今後、成功のために必要なプログラミングなどのスキルを教えるインドのBrightChampsが約58億円調達

インドのEdTechスタートアップBrightChamps(ブライトチャンプス)はK12(幼稚園から高校3年生まで)の学校から取り残された学習のギャップをなくそうとしている。このほど同社は、新たな調達ラウンドで5100万ドル(約58億円)を獲得したことを発表した。1年前にゴア州拠点の同社が10カ国以上への進出を目標に開業して以来、総調達額は6300万ドル(約72億円)になった。

Premji Investがリードしたこの調達ラウンドで5億ドル(約568億円)近い評価額を得た同スタートアップは、東南アジア、米国、カナダを含む10カ国以上で子どもたちにプログラミングなどのスキルを教えている、とBrightChampsの共同ファウンダーでCEOのRavi Bhushan(ラヴィ・ブーシャン)氏がTecnCrunchのインタビューで語っている。

自宅で教育を受け、不動産ポータルのPropTigerで最高技術責任者を務めたブーシャン氏は、世界の学校はこの時代で成功するために重要なスキルを子どもたちに教えていないという。「これはインドの問題ではありません。世界中の学校が、Microsoft Wordでテキストのスタイルを変更する方法をテクノロジーの名目で教えていません」。

数十万人以上の登録生徒を集めて黒字化を達成し、年間経常利益が1000万ドル(約11億円)に近づいている同社は「『多人数教育』の武器を作ることで破壊の波をリードして、インドを最新デジタル教育の最大輸出国にしようとしています」とGSV Venturesのマネージング・パートナー、Deborah Quazo(デボラ・クアゾ)氏が声明で語った。GSVはTechCrunchが報じた同社の以前のラウンドをリードした。

全世界で1000人以上の教員がBrightChampsに参加して子どもたちを教えている、とブーシャン氏は言った。「子どもたちは、自分の好きな現地語を選んで学習することができます」と彼は言い、現在提供内容の拡大を進めていることを付け加えた。近くカリキュラムに財政分野を追加する予定だという。

TechCrunchが入手した以前の投資家向けプレゼンテーションのスライド。出資者の中にはFlipkartの共同ファウンダーであるBinny Bansal(ビニー・バンサル)氏の投資会社およびBEENEXTもいる

ブーシャン氏は、スタートアップのこれまでの成長はすべて既存資源によるもので投資家から調達資金は使一切っていないと語った。「私たちは顧客から得た資金のみで成長しています」と彼は言った。

BrightChampsは過去1年間、インドで最も話題になったスタートアップであり、この国最大級のEdTech巨人から買収提案があったという情報もTechCrunchは掴んでいる。

先週、TechCrunchが調達ラウンドを確認するために接触したあと初めて話した時、会社は事業内容と資金調達について2020年発表するつもりだったが、国がパンデミックと戦っている時に節目を祝いたくなかったので延期したと語っ。

ブーシャン氏は、BrightChampsに寄せられた買収提案についてはコメントを拒んだ、スタートアップは非常に長期的なビジョンで作られており、短期的利益は目指していないと語った。「教育は、おわかりのように、私の子ども時代からの情熱なのです」と同氏は付け加えた。

BrightChampsが事業展開しているカテゴリーには大きな空白地帯がある、と新規資金の使い道を尋ねられたブーシャン氏は語った。「1つの分野は、子どもたちが相互に学び合う可能性です。いくつか実験も終えています。次はピアツーピア体験を提供するつもりです」と彼は話し、最終的に子ども向けStack Overflow(スタック・オーバーフロー)のようなプラットフォームを作りたいと付け加えた。「オリンピックやテック・ハッカソンを主催することも考えています」と彼は言った。

BrightChampsは、共通のミッションと感性をもつ会社を買収する機会もうかがっている。

「BrightChampsは開業から1年以内に、分野で最も成長の早いEdTech会社の1つになりました。世界に広がる人材を活用してパーソナライズされた体験を提供し、学習方法を超差別化するその独自の能力によって、BrightChampsはデータの力と学習を組み合わせることで結果を差別化できることを証明しようとしています」とPremji InvestのマネージングパートナーであるT Kurien(ティー・クリエン)氏が声明で語った。

画像クレジット:BrightChamps

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(文:Manish Singh、翻訳:Nob Takahashi / facebook

Clubhouseが日本語対応、最新アップデートで13言語を追加し多言語化、Android版から展開開始

ボイスファーストのソーシャルメディアであるClubhouse(クラブハウス)は、学校に戻って十数の新しい言語を学んだ。同社は、インドで行われた記者会見で、アプリに13の新しい言語を追加したと発表した。これにより、母国語での利用を望むユーザーにとって、より利用しやすいものとなっている。今回のアップデートでは、英語を話せない多くの人々や、単にローカル言語のオプションを好む人々のために、ローカライゼーションが組み込まれている。

ローカライズされる言語は、フランス語、ドイツ語、ヒンディー語、インドネシア語、イタリア語、日本語、カンナダ語、韓国語、マラヤーラム語、ブラジルポルトガル語、スペイン語、タミル語、テルグ語の13言語だ。世界で最も話されている言語のトップ10のうち4つ(中国語、アラビア語、ベンガル語、ロシア語)が含まれていないのは、興味深いラインナップといえる。

これらの言語は、まずAndroid版のアプリで提供開始されるが、これは理にかなっている。Statcounterによると、インドのモバイルユーザーの96%以上がAndroidを利用しており、iOSのシェアは約3%と遅れをとっている。今回のアップデートでのAndroidファーストのアプローチは、Android版の提供に恥ずかしいほど長い時間を要した同アプリにとって好ましいものだ。

Clubhouseの広報担当者は、TechCrunchへのメールで、「英語しか対応していないアプリで、これほど多くの国の人々が集まって利用して下さったことに、正直驚きました」と述べている。まあ……そうだろう。

Clubhouseは、複数の言語の大切さを新たに発見したことに加えて、建築家からミュージシャン、シンガーソングライターに転身したAnirudh Deshmukh(アニルド・デシュムク)氏(上の画像)をモデルにした新しいアプリアイコンを発表した。ムンバイを拠点とするデシュムク氏は、2021年初めにClubhouseに参加し、春には現在7万2000人のメンバーを抱えるクラブ「Anirudh」を立ち上げ、毎晩自身の番組「Late Night Jam」をホストしている。

画像クレジット:Clubhouse

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(文:Haje Jan Kamps、翻訳:Aya Nakazato)

ソフトバンクが支援するインドの物流企業Delhiveryが約1130億円のIPOを申請

インドの物流スタートアップ企業であるDelhivery(デリバリー)は、新規株式公開で約9億9800万ドル(約1133億円)の資金調達を目指していると、現地の規制当局とのやりとりの中で述べており、世界第2位のインターネット市場で、他の多くのテックスタートアップ企業とともに公開市場を模索している。

10年の歴史を持つこのスタートアップは、6億6900万ドル(約759億円)相当の新株式を発行する予定で、残りの資金は既存の株式を購入するために利用されると、同社は申請書(PDF)で述べている

インドの新聞Economic Timesが今週初めに報じたところによると、4カ月前に30億ドル(約3400億円)以上の評価を受けていたこのスタートアップは、公開市場で60億ドル(約6800億円)以上の評価額での上場を目指しているという。

関連記事:インド物流市場システムのデジタル化を進める最大手DelhiveryがIPOに向け約304億円調達

SoftBank(ソフトバンク)、Tiger Global Management(タイガー・グローバル・マネジメント)、Times Internet(タイムズ・インターネット)、The Carlyle Group(カーライル・グループ)、Steadview Capital(ステッドビュー・キャピタル)、Addition(アディション)に支援されたDelhiveryは、フードデリバリー企業としてスタートしたが、その後、インドの2300以上の都市と1万7500以上の郵便番号を対象とした物流サービス一式にシフトした。

データインテリジェンスプラットフォームであるTracxn(トラックスン)によると、グルガオンに本社を置く同社は、これまでに13億7000万ドル(約1556億円)の資金を調達している。2021年3月に終了した会計年度では、5億1400万ドル(約583億円)の売上に対して5600万ドル(約63億6100万円)の損失を計上した。

2021年度のDelhiveryの業績(DelhiveryがIPO申請時に共有したもの)

同社は、貨物交換プラットフォームを通じて物流市場の需要と供給のシステムをデジタル化しようとしている数少ないスタートアップの1つだ。

このプラットフォームは、道路輸送ソリューションを提供し、荷主、代理人、トラック運送者を結びつけるものだ。仲買人の役割を軽減し、Delhiveryにとって最も人気のある輸送手段であるトラック輸送などの資産をより効率的にし、24時間体制のオペレーションを保証するものだと同社は述べている。

このようなデジタル化は、国民経済を長年にわたって低迷させてきたインドの物流業界の非効率性に対処するために非常に重要だ。Bernstein(バーンスタイン)のアナリストは、インドの物流市場に関する先月のレポートで、需要と供給の計画と予測が不十分なため、輸送コスト、盗難、損害、遅延が増加すると報告している。

Delhiveryは、これまでに10億件以上の注文を配送しており、同社のウェブサイトによると「インド最大のeコマース企業や大手企業すべて」と取引しており、1万社以上の顧客と取引しているという。最終目的地までの配送に関して、同社の配送者は、2平方キロメートルを超えないエリアを割り当てられ、1日に数回の配送を行うことで時間を節約している。

インドの物流市場のTAM(獲得可能な最大市場規模)は2000億ドル(約22兆7200億円)を超えると、Bernsteinのアナリストは2021年初めに顧客向けのレポートで書いている。同スタートアップは2020年末、パンデミックの中でオンラインで買い物をする人が増え、増大する注文需要に対応するため、2年以内に4000万ドル(約45億4500万円)以上の投資を行い、運送車両規模をする計画であると述べた。

画像クレジット:Nasir Kachroo / NurPhoto / Getty Images

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(文:Manish Singh、翻訳:Akihito Mizukoshi)

CoinbaseがAI駆動型カスタマーサポートの印Agaraを約45億円超で買収へ

Coinbase(コインベース)は、AI駆動のカスタマーサポートプラットフォームを運営するスタートアップAgara(アガラ)を買収する。両社が米国時間11月2日に発表した。暗号資産(仮想通貨)取引所であるCoinbaseは、ユーザーがサービスを利用したりサポートを求めたりしやすくしようとしているようだ。

両社は買収に関する財務面での詳細を明らかにしなかったが、取引の規模は4000万〜5000万ドル(約45億〜56億円)の間だとこの件に詳しい2人が筆者に語った。Coinbaseの広報担当者はコメントを控えた。また、Agaraの共同創業者で最高経営責任者のAbhimanyu(アビマニユ)氏も、守秘義務契約を理由に取引規模についてのコメントを却下した。

データインテリジェンスプラットフォームのTracxnによると、インドで創業して4年目のAgaraは、今回の買収前にBlume Ventures、RTP Global、UTEC Japan(東京大学エッジキャピタルパートナーズ)、Kleiner Perkinsから約700万ドル(約8億円)を調達していた。

Agaraは機械学習と自然言語処理に関する深い専門知識を構築し、それをユーザー体験の向上に役立てている。40人以上の従業員を擁する同社は、世界中に複数の大口顧客を抱え、Salesforce、Shopify、Twilioなど多くの人気サービスに統合されている。買収後、AgaraはCoinbaseにフォーカスを移すとアビマニユ氏はTechCrunchとのインタビューで答えた。

「我々は、大きく分けて2つのことに注目して会社を立ち上げました。1つはカスタマーエクスペリエンスとサポート。2つ目は機械学習です。MLテックスタックを作り、それをカスタマーケアに応用するという考えでした」とアビマニユ氏は話す。「我々が行っている複雑な業務の中には、電話での問い合わせがあります。電話によるサポートのすべてではないにしても、その多くを自動化することに取り組んできました」と述べた。

同氏によると、Agaraのテックチームは、その大部分がインドで勤務しており、買収の一環としてCoinbaseに加わる。両社は年内に取引を完了する予定だ。今回の動きの数カ月前に、Coinbaseはインドにテックハブを構築する戦略を打ち出し、Google Payの元幹部であるPancaj Gupta(パンカジ・グプタ)氏を採用していた。

「Agaraの強力な技術を活用して、当社のカスタマーエクスペリエンス(CX)ツールを自動化し、強化する計画です。ここ数カ月でサポートスタッフの人数を5倍に増やし、年末までに24時間365日の電話サポートとライブメッセージを提供することを発表しました。今回の買収により、パーソナライズされたインテリジェントでリアルタイムなサポートオプションを顧客に提供することができるようになります」とCoinbaseのエンジニアリング担当EVPであるManish Gupta(マニッシュ・グプタ)氏は声明で述べた。

画像クレジット:TechCrunch / Flickr

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(文:Manish Singh、翻訳:Nariko Mizoguchi

SpaceXのStarlinkがインド法人を設立、2022年末までにターミナル20万台の展開を目指す

KDDIがイーロン・マスク氏率いるSpaceXのLEO衛星通信サービスStarlinkをau通信網に採用

関係者によると、Elon Musk(イーロン・マスク)氏が率いるSpaceX(スペースX)の子会社Starlink(スターリンク)はインドで法人登録を行い、現地政府へのライセンス申請の準備を進めている。

Starlinkのインド担当ディレクターであるSanjay Bhargava(サンジェイ・バルガヴァ)氏は、11月1日にLinkedInへの投稿で「SpaceXがインドに100%出資の子会社を設立したことを喜んでお伝えします」と述べた。Starlinkのインド現地法人は、Starlink Satellite Communications Private Limitedという社名で登録されている。

インターネット企業がインドでサービスを提供するためには、現地法人が必要だ。ライセンスを取得すると仮定して、Starlinkは2022年12月までに16万以上の地区で20万台のターミナルを提供することを計画している。これは、8月時点で14カ国でユーザー10万人にターミナルを出荷した同社にとって野心的な目標だ。

PayPalの元幹部であるバルガヴァ氏は、10月初めに新しい役職に就いた。Starlinkはここ数カ月で、AMDのインドにおける政策活動を監督していたParnil Urdhwareshe(パーニル・ウルドワレシェ)氏をインド事業のマーケット・アクセス・ディレクターとして採用するなど、現地で重要な幹部を多数採用してきた。

SpaceXの広報担当者は、バルガヴァ氏の起用について9月に送った問い合わせに回答しなかったが、同社の最高経営責任者であるマスク氏は、週末にツイッターでこうした展開を認めた。

小型衛星を打ち上げて地球低軌道ネットワークを構築し、低遅延のブロードバンドインターネットサービスを提供している代表的な企業の1つであるStarlinkは、インドの農村地域へのサービス提供を目指していると、マスク氏はツイッターで述べ「サンジェイはX/PayPalを成功に導き、賞賛に値します」と付け加えた。

バルガヴァ氏はLinkedInへの別の投稿で「Starlinkは、十分なサービスを受けられない人々にサービスを提供したいと考えています。ブロードバンドプロバイダーの仲間や、志の高い地区のソリューションプロバイダーと協力して、人々の生活を改善し、救っていきたいと考えています」と述べた。週末には、インドの有力シンクタンクであるNiti Aayogと協力して、Starlinkの初期展開に向けて国内12地区を特定すると発表した。

インドでは、5億人以上がインターネットを利用しているにもかかわらず、同じくらい多くの人々がいまだにインターネットを利用していない。業界の推計によると、農村部に住む何億人ものインド人が、ブロードバンドネットワークにアクセスできていない。

「政府の承認プロセスは複雑です。今のところ、政府に申請中のものはありません。我々が取り組んでいる申請については、我々の側にボールがあります」とバルガヴァ氏は述べた。

「全インドでの承認に時間がかかる場合は、パイロット版の承認を迅速に得るというのが我々のアプローチです。今後数カ月のうちにパイロットプログラムの承認または全インドの承認を得られると楽観的に考えています」とバルガヴァ氏は先月話し、もし政府の承認を得られなかった場合、来年末までに配備する実際のターミナル数は目標よりはるかに少ないか、あるいはゼロになる、と付け加えた。

画像クレジット:Joan Cros / NurPhoto / Getty Images

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(文:Manish Singh、翻訳:Nariko Mizoguchi

インドの10分で食料品を届けるスタートアップ「Zepto」が創業半年で約68.5億円調達

学校の子どもたちのための通学用迎車アプリなど、数々のプロジェクトで協働し、新たなスタートアップを目指して2020年にスタンフォード大学を退学した19歳の2人の起業家が6000万ドル(約68億5300万円)を調達したと米国時間10月31日に発表した。過密で競争の激しいインドの食料品配送市場を改革する狙いだ。

Glade Brook Capital(グレード・ブルック・キャピタル)が、このスタートアップZepto(ゼプト)の最初の機関投資家向け資金調達ラウンドを主導したと、同社の創業者で最高経営責任者のAadit Palicha(アーディット・パリシャ)氏はTechCrunchのインタビューで語っている。このラウンドには、Nexus(ネクサス)とY Combinator(Yコンビネーター)の他、エンジェル投資家のLachy Groom(ラチー・グルーム)氏、Neeraj Arora(ニーラージ・アロラ)氏、Manik Gupta(マニック・グプタ)氏も参加しており、Zeptoの価値は2億2500万ドル(約256億9100万円)となっている。

今日までほとんどステルスモードで運営されてきたZeptoは、6カ月前にアプリを発表し、数カ月前から話題になっていた。ビジネスを説明するために数学用語を使った遊び心のある名前のこのスタートアップは、10分で食料品を配達するサービスを提供しており、多くの有力なライバル企業をスピード面で打ち負かしている。

この偉業を達成するために、Zeptoは事業を展開する都市(ムンバイ、ベンガルール、そして今週からはデリー)にダークストアを設置した。パリシャ氏によると、同社が設置したこれらのダークストアは、高速配送のために設計され、最適化されているとのことだ(Zeptoのアプローチは、在庫を通常の食料品店に依存している多くのインドのスタートアップとは異なる。これついて、同氏は他の市場を調査し、それらの会社を運営している事業者と話をしたと述べている)。

「私たちの現在の成長の仕方、そして現在の普及率と利用頻度を見ると、チャンスは本当に巨大です」と彼はいう。同社は、近々ハイデラバード、プネ、コルカタにも進出し、現在40店舗あるダークストアの数を2022年初頭までに100店舗以上に増やす予定だという。

Zeptoが運営するダークストア(画像クレジット:Zepto)

Zeptoを創設するアイデアは、2020年のパンデミックの際に、もう1人の創業者であるKaivalya Vohra(カイバリャ・ボーラ)氏と一緒にムンバイの自宅にこもっていた時に生まれたとパリシャ氏はいう。「私たちは、起業家やテック系スタートアップの世界に非常に深く触れていました。今、私たちはムンバイにいますが、独身の2人にとって最大の問題は食料品や必需品の確保でした」と述べている。

マハラシュトラ州では、他のインドの州と同様に、ウイルスの拡散を抑えるために封鎖措置がとられていたため、配達物が顧客のもとに届くまでに2~3日かかっていた。「非常に苛立ちを覚えました」と同氏はいう。

「世界最大級の規模を誇るインドの食料品宅配市場のオンライン状況が、重大な実行エラーに陥っていると感じたのです」と、企業名は伏せた上で付け加えた。

Zeptoは、Flipkart(フリップカート)、Uber(ウーバー)、Dream11(ドリーム11)、Pharmeasy(ファーミーシー)、Pepperfry(ペッパーフライ)の元幹部を含むチームを編成しており、SoftBank(ソフトバンク)が支援するSwiggy(スウィッギー)やGrofers(グローファーズ)、Google(グーグル)が支援するDunzo(ダンゾー)など、多くの支援を受けているスタートアップ企業と競合しており、その多くがここ数四半期で高速食料品配送分野に進出している。

「私たちは、このモデルを完成させるために、長い間、雑音を無視し、ひたすら頭を隠して活動してきました。そして、その努力が報われています。今日では、止めらないチーム、強固な製品インフラ、機関投資家の資金への深い繋がりのおかげで毎月200%の成長を続けています」とパリシャ氏は述べている。

Sanford C. Bernstein(サンフォード・C・バーンスタイン)のアナリストによると、2025年までに210億ドル(約2兆3900億円)の価値があると推定されている。「オンライン食料品販売の普及率は、現在の1%未満から2025年には3~5%に達すると予想されています。長期的な構造的要因としては、所得と豊かさの向上、低価格帯の消費、eコマースの普及(年率30%以上)、若い人口(25歳以下が50%以上)などが挙げられます。収入に占める食料品支出の割合は30%と依然として高い水準にあります」。と彼らは綴っている。

「既存の都市では、トラフィックが多く、コンバージョンとリテンションが増加しているため、より高い普及率を推進する余地が大きくあります。オンライン食料品販売の導入は、エンゲージメントレベルと注文量が加速しています。DAU(デイリー・アクティブ・ユーザー)は、他の多くの食料品販売アプリ上でも、ロックダウン中に強い伸びを示しました。ダウンロード数は最近増加しています。オンライン食料品販売には、24時間いつでも買い物ができ、幅広い単品管理の品揃え、即日・翌日配送という需要側の利点があります」。と述べている。

画像クレジット:Zepto

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(文:Manish Singh、翻訳:Akihito Mizukoshi)

グーグルとJioのインド向けカスタム済み格安Android搭載スマホが11月4日発売

現地時間10月29日、Googleとインドの通信大手Jio Platformsは待望の低価格スマートフォンJioPhone Nextを、11月4日に、世界で2番目に大きいスマートフォン市場での販売を発表した。同日はインドの大きなお祭りディワーリーの日でもある。両社によるとJioPhone Nextは6499インドルピー(約9890円)で、初回27ドル(約3080円)の分割払いもできる。

このスマートフォンのOS「Pragati OS」は、「極限まで最適化」されたAndroidで、一連の独自機能がある。たとえば「読み上げ」と「リアルタイム翻訳」はウェブページやアプリ、メッセージ、さらに写真も、表示されるあらゆるテキストに対応し、10種類のインドの言語をサポートしている

「JioPhone Nextにはリッチな機能がたくさんありますが、私が最も感動し、一般のインド人を助けてデジタル生活のレベルを上げると思うのは、インドの言語の統合への寄与です。インド独特の強みは、その言語の多様性にあります。このスマートフォンでは、英語や自分の言語を読めない者でも翻訳してもらえるだけでなく、読み上げてもらうことができます」とJio Platformsを運営するReliance Industriesの会長でマネージングディレクターのMukesh Ambani(ムケシュ・アンバニ)氏はいう。

JioPhone Nextの仕様も公表されている。5.45インチのHDでCorning Gorilla Glass 3で保護されたディスプレイ、チップはQualcommのクアッドコアQM-215チップセットでクロック数は1.3GHz、2GBのRAMと32GBの内部ストレージ(拡張可能)といった構成になっている。デュアルSIM対応で3500mAhのバッテリーを搭載、リアカメラは13メガピクセル、HDRをサポートし、8メガピクセルのセルフィーセンサーがある。

2017年1月5日、GoogleのCEOサンダー・ピチャイ氏がインドのカラグプール工科大学で学生と対話。Googleは最近、インドに極めて熱心だ。2020年に同社は、今後、5〜7年間でインドに100億ドル(約1兆1390億円)の投資を行うとと発表している(画像クレジット:Getty Images)

JioPhone Nextは、開発途上市場の大衆に到達しようとするGoogleの最新の取り組みだ。過去およそ10年間に同社は、いくつかの事業を立ち上げている。たとえばAndroid Oneは、ユーザー体験を改善した低価格スマートフォンだった。2017年のインドでのイベントにおいて、GoogleのCEOであるSundar Pichai(サンダー・ピチャイ)氏は、インドのような市場はとても多いが、そのような市場が求めている大衆向けスマートフォンの適正価格は30ドル(約3420円)だと語っている。

「JioPhone Nextは、インドのために設計された手頃な価格のスマートフォンで、インドでは誰もがインターネットが生み出すチャンスを利用できるべきだという信念に基づいている。私たちのチームは全員協力して複雑な技術的課題とデザイン面での課題に取り組んでいます。今後数百万の人たちがこのデバイスを使って自分たちの生活とコミュニティを改善していけると考えています」とピチャイ氏は語っている。

最近のアナリストたちの意見では、JioPhone Nextは世界第2位の大きさであるインドのスマートフォン市場をディスラプトするだろうという。そして2020年で会員が4億以上いる通信企業のネットワークは、FacebookやGoogleなどのイメージの高い投資家から200億ドル(約2兆2790億円)ほどを調達し、この国における支配力を強めた。

JioPhone Nextは当初、9月の第2週にローンチの予定だったが、両社はチップの不足を理由に遅らせた。そして同機は、インドにおよそ3億人いる2Gネットワークから、速いネットワークへアップデート中の人たちが主なターゲットだと、アンバニ氏は2021年前半のイベントで語っていた。

アバンニ氏は10月29日の声明で「パンデミックによるグローバルなサプライチェーンの難局にもかかわらず、GoogleとJioのチームがお祭りにタイミングを合わせてこの画期的なデバイスをインドの消費者に届けたことは喜ばしいことです。私がかねてから固く信じているのは、デジタル革命が13億5000万人のインド人の人生に力を与えるということです。過去には、インターネット接続でそれを成し遂げました。そして今、それを再び、スマートフォンデバイスで実現しようとしている」と語っている。

画像クレジット:Google and Jio Platforms

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(文:Manish Singh、翻訳:Hiroshi Iwatani)

インドのアグリテック大手DeHaatが約131億円調達、世界第2の生産量を誇るインド農業に注目が集まる

インドの農家にオンラインで総合的な農業サービスを提供するDeHaatが、インドのアグリテックスタートアップとしてはこれまでで最大となる資金調達ラウンドで1億1500万ドル(約131億円)を調達した。インドでは年間1兆ドル(約113兆8350億円)の小売支出のうち、その3分の2を農産物が占める。


創業10年のスタートアップのシリーズD投資ラウンドは、SofinaとLightrockが共同でリードした。他に、Temasekと現存の投資家であるProsus Ventures、RTP Global、Sequoia Capital India、そしてFMOがこのラウンドに参加した。これで同社のこれまでの資金調達総額は1億6100万ドル(約183億2000万円)になるが、この内1億5700万ドル(約178億7000万円)はここ30カ月のうちに調達している。

DeHaatはヒンドゥー語で「村」という意味で、同社はインドやその他の国の農家が直面する3つの大きな問題である「運転資金」「種子や肥料など農業資材の安定入手」「収穫物の安定市場」を解決しようとしている。インドの農家の収穫量のわずか3分の1しか大市場には届けられていない。

グルグラムとパトナーに本社を置く同社は、農業資材の販売と、機関投資家、そしてバイヤーの三者の役割を1つのブランドに集約し、また3000ほどの零細企業家に集荷や配達のサービスを提供している。

同社は、農家と積極的な関わりを持ちながらヘルプラインを提供し、また社名と同名のAndroidアプリを複数言語対応で提供している。

SofinaのプリンシパルYana Kachurina(ヤナ・カチュリナ)氏は「総合サービスというユニークな特徴とフィジカル、デジタル両方の市場開拓努力で、同社はインド農業における重要なプレイヤーに育つ路線に確実乗っていると私たちは確信している」と述べている。

DeHaatによると同社は、ビハール州とウッタル・プラデーシュ州、ジャールカンド州、オリッサ州の65万人以上の農家にサービスを提供し、また同社のプラットフォーム上では850あまりのユニークなアグリビジネスを提供している。

同社の共同創業者でCEOのShashank Kumar(シャシャンク・クマール)氏はTechCrunchインタビューに対して、同社は今回の新たな資金は「インドの主要な農業クラスターすべて」に同社サービスを拡大するために投入すると語った。

彼によると、DeHaatはここ7カ月間で5倍に成長した。

これまでほとんど無視されていたインド農業に最近では多くのスタートアップや大手テクノロジー企業が群がり、中国に次ぐ世界第2の生産量を誇る果物や野菜の、多様な市場化方式を探求している。世界4大会計事務所の1つであるEYは、インドのアグリテック産業には2025年の売上が約240億ドル(約2兆7311億円)に達するポテンシャルがある、としている。

Amazonは最近、農家が作物を決めるために役立つリアルタイムのアドバイスと情報を提供し始めている。またMicrosoftは、100の村と協働してAIをデプロイし、プラットフォームの構築を目指している。

CEOのクマール氏は「私たちのチームは850名を超える深い専門知識のあるプロフェッショナルの大部隊になりました。彼らの専門分野は成長、戦略、サプライチェーン、農業科学と多岐にわたっています」という。人材募集はまだまだこれからも続く。

画像クレジット:DeHaat

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(文:Manish Singh、翻訳:Hiroshi Iwatani)

世界中からの移民の人たちが金融サービスを利用できるよう支援するZolveが約45.5億調達

米国の移民が金融サービスを利用できるようにすることを目的としたネオバンキングのスタートアップ企業であるZolve(ゾルブ)は、サービスの展開を開始するにあたり、新たな資金調達ラウンドで4000万ドル(約45億5000万円)を調達したことを米国時間10月27日に発表した。

関連記事:母国の信用履歴利用を可能にする銀行取引プラットフォームZolveが15.8億円調達

DST Global(DSTグローバル)のパートナーが、ベンガルールに本社を置くこのスタートアップのシリーズA資金調達ラウンドを主導した。今回のラウンドでは、Tiger Global(タイガー・グローバル)、Alkeon Capital(アルケオン・キャピタル)、Lightspeed Venture Partners(ライトスピード・ベンチャー・パートナーズ)、Accel(アクセル)といった既存の投資家に加え、設立10カ月の同社を2億1000万ドル(約238億9600万円)と評価し、過去最高の5500万ドル(約62億5800万円)を調達した。


毎年、何万人もの学生や社会人が、高等教育を受けるため、あるいは仕事のために、インドから米国へと旅立っている。新しい国で数カ月過ごした後でも、現地の銀行からクレジットカードを発行してもらうのに苦労したり、その他のさまざまな金融サービスを利用するために割高な料金を支払わなければならなかったりする。

インドで注目されている起業家で、前職のスタートアップをライドハイリングの大手Ola(オラ)に売却したRaghunandan G(ラグナンダン・G)氏は、2021年の初めにインド人のためにこの問題を解決しようと決心した。

Zolveは2021年9月、2000人の顧客(それと、7万人を超えるウェイティングリストがある)にクレジットカードを提供したが、すぐに2つの気づきがあったとTechCrunchのインタビューで述べている。

それは、顧客がZolveのサービスを幅広く利用し、期限内に支払いを済ませているだけでなく、オーストラリア、英国、カナダ、ドイツなど他国から移住してきた人々の需要も有機的に取り込んでいたことだという。

「私たちの基本的な価値提案は、クレジットカードです。クレジットカードの他に、現地の銀行口座とデビットカードがあります。私たちは、お客様が自分の銀行口座にお金を預けることを想定していませんでした。入金されるとしても、数百ドル(数万円)、数千ドル(数十万円)程度だろうと考えていました。しかし、実際には何万ドル(数百万円)ものお金を預けて、この口座をメインの銀行口座として使っている人がいるのです。現在、私たちは200万ドル(約2億2000万円)の預金があります」と同氏は語ってくれた。

Zolveは、このような初期段階での人気を受けて、2022年早々には複数の国からの移民の人たちにサービスを拡大する予定だ。

Zolveは現在、米国とインドの銀行と提携し、保険料や保証金を支払うことなく、消費者がシームレスに金融商品を利用できるようにしている。Zolveがリスクを引き受けることで、海外の銀行がZolveの顧客にサービスを提供できるようになった。

Zolveは、インドの銀行と協力することで、個人を明確にし、保険責務を請け負うことができた。Zolveは現在、このモデルを他の国の顧客にも適用することを計画している。

ラグナンダン氏によると、Zolveは幸運にも希望する投資家を見つけ、参加してもらうができたという。DST Globalのパートナーの多くは移民であり、新たに加わった3人の投資家も、同じような分野で活動するいくつかのスタートアップ企業を支援してきたことを教えてくれた。

「お客様のニーズに合った公正な金融商品へのアクセスは、人々の生活に直接的かつ意味のある影響を与えます。Zolveに投資し、米国やその他の市場で世界水準の金融サービス商品や体験を移民の人たちに提供するというラグナンダン氏のビジョンを支援できることを大変うれしく思います」。と、LightspeedのパートナーであるBejul Somaia(ベジュール・ソマイア)氏は語っている。

「Zolveは、特に顧客の獲得と利用において急速に成長していますが、これはチームの実行力とZolveがターゲットとする顧客層の大きなニーズを反映したものです。今後の展開に期待するとともに、Zolveの将来の成功を確信しています」と述べている。

また、Zolveは積極的にチームを拡大する予定であると述べている。同社の従業員数は、2021年の初めにはわずか5名だった。その後、100人に増え、現在はいくつかの役割を担う150人の採用を検討している。

画像クレジット:Getty Images

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(文:Manish Singh、翻訳:Akihito Mizukoshi)

インドのSnapchatユーザーが1億人突破、eコマース大手FlipkartやAndroidスマホベンダーなどと提携へ

Snap(スナップ)は、現地時間10月27日、インドにおける月間アクティブユーザー数が1億人に達したことを発表した。これは、Facebook(フェイスブック)やGoogle(グーグル)が5億人以上の人々にサービスを提供している重要な海外市場での快挙だ。同社は世界第2位のインターネット市場へのさらなる進出に向けて、Androidスマートフォンのベンダー、エンターテインメントTVチャンネルのSony(ソニー)およびZee TV(ズィーTV)、eコマース大手のFlipkart(フリップカート)など、さまざまな企業との契約を進めている。


Snapの共同創業者兼CEOのEvan Spiegel (エヴァン・シュピーゲル)氏は、同日に開催されたバーチャルイベントで、インド進出に貢献した同社のローカライゼーションの取り組みを紹介しながら、この節目を語った。この節目と今日の数多くのパートナーシップは、2~3年前までは存在感や関連性が限定的だったインド市場に対するSnapの戦略における大きな転換を示している(Snapは全世界で5億人以上の月間アクティブユーザーを抱えている)。

同社は近年、Androidアプリを改良したことでインドに進出した。インドでは、スマートフォンの98%以上がAndroidだ。Snapは、Durgesh Kaushik(ドゥルゲシュ・カウシク)氏をインド事業の責任者に任命したことで、現地のクリエイターや企業との関係を発展・改善させることにも大きく貢献したと、多くの人たちが最近の四半期にTechCrunchに語っている。

「私たちは、インドのコミュニティ向けにSnapchatをローカライズするために、多大な投資を行ってきました。文化的に関連のあるコンテンツを追加し、非常に活発でクリエイティブな現地のクリエイターコミュニティを開発し、現地の製品、マーケティング施策、言語サポートに投資してきました」と、イベントでシュピーゲル氏は述べている。

「インドのスナップチャッターにローカライズされた体験を提供するためのこうした取り組みの結果、現在、インドのスナップチャッターは毎月1億人に達しています。今後も、インドの文化や能力を称えることに重点を置きながら、インドのクリエイターのコミュニティを強化し、成長させ、リソースを提供していきます」と述べている。

Snapは、インド向けの2回目の年次イベントで、インドでの成長を加速させるために締結した数々のパートナーシップを発表した。同社は、AR体験を開発するために、インドのeコマース大手Flipkartと「戦略的パートナーシップ」を結んだ。同社によると、eコマース企業とこの種のパートナーシップを結ぶのは初めてのことだという。

「このパートナーシップにより、買い物客はSnapchat ARを通じてショッピングやeコマースを利用する体験を始められ、自宅にいながら簡単にショッピングを進めることができるようになります!」と同社は述べている。

Snapは、インドのSugar Cosmetics(シュガー・コスメティックス)およびMyGlamm(マイグラム)とも提携しており、両社は今後、SnapのARショッピングベータプログラムを採用して、バーチャルな美容・化粧品の試着体験を顧客に提供する予定だ。

「拡張現実は、インドにおけるSnapchatのサービスの中核をなすものです。文化的な関連性を保ち続け、ユニークなAR体験を提供するための当社の取り組みは、1億人のインドのスナップチャッターの共感を得ています。私たちは、ワークショップやレンズソン(ARレンズを用いたインドのクリエイター向けハッカソン)を通じて、学生や若者に必要なARスキルを身につけてもらうことを目指しています。私たちは、インドでより多くのローカルクリエイターと提携し、スナップチャッターが利用できるすばらしい体験の数を増やすことを目指しています。Snapでの私たちの狙いは、ARをこれまで以上に身近で便利で実用的なものにすることです」。とSnapの共同創業者であり、最高技術責任者であるBobby Murphy(ボビー・マーフィー)氏は、イベントで述べている。

もう1つのインド初の取り組みとして、Snapは、インド国内で1億台以上のデバイスをインストールしているAndroidの主要なOEMメーカー(Androidベンダー)と提携したとのことだ。これらの企業は、自社のデバイスにSnapchatアプリをプリインストールする。また、Samsung(サムスン)との提携により、SnapのAR機能付きレンズの一部をSamsungのインド向けスマートフォン「Mシリーズ」に搭載する「ファン・モード」を提供する。

また、Anushka Sen(アヌシュカ・セン)氏とVir Das(ヴィル・ダス)氏が出演する「What’s On My Plate」や「The Most Epic Max Show」など、多数のクリエイターショーを公開し、来年はインド全体で120エピソードの新コンテンツを委託すると述べている。

同社は「ディスカバリー」セクションがインドで非常に人気があると述べている。このセクションでは、ニュース、ファッション、エンターテインメント、コメディーなど、インドのローカルチャンネル70社のコンテンツを紹介している。現在、Sony Entertainment TelevisionやZee TVなどの大手エンターテインメントチャンネルとの提携を発表し、さらに多くの厳選されたコンテンツをアプリに掲載する予定だという。

また、インド事業では、あらゆる規模の企業に対応できるよう、収益化機能を急速に拡大している。2020年の新規広告主数は70%増加し、Spotify(スポティファイ)、Swiggy(スウィッギー)、LG、OnePlus(ワンプラス)、ITC Yippee Noodles(ITCイッペイ・ヌードル)などの企業と提携している。

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Manish Singh、翻訳:Akihito Mizukoshi)

インドのローカル向けソーシャルメディア「Lokal」が中国Tencentから約13.6億円を調達

インドのハイパーローカルソーシャルメディアプラットフォーム「Lokal(ローカル)」が、中国のインターネットコングロマリット「Tencent(テンセント)」が主導する新たな資金調達ラウンドで1200万ドル(約13億6800万円)を調達したことが、この件に詳しい関係者を通して明らかになった。

ベンガルールを拠点とするこのスタートアップ企業のシリーズAには、既存の投資家である3one4 Capital(3one4キャピタル)、Y Combinator(Yコンビネーター)、India Quotient(インディア・クオシェント)も参加しているとのことだが、関係者はこの件が非公開であることから匿名を希望している。

TencentとLokalは、コメントの要請に応じていない。

推計によると、現在オンラインに接続している非英語圏のインド人は4億人以上いると言われている。彼らにとって、インターネットで提供されるサービスは非常に限られたものであり、そのようなユーザー向けに構築されたサービスはあまり存在しない。

Lokalは、このようなユーザーにリーチし、幅広いサービスを提供しようとしている。その名を冠したハイパーローカルソーシャルメディアアプリは、英語を話さないユーザーがお互いにつながり、交流することを可能にする。

また、このアプリは、ユーザーが近くの仕事を見つける手助けをしたり、商品価格や不動産価格、地元の新聞に掲載されているような婚活広告などの最新情報を提供したりもする。また、スキルアップのためのサービスも提供している。

同社のウェブサイトによると、ダウンロード数は1000万を超え、南インドの複数の州で人気を博しているという。

インド企業が中国の投資家から資金を調達する際に、インド政府の承認を得ることを義務付ける規則をニューデリーが導入してから1年半以上が経過した中で、今回の投資が行われた。この動きは、中国企業のインドへの投資ペースを著しく低下させていた。しかし、ここ数カ月の間に、いくつかの企業がTencentから資金を調達している。

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TechCrunchは8月、インドのPocket FM(ポケットエフエム)がTencentなどからの資金調達に向けて交渉を進めていると報じた。2016年以降、インドのスタートアップに20億ドル(約2280億円)以上を投資している中国の巨人は、2021年初めにもインドのソーシャルメディアプラットフォームShareChat(シェアチャット)に2億ドル(約228億円)以上を投資したが、同スタートアップは発表時にTencentの関与を明らかにしなかった。

インドの音楽ストリーミングサービスのGaana(ガーナ)にもさらに資金を投入した同社は、最近のインド企業への投資を、当事者間の承認の時間稼ぎと、将来的に負債を株式投資に転換する選択肢を得るために、転換社債として行っている。

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(文:Manish Singh、翻訳:Akihito Mizukoshi)

Tiger GlobalがインドのフィンテックSliceへの約110億円超の投資を主導する交渉を開始

インドのクレジットカード市場でシェアを拡大しようとしているフィンテックスタートアップSlice(スライス)への投資を、知名度の高い投資家たちがこぞって追い求めている。

Tiger Globalは、ベンガルールを拠点とするこのスタートアップの1億ドル(約110億円)を超えるラウンドをリードするための交渉を進めていると、この件に詳しい情報筋が語った。

Insight Partners、Ribbit Capital、Greenoaksなど、他の多くの企業もこのスタートアップに関わっていると情報筋は語っているが、この件が非公開であることから情報筋は匿名を希望している。

交渉は続いていて、条件は変更される可能性があると情報筋は付け加えた。

これまでのラウンドで約3000万ドル(約33億円)を調達し、2021年初めのラウンドでは2億ドル(約224億円)を下回る評価を受けたSliceはコメントを控えた。Sliceの投資家にはBlume Ventures、Gunosy Capital、Better Capitalが名を連ねている。

Tiger Globalもコメントを却下した。

現在、インドの何億人もの人々が銀行口座を持っているにもかかわらず、クレジットカードを持っているのは約3000万人にすぎない。インドのほとんどの人がクレジットカードを持つことができず、また、クレジットカードを持つことができる人でも、登録が面倒で時間がかかり、それに見合う報酬が得られないため、わざわざクレジットカードを持とうとしない。

Sliceは、従来のフルタイムの仕事に就いていない人でもカードを取得しやすくし、登録プロセスも迅速に行えるようにした。この2年間で、Sliceはインド最大のカード発行会社の1つに成長した。

また、潜在的な顧客を獲得するために、積極的に動いてもいる。Sliceは9月、インドの潜在的な獲得可能な最大市場規模である2億人の人々を開拓するために、デフォルトの限度額を2000インドルピー(約2990円)に設定したカードを発行した。

今週初めの別の発表では、Sliceは9月に11万枚のカードを発行したと述べた。元Flipkart社員のRajan Bajaj(ラジャン・バジャージ)氏が設立したこのスタートアップには300万人以上が登録しており、会員の平均年齢は27歳だという。

また、バジャージ氏のLinkedInや同社の採用案内によると、同社はブロックチェーン上のアプリケーションを模索している。先週、同社は新入社員に安定した給与と福利厚生付きの週休3日制を提供し、他の機会に取り組みたい、あるいは他の好きなことをしたいと希望する人材を採用することを発表した。

Tiger Globalはここ数四半期の間に、インドで最も積極的なグロースステージの投資家として台頭してきた。2021年、インドでは20社を超えるスタートアップを支援し、その多くを憧れのユニコーン・クラブに押し上げている

画像クレジット:CBインサイツ

インドのスタートアップは2021年9月までの四半期に519件の取引を記録したと、調査会社のCB Insights社が10月7日に発表した。同四半期のスタートアップ企業の資金調達額は99億ドル(約1兆1110億円)で、2020年全体では103億ドル(約1兆1560億円)だったという。Sequoia Capital Indiaは、同四半期中、世界第2位のインターネット市場であるインドで最多となる33件の投資取引を行った。

画像クレジット:Slice

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(文:Manish Singh、翻訳:Nariko Mizoguchi

インドのバス通勤をデジタル化するChaloが約44.5億円調達

Mohit Dubey(モヒート・ドゥビー)氏は10年以上前に、中古車や新車の売買を可能にするスタートアップ「CarWale(カーウェイル)」を設立した。しかし、このスタートアップで10年以上を費やしたことで、ドゥビー氏は、自分が解決している問題はインドのわずか3%にすぎないことに気がついた。そこで彼は、もっと大きなことに挑戦したいと考えるようになった。文字通りに。

現在、彼が手がけているのは、バス事業者がデジタル決済を受けられるようにし、通勤状況を把握できるようにする「Chalo(チャロ)」という会社だ。インドのバス市場は200億ドル(約2兆2200億円)規模のビジネスチャンスであり、タクシーの約2倍の規模であるにもかかわらず、インドにはバスがほとんど存在しないと、彼はTechCrunchのインタビューで語っている。

Chaloの初期の支援者の1人であるWaterBridge Ventures(ウォーターブリッジ・ベンチャーズ)のパートナーであるManish Kheterpal(マニッシュ・カテルパル)氏は「残念ながら、(バスの分野では)技術破壊や有意義なサービスの改善は見られませんでした。Chaloのユニークなソリューションは、インドの11の州で毎日の通勤者の生活にポジティブな影響を与えており、そのサービスを全国的に拡大する準備ができています」と述べている。

インドでは、人口1万人に対してバスが3台しかない。この分野は、変革の機運が高まっている一方で、まだ十分なサービスが提供されていない分野でもある。顧客はいまだに現金で料金を支払わなければならない。月間パスを提供しているバスもほとんどない。また、どのバスが指定された停留所にいつ到着するかも不明確だ。

これらの課題を解決するのが、7年前に設立されたChaloだ。この会社は、バスにGPS装置を設置し、顧客が自分の通勤経路を追跡できるようにしている。その名を冠したアプリでチケットや月間パスを販売し、運行会社の経常的な収益確保に貢献している。

「これは大きなチャンスです」とドゥビー氏はいうが、バス通勤のデジタル化には大きな課題もある。バスの所有者は、1日にどれだけの集金があったかを知らないことが多いのだ。また、この発券システムは、オフラインモードでも動作し、ネット接続がほとんどない地域をバスが通過する際にもオンライン決済を受け付ける必要がある。

Chaloは現在、すべての面で成功を収めつつある。

画像クレジット:Chalo

米国時間10月5日、Chaloは、シリーズC資金調達ラウンドで4000万ドル(約44億4900万円)を調達したことを発表した。このラウンドは、Lightrock India(ライトロック・インディア)とFilter Capital(フィルター・キャピタル)が主導した。このラウンドには、既存の投資家であるWaterBridge Ventures、Raine Venture Partners(ライネ・ベンチャー・パートナーズ)、Neeraj Arora(ニーラージ・アロラ)氏(WhatsAppの元チーフビジネスオフィサー)、Amit Singhal(アミット・シンガル)氏(Googleの元SVP)も参加した。

ドゥビー氏によると、2020年のパンデミック発生前には、同社は約1900台のバスを運行していたとのことだ。現在は2500台のバスを運行しており、さらに数千台のバスと契約を交わした。12月までには、約8000台のバスがこのプラットフォームに登録される予定だという。「社会にインパクトを与えるようなビジネスチャンスは、滅多にありません」と同氏は語っている。

「バスはインドの公共交通機関の第一位であり、移動の48%を占めています。にもかかわらず、その体験は崩壊しています。Chaloでは、バスの利用体験を大幅に改善する技術を導入し、それによって利用者数を増やしています。当社は現在、毎月2000万人のお客様にご利用いただいているインド最大級のモビリティ企業です」と述べている。

Chaloは、今回の資金調達の一環として1000万ドル(約11億1200万円)をストックオプションの買い戻しに充て、現在の従業員と元従業員、および初期のエンジェル投資家に報いる予定だ。

「Chaloは、サービスが行き届いていない公共交通機関の分野に取り組むことで、新型コロナ後の明確な勝者となりました。これにより、Chaloは国の事実上のモビリティ・オペレーティング・システムとなることができます。公共交通機関は、大規模なモビリティニーズに対応するより大きなモビリティプラットフォームを構築するためのバックボーンとなります」と、LightrockのパートナーであるVaidhehi Ravindran(ヴァイデヒ・ラヴィンドラン)氏は声明の中で述べている。

「私たちは、社会に貢献したいという深い目的意識を持った創業チームの革新的で技術主導のアプローチに感銘を受けました。彼らのステークホルダーに対する共感は、ビジネスのあらゆるレベルで成文化されており、インドの一般市民のためにこのソリューションを構築するのに最適なチームです。インドのモビリティを変革し続けるChaloとパートナーシップを組めることをうれしく思います」と語っている。

画像クレジット:Getty Images

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(文:Manish Singh、翻訳:Akihito Mizukoshi)

インドのEdTech大手Byju’sの最新ラウンドでの評価額は約2兆円

国際的な事業展開を進め、また積極的にM&Aの機会を模索しているインドのEdTech大手Byju’s(バイジュース)が、大型の新規投資ラウンドの一環として3億ドル(約333億円)を調達した。

調査会社ToflerがTechCrunchに提供した資料には、今回のラウンドでのByju’sの評価額は180億ドル(約2兆円)とあり、2021年6月の165億ドル(約1兆8338億円)より増えている。165億ドルという評価額で、Byju’sはインドのスタートアップエコシステムにおける中心的な存在であるフィンテック大手Paytm(ペイティーエム)を追い越した。

関連記事:オンライン学習大手Byju’sがインドで最高評価額のスタートアップに、UBSなどから資金調達

Oxshott Capital Partnersが新ラウンドをリードし、XN Exponent、Edelweiss、Verition Master Fund、IIFL、Time Capital Advisorsなどが参加した。

今回の投資は、Byju’sの評価額を210億ドル(約2兆3333億円)に押し上げそうな大型の投資ラウンドの一環だとTechCrunchは理解している。

Byju’sの広報担当は現地時間10月4日、コメントを却下した。

今回の資金調達は、Byju’sが2022年のIPO(新規株式公開)に向けて投資銀行とやり取りしている中でのものだ。TechCrunchが8月に報じたように、一部の投資銀行はByju’sが2022年に上場する場合の評価額として最大500億ドル(約5兆5505億円)を提示した。Byju’sの創業者でCEOのByju Raveendran(バイジュー・ラヴェンドラン)氏は9月のインタビューで「IPOはあり得る」と認めていた。

パンデミックが始まって以来180億ドル(約2兆円)を調達した同社は、その資金のかなりを企業買収に使った。2021年初めに同社は、センター200カ所超を抱え、最大の高校生向けコーチング機関の1つであるAakashを10億ドル(約1111億円)近くで買収した。Byju’sはまた、Great Learningと米国拠点のEpicを、それぞれ現金と株式による10億ドル超の取引で買収した。そして9月にはキッズコーディングプラットフォームのTynkerを2億ドル(約222億円)で買収したことを明らかにした。

ラヴェンドラン氏は9月、Byju’sが引き続き合併・買収の機会を模索していると述べた。こうした買収により、同社は積極的にサービスを拡大し、より有意義な方法で海外マーケットにうって出ることができると語った。

Byju’sは大学レベルや修士レベルのコースを追求している学生をサポートしており、近年はあらゆる学年の生徒向けにサービスを拡大してきた。Byju’sアプリの家庭教師はピザやケーキなど実生活にあるものを使って複雑な問題を教えている。

インド政府が数カ月にわたってロックダウンを敷き、学校を閉鎖することになったパンデミックにより、Byju’s、そしてUnacademyやVedantuなど他のオンライン学習スタートアップは成長を加速させた。

画像クレジット:Paul Yeung / Bloomberg / Getty Images

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(文:Manish Singh、翻訳:Nariko Mizoguchi

インドの新しい決済ルール発効による影響に備えるテックジャイアントたち

世界第2位のインターネット市場であるインドで、中央銀行が定期的支払いを処理するための新たな指令を施行したことにともない、Apple(アップル)、Sony(ソニー)、Google(グーグル)、Zoom(ズーム)、PayPal(ペイパル)などのハイテク企業や多くの銀行が、インドの顧客やパートナーに対して、取引の拒否が急増することを予想して注意を促している。

インド時間10月1日に発効したインド準備銀行(RBI、インドの中央銀行)の指令は、銀行、金融機関、ペイメントゲートウェイが5000インドルピー(約7490円)以上の自動更新される取引に対して、通知、電子マンデート、AFA(Additional Factors of Authentication、要素追加認証)を介して、ユーザーから追加の承認を得ることを求めている。この指令は、クレジットカードだけでなく、デビットカードのすべての取引にも影響する。

2019年に初めて発表されたこの指令は、2021年4月に発効する予定だったが、銀行などの影響を受ける業者が、遵守するための準備が十分ではないと主張したため、9月30日まで延長された。

中央銀行は、業界の対応に不満があったようで、3月には「延長された期限を超えてフレームワークの完全な遵守を確保するのが遅れれば、厳しい監督措置を取ることになる」と述べていた。

インド準備銀行は、2019年に行われた当初の案内時点で、このフレームワークは「リスク軽減と顧客の簡便化のための措置」として機能するようにデザインされていると述べ、こうした取引を処理する業者は「実際の請求の少なくとも24時間前に、顧客の指定に応じてSMSまたは電子メールで取引前通知を顧客に送信しなければならない」としていた。

複数の企業が、顧客や、場合によっては他のビジネスパートナーに対して、新しい指令についての注意を促している。

水曜日(インド時間9月29日)には、Appleは開発者に対して、この新しい指令によって「要件を満たさない一部の取引は、銀行またはカード発行会社によって拒否されるでしょう」と注意を促した。

インド最大の民間銀行であるHDFCは、ウェブサイトに以下のメッセージを掲載した。「ご注意:2021年10月1日より、HDFC銀行のクレジットカードやデビットカードを使って、加盟店のウェブサイトやアプリで行われた自動引落(定期的な支払いを処理するための電子指示)は、RBI(インド準備銀行)が定めたプロセスに準拠していない限り、承認されません」。HDFC、Axis、Kotakを含む複数の銀行が、今週、新ルールを遵守することを発表している。

2021年5月には、GoogleはPlay Storeでの定期的な支払いを行う新規顧客の登録を停止している。同社は開発者に対して「このエコシステムの課題が解決されるまで」、無料トライアルや導入価格をアプリから削除するよう求めた。YouTubeは、プレミアムサービスに対して、プリペイド方式の、使った分だけ支払い(pay as you go)方法のみをサポートするようになった

また同じ月にAmazonは、追って通知があるまで、Amazonプライムの無料体験への新規会員登録を「一時的に」中止すると発表した。その後、新たな通知は行われていない。

この指令は、リテールバンクの連合体が構築した決済インフラであるUPIを通じた定期的な支払いには影響しない。そのため、Netflix(ネットフリックス)をはじめとするいくつかの企業は、インド国内のUPIを使った自動支払いをサポートしている。

しかし、影響は広範囲に及ぶと思われる。あるフィンテック企業の創業者がTechCrunchに語ったところによると、彼らがFacebookやGoogleで広告を出すために利用している決済サービス会社が、中央銀行のルールを理由に、今週後半から自動決済は処理されないと通知してきたそうだ。この創業者は、デリケートだと思う内容を話すために匿名を希望した。

この新ルールは、インド中央銀行が近年提案または施行してきた一連のガイドラインの中で最新のものだ。Pratik Bhakta(プラティック・バクタ)氏がThe CapTable(キャップ・テーブル)に投稿した概要によると、今回の動きは、規制当局がユーザーのために革新を行うフィンテックスタートアップの普及を奨励している一方で、消費者を傷つけようとしている傾向がないかをRBIが注意深く見守っていることを示しているものだという。

RBIの副総裁であるT Rabi Sankar(T・ラヴィ・サンカー)氏は、今週初めに開催された会議で「法律が追いつくまでは、破壊的ではない方法で金融システムがデジタル・イノベーションを吸収できるよう、規制を適応させなければなりません」と述べ「すべての利害関係者が短期的な利益よりも長期的な改善を重視し、インフォームド・コンセントやデータ利用の透明性といった、成熟した慣行を浸透させてこそ、繁栄し成熟した決済システムに到達することができるでしょう」と語っている。

ソニーは、インド時間9月30日にPlayStation Plus(プレイステーション・プラス)の加入者に宛てた電子メールで「2021年9月30日以降、PlayStation Store(プレイステーション・ストア)でPlayStation Plusのためのサブスクリプション料を支払おうとする際に、クレジットカードおよび / またはデビットカードの支払いが失敗することがあります」と伝えている。

「これは、新規にサブスクリプションを始める場合と、定期的な支払いの両者に適用されます。このため、今後自動的に課金されるように設定されたPlayStation Plusの利用料の支払いが失敗する可能性があります。もしそうなった場合、お客様のPlayStation Plusのサブスクリプションはその時点で終了となります」。

画像クレジット:Getty Images

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(文:Manish Singh、翻訳:sako)

ソフトバンク出資のインドの格安ホテル予約サービス「Oyo」がIPO申請、最大約1290億円調達へ

Oyo(オヨ)は公開市場を探索する準備が整ったようだ。創業8年のインドの格安ホテル大手である同社はインド証券取引委員会にIPO申請の書類(PDF)を提出した。書類によると、同社は11億6000万ドル(約1290億円)の調達を模索する。

グルガーオンに本社を置くOyoは、ホテル経営者にデジタル予約・決済の導入、部屋の最適価格の決定、サードパーティ予約サービスの統合をサポートするオペレーティングシステムを提供している。同社は新規株式の発行で9億4200万ドル(約1045億円)を調達することを目指していて、残りは既存株の販売(セカンダリー取引)で調達する。

SoftBank(ソフトバンク)は1億7500万ドル(約194億円)超相当の株式を売却する計画だとOyoはIPO申請書類で説明した。同社は3億3000万ドル(約366億円)を借金返済にあてる。同社はつい最近、負債で6億6000万ドル(約732億円)を調達していた。

主な投資家にSoftBank、Airbnb、Lightspeed Venture Partners、Sequoia Capital India、Microsoftなどを持ち、直近の評価額が96億ドル(約1兆650億円)だったOyoは、個人投資家から何を得ようとしているのか詳細を明らかにしていない。しかし今週初めにTechCrunchが報じたように、わかっていることがある。OyoはIPOで評価額120億ドル(約1兆3312億円)を目指している。そして同社の若い創業者、Ritesh Agarwal(リテッシュ・アグルワール)氏は自身の持分を売却しない。

10月1日の仮目論見書提出は、近年海外マーケットでかなり野心的に事業を拡大してきたものの、そうした取り組みにブレーキをかけて方向を修正したOyoにとって大きな転換だ。

他のホスピタリティー・旅行業界の企業と同様、Oyoもパンデミックで大打撃を受けた。新型コロナウイルスの拡散を抑制しようと、一部の国はロックダウン措置を取ったため、売上高が60%減った時期もあったと同社は明らかにした。

同社の2021年3月までの会計年度の総収入は6億ドル(約665億円)で、5億2800万ドル(約585億円)の赤字だった。

ただ、同社の主要マーケットがここ数四半期に経済活動を再開したため、同社は直近の数カ月で急速な回復の兆しを見せている。仮目論見書の中で、4つのマーケット(インド、インドネシア、マレーシア、欧州)が同社の総売上高の約90%を占めると明らかにした。

Oyoはまた、このところホテルとの関係を簡素化してきた。同社は現在ホテルを所有せず、その代わり15万7000を超えるパートナーと協業し、そうしたパートナーがホテルやリゾート、住宅を運営するのをサポートしている。パートナーに最低保証も約束していない。

ソフトバンクが現在45%超の株式を保有するOyoのストーリーは、アグルワール氏がラージャスターン州でより良い教育を受けようと故郷を後にしたところから始まる。同氏は頻繁にデリーに住む友人を訪ね、友人の家や安いホテルに宿泊した。そして10代後半で通っていた学校を退学したとき、同氏は格安ホテルが毎晩部屋を埋めるのに苦労しているのに気づいた。

そしてアグルワール氏は、ホテルのリノベーションを自身にさせるようホテル経営者を説得し、将来の手数料と引き換えに企業に販促を始めた。これは同氏が過去の会話で語ったことだ。

この取引は、成功したことがすぐさま証明された。そして、マーケットで無視されてきた部門にフォーカスするために、アグルワール氏がテクノロジーを使ってサービス拡大を模索することにつながった。

Oyoのサービス

これがOyoの始まりだ。同社はすぐに成功し、PayPal共同創業者Peter Thiel(ピーター・ティール)氏の財団からの共同出資をひきつけるほど急速な成長だった。

Oyoはまず市場をリードする地位を築き、それから事業を拡大した。東南アジア、欧州、中国、米国から始めた。同社の積極的な拡大は部分的には成功で、部分的には失敗でもあった。欧州と東南アジアではいうまくいっているが、中国と北米のマーケットに参入するのは同社が思った以上に難しいことがわかった。

事業拡大の最中に、27歳のアグルワール氏は同社に7億ドル(約776億円)を投資した。同氏は、この投資に先立って、自身の持分を10%から30%に引き上げるためにRA Hospitality Holdingsという企業を通じて20億ドル(約2219億円)を使う計画だと発表した。アグルワール氏と同氏の持ち株会社のOyoの持分はいま32〜33%だと仮目論見書にはある。

Oyoのアプリは1億回超ダウンロードされ、従業員の70%がインド国内居住だと同社は仮目論見書に書いた。そして同社は、2019年12月時点で獲得可能な最大市場規模は短期滞在施設5400万軒だととらえている。

「インド、インドネシア、マレーシアでは、2018年と2019年にOYOプラットフォームに加わったホテルの2019年の業績は、同規模の他の独立経営ホテルを上回りました。OYOプラットフォームに加わってから12週間後、OYOで稼働しているホテルの2019年の売上高は、インド、インドネシア、マレーシアにおける同規模の独立経営ホテルの推定平均売上高の1.5〜1.9倍でした。欧州では、OYOで稼働している民泊施設の売上高は2019年に、個人で運営している施設の推定平均売上高の2.4倍でした」と仮目論見書にはある。

Oyoの事業についての知見が得られる2枚の興味深いスライドが仮目論見書にあった。

OYOで稼働しているホテルと比較対象の独立経営ホテルのコロナ前の平均売上高(米ドル、2019年)

Oyoはフード、小売、ホテル、旅行事業においてインドで2番目に大きいロイヤルティプログラムを展開している

この記事にはCatherine Shu氏も協力した。

画像クレジット:Akio Kon / Bloomberg / Getty Images

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(文:Manish Singh、翻訳:Nariko Mizoguchi

3Dプリント義足事業を展開し日本発のグローバルスタートアップを目指すインスタリムが2.4億円のシリーズA調達

3Dプリント義足事業を展開し日本発のグローバルスタートアップを目指すインスタリムが総額2.4億円のシリーズA調達

3Dプリンティングおよび機械学習(AI)技術を活用し3Dプリント義足を海外で製造販売しているインスタリムは9月30日、シリーズAラウンドにおいて、第三者割当増資による総額2億4000万円の資金調達を完了したと発表した。引受先はインクルージョン・ジャパン、Mistletoe Japan、慶應イノベーション・イニシアティブ、三菱UFJキャピタル、ディープコア。

インスタリムは、低価格・短納期の3Dプリント義足をフィリピンで製造販売する日本発のスタートアップ。単なる試供品の提供ではなく、事業化の前提となる「カスタム量産体制」(マス・カスタマイゼーション)が構築された3Dプリンター・CAD義足事業として世界初(同社調べ)としている。このカスタム量産体制とは、ユーザー個人のニーズに応じたカスタマイズと、大量生産並みの低コストな供給を両立する生産システムを指すという。義足の提供には患者ごとの断端(切断部)の形状に合わせた製造が不可欠であるため、世界的な普及には、低コストな大量生産とパーソナライズされた受注生産を兼ね備えた提供が不可欠としている。

同社は、今回の資金調達に加えて、経済産業省による事業再構築補助金、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)による課題解決型福祉用具実用化開発支援事業などの支援を得ている。

これらにより、現在のフィリピンの首都圏に限られている販売網を地方都市にも複数拠点化し全国展開する。現地製造販売体制の強化やマーケティング施策を通じたグロースの実現も図る。また、より多くの層の人々が義足を購入し就業できるよう、初期出費を抑えたサブスクリプション販売形式を新たに構築するという。

さらに、次なる展開国としてインド(予定)での事業展開を目指す。アフターコロナの情勢に対応した、測定・試着・製品提供までを完全リモートによる非対面での義足製造販売システムの開発も進めるとのこと。

従来義足は、医学知識を持った義肢装具士がユーザーごとの体に合わせ医学的に最適な形状のものを手作りしていることから、価格30~100万円と高価で、また1カ月程度の納期を要しているという。このため、障害者への社会的支援が不十分な開発途上国においては、義足を購入できない方は仕事に就くなどの社会参画が困難となっており、深刻な社会課題となっているという。

そこでインスタリムは、3DプリンティングとAI技術により約1/10の水準の価格と納期を実現し、2019年よりフィリピンで製造販売を行なっている。コロナ禍による移動制限や経済状態の悪化が続いている中でもすでに400人以上のユーザーがおり、1600人以上(2021年8月現在。同社の義足が欲しいが、現在購入できないために引き続き情報提供を希望するという切断患者を掲載したウェイティングリストの患者数)が同社の義足提供を待っている状態という。

同社は、「必要とするすべての人が、義肢装具を手に入れられる世界をつくる」というビジョンの実現に向けて、日本発のグローバルスタートアップ、SDGsスタートアップとして社会課題の解決を目指すとしている。

 

アマゾンが支援するインドのBNPLプラットフォーム「Capital Float」が約55.6億円を調達

Amazon(アマゾン)が支援するスタートアップ企業Capital Float(キャピタル・フロート)は、インドで人気のある多くのオンラインプラットフォームで「Buy Now, Pay Later(後払い決済)」サービスを提供しているが、ここ数四半期の力強い成長を受けて、新たに5000万ドル(約55億6300万円)を調達したことを現地時間9月28日に発表した。

Lightrock India(ライトロック・インディア)が、バンガローを拠点とする同社への新規投資を主導することとなった。これにより、創業7年目の同社の過去の調達額は6億ドル(約667億円)を超えた(そのうち半分以上は負債によるものだ)。既存の投資家であるSequoia Capital India(セコイア・キャピタル・インディア)、Ribbit Capital(リビット・キャピタル)、Creation Investments(クリエーション・インベストメント)に加え、Nubank(ヌバンク)のDavid Vélez(デビッド・ベレス)氏、CRED(クレド)のKunal Shah(クナル・シャー)氏、Pine Labs(パイン・ラボ)のAmrish Rau(アムリッシュ・ラウ)氏といった著名な起業家も今回のラウンドに参加した。

Capital Floatは、他の企業とのパートナーシップを通じて顧客にアプローチしている。例えば、Amazon India(アマゾン・インディア)、オンライン学習サービスのUnacademy(アナカデミー)、航空会社のSpicejet(スパイスジェット)、消費者向けのライフスタイルや電子機器ブランドのBoat(ボート)、旅行予約会社のMakeMyTrip(メイクマイトリップ)など、多くの人気オンラインプラットフォームの融資パートナーとなっている。顧客は、チェックアウトの際にローンを利用して購入することができる、と同社の共同設立者であるSashank Rishyasringa(サシャンク・リシャスリンガ)氏は、TechCrunchのインタビューに答えた。

また、中小企業向けには決済会社のRazorpay(ラゾープレイ)と、個人顧客向けには個人金融を提供するWalnut(ウォルナット)と提携している。

Capital Floatは、これまで250万人以上の顧客を集めている。これらの顧客は毎月200万件以上の買い物をしており、年間2億7100万ドル(約300億円)以上の資金を調達しているという。リシャスリンガ氏によると、この1年間、同社が注力してきたのは、ほとんどがオンラインサービスだったとのことだ。

「当社の顧客基盤は過去12カ月で4倍以上に増加しましたが、他の多くの企業が落ち込んでいたこの時期でも、当社の回収効率は95%以上でした」と述べている。

キャピタル・フロートのBNPLモデル(画像クレジット:Bernstein)

インドでは、クレジットカードを持っている人が人口のごく一部しかいないため「後払い決済」という市場はまだ初期段階にある。しかし、Capital Float、ZestMoney(ゼストマニー)、LazyPay(レイジーペイ)など、ひと握りの新興企業がこの市場で牽引力を発揮し始めている。

インドでは、クレジットカードの普及率が低いため、銀行が融資を行う前にその人の信用度を確認するために多用する伝統的なクレジットスコアを持つ人がほとんどいなかった。さらに、小額の融資は銀行にとって利益を生まないため、小切手を発行するインセンティブが低くなっている。

Capital Floatのユーザーの半数は、クレジットカードを持っていないとリシャスリンガ氏はいう。Capital Floatは、他の多くの後払い決済サービスとは異なり、完全に規制された企業だ。つまり、Capital Floatは、ユーザーの取引を信用調査機関に報告する必要があり、それによってユーザーのクレジットスコアのプロファイルの構築を支援している。

同社は、さまざまな要素を用いて各顧客の査定を行っている。その査定は「2クリック5秒以内」に行われるという。

「Capital Floatは、インドにおけるBNPL(後払い決済)の可能性を引き出すために必要な、顧客体験、リスク管理、加盟店とのパートナーシップという、CX特有の三要素をクリアしました。Capital Floatは、その強力な技術プラットフォームに加えて、洗練された引受・回収能力と、倫理的融資のプレイブックを構築しており、このモデルを非常に魅力的なものにしています」。と、Lightrock IndiaのパートナーであるSaleem Asaria(サリーム・アサリア)氏は、声明の中で述べている。

「私たちはまた、クレジットサイクル全体を通じたチームの粘り強さと実行力に常に感銘を受けています。チームと協力して、デジタルクレジットや金融商品を通じてインドの何百万人ものお客様の生活にプラスの影響を与える、拡張性の高く、差別化され、持続可能なビジネスを構築することにワクワクしています」。

リシャスリンガ氏は、この新たな資本が、ここ数カ月の急成長に対応するのに役立つと述べている。同氏は、この成長の多くはパンデミックによるものだと考えているが、同時に、消費者の行動には長期的な変化があり、それがこの新興企業の進出を後押ししているとも述べている。

Kotak(コタク)やYBLなどの銀行と提携して融資を行っているこのスタートアップは、今後も提携先を拡大していく予定だという。

「さらに重要なのは、この先に指数関数的な成長の機会があると考えていることです。完全に規制された形式で、手頃な価格と利便性を解決することで、私たちのBNPL(後払い決済)のアプローチは、オンラインでの取引を始めている1億人以上のお客様の信用へのアクセスを責任を持って拡大できると確信しています。このビジョンの実現に向けて、投資家のみなさまのご支援を得られることを光栄に思います。また、パートナーシップを組んで、インドで世界クラスのデジタル金融機関を構築できることを楽しみにしています」と、リシャスリンガ氏とCapital Floatのもう1人の共同設立者であるGaurav Hinduja(ガウラヴ・ヒンドゥーヤ)氏は共同声明で語っている。

画像クレジット:Arijit Sen / Hindustan Times / Getty Images

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(文:Manish Singh、翻訳:Akihito Mizukoshi)

アマゾンがコンピュータサイエンス教育プログラム「Future Engineer」をインドで開始

Amazon(アマゾン)は、コンピュータサイエンスプログラム「Future Engineer(フューチャー・エンジニア)」をインドに拡大する。これにより、世界第2位のインターネット市場であるインドは、同社が「子どもからキャリアまでのコミュニティプログラム」を提供する5番目の市場となる。

Amazonは、現地時間9月28日に開催されたバーチャルカンファレンスで、インドの学生にコンピュータサイエンスのコース(ロボット工学、人工知能、機械学習など)を教えるための教材、奨学金、インターンシップ、メンターを提供するとともに、教師にもリソースを提供すると発表した。

同社はこのフューチャーエンジニアプログラムを通じて、Code.org(コード.org)などのプレイヤーと提携し、十分な教育を受けられていない、あるいは過小評価されている子どもたちや若者にCS(コンピュータサイエンス)教育の機会を提供する。Amazonによると、このプログラムは主に6年生から12年生までの生徒を対象としている。

「インドでは年間100万人の学生がCSエンジニアリングコースに登録していますが、十分な教育を受けていない、過小評価されているコミュニティの学生の貢献度は比較的低いです。その理由としては、CS関連の仕事に触れる機会が少ないこと、コミュニティ内に刺激的なロールモデルがいないこと、興味深いカリキュラムにアクセスするための言語の障壁などが挙げられます。また、政府系の学校では、CS教育を行うためのリソースが限られています」と同社は述べている。

Amazonは、インドの教師や学生のコミュニティに合わせて調整し、複数の地域言語で提供しているというこのフューチャーエンジニアを、1年以内に7つの州の900以上の公立学校で10万人以上の学生に提供することを期待している。

TechCrunchは12月に、Amazonが世界第2位のインターネット市場でこのプログラムを開始する予定であると報じた。

関連記事:アマゾンがインドでコンピュータサイエンス教育プログラムの開始を計画

「インドでは、十分な教育を受けていないコミュニティの学生は、特にコンピュータサイエンスの分野の教育を受けることにおいて、不公平な障壁に直面しています。すべての若者が、そのバックグラウンドにかかわらず、質の高いコンピュータサイエンス教育を受けられる環境にあるべきだと考えているため、アマゾン・フューチャー・エンジニアの構想をインドで実施できることを大変うれしく思います」。と、Amazon India(アマゾン・インディア)のグローバルシニアバイスプレジデント兼カントリーヘッドであるAmit Agarwal(アミット・アガルヴァル)氏は述べている。

「私たちは、コンピュータサイエンスのカリキュラムを、生徒が使いやすい言語で身近に感じられるようにし、適切なスキルとツールを身につけてもらうことで、生徒のキャリアの可能性を広げることを目指しています。学生たちが自信とスキルを身につけて、テクノロジーソリューションの責任ある創造者となり、自分自身と周囲のコミュニティのために、より良い未来を築いてくれることを願っています」と述べている。

これまでに65億ドル(約7200億円)以上をインドに投資してきた米国の大手eコマース企業Amazonは、数年前からインドの教育分野を開拓してきた。2年前には、インドの名門技術系教育機関への入学を目指す学生の支援を目的としたアプリ「JEE Ready(JEEレディ)」を発表した。JEE Readyは、現在は「Amazon Academy(アマゾンアカデミー)」に改称されているが、無料のオンライン授業を提供し、模擬テストで生徒の成績を分析している。

関連記事:Amazonがインドのスモールビジネスのデジタル化促進のため約1100億円を投資

画像クレジット:Dhiraj Singh / Bloomberg / Getty Images

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(文:Manish Singh、翻訳:Akihito Mizukoshi)

アマゾンがインドでNetflixやディズニーと戦うためPrime Videoチャンネルを提供開始

Amazon(アマゾン)は、インドで「Prime Videoチャンネル」の提供を開始した。これにより、Discovery+やMubiなど8つのストリーミングサービスを1つのハブ(Prime Videoのウェブサイトまたはアプリ)で利用することができる。これは同社が南アジアでの顧客獲得のために行なっている最新の取り組みだ。

Amazonによると、この新しいサービスにより、ユーザーは追加のストリーミングサービスへのログインや支払いが容易になるという。さらに魅力的なことに、各サービスを初年度は割引価格で利用できるとしている。Discovery+は年間4ドル(約450円)、Mubiは27ドル(約3000円)、Hoichoiは8.2ドル(約900円)、DocuBayは6.8ドル(約750円)、ErosNowは4ドル(約440円)、Lionsgate Playは9.5ドル(約1050円)、manoramaMaxは9.5ドル(約1050円)、ShortsTVは4ドル(約440円)となっている。

現在、インドでいくつかの論争の中心となっている同社は、ストリーミングサービスからどれだけの収益を得ているのか、また、独占的ではないパートナーシップの期間については明らかにしていない。インドは、AmazonがPrime Video Channelsを開始した12番目の市場だ。

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現地時間9月24日の開始は、サードパーティのストリーミングパートナーにとって、より有益なものとなりそうだ。現在、すべてのパートナーサービスは、同国への進出に苦戦している。例えば、Discovery+アプリの2021年8月のインドでの月間アクティブユーザー数は400万人に満たなかった。モバイル調査会社のApp Annieによると、他のすべてのアプリの月間アクティブユーザー数は100万人未満で、中には20万人にも満たないものもあった(このデータは業界幹部がTechCrunchに伝えたものだ)。

Amazon Prime Video IndiaのカントリーマネージャーであるGaurav Gandhi(ガウラヴ・ガンジー)氏は、声明の中で次のように述べている。「Prime Video Channelsの開始により、インド初のビデオエンターテインメント市場を作り出すことで、私たちはこの国を楽しませるための次の大きな一歩を踏み出すことになります。この市場は、より多くのエンターテインメントの選択肢を提供することでカスタマーに楽しみを与えるだけではなく、Prime Videosの配信、リーチ、そして技術インフラで協力しているOTT チャンネルパートナーにもメリットがあります」。

AmazonのPrime Videoは、インドで5500万人以上の月間アクティブユーザーを獲得しており、Netflix、ディズニーのHotstar、Times InternetのMX Playerと競合している。HotstarとMX Playerは、インドでPrime Videoよりも大きなリーチを確立しており、Netflixは最もエリートな顧客層を獲得している。

Amazonは、権利の大半をまだHotstarが所有しているクリケットの試合の権利を確保することで、より多くの視聴者を獲得しようとしており、さらに広告付きの無料ストリーミングサービスも開始した。

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画像クレジット:Dhiraj Singh / Bloomberg / Getty Images

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(文:Manish Singh、翻訳:Yuta Kaminishi)