東京にあるAI企業を地図化した「Tokyo AI Map」公開、本郷・渋谷に拠点が集中

AI専門メディアの「AINOW」は9月12日、東京で人工知能関連ビジネスを展開する企業を地図上にマッピングした「Tokyo AI Map」を公開した。

このマップは東京都内にある、AI関連企業169社をピックアップしたもの。AINOWによれば、2018年9月現在、都内でAI企業が密集している地域は、本郷、渋谷、有楽町の3エリアだという。

東京大学のキャンパスもある本郷は、大学構内にアントレプレナープラザがあり、AI関連スタートアップが入居する。5月に資金調達を行ったAidemyなど、UTEC(東京大学エッジキャピタル)が出資する企業も多い。またディープコアが開設したAI特化型インキュベーション拠点「KERNEL HONGO」が存在するのも、このエリア。昨年、東証マザーズに上場したPKSHA Technologyも、本郷に拠点を持つ。

7月に「SHIBUYA BIT VALLEY(シブヤ・ビットバレー)」プロジェクトが始まり、Googleが再びオフィスを移転する渋谷にも、多くのAI関連企業がオフィスを構える。現時点では特に道玄坂上方面に、LeapMindfluctSELTECHといった企業が集中。ほか、8月に資金調達を行ったAI-OCRツールのAI insideやファッションAIのSENSYなども渋谷にある。

また大手企業や外資企業が集まる有楽町エリアには、最先端のAI技術を駆使する大手企業と、AI業界で勢力を加速する新興AI企業が共存しているという。

最近スタートアップが集まり、五反田バレーとして注目される五反田にも、マツリカレッジ空色などのAIを活用する企業が存在。今後、ほかのAI関連企業の進出も増えるかもしれない。

AINOWでは、昨年9月にもB向け人工知能業界をまとめたカオスマップを公開している。今回公開されたTokyo AI MapはAINOWのサイト内で、2019年のカレンダー付きPDFとしてダウンロードすることができる。

訪日外国人向けショッピング支援アプリ「Payke」運営が10億円を調達

商品に付いているバーコードをスキャンすることで、訪日外国人が自国語で商品情報を確認できるショッピングサポートアプリ「Payke(ペイク)」。同アプリを提供するPaykeは、8月30日に総額10億円の資金調達を実施していたことを明らかにした。第三者割当増資の引受先はEight Roads Ventures Japan、SBIインベストメント、沖縄振興開発金融公庫、SMBCベンチャーキャピタル、INTAGE Open Innovation Fund。Paykeの累計調達額は、12.2億円となる。

Paykeは2014年11月の設立。2015年11月にリリースされたアプリ、Paykeは、商品バーコードをスキャンすることで、商品に関する情報を母国語で見ることができるというもの。原材料や使い方などの基本情報のほか、商品の魅力や製造秘話、ユーザーの口コミも確認でき、商品をインバウンド観光客へ訴求することが可能となる。

現在アプリは、英語、繁体字、簡体字、韓国語、日本語、タイ語、ベトナム語の7言語に対応。ユーザーの95%以上が外国人ユーザーだ。2017年1月には台湾、香港、マカオのアプリストアで1位を獲得しており、アジア各国のユーザーに利用されているという。

また、Paykeでスキャンされた商品データについては、「いつ」「誰が」「どこで」「何を」スキャンしたかを収集。メーカーなどの企業向けに、商品や店舗に対する「興味」データとして一部提供され、インバウンドマーケティングに活用されている。

小売店向けには、スマホアプリと同じサービスが店頭で利用できるタブレット端末もレンタルで提供。アプリをインストールしていない観光客に貸し出すことで、購入率や購入単価向上、対応スタッフの人件費削減につながるとして、店舗での導入が進んでいるという。

Paykeは2018年8月現在、総ダウンロード数が約70万にのぼる。商品登録点数は2018年5月の段階で25万アイテムを突破。メーカーへ提供するB2Bサービスの導入数も、2018年8月現在で約1200社に達している。

VRイベントプラットフォーム「cluster」運営が4億円をシリーズBラウンドで調達

VRイベントプラットフォーム「cluster」を提供するクラスターは9月12日、シリーズBラウンドで総額約4億円を調達したことを明らかにした。第三者割当増資の引受先はXTech Venturesグローバル・ブレインKDDIの各社が運営するファンド。また資金調達にあわせ、前ユナイテッド取締役の手嶋浩己氏が社外取締役として就任した。

クラスターは、VR上で音楽ライブやイベントなどを開催できるプラットフォームclusterを運営する。cluster上では同時に最大5000人と接続が可能。クラスターが目指すのは“ひきこもりを加速させる”バーチャル上でのエンタメ体験の提供だ。

例えば、バーチャルYouTuber(VTuber)をはじめとしたバーチャルアイドルが増える中、リアルタレントが行うような商業活動をバーチャル上でもできるように、有料イベントを開催できるチケット機能を7月にcluster上で公開している。

今回の資金調達でクラスターは、事業拡大に向けたプロダクト開発や人材採用強化を図る。

クラスターは2016年4月に5000万円を調達2017年5月に2億円を調達しており、これまでの累計調達額は約6.5億円。2017年6月よりcluster正式版を提供している。

Amazonが大きな本物の木のクリスマスツリーを売る

サンタクロースさん、ごめんなさい。今年はJeff Bezosがあなたの仕事を取っちゃうよ。ホリデーシーズンを完全に支配したいという野望に燃えるAmazonは、本物の生きた木でできているクリスマスツリーを11月に発売する、と発表した。

このニュースを配信したThe Associated Press(AP通信)によると、高さ7フィート(213センチメートル)のベイマツまたはノーフォークマツが、Amazonのボックスに収められて配達される。水はないが、伐採後10日以内に発送されるので枯れたり色あせはない。お値段は115ドルで、装飾用のリースは50ドルだ。

この巨大eコマース企業がツリーに手を出すのは、これが初めてではない。最初は、スヌーピーの漫画に出てきそうな、高さ1メートル弱ぐらいのを去年売った。Amazonに出店している業者は、大きなツリーを売っている。

家族でツリーを買いに行くことがホリデーの儀式になってる人には、余計なサービスだろう。組み立て式のクリスマスツリーを毎年再利用している人も、Amazonのやり方は目ざわりだろう。でもAmazonは昔から、人びとの便利に貢献することなら何でもやる企業なのだ。

画像クレジット: John Zeedick / AP

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

ウォルマートがbitcoinを1ドルで売っている

Walmartが、bitcoinを1ドルで売っている。でも暗号通貨の世界はつねに変化が激しいから、その一環としてこのデジタル通貨はチョコレートでできている。

Frankford Bitcoinsと名付けられたこのお菓子は、40グラムのミルクチョコレートをゴールドに着色したアルミフォイルで包んだもので、メーカーはFrankford Candyだ。去年は、ふつうのフォイルで包んだミルクチョコレートのコインがあった。でもbitcoinはコインとしては存在しないから、去年とはまったく違う。

bitcoinは分散デジタル通貨で、電子的に作られて保存される。Frankfordはそこに、ミルクチョコレートを加えた。

1947年に創業されたFrankford Candyは決して、暗号通貨の流行に便乗しようとした最初の企業ではない。ノンアルコール飲料のLong Island Iced Tea Corpを、誰が忘れようか。同社は社名をLong Blockchain Corpに変えて株価が6倍になった(Nasdaqは今年、同社の時価総額があまりにも低いので扱いから外した)。またアダルト向けのエンターテインメントを提供しているCamSodaのBitCastは、BitcoinとEthereumとLitecoinへのユーザーの投資と同期するバイブレーターなどの性具製品だ。

でもFrankfordのbitcoinなら、誰でも買える。本物のbitcoinは12月に20000ドルを超えてから急落し、今は6240ドルぐらいだ。

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世界的に2018年のテック業界のM&Aは伸びなさそうだ

CrunchbaseとMind the Bridgeの最新の調査によると、米国テック企業による買収が依然として世界で最も多いようだ。

この2つのデータでは、2010年以来2万2000件ものイグジットを数えたが、今年はこれまでのところ4200件ほどだ。昨年ほど活発ではないようだが、それでも米国企業は、欧州企業の倍以上のスタートアップ買収を行なっている。

昨年はM&A件数最多を記録したが、 概して今年は伸びはそうなさそうだ。

レポートの概要は以下の通りだ。全容はこちらから閲覧できる。

・米国におけるM&A件数はわずかに減少しているが、欧州においては大幅減となっている。欧州の件数はこれまでのところ前年比11%減だ。

・引き続き世界のM&Aの大多数は米国と欧州の企業が行なっている。取引額とそれにかかる出費の4分の3以上が北米と欧州のスタートアップに係るものだ。

・世界の買収トップ30件のうち22件を米国企業が手がけている。欧州のスタートアップの買収でも、欧州勢がギャップを埋めつつあるものの、買い手として最もアクティブなのは依然米国企業だ。

・Google、Facebook、AppleそしてMicrosoftが世界で最もアクティブな買い手だ。

・欧州企業の中で最もアクティブな買い手はPublicisグループで、世界の買い手ランキングでは20位につけている。これは昨年より1ランクの上昇で、昨年欧州勢の中で最上位だったドイツのSAPは33位となっている。

・欧州企業による買収対象として欧州企業が増えている。今年、欧州企業の買収の81%が域内で行われ、この割合は昨年は75%だった。

・イグジットしたスタートアップの55%が設立5〜15年で、買収額は1000万〜1億ドルだった。

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(翻訳:Mizoguchi)

Appleの自動運転車、4ヶ月で27%増の70台に

Appleは自動運転車のカリフォルニア州でのテスト車を増やし続けている。カリフォルニア州陸運局の記録によると、5月以来27%の増加だ。

現在同社は公道でテストすることが許可されている自動運転車を70台保有している、とMac Reportsが最初に報じた。許可しているのはカリフォルニア州陸運局で、セーフティードライバーが運転席に乗っている必要がある。

過去18ヶ月間、Appleはわずか3台だった自動運転車を1月には27台、5月には55台、そして今や70台になった。GM Cruiseが自動運転テスト車の登録台数か最も多く175台、Waymo が88台で続き、Appleは3番目に大きいテスト車集団をもつことになる。

登録台数は、Appleの行動を追跡する数少ない方法の一つだ。この会社は自動運転車プロジェクトについて何も語らない。

州の監督機関であるカリフォルニア州陸運局による許可は、そもそも同社にプロジェクトが存在することを示す唯一の確認方法だ。Appleの自動運転プロジェクトはシリコンバレーでは公然の秘密だった。CEOのTim Cookは、自動運転システムへの同社の関心について最近言及していた。

先月同社は初めての事故を公表したことが、州陸運局に提出した書類でわかった。その低速時の事故は8月24日に起きた。自動運転車の関わる事故は、各企業が公道では知らせる自動運転車が増えるにつれて、よく耳にするようになってきた。その殆どは軽微な低速事故だ。

2014年に同陸運局に報告された自動運転車(Delphiが所有していた)に関わる事故は1件だけだった。2018年はこれまでに、40件以上の自動運転車の関わる事故が州陸運局に報告されている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Appleのハードウェアイベントに期待してはならないこと

明日(米国時間9/12)はでっかい一日だ。噂はもう聞き飽きたと思うけど、まだ物足らない人は本誌が先週載せた噂のまとめをご覧いただきたい。例によって、あまり大きな期待は持たないようにしよう。その方が、幻滅に打ちのめされる可能性も低い。これは、ぼくがこれまでの人生から学んだ教訓でもある。

期待値を下げるお手伝いとして、ここではAppleのビッグイベントに絶対登場しないと思われるものの、不完全なリストを作ってみた。ご参考になれば、幸いだ。

  • ARヘッドセット: AppleはARヘッドセットを開発しているか? たぶん、している。それは明日登場するか? たぶんノーだ。Vrvanaを買収したからには、それを作ってることは確実だが、まだまだ先の話だろう。
  • Beatsの製品: AppleがBeatsを買収したことはApple Musicの立ち上げと関係がある、と一般には理解されている。その後、このヘッドフォンメーカーの製品はAppleの中で明らかに影が薄くなり、新しいAirPodはもちろんありうるとしても、そこにBeatsブランドを期待すべきではない。
  • MacOSデバイス: わずかな可能性はある。しかし現時点で優先されるのは、かつての名機MacBook Airの待望のリフレッシュだから、ぼくは期待しない。Appleは確かにMa Proのアップデートを言ってきたし、現にiMac Proは出たけど、でも実現はまだまだ先だろう。
  • 円形のApple Watch: Appleのウェアラブルが円形になるという前からの予想は、明日のイベントの招待状に大きな円があるので、いよいよ燃え上がった。でも数秒後には誰にも分かったように、それはAppleの大きな宇宙船をイベントの場所として表しているのだ。そしてこれまでのどのリーク情報も、Apple Watchの形は前世代から変らないと言っている。
  • iPhone 9: iPhoneの10歳の誕生日は、Appleのかなり単純明快なネーミングの慣行をぶち壊した。あれを“アイフォン・エックス”と呼んでる人が多いけれども、それは実際にはiPhone 10だ。そして、Appleが後ろを向くことはめったにない。廉価版のiPhone Xは実際に作ってるらしいが、iPhone 9は完全にスキップされたのだ。
  • 心の平和: 明日になって何が起きようとも、われわれはそれを拾い上げて、同じことをしなければならない。哀れなテク・ブロガーに休息はない。そしてみんな、死ぬときは一人だ。でも、とりあえず、happy Apple Day!と言っておこう。

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Facebookの「ロゼッタ」システムは、ミームの認識を容易にする

ミームはウェブの言語であり、Facebookはそれをもっと理解したいと思っている。

FacebookのAIチームはここ数年、コンピュータービジョンと自然言語認識の両分野で目覚ましい進歩を遂げてきた。今日(米国時間9/11)同チームは、ふたつの分野の進歩を融合する最新の成果を発表した。新しいシステムはコードネームを “Rosetta” といい、FacebookとInstagramで画像内テキストを認識して、被写体がなんであるかを理解し分類を容易にすることによって検索や不正コンテンツの識別に役立てる。

ミームばかりではない。ツールは10億以上の画像とビデオフレームを、毎日複数言語にわたってリアルタイムで解析する、と同社はブログに書いている。

Rosettaは光学文字認識(OCR)の最新技術を活用している。まず画像をスキャンしてテキストの存在を検出し、文字がバウンディングボックスの中に置かれる。つぎに畳み込みニューラルネットワークを用いた分析によって、文字を認識し何を伝えようとしているのかを判定する。

via Facebook

このテクノロジーはしばらく前から使われていたが——FacebookはOCRに2015年から取り組んでいる——同社の巨大なネットワーク全体に展開することは、狂気レベルのスケールを必要とするため、文字検出と認識に関して新しい戦略を考える動機が生まれた。

技術面に興味のある人には、チームの書いた論文がある。

Facebookには、ビデオや写真に写ったテキストに興味を持つ理由が山ほどある。同社のコンテンツモデレーション[コンテンツの監視]の必要性に関しては特にそうだ。

スパムの識別は、写真の説明テキストが”Bruh!!! ” や “1 like = 1 prayer” (いいね! 1回=祈り1回)のようなものなら比較的単純だが、Facebookの “time well spent”[有意義な時間]推進のためのアルゴリズム変更によって、タイムラインには似たような技巧を用いたビデオや写真が増えている。同じことはヘイトスピーチにも言える。あらゆるメッセージが1つの写真やビデオに埋め込まれていたらシェアは容易だ。字幕機能が便利なツールになる。

同社によると、現在このシステムは複数言語対応という新しい課題をもたらしている。現在は言語を統一したモデルによって動いていて、訓練データの大部分はラテン文字を使っている。同社の研究論文によると、現在既存データベースの最目的化によって新言語をサポートするための戦略を検討しているという。

Facebookは人間監視役の負荷を減らし、ニュースフィードアルゴリズムが分類結果に応じてコンテンツを選べるようしたいと考えている。こうしたツールは、Facebookが有害コンテンツを識別し、より興味深いコンテンツをユーザーに見せるうえで大きな可能性を持っている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Teslaのおしゃれなスマホ充電器、近々販売再開

先月Teslaは、限定版のスマートフォンチャージャーを発売した。ばか高くて遅いにもかかわらず、たちまち売り切れた。このほどTeslaは、ふたたびこのチャージャーを販売し、価格を下げると発表した。

充電器の容量は6000 mAh、充電出力はワイヤレスで5 W、USB経由で7.5 W。当初の価格は65ドルだったが、それが49ドルになる。それでもThe Vergeが指摘するように、安くなった価格で見ても、同様のワイヤレス充電器はもっと安く手に入るしバッテリーも大きい。ただし、Teslaではない。

このチャージャーはTeslaのスモール・エレクトロニック・ライフスタイル・アイテムの最新作だ。これまでにも同社のSupercharger充電ステーションのデザインを真似たUSBチャージャーを長らく販売してきた。この最新バージョンは、Tesla Powerwallバッテリーに似ている——ただし、Powerwallがいくらすごくても、スマートフォンのワイヤレス充電はできない。

[お客様の強い要望に答えて、売り切れていたTesla Wireless Chargerをふたたび販売することになりました。また大量生産によって価格を49ドルに下げることができました。

65ドル払ったアーリーアダプターのみなさんには、自動的に16ドル(および売上税)が払い戻されます。]

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

TC Tokyo「超早割チケット」の発売は9月18日まで!スタートアップバトル本登録は9月30日まで!

今年も11月15日(木)と16日(金)に渋谷ヒカリエで開催される日本最大級のスタートアップ・テクノロジーの祭典「TechCrunch Tokyo」。現在発売中のお得な「超早割チケット」の発売が9月18日の23時59分までとなっているので、来場する予定だがまだチケットを予約していないみなさんにはこのチャンスを逃さないでほしい。通常の「一般チケット」は4万円(税込)だが、超早割チケットは1万8000円(税込)だ。

チケット購入はこちらから

TechCrunch Tokyoは僕たちTechCrunch Japanが毎年開催している、日本最大級のスタートアップ・テクノロジーのイベント。今年で8回目の開催となり、昨年は約2500名が来場した。

そんなTechCrunch Tokyoの主役は何と言ってもスタートアップのみなさんだ。例年、イベント最大の目玉とも言える「スタートアップバトル」では創業3年未満の新進気鋭のスタートアップがステージ上で熱いピッチバトルを繰り広げる。

例年100〜150社から応募が寄せられているスタートアップバトル。今年の参加者の本登録は9月30日23時59分までとなっているのでそれも併せてお知らせしたい。応募資格は以下の通りだ。

  • 未ローンチまたは2017年10月以降にローンチしたデモが可能なプロダクトを持つスタートアップ企業であること。
  • 創業年数3年未満(2015年10月以降に創業)で上場企業の子会社でないこと。

投資家や大企業の新規事業担当者も多く参加するTechCrunch Tokyoでは、スタートアップバトルをきっかけに出資が決まったり、優秀な人材の採用につながることも少なくない。みなさんの応募を心待ちにしている。

応募はこちらから

iOS 12、macOS Mojaveのセキュリティー機能を復習しておこう――ビッグイベントはいよいよ明日

9月といえばAppleが新製品を出す月だ。新しいiPhoneだけでなく、Apple Watchその他のハードウェアもお披露目されるだろう。しかしそれを動かすソフトウェアが同様に重要だ。

今年6月、Appleは恒例のWWDCデベロッパー・カンファレンスでiOS 12とmacOS Mojaveを発表した。このアップデートの重点はセキュリティーとプライバシーの改善に置かれていた。

明日のビッグ・イベントを控えて、Appleのソフトウェア・アップデートの内容を確認しておこう。

macOS Mojave

macOS MojaveはMac OSとして6代目のプロダクトとなる。モハーベはカリフォルニアで有名な観光スポットでもあるモハーベ砂漠にちなんでいる。 ダークモード、同種のファイルを整理してくれるスタック、FaceTime通話などの機能が新しい。

Safariブラウザはフィンガー・プリンティング、クロスサイト・トラッキングを防止する

こういう意味だ: Safariは新しい スマート・トラッキング防止システムを採用した。広告主はブラウザにユニークな値を割り当て、サイトを超えてユーザーを追跡するというテクニックを使っていたが、新しいSafariはこれを困難にする。Facebookのようなソーシャル・メディアもユーザーがあちこちのサイトで行う「いいね!」入力や記事共有などを通じてユーザーの動向を非常に詳しく把握してきた。

重要性は?  トラッキング防止機能は、広告システムがブラウザに「フィンガープリント」と呼ばれるユニークな値を割り当てることを防ぐ。つまり特定のユーザーに向けたターゲット広告を表示することが難しくなる。ブラウザのフィンガープリントを取ることはプライベートないしシークレット・モードのブラウジングでも効果があった。フィンガープリンティングが困難になれば、広告システムが詳しいユーザー・プロフィールを作ることも難しくなる。

カメラ、マイク、バックアップにユーザーの許可が必要になった

こういう意味だ:アプリがカレンダーや連絡帳にアクセスするするときはユーザーの許可を求める。これと同様にMojaveではたとえばFaceTimeがカメラ、マイク、位置情報、バックアップなどにアクセスする際に、まずユーザーの許可を求めてくる。

重要性は?アプリの実行権限に対する制限を強化したことで、アプリが勝手にカメラやマイクをオンにしたりすることを防ぐ。一部のアプリは密かにマイクを起動してテレビ広告が流れるのを探知したり、マルウェアがカメラを乗っ取ってスパイ行為を働いたりするという。カメラやマイクだけでなく、バックアップ(多くの場合暗号化されていない)へのアクセスにも明示的許可が必要になれば、マルウェアがユーザーのデータを盗み出すのを防ぐために効果的だ。

iOS 12

WWDCでプレビュー版が公開されたiOS 12はiPhones 5s、iPad Air(1、2)以降など既存のデバイスにインストールでき、そのパフォーマンスを大きく改善する。 また 新しいマップ通知の改良、AIKitのアップデートなどが含まれる。

Pパスワード・マネージャーが使い回しを警告する

こういう意味だ: iOS 12のデフォールトのパスワード・マネージャーはユーザーが入力するパスワードをすべて保存し、簡単にアクセスできるように管理する。この際、異なるサイトやアプリで同じパスワードを使っている場合、警告を発する。

重要性は? パスワードの使い回しは深刻な問題だ。ユーザーはとかくすべてのサイトで同じパスワードを使おうとする。ハッカーはセキュリティーがいちばん弱いサイトを破るだけでユーザーのすべてのサイトにアクセスできるようになってしまう。iOS 12はパスワードが弱すぎる場合、またパスワードを使い回している場合に警告する。パスワード・マネージャーに保存されたパスワードは指紋ないしパスコードで簡単に取り出すことができる。

2要素認証のコードが自動補完される

こういう意味だ: ユーザーが2要素認証を行うとサイト側から認証用のワンタイムパスコードが送られてくる。パスコードがSMSやプッシュ通知で送信された場合、 iOS 12は自動的にそのコードをログインボックスに入力する。

重要性は? 2要素認証はログインにあたってユーザー名、パスワードに加えてされにもう一つのレイヤーを要求する。これはセキュリティーの向上のために効果的だが、残念ながら普及率は低い。パスコードを受け取っていちいち入力するのが面倒だからだ。iOS 12の自動補完機能はセキュリティーを強化しつつ、ユーザーにとって苛立たしい手順を踏む必要をなくし、ログインをスムーズにする。

USB制限モードがさらに強化された

こういう意味だ:セキュリティー機能のアップデートにより、iPhoneないしiPadが1時間以上ロックされている場合USBポート、ヘッドホン・ポートを含め、デバイスに接続されたアクセサリーは同じくロックされる。

重要性は? これはiOS 11.4.1に対する追加オプションだが、iOS 12では標準的に採用されるはずだ。これにより捜査当局やハッカーがデバイスからデータを盗み出すことがさらに困難になる。デバイスの内容は暗号化されているためAppleでさえ正しいパスワードなしにコンテツを解読することはできない。しかしブルートフォース(総当たり)法でパスワードを探り当てるGrayKeysのようなシステムが登場していた。新機能はこうした方法をあらかた無効にするはずだ。

Appleのプレスイベントは太平洋時間で午前10時〔日本時間13日午前2時〕にスタートする。

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画像:Getty Images

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滑川海彦@Facebook Google+

Apple、iPhone発表イベントのライブストリーミングをTwitterにも拡大

AppleのiPhone発表のプレスイベントが、初めてTwitterでライブ配信されることとなった。従来は自らのサイトでのみ行なっていたライブ配信を、Twitter上でも行うとされていたが、現実のものとなるわけだ。

AppleがTwitterのプロモツイートを利用してイベントの告知を行なっていたことから、多くの人が、Twitter上でのライブ配信を予想していたところではある。

AppleによるTweetでは、Twitter上で#AppleEventのハッシュタグをフォローすることで、最新情報が得られるようになるとアナウンスしている。実はこれまでもAppleは、イベントのライブ配信を告げるためのTwitter広告を流したことはある。しかし今回はどうやら、Twitter上でのライブ配信を行うとしているところが新しい。

すなわち、Appleからのツイートでは、イベントを「フォローせよ」ではなく「ウォッチせよ」となっているのだ。

「ウォッチせよ」の言葉は、Twitter上でのライブ配信を予告していると受け取れるし、またツイート内のアニメーションGIFも、ライブ配信を予告していると受け取ることができる。

なお、上のツイートは現在Appleのアカウントからのツイートには表示されていない。Twitterの「プロモーションのみのツイート」機能を用いて投稿されたものだからだ。この機能は、ツイート内容を特定の広告キャンペーンの対象となった利用者にのみ表示するものだ。

今日くらいから、より多くの人にツイートが届くようになるだろうとのことだ。

イベントはPDTの10時に始まり、もちろんこれまで通りApple TVやAppleのイベントサイトでもライブ配信される。

ライブ配信のプラットフォームを拡大するのは、現在の風潮の中で当然のことと言えるだろう。

Appleは、イベントをより多くの人に見てもらいたいと努力を続けていた。たとえば今年のWWDCキーノートは、初めてChromeやFirefoxでも閲覧できるようになった。それまではSafariないしApple TV経由ないしWindows 10上のMicrosoft Edgeブラウザーでのみ閲覧できるようになっていたのだった。

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(翻訳:Maeda, H

自動運転車に深入りしたいルネサスが$6.7Bの巨額買収に踏み切る

日本の半導体企業Renesasは、自動車産業向けのチップのサプライヤーとして世界最大の企業のひとつだ。その同社が、自動運転技術により一層注力するために、アメリカのチップ企業IDTを67億ドルで買収しようとしている。

Renesasはさまざまなデバイスを動かし制御するマイクロプロセッサーや回路を作っており、中でもとくに自動車産業が中核だ。供給量ではNXPに次ぎ、売上の半分以上が自動車業界からだ。一方IDTは電力管理とメモリーが主な製品で、とくにワイヤレスのネットワークとデータの変換や保存にフォーカスしている。これらはコネクテッドデバイス(ネットワークに接続されたデバイス)の成長とともにますます重要であり、データの高レベルなストリーミングと対話…大量で高速なデータ通信…を要求する自動車ではとくに重要だ。

IDTの買収は同社の株価の29.5%で行われようとしており、自動運転車に関するRenesasの技術力強化をねらっている。Renesasによれば、その事業を、ロボティクスやデータセンター、そのほかのタイプのコネクテッドデバイスなど、“データエコノミー”の分野に拡大することも、ねらいの一つだ。

Renesasはすでに、自動運転車の技術をデモしており、Intelなどと直接競合する立場になる。昨年同社は、ハイブリッドカーやEVの電池の電圧をコントロールする技術を持つIntersilを32億ドルで買収しており、IDTの買収はその路線のさらなる延長だ。

“両社の製品の重複はほとんどないから、Renesasにとって健全な買収戦略だが、価額がちょっと高すぎるのではないか”、とBloombergのアナリストMasahiro Wakasugiは言っている

IDTの買収案件はRenesasが先月、最初に買収の関心を示してから二週間が経過した。買収の法的承認および完了は2019年の前半と予想されている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Qualcommの新しいSnapdragon WearチップはWear OSを元気にするか?

Snapdragonの新しいウェアラブル用チップのアーキテクチャは、5月のGoogle I/Oのときから話題になっていた。そしてQualcommは今朝(米国時間9/10)、サンフランシスコで行われたイベントでついにその製品を披露した。

Google I/Oで紹介されたそのWear 3100は、そのサイトに、Googleのスマートウォッチ用オペレーティングシステムがしっかりとある。しかもそれは早すぎるタイミングではない。Wear OSはこのところ、低迷が感じられていた。Android Wearから名前を変えても、それは変わらなかった。

今回の新しいアーキテクチャは、2100をリプレースする。Qualcommによると、同社のチップは25のブランドの100種以上のWear OSウォッチで使われている。Wear OSデバイスの機種が三桁とは、驚きだ。この世界のリーダーであるAppleやFitbitやSamsungは、いずれも独自のソフトウェアを選び、Googleに背を向けている。

おもしろいのは、新しいチップの最初の三つのパートナーがLGやHuaweiといったテクノロジー企業ではなく、Fossil Group, Louis Vuitton, Montblancという高級ウォッチのメーカーであることだ。このことは、このオペレーティングシステムの将来を暗示しているのかもしれない。またGoogleの秋のイベントでは、タイミング的に、Pixel Watchのローンチの可能性が大きい。

3100の特徴で重要なのは、電池寿命が伸びたことだ。それは、スマートウォッチのメーカーの長年の悩みだった。チップに新たな動作モードが実装されたことも、おもしろい。“Traditional Watch Mode”(ふつうのウォッチモード)は電池の使用を節約し、“Rich Interactive Mode”(リッチな対話モード)は、充実したユーザー体験を与える。

このチップの量産は今日から始まる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

ZendeskがBaseを取得してCRMに拡大

これまでZendeskは、ほとんど顧客サービスのシナリオだけに専念してきたが、どうやら最早それだけでは十分ではないようだ。インタラクションの背後にいる顧客を本当に知りたいのならば、顧客サービスコンポーネントと一緒に働く顧客記録システムを必要とする。その必要性を満たすためにZendeskBaseの買収を発表した。Baseは既に5000万ドル以上を調達してきたスタートアップである。

両社は購入価格を公表しなかったが、Zendeskはこの買収は収益に大きな影響を与えない筈だと公表している。

CRMの世界でBaseは、Salesforce、Microsoft、またはOracleのようには知られた存在ではないだろう。同社は、独自の人工知能基盤を備えた、洗練された営業自動化プラトッフォームを構築した。CEOのUzi Shmiloviciは、営業パーソンに対して成功に向けての意味のある助言を行うためのAIを2016年にリリースした際に、同社のAIはより余裕のある競合相手たちに十分対抗できると主張した。

Zendesk CEOのMikkel Svane(冒頭の写真)は、もちろん彼のプラットフォームにBaseのような会社を追加することに価値を見出している。「Zendeskが既に顧客サービスのために行ってきたことを、営業活動のために提供したいと思っています。つまり営業パーソンと彼らが相手にしている人たちのために作られたツールを提供するということです」と彼は発表声明の中で述べている。

顧客データの中核に、顧客サービス、CRM、マーケティングが含まれているのなら、BaseはZendeskに欠けているそうしたコンポーネントの1つを提供する、と語るのはこの市場を注視しているCRM Essentialsのオーナー、Brent Learyである。

「Zendeskは顧客サービスで大きな地位を占めていますが、今や統合プラットフォームを探している中堅/企業顧客に対する立場を強化しました。Baseは強力な営業活動自動化のピースをパズルに提供します」と、LearyはTechCrunchに語った。

彼が指摘しているように、私たちはHubSpotがHubSpot Appsを使って似たような動きをしている事を見ているが、その一方SugarCRM(最近Accel-KKRに買収された)も、新しいオーナーの潤沢な資金を用いた買収を仕掛けるかもしれない。「これはほとんど、CRMエンタープライズソフトウェアによるHunger Games(小説/映画の名前。登場人物たちが最後の1人になるまで殺し合う)と同じです」と彼は冗談を言った。彼は、これらの企業はより完全なソリューションを提供するためにプラットフォームの欠けている部分を獲得しようとしているので、さらに多くの統合が起こることが予想できることを示した。

Zendeskの製品ポートフォリオのシニアバイスプレジデントだったMatt Priceが、Baseチームを前進させる。

Baseは2009年に設立され、5000以上の顧客を誇っている。Baseは既に、Zendeskのアプリマーケットプレイスで売られていたことを指摘して置くことには意味があるだろう。よってここには多少のオーバーラップが存在する。もちろんZendeskは既存の顧客をBeseに移行させようとするだろう。

Zendeskは、Baseのすべての顧客を引き続きサポートすることを表明している。さらにBaseの125人の従業員全員が、Zendeskに入社するように招待されているので、ここで流血の心配はない。

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(翻訳:sako)

バッテリー満載ドローンのImpossible Aerospaceが940万ドルを調達

スマートフォンメーカーと同じく、ここ数年ドローンメーカーは山ほどの機能を追加しながら、バッテリー寿命に関してはほとんど改善できていない。そして、スマートフォンが「1日中」使えることを謳っているのに対して、有名ドローンの飛行時間は20~35分にすぎない。

Impossible Aerospaceは、少なくとも商用ドローンについては、ほぼバッテリーのみの高密度設計によってこの公式を変えようとしている。本日(米国時間9/10)同社は、新しいドローン、US-1発売の詳細を公表し、さらにシリーズAラウンドで、Bessemer Venture Partners、Eclipse Ventures、およびAirbus Venturesから940万ドルの資金調達を完了したことを発表した。

同社初の製品は、最適な条件で120分間飛行できるのが特徴のドローンだ。飛行範囲は直線距離75 kmにわたる。荷物は1.3 kgまで積載できるが飛行時間は78分に減少する。

商用ユーザーにとって、飛行時間の延長によって利用場面は劇的に広がり、ミッションベースから、より探索的なものへと発想が変わってくる。

同社のウェブサイトには、コミカルともいえるUS-1のバッテリーのX線写真が掲載されていて、バッテリーセルは大きな”X”の文字のように見える。6.8 kgあるドローン重量の70%程度がリチウムイオン電池だと同社が私に言った。

これは、従来型ドローンのパイロット向きのデザインだ。長い飛行時間を実現するためにはいくつか部品を取り除く必要がある。もっとも賛否の分かれる選択は、障害物回避センサーを持っていないことだろう。「あらゆる航空機のデザインは妥協の産物」とImpossible Aerospace CEOのSpencer Goreが本誌のインタビューで語った。「一部のユーザーのために、他のユーザーが使うことがないのに性能を損なう機能を追加するほど悩ましいことはない」

US-1の価格は7500ドルから、今年のQ4に発売予定。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Samsung、Tileに対抗する忘れ物防止タグ発表――スマート・トラッカーはLTE-M対応

Samsungだけに、すでに普及しているTileと同程度の機能のスマートトラッカーでは満足しないようだ。同社の新製品は一見したたところではTileその他の忘れ物防止タグに似ているが、LTE対応も含めて可能なかぎりのスマート機能が盛り込まれている。

このトラッカーは位置判定にあたってGPSベースの他にIoTデバイス向けのLTE-M接続能力を備えている。バックパックや鍵など重要なアイテムに取り付けておいた場合、従来のBluetooth接続のトラッカーと比較してはるかに多様な状況に対応できる。つまり屋内や地下などGPS信号が届かない場所でも遠距離からのトラッキングが可能になる。

このデバイスはSamsungの既存のSmartThings(同社のIoT製品全体をカバーする商標だ)アプリに対応し、Android版とiOS版が利用できる。トラッキングはリアルタイムで更新される。またジオフェンス機能もあり、特定の区域に入ると接続する。スマートホームの場合、自動的にシステムに帰宅を告げることができる。またペットの首輪に装着しておくと設定した区域が出たことを教えてくれる。

このスマート・トラッカーは9月14日から出荷される。アメリカでは当面AT&T版が先行するが、Verizon版も年内に発表される予定だ。価格はさほど安くない。99ドルだが、料金には12ヶ月分のLTE-Mサービスの契約が付属している。無料期間終了後は月5ドルとなるので注意が必要だ。

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滑川海彦@Facebook Google+

Adobe Photoshopの‘コンテンツに応じた塗りつぶし’が性能アップ、おかしな失敗が減少

Adobe Photoshopの“コンテンツに応じた塗りつぶし”(content-aware fill)が登場したときは、誰もが感激した。退屈な名前だけど、すばらしく便利な機能で、画像のセレクトした範囲内にAIが選んだ画像の破片をリプレースして、そのまわりと同じ本物らしく見せかける。しかしAIは万能ではないから、ときどき、おかしな、笑えるような結果になった。でも今度の新しいツールでは、AIの失敗がほどんどなくなるそうだ。

今日(米国時間9/10)発表された予告編ビデオでは、コンテンツに応じた塗りつぶしの設定項目が大量に増えたから、修正作業が楽しくなるかもしれない。フォトグラファーは元々、加工や修正が好きな人種だが、修正のメニューが増えればそれだけ結果も良くなる。

以前は、どうだったか…

…ときどき、こんな結果になった…

[コンテンツ対応の失敗]

…今度からは右側に大量のオプションが並ぶのでそこから選ぶ。

いちばん重要な違いは、ユーザーが範囲指定をした領域内でどの部分を塗りつぶすべきかを、AIが選べることだ。上の失敗例では、馬の部分を塗りつぶそうとして、ほんの一筆(ひとふで)か二筆(ふたふで)ぶん、除外している。しかし正確である必要はない。人間の手とマウスによる指定が1ピクセルの精度で間違っていても、今度のアルゴリズムは正しく判断する。

改良されたアルゴリズムはさらにお利口になり、使用する成分の回転や縮小拡大も臨機応変に行なう。その方が良い、と判断したら、コンテンツの鏡像も使う。

塗りつぶしを、別のレイヤ(層)に出力できるので、アーチストにとって重要な「非破壊的編集」ができる。これは、前からあるべきだった、とぼくなどは思うね。

ここまで強力な修正をやると、純粋な人はしらけるかもしれない。でも、実際に手元にある写真を使うしかない場合もあるし、ちょっと牛の数が多すぎる、ということもあるだろう。手作業による写真修正の名人ではない人が、大きな修正をしなければならないときには、使ってもいいことにしておこう。

今回の新しいアップデートは“もうすぐ提供”ということだから、アップデートの通知によく注意していよう。

画像クレジット: Adobe

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

顧客エクスペリエンス事業を強化するAdobe

マーケティング担当者たちは、顧客をよりよく理解し、カスタマイズされたインタラクションを提供し、最終的に売上を増やすために、長年にわたりオンラインショッピング体験を最適化してきた。人工知能がそれを加速すると期待されてきたが、今日(米国時間9月10日)Adobeは、Adobe TargetとAdobe Experience Managerの強化を発表し、少なくとも部分的にその約束を実現しようとしている。

Adobeはここしばらく、その企業向けビジネスの強化に注力してきた、彼らは100億ドルの企業になるための道を順調に進んではいるものの、企業側からのさらなる収益の可能性は残されたままだ。彼らはそれをさらに推し進めるために、AIに大いに頼ろうとしている。

AdobeのLoni Starkは、企業はカスタマイズと最適化に関するより洗練されたソリューションを求めていると語る。その中には、マーケティング担当者がプログラムを調整してより良いエクスペリエンスを生み出すのを助けるために、Senseiと呼ばれるAdobeのインテリジェンスレイヤーを使用することが含まれている。

まず手始めに同社は、ユーザーが任意の一連のタスクに対して最適なアルゴリズムを選択する手助けをしたいと考えていいる。Adobeは、昨年Auto-Targetと呼ばれたツールをリリースして、AIによる支援を持ち込んでいる。「マーケティング担当者が直面してきた課題の1つは、どのアルゴリズムを使用するのか、そしてそれをどのようにパーソナライズ戦略にマップすれば良いのかです。Adobe Senseiによって、最高のアルゴリズムを選択することができます」。彼女は、マーケティング担当者たちに選択のためのスマートアシスタントを提供することで、このタスクが遥かに負担の少ないものになるという。

Adobeはまた、3月のAdobe Summitで初めて導入された、Smart Layoutsと呼ばれる新しいツールを使って、レイアウトデザインにある程度のスマートさを導入している。ここでのアイデアは、マーケティングチームがパーソナライゼーションの規模を拡大し、行動を起こす可能性を高める(つまり購買につながる)ことができるように、どの時点でも適切なレイアウトを提供しようというものだ。

ここでも、同社はAIにプロセスをガイドさせ、サイト訪問者の任意の時点での振る舞いに応じて、異なる対象層に対して異なるレイアウトを生成させる。すなわち、訪問者がショッピングプロセスを辿る際に、小売業者は知っていることに基いてより細かいページを提供できるようになる筈だ。よりカスタマイズされたエクスペリエンスを提供できれば、買い物客が実際に購入してくれる可能性が高くなる。

Adobeは、Amazon Alexaのようなデバイスが徐々に普及するにつれて、新しい配信チャネル、特に音声を使ったものを検討している。ウェブ、モバイル、プリント、その他の配信アプローチと同様に、マーケティング担当者たちは、異なる音声やワークフローに対してA/Bテストなどの基本的なタスクを適用する必要があり、Adobeはこれらをツールに組み込んでいる。

これらの新機能はすべて、顧客の業務を楽にするために、マーケティングツールを合理化し続けるAdobeの継続的な試みの一環である。人工知能を使用してワークフローをガイドすることで、彼らはデジタルエクスペリエンス部門からより多くの収益を得ることを期待している。これらのツールは役に立つはずだが、それでもAdobeはまだCreative Cloudから大部分の収入を得ている。6月に出された最新のレポートによれば、四半期の総収益22億ドルのうち、デジタルエクスペリエンス部門が占めるのはまだ5億8600万ドル(前年比18%増)に過ぎない。

AdobeはMagentoを獲得するために、5月に16億8000万ドルという大金を費やした 。彼らは9月18日に次の四半期レポートを報告する予定である。Magentoの買収と人工知能の利用の増加が、ビジネスのこの側面を拡大し続けるのに役立っているかどうかを見ることは興味深い。

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(翻訳:sako)

写真提供: John Lamb / Getty Images