合成データでMLを訓練し機械学習へのエントリーを容易にするRealityEngines

元Googleの役員たちが作ったAIと機械学習のスタートアップであるRealityEngines.AIが米国時間1月28日、ステルスを脱して最初の製品を発表した。

同社が2019年に525万ドル(約5億7300万円)のシードラウンドを発表したとき、CEOのBindu Reddy(ビンドゥ・レディ)氏はミッションについて、機械学習を企業にとってやさしくすると言うだけで、詳しい話は何もなかった。しかし今日チームは、エンタープライズにおけるMLの標準的なユースケースに伴う問題を解決する一連のツールをローンチして、サービスの具体的な内容を明らかにした。それらの問題とは、ユーザーチャーン(中途解約)の予測、不正の検出、営業の見込み客予測、セキュリティの脅威の検出、クラウド支出の最適化などだ。これらにあてはまらない問題には、もっと一般的な予測モデルサービスが提供される。

RealiyEnginesの前は、レディ氏はGoogleでGoogle Appsのプロダクトのトップを、AWSでは業種別AIのゼネラルマネージャーを務めた。共同創業者のArvind Sundararajan(アービンド・スンダララジャン)氏はかつてGoogleとUberに在籍し、Siddartha Naidu(シッダールタ・ナイドゥ)氏はGoogleでBigQueryを作った。同社の投資家は元Google会長Eric Schmidt(エリック・シュミット)氏、Ram Shriram(ラム・シュリラム)氏、Khosla Ventures、そしてPaul Buchheit氏(ポール・ブッフハイト)だ。

レディ氏によると、これら一連の製品を支える基本的な考え方は、企業に機械学習への容易なエントリーを提供することだ。企業自体にデータサイエンティストがいなくてもよい。

人材以外の企業にとっての問題は、ネットワークを有効に訓練するために必要な大量のデータが、往々にして存在しないことだ。AIを試してみたいという企業は多くても、この問題が前途に転がっている巨大な落石のような障害になっていた。RealityEnginesはこの問題を、本物そっくりの合成データを作ることによって解決。それで企業の既存のデータを補うことができる。その合成データがある場合は、ない場合に比べてモデルの精度が15%以上アップするそうだ。

レディ氏は次のように主張する。「敵対的生成ネットワーク(Generative Adversarial Networks、GANS)の最も強力な使い方は、ディープフェイクを作ることだった。ディープフェイクは、部分的に手を加えたビデオや画像で誤った情報を広めることが極めて容易であることを世間に知らしめたから、大衆の心にも訴えた。しかしGANSは、生産的な善用もできる。たとえば合成データセットを作って元のデータと合わせれば、企業に大量の訓練用データがなくても、堅牢なAIモデルを作れる」。

RealityEnginesの現在の社員は約20名で、その多くはML/AI専門の研究者または技術者だ。

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好調なAppleのサービス部門が売上新記録を達成

Apple(アップル)のサービス事業へのさらなる注力は、同社の業績に貢献している。今会計年度の第一四半期において、サービスの純売上は127億ドル(約1兆3866億円)で同社の新記録となり、前年同期比で約17%増加した。

サービスにはiCloudやApple Musicといった既存の製品のほかに、2019年に立ち上げたApple ArcadeやApple TV+などの新しいサブスクリプションサービスも含まれている。

Appleの決算報告は全体としても好調で、売上は予想を超える918億ドル(約10兆202億円)となった。

同社は個別の製品系列の売上を発表しなくなっているが、純売上だけを見てもおよその傾向はわかる。サービスの成長に加えて、ウェアラブルやホーム、そしてアクセサリ部門も急速に成長し、これらの売上も新記録の100億ドル(1兆922億円)に達した。前年同期は73億ドル(約7973億円)だった。

一方、iPhoneの売り上げも同じく好調で、前年同期の520億ドル(約5兆6795億円)に対しておよそ560億ドル(約6兆1161億円)になった。CEOのTim Cook(ティム・クック)氏は決算報告の中で「iPhone 11とiPhone 11 Proの強い需要」に言及している。

MacとiPadにはあまり良いニュースがなく、売上はMacが前年同期74億ドル(約8080億円)であったにも関わらず72億ドル(約7864億円)、iPadは前年同期67億ドル(約7316億円)が60億ドル(約6552億円)となるなど、どちらも減少した。

関連記事: Appleが初の売上10兆円超えで株価上昇

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慢性的な痛みを自然医療で改善するWholyMeがシードラウンド完了

慢性的な痛みを鎮める「自然製品」を作っているWholyMeが、Financière Saint JamesやV1 Capital、Guiborなどの投資家による50万ユーロ(約6000万円)のシードラウンドを完了した。このラウンドにはニューヨークのVCである Joyance Partnersも参加し、「健康と幸福」を追究する新しい科学にフォーカスしている同社は最近、イギリスとヨーロッパにも投資対象を拡大している。

WholyMeは、今回の資金を使って筋肉と関節のための完全にオーガニックなサプリメントや軟膏の最初の製品群を作っていく。最初の製品は大麻を使用した軟膏で、2020年春の発売を予定している。製品は同社の処方に基づいてヨーロッパで生産され、オンラインで販売される。今後はジムなどと契約して、スポーツ好きなミレニアル世代の傷害を防いでいきたい、と同社はいう。(大麻製品は製品、国、各種スポーツ機関などにより、規制に違いがある。日本は大麻取締法により、概ね不可)

同社と同じく自然製品による健康ブランドを販売している競合他社にはTiger BalmやBetterYouなどがあり、また、同社は一般的な鎮痛剤や鎮痛湿布を販売しているVoltarolやDeep Heatなどとも競合する。

同社製品の差別化要因は「従来の鎮痛剤と違って有害な副作用がないこと」だ。同社製品の原料は有機栽培の植物であり、化学合成物や石油化学製品や遺伝子組み換え作物を使っていない。

WholyMeが狙う市場は確かに大きい。自然薬製品の市場はヨーロッパで160億ユーロ(約1兆9228億円)、最近の5年間では年率7%で伸びている、といわれる。

共同創業者のCeline Ivari(セリーヌ・イヴァリ)氏とQuitterie de Rivoyre(キトリ・デ・リボア)氏は、慢性の炎症で苦しんでいる家族を救うために、WholyMe最初の製品を研究開発した。

イヴァリ氏は、「母がひどい炎症で苦しんでいるとき、鎮痛剤など大量の薬を処方されたが、それらには恐ろしい副作用があった。人間の疾病の遺伝的性質を研究して、痛みを管理する正しい方法があることがわかった。自然療法で、彼女の状態は改善した」。

Joyance Partnersのヨーロッパ担当パートナーPaolo Pio(パオロ・ピオ)氏は、声明で「健康と痛みの管理の限界を押し広げようとしているWholyMeを支援できることができてうれしい。彼らは世界に、より大きな幸福をもたらすだろう」と述べている。

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国際宇宙ステーションの商用化に向けてNASAが居住モジュールの設計をAxiom Spaceに発注

NASAは2016年に創業されたヒューストンのAxiom Spaceを、国際宇宙ステーション初の商用居住モジュールの生産者として選んだ。このモジュールは、将来の商用宇宙飛行ミッションの目的地となり、そこでは商用の宇宙旅行者たちにより、居住実験や技術開発などが行われるだろう。そしてそのISSまでの定期的な実用飛行には、SpaceX Crew DragonやBoeing Starlinerのような人間搭載が可能なクラスの宇宙船が使われると思われる。

Axiom Spaceは2016年に創業され、共同創業者でCEOのMichael T. Suffredini(マイケル・T・サフレディーニ)氏が率いている。サフレディーニ氏は以前、NASAのJohnson Space Center(ジョンソン宇宙センター)で、ISSのプログラムマネージャーを務めていた。同社の小さなチームにはNASA出身者が多く、そのスペースモジュールはISSに付設されたあと、同社自身の民間スペースステーションのベースになる予定だ。NASAはISSの供用期間を延長したが、現在のNASAの計画では、その後は民間の軌道ラボや商用の施設がISSに代わるものとして使われることになる。

2018年にAxiomは、Apple(アップル)の創業者Steve Jobs(スティーブ・ジョブズ)氏の豪華ヨットの設計者として知る人ぞ知るデザイナーPhilippe Starck(フィリップ・スタルク)氏をチームに加えて、未来のスペースステーションモジュールのルックスを構想してもらった。それには対話的ディスプレイのある乗員宿所や、地球とその背後の宇宙の絶景が見える半球状ドームなどが含まれている。

このISS用のモジュールは、プライベートな宇宙ステーションとして完全なものではなく、むしろ、既存のスペースステーションの今後の商用化や、さらに将来の低地球軌道における本格的な商用活動への道を拓くための、最初のステップだ。Axiomへの指示には「少なくとも1つの居住可能な商用モジュール」が含まれていて、そこには今後の拡張モジュールの発注も含まれている。納期などの契約条件の詰めが、今後行われるだろう。

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ドイツのプロサッカーリーグがAWSと組んでファン体験の向上を目指す

ドイツのサッカーのトップリーグであるBundesliga(ブンデスリーガ)は米国時間1月24日、ゲーム中のファン体験をもっと面白くするためにAWSとパートナーして人工知能を利用すると発表した。

ブンデスリーガなどを運営する上位団体ドイツフットボールリーグ(DFL)のデジタルスポーツ担当執行副社長であるAndreas Heyden(アンドレアス・ヘイデン)氏によると、これはファンがゲームの放送を見ているだけか、それともオンラインの対話性があるかによって異なるかたちになる。

ヘイデン氏は「ファンがもっとエキサイトするようにテクノロジーを使いこなしたい。ファンの参加性(エンゲージ)が増すことによって、ファン体験のレベルを上げ、放送では適切なタイミングで適切なデータを見せ、アプリやWebでは体験を個人化したい」と語る。

それには個人化されたコンテンツを届けることも含まれる。同氏は「今の時代は一般的に、人々の注意力や関心が長続きしないから、ユーザーがアプリを開いたときの最初のメッセージは、その時のコンテキスト(状況)とその特定のユーザーに最も合ったメッセージでなければならない」と説明する。

ファンにリアルタイムで高度な統計データを見せたり、あるいは応援しているチームにとって重要な瞬間にゴールの可能性を予言してもいい。ヘイデン氏によると、それは数字でストーリーを語ることであり、事後データの報道ではないという。

同氏はさらに「テクノロジーを利用して、テクノロジーがなければ不可能だったストーリーを語りたい。人間の記者ならシュートが入る確率を当てることはできないが、AWSならできる」と続ける。

Amazon(アマゾン)のCTOであるWerner Vogels(ヴェルナー・フォーゲルス)氏によると、AWSのプラットホーム上で機械学習などの技術を利用して観戦体験の質を上げ、若いファン層を引きつけることはどんなスポーツにも有効だ。フォーゲルス氏は「次世代のファンが参加性のある熱心なファンに育つためには、ありとあらゆる手段による拡張ファン体験が必須だ」と語る。

同氏によると、テクノロジーがない時代にはそんな体験は不可能だった。「10年前には不可能だったが、今では機械学習を初めAWSが提供している先進的な技術と、それらの急ピッチな成長進化により、スポーツファンにリアルタイムで新しい体験を届けることができる」とフォーゲルス氏。

ブンデスリーガは単なるサッカーリーグではない。売上ベースでは世界第2位のプロサッカーリーグであり、スタジアムへの観客動員数では世界一だ。DFLとAWSの関係は2015年に始まり、そのときヘイデン氏がリーグのオペレーションをAWS上のクラウドへ移行した。本日の発表は、そこからの流れだ。

同氏によると、ほかのクラウド企業でなくAWSを使うことにしたのは偶然ではない。サッカーの大ファンであるフォーゲルス氏はハイデン氏の長年の知己だ。AWSはDFLに入る前から10年以上使っている。本日の発表は、そんな長い関係の延長線上にある。

関連記事:AWS is sick of waiting for your company to move to the cloud(AWSはあなたの会社がクラウドに移行しないことにしびれを切らしている、未訳)

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Googleが広告のようになった検索結果のデザイン変更を撤回

米国時間1月24日の朝、Googleは検索結果の表示が広告みたいになった、という政治家や消費者やマスコミからの圧倒的な批判を受けて、最近行った検索結果のデザイン変更をさらに変更すると発表した

検索のユーザーが広告をクリックするとGoogleにお金が入る。誰も広告費を払ってない検索結果をクリックしても、Googleの収入にはならない。そこで、広告をいつもの検索結果のように見せればGoogleの収入は増えるだろう。

しかしそれは、企業としてかなり悪質な、少なくとも不道徳なやり方だ。しかもGoogleは昔から「悪を為すなかれ(Don’t be evil)」を社是として掲げてきた (最近、引っ込めたようだが)。

関連記事: Google’s latest user-hostile design change makes ads and search results look identical…ユーザーを敵視するGoogleの最近のデザイン変更は広告と検索結果を同じ外見にした(未訳)

ユーザーは先週、検索結果の変化に気づき始め、今週初めにはそれを告げるツイートも登場した。

Google検索の最近のデザイン変更は、何もかも広告みたいで、なんか変だね。

Googleは、何かを意図したが、その結果が逆になってしまったデザイン変更について、奥歯にモノが挟まったような表現で釈明している。

「2019年、モバイルの検索結果を新しいデザインにした。それを今週からはデスクトップの検索結果にも適用して、サイトのドメインネームとブランドのアイコンを目立たせ、広告には太字で「Ad」(広告)のラベルを付けた」。

Mark Warner(マーク・ワーナー)上院議員(民主党・バージニア州)は、大統領弾劾裁判の審理を休んで、The Washington Post紙に、検索の新しいデザインは悪質だ、と語った。

「Googleは最近の数年間で何度もデザイン変更を行い、そのたびに有料の広告と自然な検索結果がますます区別できなくなっている。これは、プラットホームがその独占力を悪用して商業的利益を上げる典型的な例だ。消費者や広告費を出せない小さな企業が、その犠牲になる」。

Googleはすでに、すべての州で反トラスト嫌疑で調査されているにも関わらず、検索結果のデザインを変えた。

関連記事: 全米50の州と領域の司法長官がGoogleに対する反トラスト法違反の捜査で合意

Googleにとって、理由はシンプルだ。同社の広告収入は近年伸びが鈍っているし、中核的ビジネスも精彩を欠いている。数字を上げようとすると、ダークパターン(いかがわしい操作)の誘惑に駆られてしまう。

実際のところGoogleは、初期にも検索サービスのトップになるために同じ手口を使っている。同社が最初に検索サービスを立ち上げたときには、検索結果と広告ははっきり区別されていた。しかし時が経つにつれて、広告とそうでないものとの区別が、ますます曖昧になっていった。

Googleの広告ラベルの変遷と曖昧化

ユーザー体験のエキスパートで監視Webサイトdarkpatterns.orgの創業者であるHarry Brignull(ハリー・ブリグナル)氏は、Google初期の検索結果について次のように語っている。

「検索結果は即座に表示され、それはリンクと要約を集めたページにすぎなかった。何も加える必要がなく、何かを取り去る必要もないという意味で、それは完全なページだった。しかし彼らが導入したバックプロパゲーション・アルゴリズムは、それまでWebをインデクシングするために一度も使われたことがなかった。これによって競合他社は、後方に置いてきぼりにされてしまった。それは、スーツを着た重役たちがいなくても、技術者だけでWebのルールを壊せることの証拠だった。ごみをすべて捨てて、1つのことだけに集中し、それをとびきり上手にやるのだ」。

ブリグナル氏は、さらに「Googleの野望が変わるにつれて、広告を収める色つきボックスが消え始めた。今では、完全になくなっている」と付け加えた。

Googleは最新の発表で、実験がやり過ぎだったことを認め、結果の表示方法については「今後もさらに実験を続ける」と述べている。

今回はユーザーフィードバックを尊重して実験を撤回した、というGoogleの言い訳

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Q&AプラットホームのQuoraをレイオフが襲う

創業10年のQ&Aプラットホーム、米国マウンテンビュー拠点のQuoraが「ベイエリアとニューヨークのオフィスでスタッフを縮小する」と同社のCEOが米国時間1月23日、サイト上で発表した

投資家たちからそろそろキャッシュフローへの専念を要請されるようになったスタートアップのリーダーの一人としてCEOのAdam D’Angelo(アダム・ダンジェロ)氏は、「『組織を責任性のある方向へスケールする』ために、レイオフと『機構改革』を遂行した」と書いている。

ダンジェロ氏は、レイオフの規模を公表していない。Recodeによると、昨年Quoraは、20億ドル(約2191億円)の評価額で6000万ドル(約65億7500万円)をロックダウンしていた。そのときの社員数はほぼ200名だった。Crunchbaseによると、同社は本日まで2億2500万ドル(約246億円)の資金調達を公表している。投資家は、Benchmark、Peter Thiel、そしてY Combinatorだ。

TechCrunchは現在、同社にコメントを求めている。

ダンジェロ氏は「私たちはバーンレートを持続可能なレベルに下げる必要があり、それによりミッション追求への集中と事業の長期的な成長を可能にしたい。外部資本には依存したくないので、自立と、自分のリソースの細心の管理が、私たちの未来にとって重要である」と語る。

このところ数週間、レイオフの嵐がスタートアップを見舞っている。ソフトバンクのポートフォリオ企業数社に始まり、Mozilla、そして本日は遺伝子検査の23andMeだ。

関連記事:米テック業界で続くレイオフ、遺伝子検査の23andMeでも

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レガシー企業のITをクラウドネイティブ&サーバーレス化するTriggerMesh

オープンソースのKubernetesを利用するエンタープライズサービスのTriggerMeshは、企業がクラウドや従来型のデータセンターで動かしているアプリケーションの「サーバーレス化」を支援する。同社はこのほど300万ドル(約3億2800万円)のシード資金を調達した。

このラウンドをリードしたのは、Index VenturesとCrane Venture Partnersだ。TriggerMeshによると「この投資は同社の開発チームを増員して、同社が自称する業界初の『サーバーレス時代のためのクラウドネイティブな統合化プラットホーム』を提供していくために使いたい」という。

同社の2人の創業者である、CEOのSebastien Goasguen(セバスチャン・ゴアスグエン)氏とCMOのMark Hinkle(マーク・ヒンクル)氏は、どちらもオープンソースの世界では名を知られた人物だ。二人の出身地は、ジュネーブとノースカロライナである。TriggerMeshのプラットホームにより企業は、複数のクラウドやデータセンターにまたがるエンタープライズ級のアプリケーションを構築できる。同社によると、サーバーレスというアーキテクチャがもっと普及するには、そこが克服すべき難関だ。

TriggerMeshのプラットホームとサーバーレスのクラウドバスは、「アプリケーションのフローオーケストレーション」(イベントフローのオーケストレーション)を行い、さまざまなデータセンターアプリケーションやクラウドのイベントソースからのイベントを消費して、サーバーレスのファンクションをトリガーする。

それを同社は「クラウドネイティブのアプリケーションはクラウドで大量のサーバーレスの提供物を使うから、TriggerMeshは宣言的なAPIと各種のツールを提供して、モダンなアプリケーションを構成するイベントフローとファンクションを定義できるようにする」と説明する。

特にTriggerMeshがセールスポイントとして強調するのは、レガシーなエンタープライズなどにおけるオンプレミスソフトウェアとの統合化だ。同社のソフトウェアによりSaaSやサーバーレスのクラウド提供物、そしてオンプレミスのアプリケーションへの接続が容易になり、低コストかつ迅速にスケーラブルなクラウドネイティブアプリケーションを提供できる。

Crane Venture Partnersの共同創業者でパートナーのScott Sage(スコット・セージ)氏が声明で「今は膨大な数の非接続アプリケーションがあり、それらはクラウドコンピューティングや増加する一方のネットワーク接続を十分に利用できない。多くの企業にクラウドとオンプレミスのアプリケーションの何らかの組み合わせがあり、さまざまなベンダーからのアプリケーションが増えるに伴い、統合化のニーズが今や限界まで高まっている。TriggerMeshのソリューションはこのニーズに理想的にフィットしており、そのために魅力的な投資対象にもなっている」と語る。

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マイクロソフトがデュアルスクリーンデバイスの開発ツールをリリース

Microsoft(マイクロソフト)の10月の発表では、同社は1つではなく2つのデュアルスクリーンデバイスを自慢していた。Surface DuoとSurface Neoだ。Surface DuoはAndroidが動き、Surface Neoは「Windows 10 X」と呼ばれる、Windows 10の特殊なフォークが動く、とされていた。

米国時間1月22日、同社はカーテンを少し開けて、デュアルスクリーンのための開発ツールの最初のバッチを披露した。特に、アプリケーションがセカンドスクリーンを何のためにどうやって使うのかについて、ちょっとだけ明らかにした。

Android機であるDuoに関しては前から開発キットが提供されていたが、同社によるとWindowsで動くNeoの開発ツールは数週間後、日付としては2月11日に提供される。

さらに同社によると、これらのデュアルスクリーンデバイスはデフォルトでは画面を一つしか使わない。ユーザーが「span」(広がる)を指定すると、その1つの画面が両方に広がるが、しかし少なくとも現状では、アプリの中からそれを強制することはできない。

アプリが単純に両画面に広がるだけでなく、マイクロソフトは以下のような、2画面の多様な使い方を提示している。

向かって左から、拡張キャンバス、主画面・細部画面、2ページ、二つのビュー、補助画面

マイクロソフトはまた、デュアルスクリーンデバイスのためのウェブの標準的な形を作ろうとしている。例えば、デベロッパーはAPIによりデュアルスクリーンデバイスであることを容易に検出でき、ウェブアプリケーションをそれに適応させることができる。同社によると、Microsoft Edgeのプレビュービルドでは、デュアルスクリーンAPIの初期的なバージョンがもうすぐ提供される。

どちらのデバイスも発売日は確定していないが、どうやら2020年のホリデーシーズンらしい。開発ツールは早く出てほしいものの、画面が2つあるデバイスは少しカッコよくても特別のメリットは感じられない。そのため、このコンセプトを本格的に普及させるには、デベロッパーに2画面の面白い使い方をいろいろ考えてもらうしかない。ちょっと変わったデバイス、ではなく、消費者が「こいつは欲しい!」と思うような使い方を。

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会員制の動物病院Small Doorがニューヨーク7番街に正式オープン

会員制の動物病院Small Doorは米国時間1月22日、米国ニューヨーク7番街に正式オープンした。Small Doorは昨年11月から、この場所にソフトローンチしていた。

同社は2019年の4月に350万ドルのシード資金を調達して注目を浴びた。そのラウンドをリードしたのはLerer Hippeau Venturesで、Primary Venture PartnersBrand Foundry Venturesが参加した。また、Flatiron Healthの創業者であるNat Turner(ナット・ターナー)氏とZach Weinberg(ザック・ワインバーグ)氏、Warby Parkerの共同創業者であるDave Gilboa(デイブ・ギルボア)氏とNeil Blumenthal(ニール・ブルメンタール)氏、そしてSweetgreenの創業者であるJon Neman(
ジョン・ネマン)氏、Nic Jammet(ニック・ジャメット)氏およびNat Ru(ナット・ルー)氏らも参加した。

同社は、動物病院に会員制という新しいやり方を採り入れている。その点は、人間のプライマリケアサービスOne Medicalに似ている。

今の動物病院の問題は、獣医の過重労働と低収入だ。そして患者の待ち時間は長く、診療時間は短く、獣医もプロとしての尊厳ある生活を送れない。Small Doorは、会員制の導入によって獣医がペットの患者を診る時間が増え、患者と飼い主の待ち時間が大幅に減ると考えている。

同社は健康的な動物病院にも配慮している。たとえば待合室は広くて、小さな凹みが随所にあり、待ち時間に動物が他の動物の脅威を感じないようになっている。

会費は、サービスの内容によって段階的だ。たとえば月額12ドルの犬の基本メニューでは、当日または翌日診療と専門医への優先アクセス、そして24時間年中無休の仮想ケアが提供される。月額75ドルの特別メニューでは、年2回の健診、重要な予防接種、年1回の血液検査、フィラリアなどの寄生虫の予防と検査と駆除が含まれる。さらに月額89ドルの最高メニューでは、1カ月に一度のノミ、マダニ、フィラリアの予防処置がある。猫には、月額8ドルから74ドルで上と同様のメニューがある。

Small Doorは企業の形態として公益社団法人を選び、獣医とペットの両方が株主だ。今、獣医師の自殺が問題になっている。負債の増大や同情疲労、重労働、飼い主のわがままなどがその原因だ。

創業者のJosh Guttman(ジョシュ・ガットマン)氏によると、ソフトローンチのときには、顧客の55%がミレニアル世代で、70%は女性だったとのこと。

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MicrosoftとSlackの争いは、2020年も広告やアクティブユーザーの数などで行われる

Microsoft(マイクロソフト)のTeamsSlack長期戦は、2020年も続いている。米国時間1月17日朝、Microsoftは同社のエンタープライズコミュニケーションサービス、Teamsの初めてとなるグローバルな広告キャンペーンと同社が呼ぶものを発表した。

先日IPOしたSlackは、2010年代の後半に大ブレイクし、スタートアップ世界のテクノロジースタックを深く掘り下げることによって巨額の売上を立てた。スタートアップとして登場した同社は、その後大企業にも食い込んで成功を持続し、エンタープライズを相手にした方が一度に大きな売上を得やすいことを悟った。

しかしエンタープライズの生産性ソフトウェアといえば、Microsoftの大きな主戦場だ。Slackの急伸を見たMicrosoftは、生まれたばかりのライバルを買収しないことに決めた。そして、Slackと競合するTeamsに投資した。なお、本日発表された広告キャンペーンは両社における初めての広告合戦ではない。

関連記事: SlackのバタフィールドCEOがマイクロソフトの「比較広告グラフ」を非難

SlackとTeamsは、ユーザー数の発表でも争っている。最近、Microsoft はTeamsの一日のアクティブユーザー(DAU)が2000だと発表した。Slackの最新の数は1200万だ。しかしSlackは、2000万のうちのどれだけが、本当にアクティブなユーザーか、とやり返した。Microsoftの数字と自分たちの数字を単純に比較するのは無意味だ、と言いたいのだ。しかしそれでも、両社の発表数はこのところますます差が開いている。

Microsoftによる今回の広告キャンペーンは、Slack対Teams戦の新しい章となる。重要なのは、広告だけではなく、今回Microsoftが、Teamsの知名度向上を戦いの焦点に選んだことだ。

株価

TeamsはMicrosoftが長年築いてきたOffice 365という大きな建物の一部だが、SlackはSlackという企業のビジネスだ。しかも直接上場だから、その株価からも何かが匂ってくる。

Slackの株価はデビュー時の30ドル台半ばから、20ドル台前半へ下がっている。調べてみると、Slackの株が市場で嫌われているのではなく、同社が上場初期の値付けを間違えたのだ。同社の株価は売上に対する倍率が上場初日からは下がったが、依然としてリッチだ。投資家たちはSlackを、優秀企業として値付けしている。

今後SlackとMicrosoftは、DAUの数字を争い続けるだろう。問題は、Microsoftというエンタープライズの大物にSlackというブランドが耐えられるかという点だ。

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Alphabetの時価総額1兆ドルとSaaS株の記録的高値で見えるこれからのスタートアップ

先の株式市場における記事の続編として、今週は注目すべきことが2つ起きた。1つはアメリカのテクノロジー企業として三番目に大きいAlphabet(アルファベット)が、時価総額1兆ドル(約110兆円)を超えたこと。そして2つめは、2019年の夏に下がったSaaS企業の株価が記録的な高値に達したことだ。

この2つのマイルストーンの間に深い関係はないが、どちらも現在のテクノロジー企業に対する公開株式市場の無節制を表している。そしてその熱気は、非公開市場のスタートアップや、彼らを支援するベンチャーキャピタルにも伝染している。

でもそれは、いくつかの理由でテクノロジースタートアップにとって良いニュースだ。大手テクノロジー企業の懐はこれまでになく暖かく、小さな企業をいくらでも買収できる。SaaSの高値は小さなスタートアップの資金調達と、彼らの先輩たちがエグジットする追い風になる。

大手テクノロジー企業とその小さな兄弟たちが現在、享受している圧倒的な好評価は、ユニコーンが登場する絶好の条件でもある。市場でこの高値が続くかぎり、TechCrunchもこのポイントをずっと追ってみたい。テクノロジー企業の株価はもはや、いかなる月並みの表現を超えたものだ。

関連記事: How many unicorns will exit before the market turns?…この好況の間にいくつのユニコーンがエグジットするか?(未訳、有料記事)

AlphabetとMicrosoftとAppleの3社を合わせると、その時価総額は3.68兆ドル(約410兆円)になるが、株価よりも安定的な数字である売上額を使うと、SaaSの株価は3社の売上の12.3倍だ。しかし、非上場のベンチャー支援の企業は必ずしも、公開株式市場の投資家たちの財布の口のゆるさにあずかることはできない。

テクノロジーの顧客企業はどうか?

現在の公開市場におけるテクノロジー企業の時価総額の膨張は、テクノロジーを生産し提供する側ではなく、最近ますます増えている「テクノロジー利用企業(tech-enabled-startups)」の助けになるだろうか? 2019年に上場した企業の一部は、彼らの非上場時の最後の評価額またはそれ以上になった時価総額を支持する気のない投資家たちから、すぐに見捨てられた。SmileDirectClubは、そんな例のひとつだ

テクノロジー企業を評価する基準は往々にして曖昧だが、粗利率と継続性は重要だろう。粗利率が大きくて、安定的に継続している企業は価値も大きい。市場のこのような見方が、最近のSaaSの株価を当然のように押し上げている。

2020年最初のベンチャー支援のIPOとして期待されるCasperOne Medicalにとっては、テクノロジー利用企業(tech-enabled-startups、テクノロジーをベースとする企業)というイメージを維持する方が、株式市場でも有利だろう。テクノロジー企業は今、時価総額がとても大きいため、非上場と上場を隔てる川を渡るときは、テクノロジーの匂いをほんの少しでもさせていた方が株価にとって有利だ。

関連記事: One Medical’s IPO will test the value of tech-enabled startups…One MedicalのIPOでテクノロジー利用企業の評価が分かる(未訳、有料記事)

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Google Calendarというコロンブスの卵に目をつけたClockwiseのAIアシスタント

スタートアップ企業は、職場のコラボレーションを一層充実させるために、さまざまなサブスクリプションサービスを有料で使っている。しかし、Slackのブームが本当に本物だとしても、もっと圧倒的な真実は、会議漬けで1日の仕事が台なしになることが多いということだ。時間管理のソフトウェアやシステム手帳のようなアプリはすべて個人の努力に依存しているが、でも1日に数時間も会議があれば、個人にコントロールできることには限界がある。

しかしAccelが投資しているClockwiseのCEOであるMatt Martin(マット・マーティン)氏によれば、個々の社員のスケジュールはチーム全体というレンズを通して見るべきであり、そして会議は「集中時間」を最大化するよう運営すべきだ。集中時間(Focus Time)とは、彼の定義では少なくとも2時間の邪魔の入らない時間ブロック(時間の塊)のことだ。

Clockwiseはすでに、LyftやAsana、Strava、Twitterなどが顧客だ。同社は、最初はプロダクトを無料で提供して顧客を広げようとしている。資金は二度のラウンドで1300万ドル(約14億3000万円)あまりを調達した。投資家はAccel、Greylock、そしてSlack Fundだ。

Googleカレンダーに統合される同社のソフトウェアは、人々をグループ化して彼らに合わせて会議の日程や時間を移動し調整するが、そのClockwise Calendar Assistantの最新のアップデートでは一部の困難な作業を自動化できるようになった。

カレンダーのこのような集団的管理はともすれば不平のタネになりがちだ。それを防ぐためのClockwiseの工夫はテスターたちに好評だった。

職種によって、例えばエンジニアは仕事に邪魔の入らない時間が長いことを好む。そこでClockwiseは、週にどれぐらいの集中時間が必要か指定できるようにした。また個人的カレンダーの要素も加えて、これだけは動かせないという私用の時間も指定できる。また会議の場所が会社の外のときは、そこまでの往復時間を考慮に入れる。

そのように動かせない会議もあるし、別の時間にオフサイトの人びとに頼る場合もある。役員の出席を必要とする会議は、彼らのスケジュールを優先する。柔軟性を必要としない会議もあるが、チーム会議の軋轢を自動的に解決できれば、ただ待ってるだけの30分という無駄な時間の発生を防げる。

今回のClockwise Calendar Assistantのアップデートでは、ClockwiseはSlackとの互換性を向上させた。ユーザーが指定した集中時間には、自動的に「do-not-disturb」にチェックが入る。そしてSlackのステータスには、その人が今参加している会議を入れられる。

メールやチャットを車輪のように再発明したアプリが多い中で、カレンダーという平凡なものを利用するClockwiseの着眼点は面白い。「豪華な」カレンダーと言われるGoogleカレンダーの需要は増えているが、そのユーザー数に見合った開発努力はまだ乏しい。その点でもClockwiseは興味深いが、今後は後続がどんどん出てくると考えられる。

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アップルがエッジAIのXnor.aiを約220億円で買収か

2017年に、非営利団体のAllen Institute for AI(Ai2)からスピンオフしたXnor.aiが、約2億ドル(約220億円)でApple(アップル)に買収された。同社に近い筋が、今朝のGeekWireの記事を確証した。

アップルは、このような非公表の買収に関するかねてからの常套句でその記事を確認した。「アップルはときどき、小さなテクノロジー企業を買収しており、一般的にその目的や計画は明かしていない」。念のため、コメントを求めてみたが無駄だった。

Xnor.aiは、機械学習のアルゴリズムを高度に効率的にするプロセスの開発から始まった。 高度に効率的とは、そこらのもっとも低性能なハードウェアでも動くという意味だ。例えば、ごくわずかな電力しか使わないセキュリティカメラの組み込み電子回路などだ。そんなハードウェアでもXnorのアルゴリズムを使えば、オブジェクトの認識のような通常は強力なプロセッサーやクラウドへの接続を必要とするタスクをやってのける。

関連記事:エッジコンピューティングを再定義するXnorのクラッカーサイズの太陽電池式AIハードウェア

CEOのAli Farhadi氏と彼の創業チームはAi2で同社を作り、同団体がインキュベーター事業を公式に立ち上げる直前に独立した。そして2017年の前半には270万ドル、2018年には1200万ドルを、いずれもシアトルのMadrona Venture Groupがリードするラウンドで調達し、その後もアメリカ籍の企業として着実に成長した。

情報筋によると、2億ドルという買収価額はあくまでも概算だが、仮に最終額がその半分だったとしてもMadronaとそのほかの投資家にとっては大きなリターンだ。

同社は、Appleのシアトルのオフィスへ引っ越すようだ。GeekWireが悪天候下で撮ったXnor.aiのオフィスの写真からは、引っ越しがすでに始まっていることが伺われる。Ai2は、Farhadi氏が同団体にもはやいないことを確認し、しかしワシントン大学の教授職にはとどまる、と言った。

Appleのこれまでのエッジコンピューティングへの取り組み方を見れば、この買収は完璧に理にかなっている。機械学習のワークフローをさまざまな状況で実行できるために、専用のチップまで作ったAppleは明らかに、顔認識や自然言語処理、拡張現実などのタスクを、iPhoneなどのデバイスの上でクラウドに依存せずにやらせるつもりだ。それはプライバシーよりも、パフォーマンスが目的だ。

特に同社のカメラのソフトウェアは、撮像と画像処理の両方で機械学習のアルゴリズムを広範囲に利用している。その計算集約的なタスクは、Xnorの効率化技術によってかなり軽くなるだろう。結局のところ、写真の未来はコードにあるのだから。そして短時間かつ省電力で多くのコードを実行できれば、さらにもっと高度なことができる。

関連記事:コードが写真の未来を創る

また、アップルはHomePodでスマートホームの分野にも踏み込んでおり、応用範囲が非常に広いXnorの技術の未来をアップルのような巨大企業に関して正しく予測するのは本当に難しい。

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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ソニー・インタラクティブは2020年もE3に不参加

ソニー・インタラクティブ・エンタテインメント(Sony Interactive Entertainment、SIE)は今年もE3に参加せず、GamesIndustry.bizによると、その代わりに「世界中の何百もの消費者イベントに参加する」そうだ。同社は、今年のホリデーシーズンにPlayStation 5を出す準備をしているはずだが、昨年は初めてこのショウを欠席した。それまでの20年間同社は、最大の出展企業の1つだった。

同社のスポークスパーソンがGamesIndustry.biz誌に語っているところによると、SIEは「E3の主催団体であるESAをとても尊敬しているが、E3 2020のビジョンはSIEが今年志向しているものにふさわしい場所ではない。代わりに、世界中の何百もの消費者イベントに参加して、それをSIEの2020年のグローバルなイベント戦略にしたい」という。

TechCrunch記者のDevin Coldeweyが昨年書いていたように、任天堂はE3でもう何年も公式の記者会見をやっていないが、展示はやっているし、そのブースでは来場者にゲームをプレイできたり、ライブのストリーミングを放映していた。ソニーも昨年欠席するまではE3を利用して新しいゲーム機や大作のゲームを紹介していたが、でも大きなニュースの発表などでは、ほかのイベントの方にソニーが求める柔軟性があったようだ。

TechCrunchは現在、SIEと、E3の主催団体ESAに詳細を問い合わせている。

関連記事: PlayStation 5は2020年のホリデーシーズンに発売

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Kubernetesのバグ褒賞金制度は多数のセキュリティ研究者の参加を期待

Cloud Native Computing Foundation(CNCF)が米国時間1月14日、Kubernetesの初めてのバグ褒賞金事業(bug bounty)を発表した。Kubernetesは、最初Googleが作ったコンテナオーケストレーションシステムで、現在、至るところで使われている。このバグ褒賞金制度はCNCFとGoogleとHackerOneが共同で運営し、賞金額は100ドル(約1万1000円)から最高1万ドル(約110万円)までとなっている。

KubernetesにはすでにProduct Security Committee(セキュリティ委員会)があり、Google自身のKubernetesセキュリティチームが委員になっている。もちろん実際にコードをチェックするのは、外部も含めもっと多くの人びとだ。褒賞金制度ではもっと多くの新たなセキュリティの研究者の参加が期待されており、コードを調べ、バグ調査など行っている人を報いるものになっている。

Googleでコンテナのセキュリティを担当しているプロダクトマネージャーMaya Kaczorowski(マヤ・カツォロフスキ)氏は「Kubernetesにはすでに強力なセキュリティチームとセキュリティへの対応能力があり、最近のKubernetesセキュリティ監査によってそれはさらに強化されている。現在のKubernetesは、過去に例がないほど強力で安全なオープンソースプロジェクトだ。バグ褒賞金制度が立ち上がったことで、セキュリティに対する実践力が上がり、また、すでにバグの検出という重要な仕事をしている研究者たちに報いることができる。今後はもっと多くのセキュリティ研究者が参加して、コードを見る目が増えることを期待したい。Kubernetesのセキュリティ問題の洗い出しとバグ発見活動のバックアップに、財政的支援が加わったことになる」と言う。

褒賞金の対象は、GitHubのリポジトリにあるKubernetesの主要部位すべてだ。チームが特に重視しているのは、認証関連のバグと、故意や不故意による特権(プリビレッジ)のアップ、そしてkubeletやAPIサーバーのリモートコード実行バグだ。CNCFが特に強調するのは、研究者たちがKubernetesのサプライチェーンの全体をよく見ること。この事業と制度の詳細は、ここで確認できる。

関連記事: How Kubernetes came to rule the world…Kubernetesはどうやって世界を支配したのか(未訳、有料記事)

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アドビがCMS「Adobe Experience Manager」をクラウドネイティブSaaSとして提供開始

Adobe(アドビ)は米国時間1月14、同社のコンテンツ管理システム(CMS)であるAdobe Experience Manager(AEM)を「これからはクラウドネイティブなSaaSアプリケーションとして提供する」と発表した。これまでAEMは、オンプレミスまたはマネージドサービスとして利用でき、純粋なクラウドネイティブではなかった。

言うまでもなく、クラウドサービスとして利用できれば顧客にはクラウドから得られる価値のすべてが提供される。これからは顧客は、メンテナンスや管理やアップデートをいちいち気にすることなく、AEMのすべてのツールにアクセスできる。そしてマーケティングのチームにはより幅広い柔軟性と機敏性が得られ、最新のアップデートにほぼリアルタイムでアクセスできるようになる。

アドビの戦略とプロダクト担当上級ディレクターであるLoni Stark(ロニ・スターク)氏も、この価値命題を強調する。「AEMは高度なデジタルツールの採用に熱心な中企業やエンタープライズにとって魅力的なツールだ。常に変化している彼らのビジネスモデルをサポートするためには、単純性と柔軟性がもっと必要だったのだ」と彼は声明で述べている。

AEMの数多い能力の中には、顧客体験をリアルタイムで管理する機能がある。顧客データにリアルタイムでアクセスできるのだから、プロダクトもサービスも体験もいつでもリアルタイムの顧客知識に基づいて提供できる。

その顧客に合わせる努力はタイミングが限定されない。そしてターゲットとしては、企業のウェブサイトやモバイルアプリ、そのほかのチャネルなど何でも対応できる。企業もチャネルの特性に合わせてコンテンツを柔軟に調整したいし、また顧客データにも合わせたい。AEMは、これらのリアルタイムな要求をサポートしている。

AEMはアドビが2010年に買収したDay Softwareがベースだ。同社は最初、ウェブ上のコンテンツ管理システムを開発したが、それが徐々にAdobe Experience Managerに進化し、体験管理の面も持つようになった。現在ではこのツールには、コンテンツ管理とアセット管理とデジタルフォームのツールが備わっている。

同社は本日この発表を、今週ニューヨークで開催されている大規模なリテールカンファレンスNRF 2020で行った。

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ドイツのスパイスミックスのブランド「Just Spices」が約16億円を調達

ドイツ生まれのスパイスミックスのブランドであるJust Spicesが、シリーズBで1300万ユーロ(約15億8300億円)を調達したことを公表した。このラウンドをリードしたのはFive Seasons Venturesで、Coefficient CapitalとBitburger Venturesも参加した。D2C(消費者直販)のJust Spicesには、2つの製品系列としてSpice MixesとIN MINUTESがある。

Spice Mixesはさまざまなスパイスのブレンドで、売れ行きと同社が蓄積している顧客からのフィードバックデータに基づいて新しいブレンドが開発されている。

2018年に展開が始まったIN MINUTESサービスは、スパイスを中心とする27種のスピード調理の食事献立で、新鮮な食材をあと少し足すだけで料理が完成する。英国のSimplyCookに似ているかもしれない。

Just Spicesの共同創業者でCEOのFlorian Falk(フロリアン・フォーク)氏は「革新的で速くてしかもバランスのとれた食生活は最近ますます重要です。まず、時間のない人が多いから食べ物はシンプルであるべきですが、一方で人間には欲求やニーズがあります。しかしJust Spicesの、特にIN MINUTESでは、さまざまなことを気にする必要がありまえん。早く作れておいしくてしかも健康的な食事であることに、消費者は確信を持てるでしょう」と語る。

顧客獲得努力と製品開発のためのフィードバックループの一環としてJust Spicesは、家庭料理の活発なコミュニティをネット上に作っている。同社の売上の60%以上はネットからで、ヨーロッパのソーシャルメディア上では最も多くフォローされているスパイスのブランドであると自負している。確かに同社はコンテンツ制作に力を入れており、社内にスタジオを用意し、ポッドキャストも手掛けている。

フォークは「世界最大の、ライフスタイルの一部であるようなスパイスのブランドになりたい。そのためには素晴らしいパートナーシップのネットワークを作るだけでなく、制作チームの充実と向上も必要だ。楽しくて面白いクッキングをもっと多くの人びとにお届けしたい」とコメントした。

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プログラマブルな猫ロボ「Meet MarsCat」は飼い主と一緒に成長・進化する

CES 2020で、製品の見せ方の完成度が高かったジャンルといえば断然、家庭向けロボットだ。そして中でも最もかわいらしいのが、工業用ロボットメーカーのElephant Robotics(エレファント・ロボティクス)が出展したロボペット「MarsCat」だろう。このロボットペットは完全に自律的なコンパニオンで、接触や音声に反応するだけでなく、おもちゃで遊ぶこともできる。ほんの数分間遊んだだけで、誰もが好きになってしまいそうだ。

MarsCatの出自は一風変わっている。なぜならElephant Roboticsは、Cobots(コボット)と呼ばれる、工場や組み立てプラントで人間と一緒に仕事をする工業用ロボットのメーカーだからだ。Elephantは2016年の創業で、今では協働ロボットの製造ラインが3つもあり、韓国、米国、ドイツなど世界中の企業に販売網を広げている。

MarsCatは、そんな同社の初めての家庭用製品で、もちろん工場や研究所ではなく家庭で使用する。初めてのとは言っても、これまでに蓄積されたロボット製造技術が至るところで生かされているはずだ。たとえば脚や尻尾や頭部の関節の動きがとても滑らかで、座る、立つ、歩く、遊ぶ、人の動きを注視するなどの動作を完全に自律で実現する。

しかもMarsCatは、そんな機能性が最初からあるだけでなく、ユーザーがプログラミングしてカスタマイズできる。全体をRaspberry Piが動かしていて、プログラミングする人のためのオープンなライブラリとしてMarsCat SDKが同梱される。そのAPIを使えば、ロボットの動きや機能を完全にコントロールしプログラミングできる。だから、STEM教育の教材にもなるし、ロボティクス(ロボット工学)の勉強もできる。

MarsCatは今、Kickstarterでクラウドファンディングを実施しているが、目標額の2万ドル(約220万円)はとっくに超えて、10万ドル(約1100万円)以上には達しそうだ。Elephant RoboticsのCEOで共同創業者のJoey Song(ジョーイ・ソング)氏によると発売は3月の予定なので、そんなに長く待たされることはない。

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ロボットペットは現在さまざまな製品が市場に出ているが、ソング氏によるとMarsCatのように高度な機能がたくさんあってしかもそのわりには安いという製品はほかにない。例えば、現状でいろんな音声コマンドに応答できるし、ユーザーとのコミュニケーションを通じて進化できる。ユーザーがたくさん話せばお喋りになるし、たくさん遊んでやれば遊びが大好きな子猫みたいになる。しかもプログラミングができるオープンなプラットホームだ。支援者価格699ドル(約7万6600円)はお買い得だろう。

ソニーのAibo(アイボ)はMarsCatの犬バージョンだが、米国の小売価格が2899ドル(約31万7600円)なので、MarsCatはお買い得だ。しかも、本物の猫と違ってMarsCatには排泄も抜け毛もない。それも魅力の1つだろう。

CES 2020 coverage - TechCrunch

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電動化やネット接続など未来感を満載したSea Rayのプレジャーボート

自動車産業は最近の10年間で動力系と操縦系の両方に大きな変化を経験したが、でもボートはどうだろうか?ボートもやはり、スマートフォンのパワーとパフォーマンスの改良に貢献している同じ技術で最先端のアップグレードが進められている。そしてSea Ray(シー・レイ)はCES 2020で、それらの最新技術をたっぷり詰め込んだ美しい最上級の船外機ボートを披露した。

そのSea RayのSLX-R 400eには、ボート愛好家たちに知れ渡ったらそのほかのプレジャーボートにも当然普及していくと思われる、まったく新しい機能がひとつある。それは、パートナーのBrunswick(ブランズウィック)が開発したFathom e-Powerシステムで、SLX-R 400eに盛り込まれたイノベーションを支えている。それはこの船の動力系の電動化の部分で、大容量のリチウムイオン電池を搭載し、エンターテインメントを含め同船のすべてのアクセサリーシステムを動かす。

ただしメインエンジンに使われるのは昔ながらの燃料だ。そして3台の450馬力8気筒Mercury船外機が、この全長12mのボートを動かす。でもFathom e-Powerシステムがあるので、水の上で定員上限21人の友だちが楽しんでいるときでも燃料は消費しない。そしてこの「エコフレンドリーな」プレジャーボートは、同型の船と比べて航続距離が長い。

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e-Powerシステムに加えて、Sea Ray SLX-R 400eにはジョイスティックによる操船機能がある。船外機の方向をより精密にコントロール可能になるだけでなく、船の操縦経験のあまりない人でも容易に操船できる。

コックピットもかなり未来的で、複数台の16インチディスプレイに船とシステムの状態が刻々映し出される。オーディオシステムは船全体に装備され、しかもApple(アップル)のAirPlay(エアプレイ)によるストリーミングをサポートしている。しかもこれは、単なるコンセプトボートではない。Sea Rayの発表では、今年後半に発売の予定だ。

CES 2020 coverage - TechCrunch

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