テスラの新型コロナによる一時帰休は販売・納車部門の従業員が対象

Tesla(テスラ)は4月10日、販売・納車部門の従業員の一時帰休を明らかにした。経験が少ない従業員が対象となる。この数日前には、新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックによる給与カットと人員削減が全従業員向けのメールで発表されていた。

今回、一時帰休の対象となった販売・納車部門の従業員が匿名を条件にTechCrunchにその詳細を説明した。それによると誰が社に残るのか、あるいは一時帰休になるのかについて成績はさほど考慮されなかった。その代わり、経験やポジションで決まった。情報筋によると、入社して2年未満の販売・納車部門の従業員が一時帰休となる。

一時帰休は米国内の販売・納車部門の半分に影響する、とCNBCは10日報じている。しかし合計何人が影響を受けるのか、TechCrunchは確認できなかった。

今回の一時帰休は四半期末を1週間ほど過ぎてのものだ。普通、四半期末というのは、納車部門の従業員は社内目標を達成しようと忙しい。顧客はカリフォルニアやニューヨーク、その他の州での納車を噂していたが、COVID-19が納車を阻害した。

一時帰休は、Teslaの人事責任者Valerie Workman(ヴァレリー・ウォークマン)氏が4月7日に内部メールを送って以来、予想されていたことだった。そのメールではTeslaが給与制従業員の給与をカットし、一部の従業員を一時帰休とすると通達した。

しかし、具体的に誰が影響を受けるのかは10日まで明らかでなかった。

TechCrunchが確認した内部メールでは、米国の工場での生産は新型コロナウイルスのパンデミックにより少なくとも5月4日まで停止され、これによりコストを抑制する必要に迫られたと従業員に説明している。

給与制の従業員は、ポジションによって給与が10〜30%カットされる。電子メールによるよ、この給与カットは第2四半期の終わりまで続く見込みだ。給与カットと一時帰休は4月13日から始まる。在宅勤務ができない、あるいは重要なオンサイトポジションを割り当てられていない従業員は5月4日まで一時帰休となる。

関連記事:テスラは新型コロナで工場を一時閉鎖、社員給与の削減と一時レイオフを実施

画像クレジット: Justin Sullivan / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

ボーイングが州の在宅命令に従い中型ジェット機787の生産を中断

米国時間4月6日の発表によると、Boeing(ボーイング)は知事の在宅命令に従って南カリフォルニア工場におけるボーイング787の生産工程をすべて中断し、実質的に同社の商用航空機の製造を完全に休止する。

休業は4月8日の第2シフトの終わりに始まる。

ボーイング787担当の同社副社長Brad Zaback(ブラッド・ザバック)氏は「我々のチームメイトの健康と安全を守り、州全体のウイルスの拡大と、我々のグローバルなサプライチェーンの信頼性に対するその影響、ひいてはそれらが787の事業にもたらす影響を評価することは、我々の責務である」。

ボーイングはすでに、シアトル地域の工場を閉鎖している。米国時間4月5日に同社は、ワシントン州のピュージェットサウンド地域とモーゼズレイクの工場における今後の生産も次の発表があるまで中断すると発表している。それらの閉鎖はワシントン州における新型コロナウイルス(COVID-19)の拡散と、それによるサプライチェーンの不安定化が原因だ。

787の生産再開の日程は発表されていないし、同社のその他のオペレーションに関するガイダンスもない。

Boeing South Carolina(BSC)の社員でリモートワークが可能な者は、それを継続する。それができない者は10日間の有給休暇になる。同社によると、それは規定の倍の期間という。閉鎖がさらに続くようなら、従業員は有給休暇の継続または、退社による緊急時失業保険のどちらかを選ぶことになる。

新型コロナウイルス 関連アップデート

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在宅人口の急増で宅配の需要が増えAmazonは10万名の倉庫労働者を緊急雇用

Amazon(アマゾン)は米国時間3月16日、新型コロナウイルス騒動による需要急増に対処するため、米国における倉庫および配送関連の従業員を新たに10万人雇用すると発表した。

米国のフルフィルメントセンターの労働者は、4月末まで時給が2ドル(約213円)アップする。現在のフルフィルメントセンターの時給は、最低が15ドル(約1598円)だ。また英国では2ポンド(約261円)、EU諸国ではおよそ2ユーロ(約238円)時給が上がる。これらのためのAmazonの新たな支出は、米国と欧州とカナダを合わせて3億5000万ドル(約372億8600万円)になる。

Amazonのワールドオペレーション担当シニアバイスプレジデントであるDave Clark(デイブ・クラーク)氏は次のように述べている。「COVID-19によるパンデミックが続いている中で、Amazonとそのパートナーネットワークは、ほとんど誰にもできない方法で世界中の地域社会を助けている。どうしても必要な品物を高齢者や障害者など社会的に孤立しがちな人びとの玄関先に届けすることは、コミュニティの存亡にも関わる。需要はこのところ急増しており、この時期としては前例のないほど大きな労働力が必要となっている」

現在の危機にあって人びとは、なるべく家に留まることを促されており、そのため宅配の需要はかつてないほど高い。Amazonのロジスティクスはすでに現在の需要に応えることが難しくなっておりAmazonプライムとフレッシュの当日配達はもちろん、翌々日配達すらままならなくなっている。また同時に、長期間にわたって家にいる人が増えているため、Amazonはトイレットペーパーといった日用品の在庫を切らし初めている。

先週のAmazonの発表では、COVID-19と診断された者には最大2週間分の給与が支払われ、またパートナーの配達サービスやドライバーには2500万ドル(約26億6000万円)の救援基金が設立された。

また3月16日のトランプ大統領の記者会見では、アマゾンCEOのJaff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏が政府への寄付を申し出たことが明らかにされた。ただし、その額は不明だ。

画像クレジット: Johannes EISELE / AFP / Getty Images

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Google検索が米国の大学に関する情報をさらに拡充

Googleは米国時間8月15日、米国の大学に関する情報を探している学生のために、いくつかの新しい機能を発表した。昨年、Googleの検索には、4年制の大学に関する情報を載せたウィジェットが新たに導入されたが、今日はそれが2年制のカレッジにも拡張された。

大学に関する検索は願書の受付が始まる前の8月から秋にかけて急上昇するが、Googleによると特に最近の2年間では「家から近い地域の大学」の検索が120%(2倍強)増えている。

今回のアップデートで高校生たちは、大学の学費や倍率などを4年制と2年制の両方に関して比較できる。4年制の大学については、その大学で人気の高い資格授与事業やアソシエイト(准学士制)事業を調べられる。また、特定分野に強い大学のリストを作って、それを距離でソートすることもできる。これは、地域のカレッジなどに在宅通学したい人にとって便利だろう。また、大学を規模でソートすることもできる。

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これまでと同様、今回の拡張されたデータも教育省の一般公開データがベースだ。

Googleは今日の発表で「私たちは教育の研究者や専門家、非営利団体、高校のカウンセラー、選抜試験の専門家などと協働して、生徒たちのニーズに合った有益な情報体験を構築した。そしてこれからも、情報がもっと容易に入手できる方法の発見に努め、ユーザーの未来の教育機会を見つける努力をお手伝いしたい」とコメントしている。

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都市問題に挑戦するスタートアップを育てるアクセラレーターが7社を選定

世界の都市問題を解決するスタートアップを育てることを目的とするアクセラレーターUrban-Xが、その第6次の育成グループとして7社を選んだ。

BMWのMini事業部の設計部門とVCのUrban.USをパートナーとして、7社は各15万ドルの資金を受け取り、Urban-Xの20週間の育成事業に参加する。その途上でBMWの技術者やデザイナー、ソフトウェアデベロッパー、ポリシーや営業の専門家、そしてマーケティングの指導者たちとの接触がある。

今回選ばれたスタートアップは、以下のとおり:

  • 3AM Innovations:緊急時におけるファーストレスポンダー(初動救援要員)のための捜索ツールを提供する
  • Cove.Tool:ビルの設計の初期段階においてパフォーマンスのモデリングを自動化するツールキットを提供する
  • Evolve Energy:リアルタイムの料金計算やコネクテッドホームデバイス、再生可能エネルギーなどを利用して家庭のエネルギー費用を節減する
  • Food For All:レストランの今後廃棄されそうな食材を回収して一食4ドルの食事を作る
  • OurHub:公共のスペースを利用するアウトドアレクリエーションによるアウトドアエクササイズのネットワーク
  • Pi Variables:交通整理のソフトウェアサービス
  • Varuna:水質監視サービス

Miniは3年前に、そのイノベーションとブランド戦略の一環としてUrban-Xを立ち上げた。支援対象となるスタートアップは主に、モビリティや効率的なエネルギー利用、都市のインフラストラクチャ、住宅、食料廃棄などに関連したサービスだ。

これまでに同アクセラレーターを卒業したスタートアップは44社、その85%がその後新たな資金調達を行っている。

Urban-XのマネージングディレクターMicah Kotch氏は「都市と新興のテクノロジー企業は最大の都市問題を解決して行く上での強力なパートナーだ。今回の第6次育成グループについても、彼らのソリューションを、都市生活にインパクトを与えているさまざまな産業に向けてスケールしていきたい」とコメントした。

画像クレジット: Walter Bibikow

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米不動産保険大手から8億8500万件の顧客データが露出

セキュリティ関連の記者であるBrian Krebsからの最新ニュースだ。Fortune 500社の不動産保険大手であるFirst Americanが、同社のウェブサイトのバグのため、およそ8億8500万件の機密記録が露出した。

Krebsの記事によると、同社のウェブサイトは、銀行口座番号、勘定明細、住宅ローンと税の記録、社会保障番号、そして運転免許証の画像をシーケンシャルな形式で保存し露呈していた。そのため、ドキュメントのウェブアドレスを知っている者が簡単にアクセスできるだけでなく、アドレスの中の数字をひと桁変えるだけで他人のドキュメントも見られた。

パスワードなど、他人のドキュメントへのアクセスを防ぐ認証の仕組みはまったくなかった。

Krebsの記事は、いちばん古いドキュメントの番号が「000000075」で、数が大きいほど新しいドキュメントだと言っている。

露出した中で最も古いのは、2003年のドキュメントだそうだ。

彼の記事では「露出したファイルの多くは、住宅などの物件のバイヤーとセラーの間の電信によるトランザクションの記録で、銀行の口座番号などの情報が含まれている」と書かれている。First Americanは米国最大の不動産権原保険のひとつで、2018年の収入が58億ドルだ。

First AmericanのスポークスパーソンMarcus Ginnaty氏が、本誌TechCrunchに次のように述べた:

5月24日にFirst Americanは、そのプロダクションアプリケーションのひとつに顧客データへの無許可アクセスを可能にする設計不良があることを知った。セキュリティとプライバシーおよび守秘性は最高位のプライオリティであり、私共には顧客の情報を保護する義務がある。したがって、弊社は直ちに対策措置を取り、アプリケーションへの外部アクセスを遮断した。私共は現在、これが顧客の情報の安全に及ぼした影響を査定している。私共は外部の科学捜査企業を起用して、弊社顧客データへの実害のある無許可アクセスがなかったことを確認した。

セキュリティ研究家のJohn Wethington氏よると、ウェブサイトを落としてもドキュメントの多くは検索エンジンにキャッシュされている。しかし本誌TechCrunchは、データがまだ読める状態である間は、露出したデータへのリンクを差し控える。

これは住宅ローンのデータ侵害としては、ここ数カ月で最新の事件だ。

TechCrunchは1月の独占記事で、金融や銀行関連の2400あまりのドキュメントが、パブリッククラウドのストレージサーバー上で不注意により露出して、誰でもアクセスできる状態になったと報じた。そのデータには住宅ローンや一般ローンの契約書をはじめ、さまざまな機密情報が含まれていて、個人の財務状況が丸裸になってしまうのだ。

First Americanからの所見によりこの記事をアップデートした。

関連記事: Millions of bank loan and mortgage documents have leaked online(膨大な量の金融関連ドキュメントが漏洩、未訳)

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女性起業家が調達した資金は米国VCのわずか2.2%(今年も)

女性起業家に公平な活躍の場を与えようとする数々の努力にもかかわらず、2018年に米国女性が設立したスタートアップの調達金額はベンチャー資金全体のわずか2.2%だった。

この数字に見覚えがあるかもしれない。PitchBookによると、これは昨年、女性ファウンダー単独あるいは女性のみのチームのスタートアップが調達した資金の割合とまったく同じだ。

この数字は、女性起業家や支援者たちがこの長きにわたる問題の解決を試みる際の一種のスローガンとして使われている。女性起業家が調達する民間資本は男性起業家と比べて著しく少ない。いくつかの新しい試みや、All Raiseのような専門組織が、メンターによる指導プログラムによってこの問題を解決しようとしているが、変化を達成するだけのリソースを追加するためには1年以上必要なのは明らかだ。

現在ベンチャーキャピタル会社の意思決定者に女性の占める割合は10%以下であり、米国VC会社の74%には女性投資家が一人もいない。こうした数字が変わり始めるまで、資金調達のギャップが縮まる見込みは小さい。

良いニュースもある。2018年を2ヶ月残した時点で、女性たちが調達したVC資金の額は過去最高を記録している。過去10ヶ月間に女性が起業したスタートアップは計391件、23億ドルの調達契約を完了し、2017年の20億ドルを超えた。男女混合チームによる今年の資金調達も132億ドル、1346件で、昨年の127億ドルより増えている。

一方米国スタートアップ全体では2018年に967億ドルを調達しており、年内に1000億ドルを超えるペースだ。女性が起業した会社はそのわずか2.2%しか調達していない。男女混合チームの数字は12.8%で前年の約10.4%より増えている。

昨年米国のスタートアップは9000件以上の案件で総額820億ドルを調達し、ベンチャー業界にとって今年同様に印象的な年だった。

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Facebookはイラン起源の‘組織的な身元詐称行為’でページやアカウントをさらに削除

Facebookは、イラン起源の“組織的な身元詐称行為”として、82のページとグループとアカンウンとを削除した。

この大手ソーシャルネットワークは先週、その“身元詐称行為”を発見した。同社のサイバーセキュリティポリシーチーフNathaniel Gleicherがブログでそう述べている。彼によると、その作戦はもっぱらアメリカやイギリスの一般市民を名乗る(詐称する)もので、“人種問題や大統領の批判、移民問題など政治色の強い話題に関して投稿を行った”。同社によると、調査はまだ初期的段階だが、そのアクティビティをたどるとイランへ行き着いた。しかし犯人は特定できていない。

Facebookによると、イランの演技者たちのページのうち、少なくとも一つは、フォロワーが100万を超えた。Instagramからも、16のアカウントが削除された(内数)。

演技者たちはFacebookとInstagramで二つの広告に100ドル弱を、アメリカおよびカナダの通貨で支払った。広告の拡散により、Facebookユーザーへの彼らのリーチはさらに大きくなった。

同社はアカウント等削除の前にFBIとAtlanticに、彼らの発見を報告した、とGleicherは言っている。“発見から破壊への移行は1週間足らずで行われた”、という。

今回の削除に対するAtlantic Councilデジタル法科学研究所の分析によると、それらのアカウントは、“人びとのFacebookプラットホームからの離反ではなく、むしろエンゲージメントの強化をねらっている。そのために彼らは、さまざまなミームや、ビデオ、そして彼らの書き下ろしのコメントなどを駆使している”。同研究所によると、そのやり方には“効果があったようであり”、それらのポストは大量のシェアやリプライを受け取っている。

“外交政策に関するメッセージは、初期のイラン支持者たちのそれと歩調を合わせており、それは主に、中東に関するイラン政府側のストーリーを増幅している”、と分析は述べている。“人びとを分断させることを目的とするコンテンツへの彼らの注力は、ロシアの情報工作のやり方と非常によく似ているが、しかしイラン人による工作は保守よりもむしろリベラルをターゲットにしているようだ”。

Facebookは、アカウントとコンテンツの取り下げを、これまでも何回か行っている。たとえば8月には、セキュリティ企業FireEyeの支援のもとに、数百のアカウントとページを削除した。そのときも、イラン人による広範な人心誘導工作が見つかっている。これまでのFacebookのアカウント取り下げ努力は中間選挙をねらったニセ情報の拡散に関連していたが、イランの支援による作戦は、話題が多岐にわたっている。FireEyeによる当時(8月)の分析によると、イラン人たちは、“反サウジ、反イスラエル、パレスチナ人支持など、多様な話題を取り上げ、また、アメリカとイランの核合意など、イランに好意的なアメリカの政策を支持していた”。

Facebookのような大手テクノロジー企業は、2016年の大統領選に始まり、最近ではますます、国家が支援する演技者たちによるニセ情報や嘘のニュースの拡散を強力に取り締まるよう、議会からの圧力に直面している。

いちばん強く懸念されているのは、ロシア政府のために仕事をしているトロルたちの、ニセ情報の拡散による選挙操作だが、Facebook上のニセ情報拡散に関してはイランが、それとは別の強力なチームとして、台頭してきたのだ。

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長いパスワードはパスワードの悪用や同一パスワードの再利用を大幅に減らす

インディアナ大学の研究者たちが、パスワードに関する厳しい規則は…相当面倒なものを除いては…実際に効果があることを実証した。その研究を行った院生のJacob Abbott, 同大のCIO Daniel Calarco, そしてL. Jean Camp教授らは、彼らの研究成果を“Factors Influencing Password Reuse: A Case Study.”(パスワード再利用の影響要素に関する事例研究)と題するペーパーで発表した。

Abbottはこう述べている: “われわれのペーパーは、文字数15文字以上などの厳しい要件により、インディアナ大学のユーザーの圧倒的多数(99.98%)が、パスワードをほかのサイトで再利用しなくなることを示している。制限文字数が短い他の大学では40%もの高率でパスワードが再利用されている”。

パスワードの再利用に対する規則の影響力を知るために、インディアナ大学を含むアメリカの22の大学のパスワードに関する規則を調べた。そして、オンラインで公開されている二つの大きなデータセットから、メールとパスワードの組み合わせを取り出した。それらのデータセットには、メールアドレスとパスワードの組み合わせが13億件ある。それらのメールアドレスとパスワードの組み合わせを大学のドメインごとに分類し、各大学の公式のパスワード規則と比較した。

結果は明白であった: 厳しいパスワード規則によって、その大学の個人データ漏洩リスクは大幅に低減していた。

要約すると、長いパスワードを求める厳しいパスワード規則により、パスワードの詐欺的利用や本人のパスワード再利用が99%、すなわちほぼ完全に防止できている。また同研究によると、パスワードの中で自分の名前やユーザー名を使わない、という規則も、セキュリティに貢献している。結局のところ、厳しいパスワード規則がある方が、なにもないよりも、はるかにましである。当たり前のことのようだが、覚えておくべき、そして必ず思い出すべき、重要なポイントだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Facebook、アジア地域初となるデータセンターを構築予定

Facebookが、初めてアジアにデータセンターを構築する。Facebookのアナウンスによれば、シンガポールに11階建てを建築する予定であるとのこと。サービスパフォーマンスおよび効率性の向上を狙ってのことだとのこと。費用はシンガポールドルで14億ドル見込みで、米ドルにすると10億ドル程度となる。

なお、この新しいデータセンターで用いる電源は、100%再生可能エネルギーとなるのだそうだ。さらに新しいStatePoint Liquid Coolingを利用し、水資源および電力の消費を最低限に抑えるようになっているとのこと。

Facebookによれば新データセンターの構築により、数百名の雇用を創出し、シンガポールおよびアジア地域におけるプレゼンスの拡大を実現することができるとしている。

建設予定データセンターの外観予想図

アジア太平洋地域における月間利用者数は8億9400万となており、全利用者中40%を占めている。これは地域ごとにみれば最高の割合となっている。ただし、収益面では他地域の後塵を拝している。Facebookの直近四半期のデータによれば、アジア太平洋地域での売上額は23億ドルで、全体の18%となっており、アメリカからの売り上げの半分にも満たない。サービスの効率性をあげることで、利用者シェアと売り上げシェのギャップを埋めたい考えもあるのだろう。

なお、アジアにデータセンターを構築する動きは他にもあり、Googleはシンガポールに3つめとなるデータセンター設立を予定しているようだ。Googleは、シンガポール以外に、台湾でもデータセンターを運営している。

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(翻訳:Maeda, H

ロシアの銃器メーカーKalashnikovがTeslaとの競合をねらう電気自動車を発表

AK-47マシンガンで有名なロシアの武器メーカーKalahsnikovが今週、電気自動車とハイブリッド車、バギー、そしてオートバイなどから成る、一連の自動車製品を披露した。電気自動車のうちの一台は、同社によると、Teslaとの競合を意識している。

世界でいちばん有名な電気自動車ブランドとの競合は、目標としては立派だが、しかしそのCV-1と呼ばれるレトロなスタイルのコンセプトカーは、ソ連時代に不評だったTrabantによく似ている。

ところで、この車のFahrvergnügen〔‘車の魅力’、VWの広告のキャッチコピー〕は、テレビの人気キャスター、コナン・オブライエンによるデモにいちばん良く表れている:

CV-1は、“Combi”と呼ばれていたレトロ車IZH-21252がベースで、Kalashnikovが自社開発したという電気駆動機構のテストベッドだ。その巡航距離は350キロメートルで、加速性能は0から100キロメートルまで6秒、と同社は言っている。

バッテリーも自社製で、容量は90KW/hだ。

EVを公開したその同じ銃器見本市でKalashnikovはさらに、ハイブリッドのバギーと電気オートバイも見せて、ハットトリックを完成した。

その四人乗りのバギーは最高時速が100キロメートルと言われ、前輪と後輪で別の電気エンジンを使用する。ショックアブソーバーは油圧式だ。ロシアの通信社RTによると、この車は比較的最近、ロシアの軍用車の仲間に加わった。

Kalashnikovの警察用電気オートバイ

KalashnikovはTeslaを意識しているのかもしれないが、もっと意識すべきはロシアの競合企業や製品よりも、アメリカの規制当局だろう。現時点では、この武器メーカーが自動車よりも有利な商機を見つけそうなマシンがもう一つあり、それもこの軍事見本市でデビューした。それは、黄金色の装甲車、ではなくて、黄金色の殺人装甲ロボットだ (!!):

以下は、新しい電気自動車の、Kalashnikov提供の写真集だ:

  1. Screen-Shot-2018-08-23-at-10.57.25-PM

  2. Screen-Shot-2018-08-23-at-10.58.10-PM

  3. Screen-Shot-2018-08-23-at-10.58.26-PM

  4. Screen-Shot-2018-08-23-at-10.58.37-PM

  5. Screen-Shot-2018-08-23-at-10.58.47-PM

  6. Screen-Shot-2018-08-23-at-10.59.15-PM1

  7. Screen-Shot-2018-08-23-at-10.57.42-PM

この記事は、Jon Russellの協力によるところが大きい。

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テキサス州アーリントン、市内バスを相乗りサービスで置き換え

輸送サービス会社は様々な方法を使って公共交通当局と関わっている。しかし、その究極ともいえるのが、テキサス州アーリントン市がライドシェアリング会社のViaと結んだパートナー契約だ。Viaはアーリントン市のダウンタウン地域に相乗りワゴン車10台を配置する(The Vergeによる)。

1回の乗車料金はわずか3ドルで、これは多くの都市のバス料金とほぼ同じだ。10ドルのウィークリーパスもありいずれの料金も市が補助している。これはバスをチャーターしていた過去のやり方と比べて、市にとって大幅なコスト削減になると交通局は言っている。新しいサービスの運営にかかる費用は年間32万2500ドルの予定だという。

ライドシェアリングに補助金を出して公共交通を廃止する試みはアーリントンが最初だが、今後は多くの市町村が自主運営の公共交通の代替手段としてこうしたサービスの利用を検討していくだろう。Viaのようなライドシェアリング会社にとって大きなチャンスがあることは間違いない。

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前大統領オバマがソーシャルメディアの現状を孤立化を助長し分断的と警告

前大統領バラク・オバマが今週、イギリスのハリー王子と共に、BBCの話題が多岐にわたる長時間のインタビュー番組に出て、彼のソーシャルメディア観を語った。

ソーシャルメディアは、いろんな話題の中に一つにすぎなかったが、彼はとくに、国のリーダーの地位にある者が、インターネット上に共通のスペースを築くことを妨げるようなやり方でそれを使うことを戒めた。名前こそ挙げなかったがそれは、ドナルド・トランプと彼のTwitterの使い方を暗に指しているのだろう。その、おそらく意図的に国民同士の対立を煽るようなやり方を。

BBCによると、オバマは王子にこう語った: “インターネットが危険なのは、人びとが互いにまったく異なった現実を持ってしまうことだ。彼らはそれぞれの情報の繭の中に閉じ込められ、それまで持っていた偏見を〔相対化とは逆に〕強化される”。

オバマはトランプを名指しはしなかったが、彼は、“複数の声が存在を許されるような方向でこの技術を利用すべき”、と語り、BBCの書き起こしによると、“社会のBalkanisationに導くのではなくてね”、と述べた。〔バルカン半島化==分断分裂激化の比喩〕

アメリカの前大統領は、ソーシャルメディアを完全に否定することはしなかった。むしろ彼はそれが、“共通の関心を持つ人びとを召集して互いに知り合い結びつけることのできる、実に強力なツールだ”、と定義した。しかし同時に彼は、人びとがそれをもっと発展させて、お互いが公共的空間で出会い、親しくなり、相互理解を深めるべきだ、とも述べた。

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ドナルド・トランプの盟友ロジャー・ストーン、Twitterアカウント凍結

深夜のTwitterでCNNの複数のアンカーに向けて冒涜にまみれた熱弁を発したあと、ドナルド・トランプ大統領の長年の親友であるロジャー・ストーン Jr.はTwitterから永久追放された

ストーン(チャールズ・ディケンズの小説に出てくる悪役を思わせるルックス)の引き金を引いたのは、昨年の大統領選挙期間中に トランプ陣営スタッフとロシアスパイの共謀容疑の捜査で特別検察官のロバート・ミュラーの告発が受理された際のCNN報道だったと思われる。

Photo courtesy of Flickr/Insomnia Cured Here

ストーンは日曜日にPoliticoに送ったメールで、ストーンは禁止措置に抗議を表明し、Twitterに対する法的措置を弁護士と検討していると語った。

「このビジネスのやり方はおかしい。Twitterによる組織的努力の本質は保守層の声の検閲と封じ込めだ」とPOLITICOへのメールで言った。

ストーンのメールの文言は、金曜夜にCNNのアンカー、ドン・レモンに向けられたコメントよりずっと穏やかだ。報道によるとストーンはTwitterを使ってレモンを「役立たず」「くそやろう」と呼び、この男は「人前で恥をかき嘲られ罰を受ける」べきだと書いた。

1970年代にリチャード・ニクソンの大統領再選委員会 (CREEP)と仕事をして以来の共和党の政治工作員であるストーンにとって、Twitterで野蛮な攻撃をするのはこれが初めてではない。しょっちゅうやっている

最近Twitterは、嫌がらせ行為への対応ポリシーの恣意的な運用についてユーザーから公然と非難されていただけに、今回のツイートは放置でなかったのだろう。

Buzzfeed宛てのメールでTwitterの広報担当者は嫌がらせや暴言に関する同社のポリシーに言及し、ストーンのアカウントをブロックした潜在的理由の一つとして挙げた。

しかしTwitterの厳しい対応をあまり心配する必要はない。ストーンは別アカウントを少なくとも2つ持っていて今もアクティブにツイートしている。これもまたTwitterがポリシーの適用状況を確認する際に見ておくべき問題だ。。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

北朝鮮のハッカー、韓国とアメリカの軍事計画を盗難

韓国国防委員会に所属する国会議員が、北朝鮮のハッカーは韓国の最重要機密文書を盗んだと発言した ―― 文書の中には北朝鮮のリーダー、金正恩の暗殺計画(「斬首作戦」)も含まれている。

韓国の聯合ニュースによると、与党の国会国防委員、李哲熙(イ・チョルヒ)議員は、北朝鮮のハッカーが盗んだ情報は韓国国防省が出所であると語った。

ハッカーらがアクセスしたのは、韓国特殊部隊の計画、発電所、軍事施設に関する情報、および米国と韓国が共同立案した有事緊急対策計画などであると見られている。

BBCによると、韓国国防省はこの問題についてコメントを拒んでいる。米国国防総省の広報担当者からのコメントも本稿執筆時点では得られていない。

李氏は、約235ギガバイトの軍事文書が国防統合データセンターから盗まれ、盗難文書の80%を特定したと報告した。

ハッキングは9月に起きたと見られている。韓国政府は、5月に同国のシステムから大量のデータが盗まれ、そのサイバー盗難の背後には北朝鮮がいる可能性があると発表したが、盗まれた内容の詳細については語らなかった。

今年の夏にムン・ジェ・イン新大統領が就任して以来、政府は不祥事を起こして弾劾されたパク・クネ前大統領の前政権下で起きた失敗を積極的に暴露している。

北朝鮮はハッキング疑惑を否定した。

しかし聯合ニュースによると、韓国政府は企業および政府ウェブサイトに対する複数の攻撃が北朝鮮政府に操られたものだと疑って以来、サイバー防衛能力の向上に力を入れている。

もし報道が正しければ、ドナルド・トランプ大統領と金正恩が本当に第3次世界大戦を起こすかもしれないという世界的恐怖は少しも緩和されない。(ボブ・コーカー米国上院議員のおかげでこの話題はTwitterで週末のトレンドになった)。

米国と北朝鮮が最良の状態にあったことなどないが、ならず者国家とその独裁者が長距離ミサイルのテストを開始し核爆弾の起爆に成功したことを発表して以来、両国は益々好戦的な発言を繰り返している。

核の脅威は新たな話題だが、北朝鮮ハッカーらはSony Picturesのハッキング事件から今年国民国家唯一の真の友好国で、中国に影響を与えた最悪のマルウェア・ランサムウェア攻撃にいたるまで、様々なサイバー攻撃の容疑をかけられている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

不妊治療関連サービスの市場はいまや30億ドル規模に拡大

2016年の統計で出産した人の年齢をみると、30歳代の人が初めて20歳代の人を上回ったのだそうだ。高齢出産のリスクについてはさまざまな調査が行われているが、出産の高齢化に伴う「問題」はそれだけではない。CDCの統計によると、アメリカでは8組のうちの1組のカップル(年齢問わず)が、何らかの原因による不妊に悩んでいるのだとのことだ。ますます多くの人が体外受精などの不妊治療を行うようになっているのだとのこと。

医療の進歩により、不妊に対処する可能性は増えてきているわけだが、しかしこうした治療は非常に高額になることが多い。アメリカにおける体外受精には1万2000ドルないし2万ドル程度の金額が必要だとのこと。無事妊娠できた場合にも、胎児の遺伝子検査などでさらに数千ドルの費用が必要となる。これでは平均的な収入レベルで手を出せるものではない。

それをなんとかしようとするのが、ベイエリアに拠点をおくスタートアップのFuture Familyだ。妊娠可能か否か、どの程度の時間が残されているのかを自宅で検査できる妊娠可能年齢テストなど、比較的安価な不妊検査/治療手段を提供している。

設立したのはSolar Cityを運営していたClaire TomkinsとEve Blossomだ。Claire Tomkinsは自身でも6度の体外受精を行なって、出産にいたるまでに10万ドルを費やしたのだそうだ。この自身の経験から、より多くの女性ないしカップルが利用できる不妊治療手段を提供したいと考えるようになったわけだ。

「治療費はあまりに高額で、大いに悩むことになりました」とTomkinsは述べる。「これまで医者にかかるようなこともなかったのですが、不妊治療を経験することで、経済的な負担を心から感じることになりました」。

他の女性も困っているのではないかと、自身と同様の治療をうけた人たちにインタビューするなどして、Future Familyの起業を決意したのだとのこと。

不妊治療を資金面からサポートしようとする仕組みは他にもある。医院でも、保険に応じた資金サポートを行なっているところが大半だ。中には不妊治療をまかなえる保険もあるので、治療を受ける際にはきちんとチェックしておくことが必要だ。Google検索でも、さまざまな費用オプションを見つけることができる。しかしFuture Familyでは休みなしの24時間体制で相談窓口を設けている。また体外受精や卵子凍結費用については頭金なしのローンなども提供している。さまざまな治療オプションについて検討して、可能な限り費用をおさえようとする提案も行なってくれる。ちなみにFuture Familyの提供する妊娠可能年齢検査は、一般的な金額の半分である300ドルで提供している。

卵子の凍結保存は、月額75ドルからの金額となっている。この金額には、1年間にかかる検査、治療、および保存のための費用がすべて含まれるのだそうだ。体外受精費用も、必要な額をすべて含んで月額換算125ドル程度から可能となっているようだ。

不妊治療関連を手がけるサービスは、最近になって数多く登場してきている。しかし市場規模も30億ドル近くにまで成長してきており、ビジネス的な可能性は大きいといえそうだ。

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(翻訳:Maeda, H

気候変動に関する世界的協定から離脱したらアメリカの産業にダメージ、とヒラリー・クリントンが主張

気候変動に関する国際協定にアメリカが留まるか脱けるか、トランプ大統領の決断をめぐっていろんな噂がある中*、前国務長官ヒラリー・クリントンが、水曜日(米国時間5/31)にカリフォルニア州ランチョ・パロス・ヴァーディーズで行われたCode Conferenceで、大統領に辛辣な言葉を進呈した。〔*: 日本時間6月1日午前9時現在〕

現国務長官Rex Tillersonや、大統領がパリ協定に留まるよう勧奨する署名運動にサインした多くの企業役員たちの意向を受けてクリントンは、協定の放棄はアメリカとその企業にとって悪である、と述べた。

“クリーンエネルギーの輸出で世界のリーダーになるのは、どこの国でしょうか”、クリントンは中国やヨーロッパにおける国家的支援と、それらの国々における再生可能エネルギー産業の活況を強調した。

“その大きな市場を誰かが手中にしようとしているとき、私たちはそれを捨てようとしているのです”、とClintonはぶち上げた。

パリ協定に署名していない国はシリアとニカラグアの二か国だけであることをクリントンは指摘して、大統領の翻意を促した。

クリントンはさらに、再生可能エネルギーや気候変動に取り組んでいる企業に現政権が示しているネガティブな認識は、グローバル市場におけるアメリカ企業の競争力を削いでいる、と主張した。

これらの企業がアメリカ政府の支持を得られないのは、“恥ずかしいことです”、とクリントンは述べた。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ティム・クックとビル・ゲーツは、クリントンの副大統領候補者リストに入っていた

LOS ALTOS HILLS, CA - AUGUST 24:  Apple CEO Tim Cook (L) and Hillary Clinton campaign chairman John Podesta leave a fundraiser for Democratic presidential nominee former Secretary of State Hillary Clinton on August 24, 2016 in Los Altos Hills, California. Hillary Clinton is attending fundraisers in California.  (Photo by Justin Sullivan/Getty Images)

ヒラリー・クリントンは、共同候補者としてIT界のリーダーを複数考えていた。クリントンのキャンペーン責任者、John Podestaからとされる漏洩メールによる。

2016年3月17日付のメールでPodestaは、クリントンが副大統領候補として考えるであろう「第一案」に言及している。リストの “food groups” と分類された部分には、Tim Cook、ビル、メリンダ・ゲーツ夫妻、GMのMary Barra、XeroxのUrsula Burnsらの名前があった。

Wikileaksは、Podestaのメールと称する数千件の文書を10月始めから公開し、投票日まで毎日公開していくと言っていた。Wikileaksのメールが本物であるかどうか、Podestaはまだ確認していないが、自分のメールがハックされたことは認めており、トランプの参謀、John StoneがWikileaksのファウンダー、Julian Asangeに協力していると非難した。

メールは、StarbucksのCEO Howard Schultz、Coca-ColaのMuhtar Kentおよび、クリントンの現在の副大統領候補、ティム・ケインにも言及している。

IT枠の人たちがドラフト一巡目に残った理由は、シリコンバレーへの影響力や候補者との関係のためかもしれない。クリントンとシリコンバレーは親密な関係にある ― Tim Cookを含め何人かがクリントンのために大規模な募金キャンペーンを行った。

しかし、名前の挙がったITリーダーは誰ひとりとして必要な政治経験を持っておらず、本格的候補というよりもキャンペーンの懐を潤すためだったのかもしれない。

そんな戦略の可能性は、6月20日付けでリークされた別のメールで、Cookがクリントンに個別対談を要求していることからも見てとれる。

「これについては慎重に進めるべきだと考えている。彼は好意的ではあるが経験はなく、あまり強く押さない方がよいと思う」と、クリントンの資金調達責任者、Lindsay Roitmanが別のスタッフで最高技術責任者のStephanie Hannon宛に書いている。

以前米国政府は、ロシアがWikileaksに協力して民主党全国委員会のメールをハックし、選挙に影響を与えようとしたと公に非難した。クリントン陣営は、Wikileaksが謀略に加担したことを非難し、トランプ陣営が事前にリークを知っていたことを示唆 した。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

アメリカのスキル危機を解決する鍵は必修一般教育へのコンピュータサイエンスの導入だ

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[筆者: Linda Moore](政策および政治に関する超党派ネットワークTechNetの議長でCEO。)

合衆国はグローバルな競争力において危機に直面しており、対策が講じられなければその危機が、私たちの国を今後数十年間にわたり、戦略的に不利な立場に置くだろう。わずか数年後には、国民のスキル不足により、180万の求人が満たされないまま放置されることになる。それは十分な数の個人が、必要とされる技術的技能に関して、訓練されていないからだ。

40億ドルをコンピュータサイエンスの教育に投ずるというオバマ大統領の予算案は歓迎すべき一歩だが、しかし率直に言えば、この根本的な問題を解決するためには、国をあげての戦略を必要とする。今日では、10の学校のうちわずか1つにプログラミングのクラスがあるが、これを変えなければならない。

本誌主催の表彰制度Crunchie Awardでもっとも社会的影響力が大きかった賞を取ったCode.orgのような団体が、この問題に真剣に取り組み、児童生徒たちにプログラミングを教えているが、私がここで指摘している国家レベルの問題は、政府と非営利組織と民間(私企業等)三者の、公私両方から成るパートナーシップを必要とする。

では、私たちは、国としてあるいは国民として、この問題にどのように対処していくべきか?

第一に、アメリカのすべての中等学校が、コンピュータサイエンスを必須学科とすべきである。そしてそれらのクラスは、今の高卒資格に必要とされている中核的な科学と数学を学科の一部として含むべきである。また、充実した持続的事業により高能力なコンピュータサイエンス教師を訓練し確保しなければならない。生徒たちはテクノロジーを利用するだけでなく、それを実際に自分で作って動かす技術も習得する必要がある。

コンピュータサイエンスは子どもたちを問題解決者とイノベーターに育てる。

第二に、コンピュータサイエンスの教育は、若い女性たちや、社会的不利益を被りがちなマイノリティも含め、すべての児童生徒に等しく提供されなければならない。メンタリング(mentoring)とプロジェクトの実体験を含む教育課程が、生徒たちの生き生きとした関心をかきたて、彼らをコンピュータサイエンスとSTEMのキャリアに自然に進ませるだろう。

US2020Million Women Mentorsのような事業が、児童生徒たちをエンジニアやテクノロジー業界のそのほかのリーダーたちに結びつけようとしている。私たちはテクノロジーへの関心の火花を点火し、生徒たちに、STEMのキャリアがさまざまな機会に満ちた世界への扉を開くことを、理解させなければならない。

第三に、私たちはデジタルのコンテンツやツールを活用して教室にイノベーションを持ち込み、個人化された、データ指向の学習を提供し、教育の結果を改良していかなければならない。今日では、教師たちはタブレットなどのデジタルツールやリッチメディアの、その上っ面(つら)だけを使っている。これからは、教室の中にデジタル学習のリソースおよび、学習とテクノロジーとの統合を、確実に持ち込む必要がある。

そしてさらに、5年以内に全米の教室に高速ワイヤレスブロードバンドを導入し、児童生徒たちがインターネットに高速に、容易に、そして安定的にアクセスできるようにしなければならない。高速のインターネット接続がなければ、デジタル教育は画餅に終わる。児童生徒たちがインターネット上の情報のライブラリの全体に、自分の指一本でアクセスしたり貢献できる状態を、維持する必要がある。また、豊富なリッチメディアを通じて、高度な実験などにもアクセスできなければならない。

私たちは、コンピュータサイエンスが万人必修の基礎学科である、と認める必要がある。合衆国のすべての児童生徒が、アルゴリズムや、インターネットの原理、アプリケーションの作り方などを学習すべきである。しかしさらに重要なのは、コンピュータサイエンスが子どもたちを問題解決者とイノベーターに育てることだ。児童生徒たちにそんなスキルが身につけば、ほかのあらゆる学科においても有利であり、教室ばかりでなく、それを超えた広い世界においても、万事に有益である。

これは、一朝一夕には実現しない。それは、一つの世代全体に課せられているチャレンジだ。しかし私たちは今から始める必要があり、コンピュータサイエンスとその他のSTEM学科を十分に学んだ生徒たちのプールを、大きくしていく必要がある。それは、次世代の優れたイノベーターがアメリカに存在し、何百万もの児童生徒たちがこれらの革新的な分野でキャリアを追求していけるためだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

中国は、サイバーセキュリティー対策に同調するのか

jinping

中国政府は米国政府の要請に応じて複数のハッカーを逮捕した。 中国国家主席習近平が米国を訪問する2週間前のことだ。

逮捕のニュースは金曜日(米国時間10/9)にWashington Postが報じ、中国のサイバーセキュリティがやや進歩した証であると伝えた。それは、オバマ政権が中国に対し、米人事局侵入をはじめとする同国が関与したとされる注目のハッキング事件を受け、厳しい経済制裁を行うと脅して緊張が高まる最中に起きた。

最近中国は、米国に対する攻撃を抑制すると発言していたが、今日の記事は中国が行動を起こしていることを明らかにした。この逮捕は、2週間前に米国が中国と交わしたサイバー協定よりもおそらく意味がある。当時多くの人々が空約束にすぎないと心配していた。

協定は歴史的合意であると言え、それは両国がサイバーセキュリティについて対話可能であることを示したからだった ー この問題は二国間に長年緊張をもたらしてきた。ホワイトハウスは概況報告書にこう書いている:

米国と中国は、両国政府とも企業機密その他の秘密ビジネス情報を含む知的財産権のサイバー犯罪を、企業あるいは商業部門に競合優位性を与える意図を持って、実行あるいは故意に支援しないことに合意する。

しかし、これはすぐにサイバーセキュリティ分野の専門家から批判を受けた。LawfareのPaul Rosenzweigは、協定に対し皮肉をこめてこう見出しを付けた「今の方がずっと安心できる」。協定は曖昧であり両者がどう責任を持つかについてほとんど説明がなされていなかった。

しかしStandord大学のサイバーセキュリティ学者、Herb Linは、このおかげで首脳会談が物別れに終わらなかったとしている。彼は、双方とも行動を起こす必要があった、と言った。

金曜日の報道は、その注意深い楽観論を裏付けた。米国と中国は両国間の協定を支持するために、今後も行動を起こし続ける必要があるのは明らかだが、少なくとも今回の逮捕は、中国が変わるためのドア開いたことを示している。

真のテストは、中国がいつまで協定を守れるかだ。習近平が米国を離れたわずか数日後、 The Daily Beastは、軍の仕事を請け負う米国企業を中国スパイが今もハッキングしていることを報じた。厳密に言えば、国家安全保障を目的としたこうしたハッキングは、必ずしも中国の商業的関心によるものではないが、最近の協定がいかに危ういかを浮き彫りにした。

逮捕も協定も、中国との関係改善に向けて有望な一歩を示すものたが、それは非常に長いであろう道のりのほんの始まりにすぎず、ただ一つの違反によっても脱線しかねない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook