CESで披露されたDellのコンセプトPC、発売予定なしだが欲しい

コンセプトPCはコンセプトカーみたいなもので、まともな企業のまともな製品ではあるご、ほとんど見る人の気分を害するためにのみ存在する。自分のささやかなマシンが、みすぼらしく見えてしまうのだ。それは、人生の比喩でもある。いや、まったく。

その精神に則ってDell(デル)は、今週のCESで3種のコンセプトPCを披露した。しかし、どれもやりすぎのような奇抜な製品ではない。見た目には今の製品と変わらないようなのがあり、あとの2つは競合他社が最近発表した製品に似ている。3つとも、実際に市販される製品ではなさそうだが、人生とは日に日にがっかり度が大きくなるがっかりの連続であり、それが最後の最大のがっかりまで続くのだ。

最初のは、エイリアンが作ったUFOがコンセプトで、 AlienwareブランドのPCだ。今のPCみたいなのが1つあると前述したが、それがこれだ。AlienwareはNintendo Switchの真似をしている。というより一般的に、ポータブルゲーム機のようなPCだ。実際に市販されるとしたら、もっと山盛りのスペックになるのだろう。

Switchと同じく、このゲーム用ポータブルはコントローラーが本機から離れている。キックスタンドがあるので、飛行機の座席のテーブルでも使える。ただし、あれは飛行機の中でも最も不衛生な場所だから、使用前によく拭くこと。このコンセプト(でしかない)製品は、Intel(インテル)の第10世代のチップが8インチで1900×1200ドットのディスプレイを駆動する。

一方Concept Duetは、これまでにもいくつかの他社がトライしたことのあるようなコンセプトで、13.4インチのディスプレイが2つの面にある。このようなフォームファクタの利点は、誰が見てもわかるだろうし、またLenovo(レノボ)の製品のように着脱式のキーボードがあるから、タッチ画面をタイプしなくてもいい。

Concept Oriは、米国時間1月6日朝に発表されたレノボのThinkPad X1 Foldと横並びだ。13インチの画面は、折り畳むと相当ポータブルなフォームファクタになる。CTOのGlen Robson【グレン・ロブソン)氏はブログで「今年のCESの新しいやり方は嬉しい。私たちのラボを覗き見することを、楽しんでほしい。今回お見せするのは、ごく一部のアイデアでしかないが、評判が良かったら、私たちのこんな初期的な仕事を今後もっとお見せしたい」と語っている。


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「曲げられるディスプレイのスマホ」以外の用途を模索するRoyole

2年前には少なくともRoyoleは、初めての折りたたみ式スマートフォンで我々の関心を掴んだ。初めて、というのはそれだけでもニュースになる。それによってこの無名企業があちこちで採り上げられたが、同社のフォームファクタ革命はまだちっとも始まっていなかった。何よりもまず、同社のそのFlexPaiはまだプロトタイプでしかなかった。

[Royole Corporation: RoyoleのRoTree(下図)には500台の完全な折りたたみ式スクリーンがぶら下がっている。それらは本物の木の葉のように軽いが、それだけでなく、その葉っぱに映っている画像やビデオを変えられるのだ! このツリーは深圳の宝安国際空港に、空港の新しいランドマークとして「植えられて」いる。]

しかしそれでもRoyoleは、我々の関心を掴んでいる。深圳の空港で折りたたみ式スマートフォンのツリーも間近で見た。でも、今度は何だろう? もちろん、もっとおもしろいものだろう。同社は今週のCESで2つの新しいデバイスを披露したが、その目的はどうやら、FlexPaiのときと同じようだ。すなわち、折りたたみ式ディスプレイという技術のポテンシャルをデモすること。それはまさに、Royoleという企業の使命のようだ。

関連記事: A closer look at Royole’s foldable display…Royoleの折りたたみディスプレイを間近で見る(未訳)。

人だかりができていたのは、Mirage Smart Speakerだ。これはAmazon Echoに8インチの曲げられるAMOLEDディスプレイを巻きつけたようなもの。製品にしっかり巻きつけられているから、ユーザーはそれを曲げられない。でも正直なところ、ユーザーが自分の手で曲げられることが、この話の焦点だったはずだが。とにかくこちらは、折りたたみ式ではなくて巻きつけ式ディスプレイだ。Winampのサウンドビジュアライザーみたいで、楽しいかもしれない。

カメラもついているけど、何のためだろう? スマートスピーカーにカメラは不要なのでは? そう考えるのは、私だけかな?

同社のRoWriteのニューバージョンもある。これは1枚の紙のようなもので、センサーを内蔵しているのでユーザーが書いたり描いたりしたものをデジタイズする。紙に書く(描く)ように気軽に使えて、しかもそれがデジタル化されることがキモだ。ニューバージョンはバッテリーが新しくなって前よりも小さくて軽い。

CES 2020 coverage - TechCrunch

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猫枕ロボに小型・低価格バージョンが登場

Qoobo(クーボ)の開発者であるユカイ工学の青木俊介氏はいつもクーボをトートバッグに入れて持ち歩いている。彼が写っている写真や動画には必ず、クーボも一緒に写っている。そしてこの猫枕ロボットは、どんなときでも会話のきっかけになるからすごい。それはちょっと見ただけでは、つまらないものにしか見えない。毛でおおわれた丸い枕で、なでると尻尾を振る。それだけだ。でも高齢化が進んでいる日本のような国では、本物のペットを飼う時間やお金のない人たちにとって、暖かみのある癒やしになるだろう。

しかしそのクーボも高すぎて買えない人がいるから、ユカイ工学は来週のCESでPetit Qoobo(プチ・クーボ)を披露する。このクーボの弟は機能的にはお兄さんと同じだが、サイズはほぼ半分、そして価格は未定だがやはり半額ぐらいなるだろう。

この小型バージョンのクーボはまだプロトタイプで、日本で3月にクラウドファンディングを開始する。そして秋には、Amazon(アマゾン)とユカイ工学のサイトで発売される。

今度のバージョンでは、なでて尻尾を振るだけでなく、マイクロフォンで音を検知したり、触るとときどきゴロゴロ声を発したりする。前よりも元気な猫という感じだ。

人生にはクーボが必要とまでは言わないが、でも写真などでこれを見るたびに、そばにいる誰か一人が必ず「ほしい!」と言う。小さくて安くなったバージョンも、猫アレルギーの人やアレルギーでない人に、爆発的に売れるだろう。

CES 2020 coverage - TechCrunch

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最大荷重約200kg、小型航空機のようなPykanoドローンで大農場の農薬散布を自動化する

現代の農業は、農地が圧倒的に広大なので、噴霧などの作業も非常に難しい。そこでPykaは、もっぱら人力に頼っていたその仕事を翼のある自動運転の電動航空機にやらせることにし、しかも規制当局からの認可まで取得した。

DroneSeedで見たように、噴霧などの作業を行うための飛行はとても危険だ。地表すれすれを飛ばなければならないし、しかも地面以外の障害物もある。しかしそれは、自動化に適した作業でもある。いくつかの飛行パターンを、何度も何度も繰り返す作業だからだ。

Pykaのやり方は、ドローンでよく行われている方法とは異なっている。ドローンを用いる場合、その方法は複数の回転翼による操縦のしやすさと離着陸の容易さを活かす傾向にあるが、しかしながら、ドローンは大農場に散布に必要な大量の農薬などを搭載できない(残念ながら)。

Pykaが作った航空機は、従来からある薬剤散布用の単座機に似ているが、コックピットがない。3枚のプロペラを持ち、内部スペースのほとんどは、荷物とバッテリーを搭載するために使われている(最大荷重約200kg)。もちろん自動飛行のために、一連のセンサーシステムとコンピューターも搭載している。

Pykaの平地離陸距離はわずか50メートルなので、わざわざ滑走路を作ったり、遠方から目的の農地までの長距離をフライトしてエネルギーを浪費することもない。面倒といえばバッテリーの交換だが、それは地上のクルーがやってくれる。地上クルーはフライトコースの決定も行うが、実際の飛行経路選択と一瞬の判断は搭載されたコンピューターが担当する。

人間の入力がなくても障害物を見分ける航跡の例

このEgretと呼ばれる飛行機の噴霧能力は、1時間約100エーカーで、ヘリコプターとほぼ同じだが、自動運転航空機なのでその精度は高く、より低空をフライトできる。難しい操縦を人間が行わないため、その点でも安全だ。

さらに重要なのは、国のお墨付きがあるということだろう。Pykaの主張によると、同社は世界で初めて、電動の大型自動操縦航空機の商用化を認められた企業だ。小型ドローンはあちこちで承認されているが、EgretはPiper Cubといった従来の小型航空機のサイズに近い。

ただし航空機だけに関してはそれで良いが、大規模展開については他の問題もある。航空管制や他の航空機との通信、それに関連した機体の認可条件、センサーの能力と回避能力の長距離化などがそれになる。しかしPykaのEgretは、これまでに試験農場で何千マイルもフライトしているため、特別に認可を取得することができた。なお、Pykaは同社のビジネスモデルや顧客、売り上げに関しては口をつぐんでいる。

同社の創業チーム、Michael Norcia(マイケル・ノルチャ)氏、Chuma Ogunwole(チュマ・オグンウォル)氏、Kyle Moore(カイル・ムーア)氏、そしてNathan White(ネイサン・ホワイト)氏らは、いずれも関連分野のさまざまな有名企業の出身。それらはCora、Kittyhawk、Joby Aviation、Google X、Waymo、Morgan Stanley(の元COO)などだ。

同社の1100万ドル(約12億円)のシードラウンドをPrime Movers Labがリードし、これにY Combinator、Greycroft、Data Collective、そしてBold Capital Partnersが参加した。

画像クレジット: Pyka

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DJIが地上でもトップを狙う、カメラ搭載オフロード車の特許を出願

DJIはカメラドローンにおいて圧倒的にトップに位置する企業だが、地上を走る移動型カメラでは、トップと呼べる企業はほとんど存在しない。後者では、むしろブランド不在な状況だ。そこでDJIは、そのすき間を自らうめる気なのかもしれない。同社は最近、スタビライザーを搭載したカメラを持つ小型のオフロード車で特許を出願した。

DJIの中国における特許を最初に見つけたのはDroneDJ(ドローンDJ)だが、図によると小型のオフロード車はかなり本格的なもので、太いタイヤとカメラとジンバルがスタビライザーに搭載されている。上図からもわかるように、カメラの取り付け台はスプリングと気圧装置で衝撃から保護されている。突然の動きでも、カメラはぶれないのだろう。

この図は、製品の概念を示すものとしては複雑過ぎる。本物の設計図面に手を加えただけかもしれない。そうだとしても、すぐに市場に出てくるとは限らない。しかし、DJIの技術者たちが実際に取り組んでいる本物のプロジェクトであることは確実だろう。

空を飛ぶドローンで十分なのに、なぜ地上用のドローンが必要なのか? ひとつの理由はバッテリー寿命だ。空を飛ぶドローンは、空を飛ぶからこそ運用時間が短い。さらに重いカメラやレンズがバッテリー寿命の短さに貢献する。ドローンが上空からの視点を諦めて地上を走ることにしたら、もちろん運用時間は長くなる。

さらに重要なのは、地上を走るドローンはおそらく空撮が不可能な場所でも利用できることだ。安全点検のために、施設や機器装置の内部や下を走らせることができる。住宅の点検もその例のひとつだ。また、人がいるところでは離陸と着陸を頻繁に繰り返すドローンは危険で使いづらい。

おそらくDJIは蓄積されたドローンの経験から、市場にはたくさんのニッチが存在していること学んだのだろう。しかもドローンの普及によって人々は、どんなところでも自動ロボットで撮影できるはず、と考えている。たとえばDisrupt Berlinで優勝したScaled Robotics(スケールロボテックス)は、骨が折れる建設現場の点検を自動化する。

関連記事: Scaled Robotics keeps an autonomous eye on busy construction sites…建設現場を自動運転で監視するロボット(未訳)

実のところ、DJIにはすでにRoboMaster S1という地上型ロボットがある。それは教育玩具に近いものだが、その使われ方の中には今回の地上型ドローンの開発のヒントになったものが、きっとあるのだろう。

この小さな車が本当に市販されるのか、それはまだわからないが、カメラを搭載した小さな自動運転車が、家やオフィスで本格的な仕事をこなす可能性を、本気で考え始める契機にはなるだろう。

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AppleがiPhoneの常時接続化に向けて通信衛星の技術を開発中か

Bloombergの報道によると、Apple(アップル)は、数名の航空宇宙技術者を雇用してチームを作り、衛星やアンテナの設計者らとともに人工衛星技術の開発を行なっている。それは、廃棄される可能性もある初期的段階の秘密プロジェクトだが、チームの目的はデータを直接iPhoneなどのユーザーに送受する通信衛星の技術開発であり、Appleのデバイスをサードパーティのネットワークを必要とせずにインターネットに接続することを目的にしている。

さらにBloombergによると、必ずしもAppleは人工衛星そのものを内製しようとしているのではない。むしろ、開発しているのは送信機や地上局が軌道上の通信装置へのデータ送信に用いる機器装置類のようだ。それによりAppleからのデータがAppleのデバイスへ直接送られるようになったり、デバイス同士の接続が携帯電話キャリアのデータネットワークを使わずに実現する。また、位置サービスもより正確になり、地図や案内情報が改善されるという。

Appleは航空宇宙および人工衛星の業界から技術者と役員を雇用した、と言われる。その中にはかつてSkybox ImagingにいたMichael Trela(マイケル・トレラ)氏とJohn Fenwic(ジョン・フェンウィック)氏も含まれ、両人がチームを引っ張る。2人は以前Googleの人工衛星と宇宙船部門を率いたことがある。新たな被雇用者の中には、Aerospace Corporation(エアロスペース・コーポレーション)の役員Ashley Moore Williams(アシュリー・ムーア・ウィリアムズ)氏や、ワイヤレスネットワーキングとCDN(コンテンツデリバリーネットワーク)の業界における重要人物たちがいる。

データネットワークを宇宙からデバイスへ直接提供するという考え方は、一見すると馬鹿げているようにも思える。データ通信衛星の多くは、情報をエンドポイントのデバイスにリレーする地上局との通信を要する。でもそれは、初耳のコンセプトではない。例えば、今年、2019年に本誌が取り上げたUbiquitilink(今のLynk)は、電話機と直接通信する新しい種類の低地球軌道通信衛星コンステレーションを作ろうとしている。

Lynkの初期目標は、衛星通信ネットワークによる直接接続の方がiPhoneの通常、利用するキャリアサービスよりも優れている、と主張している。同社はユーザーが利用している地上局ベースのネットワークよりも、圧倒的に速い接続が可能なグローバルローミングを提供したいと考えている。しかもそれは、ローカルなインフラに依存しない。また、予備機としても機能するので、メインのネットワークが落ちたときでも、テキストメッセージのやりとりや通話といったデータ集約的な使い方でなければ十分に使用できる。

Appleが現在行っていることには未知の要素が多すぎるが、それがiPhoneに事故や災害に強い常時接続の能力を持たせるものなら非常に興味深い。どんなときでもiMessageや音声通話やナビが使えて、何もない平常時にはキャリアのデータプランでストリーミングなどを楽しむ、というモバイルライフが想像される。

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インテルの最新RealSenseライダーカメラは在庫管理という巨大市場を目指す

Intel(インテル)は米国時間12月11日、同社のRealSenseシリーズに新製品を加えた。そのL515と呼ばれる製品はテニスボールぐらいの大きさで、もっぱら倉庫のロジスティクスで使われることを狙っている。それは世界中の商取引において、ものすごく重要で自動化がどんどん進んでいる分野だ。

この新しいカメラのそのほかのありえる利用分野としては、リテール、ヘルスケア、3Dのスキャンニング、ロボティクスなどが挙げられる。アイスホッケーのパックのようなこのデバイスは場面のスキャンができ、数百万のデプスポイント(奥行き点)から成る点群を1秒で作れるとインテルは語る。このサイズにしてはかなりすごいことだ。

インテルによると「L515は、それ自身が新しい独自の機種系列であり、0.25〜9mの範囲で高品質な映像を安定的に提供する。また2300万以上の正確なデプスピクセルを毎秒提供し、デプス(奥行き)の解像度は1024 x 768ドット、毎秒30コマとなる。このIntel RealSenseのライダーカメラの特徴は、内部にビジョンプロセッサーとブレ抑制機構があり、光子がデプスに達するまでのレイテンシーも短い。L515は軽量なので、消費電力が3.5W未満で電池寿命が長い。常に即使える状態を維持するL515は、較正の必要もなく、その全寿命においてデプスの精度を保つ。

このRealSense系新製品は、同様のカメラをドローンやロボティクス、あるいはAR、VRなどの消費者製品向けに作ってきた同社が、ロジスティクスという巨大な利益を上げられそうな市場に注力するようになったことの表れだ。

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Snapdragon 865と765が登場、Qualcommの最新SoCは何ができるのか?

Qualcomm(クアルコム)は今週、ハワイで例年の大集会を開き、Snapdragonのニュースを次々と小出しにしている。米国時間12月3日のイベントでは、Snapdragon 865と765の派手なお披露目があり、このチップは来年以降の高級品および中級品のスマートフォンなどに搭載されるだろう。

本日の主役はコンポーネントだ。最近の同社のやり方から見ると、明日もその続きになるだろう。しかし本日すでに、これらのチップの特徴がかなりはっきりとわかってきた。では、トップダウンでSnapdragon 865から説明していこう。昨年の例に倣えば、このプレミアムチップは1月のCESと2月のMWCで搭載機が発表されるだろう。重要なハイライトは、間違いなく5Gだ。なにしろ2020年は5Gが購買意欲をそそって、このところ不振のスマートフォンの売上が盛り返すと言われている。

関連記事:Qualcomm unveils Snapdragon 865 and 765 platforms(QualcommがSnapdragon 865と765を披露、未訳)

このチップの5Gの統合はまだ発表がなく、クアルコムの5GモデムX55と併用される。忘れてならないのは、来年になってもフラグシップ機の多くが5G未対応であることだ。なによりもまず、5Gにしたらお値段が高すぎて売れない。しかも多くの市場で、5Gの圏域は面というよりも点だ。でもメーカーは結局、モデムとペアで買わされることになるのだろう。

5Gの周波数レンジのサポートはかなり広い。キャリアの5G対応がかなり小口だからだ。キャリアごとに大きく異なるし、T-Mobileのように1つのキャリア内で相当違うこともある。

もうひとつの焦点がAIだ。こちらもやはり意外性はない。ここ数年のスマートフォンの進化はAIが軸だったし、今後もますますそうだろう。それらがこれからは第5世代のAIチップで動くようになり、パフォーマンスは前世代の倍になる。

Amazon AlexaやGoogleアシスタントなどの音声アシスタントの待ち受けを低電力で実現するための、ウェイクワード聞き取り機能を内包している。画像関連では200万画素の写真や8Kをサポート、スピードも大きく上がった。ディスプレイ出力やゲーム向けとして、144Hzのリフレッシュレートをサポートする。

一方Snapdragon 765は、もっと幅広い機種で5Gの採用を早めようというクアルコムの意欲の表れだ。オプションで5Gが統合されるのも、それを狙っている。コストや消費電力は低いままで。実機は2020年の早期に各社から登場するだろう。

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初めての電池駆動Echoスピーカーがインド限定で発売

Amazonはインドでこの2年間にEchoスピーカーの10種を超える機種を発売してきたが、米国時間12月4日の発表では、今度はこの国で最も要望の多かった機能を実現した機種を新発売する。その機能とは、ポータビリティと携帯性だ。

本日発表された新機種のEcho Input Portable Smart Speaker Editionは電池を内蔵する。その4800mAhの内蔵バッテリーは、音楽の再生なら最大10時間、待機モードなら11時間を持ちこたえる。

Alexaデバイス担当副社長であるMiriam Daniel(ミリアム・ダニエル)氏は「ポータビリティはインドでリクエストが最も多い機能だった。自分の家の中でも、AIアシスタントAlexaを部屋から部屋へと持ち運びたいのだ。そこで今回、そんな人たちのための製品を設計した」と語る。

同社によると、Echo Input Portable Smart Speaker Editionという超長い名前のデバイスは、ハードウェアのアーキテクチャはEcho Inputと同じとのこと。それは、昨年発売されたスピーカーのないEchoだ。

そのバッテリーで動くEchoはインド専用に設計された。お値段は5999インドルピー(約9100円)だ。今は新発売記念で4999インドルピー(約7600円)で発送は12月18日からになる。

バッテリーパックを内蔵していること以外の機能は変わらない。およそ30000種のAlexaスキルにアクセスできることも従来の室内用と同じ。Alexaの音声アシスタントをサポートすることも同じ。違うのは4つのLEDでバッテリーの充電状態が分かることだ。

Echoスピーカーがインドで何台売れたかをAmazonは公表していないが、インドが重要な市場であることは表明している。9月に行われたカンファレンスでAlexaのAIを担当している副社長で上級サイエンティストのRohit Prasad(ロヒト・プラサード)氏が、「インドにおけるAlexaの採用は驚異的」ととコメントした。

インドに50億ドルあまりを投資しているAmazonは、他の多くの国際企業と同様、その13億人の人口が世界最大の市場になることに賭けている。そして市場を勝ち取るためには製品とサービスのローカライゼーションが欠かせない。9月には、Alexaのヒンズー語サポートが発表され、訴求対象を一気に拡大した。Amazonの役員によると、しかしこのバッテリーバージョンのスピーカーは他の市場でも売りたいそうだ。

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MITの科学者が1年で10万回の反復実験が可能なロボットを開発

科学はエキサイティングなはずだが、実際にはおそろしく退屈なこともある。何千回も同じことを繰り返す実験もあるが、そんなものは自動化してほしいところだ。そこでMITの科学者が作ったロボットは、ある種の実験の結果を観察し、フォローアップを計画する。このロボットは、最初の1年で10万回の実験を行った。

流体力学という分野は、大量の複雑で予測不可能な力を扱い、それらを理解する最良の方法が同じことを何度も繰り返して一定のパターンを見つけることだったりする。これはあまりにも単純化した言い方だが、ここでは流体力学の詳しい説明はやめておこう。

繰り返して観察することを要する現象のひとつが、渦励振動(Vortex-Induced Vibration)だ。この一種の撹乱現象は、たとえば水上をより滑らかに効率的に航行する船を設計するときなどに重要になる。そのためには、船が水の上を進む様子を何度も何度も観察しなければならない(自動車のボディーの空気抵抗を減らすためにも、同種の実験を行う)。

でもこれは、ロボットにぴったりの仕事だ。しかもMITの科学者がIntelligent Tow Tank(インテリジェントな曳航水槽、ITT)と名付けた実験用ロボットは、水上で何かを引っ張るという物理的な仕事をするだけでなく、結果を知的に観察し、ほかの情報も得るためにセットアップを変え、価値ある報告が得られるまでそれを繰り返す。

今日Science Robotics誌に掲載された彼らの研究論文には「ITTはすでに約10万回の実験を済ませており、本質的には博士課程の学生が在学中に2週間ごと実施する実験を完了しています」と書かれている。

ロボット本体の設計よりも難しかったのは、流体系の表面の水流を観察して理解し、より有益な結果を得るためにフォローアップを実行する部分のロジックだ。通常は人間(院生など)が毎回の実行を観察してランダムに変わるパラメータを計り、次にどうするかを決める。でもその退屈でかったるい仕事は、優秀な科学者に向いているとは言えない。

だからそんな機械的な繰り返し作業はロボットにやらせて、人間は高レベルの概念や理念にフォーカスすべきだ。彼らの研究論文は、同じように実験を自動化するCMU(カーネギーメロン大学)などのロボットを紹介している。

彼らの研究論文では「これによって、実験を伴う研究にパラダイムシフトがもたらされ、ロボットとコンピューターと人間がコラボレーションして発見を加速し、これまでのやり方では無理だったような大きなパラメータ空間でも迅速かつ効果的に探索できるようになるだろう」と書かれている。インテリジェントな曳航水槽を記述している研究論文はここで読める。

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ロサンゼルスがジュースジャッキングをするマルウェアを警告したが事例はゼロ

ロサンゼルスの州検察官が「公共のUSB充電ポイントは危険なマルウェアがあることもあるので旅行者は利用を避けるように」と警告している。この忠告を読むと、そこらにあるUSBポートはどれも「ユーザーのデータを盗むために誰かが自分のスマートフォンをつなぐのを待っている」と思うかもしれない。それはジュースジャッキング(Juice Jacking)と呼ばれる攻撃で、警告の声明文によると犯人は充電ステーションやそこに挿入したまま残したケーブルにマルウェアをロードして、何も知らないユーザーのスマートフォンやそのほかの電子機器に感染させる。マルウェアはデバイスをロックしたり、データをエクスポートしたり、パスワードを直接犯人の手に渡したりするのだそうだ。

しかしロサンゼルス郡の主任検察官事務所によると、検察の記録にはジュースジャッキングは1件もないが、イーストコーストには知られている事案があるという。それはどこか、と聞いたら、そのスポークスパーソンは知らなかった。そもそもなぜこんな警報を出したのかと問うと「それは今行っている詐欺教育キャンペーンの一環だ」と応えた。

ますます疑問が深まる。でもなぜ?セキュリティ研究家のKevin Beaumont(ケビン・ボーモント)氏のツイートによると「そんなものがマルウェアの伝播に利用されたという証拠を見たことは一度もない」という。実際、見たと言う人はほとんどいないだろう。私にメッセージをくれた何人かのセキュリティ研究者は「そういう攻撃の概念実証を見たことはあるが、実際に犯行に使われた例は知らない」と言っている。

ジュースジャッキングという脅威は実在するが、もっと容易なやり方がいろいろあるのだから、こんなものすごく複雑で不完全な方法を使って誰かを攻撃するなんてありえないのではないか。また、今ではこのような攻撃を防ぐ機能のあるスマートフォンが多いから、ジュースジャッキング攻撃を仕掛けるなら非常に高度な罠が必要だろう。

でも、スマートフォンをつないだら秘密を盗まれるという話そのものに無理はない。それが可能であるというデモも、これまでにたくさんあった。ZDNetのジュースジャッキング特集記事には、FBIが全国に送った警報の例が載っている。それは、セキュリティ研究家のSamy Kamkar(サミー・カムカー)氏が作ったArduinoベースのインプラントはUSB充電器に似ていて、空気の流れを感知して押されたキーを読み取るというもの。また、この夏あるセキュリティ研究家が作ったiPhoneの充電器のケーブルのクローンは、近くにいるハッカーが脆弱性のあるコンピューターにコマンドを実行させることができた。

ロサンゼルス当局は、充電ステーションを使わずコンセントを使うこと、そして自分のケーブルを持ち歩くことを勧めている。健全なアドバイスだが、でもそれは、あなたのデバイスとデータを安全に保つためにすべき多くのことのひとつにすぎない。

関連記事:Wi-Fiモジュールを埋め込んだiPhoneの充電ケーブルでPCをハッキングできることを証明

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Formlabsが歯科専用の3Dプリンターを発売

今年のCESで3DプリンターのメーカーであるFormlabsに、同社のプリンターを使って、これまでよりも早く安価に義歯を作る初期の実験について話を聞いた。

それから数カ月後、同社はそのコンセプトに深入りしていた。彼らは歯科専用の3Dプリンターを発売し、「Formlabs Dental」という新しい事業部門を立ち上げ、歯科医療に最適の素材を得るためにレジンのサプライヤーを買収した。

重要なのは同社のプリンターが、光造形法(Stereolithography、SLA)を使ってる点。これに対して、3Dプリントという言葉を聞いて誰もが思い浮かべるのが熱溶解積層法(Fused Deposition Modeling、FDM)だ。光造形法はその名のとおり、光、ここでは紫外線レーザーを精密に照射して、ネバネバしていたレジンを目的の形に硬化する。これに対してFDMプリンターは、固形の素材を熱で溶かし、それをグルーガンのようなノズルから押し出して積層して目的の形を作る。SLAは精度が高く、FDMは安くてしかもさまざまな色や性質の素材を使える。

Formlabsはその歯科専用のプリンターをForm 3bと呼んでいる。それは、同社がこの春発売したForm 3の特殊バージョンだ。ただし製造コストは一般的なForm 3よりも約1000ドル高い。でもそのソフトウェアは歯科医療のワークフローに即しており、また教育訓練やサポート、そして修理に代わる新品交換に応ずるためのサービス体系「Dental Service Plan」がついてくる。歯科医は仕事を休めないので、故障時には修理ではなく新品交換で応ずる。3bはまた、歯科用レジンに向けて最適化されているが、それについて同社は詳しく語らなかった。

レジンと言えば、同社は2012年の創業以来レジンのメインのサプライヤーだったSpectraを買収した。買収の条件を同社は公表していないが、買収を機に同社は医療規格のレジンを得るために数百万ドルかけてクリーンルームを作り、FDAにも登録できた。Spectraの既存の顧客は、継続して同社のレジンを購入できる。

同社の新しい事業部門「Formlabs Dental」は、歯科用の新素材の開発と、プリンターを既存の歯科医のワークフローにぴったり合った製品にするための改良にフォーカスする。同社によると、現状ではForm 3bで、クラウン、ブリッジ、透明リテーナー、インプラント施療時の施術ガイド(サージカルガイド)、カスタムマウスガード(オクルーザルスプリント)、そして義歯をプリントできる。

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ルーターとスイッチ、Wi-Fiアクセスポイントを一体化したUniFi Dream Machineとは?

Ubiquitiは、ネットワーキングがいつも気になる人たちによく知られているブランドだ。多くの企業や学校、公共機関などがUbiquitiのアクセスポイントを使って建物全体にWi-Fiのネットワークをブロードキャストしている。今週始めに同社は、UniFi Dream Machineと呼ばれる新製品を発表した。

この新しいデバイスは、主にプロシューマーと呼ばれる層を対象にしている点で興味深い。プラグ&プレイのメッシュWi-Fiルーターを探している人たちのためには、UbiquitiにAmpliFiというブランドの各種ルーター製品がある。ネットワーキングのプロ向けには、ルーターとスイッチをラックに積むモジュール的なシステムがある。

今度のDream Machineは、この2つの層の中間が対象だ。それはルーターとイーサネットポートが4つあるスイッチと、Wi-Fiアクセスポイントを組み合わせた製品だ。クラウドキーがあるので、ユーザーそれを使って自分のネットワークとシステムのトラフィックをコントロールできる。

ルーティングに関しては、Dream Machineはセキュリティゲートウェイを統合しているので、ユーザーはファイヤーウォールのポリシーを作れる。そのほか、ハイエンドのルーターにあるような機能がすべてそろっている。それらは、QoS(クォリティーオブサービス)、VLANのサポート、サイト間VPN、リモートVPNなどだ。

スイッチングに関しては、インターネットに接続するWANポートが1つ、そして4つのギガビットイーサネットポートがある。ワイヤレスのネットワーキングでは、Dream MachineはIEEE802.11ac Wave 2(Wi-Fi 5)を4×4 MU-MIMOアンテナでサポートしている。

楽屋裏でこのデバイスは1.7GHzのARM Cortex-A57プロセッサーを使っている。メモリーは2GBでストレージは16GB、最大消費電力は26Wだ。そしてもちろん、すべての設定をUbiquitiのネットワークコントローラーソフトウェアを使って調整できる。この、ピルの形をしたデバイスは299ドル(約3万3000円)だ。この製品は多くの人にとって機能が過剰だと思うが、私のようなネットワーキングおたくで、ネットワークを完全にコントロールしたい人にはとてもいい入門機だ。

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ロボットアームの動きは適度に遅いほうが不気味の谷現象を防げる

ロボットアームは空中に投げた物でもつかめるほど速く動けるが、でも実際にそうすべきだろうか?Disney Research(ディズニー研究所)が行った実験によると、ロボットを操作している人間を不安がらせないためには、そこまですべきでない。同研究所のロボット技術者たちは、人間が正常と感じるためにはロボットの反応時間を遅くした方がいいことに気づいた。

ディズニーはもちろん、何十年も前からロボットに関心があり、そのテーマパークにおけるオートメーションは世界でもっとも有名なロボットの一部だ。でもそれらのロボットには、人間と直接対話する機会がほとんどない。そこで同社の研究所は一連の研究プロジェクトにより、安全でしかも不気味ではない、ロボットと人間の共存を研究してきた。

今回の研究テーマは、ロボットに物を手渡すとき、怖がらずに自然にそれができるためにはどうするかだ。もちろん、人間がチケットや空のカップなどに手を伸ばしたとき、ロボットが電光石火のスピードで間髪をいれずそれらをつかみ取ったら、危険であるだけでなく人間は恐怖を感じるだろう。

関連記事:投げられたラケットなどもキャッチできるスーパー・ロボットアーム登場

そこで、この場合の、擬人化された猫に取り付けられているロボットアームは、正常な人間の速さで動く。しかし、でも、いつその腕を伸ばすべきか? 実験で分かったのは、人間は自分に何かが手渡されようとしていることの認識に1秒を要し、その後手を伸ばしてそれをつかむ。コンピュータービジョンのシステムなら、物を認識して手を伸ばす動作がもっと速いが、それは人間が見ると奇妙に感じる。

研究者たちが行った実験では、ロボットが人間からリングを受け取るスピードや遅延を三種類に変えてみた。

ロボットの手の動きが速いと、人間はそれを「温かみがなくて不快」と感じた。遅い速度が一番好評だった。ロボットの手の動きに初動時の遅延がないと、それも人間にとっては不安だった。ただし遅延が長すぎると、やはり不安が生じた。

誰かの手が自分のほうへ伸びてきて自分の手から何かを取ろうとするときには、そのための快適な間合いがあることがわかった。その動きはある程度遅いほうが良い。適度に遅くてしかも遅すぎないことが、人間らしさを感じさせる。

この手渡しシステムは、米国時間11月7日に発表される研究論文に詳しく説明されている。実験はしっかりとした日常的環境で行われ、物の動きや予期せざる力などもある。ディズニーワールドのカフェでおしゃれキャットのロボットが、あなたの手からマグを取り上げるようになるのはまだ先の話だが、でもそのロボットの手の動きが人びとを怖がらせるほど「目にも止まらぬ速さ」ではないことは、これで確実になった。

画像クレジット: Disney Research

参考記事: 不気味の谷現象

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ファーウェイがバグ発見褒賞会議を開催、ミュンヘンにハッカーを集める

中国のテクノロジー大手のHuawei(ファーウェイ)は、今月下旬にミュンヘンで開く秘密会議に全世界の優秀なスマートフォンハッカーを招き、各国政府の同社に対する懸念を払拭しようとしている。

TechCrunchの情報筋によると、その11月16日の会議でファーウェイは、新しいバグ褒賞事業を非公開で提示する。それにより、セキュリティの脆弱性を指摘した研究者には賞金が贈られる。情報筋によると、そのバグ褒賞事業は過去と未来のモバイルデバイスを対象とし、またAndroidに対抗する同社製モバイルオペレーティングシステムであるHarmonyOSも、バグ発見賞の対象になる。

Apple(アップル)やGoogle(グーグル)、Samsung(サムスン)など、そのほかのスマートフォンメーカーにもバグ褒賞制度がある。

ファーウェイの新しいバグ発見褒賞制度は、同社と中国政府との関係に対する批判が最近ますます高まっていることと関係がありそうだ。同社が中国政府のためにスパイ行為をしているという米国の主張をファーウェイは否定しているが、それでもなお連邦政府は制裁と米国での事業に対する制限を解こうとしない。同社に対するこのような圧力の中で、グーグルなどはファーウェイに対する同社スマートフォンに使われていたAndroidのサポートを停止し、そのため同社は独自のOSを使わざるをえなくなった

ある情報筋はこのイベントを、アップルが8月に主催した秘密会議に似ているという。そこではiPhoneをハックしてセキュリティの弱点を見つけたセキュリティ研究家に、特別製のiPhoneが贈られた。

情報筋によるとファーウェイのバグ褒賞会議の目的は、セキュリティ研究者たちと同社との積極的な協働ぶりを各国政府に見せつけることにある。ファーウェイは通信企業が使用するネットワーキング機器も作っているが、これに関しては今年初めに英国の政府当局から、同社は国のセキュリティの脅威にはならないと主張しながら、深刻で意図的な欠陥を直そうとしないと批判された。

ファーウェイのスポークスパーソンであるChase Skinner(チェイス・スキナー)氏は、コメントの求めに応じなかった。

関連記事:米通信委がファーウェイとZTEの設備排除を通信会社に要求へ

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蜘蛛の目の原理を借りて奥行き感知カメラを超小型化へ

ロボットや各種自動化装置の普及とともに、それらに3次元の視力を持たせることがますます必要になってきた。しかし、iPhoneのノッチが示すように奥行きを感知するカメラはどうしてもかさばる。ここでご紹介する蜘蛛が獲物までの距離を検知する仕組みは、この状況を変えるかもしれない。

ハエトリグモの小さな頭には、光を照射する仕組みなどを収めるだけのスペースはない。それでも彼らは、巧妙な捕食動物として獲物を正しく見つけて、そっち方向へ正しく進み、正しく獲物を捕らえる。どうやっているのだろう?節足動物の例に漏れず彼らもまた、非常に不可思議なおもしろい方法でそれをやってのける。

人間などは、複数の目が捉えた画像から立体像を作っているが、蜘蛛の目はひとつひとつが奥行きを感知する。個々の目が多層構造になっていて、透明な網膜がそれぞれの層の、距離によって異なる像のぼけ具合を見分ける。蜘蛛の小さな神経系は複数の目の複数の層を比較して距離を正しく測る。そのとても小さなハードウェアで。

ハーバード大学の研究者たちは、蜘蛛のこのやり方を真似たハイテクのレンズシステムを作り、これまでのような光学系がなくても奥行きを感知できるようになった。

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電気工学のFederico Capasso(フェデリコ・カパソ)教授らが作ったその「メタレンズ」は、蜘蛛の目のように、入力視像をぼけ具合の異なる2つのほぼ同じ像として捕らえる。そして同じく蜘蛛の目のようなアルゴリズムで2つの像を素早く瞬時に比較する。それにより、リアルタイムで像全体の奥行きが計算される。

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必要な計算力とそのためのハードウェアが微小である、という意味では効率的な処理だが、それだけでなく視覚系もとってもコンパクトだ。実験に使われたメタレンズは直径がわずか3mmだった。

小さいから、自動運転車や工業用ロボットだけでなく、小さなガジェットやスマートホームのアイテム、それにもちろんスマートフォンなどにも楽に組み込める。Face IDを駆逐することはないだろうが、でもその始まりかもしれない。

このメタレンズシステムを記述している研究論文は、米国時間10月28日に発行される「Proceedings of the National Academy of Sciences」(米国科学アカデミー紀要)に掲載される。

画像クレジット: Harvard SEAS

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NASAが月の南極の地表下で結氷水を探すVIPER探査車を2022年に打ち上げ

NASAは月に、黄金のように貴重な液体を探している。それは石油ではなく、ごく普通の水だ。水が恒久的にあれば我々にとっても必要だから、それを知ることはきわめて重要だ。そこでNASAは、VIPER(バイパー)と呼ばれる探査車を月の南極へ送り込もうとしている。それは1972年以来最も長期の月面ミッションになる。

VIPERは、Volatiles Investigating Polar Exploration Rover(揮発性物質調査用極地探検探査車)の頭字語で、計画では2022年12月に月面へタッチダウンする。そのミッションは、極地域の恒久的に影の部分に水の存在を直接目撃して、その量を求めること、だ。

月のその年中暗い部分は、何百万年もかけて氷結水を集めてきた。陽が当たらないので、溶けないし蒸発もしない。NASAはすでにこれまで、一般的な領域で探針を地表下に差し込み、結氷水の存在を確認したが調査としての精度は低い。ロボットを送って正確な測定をすべきだ。

VIPERはゴルフカートぐらいの大きさで、探査用の機器を積んでいる。その中のNeutron Spectrometer System(中性子スペクトル分析システム)が、地表下の水を見つける。それに関してはNASAのアドミニストレーターであるJim Bridenstine(ジム・ブリデンスティン)氏が昨日、少し言及している

関連記事:NASA Administrator Jim Bridenstine explains how startups can help with Artemis Moon missions(人間の月滞在事業にスタートアップも貢献できる、未訳)

VIPERが水の上に来ると、TRIDENT(The Regolith and Ice Drill for Exploring New Terrain、新たな地質構造を探求するための表土と氷用ドリル)が展開される。それは文字どおりTrident(三叉鉾)のようだが今週出会った最高の頭字語だ。そのドリルは長さが1mで、スペクトロメーター(分光器)が月の土壌を分析するための試料を掘り取る。

試料採掘とスペクトル分析を大面積にわたって行うと、地表下の水の所在を地図に落とし、大きなパターンを掴めるだろう。月の上の、人間が大好きな物質の存在をもっと体系的に理解できるかもしれない。

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探査車VIPERがマップした月の表面下の結氷の視覚化

トップの画像でおわかりのように、この探査車は目下開発途上だ。まだ、その動き回る部分をテストしているにすぎない。それは探査車本体の一番肝心な部分だけど。

月の南極の陽が射さない部分でのミッションだから、ソーラーパネルなどはなく今回積む電池で100日しか仕事できない。しかしそれでも、米国が月面で過ごした日数の記録を更新する。最近の数年間で大量の探査車を月面の至るところに展開した中国の場合はどうだろうか。

おもしろいことに、この探査車の展開は外部契約プロジェクトであるCommercial Lunar Payload Services(月面商用荷重サービス)の一環だ。つまりこのペイロードサービスに参加するどこかの企業がたぶん、VIPERを軌道から月面へ着地させる着陸船を作るのだ。打ち上げが近くなれば、もっと詳しい記事を書けるだろう。

関連記事:NASA calls for more companies to join its commercial lunar lander program(商用月面着陸船に多くの企業の参加をNASAは求む、未訳)

画像クレジット: NASA

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Sense PhotonicsのフラッシュLiDARが量産体制に移行

自動運転車やドローンやロボットの界隈では、まだ理論の段階のものも含めてLiDAR(ライダー、自動運転用センサー)によるさまざまなソリューションがある。しかし、理論から大量生産への移行は、まず最初に理論を生むことよりも困難だろう。Sense Photonicsは、どうやらその部分を終えて、今ではその高度なフラッシュLiDARの予約販売を開始している。

LiDARはさまざまなタイプがあるが、これまで多く見られた回転式のタイプはその時代を終え、もっとコンパクトで信頼性も高い平面型タイプが主流になりつつある。LiDAR大手のLuminarもこちらへ乗り換えつつあるが、しかしSense Photonicsも静観はしてはいない。ただし、両社は長所がそれぞれ異なる。

Luminarや一部の企業は、狭い視界で数百フィート先の形状を検出する前向きタイプのLiDARを作っているが、Senseはもっと短い距離で物を広角で捉える。そしてそれは通常のカメラと相性がいいので、RGBの画像に奥行きデータをマップするのも朝飯前レベルに容易だ。

Sense Photonicsは従来のカメラの視野と奥行きデータを容易にマッチできるようにした

車の後部や側部に搭載したいLiDARはこういうタイプだ。そして、環境を広い視野で捉えて動物や子どもや自転車などを迅速にそして正確に検知する。でもこういう技術的な話は、同社がステルスを脱したときに記事にした

関連記事:28億円調達でライダーシーンに登場した新しいアプローチ

本日のニュースは、製品がプロトタイプを脱して生産のための設計になったこと。頑丈になったので埃や雨の環境でも外部に取り付けられる。性能もアップして状況によっては最大距離が40mを超えた。前より相当大きい。

2900ドルの基本製品は視野角が80×30度、もっと広い95×75度のもある。LiDARの標準より相当大きく、しかも他社のフラッシュLiDARよりも精度が高い。ただしワイドにするために犠牲にした部分もある。同社の特許技術により、LiDARの検出器はレーザーのエミッター以外ならどこにでも取り付けられる。車全体の設計も多少やりやすくなるだろう。

当然ながらこれは、ネットで気軽に買うというものではなく、自動運転車の本格的な研究開発やテストをしている企業がバルクで買う。

自動運転車の大量生産時代になったとき、LiDARはSense Photonicsとなるのか、それとも幸運な他社製品になるのか、今から予見することはできない。でも同社の強みは、製品が今すでに現存していることだ。同社のLiDARについてもっと知りたい人は、こちらへどうぞ。

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AmazonのFire TVとタブレットにニュースまとめアプリが登場

米国時間10月22日からAmazon(アマゾン)は、米国のFire TVユーザーにニュースまとめアプリを提供する。このアプリは、さまざまなニュース媒体からのニュースをカスタマイズ可能な形でサービスする。それらはCBSやロイター、Sports Illustrated、HuffPost(ハフィントンポスト)などの大手を含めて20社近いが、一部はYahoo系だ。以下が、そのニュースソース。

  • CBS News
  • Reuters(ロイター)
  • Huffington Post(ハフィントンポスト)
  • Bloomberg(ブルームバーグ)
  • Yahoo News
  • Yahoo Finance
  • Yahoo Sports
  • Yahoo Entertainment
  • AOL News
  • Al Jazeera(アルジャジーラ)
  • People
  • Entertainment Weekly
  • Sports Illustrated
  • Cheddar
  • Newsy
  • Wochit

いくつかの大手が欠けている。The New York Times(ニューヨークタイムズ)、The Wall Street Journal(ウォールストリート・ジャーナル)、NPR、CNNなどなどだ。でも、このようなコンテンツの契約は難しい。一部に有料のコンテンツもあるし、速報ニュースなどをスマートアシスタントにどうやって送るのかという問題もある。でもAmazonは「今後はニュースコンテンツの選択の幅をもっと広げる」と言っている。

ユーザーは好みのニュースソースを選び、Alexaにニュースを頼む。Alexa対応のFireタブレットにも、近くこのアプリが載る予定だ。

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AIスマートカメラ「Googleクリップ」が姿を消す

Google(グーグル)が以下のような声明で、スマートカメラ「Google Clips」(Googleクリップ)の廃止を認めた。

Pixel 3から、Photobooth機能にClipsを統合した。それによりユーザーは、自分たちの目がカメラを見ているとき、微笑んでいるとき、誰かが口をすぼめてキスしようとしているときなどを捉えることができた。Clipsの機能はそれだけだったが、その技術とユースケースの広がりは喜ばしいものだった。Clipsのユーザーは2021年の12月までサポートを受けられる。その後はデバイスのアップデートを一切リリースしない。今後は、Pixelデバイス上のPhotoboothが、GoogleのAIを使ったカメラ機能を試す最良の場所であり続ける。

多くのハードウェアがアップデートされていく中で、ClipsはGoogleのオンラインストアから消えていく。Clipsは、たぶん覚えていない人のほうが多いだろう。覚えていた人も、今回のことの成り行きは意外ではないだろう。

このすてきなデバイスが本当に終わりになるのか同社に問い合わせた。今言えるのは、評論家や、消費者や、Google自身の期待に反して、この製品には明るい未来がないことだ。それはもはや明確に、人生を記録するカメラではない。ではそれは何だったのか?その答えも難しい。

このデバイスは、同社のAI技術のデモでもあった。人びとがカメラをまったく意識していないとき、そしてユーザーがカメラを構えていないとき、決定的瞬間を自動的に撮る。レビューした私は、うちで飼っているうさぎのLucyの楽しいGIFを撮ることができた。

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確かに、得られたものもある。しかし249ドルは、高すぎたかもしれない。今週のPixelイベントの前に同僚の一人が「Clips 2の発表はあるかな」と冗談のように言った。その答がここにある。SensorTowerがTechCrunchに送ってくれたメールによると、Clipsアプリのインストール数は約1万5000件だそうだから、売り上げもわびしい。

これの前に同社は、VRヘッドセットであるDaydream Viewも廃版にした。いかにもGoogle的な処置だ。評判がぱっとしなかった初代のPixel Budsもストアから消えた。しかしPixel Budsの子孫は、まだ生きている

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