Coinbaseで暗号通貨同士の交換が可能に

信じられないことに、現在CoinbaseでETHを買うためには、BTCを一旦USドルに変えなくてはならない。同社はようやく暗号通貨同士の直接交換機能を追加する。

同機能は、Bitcoin(BTC)、Ethereum(ETH)、Ethereum Classic(ETC)、Litecoin(LTC)、0x(ZRX)、およびBitcin Cash(BCH)で利用できる。今は米国ユーザーのみ利用可能だが、他の国々にも展開する予定だと同社は言っている。

手数料を詳しく見てみよう。ヨーロッパまたは米国に住んでいる人は、USドルまたはユーロで暗号通貨を売買するたびに、スプレッド(買値と売値の差)に加えて1.49%以上の手数料を支払う。クレジットカードやデビットカードを使うと手数料はさらに高くなる。

Coinbaseは、不換通貨と暗号通貨のスプレッドは0.5%前後だが通貨の組み合わせや注文待ち行列によって変わると言っている。

取引高が200 USドル(または相当)以下だと手数料はずっと高くなる。たとえば、10ドルの売買では手数料が0.99ドルすなわち9.9%になる。100ドルの手数料は3%だ。

しかし良いニュースは、これがトークンとトークンの取引ではまったく別の話になることだ。Coinbaseは手数料を取らない——スプレッドは避けられない。そして、特殊な組み合わせ(ZRXをBCHと交換するなど)では、スプレッドに1%前後支払うことにもなる。それでも、Coinbaseで取引したいだけの人にとっては、ずっと良いユーザー体験だ。

他の交換所の話を持ち出すまでもなく、Coinbase Proのユーザーは遠い昔から暗号化同士の取引が可能だ。しかし多くの新しい暗号通貨ユーザーにとっては今もCoinbaseが入り口だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ステーブルコインに1億3300万ドルの資金を調達したBasisが事業を泣く泣く断念し投資金を返還へ

18カ月前にニュージャージー州ホーボーケンに設立された暗号通貨のスタートアップが、供給を柔軟化して、価値を野放しにするのではなく、およそ1ドルを維持できるように見かけ上伸縮させる「ステーブルコイン」を提供するという話を、今年の初めに伝えた。この会社は、「投機目的ではなく、実際に使える新しいトークンを作る」という大志を抱いていた。

投資家たちは(すべてではないが)この考え方に惚れ込んだ。事実、8カ月前にBasisは、1億3300万ドル(約150億8800万円)の資金を手に入れた。投資を行ったのは、Bain Capital Ventures、GV、名うてのヘッジファンド・マネージャーStan Druckenmiller、元連邦準備制度理事Kevin Warsh、Lightspeed Venture Partners、Foundation Capital、Andreessen Horowitz、WingVC、NFX Ventures、Valor Capital、Zhenfund、Ceyuan、Sky9 Capital、Digital Currency Groupなどといった顔ぶれだ。

CEOのNader Al-Najiがプリンストン大学のクラスメイトだったLawrence Diao、Josh Chenと共に設立したこの会社は、本日(アメリカ現地時間12月14日)、事業を停止すると発表した。そしてBasisは、事業の推進に使用されなかった資金を、投資家たちに返却するという。

Al-Najiが、少し前にBasisのウェブサイトに投稿した説明によれば、彼らの技術的ロードマップとアメリカの証券法の規制との折り合いがつかなかったようだ。具体的には、散発的に入る規制の指導に、創業者たちも予想できない影響があったとAl-Najiは書いている。

そのひとつとしてBasisが即座に気がついたのは、「ボンドトークンもシェアトークンも、有価証券ではないと認めざるを得ない」ということだ。さらに、「未登録証券という性質上、ボンドトークンとシェアトークンは規制対象となり、発行から1年間はアメリカ国内の公認投資家のみが所有できるようトークンを管理し、海外の利用者の合法性を審査する責任を(Basisが)負う」という。

Al-Najiはこの状況の問題点をこう話している。「譲渡制限を実行するためには、集中化したホワイトリストが必要になります。これでは検閲に反対する私たちのシステムが意味を失うばかりか、オンチェーン取り引きの流動性が大幅に失われます」

結果的に、オンチェーン取り引きの参加者が減れば、それが不利に作用してBasisの安定性が低下する。そこが重要だと彼は言う。

いわゆるステーブルコインが単に実現不可能なものなのか、または価格を一定に保つことでアセットアプローチを行うという考え方そのものが間違っていたのか、Basisに起きた今回の事件からは判明されない。しかしこの夏、ステーブルコインの人気が高まったとは言え、いまだに実証されていない暗号通貨支払いアプリ技術の導入に、Basisが力を入れた理由はよくわかる。暗号通貨サービス企業Blockchainの研究主任Garrick Hilemanが、9月、Technology Reviewに話したところによると、2017年には準備中のステーブルコインはわずかに一握り程度だったものが、この秋には60に迫る勢いだという。

我々は、Basisに投資した一部の人たちに接触し、詳しい話を聞いた。その間、Basisは巨額の資金を獲得しながら、Al-Najiは、いつBasisが流通するのかわからないと正直に述べていたことは注目に値する。つまり彼は、Basisが守れない約束は口にしなかったということだ。少くとも、我々には直接言わなかった。

下は、投資家と支援者に向けた彼の手紙の全文だ。

18カ月前、私たちは、よりよい通貨システムを構築するという野心的な目標に向けて出発しました。それは、ハイパーインフレに強く、中央集権的支配を受けず、従来の通貨システムよりも安定的で頑強なものです。これが成功すれば、社会に多大な恩恵をもたらすと私たちは感じていました。そして、私たちはそれを行う絶好の立場にあると感じていました。

私たちは、安定的で非中央集権的な暗号通貨Basisを提案する白書を作成し、その構想の実現可能性を示しました。

Basisは、需要の変化に応じて売買したいというトレーダーに動機を与えることで安定します。この動機は、定期的に行われる「ボンド」トークンと「シェア」トークンのオンチェーン取り引きを通じて引き起こされます。Basisのエコシステムが発展するためには時間がかかるため、まずは私たち自身がトレーダーの役割を果たすことで、大きな資本を集める必要があると感じました。

そうして、私たちは白書でお伝えしたとおり、1億3300万ドルの資金を調達できました。これにより、さまざまな投資家をと関係を築き、事業の価値を高め、大きな安定化基金を構築して、システムの強化が可能になりました。そして私たちは、素晴らしく優秀な人材を集め、システムの立ち上げを目指して始動しました。

しかし残念なことに、私たちのシステムをアメリカの証券法の規制に準拠させようとしたとき、Basisの発行に重大な問題が起こりました。

規制の指導が時間をかけて少しずつ入るようになると、弊社の弁護士たちは、ボンドトークンもシェアトークンも有価証券ではないと認めざるを得ないとの合意に達しました(Basisには中央組織が存在しないため)。

未登録の証券という立場のため、ボンドトークンとシェアトークンは譲渡制限の対象となり、Intangible Labsと共に、発行から1年間はアメリカ国内の公認投資家のみが所有できるようトークンを管理し、海外の利用者の合法性を審査する責任を課せられました。

譲渡制限を実行するためには、集中化したホワイトリストが必要になります。これでは検閲に反対する私たちのシステムが意味を失うばかりか、オンチェーン取り引きの流動性が大幅に失われます。

オンチェーン取り引きの参加者が減れば、それが災いしてBasisの安定性が損なわれ、利用者はBasisのそもそもの魅力を感じなくなります。さらに、ボンドトークンとシェアトークンの取り引きに譲渡制限をかければ、私たちはBasisのエコシステムを構築する力を実質的に失います。

譲渡制限は発行後12カ月で失効するのが一般的ですが、ボンドトークンとシェアトークンの取り引きは私たちの金融方針に従って続けるならば、譲渡制限と集中化したホワイトリストは、いつまでも必要となります。

私たちは、私たちの製品の魅力と競争力を保ちつつ、規制に準拠した形でローンチできる道をいくつも探りました。そのなかには、ボンドトークンとシェアトークンの金融的性質を抑えた機能を追加して、海外でローンチするというものや、中央集権的な安定したメカニズムでスタートするというものもありました。しかし、結局それらの代替案は、利用者にとっても投資家にとっても魅力が欠けるものであり、私たちのビジョンに矛盾し、事業を進める正当性にも欠けます。

そのようなわけで、大変に残念ながら、私たちは投資家のみなさまに資金をお返しする決断を下したことをお知らせしなければなりません。これは、まことに無念ですが、Basisの事業の中止を意味するものでもあります。

誰にとっても望まれない結果となりましたが、私たちは、承知の上で、規制環境が味方してくれるほうに、いちかばちかの掛けをしていました。この世話に絶対にはなりたくないと思っていたトークン販売契約の冒頭に資本金返却の条項を加えたのは、まさにそれが理由です。私たちが望んでいたシステムを立ち上げることはできませんでしたが、このような状況でも、少くとも正しいことができたことを投資家の皆様に感謝したいと思います。

最後に、私たちと、私たちの事業を支えてくださったみなさまに、心より感謝申し上げます。私たちを信じてくれた、寛大なる支援者、パートナーのみなさま、私たちの目標のために集まってくれた素晴らしいチームのみんなに。みなさんは、世界を変えるチャンスを与えてくれました。また挑戦できる日を楽しみにしています。

それではまた。

CEO Nader Al-Naji

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(翻訳:金井哲夫)

オハイオ州、bitcoinで納税できる最初の州に

月曜日(米国時間11/26)から、オハイオ州の企業は税金をbitcoinで収められるようになる——同州は暗号通貨を正式に受理する最初の州となる。

このプログラムに参加したい企業は、OhioCrypto.comへ行き、登録して暗号通貨で収めたい税金を支払えばよい。タバコの売上税でも従業員の源泉徴収でもなんでもよい、と取り組みを最初に紹介したThe Wall Street Journalの記事に書かれている。

オハイオ州財務長官Josh Mandelが推進するこのbitcoinプログラムは、ITフレンドリーのイメージを作ろうという同州の大きな野望を世に示す試みの一環だ。

オハイオに州は、テクノロジーハブとも言うべきものがコロンバスにあり、中西部最大級のベンチャーキャピタルファンドDrive Capitalの拠点となっている。

オハイオ州の新規デジタル通貨採用を活用しようする人がいるかどうかは議論のあるところだ。

現在暗号通貨市場は、1637年2月のオランダのチューリップなみの急降下(あるいは崩壊、爆縮、大惨事、大火災)状態にある

Bitcoin続落、4000ドルを切る――暗号通貨ブームは一段落

国の南東、南西および中西部の州でもbitoinによる納税が検討されたが、アリゾナ、ジョージア、イリノイの各州では法案が通らなかった。

オハイオ州は暗号通貨支払いのスタートアップBitPayと協力して支払いを取り扱う。同社はbitcoinをドルに交換する。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Bitcoin続落、4000ドルを切る――暗号通貨ブームは一段落

われわれが休暇で帰省している間にBitcoinはさらに下げていた。 1年前の今頃は暗号通貨ブームが真っ盛りで、感謝祭の食卓で伯父さんや伯母さんに「インターネットのお金」について根掘り葉掘り尋ねられた読者も多かっただろう。われわれは七面鳥の付け合せのマッシュポテトをすくいながら通貨の非集権化という高邁な理想について訳知り顔に説明していた。

それから一年。暗号通貨トークンの多くは最高値を付けた後で急落した。暗号通貨は正常な範囲として予想された価格に戻りつつある。今年の感謝祭では暗号通貨投資について知恵を借りようとする親類に悩まされることはだいぶ少なかったはずだ。

今日(米国時間11/25)、暗号通貨マーケットはさらに下落した。この24時間でトップ100種類の暗号通貨のうち8種類を除いたすべてが平均13%から14%下げた。

スクリーンショット: coinmarketcap.com

特にBitcoinは昨年8月の水準だった4000ドルを切った。当時Bitcoinの価格は急上昇中だった。現在Ethereumの価格は111ドルをわずかに上回る程度だ。Litecoinは30ドル以下と見る影もない。

もともと暗号通貨マーケットは値動きが激しい。しかしこの一年は明確なトレンドとして下降が続いている。投資家は有力トークンがいつ、どのあたりで底値を付けるのが見守っている。

画像:Bryce Durbin

〔日本版〕 CoinMarketCapの現在チャートではBitcoinはスクリーンショットの3857ドルから3869ドルへわずかに持ち直し、Ethereumhは111.45ドルから111.35ドルへとほぼ横ばい。

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滑川海彦@Facebook Google+

暗号通貨の明るいニュース:SECがトークンは有価証券であると宣言

暗号通貨は、大暴落stablecoins誕生日のニュースの後、先週ちょっとした後押しを受けた。SEC[証券取引委員会]はICO企業のCarrierEQ Inc.およびParagon Coin Inc.の2社が売っているのは、いわゆるユーティリティートークンではなく有価証券であると判断した。

「両社とも被害にあった投資家に資金を返還し、トークンを有価証券として登録し、SECに定期報告書を提出したうえで罰金を支払うことに同意した」とSECのPamela Sawhneyは書いた。「これは、ICOの登録違反のみに対してSECが民事制裁金を科す最初の事例だ」

リリースにはこう書かれている:

ボストン拠点のスタートアップAirfoxは、約1500万ドル相当のデジタル資産を同社のトークン建て「エコシステム」開発のために調達した。途上国ユーザーが広告の閲覧と引き換えにトークンを入手できるモバイルアプリケーションを利用する。オンラインサービスのParagonは約1200万ドル相当のデジタル資産を調達し、大麻産業にブロックチェーン技術を応用することで大麻合法化の道を開くビジネスプランの構築と実施を目指している。AirfoxもParagonも自社のICOを連邦証券法に基づいて登録せず、登録例外の認定も受けていなかった。

この行動——フィンテックのためには危険を顧みない——は、年のはじめに大流行した。理論上企業のエコシステムの中で使われるユーティリティートークンに対して、セキュリティートークン(事実上の株式)の申請に関する明確な指針はなかったからだ。実際、ICOを実施した企業はあらゆる手立てで自分たちの「ユーティリティートークン」が証券法の複雑な規制に沿っているように見せようとした。

「われわれは、ICOを通じて有価証券を発行する企業は証券登録を規制する既存の法に従う必要があることを明確に示した」とSEC監視部副部長のStephanie Avakianが言った。「これらのケースは、同じような行動を起こそうとしていた人たちに対して、SECが今後もデジタル資産に関する連邦証券法違反に目を光らせていることを知らしめるものだ」

SECは両社に対してそれぞれ25万ドルの罰金を科した。将来のICOを目指す企業は、少なくとも米国では、十分このことを念頭に置くべきだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Bitcoinと暗号通貨の市場がまた大暴落、原因不明

Bitcoinを持ってる人にとって良い年ではなかったが、最近の24時間(米国時間11/14)はそれも忘れさせる。この暗号通貨は、この1年あまりの間としては初めて、時価総額が1000億ドルを割った。

10月の終わり…正確には29日…までさかのぼる必要がある。最後にBitcoinの市場総流通量が1000億ドルを下回ったのが、その日だ。

このレートが24時間維持されたのも、これが初めてのようだ。業界人の多くが価格の不安定性を嘆いていたが、もうそんなレベルではない。願いは、もっと適切で現実的な願いであるべきだ。

この急落は、Bitcoinの価格が今年初めて6000ドルを割った直後に起きた。その後それは、5600ドル以下に落ち込んだ。そしてそれが引き金になってアルトコイン(altcoin, 代替通貨)市場が大荒れ、上位100のトークンがほとんどすべて二桁パーセント急落した。トップテンの中では、Cardanoが14%、Litecoinが13%、EthereumとEOSは12%下がった。その結果RippleのXRPトークンがEthereumを上回り、価値第二位の暗号通貨に。その上にはあと、Bitcoinしかない。

例によって、この沈滞の原因を突き止めるのは難しい。

ハードフォークをやろうとしていたBitcoin Cashが、原因としてもっとも怪しい。

Bitcoin Cashはハードフォークによって二つの異なるチェーンになろうとしていた。Bitcoin Cash ABC(BCHABC)とBitcoin Cash SV(BCHSV)だ。そしてそれによって、市場に大きな不確実性がもたらされた。

この状況が、Bitcoinの価値の下落を起こしたのかもしれない。それによって、自分のトークンをより安いBitcoinと交換しようとするアルトコインのオーナーを引き寄せるのだ。その動きが、Bitcoinと、交換されるアルトコインの両方にネガティブな影響を及ぼすこともある。

もちろん、何が起きたのかに関してはたくさんの理論がある。ひとつだけ確実なのは、今日市場は相当ひどく出血したことだ。

注: 筆者は少量の暗号通貨を保有している。それは勉強のためにはなる量だが、人生を変えるほどの量ではない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

LINEのトークンベンチャーファンドが韓国の仮想通貨プロジェクトCarry Protocolへ投資

韓国・ソウルを拠点とする暗号通貨のプロジェクトCarry Protocol(キャリープロトコル)は11月7日、LINEのトークンベンチャーファンド「unblock ventures(アンブロックベンチャーズ)」からの投資を誘致したことを明らかにした。

Carry Protocol自体はオープンな暗号通貨プロジェクトだが、主導するのは韓国発のスタートアップSpoqa(スポカ)のメンバーだ。Spoqaは2011年11月にソーシャルコマースアプリをローンチし、同月開催されたTechCrunch Tokyo 2011のスタートアップバトルで審査員特別賞を受賞している。

Spoqaが運営するクラウド型ポイントシステム「Dodo」は、韓国内では1万店舗、1650万人に既に利用されている。Carry Protocolはこのポイントシステムを使うことで、オフラインコマースの世界では追跡や収集が難しかった決済データを、ブロックチェーン技術を活用して統合しようとしている。

データ統合の方法はこうだ。ユーザーがオフラインでの購買データを共有することで、トークン(暗号通貨)をポイントの形で報酬として受け取り、また店舗で使えるようにする。こうしてデータ報酬のエコシステムを構築しよう、というのがプロジェクトの狙いだ。

Carry Protocolの共同代表チェ・ジェスン氏は「店舗オーナーや顧客は我々の技術力に関心があるわけではない。(店舗オーナーは)より多くの顧客を店に集めること、(顧客は)無料でコーヒーを飲むことに関心がある。そうしたニーズを満たすことで、ユーザーがブロックチェーンについて全く分からなくてもブロックチェーンを使うようにすることが我々の目標」とコメントしている。

unblock venturesは、LINEの韓国子会社でブロックチェーン技術開発を専門とするunblock社により、2018年7月に設立された。同社はブロックチェーン・仮想通貨関連のスタートアップに投資するトークンベンチャーファンドで、1000万ドル(約11億円)規模でブロックチェーン関連のスタートアップに投資を行う。Carry Protocolへの投資は、unblock venturesが行う初の投資プロジェクトのうちの1つだ。

LINEは8月に「LINE Token Economy」構想を発表。自社開発のブロックチェーンネットワーク「LINK Chain」を基盤とした「LINEエコシステム」と、同システム内で利用できる汎用コイン「LINK Point(日本向け)」と「LINK(海外向け)」も公開している。

Carry Protocolではunblock venturesからの投資により、今後のLINEとの協力、シナジー効果も期待していると述べている。

暗号通貨ウォレットの「Blockchain」、Ledgerと提携してハードウェア・ウォレットを発売

ブロックチェーンのスタートアップ、”Blockchain“が今後数ヶ月の shared its 計画を発表した。同社はLedgerと提携してハードウェア・ウォレットを発売する。またBlockchainは新しい取引プラットフォームとしてSwap by Blockchainの提供を開始する——このプラットフォームは数ある交換所の中から最高の取引条件を見つけるので、ユーザーは自分のBlockchainアカウントで直接適正価格でトークンを交換できる。

Blockchainは現在もっとも成功している暗号通貨ウォレットのひとつだ。同社はBitcoin向けのソフトウェア・ウォレットでユーザー基盤を築き、今やEtherumとBitcoin Cashにも拡大している。

伝統的交換所と異なり、Blockchainではユーザーがプライベートキーを管理する。Blockchainはユーザーのトークンをアクセスできないので、仮にBlockchainがハックされてもハッカーがユーザーのウォレットを空にすることはない。現在Blockchainは3000万個のウォレットを管理しており、過去2年間で2000億ドル以上の取引を処理した。

しかしソフトウェア・ウォレットはハードウェア・ウォレットほど堅牢ではない。世の中には無数のフィッシングサイトや詐欺師が人々のプライベートキーを盗もうと狙っている。だからBlockchainは独自のハードウェア・ウォレット、のようなものを発売することになった。

同社はフランスのスタートアップ、 Ledgerと提携してBlockchain Lockboxを発売する。見た目はLedger Nano Sとまったく同じでBlockchainのロゴがついている。中にはBlockchainのファームウェアが入っていてBlockchainのウォレットと連動する。

Ledger自身のアプリと同じく、ハードウェア・ウォレットをパソコンと繋がなくてもスマートフォンやウェブで残高を確認できる。ただし、取引を処理するためにはパソコンに差し込んでBlockchain Lockbox自身で取引を認証する必要がある。

今あるBlockchainウォレットとBlockchain Lockboxにつながったウォレットがどういう関係になるのか気になるところだ。Lockboxは一種の長期保管庫として働き、標準のBlockchainウォレットには少額のコインを保存しておき日常の取引に使用する。

Swapは、Blockchainが独自に作っている取引システム商品だ。独立した交換所になるのではなく、同社は複数の交換所システムと統合する計画だ。最終的にBlockchainは、非中央集権型取引プロトコルに対応して、交換所を経由することなくトークンの交換ができるようにすることを目指している。

Blockchain Lockboxの価格は99ドルで11月に発売予定。Blockchainはモバイル分野で非常に人気が高いので、Bluetoothやモバイルに対応したバージョンもでてくることを私は期待している。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

HTCがブロックチェーンフォーンのアーリーアクセスをデベロッパーや暗号家に提供、興味深い‘分散セキュリティ’技術

何か月も前から話題になっていたHTCのブロックチェーンフォーンが、ついにやってきた。今日(米国時間10/22)ベルリンで行われた暗号通貨に関するカンファレンスで同社は、Exodus 1の初期的バージョンを、限られた量ではあるがこの製品の同社の公式サイトより、“世界中の暗号研究家とデベロッパーに提供する”、と発表した。

“初期的バージョン”と断っているのは、最終的な製品ではない、ということだ。12月発売とされているが、現状は数か月前の漠然とした状態からあまり変わっていない。でも、信ずる者は救われる、と言うし、この製品にものすごく好奇心のある方なら、一台手に入れることはできる。当然支払いは、BitcoinまたはEthereumだ。

このフォーンの画像はまだ乏しいが、でもこのデバイスはHTCの最新の旗艦機であるU12と共通のデザインを多く使ってるようだ。たとえば背面は、半透明のガラスだ。まあ、それはたぶん、良いことだ。こういう新奇なデバイスは、独自の技術を強調したいあまり、デザインなどはおろそかにされがちだ。でもここでは少なくとも、しっかりとした、まともなスマートフォンが基本にあることだけは、確かなようだ。

フォーン本体はAndroidだが、暗号通貨の鍵などを保存しなければならないから、セキュリティを強化している。今後はもちろん、あらゆるデータをこのフォーンが保存しなければならない。それに関しては、失ったデータに分散的にアクセスするという、おもしろいファンクションを内蔵している。

HTCは、あなたのフォーンが紛失または盗まれたり、あなたが鍵を忘れたときのために、ユニークなSocial Key Recovery(ソーシャルな鍵回復)メカニズムを開発した。それは、ハードウェア上で失われた鍵を回復する容易で安全な方法だ。また、そのおかげで、鍵をHTC自身がどこかの中央的な場所に、たとえ一時的たりとも、保存することが確実になくなる。鍵に対するいかなる権利も、常時あなたご自身がそのすべてを維持する。HTCはあなたに、いくつかの信頼できるコンタクトを選ばせ、そのそれぞれが鍵管理アプリをダウンロードする必要がある。するとあなたのシードワードは秘密の共有アルゴリズムによって分割され、その信頼されたコンタクトへ送られる。そして必要なときには、あなたのファンドへのアクセスを成功裡に再獲得できる。

当面HTCは、この事業で技術のパイロットを行なう。そして、小さなコアグループのユーザーからのフィードバックを入手する。スマートフォン市場で苦戦している同社にとって、これが今後の主力デバイスになることは、想像しづらいけどね。

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ユーザーのコンピューターに暗号通貨の採掘マルウェアを植え付ける偽のFlashインストーラーが急増

かつて人気者だったWebのプラグインFlashが、まだなかなか死なないとお嘆きのあなた、実はそれは、あちこちに出没するFlashのインストーラーに寄生しているマルウェアも、すぐには死なないことを意味しているのだ。というよりむしろ、彼らの手口はますます陰険になっている。

Palo Alto Networksの最新の調査によると、最近急増しているFlashインストーラーは、暗号通貨を採掘するマルウェアをセキュリティの弱いコンピューターに投下するだけでなく、Flashがすでにあっても、また新たにインストールする。

研究者たちによるとそれは、本物のFlashインストーラーだと思わせるための、騙(だま)しの手段だ。

そのインストーラーを開くと、こっそりとXMRigがインプラントされる。それはオープンソースの暗号通貨採掘プログラムで、コンピューターのプロセッサーとグラフィクスカードを使って採掘を開始する。生成された通貨はすべて、Moneroのウォレットへ吸い上げられ、追跡はほぼ不可能になる。採掘マルウェアがインプラントされたら、次にインストーラーはAdobeのWebサイトから本物のFlashインストーラーをダウンロードして、Flashをインストールする。

研究者たちは今年の3月だけでも、100あまりの偽のFlashアップデーターを見つけた。

Flashという、長年バグの多い、攻撃されやすいプラグインが、今でも頭痛の種になっていることは、皮肉な現象だ。被害者候補のコンピューターにFlashがなくて、マルウェアをプッシュすることができなければ、ハッカーはそのイミテーションを使って、攻撃の足がかりにする。Flashが大きな問題になってからGoogleは、10年近く前に、Flashやその他のプラグインをサンドボックスに囲った。当時もFlashを利用するマルウェアが、蔓延していた。

でもその後、普遍的にサポートされていてFlashより使いやすいHTML5の普及とともに、Flashの利用は急速に衰退した。

Adobeは2020年に、Flashを引退させる予定だ。そのあとは、偽のFlashインストーラーも影を潜めるだろうか?

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

仮想通貨の巨人Binanceは法定通貨取り引きと非中央集権型取引所に未来を賭ける

Binanceは、1年前にどこからともなく現れたスタートアップだが、今や世界でもトップクラスの仮想通貨取引所になっている。それが、ビジネスを次の段階に推し進めようと、大きく動き始めた。これには、国際市場での法定通貨と仮想通貨の取り引き、そして同社の通貨取り引きサイトを補完する非中央集権型の取引所の開設といった計画が含まれている。

同社は、今の弱気な市場においてすら、毎日10億ドル以上の仮想通貨の取り引きを行っている。しかし今日まで、仮想通貨同士の取り引きしか許可されてこなかった。これは主に、法定通貨の交換サービスを認可する法的規制の問題に行く着くのだが、今はその転機を迎えている。

先週、シンガポールで開催されたCoindeskのイベントで、CEOの趙長鵬(ジャオ・チャンポン:CZ)は、世界中の市場に法定通貨の交換サービスが可能な取引所を大量に開設する計画を明らかにし、詳しい話をTechCrunchのインタビューで話してくれた。

「今のところ、私たちは中央集権型で仮想通貨同士の取り引きを行っています」と趙は話す。「法定通貨のゲートウェイは提供いていないので、そこは他社に依存しています。しかし、世界中の政治家と交渉したところ、法定通貨のチャンネルを持つことができました。法定通貨を、仮想通貨の世界へ簡単に持ち込めるようにしたいのです」

機関投資家による資金は確かに必要だ。Bloombergの分析によれば、仮想通貨の価格は1月の高値から55パーセントも下落した。そのため、Binanceのような主要プレイヤーは、この傾向を逆転させるために、大手による多額の資金援助が必要となる。不誠実な相場師が仮想通貨の世界から立ち去ることから、価格が下がることを歓迎する人も少なくないが、仮想通貨への関心の低下は、取り引きの促進によって利益を得ている人たちにとっては好ましくない。

趙は、今年中に3箇所の法定通貨取引所を開設し、2019年までに10箇所に増やす計画を口にしていた。「理想的には、ひとつの大陸に2箇所」とのことだ。この計画の目標のひとつには、大手の機関投資家が仮想通貨エコシステムに資金を投入しやすくすることがある。それによって、Binanceだけでなく、業界全体が潤う。

小売り業者と機関投資家との両方に対応したいと、彼は話す。「私たちは、ターゲットを小売り業者に絞ってきましたが、機関投資家が仮想通貨の世界に入ってくることを、とても楽しみにしています」

2018年7月、ツークで開催されたTechCrunchのブロックチェーン・イベントで話をするBinanceのCEO趙長鵬(写真:Daniel Vaiman/Explore To Create)

 

Binanceはすでにリヒテンシュタインで合弁事業を行っており、マルタで法定通貨を扱うこと、そしてシンガポールに取引所を準備していることを公表している。現在はまだ限定的なベータ版だが、シンガポールの取引所は、顧客確認、トレーディングフロー、スケーラビリティーといった分野の負荷テストを済ませた後、来月中には営業を開始するという。

Binanceが興味を示している他の市場について、彼はとくに言及していなかったが、いずれも仮想通貨の主要市場でありながら規制が厳しい中国、日本、アメリカは対象地域から除外すると明言している。中国は、少し前にICOと取引所を禁止した。アメリカは仮想通貨の解析を始めている。日本は、取引所で扱えるトークンの種類が制限されているなど、取引所の認可に関する規制が非常に厳格だ。

「日本では仮想通貨が発達していますが、取り引きに関する規制が厳しすぎます」と趙は言う。「そのため、取引所の開設がとても難しい」

実際、現地での営業を断念する前に東京にオフィスを構えていたことのあるBinanceが、日本で営業免許を取得しようとすれば、取り扱うトークンの種類を日本の規制に合わせて選び直さなければならない。だから、その判断は理にかなっている。いずれにせよ、趙にはまだ日本を再評価する気はなさそうだ。

Coinbaseはさらに多くの仮想通貨を準備しているようだ(本文は英語)

また趙は、中国のICOと取引所を禁止した決断を「評価する」と述べ、アメリカでは他社に重労働を丸投げできてハッピーだと話している。

「アメリカには興味がありますが、優先度は一番ではありません。他の人たちが私たちより先に入るでしょう」と彼はTechCrunchに語った。

ニューヨーク州司法長官Barbara Underwoodは報告書の中で、州の取引法に違反している可能性のある3つの取引所のうちのひとつとしてBinanceを挙げていることを考えれば、それは驚くに当たらない。これについて、趙はコメントを控えた。いずれにせよ、アメリカの法律の枠内で取引所を開設するためには、アメリカの規制の側にせよ、Binanceの側にせよ、変えなければならないことが山ほどある。

その代わりに、マルタやバーミューダのような仮想通貨に寛大な国に参入したBinanceは、提案中の取引所の開設に成功すれば、シンガポールにオフィスを構える予定だという。

法定通貨の他に、同社は、売り手と買い手が仲介者を通さずに直接取り引きできる非中央集権型取引所(DEX)の開設も目指している。

著名な人たちは、中央集権型取引所を非難してきた。イーサリアムの開発者Vitalik Buterinは、資金管理、資産選択、価格など、中央集権型取引所の多くのものを「地獄で燃やしてしまえ」とまで言い放っている。Binanceは、それが同社の市場ポジションであるという単純な理由から、独自のDEXを持つ他の企業と同程度に進歩しているようなので、他者を追随させることができるだろう。

BinanceのDEXは、今日行われている取り引きの流れを劇変させるだろうが、(趙がCoindeskに語ったところによれば、過去6カ月で3億5000万ドル(約395億円)の利益を出した)Binance自身は、それでも利益を上げることができる。なぜなら、そのDEXはBinance自身のブロックチェーン上で、同社のノードを大量に使って運用されるからだ。ノードが取り引きに使われれば、ネットワーク使用料が入ると趙は話している。

同時に、DEXの利用量が増えればBinanceのBNBトークンの価値も上がり、利益が得られると趙は主張している。

先日、Binanceは、DEXの本当に初期型のデモを公開したが(ネタバレになるが、大したものではなかった)、完全版のサービスが今年の年末か、遅くとも2019年の初めには使えるようになると趙は話している。現在はBinanceのCEOである趙だが、Bloombergに先物取引用のソフトウエアを開発していた経験もあり、プロジェクトの開発も指揮している。

「開発は順調です」と彼は言う。「私たちのDEXは非常にシンプルですが、高速です」

 

取引所のビジネス以外にも、Binanceは仮想通貨業界全体を成長させる事業にも取り組もうとしている。今年の初め、同社によると10億ドル(約1130億ドル)相当の投資ファンドの設立を発表した。企業と、新しい仮想通貨投資ファンドに直接投資するという。また、世界中でアーリーステージのアクセラレーター・プログラムを実施するという意欲的な計画もある。仮想通貨エコシステムを支援して、新しいビジネスの開発を助けることが狙いだ。

両方のプロジェクトを管理するBinance Labs部門の責任者Ella Zhangは、先月、ブロックチェーンと仮想通貨の実際の使用事例は、Binanceがビジネスとして「成功」するために欠かせないと、TechCrunchに率直に語っていた。

注:著者は少額の仮想通貨を保有している。理解を深めるためには十分だが、人生を変えるほどの額ではない。

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(翻訳:金井哲夫)

ウォルマートがbitcoinを1ドルで売っている

Walmartが、bitcoinを1ドルで売っている。でも暗号通貨の世界はつねに変化が激しいから、その一環としてこのデジタル通貨はチョコレートでできている。

Frankford Bitcoinsと名付けられたこのお菓子は、40グラムのミルクチョコレートをゴールドに着色したアルミフォイルで包んだもので、メーカーはFrankford Candyだ。去年は、ふつうのフォイルで包んだミルクチョコレートのコインがあった。でもbitcoinはコインとしては存在しないから、去年とはまったく違う。

bitcoinは分散デジタル通貨で、電子的に作られて保存される。Frankfordはそこに、ミルクチョコレートを加えた。

1947年に創業されたFrankford Candyは決して、暗号通貨の流行に便乗しようとした最初の企業ではない。ノンアルコール飲料のLong Island Iced Tea Corpを、誰が忘れようか。同社は社名をLong Blockchain Corpに変えて株価が6倍になった(Nasdaqは今年、同社の時価総額があまりにも低いので扱いから外した)。またアダルト向けのエンターテインメントを提供しているCamSodaのBitCastは、BitcoinとEthereumとLitecoinへのユーザーの投資と同期するバイブレーターなどの性具製品だ。

でもFrankfordのbitcoinなら、誰でも買える。本物のbitcoinは12月に20000ドルを超えてから急落し、今は6240ドルぐらいだ。

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ブロックチェーンを使用するIoTデバイスの開発が簡単にできる組み込みボードElkrem

スマートフォンをArduinoのボードに接続するツール1Sheeldを作った連中が、さらにおもしろいものを作った。彼らの新製品Elkremは、ブロックチェーンのIoTデバイスを作るためのスマートキットで、彼らはこのプロジェクトのためにEndure CapitalとConsensysから25万ドルを調達した。

ファウンダーのAmr SalehとIslam MustafaはTechCrunch Disrupt 2013で1Sheeldを発表し、その後120か国で数万台を売った。そして今度の彼らの製品は、完全にブロックチェーンがベースだ。

[Bitcoinを使用するキャンディーの自販機]

Salehは説明する: “Elkremは、ブロックチェーンハードウェアを開発するためのボードだ。ブロックチェーンのデベロッパーはハードウェア開発の詳しい知識がなくても、これを使って、ハードウェアのプロトタイプをDapps(分散型アプリケーション)に容易に統合できる。また電気工学のエンジニアやハードウェアのデベロッパーが、ブロックチェーンの詳しい知識がなくても、自分のハードウェアプロジェクトにブロックチェーンを接続できる。どちらもスマートコントラクトでアクチュエータをトリガでき、またセンサーのデータをスマートコントラクトへログできる”。

ボードはArduinoに似ていて、二つのプロセッサーとストレージとWi-Fiがある。プロセッサーのひとつはLinuxの彼ら独自の変種が走り、Ethereumや, IPFS, Swarm, Whisper, Bitcoin, Status.imなどへインタフェイスする。他方のプロセッサーは、もっぱらユーザーに対応する。

Salehは曰く、“うちの強みは、速い開発と速いプロトタイピング、そして速い市場投入だ。このボードがあれば、プライベートで分散型のIoTメッセージをピアツーピアの通信で送れる”。

つまり、このボードがあれば、ブロックチェーンを使うハードウェアの開発が簡単になる。Koynというライブラリを使って、Bitcoinによる決済をわずか1行のコードで処理でき、彼らはすでにサンプルプロジェクトとして、Bitcoin対応のキャンディーマシンや、Bitcoinで料金を払える電源コンセントなどを作っている。このボードは、年内にKickstarterにも登場する予定だ。

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ベネズエラが暗号通貨を発行して通常通貨と連結、ブロックチェーンの専門家は詐欺と呼ぶ

ハイパーインフレやそのほかの経済問題と格闘しているベネズエラが、前例のない思い切った手段に出た。同国の通貨を大幅に減価して名前を変えただけでなく、国が発行する暗号通貨Petroに連結した。後者は原油価格に応じて変動するが、この措置が何をもたらすのか、まだ誰も知らない。

Petroは今年の初めから、プライベートのバイヤー、次いで一般バイヤーに段階的に提供され、外国政府や、おそらく一部のプライベートバイヤから30億ドルを調達した。トランプ大統領は、アメリカの関与を禁じた

それは原油価格を反映する流動資産と想定され、もちろんシステムを大まかに説明するホワイトペーパーもあるが、そこに技術的詳細は欠けている。議会は国が発行する暗号通貨を憲法違反とし、ブロックチェーンの専門家たちはそれを詐欺と呼び、またロシアの陰謀説も捨てきれないようだ。Bloombergはマドゥーロ大統領の談話などを含む良質なまとめ記事を載せている。

マドゥーロ大統領の政権が作り出したこの企画は、同国の通貨の信用と安定性に寄与することが目的のようだ。強かったボリバルは、最近の10年間でその価値を90%以上失い、sovereign bolivarと改名され、インフレ前の価値に人為的に戻された。つまり2012年に100ボリバルだった食パンは先週10万ボリバル、理論的にはそれが100に戻るのだ。実際にそうなるのかは、わからないし、ブラックマーケットのインフレ率はもっと大きいだろう。これも、結果を誰も知らない。

なお、ぼくは経済学者ではないし、そうなるつもりもない。でも、国の法定通貨が国が発行する暗号通貨に連結されたのはこれが初めてであり、その意味ではブロックチェーンの世界における歴史的瞬間だ。これは国際社会にとって、いろんな意味でおもしろいが、今回のベネズエラのやり方はとうてい、理想的なやり方とは言えない。

実際には、おもしろいとは名ばかりで、ベネズエラの多くの人びとにとって原油価格と結びついた暗号通貨よりも欲しいのは、瓶入りの水や、赤ちゃんのおむつ、そしてこの国から出るための列車の切符だ。今後の結果は、どんな結果であれ教訓的だと思うが、路上にあふれているのは人道的危機であることを、忘れないようにしよう。ここでも、助けになるのは寄付だ

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ブロックチェーンを破壊するハッカーの手口をシミュレーションしてデベロッパーの事前対策を可能にするIncentivai

暗号通貨のプロジェクトは、人間がそのブロックチェーンを悪用すると破綻する。しかも分散デジタル経済が実際に動き出し、コインが離陸すると、それらを統治するスマートコントラクトの修復は難しい。あくまでも、デベロッパーによる事前対策が必要である。そこで、今日(米国時間8/17)ステルスを脱したIncentivaiは、その人工知能によるシミュレーションで、セキュリティホールを調べるだけでなく、ブロックチェーンのコミュニティを構成している人間たちの貪欲や非論理性にメスを入れる。暗号通貨分野のデベロッパーはIncentivaiのサービスを利用して、自分たちのシステムが動き出す前に、その欠陥を修復できる。

Incentivaiの単独のファウンダーPiotr Grudzieńはこう言う: “スマートコントラクトのコードをチェックする方法はいろいろあるが、新たに作った経済が期待通りに動くことを確認する方法はない。そこで私が考えたのは、機械学習のエージェントを利用するシミュレーションを作り、それが人間のように振る舞うことによって、システムの未来の振る舞いを予見する方法だ”。

Incentivaiは来週Y Combinatorを卒業するが、すでに数社の顧客がいる。顧客(ユーザー)は、Incentivaiの有料サービスにより自分たちのプロジェクトを監査してレポートを作るか、または自分でそのAIによるシミュレーションツールをホストしてSaaSのように利用する。同社がチェックしたブロックチェーンのデプロイは数か月後になるが、そのとき同社はすでに、そのプロダクトの有意義性を実証するための、いくつかのケーススタディーをリリースしているだろう。

Grudzieńは説明する: “理論的にあるいは論理としては、一定の条件下ではこれこれがユーザーにとって最適の戦略だ、と言うことはできる。しかしユーザーは、合理的でも理性的でもない。モデルを作ることが困難な、予想外の行動がたくさんある”。Incentivaiはそれらの理不尽な取引戦略を探求して、デベロッパーがそれらを想像しようと努力して髪をかきむしらなくてもよいようにする。

人間という未知数から暗号通貨を守る

ブロックチェーンの世界には巻き戻しボタンがない。この分散技術の不可変かつ不可逆的な性質が、良かれ悪しかれ、一度でもそれを使ったことのある投資家を遠ざける。ユーザーが偽りの請求をしたり、贈賄によりそれらを認めさせようとしたり、システムを食い物にする行動を取ったりすることを、デベロッパーが予見しなければ、彼らは攻撃を阻止できないだろう。しかし、正しくてオープンエンドな〔固定しない〕(AIに対する)インセンティブがあれば…これが社名の由来だが…AIエージェントはなるべく多くの収益を得るために自分にできることをすべてやってみて、プロジェクトのアーキテクチャにあるコンセプトの欠陥を明らかにするだろう。

Grudzieńはさらに説明する: “この〔すべてをやってみるという〕やり方は、DeepMindがAlphaGoでやったものと同じで、さまざまな戦略をテストするのだ”。彼はケンブリッジの修士課程でAIの技能を究め、その後Microsoftで自然言語処理の研究を担当した。

Incentivaiの仕組みはこうだ。まず、デベロッパーは、ブロックチェーンの上で保険を売るなどの、自分がテストしたいスマートコントラクトを書く。IncentivaiはそのAIエージェントに、何を最適化するのかを告げ、彼らが取りうるすべての可能なアクションを羅列する。エージェントの役柄はさまざまで、大金を手にしたいと思っているハッカーだったり、嘘をばらまく詐欺師だったり、コインの機能性を無視してその価格の最大化だけに関心のある投機家だったりする。

そしてIncentivaiはこれらのエージェントにさらに手を加え、彼らを、ある程度リスク忌避型だったり、ブロックチェーンのシステム全体を混乱させることに関心があったり、といったタイプにする。それから、それらのエージェントをモニターして、システムをどう変えればよいかというインサイトを得る。

たとえば、トークンの不均一な分布がパンプ・アンド・ダンプ(pump and dump, 偽情報メールによる価格操作詐欺)を招く、とIncentivaiが学習したら、デベロッパーはトークンを均一に分割して、初期のユーザーには少なめにする。あるいはIncentivaiは、認められるべき支払請求をユーザーが票決する保険製品は、投票者が偽の請求を偽と立証するために支払う債権価格を上げて、詐欺師から収賄しても投票者の利益にならないようにする必要があることを、学ぶかもしれない。

Grudzieńは、自分のスタートアップIncentivaiについても予測をしている。彼の考えによると、分散アプリケーションの利用が上昇すれば、彼のセキュリティサービスのやり方を真似るスタートアップが続出するだろう。彼によると、すでに一部のスタートアップは、トークンエンジニアリングの監査や、インセンティブの設計、コンサルタント活動などをやっているが、ケーススタディーを作る機能的シミュレーションプロダクトは誰もやっていない。彼曰く、“この業界が成熟するに伴い、そういうシミュレーションを必要とする、ますます複雑な経済システムが登場するだろう”。

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メッセージング企業のLINEが暗号通貨に特化したファンドを立ち上げ

メッセージング企業のLineは暗号通貨の世界への深入りを続けており、今回は1000万ドルの投資ファンドの立ち上げを発表した

このファンドを運用するのはLineの韓国にあるブロックチェーン子会社Unblock Corporationで、ここはブロックチェーン関連の研究調査や教育などのサービスを担当している。ファンドはUnblock Venturesと呼ばれ、最初の資本プールは1000万ドルだが、Lineによると今後徐々に増加するだろう、という。

同社によるとこのファンドは主に初期段階のスタートアップへの投資を対象とするが、それ以上の詳細は提供されていない。

Lineは東京とニューヨーク証券取引所で上場している。このファンドにより同社は、暗号通貨に特化した投資ビークルを作った最初の上場企業になる。その目的は、“暗号通貨とブロックチェーン技術の開発と採用を推進するため”、という。

Lineによると、そのメッセージングアプリのユーザーは2億に近くて、とりわけ日本、台湾、タイ、そしてインドネシアで人気がある。同社は、決済、ソーシャルゲーム、ライドシェア、フードデリバリーなど、そのほかのインターネットサービスも提供している。

今回のファンド創設は、先月のBitBox取引所の開設に次ぐ同社の今年二度目の、暗号通貨関連の大きな動きだ。それはまだアメリカや日本を対象にしないが、Lineは今後、メッセージングサービスなどそのほかの機能との緊密な結びつきを作っていきたいようだ。

今年は1月にBitcoinが記録的高値の2万ドル近くまで上がり、Ethereumなども上げたが、その後多くの暗号通貨が深刻に落ち込んでいる。にもかかわらずの、Lineの今回のファンド立ち上げだ。今週はEthereumが300ドル以下まで下がって、初めての大きな危機を経験した。Bitcoinは長年乱高下を経験しているが、1月の価格はまるでゲームが大きくレベルアップしたみたいだった。

注記: 筆者は、少量の暗号通貨を保有している。それは勉強のためには十分な量だが、自分の人生を左右するほどの量ではない。

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Operaがモバイルブラウザーに暗号通貨のウォレットを装備、決済機能も

OperaのAndroid用ブラウザーでもうすぐ、暗号通貨を保存できるようになる。そのシステムはまだベータだが、ユーザーが自分のブラウザーに暗号通貨とERC20トークンを保存でき、暗号通貨の送受をオンザフライでできる。そしてウォレットのセキュリティを、ユーザーのフォーンのバイオメトリクスやパスワードで守る。

ベータを試したい人は、ここで登録する。

この機能はCrypto Walletと呼ばれ、同社によると、これにより“Operaはメジャーなブラウザーとしては初めて、暗号通貨のウォレットを内蔵する”。この機能によりブラウザーの中で小額決済ができるようになり、他のブラウザーが同様の機能で後続するための道を拓(ひら)く。

プレスリリースより:

今日のWebは、明日の分散化したWebへのインタフェイスになる、とわれわれは信じている。そのためにわれわれは、われわれのブラウザーを、両者をつなぐ橋として選んだ。暗号通貨のウォレットを内蔵することによって、情報にアクセスするツールとしてのブラウザーの役割を刷新し拡張できると考えている。その刷新と拡張により、ブラウザー上でオンラインのトランザクションができるようになり、ユーザーのオンラインのアイデンティティを、彼らにより多くのコントロールを与える形で管理するだろう。

ウォレット間で送金できたり、Dapps(分散型アプリケーション)と対話することに加えて、これからのOperaは暗号通貨によるオンラインの決済を、商業者がそれをサポートしている場合にはサポートする。Coinbase Commerce対応の商業者への支払いを暗号通貨で行いたいユーザーには、画面に決済リクエストダイアログが表示され、ユーザーの署名を求める。それにより決済にはサイン(署名)がつき、ブラウザーから直接送信される。

この技術はまだきわめて初期的段階だが、でもメジャーなブラウザーがこの分野に参入してくるのはおもしろい光景だ。SafariやEdgeが暗号通貨をサポートするのはまだまだ先だが、Chromeをはじめオープンソースのブラウザーなら、需要さえ十分にあればこの機能をすぐにでも実装できるだろう。

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何千もの暗号通貨プロジェクトがすでに死んだ、そして詐欺も多い

失敗した暗号通貨プロジェクトの目録を熱心に作り続けているCoinopsyDeadCoinsによると、2018年に失敗したプロジェクトは現時点(6月)で1000を超える。それらのプロジェクトは、本物のabandonware(アバンダンウェア)から単なる詐欺にいたるまでさまざまで、その中には、二人の“自称兄弟”Jack/Jay Brigによる詐欺BRIGや、SECによる捜査で終わったTitaniumなどもある。

どんな分野でも新人は自分たち独自のルールを作って新機軸を志向するが、ブロックチェーンの世界でもまさにそれが起きている。しかし彼らが相手にしているのは、トークン(私的代用通貨)による資金調達という、大きな可能性の世界だから、発生する諸問題も大きい。スタートアップに失敗はつきものでも、これらのプロジェクトを洪水のように押し流す膨大なキャッシュの量が、大きな問題だ。スタートアップが、あまりにも多くの燃料をあまりにも短期間で入手すると、それによって起きる大火災は会社とファウンダーの両方を焼きつくし、そのあとに、投資家の救いになるものは何もない。

そんな大火災は至るところで発生し、今やグローバルな現象だ。2017年には、詐欺と死んだICOの調達総額は10億ドルに達し、その中には、いかがわしいスタートアップが297社もいる

破綻したICOを“修復する”と称する、ケープタウンのCoinJanitorのような怪しげな企業もいるが、そんな、明日になったら夜逃げして行方不明のような企業が多いことは、この業界にとって良い前兆ではない。

ICOで資金調達をしたスタートアップは現在、結果的/実質的に、マルチ商法(multi-level marketing, MLM)のような策略で事業を構築している。そうではなくて彼らは、KickstarterやIndiegogoにページを持つべきだ。これらのクラウドファンディングプラットホームは、信頼をアートにした。お金を出した支援者たちは一種のチームであり、それがプロジェクトとリスクとアイデアの未来を定義する。多くの資金がなくても、容易にビジネスを構築できる。残念なことに、合理的な思考よりもむしろ貪欲を教唆するために現在のICO市場が使っているロックアップ(監禁、封じ込め)と詐欺的な価格設定は、業界を支えるのではなく、傷つけている。

ではどうすべきか? 失ってもよい額だけを投資し、どんなトークンにも失敗がありえることを覚悟しよう。そして究極の望みは、万一失敗しなかったときの嬉しい意外性だ。それ以外では、あなたは失望の世界へ向かって踏み出すのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Facebook、暗号通貨広告を部分的に解禁――ICO、バイナリーオプションは引き続き禁止

Facebookは暗号通貨関連広告を全面的に禁止する方針を撤回した。広告収入の可能性は無視し続けるには大きすぎたようだ。今日(米国時間6/26)、Facebookは暗号通貨の広告を禁止した約款を改正したことを発表した。新約款は直ちに実施された。

暗号通貨広告はすべてが解禁されたわけではない。Facebookによれば、広告主は事前に承認を受けた上で暗号通貨関連の出広が可能となる。ただしバイナリーオプションとICOのプロモーションは引き続き禁止される。

Facebookは今年1月に暗号通貨広告をすべて禁止した。Facebookはこの理由を、「現在この分野では不誠実な運営を行っている会社が多過ぎる」からだと説明していた。

Facebook自身、「暗号通貨関連の広告を全面的に禁止するのは影響の大きい方針転換」だと認めたものの、新方針は「Facebookの広告の「正当な運用とセキュリティーを改善し、Facebookを利用して悪事を企み利益を得ることを困難にする」ものだとしていた。

ただしFacebookでは、悪質な広告に対する防衛機能が改善されるに従ってこの方針は随時再検討されるとも述べていた。

その後6ヶ月経って、Facebookは暗号通貨広告の津波と戦う用意ができたようだ。

新しい手続きはこうだ。 広告主はまず出広の申し込みを行い、審査を受ける必要がある。広告主は、ライセンスの状態、上場企業か否か、など企業の現状について詳しく答えねばならない。

ただしこうして広告主から得られた情報についてFacebookがどの程度のファクトチェックを行うのかは現状では不明だ。

Facebookは他の広告同様、暗号通貨関連広告に関してもガイドライン違反を指摘する「この広告を通報」機能を用意すると述べている。つまり悪質な広告が多少は紛れこむことを予期しているのだろう。

Facebookでは新約款でも依然としてある種のプロダクトの広告が禁止されている点について注意を喚起すると同時に、今回の出広規則も暫定的なものだと強調している。Facebookのプロダクトマネジメント担当ディレクター、Rob Leathernは声明で以下のように述べている。

…新約款の有効性や影響についてわれわれはフィードバックを注意深く検討していく。〔暗号通貨〕テクノロジーについても引き続き研究を続け、必要に応じて約款を見直す。

Facebookが暗号通貨広告を禁止した後、3月にはGoogleもこれに続いた。このときGoogleはこの分野の広告は公的規制下になく投機的なものが多いからだと説明している。新しい規則は6月から有効となっている。TwitterとSnapも暗号通貨広告を制限する規則を制定している。Twitterの場合は上場企業による取引所とウォレットの広告のみ許可している。SnapはICOの広告を禁止しているが、それ以外の暗号通貨広告は許可される。

暗号通貨分野ではスカム(インチキなビジネス)が横行している。FacebookやGoogleのようなメジャーなプラットフォームはどんな広告が許されるのか、ルールを制定して規制を行う必要があるだろう。月曜にCoindesk が報じたところでは、FTC〔連邦取引委員会〕の調査で、暗号通貨に関連して、2018年の最初の2月だけで5億3200万ドルの詐欺があったことが判明したという。FTCでは「年末までに詐欺被害額は30億ドルに上る可能性がある」lと警告している。

画像:ryce Durbin/TechCrunch

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Chris Dixonインタビュー:Andreessen Horowitz、3億ドルの暗号通貨ファンド結成――元連邦検事が女性初の共同責任者に

シリコンバレーを代表するベンチャーキャピタルの一つ、Andreessen Horowitzがビッグニュースを2つ発表した。今日(米国時間6/25)、同社は総額3億ドルの暗号通貨専門ファンドの設立を完了した。Cryptoファンドは先週、Andreessen Horowitzのリミッテッド・パートナーから出資契約を得ていた。

Cryptoファンドは最近シリコンバレーのベンチャー業界最大の話題となっていた。というのも他のベンチャーキャピタルも暗号通貨テクノロジーに対する戦略を決めようとしており、この5年間、暗号通貨への投資を着実に増やしていたAndreessen Horowitzの動向を注視していたからだ。

もうひとつのビッグニュースは、創業9年になるAndreessen Horowitzに初めて(ついに)、女性のジェネラル・パートナーが誕生したことだ。Katie(Kathryn) Haunは以前からジェネラル・マネージャーを務めるChris Dixon(筋金入りの暗号通貨支持者)と共にAndreessen Horowitzの暗号通貨ファンド担当のジェネラル・パートナーに就任した。Haunの株はこの数年シリコンバレーで上昇を続けていたので同社がジェネラル・パートナーに選んだことは意外ではない。

Haunは司法省の連邦検事を10年以上務め、証券取引委員会、FBI、財務省などと協力して詐欺、サイバー犯罪、企業のコンプライアンス違反の捜査と訴追に当ってきた。Haunの略歴には司法省初のデジタル資産担当調整官という職務もみえる。中でも注目すべきなのは、暗号通貨取引所の歴史で最大の経済事件となった、Mt. Goxの不正を捜査し、オンラインの麻薬や違法物質の取引所となっていたSilk Roadを捜査するチームに加わっていた点だろう。Haunはまたスタンフォード大学ビジネススクールの講師、暗号通貨取引ネットワーク、Coinbaseの取締役を務めている。 Andreessen HorowitzはCoinbaseの最初期からの出資者で、Dixonが取締役だったためHaunと知り合ったという(2人は現在も取締役)。

今日、TechCrunchはChris Dixonにインタビューすることができた。われわれはファンドの詳細、特にDixonとHaunが投資先の暗号通貨スタートアップのエグジット(現金化)についてどう考えているかを尋ねた。これまでのところクリプト企業がエグジットに成功した例は少ない。なお、読みやすさと文章量を考慮して以下のテキストには若干の編集が行われている。

Chris Dixonインタビュー

TC: 3億ドルの出資者の大部分はもともとAndreessen Horowitzの本体のファンドの出資者だと思うが、暗号通貨ファンドの結成は今後の本体ファンドの結成に何らかの影響を与えるだろうか? つまりAndreessen Horowitzは暗号通貨分野にこれまで以上に力を入れ、反面、他の分野への投資は減少することになるのだろうか?

CD: 答えはノーだ。われわれはこれまで投資してきた分野への投資をフルスピードで続ける。Cryptoファンドの結成はこの分野への努力を倍加するということであり、コンシューマー向け、エンタープライズ向けのプロダクトだろうと、バイオ・テクノロジーだろうと、これまでのコミットメントを減少させることはまったくない。

TC: 新しいファンドが他の暗号通貨ファンドに投資することはあり得る? Union Squareはこれを積極的に推し進めているが?

CD: あり得る。しかし当面そのつもりはない。われわれは暗号通貨ビジネスについて学ぼうと考え、Polychainその他何社かに1年半前から投資を始めている。今回暗号通貨を専門とする本格的ファンドが作られ、初期段階、後期段階両方の暗号通貨プロジェクトに出資できる体制が整えられた。われわれの使命はあくまでそうしたスタートアップへの直接投資だ。もっとも何ごとであれ「絶対ない」と言うつもりはない。

TC: Andreessen Horowitzはこれまでに何件ほど暗号通貨プロジェクトに投資してきたのか? そのうちの何件かは新しいファンドに移管されるのか?

CD: われわれはこの5年で20件程度の暗号通貨投資を行っている。. [Bitcoinのライバル] Ripple は私の最初の暗号通貨投資で、2013年1月のことだった。その後、同年中にCoinbase、21.coに投資した(同社はEarnになり、今年Coinbaseが買収している)。 その他、OpenBazaar、Mediachainにも投資した。やがてEthereumがスタートして暗号通貨分野の動きが激しくなってきた。才能ある起業家や優秀な企業が参入し始めた。われわれの[既存の暗号通貨プロジェクトへの]投資は当初の枠組みのまま本体ファンドに残る。

TC: 新ファンドですでに投資を決めた案件は?

CD: いくつか検討中のプロジェクトがある。ただし決定したものはない。

TC: このファンドの投資はどのような形態になるのか?

CD: エクイティー〔株式〕投資の一部はトークンによる投資 [つまりスタートアップがトークンを発行し、投資家が購入できる場合]が行われるだろう。われわれは〔適格投資家のみを対象とする〕SAFTによる投資も実施している。 われわれはまたストレートなBitcoinやEthereumの購入という形式でも投資してきた。しかし〔Andreessen Horowitzの〕本体ファンドでは投資方法に限界に突き当たった。そこで優秀な起業家がビッグかつ重要なアイディアを実行に移そうとしており、それに経済的将来性があるなら、あらゆる方法で投資したい。そこで条件を整えた専門ファンドを結成したわけだ。

TC: そうした投資のエグジットはどうなるのか?

CD: いい質問だ。これまでわれわれは暗号通貨資産を売却したことはない。この業界のプレイヤーの多くはデイトレーダーだ。しかしわれわれは投機筋ではなく、投資家だ。われわれはどんな投資も5年から10年にわたってポジションを維持していく考えだ。こうしたスタートアップの一部が発行するトークンは自由に流通するようになるだろうから、そういう形でのエグジットも可能だろう。いちばん可能性が高いシナリオは、アーリー・ステージの暗号通貨プロジェクトに投資し、引き換えにデジタルコインあるいはトークンを受け取ることだろう。その後プロジェクトが成功すればこうしたデジタル資産はそれに応じた評価を受ける。しかし何億という人々に利用されるようになることを目標とするプロジェクトの場合、われわれはそうした目標が実現するまでエグジットを考えることはない。

TC: ファンドの出資者に対してトークンで払い戻しを行うことはないと考えていいだろうか?

CD: そのとおり。われわのリミッテッド・パートナーは通常のキャッシュを好んでいる。

TC: 投資先企業における持ち分比率についてどのように考えているか?

CD: 伝統的なベンチャーキャピタルのビジネスモデルでは10%から20%の持ち株比率を目標とする。しかし暗号通貨スタートアップの場合は固定的な持ち株比率を考えるのは現実的でない。ごく初期のプロジェクトでは持ち株比率が会社評価額と連動するからそれを目安とするかもしれない。しかし一般的に言って、われわれは率ではなく額を問題にする。この投資は元が取れるほど成功しそうか、といったことだ。次のビッグウェーブに登場する企業はわれわれがこれまで経験したのに比べて10倍も大きくなるだろう。

TC: ICOについてどう考えるか? 将来適格投資家以外にもトークンを広く販売する予定の会社にも投資する予定か?

CD:適切に実施されるならICOは暗号通貨へのアクセスを拡大し、デモクラタイズする。これは正しい考えだと思う。参加者を増やすために役立つアイディアはなんであれ歓迎だ。しかし現在実施されている多くのICOは規則を忠実に守って実施されているとは考えられていない。われわれはこうしたICOには一切関与して来なかった。われわれはFilecoinに投資しているが、このICOの対象は厳密に適格投資家に限られていた。

TC: 投資における利益相反についてどう思うか? この分野はスタートしたばかりなので同種の企業に投資する制限についてもこれまでの例とは異なる点が多いのではないかと思う。伝統的分野におけるベンチャー投資では、当然ながら、複数のライバル企業に投資するのはタブーだが。

CD: クリプト企業への投資では伝統的なベンチャー企業への投資とは行動基準が違ってくる。基本的にベンチャーキャピタルは直接の競合関係になる会社の双方に投資してはならない。しかし暗号通貨では倫理が異なる。企業同士はライバルというより協力関係にあることが多い。この分野の参加者はパイ一切れの大きさを巡って戦うのでなしに、まず協力してパイ全体を大きくしたいと考えている。われわれは競合するプロジェクトへの投資が行われないようチェックしてきた。しかし暗号通貨のような動きの速い新興マーケットでは固定的なカテゴリーで考えることは難しい。この分野での投資基準はまだ確立していないが、たとえば、暗号通貨を複数の種類支援することはあり得る。

TC: Basisの投資家の1人としてステーブルコインについてどう考えているか? 価値が不規則に変動せず安定したプロダクトを作り出そうとしているスタートアップだが、暗号通貨が広く利用されるためには価格安定性が必須だろう。ステーブルコインでは複数のプレイヤーが存在する余地があると考えるか?

TC: われわれはBasisだけでなくMakerにも投資している。両者の仕組みは大きく異なるが、われわれは相互補完的だと考えている。投資を決定する際に両者に詳しく話を聞いた。ステーブルコインというアイディアは重要だ。暗号通貨がメインストリームになるためには、現在のような価値がボラタイルな通貨でなく、アメリカ・ドルのような安定した外部の価値によって担保される仕組みが必須だ。そうした重要性を持つインフラだけに、勝者は複数存在することになるだろう。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+