渦中のTwitter―では買うのは誰だろう?

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Twitterはトラブルの渦中にある。

MicrosoftはLinkedInを買収するという道を選んだ。その巨額さだけからもこの取引は、ソーシャル・ネットワークという大市場に参入するために次の大型買収を行うのはテクノロジー界の巨人のうちの誰で、買収対象はどこになるのかという議論を再燃させた。

ハゲタカがTwitterの頭上を舞い始めたのは1年以上前からだ。しかしTwitterは売却が近いという専門家の推測を全力ではねつけてきた

成長は頭打ちとはいえ、Twitterには広告収入もあるし、貴重なタイム情報を大量に掲載している。Twitterにおけるいちばん価値のある情報はパワーユーザーから来る。政治家、ジャーナリスト、著作家、学者、セレブが作るコンテンツは大量のトラフィックをTwitterにもたらしている。一方、Twitterの訪問者の大半はユーザーではない。Twitterが非ユーザーのビジネス的価値を高めるには、訪問回数、滞在時間を大きく増やす必要がある。

残念ながらさまざまな努力にもかかわらずTwitterの株価のパフォーマンスは絶望的だ。Twitterは全社的なリストラを行ったが、信頼を回復するには至らなかった。この間、いろいろな理由で株式市場を退出するテクノロジー企業の数は参入する企業の数を上回っている。

シリコンバレーではデジャヴの話題だが、SNSの次の大型売却候補はTwitterではないのかと考えざるをえない。ウォールストリートのゴシップ(これまで不気味はほど的中してきた)によれば、Twitterは売却される、それもどうあっても2017年中に売却されるということだ。

「ジャック・ドーシーが今年中にはかばかしい結果を出せないなら、 Twitterは売りに出される。ドーシーが問題を解決したとしても、それだけ売り物としての魅力が増す」とAxiom Capital ManagementのVictor Anthonyは述べている。

そういう事情を念頭に求婚者の顔ぶれを眺めてみよう。

以下の顔ぶれは、ウォールストリートのTwitter専門家、Monness, Crespi, Hardt & Co.のJames CakmakとAxiom Capital ManagementのVictor Anthonyの分析にもとづいて絞りこんだものだ。

Google (AlphabetグループのT?) — 可能性は十分

Pros: GoogleはすでにTwitterを検索に取り込んでいる。ツイートはGoogle検索に現れるし、最近TwitterはGoogleと提携してし広告を売ろうとしている。Google は2回もソーシャルメディアに進出を試み、2回とも失敗している。最近の例はGoogle+だ。Twitter買収はGoogleをソーシャルメディアの本流に戻す力となるだろう。Googleの売り上げはほとんどが広告収入だ。Twitterは極めて大規模なリアルタイム情報を持っており、Googleだけでなく、Microsoftその他もTwitterの全タイムラインであるfirehoseを利用している。GoogleがTwitterを買収すれば、データの流れをさらに強くコントロールできるようになるだろう。特にアクセスを制御する能力はGoogleにとって大きい。

Cons: Googleの巨大なサイズを考えると、何よりも反トラスト法訴訟を警戒する必要がある。Fortuneによれば、そういう可能性は薄いというのだが、連邦政府がTwitter買収をブロックするかもしれない。Googleの存在理由はインターネット上の情報を利用可能な形に整理することであり、ツイートのインデックス化も行わている。ただしGoogleはTwitterのインデックス化を急いでいない。 TwitteもデータをGoogleと共有するという提携の可能性を否定している。

プライベート・ファンド(Twitterキャピタル・グループ?) — あり得る

Pros: 事業を買収して価値を高めるのはプライベート・エクイティーがもっとも得意とする分野だ。Twitterは新たな経営陣を得てさらなるリストラを進め体質を改善することができる。広告収入の成長が再び軌道に乗れば、有利な条件で再上場が可能だろう。そのためには各種の体質改善と同時にTwitterのメンバー数よりもオーディエンスの伸びを確保することが重要になる。

Cons: Twitterはプライベート・ファンド向きの買い物ではないかもしれない。Twitterは構造的に赤字体質であり、ファンドによる買収は営業収入を増大させようとする過剰な圧力を生む可能性があるとAnthonyは指摘している。

Microsoft (SoftTweet?) — あり得る

Pros: MicrosoftはLinkedInの買収でデータの入手に貪欲であることを証明した。もちろんTwitterはリアルタイム情報の世界最大の宝庫だ。GoogleがTwitterを欲しがるはずだという理由のほとんどがMicrosoftにも当てはまる(Microsoftも2011年に独自のソーシャルメディアを試みている)。

Cons: MicrosoftはLinkedInの処理で手一杯のはずだ。またソーシャルメディアに興味があるとはいえ、やはりターゲットはビジネス分野とかんがえられる。

テレコム各社(AT&Tweet?) — あり得る

Pros: テレコムがTwitterを傘下に収めることは広告分野での強力なブースターとなる。Anthonyはテレコムがコンテンツ企業を飲み込んだことは前例があると付け加えた。VerizonがAOLを買収したのはその一例だ [情報開示:AOLは当TechCrunchの親会社]。 VerizonとAT&TはYahooの買収をめぐって競争している。またVerizonは最近、ウェブTVの計画を明らかにした。同時にTwitterはリアルタイムのコンテツ・プラットフォームの性格を強めている。

Cons: 有力テレコム・キャリヤはすでに膨大なユーザー・ベースを持っている。TwitterのユーザーはAT&TやVerizonがターゲットする一般ユーザー層とはやや異なる。

Facebook(Birdbook?) — あり得る

Pros: TwitterはFacebookのポートフォリオと親和性が高い。InstagramとMessengerでも実証されたが、この2つは重なり合わず、それぞれ独自に機能している。Twitterもおそらく同様だろう。

Cons: FacebookはTwitterの魅力的な機能、トレンドのトピックやハッシュタグなどをほとんどすべてコピー済みだ。

Amazon (Amazon Live?) — 可能性は低い

Pros: AmazonはTwitterを自社のメディア配信プラットフォームに組み込むことができる。またAmazonCart in 2014 はeコマースやソーシャルメディアと通販を統合するのに適したツールだ。

Cons: Amazonは小売、ロジスティクス、AWSを本質とする企業だとはっきり自己規定している。他の大きな分野への進出あり得るが、現在のところその徴候を見いだせない。

Apple (Dr. DreのTwitter?) — 可能性は低い

Pros: TwitterはすでにiOS、MacOSに組み込まれている。Twitterを買収すればAppleにはさまざまなビジネス分野が開けると同時に、同社は腐るほどキャッシュを持っている。

Cons: 買収によって本当にAppleの利益が増大するようなプラットフォーム上のつながりがない。私はAppleはTwitterを買収してSiriと一体化しメジャー・アプデートを図ることによってAmazon
Echoの有力な対抗馬に仕立てることができると提案したかもしれない。 残念ながらAppleはその方向を2016年のWWDCでSiriKit APIという形で発表してしまった。2013年にAppleのデータを利用してアプリの推薦プロセスを改善できるはずだと指摘されたことがあった。なるほどAppleはTwitterのアナリティクス・エンジンのTopsyを買収したが、その後閉鎖されている。

News Corp. (@Murdoch?) — 可能性は低い

Pros: MySpaceよりTwitterの方がニュースに特化しているのでNews Corp.にフィットするはずだという議論があった。なにかのイベントを企画するときわれわれはTwitterを頼りにするし、2016年の予備選の最中に何度Twitterが引用されるのを聞いたか数えきれないほどだ。

Cons: News Corp.はソーシャルメディア事業に参入しようとしてMySpaceを買収し、ほどなく手放した過去がある。MySpaceの評価額はNews Corp.が保有している間に94%も失われた。またCakmakは「News Corp.のようなメディアが買収し場合、Twitterのユーザーの大半はオープンさ、自由さが脅かされると考えるだろう」と指摘した。

画像:: Gustav Dejert/Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Microsoft、企業データを保護するAzure Information Protectionサービスを発表

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今日(米国時間6/22)Microsoftは、企業がサーバー・端末間でやり取りするデータを保護するための新しいプロジェクトを発表した。新しいAzure Information Protectionサーヒスは、Azure Rights Managementサービスと同社が最近買収したイスラエルのセキュリティー会社、Secure Islandsの技術に基づいて作られている。新サービスは来月パブリックプレビューを開始する予定。

「情報が企業ネットワークの境界を越えて移動し、企業の支配下にない多くの端末に送られる可能性もある時代、企業はデータを根元で保護する必要がある」とMicrosoftは今日の発表で説明した。「このような状況の中、データの置かれた場所や、誰とシェアされているかに関わらず、ファイルレベルでデータ損失を防ぎ、情報を追跡するソリューションを持つことが益々重要になっている」。

このデータを保護するために、Azure Information Protectionサービスではユーザーがデータに、その情報源、コンテキスト、および内容に基づいてタグ付けできる。この分類は自動あるいはユーザー主導で行われ、ラベル付けされたデータには、管理者がタグに応じて異なる保護レベルを与えることができる。

こうしたクラス分けと保護レベルはデータがモバイル端末に移動する際にもついて回る。

殆どの部分は、Microsoftの現在あるAzure Rights Managementの機能とあまり変わらない。しかしMicrosoft広報によると、Azure Information Protectionサービスは、データのクラス分けとラベル付けにSecure Islandsの技術を利用している。従来のAzure Right Managementのクラス分けツールは、企業のITポリシーまたはユーザー主導によるものでで、ドキュメントの内容を見ることはできなかった。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Xbox One Sよりもさらに強力なProject ScorpioはVRゲーム向け、2017年に発売予定

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たしかにXbox One S今日のイベントのビッグニュースだったが、Microsoftはもうひとつの大きなサプライズをひそかに用意していた。Project Scorpioが、それだ。ステージに最後に登場したXboxのトップPhil Spencerが、“Xbox Oneファミリーの最新メンバー”を紹介し、派手な“予告編”を見せた。その中では、デベロッパーたちも相当興奮している。

このゲーム機(“コンソール”)は2017年のホリデイシーズンに発売され、Xbox Oneのゲームにも完全に対応している。同社の位置づけによると、Xbox OneとOne SとScorpioは三人兄弟なのだ。ただし、処理能力は大幅にアップされ、VRゲーム対応、となっている。

[今日が…目の前の空間全体がゲーム空間となる…未来の始まりだ。]

そのビデオは、内部をちょろっと見せてくれただけだが、発表されたスペックによると、CPUは8コア、GPUは6テラフロップスで4K対応、“これまでで最強のコンソール”だそうだ。早めに発表したのはデベロッパーの関心をそそるため。そしてもちろん、今年のE3の立ち上げに花を添えるためだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

AR/VR課程の一学期をまるまるHololensのデモアプリ開発に投じたワシントン大学、その評価は肯定的

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Microsoftのあのおもしろい混成現実(mixed-reality)*プラットホームHololensは、誰もが気軽に試せる状態からはほど遠いが、でもワシントン大学のコンピューター科学の学生は、思う存分遊ぶことができた。〔*: mixed-reality, ARとVRを両方実現できること。〕

とくにそれは、同大のCSE 481Vクラスの学生だ。このコースは、“仮想現実と拡張現実について多くを学び、最新の技術やソフトウェアを熟知し、そして10週間かけてアプリケーションを構築する”、と説明されている。

こんなやり方のコースは、少なくとも同大では初めてだ。国内のVR/AR選手たち、MicrosoftやOculus、Valve/HTCなどからの全面的な賛助もあり、36名の学生が、Hololensの開発チームや、主要なヘッドセットのすべてにアクセスした。Hololensは25台提供されたが、一箇所にこれだけ集まるのも珍しい。OculusのチーフサイエンティストMichael Abrashや著作家のNeal Stephensonなどの客員講師の話も聞かなければならない。Stephensonの“Snow Crash”は、コースの必読書だ。

いまどきの大学は、学生が進んで入学したくなるための、こんなおもしろそうな仕掛けが重要なのだ。

One of the projects had users flying a virtual paper airplane through AR waypoints.

このプロジェクトでは中間点(通過点)がARで表示され、そこに仮想(VR)の紙飛行機を飛ばす。

このクラスのインストラクターの一人Steve Seitzは語る: “昨年、VR/ARクラスの話をHololensの連中に話したら、たいへん前向きの関心を持ってくれた。36人のクラスでまったく新しいデバイスやその開発プラットホームを使うのは、最初ためらったけど、開発環境がとても良くできていることに、感銘を受けた。経験のまったくない学生でも、すぐに使えるし、わずか数週間でけっこう上出来のアプリケーションを作れる”。

どれだけ上出来か、それはコースのWebページで確認できるし、開発過程を記した週刊のブログ記事もある。たとえばARクッキングや、お絵かきアプリケーション、部屋をスキャンする過程のゲーム化など、ほかのアプリケーションで使えそうなアイデアやコンセプトも少なくない。

クラスは、その総仕上げとして大学のキャンパスで公開デモデーを行った。一般人だけでなく、Microsoft ResearchのCVP Peter Leeのような重要人物も見に来た。

それが学生にとって大きな機会だったのはもちろんだが、この分野の企業にとっても実り多いテストの場だ。若い人たちはこの技術に、どのように対しているのか? どんな困難にぶつかったか? どんなツールを望んでいるか? こういうのは、企業側の思惑、下心というより、むしろ学生とのコラボレーションから得られる体験だ。

“Hololensのチームにとってこれは、焦点の絞られた教育的なセッティングでプラットホームを評価でき、初期的なフィードバックを得られる貴重な機会だった”、とSeitzは書いている。チームは、学生たちへの技術的サポートや教育訓練も提供した。

Seitzと、他のインストラクターの一人Ira Kemelmacher-Shlizermanは、来年もまたこのクラスをやりたい、と考えている。ワシントン大学はMicrosoftにとって便利な場所にあるが、同大はこの地域の研究のためのハブでもある。これまで、有名なHITLabで、VRやAR関連のアイデアを数多く開拓してきた。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Microsoftはビッグデータ分析とその応用プロダクトでApache Sparkに総賭けの姿勢

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Microsoftが今日(米国時間6/6)、オープンソースのクラスターコンピューティングフレームワークApache Sparkに、本格的にコミットしていく、と発表した

昨年、Sparkのエコシステムの浅瀬でちょっと足を濡らしてみたMicrosoftは、本日、いくつかのSpark関連サービスのプレビューを終えてそれらを公式ローンチし、またR Server for Hadoopのオンプレミスバージョンが今後はSparkベースになる、と発表した。R Serverの‘R’は、今人気がますます盛り上がっている、ビッグデータ分析とモデリングのためのオープンソースの言語Rを指す。

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さらにMicrosoftは、R ServerのAzureクラウドバージョンR Server for HDInsightがこの夏の終わりごろプレビューを終えて一般公開される、と発表した。なおSpark for Azure HDInsightは今すでに一般公開されていて、Hortonworksによる管理を伴うSparkサービスがサポートされる。MicrosoftのビジネスインテリジェンスツールPower BIも、今ではSpark Streamingをサポートし、ユーザーはリアルタイムデータをSparkから直接Power BIへプッシュできる。

これらの発表はすべて、Microsoftが“Sparkへの幅広いコミットによってMicrosoftのビッグデータ分析プロダクトを強化する”、と述べる方針の実現(の一環)だ。プロダクトはPower BIやR ServerだけでなくCortana Intelligence Suiteも含まれる。こちらはMicrosoftの複数のビッグデータ分析サービスを併用し、いくつかの機械学習ツールも利用するシステムだ。〔Cortana参考サイト

今週サンフランシスコで行われるSpark SummitでMicrosoftは、Google, Baidu, Amazon, Databricksなどなどと共にスポットライトを浴びる気でいる。その席でMicrosoftは、同社がSparkに今どれだけ入れ込んでいるか、その情報をシェアする、と約束している。

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MicrosoftとFacebook、大西洋に高速海底ケーブルを建設へ

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これは日常あまり見ることのないニュースだ。MicrosoftとFacebookは今日(米国時間5/26)、共同で大西洋に海底ケーブルを敷設し、バージニア州バージニアビーチとスペインのビルバオを結ぶ計画であることを発表した

MAREAと呼ばれるこの海底ケーブルは、「高まる高速通信への顧客需要に答え、MicrosoftとFacebookおよびその顧客のために、クラウドとオンラインサービスの信頼性の高い接続を確保するため」だと両社は言っている。工事は8月に開始される予定で、完成は2017年10月を見込んでいる。

運用が開始されると、MAREAは大西洋を横断する最大容量の海底ケーブルとなり(少なくとも現時点で)、8ペアのファイバーケーブルが使用され。ケーブルは160 Tbpsの転送速度を擁し、既に米国とヨーロッパを結んでいる他のケーブルシステムとは異なる経路を利用する。この理由についてMicrosoftは、「回復力と信頼性と高い接続を、米国、ヨーロッパ他にいるわれわれの顧客に届けるため」と言っている。

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「われわれは、信頼性が高く遅延の少ない接続を提供する、新しく革新的な技術に投資を続けることで、Microsoft Cloudおよび全世界のインターネット基盤の価値を高めようとしている」と、Microsoft のグローバルネットワーク調達責任者、Frank Reyは言った。「これはインターネットの次世代基盤構築にとって重要な一歩だ」。

もう一つ変わっているのは、FacebookとMicrosoftがこの取り組みをリードしていることだ(他にTelefonicaおよび傘下のTexiusが加わりケーブルの運用を担当する)。通常、MicrosoftやFacebookのような企業は、多くのIT企業からなるコンソーシアムに参加し、通信会社が主体となってケーブルを建設(あるいは投資)する。しかし今回両社は、独自の通信基盤を作り(そこにはFacebookで知られるようになったオープンハードウェア手法が用いられている)、余剰の回線容量を第三者に販売する計画だ。

両社はこの取り組みに必要な費用について情報を公表していない。

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MicrosoftがSkypeを企業のiOSとAndroidアプリにSDKで提供…Skype正規ユーザー企業は無料で使える

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MicrosoftのSkypeが、企業にとってさらに使いやすくなった。木曜日(米国時間5/19)にMicrosoftが立ち上げた、同社提供のSkype for Business SDKは、iOSやAndroidのデベロッパーが自分のモバイルアプリにSkypeのメッセージングとオーディオ、ビデオ機能を実装できるためのSDKだ。これでアプリが簡単にコミュニケーション機能を持つようになり、デベロッパーはアプリ本来の機能の設計や実装に集中できる。

こういう、どんなアプリでも簡単にメッセージング機能を持てるというAPI的SDK的サービスは、本誌TechCrunch主催のDisruptコンペで優勝したLayerや、もっと最近ではチャットツールのSendbirdなどがある。Microsoftがねらうのは、主に大企業だ。

Skype for Business SDKをアプリに実装した企業は、Skype for Business ServerやSkype for Business Onlineなど、既存のインフラストラクチャを使い続けることができる。ただしその企業が自己サーバーの上にUnified Communicationsをデプロイしていたり、あるいはMicrosoftのクラウドのユーザーであるかぎり、だ。またSkype for Business SDKを採用した企業は、既存のネイティブクライアントを使って彼らの顧客と話すこともできる。

ただしこのSDKのプレビュー期間においては、“リモートアドバイザー”機能の利用に限定される。つまり、モバイルフォンやタブレットを使ってリモートの顧客と対話し、チャットや電話、ビデオチャットなどをやりたい企業、という意味だ。

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実はこの機能は、Microsoftの今年のBuild 2016カンファレンスでデモされた。そのとき同社は、MDLIVEが作ったテレヘルス(telehealth, 遠隔医療)アプリを使った。そのアプリの中で医師たちは、ビデオチャットを利用して患者にケアのやり方を教えた。そのほか、診療記録や検査結果の共有、メッセージングを送る、などもデモされた。患者は医師とのチャットを予約し、約束の時間にリアルタイムでチャットできた。

相手がお医者さんなら、文字通り“リモートアドバイザー”だが、医療以外にも用途はある。たとえば金融アドバイザーやカスタマサービスなど、さまざまな企業アプリがありえるだろう。

Microsoftによると、Skype for Business ServerやSkype for Business Onlineのユーザーである企業は、このSDKを無料で利用できる。

SDKのダウンロードはここで

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

FirefoxがMicrosoftのIE + Edgeを抜く、しかしChromeの市場支配は続く

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Microsoftは今日のインターネットに合った新しいWebブラウザーを作ったのかもしれないが、しかしEdgeを開発しInternet Explorerのプライオリティを下げるという決定は、ライバルたちを利したようだ。それが少なくとも、StatCounterが今日新たに発表した調査報告書の主旨だ。この著名なインターネット調査企業によると、今回初めて、MozillaのFirefoxブラウザーがEdgeとInternet Explorerを合わせたマーケットシェアを上回った。

StatCounterは毎月、300万のWebサイトとその推定150億のページビューからデータを取得しているが、同社によると4月の時点ではFirefoxはデスクトップのグローバルなWebトラフィックの15.6%を占め、Internet Explorer + Edgeの15.5%をわずかに上回った。

上記三つのWebブラウザーはしかし、全プラットホーム計でユーザー数が10億あまりに達し、StatCounterが調べたトラフィックの60%以上を占めるGoogle Chromeの、はるか後方に位置している。ただし注目すべきは、StatCounterのデータでは2月と3月はFirefoxがMicrosoftのブラウザーよりもシェアが低いことだ。AppleのSafariと近く中国の企業に買われるOperaは、等外のその他大勢の中にいる(下図)。

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昨年のStatCounterのデータを参考までに見ると、 Windows 10でしか使えないEdgeのマーケットシェアはまだないにも関わらず、4月の時点ではInternet ExplorerだけでFirefoxを上回っている(下図)。〔訳注: 2016に関し、上図データと下図とでは、Microsoft/Firefox間の上下関係に違いが存在する。〕

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StatCounterは今回初めて、Chromeが最人気のデスクトップブラウザーであるというデータを発表したが、もちろん一調査会社がWeb全域を調べたわけではない。また同社のデータは、世界最大のPC市場の一つならぬ二つである合衆国とイギリスでは依然としてMicrosoftのブラウザー(IEとEdge計)がFirefoxを上回っていることを、示している。

おそらく合衆国やイギリスと違って、古いマシンが多く使われているアジアなどの国々では、Windows 10/Edgeはまだ少なく、またInternet Explorerの古いバージョンがサポートを絶たれているため、これらの事情が結果的にFirefoxの逆転勝利に貢献しているものと思われる。

この報告書は、未来の兆候なのか、それとも粗悪な統計データなのか。いずれにしても、Chromeの優位は当分、揺らぎそうもない。

モバイルのトラフィックに関してはStatCounterのデータは信頼性が低いが、参考までに挙げておくと、Chromeはここでも、中国のUC BrowserやSafari、Opera、それにAndroid上のさまざまなデフォルトブラウザーを抜いてトップだ。なお、SamsungのGalaxy用ブラウザーは今年急増したが、StatCounterのデータではシェアは10%にも達していない。

〔訳注: 最近、ChromeがIEを抜いた、として各メディアが派手に報じたのは、Net Applicationsのデータです。〕

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MicrosoftがイタリアのIoTプラットホームSolairを買収、Azure IoT Suiteに起用か

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Microsoftが今日(米国時間5/3)、2011年に創業されたイタリアのIoT企業Solairを買収した、と発表した。それは、格納式の日よけを作っている合衆国のSolair社ではない。

Solairはすでに、MicrosoftのクラウドコンピューティングプラットホームAzureを使ってサービスを提供しているので、Microsoftがその技術をAzure IoT Suiteに統合したいと考えても不思議ではない。しかし今のところは、Solairに関するMicrosoftの計画はよく分からないし、ただ声明文で“彼らの技術と才能はすばらしい…彼らをMicrosoftのチームにお迎えすることは喜ばしい”、と言っているだけだ。

買収の価額等条件は、公表されていない。

Solairはまだ知名度の低い企業だが、すでに多様なクライアントを抱え、その中にはイタリアのエスプレッソマシンのメーカーRancilio Groupや、食品加工機械のMinerva Omega Groupなどがいる。

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MicrosoftのPartner Director for Azure IoT、Sam Georgeはこう語る: “Solairは、顧客が彼らの未使用データを有効活用してIoTによる新しいインテリジェンスを作ることを、われわれがお助けする、という弊社の強い意思を共有している。そして今回の買収は、エンタープライズのためのもっとも完成度の高いIoTを提供していく、という弊社の戦略を支える”。

Solairは、IoTシステムの構築に必要なほとんどすべてのツールやサービスを提供しており、その中には、データ収集のためのゲートウェイや、カスタムデプロイメントのためのエンタープライズプラットホーム、既存のサービスとの統合、などがある。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

プログラミング不要、ドラッグ&ドロップでビジネスアプリケーションを作れるMicrosoftのPowerAppsツールが公開プレビュー

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Microsoft PowerAppsを使えば、誰もがベーシックなビジネスアプリケーションを作れる。プログラミングの能力は、必要ない。そのアプリケーションは、Web上やモバイルで使える(後者はiOSやAndroid用のPowerAppsアプリを使う)。Microsoftはこのプロジェクトの最初の非公開プレビューを昨年11月に発表したが、今日から(米国時間4/29)は、誰もがそれを試用できる。

PowerAppsでアプリケーションを作ることはほとんど、ドラッグ&ドロップの作業だ。Web上のダッシュボードもあるが、アプリケーションのデザインはWindows 10のデスクトップアプリケーションで行う。

ビジネスの現場の(line-of-business, LOB)アプリケーションは、その多くがさまざまなデータソースに接続する。ありがたいことにMicrosoftの場合は、Excel, Office 365, SharePoint Online, OneDrive, Dynamics CRMといった自社製のツールに容易にアクセスできるだけでなく、Google Drive, Salesforce, Dropbox, Slack, Twitterなどのサードパーティ製ツールにもPowerAppsで作ったアプリケーションからアクセスできる。PowerAppsに統合されていないサービスへのアクセスが必要な場合でも、そのサービスがRESTfulなAPIを公開してれば大丈夫だ。

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新規ユーザーの定着策としてMicrosoftは、二つのよくあるユースケースのための、テンプレートを数多く提供している。でも、新しいアプリケーションをまったくのゼロから作るのも、かなり簡単だ。Microsoftの宣伝コピーが言うほど、簡単ではないかもしれないけど。

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Microsoftが今週初めにひそかにリリースしたサービスMicrosoft Flowは、必要な処理の流れ(flow)に合わせて複数のアプリケーションをつなぐ役をする(例: 条件xのときAからBを起動する)。PowerAppsで作ったアプリケーションは、このFlowを使えるから、複雑なワークフローの自動化がある程度できる。

Flowは、類似のツールIFTTTやZapierに比べると、各種条件に応じてのアクションの呼び出しがより柔軟にできる。ただし、現状ではFlowに対応(Flowをサポート)しているサービスの数が少ない。今対応しているのはビジネスツールが多くて、Office 365, Dynamics CRM, Yammer, MailChimp, Slack, GitHub, SalesForceなどだが、FacebookやTwitterの標準的なアクションも呼び出せる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Microsoft、キーボードアプリWord FlowのiOS版を公開

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Microsoftは、単語予測キーボードのiOSアプリを公開した。Appleのモバイルエコシステムの人気に乗じて、自社のモバイル生産性分野の影響力を高めようとしている。

Word Flowアプリは、Microsoftの社内実験プロジェクト部門であるGarageが開発したもので、米国のApp Storeで公開した ― 欧州ではまだ利用できない。

今月始め、同社はiOSユーザー向けにベータ版のサインアップを開始したが、今回は米国ユーザー向けとなった。アプリは当初自社スマートフォンプラットフォーム(Windows Phone)のために開発され、デスクトップ製品であるWindows 10にも提供された。

次の単語の予測に加え、Word Flowアプリはスワイプ入力 ― Swype等のキーボードアプリと同様 ― による高速テキスト入力も約束している。やや目新しいのが片手タイピングモードで、キーボードを円弧状に表示することで親指だけを使った入力を容易にする。ユーザーはWord Flowキーボードの外観をカスタマイズすることもできる。

キーボード技術は、MicrosoftがWindows Phoneプラットフォームの初期段階から、先行するライバルから市場シェアを奪う方法の一つとして探究してきた分野だ。キーボードに力を入れた理由の一つは、当初AppleはデベロッパーにiOSシステム全体で使えるキーホード開発を認めておらず、またiPhoneネイティブのキーボードに新機能を追加するのが遅く、他社につけ入る隙を与えていたことだ。

しかし、クパチーノは2014のiOS 8でシステムワイドのキーボードに対する方針を変更し、外部デベロッパーに開放すると共に、自社キーボードにも機能を追加した(独自の単語予測機能等)。一方、Microsoftのモバイル市場シェアに勢いをつけAndroid-iOS複占に風穴を開けるという希望は実現することなく、アプリ開発でモバイル市場に大きな足跡を残すことに注力せざるを得なくなった。

この戦略をさらに進めるべく、同社は2月にロンドン拠点のキーボードメーカーで次単語予測の先駆者、SwiftKeyを2.5億ドルで買収した。当時同社は、Swiftkeyの技術を既存のWord Flow技術に組み込むと共に、自社製品を横断する中核技術として採用すると言っていた。

MicrosoftはSwiftKeyアプリも継続して提供すると言っている。機能はWord Flowと明らかに重複するが、前者の方が多数の利用を期待できる。Microsoftに買収された時点で、SwiftKeyはAndroid、iOSおよびSDK(殆どがAndroidプラットフォーム)合わせて約3億台のデバイスにインストールされていた。

Word FlowはMicrosoft唯一のキーボード製品ではない。Garage部門はこれまでにもHubと呼ばれるキーボードアプリをiOS向けに提供している。ただしこのキーボードは、マルチタスキングやOffice 365ユーザーがOneDriveやSharePoint等他のMicrosoftサービスを検索できるようにすることで生産性を高めることに焦点を当てたものだった。そのため、バルセロナ拠点のキーボードスタートアップ、ThingThing等のオープンな生産性向上キーボードほどには興味を引かない。

メッセージングアプリが、プラットフォーム上のプラットフォームとして拡大する力を見せつける中(例えばWhatsAppは月間10億アクティブユーザーを記録)、キーボードのような生産性アプリがその規模に達することは殆ど期待できない。

実際、SwiftKeyのMicrosoftへの売却を見ても、生産性アプリの成長がずっと困難で限界があることがわかる(そうなると、Microsoftがはるか前の2011年に買収した有名メッセージングアプリのSkypeの開発や市場シェア拡大に注力してこなかったことへの疑問が持ち上がってくる)。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Windows 10の新プレビュー版公開―Inkでアクティブ・ペンをサポート、スタート、Cortanaなどに多数の改良

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Windows 10のベータテスターには良い週末になりそうだ。今日(米国時間4/22)、MicrosoftはパソコンとモバイルのOSの最新デベロッパー・ビルドをリリースしたこのバージョンはWindows Inkが最初に実装された製品となる。 先月のBuild 2016デベロッパー・カンファレンスで発表されたWindows InkはInkはアクティブ・ペン(スマート・スタイラス)を自由に使えるようにする機能だ。

ユーザーはWindows 10を搭載したパソコンでスケッチブックやホワイトボードに図を書いたり、付箋にメモを書いたりできるようになる。またMicrosoftのEdgeブラウザを使えばページに自由に注釈を書き込めるという。地図その他でスタイラスが使えればたいへん便利だ。もちろんOfficeとも連動する。

このアップデートで、従来Surface Pro 4、Surface Bookでスタイラスを使っていたユーザーはスタイラスの新しいデフォールトであるWindows Ink Workspacにアクセスできる。 Microsoftによれば、これはタスクバーの通知エリアに表示されるという。ただしデバイスでアクティブをペアリングし、現に利用しているユーザーのみに通知される(タスクバー右クリックでマニュアルで追加も可能)。

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スタイラス用のWorkspaceは真っ白なキャンバスで、ユーザーは絵や図を描いたり、アイディアをメモしたりできる。直線を引くのに便利なデジタル定規も用意されている〔トップの写真参照〕。作成物は保存、共有ができる。

文書や画像などの共同作業で特に便利なのがスクリーン・スケッチ( Screen Sketch)機能だ。ユーザーはパソコン画面のスクリーンショットの上にスタイラスで自由に書き込みができる。ユーザーはスクリーンショットの必要な部分をトリミングし、注釈を書き込み、仕事の相手と共有できる。

sketch on files

今日発表されたビルドにはSticky Notes〔スティッキー・ノート〕というスタイラスで簡単に書き込みができるデジタル付箋紙機能も追加されている。カラーやサイズを自由にカスタマイズできるだけでなく、Microsoftによると、近くCortanaやBingと連動するようになるなど、さらに賢くなるという。

ユーザーがスティッキーに電話番号をメモするとそのままワンクリックで発信できるようになる。また書き込んだ内容がチェックリストやカレンダーの日程にもなる。出張の際に登場する飛行機のフライトナンバーをメモしておくと、Bingをチェックして変更があれば自動的にアップデートされるという。

sticky notes

スタイラスをサポートするWorkspaceにはGet Pen Apps〔ペン・アプリへ〕というリンクがあり、どのアプリがペンをサポートしているかが簡単にわかる。ちなみにBuildカンファレンスでのビッグニュースは、Microsoftが用意した2行をアプリのソースコードに追加するだけでどんなアプリでもペン対応になるという発表だった。

Windows Inkは新しいビルドの最大の目玉だが、唯一の新機能というわけではない。そのいくつかを次に紹介する。

他の新機能

スタートメニュー、Cortana、検索が改良された。 aアクション・センターや通知エリアにも変更がある。タスクバー、設定アプリ、ロックスクリーン、その他さまざまな部分がアップデートされている。目に見えない部分ではConnected Standby〔インターネット接続でのスタンバイ〕モードでのバッテリー駆動時間の延長がある。

スタート

いちばん目立つのはスタートメニューだろう。レイアウトを含めた外観が変更された。「よく使うアプリ(Most Used)」と「 すべてのアプリ」が統合され、単一のビューで見ることができるようになり、メニューのトップに移動して見やすくなった。Microsoftは「これによりスクロールやクリックの手数が減らせる」としている。

start-experience

「最近追加されたもの」は現在の1行から3行に増やされ、さらに拡張する手段も追加された。 電源、設定も変更を受けている。新しく設定したフォルダーはハンバーガーアイコンをクリックしなくてもスタートから直接アクセスできるようになった。【略】

Cortana

このビルドではMicrosoftのバーチャル・アシスタントのCortanaがロックスクリーンに移った。ユーザーはWindowsが起動されていればいつでもCortanaに(マイクがあれば音声で)、今日のスケジュールや天気などについて質問ができる。いちいちロックを解除する必要がない(ロックスクリーンの機能も改良されている。)。

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【略】

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さらに…

この他にもCortanaの通知やアクション・センターなどで外観やメニュー項目などに無数の改良が行われている 。詳細はMicrosoftのWindowsブログ参照。

これまでのプレビュー版同様、OSの新機能をできるだけ早くテストするためWindows Insiderプログラムに参加している数百万人のユーザーが今回のInsider Preview Build (14328)をダウンロードできる。ただし Microsoftは「開発中のOSにはさまざまなバグや荒削りな部分が多数残っている」と警告している。あくまでベータ版を使いこなせるユーザー向けだということを忘れてはならないだろう。バグのないバージョンをお望みなら、この夏発表される予定の安定版を待つほうがよい。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Microsoftの2016年Q3決算、EPS 0.62ドルは未達、売上221億ドルは予測通り

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Microsoftは今日(米国時間4/21)2016年会計第3四半期の決算を発表した。同社の非GAAP売収は221億ドル、調整後1株当たり利益(EPS)は0.62ドル、GAAP EPSは0.47トルだった。

ウォール街の予測は、EPS 0.64ドル、売上は221億ドル弱だった。Microsoft自身の売上ガイダンスは、211億~223億ドルだった。

ウォール街はこの数値が明らかな不満を示した。Microsoftの株価は時間外取引で現在5%近く下がっている

MirosoftのIR担当ディレクター、Zack Moxceyは決算発表後、EPSの不達は主としてこの数値がMicrosoftの所得税支出のための遡及修正を含んでいるためだと私に言った。それを別にすれば、EPSは0.04ドル上昇し、ウォール街の予測を上回っていたはずだと説明した。

かつて同社は、2018年にこの数字が200億ドルになると予測していた。今日のプレスリリースではこれ繰り返さなかったが、Moxceyは私に、同社が今もこの数字にこだわっていると話した。「全体的に実績は堅調だと感じている」と彼は言った。「もちろん、クラウドは引き続きわが社の中心だ」。

「デジタル技術を使っている企業は、変革し新たな成長を生むために、Microsoftをパートナーに選ぶことが多くなっている」とMicrosoft CEO Satya Nadellaは言った。「こうした企業が採用することによって、Microsoftのクラウドサービス全体とWindows 10に勢いがつく」。

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Microsoftは2016年Q1決算報告から事業部門毎の内訳を公表し始め、今四半期の決算でも慣行は続いている。

その他の数字は以下の通り。

  • プロダクティビティーおよびビジネスプロセス((PBP)は、Office、消費者向けOfficeおよびDynamicsを含め、65億ドルの売上、前四半期は67億ドルだった。MicorsoftによるとOffice 365の有償ユーザー数は現在2220万人で6%増。商用Office 365の売上は対前年比63%増だった。
  • インテリジェント・クラウド (IC)。サービス売上およびエンタープライズサービスから成り売上は61億ドル、前四半期は64億ドルだった。Azureの売上は120%増だった。
  • More Personal Computing (MPC)は、Windows、デバイス、ゲーム、および検索から成に、売上は95億ドル。前半期は127億ドルだった。

予想通り、携帯電話の売上は前年同期から46%減少した。プラス面では、Surfaceの売上が前年比61%で、2期連続で売上10億ドルを越えたとMoxceyは指摘した。しかし一方で、WindowsのOEM売上は2%減少したが、それでもPC市場全体よりは好実績だとMoxceyは言った。Windows 10機の第一の波が一般に高額であり、Microsoftの1台当たり売上を押し上げたことが主な理由だ。

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もう一つ今日の発表で誰もが注目していたのは、Microsoftの商用クラウドビジネスの実績だった ― PC市場が依然低調なだけに。前四半期、Microsoftは同分野の年間予測売上を94億ドルとし、前期予測の82億ドルから上方修正した。今回、年間予測売上は100億ドルに達した。

Microsoftの第3四半期はウォール街の期待に答えられなかったものの、クラウドの実績とOffice 365定期購読者数の増加は、同社の全体的方向転換計画が奏功していることを示すものだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Microsoft、MacとウェブでSkypeボットのプレビュー版を公開―Messengerボットより実用的か

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Microsofは今年3月のBUILDデベロッパー・カンファレンスで Skypeにボットなどの新しいコミュニケーション・ツールを追加する計画を発表した。このツールはSlack、 Outlook、LINEその他のプラットフォームから利用できる。

今日(米国時間4/18)、MicrosoftはMacとSkype on the web向けのSkypeボットのプレビュー版をリリースしたと述べた。これらのボットはすでにモバイル・デバイスから利用可能な状態だ。iPhone、iPad、Android向けと最新のデスクトップ向けSkype for Windowsの各バージョンが存在する。

またSkypeのボットは種類も増えた。Murphyは自然言語だけで質問に答えられない場合に画像を検索して発見し、必要なら新しい生成する。Summarizeは忙しいユーザーのためにウェブページの内容を簡単に要約するボットだ。

これらのボットを使用するには、Macの場合はSkypeを開いて「連絡先」をタップし、メニューから「ボットを追加(Add Bot)…」オプションを選ぶ。Microsoftによると利用可能なボットを検索することも可能だという。

ウェブ版の場合は左側ツールバーで「ボットを検索(Discover Bots)」を選択し、リストを開けばよい。 またユーザーはボットのプロフィール・ページ(上のリンク先)を直接訪問し、「ボットを追加」を選択してもよい。

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ウェブボットが利用できるのは当面オーストラリア、カナダ、イギリス、アイルランド、インド、ニュージーランド、シンガポール、それにアメリカとなっている。

Facebookのボットがニュース、天気予報、eコマースでのショッピングなどをMessenger内で提供しようという野心的な(出来栄えには大いに改良の余地がある))ものであるのに対して、Skypeのボットはやや地味だが、実用性はもっと高そうだ。

たとえば、Skypeでは各種のBing検索のためのボットが利用できる。これはSkypeソフトウェア内からニュース、画像、音楽を検索できるツールだ。Getty Imagesのボットは同社の手持ちのすべての画像が検索できる。Facebookのボットが企業やブランドに対してまったく新しいMessengerの利用法を提案しようとするものであるのに対して、MicrosoftのボットはSkypeを便利にするユーティリティー・ツールという印象だ。

Microsoftはボットがプレビュー版であることを強調しているが、これはテストの初期段階の製品であり、バグその他の欠陥が含まれている可能性があることを意味する。こうした問題は後にリリースされる正式版では修正されているはずだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

MicrosoftのAzure Container Serviceが一般供用へ…オーケストレーションは主要二社の製品から選べる

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MicrosoftのクラウドコンピューティングサービスAzure用のコンテナスケジューリングおよびオーケストレーションサービスAzure Container Serviceが、一般的に可利用になった。

このサービスではユーザーが、自分たちのコンテナをデプロイおよびオーケストレートするためにMesosphereのData Center Operating System(DC/OS)、またはDockerのSwarmとComposeを選ぶ。サービスが発表されたのは2015年9月で、公開プレビューは今年の2月に行われた。

MicrosoftのAzure担当CTO(でときどき小説家の)Mark Russinovichによると、DockerのSwarm/Composeと、DC/OSのオープンソース部位…どちらもオープンソースプロジェクトがベース…の両方を使えることが、Azure Container Serviceの、コンペティターにはない利点だそうだ。

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Russinovichによると、同社は顧客に、二つのうちのどっちを使え、ということは言わない。“うちのクラウド上で顧客に、どちらか、または両方を使って、グレートな体験をしていただくことが、われわれの仕事”、だそうだ。

MicrosoftとMesosphereの関係は、もうかなり長い。最初同社は、AzureのユーザーがAzure上でMesosphereのDC/OSを使えるという方式を選び、Mesosphereとのパートナーシップにより、WindowsとHyper-VコンテナでもDC/OSを使えるようにした。さらにMicrosoftはMesosphereに戦略的投資を行い、昨年はMicrosoftがMesosphereをその年に買収するという噂もあった。Russinovichはもちろん、買収についてはコメントしないが。

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Microsoftの考えでは、オープンソースのソリューションを使うことによってユーザーは、自分たちのワークロードを、必要に応じてオンプレミスに移すことも容易にできる。また、既存のオンプレミスのソリューションをAzureに移すこともできる。

しかしMicrosoftのこの陣容には、GoogleのKubernetesの姿がない。こちらもやはり、オープンソースのプロジェクトだが。この点についてRussinovichは、あくまでも顧客の要望の多いオープンソース技術を選んだのだ、と言う。Kubernetesはこれまでの要望になかった、ということだが、彼は、Azureが今後それをサポートする可能性がないわけではない、と言った。

Russinovich曰く、今Microsoftは、多くの企業がそのワークロードをコンテナに移しつつある状況を目撃している。“数年前にはdevの連中がテストしているだけだったが、今では全社的にそのプロダクションに採用している”、と。

しかしユーザーは、自分のデプロイに対するサポートを、直接、MesosphereやDockerから得なければならない。今MicrosoftがRed Hatとの契約でやってるような、‘Azureからのサポート’という形には、当面ならないようだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

MicrosoftのAzure Media Servicesにビデオの要約を自動作成、タイムラプス生成、ビデオ画面に対するOCRなど、多くの新機能が加わる

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ビデオ関連のワークフローを支えるツールをクラウドから提供しているMicrosoftのAzure Media Servicesが、相当賢くなるようだ。今日ラスベガスで行われた2016年NAB show〔放送機器のカンファレンス〕でMicrosoftは、同社がビデオ用の機械学習サービスのために開発したツールの一部を、Media Servicesが利用していく、と発表した。

これによりたとえば、Media Servicesはソースのビデオからいちばんおもしろい部分を取り出したり、ビデオ全体の要約を素早く作って見せたりできる。

また、これらのツールには顔認識の技術や、人間の感情を見分ける能力も加わる。感情の判別は同社のCognitive Servicesがすでに、静止画像に対して行っている 。これらの技術や機能により、たとえば、何かのイベントで行われたスピーチに、人びとがどのように反応したかが分かるようになるだろう。あなたのキーノートがあまりにも長かったら、人びとの感情は、楽しい→無関心→うんざり、と変わっていくだろうね。

Microsoftは今、Hyperlapseというものも作っている。それは、いわゆるタイムラプスビデオをAzure Media Servicesの中へ作り込める機能だ。この機能はすでに公開プレビューをやっており、最初、最大1万フレームまで、という制限があったが、今はない。

そのほかの新しい機能としては、動きの検出、音声をテキストに変換するインデクサーが新たに6つの言語(計8言語)に対応、ビデオ中のテキストに対する動き検出とOCR機能、などがある。たとえば、ふつうの、キーワードによる検索の結果に、ビデオも含まれるようになるのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

教員向けの「Minecraft: Education Edition」は5月にベータ公開

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今年1月、MicrosoftはMinecraftへの投資を拡大することを発表した。Minecraftは、同社が2014年に25億ドルで買収した人気のゲームで、新しいバージョンは教室で先生が使うことを目的にしている。今日(米国時間4/14)Microsoftは、“Minecraft: Education Edition” のベータ版を5月に提供開始すると発表した。

Microsoftによると、ベータプログラムは世界30ヵ国の100以上の学校で行う予定で、参加者は教室内でプログラムをテストできる。学校側は詳細なフィードバックを送り、Microsoftが一般公開前に改善する手助けをする。

その後6月にMicrosoftは、「アーリーアクセス」プログラムを開始し、教師はフィードバックを送ることを条件に、Minecraft Education Editionを無料で利用できる。この時点でソフトウェアは11言語、41ヵ国に対応する。同プログラムは夏まで続けられ、並行してMicrosoftはこれらアーリーアダプターらと協力して、授業プランを作ったり、学習活動のアイデアの共有、再利用可能プロジェクトの作成等を行う。

アーリーアクセスプログラムが終了すると(正式な日付は未定)、Minecraft: Education Editionのユーザーラインセンスを、直接あるいは一括ライセンスチャンネルを通じて購入できるようになる、とMicrosoftは言っている

既にMicrosoftと契約を結んでいる学校や学区は、年内に現行ライセンスにEducation Editionのライセンスを追加できると、Minecraft: Education EditionのFAQに書かれている。教師はオンラインで購入することもできる。大規模機関のための一括ライセンスもある。

これらの計画および価格については今後発表するとMicrosoftは言っている。

また同社は、Minecraft: Education Editionは、最新OSのWindows 10およびMac OS X El Capitanで動作することを確認した。教師と生徒は、学校または学区のメールを使って、無料のOffice 356 教育アカウントに登録する必要がある。

覚えている方もいるだろうが、Microsoftの教室版Minecraftの計画は、学習ゲームメーカーTeacher Gaming LLC買収に続くものだ。同社は教師向けのゲーム、MinecraftEduを作った。ゲームには、教師がMinecraftを使ってSTEM、歴史、言語、美術等をすべてゲームを通じて教えるための授業プランのライブラリーがついてくる。Microsoftは今年、同社を非公開の金額で買収した。

Minecraftを教室へと拡大する動きには、既に多くの学校がカリキュラムの一環としてこのゲームを使っているという背景がある。Microsoftが1月に公表したように、現在世界40ヵ国以上7000以上の教室で、生徒たちがMinecraftを使っている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Windows、OS X、LinuxをカバーするMicrosoftのVisual Studio Codeエディタがついに1.0に

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今日(米国時間4/47Microsoftのクロスプラットフォーム戦略の中心となるデベロッパー向けテキスト・エディター、Visual Studio Code (VS Code)が、1年間のベータテストを終え、ついにバージョン1.0となった。Microsoftによれば毎月50万人以上のデベロッパーが現にこのエディタを利用しているという。

Microsoftが昨年のBuildデベロッパー・カンファレンスで、VS Codeを発表したのは驚きだった。Microsoftはそれまで OS XやLinuxをカバーするエディタなど一切出したことがなかったからだ。Visual Studioのブランドでとなると驚きは一層のものがあった。

ただしMicrosoftがリリースした当初、この製品は多くの重要な機能を欠いており、VS Codeエディタ自体はまだオープンソースではなかった。しかしその後Microsoftはこれらの欠点を修正した。

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エディタにとって必須のAPIも公開され、デベロッパーは現在エディタの機能を自由に拡張できるようになった。VS Codeのユーザー・コミュニティーは1000種類以上のエクステンションをすでに開発している(当然だが、ここでも大半のエクステンションは「ロングテール」に属する)。現在VS Codeは当初よりはるかに広い範囲の言語をカバーしている(当初のターゲットは主としてJavaScriptとTypeScriptだった)。各種の有用なエクステンションのおかげでVS Codeは今やNode.js、Go、C++、Python、PHPその他の言語でソフトを書くために利用できる。

昨年ベータ版を発表して数ヶ月後にVS Codeはオープンソース化され、ソースコードがGitHubから入手できるようになった。

今後の見通しについていえば、VS Codeチームは基本を重視した開発を続けるとしている。「パフォーマンス、安定性、アクセシビリティ、互換性がユーザーが最も重視するポイントであり、これはわれわれ自身の考えでもある」とMicrosoftは述べている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

IT技術で巨匠のスタイルを分析し、レンブラントの偽物を3Dプリントする

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歴史上の偉大な画家のスタイルを真似するプログラムを作ろうとする試みは、高慢であり失敗する運命にあるが、その特質は、テクノロジーの最先端にいる男女にとってネコにとってのマタタビのようなものだ ― そしてそれにかける努力の成果は目覚ましく説得力がある。しかし、果たしてそれは芸術なのか?(イエス。間違いなく芸術だ)。

The Next Rembrandtと呼ばれるそのプロジェクトは、INGとMicrosoftがスポンサーとなり、オランダのデルフト工科大学といくつかの美術館が協力して行われた。

もし、この複雑にすぎるサイトから読み取ることかできれば、美術史家と画像分析の専門家なくしてはなしえない、非常にクールで学際的な仕事が見られるだろう。

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レンブラント・ファン・レインの全作品から、色、服装、話題、年齢層、構成その他あらゆる有用なデータを分析した。研究者らは、殆どの白人男性が、黒いスーツ、白いシャツと口ひげという17世紀の出で立ちであることを発見した。データが多いほど良い結果が出ることが多く、この場合はよく見かける光景だったため似たような肖像を比較することが容易だった。

次に、人物と作品について個々の特徴を詳細に分析する ― 彼はどんな顔面形状を好んだのか? 見る人からの角度は?個々の線はどう描かれ、線の集合はどのように構成されているのか?

こうしたデータを元に、システムは新たな部品を作り、組み合わせて数世紀前の人々にとって心地よい顔や姿を完成させていく ― 残念ながら技術的な詳細は明らかにされていない。もっと詳しく知りたいところだが、まずはこのビデオで開発者の声を聞いてみよう。

作品は特殊な3Dプリンターを使って、その時代の絵画に合った質感やひび割れを再現しながら物理的平面上に呼び起こされる。。

この興味深いテクノロジーの芸術への応用についての計画は何も語られていないが、情報が入り次第お伝えする予定だ。

経験ある美術史家はこの量産品と本物のレンブラントを区別できるのか? それはほぼ間違いないが、重要なのはそこではない。これまで主観的な言葉でしか表せないと思われていたデータ(光の質や表現のニュアンスを定量化することは難しい)を整理してシステム化し、合成絵画を作成できるようになったことには十分な価値があり、一つできたからには比較的容易に何十種類もできるかもしれない。

もちろん、このシステムは複数人物の絵や風景、印象派、ラファエル前派や立体派のほぼあらゆる作品でつまづくだろう ― ダダやイエローイズムの議論はここでは置くことにする(とはいえ、畳み込みニューラルネットワークの幻覚的かつ深遠な夢は、コンピューターが世界を魅力する独自の表現を持つことを示唆している)。

いずれにせよ、このプロジェクトは、数年のうちに汎用美術模造マシンを開発するための強力な基盤となるだろう。その時は美意識に関する難問を突きつけられることを覚悟しておかれたい。

何ともすばらしい(そして少し高尚な)話ではないか? 18ヵ月の作業に関わった全員に心から拍手を送りたい。この仕事が、「本物」の作品を取り込み、保存するための技術も発展させたことを願っている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

MicrosoftがAWSのLambdaに続いてサーバー不要のイベント駆動型クラウドサービスAzure Functionsをローンチ

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Microsoftが今日(米国時間3/31)行われた今年のBuildデベロッパーカンファレンスで、デベロッパー自身がそのためのインフラを作らなくてもイベント駆動のトリガーを作れる、というサービスのプレビューを発表した。

ご存知のようにAWSは昨年のre:Inventカンファレンスで、Lambdaと呼ばれる同様のサービスを発表したが、競争の激しいパブリッククラウドプラットホームの業界だから、Microsoftもそれを黙視できない。Microsoftの、AWS Lambda相当サービスの名前は、Azure Functionsという。

Microsoftから見ればそれは、同社のPaaSサービスの拡張であり、デベロッパーはJava, Python, C#, phpnなど自分が使い慣れている言語でイベントトリガを作れる。そしてそれはAzure上はもちろん、そのほかのサードパーティによるプライベートやハイブリッドのクラウドでも使える。

Microsoftはこれを主に、IoT用と位置づけている。デバイスやセンサーから情報が来ると、それがイベントをトリガーして自動的に何かを起こす。

Azure Functions demo

なお、Googleも最近、Google Cloud Functionsという似たような名前で、同様のツールのアルファを開始した

ファンクションをプラットホーム側で(イベント駆動で)動かすわけだから、ユーザー(デベロッパー)はサーバーが要らない。この考え方は、なかなか魅力的だ。デベロッパーはイベントトリガーを作る、あるいはそれぞれ独自の意味を持った一連のトリガーを作る。するとクラウドサービスがそれら(から起動されるファンクション)を動かしてくれる。そのために必要な計算機資源やメモリ、ストレージなどはクラウドプラットホーム側が手配する。イベントそのものは、単なる引き金(トリガー)だから、一瞬しか存在しない。

それ(ラムダファンクション)は、小さな自己完結的なアプリケーションをデプロイする権限をプログラマーの手に渡し、デベロッパーがアプリケーションを壁の向こうにいるオペレーション(ops)に渡してデプロイしてもらう、という状況がなくなる。デプロイは、デベロッパーが自分でやる。なぜなら、オペレーション相当部分は、Microsoftなどのクラウドプロバイダが、適正なリソース配分を自分でやりながら担当し、アプリケーションのデプロイを行い、イベントのトリガーを扱っていくからだ。

もちろんこれによって、複数のイベントが同時並列的に発生したり、トリガーが別のトリガーをトリガーするといったドミノ効果が起きることもありえる。そして最終的には、いろんなイベントにトリガーされたアクティビティのコンスタントなフローが常在し、それら個々の小さな(大量の)イベントに課金するMicrosoftは、確実に収益を積むだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))