Googleアシスタントが音声通話で予約を取ってくれる――マンハッタンのレストランでDuplexのデモに参加してきた

I/Oでのセンセーショナルな発表からひと月後、Googleはさらに改良されたDuplexを少数のジャーナリスト向けにデモした。場所はマンハッタンのイーストサイドの大型タイ料理店。Googleが新しいプロダクトのデモをするにはいかにも不似合いな場所だ。

テーブルは片付けられ、3脚ずつ3列、あわせて9人分の椅子が明るいディスプレイに面し、サイドのデスクが即席のコントロールセンターで、Google社員4人が配置されていた。ここでGoogleはI/Oのキーノートで発表され賛否の議論を沸騰させた新しいプロダクトDuplexをデモした。

I/Oカンファレンスが行われた陽光輝くマウンテビューのショアラインアンフィシアターとは180度雰囲気が違うニューヨークの高級タイ・レストランが舞台となったのには、しかし、十分に理由があった。GoogleはいよいよAIを駆使した音声ベースの予約アプリをデモした――レストラン、Thep Thaiのオーナーは「われわれは毎日100件からの予約を受けているのでこうしたアプリが登場するのは願ってもないことだ」と称賛した(Googleによればアメリのスモールビジネスの6割はオンライン予約システムを備えていないという)。【略】

秘密主義で名高いGoogleとしては、進行中のプロジェクトのベールを一部なりと外すのは珍しい。しかしDuplexにとって情報の透明性は成功のカギとなる要素だ。自動運転車と同様、この種のシステムは現実の世界で繰り返しテストされ、可能なかぎりバグを潰しておく必要がある。

I/OのキーノートでCEOのスンダル・ピチャイは「これからGoogleアシスタントが本当のヘアサロンに電話して予約を取るところをお聞かせする」と述べた。

(Googleアシスタント)ハイ、クライアントの女性のヘアカット、1名予約をお願いします。えー、5月3日はどうでしょう?

(ヘアサロン)オーケー、ちょっと待ってください。

(Googleアシスタント)アーハー…

〔下のビデオでは1:08あたりから通話が再生される〕

ここでカンファレンスの聴衆はジョークだと思って笑った。それから本物だと気づいて喝采した。実際、意味がわかっても信じるのは難しい。電話しているのはAIベースの純然たるロボットだ。それが「えー」と口ごもったり、「アーハー」と頷いたりできるとは。

実はこうした無意味な音声は言語学では非流暢性(speech disfluencies)として知られ、現実の発言で頻繁にみられる重要な要素と考えられている。Duplexの発言が驚くほど自然に聞こえるのはこうした非流暢性を巧みに利用している点が大きい。

またDuplexが相手の返事をはっきり理解できなかった場合にも非流暢性は役立つ。受付担当者が電話の声を聞き取れなかったり聞き違えたりすることは普通にある。たとえば「4人のグループの予約をしたい」と求める場合、「えー、席を4人分です」と表現を変えて言い直すことができる。ここで「えー」は自然さを増し会話を円滑に進めるために効果がある。

こうした細部がDuplexを正しく作動させる秘密となっている。これは私の体験からそうだと言える。実は今回のデモで私はタイ・レストランの受付係の役でGoogleアシスタントの電話を受けたからだ。I/Oでアンフィシアターの巨大スクリーンに写し出された会話も本物だった。さらに興味深いのは、この電話はぶっつけ本番だっただけでなく、電話をかけているのがGoogleアシスタントだとはヘアサロンも知らなかったことだ。Googleがヘアサロンに知らせたのは電話の後だったという。【略】

ただしGoogle Duplexテクノロジーが実用化されるためには、情報の透明性が必要だ。つまり自分が人工知能であること、会話は録音されていることをまず最初に開示しておく必要がある

Googleはプロダクトを紹介したブログにこう書いている。

会話が快適に進められるよう、〔Duplex〕テクノロジーは自然に聞こえねばならない。ユーザーにとっても店舗にとってもサービスの使用体験が快適であることが重要だ。透明性はこの点でもカギとなる。われわれは、ビジネス側がコンテキストを正しく理解できるよう、電話の意図、性質をできるかぎり明確にするよう努める。具体的な手法については今後数ヶ月かけて実験していく。

Duplexの透明性に関するメディアでの議論を受けて、Googleの担当者は「Duplexは情報開示機能を組み込んだデザインとする。これにより受け手がシステムの性質を正しく認識できるようになる。われわれがI/Oで紹介したのは初期段階のテクノロジーのデモであり、今後は各方面からのフィードバックを取り入れながらプロダクトに仕上げていく」と付け加えている。

現在のDuplexの通話はこのような形式でスタートする。

ハイ、私はGoogleアシスタントです。クライアントに代わって予約の電話をしています。これは自動通話で録音されています。

Duplex自身はAIだと名乗っていないが、Googleアシスタントに馴染みがあればおそらくそう気づくだろう。ただし録音されていることは告げている。Googleでは音声、テキスト双方を記録し、品質の検証と今後の改善に役立てるとしている。

タイ・レストランでのデモでGoogleアシスタントの電話を受けたとき、最初の部分を繰り返させようとしてみた。騒々しいレストランなどで電話を取ったとき最初の情報開示部分を聞き落とすことは大いにあり得る。しかしアシスタントはかまわず予約内容に進んだ。つまり受け手が情報開示部分を聞き落とした場合、今のところ繰り返させる方法はない。ともあれ、現在の段階ではそのようだ。録音からオプトアウトしたい場合は電話を切るしかない。しかし常連客を増やすためにはあまり勧められない方法だ。

この点について、Googleのエンジニアリング担当アシスタント・バイスプレジデント、Scott Huffmanによれば「われわれは『オーケー、では録音しません』と言わせるメカニズムはもっている。ただ、具体的にどのようにすればよいか検討中だ。電話を切ればよいのか? 録音を破棄すればよいのか?」と説明した。

私も含めてデモに参加したジャーナリストはシステムをまごつかせようと全力を挙げた。アシスタントが午後6時の予約を取ろうしたので私は店が開くのは午後11時だと答えた。マンハッタンにはとんでもない営業時間の店がいくらもある。アシスタントは諦めて礼儀正しく電話を切った。

ここでDuplexの「聖杯」となるのは「予約のチューリングテスト」に合格することだ。Duplexが混乱すると Googleが用意した人間の担当者が引き継ぎ、いってみれば、飛行機を安全に着陸させる。人間の補助要員はDuplexのテストに常に付随する。Googleによれば誤解が手に負えないレベルに拡大しないよう、当分の間、Dupelxは人間が後見するという。この方式でどの程度の規模まで実験を拡大できるのか注目だ。

もっとも今回のデモではわれわれは誰もDuplexの後ろから人間の要員を引き出すことはできなかった。それでも現在のシステムの限界をいくつか知ることができた。たとえば、「最後の4桁を繰り返してください」と言うとアシスタントは電話番号を全部繰り返した。これは間違いではないが、やはり人間の会話の微妙なニュアンスを理解できていない。一方、メールアドレスを尋ねると、システムは「クライアントから〔メールアドレスを明かす〕許可を得ていません」と答えた。

GoogleによればDuplexは現在5件中4件は全自動でタスクを完了できるという。80%の成功率ならたいしたものだと思うが、Googleではさらに改良を進めている。【略】

DuplexはMacbookにオフィスの電話をつないだ間に合わせのシステムから始まって長い道を歩んできた。これはWaveNetオーディオと深層ニューラルネットワークの上で音声からテキスト、テキストから音声という変換を繰り返す複雑なプロセスだ。最初のデモはリアルタイムでこそなかったが本物だった。Duplexはさらに興味深いプロダクトに成長している。

好むと好まざるととに関わらず、Duplexは近々現実のものとなる。これを避けるには電話を使わないことしかないかもしれない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Google Cloudが古典的ファイルシステムを必要とするアプリケーションのためのストレージオプションを用意

Google Cloud Platform(GCP)のストレージオプションが、新たにまた一つ増える。そのCloud Filestoreと名付けられたサービスは、来月ベータでローンチするが、それは要するに、クラウド上の完全な管理を伴うnetwork attached storage(NAS)だ。これにより、ストレージに対して従来的なファイルシステムのインタフェイスを必要とするアプリケーションを、GCP上で動かせるようになる。

従来のようにストレージの利用インタフェイスとしてオブジェクトストレージやデータベースしかないGCPのような環境で標準的なファイルシステムを使いたければ、それ専用に恒久的に使うハードディスクを使ってファイルサーバーを急ごしらえするしかない。Filestoreはそんな面倒を取り除き、ユーザーが必要に応じて簡単にストレージを確保できるようにする。

Filestoreは、高スループット、低レイテンシー、そして高IOPSを約束している。料金体系はプレミアムとスタンダードの2種、そしてプレミアムは、1GB/月が30セントで、ストレージの容量にかかわらず700MB/sのスループットと30000IOPSを約束する。スタンダードは1GB/月が20セントで、パフォーマンスは容量でスケールし、Filestoreに10TB以上を保存するまではピークパフォーマンスに達しない。

GoogleはFilestoreをロサンゼルスで行われたエンターテインメントとメディア関連のイベントでローンチした。その業界には、共有ファイルシステムを必要とする大量のエンタープライスアプリケーションがあり、またそのような種類のエンタープライスアプリケーションは、他のさまざまな業界にもたくさんある。

Filestoreベータは来月ローンチする。ベータ時点では、アップタイムの約束はなく、またベータを終えるETAもまだない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Googleがデスクトップの新しい画像検索をテスト中、検索結果がPinterestに似てるだけ?

ビジュアル検索の結果として言葉ではなく絵が欲しい人向けの、検索結果の提示の仕方は、Pinterestがスタンダードになってる。今やGoogleも、デスクトップ上の検索でPinterestに見習いたいようだ。

今テスト中の新しい画像検索では、絵が横ではなく縦に並ぶ(上図)。で、Pinterestみたいになる。画像の一つ々々にキャプションがつき、説明のバッジがつくこともある(“プロダクト”(製品〜商品)、“ビデオ”など)。

画像をクリックすると、さらに詳しい情報が得られ、たとえばその製品/商品をGoogle Shoppingの提携店で売ってて、画像もそのお店提供なら、在庫の有無や、その下の関連製品も含めてショッピングのリンクが表示される。

Googleはテストをしていることは認めたが、結果等については、今のところ何もお話できることはない、そうだ。

上記の買い物情報のような、画像をクリックしたら出る詳細情報もPinterestの真似だが、実はすでに昨年、モバイルのアプリにはそれが加わった。またAndroidの検索アプリはほぼ1年前のアップデートで機械学習を導入し、絵の中の品物を認識して、その関連アイテムを提案するようになっている。これまたPinterestの流儀だ。

今回テスト中のデスクトップ上の検索も、上述の、関連アイテムの提案をやるようになった。同じコンピュータービジョン技術が、デスクトップにも実装されたのだ。

場合によっては、今のGoogle画像検索と同じ横並びの結果が表示されることがある。それらの画像はやや小さくて、ひとつの列の中の数が多く、クリックすると大きな画像が黒の背景の上に表示される(下図下)。さらにクリックするとサイトへ行ったり、リンクの保存共有ができたりする。それもPinterest的だが、この場合、製品情報は出ない。これはGoogleの旧来のデスクトップ画像検索の様式であり、並んでいる小さな画像をクリックすると、黒い背景の詳細情報が出るのだ。

Googleのねらいは、検索結果ののルックスのアップデートだけでなく、検索体験全体の改造にあるようだ。その方針は二つあって、ひとつはエンゲージメント(参加、ユーザーが何かやること)やクリックを増やして動的な(アクションのある)検索にすること。もうひとつは、アクションの中でもとくに買い物を重視して、Google自身のeコマースを支援することだ。

中でも買い物は、これまでのようにAmazonやeBayなどへのリンクがあるだけでなく、Google Shoppingの提携店で在庫を調べたり買ったりできるのは、相当思い切ったやり方だ。しかも、モバイルが先、デスクトップは今やっとテスト、というモバイルファーストのやり方は、消費者のショッピング行動もモバイルが多くなりつつある現代を、すなおに反映している。ただしもちろん、高額商品などでは画面の大きなデスクトップが、コマース/オンラインショッピングにおいても依然として主流だから、無視はできない。

今年の初めにGoogleがモバイルでやった画像検索のアップデートのテスト(そのデスクトップ版のテストを今やってる)では、前記のように、結果の画像にバッジ(“レシピ”、“製品”など)がついたり、下にキャプションが表示されたりした。でもモバイルのそれらがそのまま、デスクトップの画像検索に導入されると、どうだろう?

6月下旬現在、デスクトップ上でテストを見ている人たちの反応は、少なくともTwitter上では、あまり良くないようだ:

[困るわね。Googleの画像検索をしたら、次の瞬間Pinterestに連れて行かれたわ。]

[Googleの画像検索は、どうなっちゃんだい? Pinterestになる気か? ごちゃごちゃしてるし、くだらないね。それにこっちはデスクトップなのに、スマホのような縦長のカードばっかし表示するのは、やめてくれよ。]

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Google Classroomの小テスト機能がChromebookのロック機能(よそ見禁止)を借用

今週はシカゴでInternational Society for Technology in Education〔仮訳: 国際教育技術協会〕のカンファレンスが行われていて、テクノロジーの大物たちの製品も紹介されている。Googleはそこで、Classroomの重要なアップデートを発表した。この、ブラウザー上で利用する教育ソフトは、同社によると、今では世界中で“3000万以上の”児童生徒が使っている。

今回のアップデートの中でいちばん目立つのは、小テストのコントロールだ。このGoogle Forms Quizと呼ばれる機能に、“ロックモード”が加わった。このモードを指定すると児童生徒は、答を出すまではWebをサーフィンしたり、アプリを開いたりできない。テストをしているとき、よそ見ができないようにするためだ。

実はChromebookには教室だけで使う管理機能つきの機種(managed Chromebooks)があり、Classroomのロックモードはそれからの初めての借り物だ。だからこれからは、Chromebookだけでなく、Webを見れるどんな機種の上でもロックを利用できる。このロックモードのようなことを、教室の管理者(担任教師など)が自力で設定しようとするとたいへんな作業になるが、これからはClassroomの標準機能として簡単に利用できる。

教師と児童生徒が勉強〜授業のために共有するベース・ページとして、Classworkページというものがある。このページの上で、児童生徒が質問したり、先生が宿題を出したりする。これまではその上で、いろんな話題が日付順に並んでいるだけだったが、これからは話題別や教科別にまとめることができる。また、新たにできたPeopleページでは、教師が仲間の教師や新たな児童生徒、小使さんなどをそこに加えられる。これらのほかに、Streams機能やシステム設定のページも、新しい機能が加わった。

このカンファレンスでMicrosoftは、BBCや、Minecraft: Education EditionのAquatic DLCなどのパートナーの、新しいレッスンプランを発表した

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Google Earthに距離と面積の計算機能が加わった、面積計算はMapsにほしいな

数年前までは、Googleの衛星3D画像を見る唯一の方法がGoogle Earthだった。今ではGoogle Mapsで実用上十分に、その地図と対応する機能を利用できるが、しかしそれでもGoogleはEarthの開発を密かに続けていて、今日(米国時間6/25)同社は、面積の計算機能を加えた、と発表した。その機能を使えるのは、Webでは今日から、Androidは今週後半、そしてiOSは“もうすぐ”だ。

それほどすごい機能でもないし、距離はGoogle Mapsの地図に表示されるルーラーでも分かる。でも面積計算は、学生などにとってとくに便利だろう。

また、今回の発表は、Googleは複数の製品にまたがって機能の重複が多いことを、改めて思い出させる。それは、チャットだけではない。今回は、Google Earthに関するとても久しぶりの発表だし、ツアーのようにまだMaps上では利用できないEarthの機能が多少あることも事実だが、でも最近ではEarthのWebやモバイルバージョンが必要なことは、めったにない。今回の面積計算機能も、EarthだけではなくMapsにも加えた方が、実用的だったのでは?

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Google Assistantの‘継続会話’機能が今日から使える(アメリカのユーザーのみ)

5月のGoogle I/OカンファレンスはAssistantのニュースで溢(あふ)れかえっていたが、でも、あの神秘の“自動電話かけロボット”Duplexを別にすれば、継続会話(Continued Conversation)がなんと言っても、いちばん心惹かれる発表だった。それはAIの会話機能をもっと人間らしく自然にする試みで、それは、すでにいろいろ出回っている音声によるスマートアシスタントの、究極の目標でもある。

その継続会話機能が今日(米国時間6/21)、アメリカのAssistantユーザーに、Home, Home MiniそしてHome Maxに載ってやってきた。その自然な対話をする設定をonにすれば、もう毎回いちいち“Hey Google”と呼びかけなくてもよい(最初だけ必要)。Googleは、その使い方の例をブログ記事で紹介している〔実際は英語〕:

朝起きて空が曇っていたら、“Hey Google, 今日の天気は?”、と尋ねよう。…そして、“明日はどう?”… “ショッピングリストにレインコートを加えておいてね”… “明日の朝は傘を持って行くことを思い出させてね”…“ありがとう!”、と継続できる。

Homeなどのデバイスの上で、この機能を設定することが必要だし、最初の“Ok Google”や “Hey Google”はやはり必要だ。しかしそのあとは、最長で8秒間、Assistantは次の話を待っている。それは、対話にはなっていないが、“Hey Google”などのコマンドを何度も何度も言うかったるさからは解放される。

スマートスピーカーの爆発的な人気に伴って、プライバシーの心配も広まっているが、それに配慮したGoogleは、ウェイクワード(Wake Word, 起動語)以外では正しいユーザーを認識しないようにしている。

8秒は十分に長くはないが、プライバシーが超心配な人は、それでもこの継続会話の機能をoffにしたいだろう。

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Google StreetViewの撮影車がロンドンの大気汚染を地図化

来月から二台のGoogle StreetView撮影車が、大気の質を調べるセンサーを乗せてロンドン中を走り回り、イギリスの首都の空気のクォリティを30メートル間隔で地図に落としていく。

またとくに汚染が激しい地区や、汚染があってはいけない地区には街灯や建物などに計100個のセンサーを取り付け、ロンドン市長のSadiq Khanが“世界に類がないほど高度な”という、大気質監視ネットワークが出来上がる。

この1年がかりのプロジェクトの目標は、ハイパーローカルなデータを得てそれらを政策に反映させることだ。Khanは、大気汚染対策を優先課題の上位に挙げている。

StreetViewの撮影車が汚染の監視に利用されるのは、これが初めてではない。3年前には、サンフランシスコのスタートアップAclimaが作ったセンサーを載せた撮影車が、ベイエリアの大気質を地図化した。

ロンドンのプロジェクトは、イギリスのAir Monitors社が作ったセンサーを使っている。

この大気質監視プロジェクトは、大ロンドン政庁(Greater London Authority)とC40 Citiesネットワークの共同事業だ。後者は、気候変動を調べ健康と福利を増進することを目的とする世界中の大都市の連盟だ。

このプロジェクトは慈善団体Environmental Defense Fund Europeが指揮し、Air Monitors, Google Earth Outreach, Cambridge Environmental Research Consultants, University of Cambridge(ケンブリッジ大学), National Physical Laboratory, そしてアメリカのEnvironmental Defense Fundのチームが賛助する。

King’s College Londonは、学校にフォーカスした関連研究を行う。

結果はC40 Citiesネットワークのメンバーと共有され、世界中の何百万もの都市住民のために大気の質を良くしていくための政策に反映される。

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YouTubeの音楽ストリーミングサービスの供用国が12増えたが日本はまだ

YouTubeの音楽ストリーミングサービスの市場が新たに12か国増え、また有料音楽ビデオサービスは、17の市場で提供されることになった。

YouTubeのCEO Susan Wojcickiは、2月に、市場拡張の最終目標は100か国 、と大風呂敷を広げた。

YouTubeの最初の市場は、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、メキシコ、韓国だった。今日(米国時間6/18)新たに加わったのは、オーストリア、カナダ、フィンランド、フランス、ドイツ、アイルランド、イタリア、ノルウェー、ロシア、スペイン、スウェーデン、そしてイギリスだ。

YouTubeがその有料会員制サービスの体系を改定したのは5月で、これによりYouTube Musicという有料または機能に制限のある無料サービスがGoogle Play Musicをリプレースし、また音楽ビデオストリーミングYouTube Premium(前YouTube Red)が発表された。

YouTubeの新しいアプリ(Android)(iOS)Webプレーヤーも加わり、サービスの構造改革が行われた。新しい機能として、動的カスタムリコメンデーションや多様な検索オプション(歌詞や一般的な説明で検索できる)、そしてさまざまなジャンルやムードやアクティビティ(活動)に対応する“数千の”プレイリストが用意された。

YouTube Musicは、ビデオなし、オーディオのみだが、アメリカの月額会費が$9.99(ファミリープランは$14.99)で、SpotifyやApple Musicとの競合を意識している。一方YouTube Premiumはビデオサービスで、リプレースされたYouTube Redより2ドル高い$11.99、ファミリープランなら$17.99だ。最初の3か月はプロモーション期間とされ、無料だ。

YouTube Premiumは広告なし、であるだけでなく、バックグラウンド機能やダウンロード機能がある。会員はYouTube Originalsの番組やムービーにもアクセスできる。

アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、メキシコ、…これらの国々でYouTube RedやGoogle Play Music…ファミリープランを含む…の会員だった人は、自動的に現状料金でYouTube Premiumにアクセスできるようになる。

そのほかの国で Google Play Musicの会員だった人は、その国が対象市場になり次第、現状料金で自動的にYouTube Music Premiumにアクセスできるようになる。音楽やプレイリストへのアクセスは、Google Play Musicのときと何も変わらない。

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GoogleはAndroidユーザー向けにWeb上のMessagesを提供

メッセージングに関するGoogleの多様な努力は、最近Alloを“休止”してMessagesに一本化されたようだが、そのMessagesが今日(米国時間6/18)からWebでも使えるようになる、と同社は発表した。全ユーザーへの展開は来週いっぱいかかるようだ。GIF検索やスマートリプライなど、GoogleがiMessageに対抗するために盛り込んだ機能は、すべて揃っている。

同社は今年初めにAlloのチームをAndroid Messageへ移し、そしてそのアプリはメッセージングのスタンダードRCSを使っている。世界中のモバイル企業の多くが採用しているそのスタンダードは、iMessageより機能が多く、開封確認やタイピングインジケーター、高解像度の写真共有、便利なグループチャットなどの機能もある。

今回Messagesは、iMessageにない機能をさらに増やした。それは、Webのサポートだ。

Appleのユーザーは今でも、専用のアプリケーションを使ってMacからiMessageの会話にアクセスできる。GoogleのMessages for Webもそれと似ていて、メッセージへのクロスプラットホームなアクセスを提供する。Androidユーザーは、スマートフォンを使っていなくても、メッセージを見たり、チャットに応答できる。

ただしMessages for Webの実装はWhatsAppのデスクトップと似ていて、スマートフォンと同期するためにはMessageのWebサイトでコードをスキャンしなければならない。

Googleによると、Messages for Webはローンチ時からすでに、ステッカー、絵文字、画像の添付などもサポートする。

来週中にサポートされる機能は、内蔵のGIF検索や、スマートリプライ(英語と絵文字による返事のみ)、会話中のWebリンクのプレビュー、タップしてワンタイムパスワードをコピーする、などだ。

ワンタイムパスワードのコピー機能は、iOS 12のiMessageにもある。ワンタイムパスワードを要求するアプリやサイトにログインするときは、それを入力すべき欄に一回のタップだけでコピーできるようになる。Googleのは一回じゃなく、コピーとペーストで計二回のようだ。それでも、十分便利だけどね。

試してみたい人は、Google PlayからMessagesアプリの最新バージョンを入手すること。

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Google、中国eコマース大手JD.comに5億5000万ドル戦略投資

Googleは近年、中国でその存在感を高めつつあるが、さらに強化する。中国eコマースの大手JD.comと戦略的提携を結ぶことに合意し、JD.comの株式5億5000万ドル分を購入する。

Googleは中国での投資を続けている。中国マーケットに商品を投入し、AIハブを含むオフィスを開設した。そしていま、JD.comと共同で主に中国以外のマーケットで事業を展開しようとしている。GoogleとJD.comの共同リリースによると、2社は欧州、米国、東南アジアで“小売ソリューションの共同開発を含む、幅広い戦略的取り組みを共同で展開する”としている。

JD.comは人間の代わりにロボットを使った倉庫を中国で展開しているが、同社のサプライチェーンとロジスティック分野における経験、そしてテクノロジーを、Googleのオンライン小売を展開する上での顧客へのアプローチ力やデータ、マーケティングなどと融合させるのが最終目的となる。

手始めに2社は、JD.comの商品をGoogleの世界中の買い物プラットフォームで展開する。もちろん、2社が次のコラボの青写真を描いているのは明らかだ。

NASDAQでの株価に基づくと、JD.comの時価総額は約600億ドルだ。JD.comはウォルマートなどと提携していて、倉庫のオートメーション化技術やドローン、他の次世代小売ロジスティックに積極的に投資している。

配信プラットフォームのGoogleがJD.comのようなサービスプロバイダーを支援するという動きは興味深い。というのも、検索と広告を手がけるこの会社はすでに、JD.comのライバルであるアリババを含むさまざまなeコマース企業と提携しているからだ。

JD.com、そして時価総額5000億ドルのインターネット巨大企業Tencentと関係を築いたことは、Googleの今を象徴している。この3企業は、東南アジアのライドシェアリング新興企業Go-Jekに出資している。その一方でTencentとGoogleは先ごろ、特許シェアリング提携に調印しており、中国のAIスタートアップXtalPiへの共同投資も行なっている。

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(翻訳:Mizoguchi)

新しいGmailのスマート機能は嫌いな人も少なくない、お節介で的外れでうるさい

Gmailは最近、デザインが一新された。新しい機能の多くはユーザーが無効にしたり無視できるが、返事を出さないままになっている古いメールを取り出して、返事をしなさいと勧める機能はどうだろう。それは、こんなやつだ:

[2日前に受信してるけど返事しないの?]

オレンジのテキストは、すぐに注意を惹く。しかも受信トレイの最上部に出るから、メールの並びの時系列が壊れる。

Gmailはしかも、そのメールはリプライすべきだったんだけど、あなたがぐずぐず延ばしてしまったんだ、という判断をしている。ソーシャルネットワークには、こんなうるさいコンテンツが山のようにあって、われわれを悲しませたり怒らせたりする。メールの受信トレイが、あなたに罪悪感を抱かせたり、ストレスを与えたりすべきではない。

仮にその提案が正しかったとしても、ちょっと気持ち悪いし、実装も雑だし、なんか自分がもう、自分の受信トレイをコントロールできなくなったのか、と思ってしまう。

今度のGmailのスマート機能は、どれもユーザーが無効にできる。スマートなカテゴリー分類なんて要らない、という人もいる。Gmailが重要メールと判断したメールを、上の方へ持ってこなくてもよい。ここで話題にしている、スマートな返信機能も、ぼくは要らない。誰もが必要とする唯一のスマート機能は、スパムフィルターだ。

メールのメッセージの並び方は、単純な時系列がいちばん便利だ。Instagramのユーザーも、時系列フィードを求める人が圧倒的に多い。しかしアルゴリズムで選択加工したフィードは、エンゲージメントや生産性を高めることもある。Googleはたぶんテストをして、Gmailがお知らせをしたら返信が増える、と判断したのだ。

でもぼくは、メールの価値はGmailのアルゴリズムではなく、自分で判断したい。ランク付けは、余計なおせっかいだ。

ぼくがVCなら、ぼくがジャーナリストなら、ぼくが大学の奨学金担当者なら、それぞれの仕事のために、重要なメールは自分で見分ける。Googleのおせっかいなアルゴリズムは要らない。サンフランシスコの電気スクーターも、Googleのスマート機能が仕掛けた/見つけたブームじゃない。自分にとって重要なことは、自分で分かるよ。

Gmailの新デザインがリークし始めたとき、ある同僚は、“まず、これらをoffにする設定の仕方を見つけたいね”、と言った。

このおせっかいな「返事は?」リマインダーをoffにするには、GmailのWebバージョンでは“Suggest emails to reply to”と“Suggest emails to follow up on”のボックスのチェックを消す。これで、あのいまいましいオレンジ色のテキストにおさらばできる。でも、そもそも最初からこれらのスマート機能は、デフォルトでoffになっているべきだ。

〔訳注: これは、rantと呼ばれるタイプのブログ記事です。個人的な不平や文句をたらたら述べるのが、rantです。〕

[Twitter上にも苦情殺到]

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Googleの翻訳結果が‘字義通りだけど無意味’なので警官の捜索が憲法違反に

外国語の機械翻訳がとても便利であることは確かだが、どこかへの行き方やおすすめのランチ以上の話題になると、その浅さが現実的な障害になる。そしてそれが、法律や基本的人権の問題になると、“まあまあの翻訳”では役に立たない、とある判事が裁定した。

その判決(PDF)にそれほど重大な意味があるわけではないが、翻訳アプリは今や法曹の世界でも使われ始めているので、その今後の正しい進化のためにも、気にする必要があるだろう。今は幸いにも多言語社会になっているが、しかし現在および短期的な未来においては、異なる言語間の橋渡しがどうしても必要だろう。

その裁判では、Omar Cruz-Zamoraという名前のメキシコ人がカンサス州で警官に、道路脇への停車を命じられた。警官たちが彼の同意のもとに車の中を調べると、大量の覚醒剤やコカインが見つかり、当然ながら彼は逮捕された。

でも、ここからが問題だ。Cruz-Zamoraは英語が話せなかったので、車の中を捜索する同意はGoogle Translateを介する会話によって得られた。法廷は、その会話が十分に正確ではないので、“当事者の自発的かつ了解のもとに”得られた同意を構成しない、と見なした。

アメリカの憲法修正第4条は、不合理な捜索や押収を禁じている。そして正当な理由がない場合公務員は、Cruz-Zamoraが、車内の捜索を断ってもよいことを理解していることを必要とする。会話からは、その理解が明確でなく、一貫して両者は、相手の言っていることの正しい理解に失敗している。

それだけでなく、アプリが提供した翻訳は、質問を十分に正しく伝えていない。たとえば警官は英語から翻訳されたスペイン語で“¿Puedo buscar el auto?”、と質問している。その文字通りの意味は、“車を見つけてもよいですか”に近く、“車を捜索してもよいですか”にはならない。Cruz-Zamoraがその“字義通りだが無意味な”(←裁判長の言葉)翻訳結果から、車の捜索に同意するかという本当の質問を類推できた、という証拠はない。彼自身に選択の権利があることすら、理解しなかったかもしれない。

同意が無効なので車の捜索は憲法違反となり、Cruz-Zamoraの告訴は取り下げられた。

Google Translateなどのアプリでは同意が不可能、という意味ではない。たとえばCruz-Zamoraが自分でトランクやドアを開けて捜索をさせたら、それはたぶん同意を構成しただろう。しかし、アプリを使った対話が正確でないことは、明らかである。これは、英語の話せない人を助けたり調べるためにパトロールしている警官だけの問題ではなく、法廷の問題でもある。

機械翻訳サービスのプロバイダーは、その翻訳がほとんどの場合に正確だ、数年後にはとても難しい場合をのぞき人間翻訳者をリプレースする、とわれわれに信じさせようとしているかもしれない。しかし今回の例が示すのは、機械翻訳がもっともベーシックなテストに失敗することもありえる、ということだ。その可能性があるかぎり、私たちは健全な懐疑主義を持ち続けるべきだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Google、反多様性メモ発覚後初の多様性報告書を発表ー黒人とヒスパニック系の従業員確保が課題

Googleは、悪名高いJames Damoreのメモ(これによりDamoreはGoogleを離れることとなった)の一件後では初となる、同社従業員の多様性についての報告書を公表した。このメモの件は語ると長いが、要約すると、Damoreは性差別的な考えをメモに記し、これが社内外に広まったというものだ。Damoreはクビになり、この解雇について彼はGoogleを訴えた。しかしこの訴えは2月に労働関係委員会により調停が行われた。それからほどなくして、他の社員の件が明らかになった。2月下旬のGizmodoの報道にあるように、Tim Chevalierが多様性を唱えたことで解雇された、と主張している。ChevalierはGoogleを告訴している。

「私は、Googleの職場で見られる白人の特権や性差別を指摘したことで、報復を受けた。これは間違っている」。Chevalierは数カ月前、TechCrunchに対し、なぜGoogleを告訴しようと決めたのかこう語っている。「私はこの件を公にしたかった。Google内で人種的少数派の人たちがどのように扱われているかを社会に知ってほしかったからだ」。

Googleはこの件を調停に持ち込もうとしている。2018年6月11日付けの裁判所の記録文書によると、今月初め、Googleの弁護士は、Chevalierは最初の申し立ての中で“この件を調停とすることに書面で同意している”と述べている。

さて、Googleの多様性や構成の現状を要約して説明しよう。ここに実際のレポートがある。多様性についてのレポートとしては5回目となり、最新かつ最も網羅しているものだ。今回初めて、人員損耗率やインターセクショナリティについても情報を公開している。

最初に、ハイレベルな数字から。

・30.9パーセント グローバルでの女性の割合

・2.5パーセント 米国における黒人の割合

・3.6パーセント 米国におけるラテンアメリカ系の割合

・0.3パーセント 米国における先住民の割合

・4.2パーセント 米国における混血の人の割合

Googleはまた、ジェンダーについてのレポートが“社内の性的マイノリティの人たちの存在を反映していない”ことを認め、ジェンダーについての今後の調査手法を模索している。Googleが自ら指摘しているように、女性や黒人、ラテンアメリカ系の人たちの割合は増えてきている。昨年、Googleにおける女性の割合は30.8パーセント、黒人は2.4パーセント、ラテンアメリカ系の人は3.5パーセントだった。

管理職レベルでも、前年に比べると数字は良くなっているが、高い職位の従業員は74.5パーセントが男性で、66.9パーセントが白人だ。改善は喜ばしいことだが、これでは不十分で次回のレポートではさらなる改善を期待したい。

話を先に進めると、Googleにとっての最終目標は過小評価された能力を掘り起こすことだとしている。それがどういうことなのは今ひとつ明らかではない。Googleで多様性を担当する副社長のDanielle BrownはTechCrunchとのインタビューで、Googleは専門の学位を取得していながら過小評価されている人たちのスキルや仕事、センサス・データを見る、と明らかにしている。しかし、こうすることで構成割合の数字がどんなものになるのかはわからない、とも述べている。理想の姿について尋ねたところ、彼女の答えは以下のようなものだった。

ご存知の通り、これは長期にわたる取り組みだ。これまで我々はうまくやってきただろうか。私にはわからない。しかし我々は状況を改善していけると、楽観視している。1晩で解決できるチャレンジだとは思っていない。全体にかかるものだからだ。長期的な取り組みになるが、私たちのチームは達成可能だと楽観視している。

前述したように、Googleは今回初めて、人員損耗率についても公表している。黒人とラテンアメリカ系の人で人員損耗率が2017年最も多かったが、これは、少なくとも私にとっては、驚きではない。はっきり言うと、人員損耗率というのは、つまるつころ何人が社を去ったかという指標だ。管理職に黒人やラテンアメリカ系の人が少ない企業で働くとき、一般的にそうした企業内で排他的な扱いや攻撃、差別を受けるのはよくあることだ。

「明らかに、女性、男性ともに米国における黒人、ラテンアメリカ系の人員損耗率は良いものではない」とBrownはTechCrunchに語った。「この分野こそ、我々が集中して取り組んでいるところだ」。

それから彼女は、Googleの内部調査のデータから、従業員は自分たちが仲間に入れていないと感じた時に会社を辞める傾向があることが明らかになったことも付け加えた。だからこそ、今Googleは従業員同士のつながり、「いいつながりとはあなたにとってどういうことか」ということに取り組んでいる。

「私たちが学んだことの一つに、無意識の偏見のトレーニングをやめると、意識した行動を起こせないというものがある。必要な行動を起こせなくなる」と彼女は語った。

人員損耗率から離れると、Googleがうまくやっているのは女性の定着率だ。テクニカル分野、非テクニカル分野ともに男性より女性の方が長期間Googleで働いていることが明らかになった。一方でBrownは、大きな問題となる前に対処できるよう、CEOのSundar Pichaiと彼の経営チームに隔週で人員損耗率の数字を1月から報告している、と明らかにした。

前述したように、Googleがインターセクショナリティについての情報を明らかにするのは今回が初めてだ。Googleのデータによると、人種ごとにみたときの女性の数は全人種において男性よりも少なかった。それも、前回同様にさほど驚きではない。従業員の3パーセントが黒人だが、黒人女性の割合は1.2パーセントにすぎない。ラテンアメリカ系の女性に目を向けると、ラテンアメリカ系全体の割合が5.3パーセントだったのに対し、女性の割合は1.7パーセントにとどまる。つまり、Googleが言うように、Googleにおける女性従業員の増加は、主に白人とアジア系によるものということになる。

Brownは昨年6月にIntelからGoogleに移ってきたが、以来多くのことに直面した。8月にDamoreの反多様性メモが問題となったが、これはBrownがGoogleに移ってきて数カ月後のことだ。「オープンで包括的な環境というのは、異なる政治的意見を含めたさまざまな考え方をする人々が自由闊達に意見を交わせる文化の形成を意味する。しかしそうした自由な意思表明は行動規範、ポリシー、反差別法に記されている平等な雇用機会の原則に沿ったものでなければならない」と語っている。

Brownはまた、このドキュメントは「私や会社が推奨・奨励する見方を反映しているものではない」とも述べている。

今日、Brownは反多様性メモの件について、「私にとってGoogleの企業カルチャーやGoogle従業員がどう考えているのかを学ぶ、非常に興味深い機会となった」と話した。

「このレポートで強調されたことが公約となれば」とも語った。「Googleだけでなくテック産業全体としても、私たちは一丸となって長期的に取り組むべき課題を抱えている」。

Brownによると、Googleの従業員全員が社の考えに賛同しているわけではないという。しかし彼女は、ポジティブな見方、ネガティブな見方どちらでも従業員に積極的に議論に参加してほしいと切に願っている。しかし、他の企業同様「なんでもありというわけではない」。

Googleの行動規範に従わない場合は「慎重に対処しなければならない。そして、政治的な見方にとらわれずに判断を下す」と彼女は語った。

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(翻訳:Mizoguchi)

 

Google、ビジネスアプリ開発ツール “App Maker”を正式提供

GoogleがApp Makerを発表してから1年半がすぎた。ウェブ上でビジネスアプリを開発・配信するためのオンラインツールだ。以来同社はApp Makerについてほぼ沈黙を守り、プライベート・プレビュ状態が続いていたが、今日(米国時間6/14)、同サービスの試用を希望するデベロッパー全員に公開することを発表した。

App Makerを利用できるのは、G Suite BusinessまたはEnterprise、およびG Suites for Educationの定期契約ユーザーだ。基本的な考えは組織内のあらゆる人——プログラミング経験のほとんどあるいは全くない人を含む——が、G Suite、GoogleのCloud SQLデータベース、 その他JDBCに対応するあらゆるデータベース、あるいはREST API(これは少々高度な技術を要するが)を提供するデータベースに基づく業務アプリを開発できるようにすることだ。

  1. App-Maker-Image-3

  2. App-Maker-Image-1

  3. App-Maker-Image-2

これを実現するために、App Makerはユーザーにコードをほとんど書かなくてすむローコードアプリケーション開発環境を提供し、ドラッグアンドドロップで直感的にアプリケーションを作れるようにした。データベース接続の環境設定には多少作業が必要だが、それができればデザイン部分はかなり簡単だ——そして、レスポンシブテンプレートのおかげで最終的なアプリはスマートフォンでもデスクトップでも動作する。

多くのアプリケーションはデータベースを利用することになるだろうが、Gmail、Google Calendar、Sheetsなどのデータソースも利用できることは注目に値する。App Makerは全部で40種類のGoogleサービスをアクセスできる。他社のローコードサービスであるMendix、K2やMicrosoftのPowerAppsなどと異なり、GoogleのApp MakerはGoogle自身のサービスにほぼ特化しており、Salesforceなどのサードパーティーサービスとの接続機能は提供されていない。もちろんApp Makerがプレビューを終えた今、Googleがさらに多くの機能を追加していく可能性はある。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Google Home、1度に3つのタスクをこなせるようにーただし英語圏でのみ

Google Homeがマルチタスクをこなせるようになったのは昨年11月のことだ。“multiple queries(マルチな質問)”と呼ぶ機能を追加し、これにより2つのリクエストを組み合わせた音声コマンドを出せるようになったのだ。たとえば、「オーケー、Google。ボリュームを上げて、音楽をかけて」といったコマンドだ。そして今回、Google Homeは1度に3つのタスクをこなせるようになり、さらに賢くなった。

この新機能は、Googleの@madebyGoogleというツイッターアカウントで月曜日に発表された。そのツイートを見たユーザーはすでに気づいているかと思うが、残念ながら今回の3つのタスクをこなす機能は現在のところ、米国、英国、カナダ、オーストラリアといった英語圏のみでの展開となっている。

マルチタスクをこなせるのはあなただけではありません。Google Homeも1度に3つのことをこなせるようになりました。つまり、あなたはもっとたくさんのことができるのです。

pic.twitter.com/7jTd97Evus

-Made by Google(@madebygoogle)2018年6月11日

この機能を使うには、他のリクエストと識別するために、音声コマンドの間に“and”を入れる必要がある。各コマンドはまた、追加の情報や説明などなしにGoogleアシスタントが対応できるようなものでなければならない。

つまり、ただ「目覚ましをセットして」ではダメで、アシスタント側が追加で情報を確認しなくてもいいよう「午前7時に目覚ましをセットして」とリクエストしなければならないということだ。

昨年11月に初めてマルチな質問機能が導入された時も、大々的な宣伝はなかった。

しかしGoogle Homeがマルチタスクをこなすのはこの方法でのみではない。2月に、Googleアシスタントではルーチンワークがこなせるようになっている。このルーチン機能では、音声コマンド1回で複数のアクションを実行できるようにカスタマイズできる。

たとえば、あなたの“I’m home”ルーチンで、家の照明をつけ、室温を調整し、音楽を流すというアクションが実行されるように設定することができる(Alexaでも昨年10月からルーチンが利用できるようになっている)。

一方で、5月に開かれたI/Oデベロッパー会議の場で、Google Home アクションのたくさんのアップグレードとともに、Googleは正式にGoogle Homeのマルチな質問機能を発表した(その後、“マルチプルアクション”と呼ばれるようになった)。ここには、ルーチンサジェスチョンも含まれる。ルーチンサジェスチョンでは、音声アプリデベロッパーが彼らのアプリのアクションをルーチンに加えるようにユーザーを誘導でき、アクションノーティフィケーションでは音声アプリがユーザーに新機能やコンテンツなどについて注意喚起することができる。

Googleはこのマルチな質問機能が非英語圏でいつから使えるようになるかは明らかにしていない。“他の言語をサポートするのを楽しみにしている。しかし、今のところは発表することは何もない”と述べるにとどまっている。

アップデート(2018年6月12日、東部時間午後2時半):もし、なぜ自分のGoogle Homeではこの新機能が使えないのだろうと思っている人のために。Googleのツイッターアカウントは実際の提供開始に先立ってスクープ発表したもようで、新機能は間もなく使えるようになるはずだ。しかし、これについての公式発表はない。

h/t: Voicebot

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(翻訳:Mizoguchi)

Googleの大学情報検索が便利になった(米国のみ)

本日(米国時間6/12)、Google検索が改訂され、学校名を検索すると大学のデータが前面に押し出されるようになった。これは以前Googleが、求職検索で行ったことと同じ発想だ。今回Googleは大学の見つけにくいデータを集約し、一つのウィジェットにまとめて表示する。

ただし、対象は四年生大学のみ。このためコミュニティーカレッジのデータを探している人には、新ツールは役に立たない。

費用、入学条件、卒業率、取得可能学位、学生に関する統計情報などや、卒業10年後の典型的年収といったデータを集めることは、学生にとって非常に時間がかかる作業だ。この新ウィジェットは、これらのデータを全部まとめてサイドバー(デスクトップの場合)かページの先頭(モバイルの場合)に表示する。

Googleはこのデータを主に米国教育省の大学スコアカードおよび総合中等後教育データセンターから入手している。また同社は調査会社や非営利団体、高校のカウンセラーや入学専門家らとも協力して新たな体験をデザインしたと言っている。

新機能はすでに公開済みで、米国内の四年生大学を検索すると自動的に表示される。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

GoogleのTranslateアプリがインターネット版と同じく機械学習の使用へ(全59言語)

GoogleのTranslateアプリは、iOSでもAndroidでも、現状ではインターネットにアクセスした方がオフラインで使うより結果が断然よろしい。その理由は、オフラインの翻訳は機械翻訳の古いテクニックであるフレーズ(語句)ベースの翻訳であるのに対し、オンラインでは最新の機械学習によるシステムを利用しているからだ。しかしそれが今日(米国時間6/12)から変わり、TranslateアプリではオフラインのNeural Machine Translation(NMT)が59の言語をサポートする。

今日はまだ、少数のユーザーがそのアップデートを体験できるだけだが、数週間以内に全ユーザーに展開される予定だ。

サポートされる言語はとても多くて、自分の好きなのだけ挙げてもしょうがないから、ここではそのすべてをご紹介しよう:

Afrikaans, Albanian, Arabic, Belarusian, Bengali, Bulgarian, Catalan, Chinese, Croatian, Czech, Danish, Dutch, English, Esperanto, Estonian, Filipino, Finnish, French, Galician, Georgian, German, Greek, Gujarati, Haitian, Creole, Hebrew, Hindi, Hungarian, Icelandic, Indonesian, Irish, Italian, Japanese, Kannada, Korean, Latvian, Lithuanian, Macedonian, Malay, Maltese, Marathi, Norwegian, Persian, Polish, Portuguese, Romanian, Russian, Slovak, Slovenian, Spanish, Swahili, Swedish, Tamil, Telugu, Thai, Turkish, Ukrainian, Urdu, Vietnamese and Welsh(アフリカーンス語、アルバニア語、アラビア語、ベラルーシ語、ベンガル語、ブルガリア語、カタルーニャ語、中国語。クロアチア語、チェコ語、デンマーク語、オランダ語、英語、エスペラント語、エストニア語、フィリピン語、フィンランド語、フランス語、ガリシア語、ジョージア語、ドイツ語、ギリシャ語、グジャラート語、ハイチ語、クレオール語、ヘブライ語、ヒンズー語、ハンガリア語、アイスランド語、インドネシア語、アイルランド語 、イタリア語、日本語、カンナダ語、韓国語(朝鮮語)、ラトビア語、リトアニア語、マケドニア語、マレー語、マルタ語、マラーティー語、ノルウェー語、ペルシャ語、ポーランド語、ポルトガル語、ルーマニア語、ロシア語、スロバキア語、スロベニア語、スペイン語、スワヒリ語、スウェーデン語、タミール語、テルグ語、タイ語、トルコ語、ウクライナ語、ウルドゥー語、ベトナム語、ウェールズ語)。

これまでは、ハードウェアの能力の限界などにより、スマートフォンの上でディープラーニングのモデルを動かすことはできなかった。しかし最近のハードウェアとソフトウェアの進歩により、その問題は克服され、またGoogleやMicrosoftなどはモデルを小さく圧縮して使う方法を見つけた。Googleの場合、それは一言語につき30から40メガバイトになる。

なおMicrosoftも今年の初めに、同社のTranslatorアプリに同種の機能を発表した。ただし当面それは、対象言語が1ダースぐらいだ。

画像クレジット: TechCrunch

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Google、Chrome拡張機能のサードパーティーサイトでのインストールを中止へ

本日(米国時間6/12)Googleは、Chrome Web Storeの主要なポリシー変更を発表した。ユーザーをだましてChrome拡張機能をインストールさせようとするサイトからユーザーを守ることが目的だ。これまでWeb Storeでアプリを公開しているデベロッパーは、自分のウェブサイトからも拡張機能をインストールさせることができた。しかし、インライン・インストールと呼ばれるこの方法を、をだまし広告と抱き合わせてインストールさせようとするデベロッパーが頻出するようになった。これは2011年にこの機能を導入したGoogleの意図とは明らかに異なる体験であり、このほど中止することになった。

今日以降、インライン・インストールは新たに公開される拡張機能では利用できない。標準的方法を使ってインストールを呼びかけるデベロッパーのサイトを訪れたユーザーは,Chrome Web Storeにリダイレクトされてインストールを完了する。

そして2018年9月12日には、既存の拡張機能についてもインライン・インストールは利用不可となり、ユーザーは同じようにストアにリダイレクトされる。12月に公開されるChrome 71からは、インライン・インストールのためのAPIが廃止される。

「過去数年間この問題に取り組んできたなかで、Chrome Web Storeで拡張機能の横に書かれている情報は、ユーザーが拡張機能をインストールするかどうかを決めるうえで重要な役割を担っていることがわかった」と拡張機能プラットフォームのプロダクトマネージャー、James Wagnerが今日のブログに書いた。「Chrome Web Store経由でインストールされた拡張機能は、インライン・インストールされたものと比べて・アンインストールされたり苦情が来ることが著しく少ない」

Wagnerが指摘するように、インライン・インストールは長年の問題だった。2015年には、ユーザーをだましてニセ広告やエラーメッセージをクリックさせて拡張機能をインストールさせるサイトが大きな問題になった。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

AppleはWWDCで拡張現実の大きなアップデートを発表した、Googleとの技術競争がおもしろい

Appleは今年のWWDCの冒頭で、同社の拡張現実プラットホームのアップデートを強調し、iOS 12におけるARKit 2を紹介した。それには重要な技術的アップグレードがいくつか含まれている。

ARKitに新たに加わるもののすべてをデモすることはできなかったが、取り上げた重要な新機軸は、顔認識の改良やリアルなレンダリング、3Dオブジェクトの検出、持続的ユーザー体験や共有ユーザー体験などだ(上図)。

マルチプレーヤーはAppleのARの大きなアップデートだ。とくにゲームにとって重要だが、そのほかのカテゴリーにも今後利用していくだろう。

・関連記事: Apple’s AR bet still has a lot to prove(未訳)

Google I/Oでは、Cloud Anchorsという新しい技術を見せられた。それは二人のスマートフォンユーザーがクラウドで見ているものを同期してマルチプレーヤーを実現する。Appleがこれをどうやるか、まだ不明だが、Googleのこの方法ではCloud Anchorsによるマルチプレーヤーが複数のプラットホームを横断するから、AndroidユーザーとiOSユーザーの両方が参加できる。その点が、おもしろい。

AppleはARKitを1年前にリリースした。その開発プラットホームは複数のAppleデバイスの慣性センサー間の関係を合成する技術がベースで、カメラが空間内のそれらの位置を追う。この位置トラッキングによりユーザーはデジタルオブジェクトのまわりを動けるだけでなく、それらのオブジェクトを環境内の物理的なスペースに固定できる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

インドの鉄道駅では800万人がGoogle提供の無料Wi-Fiを利用している、Googleには広告収入がある

2015年にGoogleは、インドの鉄道駅に無料のWi-Fiを設置する企画をスタートし、そして今日同社は、目標の400駅、対象人口800万を超えた、と発表した

今日(米国時間6/6)、インド北東部のアッサム州ディブルガール駅がオンライン化されたとき、その目標に到達した。

Googleの発表によると、今では毎月800万あまりの人びとが駅のWi-Fiを利用している。そして一回のセッションで平均350MBのデータ通信を消費し、その半分が少なくとも一日に二回、この事業のWi-Fiを使用する。

十分な規模に達したと見たGoogleは今年から、有料の高速接続を別途提供して、この事業の収益化を開始した。これまでの標準プランにも広告という収入源はあるが、それは鉄道会社や通信会社と分有されている。

400駅800万人という到達点は、Googleにとってまだ“旅の途上”だ。今後は鉄道駅以外にもWi-Fi接続ポイントを全国的に設置していく意向だ。

GoogleのNext BillionチームのVP Caesar Senguptaはブログでこう述べる: “インドはインターネット人口が世界で第二位に多い。しかしそれでも、オンラインでない人口がまだ10億近くいる。われわれの計画も、あと数百万はまだ未達成だ。そもそも、駅を利用しない、あるいは駅に近くない人びとも多い”。

この事業は今、インドネシアやメキシコなどにも根付きつつある。Senguptaによれば、今後対象国はさらに増やしていくそうだ。

しかし無料のWi-FiはGoogleの専売特許ではない。FacebookのInternet.orgはネットの中立性に違反しているとしてインドで禁じられたが、昨年その後継システムがインドでローンチした。Facebookはそれについてあまり語らないが、規模ではGoogleにとうてい及ばないだろう。

Googleがインドで展開しているのは無料のWi-Fiだけではない。検索など主要サービスもインドでそのデータフレンドリーな(データ通信をあまり消費しない)バージョンを提供しているし、またモバイルの決済ネットワークTez食品配達サービス、そしていちばん最近は地域コミュニティのためのソーシャルネットワークを立ち上げた。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa