AI契約審査クラウドのGVA assistがdocx形式に加えてdoc形式も対応、Wordファイルの形式を問わず契約審査が可能に

AI契約審査クラウドのGVA assistがdocx形式やPDFに加えてdoc形式も対応、Wordファイルの形式を問わず契約審査が可能に

リーガルテックサービスを開発・提供するGVA TECHは3月16日、AI契約審査クラウドサービス「GVA assist」(ジーヴァアシスト)がdoc形式のWordファイルにも対応したことを発表した。

GVA assistは、docx形式のWordファイルとPDFファイルにすでに対応しているが、ユーザー企業からの「doc形式にも対応してほしい」との声に応え、doc形式への対応を実装した。このアップデートにより、doc形式ファイルをGVA assistのウェブブラウザー版にアップロードすることで契約審査が行なえるようになった。

GVA assistは、契約審査のナレッジを雛形ベースでまとめたノウハウ集「プレイブック」を基に、契約書審査における「読む」「直す」「仕上げる」といった業務の負担を軽減するクラウドサービス。GVA TECH所属の弁護士が作成・監修した200種類以上の「GVAプレイブック」と、ユーザー独自の契約審査ノウハウをまとめた「自社プレイブック」の2つを備え、それぞれのプレイブックを通じてリスク把握、修正例・譲歩案などに活用できる。

また、フリーワードで参考条文を探せる「条文検索」機能、条番号ずれ・表記揺れを一括修正する「形式チェック」機能、400種類以上の契約書ひな型をダウンロードできる「ドラフト」機能があり、契約書のドラフト作成からレビュー業務までの効率的化をサポートする。

GVA TECHでは、今後もユーザーからの声を参考にしてプロダクト開発を進め、より早く、より正確な契約審査の実現を望むユーザーを支援するという。

Adobe、パーソナライゼーションに注力してExperience Cloudをアップデート

Experience Cloud(エクスペリエンス・クラウド)は、Adobe(アドビ)のデジタルエクスペリエンスソリューションのための包括的なブランドだ。含まれる代表的な機能は、データと分析サービス、コンテンツ管理ツール、コマースプラットフォーム、そして2020年のWorkfront(ワークフロント)の買収によって取り込まれた、完全なマーケティングワークフロー管理サービスなどだ。Experience Cloudブランドは、同社の2017 Digital Marketing Summit(デジタル・マーケティング・サミット2017)でデビューした。このイベントは現在Adobe Summit(アドビ・サミット)と呼ばれていて、ちょうどCreative Cloud(クリエイティブ・クラウド)を中心とするAdobe MAXカンファレンスを、Experience Cloudを中心にしたものに相当すると考えることができる。米国時間3月15日、同社は2022年の(仮想)カンファレンスで同社のデジタルエクスペリエンスプラットフォームの新製品やアップデートを多数発表したことは驚きではない。

今回の発表の焦点は、ブランドとそのために働く開発者たちが、よりパーソナライズされた体験を構築し、Experience Cloud内の異なるサービス間のより深い統合を提供することを助ける新しいツールを提供すること、そして長年要望されていたAdobeのCreative Cloudとの統合も提供することだ。

Adobeの戦略・製品担当副社長であるLoni Stark(ロニ・スターク)氏は「私たちがお手伝いする企業は、その顧客によりパーソナライズされた体験を提供する必要があり、このデジタル経済で成功するためのツールを従業員に提供する必要があると考えています」と語る。「コンテンツとコマースに関する革新において私たちが焦点を合わせているのは、ショッピングとコマース体験をパーソナライズするための機能を提供して、顧客体験を開発する組織内のすべての人が、それを行うために必要な最も豊かな資産と洞察を得ることができるようにすることです。私たちの強みは、最高の技術を提供する一方で、開発者が想像するものを構築することを可能にできることであることを認識しながら、私たち消費者が恩恵を受けることができる、より大きなビジネス成長とエキサイティングな体験を推進する手助けができることです」。

とはいえ、おそらく今回の発表会の目玉は、新しいAdobe App Builder for Commerce(アドビ・アップ・ビルダー・フォー・コマース)かもしれない。Adobeは、これを使って、クラウドネイティブのコンテンツおよびコマースアプリケーションを構築するためのツールを開発者に提供する。これは、開発者が一連の開発者用ツールとSDKを通じて、Adobeのコマースソリューションの機能を拡張することを支援するというものだ。これによって、開発者は新しいユーザー体験だけでなく、企業のITスタックの残りの部分との統合を行うためのマイクロサービスも構築することができる。これは2021年末にローンチされたApp Builder for Experience Manager(アップ・ビルダー・フォー・エクスペリエンス・マネージャー)プラットフォームを補完するものだ。

「開発者がExperience Cloudにアプローチする際に、構築のために多すぎるツールを持たせないようにしたいのです。APIゲートウェイで統一されたエクスペリエンスを提供する必要があります」とスターク氏はいう。このApp Builderによって、開発者はより簡単にユニークなストアを構築したり、既存のeコマースツールを拡張してストア内での選択を可能にしたりすることができると指摘した。

画像クレジット:Adobe

統合機能としては、同社のマーケティングワークフロー管理サービスAdobe Workfront(アドビ・ワークフロント)」が、マーケターによるオムニチャネルキャンペーンの管理・分析を支援するJourney Optimizer(ジャーニー・オプティマイザー)と連携するようになった。また、企業内のより多くの従業員がキャンペーンや体験の構築に積極的な役割を果たすようになる中で、同社はCreative Cloudとのより深いつながりを構築して、組織間のサイロを打破し、Adobe Experience Manager Assets(アドビ・エクスペリエンス・マネージャー・アセット) とAssets Essentials(アセット・エッセンシャル)サービス内にあるCreative Cloudライブラリのコンテンツへのアクセスをより多くのユーザーに提供するようになる。

ここでのアイデアは、同社が「エクスペリエンス・フラグメント」と呼ぶものを構築することだとスターク氏は指摘する。これは基本的に企業のコンテンツライブラリを構成する最小単位のことで、これをさまざまなチャネルで再利用することで、ユーザー自身の好みや使用しているプラットフォームに基づいて高度にパーソナライズされたコンテンツを提供することができる。

画像クレジット:Adobe

パーソナライズ化への注力の一環として、Adobeは本日(米国時間3月15日)、B2CやB2Bブランドが顧客行動や製品売上、人気トレンドに基づいてより良いレコメンデーションを提供できるようにする、AI主導の新しい製品レコメンデーション機能をAdobe Commerce(アドビ・コマース)内に組み込んだことも発表した。同社は、この新製品をすでに試用している企業では、受注額が25%以上増加したと主張している。同様に、Adobe Sensei AI(アドビ・センセイAI)プラットフォームを採用した同社の新しいLive Search(ライブ・サーチ)機能は、コンシューマーブランドに、より高速でよりパーソナライズされ、より適切な検索結果を提供するのに役立つ(検索結果がしばしば笑ってしまうほどナンセンスなAmazon[アマゾン]も、おそらくこれを試した方がよいだろう)。

画像クレジット:halbergman / Getty Images

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:sako)

内航海運の抱える課題を解決するDXソリューションを推進するMarindowsが2億円の追加資金調達

内航海運の抱える課題を解決するDXソリューションを推進するMarindowsは3月15日、シードラウンドにおいて、第三者割当増資による2億円の追加資金調達を実施したと発表した。引受先は井本商運、東京汽船、古野電気、三菱造船を含む5社。

調達した資金は、内航海運向けに提供する3つのコア事業「船員働き方改革」「船員と船舶の安全向上」「船員の健康向上」を実現する各種ソリューション開発の加速、人材獲得にあてる。また出資者との事業シナジーを活用し、各種サービスの使い勝手向上、価格低廉化を加速させる。

日本の基幹物流として国内貨物輸送のおよそ45%を担う内航海運は、「船員高齢化による人材課題」「船舶の事故増大という安全課題」「地球温暖化への対応に伴う環境課題」という3つの課題を抱えている。Marindowsでは、これら課題を解決するサービスを10月より開始するため開発を進めている。具体的には以下のとおり。

  • 船員働き方改革:船員向けに最適化した業務サポート端末を展開。年齢やスキルに関わらず使えるよう配慮したという。2022年度から施行される改正船員法で求められる労務管理アプリも備える
  • 船員と船舶の安全向上:通信機能によりネットワークと連携することで安全性と利便性を向上させた内航標準ドライブレコーダーと、内航標準ポータブル電子海図を用意。これら機器により、船舶の安全性の確保と、船主やオペレーション業務との連携強化による業務効率向上にもつなげられる
  • 船員の健康向上:船員の健康を守るため、遠隔診療、遠隔処方、ストレスチェック、デジタル船員手帳連携を備えたサービスを提供する。船員の医療格差を解消し労働環境の向上を図る

また同社は、船員向け業務端末に便利な機能を追加提供していく予定という。2022年後半サービス開始予定の衛星ブロードバンド通信を普及させるための取り組みも進めている。

メルセデス・ベンツが2023年型SUV「EQS」のインテリアを公開

4月19日の正式デビューに先駆け、メルセデス・ベンツは2023年型SUV「EQS」のインテリアを初公開した。写真からわかるように、メルセデスはインテリアデザインを一新したわけではない。これまでと同様、最も目を引くのは、フロントキャビンの幅一杯に広がる56インチのMBUXハイパースクリーン(オプション)だ。12.3インチの有機ELディスプレイが組み込まれ、車の走行中に助手席で映像コンテンツを視聴することができる。ドライバーがディスプレイを覗き込んだことを車載カメラが検知した場合、自動的に画面が暗くなり、ドライバーの視線を道路に集中させる。

メルセデス・ベンツ 2023年型SUV EQSのインテリアキャビン

キャビンには、ウッドとレザーの両方が取り入れられて、「ラウンジのような雰囲気」が演出されている。顧客は7種類の色の組み合わせでインテリアをカスタマイズすることが可能だ。また、オプションで3列目シートと電動調整式の2列目シートを提供することで、EQS SUVは最大7人の輸送を可能にする。その他の注目機能には、ドルビーアトモスサウンドシステムや、花粉やホコリの侵入を防ぐHEPAフィルターを組み込んだエアフィルターシステムなどがある。

また、メルセデスは米国時間3月16日、アラバマ州ビブ郡に新たに開設する電池工場でSUVのEQS(およびSUVのEQE)用電池を製造し、最大600人の雇用を創出すると発表した。同社は、アラバマ州タスカルーサ近郊に昔からある工場で同車の組み立てを行う予定だ。

画像クレジット:Mercedes-Benz
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(文:Igor Bonifacic、翻訳:sako)

リクルーターが直接投稿した求人と求人サイトの広告を集約、既存サービスと対抗する求人情報ポータルTalent.comが約141億調達

オンライン採用は、第一次インターネットブームの初期の大ヒット商品の1つだった。しかし、より多くのビジネスプロセスがオンラインに移行する中、オンライン求人検索はただ与え続け贈り物のような存在だ。そこで米国時間3月16日、この分野の別のポータルが、より革新的で確かな技術でこの分野の既存企業に対抗するために、大規模な資金調達を行ったというニュースが飛び込んできた。リクルーターが直接投稿した求人広告と、サードパーティの求人サイトの広告の両方を集約するポータルサイトのTalent.com(タレントドットコム)は、シリーズ Bラウンドの1億2000 万ドル(約141億9800万円)を調達した。同社はこの資金を、国際展開を続け、このプログラム検索プラットフォームにさらに投資し、ユーザー向けの新しい製品とサービスを導入するために使用する予定である。

Talent.comはかなり国際的なプロフィールを持っている。現在、78カ国、29言語にわたって100万社の約3000万件の求人情報を掲載し、その範囲内で毎月2800万人以上のアクティブな訪問者があるのだ。しかし、このスタートアップ自体はモントリオールを拠点とし、今回のラウンドではカナダのVC、Inovia Capital(イノヴィア・キャピタル)がリードし、以前の支援者 Caisse de depôt et placement du Québec (ケベック州金融公社/CDPQ) と新しい投資者 Investissement Québec(インベストメント・ケベック)、Climb Ventures(クライム・ベンチャーズ)、BDC Capital(ビーディーシー・キャピタル)、Fondaction(フォンダクション)およびHarbourVest Partners(ハーバーべスト・パートナー)も参加している。この1億2000万ドル(約141億9800万円)の株式と同時に、BMO Financial Group(ビーエムオー・ファイナンシャル・グループ)のTechnology & Innovation Banking Group(テクノロジー&イノベーション・バンキング・グループ)から新たに3000万ドル(約35億5000万円)の負債性資金も調達している。

Talent.comの共同創業者で共同CEOのLucas Martínez(ルーカス・マルティネス)氏は、Maxime Droux(マキシム・ドルー)氏、Benjamin Philion(ベンジャミン・フィリオン)氏と共同で同社を設立した。同士はインタビューの中で、この資金を使って、消費者が探しているものにもっと関連した結果を見るための技術をさらに構築し、広告の反応性を測定するツールやクリックされた人に応じて料金を請求するツールを使って、雇用主にとってより魅力あるプラットフォームとすることが目的だと語っている。

(コンテンツに興味を持ってもらうためには、適切な表現が必要であることを、同社自身が身をもって知っている。同社は以前、フィンランド語で「アドバイス」を意味するNeuvooという社名だったのだが、収益性は高かったものの、その単語の発音につまずく人が多く、またその意味が大衆市場とは特に関係がないこともあり、あまり急成長しなかった。そこでNeuvooは2019年に社名を見直すことを決め、Talent.comが売りに出されているのを見ると、それに飛びつき、ブランドを変更したのだ。このドメインには130万ドル[約1億5000万円]を支払ったが、不思議なことに残りの詳細は3年間NDAの対象であり、誰が売却を行ったのかは不明である。マルティネス氏は「Google?」と私が聞くと、笑って「違う」と答えたが、それ以上詳しくは語らなかった)

また、同社はこの資金をさらなる国際展開のために投資している。マルティネス氏は、同社が欧州の新たなハブ拠点を設立しているバルセロナから取材に応じた。

現在、この市場には、Indeed.com(時価総額660億ドル[約7兆8090億円]、SimplyHiredなどのブランドを所有する日本の人材大手Recruit Holdingsが所有)や、2021年上場したZipRecruiter(ジップリクルーター)、LinkedIn(リンクトイン)、検索大手Google(グーグル)などのビッグプレイヤーがいる。しかし、今日、新しいテクノロジーと市場からの期待の変化を活用して、新たな競争戦線を導入し、これらの老舗企業に真っ向から立ち向かうスタートアップが数多く存在する。

Deel(ディール)Remote(リモート)のように、自らをリモート従業員の雇用を支援するプラットフォームと位置づける企業もあれば、Turing(テューリング)のように、リモートという概念を取り入れ、エンジニアという特定の人材プールに焦点を絞っている企業もある。SmartRecruiters(スマートリクルーターズ)は、人材紹介の「Salesforce(セールスフォース)」になることを目指しており、Beamery(ビームリー)のような他の企業もこの目標を追いかけている。Dover(ドーバー)は、別の企業分野からコンセプトを借りて(そのバズワードはオーケストレーション)、採用プラットフォームを構築している。そしてJobandtalent(ジョブアンドタレント)Workstream(ワークストリーム)Fountain(ファウンテン)は、カジュアル、ギグ、時間給労働者をターゲットにしたビジネスモデルを持っている。

Talent.comは、後者3社と同様に、時間給労働者やギグワーカー、熟練労働者を含む市場を主なターゲットとしている。求人広告のプログラムアプローチに加え、雇用主向けのその他のツールとしては、既存の応募者追跡システムやCRMを統合する機能がある。消費者向けには、基本的な求人情報の検索に加え、給与の調査、居住地の税金を差し引いた給与の計算、検索結果をより適切にするためのプロフィール質問への回答などの機能が提供されている。これは、この製品が将来どのように発展していくかという道筋を示すものでもあるだろう。

「これは非常に重要なことです」とマルティネス氏はいう。「就職活動は意欲的なものです。多くの人が、応募している仕事に適性がありません。そこで私たちは、経験と教育を組み合わせ、ユーザーが例えばエンジニアになりたいのであれば、そうすべきであると導いているのです。私たちは、あなたが誰であるかを知り、あなたの履歴書を私たちのプラットフォーム上に置き、その分野の教育プログラムをオンラインで紹介します。これが、ユーザーに対してより多くの価値を提供することになるのです」。と語った。

投資家の興味をそそったのは、ユーザーからより多くの収入を得るための幅広いサービス群に対する取り組みだ。

「人材獲得競争は、企業が今直面している大きな課題によって、さらに激化しています。Talent.comは、雇用主が人材を調達し、採用するための最大かつ最も国際的なプラットフォームの1つになるまで急成長しました。このパートナーシップは、真の求職者中心のプラットフォームとなるための一連の付加価値製品を立ち上げ、成長の新たな段階を促すものです」とInovia CapitalのパートナーであるChris Arsenault(クリス・アーセノー)氏は声明の中で語っている。

画像クレジット:Patrick Strattner / Getty Images

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(文:Ingrid Lunden、翻訳:Akihito Mizukoshi)

マーク・ザッカーバーグ氏、InstagramにNFTを近々導入すると発言

Meta(メタ)は、メタバースの中で暗号資産をマイニングして欲しいと思っている。

SXSWで行われた対談で、Mark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏が、Instagram(インスタグラム)にNFT(非代替性トークン)を「近いうちに」導入する予定であることを明らかにした。MetaのCEOで創業者のザッカーバーグ氏は詳細について多くを語らなかったが、Instagramのチームが技術的な課題を解決すれば、アプリにNFTを統合することが可能になると示唆した。

ザッカーバーグ氏はShark Tank(シャーク・タンク)のDaymond John(デイモンド・ジョン)氏との対談で「近いうちにNFTをInstagramに導入することに取り組んでいます」と述べた。「今日ここでは、正確な発表はできませんが、今後数カ月の間に、お手持ちのNFTを取り込めるようにして、できれば環境の中でNFTの鋳造(ミント)もできるようにしたいと思っています」。

2021年12月には、Instagramの責任者であるAdam Mosseri(アダム・モッセリ)氏が、より多くの人々にこの技術を提供することを目標に、NFTを「積極的に探求」していることを認めていた。モッセリ氏はInstagramのストーリーで「私たちが遊べるおもしろい場所だと思うし、できればクリエイターを助けたいのです」と語っている。

計画はすでに始まっていた。2021年の夏、Instagramは「Creator Week」(クリエイターウィーク)という招待制のバーチャルサミットを開催したが、その招待状にはイベントが「NFTクリエイターのためのプライベートイベント」だと書かれていたのだ。

InstagramのNFTへの関心は、親会社であるMetaの、デジタル商品で満たされ利益を生み出す、相互接続された仮想世界の大きなビジョンと一致している。ザッカーバーグ氏は「Metaverse(メタバース)でアバターが着ている服がNFTとしてマイニングされ、異なる場所へ持ち運べるようになればいいと思います」と語った。

今回のNFTの計画は、Metaの計画を追ってきた人たちにとっては、それほど大きな変化ではないが、この技術を嫌うクリエイターにとっては、この統合は大いなる悩みのタネになるだろう。

Twitterは2022年初めに、プレミアムユーザーがNFTプロフィール写真を使えるようにした。この統合はMetaが今回示唆したものよりも簡単なものだ。しかしJack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏の暗号資産宣伝と、Twitter上での既存NFTコミュニティの間では、そのNFT機能はInstagramのものよりも親しみを持たれているだろう。

また、Metaがこれまで提供した暗号世界での実績は、控えめ目に言っても不完全だ。中央銀行や規制当局の逆風にさらされた同社は、独自の暗号資産に関する壮大な計画を縮小し、業界を揺るがすイノベーションという当初の宣言とは似ても似つかぬものにした。

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画像クレジット:Alexander Koerner/Getty Images/Getty Images

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:sako)

Teslaが電気自動車の全ラインナップを値上げ

Tesla(テスラ)が3月で2度目となる電気自動車の値上げに踏み切った。前週である3月7日の週にロングレンジモデルの一部を1000ドル(約11万8200円)値上げしたのに続き、今度はラインナップ全体をさらに大きく値上げした。Electrekが報じた通り、ベースのModel 3は4万6990ドル(約555万4300円)からで、これまでより2000ドル(約23万6400円)高い。Model 3デュアルモーターAWDは5万4490ドル(約644万700円)で2500ドル(約29万5500円)の値上げ、パフォーマンスモデルは6万1990ドル(約732万7200円)で3000ドル(約35万4600円)の値上げとなった。

画像:Tesla

Model Yはロングレンジモデルで6万2990ドル(約744万5400円)からで2000ドル(約23万6400円)高くなった。パフォーマンスモデルは3000ドル(約35万4600円)高くなり、6万7990ドル(約803万6400円)。Model Sは両オプションとも5000ドル(約59万100円)の値上げで、9万9990ドル(約1181万8800円)からとなる。Model Xの値上げ幅が最も大きく、1万ドル(約118万2000円)上がって11万4990ドル(約1359万1800円)となった。

Teslaはひっそりと値上げをしたが、この動きは突然のことではなかった。同社CEOのElon Musk(イーロン・マスク)氏はTwitterで値上げの可能性を示唆していた。同氏は、TeslaとSpaceXのどちらも「原材料(と)物流が最近の激しいインフレ圧力」に直面していると述べた。同氏は詳しくは述べなかったが、ロシアから輸出される原材料不足に対する懸念から物価が急上昇しているとする記事をリンクした

ロシアによるウクライナ侵攻で影響を受けている原材料の1つがニッケルで、ニッケルの価格は侵攻開始から2倍以上に高騰している。ロシアはニッケルの重要な供給国で、ニッケルはTeslaなどの電気自動車メーカーが使用するリチウムイオンバッテリーに欠かせない材料だ。さらにElectrekによれば、ガソリン価格上昇による電気自動車への関心の高まりを受けてTeslaに対する新規の注文が大幅に増えているという。

今後数年間にわたって見込まれるインフレ率を、あなたはどう考えるだろうか?

編集部注:本記事の初出はEngadget。執筆者のMariella Moon(マリエラ・ムーン)氏はEngadgetのアソシエイトエディター。

画像クレジット:Tesla

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(文:Mariella Moon、翻訳:Kaori Koyama)

従業員コンディション分析のラフールが博報堂「ミライの事業室」と提携、生活者のウェルビーイング実現に向け新事業創造

企業向けに心身の健康状態などの調査・対策をサポートするラフールは3月14日、博報堂の広告事業を超えた新規事業を目指す「ミライの事業室」との業務提携締結を発表した。この提携により、生活者のウェルビーイング(心身ともに充足している状態)の実現に寄与するための新規事業創造を推進する。

提携による新サービスの第1弾は、共同開発した「ウェルビーイングタイプ診断」(ソフトクラスタリング)。ラフールの企業向け従業員サーベイツール「ラフールサーベイ」に搭載し、3月28日よりラフールサーベイ導入企業に提供を開始する。

近年、コロナ禍やテレワークの長期化などにより、従業員がメンタルに不調を抱えていても管理者側がそれら不調や変化を把握しにくいという状況がある。しかしそうした状況下でも、従業員が安心して業務をこなせるよう、従業員のメンタル変化に加えて個々の価値観や嗜好を踏まえたウェルビーイングの傾向を把握し、踏み込んだ形で向き合えることが重要という。この課題を解決するものとして、ラフールとミライの事業室は、ウェルビーイングタイプ診断モデルを共同で開発した。

これは、ミライの事業室による独自診断指標「生活者ウェルビーイング21因子」を基にした生活者調査を活用し、ラフールと共同で開発したものという。ラフールサーベイにおいて入力された回答から診断を行い、生活者ウェルビーイング21因子から抽出した5種類のウェルビーイングタイプのうちどれに近いのか結果を表示する。

またこの結果により、従業員が自身のメンタル状態に加えてウェルビーイングタイプ(価値観や嗜好性)を把握でき、従業員同士や組織内のコミュニケーション活性化ツールとして利用されることを目指しているそうだ。また2022年8月以降は、利用者のアンケート結果などを踏まえ、随時アップデートしていく予定とのこと。

2011年11月設立のラフールは、あらゆる業種の企業向けに、従業員のメンタル・フィジカルの状態や、エンゲージメント、衛生要因を可視化する組織診断サーベイとして、ラフールサーベイを開発・運営。ラフールサーベイは、人事施策の効果を定量化し、従業員・管理職・企業と立場の異なる人達が共通認識を餅、共通言語化できるものとしている。

また約3000社の従業員18万⼈以上のメンタルヘルスデータから、⼤学や臨床⼼理⼠の知⾒を取り⼊れた独⾃の調査項⽬を従来のストレスチェックに加えることで、多⾓的な分析が可能。組織エンゲージメント・ハラスメントリスク・離職リスクなども含めた包括的な診断も行える。

グーグル、「一部の」ChromebookにPCゲームストアSteamのアルファ版提供を発表

グーグル、「一部の」ChromebookにPCゲームストアSteamのアルファ版提供を発表

Google

Googleは15日(米現地時間)に開催した「Google for Games Developer Summit」にて、「一部の」ChromebookにPCゲームプラットフォーム「Steam」のアルファ版を提供すると発表しました。2年以上前から「GoogleがChrome OSでのSteamサポートに取り組んでいる」とうわさされていましたが、ようやく正式に発表されました。

Googleは「Steamアルファ版が始動します、PCゲームストアの老舗(Steamのこと)が一部のChromebookで試用できます」と軽く触れているのみで、動画ではそれ以上の詳細には踏み込んでいません。

が、これに先立ちGoogleは「Borealis」(Chrome OS上でSteamをプレイ可能にするプロジェクト)のコード変更に際して、最初にサポート対象となるChromebookの製品リストに言及していました

このリストを見るかぎり最小システム要件があり、事実上は第11世代のIntel Core i5またはi7プロセッサと7GB以上のRAMが必須とされています。つまり、ハイエンド機種を除くほとんどのChromebookでSteamが動かない可能性が高いと思われます。

ほかGoogle公式には、Chromebookのコミュニティフォーラムに「Valve社と協力して」いることや、近日中に初期アルファ版を「一部Chromebook向けのDevチャンネルに公開」するとも表明しています。少しでも早く試したい方は、上記のリストにあったChromebookを購入した上で、Devチャンネルをチェックしてみるとよさそうです。

もともとChromebookの主なメリットは「価格が安いこと」にあり、ゲームを遊ぶために高価なハイエンドモデルを買うのは本末転倒のようにも思えます。当初は最小要件を厳しめにするのはやむを得ないとしても、軽いゲームであれば安価なモデルでも動くよう、徐々にハードルを下げていくことが望まれそうです。

(Source:Google for Games Developer Summit 2022 Keynote(YouTube)。Via 9to5GoogleEngadget日本版より転載)

「アプリで注文したら20分以内に商品お届け」デリバリー専門スーパーを手がけるMeshが2億円のシード調達

「アプリで注文したら20分以内に商品お届け」デリバリー専門スーパーを手がけるMeshが2億円のシード調達ダークストア型スーパーマーケット「Mesh」を開発するMeshは3月16日、シードラウンドとして約2億円を調達したと発表した。引受先は、Coral Capital、Delight Ventures、W ventures、堀井翔太氏(スマートバンク代表取締役CEO、エンジェル投資家)。調達した資金により、「アプリで注文したら20分以内に商品をお届け」するデリバリー専門スーパーを構築し、世界のコマースを次のステージに押し上げるとしている。

ダークストアとは、英語で「倉庫」を意味し、ユーザーが来店しないデリバリー限定の店舗を指す。同社は、調達した資金を基にMeshの開発を推進する。取り扱い商材は一般のスーパーと同様の食品・飲料・日用品とし、注文はスマートフォンアプリ経由のみ、配達時間は注文後20分以内という業態のスーパーを構築する。また当初は東京23区内でサービス提供を開始し、順次日本全国および海外にエリアを拡大する。

Meshは「頼んだら、いま、届く」体験を作ることで、生鮮食品をはじめ商材のさらなるEC化を押し進め、次のコマースのインフラを作るという。

社会インパクト可視化システム・社会インパクト投資プラットフォームのインパクトサークルが8000万円のシード調達

社会インパクト可視化システム・社会インパクト投資プラットフォームを構築するインパクトサークルが8000万円のシード調達

インパクトサークルは3月16日、シードラウンドとして、第三者割当増資による約8000万円の資金調達を実施したと発表した。引受先は、インクルージョン・ジャパン、Relicなど。調達した資金は、国内外事業展開の加速にあてる。

2021年7月設立のインパクトサークルは、社会インパクト可視化システムと、社会インパクト投資プラットフォームを構築するFinTechスタートアップ企業。「インパクト×リターン」を実現するマイクロファイナンス・リースを自ら運用し、また投資によって生み出される社会インパクトを可視化することで、新たな社会インパクト投資の機会を創出するプラットフォームを構築する。

タカラトミーとJAXAなどが共同開発した変形型月面ロボSORA-Qが月着陸実証機SLIMに搭載決定

タカラトミーとJAXAなどが共同開発した変形型月面ロボSORA-Qが月着陸実証機SLIMに搭載決定

変形型月面ロボット「SORA-Q」。画像中央部分左側が変形前、右側が変形後

タカラトミーは3月15日、JAXAなどと共同開発した超小型変形型月面ロボットが、JAXAの小型月着陸実証機「SLIM」に搭載され、月面でのデータ取得を行うことになったと発表した。これでこのロボットは、ispace(アイスペース)の月着陸船「HAKUTO-R」による月面探査と合わせて、計2回の月面ミッションを実施することになる。またこれまでのLEV-2という名称に代えて、「SORA-Q」(ソラキュー)という愛称が与えられた。

SORA-Qは、運搬時(変形前)は直径約8cm、重量約250gの球体だが、月面の放出されるとすぐに、走行可能な形態に変形する。球体が左右に開いて車輪となり、中央には前方撮影用カメラがせり上がり、後方には後方撮影用カメラと尻尾のようなスタビライザーが展開される。車軸を偏心させることで、レゴリス(月面の細かい砂)に覆われた傾斜地も乗り越えることができ、転倒しても起き上がれるようになっている。撮影した画像はSORA-Q自身が選別して、ペアで行動するもう1つの小型ロボット「LEV-1」にBluetoothで送られ、着陸船を介さず、そこから直接地球に送信される。

ミッションは、レゴリス上を移動して走行ログを取得して保存すること、着陸機周辺を撮影して画像を保存すること、画像データ、走行ログ、ステータスを「LEV-1」経由で地球に送ることなどとなっている。将来の月面有人自動運転技術や走行技術の検討に必要な月面データを集めることが狙いだ。ミッション実行時間は、1〜2時間が予定されている。

タカラトミーとJAXAなどが共同開発した変形型月面ロボSORA-Qが月着陸実証機SLIMに搭載決定SORA-Qという名前には、宇宙を意味する「宙」(そら)に、Question(問い)、Quest(探求)を表す「Q」をつなげているが、「Q」には「球」の意味もある。運搬時の体積を最小限にでき、着陸の衝撃に耐え、どの角度に放出されても展開できることから、球体が選ばれた。そこから月面活動ができる形態に変形させる技術には、変身ロボットやメカニズムの小型化といったオモチャの開発で蓄積されてきたタカラトミーの知見が活かされている。JAXAと共同で20回以上もの試作を重ねた末、ようやく完成させた。そもそもこのプロジェクトは、JAXAの「宇宙探査イノベーションハブ」共同研究提案公募の枠組みで2016年に開始したものだが、2021年にはソニーグループ同志社大学も参加している。

画像クレジット:
JAXA
タカラトミー
ソニー
同志社大学

【レビュー】Apple Studio Display、発売と同時に注文することにためらいはなかった

Apple(アップル)は同社の3月イベントで、Studio Displayを発表した。27インチの外部モニターで、価格は1599ドル(日本での価格は税込19万9800円)からと、これまで同社唯一のモニターだった、Pro Display XDR(5000ドル[税込58万2780円]から)から大きく引き下げられた。

Studio Displayの発表は、Appleが10年以上前に発売し、ディスプレイ事業を完全撤退した2016年に販売が中止された人気のThunderbolt Displayの後継機を待ちわびていた多くの人たちにとってビッグニュースだった。テック業界では多くのプロダクトデザイナーが、限られた解像度と時代遅れのポートにもかかわらずThunderbolt Displayを手放すことを拒み、いつかAppleが後継機を出すことを期待して使い続けていることを私は知っている。

AppleがThunderbolt Displayの販売を中止したとき、市場に大きなギャップを残した。当時、ウェブカム、マイクロホン、スピーカー、(プラス)USBポートをすべて備えたオールインワンのディスプレイは、事実上ゼロだった。LG(エルジー)のUltrafineは1つのソリューションとしてAppleも推奨していたが、製造品質、信頼性、接続性ともにThunderbolt Displayと比べて劣っていた。新しいUSB-Cポートを備えてはいたが。

2020年、パンデミックのためにテック業界がフルタイムのリモートワークに切り替えた時、新しいモニターを物色していた私は、オールインワン外部ディスプレイの選択肢が少ないことに驚かされた。ほとんどの新しいコンピューターにUSB-Cが装備され、高速通信とディスプレイ接続と充電が1本のケーブルでできるようになり、私はモニターメーカー各社がThunder Displayの成功の再現を狙うだろうと予測していた。しかし、私が探したなかで選択肢はごくわずかしかなく、結局単なる4Kモニターと、Logitech(ロジテック、日本ではロジクール)のウェブカム、USBハブ、マイクロフォンを別々に買うことになった。

Appleの新しいStudio Displayはその答えであり、10年待たされた結果の仕様はあらゆる期待に答えるものだった。5Kディスプレイ(5120×2880ピクセル)はリフレッシュレート60Hz、P3ワイドカラーガムートで、12メガピクセルのウェブカムと、あらゆる周辺機器をつなげるUSB-Cポートを3基備えている。MacBookと1本のThunderbolt 3 USB-Cケーブルで接続可能で、(さらに)使用中に充電もできる。

画像クレジット:Apple

ライバルとの差を際立たせているのは、現在購入可能な5K解像度の数少ない選択肢の1つであるからだけでなく、AppleがA13プロセッサーを搭載して、室内の周囲の照明に基づいて色温度を調整するTrue Toneや、人物の動きに合わせてウェブカムが被写体を追跡するセンターフレームなどの機能を付加していることだ。ありふれたことと思うかもしれないが、他にも輝度、音量、その他の機能はMacのキーボードからホットキーで直接制御可能であり、モニターに組み込まれた謎めいたオンスクリーンメニューをたどらなくてすむのは、クオリティー・オブ・ライフの大きな向上である。

ネットで最もよくみかけるこの新型モニターに対する不満は、最新のコンピューターに見られるApple ProMotionテクノロジーに対応しておらず、バターのようなとしか表現できない高い最大リフレッシュレート(120hz)が利用できないことだ。しかしこれは今後もサポートされる見込みはない、なぜならこの能力を引き出すために必要なポート・スループットがまだ存在していないからだ。5K解像度を120 hzでリフレッシュするには53.08Gbpsが必要だが、Thunderbolt 3/4は1本のケーブルで40Gpsしか扱えない。このレベルのスピードは、Thunderbolt 5標準に採用されるといわれているが、公式発表はされておらず、どのコンピューターにも搭載されていない。


1599ドルの基本価格にたじろぐ人も多いが、高解像度で忠実な色再現のディスプレイが必要で、一日のほとんどを画面の前で過ごす人、特に在宅勤務の人たちにとって十分な価値があると私は言いたい。私を含め、プロダクトデザインに携わる者にとっては特にそうだが、一日中オンライン・ミーティングに出席し、余計なアクセサリーを手放したい人にもおすすめだ。

ケーブル1本でつなげて、ビデオ通話のためにウェブカムとマイクロフォンとスピーカーの準備ができていることは、ノートパソコンを取り外すたびにあちこちいじりまわすのと比べて大きな改善だ。組み込み型マイクロフォンはノイズキャンセリングに最適化されているので、多人数のビデオ会議でスピーカーを使うのにもうれしい。リモートワークの社員を雇う会社にとって、買うべきアクセサリーが全部ついているモニターを1台送ればすむので、企業ユーザーにとっても人気の選択肢になる可能性が高い。

Studio Displayは高いか?そのとおり。しかしこれは1日中使う可能性の高い道具への投資であり、Thunderbolt Displayの歴史が参考になるとすれば、今後長らく使うことになるだろう。私も1599ドルを「スクリーン」につぎ込むことなど考えたことがなかったが、発売と同時に注文することにためらいはなかった。できの悪いスクリーンの上にウェブカムを不安定にとまらせ続けるには人生は短すぎる。

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画像クレジット:Apple

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(文:Owen Williams、翻訳:Nob Takahashi / facebook

グーグル、ゲームサービスStadiaの技術をB2Bで提供する「Immersive Stream for Games」を発表

Google(グーグル)のゲーム開発者向けカンファレンスGoogle for Games Developer Summitで同社は、米国時間3月15日、StadiaのB2Bサービス「Immersive Stream for Games」を発表した。Google Cloudと共同で開発したこの機能で、企業はStadiaを支えているプラットフォーム技術を利用してゲームを直接プレイヤーに提供できる。GoogleはStadiaでゲームを消費者に提供するだけでなく、そのストリーミング技術を他社にライセンスすることになる。

Googleによると、本サービスを利用して企業はゲームの試作バージョンを動かしたり、サブスクリプションの対象となるセットを提供したり、あるいはすべての提供作品を店頭のように提供することもできる。Googleは2021年、AT&Tと協働してこのサービスのテストを始めた。AT&Tはこのサービスを使って「Batman:Arkham Knight(バットマン アーカム・ナイト)」を数千人の同社ユーザーに無料で提供した。同社はもうすぐ、Immersive Stream for Gamesを利用して、ウェブとモバイルの両方でプレイできる他のゲームを提供する予定だ。一方Googleは年内に、Immersive Stream for Gamesを拡大する計画だ。

Stadiaのプロダクト担当であるDov Zimring(ドブ・ジムリング)氏は声明で次のように述べている。「Immersive Stream for Gamesのコア機能は、Stadiaを含むその顧客にゲームの開発過程とプレイヤー体験の両方で利益をもたらします。Google Cloudとのパートナーシップにより、私たちはStadiaとImmersive Stream for Gamesを利用する顧客のサービスの両方を動かす、ックエンドのクラウドゲーミング技術を開発しています。クラウドゲームは現在、好調であるためそれがImmersive Stream for GamesとStadiaの両方を盛り上げて、2022年以降の未来が本当にすばらしいものになるでしょう」。

サービスの公式発表に先立って、2月の記事において、同社はStadiaのプライオリティを下げて、B2Bによるクラウドゲーミングサービスで複数の企業と契約することに注力すると報じられていた。今回の発表で、そのサービスに名前が付いた。

画像クレジット:Google Stadia

Googleは、Stadiaについてプレイヤーがゲームを見つけてプレイしやすくするための新しい機能も発表した。これによりユーザーは、Stadiaのサービスにログインしたりアカウントを作らなくても、Stadiaのストアでゲームを閲覧できるようになる。これにより、今どんなゲームがあるのか、簡単にわかるようになるという。

Googleが新たに立ち上げる「Click to Play Trials」サービスで、プレイヤーはStadiaのゲームをトライできる。無料でしかもStadiaのアカウントにサインアップする必要もない。体験できる時間は、デベロッパーが決めることができる。このトライアルサービスのパイロット版は、数社のデベロッパーを対象に10月に行われた。最初の公開テストでは、従来の「買うまたは請求する」のメッセージよりも、この試行サービスの方が反応が良いことを確認している。Stadia上では2022年に、すべてのタイトルでこの体験版機能が提供される。

同社はさらに、WindowsのゲームをStadiaにポートしやすいようにしている。同社の新しいツールキット「Low change porting」を使えば、Stadiaへのゲームの移植がわずかな時間とリソースでできるようになる。現在、Paradox InteractiveやTeam 17といった10社が、このツールキットを使って、自分たちのWindowsベースのゲームをStadiaにポートするテストを行っている。新しいツールキットの一般公開は、2022年の後半になる。

GoogleがStadiaのゲームストリーミング技術を他社に提供しようとしているのも、意外ではない。Googleは2019年の立ち上げ以来今日まで、Stadiaの伸び悩みに苦戦してきた。最初の計画ではStadia専用のオリジナルゲームをリリースするつもりだったが、2021年の初めにはStadiaの社内ゲームスタジオを閉鎖している。

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(文:Aisha Malik、翻訳:Hiroshi Iwatani)

メタバースの内と外で生まれるビジネスは「インターネット」の進化をなぞる?

今、国内ではメタバースが熱い。「Oculus」(現在は、ブランド名が「Meta」に変更されている)が2018年から販売しているスタンドアロンVRゴーグルのおかげで、高価なPCや接続に関する複雑な知識なしに、メタバースの世界に入れるようになったからだ。また、マスメディアで報道されるようになったことも要因だろう。

早くからメタバース(当初はVRと呼ばれていたが)に着目し、今やメタバースに住んでいると言っても過言ではないShiftallのCEO岩佐琢磨氏は、自社でメタバース関連のアイテムを開発している。

そんなメタバース界の当事者である岩佐氏には、メタバースの楽しさや、他国との温度感の差、メタバース内での生活を快適にするアイテムなどについて聞いてきた。3回目となる今回は、メタバースとそれにまつわる今後のビジネスなどについて話を伺った。

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メタバースでの滞在時間が長くなることで生まれる新ビジネス

人は実生活において、住まいの居心地を良くしたり、人に会うときには好印象を持ってもらうためきれいな身なりをするように心がけるものだ。そのために、より快適な家を求めたり、家具を買ったりするし、美容院に行く、流行の服を買うといった消費が発生する。

同様に、メタバース内で生活する人が増えれば、その空間(ワールド)や自分(アバター)をより良いものにしたいというニーズが生まれ、そこにビジネスも生まれる発生する。

「すでに、経済活動が行われています」と岩佐氏はいう。「例えばアバター作家といった職業も誕生しています。しかもそのビジネスは国境を超えたものです。現在、日本のメタバースシーンで人気を博しているアバターは、日本だけでなく韓国のクリエイターによるものも多いです。現在のところ、まだメタバースに足を踏み入れている人の数は決して多くはありませんが、今後、その人数は増えていくでしょう。自分を表現するアバターはとても大切なものです。そこで1つ5000円のアバターでも購入されることは十分に考えられます。それを全世界規模で、例えば100万人が買うようになったらかなりの経済規模になります」。

また、ワールドにはもっとビジネスチャンスがありそうだ。

「今後、ホームページを持つように企業はそれぞれワールドを持つようになるかもしれません。またイベントを開催するときなどに特設ページを用意するように、企業がメタバースでイベントを行う際、そのイベントごとにコンセプトや雰囲気が違うワールドが必要になると思います」と岩佐氏はいう。

それはたとえば人気コミックを販売している出版社が、昔の日本を舞台にした作品と海を舞台にした作品でそれぞれイベントを行いたいと考えた場合、それぞれのイメージに合った会場を用意するのと似ている。

「今後、ホームページ以上に多様なワールドが必要とされ、作られていくのではないかと思います。そのため、ワールドを作ることができる人へのニーズが高まり、経済が回っていく日は遠くないでしょう」と岩佐氏は語る。

このようにメタバース内でのビジネスで暮らして人たちが登場する時期はまったくわからないというが、すでにアバタービジネスをグループで行っている人たちが出始めていることから「数万人から数十万人規模の人が、メタバースの世界の中で作ったもので生活できるようになるのには、そう長い時間がかからないのではないか」と岩佐氏は予測している。

NFTがメタバース内のビジネスとして成り立たない理由

また「メタバース」と同じく新しい技術としてNFTも注目を集めている。ブロックチェーン技術を使ったNFTなどのサービスは、デジタルで作られたもう1つの世界であるメタバースと親和性が高いのではないかと漠然と考えていた。

しかし、岩佐氏は「NFT×メタバースは現時点ではあまり相性が良くない」とバッサリ否定する。それぞれのユーザーと事業者がお互いに異質な存在になっているというのがその理由だ。

「NFTで売買したデータ、それ自体はいくらでもコピーできます。ただ、NFTであればその正当な所有権が誰にあるのか、というトランザクションの履歴をチェーンの上に保存でき、それを改ざんできないという特性があるだけです」という。

つまり、NFTアートを購入した場合、買った本人は権利を持っているということで自尊心が満たされ、さらにその権利を売って儲けることもできるだけだともいえる。

「メタバースの中で大切なことは、絵の所有権ではなく絵そのもの。ワールドにそれを飾ることに価値があるのです。すばらしい絵が飾られているすばらしい空間があることに意味があります」と岩佐氏は語る。飾る絵を選び、用意することが重要なのだ。NFTアートである必要はないのだ。

また、現在のところVRChatを提供しているプラットフォームSteamは、暗号資産やNFTを全面的に禁止している。これは余計なトラブルを避けるためのルールでもあるのだろうが、暗号資産、NFTがメタバースで現状、その成長に必要なものではない、ユーザーに強く求められているものではないということでもあるだろう。

求められるであろうガジェット

メタバースを巡るビジネスは、その中だけのものにとどまらない。

例えば前回の記事で紹介した、メタバース内での生活をより快適にするためのガジェットとしてShiftallはヘッドマウントディスプレイ「MeganeX」や、自分の動きを自在にトラッキングしてくれる「HaritoraX」、また仮想空間の温度をリアルに感じられるようにするウェアラブルデバイス「Pebble Feel」を開発、提供する。

メタバースを楽しむために開発されたアイテム。左上から時計回りに「MeganeX」、音漏れを防ぐBluetoothマイク「mutalk」「Pebble Feel』

「ヘッドマウントディスプレイ、コントローラー、トラッキングデバイスが、現時点でのハードウェア3大デバイスでしょう」と岩佐氏。「ただ、今後はもっとさまざまな分野のものが増えてくると考えている」と語る。

「CES 2022 では、メタバース内で触れられたときに、その触覚を感じるスーツのようなものが発表されていました。そうしたハプティクススーツとHaritraXのようなトラッキングデバイスがセットになったようなものが出てくるかもしれません。

現時点では、ヘッドセットの下に表情をセンシングするフェイシャルトラッカーデバイスを装着して現実の表情とアバターの表情を同期させている人もいます。デバイスの形状や種類は、どんどん変化していくのではないでしょうか」(岩佐氏)

そのような中で、VRChatがOpenSound Control(以下、OSC)という新しいプロトコルに対応したことが発表された。OSCは、オーディオ機器と音楽パフォーマンス向けのコントローラーを接続するためのプロトコルだが、その他の機器との接続にも利用可能でアイデア次第でこれまでなかった機器をメタバースの世界につなげることができる。

「例えば、脈波センサーを付けて、脈拍が上がったら、アバターの顔を赤くする、現実世界の室温が25℃を超えたらアバターが上着を脱ぐ。逆に、アバターが靴を脱ぐ操作をしたら、エアコンの温度を2℃下げるなど現実世界側を操作することも可能になります」と岩佐氏。

VRChatがOSCに対応したことで、脈波センサーを付けて、脈拍が上がったらアバターの顔を赤くするといったことも可能になる

また、コミニケーションをとる上で壁となる言語についても、OSCを使ってText to Speachで話す、外部ツールに話す内容をいったん投げて翻訳させるといったこともすでにできるようになる。とはいえ「まだまだ翻訳ツールには改善の余地があるため、言語ごとに人が集まっているのが現状。時間の経過とともに解決されるのではと期待している」とのこと。

電子工作が得意な人たちが、すでにさまざま操作を個人的にテストしているが、今後、それらのアイデアが製品化することも十分考えられる。

Metaをはじめとするテック企業が新しいビジネスのフィールドとして新サービスをスタートさせることも多いが、まだまだ始まったばかりの「メタバース」。今後、その体験を現実のものに近づける(もしくは現実では不可能なことを可能にする)新たなガジェットや新サービスが発表されていくだろう。

現在、私たちの周りに当たり前のように存在するインターネットと同様に、メタバースももっと身近なものになり生活の一部になる可能性は大きい。特にコロナ禍で人と人との距離感が変わった今、遠く離れていても目の前にいるかのように他人とコミュニケーションがとれるメタバースは加速度的に進化していくかもしれない。

そしてそれにともなって、そこで生きる、生活の糧を得る人も生まれてくる。インターネット黎明期、まずそこにアクセスしホームページで情報を公開したり得たりすることだけで興奮していたが、現在そこは、eコマースをはじめとしたビジネスの舞台にもなっている。メタバースでもまた同様のことが起こることが予想される。新しい世界は、また新しい可能性に満ちている。

【3月16日】掲載記事アクセスランキング・トップ5―1位はGoogle Cloud値上げ、2位はiPhone 13/13 Proの新色グリーン

【3月16日】掲載記事アクセスランキング・トップ5―1位はGoogle Cloud値上げ、2位はiPhone 13/13 Proの新色グリーン

掲載記事のうち、3月16日午前7時現在集計で最もアクセスのあった記事5本を紹介。

第1位:Google Cloudが大幅値上げ、2022年10月1日から実施

クラウドインフラのレンタル料金は、通常時間が経つにつれて安くなるが、米国時間3月15日、Google Cloudがその流れに逆らって、多くのコアサービスで大幅な値上げを発表した。

第2位:【レビュー】iPhone 13/13 Proの新色グリーンを実機でチェック!iOS 15.4のマスクありFace IDも試した


第3世代iPhone SEの予約受付が開始されましたが、忘れてはいけないのがiPhone 13シリーズの新色。iPhone 13、13 miniには「グリーン」が、iPhone 13 Pro、13 Pro Maxには「アルパイングリーン」が追加されます。

第3位:ロシアがInstagramのブロックを発表


ロシア政府はInstagramへのアクセスを制限すると発表した。同国がウクライナ侵攻以来、海外の主流テックプラットフォームを標的とした最新の国家規制となる。

第4位:前澤友作氏が家庭用ロボット事業に参入、前澤ファンドが家族型ロボ「LOVOT」のGROOVE X株式の過半数を取得

ロボットスタートアップGROOVE Xは3月15日、前澤友作氏率いる前澤ファンドが2022年3月15日時点においてGROOVE X株式の過半数を取得したと発表した。2022年4月5日時点に前澤ファンドがGROOVE X株式の全株式を取得する予定。

第5位:iOS 15.4公開、iPhoneでマスク姿でのロック解除がついに利用可能に


Appleのビッグイベントから1週間弱、同社は3つのOSの最新バージョンをドロップした。米国時間3月14日、 iOS / iPadOS 15.4とmacOS 12.3がついに公開された。ベータテストに参加していない人たちにとって、これはマスクを着用したままで使えるFace IDによるロック解除や、iPadとMac間のさらにシームレスな統合を提供するユニバーサルコントロールなどの主要機能の数々を意味する。

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Intuition Roboticsの高齢者ケアコンパニオンロボット「ElliQ」がいよいよ発売開始

鋭いTechCrunch読者なら、我々がIntuition Robotics(イントゥイション・ロボティクス)を5年前から取材していることにすぐに気がつくだろう。遡ること2017年2月の、高齢者ケアロボットのクラウドファンディングキャンペーンからである。それ以来の取材のほとんどは、イスラエルを拠点とする同社がさまざまなラウンドでさらに多くの資金を調達していることについてで、最も重要な質問である「いつ」に答えることはなかった。具体的には、ElliQ(エリキュー)ロボットはいつ販売されるのだろうか?

ようやくプライムタイムの準備が整ったようだ。ロボットを作るのは時間がかかるもので、同社は数年かけてベータテストを行ってきた。Intuitionは、ElliQを米国時間3月15日より正式に販売することを、製品サイトを通じて発表した。2022年のロボット業界がたいていそうであるように、このデバイスはサブスクリプションプラン、いわばRaaS(Robotics as a Service)を通じて提供される。年間契約の場合、初期費用250ドル(約2万9570円)、月額30ドル(約3550円)で利用できる。

高齢者ケアは、日本では長い間ロボティクスの中心的存在だったが、他の地域ではなかなか足場を固めることができなかった。米国では、Labrador Systems(ラブラドールシステムズ)をはじめとするスタートアップが参入しており、Amazon(アマゾン)やGoogle(グーグル)といったスマートホーム機器メーカーも関連機能を自社システムに組み込み始めている。

画像クレジット:Intuition Robotics

ElliQは、惜しまれつつも生産終了したKuri(クリ)やJibo(ジーボ)のような、高齢者ユーザー向けに特化した製品だ。Labradorのように実際に雑用を手伝うのとは異なり、シニア層の参加を持続させるように設計されている。同社によると、平均的なユーザーは1日に20回、合わせて20分ほどこの製品と関わりを持つそうだ。つまり、テレビのようなエンゲージメントレベルではなく、もっと頻繁に、短い時間でチェックインできるように設計されているといえる。

共同設立者でありCEOのDor Skuler(ドール・スクーラー)氏はリリースでこう述べている。「長年の努力の末、ついにこの日がやってきました。パンデミックの間中、私たちは孤独が高齢者層にもたらす破壊的な影響を目の当たりにしました。同時に、ElliQがベータ版ユーザーに信じられないほど役立ち、笑顔をもたらすのも目の当たりにしてきました」。

エクササイズ、Mayo Clinic(メイヨー・クリニック)からの健康情報、家族とのチェックイン、Uber Healthによる交通手段の提供など、デバイスを通じて利用できるコンテンツは多岐にわたる。つまり、普段は1人暮らしでも大丈夫なくらい自立しているが、もう少し手助け・サポートが必要な人のために、サポートとエンゲージメントという2つの要素が用意されているのだ。

画像クレジット:Intuition Robotics

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(文:Brian Heater、翻訳:Den Nakano)

インテル、2.2兆円投じてドイツに半導体工場を建設

Intel(インテル)は今後10年間で欧州に最大800億ユーロ(約10兆3600億円)を投資する一環として、ドイツに半導体工場を建設する計画を明らかにした。ザクセン・アンハルト州の州都マグデブルクに建設する施設の初期費用は170億ユーロ(約2兆2020億円)だ。

「メガサイト」と呼ばれるこの施設は、実際には2つの工場で構成される。欧州委員会の承認が得られればIntelは直ちに企画を開始し、2023年前半には建設が開始される。同社が「シリコン・ジャンクション」と呼ぶこの工場での生産開始は2027年が見込まれている。このため、この工場がすぐに世界的なチップ不足を補う助けになることはない。

同社によると、この2つの工場では同社最高級のオングストローム世代のトランジスタ技術を使ったチップが製造される。工場建設期間中に建設従事者7000人の雇用、3000人の常用雇用、そしてパートナーやサプライヤー全体でさらに数千人の雇用を創出する見込みだ。

この他にも、Intelはアイルランドのレイクスリップにある工場の拡張に120億ユーロ(約1兆5550億円)を投資する予定だ。製造スペースが2倍になり、ファウンドリーサービスも拡大される。同社はまた、イタリアに最大45億ユーロ(5830億円)を投じて組立・梱包施設を建設することについても協議している。

Intelは、フランスのプラトー・ド・サクレー近郊に欧州の研究開発拠点を建設する計画だ。それにより、1000人の雇用を創出し、そのうち450人は2024年末までに募集が始まる。同社は、欧州の主要ファウンドリ設計センターもフランスに設置することを目指している。さらに、ポーランドとスペインにも投資を行う予定だ。

この計画は「欧州におけるIntelの生産能力の大幅な拡大により、グローバルの半導体サプライチェーンのバランスをとることを中心に据えている」と同社は話す。欧州連合は2月、将来のチップ不足を防ぎ、アジアで製造される部品への依存度を下げることを目的とした490億ドル(約5兆7970億円)の取り組みを発表した。

「EU半導体法は、民間企業と政府が協力して半導体分野における欧州の地位を飛躍的に向上させる力を与えます。この幅広い取り組みにより、欧州の研究開発のイノベーションが促進され、世界中の顧客とパートナーに利益をもたらす最先端の製造業がこの地域にもたらされます」とIntelのCEO、Pat Gelsinger(パット・ゲルシンガー)は述べた。

編集部注:本稿の初出はEngadget。執筆者のKris HoltはEngadgetの寄稿者。

画像クレジット:Intel

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(文:Kris Holt、翻訳:Nariko Mizoguchi

電力会社のメーターをスマート化するCopper Labsが6.5億円調達

電力会社は問題を抱えている。電力会社の「スマートグリッド」は10年前の請求問題を解決するために作られたもので、電気自動車、ソーラーパネル、そしてリアルタイムデータへのこだわりを持つ2022年の消費者のニーズや期待に応えるためのものではないからだ。この問題を解決すべく、処理能力の低いスマートメーターと消費者のインターネット接続の間を橋渡しする、エレガントで小さなハードウェアデバイスを展開するCopper Labs(コッパーラボ)が550万ドル(約6億5000万円)を調達した。

「問題は、現在最も洗練されたSmart Grid(スマートグリッド)でさえ、昨日起こったことを15分間隔でしか電力会社に伝えられないことです」とCopper LabsのCEOであるDan Forman(ダン・フォーマン)氏はいう。「多くの電力会社は、30日に1回しかそのデータを取得できません。電力だけでなく、ガスや水道の場合も、30日に1回しかデータにアクセスできないところがほとんどです。送電網のディスラプションのペースは、技術革新のペースに見合っていません。当社は、電力会社が必要なソリューションを提供するために、より費用対効果の高い方法を見つける手助けをしています」。

Copper Labsは、アーリーステージの気候に特化した技術革新に資金を提供するベンチャーキャピタルClean Energy Ventures (CEV)がリードしたラウンドで550万ドルを調達した。同ラウンドには既存投資家のNational Grid PartnersBlue Bear Capitalも参加した。新たに調達した資金により、Copper Labsは2023年にかけて営業、エンジニアリング、マーケティングの各チームを増強し、公益事業全域での浸透を加速させる計画だ。今回の資金調達に加え、同社はClean Energy Venturesのベンチャーパートナーで米連邦エネルギー規制委員会の元コミッショナーのNora Mead Brownell(ノラ・ミード・ブロウネル)氏を取締役に迎える。

ブラウネル氏は「Copper Labsのチームは、電力会社が逼迫し限られた資源で将来を計画し、目的に合った供給システムを再構築できるよう支援することを使命としています」と述べた。「このチームが顧客に力を与え、より持続可能な未来のために急速に変化する外部性に適応している成熟した産業と提携するのをサポートすることを楽しみにしています」。

Copper Labsは基本的に、電力会社がこれまでアクセスできなかったデータの宝庫を解き放つ。リアルタイムデータが行動の変化の潜在的推進力となる世界では、特に重要なことだ。例えば、11日前のピーク時にTesla(テスラ)車両を充電していたと消費者に伝えても、その時点ではエンドユーザーはなぜ車を接続したのか思い出すことができず、意味がない。充電時点で、電気代や環境に対するダメージはすでに終わっている。

「これまで家庭用の需要管理プログラムは、主にスマートサーモスタットに接続し、ピーク時の負荷を軽減することを目的としていました。そうすることで、電力会社は高価で汚れたガスで稼働する尖頭負荷発電所(電力需要が急激に高まったピーク時にだけ運転する発電所)への依存を減らすことができます。しかし、スマートサーモスタットが設置されているのは米国の家庭の20%未満であり、そのうちの半数程度がこうした制御プログラムに申し込んでいるのが現状です」とフォーマン氏は説明する。「スマートサーモスタットは例えばEVの充電器など、今後発生するであろう他の問題をすべてカバーできるわけではありません。グリッドエッジのリアルタイムな情報だけでなく、ターゲットとなるユーザーを引き込むチャンネルが必要です。例えば、ピーク時に誰がEV充電器を使っているかがわかれば、電力会社にとっては価値の高い情報です。そして、その人をターゲットにして、負荷を抑えるインセンティブを与えることができます」。

Copper Labsのモバイルアプリは、住宅所有者に電力消費の最新情報を提供し、電力・水・ガスを節約するための実行可能な洞察とインセンティブを提供する(画像クレジット:Copper Labs)

既存のスマートメーターをインターネットに接続する家庭内ブリッジや、数十軒から数千軒の住宅に対応する近隣規模のソリューションなど、いくつかのソリューションがある。

「スマートグリッドのメーターには、ZigBeeホームエリアネットワークが内蔵されているものがあります。当社は安全なハンドシェイクを行い、翌日まで待つことなく約30秒間隔でデータを取り戻すことができます。設置するには、電力会社から郵送でデバイスが送られてきます。Copperのモバイルアプリをインストールし、すべてを接続します」とフォーマン氏は説明する。「これを壁に差し込むだけで、すべてをワイヤレスで行えます」。

近隣型ソリューションも同様で、有線または既存の無線ネットワークによる独自のインターネット接続が必要だ。電柱に設置し、より多くの家庭にサービスを提供することができる。

「当社の近隣レベルの装置では、1台の装置で数百軒の家庭から約1分間隔のデータを取得します」とフォーマン氏は話す。「その価値は、明らかに家庭のハードウェアコストを劇的に削減することです。消費者に何もしてもらう必要はなく、専用のブロードバンドやワイヤレスネットワークがあるので、消費者のWi-Fiに頼る必要もありません」。

クールなのは、Copperのデバイスは、太陽光発電メーターを追跡し、どのような電気が発電されグリッドに供給されているかを示すこともできる点だ。分散型の屋根上の太陽光発電アレイを可視化できない電力会社にとって、これは特に強力な独自の視点だと同社は主張する。また、このアプリは異常検知、使用状況データ、さらなる洞察をも可能にする。

「スマートメーターの有無にかかわらず、Copper Labsは迅速な意思決定を可能にすべく消費者、電力会社、スマートホームプロバイダーにとって高頻度データの宝庫を開きます」とBlue Bear Capitalのパートナー、Carolin Funk(キャロリン・ファンク)博士は述べた。

つまり、Copper Labsが解決しようとしている課題は、メーターベンダーの遅いイノベーションサイクルを回避して、古いグリッドを最先端のスマートグリッドよりも賢くすることだ。さらに、同社のソリューションは電柱に設置するため、、家庭レベルでまったく問題なく使用できる100個の電力メーターを交換するよりもはるかに安く、早く、そして環境にも配慮したものだ。

画像クレジット:Copper Labs (Merrick Chase Photography) under a license.

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(文:Haje Jan Kamps、翻訳:Nariko Mizoguchi

ソフトバンク、米国の黒人やラテン系、ネイティブアメリカンなど多様な起業家を支援するエバーグリーンファンドを発表

日本のコングロマリットSoftBank(ソフトバンク)が米国時間3月14日、同社には米国の黒人やラテン系およびネイティブアメリカンを対象とする、上限を定めないエバーグリーンファンドを発表した。ファンドはSoftBankの1億ドル(約118億円)のマイノリティ向けOpportunity Growth Fundを継続するものであり、それは「人種的公正」が大きく叫ばれるようになった2020年に創立された。

同社によるとこの取り組みは24時間で立ち上がり、現在ではそのすべてが70社に投資されている。最初のポートフォリオ企業は55%が黒人の創業者、40%がラテン系、5%が黒人でラテン系の創業だった。ただし、いぜんとして男性が圧倒的に多く、SoftBank Opportunityのポートフォリオのわずか13%が黒人女性による創業だが、それは全国の率より高くてもまだ同等とはいえない

Opportunityで創業した企業の中で4社は評価額が10億ドル(約1184億円)を超え、2社がエグジットした。ポートフォリオ企業の半数は、初期投資の後、別のラウンドを調達している。このような活気が、同社がその取り組みを継続する理由の一部だろう。換言すれば、(当然ながら)それは実際に効果を上げている。

残る疑問は、なぜSoftBankが歴史的に見過ごされてきた起業家を支援するのに、対象の特定された明確で強力なシグナルとなる資金ではなく、エバーグリーンファンドに目を向けたのかだ。同社には、数字の危惧はない。わずか4カ月前にSoftBankは、ラテンアメリカの企業に30億ドル(約3550億円)ほどの資本を投じた。

エバーグリーンファンドは終了日のない開放的な構造だ。そのため企業は、実現したリターンから際限なく資本をリサイクルし、複数のステージにまたがって投資したり、オーナーの異なる株式に投資したりできる。この場合SoftBankが計画しているのは、アーリーステージのスタートアップシーンへの再投資で、最近のTiger Globalの例に似ている

これらの企業にSoftBankが投資した総額は一定の額ではないので、このような投資がもたらすインパクトを計るのは難しい。SoftBankはForbesに、このファンドのデビュー時には行わなかったほどのより多くの資本を展開したいという。またTechCrunch宛のメールで同社は、1年あたり20〜30社の、それぞれ30万〜70万ドル(約3600〜8300万円)の投資を行い、継続ファンドとしては100万〜500万ドル(約1億1800万〜5億9200万円)を確保するという。

元SoftBankのCOOだったMarcelo Claure(マルセロ・クラウレ)氏は、Opportunityファンドを構想し立ち上げた本人だが、彼以外にマネージングパートナーのShu Nyatta(シュウ・ニャッタ)氏や、TechSquareの創業者でPindropの会長でもあるPaul Judge(ポール・ジャッジ)氏、TaskRabbitのCEOであるStacy Brown-Philpot(ステイシー・ブラウン-フィルポット)氏らも参画した。クラウレ氏は報酬をめぐる争いで同社を去り、今はニャッタ氏がOpportunityファンドを率いて、マネージングパートナーのCatherine Lenson(キャサリン・レンソン)氏とBrett Rochkind(ブレット・ロックキンド)氏を投資委員会に加えた。

画像クレジット:Tomohiro Ohsumi/Getty Images

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(文:Natasha Mascarenhas、翻訳:Hiroshi Iwatani)