Apple MusicはShazamの技術でDJミックス内の楽曲に対しきちんと使用料を払おうとしている

Apple Music(アップル・ミュージック)は米国時間9月10日、DJミックスの作成に関わるすべてのクリエイターを個々に適切に特定して支払いを行うプロセスを作成したことを発表した。Apple Musicは、Appleが2018年に4億ドル(約439億5000万円)で買収した音声認識アプリShazam(シャザム)のテクノロジーを使用して、メジャーならびに独立レーベルと協力して、ミックスに登場するDJ、レーベル、アーティストの間でストリーミングロイヤルティを公正に分配する方法を考案しようとしている。これは、DJミックスが関係するすべてのクリエイターに対して長期的な金銭的便益を提供して、他のアーティストが繰り返しクリエイターの作品を利用して制作した場合でも、クリエイターに報酬が支払われるようにすることが狙いだ。AppleはShazamのテクノロジーの初の大がかりな統合として、その価値を認めているようだ。

これまでは、YouTube(ユーチューブ)やTwitch(トゥィッチ)などのライブストリーミングプラットフォームは、他のアーティストの曲の使用を著作権侵害としてフラグ付けする可能性があったため、DJがミックスをオンラインでストリーミングすることは困難だった。アーティストは、ライブセット中にDJが曲を再生されたときにはロイヤリティを受け取る権利があるが、ダンスミュージックの場合には、さまざまな曲を編集して混ぜ合わせて認識できないものにすることができるため、事情はさらに複雑になる。

Apple Musicは、2020年と2021年のトゥモローランドのデジタルフェスティバルのセットを含め、すでに何千ものミックスをホストしている、だがビルボードが6月にそれを指摘していたものの、今回の技術を正式に発表したのはこのタイミングになった。この発表の一環として、Studio !K7のDJ Kicksアーカイブが同サービス上で展開され始め、ファンは15年以上市場に出ていなかったミックスにアクセスできるようになる。

DJのCharlotte de Witte(シャーロット・デ・ウィッテ)氏は「Apple Musicは、ミックスにトラックが含まれているアーティストと、それらのミックスを作成しているアーティストに公正な料金を提供できるような連続ミックスを提供する最初のプラットフォームです。これは、誰もが公平に扱われる正しい方向への一歩です」と、Appleを代表する声明の中で述べている。「オンラインミックスを再び提供できることに、言葉ではいえないほど興奮しています」。

画像クレジット:Apple Music

ダンスミュージックファンにとって、DJミックスをストリーミングできる機能は画期的であり、Apple MusicがSpotify(スポティファイ)と競争するのに役立つだろう(SpotifyはAppleのポッドキャスティングの利用者を上回り、有料サブスクリプションで業界をリードしている)。Apple Musicはロスレスオーディオや空間オーディオを導入し、クラシック音楽チャンネルを買収したにもかかわらず、まだSpotifyには追いつけていない。だがDJミックスの追加によりさらに別のユニークな音楽機能が追加されることになる。

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だがApple MusicがDJロイヤルティの難問へ果敢に切り込んだとしても、パンデミックを乗り越えて生き残ったライブミュージシャンやDJの間で起こっている、より広範な危機に必ずしも対処できるわけではない。

Mixcloud(ミックスクラウド)のようなプラットフォームでは、DJが事前にライセンスされた音楽を使用してセットをストリーミングし、収益化を行うことができるが、Apple MusicのDJミックスにはユーザー生成コンテンツは含まれない。Audible Magic(オーディブル・マジック)と提携しているMIDiA Research(ミディア・リサーチ)は、ユーザー生成コンテンツ(UGC) が、リップシンクのTikTok(ティクトク)であれSoundcloud(サウンドクラウド)DJミックスであれ、音楽を使用するオンラインコンテンツが、今後2年間で60億ドル(約6589億8000万円)を超える価値のある音楽業界の金鉱になる可能性があることを発表した。しかし、Apple自身はまだUGCに投資していない。個人は、Soundcloudの場合のような、個人のミックスをプラットフォームにストリーミングをアップロードすることはまだできない。6月のビルボードレポートによると、Apple Musicは、プラットフォームが結合されたトラックの70%を識別したときのみ、ミックスをホストする。

Apple Musicは、ロイヤルティが正確にはどのように分割されるかについての質問には答えなかったが、これはミュージシャンたちがデジタル環境の中で生計を立てる方法を再考するための小さな一歩に過ぎない。

これらの革新はアーティストに報酬を与える役には立つものの、ストリーミングロイヤルティは、ミュージシャンがお金を稼ぐ方法のごく一部しか占めていない。Appleはミュージシャンに1回のストリームごとに1セント(約1.1円)を支払うが、Spotifyのような競合他社はそれよりもはるかに少ない額しか支払っていない。このことから、UMAW(ミュージシャンと関連労働者組合)は、3月にJustice at Spotify(Spotifyに公正さを)という名前のキャンペーンを開始した。これは、Appleと同じく1回のストリームあたり1セントの支払いを要求するものだ。しかし、特にプラットフォームからのストリーミングに対するわずかな支払いを考えると、ライブイベントはミュージシャンにとって不可欠なもののままだ。もちろん、パンデミックはツアーに対して良い影響を与えていない。さらに追い打ちをかけるような情報だが、2016年にエレクトロニックミュージック協会は、ダンスミュージックプロデューサーたちがライブパフォーマンスと認定されないまま使用された作品から1億2000万ドル(約131億8000万円)のロイヤルティをもらうことができなかったと推定している。

画像クレジット:TechCrunch

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(文: Amanda Silberling、翻訳:sako)

Epicがアプリ決済の強制禁止法成立後の韓国で「フォートナイト」復活を要請、アップルは拒否

人気ゲーム「Fortnite(フォートナイト)」の開発元Epic Games(エピックゲームズ)は、米国のゲームメーカーである同社が韓国でiOS版Fortniteを再リリースし、EpicとApple(アップル)両方の決済手段を選択肢として提供することを計画しているため、Appleに韓国でのFortnite開発者アカウントの復活を要請したとツイートで発表した。

今回の要請は韓国が8月下旬に、開発者がサードパーティ決済システムを利用できるようにすることをAppleや他のテック大手に義務付ける電気通信事業法改正案を可決したことを受けたものだ。

Fortniteの公式Twitter(ツイッター)アカウントでEpicは「Epicは韓国の新しい法律に準拠して、Epicの決済とAppleの決済の両方を並行して提供し、韓国でiOS版Fortniteを再リリースする予定です」と述べている。

「当社がこれまでも言ってきたように、Epicが他の会社と同じルールでプレイすることに同意するのであれば、EpicのApp Storeへの復帰を歓迎します。Epicは契約違反を認めており、現在のところ、開発者アカウントを復活させる正当な根拠はありません」とAppleは表明して申請を拒否した。

Epicはすべてのアプリに関して適用されるAppleのApp Storeレビューガイドライン順守に同意する必要があるが、一貫してガイドラインを遵守しておらず、今回のAppleへの申請はEpicの立場を変えるものではない、とAppleは声明で付け加えた。

まだ発効していない関連法が仮に韓国国内で法制化されたとしても、Appleに開発者プログラムのアカウント申請を承認する義務は課せられないと同社は指摘している。

2020年8月、EpicがFortniteにAppleのアプリ内課金要件に違反する直接決済システムを導入したため、AppleはFortniteをApp Storeから追放した。以来両社は、App Storeの決済システムを巡って法廷で争ってきた。

Appleは、開発者が外部のウェブサイトにリンクできるようにアプリポリシーを変更しており、今月、2021年9月2日には「リーダー」アプリの開発者が自社サイトへのリンクを設置できるようにしたことで、日本の公正取引委員会と和解している。

Epic Gamesの広報担当者にコメントを求めたが、現時点で回答は得られていない。

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画像クレジット:Andrew Harrer/Bloomberg via Getty Images / Getty Images

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(文:Kate Park、翻訳:Aya Nakazato)

アップルがウェアラブルのチーフ、ケヴィン・リンチ氏を自動車部門のリーダーに任命との報道

Apple(アップル)は、秘密裏に進めている自動運転車部門の開発を指揮するために、新たな幹部を任命したと報じられている。Bloombergによると同社は、今週初めにiPhoneメーカーからFordに移った役員Doug Field(ダグ・フィールド)氏が後任として、Project Titanの統括にKevin Lynch(ケヴィン・リンチ)氏を起用したという。

関連記事:フォードがアップルの秘密自動車開発プロジェクトを率いた幹部を採用

初めて見る名前かもしれないが、ここ数年のAppleイベントを見ていた人は、ステージ上でリンチ氏を見たことがあるはずだ。リンチ氏は2013年にAdobeからAppleへ移籍して、同社のウェアラブル&ヘルス部門を統括し、watchOSの新しい機能が発表されるときには、紹介役を務めることが多かった。

Bloombergによるとリンチ氏は、2021年の早い時期に同事業部に参加したが、現在、その全体を統括している。同報道によると、リンチ氏の任命はAppleが、リリースすれば誰の目にも明らかな自動車そのものではなく、その走行を支えるソフトウェアに力を入れていることの表れだという。

編集部注:本稿の初出はEngadget

画像クレジット:BRITTANY HOSEA-SMALL/AFP/Getty Images

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(文:Igor Bonifacic、翻訳:Hiroshi Iwatani)

フォードがアップルの秘密自動車開発プロジェクトを率いた幹部を採用

ソフトウェアと他の高度なテクノロジーで優位に立ちたいFord Motor(フォード・モーター)は、Apple(アップル)の特別プロジェクトチームを率いていたDoug Field(ダグ・フィールド)氏を社に迎え入れた。

かつてTesla(テスラ)のエンジニアリング担当上級副社長だったフィールド氏は米国時間9月7日に、Fordの高度テクノロジーと組み込みシステムの最高責任者に指名された。フィールド氏は直近ではAppleの特別プロジェクト担当副社長を務めた。この特別プロジェクトのチームは、いわゆるTitanカープロジェクトにも取り組んでいた。

Fordでの新しい役職では、フィールド氏は同社会長兼CEOのJim Farley(ジム・ファーリー)氏に直接報告する立場で、同社の組み込みソフトウェアとハードウェア構成を監督する。ソフトウェアとハードウェアは今日、車両コントロール、企業コネクティビティ、機能、統合・認証、アーキテクチャ・プラットフォーム、運転支援技術、デジタルエンジニアリングツールから構成される。これは、フィールド氏がインフォテーメントやナビゲーション、運転支援技術、コネクテッド・サービス、車両サイバーセキュリティなど、FordやLincolnのブランドの車両で使われている全テックスタックのデザイン、開発・実行を受け持つことを意味する。

フィールド氏の参加は、Teslaや他の新規参入企業などと競合するテクノロジーを搭載した乗用車やトラック、SUVを提供できると顧客や投資家に示したいFordにとって宣伝となるかもしれない。フィールド氏のTeslaでの経験、特にModel 3に関わった経験は、Fordが新しい電気自動車を開発・販売するのに伴い、重要であることが証明されそうだ。

Fordの次世代のコネクテッドプロダクトやエクスペリエンスを創造すべく、フィールド氏はプロダクトプラットフォームとオペレーションの最高責任者であるHau Thai-Tang(ハウ・タイ・タン)氏と緊密に連携する、と同社は述べた。タイ・タン氏は引き続き製品開発、購入、デザイン、研究・高度エンジニアリング、EPLM / D-Ford、高度な製造、Ford Ion Parkを監督する。

今回の採用で、フィールド氏は1987年から1993年にかけて開発エンジニアとして働き、キャリアをスタートさせた古巣に戻ることになる。

「私は常にFordと深いつながりを感じていました。私の父親の農園にあったF-150、結婚式で乗車した1965年製造のContinental、そしてModel Tのデザインにあるすばらしい優雅さを発見したときの感動など、Fordのプロダクトは物心ついたときから常に私の人生にありました」とフィールド氏は声明文で述べた。「チームが次世代のアイコン的Ford車両をつくり、今後何百年もFordが続くようサポートする機会に感謝しています」。

画像クレジット:Ford

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Nariko Mizoguchi

次のアップルイベントは日本時間9月15日バーチャルで開催、iPhone 13、Apple Watch 7、AirPods 3発表か

米国太平洋時間時間9月14日午前10時(日本時間9月15日午前2時)に予定されているApple(アップル)の次期大型イベントの招待状が届いた。招待状には、美しいシエラネバダ山脈を背景にしたネオンのロゴと「California Streaming」という形で「ママス&パパス」を連想させる言葉が書かれているだけで、これから何が起こるのかはあまりわからない。「Beats CaliforniPhoneication」よりも良いと思うが、いかがだろう。その名が示すように、このイベントはまたしてもバーチャルなものとなるだろう。

Appleはホリデーシーズンに向けて多くのハードウェアを準備していると言われているが、たしかにiPhone 13については確実にタイミングが良い。2020年は、業界を広く悩ませたサプライチェーンの大問題のために、同社には珍しく遅延となった。

そのため、例年どおり発売に向けてさまざまな憶測が飛び交っている。業界全体が低迷する中、待望の5Gが登場したことで、同社は2020年に大きな利益を得ることができた。iPhoneにとって、買い控えをしていた人たちがついに引き金を引いたかのような大規模な数四半期だった。

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では、Appleは次期iPhoneにどのような機能を搭載するのだろうか。最近のリーク情報によると「Emergency Message via Satellite(衛星経由の緊急メッセージ)」という機能があるという。この機能は、携帯電話ネットワークに一時的にアクセスできなくなった電話機に、短い衛星電話を提供するものだが、正直なところ、この機能に関する情報は今のところ不明だ。

その他のアップデートとしては、120Hzディスプレイの搭載が期待されている。多くの人がこのアップデートはiPhone 12に搭載されると予想していたが、iPhone 12のすべてのバージョンでリフレッシュレートは60Hzのままだった。また、新しいA15チップ、改良されたセンサー、より大きなバッテリーが搭載されると予想されている。さらに、新しいMagSafe充電器もFCCを通過しました

また「Apple Watch 7」と「AirPods 3」も早々にリリースされる予定だ。しかし、バーチャルイベントの時代になって、Appleはそれを分割しているが。

画像クレジット:Apple

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(文:Brian Heater、翻訳:Katsuyuki Yasui)

アップルがApple Newsを提供するニュースパブリッシャーのアプリ内購入の手数料を引き下げ

米国時間2021年8月26日、Apple(アップル)は、Apple News(アップルニュース)アプリに参加し、一定の条件を満たすサブスクリプション制の報道機関に対し、App Store(アップストア)で認定された自社アプリ内での購入にかかる手数料を15%に引き下げられる、新しいプログラムの開始を発表した。通常、Appleのサブスクリプションベースのアプリケーションのモデルでは、App Storeにおける最初の1年間は30%の標準手数料率が適用され、2年目には15%に下がる。しかし、同日発表されたAppleの新しいNews Partner Program(ニュースパートナープログラム)では、プログラムに参加する報道機関の手数料は初日から15%になる。

ただし、このプログラムへの参加条件には、Appleにとって有利ないくつかの注意事項がある。参加資格を得るためには、報道機関はApple Newsでのプレゼンスを維持し、コンテンツをApple News Format(アップルニュースフォーマット、ANF)で提供しなければならない。ANFとは、Mac(マック)およびiPhone(アイフォン)などのAppleのモバイルデバイス用に最適化されたJavaScript Object Notation(JSON)形式のことで、Apple Newsの記事を作成するために使用される。通常、報道機関のウェブサイトやCMS(コンテンツマネジメントシステム)にあるニュース記事を、Apple NewsがサポートするJSONフォーマットに変換するためには、ちょっとした設定が必要になる。WordPress(ワードプレス)やその他の主要なCMSでは、そのプロセスを容易にするためのプラグインが用意されている。

一方、既存のApple Newsの4つの市場(米国、英国、オーストラリア、カナダ)以外に本社を置く報道機関は、代わりにRSSフィードをAppleに提供することで、プログラムへの参加資格を満たすことができる。

App Storeにおいて15%の手数料が適用されるパートナーアプリは「プロが執筆したオリジナル」のニュースコンテンツ配信に使用されなければならず、Appleのアプリ内購入システムを使用して自動更新可能なサブスクリプションを提供する必要がある。

画像クレジット:Apple

報道機関がApple Newsへの接続を確立するためには、ある程度の初期作業が必要だが、ほとんどの主要な報道機関がすでにAppleのプラットフォームに参加している点は注目される。つまり、それらの報道機関は、自社アプリにかかる手数料削減のために、これまでに加えて作業をする必要はない。しかし、このプログラムは、報道機関の広範なビジネスにおける財務的な効果を高めることから、Apple Newsのエコシステムに継続して参加することを後押しする働きもある。

この点については、報道機関の間でも意見がわかれるようだ。付帯条件なしでApp Store手数料の減額を望む報道機関もあるだろう。

一部の報道機関では、Apple Newsのエコシステムに縛られることで、自身のビジネスに対するコントロールを失ってしまうのではないかと心配しているところもある。例えば2020年、New York Times(ニューヨーク・タイムズ)は、Appleが同社が望むような読者との直接的な関係を認めないため、読者を同社のアプリやウェブサイトに誘導したいとして、Apple Newsとの提携を解消すると発表した。

しかしAppleは、報道機関のビジネスを邪魔するものではないと主張するだろう。同社は、報道機関がコンテンツを収益化するペイウォールの仕組みを提供し、加えて販売した広告から得られる広告収入を100%確保できるようにしている(もし、すべてを売り切れない場合や、同社に販売を代行してもらいたい場合は、同社に手数料を払う代わりに広告収入の70%を確保する)。さらに、Apple News+(アップルニュースプラス)サブスクリプションサービスの場合、サブスクリプション収入の分配率ははるかに高いが、これは「ボーナス的な収入」だと主張することもできる。なぜなら、報道機関自身が獲得できなかった顧客に対して、Appleがサービスを販売するからだ。

Appleの新しいNews Partner Programの開始は、AppleがApp Storeビジネスをどのように管理しているかについて規制当局監視しているで行われた。最近では、米国および韓国などの主要なApp Store市場において、反競争的な問題を解決することを目的とした法案が提出されている。

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このような市場の変化を察知したAppleは、すでにApp Storeの手数料を調整することで、Epic Games(エピックゲームズ)との間で係争中の訴訟のような反トラスト法違反の苦情や訴訟から身を守る対策を講じていた。2020年、AppleはApp Store Small Business Program(アップストア・スモールビジネスプログラム)を開始し、アプリ内購入の手数料を30%から15%に引き下げたが、これは収益が100万ドル(約1億1000万円)までの開発者に限られていた。

このプログラムは小規模な報道機関の助けにはなったかもしれないが、一部の大手報道機関がまだ不満を持っていたことは明らかだった。2020年11月に小規模ビジネス向けの手数料引き下げが発表された後、AP(エーピー)、New York Times、NPR(エヌピーアール)、ESPN(イーエスピーエヌ)、Vox(ヴォックス)、Washington Post(ワシントン・ポスト)、Meredith(メレディス)、Bloomberg(ブルームバーグ)、NBCU(エヌビーシーユー)、Financial Times(フィナンシャル・タイムズ)などを代表とする報道機関の業界団体「Digital Content Next(デジタル・コンテンツ・ネクスト、DCN)」は、その翌月に権利擁護団体でありロビー組織である「Coalition for App Fairness(アプリ公平性のための連合、CAF)」に参加した。

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これらの報道機関は、以前からApple CEOのTim Cook(ティム・クック)氏に手数料の引き下げを求める書簡を送っていたが、収益の分配については、分配額の大きさ以外にも不満を持っていた。サブスクリプションについては、アプリ内購入としてAppleのサービスの利用を強いられることも望んでおらず、この「Apple税」によって消費者向けの価格を上げざるを得ないとしている。

これらの報道機関が、Apple News Partner Programの開始に対して、どのような反応を示すかはまだわからない。

このプログラムは、App Storeの料金を下げる方法を提供するものではあるが、Appleのプラットフォームとそのルールに対する報道機関の広範な不満を解消するものではない。それどころか、料金の引き下げが、報道機関をAppleのエコシステムにさらに閉じ込めてしまうプログラムに結びつけられている。

また、Appleは同日、善意の意思表示として、3つの主要なメディア関連の非営利団体への支援を再開すると発表した。Common Sense Media(コモン・センス・メディア)、News Literacy Project(ニュース・リテラシー・プロジェクト)、Osservatorio Permanente Giovani-Editori(オッセルバトリオ・ペルマネンテ・ジョーバニ・エディトリ)だ。これらの非営利団体は、公平で独立したメディアリテラシープログラムを提供しており、Appleは、人々がスマートかつ積極的にニュースを読むことができるようにするという、大きな目標の実現に向けて重要な働きをしていると考えている。同社はまた、他の団体によるメディアリテラシープロジェクトについても後日発表するとしている。しかし、コミットメントの資金規模は明らかにしておらず、また、過去にこのような団体に対して提供した金額についても言及していない。

Appleのサービス担当上級副社長のEddy Cue(エディ・キュー)氏は、声明の中で「Apple Newsのお客様に、報道機関パートナーからの信頼できる情報を提供することは、当初からの優先事項だった」と述べている。そして「10年以上にわたり、Appleは、お客様が当社の製品やサービスを介してニュースコンテンツを楽しむためのさまざまな方法を提供してきた。世界数十カ国では数百のニュースアプリがApp Storeから入手できる。また、報道機関がコンテンツを紹介するためのツールを提供し、何百万人ものApple Newsユーザーにすばらしいサービスを提供するためにApple News Formatを作成した」と同氏は付け加えた。

本プログラムの詳細および申請書は、News Partner Programのウェブサイトから入手できる。

Japan編集部注:Apple Newsは本記事公開時点である2021年9月現在、日本未対応

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Sarah Perez、翻訳:Dragonfly)

ドイツ政府がEUに対しスマホメーカーによる7年間のセキュリティ更新・パーツ供給の義務づけを提案

ドイツ政府がEUに対しスマホメーカーによる7年間のセキュリティ更新・パーツ供給の義務づけを提案

sigoisette via Getty Images

ドイツ政府が欧州委員会に、スマートフォンメーカーにセキュリティアップデートやスペアパーツを7年間提供するよう義務づけることを提案したと報じられています。

ドイツのニュースメディアHeise.de(ハイス・オンライン)によると、ドイツ連邦政府はスマートフォンやタブレットの修理・サービスに関する規制を変更するために、欧州委と交渉を開始したとのことです。欧州委はスペアパーツの供給につきスマートフォンでは5年間、タブレットでは6年間を義務づけることを計画していますが、ドイツはこれらを7年間に延長したいかまえです。

そうした期間の延長に加えて、ドイツ政府はスペアパーツを「妥当な価格」で提供されるのを望んでいるとのことです。これにはメーカーがスペアパーツの価格を公表し、時間の経過とともに値上げしないことも含まれています。

さらにスペアパーツが目的地に到着するまでの期間についても、欧州委の案では最大で5営業日に対して、ドイツはより短い期間の配送を義務づける意向とのこと。それに加えて修理期間が長くかかる場合は、顧客は修理ではなく本体の交換を選べる可能性にも言及されています。

しかしスマートフォンメーカーが望んでいるのは、それとは真逆のことです。Googleやサムスンのほかアップルも加入している業界団体DigitalEuropeはセキュリティアップデートを3年、機能アップデートを2年に限ることを提案。それに加えて、スペアパーツの提供義務もディスプレイやバッテリーに限り、カメラやマイクなどは「故障することはほとんどない」として除外を求めています。

今回の提案はiPhoneも対象としていますが、アップルはたいてい5年間もの機能およびセキュリティアップデートを提供しています。

かたやAndroidデバイスメーカーの多くが提供するセキュリティアップデートは、多くが3年以下に留まっており、もしもドイツ案が通れば影響はより大きいと思われます。サムスンは今年初めにセキュリティアップデートを最低4年間提供する(2019年以降の端末に限り)と発表しましたが、それ以前は2年ないし3年でした。

数年前のデバイスを末永く使い続けられることはユーザーにも有り難く、また電子廃棄物を減らすことにつながり環境保護にも貢献できると思われます。が、スマートフォンメーカーにしてみれば旧製品が修理され続ければ新製品を売る妨げにもなりかねず、また過去モデルの部品を確保する負担ものし掛かってくるはず。今後もスマートフォン業界からロビー活動など、政治的な働きかけが続けられるのかもしれません。

(Source:Heise.de。Via AppleInsiderEngadget日本版より転載)

アップルが次期iOS15での児童性的虐待コンテンツ検出技術導入を延期

Apple(アップル)は、顧客や政策グループからのフィードバックを考慮して、2021年8月に突然発表した児童性的虐待コンテンツ(CSAM)検出技術の展開計画を延期した。

振り返ってみれば、そのフィードバックは大部分が否定的なものだった。Electronic Frontier Foundation(EFF、電子フロンティア財団)は今週、消費者から2万5000を超える署名を集めたと語っている。またそれに加えて100に迫る政策ならびに権利団体(「アメリカ自由人権協会」も含まれている)も、Appleに技術を展開する計画を放棄するように呼びかけていた。

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また批判を浴びるアップルの児童虐待検出技術

米国時間8月3日朝の声明で、AppleはTechCrunchに次のように語った。

「先月私たちは、コミュニケーションツールを使用して子どもを引き込んだり悪用したりするする捕食者たちから子どもたちを保護し、児童性的虐待コンテンツ(CSAM)の拡散を制限することを目的とした機能の計画を発表しました。しかし顧客の皆さま、プライバシー擁護団体、研究者の方々などからのフィードバックに基づいて、これらの非常に重要な子どものための安全機能をリリースする前に、今後数カ月にわたってさらに意見や情報を収集し、機能を改善するために時間をかけることに致しました」。

このAppleの計画しているNeuralHash(ニューラルハッシュ)テクノロジーは、ユーザーのデバイス上の既知のCSAMを、画像を取得しなくても、また画像の内容がわからなくても識別できるように設計されている。iCloudに保存されているユーザーの写真はエンド・ツー・エンドで暗号化されているために、Appleでもデータにアクセスできない、よってNeuralHashは代わりにユーザーのデバイス上で既知のCSAMをスキャンする。このことからAppleは、現在多くのクラウドプロバイダーが行っている一括スキャンよりもプライバシーに配慮していると主張している

関連記事:【インタビュー】アップルのプライバシー責任者、児童虐待検出機能とメッセージアプリの通信の安全性機能への懸念について答え

しかし、セキュリティの専門家やプライバシー擁護派は、政府などの豊富な資源を持つ者がシステムを悪用して、罪のない犠牲者を巻き込んだり、権威主義的な国民国家が、好ましくないと判断する任意のデータを検出するためにシステムを操作したりする可能性があると懸念を表明している。

技術が発表されてからわずか数週間で、研究者たちは、NeuralHashを使用して「ハッシュ衝突」を作成し、事実上システムをだまして2つのまったく異なる画像が同じであると思わせることができたと発表している。

iOS 15は、今後数週間以内にリリースされる予定だ。

関連記事:アップルがメッセージアプリで送受信される性的な画像を検知し子どもと親に警告する新技術を発表

画像クレジット:Bryce Durbin/TechCrunch

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(文:Zack Whittaker、翻訳:sako)

ステルス状態が続く元Appleのデザイナーとエンジニアが共同設立したHumaneが約110億円調達

元Apple(アップル)のシニアデザイナーとシニアソフトウェアエンジニアが共同で創業し、静かに活動するスタートアップが、事業拡大に向け多額の資金を調達した。1億ドル(約110億円)を調達したHumane(ヒューマン)は「デザインとエンジニアリングの真のコラボレーション」によって「人間とコンピューティングの間の次のシフト」を象徴するような、新しいクラスの消費者向けデバイスやテクノロジーの開発を目指している。

今回の調達はシリーズBで、非常に著名な資金提供者が揃った。Tiger Global Managementがこのラウンドをリードし、ソフトバンクグループ、BOND、Forerunner Ventures、Qualcomm Venturesも参加した。シリーズBには、他にもSam Altman(サム・アルトマン)氏、Lachy Groom(ラッチー・グルーム)氏、Kindred Ventures、Marc Benioff(マーク・ベニオフ)氏のTIME Ventures、Valia Ventures、NEXT VENTŪRES、Plexo Capital、法律事務所のWilson Sonsini Goodrich & Rosatiなどが出資した。

Humaneは2017年の創業だが、シリーズAをクローズしたのは2020年のことだ。PitchBookによると、2020年9月に1億5000万ドル(約165億円)のバリュエーションで3000万ドル(約33億円)を調達した。それ以前には合計1200万ドル(約13億2000万円)弱を調達している。今回のラウンドの投資家の多くは、そうした初期の資金調達においてもHumaneに投資していた。

筆者が同社に確認したところ、今回のシリーズBでのバリュエーションは未公表だ。

Humaneはまだ何の製品もリリースしておらず、何に取り組んでいるのかについても多くを語っていない。また、一般的にハードウェアには固有の課題が多く、それゆえリスクの高い賭けと見なされることが多いことを考えると(昔から「ハードウェアは難しい」と言われている)、まだステルス状態にあるHumaneがなぜそれほどまでに投資家を集められたのか、不思議に思うかもしれない。

その理由の1つは、共同創業者であるImran Chaudhri(イムラン・チャウドリ)氏とBethany Bongiorno(ベサニー・ボンジョルノ)氏の夫妻が、それぞれアイコン的存在であることによる。HumaneのCEOであるボンジョルノ氏は、Appleでソフトウェア・エンジニアリング・ディレクターを務めていた。会長兼社長であるチャウドリ氏は、Appleの元デザインディレクターでiPhone、iPad、Macなど、Appleの最も重要な製品に20年間携わった。2人とも、当時の経験を生かして数十件の特許を取得しており、その後もいくつかの特許を取得した。

そうした最新の特許と、Humaneのサイトに掲載されている非常に広範な求人情報が、2人と彼らのスタートアップが何を作ろうとしているのかを知る最も近い手がかりとなるかもしれない。

特許の1つは「レーザー投影システムを備えたウェアラブル・マルチメディアデバイスおよびクラウドコンピューティングプラットフォーム」、もう1つは「不妊症およびホルモンサイクルを知るのに役立つシステムおよび装置」に関するものだ。

一方、同社では現在、カメラやコンピュータビジョンの経験を持つエンジニア、ハードウェアエンジニア、デザイナー、セキュリティの専門家など、約50件の求人情報を掲載している。また、同社にはすでに約60人のすばらしいチームが存在し、これも投資家をひきつけている点の1つだ。

「Humaneで働いている個々人の能力は信じられないほどすばらしいものです」とTiger GlobalのパートナーであるChase Coleman(チェイス・コールマン)氏は声明で述べた。「彼らは、世界中の何十億もの人々のために革新的な製品を作り、出荷してきた人々です。彼らが開発しているものは、今後のコンピューティングの標準となる可能性を秘めた画期的なものです」。

筆者は、この会社の製品ロードマップや会社の背景にある理念、そして潜在的な顧客が誰なのか、それは製品を設計する他の企業なのか、あるいは直接的にエンドユーザーなのか、などの詳細を尋ねた。

今のところ、ボンジョルノ氏とチャウドリ氏は、次のイノベーションの波の中でテクノロジーがどのような役割を果たすのかを再考することが、このビジネスを始めた動機の一部だと示唆した。これは多くの人が思いつく問いだが、その答えを見つけるために実際に投資しようとする人は多くない。それだけでも、Humaneが次に何をするのかに注目する価値がある(Humaneがそうさせてくれればの話だ。今はまだステルス状態だ)。

「Humaneは、デザインとエンジニアリングの真のコラボレーションによって、人々が真の意味で革新を起こすことができる場所です」と共同創業者らは共同声明で述べた。「我々は、人々の利益のために製品を作り、人を第一に考えたテクノロジー、つまり今日の常識を超えた、よりパーソナルなテクノロジーを作り上げるエクスペリエンスカンパニーです。我々はみんな、何か新しいもの、我々が生きてきた情報化時代を超越する何かを待っています。Humaneでは、情報時代と呼ぶもののためのデバイスとプラットフォームを開発しています。信頼、真実、喜びという我々の価値観に基づいて、これまでとは異なるタイプの企業を築くことを約束します。パートナーのみなさんのご支援のもと、コンピューターとの付き合い方に革命を起こすという我々が持つ情熱を共有しているだけでなく、どのように構築するかについて情熱を持つ人材を集め、チームの規模を拡大していきたいと考えています」。

【更新】記事公開後、Humaneの計画についてもう少し説明を受けた。同社の目的は「人間の経験を向上させ、善意から生まれるテクノロジー、自分自身、お互い、そして周りの世界とのつながりを取り戻す製品、そして魔法のように感じられ、喜びをもたらすインタラクションをともなう、信頼に基づいた経験」を開発することだ。これだけでは十分ではないが、一般的には、今日のサイクルから離れ、もっと心をこめて考えようとするアプローチだ。テクノロジーを全面的に否定するのではなく、むしろ構築しながらそれが実行できれば、何かが見えてくるかもしれない。

画像クレジット:peepo / Getty Images

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(文:Ingrid Lunden、翻訳:Nariko Mizoguchi

アップルが日本の公正取引委員会と和解、アプリ内の外部リンクを承認

Apple(アップル)は、日本の規制当局と和解し、「リーダー」アプリの開発者がユーザーアカウントを管理するための独自のウェブサイトにリンクできるようにすることを決定した。この変更は2022年初頭に有効になる。

これまで、日本の公正取引委員会はAppleに対して、「リーダー」アプリに対する同社のポリシーを変えるよう迫っていた。リーダーアプリとは、NetflixやSpotify、Audible、Dropboxなどのように、ユーザーが購入したコンテンツやコンテンツのサブスクリプションを提供するアプリで、そのコンテンツはデジタル雑誌や新聞、本、オーディオ、音楽、ビデオなどさまざまだ。

AppleでApp Storeを統轄しているPhill Schiller(フィル・シラー)氏は、「私たちは日本の公正取引委員会をとても尊敬しており、これまでともに成し遂げたことも高く評価しています。今後、『リーダー』アプリの開発者は、ユーザーのために自分のアプリやサービスをセットアップし管理することが、より容易になり、また同時に、ユーザーのプライバシーの保護と信頼の維持が可能になるでしょう」と述べている。

声明によると、この変更が有効になる2022年まで、Appleは「リーダー」アプリのユーザーのためにガイドラインとレビュープロセスのアップデートを続け、ユーザーと開発者の両方にとってより良いマーケットプレイスでありたいという。

Apple Storesは先週、いくつかのアップデートを発表を行い、開発者が顧客にもっと柔軟に接することができるようにし、また地元のジャーナリストをサポートするためのNew Partner Programをローンチしている。

なお、「リーダー」アプリに関するこの変更はグローバルに適用される。

Appleやその他のテクノロジー巨大企業に対しては、世界中の政府や議会がその市場支配をますます厳しく監視しようとしている。オーストラリアの競走・消費者委員会も、AppleとGoogle、WeChatのデジタル決済システムに対する規制を検討しており、また韓国ではAppleとGoogleがアプリ内での購入に独自の決済システムを課すことを制限する最初の国となった

Appleの登録開発者は3000万人を超えている。

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画像クレジット:Kiichiro Sato/AP

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(文:Kate Park、翻訳:Hiroshi Iwatani)

アップルが「デジタル免許証」をサポートする最初の2州を確保するも、プライバシーに関する疑問は残る

人々のお財布をデジタル化するというApple(アップル)の計画は、徐々に形になってきている。最初は飛行機の搭乗券や会場のチケットだったものが、後にクレジットカード地下鉄の乗車券学生証などに広がった。同社が次にデジタル化することを目指しているのは運転免許証や州発行の身分証明書で、年内に予定されているiOS 15のアップデートでサポートする予定だ。

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しかし、そのためには州政府の協力が必要だ。というのも、米国で運転免許証やその他の身分証明書を発行しているのは州政府であり、州ごとに身分証明書の発行方法は異なるからだ。Appleは米国時間9月1日、デジタル運転免許証や州発行の身分証明書を導入するために、これまでにアリゾナ州とジョージア州の2つの州との提携を確保したと発表した。

コネチカット州、アイオワ州、ケンタッキー州、メリーランド州、オクラホマ州、ユタ州がこれに続く見込みだが、展開のスケジュールは明かされていない。

Appleは2021年6月に、デジタル免許証とデジタルIDのサポートを開始すると発表した。また、米国内を飛行機で移動する際に必要なのは州発行のIDのみであることから、運輸保安局(TSA)はいくつかの空港でiPhoneからのデジタル免許証の受付を開始する最初の機関となる、とも述べた。TSAのチェックポイントでは、デジタルウォレットをIDリーダーにタップして提示することができるようになる。Appleによれば、この機能は安全で、携帯電話を係員に渡したりロックを解除する必要はないという。

デジタル免許証とIDのデータはiPhoneに保存されるが、運転免許証は参加州による照合が必要だ。何百万人ものドライバーや旅行者をサポートしつつ、偽IDの混入を防ぐためには、それが大規模かつ迅速に行われなければならない。

免許証や身分証明書のデジタル化の目的は、特定の問題を解決することではなく、利便性だ。しかし、この動きはプライバシー専門家からは信頼を得られていない。彼らは、Appleがこの技術をどのように構築し、それにより最終的に何を得るのかについて、透明性に欠けていると嘆いている。

Appleは、デジタルID技術がどのように機能するのか、また、iPhoneにデジタル免許証を登録するプロセスの一環として州政府がどのようなデータを取得するのかについて、まだ多くを語っていない。また、同社は自撮り写真を撮影してユーザーを認証するという、未発表の新しいセキュリティ認証機能にも取り組んでいるが、これは他人が勝手に免許証を使用するのを防ぐためらしい。これらのシステムに本質的な問題や欠陥があるというわけではないが、Appleが今後答えるべき、プライバシーに関する疑問が多くある。

しかし、米国内のデジタル免許証やIDの断片的な状況は、Appleの参入をもってしても、一夜にして見通しが良くなるということはないだろう。MuckRockによる最近の公文書開示請求では、Appleは2019年の時点で、カリフォルニア州やイリノイ州を含むいくつかの州とiPhoneにデジタル免許証やIDを導入することについて接触していたことがわかったが、現在はどちらの州もAppleから発表されていない。

ウィスコンシン州サウスカロライナ州ロードアイランド州は、WWDCで発表されたまさにその日にAppleのデジタル免許証計画を知ったため、導入はさらに遅れると思われる。

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画像クレジット:Apple / supplied

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(文:Zack Whittaker、翻訳:Aya Nakazato

噂のアップルiPhone衛星通信は緊急通報・メッセージ限定、との報道

噂されている次期iPhone向けの衛星通信機能は、BloombergのMark Gurman(マーク・ガーマン)氏の記事によると緊急時の使用に限定されているようだ。数日前、よく知られているアナリストMing-Chi Kuo(ミン・チー・クオ)氏は記事で次期iPhoneは低軌道衛星通信による通話とメッセージをサポートすると述べていた。しかしガーマン氏の情報源は、Apple(アップル)は少なくとも今はiPhoneを実際の衛星電話にはしないと述べた。衛星通信ネットワークを活用する少なくとも2つの緊急関連機能を開発中、とのことだ。

1つ目の機能は衛星経由の緊急メッセージで、iMessage 、SMSに続くプロトコルとしてメッセージアプリに追加される。社内コードネームはStewieで、ユーザーは電波が届かない場所でも緊急サービスにテキストを送ることができる。これは山中や森の中など人里離れた場所での緊急事態時に特に重宝する機能だ。

衛星通信機能ではまた、受信側のラインに緊急SOSをタイプすることで緊急連絡先にテキストを送ることもできる。メッセージは短い文字数に制限されるが、発信者の連絡先の人にはiPhoneがおやすみモードに設定されていても通知が届く。衛星メッセージは認識しやすいよう、青や緑ではなくグレーのバブルで表示される。ゆくゆくは衛星通信で通話にも対応するようになるかもしれない。

Appleはまた、ユーザーが航空機事故や火事など危機的状況を報告できるという2つ目の衛星通信機能にも取り組んでいると報道されている。このシステムでは、ユーザーは長々と事故を報告でき、そして捜索救難サービスが必要な人がいるか、周辺に武装している人がいるか、といった詳細も尋ねられる。また、自動的に通報者の位置情報と既往歴、年齢、薬の服用、身長・体重などヘルスアプリにある詳細を当局に送ることができる。そして通報者の緊急連絡先に通知することも可能だ。

いずれの機能も有用なようだが、利用できるかどうかは衛星の位置とカバー範囲によって制限される。一部の地域では利用できないかもしれず、またiPhoneが衛星と通信できるところでは屋外に出なければならないケースもあるかもしれない。加えて、ガーマン氏の情報源の人物はこれら機能が年末までに使えるようにはならないだろうと述べた。これは、9月発表が予想されている次期iPhoneではまだ衛星通信を使ってメッセージを送ることはできないことを意味する。

編集部注:本記事の初出はEngadget。Mariella Moon氏はEngadgetの共同編集者。

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画像クレジット:Apple

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(文:Mariella Moon、翻訳:Nariko Mizoguchi

世界初、韓国がグーグルとアップルのアプリ内課金手数料を抑制する「反グーグル法」可決

韓国国会は現地時間8月31日、何度も延期されてきた「反グーグル法」を可決した。この法案は、Google(グーグル)とApple(アップル)が、市場を支配する2つのアプリストア向けのアプリを開発する際に、両社のアプリ内決済システムを利用するようデベロッパーに義務付けることを禁じるもので、検索の巨人Googleにちなんだ名称だが、より広範な内容となっている。

この法案は、GoogleとAppleが自社のアプリ内決済システムを開発者に強要することを防ぐために、政府が介入した世界で初めてのケースだ。

GoogleとAppleは、他の市場での両社のシステムの制限的な側面についてますます厳しい目を向けられるようになっており、今回の韓国での動きが転機となって、他の国でも同じような措置が取られるかどうかに注目が集まっている。メディアの報道によると、オーストラリアの競争・消費者委員会(ACCC)も、AppleとGoogle、さらにWeChatのデジタル決済システムに対する規制を検討しているとのこと。

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韓国の予備委員会は8月25日、GoogleとAppleがアプリ内課金でアプリ開発者に手数料を請求する慣行を制限しようとする電気通信事業法改正案を進めることを承認した。

2020年8月以降、韓国の国会議員たちは、世界的なテック企業がアプリ決済市場で支配力を振るうことを禁止する法案を提出してきた。

Googleは2021年3月、アプリ開発者からの批判を鎮めるために、アプリ内課金の手数料を当初の30%から15%に引き下げた。しかしその4カ月後には、新しいアプリ内課金システムの導入を2022年3月に延期すると発表した。

Appleは8月、米国のソフトウェア開発者らが同社を相手取って起こした訴訟の和解案を提示した。その内容は、アプリ開発者がiOSアプリやApp Store以外での支払い方法をユーザーに指示できるようにするというものだったが、アプリ自体に別の支払い方法を組み込むことまでは認めていない。

Appleは声明の中で「提案されている電気通信事業法は、他のソースからデジタル商品を購入するユーザーを詐欺のリスクにさらし、プライバシー保護を弱め、購入の管理を困難にし、(子ども向けの)『承認と購入のリクエスト』やペアレンタルコントロールなどの機能の効果が失われることにつながる」と懸念を示していた。

Googleのコメントは得られていない。

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(文:Kate Park、翻訳:Aya Nakazato)

アップルがクラシック音楽配信サービスのPrimephonicを買収

米国時間8月30日、Apple(アップル)はクラシック音楽の提供を拡大するために、Primephonic(プライムフォニック)を買収したことを発表した。2014年にスタートしたアムステルダムを拠点とするPrimephonicは、これまでApple Musicの一般的なストリーミングのアプローチでは不足していた音楽ジャンルに、特に大きな貢献をすることになる。

サービスはApple Musicのプラットフォームに吸収されるため、単独での提供は事実上終了する。米国時間9月7日にPrimephonicは終了し、Appleは自社のストリーミングサービスをベースにしたクラシック音楽アプリを2022年に立ち上げる準備を進める。

Primephonicの共同創業者でCEOのThomas Steffans(トーマス・ステファンス)氏は、Appleが発表したプレスリリースの中で「アーティストのみなさんには、Primephonicのサービスと私たちがクラシック音楽の世界で行ってきたことを気に入っていただいていると思っていますが、今回Appleと一緒になることで、より多くのリスナーのみなさんに最高の体験を届けることができるようになります」と語っている。「クラシック音楽をメインストリームにお届けし、新世代の音楽家と次世代の観客を結びつけることができるのです」。

2020年発表されたPrimephonicのCTO Henrique Boregio(エンリケ・ボレジオ)氏へのインタビューによれば、150カ国でサービスが開始されているとのことだった。また、一般的なストリーミングサービスに比べて、より高い年齢層の人々が利用しているようだ。

エンリケ・ボレジオ氏は、2020年にMixpanel(ミックスパネル)に対して「当社のユーザーの多くは55歳以上で、高学歴で比較的裕福な生活を送っていらっしゃいます」と語っている。「クラシック音楽が好きになってお金持ちになるのか、それともその逆なのかわからないね、とオフィスでは冗談を言っています」。

Appleはこの先行う提供に関して「Apple Musicのクラッシックファンのみなさまは、作曲家やレパートリーごとのより優れたブラウジングや検索機能、クラシック音楽のメタデータの詳細な表示、さらに新しい機能や特典などの、Primephonicの最高の機能を備えた体験をお楽しみいただけるようになります」とコメントしている。

新しいクラシック音楽サービスが開発されている間、Primephonicの既存のユーザーには、Apple Musicの6カ月間 無料利用という形の特別提供を行う。

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画像クレジット:Westend61 / Getty Images

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(文: Brian Heater、翻訳:sako)

米国政府・自治体はアップルとグーグル共同開発のコロナ接触通知APIを活用できず大失敗との調査結果

米国政府・自治体はアップルとグーグル共同開発のコロナ接触通知APIを活用できず大失敗との調査結果

ArtMarie via Getty Images

Googleとアップルが共同開発した新型コロナ接触通知APIは世界各国のアプリに採用され、日本ではAndroid版の「COCOA」が数か月にわたって事実上機能していなかった一件もありつつも、英国では6000人もの命を救ったと推計されています。

しかしGoogleとアップルの本国である米国では、このAPIを使ったアプリはほとんど失敗に終わったとの調査結果が発表されています。

米Business Insiderの調べによると、米国の多くの州ではアプリ開発さえ行われず、作られても利用率も低く、わざわざアプリに感染記録を残しているユーザーもほとんどおらず、まるで役に立ってないと判明したとのことです。

この報告では、連邦政府から個人に至るまで様々な失敗例が紹介されています。まず最初の問題は、ホワイトハウス(米行政府)が米国で共通の接触通知アプリを作らず、各州に委ねていたことです。

FTC(米連邦取引委員会)の元チーフテクノロジストは、個々の州にアプリ開発を任せたことが全国的な認知度を高め、ユーザーに検査結果を入力してもらう努力を妨げたのではないかと推測。さらに「もし連邦政府がシステムを支援し、このアプリや同種のアプリを全米に広く展開していたら、この数字(使用率)はおそらく大きく変わっていたでしょう」と述べています。

第2に、米国の約半数の州がそもそもアプリを開発しない道を選んだことです。サービスを利用できた28州および準州の人口は約1億8680万人。つまり、残り1億4150万人(全人口の43.1%)もの米国人が一切カバーされなかったわけです。

第3にアプリを展開した州でも、プロモーションや教育が不十分であったため、利用率が極めて低かったことです。一部の州では住民にサービスを検討してもらうことさえ困難であり、たとえばアリゾナ州では人口の1.3%しかアプリを導入しないまま、2021年7月にはプログラムを終了したとのことです。ほかミシガン州では住民の6.3%、ワイオミング州では0.69%(約4000人)しかアプリを入れなかったという低調ぶりです。

最後に、新型コロナの陽性反応が出た人々のうち、実際にアプリに記録した人はわずか2%でした。接触通知アプリは、陽性診断を受けた本人がアプリを通じて報告し、その人と濃厚接触した可能性のある人々に警告することが目的のため、98%もの陽性ユーザーが記録を付けなければまったく意味を成さないことになります。

これは同じAPIを使っている英国民保険サービス(NHS)のアプリでは、実に感染ユーザーの40%以上が報告していたこととは対照的ではあります。

米9to5Macは、多くの米国人が接触通知アプリを「自分の居場所や会った人を追跡している」と勘違いしていたと指摘。その原因のひとつは偽情報ではあるのですが、もう一つは政治家らが接触通知アプリを使っても安心だと説得するどころか、アプリの使用に積極的に反対していたためだと推測しています。

新型コロナワクチンについてもYouTubeで誤情報を拡散する動画がはびこっているほか、ロシアが自国製ワクチン売込みのために偽情報を広めているとの報道もありました

人類と新型コロナとの戦いは、一方で人流を減らしたりワクチン接種を進めるといった物理的な対策をしつつ、他方では反ワクチン主義者の出会い系アプリなど誤情報を抑止することも必須のため、いっそう困難となっているといえそうです。

(Source:Business Insider。Via 9to5MacEngadget日本版より転載)

アプリ開発者は今後、アップルに手数料を支払わなくてすむ直接購入をユーザーへ提案可能に

米国時間8月26日、Apple(アップル)は、米国の開発者から同社に提起されていた訴訟について、和解案に合意したことを明らかにした。この和解案にはいくつかの変更点が含まれており、その中でも最大の変更点は、開発者がiOSアプリやApp Store以外で購入した支払い方法に関する情報を共有できるようになることだ。これにより、開発者は、Appleの手数料の対象にならない支払い方法についてユーザーに伝えることができる。また、この和解案には、価格帯の拡大や、アプリの審査プロセスに関する新たな透明性レポートが含まれている。

この集団訴訟は2019年4月に、アプリの開発者であるDonald Cameron(ドナルド・キャメロン)氏とイリノイ州のPure Sweat Basketballにより起こされたもので、AppleがiPhoneアプリのダウンロードをApp Storeに限定する反競争的な行為を行っているとしている。

本日の発表でAppleは「開発者が電子メールなどのコミュニケーション手段を利用して、iOSアプリ以外の支払い方法に関する情報を共有できることを明確にしています。開発者のみなさんは、常に自分たちのアプリやApp Store以外で行われたいかなる購入に対しても、Appleに対して手数料を支払うことはありません」と述べている。

これにより、開発者は電子メールや「その他の通信サービス」を利用して顧客とコミュニケーションをとることができるようになる。これまでAppleは、App Storeの規則で開発者に対してアプリ内で取得した連絡先情報を使い、アプリ外でユーザーに連絡することを禁じていた。今回の和解案では、この規則がすべてのアプリカテゴリーで解除されるため、開発者は同意したユーザーに対して、Appleの手数料を回避する支払い方法を伝えることが可能になる。

価格帯については、Appleは開発者が利用できる価格帯の数を100以下から500以上に拡大するとしている。また、アプリの審査プロセスに関する情報を共有するために、新たな年次透明性レポートを発行することに合意している。このレポートには、何本のアプリが却下されたか、無効化されたユーザーおよび開発者アカウントの数、「検索クエリと結果に関する客観的なデータ」、App Storeから削除されたアプリの数などが含まれる。

また、米国のApp Storeを通じて100万ドル(約1億1000万円)以下の収入を得た米国内の資格ある開発者を対象に、新たなファンドを創設するとしており、これには米国内の開発者の99%が含まれる。訴訟で原告を代理する法律事務所の1つであるHagens Bermanは、このファンドの規模は1億ドル(約110億円)で、250ドル(約2万7600円)から3万ドル(約330万円)の範囲で支払いが行われるという。

Cameron et al v. Apple Inc. proposed settlement by TechCrunch on Scribd

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画像クレジット:TechCrunch

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(文:Catherine Shu、翻訳:Hiroshi Iwatani)

米テック大企業トップがホワイトハウスで会合、サイバーセキュリティ強化で巨額拠出を約束

テック大企業のApple(アップル)、Google(グーグル)、Microsoft(マイクロソフト)は、Joe Biden(ジョー・バイデン)大統領との会合に出席し、米国のサイバーセキュリティ強化で巨額の拠出を約束した。

金融や教育の分野からの出席者も含まれた今回の会合は、重要なインフラやいくつかの政府機関に対する有名なサイバー攻撃を受けて開かれた。サーバー攻撃ではサイバーセキュリティのスキルギャップがあることが明るみに出た。CyberSeekのデータによると、現在米国ではサイバーセキュリティに関連する約50万人の求人があり、それらはまだ埋まっていない。

「我々の重要なインフラの大半は民間セクターによって所有・運営されていて、連邦政府だけでこの問題に対処できません」とバイデン大統領は会合の冒頭に述べた。「今日みなさんにお集まりいただいたのは、あなた方がサイバーセキュリティについての水準を引き上げるパワー、能力、そして責任を有していると考えているからです」。

増加傾向にあるサイバー攻撃に対する戦いで米国をサポートするために、テック大企業はサイバーセキュリティ防衛を強化し、スキルを持つサイバーセキュリティ労働者を訓練するために多額を投資することを約束した。

ホワイトハウスによると、Appleは多要素認証の「浸透」とセキュリティ訓練を促進するために米国内の9000超のサプライヤーと協業すること、そして引き続きテクノロジーサプライチェーン全体でセキュリティ改善を促進するために新しいプログラムを設けることを約束した。

Googleはゼロトラストプログラムを拡大し、ソフトウェアサプライチェーンを安全なものにするために、そしてオープンソースのセキュリティを強化するために今後5年間で100億ドル(約1兆1000億円)超を投資すると述べた。検索と広告の大手である同社はまた、ITサポートやデータ分析、そしてデータプライバシーとセキュリティを含む最も需要の高いスキルの習得といった分野で米国人10万人を訓練することも約束した。

「強固なサイバーセキュリティは最終的には実行する人がいるかどうかに左右されます」とGoogleのグローバル問題責任者、Kent Walker(ケント・ウォーカー)氏は述べた。「中でも、サイバーセキュリティソリューションをデザインして実行することができる、あるいはサイバーセキュリティリスクとプロトコルの啓発を促進することができるデジタルスキルを持つ人が必要とされています」。

そしてMicrosoftはデザインでサイバーセキュリティを統合し「高度なセキュリティソリューション」を提供するために200億ドル(約2兆2000億円)を拠出すると述べた。また、キュリティ保護のアップグレードで連邦政府や州政府、地域の行政をサポートすべく、テクニカルサービスにただちに1億5000万ドル(約165億円)をあて、サイバーセキュリティ訓練で地方の大学や非営利組織との提携を拡大する、と発表した。

Amazonのクラウドコンピューティング部門であるAmazon Web Services (AWS)やIBMも会合に出席した。AWSはセキュリティ啓発トレーニングを一般も利用できるようにし、全AWS顧客に多要素認証デバイスを整備すると明らかにした。IBMは今後5年間で15万人にサイバーセキュリティスキル訓練を提供すると述べた。

多くの人がテック大企業の約束を歓迎し、Nominet CyberのマネージングディレクターDavid Carroll(デイビッド・キャロル)氏はTechCrunchに対し、これらの最新の取り組みは「強力な前例」となり「本気で戦う」ことを示していると話した。その一方で、サイバーセキュリティ業界の一部の人は懐疑的な目を向けた。

発表を受けて、一部の情報セキュリティのベテランは、米国が埋めようとしているサイバーセキュリティ職の求人の多くは給与面や福利厚生面で遅れをとっている、と指摘した。

「50万件のサイバーセキュリティの求人があり、ほぼ同じだけ、あるいはそれを上回る人が職を求めています」とテクノロジー分野の女性をサポートする財団TechSecChixの創業者、Khalilah Scott(カリラ・スコット)氏はツイートした。「理に適うようにしましょう」。

画像クレジット:Drew Angerer / Getty Images

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(文:Carly Page、翻訳:Nariko Mizoguchi

アップルの天気アプリに空気質指数を提供するBreezoMeterが「山火事トラッカー」発表

BreezoMeter(ブリゾメーター)は、環境汚染による健康ハザードをできるだけ多くの人に知ってもらうことを使命としている。イスラエルを拠点とする同社は、空気質指数(Air Quality Index、AQI)の計算を通じて、今では数十カ国で数メートル単位の大気質を識別できるようになった。また、Apple(アップル)との提携により、同社のデータをiOSの「天気」アプリや自社の人気アプリに組み込み、さらに他企業が独自の目的でデータセットを利用できるAPI製品を通じ、数億人のユーザーにこれらの指標を提供している。

数週間前に3000万ドル(約33億円)のシリーズCラウンドを調達したのに続いて、同社は新製品「Wildfire Tracker(森林火災トラッカー)」を発表し、大気の質から山火事の周辺地域のリアルタイム検知へと製品を放射状に拡大した。

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この新製品は、同社のセンサーデータ、衛星画像、現地の目撃情報を融合して、山火事の範囲をリアルタイムに把握することができる。共同設立者兼CEOのRan Korber(ラン・コーバー)氏はこう語った。「人々は、正確な天気や湿度のデータを期待するのと同じように、正確な山火事情報を求めています。彼らの生活に、直接影響する情報だからです」。同氏はさらに、BreezoMeterは「気候テックと人の健康をつなぐ橋渡し役になっていきたい」と付け加えた。

火災危険区域はポリゴンの境界線で赤く表示され、従来通り、これらの区域とその周辺地域の大気質データを見ることができる。

BreezoMeterの大気質マップは、山火事の汚染の広がりを簡単に示すことができる(画像クレジット:BreezoMeter)

コーバー氏は、そうした境界線を数十カ国にわたって正確に把握するのは、簡単なことではないと強調した。特に山火事が発生するような森林では、センサーの数が少ないこともある。また、熱画像を中心とした衛星データは惑わされることがあり得る。同氏は「私たちは異常を探しているわけですが、多くの場合、誤検出が起こります」という。例えば、大規模なソーラーパネルアレイは、熱センサーでは非常に熱く見えるが、明らかに火災ではない。

このようにして特定された火災の周辺地域は、BreezoMeterの大気質マップウェブサイトで消費者に無料で提供され、まもなく同社のアプリにも導入される予定だ。また、2021年後半には、これらの境界線を同社のAPIから商業顧客向けに提供する予定だという。コーバー氏は、APIエンドポイントを利用することで自動車メーカーなどの企業が、ドライバーに火事が近づいていることを警告できるようになると期待している。

今回の新機能は、BreezoMeterが長年にわたって行ってきた製品の拡張の延長線上にあるものだ。「設立当初は、大気質のみ……それもイスラエル国内の大気汚染を予測するだけのものでした」とコーバー氏はいう。「それ以来、ほぼ毎年、新しい環境ハザードに製品ポートフォリオを拡大してきました」。2018年には花粉情報が追加され、アプリのグローバル化が進んでいることを同氏は指摘した。

山火事の検知は、VC投資家にとって最近ホットな分野だ(失礼)。例えば、Corneaは消防士が火災を検知して軽減することに焦点を当てたスタートアップであり、Perimeterは山火事の境界範囲を識別して、地図付きの明確な避難指示を出すことを目指している。シリコンバレーのあるカリフォルニア州をはじめ、世界中の多くの地域で森林火災が多発するようになってきている中、この分野への投資や製品の投入が増えることが予想される。

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画像クレジット:David Odisho/Bloomberg / Getty Images

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(文:Danny Crichton、翻訳:Aya Nakazato)

【コラム】Apple Cardをめぐる米国の法執行はどのように間違ったのか

編集部注:本稿の著者Liz O’Sullivan(リズ・オサリバン)氏は、企業のモデルリスクとアルゴリズムのガバナンスを自動化するプラットフォームParityのCEO。また、Surveillance Technology Oversight ProjectやCampaign to Stop Killer Robotsに対して、人工知能に関するアドバイスを行っている。

ーーー

アルゴリズム正義の支持者たちは、UHGApple Cardのような企業に対する法的調査によって、いわゆる「裁判の日々」を迎え始めている。Apple Card訴訟は、定量化可能な公正性という新たな分野において、現在の反差別法が科学的研究の急速なペースに追いついていないことを示す好例である。

Appleとその引受会社が公正貸付違反を犯していないと判断されたのは確かかもしれないが、今回の判決は、あらゆる規制区域で機械学習を利用している企業に対する警鐘となり得る、明確な警告を提示した。経営陣がアルゴリズムによる公正さをもっと真剣に受け止め始めない限り、彼らの前途は法的な問題と評判の低下に満ちたものになるだろう。

関連記事:Apple Cardプログラムは公正貸付法に違反していないとNY州金融サービス局が報告

Apple Cardに何が起きたのか

2019年後半、スタートアップのリーダーでありソーシャルメディアで著名なDavid Heinemeier Hansson(デイヴィッド・ハインマイヤー・ハンソン)氏は、Twitter上で重要な問題を提起し、大きな反響と称賛を巻き起こした。「いいね!」やリツイートが5万件近くある中、同氏はAppleと引受パートナーのGoldman Sachs(ゴールドマン・サックス)に対し、同じ金銭的能力を持つ同氏と同氏の妻に付与される信用限度額が異なる理由を説明するよう求めた。アルゴリズムの公正性のフィールドに立つ多くの関係者にとって、私たちが提唱する問題がメインストリームになるのを目にすることが重大な分岐点となり、結果的にニューヨーク州金融サービス局(DFS)からの照会に結実した。

DFSが2021年3月に、ゴールドマンの引受アルゴリズムについて、1974年に制定された女性やマイノリティを差別融資から保護する厳格な金融アクセス規則に違反していないと結論づけたことは、一見したところ、信用引受会社にとって心強く思えるものかもしれない。活動家にとっては残念な結果だが、財務部門のデータチームと密接に協力している私たちにとっては驚く結果ではなかった。

金融機関向けのアルゴリズムアプリケーションの中には、試行のリスクが利益をはるかに上回るものがあり、信用引受もその1つだ。貸付の公正性に関する法律は(古いものであれば)明確かつ厳格に施行されるため、ゴールドマンが無罪となることは予測できた。

とはいえ、ゴールドマンのアルゴリズムが、現在市場に出回っている他のすべての信用スコアリングおよび引受のアルゴリズムと同様、差別化していることは疑いの余地がない。また、仮に研究者がこうした主張を検証するために必要なモデルやデータへのアクセスを許可されたとしても、これらのアルゴリズムが崩壊することはないだろう。私がこれを知っているのは、ゴールドマンのアルゴリズムを検証するための方法論をニューヨーク州DFSが部分的に公開したからであり、ご想像の通り、その監査は、今日の最新のアルゴリズム監査人によって保持されている標準には遠く及ばないものだった。

DFSは(現行法の下で)Apple Cardの公正性をどのように評価したか

DFSは、Appleのアルゴリズムが「公正」であることの証明として、ゴールドマン・サックスが申請者の性別や配偶者の有無などの「禁止された特性」を利用していたかどうかを最初に検討した。これはゴールドマンにとってパスするのは容易だった。人種、性別、婚姻状況をモデルの入力に含めていないからだ。しかし、いくつかのモデル特性が、保護されたクラスの「プロキシ」として機能し得ることは、何年も前から知られている。

50年間の判例に基づくDFSの方法論では、この問題を検討したかについて言及されていないが、検討されなかったことは推測できる。もしそうであれば、信用スコアと人種との間に強い相関関係があることがすぐに判明するはずだ。それに関連して、一部の州では損害保険への利用を禁止することを検討している。プロキシ特性は最近になって研究の焦点になったばかりであるが、科学がいかにして規制を凌駕してきたかを示す第1の例を提供するものだ。

保護された特性がない場合、DFSは、内容は類似しているが、異なる保護クラスのユーザーに属する信用プロファイルを調査した。不正確な感じがするが、申請書で性別を「フリップ(反転)」させた場合に信用供与の決定にどのような影響があるかを明らかにしようとした。男性申請者の女性バージョンも同じ扱いになるかということだ。

直感的には、これは「公正」を定義する1つの方法のように思える。機械学習の公正性の分野には「フリップテスト」と呼ばれる概念がある。これは「個人の公正性」と呼ばれる概念の多くの尺度の中の1つであり、まさにそのように聞こえる。筆者は、AI専門の大手法律事務所bnh.aiの主任研究員であるPatrick Hall(パトリック・ホール)氏に、公正貸付の事例を調査する上で最も一般的な分析について尋ねた。DFSがApple Cardを監査するのに使用した方法を参照して、同氏はそれを基本回帰、または「フリップテストの1970年代バージョン」と表現し、不十分な法律について第2の例を提示した。

アルゴリズム的公正性のための新しい語彙

Soron Barocas(ソロン・バロカス)氏の独創的な論文「Big Data’s Disparate Impact」が2016年に発表されて以来、研究者たちは哲学の核となる概念を数学的な用語で定義することに熱心に取り組んできた。いくつかのカンファレンスが開催され、最も注目すべきAIイベントで新たな公正性の道筋が示された。この分野は高度成長期にあり、現在のところ法律が追いついていない状況だ。しかし、サイバーセキュリティ業界に起きたように、この法的猶予は永遠には続かないだろう。

公正な貸付を管理する法律は公民権運動から生まれたもので、制定以来50年以上の間にあまり進展が見られなかったことを考えると、DFSの軟式監査は容認できるかもしれない。法律上の前例は、機械学習の公正性に関する研究が本格的に始まるずっと前のものだ。もしDFSが、Apple Cardの公正性を評価するという課題に適切に対処できるように装備されていれば、過去5年間に花開いたアルゴリズム評価のための堅牢な語彙を使用することができただろう。

例えばDFSの報告書は、Joy Buolamwini(ジョイ・ブオラムウィニ)氏、Timnit Gebru(ティムニット・ゲブル)氏、Deb Raji(デブ・ラジ)氏による、2018年に発表された調査の中の有名な規準「equalized odds」の測定については触れていない。同氏らの論文 Gender Shades」では、顔認識アルゴリズムが明るい肌の被験者よりも暗い女性の顔で間違った推測をすることが多いことを証明しており、この推論はコンピュータービジョンだけでなく、予測に関するさまざまなアプリケーションにも当てはまる。

均等オッズは、Appleのアルゴリズムに対して問うべきものだろう。どのくらいの頻度で信用力を正確に予測しているか。どれくらいの頻度で間違った推測をしているか。性別、人種、あるいは障害ステータスの異なる人々の間でこれらのエラー率に違いがあるか。ホール氏によると、これらの測定は重要だが、法制度を完全に体系化するには新しすぎるという。

もしゴールドマンが、現実世界の女性申請者を常に過小評価していたり、黒人の申請者に対して実際に適用されるべきものよりも高い金利を設定していたりすることが判明すれば、こうした十分なサービスを受けていない人々が、全国規模でどのような悪影響を受けるかは想像に難くない。

金融サービスのCatch-22(落とし穴)

最新の監査人であれば、判例によって指示された方法では、マイノリティのカテゴリー内でのセクション間の組み合わせに対する公正性の微妙な差異を捉えることができないことを認識している。この問題は、機械学習モデルの複雑さによってさらに深刻化している。例えば、あなたが黒人で、女性で、妊娠している場合、あなたが信用を得る可能性は、それぞれの包括的な保護されたカテゴリーの結果の平均を下回るかもしれない。

マイノリティのサンプル数は定義上セット内のより少ない数であることを考えると、これらの過小評価されたグループは、その独自性に特別な注意を払わない限り、システムの全体的な監査から利益を享受することはないだろう。このことから、最新の監査人は、各グループの個人の人口動態を明確に把握した上で結果を測定できる「認知による公正性」アプローチを採用する傾向にある。

しかし「Catch-22(落とし穴)」が存在する。金融サービスやその他の厳格に規制された分野では、監査人は最初から機密情報を収集することができないため「認知による公正性」を利用できないことが多い。この法的制約の目的は、貸し手が差別されないようにすることにあった。運命の残酷なねじれの中で、これはアルゴリズムによる差別を覆い隠し、私たちに法的不備の第3の例を与える。

この情報を収集できないという事実は、モデルが十分なサービスを受けていないグループをどのように扱っているのかを知る上で障害となっている。それがなければ、私たちは実際的に真実であることを証明できないだろう。例えば、専業主婦は両方の配偶者の名前ですべてのクレジットベースの購入を実行するわけではないため、より薄い信用ファイルを確実に持っている。マイノリティのグループは、ギグワーカー、チップを受け取る労働者、または現金ベースの業界に属する傾向が極めて高く、マジョリティにはそれほど一般的ではないことが証明されているような所得プロファイルの共通性がもたらされることが考えられる。

重要な点として、申請者の信用ファイルにおけるこれらの相違は、必ずしも真の財務責任や信用力につながるものではない。信用力を正確に予測するには、その方法(例えば信用スコア)がどのようにブレークダウンするのかを把握する必要があるだろう。

AIを使用する企業にとってこれは何を意味するのか

Appleの例で言えば、同社が時代遅れの法律で守られている差別に対抗するために、信用ポリシーの帰結的なアップデートを行ったという話に希望に満ちたエピローグを挙げる価値がある。AppleのCEOであるTim Cook(ティム・クック)氏は声明の中で「業界が信用スコアを計算する方法に公正性が欠けている」ことを即座に強調した。

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新しいポリシーでは、配偶者や親が信用ファイルを結合して、信用ファイルが弱い方が強い方の恩恵を受けられるようにしている。これは、世界に構造的に存在する差別を実際に減らす可能性のある措置を先を見越して考えている企業のすばらしい例だ。Appleはポリシーを改訂するにあたり、今回の調査の結果として導入されるかもしれない規制に先んじた。

これはAppleにとって戦略的に有利な点と言える。なぜなら、ニューヨーク州DFSはこの分野を支配する現行の法律が不十分であることに徹底的に言及しており、規制のアップデートは多くの人が考えているよりも間近かもしれないからだ。金融サービス監督官Linda A.Lacewell(リンダ・A・レイスウェル)氏の言葉を借りれば「現在の形での信用スコアリングの利用と、融資における差別を禁止する法律や規制は、強化と近代化を必要としている」。規制当局と協働した筆者の経験では、これは今日の当局が極めて熱心に追求していることだ。

米国の規制当局が、自動化と数学における平等に向けた堅牢な語彙を活用して、AIを統制する法律の改善に取り組んでいることは間違いない。連邦準備制度、OCC(通貨監督庁)、CFPB(消費者金融保護局)、FTC(連邦取引委員会)、連邦議会は、ペースが遅くとも、アルゴリズムによる差別に対処することに意欲的である。

その一方で、アルゴリズムによる差別が横行していると信じるに足る十分な理由が存在する。その主なるものとして、業界がここ数年、学術界の言葉を取り入れるのに消極的だったことが挙げられる。企業がこの新しい公正性の分野を活用できず、ある意味で保証されている予測的差別を根絶できないことに対する言い訳の余地はほとんどない。EUは、今後2年以内に採択される予定のAIに特化した法案に同意している。

機械学習の公正性の分野は急速に成熟しており、毎年のように新しい手法が生み出され、無数のツールがそれを助けている。この分野は今になってようやく、ある程度の自動化によってこれを規定できる段階に達しつつある。標準化団体は、米国の法律の採択が遅れている場合でも、これらの問題の頻度と深刻さの低減に向けたガイダンスを提供し、積極的に関与している。

アルゴリズムによる識別が意図的であるかどうかは、違法性を有する。そのため、医療、住宅、雇用、金融サービス、教育、または政府に関連するアプリケーションで高度な分析を使用している場合、誰もが知らずにこれらの法律に違反している可能性がある。

センシティブな状況下でのAIの無数のアプリケーションについて、より明確な規制ガイダンスが提供されるまでの間、業界はどのような公正性の定義が最善かを自力で判断する必要がある。

画像クレジット:SOPA Images / Getty Images

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(文:Liz O’Sullivan、翻訳:Dragonfly)

米国の第2四半期PC販売台数は17%増もパンデミック需要反動で伸びは鈍化

Canalysは8月25日、米国の第2四半期のPC販売台数を発表した。販売台数は前年同期比17%増と極めて好調だった一方で、伸びはパンデミックによって74%増を記録した前四半期から大きく鈍化した。おそらく、原因はあちこちで報道されている世界的なチップ不足だ。

HPがマーケットシェア21.9%で第2四半期連続でトップの座を維持し、販売台数は前年同期に比べて20%超増えた。Appleが変わらず第2位で、マーケットシェアは20.6%だった。ただ、同社の成長率がマイナス2.8%に落ち込んだのは注目に値する。

関連記事:米国の2021年第1四半期のPC出荷台数は73%増、Chromebookが好調

Dellがマーケットシェア15.6%で第3位となり、Lenovoが12.4%で続いた。前年同期からの成長率に目を向けると、Samsungが50%超と最も高い成長をみせたがマーケットシェアはわずか8%強にとどまった。

画像クレジット:Canalys

Canalysの調査アナリストBrian Lynch(ブライアン・リンチ)氏は、2020年から2021年にかけてこの部門で目にしてきたパンデミック由来の成長が今後も続き、経済のリバウンドが続くのにともなって消費者の買い替えの兆しが見えてくる、と楽観的だ。

「商業部門と教育部門が爆発的に伸び、かなりの買い替え需要を引き起こしています。米国経済はパンデミック問題から立ち直り、零細企業も復活しています。これはPCの購入につながります」とリンチ氏は声明で述べた。

合計で3680万台が販売され、伸び率はノートブックが27%増、デスクトップは23%増、タブレットは停滞気味で実際には1%減だった。この前年割れについてCanalysは教育マーケットがタブレットから移ったこと、多くの人が家に留まることを余儀なくされたときにタブレットを購入し、すぐには買い替えないことを挙げた。

にもかかわらず、タブレット部門でAppleはシェア45%と確固たる地位を築いている。その一方でAmazonがシェア22%で第2位の好位置につけ、Samsungが同18%で続いている。

どこかの時点で多くの人が対面学習やオフィスでの業務に戻るにしても、学校や企業の多くがハイブリッド式、あるいは完全リモートのアプローチすら取り続けるのは明らかで、これはPC産業にとって良い兆候であり、チップ不足が最終的に緩和すれば特にそうだろう。

画像クレジット:Ibrahim Sahin / EyeEm / Getty Images

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(文:Ron Miller、翻訳:Nariko Mizoguchi