernie Sanders(バーニー・サンダース)氏とCory Booker氏、Kamala Harris氏、Sherrod Brown氏、Kirsten Gillibrand氏、Ed Markey氏、Richard Blumenthal氏、およびTammy Baldwin氏らが署名しているその書簡は、次のように述べている:

これら4名のワーカーが、彼らの解雇に先駆けて、Amazonの倉庫における労働者の健康と安全を護るために活動してきたことは、公開されている彼らの履歴において明らかであり、しかし他方には、「内規」への違反に関するAmazonの曖昧な公開声明があるのみである。これらの状況に鑑みわれわれは、その内規なるものが何であるかを正しく知るための、さらなる情報を求めるものである。

書簡は9つの質問を呈示し、BezosとAmazonに5月20日までの回答を求めている。上院議員たちが具体的に指摘しているのは、Christian SmallsとBashir Mohamed、Maren Costa、およびEmily Cunninghamの解雇であり、全員が同社のCOVID-19対応を公然と批判していた、としている。4名の内何名かは、彼らの解雇が内部告発と直接に結びついていると信ずる、と公けに声明しているが、Amazonはそれを断固否定している。

関連記事: アマゾンが従業員2人を追加解雇、パンデミック発生時の労働条件を批判

当時TechCrunch宛ての声明で同社は、「社員の労働条件を批判する権利を、弊社はすべての社員に認めている。しかしそれは、いかなる内規に違反してもよいとする無条件の免罪性を意味するものではない。これらの社員は、内規への違反を繰り返したために解雇した」、と言っている。

5月1日には副社長のTim Bray氏が公然と同社を去り、Amazonはまた一人社員を失うことになった。そしてその日には、国中のワーカーが労働条件をめぐってメーデーのストに参加した。

関連記事: AWSの上級役員で技術者のティム・ブレイ氏が従業員解雇に抗議してAmazonを辞職

Bray氏はこう書いている: 「Amazonの副社長として残ることは、自分が忌み嫌う行為を黙認することになる。だから辞めた。被害者は抽象的な実体ではなく本物の人間だ。名前もある。Courtney Bowden(コートニー・ボーデン)、Gerald Bryson(ジェラルド・ブライソン)、Maren Costa(マレン・コスタ)、Emily Cunningham(エミリー・カニンガム)、Bashir Mohammed(バシル・モハメッド)、Chris Smalls(クリス・スモールズ)だ。全員が非白人または女性またはその両方なのは、確実に偶然だ。そう思いたいね」。

上院議員たちの書簡は、同社における不平等に関するBray氏の懸念を反映するかのように、次のように問うている: 「Amazonでは、技術系労働者と倉庫労働者と役員が規律と解雇に関する同一のポリシーを有しているか?」。

上院議員たちがAmazonに圧力をかけようとしたのは、これが初めてではない。Sanders氏は同社の最低賃金(時給)を15ドルに上げる要求と活動のリーダー格になり、Warren氏は2020年の大統領選出馬にあたって、同社を(GoogleやFacebookなどと共に)分割すべきと主張した。

関連記事: Workers prepare to strike May 1, amid strained pandemic working conditions…パンデミックの労働条件悪化の中で労働者はメーデー参加を準備(未訳)

一方Amazonはこのところ、同社のコロナウイルスへの対応をめぐる論調にとても敏感になっている。Bezos氏の例年の株主宛書簡と同社の決算報告の両方で、それは大きく扱われている。今週初めには、倉庫労働者がまた一人、ウイルス検査で陽性になったあとで死亡した。また4月半ばには、Amazonの少なくとも74の倉庫で一部の労働者が陽性だった。

本誌は、書簡に関するコメントをAmazonに求めている。

画像クレジット: Erin Clark for The Boston Globe/Getty Images

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オバマ前大統領やレディー・ガガがYouTubeのバーチャル卒業式で来賓スピーチ

YouTubeは、新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックで卒業式を中止や延期された世界中の2020年卒業生を慰めるオンラインプラットホームの仲間入りをしようとしている。このストリーミングプラットホームは米国時間5月5日に来賓のリストを発表したが、それは確かにスター性という点において他のサイトを羨ましがらせるものだ。

6月6日に開催されるイベントでは、前大統領のBarack Obama(バラク・オバマ)氏と前ファーストレディーのMichelle Obama(ミシェル・オバマ)氏が参加する。また祝賀を述べる人たちのリストには、ミュージシャンのLady Gaga(レディー・ガガ)氏とBTS、活動家でノーベル賞受賞者のMalala Yousafzai(マララ・ユスフザイ)氏、YouTubeの親会社であるAlphabetのCEOであるSundar Pichai(サンダー・ピチャイ)氏、元米国務長官のCondoleezza Rice(コンドリーザ・ライス)氏、元CIA長官のRobert Gates(ロバート・ゲイツ)氏らが並んでいる。

関連記事: Facebook will stream a virtual graduation ceremony featuring Oprah and Miley Cyrus…Facebookのバーチャル卒業式はオプラ・ウィンフリーとマイリー・サイラスが来賓(未訳)

「特別出演」の中には超人気YouTuberやAlicia Keys(アリシア・キーズ)氏やKerry Washington(ケリー・ワシントン)氏らがいる。とにかく、めちゃくちゃ多様なスピーカーという点だけが売りだが、5月15日に開催されるFacebookのイベントよりも多くの人が集まるだろう。後者はOprah Winfrey(オプラ・ウィンフリー)やMiley Cyrus(マイリー・サイラス)をフィーチャーしている。

ライブのストリーミングは6月6日の太平洋時間正午(東部時間午後3時)に始まる

画像クレジット: MANDEL NGAN/AFP

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アップルのWWDC20は6月22日開幕、初のオンライン開催

話は3月にさかのぼるが、テック企業が次から次へとオンライン限定の年次イベントを発表する動きにApple(アップル)も加わった。世界中のイベント開催者が深刻化するパンデミックによる新たな現実を受け入れようとする中で、Apple上級副社長のPhil Schiller(フィル・シラー)氏は当時、「デベロッパーコミュニティに新たな体験をもたらし、世界中の数百万のデベロッパーにリーチする画期的な方法になる」ことを約束した。

アップルは米国時間5月5日朝、ソーシャル・ディスタンシング(社会的距離の維持)と外出禁止の最中に開催されるWWDCがどのようなものになるか情報を出した。年次開発者会議は6月22日に開幕する。既に示されていたように、イベントは iOS、iPadOS、そしてMacOSのデベロッパー向けのオンラインセッションで構成される。全デベロッパーが、Apple DeveloperアプリとApple Developerウェブサイトを通じて無料でカンファレンスに参加できる。物理的に集うことが制限されているためではあるが、こうした形でアップルがイベントを開催するのは、過去30年で初めてのことだ。アップルのサイトからアクセスできるようになることに、サンノゼマッケンナリーコンベンションセンターはもちろん青ざめているだろう。

プレスリリースの中で、シラー氏は不透明な時代に新たな方式を導入することについて、またもやポジティブな発言をしている。「WWDC20は世界の2300万人超のデベロッパーコミュニティが集う、これまでで最大規模のものになる。Appleプラットフォームの未来を学ぶために6月に1週間にわたって前例のない方法で開催される」と述べた。「グローバルのデベロッパーコミュニティと6月にオンライン上で顔を合わせ、デベロッパーがこれまで以上にすばらしいアプリやサービスを創造するのをサポートすべく現在取り組んでいる新たなツールを共有するのが楽しみだ」。

詳細はイベントが始まる半月ほど前に明らかになる見込みだ。アップルはまた、優秀者がWWDCノベルティをもらえるSwift Student Challengeを5月16日まで開催する。新型コロナウイルス(COVID-19)のために再調整された多数の他のイベントのように、アップルのような大企業のものであっても多少の不具合はあるかもしれない。そうだとしてもオンラインファーストの会議が、新型コロナの脅威が落ち着いた後に特例ではなく常態になるかどうか興味深いところだ。

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ニューヨーク市にあるAmazonの配送センターの従業員1名が新型コロナで死亡

今週初めにAmazon(アマゾン)は、同社のスタテンアイランドのフルフィルメントセンターのスタッフたちに、1人の従業員が新型コロナウイルス(COVID-19)で亡くなったことを告げた。このニュースは最初にThe Vergeが報じた。その従業員は4月初めに症状が現れ、4月11日に隔離された。彼は職場に戻ってこなかった。

スポークスパーソンはTechCrunchに対して「ニューヨークのスタテンアイランドの職場で1人の同僚を失ったことを、私たちは深く悲しんでいる。彼の家族と愛する人びとも今私たちの思いの中にいる。そして私たちは、彼の仲間の同僚たちも支援している」と語っている。

アマゾンによると、同社はスタテンアイランドの施設の個々の問題が直接関連しているとは考えていない。同社によると、その従業員は倉庫で働く他の従業員と接触していなかったという。

必須のサービスに分類されているアマゾンは、当地における在宅命令中でも操業停止していない。CEOのJeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏が保有するWashington Post紙は4月半ばに、アマゾンの少なくとも74の倉庫とフルフィルメントセンターでウイルス陽性の検査結果が出たと報じている。3月の終わりごろにはカリフォルニア州ホーソーンの同社施設で1人の従業員が、症状が出てから数日後にウイルスで死亡した

関連記事: ニューヨークの倉庫で働くAmazon従業員が新型コロナ陽性

同社は、従業員たちが自宅にいる消費者のために商品をパッケージして発送する際、ウイルスの拡散を防ぐための正しい保護対策を採っていないと批判されている。アマゾンは同社の声明とジェフ・ベゾス氏の株主宛書簡の両方で非難をきっぱりと否定し、同社は安全措置を講じておりアマゾンの従業員専用の検査施設を建設する計画だ、と述べている。

同社は3月半ばにスタテンアイランドのワーカーが検査で陽性になった後、ガイドラインの提供を開始した。しかし何人の従業員が検査で陽性になり、何人がウイルスで亡くなったのかは明らかでない。

関連記事: 米Amazonの6つの施設で新型コロナ患者が相次いで発生

同社は金曜日のメーデー抗議集会で標的になった著名なリテイラー数社のひとつだ。そして先日には、副社長のTim Bray(ティム・ブレイ)氏が、同社が複数の内部告発者を解雇したことに抗議して退社した

スタテンアイランドの大型施設JFK8は、ニューヨーク市にサービスを提供するアマゾンのハブだ。同施設はパンデミックの間に、アマゾンの複数の抗議活動の焦点になっていた。

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Airbnbは新型コロナで売上大幅減を予想する中、従業員1900人の解雇を発表

旅行者と宿泊先をマッチングする企業として知られるAirbnbは2020年5月5日午後、従業員の4分の1を解雇すると発表した。TechCrunchが確認したメモの中で、同社は売上の減少とコスト削減の必要性を挙げた。

AirbnbのCEOで共同創業者のBrian Chesky(ブライアン・チェスキー)氏が書いたメモには、同社の全従業員7500人の25.3%にあたる1900人が解雇される、とある。解雇は交通やAirbnb Studiosといった多くの内部プロダクトグループ、今後のための取り組みそして今後「縮小」するであろうHotelsとLuxに影響する。

TechCrunchとの電話の中でAirbnbは国ごとの解雇者数を明らかにはしなかったが、従業員解雇は「企業向け部門に多い」とメモには書かれている。同社は取り組みを縮小しつつ基幹のオペレーションにフォーカスし、実験的で費用のかかる試みを減らすようだ。

チェスキー氏の手紙によると、Airbnbは2020年の売上高が2019年の半分以下になると予想している。同社の2019年の売上高はおおよそ48億ドル(約5100億円)だった。

Airbnbはこれより前に、旅行業界に影響を及ぼしている新型コロナウイルス(COVID-19)のためにレイオフはあり得ると認めていた。同社は2つの10億ドル(約1070億円)の債券発行を含め、ここ数週間で資金を確保した。世界の身動きが取れなくなり、旅行者は足を止め、グローバルで旅行支出が激減する中、資金調達でいくらかの流動性を保てる。

この冬眠期間を生き延びられるようマーケットプレイスの需要と供給を健全に維持するために、Airbnbはユーザーがペナルティなしで予約をキャンセルできるようにし、ホスト側には経済援助を提供した。おそらく調達した資金の一部はこうした取り組みにあてられ、また同社が2021年まで健全運営できるだけの資金となる。

同社は以前、2021年のIPOを約束していた。2020年までに十分強固な経済基盤を持っていたため、多くの人が資金潤沢で時折黒字となっていたAirbnbは従来のIPOの代わりに直接上場を選ぶだろうと予想していた。それは今となっては昔のことだが、同社はメモの中で事業はすぐに「完全復活する」と予想している、と明記した。

そして疑問となるのが、その復活がいつになるのかということだ。同社は長い間、バリュエーションが大きく、資金豊富な典型的なシリコンバレーのユニコーンとされてきた。そして収益をあげ、好きなように上場できるだろうともいわれた。ここにはパンデミックなどは盛り込まれていなかった。

解雇される従業員は14週間分の給与を受け取り、さらに勤続1年につき1週間分の給与が加算される。同社はまた、保有期間12カ月未満の株式を持つ従業員がベスティングオプションを実行できるよう1年の縛りをなくす。加えて、米国ではCOBRAを通じた12カ月間の健康保険を、米国外では年内のヘルスケアを提供する。

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(翻訳:Mizoguchi

Lyftが仮想インターンシップの期間を短縮し給与削減

TechCrunchが入手した情報によると、Lyft(リフト)はインターンシッププログラムを12週間から8週間に短縮し、一部のインターンの給与を半分に減らし、さらに住宅手当を廃止した。また同社もインターンシップの期間短縮と、インターンの給与の一部削減を認めている。なお具体的にどの役割や部署が影響を受けるのかは明かされていない。

今回のインターンシップの変更は、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックの影響で、Lyftが約1000人の従業員を先週削減したものに続く。Uber(ウーバー)もレイオフを行っていると報じられているが、新卒者の募集が取り消されたかどうかについてはコメントを避けた。

テック業界の羨望の的となり、またしばしば華やかなインターンシップは、パンデミックの影響を大きく受けており、米国全土の企業はプログラムを完全にキャンセルしている。このような状況でも大企業の場合は、プログラムをある程度仮想化する余裕があるという独自の特権がある。3月にLyftは、Twitter(ツイッター)やGoogle(グーグル)のような他の大手テック企業と同様に、インターンシッププログラムを完全リモート化するとTechCrunchに伝えた。Lyftが苦戦を強いられている中、さらに保守的なアプローチが取られている。今は特典があるかどうかよりも、仕事のオファーがあるかどうかが問題だ。

インターンシップが重要なのは、新しい多様な人材が集まるからだ。そしてそのキャンセルは、将来の従業員の構成に対するリスクであり、また厳しい就職市場に参入する卒業生にとってはさらなる打撃でもある。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

AWSの上級役員技術者が社員の解雇に抗議してAmazonを退社

Amazon(アマゾン)では、メーデーのストライキに参加するために病欠をした労働者が多かったが、その中でTim Bray氏は、彼の同社での最後の日を過ごしていた。Amazon Web Servicesの副社長で「勲功技術者」(Distinguished Engineer)の称号を持つ」彼は今日(米国時間4/29)、5月1日はこのリテール大手における彼の最後の日であると発表し、批判的な発言をする社員をAmazonが解雇したことに言及した。

XMLの共同作者としていちばんよく知られていると思われるBray氏は、Amazonで5年あまりを過ごし、その前はGoogleとSunに在籍した。自分の記事の中で彼はAmazonを「これまでで最良の職場」と呼び、そのあとで、労働運動を組織したEmily Cunningham氏とMaren Costaly氏が解雇されたことを忍耐の限界と指摘している。

関連記事: アマゾンが従業員2人を追加解雇、パンデミック発生時の労働条件を批判

Costa氏とCunningham氏は、解雇がAmazonの環境に関する履歴やCOVID-19の危機の間における従業員の取り扱いを批判したことと直接関連していると述べているが、当然ながら同社はその関連を否定して、「われわれはこれらの社員を内規違反を繰り返したために解雇した」と言っている。

[Tim Bray: 金曜日はAmazonにおける私の最後の日だった。[サーバーがちょっとオーバーヒートしてるが、放っておこう。すぐ終わるから。]]

Bray氏はどうだったかというと、彼は公式のチャネルを通じて自分の懸念を述べたが、結局は辞めることになった、と言っている。

Bray氏はこう説明している: 「そうなった以上、Amazonの副社長として残ることは、自分が忌み嫌う行為を黙認することになる。だから、辞めた。被害者は抽象的な実体ではなく本物の人間だ。名前もある。Courtney Bowden、Gerald Bryson、Maren Costa、Emily Cunningham、Bashir Mohammed、Chris Smallsなどなど。全員が非白人または女性またはその両方なのは、確実に偶然だ。そう思いたいね」。

関連記事: Workers prepare to strike May 1, amid strained pandemic working conditions…パンデミックの不当な労働条件で5月1日に労働者たちがストを計画(未訳)

Bray氏の記事は、彼が役員として仕える企業の公正でない権力構造の告発だ。その記事は主に、全世界のAmazonの倉庫における措置にフォーカスしており、COVID-19への対応と、同社が間違いなく一つの役を演じてきた後期資本主義に関する広義の不平や苦情の両方に関わっている。彼はその措置を、彼自身がそれまでいた事業部であるAWSと比較している:

私が働いたAmazon Web Services(同社の「クラウドコンピューティング」部門)は、それとは全然違う。そこは労働者を人間的に扱うし、ワーク/ライフバランスにも努め、ダイバーシティの針を動かそうと苦労している(ほとんど失敗だがでもどこでもそうだ)。そして、大体のところ、倫理的な組織だ。私はそのリーダーシップを心から賞賛している。もちろん、ワーカーたちには力がある。平均給与はきわめて高く、気に入らない者はその日のうちに別の会社で、同額かまたはそれより高い給与の仕事を得られる。

Amazonは、コメントを拒否した。

画像クレジット: ANGELA WEISS/AFP / Getty Images

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新型コロナウイルスに関するデマを暴くWhatsApp用チャットボット

WhatsApp(ワッツアップ)に何文字か書き込むだけで、新型コロナウイルス関連のデマを暴くことができるようになった。

ジャーナリズムを支援する非営利団体Poynter Institute(ポインター・インスティテュート)が、Facebook(フェイスブック)傘下のサービスであるWhatsAppで新しいチャットボットを公開した。これを使えば、世界中の人たちが、例えばこの感染症は中国・武漢の研究所から発せられたといったパンデミックに関する4000件を超えるデマの正体を暴けるようになる(武漢発祥の話は各方面で好まれている説だが、その主張を裏付ける証拠はまだ一般公開されていないため、今のところは虚偽とされる。念のためにいっておくが、ファクトチェック機関の言葉を引用したこのチャットボットは、そう示している)。

このチャットボットは、70以上の国々の100を超える独立系ファクトチェック機関が提供する情報に立脚している。Poyinter Instituteはそれを新型コロナウイルス(COVID-19)に関連するデマの暴露情報に関する最大のデータベースだといっている。このサービスは英語でのみ提供されているが、現在、ヒンディー語、スペイン語、ポルトガル語への対応に取り組んでいるところだとWhatsAppはいう。

チャットボットは次の方法でテストできる。連絡先に「+1 (727) 2912606」を登録して、「hi」と送信する。または、チャットボットの電話番号を連絡先に登録したくない場合は、http://poy.nu/ifcnbotをクリックする。

チャットボットに「hi」と送信し、「1」を送ると、チャットボットから新しいメッセージが届き、気になるキーワードまたは短い文章を入力するよう求められる。そして「origin(出所)」 や「garlic」(新型コロナウイルスにニンニクが効くという話は本当かを確かめたいとき)、その他の思いつく言葉を書いて送る(言葉を送ってから2、3秒待つと答えが返ってくるので、次の言葉を送るまで少し待とう)。

チャットボットはユーザーの国を特定し(モバイル機器の国番号を参照する)、その国に最も近いファクトチェック機関が審査した結果が示される。同時に、新型コロナウイルスに対処するための一般的なヒントも与えてくれる。

利用規約には、無料で24時間使えるとある。また、質問や調査機関やプログラムのパートナーからの回答とその他の対話を匿名化して集計し、共有する旨も書かれている。しかし「個人情報は絶対に共有しません」とのことだ。

IFCN(国際ファクトチェッキングネットワーク)のBaybars Orsek(バイバース・オーセック)氏は、声明の中で「毎月、友だちや家族とつながっていたい数十億人のユーザーがWhatsAppを頼りにしています。現在のような困難な時期には、すべてのプラットフォームで偽情報を広めて人々を惑わそうとする悪い人間が現れるため、ファクトチェック機関の仕事はこれまで以上に重要になります」と述べている。

この新しいチャットボットは、20億人以上のユーザーを擁するWhatsAppが、そのプラットフォーム上で偽情報が蔓延するのを防ごうと努力した最新の結果だ。この数カ月間、WhatsAppはWHOと協力して情報サービスを立ち上げたが、利用者は1日に100万人以上に達している。フェイスブックが所有するこのサービスはまた、各国の連邦政府や州政府とともに、感染症に関する信頼できる情報の提供も手伝っている。

WhatsAppは先日、メッセージの転送に新たな制限を加え、そのプラットフォーム上での転送量を大幅に削減し、さらに3月にはPoyinter InstituteのIFCNに100万ドル(約1億700万円)を寄付した。

画像クレジット:Jaap Arriens/NurPhoto / Getty Images

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(翻訳:金井哲夫)

3Dプリントで睡眠時無呼吸治療器具を新型コロナ用人工呼吸器に換えるアダプターを生産

米食品医薬品局(FDA)が、Formlabsの3Dプリント部品に緊急時使用認可(emergency use authorization、EUA)を認めた。この部品は、睡眠時無呼吸の治療に使われていた二相性陽圧呼吸(BiPAPマシン)を現在、強く求められている人工呼吸器に換えることができる。今週末にかけて、数十件もの人工呼吸器やそのアクセサリーに認可が下りた。

Formlabsはマサチューセッツ州サマービルの工場にある150台の3Dプリンターを動員してこの部品を製造し、全米の病院と地方自治体に配布することを計画している。

NorthwellHealth設計のニ相陽圧呼吸器用アダプターの3DプリントにFDAの緊急時使用認可が下りた。このアダプターを使って、睡眠時無呼吸症候群の患者が使用するBiPAPマシンを機能的な侵襲的人工呼吸器に換えることができる。

FormlabsのCEOであるMax Lobovsky(マックス・ロボフスキー)氏は、プレスリリースで「これまでの30年間、FDAの緊急時使用認可は片手で数えるほどしか下りてない。全国の病院がFormlabsの3Dプリンターを使って自分でアダプターを作ることができるし、感染がひどい地域では量産も可能だ」と述べている。

関連記事:3DプリンティングのFormlabsが米食品医薬品局の認可をもらって綿棒の量産へ

Formlabsだけでなく、数多くの3Dプリント企業が新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックに対応してアクションを起こしている。この前例のない状況が、3Dプリントならではのさまざまな技術的課題を作り出している。Formlabsは既にウイルス検査キットで使う綿棒を3Dプリントで製造することで貢献している。この他にもFormlabsはマスクシールドや、シュノーケルマスクを防護服に換えるアダプターも作っている。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

米国証券取引委員会が中小企業のクラウドファンディングによる資金調達の規制を一時緩和

米国の労働者たちが自らの命を守る医療の支払いにクラウドファンディングを使い始めたのと同じように、証券取引委員会(SEC)は中小企業に対して、米国政府の代わりに一般市民が彼らの命をつないでくれるかもしれないと語りかけている。

2度にわたる数十億ドル(数千億円)規模の経済刺激策が、表向きは支援の対象だったはずの中小企業にほとんど渡っていないことを受け、SECは報告義務に関する制限を撤廃し、クラウドファンディング登録の承認を加速すると発表した。これで大企業にも中小企業にも、キャッシュを手持ちにしている投機的投資家から資金を集める機会が生まれる。

クラウドファンディングを行うために、企業は投資家に対して、集まった資金を自社の存続と新型コロナウイルス(COVID-19)関連の支払いに使うことを明確に告知する義務があるとSECの発表文に書かれている。

「現在の環境下で、多くの歴史ある中小企業が必要な資金を必要な時に効率よく入手できない困難に直面している」とSECのJay Clayton(ジェイ・クレイトン)委員長が声明で語った。「今日の決定は、当委員会の中小企業資本形成諮問委員会などから受けたフィードバックに答えるものであり、差し迫った必要資金を時間内に提供しつつ、投資家にも適切な保護を与えることができる」。

声明によると、この暫定規則によって資金調達希望者は、クウラドァンディングを実施して10万7000ドル(約1140万円)から25万ドル(約2670万円)の資金を調達する際、財務諸表の監査が免除されるなどの特典を受けることができる。規約の一時緩和措置は2020年8月末に終了する。

画像クレジット:BRENDAN SMIALOWSKI / Staff / Getty Images

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook