iOS用の高度なカメラアプリHalideは、AppleのデザイナーだったSebastiaan de WithとTwitterのエンジニアBen Sandofskyが昨年ローンチし、そして今日(米国時間4/30)はこれまでで最大のアップグレードを発表した。このアップグレードには、セルフタイマーや、写真レビュアーの新設計、障害者等向けアクセシビリティの改善、などが含まれる。でも、おそらく、今回の最良の機能は、写真のプライバシーの保護だろう。写真を他と共有する前に、その写真のメタデータから位置情報をなくせるのだ。
Halideがとくに優れているのは、プロフェッショナルなカメラ機能を簡単なジェスチャーで使えることだ。だからアマチュアにもプロにもどちらにとっても、魅力的なアプリだ。
今ある主な機能は、手動の焦点調節ダイヤルや、その逆の自動焦点モード、RAWとJPGをサポート、グリッド/レベルツール、ライブのヒストグラムなどだ。
そして今回のアップデートで、Apple Watchコンパニオンなど、さらに便利な機能が加わった。
Apple Watchのアプリをインストールすると、リモートでフレームを決めたり、Halideのシャッターを切ったり、タイマーをセットしたりできる。つまり、自分の手首から撮影をコントロールできる。
Apple Watchがなくても、セルフタイマー機能がある。設定は3秒、10秒、30秒の三種類だ。起動するとシャッターボタンが押された状態になり、ボタンの近くのアイコンにカウントダウンが表示される。
フォトレビュアーも新しくなった。撮影済みのグリッドをスクロールして、そこからすぐに撮影状態に戻れる。
アクセシビリティの改善ではDynamicとBold Typeが加わり、VoiceOverがサポートされた。Halideの作者たちによると、30秒のタイマーもアクセシビリティを意識した結果だ。素早く動けない人でも、利用できるように。
しかし、今回の最大の変化は、写真のプライバシーだ。
今の写真には、大量のプライベートデータが含まれていることを知らない人や、忘れている人は多い。写真ファイルのメタデータには、カメラやレンズやフラッシュに関する情報や、日付時刻、写真の位置情報などが隠されている。そんな情報は、共有したくないと思うこともあるだろう。Webやソーシャルメディアにポストするときには、とくに。
今度のHalideでは、トグルスイッチのon/offで位置データを削除できる。それにより、FacebookやInstagramやWhatsAppなどに写真を投稿するとき、個々の写真ごとに、位置の共有を制限できる。
アプリのダウンロード数は公表されていないが、Appleのオプトイン方式のアナリティクスによると、月間ユーザー数は10万あまりだ。サードパーティによるユーザー追跡は、行われていない。プロシューマー層というニッチを対象とする有料アプリにしては、いい数字だね。
Sandofskyはこう言っている: “うちはメールやプッシュ通知みたいな成長戦術をやっていないから、この数字を誇りに思うね。このアプリは、多くの人たちの本当のニーズを満たしているのだ、と思う”。
Halideは、App Storeから5ドル99セントでダウンロードできる。